JP2014037259A - ドラム缶用内袋、内袋ユニット及び充填方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可撓性フィルムからなる3つ以上の側面体11を備え、前記側面体11の一部によりガゼット部が形成され、任意の前記側面体11と前記任意の側面体11に隣接する他の前記側面体とのシール部で側端及び下端が封止された袋本体10を備えるドラム缶用内袋1であって、前記シール部は、前記側面体の内面同士がシールされてなる。前記袋本体10には、内外を連通するノズル体60が突設され、前記ノズル体60は、可撓性フィルムからなることが好ましく、前記ノズル体60は、長尺であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
ドラム缶には、有底筒状の缶本体及び缶本体の開口部に着脱自在に設けられた蓋体を備えるオープンドラム缶と、缶本体の開口部に蓋体を巻き締めてなるクローズドドラム缶とがある。クローズドドラム缶に内容物を充填する場合には、蓋体に形成されたφ40〜60mm程度の口部から内袋を缶本体内に挿入し、次いで、内袋の注入口から内容物を充填する。
例えば、オープンドラム缶に用いられる内袋としては、円筒状のフィルムを胴部とし、胴部の一方の開口端をフィルムで塞いだ有底円筒状のものや、円筒状のフィルムの一方の開口端を偏平に圧着封止したもの(平袋)が用いられている。オープンドラム缶に用いられている内袋を折り畳み、これをクローズドドラム缶内に挿入し、この内袋に内容物を充填すると、内袋の一部が折り畳まれたままになり、所定量の内容物を内袋に充填できない場合がある。
加えて、有底円筒状の袋や平袋の周縁には、折り曲げ縁が形成されており、特にピンチロール等によってフィルム成形時に形成された折り曲げ縁におけるフィルムは、その外面が引き伸ばされて薄くなり、強度の低下を生じている。ドラム缶用の内袋には、強度を高めるために、厚さ100μm以上のフィルムが用いられることが多く、このように厚いフィルムを用いた袋は、折り曲げ縁の強度低下が顕著なものとなる。このため、内袋に内容物を充填する際又は流通中に、物理的な衝撃が加わったり、あるいは内容物が充填された後の流通中に、ドラム缶の内面に擦れ合ったりすると、内袋にピンホールが生じたり、破れたりする等、破損を生じやすくなる。
そこで、本発明は、良好に破損を防止できるドラム缶用内袋を目的とする。
本発明のドラム缶用内袋(以下、単に内袋ということがある)は、可撓性フィルムからなる3つ以上の側面体を備え、側面体の一部によりガゼット部が形成され、任意の側面体と前記任意の側面体に隣接する他の側面体とのシール部で側端及び下端が封止された袋本体を備えるものである。
本発明の一実施形態にかかる内袋について、以下に図面を参照して説明する。
図1(a)は、本実施形態の内袋1の正面図であり、図1(b)は、図1(a)の部分拡大図であり、図1(c)は、図1(a)の部分拡大図である。図2(a)は、図1(a)のII−II断面図であり、図2(b)は、図2(a)の部分拡大図である。図3は、図2(a)の内袋1を膨らませた状態を示す断面図である。
図2(a)に示すように、袋本体10は、透明な可撓性フィルムからなる第一の側面体11、第二の側面体12、第三の側面体13、第四の側面体14、第五の側面体15及び第六の側面体16を備える。なお、図2(a)は、説明の便宜上、第一〜第六の側面体が離間した状態で図示されており、常態(図1(a)の状態)では、第一の側面体11と第四の側面体14とが一対の対向する平面部とされ、第一の側面体11と第四の側面体14との間に第二の側面体12、第三の側面体13、第五の側面体15及び第六の側面体16が折り込まれて、ガゼット部が形成されている。
例えば、第一の側面体11には、下端辺11a、11bと、側端辺11c、11dと、上端辺11e、11fとが形成されている。
こうして、袋本体10の側端は、第一〜第六の側端シール部で封止されている。
なお、第一〜第六の側端シール部は、可撓性フィルムが熱シールされて、袋本体10の外方に突出するように形成されている。
また、第一〜第六の下端シール部同士の接続部の内縁は、曲線とされている。例えば、第一の下端シール部31と第六の下端シール部36との接続部の内縁には、曲線R1が形成されている(図1(b)参照)。このように、下端シール部同士の接続部の内縁が曲線とされていることで、内袋1に内容物を充填する際に、領域39(図1(b)、図3参照)に力が集中するのを緩和して、下端シール部が剥離するのを抑制できる。R1の曲率は、例えば、後述する下端シール部同士のなす角度θ1等を勘案して決定される。
また、第一〜第六の下端シール部と第一〜第六の側端シール部との接続部の内縁は、曲線とされている。例えば、第一の下端シール部31と第一の側端シール部21との接続部の内縁には、曲線R2が形成されている(図1(c)参照)。このように、下端シール部と側端シール部との接続部の内縁が曲線とされていることで、内袋1に内容物を充填した際に、底部30が円形になりやすく、袋本体10が円筒状に膨らみやすい。R2の曲率は、例えば、底部30の半径等を勘案して決定される。
こうして、袋本体10の下端は、第一〜第六の下端シール部で封止されている。
なお、第一〜第六の下端シール部は、可撓性フィルムが熱シールされて、袋本体10の外方に突出するように形成されている。
また、上端シール部同士の接続部の内縁は曲線とされ、上端シール部と側端シール部との接続部の内縁は曲線とされている。
こうして、袋本体10の上端は、第一〜第六の上端シール部で封止されている。
なお、第一〜第六の上端シール部は、可撓性フィルムが熱シールされて、袋本体10の外方に突出するように形成されている。
罫線30aは、例えば、手動プレス機、油圧プレス機、電動プレス機等を用いた型押しにより形成される。中でも、サーボモータ式の電動プレス機を用いて、型押しするのが好ましい。型押しする際の温度は、特に限定されないが、室温(25℃)〜150℃が好ましく、室温〜100℃がより好ましい。
第六の下端シール部36の外側には、第一の側面体11及び第六の側面体16から可撓性フィルムが延設され、これらの可撓性フィルムの周縁が熱シールされた下部補助袋部56が形成されている。下部補助袋部56には、上下方向に延びる補助シール部56aが形成されている。
加えて、第二の下端シール部32の外側には、下部補助袋部51と同様の下部補助袋部が形成され、第三の下端シール部33の外側には、下部補助袋部51と同様の下部補助袋部が形成されている。第四の下端シール部34の外側には、下部補助袋部51と同様の下部補助袋部が形成され、第五の下端シール部35の外側には、下部補助袋部51と同様の下部補助袋部が形成されている。
第二の上端シール部の外側には、上部補助袋部70と同様の上部補助袋部が形成され、第三の上端シール部の外側には、上部補助袋部70と同様の上部補助袋部が形成されている。第四の上端シール部の外側には、上部補助袋部70と同様の上部補助袋部が形成され、第五の上端シール部の外側には、上部補助袋部70と同様の上部補助袋部が形成されている。
積層フィルムとしては、例えば、内層と外層とが設けられたものが挙げられる。
内層は、袋本体10の内面を形成するものである。内層の材質は、熱シール性に優れたものが好ましく、例えば、PE、PP等が挙げられ、中でも、PEが好ましく、直鎖状低密度PE(LLDPE)がより好ましい。
外層は、袋本体10の外面を形成するものである。外層の材質は、袋本体10に求める突き刺し強度等を勘案して決定され、例えば、PE、PP、PET等が挙げられる。加えて、外層の材質は、内層の材質の融点よりも10℃以上高い融点であることが好ましい。外層の融点が内層の融点よりも10℃以上高ければ、可撓性フィルム同士を熱シールする際に、内層同士を熱シールし、外層を溶融しないようにするのが容易である。
例えば、内層の材質がLLDPEであれば、外層の材質としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、PP、PET等が好ましく、中でも、HDPE、MDPEがより好ましい。
また、例えば、内層の材質がHDPE、MDPEであれば、外層の材質としては、PPが好ましい。
あるいは、内層の材質がランダムPPであれば、外層の材質としては、ブロックPPが好ましい。
中でも、内層の材質がLLDPEで、外層の材質がHDPE、MDPE又はこれらの混合物であることが好ましい。
加えて、内層と外層との間に、中間層が設けられていてもよい。中間層の材質としては、PE、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、PP、接着性樹脂や、PET等のガスバリア性を有するものが挙げられ、中でも、PEが好ましい。中間層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。
また、内層と中間層と外層とからなる積層フィルムの場合、(内層の厚さ)/(中間層の厚さ)/(外層の厚さ)で表される比は、例えば、(1〜4)/(1〜8)/1とされる。
袋本体10において、第六の下端シール部36と第六の側端シール部26との接点から、第六の上端シール部46と第六の側端シール部26との接点までの長さL2は、ドラム缶の大きさ等に応じて決定される。内袋1が200L容量のドラム缶用の内袋である場合には、例えば、L2=70〜120cmとされる。
袋本体10の幅W1は、側面体の数やドラム缶の大きさ等に応じて決定される。内袋1が200L容量のドラム缶用の内袋である場合には、例えば、W1=20〜60cmとされる。
なお、下端シール辺の外縁、例えば、下端辺11a、11bは直線とされている。
第一の下端シール部31における内縁31aを円弧状とする場合、内縁31aの両端を結んだ直線(即ち、弦)の長さと、前記の弦と内縁31aとの距離の最大値(最も膨出した位置と弦との距離=最大膨出距離)とが、下記(1)式で表される膨出比で、好ましくは1/1000〜200/1000、より好ましくは10/1000〜100/1000とされる。
膨出比=最大膨出距離/弦の長さ ・・・(1)
第二の下端シール部32の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第二の下端シール部32の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第三の下端シール部33の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第三の下端シール部33の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第四の下端シール部34の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第四の下端シール部34の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第五の下端シール部35の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第五の下端シール部35の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第六の下端シール部36の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第六の下端シール部36の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
図3に示すように、内袋1に内容物を充填して内袋1を膨らませた際に、第一〜第六の下端シール部が平面視放射状に広がって平面視円形の底部30が形成される。この際、θ1が上記範囲内であれば、底部30に皺が形成されたりしにくくなる。
加えて、θ1が60°であれば、内容物が充填され、袋本体10が円筒状になった際に、底部30が平面となりやすい。
また、θ1が60°未満、好ましくは55〜59°であれば、内容物が充填され、袋本体10が円筒状になった際に、領域39が袋本体の内側又は外側に折れて、領域39に力が集中するのを緩和できる。
あるいは、θ1が60°超、好ましくは61〜64°であれば、内容物が充填され、袋本体10が円筒状になった際に、底部30の中心部分には、領域39が折り畳まれた部分が形成されるものの、底部30の半径をより適切な長さに制御できる。特に、θ1が62°であれば、下端シール部の長さを底部30の半径と等しくできる。
下端シール部の内縁が円弧状である場合、下端シール部同士の接合部近傍では、下端シール部の内縁の接線同士のなす角度を60°未満とし、上方に向かうに従い、下端シール部の内縁の接線同士のなす角度を大きくして60°超とできる。このため、内容物が充填され、袋本体10が円筒状になった際に、底部30をより適切な形状にできる。
第二の上端シール部の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第二の上端シール部の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第三の上端シール部の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第三の上端シール部の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第四の上端シール部の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第四の上端シール部の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第五の上端シール部の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第五の上端シール部の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
第六の上端シール部46の形状は、第一の下端シール部31の形状と同様であり、第六の上端シール部46の幅は、第一の下端シール部31の幅と同様である。
ノズル体60を構成する積層フィルムとしては、例えば、内層と外層とが設けられたものが挙げられる。
外層は、ノズル体60の外面を形成するものである。外層の材質は、熱シール性に優れたものが好ましく、例えば、PE、PP等が挙げられ、中でも、LLDPEが好ましい。
内層は、ノズル体60の内面を形成するものである。内層の材質は、外層の材質の融点よりも10℃以上高い融点であることが好ましい。内層の融点が外層の融点よりも10℃以上高ければ、袋本体10にノズル体60を設ける際に、ノズル体60の外層と袋本体の内層とを熱シールし、ノズル体60の内層同士を熱シールしないようにするのが容易である。例えば、外層の材質がLLDPEであれば、内層の材質としては、HDPE、MDPE、PP、PET等が好ましく、中でも、HDPE、MDPEがより好ましい。
ノズル体60を構成する可撓性フィルムの厚さは、特に限定されず、例えば、50〜300μmとされる。50μm未満では、強度が低すぎて、破損するおそれがあり、300μm超では、可撓性が損なわれ、取り扱いが煩雑になるおそれがある。ノズル体60の取り扱いを容易にする観点から、ノズル体60を構成する可撓性フィルムの厚さは、袋本体10を構成する可撓性フィルムの厚さよりも薄いことが好ましい。
また、ノズル体60は、長さl1/幅w1で表されるアスペクト比が、好ましくは1〜20であり、より好ましくは2〜10であり、さらに好ましくは5〜10である。上記下限値未満では、後述するノズル係止体を装着しにくく、上記上限値超では、内容物を充填する際の操作が煩雑となりやすい。
まず、ノズル体60を構成する2枚の可撓性フィルムを、外層同士が当接するように重ね合わせ、幅方向の側縁に沿って熱シールし、次いで、外層が外側になるように裏返してノズル体60を得る。第二の側面体12を構成する可撓性フィルム(以下、フィルムBということがある)、第三の側面体13を構成する可撓性フィルム(以下、フィルムCということがある)、第五の側面体15を構成するフィルム(以下、フィルムEということがある)及び第六の側面体16を構成する可撓性フィルム(以下、フィルムFということがある)を幅方向に二つ折りにする。この際、外層が内側になるように各可撓性フィルムを二つ折りにする。
第四の側面体14を構成する可撓性フィルム(以下、フィルムDということがある)の内層上に、二つ折りにしたフィルムCと二つ折りにしたフィルムEとを、折り曲げ縁同士が内側で対向するように載せる。次いで、二つ折りにしたフィルムBをフィルムC上に載せ、二つ折りにしたフィルムFをフィルムE上に載せる。この際、フィルムBとフィルムFとは、折り曲げ縁同士が内側で対向するように配置される。ノズル体60をフィルムBの任意の位置に載せ、第一の側面体11を構成する可撓性フィルム(以下、フィルムAということがある)をノズル体60、フィルムB及びフィルムFの上に載せて積層物を得る。この際、フィルムAの外層を上向きとする。この積層物に対し、図1(a)に示す固定シール部62、上部補助袋部70の周縁、補助シール部70a、第一の上端シール部41、第六の上端シール部46、第一の側端シール部21、第六の側端シール部26、第一の下端シール部31、第六の下端シール部36、下部補助袋部51の周縁、下部補助袋部56の周縁、補助シール部51a及び補助シール部56aに対応する位置を熱シールすることで、内袋1が得られる。
得られた内袋1は、正面視において、袋本体10の周縁の全てがシール部で形成され、袋本体10の周縁に、折り曲げ縁が形成されていないものである。
熱シールする際のシール温度は、内層同士が融着し、外層同士が融着しない温度とされる。
本実施形態のノズル係止体は、ノズル体を外装容器であるドラム缶に係止するために用いられるものであり、ノズル係止体と、ノズル体を備えた内袋とで内袋ユニットが構成される。
図4のノズル係止体100は、係止部110と、支持部120とを備えるものである。
係止部110は、正面視矩形の係止枠112と、係止枠112の開口部に設けられた桟114a、114bとを備えるものである。
第三の框112cと第四の框112dとの間には、第一の框112aと第二の框112bとにわたる桟114aが設けられており、第三の框112cと桟114aとの間には、第一の挿入口116aが形成されている。また、桟114aと第四の框112dとの間には、第一の框112aと第二の框112bとにわたる桟114bが設けられており、桟114aと桟114bとの間には、第二の挿入口116bが形成され、桟114bと第四の框112dとの間には、第三の挿入口116cが形成されている。
係止部110は、全体として梯子状とされている。
第一の挿入口116aの長さl2は、ノズル体60の幅w1に応じて決定され、例えば、幅w1よりも2〜10mm長くされる。
第一の挿入口116aの幅w2は、ノズル体60を構成する可撓性フィルムの厚さ等を勘案して決定され、例えば、10〜30mmとされる。
第二の挿入口116bの長さは、第一の挿入口116aの長さl2と同様であり、第二の挿入口116bの幅は、第一の挿入口116aの幅w2と同様である。
第三の挿入口116cの長さは、第一の挿入口116aの長さl2と同様であり、第三の挿入口116cの幅は、第一の挿入口116aの幅w2と同様である。
基台121の外径d1は、後述するドラム缶の口部の大きさに応じて適宜決定される。
剥離シート126の種類は、貼着部124の接着剤や粘着剤の種類に応じて適宜決定される。
本実施形態の内袋1及びノズル係止体100の使用方法について、内袋1をクローズドドラム缶に用いる場合を例にして説明する。
図5(b)に示すように、内袋1の幅方向の中心線O1に、側端辺11dを合わせるように、線Q3で内袋1を谷折りする(工程(b))。
図5(c)に示すように、内袋1の幅方向の中心線O1に、側端辺11cを合わせるように、線Q4で内袋1を谷折りする(工程(c))。
図5(d)に示すように、ノズル体60を外側に折り返し、中心線O1で内袋1を谷折りする(工程(d))。
この挿入具200は、略円筒状の部材であり、周壁には、開口端面202から開口端面204にわたる切開部206が形成されている。一方の開口端面202は軸線O2に直交するものとされている。他方の開口端面204は、切開部206に近づくに従って開口端面202に近づくように、開口端面202に対して傾斜している。挿入具200の長さl3は、内袋1が挿入されるドラム缶の大きさに応じて適宜決定される。ドラム缶が200L容量であれば、例えば、l3=90〜120cmとされる。
挿入具200の外径d2は、内袋1が挿入されるドラム缶の口部の内径よりも小さいものとされる。
まず、内部に内袋1が収容された挿入具200を口部226からクローズドドラム缶220内に挿入し、切開部206をクローズドドラム缶220の中心に向くようにする。この際、開口端面204は、クローズドドラム缶220の中心を臨む。挿入具200を用いてクローズドドラム缶220に挿入することで、内袋1は、口部226に摺動されたりして、傷付けられない。
クローズドドラム缶220から挿入具200を抜き出す際は、内袋1に内容物を送り込みながらでもよいし、内袋1に内容物を送り込むのを一旦停止し、挿入具200をクローズドドラム缶220から抜き出し、次いで内袋1に内容物を送り込んで充填してもよい。
ノズル体60にノズル係止体100を装着する方法について、図7を参照して説明する。まず、図7(a)に示すように、ノズル係止体100から剥離シート126を剥がして、貼着部124を露出させる。貼着部124をクローズドドラム缶220のキャップ228の内面に当接させ、ノズル係止体100をキャップ228に貼着させる。キャップ228は、口部226に螺着又は螺脱できるように、外周面にネジ部229が形成されたものである。即ち、キャップ228は、口部226に着脱自在である。
こうして、係止部110は、支持部120によってキャップ228に支持される(図7(b))。
次に、ノズル体60を第一の挿入口116aに通し、次いで、反転させて第二の挿入口116bに通し、さらに反転させて第三の挿入口116cに通す。第三の挿入口116cに通したノズル体60を桟114bに掛け回した後、第一の挿入口116aに通す。
こうして、ノズル係止体100は、ノズル体60に装着され(図7(c))、ノズル体60は、ノズル係止体100を介してキャップ228に係止される(図6(e))。
次いで、ポンプの吸入ノズルをノズル体60から袋本体10内に挿入し、ポンプで内容物を排出する。ポンプで排出できる量の内容物を排出した後、ノズル体60を把持して内袋1を口部226から引き出す。引き出した内袋1内に残存している内容物をノズル体60から搾り出すことで、内容物をロスなく排出できる。
本実施形態の内袋1は、隣接する側面体同士のシール部で側端及び下端が封止された袋本体10を備え、この袋本体10を構成する側面体同士のシール部は、側面体の内面同士がシールされて形成されたものである。即ち、袋本体10の周縁には、折り曲げ縁が形成されていない。このため、袋本体10の周縁(シール部)が傷付いても、袋本体10の強度が低下せず、内容物を充填する際や保管中に袋本体10に物理的な衝撃が加えられても、内袋1はピンホール等の破損を生じにくい。
加えて、側面体同士の境界部(即ち、シール部)は、強度が高いため、内袋1に内容物が収容された後、ドラム缶内面と擦れ合っても、ピンホール等の破損を生じにくい。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
上述の実施形態では、可撓性フィルムとして透明なものが用いられているが、本発明はこれに限定されず、可撓性フィルムが着色された半透明のものであってもよいし、不透明なものであってもよい。あるいは、中間層として、金属箔や金属蒸着フィルムが用いられたものであってもよい。
例えば、ノズル体が硬質樹脂や金属からなるスパウト部材であってもよい。ノズル体をスパウト部材とする場合、内容物を充填した後、スパウト部材の開口部を蓋材等により封止するのが好ましい。
また、例えば、ノズル体の先端に、雄雌一対又は複数対のチャックを設けてもよい。
上述の実施形態では、上端シール部が内側に膨出する円弧状であるが、本発明はこれに限定されず、上端シール部の内縁が直線であってもよい。
上述の実施形態では、上端シール部の外縁が直線とされているが、本発明はこれに限定されず、上端シール部の外縁が、上端シール部の内縁に沿った円弧状であってもよい。即ち、上端シール部は、基端から終端に掛けて同じ幅であってもよい。
上述の実施形態では、上端シール部と側端シール部との接続部の内縁が曲線であるが、本発明はこれに限定されず、上端シール部と側端シール部との接続部の内縁が曲線でなくてもよい。
上述の実施形態では、上端シール部同士の接続部の内縁が曲線であるが、本発明はこれに限定されず、上端シール部同士の接続部の内縁が曲線でなくてもよい。
上述の実施形態では、ノズル体が設けられた上端シール部を除く全ての上端シール部に対応して上部補助袋部が形成されているが、本発明はこれに限定されず、上端シール部の一部にのみ対応して上部補助袋部が形成されていてもよい。
上述の実施形態では、下端シール部の外縁が直線とされているが、本発明はこれに限定されず、下端シール部の外縁が、下端シール部の内縁に沿った円弧状であってもよい。即ち、下端シール部は、基端から終端に掛けて同じ幅であってもよい。
上述の実施形態では、下端シール部と側端シール部との接続部の内縁が曲線であるが、本発明はこれに限定されず、下端シール部と側端シール部との接続部の内縁が曲線とされていなくてもよい。ただし、内袋に内容物を充填した際に、袋本体をより容易に円筒状にする観点から、下端シール部と側端シール部との接続部の内縁は曲線とされていることが好ましい。
上述の実施形態では、下端シール部同士の接続部の内縁が曲線であるが、本発明はこれに限定されず、下端シール部同士の接続部の内縁が曲線でなくてもよい。ただし、下端シール部同士の接続部への力をより緩和する観点から、下端シール部同士の接続部の内縁は曲線とされていることが好ましい。
上述の実施形態では、係止部が梯子状とされているが、本発明はこれに限定されず、係止部がS字状のフック等であってもよい。
また、上述の実施形態では、挿入具が屈曲していないが、例えば、図9に示すように、屈曲した挿入具400であってもよい。
図9の挿入具400は、円筒状の第一の管部402と、第一の屈曲部403で任意の方向に屈曲して延びる第二の管部404と、第二の屈曲部405で屈曲し第一の管部402と同方向に延びる第三の管部406とを備える、略管状の部材である。挿入具400には、第一の屈曲部403で屈曲した方向の面に、一方の開口端面から他方の開口端面にわたる切開部408が形成されている。
まず、図5(a)〜(e)の内袋1と同様にして、内袋1を幅方向に四つ折りにし、挿入具400に挿入して収容する。
内袋1に内容物を充填した(図10(d))後、ノズル体60に、キャップ228と接着されたノズル係止体100を装着する(図10(e))。
図10(f)に示すように、キャップ228を口部226に螺着する。
ただし、内袋をクローズドドラム缶に、より容易に挿入でき、かつ挿入時に内袋を傷つけたりしないようにする観点から、挿入具を用いて内袋をクローズドドラム缶に挿入することが好ましい。
ただし、本発明の内袋は、小径の口部から挿入され、かつ多量の内容物が充填される、クローズドドラム缶の内袋として特に好適である。
<可撓性フィルムa>
外層/中間層/内層からなる厚さ140μmの3層フィルム。
外層:ポリエチレン、厚さ28μm、MFR(メルトフローレイト:JIS K7210;190℃、2.16kg)=4.0g/10min、D(密度:JIS K7112)=0.944g/cm3、MP(融点:JIS K7121)=128℃。
中間層:ポリエチレン、厚さ84μm、MFR=2.0g/10min、D=0.904g/cm3、MP=87℃、111℃。
内層:ポリエチレン、厚さ28μm、MFR=4.0g/10min、D=0.913g/cm3、MP=99℃、114℃。
<可撓性フィルムb>
外層/中間層/内層からなる厚さ170μmの3層フィルム。
外層:ポリエチレン、厚さ34μm、MFR=4.0g/10min、D=0.944g/cm3、MP=128℃。
中間層:ポリエチレン、厚さ102μm、MFR=2.0g/10min、D=0.904g/cm3、MP=87℃、111℃。
内層:ポリエチレン、厚さ34μm、MFR=4.0g/10min、D=0.913g/cm3、MP=99℃、114℃。
<可撓性フィルムc>
外層/中間層/内層からなる厚さ250μmの3層フィルム。
外層:ポリエチレン、厚さ50μm、MFR=4.0g/10min、D=0.944g/cm3、MP=128℃。
中間層:ポリエチレン、厚さ150μm、MFR=2.0g/10min、D=0.904g/cm3、MP=87℃、111℃。
内層:ポリエチレン、厚さ50μm、MFR=4.0g/10min、D=0.913g/cm3、MP=99℃、114℃。
表1中に記載の可撓性フィルムを側面体に用い、可撓性フィルムaをノズル体に用い、下部補助袋部及び上部補助袋部を形成しなかった以外は、図1の内袋1と同様の内袋を作製した。ノズル体においては、可撓性フィルムaの内層と外層とは反転されている。この内袋は、L1=1560mm、L2=970mm、W1=330mm、l1=380mm、w1=55mm、θ1=60°、側端シール部(内縁は直線)のシール幅=10mm、下端シール部(内縁は円弧状)のシール幅=10〜15mm、上端シール(内縁は円弧状)のシール幅=10〜15mmとされたものである。得られた内袋について、輸送試験を行い、その評価結果を表中に記載した。
<輸送試験>
各例の内袋を200L容量のクローズドドラム缶(内径566mm×高さ890mm)に入れ、内袋に水200Lを充填した。水を充填した後、ノズル体を熱シールで封止し、クローズドドラム缶の口部にキャップを螺着した。この水を収容したクローズドドラム缶をトラックの荷台に積載し、500kmの距離を往復輸送した。往復輸送した後、クローズドドラム缶を開封し、内袋のピンホールの有無、破袋の有無を目視で観察した。
これらの結果から、本発明を適用することで、内袋の破損を良好に防止できることが確認できた。
10、310 袋本体
11、12、13、14、15、16 側面体
21、22、23、24、25、26 側端シール部
31、32、33、34、35、36 下端シール部
51、56 下部補助袋部
60、360 ノズル体
100 ノズル係止体
110 係止部
120 支持部
220 クローズドドラム缶
226 口部
228 キャップ
Claims (6)
- 可撓性フィルムからなる3つ以上の側面体を備え、前記側面体の一部によりガゼット部が形成され、任意の前記側面体と前記任意の側面体に隣接する他の前記側面体とのシール部で側端及び下端が封止された袋本体を備えるドラム缶用内袋であって、
前記シール部は、前記側面体の内面同士がシールされてなることを特徴とするドラム缶用内袋。 - 前記袋本体には、内外を連通するノズル体が突設され、前記ノズル体は、可撓性フィルムからなることを特徴とする請求項1に記載のドラム缶用内袋。
- 前記ノズル体は、長尺であることを特徴とする請求項2に記載のドラム缶用内袋。
- 前記の下端を封止するシール部は、内側に膨出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のドラム缶用内袋。
- 口部が形成され、該口部に着脱自在なキャップを備えるドラム缶の内部に設けられる内袋ユニットにおいて、
前記ノズル体が上方に向かって突設された請求項2又は3に記載のドラム缶用内袋と、
前記ノズル体を係止する係止部、及び該係止部を前記キャップに支持させる支持部を備えるノズル係止体と、を備えることを特徴とする内袋ユニット。 - 口部が形成され、該口部に着脱自在なキャップを備えるドラム缶に内容物を充填する充填方法において、
前記ノズル体が上方に向かって突設された請求項2又は3に記載のドラム缶用内袋を幅方向に折り畳み、
筒状で、一方の開口端面から他方の開口端面に掛けて切開部が形成された挿入具に、前記ノズル体が前記の一方の開口端面寄りに位置するように、前記の折り畳まれたドラム缶用内袋を収容し、
前記口部に、前記のドラム缶用内袋が収容された挿入具を前記の他方の開口端面から挿入し、
前記ノズル体が前記切開部内を相対的に移動するように、前記口部から前記挿入具を引き出し、
前記ノズル体から前記袋本体に内容物を充填することを特徴とする充填方法。
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