JP2014035780A - 光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トラックを有するサーボ層と光照射に応じたマーク形成により情報記録が行われるトラックを有さない記録層から構成される光ディスクに適した追加記録及び再生を可能とする光ディスク装置を提供する。
【解決手段】サーボ層に第一の光スポットを照射してサーボ層のトラックに追従するようにトラッキング制御を行う。また、記録層に第二及び第三の光スポットを照射し、第二の光スポットが光ディスクの記録済のマーク列からなるトラックに追従するように制御を行うとともに、第三の光スポットにより新たなマークを記録する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザを用いて光ディスクから情報を再生、または光ディスクに情報を記録及び再生する光ディスク装置に関する。
背景技術としては、例えば、特許文献1(特開2010−40093号公報)及び特許文献2(特開2011−198424号公報)がある。
特開2010−40093号公報 特開2011−198424号公報
記録層を多数積層する場合でも製造が容易となるように、アドレッシング、トラッキングサーボ制御を行うためのアドレスを含む物理的な溝構造を持つ層(以下、サーボ層と記す)を設け、ランド/グルーブ構造と言った物理的な溝構造を持たない記録再生を行う層(積層型の記録層)からなる光ディスク(以下、積層型の光ディスク)が特許文献1で紹介されている。
また、特許文献の2にて複数の物理的な層構造を持たない記録再生を行う層(以下、バルク層)に焦点位置を変えてレーザ光を照射することにより複数の仮想的な層(以下、バルク型の記録層)ができる光ディスク(以下、バルク型の光ディスク)が紹介されている。この特許文献1、2で紹介されている光ディスクの共通点は記録再生用のレーザ光源とは別にサーボ制御用のレーザ光源を持つ点である。
光ディスクのサーボ層の溝構造に基づく位置制御を行うための第1のレーザ光源と、記録層に記録を行うための第二のレーザ光源を備えた光ディスク装置における記録方法として、特許文献1に、「記録済みの領域の最終記録位置から間を空けて追加記録が開始されるので、光ディスクの経時変化による反りや記録装置の違い等により図6に示すように各レーザビームの光軸に対して光ディスクにチルト(傾き)が存在していても記録済みの領域に重複して追記の記録をすることが防止される。すなわち、記録済みの領域の記録情報を破壊することなく未記録領域に情報を追加記録することができる。」と記載されている。しかしながら、開示されている記録方法では追加記録において記録容量が低下する。
そこで本発明の目的は、積層型の光ディスクやバルク型の光ディスクにおいて記録容量の低下無くデータの追加記録および再生が可能な光ディスク装置を提供することである。
上記課題は特許請求の範囲に記載の発明により解決される。
本発明によれば、積層型またはバルク型の記録層とサーボ層を有する光ディスクに対して記録容量の低下無くデータの追加記録および再生が可能となる。
実施例1の光ディスク装置を示す構成図 バルク型光ディスクの構造を示す模式図 記録時において記録層とサーボ層に合焦している光スポットの関係を示す模式図 実施例1におけるサーボ信号生成回路の構成図 実施例1における光ディスク装置の動作概要を示すフローチャート。 実施例1における光ディスク装置の記録動作概要を示すフローチャート 積層型光ディスクの構造を示す模式図 実施例2におけるサーボ信号生成回路の構成図 実施例2における光ディスク装置の記録動作概要を示すフローチャート
以下、本発明を実施するための形態について図を用いて説明する。また、ここで説明する構成は実施形態の一例を示すものであり、この実施形態に限定されるものではない。
各実施例は対象とするディスク構造と光スポットの位置関係、光ディスク装置の構成、フローチャート、特徴及び効果の4つから構成されている。対象とするディスク構造と光スポットの位置関係では、各実施例が対象とする光ディスクの構造を述べた後に、その光ディスクに集光する計4つの光スポットの位置関係を述べる。光ディスク装置の構成では各実施例を実施する上で必要となる構成要素を述べる。フローチャートでは、光ディスク装置の構成で述べた構成要素で対象とする光ディスクに記録を行う場合の制御の特徴および動作フローを述べる。最後にまとめとして特徴及び効果で各実施例の特徴とその特徴により達成される効果について述べる。
図1は光ディスク装置の一実施例を示すブロック構成図である。
光ディスク装置は装置に装着された光ディスクにレーザ光を照射することで情報の記録または再生を行い、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)などのインターフェースを通じてPC(Personal Computer)などのホスト200と通信を行う。
(ディスク構造と光スポットの位置関係)
図2に、本実施例が対象とする光ディスクであるバルク型光ディスク101の構造(断面)を示す。101は、物理的な溝構造が形成されたサーボ層と、複数の物理的な層構造を持たないバルク層を有した光ディスクである。サーボ層の溝構造は、DVDやBDなどの光ディスクの溝構造と同様である。
また、1211は、図1に示した光ディスク装置において光ディスク101にレーザ光を集光するための対物レンズである。図1の第一のレーザ光源1215から出射された第一の光束と第二のレーザ光源1202から出射された第二の光束が対物レンズ1211を通過し、第一の光束が光ディスク101のサーボ層に集光し、第二の光束が光ディスク101のバルク層に集光していることを示している。本実施例は、このように2つ、あるいは、2つ以上の光束を用いて記録または再生を行う光ディスクを対象とする。
バルク型光ディスク101に記録を行う際には、図2に示すバルク層10内のディスク面に垂直な方向(以下、ディスク面方向)に対してマークを記録する位置を予め定めておく必要がある。図中では、バルク層10内においてマークを形成する位置が5つの場合を示す。図2に示す第一の位置(以下、L0)はサーボ層を基準としてディスク面方向にオフセットD0分だけ離間した位置として設定する。また、第二の位置(以下、L1)、第三の位置(以下、L2)、第四の位置(以下、L3)、第五の位置(以下、L4)はL0と同様にサーボ層を基準としてディスク面方向にオフセットD1、オフセットD2、オフセットD3、オフセットD4分だけ離間した位置として設定する。このオフセットD0〜D4に基づいて設定された位置にマークを形成することで所望のディスク面方向にL1〜L4のバルク型の記録層が形成される。
図3を用いてサーボ層に集光される光スポットとバルク型の記録層に集光される光スポットの関係をより詳細に説明する。図3は図2に示した構造を有した光ディスクの一部を切り出し、拡大したものである。
図3は、光ディスクの接線方向に進みながら第三の光スポット300にてマークを記録することでバルク型の記録層を形成している様子を示しており、同時に、第二の光スポット301と第四の光スポット302が、第三の光スポット300と一定の距離を置き、記録されたマーク上と、後にマークが記録される予定の領域(未記録領域)にそれぞれ集光されおり、さらに、第三の光スポット300の略真上のサーボ層の溝(トラック)に、第一の光スポット311が集光されていることを示している。なお、第二の光スポット301、第三の光スポット300、および第四の光スポット302は、第二のレーザ光源1202から出射された第二の光束をグレーティング111により分光し、同一の対物レンズ1211から放たれたものであり、第一の光スポット311は、第二の光スポット301、第三の光スポット300、および第四の光スポット302とは異なる第一のレーザ光源1215から出射された第一の光束であるが、同じ対物レンズ1211から放たれたことを示している。
第二の光スポット301、第三の光スポット300、第四の光スポット302の半径方向の間隔はトラックピッチ(例えば0.32um)に等しくなるようにグレーティング111等の光学素子により調整する。ただし、周方向の距離はディテクタ1214にて分解できる距離であれば良い。ここで、第三の光スポット300、第二の光スポット301、第四の光スポット302の半径方向のトラックピッチの設計はグレーティング111や記録する密度等により変わるため0.32umは一例として示している。また、本実施例ではレーザ光をグレーティング111により3ビームとしたが、バルク型の記録層において記録マークに追従する方式であれば第二の光スポット301と第三の光スポット300の2ビーム方式や複数の光ビーム(メインビーム0次光及びそのサーボビーム±1次光、そのサーボビーム±2次光)の5ビームのような方式も考えられる。
また、記録時の光スポットの強度は、第三の光スポット300にて記録マークを形成しかつ第二の光スポット301にて既に記録されている記録マークを上書きすることが無く、また第四の光スポット302にて未記録部に記録することが無いように例えば第二の光スポット301対第三の光スポット300対第四の光スポット302の光の強度比を1:10:1とする。スポットの強度比はこれに限るものではなく、第三の光スポット300にて記録マークを形成しかつ第二の光スポット301にて既に記録されている記録マークを上書きすることが無く、また第四の光スポット302にて未記録部に記録することが無ければどのような強度比としても良い。
(本実施例の光ディスク装置の構成)
図1の光ディスク装置は、光ピックアップ102と、信号処理回路103と、スピンドルモータ104と、サーボエラー信号生成回路105と、記録再生信号処理回路106と、スピンドル駆動回路107と、第一のアクチュエータ駆動回路108と、第二のアクチュエータ駆動回路109と、収差補正素子駆動回路110で構成される。
信号処理回路103は光ディスク装置の各種の信号処理を行う回路である。この信号処理回路103は、システム制御回路1301と、記録層フォーカス制御回路1302と、スイッチ1303と、加算器1304と、記録層フォーカス駆動電圧生成回路1305と、サーボ層フォーカス制御回路1306と、スイッチ1307と、加算器1308と、サーボ層フォーカス駆動電圧生成回路1309と、サーボ層トラッキング制御回路1310と、スイッチ1311と、記録層トラッキング制御回路1312と、スイッチ1314と、スピンドル制御回路1313で構成される。
光ディスク101はスピンドルモータ104により、所定の回転数で回転される。スピンドルモータ104は、信号処理回路103に搭載されたシステム制御回路1301からの指令信号を受けたスピンドル制御回路1313によって制御される。スピンドル制御回路1313から出力された信号はスピンドル駆動回路107で増幅され、増幅された信号がスピンドルモータ104に供給される。
光ピックアップ102は、波長の異なる2つの光学系を備えており、それぞれの光学系は光源として第一のレーザ光源と第二のレーザ光源の何れかを備えている。一例として第一のレーザ光源の波長を650nm、第二のレーザ光源の波長を405nmとして説明する。
まず、650nmの光学系について説明する。レーザパワー制御回路1201は、システム制御回路1301によって制御されており、レーザダイオード1215を駆動する電流を出力する。レーザダイオード1215は第一のレーザ光源として波長650nmのレーザ光を駆動電流に応じた光強度で出射する。出射されたレーザ光はコリメータレンズ1216にて平行光となり、ビームスプリッタ1217で一部が反射し、集光レンズ1218によってパワーモニタ1219に集光する。パワーモニタ1219は、レーザ光の強度に応じた電流または電圧をシステム制御回路1301にフィードバックする。これによって光ディスク101のサーボ層に集光するレーザ光の強度が、たとえば3mWなど所望のパワーに保持される。一方、ビームスプリッタ1217を透過したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ1220にて反射した後、ダイクロイックミラー1208を透過し、1/4波長板1210を経て、対物レンズ1211により光ディスク101のサーボ層に第一の光スポット311として集光する。この集光した光スポットは第一のアクチュエータ駆動回路108の駆動量に応じて第一のアクチュエータ1212により対物レンズ1211を駆動することで位置制御を行う。光ディスク101にて反射したレーザ光は偏光ビームスプリッタ1220を透過し、集光レンズ1222にてディテクタ1223に集光する。ディテクタ1223はレーザ光の強度を検出し、これに応じた信号をサーボエラー信号生成回路105及び記録再生信号処理回路106に対して出力する。
次に、405nmの光学系について説明する。650nmの光学系と同様にレーザパワー制御回路1201は、システム制御回路1301によって制御されており、レーザダイオード1202を駆動する電流を出力する。レーザダイオード1202は、駆動電流に応じた光強度で波長405nmのレーザ光を出射する第二のレーザ光源である。出射されたレーザ光はコリメータレンズ1203にて平行光となり、ビームスプリッタ1204で一部が反射し、集光レンズ1205によってパワーモニタ1206に集光する。パワーモニタ1206は、レーザ光の強度に応じた電流または電圧をシステム制御回路1301にフィードバックする。これによって光ディスク101のバルク層に集光するレーザ光の強度が、たとえば2mWなど所望の値に保持される。一方、ビームスプリッタ1204を透過したレーザ光は3ビーム仕様のグレーティング111により、図3に示した第二の光スポット301、第三の光スポット300、第四の光スポット302に対応する3つの光ビーム(メインビーム0次光及びそのサーボビーム±1次光)となり、偏光ビームスプリッタ1207を透過し、収差補正素子駆動回路110にて駆動される収差補正素子1209によって収束・発散が制御され、リレーレンズ1221に入射する。第二のアクチュエータ1228は第二のアクチュエータ駆動回路109の駆動量に応じてリレーレンズ1221を駆動し、バルク型の記録層に照射される第二の光スポット301のフォーカス方向及びトラッキング方向の位置の制御を行う(実際のリレーレンズ1221は可動レンズと固定レンズからなり、ここでは可動レンズのみを図示している)。その後、ダイクロイックミラー1208にて反射される。ここで、合焦位置を図2に示す所望の位置にするために、システム制御回路1301から収差補正素子駆動回路110を介して収差補正素子1209を駆動する。この収差補正素子の収束・発散を制御することで、L0〜L4に焦点を移動することができる。これにより、第二の光スポット301、第三の光スポット300、第四の光スポット302に対応する3つの光ビームが所望のバルク型の記録層の位置で合焦する。
また、ダイクロイックミラー1208は特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過する光学素子である。ここでは波長405nmの光を反射し、650nmの光を透過するものとする。ダイクロイックミラー1208にて反射されたレーザ光は、1/4波長板1210にて円偏光となり、対物レンズ1211によって光ディスク101の所望の位置に集光する。光ディスク101によって反射したレーザ光は、光ディスク101に記録された情報に応じて強度が変調され、1/4波長板1210にて直線偏光となり、ダイクロイックミラー1208、リレーレンズ1221、収差補正素子1209、偏光ビームスプリッタ1207を経たレーザ光は、集光レンズ1213によってディテクタ1214に集光する。ディテクタ1214はレーザ光の強度を検出し、これに応じた信号をサーボエラー信号生成回路105及び記録再生信号処理回路106に対して出力する。
次に、記録再生信号処理回路106では、ディテクタ1214で検出した信号に対して増幅、等化、復号などの処理を行い、バルク型の光ディスク101のバルク型の記録層から読み出した情報(記録されたデータや現在のアドレス情報など)をシステム制御回路1301に出力する。また、ディテクタ1223で検出した信号からサーボ層にウォブルして形成されたトラックに対応した信号により記録或いは再生を行う際の基準となるクロック信号を生成するとともに、第一の光スポット311が追従しているサーボ層上の位置に対応したアドレスを再生してシステム制御回路1301に出力する。
図4にサーボエラー信号生成回路105の構成を示す。ディテクタ1223から出力された信号はサーボ層フォーカスエラー信号生成回路1051及びサーボ層トラッキングエラー信号生成回路1052に入力される。サーボ層フォーカスエラー信号生成回路1051では光スポット311のサーボ層に対する焦点位置ずれを表すサーボ層フォーカスエラー信号(以下、S_FE)を生成し、サーボ層トラッキングエラー信号生成回路1052では第一の光スポット311のサーボ層のトラックからの位置ずれを表すサーボ層トラッキングエラー信号(以下、S_TE)を生成して出力する。また、ディテクタ1214から出力される信号は総光量信号生成回路1053及び記録層トラッキングエラー信号生成回路1054に入力される。総光量信号生成回路1053では第二の光スポット301の総光量を第二の光スポット301の記録マーク列からバルク型の記録層に対する焦点位置ずれを表す記録層フォーカスエラー信号(以下、R_FE)として生成する。この記録層フォーカスエラー信号R_FEは後述の用途のためにR_SUM信号としてもサーボエラー信号生成回路105から出力する。記録層トラッキングエラー信号生成回路1054では第二の光スポット301とバルク型の記録層の記録マーク列からなるトラックとの位置ずれを表す記録層トラッキングエラー信号(以下、R_TE)を生成して出力する。また、ディテクタ1214で検出した信号から第四の光スポット302の総光量に対応するF_SUM信号を総光量検出回路1056で生成して出力する。ここで、各エラー信号は、電位Vrefを基準として出力されるものとする。
次にバルク型の記録層及びサーボ層に対して行われるフォーカス制御及びトラッキング制御について説明する。
まず、650nmの光学系において、サーボ層に対して行われるフォーカス制御及びトラッキング制御について説明する。
サーボ層フォーカス制御回路1306は、システム制御回路1301からの指令信号によりサーボ層フォーカスエラー信号S_FEに対してゲインと位相の補償を行い、サーボ層に対するフォーカス制御を行うための駆動信号を出力し、スイッチ1307、加算器1308を介してS_FODとして第一のアクチュエータ駆動回路108に入力される。これによりサーボ層に対するフォーカス制御が行われる。
スイッチ1307はシステム制御回路1301の出力するS_FON信号に基づき、サーボ層フォーカス制御回路1306の出力信号もしくは基準電位Vrefを選択して出力する。S_FON信号としてHighレベルが入力されると、スイッチ1307は端子cが選択される。一方でR_FON信号としてLowレベルが入力されると、スイッチ1307は端子dを選択し、基準電位Vrefを出力する。
この結果、S_FON信号はサーボ層に対するフォーカス制御のオン・オフを指示する信号となる。またスイッチ1307は、サーボ層に対するフォーカス制御のオン、オフを切り替えるスイッチとして機能する。S_FON信号がLowからHighに切り替わることでサーボ層に対するフォーカス制御がオンされることになり、この動作をサーボ層へのフォーカス引き込み動作と呼ぶ。
サーボ層フォーカス駆動電圧生成回路1309は、システム制御回路1301からの指令信号により、所定の電圧を出力する。サーボ層フォーカス駆動電圧生成回路1309は例えば、フォーカススイープ動作におけるスイープ電圧を出力する。
サーボ層フォーカス駆動電圧生成回路1309の出力信号とスイッチ1307の出力信号を加算器1308により加算しS_FODとして第一のアクチュエータ駆動回路108に出力する。S_FODに従って第一のアクチュエータ1212を駆動することで、対物レンズ1211がフォーカス方向に駆動される。フォーカス制御がオンし、サーボ層へのフォーカス引き込み動作が行われると、第一のアクチュエータ駆動回路108はサーボ層フォーカス制御回路1306の出力信号に応じて第一のアクチュエータ1212を駆動することでサーボ層に第一の光スポット311が追従するようにフォーカス制御が行われる。
次に、サーボ層のトラッキング制御について説明する。サーボ層トラッキング制御回路1310は、システム制御回路1301からの指令信号により、サーボエラー信号生成回路105から入力されたサーボ層トラッキングエラー信号S_TEに対してゲインと位相の補償を行い、トラッキング制御を行うための駆動信号(以下、S_TRD)を出力する。サーボ層トラッキング制御回路1310から出力されたS_TRDは、スイッチ1311を介して第一のアクチュエータ駆動回路108に入力される。
スイッチ1311はシステム制御回路1301の出力するS_TON信号に基づき、サーボ層トラッキング制御回路1310の出力信号もしくは基準電位Vrefを選択して、S_TRDとして第一のアクチュエータ駆動回路108に出力する。S_TON信号としてHighレベルが入力されると、スイッチ1311の端子はeが選択され、サーボ層トラッキング制御回路1310の出力信号が第一のアクチュエータ駆動回路108に出力される。一方でS_TON信号としてLowレベルが入力されると、スイッチ1311は端子fを選択し、基準電位Vrefを出力する。
トラッキング制御がオンし、トラック引き込み動作が行われると、第一のアクチュエータ駆動回路108はサーボ層トラッキング制御回路1310の出力信号に応じて第一のアクチュエータ1212を駆動することでサーボ層のトラックに第一の光スポット311が追従するようにトラッキング制御が行われる。
次に、405nmの光学系のバルク型の記録層に対して行われるフォーカス制御及びトラッキング制御について説明する。記録層フォーカス制御回路1302は、システム制御回路1301からの指令信号により、記録層フォーカスエラー信号R_FEに対してゲインと位相の補償を行い、バルク型の記録層に対するフォーカス制御を行うための駆動信号を出力する。記録層フォーカス制御回路1302の出力信号は、スイッチ1303、加算器1304を介してS_FODとして第二のアクチュエータ駆動回路109に入力される。
スイッチ1303はシステム制御回路1301の出力するR_FON信号に基づき、記録層フォーカス制御回路1302の出力信号もしくは基準電位Vrefを選択して出力する。R_FON信号としてHighレベルが入力されると、スイッチ1303の端子はaが選択され、記録層フォーカス制御回路1302の出力信号が加算器1304を介して第二のアクチュエータ駆動回路109に出力される。一方でR_FON信号としてLowレベルが入力されると、スイッチ1303は端子bを選択し、基準電位Vrefを出力する。
この結果、R_FON信号はバルク型の記録層に対するフォーカス制御のオン・オフを指示する信号となる。またスイッチ1303はバルク型の記録層に対するフォーカス制御のオン、オフを切り替えるスイッチとして機能する。R_FON信号がLowからHighに切り替わることでバルク型の記録層に対するフォーカス制御がオンになる。この動作をバルク型の記録層へのフォーカス引き込み動作と呼ぶ。
記録層フォーカス駆動電圧生成回路1305は、システム制御回路1301からの指令信号により、所定の電圧を出力する。記録層フォーカス駆動電圧生成回路1305は例えば、フォーカススイープ動作におけるスイープ電圧や、フォーカスジャンプ時のジャンプ電圧を出力する。記録層フォーカス駆動電圧生成回路1305の出力信号とスイッチ1303の出力信号を加算器1304により加算しR_FODとして第二のアクチュエータ駆動回路109に出力する。R_FODに従って第二のアクチュエータ1228を駆動することで、リレーレンズ1221がフォーカス方向に駆動される。フォーカス制御がオンし、バルク型の記録層へのフォーカス引き込み動作が行われると、第二のアクチュエータ駆動回路109はバルク型の記録層フォーカス制御回路1302の出力信号に応じて第二のアクチュエータ1228を駆動することで記録マーク列からなる記録層に第二の光スポット301が合焦するようにフォーカス制御が行われる。
次に、バルク型の記録層のトラッキング制御について説明する。記録層トラッキング制御回路1312は、システム制御回路1301からの指令信号により、バルク型の記録層のトラッキングエラー信号R_TEに対してゲインと位相の補償を行い、トラッキング制御を行うための駆動信号を出力する。記録層トラッキング制御回路1312から出力された駆動信号(以下、R_TRD)は、スイッチ1314を介して第二のアクチュエータ駆動回路109に入力される。
スイッチ1314はシステム制御回路1301の出力するR_TON信号に基づき、記録層トラッキング制御回路1312の出力信号もしくは基準電位Vrefを選択して、R_TRDとして第二のアクチュエータ駆動回路109に出力する。R_TON信号としてHighレベルが入力されると、スイッチ1314の端子はgが選択され、記録層トラッキング制御回路1312の出力信号が第二のアクチュエータ駆動回路109に出力される。一方でR_TON信号としてLowレベルが入力されると、スイッチ1314は端子hを選択し、基準電位Vrefを出力する。
この結果、R_TON信号はバルク型の記録層に対するトラッキング制御のオン・オフを指示する信号となる。またスイッチ1314は、バルク型の記録層に対するトラッキング制御のオン、オフを切り替えるスイッチとして機能する。R_TON信号がLowからHighに切り替わることでサーボ層トラッキング制御がオンされることになり、この動作はバルク型の記録層トラック引き込み動作と呼ばれる。ここで、R_TON信号、S_TON信号のHgihレベルとLowレベルは前述した状態では無く、例えばR_TON信号がLowレベルのときに端子gが選択されるようにスイッチを制御しても良い。
R_TRDを第二のアクチュエータ駆動回路109に与えることで第二のアクチュエータ1228を駆動し、バルク型の記録層に集光した第三の光スポット300、第二の光スポット301、第四の光スポット302の位置がディスク半径方向に移動する。トラッキング制御がオンし、トラック引き込み動作が行われると、第二のアクチュエータ駆動回路109は記録層トラッキング制御回路1312の出力信号に応じて第二のアクチュエータ1228を駆動することでバルク型の記録層の記録マーク列からなるトラックに第二の光スポット301が追従するようにトラッキング制御が行われる。
このように、本実施例における第二のアクチュエータ駆動回路109は、フォーカス方向に駆動する回路とトラッキング方向に駆動する回路を包含したものである。
(本実施例のフローチャート)
図5は本実施例の光ディスク装置の動作概要を示すフローチャートである。ステップS501において光ディスク装置に光ディスクが装着されたら、ステップS502においてセットアップ処理を行う。セットアップ処理では情報の記録または再生を行うことが可能な状態にするためのディスク認識、フォーカス引き込み、トラック引き込み、収差調整、当該ディスクの管理情報の再生などの各種処理が行われる。次にステップS503においてホスト200からデータ再生コマンドを受け取ったら、ステップS504においてデータ再生処理を行う。あるいはステップS505においてホスト200からデータ記録コマンドを受け取ったら、ステップS506においてデータ記録処理を行う。あるいはステップS507においてホストコンピュータからその他のコマンドを受け取ったら、ステップS510においてその他の処理を行う。また、ステップS509において光ディスクが排出された場合は、処理を終了する。
図6のフローチャートを用いてより図5のデータ記録処理S506を詳細に説明する。
まず、ステップS601にて合焦位置が図2の所望の位置になるように、システム制御回路1301から収差補正素子駆動回路110を介して収差補正素子1209を駆動する。これにより、第二の光スポット301、第三の光スポット300、第四の光スポット302に対応する3つの光ビームが所望のバルク型の記録層の位置に移動する。
ステップS602において移動したバルク型の記録層が未記録状態かを判定する。未記録状態かを判定する方法としては、例えばセットアップ処理S502において取得したディスクの管理情報により行なう方法がある。
ステップS602において未記録ではないと判定した場合には第二の光スポット301のフォーカス制御をオンし、記録マーク列からなるバルク型の記録層に第二の光スポット301が合焦するようにR_FEに基づいてフォーカス制御が行われる。次に、ステップS604にて第二の光スポット301のトラッキング制御をオンし、記録のマーク列からなるトラックに第二の光スポット301が追従するようにR_TEに基づいてトラッキング制御が行われる。
システム制御回路1301から記録再生信号処理回路106には記録開始アドレス、記録データ等が設定され、ステップS605で記録開始アドレスから記録を開始する。記録再生信号処理回路106では入力されたデータ及びアドレス情報をサーボ層から再生された信号から生成された基準クロック信号に基づいて所定の方式で変調し、レーザパワー制御回路1201に出力する。レーザパワー制御回路1201は記録再生信号処理回路106の出力に応じた駆動電流をレーザダイオード1202に出力し、レーザダイオード1202が対応した強度でレーザ光を出射することでバルク型の光ディスク101のバルク型の記録層に第三の光スポット300にて記録を行う。ステップS606で記録終了アドレスに一致したところで記録処理を終了する。
ステップS602において未記録と判定した場合には、記録されたマーク列からのフォーカス制御及びトラッキング制御ではなく、サーボ層の溝を光スポット311が辿るようトラッキング制御を行い、これにより、光スポット311の略直下にある光スポット300のディスク半径方向の位置を確定しならがバルク型の記録層へのマークの記録を行い、バルク型の記録層に記録済みのマークが存在する場合は、光スポット301が記録済みのマークに対してフォーカス制御及びトラック制御を行うことで、光スポット300のディスク半径方向の位置を確定しつつ記録にマークを記録する。
ステップS602における未記録状態の判定は、R_FEやR_TEの振幅により行なうこともできる。記録されている状態であれば、バルク型の記録層に記録されたマーク列によって総光量が変化し、またトラックとのずれに応じて記録層トラッキングエラー信号R_TEが変化する。しかし、記録されていない状態では基準電圧Vref近傍となる。従って、ステップS601でマークを記録する層位置の総光量変化によりディスク面方向の未記録判定を行うことも可能である。
また、バルク型の記録層に照射される第二の光スポット301と第四の光スポット302のディスクからの反射光量により、記録時において第二の光スポット301が記録済のマーク列からなるトラックに追従しながら所定のトラックの間隔で正常に記録しているかを確認することができる。 例えば記録マークが形成されると透過率が低下する光ディスク101であれば記録マークを追従している第二の光スポット301の総光量に対応するR_SUM信号に比べて未記録にある第四の光スポット302の総光量に対応するF_SUM信号の信号レベルが小さくなる。従って、R_SUM信号振幅よりもF_SUM信号振幅が小さい場合には正常な記録状態であり、F_SUM信号振幅よりもR_SUM信号振幅が大きい場合には記録状態が異常として記録を停止する等の処理を行なうことができる。光ディスク101が記録マークの形成にて透過率が高くなるのであれば、前述のF_SUM信号とR_SUM信号の振幅の大小が逆転する。
また、記録マークに追従している第二の光スポット301と第一の光スポット311の位置を記録再生信号処理回路106にてアドレスとして読み取れるため、このアドレスを記録時の記録が適切な位置と適切なバルク型の記録層にて行われているかの確認に使用しても良い。
また、前述したステップS604で未記録と判定した場合にも、ディスク1回転以上記録を行なうと記録マーク列からなるトラックが形成されるため、第二の光スポット301にて記録層フォーカスエラー信号R_FE及び記録層トラッキングエラー信号R_TEを生成することが可能となる。従って、記録開始後に1回転以上の記録を行なった時点で第二の光スポット301によるR_FE及びR_TEに基づいてバルク型の記録層へのフォーカス制御とトラッキング制御をオンするようにしても良い。或いは、一度記録を止めて第二の光スポット301によるR_FE及びR_TEに基づいてバルク型の記録層への制御をオンした後に再度記録を開始しても良い。
以上の実施例におけるフローチャートは主たるステップを記載したものであり、各ステップの間に他のステップを設けるようにしても良い。また、光ディスク装置の動作として不都合が生じない範囲でステップの順序を変えるようにしてもよい。
また、本実施例において、サーボ層は1ビームによりフォーカス制御、トラッキング制御を行っている例であるが、例えばビームスプリッタ1217と偏向ビームスプリッタ1220の間にグレーティングをおいて3ビーム(メインビーム0次光及びサーボビーム±1次光)としても良い。本実施例におけるサーボエラー信号生成回路105にて生成される信号はトラッキング信号であれば差動プッシュプル法(DPP法)やプッシュプル法、フォーカス信号であればナイフエッジ法や差動非点収差方式などの方式を用いて行えばよい。ただし、前述の方式は限定するものではなく異なる方式であっても良い。また、サーボ層のトラックは溝構造ではなく、ピットで構成しても良い。更に、本実施例では1つのレーザダイオード1202とグレーティング111の組み合わせで3つの第三の光スポット300、第二の光スポット301、第四の光スポット302をバルク型の記録層に集光したが、この方法以外として3つのレーザダイオードで3つの第三の光スポット300、第二の光スポット301、第四の光スポット302をバルク型の記録層に集束させことも可能である。
本実施例では収差補正素子1209の収束・発散を制御することで、L0〜L4に光スポット300、光スポット301、光スポット302を移動したが、リレーレンズ1221と組み合わせることでも実現できる。例えばL0からL1に光スポット300、光スポット301、光スポット302を移動する場合、オフセットD0とオフセットD1との距離差に相当する電圧をシステム制御回路1301から記録層フォーカス駆動電圧生成回路に指令することでリレーレンズ1221の位置を変えることで焦点を移動させても良い。これにより広範囲な収差補正素子1209が必要なく、また収差によるスポットの歪も防ぐことができる。
(本実施例の特徴及び効果)
本実施例の特徴は、第一のレーザ光源からサーボ層に照射される650nmの第一の光スポット311のサーボ層に対するディスク面方向の位置を表すS_FEとサーボ層の溝に対する第一の光スポット311の位置を表すS_TEに基づくS_FOD、S_TRDにより第一のアクチュエータ駆動回路108を介して対物レンズ1211の位置を制御し、第二のレーザ光源からバルク型の記録層に照射される405nmの3つの光スポットの内、第二の光スポット301のバルク型の記録層に対するディスク面方向の位置を表すR_FEとバルク型の記録層の記録マーク列からなるトラックと第二の光スポット301のトラックずれを表すR_TEに基づくR_FOD、R_TRDにより第二のアクチュエータ駆動回路109を介してリレーレンズ1221の位置制御することで、2つの光スポットをバルク型の記録層、サーボ層に対してフォーカス制御、トラッキング制御を独立に制御する点が特徴である。
ここで、バルク層10にマークが記録されていない状態では、バルク型の記録層に対してフォーカス制御及びトラッキング制御が行えない。そこで、合焦位置が図2に示す所望のバルク型の記録層に対応した位置になるようにシステム制御回路1301から収差補正素子駆動回路110を介して収差補正素子1209を駆動する。例えば所望の位置がL0であればオフセットD0の位置に焦点を位置づける。これにより、第二の光スポット301、第三の光スポット300、第四の光スポット302に対応する3つの光ビームを所望の位置で合焦させるとともに、サーボ層の溝を第一の光スポット311が辿るようトラッキング制御を行うことで、第一の光スポット311の略真上に第三の光スポット300のディスク半径方向の位置を確定しならがバルク型の記録層へのマークの記録を行う。また、バルク型の記録層に記録のマークが存在する場合は、第二の光スポット301がバルク型の記録層の記録マーク列からなるトラックを辿るようトラッキング制御することで、第三の光スポット300のディスク半径方向の位置を確定しつつバルク型の記録層にマークを記録することができる。
このように本実施例に従ったフォーカス制御方法、トラッキング制御方法で、マーク列(トラック)をディスク半径方向に一定の間隔で記録でき、かつディスク面方向にも一定間隔でバルク型の記録層を形成できる。このサーボ層とバルク型の記録層に対して独立にアクチュエータを駆動する効果は、光ディスクの経時変化による反りや記録装置の違い等による第一の光束と第二の光束の光軸に対して光ディスクにチルト(傾き)が存在しても2つの光スポットの位置制御により記録済みの領域への上書きを防止できる点とディスク面方向及びディスク半径方向に一定間隔で記録、追加記録が可能となり記録容量の無駄を無くすことができる点である。さらに、記録時におけるCLV制御や記録のタイミング生成等はサーボ溝から得られる情報により行う点も特徴である。
図1は、本発明に従う光ディスク装置の一実施例を示すブロック構成図である。実施例1と実施例2の違いは対象とする光ディスクが図7に示す積層型の光ディスク701となる点とサーボエラー信号生成回路105の内部の構造が図8に変わる点であり、この2点以外の構成は同じであるため第1の実施例にて説明した内容と重複する部分については省略する。
(ディスク構造と光スポットの位置関係)
図7に、本実施例が対象とする積層型の光ディスク701の構造(断面)を示す。同図の701は、溝が形成されたサーボ層を一つと、溝が無くフラットな積層型の記録層を一つまたは複数有した光ディスクである。サーボ層の溝構造は、DVDやBDなどの光ディスクの溝構造と同様である。
また、同図の1211は、図1に示した光ディスク装置において光ディスク701にレーザ光を集光するための対物レンズである。同図は、対物レンズ1211を異なる第一の光束と第二の光束が通過し、第一の光束が光ディスク701のサーボ層に集光し、第二の光束が光ディスク701の複数ある積層型の記録層のうちの一つ(図7ではL3)に集光していることを示している。本実施例は、このように2つの光束、あるいは、2つ以上の光束を用いて記録または再生を行う光ディスクを対象とする。
(本実施例の光ディスク装置の構成)
図1に示す本実施例の光ディスク装置の構成において、第1の実施例と異なるのはサーボエラー信号生成回路105の内部構成のみであり、これ以外の説明は省略する。
図9にサーボエラー信号生成回路105の構成を示す。ディテクタ1223から出力された信号はサーボ層フォーカスエラー信号生成回路1051及びサーボ層トラッキングエラー信号生成回路1052に入力される。サーボ層フォーカスエラー信号生成回路1051ではサーボ層に対するフォーカス制御に使用するためのS_FEを生成し、サーボ層トラッキングエラー信号生成回路1052ではS_TEを生成して出力する。また、ディテクタ1214から出力される信号は記録層フォーカスエラー信号生成回路1153及び記録層トラッキングエラー信号生成回路1054に入力される。記録層フォーカスエラー信号生成回路1153では記録層に対するフォーカス制御に使用するためのR_FEを生成し、記録層トラッキングエラー信号生成回路1054ではR_TEを生成して出力する。また、ディテクタ1214で検出した信号から第二の光スポット301と第四の光スポット302の総光量に対応するR_SUM信号、F_SUM信号を総光量検出回路1055と総光量検出回路1156で生成して出力する。ここで、各エラー信号は、電位Vrefを基準として出力されるものとする。
(本実施例のフローチャート)
本実施例の光ディスク装置の動作概要フローチャートは図5と同様であるため省略する。
図9のフローチャートを用いて、図5のデータ記録処理S506を詳細に説明する。
まず、ステップS1101にて記録を行なう積層型の記録層nに405nmの光スポットの焦点位置を移動させるフォーカスジャンプを行なう。この結果、積層型の記録層と積層型の記録層に集光した第三の光スポット300との位置ずれを表すR_FEに基づいたフォーカス制御がオンになる。次にステップS1102において移動した積層型の記録層nが未記録状態かを判定する。未記録状態かを判定する方法としては、例えばセットアップ処理S502において取得したディスクの管理情報により行なう方法がある。
ステップS1102において未記録ではないと判定した場合には、ステップS1103において積層型の記録層に記録されたマーク列からなるトラックと第二の光スポット301との位置ずれを表すR_TEに基づいてトラッキング制御をオンとし、サーボ層に照射される650nmの第一の光スポット311と積層型の記録層に照射される405nmの第二の光スポット301にてディスク半径方向の位置制御が行われる。
システム制御回路1301から記録再生信号処理回路106には記録開始アドレス、記録データ等が設定され、ステップS1104で記録開始アドレスから記録を開始する。記録再生信号処理回路106では入力されたデータ及びアドレス情報をサーボ層から再生された信号から生成された基準クロック信号に基づいて所定の方式で変調し、レーザパワー制御回路1201に出力する。レーザパワー制御回路1201は記録再生信号処理回路106の出力に応じた駆動電流をレーザダイオード1202に出力し、レーザダイオード1202が対応した強度でレーザ光を出射することで積層型の光ディスク701の積層型の記録層に記録が第三の光スポット300にて行われる。ステップS1105で記録終了アドレスに一致したところで記録処理を終了する。
ステップS1102において未記録と判定した場合には、記録されたマーク列へのトラッキング制御ではなく、サーボ層の溝を光スポット311が辿るようトラッキング制御を行い、これにより、光スポット311の略直下にある光スポット300のディスク半径方向の位置を確定しならが積層型の記録層へのマークの記録を行い、記録層に記録済みのマークが存在する場合は、光スポット301が記録済みのマークを辿るようトラッキングを制御し、これにより、光スポット300のディスク半径方向の位置を確定しつつ記録にマークを記録する。
ステップS1102における未記録状態の判定は、R_TEの振幅により行なうこともできる。記録されている状態であれば、第二の光スポット301と積層型の記録層に記録されたマーク列からなるトラックとのずれに応じて記録層トラッキングエラー信号R_TEの振幅が変化するが、記録されていない状態では基準電圧Vref近傍となっている。従って、ステップS1101で積層型の記録層nにフォーカスジャンプを行い、トラッキング制御がオフした状態でのR_TEの振幅により未記録状態の判定を行なうことができる。
また、積層型の記録層に照射される第二の光スポット301と第四の光スポット302のディスクからの反射光量により、記録時において第二の光スポット301が記録済のマーク列からなるトラックを追従しながら所定のトラックの間隔で正常に記録しているかを確認することができる。例えば記録マークが形成されると反射率が低くなる積層型の光ディスク701であれば記録マークを追従している第二の光スポット301の総光量に対応するR_SUM信号に比べて未記録にある第四の光スポット302の総光量に対応するF_SUM信号の信号レベルが大きくなる。従って、R_SUM信号振幅よりもF_SUM信号振幅が大きい場合には正常な記録状態であり、F_SUM信号振幅よりもR_SUM信号振幅が大きい場合には記録状態が異常として記録を停止する等の処理を行なうことができる。積層型の光ディスク701が記録マークの形成により反射率が高くなるであれば、前述のF_SUM信号とR_SUM信号の振幅の大小が逆転する。
また、第二の光スポット301と第一の光スポット311の位置情報は記録再生信号処理回路106にてアドレスとして読み取れるため、このアドレスを記録時の記録が適切な位置と適切な積層型の記録層にて行われているかの確認に使用しても良い。
また、前述したステップS1102で未記録と判定した場合にも、ディスク1回転以上記録を行なうと記録マーク列からなるトラックが形成されるため、サーボエラー信号生成回路105にてR_TEを生成することが可能となる。従って、記録開始後に1回転以上の記録を行なった時点で積層型の記録層へトラッキング制御をオンするようにしても良い。或いは、一度記録を止めて積層型の記録層へのトラッキング制御をオンした後に再度記録を開始しても良い。
以上の実施例におけるフローチャートは主たるステップを記載したものであり、各ステップの間に他のステップを設けるようにしても良い。また、光ディスク装置の動作として不都合が生じない範囲でステップの順序を変えるようにしてもよい。
また、本実施例において、サーボ層は1ビームによりフォーカス制御、トラッキング制御を行っている例であるが、例えばビームスプリッタ1217と偏向ビームスプリッタ1220の間にグレーティングをおいて3ビーム(メインビーム0次光及びサーボビーム±1次光)としても良い。本実施例におけるサーボエラー信号生成回路105にて生成される信号はトラッキング信号であれば差動プッシュプル法(DPP法)やプッシュプル法、フォーカス信号であればナイフエッジ法や差動非点収差方式などの方式を用いて行えばよい。ただし、前述の方式は限定するものではなく異なる方式であっても良い。また、溝をピットで構成しても良い。更に、本実施例では1つのレーザダイオード1202とグレーティング111の組み合わせで3つの第三の光スポット300、第二の光スポット301、第四の光スポット302を積層型の記録層に集光したが、この方法以外として3つのレーザダイオードで3つの第三の光スポット300、第二の光スポット301、第四の光スポット302を積層型の記録層に集束させことも可能である。
さらに、積層型の記録層と積層型の記録層に集光した第三の光スポット300との位置ずれを表すR_FEに基づいたフォーカス制御を行う例であったが、第二の光スポット301との位置ずれをR_FEとして記録されたマーク列へのフォーカス制御を行っても良い。
(本実施例の特徴及び効果)
本実施例の特徴は、第一のレーザ光源からサーボ層に照射される650nmの第一の光スポット311のサーボ層に対するディスク面方向の位置を表すS_FE、サーボ層の溝に対する第一の光スポット311の位置を表すS_TEに基づく駆動信号S_FOD、S_TRDにより第一のアクチュエータ駆動回路108を介して対物レンズ1211を制御し、第二のレーザ光源から積層型の記録層に照射される450nmの3つの光スポットの内、第三の光スポット300の積層型の記録層に対するディスク面方向の位置を表すR_FEと積層型の記録層の記録マークにて形成されるトラックに対する第二の光スポット301の位置を表すR_TEに基づく駆動信号R_FOD、R_TRDにより第二のアクチュエータ駆動回路109を介してリレーレンズ1221を制御することで、積層型の記録層、サーボ層に対してフォーカス制御、トラック制御を独立に制御する点である。
この制御により、所定のトラック間隔で第三の光スポット300にてマークを記録することが可能になり、追加記録する際に2つのレーザ光の光軸と光ディスクの面の法線がディスクの反り等により変化した場合でもデータに上書きすることを抑制することができ、無駄な領域を設けることなくかつフィードバック制御にて追加記録を行うことができる。また、記録時においても基準となるクロック信号等をサーボ層のトラックから得られる情報から生成することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
101…光ディスク
701…光ディスク
102…光ピックアップ
103…信号処理回路
106…記録再生信号処理回路
108…第一のアクチュエータ駆動回路
109…第二のアクチュエータ駆動回路
110…収差補正素子駆動回路
111…グレーティング
1051…サーボ層フォーカスエラー信号生成回路
1052…サーボ層トラッキングエラー信号生成回路
1053…総光量信号生成回路
1153…記録層フォーカスエラー信号生成回路
1054…記録層トラッキングエラー信号生成回路
1055…総光量信号生成回路
1056…総光量信号生成回路
1201…レーザパワー制御回路
1202…レーザダイオード
1209…収差補正素子
1211…対物レンズ
1212…第一のアクチュエータ
1228…第二のアクチュエータ
1214…ディテクタ
1215…レーザダイオード
1221…リレーレンズ
1223…ディテクタ
1301…システム制御回路
1302…記録層フォーカス制御回路
1306…サーボ層フォーカス制御回路
1310…トラッキング制御回路
1312…記録層トラッキング制御回路

Claims (7)

  1. 予めトラックが形成された少なくとも一つのサーボ層と、
    レーザ光を照射してマークを形成することにより情報記録が行われる複数の記録層と、
    を備える光ディスクの記録および再生を行う光ディスク装置において、
    前記光ディスクの前記サーボ層にレーザ光を照射する第一のレーザ光源と、
    前記光ディスクの前記記録層にレーザ光を照射する第二のレーザ光源と、
    前記第二のレーザ光源から出射されたレーザ光を分光する分光部と、
    前記分光部を通過した分光後のレーザ光の収束と発散を制御するリレーレンズと、
    第一のレーザ光源から出射されたレーザ光を第一の光スポットとして前記サーボ層に照射するとともに前記リレーレンズを通過したレーザ光を第二の光スポットと第三の光スポットとして前記記録層に照射する対物レンズと、
    前記対物レンズを駆動する第一のアクチュエータと、
    前記リレーレンズを駆動する第二のアクチュエータと、
    前記第一の光スポットの前記サーボ層に対する焦点位置のずれ及び前記第一の光スポットの前記サーボ層のトラックとの位置ずれを検出する第一の検出部と、
    前記第一の検出部の出力に基づいて前記第一のアクチュエータにより前記対物レンズを前記光ディスク面の垂直方向、および、半径方向に駆動し、前記第一の光スポットを前記サーボ層の所定箇所に位置付ける制御を行う第一の制御部と、
    前記第二の光スポット或いは前記第三の光スポットの前記記録層に対する焦点位置のずれ及び前記第二の光スポットの前記記録層のトラックとの位置ずれを検出する第二の検出部と、
    前記第二の検出部の出力に基づいて前記第二のアクチュエータにより前記リレーレンズを駆動することで、前記第二の光スポットおよび前記第三の光スポットを前記記録層の所定箇所に位置付ける制御を行う第二の制御部と、
    を備え、
    前記第一の制御部により前記第一の光スポットが前記光ディスクのサーボ層のトラックを追従するように制御を行い、
    前記第二の制御部により前記第二の光スポットが前記光ディスクの記録済のマーク列からなるトラックを追従するように制御を行うとともに、前記第三の光スポットにより新たなマークを前記光ディスクに形成して情報を記録することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 請求項1に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスクはバルク層を有し、
    前記記録層は前記バルク層にレーザ光を照射してマークを形成することにより情報が記録された仮想的な記録層であることを特徴とする光ディスク装置。
  3. 請求項2に記載の光ディスク装置において、
    前記第二の検出部にて前記第二の光スポットの前記記録層に対する焦点位置のずれを検出し、フォーカス制御を行うことを特徴とする光ディスク装置。
  4. 請求項1に記載の光ディスク装置において、
    前記光ディスクはトラックを有さない複数の記録層が予め積層された光ディスクであることを特徴とする光ディスク装置。
  5. 請求項4に記載の光ディスク装置において、
    前記第二の検出部にて前記第三の光スポットで前記記録層に対する焦点位置のずれを検出し、フォーカス制御を行うことを特徴とする光ディスク装置。
  6. 請求項4に記載の光ディスク装置において、
    前記第二の検出部にて前記第二の光スポットで前記記録層に対する焦点位置のずれを検出し、フォーカス制御を行うことを特徴とする光ディスク装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の光ディスク装置において、
    前記記録層の記録或いは未記録の状態を判別する記録状態判別手段を備え、
    前記記録状態判別手段において未記録と判定した場合には、前記第一の制御部により前記第一の光スポットが前記光ディスクのサーボ層のトラックを追従するように制御を行いながら前記第三の光スポットにより新たなマークを形成して記録を行い、
    前記未記録状態判別手段において記録済みと判定した場合には、前記第二の制御部により前記第二の光スポットが前記光ディスクの記録層の記録済みのマーク列からなるトラック追従するように制御を行うとともに、前記第三の光スポットにより新たなマークを形成して記録することを特徴とする光ディスク装置。
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