JP2014033229A - 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び基板処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】形成する薄膜の下地との界面の膜質向上、膜質制御を可能にする。
【解決手段】基板が収容された処理室に第1の処理ガスを供給する工程と、処理室を排気する工程と、を含み、各工程を行うことにより、基板を前処理する前処理工程と、前処理された基板が収容された処理室に第1の元素を含む第2処理ガスを供給する工程と、処理室を排気する工程と、処理室に第2の元素を含む第3の処理ガスを供給する工程と、処理室を排気する工程と、を含み、各工程を順に所定回数行うことにより、基板上に第1の膜を形成する第1の膜形成工程と、第1の膜が形成された基板が収容された処理室に第1の元素を含む第4の処理ガスを供給する工程と、処理室を排気する工程と、処理室に前記第3の処理ガスを供給する工程と、処理室を排気する工程と、を含み、各工程を順に所定回数行うことにより、第1の膜の上に第2の膜を形成する第2の膜形成工程と、を有する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、基板上に薄膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法、及びその工程において好適に用いられる基板処理装置に関するものである。
フラッシュメモリの微細化並びに低消費電力化に対する動作電力の低減に伴い、トンネル酸化膜が薄膜化する傾向にある。しかしながら、トンネル酸化膜が薄膜化して行く一方で、絶縁破壊やストレス誘起性リーク電流によるデバイスの信頼性低下が懸念されるため、従来技術である浮遊ゲート型構造の代替技術の模索が行われている。その中で窒化物層、例えばシリコン窒化膜(以下、SiN膜ともいう)の電荷トラップを利用する絶縁トラップ型構造が注目を集めている。その理由は、局所的なトンネル酸化膜欠陥に対して従来の浮遊ゲート型構造が高い感度を持つことが、さらなる微細化を妨げる主な要因であったが、トラッピング媒体に電荷を広げることによってそれが回避されるためである。また、この絶縁トラップ型構造には静電干渉の問題がないことも注目を集める理由である。
トンネル酸化膜の上に形成される窒化物層をALD(Atomic Layer Deposition)法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成した場合、その特性上、非常に均一な薄膜を形成することが可能である。しかしながら、供給する処理ガスによっては、基板表面で薄膜が堆積を開始するのに時間的な遅れが生じることがある。この時間はインキュベーションタイムと呼ばれている。このインキュベーションタイムの間に、基板上で島状の堆積が行なわれる核形成過程が起こり、この核形成過程で凹凸が形成されるため、核形成過程以降に形成された膜と膜質が異なってしまうことがある。
絶縁トラップ型構造において、トンネル酸化膜上に形成した薄膜としての窒化膜本体の膜質が、窒化膜のトンネル酸化膜との界面における膜質と異なる場合、窒化物層だけでなく、窒化物層とトンネル酸化膜との界面にも電荷がトラップされ、絶縁トラップ型構造の優位性を発揮できなくなる。この窒化物層と成膜の下地となるトンネル酸化膜との界面の膜質向上、膜質制御の観点からインキュベーションタイムの制御が必要となる。
従って本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、形成する薄膜の下地との界面の膜質向上、膜質制御が可能な半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、処理室内に載置された基板の表面に、第1の成膜工程を行うことにより第1の薄膜を形成し、第2の成膜工程を行うことにより第1の薄膜の上に第1の薄膜と同じ元素成分を有する第2の薄膜を形成する半導体装置の製造方法であって、第1の成膜工程は、処理室内に、第1の元素を含む第1の処理ガスを供給する第1の工程と、処理室内に残留する第1の処理ガスを排気する第2の工程と、処理室内に、第2の元素を含む第2の処理ガスを供給する第3の工程と、処理室内に残留する第2の処理ガスを排気する第4の工程とを含み、第1〜第4の工程を1サイクルとして所定回数のサイクルを行うことにより、基板の表面に第1の薄膜を形成し、第2の成膜工程は、処理室内に、第1の元素を含み第1の処理ガスと異なる元素成分を有する第3の処理ガスを供給する第5の工程と、処理室内に残留する第3の処理ガスを排気する第6の工程と、処理室内に、第2の元素を含む第2の処理ガスを供給する第7の工程と、処理室内に残留する第2の処理ガスを排気する第8の工程と、を含み、第5〜第8工程を1サイクルとして所定回数のサイクルを行うことにより、第1の薄膜の上に第2の薄膜を形成する半導体装置の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、処理室内に載置された基板の表面に、成膜工程を行うことにより薄膜を形成し、その後、改質処理を行うことにより薄膜を改質する半導体装置の製造方法であって、成膜工程は、処理室内に、第1の元素を含む第1の処理ガスを供給する第1の工程と、処理室内に残留する第1の処理ガスを排気する第2の工程と、処理室内に、第2の元素を含む第2の処理ガスを供給する第3の工程と、処理室内に残留する第2の処理ガスを排気する第4の工程と、を含み、第1〜第4の工程を1サイクルとし、所定回数行うことにより薄膜を形成し、改質工程は、処理室内に、プラズマ励起により活性化された第2の処理ガスを供給して薄膜を改質し、基板の温度を一定の温度に保ちつつ成膜工程と改質工程を所定回数繰り返すことにより、所定膜厚の薄膜を形成する半導体装置の製造方法が提供される。
本発明のほかの態様によれば、基板を収容する処理室と、少なくとも基板を加熱する加熱機構と、処理室内に、第1の元素を含む第1の処理ガス及び第1の元素を含み第1の処理ガスとは異なる第2の処理ガスを供給する第1の処理ガス供給系と、処理室内に第2の元素を含む第3の処理ガスを供給する第2の処理ガス供給系と、処理室内の雰囲気を排気する排気系と、加熱機構、第1の処理ガス供給系、第2の処理ガス供給系及び排気系を制御する制御部と、を有し、制御部は、加熱機構、第1の処理ガス供給系、第2の処理ガス供給系及び排気系を制御して、少なくとも基板を所定の温度に加熱しつつ、処理室内に第1の処理ガスと第3の処理ガスを交互に供給して第1の膜を形成した後、処理室内に第2の処理ガスと第3の処理ガスを交互に供給して第2の膜を形成する基板処理装置であって、第1の膜と第2の膜は同じ元素成分を有する基板処理装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、基板を収容する処理室と、少なくとも基板を加熱する加熱機構と、処理室内に、第1の処理ガスを供給する第1の処理ガス供給系と、処理室内に第2の処理ガスを供給する第2の処理ガス供給系と、処理室内の雰囲気を排気する排気系と、加熱機構、第1の処理ガス供給系、第2の処理ガス供給系及び排気系を制御する制御部と、を有し、制御部は、加熱機構、第1の処理ガス供給系、第2の処理ガス供給系及び排気系を制御して、処理室内に第1の処理ガスと第2の処理ガスを交互に供給して膜を形成した後、処理室内に第2の処理ガスを供給して形成された膜を改質する基板処理装置であって、膜を形成する際と形成された膜を改質する際は同じ温度で行い、所定の膜厚まで膜形成処理と改質処理を繰り返す基板処理装置が提供される。
本発明によれば、形成する薄膜と下地との界面の膜質を向上させることができ、形成する薄膜の膜質を制御することができる。
本発明の第1の実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面で示す図である。 本発明の第1の実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を横断面で示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるプロセスを説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施形態におけるプロセスシーケンスを示す図である。 本発明の第1の実施形態における成膜のサイクル回数と平均膜厚の関係を示す図である。 図5の詳細を示す図である。 本発明の第1の実施形態における成膜工程の各処理温度における各ガス供給時のシーケンス図である。 本発明の第2の実施形態におけるプロセスを説明するフローチャートである。 本発明の第3の実施形態におけるシリコン(Si)ウエハの上に形成されたSiN膜の膜厚を測定した結果である。 本発明の第3の実施形態におけるHCDガスの供給時間及び供給レートと膜厚、屈折率の関係である。
[第1の実施形態]
以下に、本発明の実施形態における半導体装置の製造方法及び基板処理装置を図面に基づいて説明する。ここでは、SiN薄膜を成膜する成膜工程を行う第1の実施形態について説明する。
第1の実施形態において、基板処理装置は、一例として、半導体装置(例えばIC等)の製造方法における基板処理工程としての成膜工程を実施する半導体製造装置として構成されている。なお、以下の説明では、基板処理装置として基板に対して酸化、拡散処理やCVD処理などを行うバッチ式縦型装置(以下、単に処理装置という場合もある)を用いた場合について述べる。
図1は、本実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉2
02部分を縦断面で示し、図2は本実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略構
成図であり、処理炉202部分を横断面で示す。
図1に示されているように、処理炉202は、加熱手段(加熱機構)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース(図示せず)に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応容器(処理容器)を構成する反応管203が設けられる。
反応管203の下方には、反応管203の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は反応管203の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には反応管203の下端と当接するシール部材としてのOリング220が設けられている。シールキャップ219の処理室201と反対側にはボートを回転させる回転機構267が設けられている。回転機構267の回転軸255はシールキャップを貫通して、後述するボート217に接続されており、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は反応管203の外部に設けられた昇降機構
としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート217を処理室201内に対し搬入搬出することが可能となっている。
シールキャップ219には断熱部材としての石英キャップ218を介して基板保持手段(支持具)としてのボート217が立設されている。石英キャップ218は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料で構成され断熱部として機能すると共にボートを保持する保持体となっている。ボート217は例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料で構成され複数枚のウエハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて管軸方向に多段に支持されるように構成されている。
処理室201内であって反応管203の下部には、第1のノズル249a及び第2のノズル249bが反応管203を貫通するように設けられている。第1のノズル249aには第1のガス供給管232aが接続され、さらに第1のガス供給管232aには後述のように第1のノズル249aとの接続箇所(接続部)よりも上流側に第2のガス供給管232bが接続されている。また第2のノズル249bには第3のガス供給管232cが接続されている。このように反応管203には2本のノズル249a及び249bと、3本のガス供給管232a、232b及び232cが設けられており、処理室201内へ複数種類、ここでは少なくとも3種類のガスを供給することができるように構成されている。
第1のガス供給管232aには上流方向から順に、開閉弁であるバルブ543、気化器(気化装置)500、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a、及び開閉弁であるバルブ243aが設けられている。また、第1のガス供給管232aのバルブ243aよりも下流側には、第2のガス供給管232bが接続されている。この第2のガス供給管232bには上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241b、及び開閉弁であるバルブ243bが設けられている。さらに、第1のガス供給管232aと第2のガス供給管23bとの接続部よりも下流側には、不活性ガス供給管232dが接続されている。この不活性ガス供給管232dには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ241d、及び開閉弁であるバルブ243dが設けられている。また、第1のガス供給管232aの先端部には、上述の第1のノズル249aが接続されている。第1のノズル249aは、反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。第1のノズル249aはL字型のロングのノズルとして構成されている。第1のノズル249aの側面にはガスを供給するガス供給孔250aが設けられている。ガス供給孔250aは反応管203の中心を向くように開口している。このガス供給孔250aは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれが同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。主に、第1のガス供給管232a、第2のガス供給管232b、バルブ543、243a、243b、気化器500、マスフローコントローラ241a、241b、第1のノズル249aにより第1のガス供給系が構成される。また、主に、不活性ガス供給管232d、マスフローコントローラ241d、バルブ243dにより第1の不活性ガス供給系が構成される。
第3のガス供給管232cには上流方向から順に流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241c、及び開閉弁であるバルブ243cが設けられている。また、第3のガス供給管232cのバルブ243cよりも下流側には、不活性ガス供給管232eが接続されている。この不活性ガス供給管232eには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ241e、及び開閉弁であるバルブ243eが設けられている。また、第3のガス供給管232cの先端部には、上述の第2のノズル249bが接続されている。第2のノズル249bは、ガス分散空間であるバッファ室237内に設けられている。
バッファ室は反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間に、反応管203内壁の下部より上部にわたる部分に、ウエハ200の積載方向に沿って設けられている。バッファ室237のウエハ200と隣接する壁の端部にはガスを供給するガス供給孔250cが設けられている。ガス供給孔250cは反応管203の中心を向くように開口している。このガス供給孔250cは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれが同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
第2のノズル249bは、バッファ室237のガス供給孔250cが設けられた端部と反対側の端部に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。第2のノズル249bはL字型のロングのノズルとして構成されている。第2のノズル249bの側面にはガスを供給するガス供給孔250bが設けられている。ガス供給孔250bはバッファ室237の中心を向くように開口している。このガス供給孔250bは、バッファ室237のガス供給孔250cと同様に、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられている。この複数のガス供給孔250bのそれぞれの開口面積は、バッファ室237内と処理室201内の差圧が小さい場合には、上流側(下部)から下流側(上部)まで、それぞれ同一の開口面積で同一の開口ピッチとするとよいが、差圧が大きい場合には上流側から下流側に向かって、それぞれ開口面積を大きくするか、開口ピッチを小さくするとよい。
本実施形態においては、各ガス供給孔250bの開口面積や開口ピッチを、上流側から下流側にかけて上述のように調節することで、まず、ガス供給孔250bのそれぞれから、流速の差はあるもの、流量がほぼ同量であるガスを噴出させる。そしてこのガス供給孔250bのそれぞれから噴出するガスを、一旦、バッファ室237内に導入し、バッファ室237内においてガスの流速差の均一化を行うこととした。
すなわち、第2のノズル249bの各ガス供給孔250bよりバッファ室237内に噴出したガスはバッファ室237内で各ガスの粒子速度が緩和された後、バッファ室237のガス供給孔250cより処理室201内に噴出する。これにより、各ガス供給孔250bよりバッファ室237内に噴出したガスは、各ガス供給孔250cより処理室201内に噴出する際には、均一な流量と流速とを有するガスとなる。
主に、第2のガス供給管232b、マスフローコントローラ241b、バルブ243b、第2のノズル249b、バッファ室237により第2のガス供給系が構成される。また、主に、不活性ガス供給管232e、マスフローコントローラ241e、バルブ243eにより第2の不活性ガス供給系が構成される。
第1のガス供給管232aからは、例えば、シリコン原料ガス、すなわち第1の元素としてシリコン(Si)を含むガス(シリコン含有ガス)が第1の処理ガスとして、バルブ543、気化器500、マスフローコントローラ241a、バルブ243a、第1のノズル249aを介して処理室201内に供給される。シリコン含有ガスとしては、例えばヘキサクロロジシラン(SiCl、HCD)ガスを用いることができる。尚、第1の処理ガスは、常温常圧で固体、液体、及び気体のいずれであっても良いが、ここでは液体として説明する。第1の処理ガスが常温常圧で気体の場合は気化器500を設ける必要はない。また、第1の処理ガスは後述する第2の処理ガスとは異なる種類の処理ガスであるが、さらに第2の処理ガスより反応性が高い処理ガスである場合もある。ここで、反応性が高いとは、熱分解性が高いということを示している。すなわち、HCDは350℃より分解し、2SiCl→Si+3SiClとなる。
第2のガス供給管232bからは、少なくとも第1の元素としてシリコン(Si)を含み、第1の処理ガスとは異なる種類のシリコン含有ガスが第2の処理ガスとして、マスフローコントローラ241b、バルブ243b、第1のノズル249aを介して処理室201内に供給される。シリコン含有ガスとしては、例えばジクロロシラン(SiHCl、DCS)ガスを用いることができる。
第3のガス供給管232cからは、例えば第2の元素として窒素(N)を含むガス(窒素含有ガス)が原料ガスを改質する第3の処理ガスとして、マスフローコントローラ241c、バルブ243c、第2のノズル249b、バッファ室237を介して処理室201内に供給される。窒素含有ガスとしては、例えばアンモニア(NH)ガスを用いることができる。
不活性ガス供給管232d及び232eからは、不活性ガスとして例えば窒素(N)ガスが、それぞれマスフローコントローラ241d及び241e、バルブ243d及び243e、ガス供給管232a及び232c、ノズル249a、249b、バッファ室237を介して処理室201内に供給される。
なお、例えば各ガス供給管から上述のようなガスをそれぞれ流す場合、第1のガス供給系により原料ガス供給系、すなわちシリコン含有ガス供給系(シラン系ガス供給系)が構成される。また、第2のガス供給系により改質ガス供給系、すなわち窒素含有ガス供給系が構成される。
バッファ室237内には、図1及び図2に示すように、細長い構造を有する第1の電極である第1の棒状電極269及び第2の電極である第2の棒状電極270が、反応管203の下部より上部にわたりウエハ200の積層方向に沿って配設されている。第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270は、第2のノズル249bと平行に設けられており、上部より下部にわたって各電極を保護する保護管である電極保護管275によりそれぞれ覆われることで保護されている。この第1の棒状電極269又は第2の棒状電極270のいずれか一方は整合器272を介して高周波電源273に接続され、他方は基準電位であるアースに接続されている。この結果、第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270間のプラズマ生成領域224にプラズマが生成される。主に、第1の棒状電極269、第2の棒状電極270、電極保護管275、整合器272、高周波電源273によりプラズマ発生器(プラズマ発生部)としてのプラズマ源が構成される。なお、プラズマ源は、後述するようにガスをプラズマで活性化させる活性化機構として機能する。
電極保護管275は、第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270のそれぞれをバッファ室237の雰囲気と隔離した状態でバッファ室237内に挿入できる構造となっている。ここで、電極保護管275の内部は外気(大気)と同一雰囲気であると、電極保護管275にそれぞれ挿入された第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270はヒータ207による熱で酸化されてしまう。そこで、電極保護管275の内部には窒素などの不活性ガスを充填あるいはパージし、酸素濃度を充分低く抑えて第1の棒状電極269又は第2の棒状電極270の酸化を防止するための不活性ガスパージ機構(図示せず)が設けられている。
反応管203には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231には処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245及び圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して真空排気装置としての真空ポンプが接続されており、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。なお、APCバルブ244は弁を開閉して処理室201内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調整可能となっている開閉弁である。主に、排気管231、APCバルブ244、真空ポンプ246、圧力センサ245により排気系が構成される。
反応管203内には温度検出器としての温度センサ263が設置されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、ノズル249a及び249b、と同様にL字型に構成されており、反応管203の内壁に沿って設けられている。
制御部(制御手段)であるコントローラ121は、マスフローコントローラ241a、241b、241c、241d及び241e、バルブ543、243a、243b、243c、243d及び243e、気化器500、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、ヒータ207、温度センサ263、ボート回転機構267、ボートエレベータ115、高周波電源273、整合器272等に接続されている。コントローラ121により、マスフローコントローラ241a、241b、241c、241d及び241eによる各種ガスの流量調整動作、バルブ543、243a、243b、243c、243d及び243eの開閉動作、APCバルブ244の開閉及び圧力センサ245に基づく圧力調整動作、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、気化器500の制御、真空ポンプ246の起動・停止、ボート回転機構267の回転速度調節動作、ボートエレベータ115の昇降動作等の制御や、高周波電源273の電力供給制御、整合器272によるインピーダンス制御が行われる。
次に、上述の基板処理装置の処理炉を用いて半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、基板上に絶縁膜を成膜するシーケンス例について説明する。尚、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
従来のCVD(Chemical Vapor Deposition)法やALD(Atomic Layer Deposition)法では、例えば、CVD法の場合、形成する膜を構成する複数の元素を含む複数種類のガスを同時に供給し、また、ALD法の場合、形成する膜を構成する複数の元素を含む複数種類のガスを交互に供給する。そして、ガス供給時のガス供給流量、ガス供給時間、プラズマパワーなどの供給条件を制御することによりシリコン窒化膜(SiN膜)やシリコン酸化膜(SiO膜)を形成する。それらの技術では、例えばSiN膜を形成する場合、膜の組成比が化学量論組成であるN/Si≒1.33となるように、また例えばSiO膜を形成する場合、膜の組成比が化学量論組成であるO/Si≒2となるようにすることを目的として、供給条件を制御する。
一方、形成する膜の組成比が化学量論組成とは異なる所定の組成比となるようにすることを目的として、供給条件を制御することも可能である。すなわち、形成する膜を構成する複数の元素のうち少なくとも一つの元素が他の元素よりも化学量論組成に対し過剰となるようにすることを目的として、供給条件を制御する。このように形成する膜を構成する複数の元素の比率、すなわち、膜の組成比を制御しつつ成膜を行うことも可能である。以下では最初に、異なる種類の元素を含む複数種類のガスを交互に供給して化学両論組成を有する膜を形成するシーケンス例について説明する。
ここでは第1の元素をシリコン(Si)、第2の元素を窒素(N)とし、第1の元素を含む第1の処理ガスとしてシリコン含有ガスであるHCDガスを、第1の元素を含み第1の処理ガスとは異なる種類の処理ガスとしてシリコン含有ガスであるDCSガスを、第2の元素を含む第3の処理ガスとして窒素含有ガスであるNHガスを用い、基板上に絶縁膜としてSiN膜を形成する例について図3及び図4を参照して説明する。図3は、本実施形態におけるプロセスを説明するフローチャートであり、図4は本実施形態におけるプロセスシーケンスを示す図である。尚、この例では、第1のガス供給系によりシリコン含有ガス供給系(第1の元素含有ガス供給系)が構成され、第2のガス供給系により窒素含有ガス供給系(第2の元素含有ガス供給系)が構成される。
本実施形態では、SiN膜を成膜する成膜工程(膜形成工程)を2段階で実行する。すなわち、第1のSiN膜(第1の薄膜、初期SiN膜)を成膜(第1の薄膜形成工程)した後、第1の薄膜と同じ元素成分を有する第2の薄膜を成膜する成膜工程(第2の薄膜形成工程)を行う。まずHCDガスとNHガスを処理室202内に供給することにより第1のSiN膜を成膜した後、DCSガスとNHガスを供給することにより第2のSiN膜を成膜する。2段階で成膜される各薄膜は同じ元素成分を有する。尚、第1の処理ガスであるHCDガスは、第2の処理ガスであるDCSガスより反応性、すなわち熱分解性が高い。
まず、複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると、図1に示されているように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219はOリング220を介して反応管203の下端をシールした状態となる。
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空ポンプ246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサ245で測定され、この測定された圧力に基づきAPCバルブ244が、フィードバック制御される(圧力調整)。また、処理室201内が所望の温度となるようにヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される(温度調整)。続いて、回転機構267により、ボート217が回転されることで、ウエハ200が回転される。次に、HCDガスとNHガスを処理室202内に供給することにより第1のSiN膜を成膜する第1の成膜工程を行う。第1の成膜工程では次の4つのステップを順次実行する。
(第1の成膜工程)
<ステップ11>
ステップ11では、まずHCDガスを流す(第1の工程)。第1のガス供給管232aのバルブ543、バルブ243aを開き、気化器500を介して第1のガス供給管232a内にHCDガスを流す。第1のガス供給管232a内を流れたHCDガスは、マスフローコントローラ241aにより流量調整される。流量調整されたHCDガスは第1のノズル249aのガス供給孔250aから処理室201内に供給されつつガス排気管231から排気される。このとき、同時にバルブ243dを開き、不活性ガス供給管232d内に不活性ガスを流す。不活性ガスとしては、Heガス、Neガス、Arガス等の18族元素ガスが好適であるが、ヒータ207の温度、すなわちウエハ200の温度が低く設定されているため、Nガスを用いても良い。不活性ガス供給管232d内を流れたNガスは、マスフローコントローラ241dにより流量調整される。流量調整されたNガスはHCDガスと一緒に処理室201内に供給されつつガス排気管231から排気される。
このとき、APCバルブ244を適正に調整して処理室201内の圧力を、例えば10〜1000Paの範囲内の圧力とする。マスフローコントローラ241bで制御するHCDガスの供給流量は、例えば100〜5000sccmの範囲内の流量とする。HCDガスをウエハ200に晒す時間、すなわちガス供給時間(照射時間)は、例えば2〜120秒間の範囲内の時間とする。このときヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば300〜600℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。
HCDガスの供給により、ウエハ200表面の下地膜上に、第1の元素としてのシリコンを含む第1の層が形成される。すなわち、ウエハ200上(下地膜上)に1原子層未満から数原子層のシリコン含有層としてのシリコン層(Si層)が形成される。シリコン含有層はHCDの化学吸着(表面吸着)層であってもよい。なお、シリコンは、それ単独で固体となる元素である。ここでシリコン層とはシリコンにより構成される連続的な層の他、不連続な層やこれらが重なってできる薄膜をも含む。なお、シリコンにより構成される連続的な層を薄膜という場合もある。また、HCDの化学吸着層とはHCD分子の連続的な化学吸着層の他、不連続な化学吸着層をも含む。なお、ウエハ200上に形成されるシリコン含有層の厚さが数原子層を超えると、後述するステップ13での窒化の作用がシリコン含有層の全体に届かなくなる。また、ウエハ200上に形成可能なシリコン含有層の最小値は1原子層未満である。よって、シリコン含有層の厚さは1原子層未満から数原子層とするのが好ましい。なお、ウエハ200の温度及び処理室201内の圧力等の条件を調整することにより、HCDガスが自己分解する条件下では、ウエハ200上にシリコンが堆積することでシリコン層が形成され、HCDガスが自己分解しない条件下では、ウエハ200上にHCDが化学吸着することでHCDの化学吸着層が形成されるよう、形成される層を調整することができる。なお、ウエハ200上にHCDの化学吸着層を形成する場合と比較して、ウエハ200上にシリコン層を形成する方が、成膜レートを高くすることができる。また、ウエハ200上にシリコン層を形成する方が、ウエハ200上にHCDの化学吸着層を形成する場合と比較して、より緻密な層を形成することができる。
<ステップ12>
ステップ12(第2の工程)では、シリコン含有層が形成された後、バルブ243aを閉じ、HCDガスの供給を停止する。このとき、ガス排気管231のAPCバルブ244は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはシリコン含有層形成に寄与した後のHCDガスを処理室201内から排除する。なお、この時バルブ243dは開いたままとして、Nガスの処理室201内への供給を維持する。これにより、処理室201内に残留する未反応もしくはシリコン含有層形成に寄与した後のHCDガスを処理室201内から排除する効果を高める。不活性ガスとしては、Nガスの他、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いてもよい。
<ステップ13>
ステップ13では、処理室201内の残留ガスを除去した後、第3のガス供給管232cのバルブ243cを開き、第3のガス供給管232c内にNH3ガスを流す(第3の工程)。第3のガス供給管232c内を流れたNHガスは、マスフローコントローラ241cにより流量調整される。流量調整されたNHガスは第2のノズル249bのガス供給孔250bからバッファ室237内に供給される。このとき、第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270間に高周波電源273から整合器272を介して高周波電力を印加することで、バッファ室237内に供給されたNHガスはプラズマ励起され、活性種としてガス供給孔250cから処理室201内に供給されつつガス排気管231から排気される。この時同時にバルブ243eを開き、不活性ガス供給管232e内にNガスを流す。NガスはNHガスと一緒に処理室201内に供給されつつガス排気管231から排気される。
NH3ガスをプラズマ励起することにより活性種として流すときは、APCバルブ244を適正に調整して処理室201内の圧力を、例えば10〜100Paの範囲内の圧力とする。マスフローコントローラ241cで制御するNH3ガスの供給流量は、例えば1000〜10000sccmの範囲内の流量とする。NH3ガスをプラズマ励起することにより得られた活性種にウエハ200を晒す時間、すなわちガス供給時間(照射時間)は、例えば2〜120秒間の範囲内の時間とする。このときのヒータ207の温度は、ステップ11と同様、ウエハ200の温度が300〜600℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。なお、高周波電源273から第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270間に印加する高周波電力は、例えば50〜1000Wの範囲内の電力となるように設定する。NHガスは反応温度が高く、上記のようなウエハ温度、処理室内圧力では反応しづらいので、プラズマ励起することにより活性種としてから流すようにしており、このためウエハ200の温度は上述のように設定した低い温度範囲のままでよい。なお、NHガスを供給する際にプラズマ励起せず、ヒータ207の温度を適正に調整してウエハ200の温度を例えば600℃以上の温度とし、さらにAPCバルブ244を適正に調整して処理室201内の圧力を例えば50〜3000Paの範囲内の圧力とすることで、NHガスをノンプラズマで熱的に活性化することも可能である。なお、NHガスは熱で活性化させて供給すると、ソフトな反応を生じさせることができる。
このとき、処理室201内に流しているガスはNH3ガスをプラズマ励起することにより得られた活性種、もしくは処理室201内圧力を高くすることで熱的に活性化されたNHガスであり、処理室201内にはDCSガスは流していない。したがって、NHガスは気相反応を起こすことはなく、活性種となった、もしくは活性化されたNHガスは、ステップ11でウエハ200上に形成された第1の層としてのシリコン含有層の一部と反応する。これによりシリコン含有層は窒化されて、シリコン(第1の元素)及び窒素(第2の元素)を含む第2の層、すなわち、シリコン窒化層(SiN層)へと改質される。
<ステップ14>
ステップ14(第4の工程)では、第3のガス供給管232cのバルブ243cを閉じて、NHガスの供給を停止する。このとき、ガス排気管231のAPCバルブ244は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくは窒化に寄与した後のNH3ガスを処理室201内から排除する。なお、この時バルブ243eは開いたままとして、Nガスの処理室201内への供給を維持する。これにより、処理室201内に残留する未反応もしくは窒化に寄与した後のNHガスを処理室201内から排除する効果を高める。
窒素含有ガスとしては、NH3ガスをプラズマや熱で励起したガス以外に、Nガス、NFガス、Nガス等をプラズマや熱で励起したガスを用いてもよく、これらのガスをArガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスで希釈したガスをプラズマや熱で励起して用いてもよい。
上述したステップ11〜14を1サイクルとして、このサイクルを少なくとも1回以上行うことにより、ウエハ200上に所定膜厚のシリコン(第1の元素)および窒素(第2の元素)を含む第1の薄膜、すなわち、第1のSiN膜を成膜することができる。なお、上述のサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。
(第2の成膜工程)
次に、DCSガスとNHガスを処理室202内に供給することにより第2のSiN膜を成膜する第2の成膜工程を行う。第2の成膜工程では次の4つのステップを順次実行する。
<ステップ21>
ステップ21では、まずDCSガスを流す(第5の工程)。第2のガス供給管232bの第2のバルブ243bを開き、第2のガス供給管232b内にDCSガスを流す。第2のガス供給管232b内を流れたDCSガスは、マスフローコントローラ241bにより流量調整される。流量調整されたDCSガスは第1のガス供給管232aを介して第1のノズル249aのガス供給孔250aから処理室201内に供給されつつガス排気管231から排気される。このとき、同時にバルブ243dを開き、不活性ガス供給管232d内にN2ガス等の不活性ガスを流す。不活性ガス供給管232d内を流れたNガスは、マスフローコントローラ241dにより流量調整される。流量調整されたNガスはDCSガスと一緒に処理室201内に供給されつつガス排気管231から排気される。
このとき、APCバルブ244を適正に調整して処理室201内の圧力を、例えば10〜1000Paの範囲内の圧力とする。マスフローコントローラ241bで制御するDCSガスの供給流量は、例えば100〜5000sccmの範囲内の流量とする。DCSガスをウエハ200に晒す時間、すなわちガス供給時間(照射時間)は、例えば2〜120秒間の範囲内の時間とする。このときヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば300〜600℃の範囲内の温度となるよう設定する。
DCSガスの供給により、第1の成膜工程で形成したSiN膜の上に、第1の元素としてのシリコンを含む第3の層が形成される。すなわち、ウエハ200上(下地膜上)に1原子層未満から数原子層のシリコン含有層としてのシリコン層(Si層)が形成される。シリコン含有層はDCSの化学吸着(表面吸着)層であってもよい。なお、シリコンは、それ単独で固体となる元素である。ここでシリコン層とはシリコンにより構成される連続的な層の他、不連続な層やこれらが重なってできる薄膜をも含む。なお、シリコンにより構成される連続的な層を薄膜という場合もある。また、DCSの化学吸着層とはDCS分子の連続的な化学吸着層の他、不連続な化学吸着層をも含む。なお、ウエハ200上に形成されるシリコン含有層の厚さが数原子層を超えると、後述するステップ23での窒化の作用がシリコン含有層の全体に届かなくなる。また、ウエハ200上に形成可能なシリコン含有層の最小値は1原子層未満である。よって、シリコン含有層の厚さは1原子層未満から数原子層とするのが好ましい。なお、ウエハ温度及び処理室201内の圧力等の条件を調整することにより、DCSガスが自己分解する条件下では、ウエハ200上にシリコンが堆積することでシリコン層が形成され、DCSガスが自己分解しない条件下では、ウエハ200上にDCSが化学吸着することでDCSの化学吸着層が形成されるよう、形成される層を調整することができる。なお、ウエハ200上にDCSの化学吸着層を形成する場合と比較して、ウエハ200上にシリコン層を形成する方が、成膜レートを高くすることができる。一方、ウエハ200上にシリコン層を形成する方が、ウエハ200上にDCSの化学吸着層を形成する場合と比較して、より緻密な層を形成することができる。
<ステップ22>
ステップ22(第6の工程)では、シリコン含有層が形成された後、バルブ243bを閉じ、DCSガスの供給を停止する。このとき、ガス排気管231のAPCバルブ244は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはシリコン含有層形成に寄与した後のDCSガスを処理室201内から排除する。なお、この時バルブ243dは開いたままとして、N2ガスの処理室201内への供給を維持する。これにより、処理室201内に残留する未反応もしくはシリコン含有層形成に寄与した後のDCSガスを処理室201内から排除する効果を高める。不活性ガスとしては、N2ガスの他、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いてもよい。
<ステップ23>
ステップ23では、処理室201内の残留ガスを除去した後、第3のガス供給管232cのバルブ243cを開き、第3のガス供給管232c内にNHガスを流す(第7の工程)。第3のガス供給管232c内を流れたNHガスは、マスフローコントローラ241cにより流量調整される。流量調整されたNHガスは第2のノズル249bのガス供給孔250bからバッファ室237内に供給される。このとき、第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270間に高周波電源273から整合器272を介して高周波電力を印加することで、バッファ室237内に供給されたNH3ガスはプラズマ励起され、活性種としてガス供給孔250cから処理室201内に供給されつつガス排気管231から排気される。この時同時にバルブ243eを開き、不活性ガス供給管232e内にN2ガスを流す。NガスはNHガスと一緒に処理室201内に供給されつつガス排気管231から排気される。
NH3ガスをプラズマ励起することにより活性種として流すときは、APCバルブ244を適正に調整して処理室201内の圧力を、例えば10〜100Paの範囲内の圧力とする。マスフローコントローラ241cで制御するNH3ガスの供給流量は、例えば1000〜10000sccmの範囲内の流量とする。NHガスをプラズマ励起することにより得られた活性種にウエハ200を晒す時間、すなわちガス供給時間(照射時間)は、例えば2〜120秒間の範囲内の時間とする。このときのヒータ207の温度は、ステップ11と同様、ウエハ200の温度が300〜600℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。なお、高周波電源273から第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270間に印加する高周波電力は、例えば50〜1000Wの範囲内の電力となるように設定する。NHガスは反応温度が高く、上記のようなウエハ温度、処理室内圧力では反応しづらいので、プラズマ励起することにより活性種としてから流すようにしており、このためウエハ200の温度は上述のように設定した低い温度範囲のままでよい。なお、NHガスを供給する際にプラズマ励起せず、ヒータ207の温度を適正に調整してウエハ200の温度を例えば600℃以上の温度とし、さらにAPCバルブ244を適正に調整して処理室201内の圧力を例えば50〜3000Paの範囲内の圧力とすることで、NHガスをノンプラズマで熱的に活性化することも可能である。なお、NHガスは熱で活性化させて供給すると、ソフトな反応を生じさせることができる。
このとき、処理室201内に流しているガスはNHガスをプラズマ励起することにより得られた活性種、もしくは処理室201内圧力を高くすることで熱的に活性化されたNHガスであり、処理室201内にはDCSガスは流していない。したがって、NH3ガスは気相反応を起こすことはなく、活性種となった、もしくは活性化されたNHガスは、ステップ21でウエハ200上に形成された第1の層としてのシリコン含有層の一部と反応する。これによりシリコン含有層は窒化されて、シリコン(第1の元素)及び窒素(第2の元素)を含む第2の層、すなわち、シリコン窒化層(SiN層)へと改質される。
<ステップ24>
その後、第3のガス供給管232cのバルブ243cを閉じて、NHガスの供給を停止する。このとき、ガス排気管231のAPCバルブ244は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくは窒化に寄与した後のNHガスを処理室201内から排除する。なお、この時バルブ243cは開いたままとして、Nガスの処理室201内への供給を維持する。これにより、処理室201内に残留する未反応もしくは窒化に寄与した後のNHガスを処理室201内から排除する効果を高める。
窒素含有ガスとしては、NHガスをプラズマや熱で励起したガス以外に、窒素ガス(Nガス)、三フッ化窒素ガス(NFガス)、Nガス等をプラズマや熱で励起したガスを用いてもよく、これらのガスをArガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスで希釈したガスをプラズマや熱で励起して用いてもよい。
上述したステップ21〜24を1サイクルとして、このサイクルを少なくとも1回以上行うことにより、ウエハ200上に所定膜厚のシリコン(第1の元素)および窒素(第2の元素)を含む第2の薄膜、すなわち、第2のSiN膜を成膜することができる。なお、上述のサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。これにより、第2の成膜工程が終了する。
所定膜厚の第1のSiN膜及び第2のSiN膜を形成する成膜処理がなされると、Nガス等の不活性ガスが処理室201内へ供給されつつ排気されることで処理室201内が不活性ガスでパージされる(ガスパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、反応管203の下端が開口されるとともに、処理済ウエハ200がボート217に支持された状態で反応管203の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード)される。その後、処理済ウエハ200はボート217より取出される(ウエハディスチャージ)。
これにより、HCDガスとNHガスとを用いてウエハ200の表面に第1のSiN膜(初期SiN膜)を成膜し、第1のSiN膜の上にDCSガスとNHガスとを用いて第2のSiN膜を成膜することができる。
ここで、図5(a)はSiを含むガスに反応性の弱いガスとしてDCSガスを用いてSiN膜(第2のSiN膜)を形成した場合のサイクル回数と平均膜厚の関係を示している。図5(b)はSiを含むガスに反応性の強いガスとしてHCDガスを用いてSiN膜(第1のSiN膜)を形成した場合のサイクル回数と平均膜厚の関係を示している。それぞれ横軸は各成膜工程のサイクル回数を、縦軸は形成されたSiN膜の膜厚を表している。DCSガスを用いた場合、その反応性の低さから下地表面状態の影響を受けやすく、インキュベーションタイムがある成膜工程となる。HCDガスを用いた場合、その反応性の高さから下地表面状態の影響を受けにくく、ウエハ200上(下地膜上)に形成されるシリコン層(Si層)もしくはHCDガスの化学吸着(表面吸着)層であるシリコン含有層の膜厚が多くなる。その結果、インキュベーションタイム無く成膜が行われ、1サイクルあたりに成膜されるSiN膜の膜厚もDCSガスと比べてHCDガスの方が厚くなる。このように、HCDガスを用いて第1のSiN膜を成膜(第1の薄膜形成)した後に、DCSガスを用いた第2のSiN膜を成膜(第2の薄膜形成)することで、インキュベーションタイム無くSiN膜を成膜することが可能になる。
また、成膜レートはHCDガスの方が速いが、DCSガスの方が形成されるSiN膜の表面の粗さが良好となる。その理由を考えてみる。DCS分子は1つのSi原子、2つのH原子及び2つのCl原子とで構成され、HCD分子は2つのSi原子と6つのCl原子とで構成される。両者の組成を比較すると、DCS分子はSi原子を1つ含んでおり、HCD分子はSi原子を2つ含んでいるため、HCD分子はDCS分子の2倍の量のSiを含んでいることとなり、このSiが基板表面に残るとアイランド状になってしまうと考えられる。したがって、HCDガスを用いて第1のSiN膜の成膜を行った後に、DCSを用いて第2のSiN膜の成膜を行うことで、SiN膜がアイランド状になってしまうのを防止でき、積層界面の膜質向上、膜質制御が可能になる。
また、HCDガスを用いて成膜される第1のSiN膜に必要とされる膜厚について検討する。DCSガス供給による第2のSiN膜の成膜初期のサイクル数とSiN膜厚の関係と、DCSガス供給による第2のSiN膜を十分に成膜した後のサイクル数とSiN膜厚の関係は異なる。図6に、図5のサイクル回数が50回までの部分を拡大した図を示す。図5からわかるように、インキュベーションタイムがある成膜工程の場合、サイクル回数と膜厚の関係が変化するのは、DCSガス供給による第2のSiN膜の膜厚が約3Å増加した辺りからであることから、インキュベーションの無いHCDガス供給による第1のSiN膜を下地として形成する際のHCD−SiN膜の膜厚は、3Å以上が適していると考えられる。このように、HCDガス供給による第2のSiN膜を、少なくとも3Å以上の膜厚で形成すると、インキュベーションの無いHCD−SiN膜を下地として形成することができるので、一層インキュベーションタイム無くSiN膜を成膜することが可能になる。
また、本実施形態によれば、HCDガスとDCSガスは、同じノズルであるノズル249aから供給されるので、構成の簡素化を図ることができる。
また、図7に、各処理温度においてNHガスの励起法を異にする成膜工程のシーケンス図を示す。図7(a)はウエハ200の温度を300〜600℃となるよう設定する場合のシーケンス図であり、この場合は、NHガスを供給する際、プラズマ励起によりNHガスを活性化させて使用する。図7(b)はウエハ200の温度を600℃以上となるよう設定する場合のシーケンス図であり、この場合は、NHガスが熱エネルギーにより活性化されるため、プラズマ励起を行わない。これらの場合において、Nガス等の不活性ガスも処理炉202に連続的に供給することが好ましい。
なお、ここでは本実施形態の具体例として、第1の処理ガスとしてHCDガスを、第2の処理ガスとしてDCSガスを用いてSiN膜を形成する例について説明したが、本発明は上述の具体例に現例されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。第1の処理ガスの方が第2の処理ガスより反応性(熱分解性)が高く、インキュベーションタイムを有さないような種類のガスであれば他のガス同士の組み合わせであっても適用可能であり、シリコン含有ガスとしては、HCDガス及びDCSガスの他に、テトラクロロシラン(SiCl、略称:TCS)ガス、モノシラン(SiH)ガス等の無機原料だけでなく、アミノシラン系のテトラキスジメチルアミノシラン((Si(N(CH)2))4、略称:4DMAS)ガス、トリスジメチルアミノシラン((Si(N(CH))3H、略称:3DMAS)ガス、ビスジエチルアミノシラン(Si(N(C、略称:2DEAS)ガス、ビスターシャリーブチルアミノシラン(SiH(NH(C))、略称:BTBAS)ガスなどの有機原料を用いてもよい。
なお、第1の成膜工程におけるステップ13及び/もしくは第2の成膜工程におけるステップ23では、シリコン含有層の窒化反応は飽和させないようにしても良い。例えばステップ11及び/もしくはステップ21で数原子層のシリコン層を形成した場合は、その表面層(表面の1原子層)の少なくとも一部を窒化させる。すなわち、その表面層の一部もしくは全部を窒化させる。この場合、数原子層のシリコン層の全体を窒化させないように、シリコン層の窒化反応が非飽和となる条件下で窒化を行う。なお、条件によっては数原子層のシリコン層の表面層から下の数層を窒化させることもできるが、その表面層だけを窒化させる方が、シリコン窒化膜の組成比の制御性を向上させることができるため好ましい。また、例えばステップ11及び/もしくはステップ21で1原子層または1原子層未満のシリコン層を形成した場合は、そのシリコン層の一部を窒化させるようにする。この場合も、1原子層または1原子層未満のシリコン層の全体を窒化させないように、シリコン層の窒化反応が非飽和となる条件下で窒化を行う。なお、窒素は、それ単独では固体とはならない元素である。
このとき、ステップ11及び/もしくはステップ21における処理室201内の圧力、または、圧力およびガス供給時間を、化学量論的な組成を持つSiN膜を形成する場合のステップ11及び/もしくはステップ21における処理室201内の圧力、または、圧力およびガス供給時間よりも大きく、または、長くする。このように処理条件を制御することで、化学量論的な組成を持つSiN膜を形成する場合よりも、ステップ11及び/もしくはステップ21におけるシリコンの供給量を過剰にする。そしてこのステップ11及び/もしくはステップ21におけるシリコンの過剰供給により、ステップ13及び/もしくはステップ23におけるシリコン含有層の窒化反応を飽和させないようにする。すなわち、化学量論的な組成を持つシリコン窒化膜を形成する場合よりも、ステップ11及び/もしくはステップ21で与えるシリコン原子の数を過剰にし、これにより、ステップ13及び/もしくはステップ23でのシリコン含有層の窒化反応を抑制させる。これにより、シリコン窒化膜(SiN膜)の組成比を、化学量論的な組成に対しシリコン(Si)の方が窒素(N)よりも過剰となるように制御する。
もしくは、ステップ13及び/もしくはステップ23における処理室201内の圧力、または、圧力およびガス供給時間を、化学量論的な組成を持つシリコン窒化膜を形成する場合のステップ13及び/もしくはステップ23における処理室201内の圧力、または、圧力およびガス供給時間よりも小さく、または、短くする。このように処理条件を制御することで、化学量論的な組成を持つシリコン窒化膜を形成する場合よりも、ステップ13及び/もしくはステップ23における窒素の供給量を不足させる。そしてこのステップ13及び/もしくはステップ23における窒素の不足供給により、ステップ13におけるシリコン含有層の窒化反応を飽和させないようにする。すなわち、化学量論的な組成を持つシリコン窒化膜を形成する場合よりも、ステップ13及び/もしくはステップ23で与える窒素原子の数を不足させ、これにより、ステップ13及び/もしくはステップ23でのシリコン含有層の窒化反応を抑制させる。これにより、シリコン窒化膜(SiN膜)の組成比を、化学量論的な組成に対しシリコン(Si)の方が窒素(N)よりも過剰となるように制御する。
[第2の実施形態]
本実施形態では、成膜工程のインキュベーションタイムの発生を抑制するために、基板上にSiN膜を形成する成膜工程を行う前に、前処理工程(改質工程)を行う例について説明する。図8は、本実施形態におけるプロセスを説明するフローチャートである。本実施形態における基板処理装置は、第1の実施形態で説明した基板処理装置と同じ装置であり、前処理工程は同一処理室内で行うことが好ましい。
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)され、処理室201内に搬入(ボートロード)され、処理室201内の圧力は所定の圧力となるよう圧力調整され、処理室201内が所望の温度分布となるよう温度調整される。その後、次の前処理工程を実行する。
前処理工程(改質工程)では、改質ガスとしてNHガスを流す。前処理の目的は、ウエハ200の表面の清浄化(改質)であって、Siがウエハ200の表面上に堆積しやすい、又はSi含有ガスがウエハ200の表面上に吸着しやすい環境を整えることである。ウエハ200の表面の清浄化(改質)とは、少なくともウエハ表面に存在する自然酸化膜または汚染物を除去することである。
まず第3のガス供給管232cに設けたバルブ243c、及びガス排気管231に設けたAPCバルブ244を共に開けて、第3のガス供給管232cからマスフローコントローラ241cにより流量調整されたNHガスを第2のノズル249bのガス供給孔250bからバッファ室237へ噴出し、第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270間に高周波電源273から整合器272を介して高周波電力を印加してNHをプラズマ励起し、活性種としてガス供給孔250cから処理炉202に供給しつつガス排気管231から排気する。NHガスをプラズマ励起することにより活性種として流すときは、APCバルブ244を適正に調整して処理炉202内圧力を例えば50Paとする。マスフローコントローラ241cで制御するNHガスの供給流量は、100sccm〜10000sccm(好適には1000〜10000sccm)である。NHガスをプラズマ励起することにより得られた活性種にウエハ200を晒す時間は2〜120秒間である。このときのヒータ207温度はウエハ200が300〜600℃になるよう設定してある。
NHガスは反応温度が高いため、上記のようなヒータ207温度、処理炉202内圧力では反応しづらいので、上述した実施形態では、プラズマ励起することにより活性化してから流すようにしており、このためウエハ温度は設定した低い温度範囲のままで行うことができる。このとき、前処理温度は後述する成膜温度と同じ温度とする。この理由の一つとして、縦型装置では、前処理工程で温度を高くしてしまうと、後に行われる成膜工程において温度を低くするのに時間がかかることになるが、それを防止することがあげられる。
また、ヒータ207の温度をウエハ200の温度が600℃以上になるように設定した場合は、NHガスを活性化するために必要なエネルギーを熱エネルギーとして得ることができるため、NHガスを供給する際にプラズマ励起しなくても良い。この場合、APCバルブ244を適正に調整して、処理炉202内の圧力をプラズマ励起時の50Paより高い値に設定することで、NH3ガスを活性化することが可能となる。尚、NHガスは熱で活性化させて供給した方が、ソフトな反応を生じさせることができ、成膜工程における窒化処理をソフトに行うことができる。
このように前処理を行う際、NHガスは連続的に供給する。また、N等の不活性ガスも同時に処理炉202に連続的に供給することが好ましい。この前処理工程により、活性種となったNHガスはウエハ200表面と反応して、ウエハ表面を改質し、Siがウエハ200の表面上に堆積しやすい、又はSi含有ガスがウエハ200の表面上に吸着しやすい環境を整える。
ウエハ200の表面の改質後、第3のガス供給管232cのバルブ243cを閉めて、NHガスの供給を止める。また、ガス排気管231のAPCバルブ244は開いたままにし、真空ポンプ246により、処理炉202を20Pa以下に排気し、残留NHガスを処理炉202から排除する。また、この時にN等の不活性ガスを処理炉202に供給すると、更に残留NHガスを排除する効果が高まる。
このように本実施形態の前処理(改質)工程において、NHガス等の窒素を含むガスをプラズマで励起することによって生成された活性種を下地表面に供給することにより、下地表面を清浄化して自然酸化膜及び汚染物を除去することができる。また下地のSi層をSiN膜へと改質することができる。したがって、SiN膜を形成する前に、この前処理工程を行うことは非常に有用である。特に、前処理工程と成膜工程を同一処理室内で行うことができる本実施形態では、前処理された下地表面は再汚染されることがないため、その後の成膜工程のインキュベーションタイム発生を抑制できる。その結果、成膜初期過程での核形成は省略され、初期過程で形成された膜とそれ以降に形成された膜の膜質に差が無くなるので、界面の膜質が改善される。
なお、前処理工程の後に行う成膜工程は、HCDガスとNH3ガスを用いて第1の成膜工程を行い第1のSiN膜を形成した後、DCSガスとNHガスを用いて第2の成膜工程を行い第2のSiN膜を形成する2段階で行う成膜工程であっても良く、どちらか片方のみの成膜工程であっても良い。すなわち、前処理工程の後にHCDガスとNHガスを用いて所定の膜厚までSiN膜を形成しても良いし、前処理工程の後にDCSガスとNHガスを用いて所定の膜厚までSiN膜を形成しても良い。
[第3の実施形態]
本実施形態では、第1の実施形態の第1の成膜工程においてHCDガスを用いて成膜を行う場合、HCDガスの供給条件を変えることで1サイクルあたりのSiN膜の膜厚を制御することができ、さらに成膜工程の後に後処理工程(改質工程)を行う実施形態について説明する。
HCDガスの供給条件とは、時間、流量、圧力のいずれかである。また、窒素含有ガスであるNHガスは、熱により活性化されて処理室201に供給することもできるが、プラズマ励起により活性化されて処理室201に供給されるのが好ましい。
HCDガス及びNHガスを用いてウエハ200の上にSiN膜を形成する第1の成膜工程において、HCDガスの供給条件を変えることにより、1サイクルあたりに形成されるSi膜の膜厚を所望の値に制御する。
また、成膜工程を行ってウエハ200の上にSiN膜を形成した後に、プラズマ励起により活性化したガス、例えばNHガスの活性種をウエハ200へ供給することにより、ウエハ200の上に形成されたSiN膜を改質することができる。成膜処理と改質処理を1サイクルとして所定回数のサイクルを繰り返すことにより、改質処理を行わない場合と比較して1サイクルあたりに形成されるSiN膜を厚くすることができる。成膜処理と改質処理には処理室201内の温度を、ヒータ207を制御して同じ温度とすると好ましい。改質処理に使用するガスとしてプラズマ励起により得られた活性種を用いることにより、成膜処理と同じ温度とすることが可能となる。
図9は、シリコン(Si)ウエハ200の上に形成されたSiN膜の膜厚を測定した結果を示している。(a)は、ウエハ200の表面の改質処理を行っていない場合のSi膜の膜厚であり、(b)はウエハ200の表面にSi膜を形成した後にプラズマ励起を用いた改質処理を行った際に得られたSiN膜の膜厚であり、(c)は(a)と(b)の差分であって改質処理の有無により得られる膜厚の差を示している。図9から、NHガスをプラズマ励起することにより得られた活性種によって、Si層が12Å程度の厚さのSiN層に改質されたことがわかる。HCDガスのような反応性の高い反応ガスを用いた場合、HCDガスの供給条件(供給時間、供給流量、供給圧力など)を変化させることで、1サイクルあたりに形成されるSi膜の膜厚を1〜5Å程度まで制御することが可能なため、5Å程度のSi膜を形成した後に、NHガスをプラズマ励起することにより得られた活性種を流した場合、1サイクルあたり10Å程度のSiN膜の形成が可能となる。1サイクルあたりに形成されるSiN膜の膜厚が厚ければ厚いほど、単時間あたりに処理できる半導体基板の枚数が増えるため、本実施形態は生産性の向上に直結する。
また、成膜工程において、NHガスをプラズマ励起により活性化させて供給する場合、SiN膜の組成比は、ほぼSi/N=3/4である。一方、NH3ガスを熱により活性化させて供給する場合、SiN膜の組成比を制御することが容易にでき、例えばSi原子が多いSiRN(Silicon Rich Nitride)膜とすることができる。
また、処理室内に供給されるHCDガスの供給時間及び供給レートと膜厚、屈折率の関係は次のとおりである。SiN膜中のSi源となるHCDガスの供給時間を延長させることによって、SiN膜中に含まれるSiの量は増加頃向となる。また、HCDガスの供給レートを増加させることによっても同様にSiの量が増加する傾向となる。これらの関係を示すデータを図10に示す。図10(a)は、HCDガスの供給時間と成膜速度(◆)、屈折率(▲)の関係を示しており、横軸にHCDガスの供給時間、左の縦軸に形成されるSiN膜の成膜速度、右の縦軸に形成されたSiN膜の屈折率の値が示されている。また、図10(b)は、HCDガスの供給レートと成膜速度(◆)、屈折率(▲)の関係が示されており、横軸にHCDガスの供給レート、左の縦軸に形成されるSiN膜の成膜速度、右の縦軸に形成されたSiN膜の屈折率の値が示されている。Si膜単独の屈折率はSiNの屈折率2.0と比べ高いため、SiN膜中におけるSiの量の増加は、屈折率の上昇として現れる。Siの量の増加は1サイクルあたりに形成されるSiN膜の増加に繋がるため、Siの量を増加させることにより、成膜速度を向上させることができる。
なお、本実施形態における成膜工程は、HCDガスとNHガスを用いて第1の成膜工程を行い第1のSiN膜を形成した後、DCSガスとNHガスを用いて第2の成膜工程を行い第2のSiN膜を形成する2段階で行う成膜工程であっても良く、どちらか片方のみの成膜工程であっても良い。すなわち、HCDガスとNHガスを用いてウエハ202の上にSiN膜を成膜する成膜工程の後に改質工程を行っても良いし、DCSガスとNHガスを用いてウエハ202の上にSiN膜を成膜する成膜工程の後に改質工程を行っても良い。
また、本発明は色々な形態で実施され得るので、本発明の範囲は、上述の実施形態や実施例に限定されるものではなく、第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態をそれぞれ組み合わせて行っても良い。また、上記した第1〜第3の実施形態では、いずれも複数のウエハを積層して収容する処理室を有する縦型装置を用いて複数枚同時処理するようにしたが、本発明は、1枚または2〜3枚のウエハを収容する収容室を有する枚葉装置を用いて1枚または2〜3枚の枚葉処理する場合についても適用可能である。すなわち、本発明の範囲は、請求項によって定義され、請求項の境界内にある全ての変更あるいはその同等なものは、本請求項に包含される。
以下に、本発明の好ましい態様を付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、処理室内に載置された基板の表面に、第1の成膜工程を行うことにより第1の薄膜を形成し、第2の成膜工程を行うことにより第1の薄膜の上に第1の薄膜と同じ元素成分を有する第2の薄膜を形成する半導体装置の製造方法であって、第1の成膜工程は、処理室内に、第1の元素を含む第1の処理ガスを供給する第1の工程と、処理室内に残留する第1の処理ガスを排気する第2の工程と、処理室内に、第2の元素を含む第2の処理ガスを供給する第3の工程と、処理室内に残留する第2の処理ガスを排気する第4の工程とを含み、第1〜第4の工程を1サイクルとして所定回数のサイクルを行うことにより、基板の表面に第1の薄膜を形成し、第2の成膜工程は、処理室内に、第1の元素を含み第1の処理ガスと異なる元素成分を有する第3の処理ガスを供給する第5の工程と、処理室内に残留する第3の処理ガスを排気する第6の工程と、処理室内に、第2の元素を含む第2の処理ガスを供給する第7の工程と、処理室内に残留する第2の処理ガスを排気する第8の工程と、を含み、第5〜第8工程を1サイクルとして所定回数のサイクルを行うことにより、第1の薄膜の上に第2の薄膜を形成する半導体装置の製造方法が提供される。
(付記2)
好ましくは、第1の処理ガスは、それ単独で膜を堆積させることができるような処理ガスであって、第2の処理ガスは、それ単独では膜を堆積させることができないような処理ガスである。
(付記3)
好ましくは、第1の処理ガスは第2の処理ガスより高い熱分解性を有する。
(付記4)
好ましくは、第1の元素はシリコンであり、第1の処理ガスはヘキサクロロシランであり、第2の処理ガスはジクロロシランである。
(付記5)
好ましくは、第2の元素は窒素であり、第3の処理ガスはアンモニア、三フッ化窒素及びNのいずれかであり、第1の薄膜及び第2の薄膜はシリコン窒化膜である。
(付記6)
好ましくは、第1の薄膜は、少なくとも3Å以上の膜厚で形成される。
(付記7)
好ましくは、第1の成膜工程の前に、処理室内に第3の処理ガスを供給して、基板の表面の自然酸化膜もしくは汚染物を除去する前処理工程を行う。
(付記8)
好ましくは、第3の処理ガスをプラズマ励起により活性化して使用する。
(付記9)
好ましくは、基板の温度は300〜600℃である。
(付記10)
好ましくは、第3の処理ガスを熱により活性化して使用する。
(付記11)
好ましくは、基板の温度は600℃以上である。
(付記12)
好ましくは、第1の成膜工程、第2の成膜工程及び前処理工程は同じ処理室内で行う。
(付記13)
好ましくは、第1の成膜工程、第2の成膜工程及び前処理工程は、基板を同じ温度に加熱して行う。
(付記14)
好ましくは、第2の成膜工程の後に、処理室内にプラズマ励起により活性化された第3の処理ガスを供給して、第2の薄膜を改質する。
(付記15)
好ましくは、第1の成膜工程では、第2の処理ガスの供給条件を変えることで1サイクルで形成される膜の膜厚を制御する。
(付記16)
本発明の他の態様によれば、処理室内に載置された基板の表面に、成膜工程を行うことにより薄膜を形成し、その後、改質工程を行うことにより薄膜を改質する半導体装置の製造方法であって、成膜工程は、処理室内に、第1の元素を含む第1の処理ガスを供給する第1の工程と、処理室内に残留する第1の処理ガスを排気する第2の工程と、処理室内に、第2の元素を含む第2の処理ガスを供給する第3の工程と、処理室内に残留する第2の処理ガスを排気する第4の工程と、を含み、第1〜第4の工程を1サイクルとし、所定回数行うことにより薄膜を形成し、改質工程は、処理室内に、プラズマ励起により活性化された第2の処理ガスを供給して薄膜を改質し、基板の温度を一定の温度に保ちつつ成膜工程と改質工程を所定回数繰り返すことにより、所定膜厚の薄膜を形成する半導体装置の製造方法が提供される。
(付記17)
好ましくは、成膜工程と改質工程は同じ処理室内で行う。
(付記18)
本発明の他の態様によれば、基板が載置された処理室内に、第1の処理ガスを供給する第1の工程と、処理室内に残留する第1の処理ガスを排気する第2の工程と、処理室内に、第2の処理ガスを供給する第3の工程と、処理室内に残留する第2の処理ガスを排気する第4の工程と、を1サイクルとして所定回数行って、基板上に膜を形成する半導体装置の製造方法であって、第1の工程では、第1の処理ガスの供給条件を変えることにより、1サイクルで形成される膜の膜厚を制御する半導体装置の製造方法が提供される。
(付記19)
好ましくは、第1の処理ガスの処理条件とは、時間、流量、圧力のいずれかである。
(付記20)
好ましくは、第1の処理ガスはヘキサクロロシランであって、第2の処理ガスはアンモニアであって、基板上に形成される膜はシリコン窒化膜である。
(付記21)
好ましくは、第2の処理ガスはプラズマ励起により活性化された状態で使用される。
(付記22)
本発明の他の態様によれば、基板を収容する処理室と、少なくとも基板を加熱する加熱機構と、処理室内に、第1の元素を含む第1の処理ガス及び第1の元素を含み第1の処理ガスとは異なる第2の処理ガスを供給する第1の処理ガス供給系と、処理室内に第2の元素を含む第3の処理ガスを供給する第2の処理ガス供給系と、処理室内の雰囲気を排気する排気系と、加熱機構、第1の処理ガス供給系、第2の処理ガス供給系及び排気系を制御する制御部と、を有し、制御部は、加熱機構、第1の処理ガス供給系、第2の処理ガス供給系及び排気系を制御して、少なくとも基板を所定の温度に加熱しつつ、処理室内に第1の処理ガスと第3の処理ガスを交互に供給して第1の膜を形成した後、処理室内に第2の処理ガスと第3の処理ガスを交互に供給して第2の膜を形成する基板処理装置であって、第1の膜と第2の膜は同じ元素成分を有する基板処理装置が提供される。
(付記23)
好ましくは、さらに、電力が印加されることにより処理室内に供給された第3の処理ガスを励起するプラズマを生成する少なくとも一対の電極を有し、第3の処理ガスをプラズマ励起により活性化して使用する。
(付記24)
本発明の他の態様によれば、基板を収容する処理室と、少なくとも基板を加熱する加熱機構と、処理室内に、第1の処理ガスを供給する第1の処理ガス供給系と、処理室内に第2の処理ガスを供給する第2の処理ガス供給系と、処理室内の雰囲気を排気する排気系と、加熱機構、第1の処理ガス供給系、第2の処理ガス供給系及び排気系を制御する制御部と、を有し、制御部は、加熱機構、第1の処理ガス供給系、第2の処理ガス供給系及び排気系を制御して、処理室内に第1の処理ガスと第2の処理ガスを交互に供給して膜を形成した後、処理室内に第2の処理ガスを供給して形成された膜を改質する基板処理装置であって、膜を形成する際と形成された膜を改質する際は同じ温度で行い、所定の膜厚まで膜形成処理と改質処理を繰り返す基板処理装置が提供される。
(付記25)
好ましくは、さらに、電力が印加されることにより処理室内に供給された第3の処理ガスを励起するプラズマを生成する少なくとも一対の電極を有し、第3の処理ガスをプラズマ励起により活性化して使用する。
(付記26)
本発明の他の態様によれば、基板を収容する処理室と、少なくとも基板を加熱する加熱機構と、処理室内に、第1の処理ガスを供給する第1の処理ガス供給系と、処理室内に第2の処理ガスを供給する第2の処理ガス供給系と、処理室内の雰囲気を排気する排気系と、加熱機構、第1の処理ガス供給系、第2の処理ガス供給系及び排気系を制御する制御部と、を有し、制御部は、加熱機構、第1の処理ガス供給系、第2の処理ガス供給系及び排気系を制御して、処理室内に第1の処理ガスと第2の処理ガスを交互に供給して膜を形成する工程を1サイクルとして所定サイクルを繰り返すことにより基板上に膜を形成する基板処理装置であって、第2の処理ガスの供給条件を変えることで1サイクルで形成される膜の膜厚を制御する基板処理装置が提供される。
(付記27)
本発明の他の態様によれば、(付記1)〜(付記21)に記載の半導体装置の製造方法を用いて形成された膜を有する半導体装置が提供される。
(付記28)本発明の他の態様によれば、(付記22)〜(付記26)に記載の基板処理装置を用いて形成された膜を有する半導体装置が提供される。
200 ウエハ(基板)
201 処理室
202 処理炉
207 ヒータ(加熱機構)
146 真空ポンプ(排気系)
121 コントローラ(制御部)

Claims (14)

  1. 基板が収容された処理室に第1の処理ガスを供給する工程と、
    前記処理室を排気する工程と、
    を含み、各工程を行うことにより、前記基板を前処理する前処理工程と、
    前記前処理された基板が収容された処理室に第1の元素を含む第2処理ガスを供給する工程と、
    前記処理室を排気する工程と、
    前記処理室に第2の元素を含む第3の処理ガスを供給する工程と、
    前記処理室を排気する工程と、
    を含み、各工程を順に所定回数行うことにより、前記基板上に第1の膜を形成する第1の膜形成工程と、
    前記第1の膜が形成された基板が収容された処理室に前記第1の元素を含む第4の処理ガスを供給する工程と、
    前記処理室を排気する工程と、
    前記処理室に前記第3の処理ガスを供給する工程と、
    前記処理室を排気する工程と、
    を含み、各工程を順に所定回数行うことにより、前記第1の膜の上に第2の膜を形成する第2の膜形成工程と、
    を有する半導体装置の製造方法。
  2. 前記第2の元素は窒素であり、前記第1の処理ガス及び前記第3の処理ガスは窒素含有ガスである請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1の膜形成工程及び前記第2の膜形成工程では、前記第1の処理ガスを前記第3の処理ガスとして用いる請求項1もしくは請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記前処理工程、前記第1の膜形成工程及び前記第2の膜形成工程は、同一の処理室で行う請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記前処理工程、前記第1の膜形成工程及び前記第2の膜形成工程は、前記基板を同一の温度に加熱した状態で行う請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記第2の膜形成工程の後、前記第2の膜が形成された基板を改質する改質工程を有し、
    前記改質工程は、
    前記第2の膜が形成された基板が収容された処理室に改質ガスを供給する工程と、
    前記処理室を排気する工程と、
    を含む請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記第2の元素は窒素であり、前記第1の処理ガス、前記第3の処理ガス及び前記改質ガスは窒素含有ガスである請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記第1の膜形成工程、前記第2の膜形成工程及び前記改質工程では、前記第1の処理ガスを前記第3の処理ガス及び前記改質ガスとして用いる請求項6もしくは請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第3の処理ガスは前記第4の処理ガスより高い熱分解性を有する請求項1〜8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記前処理工程、前記第1の膜形成工程、前記第2の膜形成工程及び前記改質工程は、同一の処理室で行う請求項6〜9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記前処理工程、前記第1の膜形成工程、前記第2の膜形成工程及び改質工程は、前記基板を同一の温度に加熱した状態で行う請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記前処理とは、前記基板上の自然酸化膜除去もしくは前記基板上の汚染物除去のいずれかである請求項1〜11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記第1の膜形成工程は、前記第1の膜の膜厚が3Å以上となるまで各工程を繰り返し行う請求項1〜12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  14. 基板を収容する処理室と、
    前記処理室に第1の処理ガス、第1の元素を含む第2の処理ガス、第2の元素を含む第3の処理ガス及び第1の元素を含む第4の処理ガスを供給するガス供給系と、
    前記処理室を排気する排気系と、
    基板が収容された処理室に前記第1の処理ガスを供給する処理と、前記処理室を排気する処理と、を含み、各処理を行うことにより、前記基板を前処理し、前記前処理された基板が収容された処理室に前記第2処理ガスを供給する処理と、前記処理室を排気する処理と、前記処理室に前記第3の処理ガスを供給する処理と、前記処理室を排気する処理と、を含み、各処理を順に所定回数行うことにより、前記基板上に第1の膜を形成する第1の膜形成処理と、前記第1の膜が形成された基板が収容された処理室に前記第4の処理ガスを供給する処理と、前記処理室を排気する処理と、前記処理室に前記第3の処理ガスを供給する処理と、前記処理室を排気する処理と、を含み、各処理を順に所定回数行うことにより、前記第1の膜の上に第2の膜を形成する第2の膜形成処理と、を行うよう前記ガス供給系、前記排気系を制御する制御部と、
    を有する基板処理装置。

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