JP2014033982A - 嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理水中の硫化水素や二酸化炭素を除去し排水処理性能を向上させる。
【解決手段】嫌気性処理システム1では、嫌気性処理槽12から排出される処理水W1が処理水搬送ラインL5を通じて沈殿槽7に送られ、沈殿槽7では処理水W1に含まれるグラニュール汚泥が分離されて嫌気性処理槽12に返送される。ここで、処理水搬送ラインL5を移動する処理水W1は、処理水落下部51を落下移動し衝突部材57に衝突する。これにより、処理水W1が分散して処理水W1の表面積が増大し、処理水W1に含まれる硫化水素や二酸化炭素等を処理水から排出することができ、排水処理性能を向上させることができる。また、衝突部材57と処理水W1とが衝突によりpHが上昇した処理水W1を酸生成槽11に返送することで、酸生成槽11において従来用いられていたpH調整剤の使用量を減らすことができ、排水処理性能をさらに向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法に関するものである。
有機物を含む有機性排水の処理方法として、曝気動力がかかり、余剰汚泥発生量も多い活性汚泥法に代えて、UASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket:上向流嫌気性汚泥床)法やEGSB(Expanded Granular Sludge Bed:膨張粒状汚泥床)法などの高速メタン発酵法が普及してきている。メタン発酵処理装置の処理水には、排水に含まれる硫酸イオン等の硫化物を還元することで発生する硫化水素(HS)や、有機物の分解処理により発生する二酸化炭素(CO)等が溶解している。これらが処理水に溶解していると、配管等の腐食や異臭の原因となる場合や、後段の排水処理における阻害物質となることがあり、処理水からの除去方法が検討されている。例えば、特許文献1では、有機性排水が導入される有機酸生成槽において生成された硫化水素をメタン発酵槽の前段に設けられた硫化水素脱気装置で除去する構成が示されている。
特開平11−689号公報
しかしながら、特許文献1記載の構成では、有機酸生成槽で生成された硫化水素をメタン発酵槽の前段で除去することにより、メタン発酵槽に投入される硫黄化合物を減少することができるが、メタン発酵槽において発生する二酸化炭素等は除去されないため、メタン発酵槽より後段において処理水に溶解した硫化水素や二酸化炭素による排水処理性能の低下が懸念される。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、処理水中の硫化水素や二酸化炭素を除去し排水処理性能が向上した嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る嫌気性処理システムは、有機性排水を嫌気性処理する嫌気性処理槽と、前記嫌気性処理槽から排出される処理水を搬送する処理水搬送路と、前記有機性廃水を前記嫌気性処理槽の前段で処理する前段処理槽と、前記処理水搬送路よりも後段において、前記処理水の一部を前記前段処理槽に返送する返送路と、を備え、前記処理水搬送路は、前記処理水を落下させて移動させる処理水落下部と、前記処理水落下部を落下移動する前記処理水を衝突させる衝突部材と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る嫌気性処理方法は、嫌気性処理槽において有機性排水を嫌気性処理する嫌気性処理工程と、前記嫌気性処理槽から排出される処理水を搬送する処理水搬送路内において、前記処理水を落下させて移動させる処理水落下工程と、前記処理水落下工程で落下移動する前記処理水を衝突部材に衝突させる処理水衝突工程と、前記処理水搬送路の前記衝突部材よりも後段において、前記有機性廃水を前記嫌気性処理槽の前段で処理する前段処理槽に前記処理水の一部を返送する返送工程と、を備えることを特徴とする。
この嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法では、嫌気性処理槽から排出される処理水を搬送する処理水搬送路において、処理水を落下させて移動させる処理水落下部と、当該処理水落下部を落下移動する処理水を衝突させる衝突部材と、が設けられる。したがって、処理水は処理水落下部を落下移動し、衝突部材に衝突する。これにより、処理水が分散して処理水の表面積が増大することで、処理水に含まれる硫化水素や二酸化炭素等を処理水から排出することができ、排水処理性能を向上させることができる。また、処理水落下部及び衝突部材は、嫌気性処理槽から排出された処理水を搬送する処理水搬送路に設けられることから、処理水落下部を長く設定し処理水に対し強い衝撃を与えることで、処理水からの硫化水素や二酸化炭素等の放出をより効果的に行うことができる。また、本発明に係る嫌気性処理システムは、衝突部材に向けて処理水を重力で落下させる構成であるため、処理水を衝突部材に衝突させるための動力を別途設けることなく上記効果を奏することができる。
さらに、上記の嫌気性処理システムでは、衝突部材と処理水とが衝突して処理水から硫化水素や二酸化炭素等が放出することで、処理水のpHが上昇する。したがって、前段処理槽への返送路を設けて、pHが上昇した処理水を返送して前段処理槽におけるpH調整剤として使用する構成とすることで、前段処理槽において従来用いられていたpH調整剤の使用量を減らすことができるため、排水処理性能がさらに向上する。
また、上記の嫌気性処理システムでは、前記衝突部材は、網状の部材とすることができる。
また、前記処理水と前記衝突部材との衝突により前記処理水から放出されたガスを回収するガス回収手段と、前記ガス回収手段によって回収されたガスを脱硫する脱硫塔と、前記脱硫塔によって脱硫されたガスを前記搬送路の前記衝突部材近傍に返送するガス返送手段とを更に備える態様としてもよい。
上記の構成によれば、ガス回収手段によって回収され、脱硫塔によって脱硫されたガスが衝突部材近傍に返送される。したがって、処理水からの硫化水素等の気体の放出が促進される衝突部材の近傍に対して脱硫されたガスが供給されることで、処理水からの硫化水素等の気体の放出をより効果的に行うことができる。
本発明によれば、処理水中の硫化水素や二酸化炭素を除去し排水処理性能が向上した嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法が提供される。
本発明の第1実施形態に係る嫌気性処理システムを示す図である。 図1の嫌気性処理システムにおける沈殿槽近傍を拡大して示す図である。 (a),(b)は、図1の嫌気性処理システムにおける衝突部材の変形例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る嫌気性処理システムの構成を示す概略図である。嫌気性処理システム1は、原水流入管L1を通ってきた有機性廃水を受け入れる調整槽9と、その後段の酸生成槽11と、更にその後段の嫌気性処理槽12と、更にその後段の沈殿槽7と、嫌気性処理槽12及び沈殿槽7からのバイオガスに含まれる硫化物を除去する脱硫塔16と、を備える。
調整槽(前段処理槽)9は、後段に送出する有機性廃水の流量調整処理を行う槽である。調整槽9からは、送水管L2を通じて酸生成槽11に所定の流量で有機性廃水が送られる。酸生成槽(前段処理槽)11は、酸生成菌により有機性廃水に含まれる有機物を酢酸等に分解する。また、酸生成槽11に対して設けられた調整ラインL20により、pH調整剤としてアルカリ剤(例えば、水酸化ナトリウム)が投入される。酸生成槽11には、送水管L3が接続されており、当該送水管L3に設けられたポンプP3によって、酸生成槽11内の有機性廃水が上向流式嫌気性処理槽12に流入するようになっている。
嫌気性処理槽12は、EGSB(Expanded Granular Sludge Bed)反応槽などと呼ばれるタイプの水処理槽である。嫌気性処理槽12の下部には、流入部13が設けられている。流入部13は、送水管L3に連絡しており有機性廃水Wを嫌気性処理槽12内に流入させる。流入部13は、例えば、長手方向に均一に穴部が設けられた送水管である。嫌気性処理槽12内には、嫌気性汚泥が粒状化してなるグラニュール汚泥が収納されている。有機性廃水Wは、グラニュール汚泥に接触することにより、グラニュール汚泥中の嫌気性菌によって嫌気性処理される。このようなグラニュール汚泥が、有機性廃水中で下部に沈降して溜まることにより、嫌気性処理槽12の下部にはグラニュール汚泥層14が形成されている。
嫌気性処理槽12では、その下部に設けられた流入部13から有機性廃水Wを内部に導入することによって上向きの流動を生じさせ、グラニュール汚泥層14に有機性廃水Wを通して、有機性廃水Wを嫌気性処理する。グラニュール汚泥層14の上部には、当該グラニュール汚泥層14を通過し嫌気性処理を経た有機性廃水Wの液層が形成されている。この液層の有機性廃水Wには、グラニュール汚泥層14から浮上した浮上グラニュール汚泥や、嫌気性処理によって発生したバイオガス(例えば、メタンガス)が含まれている。なお、浮上グラニュール汚泥は、グラニュール汚泥が浮いたものであり、例えば、グラニュール汚泥にガスが付着したり、ガスが内包されたりなどしたものである。
嫌気性処理槽12の上部には、有機性廃水Wと浮上グラニュール汚泥とバイオガスとを分離するための三相分離部17が配置されている。
三相分離部17は、整流部18、導入板19、及びガス補集部20から形成される。三相分離部17の上部には、有機性排水Wを整流部18に導入する導入口18aが形成されている。整流部18では、有機性排水Wの流れを整え、気液固の分離を促す。この導入口18aに有機性排水Wを導くために、導入口18aの周囲には整流部18の底部に沿って設置された導入板19が設けられている。有機性排水Wは、整流部18の底部と導入板19との間を流れ、バイオガスが浮上グラニュール汚泥から分離される。導入板19には、グラニュール汚泥を含めた有機性排水Wを下側に返送するための返送口19aが形成されている。返送口19aの下には、バイオガスが返送口に流入しないようにバイオガスを捕集し、返送される有機性排水Wの流れを整えるガス捕集部20が設けられている。
有機性廃水Wは、上記グラニュール汚泥層14を通過し上向きに流動し、導入板19によって導入板19と整流部18との間に形成された導入路に外側から流入する。上記導入路を通った有機性廃水Wの一部は、導入口18aから整流部18内に流入し、他の部分は、導入板19の返送口19aから下側に流れるようになっている。
整流部18内に流入した有機性廃水Wは、整流部18の側壁18bから外側に溢れ、処理水として処理水排出部23に集められる。側壁18bの上端の高さに、有機性廃水Wの液面Hが形成される。処理水排出部23の処理水の一部は、循環水返送ラインL4を通じて酸生成槽11に循環水として返送される。処理水排出部23の処理水の残部は、処理水搬送ラインL5を通じて沈殿槽7に送られる。整流部18において、整流部18の側壁18bの内側には、導入口18aから流入した有機性廃水Wが直接処理水排出部23に流入しないようにするための隔壁24が設けられている。
また、嫌気性処理槽12内で、液面Hよりも上方の閉鎖空間には、前述のバイオガスが一時的に貯留される。この液面Hよりも上方の閉鎖空間を、以下、ガス貯留空間31と呼ぶ。これに対し、液面H下の有機性廃水Wが貯留された空間を、以下、嫌気性処理空間33と呼ぶ。
嫌気性処理槽12では、嫌気性処理空間33で有機性廃水Wの嫌気性処理が行われ、バイオガスが発生する。当該バイオガスが浮上し液面Hまで到達することで、ガス貯留空間31にバイオガスが一時的に貯留される。ガス貯留空間31のバイオガスは、ガス回収ラインL6を通じて外部に排出される。
沈殿槽(汚泥分離槽)7には処理水W1が導入され、当該処理水W1に含まれるグラニュール汚泥が重力によって沈降分離される。沈殿槽7は、密封容器として形成されている。沈殿槽7の底部に沈降したグラニュール汚泥は、汚泥返送ラインL7を通じて嫌気性処理槽12に導入される。沈殿槽7でグラニュール汚泥が取り除かれた処理水W1は、処理水ラインL8を通じて系外に排出される。
次に、図2を参照しながら、処理水搬送ラインL5について説明する。処理水搬送ラインL5は、嫌気性処理槽12と沈殿槽7とを接続し、処理水W1を搬送する処理水搬送路として機能する。処理水搬送ラインL5は、処理水W1を落下させて移動させる処理水落下部51と、処理水落下部51の下方に設けられた処理水受け部53と、を備えている。処理水落下部51は、処理水搬送ラインL5を形成するパイプの一部であり、略鉛直に延びるパイプで構成されている。嫌気性処理槽12から沈殿槽7へ送られる処理水W1は、処理水落下部51を落下して移動する。
処理水受け部53は、沈殿槽7の内部に設けられ、沈殿槽7における液面H1よりも上方の空間に位置する。処理水受け部53は、処理水落下部51の下端に取り付けられた筒状部55と、筒状部55の内部に設けられた衝突部材57と、を有している。衝突部材57は、処理水落下部51からの処理水W1の落下軌道を横切るように設置されているので、処理水落下部51を落下してきた処理水W1は、衝突部材57に衝突する。衝突部材57は、例えば金属製であり、網状をなしている。なお、処理水落下部51における処理水W1の落下距離は、1〜10mに設定されることが好ましい。
処理水W1には、嫌気性処理槽12で発生した硫化水素や二酸化炭素が溶解している。処理水W1に硫化水素や二酸化炭素が溶解している場合、これらが異臭や配管等の腐食の原因となることや、後段の排水処理の阻害物質となることが考えられる。これに対して、処理水W1は、処理水落下部51を落下し、衝突部材57と衝突することで、衝撃により分散する。この結果、処理水W1の表面積が増大し、処理水W1からの硫化水素や二酸化炭素の脱離(脱硫脱炭酸)が促進される。
また、脱硫脱炭酸が促進された処理水W1は、pHが上昇する。したがって、処理水W1を系外に排出する処理水ラインL8を流れる処理水W1の一部を処理水返送ラインL15により酸生成槽11に返送する構成とすることで、処理水W1を酸生成槽11におけるpH調整剤として利用することができる。これにより、調整ラインL20により酸生成槽に投入されていたpH調整剤を減らすことができ、コストを低下させることが可能となる。
また、処理水W1に含まれているグラニュール汚泥は、処理水W1と一緒に処理水落下部51を落下し、衝突部材57に衝突することで、衝撃により破砕される。そうすると、当該グラニュール汚泥の表面に付着していたバイオガスの気泡や、グラニュール汚泥に内包されていたバイオガスの気泡が、グラニュール汚泥から脱離される。破砕されたグラニュール汚泥は、網状の衝突部材57の目を抜けて、処理水W1と一緒に沈殿槽7の下部に落下する。その後、破砕されたグラニュール汚泥は、前述の通り沈殿槽7による沈降分離を経て、汚泥返送ラインL7を通じて嫌気性処理槽12に返送される。
また、前述の通り沈殿槽7は密閉容器として形成されているので、グラニュール汚泥から脱離されたバイオガスは、沈殿槽7内の液面H1よりも上方のガス貯留空間59に貯留される。沈殿槽7のガス貯留空間59には、ガス回収ライン(ガス回収手段)L12が接続されており、当該ガス回収ラインL12を通じてガス貯留空間59のバイオガスが回収される。
ガス回収ラインL6及びガス回収ラインL12から回収されたバイオガスは、脱硫塔16において硫化物の除去が行われた後、排出ラインL17かを用いて外部に排出される。ここで、脱硫ガスの一部を沈殿槽7の貯留空間59に対して返送するための返送ラインL18が設けられる。この返送ラインL18上には、ポンプ(排気手段)P18が設けられている。ポンプP18の駆動により、ガス貯留空間59内のバイオガスを沈殿槽7外に排出させることもできる。このように、脱硫が促進されたガスを貯留空間59に対して供給することで貯留空間59のガスにおける硫化物の濃度を低下させることで、処理水W1からの硫化水素や二酸化炭素の脱離(脱硫脱炭酸)がさらに促進される。
続いて、上記嫌気性処理システム1による嫌気性処理方法について説明する。
(酸生成槽処理工程)
調整槽9で調整された流量で、酸生成槽11に対し有機性廃水が導入されると、酸生成槽11では、酸生成菌により有機性廃水に含まれる有機物が酢酸等に分解される。これにより酢酸等の有機酸を多く含む有機性廃水が、酸生成槽11から嫌気性処理槽12に送られる。
(嫌気性処理工程)
嫌気性処理槽12の流入部13から導入された有機性廃水Wは、嫌気性処理空間33内を上向きに流動する。このとき、有機性廃水Wは、グラニュール汚泥層14を通過しながらグラニュール汚泥に接触し、嫌気性処理される。
(処理水排出工程)
その後、液面Hまで到達した有機性廃水Wは、側壁18bの上端を越えて処理水排出部23に溢れ、処理水として処理水搬送ラインL5を通じて沈殿槽7に送られる。
(処理水落下工程)
処理水搬送ラインL5を移動する処理水W1は、処理水落下部51を落下移動する。
(処理水衝突工程)
処理水落下部51を落下してきた処理水W1は、衝突部材57に衝突する。このとき、処理水W1が衝突部材57への衝突の衝撃で分散する。これにより、処理水W1の表面積が増大し、処理水W1に溶解していた硫化水素や二酸化炭素が処理水W1から放出される。また、処理水W1に含まれていたグラニュール汚泥は、衝突部材57への衝突の衝撃で破砕する。これにより、グラニュール汚泥に付着又は内包されていたバイオガスの気泡は、グラニュール汚泥から脱離し、ガス貯留空間59を経由して、ガス回収ラインL12から外部に回収される。
(汚泥分離工程)
衝突部材57に衝突した後の処理水W1は、破砕したグラニュール汚泥と一緒に、沈殿槽7の下部に移動する。その後、処理水W1中に含まれるグラニュール汚泥は、沈降分離され、汚泥返送ラインL7を通じて嫌気性処理槽12に返送される。グラニュール汚泥が除去された処理水は、処理水ラインL8を通じて系外に排出される。なお、処理水ラインL8を通じて排出された処理水には、後段で更なる所定の水処理が施される。
(返送工程)
また、処理水ラインL8から分岐した処理水返送ラインL15により、沈殿槽7から排出された処理水W1の一部は酸生成槽11に対して返送される。
(ガス脱硫工程)
ガス回収ラインL6及びガス回収ラインL12により回収されたバイオガスは、脱硫塔16において脱硫された後に、ガス排出ラインL17を通じて系外に排出される。なお、ガス排出ラインL17から分岐した返送ラインL18により、脱硫されたガスの一部が沈殿槽7に対して返送される。
続いて、以上説明した嫌気性処理システム1及び嫌気性処理方法による作用効果について説明する。
この嫌気性処理システム1では、嫌気性処理槽12から排出される処理水W1が処理水搬送ラインL5を通じて沈殿槽7に送られ、沈殿槽7では処理水W1に含まれるグラニュール汚泥が分離されて嫌気性処理槽12に返送される。ここで、処理水搬送ラインL5を移動する処理水W1は、処理水落下部51を落下移動し衝突部材57に衝突する。これにより、処理水W1が分散して処理水W1の表面積が増大することで、処理水W1に含まれる硫化水素や二酸化炭素等を処理水から排出することができ、排水処理性能を向上させることができる。
また、処理水落下部51及び衝突部材57は、嫌気性処理槽12から排出された処理水を搬送する処理水搬送ラインL5に設けられることから、処理水落下部51を長く設定し処理水に対し強い衝撃を与えることで、処理水からの硫化水素や二酸化炭素等の放出をより効果的に行うことができる。また、また、嫌気性処理システム1における処理水落下部51は、衝突部材57に向けて処理水W1を重力で落下させる構成であるため、処理水W1を衝突部材57に衝突させるための動力を別途設けることなく上記効果を奏することができる。
さらに、上記の嫌気性処理システム1では、衝突部材57と処理水W1とが衝突して処理水W1から硫化水素や二酸化炭素等が放出するため、処理水W1のpHが上昇する。ここで、pHが上昇した処理水W1を処理水返送ラインL15を介して酸生成槽11に返送して酸生成槽11におけるpH調整剤として使用する構成とすることで、酸生成槽11において従来用いられていたpH調整剤の使用量を減らすことができ、排水処理性能をさらに向上させることができる。
また、処理水受け部53及び衝突部材57は、沈殿槽7の内部に設けられている。この構成により衝突部材57との衝突により分散した処理水W1から放出される気体が、密閉容器である沈殿槽7のガス貯留空間59に溜まるので、バイオガスの回収が容易である。すなわち、沈殿槽7のガス貯留空間59にガス回収ラインL12を接続することで、容易にバイオガスを回収することができる。
そして、ガス回収ラインL12によって回収され、脱硫塔16によって脱硫されたガスが返送ラインL18を介して衝突部材57近傍の貯留空間59に返送される。したがって、処理水W1からの硫化水素等の気体の放出が促進される衝突部材57の近傍に対して脱硫されたガスが供給されることで、処理水W1からの硫化水素等の気体の放出をより効果的に行うことができる。
また、衝突部材57が網状の部材であれば、処理水W1を衝突部材57に対して衝突させ衝撃力を与えると共に、衝突後の処理水W1を円滑に通過させ沈殿槽7の下部に送ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形したものであってもよい。例えば、上記実施形態では、衝突部材57,67は網状の部材であったが、これに代えてパンチングメタルを採用してもよい。また、図4(a)に示すように、傾斜した平板状の複数の邪魔板257を、衝突部材として処理水受け部53に設けてもよい。また、図4(b)に示すように、上面に凹凸部を有する複数の邪魔板357を、衝突部材として処理水受け部53に設けてもよい。
また、上記実施形態では、嫌気性処理槽12について、嫌気性汚泥が粒状化してなるグラニュール汚泥が収納され、下部に設けられた流入部13から有機性廃水Wを内部に導入することによって上向きの流動を生じさせ、グラニュール汚泥層14に有機性廃水Wを通して、有機性廃水Wを嫌気性処理する所謂EGSB反応槽について説明をしたが、他の嫌気性処理方法(例えば、嫌気性流動床法等)を用いた嫌気性処理システムにおいても本発明の構成を適用することができる。
また、上記実施形態では、嫌気性処理槽12の後段に設けられた沈殿槽7の内部に衝突部材57が内部に設置された処理水受け部53が設けられた構成について説明をしたが、沈殿槽7の内部に衝突部材57が設けられる必要はなく、処理水搬送ラインL5であって沈殿槽7とは離間した位置において処理水落下部と衝突部材とを設ける構成としてもよい。
1…嫌気性処理システム、7…沈殿槽(汚泥分離槽)、11…酸生成槽(前段処理槽)、12…嫌気性処理槽、16…脱硫塔、51…処理水落下部、57…衝突部材、61…循環水落下部、L4…循環水返送ライン(循環水返送路)、L5…処理水搬送ライン(処理水搬送路)、W…有機性廃水、W1…処理水。

Claims (4)

  1. 有機性排水を嫌気性処理する嫌気性処理槽と、
    前記嫌気性処理槽から排出される処理水を搬送する処理水搬送路と、
    前記有機性廃水を前記嫌気性処理槽の前段で処理する前段処理槽と、
    前記処理水搬送路よりも後段において、前記処理水の一部を前記前段処理槽に返送する返送路と、
    を備え、
    前記処理水搬送路は、
    前記処理水を落下させて移動させる処理水落下部と、
    前記処理水落下部を落下移動する前記処理水を衝突させる衝突部材と、
    を有することを特徴とする嫌気性処理システム。
  2. 前記衝突部材は、網状の部材であることを特徴とする請求項1に記載の嫌気性処理システム。
  3. 前記処理水と前記衝突部材との衝突により前記処理水から放出されたガスを回収するガス回収手段と、
    前記ガス回収手段によって回収されたガスを脱硫する脱硫塔と、
    前記脱硫塔によって脱硫されたガスを前記搬送路の前記衝突部材近傍に返送するガス返送手段と
    を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の嫌気性処理システム。
  4. 嫌気性処理槽において有機性排水を嫌気性処理する嫌気性処理工程と、
    前記嫌気性処理槽から排出される処理水を搬送する処理水搬送路内において、前記処理水を落下させて移動させる処理水落下工程と、
    前記処理水落下工程で落下移動する前記処理水を衝突部材に衝突させる処理水衝突工程と、
    前記処理水搬送路の前記衝突部材よりも後段において、前記有機性廃水を前記嫌気性処理槽の前段で処理する前段処理槽に前記処理水の一部を返送する返送工程と、
    を備えることを特徴とする嫌気性処理方法。

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