JP2014037261A - スキンパック包装体、及びスキンパック包装体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のスキンパック包装体1は、台紙2と、凹み部4を有し且つ前記凹み部4を前記台紙2の表面に向けて台紙2に添えられた被包装物3と、前記台紙2に添えられた被包装物3を覆いつつ前記台紙2の表面に接着されたスキンパックフィルム5と、を有し、前記台紙2を変形させることにより、前記被包装物3の凹み部4側に突出する突出部6が前記台紙2の一部分に形成されている。
【選択図】 図3
Description
かかるスキンパック包装体は、平板状の台紙の表面に被包装物を載せ、その上から軟化させたスキンパックフィルムを被せ、台紙の裏面側からスキンパックフィルムを吸引することにより製造できる。
また、接着防止具は、消費者にとって有用なものではなく、スキンパック包装体の開封後、単に廃棄される部材である。このような接着防止具を被包装物の一部分に付随させると、接着防止具が消費者に見えることによってスキンパック包装体の外観が低下し(スキンパック包装体の商品価値が低下し)、さらに、包装資材のコストアップにも繋がる。
本発明の第2の目的は、スキンパックフィルムの裏面同士が部分接着し難いスキンパック包装体を比較的安価に製造できるスキンパック包装体の製造方法を提供することである。
本発明は、台紙の一部分を変形させることにより、スキンパックフィルムの部分接着を防止しているので、包装資材の材料コストが上がることもない。また、本発明のスキンパック包装体は、接着防止具のような別途の部材を用いないので、別途の部材が見えることに起因する外観低下も生じない。
そのスキンパック包装体の製造方法は、被包装物の凹み部の形状に沿った凸面部を有する吸引台の表面に台紙を載せる工程、前記凹み部を台紙の表面に向けて、前記台紙の表面に前記被包装物を載せ、前記被包装物の上からスキンパックフィルムを被せた後、前記スキンパックフィルムを被包装物側及び台紙側に吸引する工程、を有し、前記スキンパックフィルムを吸引すると同時に、又は、前記被包装物を載せる前に、前記台紙を前記吸引台の表面側に吸引して台紙を変形させ、前記被包装物の凹み部に対応した突出部を前記台紙の一部分に形成する。
また、本発明の製造方法によれば、上記のようなスキンパック包装体を簡易に得ることができる。
スキンパック包装体を構成する部材の「表面」は、スキンパック包装体を図1に示す正面(スキンパックフィルムの面を直視する方向)から見たときに、手前側(看者に近い側)にある面を指し、ある部材の「裏面」は、その反対側の面を指す。
また、「PPP〜QQQ」という記載は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。
さらに、本発明において、「台紙」は、スキンパックと協働して被包装物を保持する部材であり、台紙の「紙」は、「台紙が紙製である」という限定的な意味を有するわけではない。
なお、各図の具体的な寸法及び縮尺比は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
図1乃至図4において、スキンパック包装体1は、台紙2と、凹み部4を有する被包装物3と、台紙2と協働して被包装物3を保持するスキンパックフィルム5と、を有する。
スキンパックフィルム5は、被包装物3に被さり且つ台紙2に接着していない部分と、前記被包装物3に被さらず且つ前記台紙2に接着する部分と、を有する。
なお、本明細書において、密着とは、接しているが接着していない状態をいう。密着は、接した2つの部材を実質的に負荷無く引き離すことができる点で接着と異なる。
また、被包装物3は、台紙2のほぼ中央部に配置される他、台紙2の何れかの辺側に寄って配置されていてもよい。さらに、1つのスキンパック包装体1に、複数の被包装物3が包装されていてもよい。
突出部6の表面は、被包装物3の凹み部4に沿って、その凹み部4の外形に接する又は近接している。従って、台紙2と凹み部4の間に、吸引されたスキンパックフィルム5が回り込むほどの隙間を有さず、台紙2の表面と凹み部4の間において、スキンパックフィルム5の裏面同士が接着していない。
なお、突出部6の表面が被包装物3の凹み部4に近接している場合、その間隔(突出部6の表面と凹み部4の間隔)は、前記のように吸引されたスキンパックフィルム5が回り込まない程度である。その間隔の具体的な長さは、例えば、0を超え3mm以下であり、好ましくは、0を超え1.0mm以下である。
突出と凹みは、相対的な概念である。本発明で言う台紙2の突出部6は、被包装物3の載置部3aが接する部分を基準面にして、その基準面よりも被包装物3側に突出している部分を指す。
台紙2の突出部6は、台紙2の幅方向全体に亘って形成されていてもよいし、或いは、台紙2の幅方向の中途部に部分的に形成されていてもよい。
また、突出部6は、台紙2の幅方向全体に亘って形成されている。この場合、特に、図2に示すように、台紙2は、側面から見て、側縁が非直線状であり(側縁が屈曲し)、平板を曲げ加工したような曲げ板状を成している。
図5乃至図7に示す例では、突出部6が、台紙2の幅方向の中途部に部分的に形成されている。この場合、図6に示すように、台紙2は、側面から見て、その側縁が直線状であり、図7に示すように、台紙2の面内の中途部分のみが盛り上がっている。
凹み部4は、被包装物3の任意の部分(被包装物3の載置部3a)を水平面上に置いて被包装物3を静置させたときに、(水平面に接触せず)水平面との間に隙間を形成する部分である。厳密には、その隙間は、水平面と平行な方向の光線を任意に照射したときに、その光が何も遮蔽されることなく通過する隙間をいう。
被包装物3の形状は、凹み部4を有することを条件として特に限定されない。被包装物3の形状としては、凹んだ部分を有する略円柱状、凹んだ部分を有する略直方体状、大きさの異なる2つ以上の同形状又は2つ以上の異形状が組み合わさった形状(例えば、大きな円柱と小さな円柱が組み合わさった形状)などが挙げられる。
歯ブラシは、図8及び図9に示すように、ブラシが植設されたヘッド部31と、持ち手部分となるハンドル部32と、ヘッド部31とハンドル部32を連結するリーチ部33と、を有する。
この歯ブラシは、その側面から見た図9(a)のように、ヘッド部31とハンドル部32が略同幅で、リーチ部33がそれらの幅よりも狭い。かかるリーチ部33は、内側に凹んだ凹み部4を構成している。
図示例の歯ブラシの場合には、ヘッド部31の一方の側面及びハンドル部32の一方の側面が、被包装物3の載置部3aに相当し、リーチ部33が、凹み部4に相当し、水平面が、基準面に相当する。
被包装物3の隙間の長さ(凹み部4の深さに相当する)は、特に限定されないが、例えば、1mm以上であり、好ましくは、2mm以上である。突出部6を形成するための台紙2の変形にも限度があるので、前記隙間の長さは、20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましい。
前記被包装物3の隙間Hの長さは、図9(b)に示すように、凹み部4と水平面Xの間の直線長さを意味し、その直線長さが一様でない場合には、その最大長さを意味する。
台紙2の形成材料は特に限定されず、厚紙、普通紙、コート紙、不織布、合成紙、合成樹脂シート、発泡樹脂シートなどの単層シート、及びこれらの2以上のシートが積層接着された積層シートなどの各種シート材を用いることができる。なお、シートは、一般にフィルムと呼ばれるものを含む。
前記合成樹脂シートや発泡樹脂シートの材質は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系などが挙げられる。
台紙2が合成紙、合成樹脂シート又は発泡樹脂シートで形成されている場合、その厚みは、例えば、80μm〜800μmであり、好ましくは、100μm〜500μmである。
台紙2の目付量又は厚みが小さすぎると、台紙2を曲げて凹所を形成しても、その凹所の形状を台紙2自身が維持できないおそれがある。他方、台紙2の目付量又は厚みが大きすぎると、材料コストが高くなる。
一方、合成紙、合成樹脂シート又は発泡樹脂シート及びこれらの積層体からなる台紙2は、厚み方向に通気性を有さない場合が多いので、このような形成材料を用いる場合には、台紙2の面内に、厚み方向に貫通する貫通孔を複数形成しておくことが好ましい。前記貫通孔としては、肉眼で視認できないほどの微細な孔、肉眼で視認できる比較的小さな孔、又は、周知のミシン目線などが挙げられる。なお、前記厚紙などのように、形成材料自体が厚み方向に通気性を有する台紙2においても、必要に応じて、前記貫通孔を形成してもよい。
さらに、台紙2の表面及び/又は裏面には、必要に応じて、所望のデザインが施されている。
スキンパックフィルム5の厚みは、特に限定されず、例えば、30μm〜300μm、好ましくは、60μm〜200μmである。
かかるスキンパック包装体1は、開封時、スキンパックフィルム5を被包装物3から外し易く、開封性に優れている。
例えば、図10乃至図12に示すように、台紙2が、被包装物3の凹み部4側に突出する突出部6を有し、さらに、台紙2のうち被包装物3が添えられていない部分2aが、突出部6の頂部62と面一状に突出されていてもよい。被包装物3は、凹み部4の最深部を基準にすると、被包装物3の載置部3aが外側に出張っている形状とも捉えられる。それ故、図10乃至図12のスキンパック包装体1は、台紙2のうち被包装物3の載置部3aが接する部分が、載置部3aの外形に沿って、凹んでいるとも言える。
もっとも、上述のように突出と凹みは相対的な概念であって、本発明で言う台紙2の突出部6は、基準面(台紙2のうち被包装物3の載置部3aが接する部分)よりも被包装物3側に突出している部分を指す。このため、図10乃至図12に示すスキンパック包装体1においても、台紙2には、被包装物3の凹み部4側に突出する突出部6が形成されている。
例えば、図13乃至図15に示すように、載置部3aの上方(又は下方若しくは側方)に凹み部4が形成された被包装物3を包装したスキンパック包装体1でもよい。
この被包装物3は、略円柱状などの大径部35と、その大径部35の上方部(又は下方部若しくは側方部)に一体的に設けられた、略円柱状などの小径部36と、を有する。台紙2には、その被包装物3の小径部36(凹み部4)側に突出する突出部6が形成されている。
上記スキンパック包装体1は、例えば、次のようにして製造できる。
以下、比較的大きな形状の台紙及びスキンパックフィルムを用いて、同一のスキンパック包装体1を、複数同時に製造する場合を例に採って説明する。
なお、同一のスキンパック包装体1は、台紙に表示されたデザインに対する被包装物の保持位置が略同じスキンパック包装体を意味し、好ましくは、台紙の外形も略同じスキンパック包装体1を意味する。
複数同時製造に使用される台紙は、通常、上記スキンパック包装体1に具備された台紙よりも大きい。以下、製造時に使用される台紙を、特に、原台紙という。
原台紙は、吸引台の表面上に載せられる。
吸引台7は、図16及び図17に示すように、型本体71と、この型本体71内に形成された閉鎖空間72(空洞部)と、この型本体71の表面から閉鎖空間72に繋がる複数の吸気孔73と、閉鎖空間72と外部を連通する連通路74と、を有する。この連通路74に、吸引装置に繋がる吸引管(図示せず)が接続される。
吸気孔73の数についても適宜設定できる。好ましくは、複数の吸気孔73は、0.1mm〜5mmの間隔を開けて形成され、より好ましくは等間隔に形成される。
本実施形態では、原台紙2Aは、スキンパック包装体1を複数切り出すことができる大きさに形成されている。この原台紙2Aからは、例えば、4つのスキンパック包装体1を得ることができる。この原台紙2Aには、4つの区画に、それぞれ同じデザインが印刷表示されている。
原台紙2Aの平面形状は特に限定されないが、通常、矩形状の原台紙が用いられる。
そして、吸引装置(図示せず)を作動させ、原台紙2Aを真空吸引する。すると、原台紙2Aと型本体71の表面の間の空気が、吸気孔73から閉鎖空間72、連通路74を通じて吸引装置に吸引される。
吸引により、原台紙2Aの裏面が型本体71の表面に密着し、その型本体71の表面形状に従って、原台紙2Aが変形する(図19参照)。よって、平板状の原台紙2Aが凹凸状に変形し、原台紙2Aの一部分に被包装物3の凹み部4に対応した突出部6が生じる。
必要に応じて、原台紙2Aを変形させやすくするために、蒸気を当ててもよいし、或いは、台紙を変形させる部分に、押し刃や切り刃等を用いて予め折り罫線を入れていてもよい。また、変形後の原台紙2Aの形状をセットするために、吸引後に、原台紙2Aに熱を加えてもよい。
突出部6を形成した原台紙2Aの表面に、図20に示すように、被包装物3を載せていく。本実施形態では、4つのスキンパック包装体1を得ることができる台紙2(原台紙2A9を用いているので、4つの被包装物3を、原台紙2Aの幅方向に所要間隔を開けて並べて置く。
被包装物3を載置する前に、原台紙2Aを変形させているので、原台紙2Aの突出部6に被包装物3の凹み部4を嵌合させることができる。このため、被包装物3の、原台紙2Aに対する載置位置の位置合わせを容易に行え、また、載置後、被包装物3が不用意に位置ずれすることを防止できる。
複数同時製造に使用されるスキンパックフィルムは、通常、原台紙2Aよりも大きい。以下、製造時に使用されるスキンパックフィルムを、特に、原スキンパックフィルムという。
例えば、原スキンパックフィルム5Aは、原台紙2Aよりも大きく且つ原台紙2Aと相似形である。
なお、加熱しなくても十分に軟らかい原スキンパックフィルム5Aを用いる場合には、加熱処理を行わずに、その原スキンパックフィルム5Aをそのまま被包装物3及び原台紙2Aの上に被せればよい。
この保持枠8は、上下一対の上枠81及び下枠82からなり、上枠81及び下枠82は、中抜き矩形状(額縁状)となっている。上枠81及び下枠82は、通気性のない部材から形成され、例えば、金属、合成樹脂などから形成される。
上枠81と下枠82の間に原スキンパックフィルム5Aの周縁部を挟み込み、上枠81と下枠82が離反しないように固定することにより、原スキンパックフィルム5Aの周囲が保持枠8によって保持される。
その軟化させた原スキンパックフィルム5Aを保持枠8と共に下方に移動させ、原スキンパックフィルム5Aを原台紙2Aの上に被せる。この際、保持枠8を、吸引台7の表面を越えて下方に位置するまで移動させる。
原スキンパックフィルム5Aの吸引により、複数のスキンパック包装体1が一連に繋がった連続体が得られる(図示せず)。
仕上げ工程は、個々のスキンパック包装体1を得る工程である。
本実施形態においては、4つのスキンパック包装体1を得ることができる大きさの原台紙2A及び原スキンパックフィルム5Aを用いている。前記吸引工程で得られた連続体を保持枠8から外し、連続体を個々のスキンパック包装体1の外形に沿って切り取る。
切り取りは、トムソン刃などの打ち抜きダイを用いた打ち抜き、カッターなどを用いた切断などで行うことができる。
このようにして図1乃至図4に示すようなスキンパック包装体1を複数(例えば、4つ)同時に得ることができる。
なお、上記製法の実施形態においては、被包装物3を載せる目に台紙2を変形させているが、これに限定されず、例えば、下記のように変更することもできる。
即ち、吸引台7の上に原台紙2Aを置き、(吸引して原台紙2Aを変形させることなく)その原台紙2Aの上の所定位置(型本体71の凸面部712に被包装物3の凹み部4が対応するような位置)に被包装物3を載せていき、さらに、その被包装物3を含んで原台紙2Aの表面上に原スキンパックフィルム5Aを被せる。そして、吸引装置を作動させ、台紙2を吸引台7の表面に吸引して変形させ、原台紙2Aに突出部6を形成すると同時に、原スキンパックフィルム5Aを被包装物3及び台紙2に接着させる。
かかる製法であれば、1度の吸引工程により、台紙2の変形とスキンパックフィルム5の接着を行うことができる。
Claims (2)
- 台紙と、凹み部を有し且つ前記凹み部を前記台紙の表面に向けて台紙に添えられた被包装物と、前記台紙に添えられた被包装物を覆いつつ前記台紙の表面に接着されたスキンパックフィルムと、を有し、
前記台紙を変形させることにより、前記被包装物の凹み部側に突出する突出部が前記台紙の一部分に形成されている、スキンパック包装体。 - 被包装物の凹み部の形状に沿った凸面部を有する吸引台の表面に台紙を載せる工程、
前記凹み部を台紙の表面に向けて、前記台紙の表面に前記被包装物を載せ、前記被包装物の上からスキンパックフィルムを被せた後、前記スキンパックフィルムを被包装物側及び台紙側に吸引する工程、を有し、
前記スキンパックフィルムを吸引すると同時に、又は、前記被包装物を載せる前に、前記台紙を前記吸引台の表面側に吸引して台紙を変形させ、前記被包装物の凹み部に対応した突出部を前記台紙の一部分に形成する、スキンパック包装体の製造方法。
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