JP2014033703A - 二室容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】二室容器の注出部側の収納室内に嫌気性剤を収納可能とする。
【解決手段】弱シール部(1)によって二室に分断され、一方の収納室(9)側に注出部(8)が設けられた二室容器において、注出部(8)に臨む一方の収納室(9)が嫌気性剤の収納室とされ、他方の収納室(10)が、弱シール部(1)が引き剥がされたときに一方の収納室(9)へと導入されて嫌気性剤と混合される液体の収納室とされ、注出部(8)の表面には、注出部(8)の内外間を遮断するようにガスバリア層12、20が設けられる。
【選択図】図3
【解決手段】弱シール部(1)によって二室に分断され、一方の収納室(9)側に注出部(8)が設けられた二室容器において、注出部(8)に臨む一方の収納室(9)が嫌気性剤の収納室とされ、他方の収納室(10)が、弱シール部(1)が引き剥がされたときに一方の収納室(9)へと導入されて嫌気性剤と混合される液体の収納室とされ、注出部(8)の表面には、注出部(8)の内外間を遮断するようにガスバリア層12、20が設けられる。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば医療用容器として使用することができる二室容器に関する。
ガスバリア性を有する包材で形成された袋状容器本体の内部が引き剥がし可能な弱シール部によって二室に分断され、一方の室側に注出部が設けられた二室容器が知られている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
この二室容器は、例えば、注出部に臨む一方の室内に生理食塩水等の液体が収納され、他方の室内に酸素との接触が望ましくない嫌気性の粉状、顆粒状等の薬剤が収納された点滴用容器として使用される。
この二室容器を点滴装置に吊るして静脈注射する場合は、袋状容器本体の弱シール部を引き剥がし、他方の室内の薬剤等を一方の室内へと送り、液体中に溶かして点滴液とする。そして、カテーテルの一方の針を注出部に突き立てて一方の室内へと挿入し、他方の針を患者に刺入し、点滴を開始する。これにより、袋状容器本体内で調合された点滴液は注出部からカテーテルを通って患者の体内に送られる。
従来の二室容器は、その袋状容器本体がガスバリア性を有する包材で形成されるが、注出部が樹脂を射出成形することにより作られているので、外気中の酸素が注出部の樹脂を通過して袋状容器本体内に侵入するという問題がある。このため、従来の二室容器においては、注出部に臨む収納室内に酸素が接触しても変質等し難い生理食塩水等の液体が入れられ、他方の収納室内に酸素との接触により変質等しやすい嫌気性の薬剤が入れられる。
ところが、注出部側の収納室内に液体が入れられ、反対側の収納室内に粉状等の薬剤が入れられた場合、点滴操作を行う者が袋状容器本体の弱シール部を引き剥がすのを忘れ、生理食塩水等の液体のみを点滴してしまうというおそれがある。
従って、本発明はこのような問題点を解決することができる二室容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
なお、本発明の理解を容易にするため括弧付きの符号を付すが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、請求項1に係る発明は、ガスバリア性を有する包材で形成された袋状容器本体(2)の内部が引き剥がし可能な弱シール部(3)によって二室に分断され、一方の収納室(9)側に注出部(8)が設けられた二室容器(1)において、上記注出部に臨む一方の収納室が嫌気性剤の収納室とされ、他方の収納室(10)が、上記弱シール部が引き剥がされたときに上記一方の収納室へと導入されて上記嫌気性剤と混合される液体の収納室とされ、上記注出部の表面には、注出部の内外間を遮断するようにガスバリア層(12、20)が設けられた二室容器を採用する。
また、請求項2に記載されるように、請求項1に記載の二室容器において、上記注出部は、筒状の筒本体(11)を備え、ガスバリア層が少なくとも筒本体の外周面に配置されたものとすることができる。
本発明によれば、注出部に臨む収納室内に嫌気性剤を収納し、反対側の収納室内に液体を収納しても、注出部を容器内へと透過しようとする酸素はガスバリア層によって遮断されるので、注出部側に収納された薬剤等の劣化は未然に防止される。また、弱シール部を引き剥がすことなく注出部から液体を注出しようとしても液体が出てこないので、弱シール部が引き剥がされていないことが直ちに分かり、従来発生していた液体のみを注出するという誤操作を未然に防止することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図1に示すように、この二室容器1は、袋状容器本体2を有し、この袋状容器本体2の内部が引き剥がし可能な弱シール部3によって二室に分断されている。
袋状容器本体2は、ガスバリア性を有するフィルム状又はシート状の包材で形成される。包材としては、従来良く知られたガスバリア層を含んだ多層フィルム等を用いることができる。多層フィルムとしては、例えばアルミニウム箔を樹脂フィルムでサンドイッチしたもの、樹脂フィルムに金属を蒸着したもの等がある。
袋状容器本体2は、例えば、上記包材を用いて略矩形状に形成された2枚のシートを重ね合わせて、その左右及び上下の縁同士をそれぞれヒートシール部5、6、7で接合することにより形成される。このように袋状容器本体2の全体が上記包材で作られる結果、袋状容器本体は全体としてガスバリア性を付与される。
弱シール部3は、例えば、ヒートシール部5、6、7を形成する時のシール圧及びシール時間を同じ条件として、シールする際の温度条件(シール温度)のみを、120〜170度の範囲(ヒートシール部5、6、7はシール温度が180〜220度の範囲)にして前後のシート同士を熱プレスすることによって、ヒートシール強度がヒートシール部5、6、7よりも低くなるように形成される。なお、弱シール部3の好適なヒートシール強度は、3〜13(N/15mm)である。
また、図1に示すように、袋状容器本体2の下方の端部は、注出部8が取り付けられた上で、2枚のシートの下端部縁同士がヒートシール部7で接合される。
袋状容器本体2の内部は、上記注出部8に臨む一方の収納室9が嫌気性剤の収納室とされ、他方の収納室10が、上記弱シール部3が引き剥がされたときに上記他方の収納室10から一方の収納室9内へと導入されて上記嫌気性剤と混合される液体の収納室とされる。
嫌気性剤は酸素との接触により酸化、変質、吸湿等し易いものであり、一般に粉状、粒状、顆粒状を呈する。より具体的には、嫌気性剤は薬剤のほかビタミン剤、茶、インスタントコーヒー等である。このような嫌気性剤が上記注出部8側の一方の収納室9内に入れられ、弱シール部3によって他方の収納室10内から遮断される。液体は、生理食塩水のほかブドウ糖液、水等であり、このような液体が弱シール部3によって隔てられた反対側の収納室10内に入れられ密封される。
図2及び図3に示すように、上記注出部8は、先端部がフランジ状に形成され、適当な軸方向長さを有する円筒状の筒本体11と、当該筒本体11の外周面に設けられるガスバリア層12と、当該筒本体11のフランジ面11aに設けられるガスバリア層20と、を具備する。当該筒本体11は、予め金型内にガスバリア材12aを装着して、射出成形等により筒本体11とガスバリア層12を一体成形する。また、ガスバリア層20は、ガスバリア材20aを熱接着によりフランジ面11aに接着することで形成される。
これらガスバリア層12、20は、注出部8の内外間を遮断するものであって、例えば金属箔であるアルミニウム箔、ガスバリア性フィルム等で構成される。アルミニウム箔等は単独では破断しやすいので、例えばポリプロピレン樹脂フィルムでサンドイッチ状に積層したガスバリア材として取り扱われる。
ガスバリア層12、20として機能するガスバリア材12a、20aは、例えばPP(ポリプロピレン樹脂)/Al(アルミニウム箔)/PP、PP/アルミニウム蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)/PP等の積層フィルム又はシートとして構成される。
ガスバリア材12aは、例えば、インサート成形により上記筒本体11と一体化される。具体的には、筒本体11を成形する金型内に、ガスバリア材12aが筒状に成形された上でセットされ、溶融樹脂が金型内に射出されることで成形される。このようにして、図2に示すように、ガスバリア材12aが筒本体11の外面に付着した注出部8が成形される。また、ガスバリア材12aは、筒本体11の上端部に設けられるフランジ11cと下端部に設けられる突起部11dとの間に隙間なく取り付けられ、この突起部11dは、ガスバリア材12aと段差を有しないように形成されている。また、ガスバリア材12aは、図4に示すように、隙間が生じることを防止すべく、端面が重ねあわされるようにして配置される。
図2及び図3に示すように、上記注出部8の筒本体11の先端部には、キャップ13が被せられる。
このキャップ13は、図2に示すように、天板13aと、天板13aの回りから垂下する垂下壁13bとを具備する。キャップ13の内面はゴム製のパッキン14で覆われる。キャップ13の天板13aの中央には穴13cが穿設され、この穴13cがパッキン14によって覆われる。また、パッキン14は垂下壁13bを覆う箇所においてアンダーカット部14aを有する。このアンダーカット部14aに注出部8における筒本体11の先端側に形成されるフランジ11cが嵌め込まれることによって、キャップ13が筒本体11の先端に固定される。
上記注出部8は、図3及び図4に示すように、ガスバリア層12がシートによって覆われるようにしてその基端側が上記袋状容器本体2の下端部に取り付けられる。そして、2枚のシートの下部縁同士及びシートとガスバリア材12a同士、シートと筒本体11の突起部11d同士がヒートシール部7で接合される。シートと筒本体11の突起部11d同士が溶着しているため、内容物がガスバリア材12aの端面と接触することは無い。
このように構成された二室容器1は、注出部8を構成する筒本体11の開口部がフランジ面11aに取り付けられるガスバリア材20a、12aによって閉じられ、筒本体11の外周縁にガスバリア材12aが装着された状態で、この注出部8が筒状容器本体2に装着されている。これにより、注出部8の外側から注出部8の内側への空気等の通過が防止され、筒状容器本体2の内部への外気の侵入が防止される。
次に、上記構成の二室容器1の作用について説明する。
(1)図1に示す二室容器1であって上端部のヒートシール部6と弱シール部3とが未シールのものを用意する。
(2)嫌気性剤である粉末状等の薬剤を二室容器における袋状容器本体2の未シール部から注出部8側の収納室9に投入する。次いで、弱シール部3をシールし、注出部8側の収納室9を密封する。
(3)袋状容器本体2の未シール部から生理食塩水等の液体を弱シール部3で区画された収納室10に充填する。この液体の収納室10は嫌気性剤の収納室9と弱シール部1によって遮断されているので、両者が混じり合うことはない。次いで、未シール部をシールしてヒートシール部6を形成し、液体の収納室10を密封する。
これにより、二室容器1による包装体が例えば点滴用バッグとして完成する。この二室容器1の袋状容器本体2はガスバリア性を有する包材で形成されていることから、包装体の保管、搬送中において袋状容器本体内への酸素の侵入が阻止され、従って、生理食塩水等の液体や嫌気性剤は酸化等から保護される。
また、注出部8にはガスバリア層12、20が設けられていることから、酸素は注出部8の射出成形樹脂を通って袋状容器本体2内へ侵入しようとしてもガスバリア層12、20によって遮断され、従って、嫌気性剤は注出部8側の収納室9に収納されているにも拘らず酸化等から適正に保護される。
(4)二室容器1による包装体が点滴用バッグである場合、その使用に際しては袋状容器本体2の中間部にある弱シール部3が作業者によって引き剥がされる。
これにより、液体の収納室10内から嫌気性剤の収納室9内へと液体が流入し、嫌気性剤と液体とが混じり合って点滴液とされる。
(5)点滴用バッグが作業者によって図示しない点滴装置に吊るされ、図示しないカテーテルの一方の針が注出部におけるパッキン14とガスバリア材12aの双方に突き立てられることによって袋状容器本体2内へと挿入される。また、カテーテルの他方の針が患者に刺入される。
これにより点滴が開始され、袋状容器本体2内で調合された点滴液が注出部8からカテーテルを通って患者の体内に送られる。
上記説明から明らかなように、弱シール部3を剥がすことなく上記点滴を行おうとすると、点滴液が注出部8から流出することはないので、作業者は直ちに操作ミスを認識することができる。従って、従来のような生理食塩水等の液体のみを患者に点滴するような事態は未然に防止される。
なお、二室容器1を飲料用等として用いる場合は、例えば嫌気性剤の収納室9内にインスタントコーヒーの粉末等が入れられ、液体の収納室10内には水等が入れられる。また、注出部8には例えば穴13cが穿設されていないキャップ13が被せられる。使用者によって弱シール部3が引き剥がされると、インスタントコーヒーの粉末が水に溶かされてコーヒー飲料とされる。そして、使用者によって注出部8からキャップ13が除去され、ガスバリア材12aが破られることにより、注出部8からコーヒー飲料が袋状容器本体2外に注出可能となる。
(他の実施形態)
以下、図5を参照して、注出部8の他の実施形態について説明する。なお、上述した注出部8と同一の機能を有する部材には同一の符号を付するものとし、その説明は省略するものとする。
以下、図5を参照して、注出部8の他の実施形態について説明する。なお、上述した注出部8と同一の機能を有する部材には同一の符号を付するものとし、その説明は省略するものとする。
本実施形態の二室容器1の注出部8の特徴となるべき点は、樹脂製の接着基部30を介して袋状容器本体2に注出部8を取り付ける点にある。
具体的には、本実施形態の注出部8は、図5に示すように、先端部がフランジ状に形成され、適当な軸方向長さを有する円筒状の筒本体11と、当該筒本体11の外周面に設けられるガスバリア層12と、当該筒本体11のフランジ面11aに設けられるガスバリア層20と、筒本体11の基端側に設けられる接着基部30と、を具備する。なお、筒本体11の先端側にはキャップ13が被せられて取り付けられる。
接着基部30は、筒本体11を連通させるための孔部30aを有し、横断面が瞼状になるように外形が湾曲して形成される。
この接着基部30は、ガスバリア層12、20が付与された筒本体11にインサート成形により、薄肉で一体成形されて、筒本体11の下方外周を覆うようにして取り付けられる。具体的には、接着基部30は、内容物がガスバリア材12aの端面と接触することがないように、ガスバリア層12の下端部及び筒本体11の突起部11dの外周面に設けられ、ガスバリア層12の下端面を樹脂で被覆するように形成されている。また、当該接着基部30がガスバリア性を有するパウチ(袋状容器本体2)とヒートシール部7で熱溶着されることで二室容器1が製造される。
注出部8は、同一材料又は接着において相性の良い材料同士によって接着されるため、確実に筒状容器本体2に固定される。また、注出部8はガスバリア層12、20が全体を覆うようにして設けられているため、注出部8の外側から注出部8の内側への空気等の通過が防止され、筒状容器本体2の内部への酸素の侵入が防止される。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、袋状容器本体を四方シール形式の平パウチとして説明したが、ガセット袋、スタンディングパウチ形式などの自立性、或いは、立体構造を有するパウチなど、他の構造を有する袋であってもよい。
1 二室容器
2 袋状容器本体
3 弱シール部
8 注出部
9、10 収納室
12 ガスバリア層
2 袋状容器本体
3 弱シール部
8 注出部
9、10 収納室
12 ガスバリア層
Claims (2)
- ガスバリア性を有する包材で形成された袋状容器本体の内部が引き剥がし可能な弱シール部によって二室に分断され、一方の収納室側に注出部が設けられた二室容器において、上記注出部に臨む一方の収納室が嫌気性剤の収納室とされ、他方の収納室が、上記弱シール部が引き剥がされたときに上記一方の収納室へと導入されて上記嫌気性剤と混合される液体の収納室とされ、上記注出部の表面には、注出部の内外間を遮断するようにガスバリア層が設けられていることを特徴とする二室容器。
- 請求項1に記載の二室容器において、上記注出部は、筒状の筒本体を備え、ガスバリア層が少なくとも前記筒本体の外周面に配置されていることを特徴とする二室容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012174630A JP2014033703A (ja) | 2012-08-07 | 2012-08-07 | 二室容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012174630A JP2014033703A (ja) | 2012-08-07 | 2012-08-07 | 二室容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014033703A true JP2014033703A (ja) | 2014-02-24 |
Family
ID=50283089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012174630A Pending JP2014033703A (ja) | 2012-08-07 | 2012-08-07 | 二室容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014033703A (ja) |
-
2012
- 2012-08-07 JP JP2012174630A patent/JP2014033703A/ja active Pending
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