JP2014037495A - インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】普通紙に対する画像品質に優れ、かつ吐出安定性が良好であるインクジェット記録用インクの提供。
【解決手段】顔料、湿潤剤、水分散性樹脂、水を含有してなるインクの水分蒸発率が25%のときに、〔1〕条件(I)で測定・算出されるCasson降伏値が5Pa以上10Pa未満、〔2〕条件(II)で測定される粘度が60mPa・s未満を満たすように調整する。これを用いてインクカートリッジ201、記録装置、記録方法を構成する。(I)[25℃50%RHで、直径5cm、1°のコーンプレートを使用しギャップ50μmにてせん断速度(S)1〜100(1/s)に対するせん断応力(D)を求め、関係式;√S=a√D+b(a,bは係数)における切片bの二乗からCasson降伏値を算出]、(II)[25℃50%RHで、直径5cm、1°のコーンプレートを使用しギャップ50μmにてせん断速度1000(1/s)で粘度を測定]
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方式を用いたインクジェットプリンタは、小型で価格が安くカラー化が容易であることから急速に普及している。近年では高画質なインク記録物を高速で記録することが求められており、この要求に答えるためにインクジェット記録方式に用いられるインクは様々な特性を満たしていなければならない。特に、オフィスで使用される文書においては文字品位が重要であり、画像濃度は画像品質を左右する重要な課題となっている。また、長時間吐出しないノズルではインク中の水分が蒸発することにより増粘して吐出が乱れたり、吐出しなくなることがあるため、吐出安定性も重要である。
特許文献1では、吐出安定性に優れたインクを得るために、せん断速度230(1/s)での各インクの粘度差が2.0(mPa・s)以下であり、せん断速度100000(1/s)での各インクの粘度差が0.5(mPa・s)以下であることを特徴とするインクジェット記録用インクセットが提案されている。しかし、粘度差を提案されている上記の範囲に制御することは湿潤剤の種類によって困難なものがあり材料選択が制約されるほか、この条件は画像濃度の高度化を達成するためのものではない。
また、特許文献2では、インク流路内の粘度変化を低下させてインクの滞留を防止し、吐出安定性を良好にするために、25℃におけるせん断速度10(1/s)と1000(1/s)とにおける粘度変動幅が5(mPa・s)以下であることを特徴とするインクが提案されている。しかし、上記のインクは低せん断速度においてもインク粘度が低く、画像濃度を高くすることに難点がある。
また、特許文献3では、降伏値が一定以下[10(mPa・s)以下]であるインクが提案されている。これにより、保存安定性に優れたインクジェット用インクが得られるとしている。この提案では、顔料の分散安定性に注目しており、水分蒸発したインクの降伏値について着目しているものではなく、吐出安定性と、画像濃度について知見を与えるものではない。
本発明は、従来技術における前記諸問題を解決し、普通紙に対する画像品質(高画像濃度)に優れ、かつ吐出安定性が良好であるインクジェット記録用インク、そのインクを用いたインクカートリッジ、記録装置、記録方法を提供することを目的とする。
提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、顔料と、湿潤剤と、水分散性樹脂と、水とを少なくとも含有してなるインクジェット記録用インクの水分蒸発時におけるCasson降伏値と、粘度を所定範囲に制御することで良好な吐出安定性が得られ、かつ普通紙に印字した際に高画像濃度が得られることを見出し本発明に至った。
即ち、上記課題は、顔料と、湿潤剤と、水分散性樹脂と、水とを少なくとも含有してなるインクジェット記録用インクであって、下記式(1)で求められる該インクの水分蒸発率が25%のときに、下記〔1〕及び〔2〕の条件を満たすことを特徴とするインクジェット記録用インクにより解決される。
水分蒸発率(%)={(初期のインク重量)−(蒸発後のインク重量)}/(初期のインク重量)×100 ・・・式(1)
〔1〕:下記条件(I)により測定・算出されるCasson降伏値が5Pa以上10Pa未満
(I)[25℃50%RHの環境で、直径5cm、1°のコーンプレートを使用しギャップ50μmにてせん断速度(S)1〜100(1/s)に対するせん断応力(D)を求め、関係式;√S=a√D+b(a、bは係数)・・・式(2)における切片bの二乗からCasson降伏値を算出]
また、上記課題は、請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジにより解決される。
また、上記課題は、請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、記録ヘッドから該インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法により解決される。
また、上記課題は、請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、該インクを記録ヘッドから飛翔させて記録媒体に画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置により解決される。
また、上記課題は、顔料と、湿潤剤と、水分散性樹脂と、水とを少なくとも含有してなるインクジェット記録用インクのCasson降伏値及び粘度の設定方法であって、
下記式(1)で求められる該インクの水分蒸発率が25%のときに、下記〔1〕及び〔2〕の条件を満たすことを特徴とするCasson降伏値及び粘度の設定方法により解決される。
水分蒸発率(%)={(初期のインク重量)−(蒸発後のインク重量)}/(初期のインク重量)×100 ・・・式(1)
〔1〕:下記条件(I)により測定・算出されるCasson降伏値が5Pa以上10Pa未満
(I)[25℃50%RHの環境で、直径5cm、1°のコーンプレートを使用しギャップ50μmにてせん断速度(S)1〜100(1/s)に対するせん断応力(D)を求め、関係式;√S=a√D+b(a、bは係数)・・・式(2)における切片bの二乗からCasson降伏値を算出]
〔2〕:下記条件(II)により測定される粘度が60mPa・s未満
(II)[25℃50%RHの環境で、直径5cm、1°のコーンプレートを使用しギャップ50μmにてせん断速度1000(1/s)で粘度を測定]
本発明のインクジェット記録用インクは、前記式(1)で求められるインクの水分蒸発率が25%のときに、前記(I)で測定・算出されるCasson降伏値が5Pa以上10Pa未満〔1〕、及び前記(II)で測定される粘度が60mPa・s未満〔2〕の条件を満たすものであるので、普通紙に対する画像品質(画像濃度が高い)に優れ、かつ吐出安定性が良好である。
本発明のインクジェット記録用インクを記録ヘッドから飛翔させて記録媒体に画像を形成するインク飛翔手段を有するインクジェット記録装置とし、インクに刺激を印加し、記録ヘッドからインクを飛翔させて記録媒体に画像を形成すればインク吐出不良がなく、安定したインク吐出特性によって高い濃度の画像形成が実現できる。また、本発明のインクジェット記録用インクを容器中に収容してインクカートリッジとすれば、インクジェット記録装置に配備されるインクカートリッジ装填部への着脱が容易で、かつ長期間安定したインク供給が可能となる。また、保存、搬送等が容易であり、交換を短時間に行うことができるなど取扱性にも優れている。
本発明に係るインクカートリッジの一例を示す概略平面図である。 図1に示す本発明のインクカートリッジの変形例を示す概略平面図である。 本発明に係るインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態のインクジェット記録装置の斜視図である。 図3のインクジェット記録装置の全体構成を説明する断面図である。 図4に示すインクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドを示す概略拡大図である。
前述のように本発明におけるインクジェット記録用インクは、顔料と、湿潤剤と、水分散性樹脂と、水とを少なくとも含有してなるインクジェット記録用インクであって、下記式(1)で求められる該インクの水分蒸発率が25%のときに、下記〔1〕及び〔2〕の条件を満たすことを特徴とするものである。
顔料と、湿潤剤と、水分散性樹脂と、水とを少なくとも含有してなるインクジェット記録用インクであって、下記式(1)で求められる該インクの水分蒸発率が25%のときに、下記〔1〕及び〔2〕の条件を満たすことを特徴とするインクジェット記録用インク。
水分蒸発率(%)={(初期のインク重量)−(蒸発後のインク重量)}/(初期のインク重量)×100 ・・・式(1)
〔1〕:下記条件(I)により測定・算出されるCasson降伏値が5Pa以上10Pa未満
(I)[25℃50%RHの環境で、直径5cm、1°のコーンプレートを使用しギャップ50μmにてせん断速度(S)1〜100(1/s)に対するせん断応力(D)を求め、関係式;√S=a√D+b(a、bは係数)・・・式(2)における切片bの二乗からCasson降伏値を算出]
〔2〕:下記条件(II)により測定される粘度が60mPa・s未満
(II)[25℃50%RHの環境で、直径5cm、1°のコーンプレートを使用しギャップ50μmにてせん断速度1000(1/s)で粘度を測定]
上記インクジェット記録用インク(以降、「インク」と略称することがある。)の水分蒸発率が25%において、Casson降伏値〔1〕と粘度〔2〕が上記範囲であるとき、良好な吐出安定性と、優れた画像品質(普通紙に印字した際に高画像濃度が得られる)が得られる。
その理由は定かではないが、次のように推測される。インクが紙に着弾した後、インク中の水分は紙中に浸透もしくは雰囲気中に蒸発して紙表面には顔料成分の多いインク(以後濃縮インクと呼ぶ)が残る。このとき濃縮インクのCasson降伏値(略、降伏値)が高いと顔料が紙中へ浸透し難く紙表面に残るため画像濃度が高くなる。一方、該インクは記録ヘッド(略、ヘッド)内部において吐出されない状態が続くとノズル開孔部分から水分が蒸発するため、濃縮状態となる。このとき降伏値が高すぎると不吐出となってしまう。また、粘度が高すぎても不吐出となってしまう。
このとき濃縮インクの降伏値が上記範囲内にあると、良好な吐出安定性維持と、高画像濃度保持がバランスよく確保される。すなわち、吐出安定性が維持されると共に、顔料が紙中へ浸透し難く紙表面に残って画像濃度が高くなると推測される。
つまり、Casson降伏値が5Pa未満のときには、顔料が紙表面に残らずに紙中へ浸透することが多くなるために画像濃度が高くなり難い。一方、Casson降伏値が10Pa以上のときには、良好な吐出安定性を得ることが難しくなる。また、上記インクの粘度が60mPa・s未満であるとき良好な吐出安定性を得ることができる。
また、本発明のインクは、前記式(1)で求められるインクの水分蒸発率が0%のときに、前記条件(II)により測定される粘度が6mPa・s以上であることが高い画像濃度を得ることから好ましい。
本発明で示すCasson降伏値は市販の装置を用いて測定することができるがその一例を以下に示す。25℃50%RHの環境にてレオメーター(例えば、AntonPaar社製MCR301)を使用して測定する。その際、直径5(cm)、1°のコーンプレートにて、ギャップ(Gap)を50μmにする。せん断速度1〜100(1/s)に対するせん断応力を下記式(2)で示す。
√S=a√D+b ・・・(2)
S:せん断応力、D:せん断速度、(a、bは係数)
上記式(2)においてせん断速度の平方根√Dが0になる様にグラフを外挿したときの切片bの2乗がCasson降伏値となる。
また、本発明で示す粘度は市販の装置を用いて測定することができるがその一例を以下に示す。25℃50%RHの環境にてレオメーター(例えば、AntonPaar社製MCR301)を使用して測定する。その際、直径5(cm)、1°のコーンプレートにて、ギャップ(Gap)を50μmにする。せん断速度1000(1/s)のときの粘度を読み取る。
また、本発明で示す水分蒸発率の測定方法の一例を以下に示す。
容量50ml、内径5cmのガラス瓶にインクを5g秤量する。瓶を開放状態にて50℃の恒温槽で一定時間放置する。一定時間放置後、重量を測定して差分から水分蒸発率を下記式(1)にて計算する。
水分蒸発率(%)={(初期のインク重量)−(蒸発後のインク重量)}/(初期のインク重量)×100 ・・・式(1)
本発明のインクジェット記録用インク(インク)には、顔料と、湿潤剤と、水分散性樹脂と、水とを少なくとも含有し、必要により顔料分散剤、界面活性剤、浸透剤や、その他の成分(pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、等)を加えることができる。
以下本発明のインク組成分について説明する。
<湿潤剤>
本発明では、ヘッド内部でのインクの乾燥を抑制して吐出を安定させるために湿潤剤(以下、「水溶性有機溶剤」と呼称することがある。)を使用することができる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等が挙げられる。
これらの中でも、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、2−ピロリドンが好ましい。
前記湿潤剤(水溶性有機溶剤)の添加量としては、インク中、10質量%以上40質量%未満であることが好ましい。10質量%未満だとインクの乾燥を抑制する効果が少なくなることがあり、また40質量%以上だと、インク粘度が高くなり吐出が不安定になることがある。
また、前記湿潤剤として、下記一般式(I)〜(IV)で表される化合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。
Figure 2014037495
上記前記一般式(I)〜(IV)で表される化合物をインク中に含むことにより、インクが水分蒸発した際に、確実に5Pa以上10Pa未満の範囲のCasson降伏値にすることができる。その理由は定かではないが、上記一般式(I)〜(IV)の化合物がインク中の樹脂を膨潤させるためと推測される。
前記一般式(I)〜(IV)で表される化合物の含有量は、インク中、10質量%以上20質量%未満であることが好ましい。10質量%未満だと降伏値が上記の範囲になりづらく、20質量%以上だとインクの粘度が高くなってしまう。
<顔料>
前記顔料としては、有機顔料、又は無機顔料を用いることができる。なお、色調調整の目的で同時に染料を含有しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用することが可能である。
本発明における顔料の含有量は、顔料の種類や色彩等により適宜選択されるため一義的に決められないが、おおよその範囲として、インク総量100質量%に対して固形分で2質量%〜10質量%程度である。
上記範囲より少ないと印字した際の画像濃度が低くなり、上記範囲より多すぎると、インクの粘度が高くなり、吐出安定性の低下を招くことになる。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
前記カラー用のものとしては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、150、151、153、183、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、などが挙げられる。
本発明で使用される顔料は表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料分散体(自己分散型顔料)であることが好ましい。
自己分散型顔料(自己分散性顔料)は、顔料の表面に少なくとも1種の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合するように表面改質されたものである。該表面改質は、顔料の表面に、ある特定の官能基(スルホン基やカルボキシル基等の官能基)を化学的に結合させるか、あるいは、次亜ハロゲン酸又はその塩の少なくともいずれかを用いて湿式酸化処理するなどの方法が用いられる。これらの中でも、顔料の表面にカルボキシル基が結合され、水中に分散している形態が特に好ましい。このように自己分散型顔料は表面改質され、カルボキシル基が結合しているため、分散安定性が向上するばかりではなく、高品位な印字品質が得られるとともに、印字後の記録媒体(記録用メディア)の耐水性がより向上する。また、この形態のインクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドのノズル付近のインクの水分が蒸発した場合も目詰まりを起こさず、簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行える。
前記自己分散型顔料の体積平均粒径(D50)は、インク中において0.01〜0.16μmであるのが好ましい。
なお、本発明における顔料の体積平均粒径(D50)は動的光散乱法により、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて測定したものである。
例えば、自己分散型カーボンブラックとしては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
前記アニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(ただし、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表す)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SOMがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
また、前記親水基中における「M」がアルカリ金属であるものとしては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、等が挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。
前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
前記カチオン性親水基としては、例えば、第4級アンモニウム基が好ましく、下記(化2)に挙げる第4級アンモニウム基がより好ましく、本発明においては、これらのいずれかがカーボンブラック表面に結合されたものが色材として好適である。
Figure 2014037495
前記親水基が結合されたカチオン性の自己分散型カーボンブラックを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(3)で表されるN−エチルピリジル基を結合させる方法として、カーボンブラックを3−アミノ−N−エチルピリジウムブロマイドで処理する方法が挙げられる。
Figure 2014037495
前記親水基は、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。上記した親水基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−CCOOM(ただし、Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表す)、−PhSOM(ただし、Phはフェニル基を表す。Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表す)、−C10NH 等が挙げられる。
前記顔料の第2形態では、前記着色剤が顔料分散剤を含有することが好ましい。前記顔料分散剤としては、アニオン系界面活性剤及び、HLB値(Hydrophile-Lipophile Balance)が10〜20のノニオン系界面活性剤のいずれかが好適である。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、NH、Na、Ca等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えばNH、Na、Ca等)、ジアルキルサクシネートスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩(例えば、NH、Na等)、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート塩、オレイン酸塩などが挙げられる。これらの中でも、ジオクチルスルホコハク酸Na塩、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルスルホン酸NH塩が特に好ましい。
前記HLB値10〜20のノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコールなどが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン-β-ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルが特に好ましい。
前記顔料分散剤の含有量は、前記顔料100質量部に対し1〜100質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。前記顔料分散剤の含有量が少ないと、充分に顔料を微細化することができず、多すぎると顔料に吸着していない過剰成分がインク物性に影響を与え、画像滲みや、耐水性、耐擦性の劣化を招くことになる。
前記顔料分散剤によって水中に均一に微分散した顔料分散体は、水系媒体中に上記の顔料分散剤を溶解させ、次に、上記の顔料を加えて充分に湿潤させた後、ホモジナイザーによる高速撹拌、ビーズミルやボールミルのようなボールを用いた分散機、ロールミルのような剪断力を用いた混練分散機、超音波分散機等を用いる方法で作製することができる。ただし、このような混練分散工程の後には粗大粒子が含まれていることが多く、インクジェットノズルや供給経路の目詰まりの原因となるため、フィルターや遠心分離器を用いて粒径1μm以上の粒子を除去する必要がある。
前記顔料分散体の平均粒子径(D50)はインク中において150nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。前記平均粒子径(D50)が150nmを超えると、急激に吐出安定性が低下し、ノズル詰まりやインクの曲がりが発生し易くなる。また、平均粒子径(D50)が100nm以下であれば、吐出安定性が向上して更に画像の彩度も向上する。
<界面活性剤>
前記界面活性剤として、顔料の種類や水溶性有機溶剤の組み合わせによって分散安定性を損なわず、表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましく、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好適である。これらの中でも、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が特に好ましい。
これら界面活性剤は、1種を単独、又は2種以上を混合して用いることができる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16であるものが好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16であるものがより好ましい。前記フッ素置換した炭素数が2未満であると、フッ素の効果が得られないことがあり、16を超えると、インク保存性などにおいて問題が生じることがある。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、特に好ましい。
さらに好ましくは、下記一般式(V)で表されるフッ素系界面活性剤である。
CFCF(CFCF−CHCHO(CHCHO)H ・・・(V)
[ただし、前記一般式(V)中、mは0〜10の整数を表す。nは1〜40の整数を表す。]
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−151N(オムノバ社製)などが挙げられる。
これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点から、DuPont社製のゾニールFS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW及びオムノバ社製のポリフォックスPF−151Nが特に好ましい。
前記フッ素系界面活性剤の具体例としては、下記構造式(4)で表されるものが好適である。
(1)アニオン系フッ素系界面活性剤
Figure 2014037495
[ただし、前記構造式(4)中、Rfは、下記構造式(5)で表されるフッ素含有疎水基の混合物を表す。Aは、−SOX、−COOX、又は−POX〔ただし、Xは対アニオンであり、具体的には、水素原子、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、又はNH(CHCHOH)が挙げられる〕を表す。]
Figure 2014037495
Figure 2014037495
[ただし、前記構造式(6)中、Rf’は下記構造式(7)で表されるフッ素含有基を表す。Xは、上記(4)の定義と同じ意味を表す。nは1又は2の整数、mは2−nを表す。]
Figure 2014037495
[ただし、前記構造式(7)中、nは3〜10の整数を表す。]
Figure 2014037495

[ただし、前記構造式(8)中、Rf’及びXは、上記(6)の定義と同じ意味を表す。]
Figure 2014037495
[ただし、前記構造式(9)中、Rf’及びXは、上記(6)の定義と同じ意味を表す。]
(2)ノニオン系フッ素系界面活性剤
Figure 2014037495
[ただし、前記構造式(10)中、Rfは、上記(4)の定義と同じ意味を表す。nは5〜20の整数を表す。]
Figure 2014037495
[ただし、前記構造式(11)中、Rf’は、上記(6)の定義と同じ意味を表す。nは1〜40の整数を表す。]
(3)両性フッ素系界面活性剤
Figure 2014037495
[ただし、前記構造式(12)中、Rfは、上記(4)の定義と同じ意味を表す。]
(4)オリゴマー型フッ素系界面活性剤
Figure 2014037495
[ただし、前記構造式(13)中、Rf”は、下記構造式(14)で表されるフッ素含有基を表す。nは0〜10の整数を表す。Xは、上記(4)の定義と同じ意味を表す。]
Figure 2014037495
[ただし、前記構造式(14)中、nは1〜4の整数を表す。]
Figure 2014037495
[ただし、前記構造式(15)中、Rf”は、上記(13)の定義と同じ意味を表す。lは0〜10の整数、mは0〜10の整数、nは0〜10の整数をそれぞれ表す。]
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越シリコーン株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社などから容易に入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(16)で表されるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物、などが挙げられる。
Figure 2014037495
[ただし、前記構造式(16)中、m、n、a、及びbは整数を表す。R及びR’はそれぞれアルキレン基、及びアルキル基を表す。]
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(いずれも、信越化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、などが挙げられる。
前記界面活性剤の前記記録用インク中における含有量は、0.01〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。前記含有量が0.01質量%未満であると、界面活性剤を添加した効果が無くなることがあり、3.0質量%を超えると、記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
<浸透剤>
本発明の記録用インクは、浸透剤として、炭素数8〜11のポリオール化合物又はグリコールエーテル化合物を少なくとも1種を含有することが好ましい。これらは、25℃の水中において0.2〜5.0質量%の間の溶解度を有するものが好ましい。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が特に好ましい。
その他のポリオール化合物として挙げられる脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどがある。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。併用できる浸透剤の例として、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
本発明のインクジェット記録用インク(略、記録用インク)における、前記浸透剤の含有量は、0.1〜4.0質量%が好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0質量%を超えると、着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
<水分散性樹脂>
水分散性樹脂は、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
前記水分散性樹脂としては、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、ポリウレタン樹脂微粒子、アクリルシリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が特に好ましく用いられる。また、前記水分散性樹脂を2種類以上併用することは全く問題ない。
前記フッ素系樹脂としては、フルオロオレフィン単位を有するフッ素系樹脂微粒子が好ましく、これらの中でも、フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子が特に好ましい。
前記フルオロオレフィン単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、−CFCF−、−CFCF(CF)−、−CFCFCl−などが挙げられる。
前記ビニルエーテル単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記に例示するビニルエーテル構造を含む化合物などが挙げられる。
Figure 2014037495
前記フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子としては、前記フルオロオレフィン単位とビニルエーテル単位が交互に共重合してなる交互共重合体が好ましい。このようなフッ素系樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製のフルオネートFEM−500、FEM−600、ディックガードF−52S、F−90、F−90M、F−90N,アクアフランTE−5A;旭硝子株式会社製のルミフロンFE4300、FE4500、FE4400、アサヒガードAG−7105、AG−950、AG−7600、AG−7000、AG−1100などが挙げられる。
前記水分散性樹脂は、ホモポリマーとして使用されてもよく、また、コポリマーして使用して複合系樹脂として用いてもよく、単相構造型及びコアシェル型、パワーフィード型エマルジョンのいずれのものも使用できる。前記水分散性樹脂としては、樹脂自身が親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基を持つ樹脂にて分散性を付与したものが使用できる。
これらの中でも、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化及び懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。特に、水分散性樹脂がアクリルシリコーン樹脂エマルジョンまたはウレタン樹脂エマルジョンであるものは好ましく用いられる。
不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、及びpH調整剤などを添加した水にて反応させ樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えやすいため目的の性質を作りやすい。
前記不飽和単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、単官能又は多官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類、(メタ)アクリル酸アミド単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルシアノ化合物単量体類、ビニル単量体類、アリル化合物単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独及び複数組み合わせて用いることができる。これらの単量体を組み合わせることで柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことで樹脂の特性を改質することもできる。
前記不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等が挙げられる。
前記単官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、などが挙げられる。
前記多官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2'−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパントリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸アミド単量体類としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
前記芳香族ビニル単量体類としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
前記ビニルシアノ化合物単量体類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
前記ビニル単量体類としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸又はその塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記アリル化合物単量体類としては、例えば、アリルスルホン酸その塩、アリルアミン、アリルクロライド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
前記オレフィン単量体類としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
前記ジエン単量体類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレン等が挙げられる。
前記不飽和炭素を持つオリゴマー類としては、例えば、メタクリロイル基を持つスチレンオリゴマー、メタクリロイル基を持つスチレン−アクリロニトリルオリゴマー、メタクリロイル基を持つメチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つジメチルシロキサンオリゴマー、アクリロイル基を持つポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
前記水分散性樹脂は、強アルカリ性、強酸性下では分散破壊や加水分解などの分子鎖の断裂が引き起こされるため、pHは4〜12が好ましく、特に水分散着色剤との混和性の点からpHは6〜11がより好ましく、7〜9が更に好ましい。
前記水分散性樹脂の平均粒径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。
インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は50nm以上が好ましい。
また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないために平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。
なお、本発明における水分散性樹脂の平均粒子径[体積平均粒子径(D50)]は、25℃、50%RHの環境下において、日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150で動的光散乱法により測定したものである。
また、前記水分散性樹脂は、前記水分散着色剤を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが好ましい。
そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が、−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が、−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
前記水分散性樹脂の前記インクジェット用インクにおける含有量は、固形分で1質量%〜15質量%が好ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
ここで、前記着色剤、着色剤中の顔料、及び前記水分散性樹脂の固形分含有量は、例えば、インク中から着色剤と水分散性樹脂分のみを分離する方法により測定することができる。また、前記着色剤として顔料を用いている場合には、熱質量分析により質量減少率を評価することで着色剤と水分散性樹脂との比率を測定できる。また、前記着色剤の分子構造が明らかな場合には、顔料や染料ではNMRを用いて着色剤の固形分量を定量することが可能であり、重金属原子、分子骨格に含まれる無機顔料、含金有機顔料、含金染料では蛍光X線分析を用いることで着色剤の固形分量を定量することが可能である。
そして、本発明のインクジェット用インクは、限定されるものではないが、水分量が通常50質量%より多く、樹脂と顔料の総量が通常3質量%より多いことから、溶媒蒸発率は、通常50質量%〜97質量%となる。
<その他の成分>
前述のように、前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合される記録用インクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。前記pHが7未満及び11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、等が挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクジェット記録用インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
次に、インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明に係るインクカートリッジの一例を示す概略平面図であり、図2は図1のインクカートリッジの変形例を示す概略平面図である。
図1に示すように、インク注入口242から本発明の前記記録用インクがインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に、図3で後述するインクジェット記録装置本体101の針が刺されて、前記インクが装置本体101に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクカートリッジ201は、本発明の前記記録用インク(インクセット)を収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
<インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記インクジェット記録用インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
<インク飛翔工程及びインク飛翔手段>
前記インク飛翔工程は、前記本発明の記録用インクに、刺激(エネルギー)を印加し、該記録用インクを飛翔させて記録媒体(記録用メディア)に画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明のインクジェット記録用インクに、刺激(エネルギー)を印加し、該記録用インクを記録ヘッド(インクジェットヘッド)から飛翔させて記録用メディアに画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
本発明においては、前記インクジェットヘッドの液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材の少なくとも一部がシリコン及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されることが好ましい。
また、前記インクジェットノズルのノズル直径は、30μm以下が好ましく、1〜20μmがより好ましい。
前記刺激(エネルギー)は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動及び光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等、などが挙げられる。
前記記録用インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記記録用インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記記録用インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
前記飛翔させる前記記録用インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3×10−15〜40×10−15(3〜40pL)とするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5〜20m/sとするのが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上とするのが好ましく、その解像度としては300dpi以上とするのが好ましい。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、シリアル型インクジェット記録装置により、本発明のインクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明に係るインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態のインクジェット記録装置の斜視図である。
図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装填され画像が形成(記録)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ201の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図4及び図5に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図5で矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の記録用インク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しない記録用インク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部104に装填された本発明のインクカートリッジ201から本発明の前記記録用インクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられる。また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚み40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。そして、サブタンク135内の記録用インクの残量ニヤエンドが検知されると、インクカートリッジ201から所要量の記録用インクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ201中の記録用インクを使い切ったときには、インクカートリッジ201における筐体を分解して内部のインク袋241だけを交換することができる。また、インクカートリッジ201は、縦置きで前面装填構成としても、安定した記録用インクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納する場合、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ201の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
また、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
<インク記録物>
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により、記録媒体(記録用メディア)に画像が形成されたインク記録物が得られる。即ち、インク記録物は、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録用メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記インク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<顔料分散液の調整例>
(調整例1):表面処理ブラック顔料分散液
CTAB比表面積が150m/g、DBP吸油量100ml/100gのカーボンブラック90gを、2.5規定の硫酸ナトリウム溶液3,000mlに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。得られたカーボンブラックを水洗し、乾燥させて、固形分30質量%となるよう純水中に分散させ、充分に撹拌してブラック顔料分散液を得た。このブラック顔料分散液における顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ103nmであった。
なお、顔料分散体の平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
(調整例2): マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液
〔ポリマー溶液Aの調製〕
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
〔マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製〕
上記ポリマー溶液Aを28gと、C.I.ピグメントレッド122を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料15質量%含有、固形分20質量%のマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。得られたマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子の平均粒子径(D50)を測定したところ127nmであった。
なお、ポリマー微粒子の平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
(調整例3):シアン顔料含有ポリマー微粒子分散液
調製例2において、顔料としてのC.I.ピグメントレッド122をフタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)に変更した以外は、調製例2と同様にして、シアン顔料含有ポリマー微粒子分散液を調製した。
得られたシアン顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定した平均粒子径(D50)は93nmであった。
(調製例4):イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液
調製例2において、顔料としてのC.I.ピグメントレッド122をモノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74)に変更した以外は、調製例2と同様にして、イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液を調製した。
得られたイエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定した平均粒子径(D50)は76nmであった。
[実施例1〜7、比較例1〜3]
<インクジェット記録用インクの作製>
下記表1に実施例1〜7のインク組成物の構成を、また下記表2に比較例1〜3のインク組成物の構成をそれぞれ示す。
各記録用インクの製造は、以下の手順で行った。まず、下記表1〜表2に示す、湿潤剤(水溶性有機溶剤)、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、及び水(純水)を混合し、1時間攪拌を行い均一に混合した。この混合液に対して、水分散性樹脂(樹脂エマルジョン)を添加して1時間撹拌した後、顔料分散液、消泡剤を添加し、1時間攪拌した。この混合・分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、各記録用インクを作製した。
なお、表1及び表2中の略号などは下記の意味を表す。
・アクリルシリコーン樹脂エマルジョン(1):ポリゾールROY6312;固形分37.2重量%、昭和高分子株式会社
・アクリルシリコーン樹脂エマルジョン(2):AP−4710;固形分50重量%、昭和高分子株式会社
・ウレタン樹脂エマルジョン(3):W5661;エーテル系ウレタン樹脂エマルジョン、固形分35重量%、三井武田ケミカル社製
・ゾニールFS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(Dupont社製、成分40重量%)
・ソフタノールEP−7025:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(株式会社日本触媒製、成分100重量%)
・Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20重量%、ジプロピレングリコール含有)
・KM−72F:自己乳化型シリコーン消泡剤(信越シリコーン株式会社製、成分100)重量%)
Figure 2014037495
Figure 2014037495
<水分蒸発インクの作製>
上記実施例1〜7、及び比較例1〜3で作成した記録用インクを下記の手順にて水分蒸発させて、水分蒸発率25%の記録用インクを作製した。
容量50(ml)、内径5(cm)のガラス瓶にインクを5(g)秤量する。瓶を開放状態にて50℃の恒温槽で一定時間放置し、一定時間放置後、重量を測定して差分から水分蒸発率を下記式(1)にて計算し、25%に調整する。
水分蒸発率(%)={(初期のインク重量)−(蒸発後のインク重量)}/(初期のインク重量)×100 ・・・式(1)
上記水分蒸発率25%に調整した記録用インクのCasson降伏値と粘度、及び水分蒸発率未調整(水分蒸発率0%)の粘度を下記測定条件にて測定した。結果を下記表3に示す。
〔Casson降伏値の測定条件〕
前記実施例1〜7、及び比較例1〜3の記録用インクの粘度を粘弾性測定装置(AntonPaar社製、PhysicaMCR301)を用いて25℃50%RHの環境にて測定した。コーンプレート(φ50mm、1°)を使用してギャップ50μmでせん断速度1〜100(1/s)のせん断応力を測定した。その後、下記式(2)においてせん断速度の平方根√Dが0になる様にグラフを外挿したときの切片bの2乗をCasson降伏値とした。
√S=a√D+b(a、bは係数)・・・式(2)
[式(2)中、S:せん断応力、D:せん断速度、a、b:係数]
〔粘度の測定条件〕
<粘度>
前記実施例1〜7、及び比較例1〜3の記録用インクの粘度を粘弾性測定装置(AntonPaar社製、PhysicaMCR301)を用いて25℃50%RHの環境にて測定した。コーンプレート(φ50mm、1°)を使用してギャップ50μmでせん断速度1000(1/s)の粘度を測定した。
Figure 2014037495
実施例1〜7、及び比較例1〜3で作製した記録用インクの吐出安定性、及び画像濃度について、を下記条件にて評価した。結果を下記表4に示す。
<吐出安定性>
インクジェットプリンタ(IPSiO GXe5500、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、Microsoft Word2000にて作成した一色当りA4サイズ用紙の面積5%をベタ画像にて塗りつぶすチャートを1枚、マイペーパー(株式会社NBSリコー製)に打ち出して吐出乱れがないことを確認した。その後、プリンタの維持キャップをノズルから離してノズルを開放状態にした後、40℃10%RH環境に3時間放置した。その後、初期と同じチャートを印字して各ノズルの吐出乱れを以下の基準で評価した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準速い」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
○:全ノズル吐出する
△:吐出しないノズルが10個未満
×:吐出しないノズルが10個以上
<画像濃度>
Microsoft Word2000にて作成した64point文字「■」の記載のあるチャートをマイペーパー(株式会社NBSリコー製)に打ち出し、印字面の「■」部をX−Rite938にて測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準速い」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
○:Black:1.2以上、Yellow:0.8以上、Magenta:1.0以上、Cyan:1.0以上
△:Black:1.15以上1.2未満、Yellow:0.75以上0.8未満、Magenta:0.95以上1.0未満、Cyan:0.95以上1.0未満
×:Black:1.15未満、Yellow:0.75未満、Magenta:0.95未満、Cyan0.95未満
Figure 2014037495
上記評価結果から、インクジェット記録用インクの水分蒸発率が25%のときに、前記(I)で測定・算出されるCasson降伏値が5Pa以上10Pa未満、及び前記(II)で測定される粘度が60mPa・s未満の条件を満たす本発明のインクジェット記録用インクではいずれも画像濃度、吐出安定性が優れており、実用において問題となる特性は見られない。一方、Casson降伏値が5Pa未満の比較例1や、Casson降伏値が測定不能な比較例3では、粘度が60mPa・s未満であっても画像濃度が×で実用において問題となる。また、粘度が60mPa・sを超える比較例2では、Casson降伏値が5Pa以上10Pa未満であっても吐出安定性が×で実用において問題となる。
なお、比較例3において測定不能とは、Casson降伏値を持たないことを示す。
つまり、測定値がb=0であり、前記関係式(2);√S=a√D+b(a,bは係数)が成立せずCasson降伏値を求めることができない。
すなわち、本発明のインクジェット記録用インクは、普通紙に対する画像品質(高画像濃度)に優れ、かつ吐出安定性が良好であるため、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができる。インクジェット記録方式による記録装置としては、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などが適用できる。
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙積載部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
201 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
特開2010−106141号公報 特開2004−131588号公報 特開2005−002186号公報

Claims (8)

  1. 顔料と、湿潤剤と、水分散性樹脂と、水とを少なくとも含有してなるインクジェット記録用インクであって、下記式(1)で求められる該インクの水分蒸発率が25%のときに、下記〔1〕及び〔2〕の条件を満たすことを特徴とするインクジェット記録用インク。
    水分蒸発率(%)={(初期のインク重量)−(蒸発後のインク重量)}/(初期のインク重量)×100 ・・・式(1)
    〔1〕:下記条件(I)により測定・算出されるCasson降伏値が5Pa以上10Pa未満
    (I)[25℃50%RHの環境で、直径5cm、1°のコーンプレートを使用しギャップ50μmにてせん断速度(S)1〜100(1/s)に対するせん断応力(D)を求め、関係式;√S=a√D+b(a、bは係数)・・・式(2)における切片bの二乗からCasson降伏値を算出]
    〔2〕:下記条件(II)により測定される粘度が60mPa・s未満
    (II)[25℃50%RHの環境で、直径5cm、1°のコーンプレートを使用しギャップ50μmにてせん断速度1000(1/s)で粘度を測定]
  2. 前記湿潤剤として、下記一般式(I)〜(IV)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
    Figure 2014037495
  3. 前記式(1)で求められるインクの水分蒸発率が0%のときに、前記条件(II)により測定される粘度が6mPa・s以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 前記水分散性樹脂がアクリルシリコーン樹脂エマルジョン又はウレタン樹脂エマルジョンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、記録ヘッドから該インクを飛翔させて記録媒体に画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、該インクを記録ヘッドから飛翔させて記録媒体に画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 顔料と、湿潤剤と、水分散性樹脂と、水とを少なくとも含有してなるインクジェット記録用インクのCasson降伏値及び粘度の設定方法であって、
    下記式(1)で求められる該インクの水分蒸発率が25%のときに、下記〔1〕及び〔2〕の条件を満たすことを特徴とするCasson降伏値及び粘度の設定方法。
    水分蒸発率(%)={(初期のインク重量)−(蒸発後のインク重量)}/(初期のインク重量)×100 ・・・式(1)
    〔1〕:下記条件(I)により測定・算出されるCasson降伏値が5Pa以上10Pa未満
    (I)[25℃50%RHの環境で、直径5cm、1°のコーンプレートを使用しギャップ50μmにてせん断速度(S)1〜100(1/s)に対するせん断応力(D)を求め、関係式;√S=a√D+b(a、bは係数)・・・式(2)における切片bの二乗からCasson降伏値を算出]
    〔2〕:下記条件(II)により測定される粘度が60mPa・s未満
    (II)[25℃50%RHの環境で、直径5cm、1°のコーンプレートを使用しギャップ50μmにてせん断速度1000(1/s)で粘度を測定]
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