JP2014034591A - 複合樹脂材料粒子の製造方法、及び複合樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、少量のカーボンナノ材料を用いて高い導電性を付与することが可能な複合樹脂材料粒子の製造方法、及び複合樹脂成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】樹脂材料粒子と、カーボンナノ材料と、カーボンナノ材料を分散させる分散剤と、溶媒と、を含む混合スラリーを作製する工程と、耐圧容器11内に混合スラリーを供給した後、混合スラリーを撹拌しながら耐圧容器11内に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給工程と、を有し、二酸化炭素供給工程では、混合スラリーに含まれる分散剤1mgに対して、二酸化炭素を0.25g/min以下の供給速度で供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂材料粒子及びカーボンナノ材料を含む複合樹脂材料粒子の製造方法、及び複合樹脂成形体の製造方法に関する。
カーボンナノチューブは、炭素原子で構成される一層或いは多層のグラフェンシートが筒状に巻かれたチューブ状の材料である。
カーボンナノチューブは、グラフェンシートの巻き方や、チューブの直径、結晶性などのカーボンナノチューブ自体の形状によって異なる特性を有しており、電気特性、機械特性、及び比重といった材料自体の特徴が金属材料と比較して極めて魅力のある材料として期待されている。
カーボンナノチューブと他の材料とを組み合わせて複合材料を作製する上でカーボンナノチューブの機械的及び電気的特性を有効活用するためには、カーボンナノチューブと他の材料とを均一に混合することが重要となる。
例えば、カーボンナノチューブが分散された液状物質と固体材料とを混合する場合、カーボンナノチューブが1本1本独立した状態で分散した液状物質(これを「分散液」という)を利用することが必要となる。
しかし、カーボンナノチューブは、ファンデルワールス力によって互いに引き合う性質を有するため、カーボンナノチューブ同士のバンドル(束)や凝集体が形成されてしまう。
カーボンナノチューブの製造方法としては、触媒と原料ガスとを同時に反応器に投入して、カーボンナノチューブを合成する熱CVDを用いた気相合成法や、基材の上に触媒を塗布した基板に原料ガスを投入してカーボンナノチューブを合成する基板合成法等が知られている。
シリコンや酸化シリコン等の極めて平滑な表面に触媒を塗布して、基板合成法を用いて、カーボンナノチューブを合成する場合、カーボンナノチューブが高密度に基板上に成長することでお互いのカーボンナノチューブが寄り添い、垂直配向したカーボンナノチューブを形成することができる。
基板合成法で生成されたカーボンナノチューブは、その直径や層数、長さが均一で、結晶性が高いため、欠陥が極めて少ない。
また、気相合成法により製造されたカーボンナノチューブと比較して、カーボンナノチューブの長さが長く結晶性が高いため、カーボンナノチューブと他の材料とを用いて複合材料を形成する際、複合材料の導電性、熱伝導性、及び機械強度を向上でき、かつ線膨張を抑制できる。
特に、カーボンナノチューブと樹脂とからなる複合樹脂成形体は、電子部品や自動車部品等の多くの分野において様々な用途で使用されている。
複合樹脂成形体の特性には、帯電防止のための導電性、並びに切削加工時における熱膨張を避ける目的での高い熱伝導性等が必要とされる。
従来は、複合樹脂成形体に導電性或いは熱伝導性を付与する際、フィラーとしてカーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ等の球状カーボン材料や炭素繊維材料を樹脂に添加していた(例えば、特許文献1〜3参照。)。
カーボンナノチューブと樹脂とを混練する方法としては、通常ミル等で強せん断力をかけて混練する方法が知られている。
しかしながら、ミル等で樹脂中にカーボンナノチューブ等の繊維状炭素材料を均一に混合するためには、強せん断操作が必要となる。
上記強せん断操作を行った場合、樹脂の中で、せん断力を受けたカーボンナノチューブが短く切断され、樹脂中におけるカーボンナノチューブ間の接触点が少なくなることにより、導電性等の性能が低下してしまうという問題があった。
また、樹脂中においてカーボンナノチューブの長さが短くなることで、カーボンナノチューブの特長である線維方向の強度が低下し、元来の特性である強度を複合樹脂成形体が発揮できず、結果として複合樹脂成形体の強度が低下してしまうという問題があった。
さらに、長さの短いカーボンナノチューブは直線性が高くなるため、樹脂中に孤立分散している場合、樹脂とカーボンナノチューブとの界面での結合が弱くなり、樹脂からカーボンナノチューブが容易に抜け出てしまうという問題があった。
ところで、カーボンナノチューブ等のカーボン材料は、価格が高いため、材料コストを抑えることが望まれている。
カーボン材料のコストの抑制のためには、カーボンナノチューブを均一に分散させて、極力低濃度で高導電性及び高熱伝導性を得ることが必要となる。
特許文献4には、樹脂成形品をカーボンナノ材料分散液に浸漬し、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で処理することによって、樹脂成形品表面にカーボンナノチューブを修飾する方法が開示されている。
特許文献5には、超臨界二酸化炭素を樹脂材料粒子表面に含浸させることで樹脂表面を軟化し、分散液中のカーボンナノチューブを樹脂材料粒子表面に均一に分散・固定化するために超音波振動法を用いる方法が開示されている。
特開2006−069165号公報 特開2004−030926号公報 特開2004−127737号公報 特開2006−008945号公報 特開2010−189621号公報
しかしながら、特許文献4に記載された方法では、二酸化炭素の使用目的が樹脂表面の膨潤であるため、カーボンナノチューブの分散性が悪く、二酸化炭素雰囲気下での処理中にカーボンナノチューブの凝集、沈降等が生じてしまい、成形品へのカーボンナノチューブの修飾が重力の影響を受ける問題があった。
また、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素雰囲気によって樹脂表面が膨潤されるため、形状や色に影響が出て、表面の再加工が必要となるという問題があった。ここでの「修飾」とは、樹脂表面にカーボンナノチューブを付着・固定させた状態のことをいう。
特許文献5に開示された方法(超音波振動による攪拌)を用いた場合、超音波発生装置自体を高圧の二酸化炭素中に設置する必要があるため、装置の複雑化及び大型化を招くという問題があった。
また、高圧容器外部からの超音波振動の伝達は、内部の流体への伝達が必ずしも十分ではないため、少量のカーボンナノチューブを樹脂材料粒子の表面に均一に固定化することが困難(言い換えれば、高い導電性を付与することが困難)であった。
そこで、本発明は、少量のカーボンナノ材料を用いて高い導電性を付与することが可能な複合樹脂材料粒子の製造方法、及び複合樹脂成形体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、樹脂材料粒子及びカーボンナノ材料を含む複合樹脂材料粒子の製造方法であって、前記樹脂材料粒子と、前記カーボンナノ材料と、該カーボンナノ材料を分散させる分散剤と、溶媒と、を含む混合スラリーを作製する工程と、耐圧容器内に前記混合スラリーを供給した後、前記混合スラリーを撹拌しながら前記耐圧容器内に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給工程と、を有し、前記二酸化炭素供給工程では、前記混合スラリーに含まれる前記分散剤1mgに対して、前記二酸化炭素を0.25g/min以下の供給速度で供給することを特徴とする複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項2に係る発明によれば、前記耐圧容器内を、前記二酸化炭素が亜臨界または超臨界状態を維持可能な温度及び圧力に保持する工程と、前記耐圧容器の外へ前記二酸化炭素を排出させる工程と、を有することを特徴とする請求項1記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項3に係る発明によれば、前記二酸化炭素供給工程では、前記混合スラリーに含まれる前記分散剤1mgに対して、前記二酸化炭素を0.07g/min以下の供給速度で供給することを特徴とする請求項1または2記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項4に係る発明によれば、前記二酸化炭素供給工程では、前記混合スラリーに含まれる前記分散剤1mgに対して、前記二酸化炭素を0.05g/min以下の供給速度で供給することを特徴とする請求項1または2記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項5に係る発明によれば、前記混合スラリーを作製する工程は、前記カーボンナノ材料と、前記分散剤と、前記溶媒と、を混合してカーボンナノ材料分散液を作製する工程と、前記カーボンナノ材料分散液に前記樹脂材料粒子を添加する工程と、を有することを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項6に係る発明によれば、前記溶媒として、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロプレングリコール、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、エチレングリコール、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、トルエン、ベンゼン、アセトン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、酢酸、酢酸エチル、及びジクロロメタンよりなる群のうち、少なくとも1種よりなるものを用いることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項7に係る発明によれば、前記二酸化炭素として、液化二酸化炭素を用いることを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項8に係る発明によれば、前記樹脂材料粒子として、熱可塑性樹脂よりなる粒子を用いることを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項9に係る発明によれば、前記樹脂材料粒子として、フッ素系樹脂材料粒子を用いることを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項10に係る発明によれば、前記カーボンナノ材料として、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、及びグラフェンよりなる群のうち、少なくとも1種の材料よりなるものを用いることを特徴とする請求項1ないし9のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項11に係る発明によれば、前記カーボンナノ材料として、平均長さが10μm以上250μm以下のカーボンナノチューブを用いることを特徴とする請求項1ないし10のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項12に係る発明によれば、前記耐圧容器の外へ排出された前記二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収工程と、前記耐圧容器内に、回収した前記二酸化炭素を供給する工程と、を有することを特徴とする請求項2ないし11のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項13に係る発明によれば、前記二酸化炭素回収工程後、該二酸化炭素回収工程において、回収された前記二酸化炭素に随伴される溶媒及び分散剤のうち、少なくとも1つの回収量を測定する工程を有し、前記二酸化炭素供給工程では、前記回収量に基づいて、前記耐圧容器に供給する前記二酸化炭素の量を調整することを特徴とする請求項12記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項14に係る発明によれば、前記回収した二酸化炭素を液化させた後、前記耐圧容器内に供給することを特徴とする請求項12または13記載の複合樹脂材料粒子の製造方法が提供される。
また、請求項15に係る発明によれば、請求項1ないし14のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法により、該複合樹脂材料粒子を製造する工程と、前記複合樹脂材料粒子を加圧成形する工程と、前記加圧成形された前記複合樹脂材料粒子を焼成する工程と、を有することを特徴とする複合樹脂成形体の製造方法が提供される。
本発明の複合樹脂材料粒子の製造方法によれば、二酸化炭素供給工程において、分散液に含まれる分散剤1mgに対して、二酸化炭素を0.25g/min以下の供給速度で供給することにより、分散剤がゆっくりとカーボンナノ材料から剥離するため、カーボンナノ材料の凝集を抑制することが可能となる。
これにより、カーボンナノ材料の添加濃度が低い場合でも、樹脂材料粒子の表面全体に均一にカーボンナノ材料を固定化することが可能となる。したがって、少量のカーボンナノ材料を用いて、複合樹脂材料粒子に高い導電性を付与することができる。
本発明の実施の形態に係る複合樹脂材料粒子の製造方法を実施する際に使用する複合樹脂材料粒子製造装置の概略構成を示す模式図である。 従来の複合樹脂材料粒子の製造方法において分散剤の除去に二酸化炭素を使用したモデルを説明するための模式図である。(a)は、二酸化炭素を供給する前の混合スラリーの状態を示す模式図である。(b)は、分散剤1mgに対して0.25g/minより速い供給速度で耐圧容器内の混合スラリーに二酸化炭素を供給したときの、分散剤の除去過程を示す模式図である。(c)は、分散剤除去完了後のカーボンナノチューブ及びフッ素系樹脂材料粒子を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る複合樹脂材料粒子の製造方法における分散剤の除去に二酸化炭素を使用したモデルを説明するための模式図である。(a)は、二酸化炭素を供給する前の混合スラリーの状態を示す模式図である。(b)は、分散剤1mgに対して0.25g/minより遅い供給速度で耐圧容器内の混合スラリーに二酸化炭素を供給したときの、分散剤の除去過程を示す模式図である。(c)は、分散剤除去完了後のカーボンナノチューブ及びフッ素系樹脂材料粒子を示す模式図である。 混合スラリーに含まれる両性イオン界面活性剤1mgに対する液化二酸化炭素の供給速度と複合樹脂成形体の体積抵抗率との関係と、混合スラリーに含まれる合成ポリマー1mgに対する液化二酸化炭素の供給速度と複合樹脂成形体の体積抵抗率との関係と、を示すグラフである。 図4に示す領域Eの部分を拡大したグラフである。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の複合樹脂材料粒子製造装置の寸法関係とは異なる場合がある。
(実施の形態)
ここで、複合樹脂材料粒子を製造する複合樹脂材料粒子製造装置10の構成について、図1を参照しながら説明する。
図1を参照するに、複合樹脂材料粒子製造装置10は、耐圧容器11と、筐体12と、第1の攪拌機13と、ヒーター14と、エントレーナ貯蔵タンク15と、エントレーナ供給ライン16と、第1のポンプ18と、第1の開閉弁19と、混合スラリー攪拌容器22と、第2の攪拌機24と、混合スラリー供給ライン26と、第2のポンプ28と、第2の開閉弁29と、温度センサ32と、圧力計33と、液化二酸化炭素用ボンベ35と、第1の二酸化炭素供給ライン37と、バッファタンク38と、第3の開閉弁39と、第2の二酸化炭素供給ライン41と、第3のポンプ43と、第1のチラー44と、第3の開閉弁46と、流量計47と、二酸化炭素回収ライン51と、圧力調整弁52と、第4のポンプ53と、第2のチラー54と、第4の開閉弁56と、気液分離槽58と、液相回収ライン61と、第5の開閉弁62と、複合樹脂材料粒子回収ライン64と、複合樹脂材料粒子回収容器65と、第5のポンプ66と、を有する。
耐圧容器11は、筐体12内に収容されている。耐圧容器11は、エントレーナ供給ライン16、及び混合スラリー供給ライン26と接続されている。
耐圧容器11内には、必要に応じてエントレーナ供給ライン16を介してエントレーナが供給されると共に、混合スラリー供給ライン26を介して、溶媒、分散剤、及びカーボンナノ材料を含むカーボンナノ材料分散液、及び樹脂材料粒子を含む混合スラリーが供給される。
耐圧容器11は、第1の二酸化炭素供給ライン37と接続されている。耐圧容器11内には、攪拌により、混合スラリーが十分に混合された後、第1の二酸化炭素供給ライン37を介して二酸化炭素が供給される。
該二酸化炭素としては、液化二酸化炭素、気液混合の二酸化炭素、気体の二酸化炭素のいずれかを用いることができる。
筐体12は、耐圧容器11及びヒーター14を収容している。筐体12としては、例えば、ヒーターボックスを用いることができる。
第1の攪拌機13は、回転軸13Aと、インペラ13Bと、を有する。回転軸13Aは、その一端が耐圧容器11の底板部11Aを貫通している。回転軸13Aの一端は、耐圧容器11の底部に配置されている。
インペラ13Bは、回転軸13Aの一端に設けられている。インペラ13Bは、回転軸13Aが駆動装置(図示せず)により回転させられることで、耐圧容器11内に存在する混合スラリーを混合する。インペラ13Bとしては、例えば、プロペラ、パドル、タービン等を用いることができる。
なお、図1では、インペラ13Bの一例として、プロペラを図示している。
ヒーター14は、耐圧容器11を加熱するための加熱機構である。ヒーター14は、耐圧容器11の側壁と筐体12の側壁との間に位置する空間に配置されている。ヒーター14は、複合樹脂材料粒子を製造後に耐圧容器11を加熱することで、耐圧容器11内に存在する二酸化炭素を、二酸化炭素回収ライン51を構成する第1の回収ライン51−1に回収しやすくするためのものである。
エントレーナ貯蔵タンク15は、筐体12の外側に配置されている。エントレーナ貯蔵タンク15は、エントレーナを貯蔵するためのタンクである。エントレーナ貯蔵タンク15は、エントレーナを耐圧容器11内に供給可能な状態で、エントレーナ供給ライン16を介して、耐圧容器11と接続されている。
エントレーナ供給ライン16は、一端がエントレーナ貯蔵タンク15の底部と接続され、他端が耐圧容器11の上部と接続されている。エントレーナ供給ライン16は、エントレーナ貯蔵タンク15内のエントレーナを耐圧容器11内に供給するためのラインである。
第1のポンプ18は、筐体12とエントレーナ貯蔵タンク15との間に位置するエントレーナ供給ライン16に設けられている。第1のポンプ18は、エントレーナ供給ライン16を介して、エントレーナ貯蔵タンク15内に貯蔵されたエントレーナを耐圧容器11内に供給する。
第1の開閉弁19は、筐体12と第1のポンプ18との間に位置するエントレーナ供給ライン16に設けられている。第1の開閉弁19は、エントレーナ貯蔵タンク15内に貯蔵されたエントレーナを耐圧容器11内に供給する際に開とされ、それ以外は、閉とされる。
混合スラリー攪拌容器22は、筐体12の外側に配置されている。混合スラリー攪拌容器22では、溶媒、カーボンナノチューブ等のカーボンナノ材料、分散剤が混合されることで、カーボンナノ材料分散液が作製され、その後、樹脂材料粒子が添加、攪拌されることで、混合スラリーが作製される。
なお、カーボンナノ材料分散液の溶媒が水である場合には樹脂と水の親和性が低いため、アルコール類を添加して、アルコール類を溶媒の主体としたカーボンナノ材料分散液が作製される。
第2の攪拌機24は、回転軸24Aと、インペラ24Bと、を有する。回転軸24Aは、その一端が混合スラリー攪拌容器22の底板部22Aを貫通している。回転軸24Aの一端は、耐圧容器11の底部に配置されている。
インペラ24Bは、回転軸24Aの一端に設けられている。インペラ24Bは、回転軸24Aが駆動装置(図示せず)により回転させられることで、混合スラリー攪拌容器22内に存在する混合スラリーを混合する。インペラ24Bとしては、例えば、プロペラ、パドル、タービン等を用いることができる。
なお、図1では、インペラ24Bの一例として、プロペラを図示している。
混合スラリー供給ライン26は、一端が混合スラリー攪拌容器22の底部と接続され、他端が耐圧容器11の下部(底部に近い下部)と接続されている。混合スラリー供給ライン26は、混合スラリー攪拌容器22内で混合された混合スラリーを耐圧容器11内に供給するためのラインである。
第2のポンプ28は、筐体12と混合スラリー攪拌容器22との間に位置する混合スラリー供給ライン26に設けられている。第2のポンプ28は、混合スラリー供給ライン26を介して、混合スラリー攪拌容器22内で混合された混合スラリーを耐圧容器11内に供給する。
第2の開閉弁29は、筐体12と第2のポンプ28との間に位置する混合スラリー供給ライン26に設けられている。第2の開閉弁29は、混合スラリー攪拌容器22内で混合された混合スラリーを耐圧容器11内に供給する際に開とされ、それ以外は、閉とされる。
温度センサ32は、耐圧容器11内の上部の温度を計測するためのものである。圧力計33は、耐圧容器11内の上部の圧力を計測するためのものである。
液化二酸化炭素用ボンベ35は、二酸化炭素供給ライン37を介して、バッファタンク39と接続されている。液化二酸化炭素用ボンベ35内には、液化二酸化炭素が充填されている。
第1の二酸化炭素供給ライン37は、その一端が液化二酸化炭素用ボンベ35と接続されており、他端がバッファタンク38と接続されている。第1の二酸化炭素供給ライン37は、液化二酸化炭素用ボンベ35内に充填された液化二酸化炭素をバッファタンク38に供給するためのラインである。
バッファタンク38は、液化二酸化炭素用ボンベ35の近傍に配置されている。バッファタンク38は、第1の二酸化炭素供給ライン37を介して、液化二酸化炭素用ボンベ35と接続されている。
バッファタンク38は、液化二酸化炭素用ボンベ35から供給された液化二酸化炭素を一時貯蔵するタンクであると共に、二酸化炭素回収ライン51により回収され、かつ第2のチラー54により冷却されることで液化した二酸化炭素を一時的に貯蔵するタンクとして機能する。
第3の開閉弁39は、第1の二酸化炭素供給ライン37に設けられている。第3の開閉弁39は、液化二酸化炭素用ボンベ35内に充填された液化二酸化炭素をバッファタンク38に供給する際に開とされ、それ以外は、閉とされる。
第2の二酸化炭素供給ライン41は、その一端がバッファタンク38と接続されており、他端が耐圧容器11内の上部に配置されている。第2の二酸化炭素供給ライン41は、バッファタンク38内に貯蔵された二酸化炭素を耐圧容器11内の上部に供給する。
第3のポンプ43は、バッファタンク38と筐体12との間に位置する第2の二酸化炭素供給ライン41に設けられている。第3のポンプ43は、バッファタンク38に充填された二酸化炭素を耐圧容器11内に輸送する。
第1のチラー44は、バッファタンク38と第3のポンプ43との間に位置する第2の二酸化炭素供給ライン41に設けられている。第1のチラー44は、バッファタンク38から第2の二酸化炭素供給ライン41に供給された二酸化炭素を冷却することで、二酸化炭素を液化させる。
第3の開閉弁46は、第3のポンプ43と筐体12との間に位置する第2の二酸化炭素供給ライン41に設けられている。第3の開閉弁46は、バッファタンク38内に充填された二酸化炭素をバッファタンク38に供給する際に開とされ、それ以外は、閉とされる。
流量計47は、第3のポンプ43と第3の開閉弁46との間に位置する第2の二酸化炭素供給ライン41に設けられている。流量計47は、耐圧容器11内に所定の流量で二酸化炭素が供給されているか確認するためのものである。
二酸化炭素の供給時には、流量計58の数値が所定の数値となるように、第3のポンプ43を用いて、耐圧容器11内への二酸化炭素の供給速度が所定の供給速度となるように調整する。
二酸化炭素回収ライン51は、第1の回収ライン51−1と、第2の回収ライン51−2と、を有する。
第1の回収ライン51−1は、その一端が耐圧容器11内の上部に配置されており、他端が気液分離槽58内の上部に配置されている。第1の回収ライン51−1は、耐圧容器11内から排気される二酸化炭素を気液分離槽58内に回収するためのラインである。
耐圧容器11内から排気された二酸化炭素には、溶媒及び分散剤が随伴される。このため、気液分離槽58内には、二酸化炭素の他に、溶媒及び分散剤が回収される。
また、気液分離槽58内に回収された溶媒及び分散剤は、気液分離槽58の下部に移動する。
第2の回収ライン51−2は、その一端が気液分離槽58内の上部に配置されており、他端がバッファタンク38と接続されている。第2の回収ライン51−2は、気液分離槽58内に回収された二酸化炭素をバッファタンク38内に輸送するためのラインである。
圧力調整弁52は、第1の回収ライン51−1に設けられている。圧力調整弁52は、第1の回収ライン51−1を介して、気液分離槽58内に輸送される二酸化炭素の圧力を減圧するための弁である。
第4のポンプ53は、第2の回収ライン51−2に設けられている。第4のポンプ53は、気液分離槽58内に回収された二酸化炭素をバッファタンク38に輸送するためのポンプである。
第2のチラー54は、第4のポンプ53と気液分離槽58との間に位置する第2の回収ライン51−2に設けられている。第2のチラー54は、気液分離槽58内から供給される二酸化炭素を冷却することで、二酸化炭素を液化させる。
第4の開閉弁56は、バッファタンク38と第4のポンプ53との間に位置する第2の回収ライン54に設けられている。
第4の開閉弁56は、気液分離槽58内に回収され、かつ第2のチラー54により冷却された二酸化炭素をバッファタンク38に供給する際に開とされ、それ以外は、閉とされる。
液相回収ライン61は、気液分離槽58の底部と接続されている。液相回収ライン61は、回収した二酸化炭素に随伴された溶媒及び分散剤のうちの少なくとも1つを回収するためのラインである。
例えば、液相回収ライン61を介して、分散剤を回収した場合、複合樹脂材料粒子を製造する際に該分散剤を再利用する。
第5の開閉弁62は、気液分離槽58の近傍に位置する液相回収ライン61に設けられている。第5の開閉弁62は、気液分離槽58内に存在する溶媒及び分散剤のうちの少なくとも1つを取り出す際に開とされ、それ以外は、閉とされる。
複合樹脂材料粒子回収ライン64は、その一端が耐圧容器11の底部と接続されており、他端が複合樹脂材料粒子回収容器65と接続されている。
複合樹脂材料粒子回収容器65は、耐圧容器11内で生成された複合樹脂材料粒子C(具体的には、樹脂材料粒子の表面にカーボンナノ材料が固定された粒子)を回収するための容器である。
複合樹脂材料粒子回収容器65には、複合樹脂材料粒子回収ライン64を介して、複合樹脂材料粒子Cが輸送される。
第5のポンプ66は、筐体12と複合樹脂材料粒子回収容器65との間に位置する複合樹脂材料粒子回収ライン64に設けられている。
第5のポンプ66は、複合樹脂材料粒子回収ライン64を介して、耐圧容器11内で生成された複合樹脂材料粒子Cを輸送する。
次に、図1に示す複合樹脂材料粒子製造装置10を用いた本実施の形態の複合樹脂成形体の製造方法について説明する。
(第1工程)
先ず、第1工程では、溶媒にカーボンナノチューブ等のカーボンナノ材料を分散させたカーボンナノ材料分散液を作成する。具体的には、混合スラリー攪拌容器22に、溶媒、カーボンナノチューブ等のカーボンナノ材料、分散剤を供給し、第2の攪拌機24にて混合する。
溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロプレングリコール、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、エチレングリコール、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、トルエン、ベンゼン、アセトン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、酢酸、酢酸エチル、及びジクロロメタンを用いることができる。
以下、本実施の形態では、溶媒が水である水分散液(カーボンナノ材料分散液)を用いた場合について説明する。
カーボンナノ材料としては、樹脂材料粒子に対して、例えば、0.1質量%以下といった少ない添加量で、樹脂材料粒子の表面に固着された際、1.0×10Ω・cm以下の体積抵抗率を発現させるものであればよい。
具体的な、カーボンナノ材料としては、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、及びグラフェンよりなる群のうち、少なくとも1種の材料よりなるものを用いることができる。
カーボンナノ材料としてカーボンナノチューブを用いる場合、その平均長さは、例えば、10μm以上250μm以下が好ましく、50μm以上150μm以下がより好ましい。
なお、平均長さが10μm以上250μm以下の長尺のカーボンナノチューブは、例えば、周知の基板合成法(具体的には、例えば、特開2007−222803「カーボンナノ構造物成長用触媒、カーボンナノ構造物の製造方法、同製造用原料ガスとキャリアガス及び同製造装置」に開示されたカーボンナノ構造物の製造方法を参照)により、容易に製造することが可能である。
以下では、カーボンナノ材料として、平均長さが10μm以上250μm以下の長尺のカーボンナノチューブを用いた場合を例に挙げて説明する。
分散剤は、特に限定されるものではなく、溶媒の種類に適した分散剤を適宜選択することができる。具体的には、分散剤としては、例えば、合成ポリマー、界面活性剤、蛋白質、DNA、ペプチド、有機アミン化合物よりなる群のうち、少なくとも1つ以上の材料を含む分散剤を用いることができる。
上記合成ポリマーとしては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリアニリンスルホン酸等を用いることができる。
また、上記界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及びドデシルベンゼン硫酸ナトリウム(SDBS)、3−[(3−Cholamidopropyl)dimethylammonio]propanesulfonate(CHAPS)、3−[(3−Cholamidopropyl)dimethylammonio]−2−hydroxypropanesulfonate(CHAPSO)等を用いることができる。
分散剤としては、修飾する対象となる樹脂材料粒子の成形温度よりも沸点が低いものを選択して使用することが望ましい。
分散剤の添加量は、カーボンナノ材料として長さが10μm以下のカーボンナノチューブを使用する場合、分散剤とカーボンナノチューブとの重量比率が1:1程度とするのに対し、長尺のカーボンナノチューブ場合には重量比率で5:1〜50:1程度とする必要がある。
このように、適正な分散剤を適度な量添加することにより、溶媒分散が比較的困難な長尺のカーボンナノチューブを使用する場合においても、均一に分散された分散液を得ることができる。
(第2工程)
次いで、第2工程では、上記第1工程で作製したカーボンナノ材料分散液の溶媒が水である場合には樹脂と水の親和性が低いため、アルコール類を添加して、アルコール類を溶媒の主体としたカーボンナノチューブの分散液を作製する。
具体的には、アルコール類が入っている混合スラリー攪拌容器22に、水を溶媒としたカーボンナノ材料分散液を少量ずつ供給し、第2の攪拌機24で混合する。
このように、極性の大きな水をベースとした水分散液をアルコール類で希釈することにより、水分散液中に均一に分散していた長尺のカーボンナノチューブがやや不安定な分散状態へと移行する。
上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロプレングリコール、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、及びエチレングリコールよりなる群のうち、少なくとも1種よりなるものを用いることができる。
本実施の形態では、アルコール類の一例として、エタノールを用いた場合について説明する。なお、カーボンナノ材料分散液の溶媒として有機溶剤を用いた場合には、第2工程を行う必要はない。
(第3工程)
第3工程では、第2工程で作製したアルコール類を溶媒の主体としたカーボンナノ材料分散液が収容された混合スラリー攪拌容器22内に、樹脂材料粒子を添加して、攪拌することで、カーボンナノ材料分散液及び樹脂材料粒子よりなる混合スラリーを作製する。
具体的には、混合スラリー攪拌容器22に収容したアルコール類を溶媒の主体としたカーボンナノ材料分散液を第2の攪拌機24で混合しながら、樹脂材料粒子を添加する。
以下、本実施の形態では、樹脂材料粒子の一例として、フッ素系樹脂材料粒子を用いた場合を例に挙げて説明する。
上記第2工程において、エタノールでの希釈によって緩やかに不安定な状態に移行した分散液中のカーボンナノチューブは、第3工程において添加されたフッ素系樹脂材料粒子が近くに存在すると、フッ素系樹脂材料粒子の表面に緩やかに吸着を開始する。
これは、フッ素系樹脂材料粒子の表面における長尺のカーボンナノチューブの吸着状態が安定なため、カーボンナノチューブがフッ素系樹脂材料粒子の表面にファンデルワールス力を主体とした力によって自然に吸着されるためである。
すなわち、長尺のカーボンナノチューブを希薄分散させたカーボンナノ材料分散液に、フッ素系樹脂材料粒子を混合することにより、長尺のカーボンナノチューブがその性質を損なうことなく、従来よりも低い添加濃度でも均一にフッ素系樹脂材料粒子の表面に分散させることができる。
ここで、上記第2工程及び第3工程において、混合スラリー攪拌容器22中の溶媒の温度、エタノールの添加速度、分散液中のカーボンナノチューブの分散濃度、フッ素系樹脂材料粒子の添加速度及び分散液中のフッ素系樹脂材料粒子の分散濃度について最適な条件を選択することにより、高い分散状態を維持しつつフッ素系樹脂材料粒子の表面に長尺カーボンナノチューブを吸着させることができる。
上記第1工程〜第3工程を実施することにより、樹脂材料粒子と、カーボンナノチューブとを含む混合スラリーを作製できる。
上記樹脂材料粒子を構成する樹脂材料は、特に限定されるものではない。樹脂材料粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、熱可塑性樹脂を用いることができる。
樹脂材料粒子を構成する樹脂材料となる熱可塑性樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ホルマリン系樹脂、アクリル樹脂、スチレン系樹脂等を用いることができる。
樹脂材料粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、予備成形後に焼成することで容易に成形加工可能なフッ素系樹脂が好ましい。
フッ素系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、完全フッ化樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、四フッ素化樹脂,PTFE)、フッ化樹脂共重合体であるパーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、部分フッ化樹脂であるポリクロロトリフルオロエチレン(三フッ化樹脂、PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)等を用いることができる。
樹脂材料粒子の粒径は、例えば、表面積を充分に確保可能な大きさで、かつ混合スラリーを作製する際に容易に分散可能な大きさであればよい。このような樹脂材料粒子の粒径としては、例えば、1〜500μm(より好ましくは、25〜100μm)を用いることができる。
(第4工程)
第4工程は、上記第3工程で作製した混合スラリーを耐圧容器11内に供給し、その後耐圧容器11内の温度を二酸化炭素が亜臨界または超臨界状態となる温度を維持しながら、二酸化炭素を特定の速度で供給することで、耐圧容器11内を二酸化炭素を満たす工程である。
具体的には、図1に示すように、先ず、混合スラリー攪拌容器22から混合スラリー供給ライン26を介して所定量の混合スラリーを耐圧容器11に供給する。次に、耐圧容器11内を第1の攪拌機13によって攪拌しながら、バッファタンク38から第2の二酸化炭素供給ライン41を介して二酸化炭素を耐圧容器11に供給する。
該二酸化炭素としては、液化二酸化炭素、気液混合の二酸化炭素、気体とされた二酸化炭素のうちのいずれかを用いることができるが、本実施の形態では、二酸化炭素の一例として、液化二酸化炭素を用いた場合について説明する。
このように、液体二酸化炭素を攪拌しながら耐圧容器11の液相(混合スラリー)に供給することにより、混合スラリー中のカーボンナノチューブの表面から分散剤が剥離し始める。
また、耐圧容器11内に供給される液化二酸化炭素の供給量が増加するにつれて、液相中の溶媒濃度が減少するとともに、液体二酸化炭素濃度の割合が増加するため、フッ素樹脂粒子の表面に配位する溶媒が減少する。
なお、本発明における「超臨界状態」とは、臨界点以上の温度及び圧力にある物質状態のことをいう。また、二酸化炭素の場合の「超臨界状態」とは、温度が31.1℃以上及び圧力が72.8気圧以上の状態のことをいう。
この超臨界状態において、二酸化炭素は、気体の拡散性及び液体の溶解性を有するため、拡散しながら樹脂材料粒子の表面を膨潤させる。
また、本発明における「亜臨界状態」とは、臨界点以上の圧力及び臨界点以下の温度にある状態のことをいう。この状態においても、二酸化炭素は樹脂材料粒子の表面を効率的に膨潤させることができる。
さらに、長尺のカーボンナノチューブの表面から剥離した分散剤、及び溶媒は、二酸化炭素中に溶け込む。
これにより、カーボンナノチューブは、やや不安定な分散状態とされ、ファンデルワールス力を主体とした力によって、フッ素樹脂粒子の表面に吸着し、安定な状態となる。
また、混合スラリーに液化二酸化炭素を攪拌しながら供給するため、長尺のカーボンナノチューブとフッ素樹脂が均一に分散するので、カーボンナノチューブがフッ素系樹脂材料粒子上において重力方向に偏ることが防止され、フッ素系樹脂材料粒子のほぼ全表面において均一に吸着させることができる。
第4工程においては、第2の二酸化炭素供給ライン41に設けられた流量計47により、二酸化炭素の供給速度が、二酸化炭素供給開始時に耐圧容器11中の混合スラリーに含まれる分散剤1mgに対して、0.25g/min以下となるようにする。
このように、0.25g/min以下の供給速度で二酸化炭素を供給することで、分散剤の剥離速度が低下するため、カーボンナノチューブが均一に分散した状態のままフッ素樹脂粒子表面への吸着がはじまる。
このため、フッ素樹脂粒子表面へカーボンナノチューブを均一に吸着させることができる。したがって、高い導電性を示す複合樹脂材料粒子を得ることができる。具体的には、得られる複合樹脂材料粒子において、カーボンナノチューブの添加濃度0.05wt%以下で体積抵抗率1.00×10Ω・cm以下の高い導電性を達成できる。
また、上記第4工程においては、分散剤1mgに対する二酸化炭素の供給速度を0.07g/min以下とすることが好ましい。このように、二酸化炭素の供給速度を0.07g/min以下とすることで、樹脂材料粒子表面にカーボンナノチューブを均一に付着させることができる。
また、上記第4工程においては、分散剤1mgに対する二酸化炭素の供給速度を0.05g/min以下とすることがより好ましい。このように、二酸化炭素の供給速度を0.05g/min以下とすることで、樹脂材料粒子表面にカーボンナノチューブをより均一に付着させることができる。
ここで、図2及び図3を参照して、上記二酸化炭素供給工程における二酸化炭素の供給速度の違いが、分散剤72及びカーボンナノチューブ71の挙動に及ぼす影響について説明する。
図2(a)に示すように、分散剤72を除去する前の段階(言い換えれば、二酸化炭素を供給する前の段階)において、複数のカーボンナノチューブ71は、分散剤72により均一に分散されているため、凝集が抑制される。
図2(b)に示すように、フッ素系樹脂材料粒子73が添加された混合スラリーに、混合スラリーに含まれる1mgの分散剤72に対して、0.25g/minよりも速い供給速度で二酸化炭素を供給した場合、複数のカーボンナノチューブ71から一気に分散剤72が剥離されてしまうため、フッ素系樹脂材料粒子73の表面に付着する前にカーボンナノチューブ71が凝集してしまう。
その結果、図2(c)に示すように、フッ素系樹脂材料粒子73の表面には、凝集したカーボンナノチューブ71が付着する。また、カーボンナノチューブ71が凝集することで、フッ素系樹脂材料粒子73の表面にカーボンナノチューブ71がほとんど付着していない複合樹脂材料粒子が生成されてしまう。
つまり、フッ素系樹脂材料粒子73の表面に、カーボンナノチューブ71を均一に付着させることができない。
一方、図3(b)に示すように、フッ素系樹脂材料粒子73を含む混合スラリーに含まれる1mgの分散剤72に対して、0.25g/min以下の供給速度で二酸化炭素を供給した場合、二酸化炭素の供給速度が遅いため、複数のカーボンナノチューブ71からゆっくりと分散剤72が除去される。これにより、カーボンナノチューブ71が分散された状態を維持することが可能となる。
その結果、図3(c)に示すように、フッ素系樹脂材料粒子73の表面に、均一にカーボンナノチューブ71を付着させることが可能となる。
よって、本実施の形態のように、分散剤72を除去させる二酸化炭素を、混合スラリーに含まれる1mgの分散剤72に対して、0.25g/min以下の供給速度で供給することで、樹脂材料粒子であるフッ素系樹脂材料粒子73の表面に均一にカーボンナノ材料を固定化させることが可能となる。
なお、図2及び図3では、二酸化炭素供給工程において、カーボンナノチューブ71(カーボンナノ材料)から全ての分散剤72が除去されている図を例示したが、実際には、二酸化炭素供給工程において、カーボンナノチューブ71に付着した全ての分散剤72を剥離させることは困難であり、一部の分散剤72がカーボンナノチューブ71に付着した状態で残存する。
(第5工程)
第5工程は、混合スラリーに供給した液体二酸化炭素が亜臨界又は超臨界を維持できる温度及び圧力に保持しながら、分散剤および溶媒が溶け込んだ二酸化炭素を排出する工程である。
具体的には、ヒーター14を用いて耐圧容器11を加熱することで、耐圧容器11内に存在する二酸化炭素(例えば、液化二酸化炭素)が亜臨界または超臨界状態となる温度及び圧力を所定時間保持する。また、二酸化炭素回収ライン51を介して耐圧容器11の外へ排出する。
これにより、カーボンナノチューブの表面から分散剤が取り除かれ、同時に、所定条件の二酸化炭素によりフッ素系樹脂材料粒子表面を膨潤することができ、樹脂材料粒子の表面にカーボンナノチューブを取り込み、固着させることができる。これにより、耐圧容器11内に複合樹脂材料粒子が形成される。
また、溶媒が二酸化炭素に溶け込んで排出されるため、第5工程の処理時間を適正に設けると、耐圧容器11内の混合スラリーは溶媒がほぼ全量取り除かれた状態とすることも可能である。
(第6工程)
第6工程は、第5工程の状態を維持しながら超臨界又は亜臨界二酸化炭素雰囲気内に、分散剤と親和力のあるエントレーナを添加する工程である。
具体的には、エントレーナライン16に設けられた開閉弁19を開放し、図示しない流量計によって所定量のエントレーナを耐圧容器11内に供給する。耐圧容器11内に供給されたエントレーナは混合スラリー内に残存する分散剤を溶解し、さらに二酸化炭素に分散剤と共に溶解し、第1の回収ライン51−1を介して、耐圧容器11内に存在する分散剤を気液分離槽58に輸送する。
このように、耐圧容器11内にエントレーナを供給することで、フッ素系樹脂材料粒子に取り込まれたカーボンナノチューブの表面から、残存した分散剤効率良く剥離させることが可能となる。したがって、高い導電性を得ることができる。上記エントレーナとしては、分散液作製に使用した溶媒を用いることができる。
本実施の形態では、分散液を作製する際の有機溶媒であるエタノールを用いることができる。
なお、上記エントレーナの供給は、必須の工程ではなく、必要に応じて実施すればよい。
時間を要するが第5工程を維持することでカーボンナノ材料に付着した分散剤を十分に除去できる。
(第7工程)
第7工程は、二酸化炭素を耐圧容器11の外に移動させる工程である。具体的には、圧力調整弁52を操作することで、耐圧容器11の内部を減圧(脱圧)して、第1の回収ライン51−1を介して、耐圧容器11内に存在する二酸化炭素を気液分離槽58内に移動させる。
このように、フッ素系樹脂材料粒子を膨潤させるための液体として、亜臨界状態又は超臨界状態にある二酸化炭素を使用することにより、フッ素系樹脂材料粒子の表面にカーボンナノチューブを取り込む第5工程の終了後において、減圧という簡便な操作により二酸化炭素を完全に除去することができる。
気液分離槽58内に移動した二酸化炭素は、第2の回収ライン51−2、第2のチラー54、第4のポンプ53、及び第4の開閉弁56を介して、バッファタンク38に輸送され、複合樹脂材料粒子製造に再利用される。
このように、二酸化炭素を再利用することで、複合樹脂材料粒子の製造コストを低減できる。
また、耐圧容器11内に存在する二酸化炭素を気液分離槽58内に移動させることで、該二酸化炭素に随伴されて、耐圧容器11内に存在するカーボンナノ材料から剥離された分散剤及び溶媒が気液分離槽58内に輸送される。
気液分離槽58内に輸送された分散剤及び溶媒は、析出させることで、液相回収ライン61を介して、回収することができる。
回収した分散剤及び溶媒は、再利用することが可能なため、複合樹脂材料粒子の製造コストを低減できる。
また、液相回収ライン61に、分散剤、溶媒のうち、少なくとも1種の濃度を測定する濃度計(図示せず)を設けてもよい。
このように、液相回収ライン61に濃度計(図示せず)を設けることにより、分散剤、溶媒のうち、少なくとも1種の回収量を算出することが可能となる。
これにより、上記算出した回収量と二酸化炭素の供給速度との関係から、気液分離槽58からバッファタンク38に供給する二酸化炭素の供給量をフィードバック制御することができる。
(第8工程)
第8工程は、複合樹脂材料粒子回収ライン64、第5のポンプ66、及びろ過装置(図示せず)を介して、耐圧容器11内に収容された混合スラリー中に存在する複合樹脂材料粒子Cを、複合樹脂材料粒子回収容器65内に回収する。
この段階の複合樹脂材料粒子Cを構成する樹脂材料粒子には、二酸化炭素が含有されると共に、溶媒が付着しているため、後述する工程で、樹脂材料粒子から二酸化炭素及び溶媒を除去する。
ただし、第5工程もしくは第6工程にて、十分な二酸化炭素排出処理時間を設けた場合、混合スラリー中の溶媒はなくなっており、この場合は耐圧容器11を開放し、内部から直接、複合樹脂材料粒子Cを取り出す。
(第9工程)
次いで、真空電気炉(図示せず)内に、二酸化炭素が含有され、かつ溶媒が付着した複数の複合樹脂材料粒子Cを収容させる。
次いで、該真空電気炉内を真空とし、二酸化炭素が含有され、かつ溶媒が付着した複数の複合樹脂材料粒子Cを加熱することで、二酸化炭素が含有され、かつ溶媒が付着した複数の複合樹脂材料粒子Cから二酸化炭素を脱泡させると共に、溶媒を気化させる。
これにより、二酸化炭素及び溶媒をほとんど含んでいない複数の複合樹脂材料粒子C(本実施の形態の複合樹脂材料粒子)が製造される。
ところで、従来、少量添加されたカーボンナノ材料を希薄分散させたカーボンナノ材料分散液を用いて、カーボンナノ材料及び樹脂材料粒子を含む複合樹脂材料粒子の製造が試みられていた。
しかしながら、カーボンナノ材料は、分散液中では比較的均一な状態に分散されているが、樹脂材料粒子の表面に付着させる際、急激に凝集してしまう。
このため、樹脂材料粒子の表面に対して均一にカーボンナノ材料を付着させることが困難であった。
すなわち、カーボンナノ材料の表面には、多量の分散剤が配位しているが、該分散剤がカーボンナノ材料から一気に剥離することでカーボンナノ材料同士が凝集してしまうことになる。このように、樹脂材料粒子の表面にカーボンナノ材料が凝集すると、樹脂材料粒子の表面が強い黒色を帯びてしまうという問題があった。
一方、本実施の形態の複合樹脂材料粒子の製造方法によれば、樹脂材料粒子と、カーボンナノ材料を分散させる分散剤、溶媒、及びカーボンナノ材料を含むカーボンナノ材料分散液と、を混合させることで、混合スラリーを作製する工程と、耐圧容器11内に混合スラリーを供給した後、混合スラリーを撹拌しながら耐圧容器11内に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給工程と、を有し、二酸化炭素供給工程において、混合スラリーに含まれる分散剤1mgに対して、二酸化炭素を0.25g/min以下の供給速度で供給することにより、分散剤がゆっくりとカーボンナノ材料から剥離するため、カーボンナノ材料の凝集を抑制することが可能となる。
これにより、カーボンナノ材料の添加濃度が低い場合でも、樹脂材料粒子の表面全体に均一にカーボンナノ材料を固定化することが可能となる。
また、カーボンナノ材料同士が凝集した状態で樹脂材料粒子の表面への付着が抑制されるため、樹脂材料粒子の表面が黒色を帯びることを抑制できる。
また、上記方法で製造された複合樹脂材料粒子は、カーボンナノ材料が樹脂材料粒子の表面に均一に分散されており、カーボンナノ材料が樹脂材料粒子の表層に極薄い厚みで完全に固着されている。
このため、カーボンナノ材料の添加量が少ない場合でも、樹脂材料粒子の表面において効率的にネットワーク(導電性網)を形成することが可能となる。
また、複合樹脂材料粒子の表面にカーボンナノ材料を固着させた後、導電性を妨げている分散剤を取り除くことにより、カーボンナノ材料の添加量が少ない場合でも、カーボンナノ材料同志の導電パスが有効に作用する。
したがって、上記方法で製造された複合樹脂材料粒子は、カーボンナノ材料が持つ高い電気伝導性、熱伝導性及び強度特性を発揮できる。
より具体的には、本実施の形態の複合樹脂材料粒子の製造方法により製造された樹脂材料粒子Cは、カーボンナノ材料が樹脂材料粒子に対して0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下といった少ない含有量で、1.0×10Ω・cm以下の体積抵抗率を実現できる。
次に、本実施の形態の複合樹脂成形体の製造方法について説明する。
(第10工程)
第10工程は、第1工程から第9工程によって得られた複合樹脂材料粒子Cを加圧成形する工程である。具体的には、第9工程で得られた複合樹脂材料粒子Cを金型内に充填し、その後、常温にて、所定の圧力を印加することで成型する。
(第11工程)
第11工程は、成形したフッ素系樹脂材料粒子を焼成する工程である。具体的には、加圧成形された複数の複合樹脂材料粒子Cを、樹脂材料粒子の成形に適した温度で焼成する。
上述した第10工程及び第11工程によって、本実施の形態の複合樹脂成形体(図示せず)が製造される。このような方法で製造された複合樹脂成形体は、少量のカーボンナノ材料の添加で高い導電性を示すものとなる。
上記方法により製造された複合樹脂成形体は、樹脂材料粒子及びカーボンナノ材料を含み、カーボンナノ材料が樹脂材料粒子に対して0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下といった少ない含有量で、1.0×10Ω・cm以下の体積抵抗率を実現できる。
また、上記方法により製造された複合樹脂成形体は、複合樹脂成形体の内部にカーボンナノ材料に由来する導電性網が形成されるため、高い導電性を有する。
なお、複合樹脂成形体の態様は、特に限定されるものではなく、実用時に最適な形態を適宜選択することができる。複合樹脂成形体としては、導電性が付与された様々な樹脂成形加工品を提供できる。該樹脂成形加工品としては、例えば、ICトレイ、ウエハキャリア、薬液ホース、シール剤等を例示することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
(実験例1)
実験例1では、図1に示す複合樹脂材料粒子製造装置10を用いて、水を溶媒とした長尺カーボンナノ材料分散液(分散剤=1.0wt%、長尺カーボンナノチューブ=0.05wt%)20gにエタノールを80g加えて希釈した。さらに、フッ素系樹脂材料粒子を20g添加して混合スラリーを作成した。
次いで、作成した混合スラリーを耐圧容器11内に供給し、耐圧容器11内に、混合スラリーに含まれる両性イオン界面活性剤1mgに対して、所定の供給速度(具体的には、0.009g/min、0.045g/min、0.091g/min、0.227g/min、0.453g/min、0.906g/minのうちの、いずれか1つの供給速度)で液化二酸化炭素を供給して、複数の複合樹脂材料粒子を製造した。
これにより、液化二酸化炭素を0.009g/minの供給速度で供給することで製造された複数の複合樹脂材料粒子(以下、「第1の複合樹脂材料粒子」という)と、液化二酸化炭素を0.045g/minの供給速度で供給することで製造された複数の複合樹脂材料粒子(以下、「第2の複合樹脂材料粒子」という)と、液化二酸化炭素を0.091g/minの供給速度で供給することで製造された複数の複合樹脂材料粒子(以下、「第3の複合樹脂材料粒子」という)と、液化二酸化炭素を0.227g/minの供給速度で供給することで製造された複数の複合樹脂材料粒子(以下、「第4の複合樹脂材料粒子」という)と、液化二酸化炭素を0.453g/minの供給速度で供給することで製造された複数の複合樹脂材料粒子(以下、「第5の複合樹脂材料粒子」という)と、液化二酸化炭素を0.906g/minの供給速度で供給することで製造された複数の複合樹脂材料粒子(以下、「第6の複合樹脂材料粒子」という)と、を製造した。
次いで、第1ないし第6の複合樹脂材料粒子を用いて、第1の複合樹脂材料粒子よりなる複合樹脂成形体(以下、「第1の複合樹脂成形体」という)と、第2の複合樹脂材料粒子よりなる複合樹脂成形体(以下、「第2の複合樹脂成形体」という)と、第3の複合樹脂材料粒子よりなる複合樹脂成形体(以下、「第3の複合樹脂成形体」という)と、第4の複合樹脂材料粒子よりなる複合樹脂成形体(以下、「第4の複合樹脂成形体」という)と、第5の複合樹脂材料粒子よりなる複合樹脂成形体(以下、「第5の複合樹脂成形体」という)と、第6の複合樹脂材料粒子よりなる複合樹脂成形体(以下、「第6の複合樹脂成形体」という)と、を製造した。
以下、具体的な、第1ないし第6の複合樹脂材料粒子の製造方法、第1ないし第6の複合樹脂成形体の製造方法、及び第1ないし第6の複合樹脂成形体の体積抵抗率の測定方法について、順次説明する。
次に、第1の複合樹脂材料粒子の製造方法について説明する。
始めに、特開2007−222803「カーボンナノ構造物成長用触媒、カーボンナノ構造物の製造方法、同製造用原料ガスとキャリアガス及び同製造装置」に開示されたカーボンナノ構造物の製造方法を用いて、シリコン基板上にカーボンナノチューブ(平均直径11nm、平均長さ145μm)を作製した。さらに、作製したカーボンナノチューブをシリコン基板から剥離し、粉末状のカーボンナノチューブとして回収した。
次いで、ビーカーに水を19.75g、分散剤として3−[(3−Cholamidopropyl)dimethylammonio]−2−hydroxypropanesulfonate(CHAPSO)を主体とした両性イオン界面活性剤を200mg、粉末状のカーボンナノチューブを5mg入れ、超音波分散機(株式会社エスエムテー社製のULTRA SONIC HOMOGENIZER UH−50、出力:50W、周波数:20kHz)にて30分の分散液作製処理を実施した。
次に、ビーカーにエタノールを80g入れ、超音波分散機(株式会社エスエムテー社製のULTRA SONIC HOMOGENIZER UH−50、出力:50W、周波数:20kHz)にて撹拌しながら、前記分散液を10分間掛けてゆっくりと添加し、エタノールで希釈したカーボンナノ材料分散液を作製した。
次いで、混合スラリー攪拌容器22内に、100gのカーボンナノ材料分散液を供給し、第2の攪拌機24を用いて、カーボンナノ材料分散液を攪拌しながら、5分間かけてゆっくりと20gのフッ素系樹脂材料粒子(PTFE、ダイキン工業株式会社製のM−18F、平均粒径が25μm)を添加して、カーボンナノ材料分散液とフッ素系樹脂材料粒子とを含む混合スラリーを作製した。
次いで、耐圧容器11内に、上記混合スラリーを120g供給した後、第1の攪拌機13により混合スラリーを攪拌しながら、かつ、耐圧容器11内の温度をヒーター14により、65℃に調整維持し、混合スラリーに含まれる分散剤1mgに対して、二酸化炭素を0.009g/minの供給速度で11分間供給して、合計約100gの二酸化炭素を充填した。この時、耐圧容器11内の圧力は、約25MPaであった。
次いで、継続して、第1の撹拌機13を動かしながら、耐圧容器11内に二酸化炭素の充填を開始した。
具体的には、耐圧容器11内に、混合スラリーに含まれる分散剤1mgに対して、二酸化炭素を0.009g/minの供給速度で2時間連続供給した。
このとき、圧力調整弁52を調整することで、第1の回収ライン51−1を介して、二酸化炭素と、二酸化炭素中に溶け込んだ溶媒及び分散剤と、が混ざった気液混合ガスを排出しながら二酸化炭素の供給を行った。
二酸化炭素の供給開始から2時間経過後、二酸化炭素の供給を停止し、耐圧容器11内の圧力が大気圧になるように、圧力調整弁52を調整することで、第1の回収ライン51−1を介して、耐圧容器11内の気液混合ガスを排出した。
その後、耐圧容器11内に残留した溶媒、及びフッ素系樹脂複合材料粒子を含む混合スラリーを、第5のポンプ66を使用して、複合樹脂材料粒子回収容器65へと移送した。
第1の回収ライン51−1に排出された気液混合ガスは、気液分離槽58に導入され、気体である二酸化炭素と溶媒及び分散剤を含む液体とに分離した。そして、気体である二酸化炭素は、液化して再利用した。また、溶媒及び分散剤を含む液体は、溶媒を乾燥させて分散剤のみを回収して、分散剤を再利用した。
複合樹脂材料粒子回収容器65へ移送された混合スラリーを、図示していないろ過フィルター(MILLIPORE社製、メンブレンフィルター、直径47mm、孔径0.1μm)にてろ過を行った。
これにより、ろ過装置(図示せず)の上流において、0.05質量%の添加濃度で添加されたカーボンナノチューブが付着した約20gの第1の複合樹脂材料粒子が生成された。
また、ろ過装置の下流において、無色透明な溶媒及び分散剤を含む液体を回収した。
次いで、金型内に、5gの第1の複合樹脂材料粒子を配置させ、手動圧縮成形機(三庄インダストリー株式会社製、MH−50)を使用して、常温、圧力40MPaの条件にて成形を行った。これにより、直径約30mm、厚さ約3mm、密度2.1g/cmの第1の複合樹脂成形体を形成した。
さらに、第1の複合樹脂成形体を、真空電気炉(光洋サーモシステム株式会社製、真空ボックス炉、MB−888−V)にて焼成処理を行なうことにより、第1の導電性フッ素系樹脂成形体(複合樹脂成形体)を形成した。
次いで、上記第1の複合樹脂成形体と同様な製造方法を用いて、第2ないし第6の複合樹脂成形体を製造した。
その後、体積抵抗率計(Mitsubishi Chemical社製、LorestaGP、MCP−T600)の4端子法(ASPプローブ)を用いて、第1ないし第6の複合樹脂成形体の体積抵抗率(Ω・cm)をそれぞれ測定した。この結果を表1、図4、及び図5に示す。
Figure 2014034591
表1は、第1ないし第6の複合樹脂成形体を製造する際の液化二酸化炭素の供給速度、及び第1ないし第6の複合樹脂成形体の体積抵抗率を示す表である。
図4は、混合スラリーに含まれる両性イオン界面活性剤1mgに対する液化二酸化炭素の供給速度と複合樹脂成形体の体積抵抗率との関係と、混合スラリーに含まれる合成ポリマー1mgに対する液化二酸化炭素の供給速度と複合樹脂成形体の体積抵抗率との関係と、を示すグラフである。図4は、表1のデータ、及び後述する表2に基づき作成したグラフである。
図5は、図4に示す領域Eの部分を拡大したグラフである。
表1、図4、及び図5を参照するに、水と、エタノールと、分散剤である両性イオン界面活性剤を含むカーボンナノ材料分散液を用い、カーボンナノチューブの添加濃度が0.05wt%の場合において、混合スラリーに含まれる分散剤1mgに対する液化二酸化炭素の供給速度が0.25g/min以下のときに、複合樹脂成形体の体積抵抗率を1.00×10Ω・cm以下にできることが確認できた。
また、水と、エタノールと、分散剤である両性イオン界面活性剤を含むカーボンナノ材料分散液を用い、カーボンナノチューブの添加濃度が0.05wt%の場合において、混合スラリーに含まれる分散剤1mgに対する液化二酸化炭素の供給速度が0.07g/min以下のときに、複合樹脂成形体の体積抵抗率を2.0×10Ω・cm程度にできることが確認できた。
さらに、水と、エタノールと、分散剤である両性イオン界面活性剤を含むカーボンナノ材料分散液を用い、カーボンナノチューブの添加濃度が0.05wt%の場合において、混合スラリーに含まれる分散剤1mgに対する液化二酸化炭素の供給速度が0.05g/min以下のときに、複合樹脂成形体の体積抵抗率を安定して2.0×10Ω・cm以下にできることが確認できた。
(実験例2)
実験例2では、溶媒にメチルエチルケトンを用いて、分散剤である合成ポリマー200mg、及びカーボンナノチューブ5mgを含むカーボンナノ材料分散液100gに、フッ素系樹脂材料粒子20gを添加して混合スラリーを作成した。
次いで、図1に示す複合樹脂材料粒子製造装置10を用いて、作成した混合スラリーを耐圧容器11内に供給し、耐圧容器11内に、混合スラリーに含まれる合成ポリマー1mgに対して、所定の供給速度(具体的には、0.009g/min、0.045g/min、0.091g/min、0.227g/min、0.453g/min、0.906g/minのうちの、いずれか1つの供給速度)で液化二酸化炭素を供給して、複数の複合樹脂材料粒子を製造した。
これにより、液化二酸化炭素を0.009g/minの供給速度で供給することで製造された複数の複合樹脂材料粒子(以下、「第7の複合樹脂材料粒子」という)と、液化二酸化炭素を0.045g/minの供給速度で供給することで製造された複数の複合樹脂材料粒子(以下、「第8の複合樹脂材料粒子」という)と、液化二酸化炭素を0.091g/minの供給速度で供給することで製造された複数の複合樹脂材料粒子(以下、「第9の複合樹脂材料粒子」という)と、液化二酸化炭素を0.227g/minの供給速度で供給することで製造された複数の複合樹脂材料粒子(以下、「第10の複合樹脂材料粒子」という)と、液化二酸化炭素を0.453g/minの供給速度で供給することで製造された複数の複合樹脂材料粒子(以下、「第11の複合樹脂材料粒子」という)と、液化二酸化炭素を0.906g/minの供給速度で供給することで製造された複数の複合樹脂材料粒子(以下、「第12の複合樹脂材料粒子」という)と、を製造した。
第7ないし第12の複合樹脂材料粒子は、水及びエタノール(溶媒)、及び両性イオン界面活性剤(分散剤)の替わりに、メチルエチルケトン(溶媒)、及び合成ポリマー(分散剤)を用いたこと以外は、(実験例1)で説明した第1ないし第6の複合樹脂材料粒子の製造方法と同様な手法により製造した。
次いで、第7ないし第12の複合樹脂材料粒子を用いて、第7の複合樹脂材料粒子よりなる複合樹脂成形体(以下、「第7の複合樹脂成形体」という)と、第8の複合樹脂材料粒子よりなる複合樹脂成形体(以下、「第8の複合樹脂成形体」という)と、第9の複合樹脂材料粒子よりなる複合樹脂成形体(以下、「第9の複合樹脂成形体」という)と、第10の複合樹脂材料粒子よりなる複合樹脂成形体(以下、「第10の複合樹脂成形体」という)と、第11の複合樹脂材料粒子よりなる複合樹脂成形体(以下、「第11の複合樹脂成形体」という)と、第12の複合樹脂材料粒子よりなる複合樹脂成形体(以下、「第12の複合樹脂成形体」という)と、を製造した。
第7ないし第12の複合樹脂成形体は、先に説明した(実験例1)で説明した第1ないし第6の複合樹脂成形体の製造方法と同様な手法により製造した。
その後、体積抵抗率計(Mitsubishi Chemical社製、LorestaGP、MCP−T600)の4端子法(ASPプローブ)を用いて、第7ないし第14の複合樹脂成形体の体積抵抗率(Ω・cm)をそれぞれ測定した。この結果を表2、図4、及び図5に示す。
表2は、第7ないし第14の複合樹脂成形体を製造する際の液化二酸化炭素の供給速度、及び第7ないし第14の複合樹脂成形体の体積抵抗率を示す表である。
Figure 2014034591
表2、図4、及び図5から、溶媒であるメチルエチルケトンと、分散剤である合成ポリマーを含むカーボンナノ材料分散液を用い、カーボンナノチューブの添加濃度が0.05wt%の場合において、混合スラリーに含まれる合成ポリマー1mgに対する液化二酸化炭素の供給速度が0.25g/min以下のときに、複合樹脂成形体の体積抵抗率を5.00×10Ω・cm以下にできることが確認できた。
また、表2、図4、及び図5から、溶媒であるメチルエチルケトンと、分散剤である合成ポリマーを含むカーボンナノ材料分散液を用い、カーボンナノチューブの添加濃度が0.05wt%の場合において、混合スラリーに含まれる分散剤1mgに対する液化二酸化炭素の供給速度が0.07g/min以下のときに、複合樹脂成形体の体積抵抗率を1.70×10Ω・cm程度にできることが確認できた。
さらに、表2、図4、及び図5から、溶媒であるメチルエチルケトンと、分散剤である合成ポリマーを含むカーボンナノ材料分散液を用い、カーボンナノチューブの添加濃度が0.05wt%の場合において、混合スラリーに含まれる分散剤1mgに対する液化二酸化炭素の供給速度が0.05g/min以下のときに、複合樹脂成形体の体積抵抗率を安定して1.50×10Ω・cm以下にできることが確認できた。
本発明は、少量のカーボンナノ材料を用いて高い導電性を付与することが可能な複合樹脂材料粒子の製造方法、及び複合樹脂成形体の製造方法に適用できる。
10…複合樹脂材料粒子製造装置、11…耐圧容器、11A,22A…底板部、12…筐体、13…第1の攪拌機、13A,24A…回転軸、13B,24B…インペラ、14…ヒーター、15…エントレーナ貯蔵タンク、16…エントレーナ供給ライン、18…第1のポンプ、19…第1の開閉弁、22…混合スラリー攪拌容器、24…第2の攪拌機、26…混合スラリー供給ライン、28…第2のポンプ、29…第2の開閉弁、32…温度センサ、33…圧力計、35…液化二酸化炭素用ボンベ、37…第1の二酸化炭素供給ライン、38…バッファタンク、39…第3の開閉弁、41…第2の二酸化炭素供給ライン、43…第3のポンプ、44…第1のチラー、46…第3の開閉弁、47…流量計、51…二酸化炭素回収ライン、51−1…第1の回収ライン、51−2…第2の回収ライン、52…圧力調整弁、53…第4のポンプ、54…第2のチラー、56…第4の開閉弁、58…気液分離槽、61…液相回収ライン、62…第5の開閉弁、64…複合樹脂材料粒子回収ライン、65…複合樹脂材料粒子回収容器、66…第5のポンプ、71…カーボンナノチューブ、72…分散剤、73…フッ素系樹脂材料粒子、C…複合樹脂材料粒子

Claims (15)

  1. 樹脂材料粒子及びカーボンナノ材料を含む複合樹脂材料粒子の製造方法であって、
    前記樹脂材料粒子と、前記カーボンナノ材料と、該カーボンナノ材料を分散させる分散剤と、溶媒と、を含む混合スラリーを作製する工程と、
    耐圧容器内に前記混合スラリーを供給した後、前記混合スラリーを撹拌しながら前記耐圧容器内に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給工程と、
    を有し、
    前記二酸化炭素供給工程では、前記混合スラリーに含まれる前記分散剤1mgに対して、前記二酸化炭素を0.25g/min以下の供給速度で供給することを特徴とする複合樹脂材料粒子の製造方法。
  2. 前記耐圧容器内を、前記二酸化炭素が亜臨界または超臨界状態を維持可能な温度及び圧力に保持する工程と、
    前記耐圧容器の外へ前記二酸化炭素を排出させる工程と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  3. 前記二酸化炭素供給工程では、前記混合スラリーに含まれる前記分散剤1mgに対して、前記二酸化炭素を0.07g/min以下の供給速度で供給することを特徴とする請求項1または2記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  4. 前記二酸化炭素供給工程では、前記混合スラリーに含まれる前記分散剤1mgに対して、前記二酸化炭素を0.05g/min以下の供給速度で供給することを特徴とする請求項1または2記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  5. 前記混合スラリーを作製する工程は、前記カーボンナノ材料と、前記分散剤と、前記溶媒と、を混合してカーボンナノ材料分散液を作製する工程と、
    前記カーボンナノ材料分散液に前記樹脂材料粒子を添加する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  6. 前記溶媒として、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロプレングリコール、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、エチレングリコール、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、トルエン、ベンゼン、アセトン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、酢酸、酢酸エチル、及びジクロロメタンよりなる群のうち、少なくとも1種よりなるものを用いることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  7. 前記二酸化炭素として、液化二酸化炭素を用いることを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  8. 前記樹脂材料粒子として、熱可塑性樹脂よりなる粒子を用いることを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  9. 前記樹脂材料粒子として、フッ素系樹脂材料粒子を用いることを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  10. 前記カーボンナノ材料として、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、及びグラフェンよりなる群のうち、少なくとも1種の材料よりなるものを用いることを特徴とする請求項1ないし9のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  11. 前記カーボンナノ材料として、平均長さが10μm以上250μm以下のカーボンナノチューブを用いることを特徴とする請求項1ないし10のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  12. 前記耐圧容器の外へ排出された前記二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収工程と、
    前記耐圧容器内に、回収した前記二酸化炭素を供給する工程と、
    を有することを特徴とする請求項2ないし11のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  13. 前記二酸化炭素回収工程後、該二酸化炭素回収工程において、回収された前記二酸化炭素に随伴される溶媒及び分散剤のうち、少なくとも1つの回収量を測定する工程を有し、
    前記二酸化炭素供給工程では、前記回収量に基づいて、前記耐圧容器に供給する前記二酸化炭素の量を調整することを特徴とする請求項12記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  14. 前記回収した二酸化炭素を液化させた後、前記耐圧容器内に供給することを特徴とする請求項12または13記載の複合樹脂材料粒子の製造方法。
  15. 請求項1ないし14のうち、いずれか1項記載の複合樹脂材料粒子の製造方法により、該複合樹脂材料粒子を製造する工程と、
    前記複合樹脂材料粒子を加圧成形する工程と、
    前記加圧成形された前記複合樹脂材料粒子を焼成する工程と、
    を有することを特徴とする複合樹脂成形体の製造方法。
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