JP2013220410A - 嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】グラニュール汚泥の流出を十分に抑制することができる嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法を提供する。
【解決手段】嫌気性処理システム1は、嫌気性汚泥が粒状化してなるグラニュール汚泥を収納し、導入された有機性廃水Wを上向きに流動させグラニュール汚泥と接触させることによって有機性廃水を嫌気性処理する嫌気性処理槽12と、嫌気性処理槽12から排出される処理水W1を導入し、処理水W1に含まれるグラニュール汚泥を分離して嫌気性処理槽12に返送する沈殿槽7と、嫌気性処理槽12と沈殿槽7とを接続し処理水W1を搬送する処理水搬送ラインL5を備え、処理水搬送ラインL5は、沈殿槽7に送られる処理水W1を落下させて移動させる処理水落下部51と、処理水落下部51を落下移動する処理水W1を衝突させる衝突部材57と、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】嫌気性処理システム1は、嫌気性汚泥が粒状化してなるグラニュール汚泥を収納し、導入された有機性廃水Wを上向きに流動させグラニュール汚泥と接触させることによって有機性廃水を嫌気性処理する嫌気性処理槽12と、嫌気性処理槽12から排出される処理水W1を導入し、処理水W1に含まれるグラニュール汚泥を分離して嫌気性処理槽12に返送する沈殿槽7と、嫌気性処理槽12と沈殿槽7とを接続し処理水W1を搬送する処理水搬送ラインL5を備え、処理水搬送ラインL5は、沈殿槽7に送られる処理水W1を落下させて移動させる処理水落下部51と、処理水落下部51を落下移動する処理水W1を衝突させる衝突部材57と、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法に関するものである。
有機物を含む有機性廃水の処理方法として、グラニュール状の嫌気性汚泥を用いたUASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket)法やEGSB(Expanded Granular Sludge Bed)法が知られている。これらの方法では、嫌気性処理装置に含まれる上向流式嫌気性処理槽において、高密度で沈降性のよいグラニュール状の嫌気性汚泥(以下、単に「グラニュール汚泥」とも称す)からなる層に、嫌気性処理槽の下部から上部に向かうように有機性廃水を通して有機性廃水を嫌気性処理する。
しかしながら、グラニュール汚泥による嫌気性処理にあっては、長期の連続運転やBOD負荷が十数kg/m3/日以上といった高負荷処理を行うと、グラニュール汚泥が過度に大きくなり、その沈降性が低下する場合がある。沈降性が低下する主因は、グラニュール汚泥の内部にガスが溜まったり、グラニュール汚泥の表面にガスが付着することで、グラニュール汚泥の比重が小さくなることと考えられる。沈降性の低下したグラニュール汚泥は嫌気性処理槽内の水面に浮上し、処理水とともに嫌気性処理槽から流出する。これにより、嫌気性処理槽内のグラニュール汚泥の量が次第に減少して処理能力が低下する。嫌気性処理槽内のグラニュール汚泥の減少量が大きい場合には、新たにグラニュール汚泥を嫌気性処理槽内に追加しなければならない場合もある。
グラニュール汚泥に付着したガスを除去しようとする嫌気性処理システムとしては、例えば、特許文献1に記載のものがある。この嫌気性処理システムでは、反応槽(嫌気性処理槽)の排出部から、処理水とグラニュール汚泥との混合液がオーバーフローして集水部に移動する。排出部と集水部との間には数十cmの高低差があり、混合液が排出部から集水部に落下するときの衝撃によって、グラニュール汚泥に付着した気泡を離脱させるようにしている。
しかしながら、特許文献1のシステムでは、落下の衝撃が小さく、グラニュール汚泥に伴う気泡を離脱させる効果が十分に得られない場合がある。この種の嫌気性処理システムでは、グラニュール汚泥の沈降性を維持しながら、グラニュール汚泥の系外への流出による減少量を十分に抑えることが望まれる。そこで、本発明は、グラニュール汚泥の流出を十分に抑制することができる嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法を提供することを目的とする。
本発明の嫌気性処理システムは、嫌気性汚泥が粒状化してなるグラニュール汚泥を収納し、導入された有機性廃水を上向きに流動させグラニュール汚泥と接触させることによって有機性廃水を嫌気性処理する嫌気性処理槽と、嫌気性処理槽から排出される処理水を導入し、処理水に含まれるグラニュール汚泥を分離して嫌気性処理槽に返送する汚泥分離槽と、嫌気性処理槽と汚泥分離槽とを接続し処理水を搬送する処理水搬送路と、を備え、処理水搬送路は、汚泥分離槽に送られる処理水を落下させて移動させる処理水落下部と、処理水落下部を落下移動する処理水を衝突させる衝突部材と、を有することを特徴とする。
この嫌気性処理システムでは、嫌気性処理槽から排出される処理水が処理水搬送路を通じて汚泥分離槽に送られ、汚泥分離槽では処理水に含まれるグラニュール汚泥が分離されて嫌気性処理槽に返送される。ここで、処理水搬送路は、処理水を落下させて移動させる処理水落下部と、当該処理水落下部を落下移動する処理水を衝突させる衝突部材と、を有する。従って、処理水に含まれるグラニュール汚泥は、処理水と一緒に処理水落下部を落下移動し、衝突部材に衝突する。処理水搬送路は、嫌気性処理槽の外で当該嫌気性処理槽と汚泥分離槽とを接続するように設けられているので、処理水落下部を長く設定し処理水及びグラニュール汚泥の落下距離を長く設定することができる。従って、衝突部材に衝突するグラニュール汚泥に対し強い衝撃を与え、グラニュール汚泥を破砕することができる。そうすると、グラニュール汚泥の表面に付着した気泡ばかりでなく、内包した気泡もグラニュール汚泥から脱離させることができる。よって、気泡が十分に除去され沈降性が回復したグラニュール汚泥が、汚泥分離槽を経由して嫌気性処理槽に返送される。その結果、嫌気性処理槽内のグラニュール汚泥の沈降性が高く維持され、グラニュール汚泥の流出を十分に抑制することができる。
また、衝突部材は、汚泥分離槽の内部に設けられることとしてもよい。この場合、グラニュール汚泥から脱離したバイオガスの気泡が汚泥分離槽の内部に溜まるので、バイオガスの回収が容易である。また、衝突部材は、網状の部材であることとしてもよい。
また、有機性廃水を嫌気性処理槽の前段で処理する前段処理槽と、嫌気性処理槽から排出される処理水の一部を循環水として処理槽に返送する循環水返送路と、を更に備え、循環水返送路は、循環水を落下させて移動させる循環水落下部と、循環水落下部を落下した循環水を衝突させる第2の衝突部材と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、処理水に含まれるグラニュール汚泥が第2の衝突部材によっても破砕され、沈降性を回復したグラニュール汚泥が、酸生成槽を経由して嫌気性処理槽に再び導入される。
また、汚泥分離槽には、処理水に含まれるグラニュール汚泥と、衝突部材と、の衝突によってグラニュール汚泥から脱離されたガスを回収するガス回収手段が設けられていることとしてもよい。
本発明の嫌気性処理方法は、嫌気性汚泥が粒状化してなるグラニュール汚泥を収納した嫌気性処理槽で、導入された有機性廃水を上向きに流動させグラニュール汚泥と接触させることによって有機性廃水を嫌気性処理する嫌気性処理工程と、嫌気性処理槽から排出される処理水を汚泥分離槽に導入し、処理水に含まれるグラニュール汚泥を分離して嫌気性処理槽に返送する汚泥分離工程と、嫌気性処理槽と汚泥分離槽とを接続する処理水搬送路内において、汚泥分離槽に送られる処理水を落下させて移動させる処理水落下工程と、処理水落下工程で落下移動する処理水を衝突部材に衝突させる処理水衝突工程と、を備えたことを特徴とする。
この嫌気性処理方法では、嫌気性処理槽から排出される処理水が処理水搬送路を通じて汚泥分離槽に送られ、汚泥分離槽では処理水に含まれるグラニュール汚泥が分離されて嫌気性処理槽に返送される。ここで、処理水落下工程及び処理水衝突工程では、処理水搬送路内で処理水を落下させて移動させ、衝突部材に衝突させる。従って、処理水落下工程において、処理水搬送路内でのグラニュール汚泥の落下距離を長く設定することができる。従って、衝突部材に衝突するグラニュール汚泥に対し強い衝撃を与え、グラニュール汚泥を破砕することができる。そうすると、グラニュール汚泥の表面に付着した気泡ばかりでなく、内包した気泡もグラニュール汚泥から脱離させることができる。よって、気泡が十分に除去され沈降性が回復したグラニュール汚泥が、汚泥分離槽を経由して嫌気性処理槽に返送される。その結果、嫌気性処理槽内のグラニュール汚泥の沈降性が高く維持され、グラニュール汚泥の流出を十分に抑制することができる。
本発明によれば、グラニュール汚泥の流出を十分に抑制することができる嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明においては、同一の要素には同一の符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る嫌気性処理システムの構成を示す概略図である。嫌気性処理システム1は、原水流入管L1を通ってきた有機性廃水を受け入れる調整槽9と、その後段の酸生成槽11と、更にその後段の嫌気性処理槽12と、更にその後段の沈殿槽7と、を備えている。
図1は、本発明の第1実施形態に係る嫌気性処理システムの構成を示す概略図である。嫌気性処理システム1は、原水流入管L1を通ってきた有機性廃水を受け入れる調整槽9と、その後段の酸生成槽11と、更にその後段の嫌気性処理槽12と、更にその後段の沈殿槽7と、を備えている。
調整槽(前段処理槽)9は、後段に送出する有機性廃水の流量調整処理を行う槽である。調整槽9からは、送水管L2を通じて酸生成槽11に所定の流量で有機性廃水が送られる。酸生成槽(前段処理槽)11は、酸生成菌により有機性廃水に含まれる有機物を酢酸等に分解する。また、酸生成槽11において、中和剤としてアルカリ剤(例えば、水酸化ナトリウム)を添加することも好ましい。酸生成槽11には、送水管L3が接続されており、当該送水管L3に設けられたポンプP3によって、酸生成槽11内の有機性廃水が上向流式嫌気性処理槽12に流入するようになっている。
嫌気性処理槽12は、EGSB(Expanded Granular Sludge Bed)反応槽などと呼ばれるタイプの水処理槽である。嫌気性処理槽12の下部には、流入部13が設けられている。流入部13は、送水管L3に連絡しており有機性廃水Wを嫌気性処理槽12内に流入させる。流入部13は、例えば、長手方向に均一に穴部が設けられた送水管である。嫌気性処理槽12内には、嫌気性汚泥が粒状化してなるグラニュール汚泥が収納されている。有機性廃水Wは、グラニュール汚泥に接触することにより、グラニュール汚泥中の嫌気性菌によって嫌気性処理される。このようなグラニュール汚泥が、有機性廃水中で下部に沈降して溜まることにより、嫌気性処理槽12の下部にはグラニュール汚泥層14が形成されている。
嫌気性処理槽12では、その下部に設けられた流入部13から有機性廃水Wを内部に導入することによって上向きの流動を生じさせ、グラニュール汚泥層14に有機性廃水Wを通して、有機性廃水Wを嫌気性処理する。グラニュール汚泥層14の上部には、当該グラニュール汚泥層14を通過し嫌気性処理を経た有機性廃水Wの液層が形成されている。この液層の有機性廃水Wには、グラニュール汚泥層14から浮上した浮上グラニュール汚泥や、嫌気性処理によって発生したバイオガス(例えば、メタンガス)が含まれている。なお、浮上グラニュール汚泥は、グラニュール汚泥が浮いたものであり、例えば、グラニュール汚泥にガスが付着したり、ガスが内包されたりなどしたものである。
嫌気性処理槽12の上部には、有機性廃水Wと浮上グラニュール汚泥とバイオガスとを分離するための三相分離部18が配置されている。
三相分離部18の下端部には、有機性廃水Wを三相分離部18の内部に導入する導入口18aが形成されている。この導入口18aに有機性廃水Wを導くために、三相分離部18の下方であって導入口18aの周囲には、三相分離部18の底部に沿って設置された導入板19が設けられている。また、導入板19には、導入口18aに導入されなかった有機性廃水Wを下側に返送するための返送口19aが形成されている。また、導入板19の更に下方には、導入板19の返送口19aを通って返送される有機性廃水Wの流れを整えるための整流板20が設けられている。
有機性廃水Wは、上記グラニュール汚泥層14を通過し上向きに流動し、導入板19によって導入板19と三相分離部18との間に形成された導入路に外側から流入する。上記導入路を通った有機性廃水Wの一部は、導入口18aから三相分離部18内に流入し、他の部分は、導入板19の返送口19aから下側に流れるようになっている。
三相分離部18内に流入した有機性廃水Wは、三相分離部18の側壁18bから外側に溢れ、処理水として処理水排出部23に集められる。側壁18bの上端の高さに、有機性廃水Wの液面Hが形成される。処理水排出部23の処理水の一部は、循環水返送ラインL4を通じて酸生成槽11に循環水として返送される。処理水排出部23の処理水の残部は、処理水搬送ラインL5を通じて沈殿槽7に送られる。三相分離部18において、三相分離部18の側壁18bの内側には、導入口18aから流入した有機性廃水Wが直接処理水排出部23に流入しないようにするための隔壁24が設けられている。
また、嫌気性処理槽12内で、液面Hよりも上方の閉鎖空間には、前述のバイオガスが一時的に貯留される。この液面Hよりも上方の閉鎖空間を、以下、ガス貯留空間31と呼ぶ。これに対し、液面H下の有機性廃水Wが貯留された空間を、以下、嫌気性処理空間33と呼ぶ。
嫌気性処理槽12では、嫌気性処理空間33で有機性廃水Wの嫌気性処理が行われ、バイオガスが発生する。当該バイオガスが浮上し液面Hまで到達することで、ガス貯留空間31にバイオガスが一時的に貯留される。ガス貯留空間31のバイオガスは、ガス回収ラインL6を通じて外部に排出され有用なエネルギー源として回収される。ここで、ガス回収ラインL6上には、ポンプ(排気手段)P6が設けられている。ポンプP6の駆動により、ガス貯留空間31を吸引排気して強制的にバイオガスを嫌気性処理槽12外に排出させることもできる。
沈殿槽(汚泥分離槽)7には処理水W1が導入され、当該処理水W1に含まれるグラニュール汚泥が重力によって沈降分離される。沈殿槽7は、密封容器として形成されている。沈殿槽7の底部に沈降したグラニュール汚泥は、返送ラインL7を通じて嫌気性処理槽12に導入される。沈殿槽7でグラニュール汚泥が取り除かれた処理水W1は、処理水ラインL8を通じて系外に排出される。
次に、図2を参照しながら、処理水搬送ラインL5について説明する。処理水搬送ラインL5は、嫌気性処理槽12と沈殿槽7とを接続し、処理水W1を搬送する処理水搬送路として機能する。処理水搬送ラインL5は、処理水W1を落下させて移動させる処理水落下部51と、処理水落下部51の下方に設けられた処理水受け部53と、を備えている。処理水落下部51は、処理水搬送ラインL5を形成するパイプの一部であり、略鉛直に延びるパイプで構成されている。嫌気性処理槽12から沈殿槽7へ送られる処理水W1は、処理水落下部51を落下して移動する。
処理水受け部53は、沈殿槽7の内部に設けられ、沈殿槽7における液面H1よりも上方の空間に位置する。処理水受け部53は、処理水落下部51の下端に取り付けられた筒状部55と、筒状部55の内部に設けられた衝突部材57と、を有している。衝突部材57は、処理水落下部51からの処理水W1の落下軌道を横切るように設置されているので、処理水落下部51を落下してきた処理水W1は、衝突部材57に衝突する。衝突部材57は、例えば金属製であり、網状をなしている。なお、処理水落下部51における処理水W1の落下距離は、1〜10mに設定されることが好ましい。
処理水W1に含まれているグラニュール汚泥は、処理水W1と一緒に処理水落下部51を落下し、衝突部材57に衝突することで、衝撃により破砕される。そうすると、当該グラニュール汚泥の表面に付着していたバイオガスの気泡や、グラニュール汚泥に内包されていたバイオガスの気泡が、グラニュール汚泥から脱離される。破砕されたグラニュール汚泥は、網状の衝突部材57の目を抜けて、処理水W1と一緒に沈殿槽7の下部に落下する。その後、破砕されたグラニュール汚泥は、前述の通り沈殿槽7による沈降分離を経て、返送ラインL7を通じて嫌気性処理槽12に返送される。
また、前述の通り沈殿槽7は密閉容器として形成されているので、グラニュール汚泥から脱離されたバイオガスは、沈殿槽7内の液面H1よりも上方のガス貯留空間59に貯留される。沈殿槽7のガス貯留空間59には、ガス回収ライン(ガス回収手段)L12が接続されており、当該ガス回収ラインL12を通じてガス貯留空間59のバイオガスが回収される。
上述したような処理水落下部及び処理水受け部は、循環水返送ライン(循環水返送路)L4にも備えられている。すなわち、図3に示すように、循環水返送ラインL4は、嫌気性処理槽12から送られた循環水としての処理水W1を落下させて移動させる循環水落下部61と、落下してきた処理水W1を受ける処理水受け部63とを備えている。循環水落下部61及び処理水受け部63の構成及び機能は、それぞれ、処理水搬送ラインL5が備える処理水落下部51及び処理水受け部53と同様であるので、同一構成要素に同一符号を付して重複する説明を省略する。なお、循環水落下部61における処理水W1の落下距離は、1〜10mに設定されることが好ましい。
処理水受け部63は酸生成槽11の内部に設置され、酸生成槽11は密閉容器として形成されている。よって、処理水受け部63の衝突部材(第2の衝突部材)67に処理水W1が衝突することで、グラニュール汚泥から脱離したバイオガスは、酸生成槽11内の液面H2よりも上方のガス貯留空間69に貯留される。酸生成槽11のガス貯留空間69には、ガス回収ラインL13が接続されており、当該ガス回収ラインL13を通じてガス貯留空間69のバイオガスが回収される。
続いて、上記嫌気性処理システム1による嫌気性処理方法について説明する。
(酸生成槽処理工程)
調整槽9で調整された流量で、酸生成槽11に対し有機性廃水が導入されると、酸生成槽11では、酸生成菌により有機性廃水に含まれる有機物が酢酸等に分解される。これにより酢酸等の有機酸を多く含む有機性廃水が、酸生成槽11から嫌気性処理槽12に送られる。
調整槽9で調整された流量で、酸生成槽11に対し有機性廃水が導入されると、酸生成槽11では、酸生成菌により有機性廃水に含まれる有機物が酢酸等に分解される。これにより酢酸等の有機酸を多く含む有機性廃水が、酸生成槽11から嫌気性処理槽12に送られる。
(嫌気性処理工程)
嫌気性処理槽12の流入部13から導入された有機性廃水Wは、嫌気性処理空間33内を上向きに流動する。このとき、有機性廃水Wは、グラニュール汚泥層14を通過しながらグラニュール汚泥に接触し、嫌気性処理される。
嫌気性処理槽12の流入部13から導入された有機性廃水Wは、嫌気性処理空間33内を上向きに流動する。このとき、有機性廃水Wは、グラニュール汚泥層14を通過しながらグラニュール汚泥に接触し、嫌気性処理される。
(処理水排出工程)
その後、液面Hまで到達した有機性廃水Wは、側壁18bの上端を越えて処理水排出部23に溢れ、処理水として処理水搬送ラインL5を通じて沈殿槽7に送られる。
その後、液面Hまで到達した有機性廃水Wは、側壁18bの上端を越えて処理水排出部23に溢れ、処理水として処理水搬送ラインL5を通じて沈殿槽7に送られる。
(処理水落下工程)
処理水搬送ラインL5を移動する処理水W1は、処理水落下部51を落下移動する。
処理水搬送ラインL5を移動する処理水W1は、処理水落下部51を落下移動する。
(処理水衝突工程)
処理水落下部51を落下してきた処理水W1は、衝突部材57に衝突する。このとき、処理水W1に含まれていたグラニュール汚泥は、衝突部材57への衝突の衝撃で破砕する。これにより、グラニュール汚泥に付着又は内包されていたバイオガスの気泡は、グラニュール汚泥から脱離し、ガス貯留空間59を経由して、ガス回収ラインL12から外部に回収される。
処理水落下部51を落下してきた処理水W1は、衝突部材57に衝突する。このとき、処理水W1に含まれていたグラニュール汚泥は、衝突部材57への衝突の衝撃で破砕する。これにより、グラニュール汚泥に付着又は内包されていたバイオガスの気泡は、グラニュール汚泥から脱離し、ガス貯留空間59を経由して、ガス回収ラインL12から外部に回収される。
(汚泥分離工程)
衝突部材57に衝突した後の処理水W1は、破砕したグラニュール汚泥と一緒に、沈殿槽7の下部に移動する。その後、処理水W1中に含まれるグラニュール汚泥は、沈降分離され、ラインL7を通じて嫌気性処理槽12に返送される。グラニュール汚泥が除去された処理水は、ラインL8を通じて系外に排出される。なお、ラインL8を通じて排出された処理水には、後段で更なる所定の水処理が施される。
衝突部材57に衝突した後の処理水W1は、破砕したグラニュール汚泥と一緒に、沈殿槽7の下部に移動する。その後、処理水W1中に含まれるグラニュール汚泥は、沈降分離され、ラインL7を通じて嫌気性処理槽12に返送される。グラニュール汚泥が除去された処理水は、ラインL8を通じて系外に排出される。なお、ラインL8を通じて排出された処理水には、後段で更なる所定の水処理が施される。
(第2の落下工程、第2の衝突工程)
循環水返送ラインL4に排出された処理水W1は、循環水落下部61を落下移動して、衝突部材67に衝突する。このとき、処理水W1に含まれていたグラニュール汚泥は、衝突部材67への衝突の衝撃で破砕する。これにより、グラニュール汚泥に付着又は内包されていたバイオガスの気泡は、グラニュール汚泥から脱離し、ガス貯留空間69を経由して、ガス回収ラインL13から外部に回収される。衝突部材67に衝突した後の処理水W1は、破砕したグラニュール汚泥と一緒に、酸生成槽11の下部に移動し、循環水となる。
循環水返送ラインL4に排出された処理水W1は、循環水落下部61を落下移動して、衝突部材67に衝突する。このとき、処理水W1に含まれていたグラニュール汚泥は、衝突部材67への衝突の衝撃で破砕する。これにより、グラニュール汚泥に付着又は内包されていたバイオガスの気泡は、グラニュール汚泥から脱離し、ガス貯留空間69を経由して、ガス回収ラインL13から外部に回収される。衝突部材67に衝突した後の処理水W1は、破砕したグラニュール汚泥と一緒に、酸生成槽11の下部に移動し、循環水となる。
続いて、以上説明した嫌気性処理システム1及び嫌気性処理方法による作用効果について説明する。
この嫌気性処理システム1では、嫌気性処理槽12から排出される処理水W1が処理水搬送ラインL5を通じて沈殿槽7に送られ、沈殿槽7では処理水W1に含まれるグラニュール汚泥が分離されて嫌気性処理槽12に返送される。ここで、処理水搬送ラインL5を移動する処理水W1は、処理水落下部51を落下移動し衝突部材57に衝突する。ここで、処理水搬送ラインL5は、嫌気性処理槽12の外で当該嫌気性処理槽12と沈殿槽7とを接続するように設けられているので、処理水落下部51を長く設定し処理水W1及びグラニュール汚泥の落下距離を長く設定することができる。従って、衝突部材57に衝突するグラニュール汚泥に対し強い衝撃を与え、グラニュール汚泥を破砕することができる。
グラニュール汚泥が破砕されると、グラニュール汚泥の表面に付着した気泡ばかりでなく、内包した気泡もグラニュール汚泥から脱離させることができる。よって、気泡が十分に除去され沈降性が回復したグラニュール汚泥が、沈殿槽7を経由して嫌気性処理槽12に返送される。その結果、嫌気性処理槽12内のグラニュール汚泥の沈降性が高く維持され、グラニュール汚泥の流出を十分に抑制することができる。また、グラニュール汚泥を重力で落下させ破砕するので、グラニュール汚泥を破砕するための動力を別途設ける必要がない。
また、処理水受け部53及び衝突部材57は、沈殿槽7の内部に設けられている。この構成により、グラニュール汚泥から脱離したバイオガスの気泡が、密閉容器である沈殿槽7のガス貯留空間59に溜まるので、バイオガスの回収が容易である。すなわち、沈殿槽7のガス貯留空間59にガス回収ラインL12を接続することで、容易にバイオガスを回収することができる。
また、衝突部材57が網状の部材であれば、処理水W1中のグラニュール汚泥を衝突させ衝撃力を与えると共に、衝突後の処理水W1及びグラニュール汚泥を円滑に通過させ沈殿槽7の下部に送ることができる。
また、循環水返送ラインL4にも循環水落下部61と処理水受け部63とが設けられているので、処理水W1に含まれるグラニュール汚泥が、衝突部材67によっても破砕され、沈降性を回復したグラニュール汚泥が、酸生成槽を経由して嫌気性処理槽に再び導入される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形したものであってもよい。例えば、実施形態では、循環水返送ラインL4にも、処理水W1(循環水)を落下させる循環水落下部61と、処理水W1を衝突させる衝突部材67とを設けているが、これらは省略してもよい。また、実施形態では、衝突部材57,67は網状の部材であったが、これに代えてパンチングメタルを採用してもよい。また、図4(a)に示すように、傾斜した平板状の複数の邪魔板257を、衝突部材として処理水受け部53に設けてもよい。また、また、図4(b)に示すように、上面に凹凸部を有する複数の邪魔板357を、衝突部材として処理水受け部53に設けてもよい。
1…嫌気性処理システム、7…沈殿槽(汚泥分離槽)、11…酸生成槽(前段処理槽)、12…嫌気性処理槽、51…処理水落下部、57…衝突部材、61…循環水落下部、67…第2の衝突部材、L4…循環水返送ライン(循環水返送路)、L5…処理水搬送ライン(処理水搬送路)、W…有機性廃水、W1…処理水。
Claims (6)
- 嫌気性汚泥が粒状化してなるグラニュール汚泥を収納し、導入された有機性廃水を上向きに流動させ前記グラニュール汚泥と接触させることによって前記有機性廃水を嫌気性処理する嫌気性処理槽と、
前記嫌気性処理槽から排出される処理水を導入し、前記処理水に含まれる前記グラニュール汚泥を分離して前記嫌気性処理槽に返送する汚泥分離槽と、
前記嫌気性処理槽と前記汚泥分離槽とを接続し前記処理水を搬送する処理水搬送路と、を備え、
前記処理水搬送路は、
前記汚泥分離槽に送られる前記処理水を落下させて移動させる処理水落下部と、
前記処理水落下部を落下移動する前記処理水を衝突させる衝突部材と、を有することを特徴とする嫌気性処理システム。 - 前記衝突部材は、前記汚泥分離槽の内部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の嫌気性処理システム。
- 前記衝突部材は、網状の部材であることを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の嫌気性処理システム。
- 前記有機性廃水を前記嫌気性処理槽の前段で処理する前段処理槽と、
前記嫌気性処理槽から排出される前記処理水の一部を循環水として前記処理槽に返送する循環水返送路と、を更に備え、
前記循環水返送路は、
前記循環水を落下させて移動させる循環水落下部と、
前記循環水落下部を落下した前記循環水を衝突させる第2の衝突部材と、を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の嫌気性処理システム。 - 前記汚泥分離槽には、
前記処理水に含まれる前記グラニュール汚泥と、前記衝突部材と、の衝突によって前記グラニュール汚泥から脱離されたガスを回収するガス回収手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の嫌気性処理システム。 - 嫌気性汚泥が粒状化してなるグラニュール汚泥を収納した嫌気性処理槽で、導入された有機性廃水を上向きに流動させ前記グラニュール汚泥と接触させることによって前記有機性廃水を嫌気性処理する嫌気性処理工程と、
前記嫌気性処理槽から排出される処理水を汚泥分離槽に導入し、前記処理水に含まれる前記グラニュール汚泥を分離して前記嫌気性処理槽に返送する汚泥分離工程と、
前記嫌気性処理槽と前記汚泥分離槽とを接続する処理水搬送路内において、前記汚泥分離槽に送られる前記処理水を落下させて移動させる処理水落下工程と、
前記処理水落下工程で落下移動する前記処理水を衝突部材に衝突させる処理水衝突工程と、を備えたことを特徴とする嫌気性処理方法。
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JP2012095591A JP2013220410A (ja) | 2012-04-19 | 2012-04-19 | 嫌気性処理システム及び嫌気性処理方法 |
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JP2021534958A (ja) * | 2018-08-22 | 2021-12-16 | ヴェオリア ウォーター ソリューションズ アンド テクノロジーズ サポート | 外部分離器を備えた粒状汚泥反応器システム |
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2012
- 2012-04-19 JP JP2012095591A patent/JP2013220410A/ja active Pending
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JP7359841B2 (ja) | 2018-08-22 | 2023-10-11 | ヴェオリア ウォーター ソリューションズ アンド テクノロジーズ サポート | 外部分離器を備えた粒状汚泥反応器システム |
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