JP2014036986A - グラフェン製造用圧延銅箔、及びグラフェンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大面積のグラフェンを低コストで生産可能なグラフェン製造用圧延銅箔及びそれを用いたグラフェンの製造方法を提供する。
【解決手段】{110}正極点図において、α=30度、β=180度±3度における検出強度の最大値IBと、α=30度、β=75度±3度における検出強度の最大値IAとの比(IB/IA)が3.5以上、であるグラフェン製造用銅箔である。
【選択図】図1
【解決手段】{110}正極点図において、α=30度、β=180度±3度における検出強度の最大値IBと、α=30度、β=75度±3度における検出強度の最大値IAとの比(IB/IA)が3.5以上、であるグラフェン製造用銅箔である。
【選択図】図1
Description
本発明は、グラフェンを製造するための圧延銅箔、及びグラフェンの製造方法に関する。
グラファイトは平らに並んだ炭素6員環の層がいくつも積み重なった層状構造をもつが、その単原子層〜数原子層程度のものはグラフェン又はグラフェンシートと呼ばれる。グラフェンシートは独自の電気的、光学的及び機械的特性を有し、特にキャリア移動速度が高速である。そのため、グラフェンシートは、例えば、燃料電池用セパレータ、透明電極、表示素子の導電性薄膜、無水銀蛍光灯、コンポジット材、ドラッグデリバリーシステム(DDS)のキャリアなど、産業界での幅広い応用が期待されている。
グラフェンシートを製造する方法として、グラファイトを粘着テープで剥がす方法が知られているが、得られるグラフェンシートの層数が一定でなく、大面積のグラフェンシートが得難く、大量生産にも適さないという問題がある。
そこで、シート状の単結晶グラファイト化金属触媒上に炭素系物質を接触させた後、熱処理することによりグラフェンシートを成長させる技術(化学気相成長(CVD)法)が開発されている(特許文献1)。この単結晶グラファイト化金属触媒としては、Ni、Cu、Wなどの金属基板が記載されている。
同様に,NiやCuの金属箔やSi基板上に形成した銅層上に化学気相成長法でグラフェンを製膜する技術が報告されている。なお,グラフェンの製膜は1000℃程度で行われる(非特許文献1)。
そこで、シート状の単結晶グラファイト化金属触媒上に炭素系物質を接触させた後、熱処理することによりグラフェンシートを成長させる技術(化学気相成長(CVD)法)が開発されている(特許文献1)。この単結晶グラファイト化金属触媒としては、Ni、Cu、Wなどの金属基板が記載されている。
同様に,NiやCuの金属箔やSi基板上に形成した銅層上に化学気相成長法でグラフェンを製膜する技術が報告されている。なお,グラフェンの製膜は1000℃程度で行われる(非特許文献1)。
SCIENCE Vol.324 (2009) P1312-1314
しかしながら、特許文献1のように単結晶の金属基板を製造することは容易でなく極めて高コストであり、又、大面積の基板が得られ難く、ひいては大面積のグラフェンシートが得難いという問題がある。一方,非特許文献1には、Cuを基板として使用することが記載されているが,Cu箔上では短時間にグラフェンが面方向に成長せず、Si基板上に形成したCu層を焼鈍で粗大粒として基板としている。これは、銅箔上にグラフェンの成長を妨げる段差が存在するためと考えられ、Cu層をSi基板上に形成する場合、グラフェンの大きさはSi基板サイズに制約され,製造コストも高い。一方、単結晶の銅箔は粒界が少ないものの、高コストであると共に寸法も限られてしまう。
従って、本発明は、大面積のグラフェンを低コストで生産可能なグラフェン製造用圧延銅箔及びそれを用いたグラフェンの製造方法の提供を目的とする。
従って、本発明は、大面積のグラフェンを低コストで生産可能なグラフェン製造用圧延銅箔及びそれを用いたグラフェンの製造方法の提供を目的とする。
本発明のグラフェン製造用圧延銅箔は、{110}正極点図において、α=30度、β=180度±3度における検出強度の最大値IBと、α=30度、β=75度±3度における検出強度の最大値IAとの比(IB/IA)が3.5以上、である。
前記IAが1.0以上であることが好ましい。
前記IBが1.0以上であることが好ましい。
{110}正極点図において、α=45度、β=110度±3度における検出強度の最大値ICと、α=45度、β=290度±3度における検出強度の最大値IDとの平均値ICD(=(IC+ID)/2)が1.0以上であることが好ましい。
JIS-H3100に規格するタフピッチ銅、JIS−H3100に規格する無酸素銅、JIS−H3510に規格する無酸素銅、又は前記タフピッチ銅若しくは前記無酸素銅に対してSn及びAgの群から選ばれる1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.05質量%以下含有する組成からなることが好ましい。
表面の圧延平行方向及び圧延直角方向の60度光沢度が共に130%以上、かつ圧延平行方向及び圧延直角方向の表面粗さRaが0.20μm以下であることが好ましい。
前記IBが1.0以上であることが好ましい。
{110}正極点図において、α=45度、β=110度±3度における検出強度の最大値ICと、α=45度、β=290度±3度における検出強度の最大値IDとの平均値ICD(=(IC+ID)/2)が1.0以上であることが好ましい。
JIS-H3100に規格するタフピッチ銅、JIS−H3100に規格する無酸素銅、JIS−H3510に規格する無酸素銅、又は前記タフピッチ銅若しくは前記無酸素銅に対してSn及びAgの群から選ばれる1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.05質量%以下含有する組成からなることが好ましい。
表面の圧延平行方向及び圧延直角方向の60度光沢度が共に130%以上、かつ圧延平行方向及び圧延直角方向の表面粗さRaが0.20μm以下であることが好ましい。
本発明のグラフェンの製造方法は、前記グラフェン製造用圧延銅箔を用い、所定の室内に、加熱した前記グラフェン製造用圧延銅箔を配置すると共に水素ガスと炭素含有ガスを供給し、前記グラフェン製造用圧延銅箔の前記銅めっき層の表面にグラフェンを形成するグラフェン形成工程と、前記グラフェンの表面に転写シートを積層し、前記グラフェンを前記転写シート上に転写しながら、前記グラフェン製造用圧延銅箔をエッチング除去するグラフェン転写工程と、を有する。
本発明によれば、大面積のグラフェンを低コストで生産可能とする圧延銅箔が得られる。
以下、本発明の実施形態に係るグラフェン製造用圧延銅箔及びグラフェンの製造方法について説明する。なお、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。
<銅箔の組成>
銅箔としては、JIS-H3100(合金番号:C1100)に規格するタフピッチ銅(TPC)、又はJIS-H3510(合金番号:C1011)若しくはJIS−H3100(合金番号:C1020)に規格する無酸素銅(OFC)を用いることができる。上記TPC又はOFCを用いることで、銅箔が比較的高純度となり、後述する所定の結晶方位となりやすい。
なお、銅箔の純度が99.999%を超える高純度の場合、常温で軟化し、圧延集合組織の制御が困難であり、後述する所定の結晶方位となり難いという傾向にある。
銅箔としては、JIS-H3100(合金番号:C1100)に規格するタフピッチ銅(TPC)、又はJIS-H3510(合金番号:C1011)若しくはJIS−H3100(合金番号:C1020)に規格する無酸素銅(OFC)を用いることができる。上記TPC又はOFCを用いることで、銅箔が比較的高純度となり、後述する所定の結晶方位となりやすい。
なお、銅箔の純度が99.999%を超える高純度の場合、常温で軟化し、圧延集合組織の制御が困難であり、後述する所定の結晶方位となり難いという傾向にある。
又、これらタフピッチ銅又は無酸素銅に対し、Sn及びAgの群から選ばれる1種以上の元素を合計で0.050質量%以下含有する組成を用いることもできる。上記元素を含有すると、銅箔の強度が向上し適度な伸びを有すると共に、結晶方位を適切にすることが出来る。上記元素の含有割合が合計で0.050質量%を超えると強度は更に向上するものの、伸びが低下して加工性が悪化すると共に結晶方位が適切にならない場合がある。より好ましくは上記元素の含有割合が合計で0.04質量%以下であり、更に好ましくは合計で0.03質量%以下であり、最も好ましくは合計で0.02質量%以下である。
なお、上記元素を合計した含有割合の下限は特に制限されないが、例えば0.0001質量%を下限とすることができる。上記元素の含有割合が0.0001質量%未満であると、含有割合が小さいためその含有割合を制御することが困難になる場合がある。好ましくは、上記元素の含有割合の下限値は0.001質量%以上、より好ましくは0.003質量%以上、更に好ましくは0.004質量%以上、最も好ましくは0.005質量%以上である。また、結晶方位に大きな影響を与えない範囲(例えば0.05質量%以下)で、Ag、Sn、Ni、Si、P、Mg、Zr、Cr、Mn、Co、Zn、Ti、V、及びBの群から選ばれる1種以上の元素を添加してもよいが、添加元素はこれらに限られない。
なお、上記元素を合計した含有割合の下限は特に制限されないが、例えば0.0001質量%を下限とすることができる。上記元素の含有割合が0.0001質量%未満であると、含有割合が小さいためその含有割合を制御することが困難になる場合がある。好ましくは、上記元素の含有割合の下限値は0.001質量%以上、より好ましくは0.003質量%以上、更に好ましくは0.004質量%以上、最も好ましくは0.005質量%以上である。また、結晶方位に大きな影響を与えない範囲(例えば0.05質量%以下)で、Ag、Sn、Ni、Si、P、Mg、Zr、Cr、Mn、Co、Zn、Ti、V、及びBの群から選ばれる1種以上の元素を添加してもよいが、添加元素はこれらに限られない。
<銅箔の厚み>
銅箔の厚みは特に制限されないが、一般的には5〜150μmである。さらに、ハンドリング性を確保しつつ、後述するエッチング除去を容易に行うため、銅箔基材の厚みを12〜50μmとすると好ましい。銅箔基材の厚みが12μm未満であると、破断し易くなってハンドリング性に劣る場合があり、厚みが50μmを超えるとエッチング除去がし難くなる場合がある。
なお、図3に示すように、銅箔の厚みと、銅箔を冷間圧延して製造する際の油膜当量との間に一定の関係がある。なお、最終冷間圧延の最終パスの油膜当量と、最終パスの1つ前のパスの油膜当量がいずれも、最終的な圧延銅箔の板厚に対して以下の関係式を満たす必要がある。ここで、図3の●は、後述する実施例における銅箔の厚みと油膜当量との関係を示し、×は後述する比較例における銅箔の厚みと油膜当量との関係を示す。そして、図3において、各実施例を囲む4つの線分で囲まれた平行四辺形状の内部領域が、本発明の銅箔の厚みと油膜当量との関係を表す。具体的には、14500≦油膜当量≦24500、かつ、0.0006×油膜当量+1≦(銅箔の厚み)≦0.0006×油膜当量+38、で表される関係式を満たす。
銅箔の厚みと油膜当量が上記関係式を満たせば、圧延銅箔が以下のように所定の結晶方位を有するようになる。
銅箔の厚みは特に制限されないが、一般的には5〜150μmである。さらに、ハンドリング性を確保しつつ、後述するエッチング除去を容易に行うため、銅箔基材の厚みを12〜50μmとすると好ましい。銅箔基材の厚みが12μm未満であると、破断し易くなってハンドリング性に劣る場合があり、厚みが50μmを超えるとエッチング除去がし難くなる場合がある。
なお、図3に示すように、銅箔の厚みと、銅箔を冷間圧延して製造する際の油膜当量との間に一定の関係がある。なお、最終冷間圧延の最終パスの油膜当量と、最終パスの1つ前のパスの油膜当量がいずれも、最終的な圧延銅箔の板厚に対して以下の関係式を満たす必要がある。ここで、図3の●は、後述する実施例における銅箔の厚みと油膜当量との関係を示し、×は後述する比較例における銅箔の厚みと油膜当量との関係を示す。そして、図3において、各実施例を囲む4つの線分で囲まれた平行四辺形状の内部領域が、本発明の銅箔の厚みと油膜当量との関係を表す。具体的には、14500≦油膜当量≦24500、かつ、0.0006×油膜当量+1≦(銅箔の厚み)≦0.0006×油膜当量+38、で表される関係式を満たす。
銅箔の厚みと油膜当量が上記関係式を満たせば、圧延銅箔が以下のように所定の結晶方位を有するようになる。
<{110}正極点図>
本発明者らは、圧延銅箔上にグラフェンを均一に成長させるための因子について検討し、結晶方位の制御が重要であることを見出した。
すなわち、本発明のグラフェン製造用圧延銅箔は、{110}正極点図において、α=30度、β=180度±3度における検出強度の最大値IBと、α=30度、β=75度±3度における検出強度の最大値IAとの比(IB/IA)が3.5以上、である。なお、IB/IAの上限は特に限定する必要はないが、例えば10以下、又は9以下、又は8以下、又は7以下である。
図1は圧延銅箔の{110}正極点図の模式図を示す。一般的な圧延銅箔の{110}正極点図においては、上述の検出強度IAには低いピークが検出され、他のピークに対する基準(ベース)となる。一方、IBを測定する上述のα、βの範囲には高い検出強度のピークが現れ、IBが高いほど結晶方位のばらつきが小さい(検出強度の大きいα、βの範囲が狭い)傾向にある。そして、結晶方位のばらつきが小さいほど、グラフェンの成長を阻害する結晶方位の割合が少なくなるためと考えられる。なお、他のピークに対する基準となるIAに対するIBの比(IB/IA)で表したとき、(IB/IA)が3.5以上であれば結晶方位がグラフェンの成長に適してしているといえる。一方、(IB/IA)が3.5未満であると、結晶方位がランダムとなり、グラフェンの成長を阻害する結晶方位の割合が多くなる。なお、IBを測定するα、βの範囲に検出強度のピークを生じさせる結晶方位は、グラフェンの成長に適した結晶方位の一つであると推測される。
本発明者らは、圧延銅箔上にグラフェンを均一に成長させるための因子について検討し、結晶方位の制御が重要であることを見出した。
すなわち、本発明のグラフェン製造用圧延銅箔は、{110}正極点図において、α=30度、β=180度±3度における検出強度の最大値IBと、α=30度、β=75度±3度における検出強度の最大値IAとの比(IB/IA)が3.5以上、である。なお、IB/IAの上限は特に限定する必要はないが、例えば10以下、又は9以下、又は8以下、又は7以下である。
図1は圧延銅箔の{110}正極点図の模式図を示す。一般的な圧延銅箔の{110}正極点図においては、上述の検出強度IAには低いピークが検出され、他のピークに対する基準(ベース)となる。一方、IBを測定する上述のα、βの範囲には高い検出強度のピークが現れ、IBが高いほど結晶方位のばらつきが小さい(検出強度の大きいα、βの範囲が狭い)傾向にある。そして、結晶方位のばらつきが小さいほど、グラフェンの成長を阻害する結晶方位の割合が少なくなるためと考えられる。なお、他のピークに対する基準となるIAに対するIBの比(IB/IA)で表したとき、(IB/IA)が3.5以上であれば結晶方位がグラフェンの成長に適してしているといえる。一方、(IB/IA)が3.5未満であると、結晶方位がランダムとなり、グラフェンの成長を阻害する結晶方位の割合が多くなる。なお、IBを測定するα、βの範囲に検出強度のピークを生じさせる結晶方位は、グラフェンの成長に適した結晶方位の一つであると推測される。
IAが1.0以上であることが好ましく、IBが1.0以上であることが好ましい。
IAが1〜6であることがより好ましく、1.2〜1.9又は2.2〜6であることがさらに好ましく、1.2〜1.8又は2.2〜4であることがより好ましく、2.2〜2.95であることが最も好ましい。
また、IBは3〜14であることがより好ましく、3〜7又は8〜14であることがさらに好ましく、3〜6又は8.5〜12.5であることがより好ましく、8.5〜12であることが最も好ましい。
IA及びIBの値がこれらの範囲内である場合、グラフェンのシート抵抗値が低い傾向にあるからである。
IAが1〜6であることがより好ましく、1.2〜1.9又は2.2〜6であることがさらに好ましく、1.2〜1.8又は2.2〜4であることがより好ましく、2.2〜2.95であることが最も好ましい。
また、IBは3〜14であることがより好ましく、3〜7又は8〜14であることがさらに好ましく、3〜6又は8.5〜12.5であることがより好ましく、8.5〜12であることが最も好ましい。
IA及びIBの値がこれらの範囲内である場合、グラフェンのシート抵抗値が低い傾向にあるからである。
{110}正極点図において、α=45度、β=110度±3度における検出強度の最大値ICと、α=45度、β=290度±3度における検出強度の最大値IDとの平均値ICD(=(IC+ID)/2)が1.0以上であることが好ましい。
ICDが上述の範囲内にある場合、グラフェンのシート抵抗値が低い傾向にあるからである。グラフェンのシート抵抗値が低い傾向にある理由は不明であるが、ICDが上述の範囲内となるIC、IDを示す結晶方位が銅箔に存在すると、グラフェンの成長が促進されるためであると推定している。
なお、ICDは1.0〜7.0であることが好ましく、1.0〜5.0であることが好ましく、1.2〜4.3であることがより好ましく、1.3〜4.0であることがさらに好ましく、1.5〜3.5であることがより好ましく、2.1〜3.2であることが最も好ましい。
また、ICは1.2〜4.3であることが好ましく、1.3〜4であることがさらに好ましく、1.5〜3.5であることがより好ましく、2.1〜3.2であることが最も好ましい。
ICDが上述の範囲内にある場合、グラフェンのシート抵抗値が低い傾向にあるからである。グラフェンのシート抵抗値が低い傾向にある理由は不明であるが、ICDが上述の範囲内となるIC、IDを示す結晶方位が銅箔に存在すると、グラフェンの成長が促進されるためであると推定している。
なお、ICDは1.0〜7.0であることが好ましく、1.0〜5.0であることが好ましく、1.2〜4.3であることがより好ましく、1.3〜4.0であることがさらに好ましく、1.5〜3.5であることがより好ましく、2.1〜3.2であることが最も好ましい。
また、ICは1.2〜4.3であることが好ましく、1.3〜4であることがさらに好ましく、1.5〜3.5であることがより好ましく、2.1〜3.2であることが最も好ましい。
なお、{110}正極点測定は、X線ディフラクトメータを用い、銅箔表面について反射法で行う。但し、反射法では、試料面に対するX線の入射角が浅くなると測定が困難になるため、実際に測定できる角度範囲は正極点図上で0°≦α≦75°、0°≦β≦360°(但し、α:シュルツ法に規定する回折用ゴニオメータの回転軸に垂直な軸、β:前記回転軸に平行な軸)となる。
又、集合組織を有しない状態(すなわち結晶方位がランダムである状態)を1として正極点図上の集合組織の強度を規格化する。結晶方位がランダムである状態として、銅粉末試料の{110}正極点測定を行い、これを1とする。
又、集合組織を有しない状態(すなわち結晶方位がランダムである状態)を1として正極点図上の集合組織の強度を規格化する。結晶方位がランダムである状態として、銅粉末試料の{110}正極点測定を行い、これを1とする。
<銅箔の60度光沢度>
銅箔表面の圧延平行方向及び圧延直角方向の60度光沢度(JIS Z 8741)が共に130%以上であることが好ましい。
後述するように、本発明のグラフェン製造用圧延銅箔を用いてグラフェンを製造した後、銅箔から転写シートへグラフェンを転写する必要があるが、銅箔の表面が粗いと転写がし難く、グラフェンが破損することがわかった。そこで、銅箔の表面凹凸が平滑であることが好ましい。
なお、圧延平行方向及び圧延直角方向の60度光沢度の上限は特に制限されないが、500%未満とすれば銅箔基材の製造時に圧延加工度等の製造条件を厳密に規定しなくてもよく、製造の自由度が高くなるので好ましい。又、圧延平行方向及び圧延直角方向の60度光沢度の上限は実用上、800%程度である。
又、このように転写シートへグラフェンを転写し易くするため、圧延平行方向の銅箔表面の算術平均粗さRaが0.20μm以下であることが好ましい。
銅箔表面の圧延平行方向及び圧延直角方向の60度光沢度(JIS Z 8741)が共に130%以上であることが好ましい。
後述するように、本発明のグラフェン製造用圧延銅箔を用いてグラフェンを製造した後、銅箔から転写シートへグラフェンを転写する必要があるが、銅箔の表面が粗いと転写がし難く、グラフェンが破損することがわかった。そこで、銅箔の表面凹凸が平滑であることが好ましい。
なお、圧延平行方向及び圧延直角方向の60度光沢度の上限は特に制限されないが、500%未満とすれば銅箔基材の製造時に圧延加工度等の製造条件を厳密に規定しなくてもよく、製造の自由度が高くなるので好ましい。又、圧延平行方向及び圧延直角方向の60度光沢度の上限は実用上、800%程度である。
又、このように転写シートへグラフェンを転写し易くするため、圧延平行方向の銅箔表面の算術平均粗さRaが0.20μm以下であることが好ましい。
以上のように規定したグラフェン製造用圧延銅箔を用いることで、大面積のグラフェンを低コストで、かつ高い歩留りで生産することができる。
<グラフェン製造用圧延銅箔の製造>
本発明の実施形態に係るグラフェン製造用圧延銅箔は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、所定の組成の銅インゴットを製造し、熱間圧延を行った後に冷間圧延を行い、その後、焼鈍と冷間圧延を繰り返し、圧延板を得る。この圧延板を焼鈍して再結晶させ,所定の厚みまで最終冷間圧延して銅箔基材を得る。
ここで、最終冷間圧延において、最終パスの油膜当量と、最終パスの1つ前のパスの油膜当量がいずれも、最終的な圧延銅箔の板厚に対して上述の関係式を満たす(図3参照)。なお、最終パスの油膜当量と、最終パスの1つ前のパスの油膜当量とは同じ値である必要はない。圧延銅箔は一般に油潤滑のもと高速で加工され、潤滑油膜が厚くなるほどせん断帯変形が支配的になりやすい。また、銅箔の板厚が厚いほど、圧延時の銅箔の変形速度が大きくなる傾向にある。そして、せん断帯の存在の程度と、圧延時の銅箔の変形速度との影響により銅箔の結晶方位が所定の範囲内になると考えられる。
そして、圧延銅箔が所定の結晶方位を有すると、当該圧延銅箔の表面においてグラフェンの成長が促進されると考えられる。
本発明の実施形態に係るグラフェン製造用圧延銅箔は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、所定の組成の銅インゴットを製造し、熱間圧延を行った後に冷間圧延を行い、その後、焼鈍と冷間圧延を繰り返し、圧延板を得る。この圧延板を焼鈍して再結晶させ,所定の厚みまで最終冷間圧延して銅箔基材を得る。
ここで、最終冷間圧延において、最終パスの油膜当量と、最終パスの1つ前のパスの油膜当量がいずれも、最終的な圧延銅箔の板厚に対して上述の関係式を満たす(図3参照)。なお、最終パスの油膜当量と、最終パスの1つ前のパスの油膜当量とは同じ値である必要はない。圧延銅箔は一般に油潤滑のもと高速で加工され、潤滑油膜が厚くなるほどせん断帯変形が支配的になりやすい。また、銅箔の板厚が厚いほど、圧延時の銅箔の変形速度が大きくなる傾向にある。そして、せん断帯の存在の程度と、圧延時の銅箔の変形速度との影響により銅箔の結晶方位が所定の範囲内になると考えられる。
そして、圧延銅箔が所定の結晶方位を有すると、当該圧延銅箔の表面においてグラフェンの成長が促進されると考えられる。
油膜当量は下記式で表される。
油膜当量={(圧延油粘度、40℃の動粘度[cSt])×(通板速度[mpm]+ロール周速度[mpm])}/{(ロールの噛み込み角[rad])×(材料の降伏応力[kg/mm2])}で求められる。
油膜当量を低くするためには、低粘度の圧延油を用いたり、通板速度を遅くしたりする等、公知の方法を用いればよい。
油膜当量={(圧延油粘度、40℃の動粘度[cSt])×(通板速度[mpm]+ロール周速度[mpm])}/{(ロールの噛み込み角[rad])×(材料の降伏応力[kg/mm2])}で求められる。
油膜当量を低くするためには、低粘度の圧延油を用いたり、通板速度を遅くしたりする等、公知の方法を用いればよい。
<グラフェンの製造方法>
次に、図2を参照し、本発明の実施形態に係るグラフェンの製造方法について説明する。
まず、室(真空チャンバ等)100内に、上記した本発明のグラフェン製造用圧延銅箔10を配置し、グラフェン製造用圧延銅箔10をヒータ104で加熱すると共に、室100内を減圧又は真空引きする。そして、ガス導入口102から室100内に炭素含有ガスGを水素ガスと共に供給する(図2(a))。炭素含有ガスGとしては、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレン等が挙げられるがこれらに限定されず、これらのうち1種又は2種以上の混合ガスとしてもよい。又、グラフェン製造用圧延銅箔10の加熱温度は炭素含有ガスGの分解温度以上とすればよく、例えば1000℃以上とすることができる。又、室100内で炭素含有ガスGを分解温度以上に加熱し、分解ガスをグラフェン製造用圧延銅箔10に接触させてもよい。このとき、グラフェン製造用圧延銅箔10の表面に分解ガス(炭素ガス)が接触し、グラフェン製造用圧延銅箔10の表面にグラフェン20を形成する(図2(b))。
次に、図2を参照し、本発明の実施形態に係るグラフェンの製造方法について説明する。
まず、室(真空チャンバ等)100内に、上記した本発明のグラフェン製造用圧延銅箔10を配置し、グラフェン製造用圧延銅箔10をヒータ104で加熱すると共に、室100内を減圧又は真空引きする。そして、ガス導入口102から室100内に炭素含有ガスGを水素ガスと共に供給する(図2(a))。炭素含有ガスGとしては、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレン等が挙げられるがこれらに限定されず、これらのうち1種又は2種以上の混合ガスとしてもよい。又、グラフェン製造用圧延銅箔10の加熱温度は炭素含有ガスGの分解温度以上とすればよく、例えば1000℃以上とすることができる。又、室100内で炭素含有ガスGを分解温度以上に加熱し、分解ガスをグラフェン製造用圧延銅箔10に接触させてもよい。このとき、グラフェン製造用圧延銅箔10の表面に分解ガス(炭素ガス)が接触し、グラフェン製造用圧延銅箔10の表面にグラフェン20を形成する(図2(b))。
そして、グラフェン製造用圧延銅箔10を常温に冷却し、グラフェン20の表面に転写シート30を積層し、グラフェン20を転写シート30上に転写する。次に、この積層体をシンクロール120を介してエッチング槽110に連続的に浸漬し、グラフェン製造用圧延銅箔10をエッチング除去する(図2(c))。このようにして、所定の転写シート30上に積層されたグラフェン20を製造することができる。
さらに、グラフェン製造用圧延銅箔10が除去された積層体を引き上げ、グラフェン20の表面に基板40を積層し、グラフェン20を基板40上に転写しながら、転写シート30を剥がすと、基板40上に積層されたグラフェン20を製造することができる。
さらに、グラフェン製造用圧延銅箔10が除去された積層体を引き上げ、グラフェン20の表面に基板40を積層し、グラフェン20を基板40上に転写しながら、転写シート30を剥がすと、基板40上に積層されたグラフェン20を製造することができる。
転写シート30としては、各種樹脂シート(ポリエチレン、ポリウレタン等のポリマーシート)を用いることができる。グラフェン製造用圧延銅箔10をエッチング除去するエッチング液としては、例えば硫酸溶液、過硫酸ナトリウム溶液、過酸化水素、及び過硫酸ナトリウム溶液又は過酸化水素に硫酸を加えた溶液を用いることができる。又、基板40としては、例えばSi、 SiC、Ni又はNi合金を用いることができる。
<試料の作製>
表1、表2に示す組成の銅インゴットを製造し、熱間圧延を行った後に冷間圧延を行い、300〜800℃の温度に設定した焼鈍炉での焼鈍と冷間圧延を繰り返して1〜2mm厚の圧延板を得た。この圧延板を300〜800℃の温度に設定した焼鈍炉で焼鈍して再結晶させ,表1、表2の厚みまで最終冷間圧延し、銅箔を得た。
表1、表2に示す組成の銅インゴットを製造し、熱間圧延を行った後に冷間圧延を行い、300〜800℃の温度に設定した焼鈍炉での焼鈍と冷間圧延を繰り返して1〜2mm厚の圧延板を得た。この圧延板を300〜800℃の温度に設定した焼鈍炉で焼鈍して再結晶させ,表1、表2の厚みまで最終冷間圧延し、銅箔を得た。
ここで、最終冷間圧延の最終パス及び最終パスの1つ前のパスの油膜当量を表1、表2に示す値に調整した。
油膜当量は下記式で表される。
(油膜当量)={(圧延油粘度、40℃の動粘度;cSt)×(圧延速度;m/分)}/{(材料の降伏応力;kg/mm2)×(ロール噛込角;rad)}
油膜当量は下記式で表される。
(油膜当量)={(圧延油粘度、40℃の動粘度;cSt)×(圧延速度;m/分)}/{(材料の降伏応力;kg/mm2)×(ロール噛込角;rad)}
<光沢度の測定>
各実施例及び比較例の銅箔の最終冷間圧延後の表面の60度光沢度を測定した。
60度光沢度は、JIS−Z8741に準拠した光沢度計(日本電色工業製、商品名「PG-1M」)を使用して測定した。なお、表中のG60RD,G60TDはそれぞれ圧延平行方向、圧延直角方向の60度光沢度である。
各実施例及び比較例の銅箔の最終冷間圧延後の表面の60度光沢度を測定した。
60度光沢度は、JIS−Z8741に準拠した光沢度計(日本電色工業製、商品名「PG-1M」)を使用して測定した。なお、表中のG60RD,G60TDはそれぞれ圧延平行方向、圧延直角方向の60度光沢度である。
<表面粗さRaの測定>
各実施例及び比較例の銅箔の最終冷間圧延後の表面粗さRaを測定した。
表面粗さRaは、接触粗さ計(小坂研究所製、商品名「SE−3400」)を使用してJIS B0601に準拠した算術平均粗さ(Ra;μm)として測定した。測定基準長さ0.8mm、評価長さ4mm、カットオフ値0.8mm、送り速さ0.1mm/秒の条件で圧延方向と平行に測定位置を変えて10回行ない、10回の測定での平均値を求めた。
各実施例及び比較例の銅箔の最終冷間圧延後の表面粗さRaを測定した。
表面粗さRaは、接触粗さ計(小坂研究所製、商品名「SE−3400」)を使用してJIS B0601に準拠した算術平均粗さ(Ra;μm)として測定した。測定基準長さ0.8mm、評価長さ4mm、カットオフ値0.8mm、送り速さ0.1mm/秒の条件で圧延方向と平行に測定位置を変えて10回行ない、10回の測定での平均値を求めた。
<{110}正極点測定>
{110}正極点測定は、X線ディフラクトメータタ(株式会社リガク製 RINT2500)を用い、各実施例及び比較例の最終冷間圧延後の銅箔表面について反射法で行った。但し、反射法では、試料面に対するX線の入射角が浅くなると測定が困難になるため、実際に測定できる角度範囲は正極点図上で0°≦α≦75°、0°≦β≦360°(但し、α:シュルツ法に規定する回折用ゴニオメータの回転軸に垂直な軸、β:前記回転軸に平行な軸)となる。
又、集合組織を有しない状態(すなわち結晶方位がランダムである状態)を1として正極点図上の集合組織の強度を規格化した。結晶方位がランダムである状態として、銅粉末試料の{110}正極点測定を行い、これを1とした。
なお、X線照射条件として、Cu管球を使用し、管電圧40kV、管電流100mAとし、シュルツの反射法にて{110}正極点図を測定した。
{110}正極点測定は、X線ディフラクトメータタ(株式会社リガク製 RINT2500)を用い、各実施例及び比較例の最終冷間圧延後の銅箔表面について反射法で行った。但し、反射法では、試料面に対するX線の入射角が浅くなると測定が困難になるため、実際に測定できる角度範囲は正極点図上で0°≦α≦75°、0°≦β≦360°(但し、α:シュルツ法に規定する回折用ゴニオメータの回転軸に垂直な軸、β:前記回転軸に平行な軸)となる。
又、集合組織を有しない状態(すなわち結晶方位がランダムである状態)を1として正極点図上の集合組織の強度を規格化した。結晶方位がランダムである状態として、銅粉末試料の{110}正極点測定を行い、これを1とした。
なお、X線照射条件として、Cu管球を使用し、管電圧40kV、管電流100mAとし、シュルツの反射法にて{110}正極点図を測定した。
<グラフェンの製造>
各実施例のグラフェン製造用圧延銅箔(縦横100X100mm)を真空チャンバーに設置し、1000℃に加熱した。真空(圧力:0.2Torr)下でこの真空チャンバーに水素ガスとメタンガスを供給し(供給ガス流量:10〜100cc/min)、銅箔を1000℃まで30分で昇温した後、1時間保持し、銅箔表面にグラフェンを成長させた。
各実施例について、上記条件でグラフェンの製造を10回行い、グラフェンのシート抵抗を測定すると共に、グラフェンの製造歩留りを評価した。
グラフェンのシート抵抗は、10個の上記サンプルについて銅箔表面のグラフェンをPETフィルムに転写した後、4端子法によりグラフェンの抵抗値(シート抵抗:Ω/sq)を測定し、平均値を求めた。グラフェンの抵抗値が600Ω/sq以下であれば実用上問題はない。
グラフェンの製造歩留りは、10個の上記サンプルについて銅箔表面のグラフェンの有無を原子間力顕微鏡(AFM)で観察して評価した。AFMにより、表面全体にうろこ状の凹凸が観察されたものをグラフェンが製造されたものとみなし、10回の製造のうちグラフェンが製造された回数により以下の基準で歩留を評価した。評価が○であれば実用上問題はない。
○:10回の製造のうち、4回以上グラフェンが製造された
×:10回の製造のうち、グラフェンが製造された回数が3回以下
各実施例のグラフェン製造用圧延銅箔(縦横100X100mm)を真空チャンバーに設置し、1000℃に加熱した。真空(圧力:0.2Torr)下でこの真空チャンバーに水素ガスとメタンガスを供給し(供給ガス流量:10〜100cc/min)、銅箔を1000℃まで30分で昇温した後、1時間保持し、銅箔表面にグラフェンを成長させた。
各実施例について、上記条件でグラフェンの製造を10回行い、グラフェンのシート抵抗を測定すると共に、グラフェンの製造歩留りを評価した。
グラフェンのシート抵抗は、10個の上記サンプルについて銅箔表面のグラフェンをPETフィルムに転写した後、4端子法によりグラフェンの抵抗値(シート抵抗:Ω/sq)を測定し、平均値を求めた。グラフェンの抵抗値が600Ω/sq以下であれば実用上問題はない。
グラフェンの製造歩留りは、10個の上記サンプルについて銅箔表面のグラフェンの有無を原子間力顕微鏡(AFM)で観察して評価した。AFMにより、表面全体にうろこ状の凹凸が観察されたものをグラフェンが製造されたものとみなし、10回の製造のうちグラフェンが製造された回数により以下の基準で歩留を評価した。評価が○であれば実用上問題はない。
○:10回の製造のうち、4回以上グラフェンが製造された
×:10回の製造のうち、グラフェンが製造された回数が3回以下
得られた結果を表1、表2に示す。
表1、表2から明らかなように、(IB/IA)が3.5以上である各実施例の場合、グラフェンのシート抵抗が低く、グラフェンの製造歩留も優れていた。なお、各実施例の場合、検出強度IA、IB及びICDが共に1以上であった。
一方、最終冷間圧延の油膜当量と板厚とが、上述の関係式の範囲から外れた各比較例の場合、(IB/IA)が3.5未満となり、グラフェンのシート抵抗が高く、グラフェンの製造歩留も劣った。
10 グラフェン製造用圧延銅箔
20 グラフェン
30 転写シート
20 グラフェン
30 転写シート
Claims (7)
- {110}正極点図において、α=30度、β=180度±3度における検出強度の最大値IBと、α=30度、β=75度±3度における検出強度の最大値IAとの比(IB/IA)が3.5以上、であるグラフェン製造用銅箔。
- 前記IAが1.0以上である請求項1に記載のグラフェン製造用圧延銅箔。
- 前記IBが1.0以上である請求項1又は2に記載のグラフェン製造用圧延銅箔。
- {110}正極点図において、α=45度、β=110度±3度における検出強度の最大値ICと、α=45度、β=290度±3度における検出強度の最大値IDとの平均値ICD(=(IC+ID)/2)が1.0以上である請求項1〜3のいずれかに記載のグラフェン製造用銅箔。
- JIS-H3100に規格するタフピッチ銅、JIS−H3100に規格する無酸素銅、JIS−H3510に規格する無酸素銅、又は前記タフピッチ銅若しくは前記無酸素銅に対してSn及びAgの群から選ばれる1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.05質量%以下含有する組成からなる請求項1〜4のいずれかに記載のグラフェン製造用圧延銅箔。
- 表面の圧延平行方向及び圧延直角方向の60度光沢度が共に130%以上、かつ圧延平行方向及び圧延直角方向の表面粗さRaが0.20μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載のグラフェン製造用圧延銅箔。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のグラフェン製造用圧延銅箔を用いたグラフェンの製造方法であって、
所定の室内に、加熱した前記グラフェン製造用圧延銅箔を配置すると共に水素ガスと炭素含有ガスを供給し、前記グラフェン製造用圧延銅箔の前記銅めっき層の表面にグラフェンを形成するグラフェン形成工程と、
前記グラフェンの表面に転写シートを積層し、前記グラフェンを前記転写シート上に転写しながら、前記グラフェン製造用圧延銅箔をエッチング除去するグラフェン転写工程と、を有するグラフェンの製造方法。
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CN106756200A (zh) * | 2016-11-08 | 2017-05-31 | 中航装甲科技有限公司 | 一种装甲材料的制备方法 |
CN110791676A (zh) * | 2019-10-25 | 2020-02-14 | 西安工业大学 | 一种导轨用自润滑铜基复合材料及其制备方法 |
CN113215434A (zh) * | 2021-04-30 | 2021-08-06 | 浙江利丰电器股份有限公司 | 一种换向器铜片用高导电银铜合金 |
-
2012
- 2012-08-16 JP JP2012180680A patent/JP2014036986A/ja active Pending
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