JP2014037612A - 低摩擦化能が付与された超硬合金及びその製造方法、並びに超硬工具 - Google Patents

低摩擦化能が付与された超硬合金及びその製造方法、並びに超硬工具 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的な強度を維持しつつ、工具基体を構成する超硬合金の潤滑性を向上する。
【解決手段】炭化タングステン(WC)とこのWCの粒子間を結合する結合金属とを有する超硬合金であって、WCの粒子間を結合する結合金属中に六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒を分散形成し、低摩擦化能を付与した。この超硬合金は、WC粉末とこのWCの粒子間を結合する金属粉末を混合した混合粉末中に、B,HBO,h−BN,WB及びTiBからなる群から選ばれる1種をB供給源として分散混合した材料から作製される。B供給源を分散混合した超硬合金粉末は、圧縮成形される。この圧縮成形された成形体は、窒素加圧雰囲気中で窒化処理することにより、WCの粒子間を結合する結合金属中に、六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒を分散形成した超硬合金とされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、低摩擦化能が付与された超硬合金及びその製造方法、並びに、切削工具や金型を含む超硬工具に関する。
切削加工時の衝撃的負荷に対し高い耐衝撃性(抗折力)を維持しつつ、潤滑性が付与され、長期の使用に亘って優れた仕上げ面精度を維持し、しかも、安定した切削性能を発揮する超硬工具が鋭意研究されて提案されている。この種の超硬工具として、炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメット、あるいは立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料からなる工具基体の表面に、チタンの窒化物(以下、TiNで示す。)層、チタンの炭窒化物(以下、TiCNで示す。)層、チタンとアルミニウムの複合窒化物(以下、TiAlNで示す。)層などの硬質被覆層を蒸着形成したものが提案されている。
この種の超硬工具は、例えば各種の鋼や鋳鉄などの切削加工に用いられている。さらに、被覆工具と被削材間の潤滑性を高め切削抵抗を低減するために、硬質被覆層のさらにその表面に潤滑層若しくは潤滑膜を形成した被覆工具も知られている。
例えば、工具基体の最上層に潤滑膜を形成して潤滑性を向上した切削用の超硬工具として特許文献1に記載されたものがある。特許文献1の超硬工具は、工具基体表面に形成した硬質皮膜層のさらにその表面に、スパッタリング法を用いてMoSあるいはMoSの混合物皮膜を被服形成することにより潤滑性の向上を図っている。
また、この種の超硬工具の他の例としてとして特許文献2に記載されたものがある。特許文献2に記載される超硬工具は、工具基体の表面に形成したTiN層、TiCN層、TiAlN層のさらにその表面に、イオンプレーティング法によりMOY(但し、MはSi,Zr,Ni,Fe,Co,Crのいずれか1であり、0.2≦Y<2とする。)等からなる潤滑膜を形成することにより潤滑性の向上を図っている。
さらに、工具基体の表面に形成されたTiN層、TiCN層、TiAl層からなる硬質被覆層のさらにその表面に非晶質窒化珪素膜からなる潤滑膜を形成した切削用の超硬工具にあっては、切刃に対して衝撃的・断続的負荷が作用する湿式断続切削加工に適用したときに、チッピングや欠損等の異常損傷を抑制でき、長期の使用に亘って、すぐれた仕上げ面精度を維持し安定した切削特性を発揮することが知られている(特許文献3。)これは、非晶質窒化珪素膜が、優れた潤滑性を備えることによる。
さらにまた、工具基体を炭化タングステン(WC)基超硬合金焼結材料により形成した超硬工具において、上記工具基体の表面に立方晶窒化ホウ素(以下、c−BNとい。)、六方晶窒化ホウ素(以下、h−BNという。)及びアモルファス窒化ホウ素(以下、a−BNという。)の混合相からなる複合硬質相の膜を形成し、優れた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮させたものが提案されている(特許文献4)。
特表平11−509580号公報 特開2000−233324号公報 特開2011−51033号公報 特開2011−194512号公報
各種の鋼や鋳鉄などの被切削材料に切削加工を行う分野では、切削加工工程の自動化の伸展が著しいばかりか、切削加工に対する省力化とともに省エネルギー化が進められ、さらには、切削加工の一層の低コスト化が要求されている。このような技術課題の実現とともに低コスト化を実現するための切削加工条件に加え、一層の高速条件下での切削加工が要求されている。
また、金属材料等の加工材料を一定の形に成形するために用いられる金型においても、成形加工面の潤滑性が要求されている。しかし、内周面で加工材料の成形を行う金型にあっては、その構造から切削加工用の工具のように、工具基体の表面に潤滑性に優れた膜を形成することが極めて困難である。
そこで、本発明は、被切削材料の切削加工の一層の高速化を図り、超硬合金を用いた金型の潤滑性の向上を実現するため、低摩擦特性に優れた超硬合金及びその製造方法、さらに、この超硬合金を基体に用いた切削用の工具、さらには金型を含む超硬工具を提供することを目的に提案されたものである。
本発明者等は、切削用の工具、さらには金型を含む超硬工具の低摩擦特性の改善に、個体潤滑剤として知られているh−BNに着目した。
このh−BNが基体表面の潤滑層を形成するために用いられた例として、c−BNの被覆層を形成するときの複合材として使用された例はあるが、TiN等のように工具基体表面に単独で成膜されて潤滑層を形成するように用いられた例はない。すなわち、h−BNは、単独で工具基体の表面に成膜され、超硬工具の被覆層を形成したときに、この工具の機械性能を低減させるだけであって、TiN等のように超硬工具の潤滑剤として機能することができなかったためである。
そこで、本発明は、上述のような工具基体の表面に潤滑層を形成する構成を採用することなく、潤滑性に優れ、しかも高い機械的な強度を有する超硬合金及びその製造方法を提供し、さらには、この超硬合金を工具基体に用いた切削用の工具、さらには金型を含む超硬工具を提供することを目的に提案されるものである。
本発明者等は、潤滑性の向上を図り、機械的な強度の向上を実現することにより、研削物の被加工物の研削などに用いるときに生ずる異常損傷の発生を抑え、長期の使用に亘って、優れた仕上げ面精度を維持し、安定した加工特性を発揮する切削用の工具、さらには金型を含む超硬工具を開発すべく鋭意研究を行った結果、優れた低摩擦化能を実現した本発明の開発に成功したものである。
本発明は、上述したような特性を実現した超硬合金及びこの超硬合金を用いた超硬工具であって、工具基体を構成する超硬合金の潤滑性を向上することにより、被加工材に切削等の加工を施すときに生ずる異常損傷の発生を抑え、長期の使用に亘って、優れた仕上げ面精度を維持し、安定した加工特性を実現したものである。
まず、本発明は、炭化タングステンの粒子間を結合金属により焼結結合した炭化タングステン基超硬合金であって、上記炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属中に、六方晶窒化ホウ素(h−BN)を分散形成して低摩擦化能を付与した超硬合金である。さらに、前記炭化タングステン粒子の少なくとも一部は、炭化タングステン核と炭窒化タングステン周辺組織の二重構造とされている。
本発明に係る超硬合金において、炭化タングステン粒子の少なくとも一部が、炭化タングステン核と炭窒化タングステン周辺組織の二重構造を形成している。
そして、本発明に係る超硬合金において、WCの粒子間を結合する結合金属中に形成されたh−BNは、ホウ素(B)換算で10〜1500ppmの範囲にあることが望ましい。さらに、WCの粒子間を結合する結合金属中に形成されたh−BNは、ホウ素(B)換算で10〜1000ppmの範囲にあることが望ましく、さらに望ましくは、ホウ素(B)換算で10〜500ppmの範囲にあることが望ましい。
ところで、WCの粒子間を結合する結合金属中に析出されるh−BNの結晶粒は、1μm以下であることが望ましい。
さらにまた本発明は、上述したいずれかの超硬合金を工具基体に用いた切削用の工具、さらには金型を含む超硬工具である。
また、本発明は、低摩擦化能が付与された超硬合金の製造方法であって、炭化タングステン粉末と炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属粉末を混合した混合粉末中にホウ素(B)供給源を分散混合した超硬合金粉末を作製し、次いで、上記超硬合金粉末を圧縮成形して圧粉体を形成し、その後、上記圧粉体を窒素加圧雰囲気中で窒化処理し、炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属中に、六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒を分散形成する。
ここで、圧粉体が真空中で加熱焼結され、その後窒化処理されることにより、結合金属中にh−BNの結晶粒が分散形成される。h−BNの結晶粒は、1μm以下の粒子として結晶金属中に分散形成されることが望ましい。なお、圧粉体を窒化処理する工程は、圧粉体を加熱焼結する工程中で行うようにしてもよい。
結合金属中に六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒を形成するために用いられるB供給源は、B,HBO,h−BN,WB及びTiBからなる群から選ばれる1種を用いることができる。
また、本発明に係る低摩擦化能が付与された超硬合金の他の製造方法は、炭化タングステン粉末と炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属粉末を混合した超硬合金粉末を作製し、次いで、上記超硬合金粉末を圧縮成形して圧粉体を形成し、その後、溶媒にB供給源を溶解したB供給源溶液を上記圧粉体の表面から供給し、上記圧粉体内部に上記B供給源を分散供給し、次いで、上記圧粉体を窒素加圧雰囲気中で窒化処理し、上記炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属中に、六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒を分散形成するようにしたものである。
ここで、圧粉体が真空中で加熱焼結され、その後窒化処理されることにより、結合金属中に六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒が分散形成される。なお、圧粉体を窒化処理する工程は、圧粉体を加熱焼結する工程中で行うようにしてもよい。
結合金属中に六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒を形成するために用いられるB供給源溶液は、B供給源をホウ素換算で0.02重量%以上4重量%以下の割合で溶液に溶解させたものを用いることが望ましい。
本発明は、WC基超硬合金を構成するWCの粒子間を結合する結合金属中にh−BNの結晶粒を分散形成したことにより、抗折力の低下を招くことがなく、超硬工具に加工にしたときに要求される抗折力を維持しつつ摩擦抵抗を低減させることができる。そして、この超硬合金を工具基体に用いた切削用の工具、さらには金型を含む超硬工具は、各種金属の切削や成形等の加工工程に用いたときに異常損傷が発生することを抑えることができ、さらに、長期の使用に亘って、優れた仕上げ面精度を維持して安定した加工特性を実現できる。
また、本発明による製造方法を採用して製造される超硬合金は、B供給源がその内部に分散された圧粉体を窒素加圧雰囲気中で窒化処理して形成されるので、WCの粒子の一部若しくは全てがWC核と炭窒化タングステン周辺組織の二重構造となり、低摩擦能がさらに改善される。
本発明に係る超硬合金を基体に用いた切削用の工具、さらには金型を含む超硬工具は、低摩擦特性に優れ、一定の抗折力を維持しているので、切削や成形の加工能率を向上し、長寿命化を実現できる。
本発明に係る超硬合金の結合金属中に六方晶窒化ホウ素(h−BN)が形成されていることを示すX線吸収分光測定(XANES)スペクトル解析図である。 本発明に係る超硬合金を用いて形成した超硬工具の端面を鏡面加工した後食刻を施した超硬工具を構成する超硬合金の組織を走査型電子顕微鏡により観察した写真である。 本発明に係る超硬金属を用いた超硬工具と従来の超硬工具の摩擦係数をボールオンプレート法を用いて測定した結果を示すグラフである。 本発明に係る超硬合金であって、WC粒子が二重構造となった超硬合金を用いた超硬工具と従来の超硬工具の摩擦係数をボールオンプレート法を用いて測定した結果を示すグラフである。
本発明に係る超硬合金は、炭化タングステン(WC)を主体とする超硬合金であって、WCの粒子間を結合する結合金属中に六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒を分散形成し、低摩擦化能を付与したものである。
なお、本発明に係る超硬合金の結合金属としては、Co,Ni,Co−Ni合金,Fe−Ni合金及び20重量%以下のW,Cr,Mo,Vを固溶したCo−W合金,Ni−Cr合金,Co−Cr−V合金,Co−Ni−Cr合金,Co−Ni−W−Cr合金又はFe−Ni−Co−W−Cr−Mo合金などを用いることができる。なお、超硬合金中の結合金属の含有量は、超硬合金の全体に対し3重量%未満では合金内部に空孔が残存し強度・靱性が低下し、30重量%を超えると硬さや耐摩耗性が低下するため、3〜30重量%の範囲にあることが適当である。
本実施の形態に係る超硬合金は、次のような工程で製造される。まず、超硬合金粉末を構成するWC粉末とWCの粒子間を結合する金属粉末を混合した混合粉末中に、B,HBO,h−BN,WB及びTiBからなる群から選ばれる1種をB供給源として分散混合する。次いで、B供給源が混合された超硬合金粉末材料にパラフィンワックスを添加して完成粉末とする。そして、このB供給源が混合された超硬合金完成粉末を圧縮成形し圧粉体とする。次いで、この圧粉体の脱脂を行う。その後、圧粉体を、真空中で加熱焼結し、さらにその後、窒素加圧雰囲気中で窒化処理する。
B供給源が混合された超硬合金粉末からなる圧粉体は、窒化処理されると、WCの粒子間を結合する結合金属中に、六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒が分散形成する。
ここで、B供給源は、結合金属中に介在されるh−BN濃度との関係で決定されるのがよく、B換算で10〜1500ppmの範囲であるのが好ましく、望ましくは、B換算で10〜1000ppmの範囲であり、さらに好ましくは、10〜500ppmの範囲にあるのが好ましい
また、圧粉体を窒化処理する工程は、圧粉体を加熱焼結する工程中で行うようにしてもよい。
さらに、本発明に係る超硬合金は、次のような工程を経て製造するようにしてもよい。まず、WC粉末と結合金属粉末を混合し、さらに、この混合粉末にパラフィンワックスを添加して完成粉末とする。この超硬合金完成粉末を圧縮成形し圧粉体を形成し、次いで、この圧粉体の脱脂を行う。脱脂された圧粉体の表面に、溶媒にB供給源を溶解したB供給源溶液を塗布し、若しくは圧粉体の表面から含浸させて、圧粉体の内部に浸透させる。圧粉体に浸透したB供給源溶液は、圧粉体の内部に拡散し、圧粉体を形成している超硬合金粉末を構成している粒子表面に微細分散する。
B供給源溶液の溶媒として水又はアルコールを用いる場合には、B供給源として、水又はアルコールに溶解するB,HBOが用いられる。
B供給源溶液が表面から供給された圧粉体は、上述した実施の形態の製造方法と同様に、真空中で加熱焼結され、その後、窒素加圧雰囲気中で窒化処理される。この窒化処理は、圧粉体を加熱焼結する工程中に行うようにしてもよい。
B供給源溶液が含浸された超硬合金粉末からなる圧粉体は、上述の実施の形態と同様に、窒化処理されることにより、WCの粒子間を結合する結合金属中に、六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒が分散形成する。
ところで、圧粉体の表面から供給されるB供給源溶液は、B供給源を溶媒、例えば水又はアルコールに溶解したものである。したがって、B供給源溶液に用いられるB供給源は、溶媒、水又はアルコールに溶解可能であるものが用いられる。
ここで用いるB供給源溶液の濃度は、圧粉体を焼結して形成される超硬合金の結合金属中に介在させるh−BN濃度との関係で決定されるのがよく、B換算で0.02重量%(200ppm)以上4重量%(40000ppm)未満の希薄溶液であるのが好ましい。
このB供給源溶液を平均空孔率45%の圧粉体の表面から供給し、その後溶媒を蒸発させて乾燥すると、圧粉体の内部には、B換算で最大2000ppm、好ましくは10〜1000ppmの範囲でB供給源が残留する。
なお、B供給源溶液に溶解したB供給源を超硬合金粉末からなる圧粉体の内部に均一に介在させるため、圧粉体に窒化処理を施す前工程で溶媒を除去するとともに、WC粒子及び結合金属表面の酸化物を除去することが望ましい。この溶媒除去の工程は、1000℃〜1200℃の真空雰囲気中で行うことが望ましい。
上述したような製造工程を経て製造される本発明に係る超硬合金は、窒素加圧雰囲気中での窒化処理より、WC基超硬合金焼結材料を構成するWC粒子の一部若しくは全てがWC核と炭窒化タングステン周辺組織の二重構造となる。この超硬合金は、一層の低摩擦能化が実現される。
次に、本発明方法により製造される超硬合金の具体的な実施例を説明する。
〔実施例1〕
実施例1の超硬合金は、平均粒径を1.5μmとするWCの粉末を91重量%、平均粒径を1.1μmとするCoの粉末を9重量%の割合で計量した金属粉末に、B供給源としてのBの粉末をB換算で0.1重量%添加した超硬合金粉末を用いて製造される。
なお、ここで用いるWCの粉末、Coの粉末、Bの粉末は、いずれも市販されているものが用いられる。
の粉末が添加されたWCとCoの粉末を主体とする超硬合金粉末は、エタノール溶媒と超硬合金製ボールとともにステンレス製ポット内に投入され、このポット内で30時間混合粉砕される。ポット内で混合粉砕された超硬合金粉末は、ポット内から取り出され乾燥される。この粉砕乾燥された超硬合金粉末には、パラフィンワックスが添加される。パラフィンワックスが添加された超硬合金粉末は、10×10×5(mm)の大きさに圧縮成形される。
超硬合金粉末を圧縮成形して形成された圧粉体は、水素雰囲気中600℃にて脱脂された後、真空雰囲気下で室温から1390℃まで昇温され、1390℃にて3.6ksec保持されることにより焼結される。その後、この炉内に窒素ガスを導入して炉内を100kPaに調整して冷却することにより、試験片を得た。この試験片は、超硬合金粉末を圧縮成形した圧粉体を焼結して得られる超硬合金である。ここで作製された超硬合金の試験片の10×10面に、ダイヤモンド砥石にて研削加工を施し、表層部の除去を行い、さらにダイヤモンドペーストにて鏡面加工を施した。
ここで得られた試験片の微量生成物について、X線吸収分光測定(XANES)スペクトル分析を行った。この分析には、兵庫県立大付属ニュースバル放射光施設に所在する産業用ビームラインBL5を用いた。その結果を図1に示す。
図1から明らかなように、実施例1により作製した試験片の表面には、h−BNが生成していることが確認できた。さらに、試験片に対する放射光の入射角度を45℃と90℃に変化させると、h−BN標準試料と同様な強度変化が認められた。この結果から、試験片表面に生成したh−BNは、配向していることが認められた。
〔実施例2〕
次に、実施例2の超硬合金は、平均粒径を6.0μmとするWCの粉末を91重量%、平均粒径を1.1μmとするCoの粉末を9重量%の割合で計量し、この粉末にB供給源としてのBの粉末をB換算で0.1重量%添加した超硬合金粉末を用いて製造される。
B供給源としてのBの粉末が添加されたWCとCoの粉末を主体とする超硬合金粉末は、上述の実施例1と同様に、エタノール溶媒と超硬合金製ボールとともにステンレス製ポット内に投入され、このポット内で30時間混合粉砕される。ポット内で混合粉砕された超硬合金粉末は、ポット内から取り出され乾燥される。乾燥された超硬合金粉末は、パラフィンワックスが添加される。パラフィンワックスが添加された超硬合金粉末は、30×25×13(mm)の大きさに圧縮成形される。
超硬合金粉末を圧縮成形して形成された圧粉体は、600℃の水素雰囲気中で脱脂された後、真空雰囲気とされ室温から1100℃まで昇温される炉内に投入される。そして、炉内は1390℃まで昇温されるとともに、この炉内に窒素ガスを導入して炉内を900kpaに調整して圧粉体の窒化処理が施される。窒素ガスが導入された炉内は、1390℃に昇温された状態が3.6ksec保持されることにより圧粉体の焼結が行われ焼結合金とされる。炉内で焼結された焼結合金は、その後冷却され、試験片として用いられる。この試験片は、超硬合金粉末を圧縮成形した圧粉体を焼結して製造される超硬合金に相当する。
ここで得られた試験片は、中央で切断される。切断された試験片の切断面に、ダイヤモンド砥石にて研削加工を施した後、ダイヤモンドペーストにて鏡面加工を施し、さらに、超硬合金を腐食する腐食液である村上試薬により食刻し、走査型電子顕微鏡を用いて組織観察を行った。観察した結果を図2に示す。
WC粒子は、図2の写真からも明らかなように、WC核とその周辺に形成された周辺組織の二重構造を有している。WC核の周辺組織は、W(C,N)と推測される。
〔実施例3〜6、比較例1、従来例〕
次に、本発明の実施例3〜6と比較例1、さらに従来例を示す。
本実施例3の超硬合金は、平均粒径を1.5μmとするWCの粉末を91重量%、平均粒径を1.1μmとするCoの粉末を9重量%の割合で計量し、この粉末にB供給源としてのBの粉末をB換算で0.001重量%添加した超硬合金粉末から製造される。
上記超硬合金粉末は、エタノール溶媒と超硬合金製ボールとともにステンレス製ポット内に投入され、このポット内で30時間混合粉砕される。ポット内で混合粉砕された超硬合金粉末は、ポット内から取り出され乾燥される。乾燥された超硬合金粉末は、パラフィンワックスが添加される。パラフィンワックスが添加された超硬合金粉末を、10×5×31(mm)の大きさに圧縮成形した。この圧縮成形された圧粉体は、抗折力試験片とされる。
また、パラフィンワックスが添加された超硬合金粉末を、25×25×26.5(mm)の大きさに圧縮成形した。この圧縮成形された圧粉体は、摩擦係数測定試験片とされる。
抗折力試験片とされる圧粉体及び摩擦係数測定試験片とされる圧粉体は、いずれも600℃の水素雰囲気中で脱脂された後、真空雰囲気とされる炉内に投入され、この炉内が真空にされるとともに炉内温度が室温から1390℃まで昇温され、1390℃にて3.6ksec保持されることにより焼結される。その後、上記炉内に窒素ガスを導入し、炉内を100kPaに調整して冷却することにより、窒化処理が施された焼結体としての試験片が作製される。この試験片は、超硬合金粉末を圧縮成形した圧縮体を焼結して製造される超硬合金である。
そして、実施例4の超硬合金は、実施例3に示す粉末に、B供給源としてのBの粉末をB換算で0.010重量%添加した超硬合金粉末から製造したものである。ここで得られる抗折力試験片、摩擦係数測定試験片は、それぞれ実施例3と同様の製造工程を経て製造される。
また、実施例5、6の超硬合金は、実施例3に示す粉末に、B供給源としてのBの粉末を、それぞれB換算で0.100重量%、0.150重量%添加した超硬合金粉末から製造したものである。ここで得られる抗折力試験片、摩擦係数測定試験片も、前記実施例3と同様の製造工程を経て製造される。
実施例3〜6の超硬合金と比較するため、比較例1として、平均粒径を1.5μmとするWCの粉末を91重量%、平均粒径を1.1μmとするCoの粉末を9重量%の割合で計量した粉末に、供給源としてのBの粉末をB換算で0.200重量%添加した超硬合金粉末から製造される超硬合金の抗折力試験片と摩擦係数測定試験片を作製した。
なお、B供給源であるBを添加した実施例3〜6の超硬合金と比較するため、平均粒径を1.5μmとするWCの粉末を91重量%、平均粒径を1.1μmとするCoの粉末を9重量%の割合で計量した粉末のみからなる超硬合金粉末から製造される超硬合金の抗折力試験片と摩擦係数測定試験片を作製した。これを従来例とする。
上述した実施例3〜6と比較例1、さらに従来例において作製された摩擦係数測定試験片を用いて摩擦係数の測定を行った。摩擦係数の測定は、鏡面加工が施された摩擦係数測定試験片の測定面で行った、摩擦係数の測定面は、研削加工が施されて焼結表面の除去が行われ、さらに鏡面加工が施され形成される。
摩擦係数測定試験片の摩擦係数測定は、ボールオンプレート法を使用した。このボールオンプレート法は、100gの加重を負荷したφ10mmのアルミ球を試験球とし、この試験球を摩擦係数測定試験片の測定面上で7mmの間隔で往復運動させて発生する負荷を測定して行う、負荷の測定は、試験球に取り付けたロードセルにて行う。
その測定の結果を図3に示す。図3に示す測定結果から明らかなように、B供給源としてのBの添加量をB換算で0.001重量%以上含有することにより、B供給源を添加することなく構成されたWC基超硬合金焼結材料からなる超硬合金に比し十分に摩擦係数の低下をみた。
また、上述した実施例3〜6により作製した抗折力試験片と、比較例1、従来例により作製した抗折力試験片を用いて抗折力を測定した。その測定結果を表1に示す。
表1に示す測定結果から明らかなように、B供給源としてのBの添加量をB換算で0.001以上0.200重量%未満とすることにより、B供給源を添加することなく構成されたWC基超硬合金焼結材料からなる超硬合金と同等の抗折力が得られた。
なお、比較例1の超硬合金のように、B供給源としてのBの添加量をB換算で0.200重量%以上とすることにより、抗折力の著しい低下をみた。これは、Bの添加量をB換算で0.200重量%以上としたことにより、超硬合金の欠陥であるη相が析出した結果であるとみられる。
以上より、WC基超硬合金焼結材料からなる超硬合金の結合金属中に、Bの添加量をB換算で0.001以上0.200重量%未満添加することにより、結合相を構成する金属中にBを添加することなく製造される従来の超硬合金と同等の抗折力を実現しながら著しく摩擦係数の低減を図った超硬合金を得ることができた。
この超硬合金を基体に用いた切削用の工具、さらには金型を含む超硬工具は、低摩擦特性に優れ、一定の抗折力を維持することができる。
〔実施例7〜9、比較例2、従来例〕
次に、本発明の実施例7〜9と比較例2、さらに従来例を示す。
本実施例7の超硬合金は、平均粒径を1.5μmとするWCの粉末を91重量%、平均粒径を1.1μmとするCoの粉末を9重量%の割合で計量し、この粉末にB供給源としてのBの粉末をB換算で0.001重量%添加した超硬合金粉末から製造される超硬合金である。
上記超硬合金粉末は、エタノール溶媒と超硬合金製ボールとともにステンレス製ポット内に投入され、このポット内で30時間混合粉砕される。ポット内で混合粉砕された超硬合金粉末は、ポット内から取り出され乾燥される。乾燥された超硬合金粉末には、パラフィンワックスが添加される。パラフィンワックスが添加された超硬合金粉末は、10×5×31(mm)の大きさに圧縮成形される。この圧縮成形された圧粉体は、抗折力試験片とされる。
また、パラフィンワックスが添加された超硬合金粉末を、25×25×26.5(mm)の大きさに圧縮成形した。この圧縮成形された圧粉体は、摩擦係数測定試験片とされる。
抗折力試験片とされる圧粉体及び摩擦係数測定試験片とされる圧粉体は、いずれも600℃の水素雰囲気中で脱脂された後、真空雰囲気とされる炉内に投入される。圧粉体が投入された炉内は、真空にされるとともに室温から1100℃まで昇温される。その後、炉内に窒素ガスを導入し、この炉内を900kPaに調整して1390℃まで昇温する。そして、炉内を1390℃まで昇温した状態で3.6ksec保持した後冷却することにより、炉内に投入された圧粉体は焼結された試験片となる。この試験片は、超硬合金粉末を圧縮成形した圧粉体を焼結して製造される超硬合金である。
そして、実施例8の超硬合金は、実施例7に示す粉末に、B供給源としてのBの粉末をB換算で0.010重量%添加した超硬合金粉末から製造したものである。ここで得られる抗折力試験片、摩擦係数測定試験片は、それぞれ実施例7と同様の製造工程を経て製造される。
また、実施例9の超硬合金は、実施例7に示す粉末に、B供給源としてのBの粉末をB換算で0.100重量%添加した超硬合金粉末から製造したものである。ここで得られる抗折力試験片、摩擦係数測定試験片も、前記実施例7と同様の製造工程を経て製造される。
ここで、実施例7〜9の超硬合金と比較するため、比較例2として、平均粒径を1.5μmとするWCの粉末を91重量%、平均粒径を1.1μmとするCoの粉末を9重量%の割合で計量した粉末に、B供給源としてのBの粉末をB換算で0.200重量%添加した超硬合金粉末から製造される超硬合金の抗折力試験片と摩擦係数測定試験片を作製した。
上述した実施例7〜9と比較例2、さらに従来例において作製された摩擦係数測定試験片を用いて摩擦係数の測定を行った。摩擦係数の測定は、鏡面加工が施された摩擦係数測定試験片の測定面で行った、摩擦係数の測定面は、上述した実施例及び比較例と同様に形成されている。
そして、摩擦係数測定試験片の摩擦係数測定も、前述した実施例と同様に、ボールオンプレート法を使用した。その測定の結果を図4に示す。図4に示す測定結果から明らかなように、B供給源としてのBの添加量をB換算で0.001重量%以上含有することにより、B供給源を添加することなく構成されたWC基超硬合金焼結材料からなる超硬合金に比し十分に摩擦係数の低下をみた。
特に、実施例7〜9及び比較例2に示す超硬合金を製造するには、超硬合金粉末を圧縮成形した圧粉体を炉内に投入し、この炉内を真空雰囲気下で1100℃まで昇温し、圧粉体に吸着した吸着酸化物の還元を行う。その後、炉内に窒素ガスを導入して900kPaに調整し、1390℃まで昇温し、1390℃で3.6ksec保持することにより圧粉体の焼結が行われ、超硬合金が製造される。
ここで製造される超硬合金は、硬質相を構成するWC粒子の一部若しくは全てがWC核と炭窒化タングステン周辺組織の二重構造となる。そのため、一層の低摩擦能化が図られる。これは、図3に示す実施例3〜6の超硬合金の摩擦係数との比較からも、実施例7〜9の超硬合金の低摩擦化が実現されていることは明らかである。
また、上述した実施例7〜9により作製した抗折力試験片と、比較例2、従来例により作製した抗折力試験片を用いて抗折力を測定した。その測定結果を表2に示す。表2に示す測定結果から明らかなように、B供給源としてのBの添加量をB換算で0.001以上0.200重量%未満とすることにより、B供給源を添加することなく構成されたWC基超硬合金焼結材料からなる超硬合金と同等の抗折力が得られた。
なお、比較例2の超硬合金のように、B供給源としてのBの添加量をB換算で0.200重量%以上とすることにより、抗折力の著しい低下をみた。これは、Bの添加量をB換算で0.200重量%以上としたことにより、1μmより大きな粗大h−BNが析出し、組織欠陥となった結果であるとみられる。
以上より、前述した実施例3〜6と同様に、WCを主体とする超硬合金の結合金属中に、Bの添加量をB換算で0.001以上0.200重量%未満添加することにより、従来の結合相を構成する金属中にBを添加することなく作製した超硬合金と同等の抗折力を実現しながら著しく摩擦係数の低減を図った超硬合金を得ることができた。
この超硬合金を基体に用いた切削用の工具、さらには金型を含む超硬工具は、低摩擦特性に優れ、一定の抗折力を維持することができる。
本発明は、Coを結合金属としたWC基超硬合金焼結材料からなる超硬合金を例に挙げて説明したが、焼結合金の焼結工程を利用して、超硬合金圧粉体を構成するWCの粒子とWCを結合する結合金属の粒子間に形成される粒界に介在されるB供給源を窒化処理してh−BNを析出させるWC基超硬焼結合金に広く適用できるもので、上述の実施例に限定するものでない。
上述のように、本発明に係る超硬合金を用いた超硬工具は、低摩擦化能を付与することにより優れた潤滑性、耐焼き付き性を備え、工具摩耗を低減し、被加工材の焼き付きを防止することで、従来の超硬工具に比して、各種の鋼や銅合金、アルミ合金といった軟質材料の鍛造、打ち抜き加工などの塑性加工に適用して有用となる。また、本発明に係る超硬合金を用いた超硬工具は、切削加工においても、優れた潤滑性、耐焼き付き性を備え、加工負荷が低減されることによりチッピング、欠損等の発生を抑え、長期に亘って安定した切削性能を発揮し得ることから、鍛造、打ち抜き及び切削加工装置の高性能化、並びにこれらの加工の省力化及び省エネ化、さらに低コスト化を実現できる。

Claims (15)

  1. 炭化タングステンの粒子間を結合金属により焼結結合した超硬合金において、
    上記炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属中に、六方晶窒化ホウ素(h−BN)を分散形成して低摩擦化能が付与されたことを特徴とする超硬合金。
  2. 前記炭化タングステンの粒子の少なくとも一部は、炭化タングステン核と炭窒化タングステン周辺組織の二重構造とされていることを特徴とする請求項1記載の超硬合金。
  3. 前記炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属中に形成された六方晶窒化ホウ素(h−BN)は、ホウ素(B)換算で10〜1500ppmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の超硬合金。
  4. 前記炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属中に形成された六方晶窒化ホウ素(h−BN)は、ホウ素(B)換算で10〜1000ppmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の超硬合金。
  5. 前記炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属中に形成された六方晶窒化ホウ素(h−BN)は、ホウ素(B)換算で10〜500ppmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の超硬合金。
  6. 工具基体を請求項1〜5のいずれか1に記載した超硬合金により形成したことを特徴とする超硬工具。
  7. 炭化タングステン粉末と上記炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属粉末を混合した混合粉末中にホウ素(B)供給源を分散混合した超硬合金粉末を作製し、
    次いで、上記超硬合金粉末を圧縮成形して圧粉体を形成し、
    その後、上記圧粉体を窒素加圧雰囲気中で窒化処理し、上記炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属中に、六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒を分散形成することを特徴とする低摩擦化能が付与された超硬合金の製造方法。
  8. 前記圧粉体は、真空中で加熱焼結された後、前記窒化処理が行われ、前記結合金属中に六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒を分散形成することを特徴とする請求項7記載の超硬合金の製造方法。
  9. 前記圧粉体を窒化処理する工程は、前記圧粉体を加熱焼結する工程中で行われることを特徴とする請求項8記載の超硬合金の製造方法。
  10. 前記B供給源は、B,HBO,h−BN,WB及びTiBからなる群から選ばれた1種であることを特徴とする請求項7記載の超硬合金の製造方法。
  11. 炭化タングステン粉末と上記炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属粉末を混合した超硬合金粉末を作製し、
    次いで、上記超硬合金粉末を圧縮成形して圧粉体を形成し、
    その後、溶媒にB供給源を溶解したB供給源溶液を上記圧粉体の表面から供給し、上記圧粉体内部に上記B供給源を分散供給し、
    次いで、上記圧粉体を窒素加圧雰囲気中で窒化処理し、上記炭化タングステンの粒子間を結合する結合金属中に、六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒を分散形成することを特徴とする低摩擦化能が付与された超硬合金の製造方法。
  12. 前記B供給源溶液は、B供給源をホウ素換算で0.02重量%以上4重量%以下の割合で溶液に溶解させたこと特徴とする請求項11記載の超硬合金の製造方法。
  13. 前記B供給源は、溶媒に溶解可能なB又はHBOを用いることを特徴とする請求項11又は12記載の超硬合金の製造方法。
  14. 前記圧粉体は、真空中で加熱焼結された後、前記窒化処理が行われ、前記結合金属中に六方晶窒化ホウ素(h−BN)の結晶粒を分散形成することを特徴とする請求項11記載の超硬合金の製造方法。
  15. 前記圧粉体を窒化処理する工程は、前記圧粉体を加熱焼結する工程中で行われることを特徴とする請求項14記載の超硬合金の製造方法。
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