JP2014034536A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】縮合リン酸塩の歯石形成抑制効果が向上し、また、口腔粘膜への刺激が抑えられ、泡立ちも良好な口腔用組成物を提供する。
【解決手段】(A)ラウリル硫酸塩を0.1〜1.5質量%含有し、かつ(B)縮合リン酸塩を0.1〜2質量%含有する口腔用組成物に、(C)アルギン酸プロピレングリコールエステルと、(D)(D−1)非イオン性界面活性剤及び/又は(D−2)両性界面活性剤とを配合してなり、(B)成分/(C)成分が質量比として1〜50であることを特徴とする口腔用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、縮合リン酸塩の歯石形成抑制効果が向上し、また、口腔粘膜への刺激が抑えられ、泡立ちも良好な口腔用組成物に関する。
歯石の形成は、歯周疾患の遠因と考えられ、また、口臭の大きな要因にもなっている。その除去には術者の多大な労力と患者の苦痛が伴う。更に、頻度の歯石除去は健全な歯質の研削に繋がり歯質に大きなダメージを与えるおそれがある。これらのことから歯石の形成の予防は、歯科学的に意義がある。
薬用歯磨剤における歯石予防の有効成分としては、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ゼオライトが知られている。しかし、縮合リン酸塩は、十分な効果を得るためには配合量を増加させる必要があるが、増量すると口腔粘膜への刺激が強くなって、舌に痛みを感じるなどの問題点があった。従って、粘膜刺激を抑えて縮合リン酸塩の歯石抑制効果を十分に与えることができる技術の開発が望まれる。一方、ゼオライトは粘膜刺激は小さいが、縮合リン酸塩ほどの歯石抑制効果が得られない。
特許文献1〜3には、ヒドロキシル官能基を有する脂肪酸塩と縮合リン酸塩との組合せを含み、非イオン性又はアニオン性界面活性剤を含む口腔用組成物が、歯の着色除去効果に優れることが提案されている。
また、非イオン性界面活性剤により縮合リン酸塩の粘膜刺激が緩和することは知られている。
特表2008−508274号公報 特表2008−508273号公報 特表2008−508272号公報 特開2012−116771号公報 特開平11−71251号公報
従って、縮合リン酸塩含有の口腔用組成物においては、粘膜刺激を抑えた縮合リン酸塩の歯石形成抑制効果の向上が望まれた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、縮合リン酸塩の歯石形成抑制効果が向上し、また、口腔粘膜への刺激が抑えられ、泡立ちも良好な口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)ラウリル硫酸塩を0.1〜1.5質量%含有し、かつ(B)縮合リン酸塩を0.1〜2質量%含有する口腔用組成物に、(C)アルギン酸プロピレングリコールエステル(以下、APGと略記する。)と、(D)(D−1)非イオン性界面活性剤及び/又は(D−2)両性界面活性剤とを配合し、(B)成分/(C)成分が適切比率であることで、縮合リン酸塩の歯石形成抑制効果が向上し、かつ口腔粘膜への刺激が抑えられ、泡立ちも良好となることを知見した。
即ち、本発明では、(A)及び(B)成分を含む組成において、(B)成分が(C)成分と相乗的に作用し、縮合リン酸塩の歯石形成抑制効果を増強できる。更に、(A)及び(B)成分の併用によって(B)成分による口腔粘膜刺激が増強して発現し、また、泡立ちが低下するという新たな課題が生じるが、(C)成分と共に(D)成分の非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤、好ましくはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アミドプロピルベタイン及びイミダゾリニウムベタインから選ばれる界面活性剤を併用して配合することで、かかる課題が解消し、上記口腔粘膜刺激が抑えられ、泡立ちも改善できる。よって、本発明によれば、粘膜刺激を与えることなく縮合リン酸塩で歯石形成を効果的に抑制できる。
本発明では、(D)非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を配合することにより、ヒドロキシアパタイト表面へのラウリル硫酸塩の吸着を抑えることができ、これが一つの要因となり、(B)縮合リン酸塩による歯石形成抑制効果が増強し、本発明の優れた効果を得ることができると推測される。また、口腔粘膜刺激に関しては、(C)又は(D)成分の配合では解消しない口腔粘膜刺激が(C)及び(D)成分を併用することで改善し、また、(C)又は(D)成分の配合では十分ではない起泡性が(C)及び(D)成分の併用で改善し、良好な泡立ちを確保できる。
APGが、歯周病原因菌の歯面への付着を抑制する作用を奏し、プラークコントロールに有効であることが特許文献4に開示されているが、縮合リン酸塩及びラウリル硫酸塩を含む組成へのAPGの配合によって、縮合リン酸による歯石形成抑制効果が増強し、上記格別の作用効果を与えることは、本発明者らの新知見である。
なお、特許文献5には、実施例に縮合リン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム及びAPGを含む練歯磨が記載されているが、これは縮合リン酸塩とキサンタンガムとを併用した口腔用組成物の経時での粘度変化をAPGで改善した技術であり、特許文献5から、(A)〜(D)成分の適切な併用により、特に2質量%以下の縮合リン酸塩で高い歯石形成抑制効果を与えることは予測できない。
従って、本発明は、(A)ラウリル硫酸塩を0.1〜1.5質量%含有し、かつ(B)縮合リン酸塩を0.1〜2質量%含有する口腔用組成物に、(C)アルギン酸プロピレングリコールエステルと、(D)(D−1)非イオン性界面活性剤及び/又は(D−2)両性界面活性剤とを配合してなり、(B)成分/(C)成分が質量比として1〜50であることを特徴とする口腔用組成物を提供する。
本発明によれば、縮合リン酸塩の歯石形成抑制効果が向上し、かつ口腔粘膜への刺激が抑えられ、泡立ちも良好であり、歯石形成抑制用として有用な口腔用組成物を提供できる。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の口腔用組成物は、(A)ラウリル硫酸塩、(B)縮合リン酸塩、(C)アルギン酸プロピレングリコールエステル、(D)(D−1)非イオン性界面活性剤及び/又は(D−2)両性界面活性剤を含有し、(B)成分/(C)成分が質量比として1〜50であることを特徴とする。
(A)ラウリル硫酸塩としては、ラウリル硫酸ナトリウムが用いられる。
ラウリル硫酸塩の配合量は、組成全体の0.1〜1.5%(質量%、以下同様。)であり、好ましくは0.3〜1.0%である。0.1%未満では泡立ちに劣り、1.5%を超えると口腔粘膜への刺激が強く発現し、使用感に劣る。
(B)成分の縮合リン酸塩としては、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸等の直鎖状のポリリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリメタリン酸、テトラメタリン酸等の環状のポリリン酸のナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられるが、特に直鎖状ポリリン酸塩が好ましく、中でもトリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが好適である。
縮合リン酸塩の配合量は、組成全体の0.1〜2%であり、好ましくは0.5〜1.5%である。0.1%未満では歯石形成抑制効果が低く、2%を超えると口腔粘膜への刺激が強く発現し、使用感に劣る。
本発明では、(C)成分のアルギン酸プロピレングリコールエステルを(B)縮合リン酸塩に適切に併用することで、歯石形成抑制効果を向上できる。
アルギン酸プロピレングリコールエステルは、コンブ、ワカメに代表される褐藻類に特有な天然多糖類アルギン酸の耐酸性、耐塩性を高めるためにカルボキシル基にプロピレングリコール基を導入しエステルとしたものである。例えば、(株)フードケミファ製のダックロイド、(株)キミカ製のキミロイド、昆布酸などの商品名で商品化されているもの等を使用できる。
アルギン酸プロピレングリコールエステルは、アルギン酸を構成するβ−D−マンヌロン酸(M)とα−L−グルロン酸(G)の量的比率(M/G比 モル比 以下、同様。)、配列順序、数(分子量)、及び、カルボキシル基のエステル化度等が異なる分子構造をとり、更に、これら分子構造の違いにより水溶液としたときの粘度も各種値をとり得る。本発明で用いるアルギン酸プロピレングリコールエステルは、これら分子構造、及び粘度に制限されるものではないが、β−D−マンヌロン酸(M)とα−L−グルロン酸(G)の量的比率(M/G比)が1.0より大きいものが好ましく、特に1.0を超え2以下が好ましい。
アルギン酸プロピレングリコールエステルのカルボキシル基のエステル化度は40%以上、特に70%以上、とりわけ70〜95%であることが好ましい。エステル化度が高いほど歯石形成抑制効果が高く、このような高エステル化度のものが好適である。95%を超えるものは市販品にはない。
なお、エステル化度が70%以上のものとしては、(株)キミカ製の商品名 キミロイドLLV、キミロイドBF、キミロイドHV、昆布酸503、昆布酸501、(株)フードケミファ製の商品名 ダックロイドPF、ダックロイドLF等が挙げられる。
また、後述するB型粘度計による測定法による1%水溶液の20℃での粘度(以下、同様。)が10〜1,300mPa・s、特には10〜200mPa・sの範囲であることが好ましい。粘度が10mPa・s未満のものは市販されておらず、1,300mPa・s以下であることが、十分な歯石形成抑制効果を与えるのに好適である。
アルギン酸プロピレングリコールエステルは、製品の種類に応じて1種単独で又は2種以上併用して使用できる。
上記粘度は、BL型粘度計により測定した値であり、具体的には下記方法による測定値である。
粘度測定法((株)フードケミファ製 ダックロイド)
アルギン酸プロピレングリコールエステルを4g採取し600mL容量のビーカーに入れ、そこに撹拌棒で撹拌しながら精製水396gを少しずつ加える。初めに少量の水でよく溶解し、ある程度溶けたら全量の水を入れる。その後1時間膨潤させ、1時間後、高速撹拌機(ホモミキサー)により12,000回転/分で1分間攪拌する。この溶液を300mLトールビーカーに入れて、20℃水槽に静置させておく。泡が上に上がり、ビーカーの溶液の色が透明になったら、上の泡を薬さじ等で取り除く。温度計をビーカーの中に入れて検液が20℃に達したことを確認し、粘度測定を行う。
粘度計:東京計器 BL型粘度計
ローター:No.1
回転数:60rpm
測定時間:1分
粘度測定法((株)キミカ製 キミロイド、昆布酸)
300mLトールビーカーに精製水297gをとり、スターラー又はスリーワンモーターで攪拌しながらアルギン酸プロピレングリコールエステルを3.0g加えて完全に溶解する。次に、20℃恒温水槽に1時間静置後(アルギン酸プロピレングリコールエステル水溶液が20℃に達したことを確認する)、BL型粘度計(東京計器社製)を用いて正確に1分後の粘度を測定する。
このようなアルギン酸プロピレングリコールエステルとしては、例えば下記の市販品を使用できる。
アルギン酸プロピレングリコールエステル
商品名 昆布酸503:
1%水溶液粘度18mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%/(株)キミカ製
商品名 キミロイドBF:
1%水溶液粘度20mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%/(株)キミカ製
商品名 キミロイドLLV:
1%水溶液粘度24mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%/(株)キミカ製
商品名 キミロイドNLS−K:
1%水溶液粘度55mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%/(株)キミカ製
商品名 キミロイドLV:
1%水溶液粘度90mPa・s(ローターNo.1、30rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%/(株)キミカ製
商品名 キミロイドMV:
1%水溶液粘度148mPa・s(ローターNo.1、30rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=80%/(株)キミカ製
商品名 昆布酸542:
1%水溶液粘度1,280mPa・s(ローターNo.3、60rpm)、M/G比=1.3、エステル化度=40%/(株)キミカ製
商品名 ダックロイドLF:
1%水溶液粘度21mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=0.8、エステル化度=75%/(株)フードケミファ製
商品名 ダックロイドPF:
1%水溶液粘度51mPa・s(ローターNo.1、60rpm)、M/G比=0.8、エステル化度=75%/(株)フードケミファ製
アルギン酸プロピレングリコールエステルの配合量は、組成全体の0.01〜2%が好ましく、より好ましくは0.02〜1%である。0.01%以上であることが、歯石形成抑制効果を高め、また、口腔粘膜への刺激、泡立ちを改善するのに好適である。多すぎると粘度が上がりすぎてベタツキが生じ、歯石形成抑制効果も低下する傾向となる場合があり、2%以下であることが、使用感を良好に維持するのに好ましい。
本発明では、(B)縮合リン酸塩と(C)アルギン酸プロピレングリコールエステルとが、(B)成分/(C)成分が質量比として1〜50、好ましくは3〜20、より好ましくは5〜15となる範囲で配合されることが、特に歯石形成抑制効果の発現に重要である。(B)成分/(C)成分の比率が小さすぎると歯石形成抑制効果を向上できず、大きすぎると口腔粘膜への刺激を抑制できない。
(D)成分は、(D−1)非イオン性界面活性剤及び/又は(D−2)両性界面活性剤である。
(D−1)非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好適であり、エチレンオキサイドの平均付加モル数が20〜100モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を使用できる。
(D−2)両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤が好適であり、例えば2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられ、中でも2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましい。
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインとしては、商品名エナジコールC−40Hとしてライオン(株)より販売されている2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム水溶液、脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、Degussa社より販売されているヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインであるTEGO BETAIN CKを用いることができる。
(D)成分としては、1種単独でも2種以上を併用してもよく、非イオン性界面活性剤又は両性界面活性剤を用いても、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤を用いてもよいが、口腔粘膜の刺激抑制の点で非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましい。
(D)成分の界面活性剤の配合量は、組成全体の0.3〜8%が好ましく、より好ましくは0.5〜6%である。0.3%以上であることが、縮合リン酸塩による口腔粘膜への刺激を抑制するのに好適であり、多すぎると界面活性剤由来のベタツキが発現する場合があり、8%以下であることが良好な使用感を与えるのに好適である。
本発明の口腔用組成物は、特に練歯磨等の歯磨剤として好適に調製される。また、上記成分に加えて、上記成分以外の公知成分を本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて配合できる。例えば、練歯磨剤では研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、更に必要により甘味料、香料、着色剤、防腐剤、有効成分などを配合することができる。
研磨剤としては、沈降シリカ、アルミノシリケート等のシリカ系研磨剤、第2リン酸カルシウム2水和物及び無水和物、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。研磨剤の配合量は、通常2〜50%であり、練歯磨では10〜50%である。
粘稠剤としては、ソルビット、キシリット等の糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられ、配合量は、通常5〜50%である。
粘結剤としては、アルギン酸プロピレングリコールエステル以外の有機又は無機粘結剤を配合できる。具体的には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、キサンタンガム等のガム類、ゲル化性シリカ、ゲル化性アルミニウムシリカ等の無機粘結剤が挙げられ、配合量は、通常0.5〜5%である。
界面活性剤としては、N−アシルサルコシン酸塩などのアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤を配合できる。これら界面活性剤の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で0〜10%、0.01〜5%がよい。
甘味料としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド等が挙げられる。
着色剤としては、青色1号、黄色4号、二酸化チタン等が挙げられる。防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等の安息香酸又はその塩などが挙げられる。
香料としては、通常用いられる周知の香料を適宜配合することができる。例えばスペアミント油、ハッカ油等の天然香料、カルボン、アネトール等の単品香料、更に単品香料、天然香料を含む調合香料などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1〜3に示す組成の歯磨剤組成物を下記方法で調製し、下記方法で評価した。結果を表1〜3に示す。
歯磨剤組成物の調製方法
精製水に、縮合リン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、更にはサッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム等の水溶性成分を溶解させ、増粘性シリカ、ソルビットを加えた後、これに、別途、プロピレングリコールにキサンタンガム等の高分子化合物を分散させた液を加え、更に、非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を加え、攪拌した。その後、香料、研磨性シリカ等の研磨剤を順次加え、最後にラウリル硫酸ナトリウムを加えて減圧下(5.3kPa)で攪拌し、歯磨剤組成物を得た。なお、比較例の歯磨剤組成物は上記に準じて調製した。
使用原料の詳細は下記の通りである。
ラウリル硫酸ナトリウム;アルスコープLS−30(商品名)、[東邦化学工業(株)製]
トリポリリン酸ナトリウム;トリポリリン酸ナトリウム(商品名)、[太平化学産業(株)製]
ピロリン酸ナトリウム;ピロリン酸ナトリウム(無水)(商品名)、[太平化学産業(株)製]
アルギン酸プロピレングリコールエステル;キミロイドBF(商品名)、[キミカ(株)製]
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油;NIKKOL HCO−20(商品名)、[日光ケミカルズ(株)製]
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油;NIKKOL HCO−60(商品名)、[日光ケミカルズ(株)製]
ポリオキシエチレン(80)硬化ヒマシ油;NIKKOL HCO−80(商品名)、[日光ケミカルズ(株)製]
なお、以下において、POEはポリオキシエチレンの略記であり、POEの後ろの( )内の数値はエチレンオキサイドの平均付加モル数である。
イミダゾリニウムベタイン;2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、エナジコールC−40H(商品名)、[ライオン(株)製]
アミドプロピルベタイン;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、TEGO BETAIN CK−OK(商品名)、[Deggusa社製]
その他の成分は、医薬部外品原料規格品である。
<評価法>
(1)歯石形成抑制効果
ヒトエナメル質の代わりに、同様な性状を有する牛エナメル質を用いた。牛エナメル質をサンドペーパ(#1,500)にて研磨して光沢のある平らな表面とし、その表面を1×1mmの面積を除いてマニキュアで被覆し、これを試験サンプルとした。評価対象の各例の歯磨剤組成物をそれぞれ蒸留水にて2倍に希釈し、そのスラリー中に試験サンプルを3分間浸漬した。余剰のスラリーを除くため試験サンプルを軽く水洗し、人工プラーク液(2mL)に浸漬した(37℃、24時間)。この人工プラーク液に含まれるカルシウムイオンとリン酸イオンとの結合によって歯石様の物質(種々のリン酸カルシウムの複合体)が形成、牛エナメル質表面に沈着する。この時、評価対象歯磨剤に含まれる活性成分によって歯石様の物質の形成が抑制される。
ここで用いた人工プラーク液は、Journal Dental research 67(12):1468−1475,1988を参考に調製した(人工プラーク液:CaCl2=4.1mM、KH2PO4=15.5mM、酢酸=100mM、NaCl=100mM、pH6.35(1規定水酸化ナトリウム水溶液にて調整。)。試薬はすべて和光純薬工業(株)製である。)
歯石様の物質の形成抑制効果は、電子顕微鏡観察法にて行った。即ち、24時間後に人工プラーク液から試験サンプルを取り出し、十分洗浄・乾燥後、サンプル表面に対し金蒸着を施した。これを電子顕微鏡で観察すると、サンプル表面は針状のリン酸カルシウムの結晶が被覆されているのが認められた。
なお、被覆率は、得られた沈着物の電子顕微鏡画像について汎用の画像解析装置を用いて解析して求めた。具体的には、電子顕微鏡画像において沈着物が存在している領域は黒く映り、沈着物の存在していない領域は白っぽく映る。この領域の差異を区分する閾値(輝度)を設定し、全観察領域を二値化した。そして、全観察領域に対する沈着物が占める領域の割合を被覆率(%)とした。ここでの被覆率の値は、各評価対象歯磨剤組成物について試験サンプル3個を用いた時の平均値である。
この被覆程度を以下の4段階で評価し、歯石形成抑制効果の有無を判断した。◎、○となるものを歯石形成抑制効果が認められる歯磨剤組成物であると判断した。
評価基準
被覆率 効果
◎:25%未満 良好な歯石形成抑制効果が認められる
○:25%以上50%未満 歯石形成抑制効果が認められる
△:50%以上75%未満 歯石形成抑制効果がやや認められる
×:75%以上100%以下 歯石形成抑制効果が認められない
(2)口腔粘膜への刺激のなさ
縮合リン酸塩による口腔粘膜刺激への感受性には個人差があり、高感度パネラーを対象に本試験を実施した。試験実施前に、縮合リン酸塩2%及び非イオン性界面活性剤2%配合の歯磨剤組成物(組成は下記のとおり)で歯を磨いた時に、口腔粘膜にわずかに刺激を感じた人を高感度パネラーとし、5人の高感度パネラーに各例の歯磨剤組成物を使用させた。
通常の歯ブラシの植毛部に約1gの歯磨剤組成物を取り、3分間歯磨きした後、約10mLの水道水で3回、口を濯いた後の口腔粘膜への刺激のなさを下記の4段階で評価した。
<縮合リン酸塩2%、非イオン性界面活性剤2%配合の歯磨剤組成物の組成>
トリポリリン酸ナトリウム 2.0%
POE(20)硬化ヒマシ油 2.0
研磨性シリカ 18.0
ソルビット 25.0
サッカリンナトリウム 0.2
フッ化ナトリウム 0.21
増粘性シリカ 3.0
酸化チタン 0.4
プロピレングリコール 3.0
キサンタンガム 0.3
香料 0.8
精製水 バランス
合計 100.0%
pH7.5(塩酸又は水酸化ナトリウムで調整)
評点基準
4点:刺激を全く感じない
3点:刺激をごくわずかに感じる
2点:刺激を感じる
1点:刺激を強く感じる
5名の評価点の平均値を求め、口腔粘膜への刺激のなさを下記4段階で判定した。◎、○となるものを口腔粘膜への刺激のない使用感が良好な歯磨剤組成物であると判断した。
評価基準
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
(3)泡立ち
通常の歯ブラシの植毛部に約1gの歯磨剤組成物を取り、3分間歯磨きした時の泡立ちを下記の4段階で評価した。
評点基準
4点:良好に泡立つ
3点:泡立つ
2点:やや泡立つ
1点:全く泡立たない
5名の評価点の平均値を求め、泡立ちを下記4段階で判定した。◎、○となるものを泡立ちの良好な歯磨剤組成物であると判断した。
評価基準
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
Figure 2014034536
Figure 2014034536
Figure 2014034536

Claims (5)

  1. (A)ラウリル硫酸塩を0.1〜1.5質量%含有し、かつ(B)縮合リン酸塩を0.1〜2質量%含有する口腔用組成物に、(C)アルギン酸プロピレングリコールエステルと、(D)(D−1)非イオン性界面活性剤及び/又は(D−2)両性界面活性剤とを配合してなり、(B)成分/(C)成分が質量比として1〜50であることを特徴とする口腔用組成物。
  2. (D−1)成分の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である請求項1記載の口腔用組成物。
  3. (D−2)成分の両性界面活性剤が、ベタイン型界面活性剤である請求項1又は2記載の口腔用組成物。
  4. (C)アルギン酸プロピレングリコールエステルを0.01〜2質量%、(D)(D−1)非イオン性界面活性剤及び/又は(D−2)両性界面活性剤を0.3〜8質量%配合してなる請求項1、2又は3記載の口腔用組成物。
  5. 歯石形成抑制用である請求項1乃至4のいずれか1項記載の口腔用組成物。
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