(第1実施形態)
図1は、本発明における立体表示形成体(1)(以下、「形成体」という。)が付与された偽造防止媒体(S1)を示す平面図である。偽造防止媒体(S1)は一例として商品券としている。
偽造防止媒体(S1)は、紙、プラスチックカード等の一般的な印刷に用いられる基材(2)、又は、シート状のアルミ、パールインキが塗工された用紙等の光輝性を有する基材(2)上に、店舗名、券種等の偽造防止媒体(S1)に関する情報が、シアン、マゼンタ等の一般的に用いられるインキにより付与されている。偽造防止媒体(S1)は、基材(2)上における少なくとも一部に、形成領域(Z)(以下、「領域」という。)を備えている。領域(Z)内には、立体視可能な画像を有する形成体(1)が配置されている。
図2は、形成体(1)が有する立体視可能な画像を示す平面図である。形成体(1)は、第1の画像(3)を有する。第1の画像(3)は、基材(2)に対して所定の角度から観察した場合に、立体的に視認される画像である。第1の画像(3)は、光輝性を有する凹形状又は凸形状の万線から形成されている。以下、第1の画像(3)について、詳細に説明する。
図3(a)は、第1の画像(3)の詳細を示す平面図である。第1の画像(3)は、少なくとも一つの第1の要素領域(3E)から成る。第1の要素領域(3E)は、それぞれが第1の画像(3)を構成するパーツであり、第1の要素領域(3E)は配置されて、全体で第1の画像(3)である「N」の文字形状を形成している。例えば、第1の画像(3)は文字形状「N」で示す画像であり、太線で示す五つの第1の要素領域(3E)から成る。なお、明確に説明するために、第1の要素領域(3E)を示す線を図示しているが、仮想の線であり、実際の第1の画像(3)には形成されない。また、第1の画像(3)に対する、第1の要素領域(3E)の分割方法の詳細については後述する。
図3(b)は、図3(a)に示す一つの要素領域(3E)の拡大図である。第1の要素領域(3E)は、万線状に配置された、円弧状の第1の情報画線(4)から成る。第1の情報画線(4)は、第1のピッチ(P1)で複数形成されている。
第1の要素領域(3E)内に配置された第1の情報画線(4)において、始点(U)と終点(D)を結ぶ直線を基準線(H1)とした場合、基準線(H1)は同じ方向で万線状に配置される。その際、複数の第1の情報画線(4)において、基準線(H1)は平行となる。基準線(H1)を同じ方向とすることで、第1の情報画線(4)は、第1の要素領域(3E)内において、直線状の第1の方向(X1)に配置される。
なお、図3では、第1の情報画線(4)の基準線(H1)を同じ方向として説明したが、異なる方向とすることも可能である。図4は、第1の情報画線(4)の他の配置形態を示す模式図である。図4に示す第1の要素領域(3E)において、第1の情報画線(4)の基準線(H1a、H1b、H1c、H1d、H1e)は、異なる方向で万線状に配置される。例えば、基準線(H1a)を0度とした場合、基準線(H1a)に対して基準線(H1b)は5度、基準線(H1c)は10度、基準線(H1d)は15度、基準線(H1e)は20度である。
基準線(H1a、H1b、H1c、H1d、H1e)を異なる方向とすることで、例えば、図4(b)に示す複数の第1の情報画線(3)は、図内において、0度の基準線(H1a)に対して他の基準線(H1b、H1c、H1d、H1e)が徐々に傾いて配置される。
本発明の立体視可能な第1の画像(3)は、詳細については視認原理を説明する際に後述するが、基材(2)に対する観察角度を変化させることで、動的に視認することが可能である。
図3に示す、第1の情報画線(4)の基準線(H1)を同じ方向で万線状に配置された場合と、図4に示す、異なる方向で万線状に配置された場合では、基材(2)に対する観察角度を変化した時に、画像の動き方が異なる。例えば、図3に示すように、基準線(H1)を同じ方向で万線状に配置した第1の画像(3)は、左右方向に動的に視認され、図4に示すように、基準線(H1)を異なる方向で万線状に配置した第1の画像(3)は、斜め方向に動的に視認される。
なお、図4においては、第1の情報画線(4)の基準線(H1a、H1b、H1c、H1d、H1e)を、0〜20度の範囲内で徐々に傾けて配置したが、傾ける角度の範囲は前述範囲に限らない。
詳細な視認原理については後述するが、本発明の立体視可能な第1の画像(3)は、定位置の光源に対して、第1の情報画線(4)において光輝性を有して視認される箇所が、観察角度の変化により第1の情報画線(4)上を移動することで、動的に視認可能となる。
始点(U)における基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H2)が成す角度(θ1)と、終点(D)における基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H3)が成す角度(θ2)が大きい(90度に近い)場合、肉眼で定位置の光源に対して、第1の情報画線(4)上の光輝性を有して視認される範囲が大きくなる。よって、前述した傾ける角度の範囲も光輝性を有して視認される範囲に伴い、大きくなる。
反対に、始点(U)における、基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H2)が成す角度(θ1)と、終点(D)における、基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H3)が成す角度(θ2)が小さい(0度に近い)場合、肉眼で定位置の光源に対して光輝性を有して視認される範囲が小さくなる。よって、前述した傾ける角度の範囲も光輝性を有して視認される範囲に伴い、小さくなる。
始点(U)における基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H2)が成す角度(θ1)と、終点(D)における基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H3)が成す角度(θ2)が大きい(90度に近い)場合、肉眼で定位置の光源に対して、第1の情報画線(4)上の光輝性を有して視認される範囲が大きくなる。よって、前述した傾ける角度の範囲も光輝性を有して視認される範囲に伴い、大きくなる。
以上、複数の第1の情報画線(4)の基準線(H1a、H1b、H1c、H1d、H1e)を傾ける角度の範囲は、第1の画像(3)が立体視可能となるように、2〜90度の範囲内で、適宜設定することが可能である。
以下、本実施形態においては、第1の情報画線(4)の基準線(H1)を、図3に示した同じ方向である第1の方向(X1)に配置した場合について説明する。
次に、第1の情報画線(4)を配置する第1のピッチ(P1)について説明する。第1のピッチ(P1)は、第1の情報画線(4)の形成方法、用いる基材(2)及び画線幅を考慮し、5〜1000μmの範囲内で適宜設定することが可能である。
第1のピッチ(P1)が5μm未満である場合には、基材(2)上に第1の情報画線(4)を形成しづらくなり、好ましくない。
反対に、第1のピッチ(P1)が1000μmを超える場合には、隣り合う第1の情報画線(4)間の光輝性を有しない領域が肉眼で視認可能となる。それにより、第1の画像(3)内において、光輝性を有しない面積が存在し、第1の画像(3)を立体的に視認する際の視認性が低下することから、好ましくない。
なお、図3では、第1のピッチ(P1)を、すべて同じ規則的なピッチである第1のピッチ(P1)で図示しているが、ランダムなピッチとすることも可能である。
図5は、第1の情報画線(4)を第1の方向(X1)に配置した他の形態を示す平面図である。第1の情報画線(4)は、第1の方向(X1)に、ランダムなピッチ(PL)で配置されている。ランダムなピッチ(PL)で配置する場合には、その一つ一つのピッチは、前述した第1のピッチ(P1)の範囲と同様に、5〜1000μmの範囲内で適宜設定することが可能である。なお、ランダムなピッチ(PL)で配置した場合にも、第1の情報画線(4)は、第1の要素領域(3E)内に配置される。
また、ピッチ(PL)を、5〜1000μmの範囲内とする理由については、前述した第1のピッチ(P1)と同様であることから説明を省略する。なお、立体視される画像の視認性を考慮すると、複数の第1の情報画線(4)から成る第1の画像(3)が均一な光輝性を有して視認されることが、好ましい。均一な光輝性を有して視認されることで、立体画像として視認しやすくなる。よって、第1の情報画線(4)のピッチは規則的な第1のピッチ(P1)で形成することが、好ましい。よって、以下、本実施の形態においては、第1の情報画線(4)は第1のピッチ(P1)で形成してあるとして説明する。
第1の情報画線(4)の画線幅は、第1のピッチ(P1)を考慮し、5〜1000μmの範囲内で適宜設定される。
画線幅が5μm未満である場合には、基材(2)上に第1の情報画線(4)を形成しづらいため、好ましくない。
反対に、画線幅が1000μm以上である場合には、画線幅に対応して第1の画像(3)の形状も大きくする必要がある。第1の画像(3)を大きくした際には、第1の画像(3)を両眼視差により立体視しづらくなり、好ましくない。
図6(a)は、図3に示す第1の情報画線(4)の一つを拡大した図である。第1の情報画線(4)は、前述のとおり、始点(U)、頂点(T)及び終点(D)を有する円弧状の画線である。
本発明の立体視可能な画像は、詳細については後述するが、基材(2)に対する観察角度を変化させることで、動的に視認することが可能である。動的に視認される理由は、基材(2)に対する観察角度を変化させることで、観察角度の変化に伴い、光輝性を有する第1の情報画線(4)の照明光を反射する箇所が変化するためである。第1の情報画線(4)を円弧状とすることで、第1の情報画線(4)の照明光を反射する箇所は、連続的に画線上を変化していく。よって、第1の画像(3)を動的に視認する際、第1の情報画線(4)を円弧状とすることで、第1の画像は連続的に動いているように視認される。
第1の要素領域(3E)内に配置された第1の情報画線(4)において、始点(U)と終点(D)を結ぶ直線を基準線(H1)とした場合、始点(U)において、基準線(H1)に対する円弧状の第1の情報画線(4)の接線(H2)が成す角度(θ1)は、2〜90度の範囲内で、適宜設定することが可能である。
詳細については後述するが、第1の画像(3)は、第1の情報画線(4)の始点(U)と終点(D)間とで、光源からの入射光は両眼視差が可能な範囲内において、異なる方向に反射することで、立体画像として視認される。始点(U)において、基準線(H1)に対する円弧状の第1の情報画線(4)の接線(H2)が成す角度(θ1)が2度未満である場合には、光源からの反射光が、ほぼ同じ方向に反射するため、適当な観察距離において両眼視差が不可能となり、好ましくない。
反対に、始点(U)において、基準線(H1)に対する円弧状の第1の情報画線(4)の接線(H2)が成す角度(θ1)が90度を超える場合には、始点(U)側と、終点(D)側とで、異なる方向に入射光は反射するが、両眼視差可能な範囲外となるため、好ましくない。
また、終点(D)において、基準線(H1)に対する円弧状の第1の情報画線(4)の接線(H3)が成す角度(θ2)においても、前述の始点(U)側と同様の理由から、2〜90度の範囲内で、適宜設定することが可能である。
第1の要素領域(3E)内に配置された第1の情報画線(4)は、始点(U)において、基準線(H1)と基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H2)が成す角度(θ1)とは、すべての第1の情報画線(4)において、同じであることが好ましい。また、終点(D)において、基準線(H1)と基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H3)は成す角度(θ2)においても、すべての第1の情報画線(4)において、同じ角度とすることが、好ましい。
前述のとおり、第1の情報画線(4)は、第1の要素領域(3E)内に配置される。第1の画像(3)を両眼視差により立体視する際に、始点(U)側の角度(θ1)と、終点(D)側の角度(θ2)が同じ角度である場合、第1の情報画線(4)からの反射光の方向はすべての第1の情報画線(4)において、同一方向となる。よって、肉眼において、明瞭に第1の画像(3)を視認することが可能となる。一方、始点(U)側の角度(θ1)と、終点(D)側の角度(θ2)が異なる角度である場合、第1の情報画線(4)からの反射光の方向にバラつきが生じる。それにより、第1の画像(3)はぼやけた画像として視認され、好ましくない。
また、他の第1の情報画線(4)の、好ましい配置としては、図7(a)に示すように、第1の要素領域(3E)において、第1の要素領域(3E)内に配置された、複数の第1の情報画線(4)の各基準線(H1)の中心を結ぶ仮想線(J)上に第1の情報画線の頂点(T)が配置されるか、又は、図7(b)に示すように、仮想線(J)に対して始点(U)側及び終点(D)側の左右一方に第1の情報画線(4)の頂点(T)が配置されることが、好ましい。
図7(a)に示す構成とすることで、第1の画像(3)を両眼視差により立体視する際に、始点(U)側の角度(θ1)と、終点(D)側の角度(θ2)が同じ角度である場合、第1の情報画線(4)からの反射光の方向はすべての第1の情報画線(4)において、同一方向となり、肉眼において、明瞭に第1の画像(3)を視認することが可能となる。
また、図7(b)に示す構成とすることで、始点(U)側の角度(θ1)と、終点(D)側の角度(θ2)は異なる角度であるが、始点(U)側の角度(θ1)と終点(D)側の角度が、仮想線(J)に対して左右すべてにおいて、大小関係が発生する。例えば、図7(b)においては、仮想線(J)に対して、左側にすべての頂点(T)が配置されている。それにより、第1の要素領域(3E)内に配置された第1の情報画線(4)の始点(U)側の角度(θ1)は、終点(D)側の角度(θ2)より大きくなる。それにより、第1の情報画線(4)からの反射光の方向にバラつきが、あまり生じることなく、第1の画像(3)は明瞭に視認することが可能となる。
以下、本実施の形態においては、始点(U)における基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H2)が成す角度(θ1)と、終点(D)における基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H3)が成す角度(θ2)を、それぞれ基材(2)上に複数配置された、すべての第1の情報画線(4)において、同じ角度として説明する。
基準線(H1)の長さは、第1の画像(3)の大きさや、第1の画像(3)と観察者との距離に合わせて適宜設定するが、0.5〜65mmの範囲内とすることが、好ましい。本発明の第1の画像(3)は、両眼視差を用いることで、立体視することが可能な画像である。一般的な人間の両目間の距離である65mm以下に留めなければならない。また、万人がそれと感じる適当な遠近感を生み出すためには、0.5mm以上の所定距離で形成する必要がある。よって、基準線(H1)の長さを、前述の範囲内とすることで、両眼視差により第1の画像(3)を視認しやすくなる。
なお、形成体(1)を、セキュリティ製品等に用いる場合には、小さい方が改竄しづらく、偽造防止効果が向上することから、基準線(H1)の長さは、短い方が、好ましい。
また、形成体(1)を、ポスター、広告物等に意匠性の向上を目的として用いる場合には、形成体(1)が大きくことから、形成体(1)の大きさの変化に伴い、基準線(H1)の長さが長くなる。よって、ポスター、形成体(1)と観察者との距離により、適宜基準線(H1)の長さは、前述した範囲に限らず適宜設定する。
以上のように、形成体(1)の大きさ、用途及び観察者と形成体(1)の距離に合わせて、第1の画像(3)が立体画像として視認可能となるように、適宜基準線(H1)の長さを設定する。
なお、図7(a)では、第1の情報画線(4)は頂点(T)を中心とし、左右対称の形状として図示しているが、左右非対称とすることも可能である。
図7(b)は、第1の情報画線(4)の他の形状を示す拡大図である。第1の情報画線(4)は、頂点(T)を中心とし、左右非対称の形状としている。左右非対称の形状とした場合には、始点(U)における基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H2)が成す角度(θ1)と、終点(D)における基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H3)が成す角度(θ2)は、前述した角度の範囲と同様に、それぞれ2度〜90度の範囲内で適宜設定することが可能である。以下、本実施の形態においては、第1の情報画線(4)は図7(a)に示す形状として説明する。
なお、第1の画像(3)は、前述した文字形状に限らず、第1の情報画線(4)を複数配置することが可能であれば、特段限定はされない。図8は、第1の画像(3)の他の形状を示す平面図である。第1の画像(3)は、図8(a)に示す、円形状や、図8(b)に示す、文字形状「A」や、図8(c)に示す顔形状とすることも可能である。図8(a)、図8(b)及び図8(c)においても、第1の要素領域(3E)は太線に示すように、第1の画像(3)を構成するパーツそれぞれを言い、第1の画像(3)が立体視可能とするように、適宜形成する。
なお、好ましくは、第1の画像(3)を形成する複数の第1の情報画線(4)の各基準線(H1)の中心を結ぶ仮想線(J)が、一つの第1の要素領域(3E)内で一本となるように、第1の画像(3)を第1の要素領域(3E)に分割する。
例えば、図8(a)において、第1の画像(3)を形成する複数の第1の情報画線(4)の各基準線(H1)の中心を結ぶ仮想線(J)は一本である。よって、第1の画像(3)は、一つの第1の要素領域(3E)から構成される。
また、図8(b)において、第1の画像(3)を形成する複数の第1の情報画線(4)を、第1の要素領域(3E1)の下側から配置した場合、第1の情報画線(4)の配列がくずれる箇所が発生する。この配列がくずれる箇所を、第1の要素領域(3E2)に示すように分割することで、各要素領域(3E)内において、各基準線(H1)の中心を結ぶ仮想線(J)が一本となり、第1の画像(3)は、立体視可能な画像となる。
なお、複数の第1の要素領域(3E)は、領域ごとに異なる方向に第1の情報画線(4)を配置することも可能である。
例えば、図8(c)に示す第1の画像(3)において、第1の要素領域(3E)である目、鼻及び口において、それぞれの要素領域(3E)内において、第1の情報画線(H1)の基準線は、いずれも直線状の第1の方向で配置されているが、目をX11の方向(X11)で配置し、鼻をX12の方向(X12)で配置し、口をX13の方向(X13)で配置し、X11の方向(X11)、X12の方向(X12)及びX13の方向(X13)を互いに異なる方向とすることも可能である。
また。図4において説明したように、本発明の形成体(S)は、一つの第1の要素領域(3E)内において、第1の情報画線(4)の基準線(H1)は異なる方向とすることも可能である。
例えば、図8(c)に示す第1の画像(3)において、第1の要素領域(3E)である目、鼻及び口において、目は第1の情報画線(4)の基準線(H1)を図4において前述した異なる方向で配置し、鼻及び口は、図3において前述した基準線(H1)を同じ方向で配置することも可能である。
基準線(H1)が同じ方向で配列した要素領域(3E)と、異なる方向で配列した要素領域(3E)は、観察角度の変化により、互いに異なる方向に動的に視認される。よって、図8(c)においては、鼻及び口は同じ方向に動的に視認されるが、目は鼻及び口とは異なる方向に動的に視認され、第1の画像(3)は、より複雑に動的に視認される。
次に、第1の情報画線(4)を形成する材料について、説明する。第1の情報画線(4)は光輝性を有する画線である。本発明における光輝性とは、明暗フリップフロップ性及び/又はカラーフリップフロップ性のことである。よって、第1の情報画線(4)は、明暗フリップフロップ性及び/又はカラーフリップフロップ性を有する材料で形成する。
明暗フリップフロップ性とは、観察角度の変化により明度の変化が生じることであり、カラーフリップフロップ性とは、観察角度の変化により色相の変化が生じることである。本発明において、立体的、かつ、動的に視認される画像は、第1の情報画線(4)上の入射光を正反射する部位から成る。正反射した入射光と拡散反射した入射光のコントラストが大きいことで、肉眼において立体的、かつ、動的に画像を視認することが可能となる。そのため、第1の画像(3)は、光源に対して所定の反射光量を有する材料である、明暗フリップフロップ性及び/又はカラーフリップフロップ性を有する材料を用いる必要がある。
明暗フリップフロップ性及び/又はカラーフリップフロップ性を有する材料には、アルミニウム粉末、銅粉末、亜鉛粉末、錫粉末、真鍮粉末又はリン化鉄等の一般的な金属粉顔料や、虹彩色パール顔料、鱗片状顔料等の一般的なパール顔料を含むインキや、透明インキ、グロス系のインキがある。
また、基材(2)に用いることが可能な明暗フリップフロップ性及び/又はカラーフリップフロップ性を有する材料には、アルミ、ステンレス等の一般的な金属材料や、フィルム、プラスチック等の樹脂材料の他に、パールインキ、平滑な表面を形成可能な塗料等が塗工された基材(2)があるが、第1の情報画線(4)が、明暗フリップフロップ性及び/又はカラーフリップフリップ性を有していれば、形成する材料に限定はない。以下、本実施の形態においては、第1の情報画線(4)が光輝性を有する材料により形成されたとして説明する。
図9は、第1の情報画線(4)の断面形状を示す図である。図9(a)は、第1の情報画線(4)の平面図であり、図9(b)及び図9(c)は、図9(a)におけるA−A’断面図である。図9(b)及び図9(c)に示すように、第1の情報画線(4)は、基材(2)に対して、凹形状又は凸形状の画線である。
第1の情報画線(4)を凸形状の画線とした場合には、基材(2)に対する第1の情報画線(4)の高さは、5〜1000μmの範囲内で適宜設定することが可能である。
基材(2)に対する第1の情報画線(4)の高さが1000μm以上である場合には、基材(2)に対して、凹形状又は凸形状の画線として作製しづらくなり、好ましくない。
次に、第1の情報画線(4)の形成方法について説明する。第1の情報画線(4)は、基材(2)上に、光輝性を有するインキで盛りのある画線として形成する方法と、光輝性を有する基材(2)を凹形状又は凸形状に変形することで形成する方法とがある。
インキで盛りのある画線として形成する方法とは、基材(2)に対して公知の印刷方法に適した版面及び光輝性を有するインキを用いて印刷を行うことで形成する。第1の情報画線(4)を凹版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷より形成した場合には、形成された第1の情報画線(4)は、基材(2)に対して、盛りのある凸形状の画線として形成される。
基材(2)を凹形状又は凸形状に変形させて形成する方法とは、光輝性を有する基材(2)を、エンボス加工、レーザ加工等基材(2)を変形することが可能な公知の加工機を用いて、第1の情報画線(4)の形状に合わせて加工することで形成される。
なお、光輝性を有しない基材(2)を用いた際においても、凹形状又は凸形状に変形させた後、基材(2)における変形箇所上に、光輝性を有するインキを印刷により付与することで第1の情報画線(4)を形成することが可能である。例えば、公知の抄紙機を用いてすき入れにより基材(2)を、凹形状又は凸形状に変形させて後、変形箇所上に、光輝性を有するインキをベタ印刷により付与することで、第1の情報画線(4)が形成される。
次に、前述した第1の画像(3)を視認するための観察角度について説明する。図10は、形成体(1)が付与された基材(2)を観察するための視点(E1、E2)を示す図である。なお、第1の情報画線(4)は、基材(2)上における第1の方向(X1)に配置されている。
本発明においては、基材(2)、定位置の光源(Q)及び視点が図10(a)に示す位置関係にあるとき、第1の観察角度(E1)から観察したとし、図10(b)に示す位置関係にあるとき、第2の観察角度(E2)から観察したとする。
第1の観察角度(E1)とは、第1の情報画線(4)が定位置の光源(Q)からの入射光に対して、光輝性を有して視認されない領域のことである。例えば、第1の情報画線(4)を、パールインキで形成した場合、パールインキは、拡散反射領域においては、光源(Q)からの入射光を反射しない。よって、第1の情報画線(4)は、所定の反射光量未満の反射光であり、肉眼において光輝性を有しない画線として視認される。
第2の観察角度(E2)とは、第1の情報画線(4)が定位置の光源(Q)からの入射光に対して、光輝性を有して視認される領域のことである。例えば、第1の情報画線(4)を、パールインキで形成した場合、パールインキは、正反射領域においては、光源(Q)からの入射光を反射する。よって、第1の情報画線(4)は、所定の反射光量以上の反射光を有し、肉眼において光輝性を有する画線として視認される。
なお、第1の観察角度(E1)及び第2の観察角度(E2)は、第1の情報画線(4)を形成する材料により、基材(2)、光源(Q)及び始点の位置関係は変化し、更には、正反射領域及び拡散反射領域に限らない。前述のとおり、本発明における第1の観察角度(E1)とは、第1の情報画線(4)が定位置の光源(Q)からの入射光に対して、光輝性を有して視認されない領域のことであり、第2の観察角度(E2)とは、第1の情報画線(4)が定位置の光源(Q)からの入射光に対して、光輝性を有して視認される領域のことである。
図11は、第2の観察角度(E2)における第1の情報画線(4)の視認原理を示す模式図である。図11(a)に示すように、第2の観察角度(E2)において、第1の情報画線(4)を形成する、光輝性を有する材料は、光源(Q)からの入射光を反射する。
前述のとおり、本発明の第1の情報画線(4)は、基材(2)に対して凹形状又は凸形状の円弧状画線である。よって、光源(Q)からの反射光(V1、V2、V3、V4、V5)は、一方向ではなく、他方向に反射する。
観察者の左目(L)の視野角度はθLであることから、左目(L)には、視野角度θL内にある反射光(V1、V2)は視認される。一方、反射光(V3、V4、V5)は、視野角度θLの範囲外であることから、視認されない。よって、第1の情報画線(4)は、観察者の左目(L)には、図11(b)に示すように、視野角度θL内となる始点(U)側の点線部は、光輝性を有して視認されるが、視野角度θL外となる終点(D)側の実線部は、光輝性を有しない画線として視認される。
一方、観察者の右目(R)の視野角度はθRであることから、右目(R)には、視野角度θR内にある反射光(V4、V5)が視認される。一方、反射光(V1、V2、V3)は、視野角度θRの範囲外であることから、視認されない。よって、第1の情報画線(4)は、観察者の右目(R)には、図11(c)に示すように、視野角度θR内となる終点(D)側の点線部は光輝性を有して視認されるが、視野角度θR外となる始点(U)側の実線部は光輝性を有しない画線として視認される。
図11(b)に示す左目(L)で視認される第1の情報画線(4)の光輝性を有して視認される箇所と、図11(c)に示す右目(R)で視認される第1の情報画線(4)の光輝性を有して視認される箇所は、左右の視点を結ぶ線(G)に対して、左右に位相差を持った画線として視認される。よって、同一画像を複数並んで形成しなくもて、両眼視差により、観察者には図11(d)に示すように、第1の情報画線(4)は立体画線として視認される。
なお、形成体(1)が、図3に示した基準線(H1)を同じ方向とした第1の情報画線(4)から成る場合、図11(a)に示す、左右の視点を結ぶ線(G)と、基準線(H1)が略平行となるように観察することで、第1の情報画線(4)及び後述する第1の画像(3)を立体的に視認することが可能となる。
なお、形成体(1)が、図4に示した基準線(H1)を異なる方向とした第1の情報画線(4)から成る場合、例えば、図4に示した基準線(H1a)を0度、基準線(H1b)を5度、基準線(H1c)を10度、基準線(H1d)を15度及び基準線(H1e)を20度とした場合には、観察者の右目(R)の視野角度θRと、左目の視野角度θLの範囲内に、異なる方向に配置した基準線の最小角度(図4においては、基準線(H1a)の0度が最小角度)と最大角度(図4においては、基準線(H1e)の20度が最大角度)に視認可能となるように、形成体(1)と観察者の目の距離とを適宜調節する。
次に、形成体(1)を、各観察角度(E1、E2)から観察した際の視認原理について説明する。
図12は、第1の情報画線(4)における基準線が、同じ方向で万線状に配置された形成体(1)を、第1の観察角度(E1)から観察した際の平面図である。基材(2)に対して第1の観察角度(E1)から観察した場合、第1の情報画線(4)は、光輝性を有しない画線として視認される。よって、複数の第1の情報画線(4)から成る第1の画像(3)は、平面的な画像として視認される。
図13は、図12に示す形成体(1)を、第2の観察角度(E2)から観察した際の平面図である。基材(2)に対して第2の観察角度(E2)から観察した場合、第1の情報画線(4)は、光輝性を有する画線として視認される。
図13(a1)は、観察者の左目(L)に視認される第1Lの画像(3L)を示す平面図であり、図13(a2)は、図13(a1)の一部を拡大した図である。図13(a2)に示すように、第2の観察角度(E2)において観察者の左目(L)には、第1の情報画線(4)における点線部が光輝性を有して視認され、実線部は、光輝性を有しない画線として視認される。よって、観察者の左目(L)には、図13(a2)に示す、複数の第1の情報画線(4)における、光輝性を有して視認される箇所から成る第1Lの画像(3L)が視認される。
図13(b1)は、観察者の右目(R)に視認される第1Rの画像(3R)を示す平面図であり、図13(b2)は、図13(b1)の一部を拡大した図である。図13(b2)に示すように、第2の観察角度(E2)において観察者の右目(R)には、第1の情報画線(4)における点線部が光輝性を有して視認され、実線部は、光輝性を有しない画線として視認される。よって、観察者の右目(R)には、図13(b2)に示す、複数の第1の情報画線(4)における、光輝性を有して視認される箇所から成る第1Rの画像(3R)が視認される。
図13(c1)は、観察者の両目(L、R)に視認される第1の画像(3)を示す平面図であり、図13(c2)は、図13(c1)の一部を拡大した図である。前述したように、第2の観察角度(E2)において観察者の左目(L)には、図13(a1)に示す第1Lの画像(3L)が視認され、右目(R)には、図13(b1)に示す第1Rの画像(3R)が視認される。
前述のとおり、左目(L)で視認される第1の情報画線(4)と、右目で視認される第1の情報画線(4)は、始点(U)と終点(D)を結ぶ直線である基準線(H1)に対して、位相差を持った画線として視認されることから、第1Rの画像(3R)と、第1Lの画像(3L)においても、基準線(H1)に対して位相差を持った画像として観察者の両目(L、R)にそれぞれ視認される。よって、右目で視認される第1の画像(3)と、左目で視認される第1の画像(3)の位相が異なることで、両眼視差により観察者には第1の画像(3)が、立体的な画像として視認される。
さらに、観察角度を変化させることで、その観察角度の変化に伴い、動的に第1の画像(3)を視認することが可能である。次に、第1の画像(3)が動的に視認される原理について説明する。
図14(a)は、図12に示す形成体(1)における、基材(2)に対する観察角度の変化を示す模式図であり、図14(b1)及び図14(b2)は、図14(a)において視認される第1の画像(3)を示す平面図及び拡大図である。
図14(a)に示すように、第1の情報画線(4)が光輝性を有する画線として視認される領域(θ4)内において、基材(2)に対する観察角度を、第21の観察角度(E21)から第22の観察角度(E22)へと連続的に変化させて観察した場合、観察角度の変化に伴い、第1の情報画線(4)における光源(Q)からの入射光を反射する位置が始点側から終点側へと徐々に変化する。それにより、図14(b2)に点線で示す、第1の情報画線(4)の光輝性を有する箇所も、図14(b2)に示す矢印方向に連続的に動いているように視認される。
例えば、観察角度を第21の観察角度(E21)から第22の観察角度(E22)へと連続的に変化させて観察した場合、第1の画像(3)は、右から左へと動いているように視認され、反対に、第22の観察角度(E22)から第21の観察角度(E21)へと連続的に変化させて観察した場合、第1の画像(3)は、左から右へと動いているように視認される。なお、第1の画像(3)の左右に動く最大幅(動き量)は、第1の情報画線(4)の光輝性を有する箇所の変化量と同一であることから、基準線(H1)の長さと同一の範囲内で、左右に動く。
このように、本発明の第1の画像(3)は、立体的、かつ、連続的に動いているように視認することが可能となる。
次に、第1の情報画線(4)における基準線が、前述した図4に示すように異なる方向で万線状に配置された形成体(1)の視認原理について説明する。異なる方向で万線状に配置された形成体(1)を、第1の観察角度(E1)から観察した場合、第1の情報画線(4)は、光輝性を有しない画線として視認される。よって、図12において前述した基準線を同じ方向で万線状に配置された形成体(1)と同様に、複数の第1の情報画線(4)から成る第1の画像(3)は、平面的な画像として視認される。
図15は、第1の情報画線(4)における基準線が、異なる方向で万線状に配置された形成体(1)を、第2の観察角度(E2)から観察した際の平面図である。基材(2)に対して第2の観察角度(E2)から観察した場合、第1の情報画線(4)は、光輝性を有する画線として視認される。
図15(a1)は、観察者の左目(L)に視認される第1Lの画像(3L)を示す平面図であり、図15(a2)は、図15(a1)の一部を拡大した図である。図15(a2)に示すように、第2の観察角度(E2)において観察者の左目(L)には、第1の情報画線(4)における点線部が光輝性を有して視認され、実線部は、光輝性を有しない画線として視認される。
図13において前述した基準線を同じ方向として第1の情報画線(4)を配置した場合には、第1の情報画線(4)における光輝性を有して視認される部分が、複数の第1の情報画線(4)において同一箇所であるが、基準線を異なる方向として配置した場合には、図15(a2)に示すように、基準線の傾きに伴い、複数の第1の情報画線(4)において徐々に異なる位置となる。
例えば、図15においては、点線で示す光輝性を有して視認される部分が、徐々に図内右方向(X2)に変化している。よって、観察者の左目(L)には、図15(a2)に示す、複数の第1の情報画線(4)における、光輝性を有して視認される箇所から成る、第1Lの画像(3L)が視認される。前述のとおり、光輝性を有して視認される箇所は変化することから、第1Lの画像(3L)は第1の画像(3)が斜めに変形した画像として視認される。
図15(b1)は、観察者の右目(R)に視認される第1Rの画像(3R)を示す平面図であり、図15(b2)は、図15(b1)の一部を拡大した図である。図15(b2)に示すように、第2の観察角度(E2)において観察者の右目(R)には、第1の情報画線(4)における点線部が光輝性を有して視認され、実線部は、光輝性を有しない画線として視認される。
前述した左目(L)の視認状態と同様に、基準線を異なる方向として配置した場合には、図15(b2)に示すように、基準線の傾きに伴い、複数の第1の情報画線(4)において徐々に異なる位置となる。
よって、観察者の右目(R)には、図15(b2)に示す、複数の第1の情報画線(4)における、光輝性を有して視認される箇所から成る第1Rの画像(3R)が視認される。前述のとおり、光輝性を有して視認される箇所は変化することから、第1Lの画像(3L)は第1の画像(3)が斜めに変形した画像として視認される。
図15(c1)は、観察者の両目(L、R)に視認される第1の画像(3)を示す平面図であり、図15(c2)は、図15(c1)の一部を拡大した図である。前述したように、第2の観察角度(E2)において観察者の左目(L)には、図15(a1)に示す第1Lの画像(3L)が視認され、右目(R)には、図15(b1)に示す第1Rの画像(3R)が視認される。
前述のとおり、左目(L)で視認される第1の情報画線(4)と、右目で視認される第1の情報画線(4)は、左右の視点を結ぶ線(G)に対して、位相差を持った画線として視認されることから、第1Rの画像(3R)と、第1Lの画像(3L)においても、基準線(H1)に対して位相差を持った画像として観察者の両目(L、R)にそれぞれ視認される。よって、右目で視認される第1の画像(3)と、左目で視認される第1の画像(3)の位相が異なることで、両眼視差により観察者には斜めに変形した第1の画像(3)が、立体的な画像として視認される。
さらに、観察角度を変化させることで、その観察角度の変化に伴い、動的に第1の画像(3)を視認することが可能である。次に、第1の画像(3)が動的に視認される原理について説明する。
図16(a)は、図15に示す形成体(1)における、基材(2)に対する観察角度の変化を示す模式図であり、図16(b1)及び図16(b2)は、図16(a)において視認される第1の画像(3)を示す平面図及び拡大図である。
前述のとおり、複数の異なる方向に配置した第1の情報画線(4)から成る第1の画像(3)においては、斜めに変形した画像として立体的に視認される。よって、図16(a)に示すように、第1の情報画線(4)が光輝性を有する画線として視認される領域(θ4)内において、基材(2)に対する観察角度を、第21の観察角度(E21)から第22の観察角度(E22)へと連続的に変化させて観察した場合、観察角度の変化に伴い、第1の情報画線(4)における光源(Q)からの入射光を反射する位置が始点側から終点側へと徐々に変化する。それにより、図16(b2)に点線で示す、第1の情報画線(4)の光輝性を有する箇所も、図16(b2)に示す矢印方向である斜め方向に連続的に動いているように視認される。
例えば、観察角度を第21の観察角度(E21)から第22の観察角度(E22)へと連続的に変化させて観察した場合、第1の画像(3)は、右斜め上から左斜め下へと動いているように視認され、反対に、第22の観察角度(E22)から第21の観察角度(E21)へと連続的に変化させて観察した場合、第1の画像(3)は、左斜め下から右斜め上へと動いているように視認される。なお、第1の画像(3)の左右斜め方向に動く最大幅(動き量)は、第1の情報画線(4)の光輝性を有する箇所の変化量と同一であることから、基準線(H1)の長さと同一の範囲内で、左右に動く。
以上、立体視可能な第1の画像(3)は、構成する複数の第1の情報画線(4)を図3に示すように基準線(H1)を同じ方向とした場合には、観察角度の変化により左右に動的に視認され、図4に示すように基準線(H1)を異なる方向とした場合には、観察角度の変化により斜め方向に動的に視認される。
なお、 異なる方向に配置した場合の画線形状については、前述した図4に示すように、徐々に円弧状の第1の情報画線(4)が左に傾いていく配置に限らず、第1の画像(3)を斜め方向に動的に視認可能であれば、図17に矢印として図示するように、徐々に右に傾いたのち、反対に、徐々に左に傾く構成とすることも可能である。
次に、前述した形成体(1)の変形例について説明する。図18は、領域(Z)内に配置された、変形例の形成体(1)を示す平面図である。なお、前述した実施の形態と同様の点については、以下説明を省略する。形成体(1)は、前述した実施の形態と同様に、立体視可能な画像を有している。変形例における立体視可能な画像は、前述した実施の形態よりも、動的効果が高い画像である。
図18に示すように、形成体(1)は、第1の画像(3)と、第2の画像(5)を有する。なお、第1の画像(3)は、前述した画像と同一の画像であることから、説明を省略する。図18に示すように、第2の画像(5)は、領域(Z)内に配置された第1の画像(3)に対して、近接又は隣接する位置に、形成されている。
隣接する位置とは、第1の画像(3)及び第2の画像(5)が隣り合って接して形成されることであり、近接する位置とは、第1の画像(3)及び第2の画像(5)が基材(2)上において近い位置に形成されることである。なお、近接又は隣接する位置においては、観察者の視野や左右の目の間の距離、第1の画像(3)及び第2の画像(5)の大きさに合わせて、第1の画像(3)及び第2の画像(5)がいずれも立体視可能となる距離(W)の範囲で適宜設定する。
第2の画像(5)は、少なくとも一つの第2の要素領域(5E)から成る。第2の要素領域(5E)は、第2の画像(5)を構成するパーツであり、第2の要素領域(5E)が配置されて、全体で第2の画像(5)である「N」の文字形状を形成している。なお、明確に説明するために、第2の要素領域(5E)を示す線を図示しているが、仮想の線であり、実際の第2の画像(5)には形成されない。
なお、第2の画像(5)に対する第2の要素領域(5E)の分割方法については、前述した第1の画像(3)に対する第1の要素領域(3E)の分割方法と同様であることから、説明を省略する。
第2の画像(5)は、万線状の第2の情報画線(6)を有する。第2の情報画線(6)と前述した第1の画像(3)を形成する第1の情報画線(4)は、形状、形成する材料、配置するピッチは同一であるが、画線の向きが異なる。
第2の画像(5)は、第1の画像(3)を形成する円弧状の第1の情報画線(4)と頂点(T)の向きが異なる向きで、第2の方向(X2)に配置されている。第2の情報画線(6)を配置する方向は、第2の要素領域(5E)内において同じ方向に万線状に配置されていればよく、図8を用いて前述したように、第1の要素領域(3E)と同様に、複数の第2の要素領域(5E)が、互いに異なる方向に配置されていても良い。よって、第2の方向(X2)は、前述した第1の方向(X1)と同じ又は異なる方向とすることが可能である。
第1の情報画線(4)と第2の情報画線(6)の頂点(T)の向きは、1〜180度の範囲内で異なる事が可能であるが、略180度であることが、好ましい。
略180度とすることで、第1の画像(3)及び第2の画像(5)を立体的、かつ、動的に視認する際に、より動的効果が高い画像として視認される。なお、動的効果に視認される原理についての詳細は後述する。
以下、本実施の形態の変形例においては、第1の情報画線(4)と第2の情報画線(6)の頂点の向きが180度異なるとして説明する。
図19は、第2の観察角度(E2)における、第2の画像(5)を形成する第2の情報画線(6)の視認原理の詳細を示す模式図である。図19(a)に示すように、第2の観察角度(E2)において、第2の情報画線(6)は、光輝性を有して視認される。
前述のとおり、本発明の第2の情報画線(6)は、前述した第1の情報画線(4)と同様に、基材(2)に対して凹形状又は凸形状の円弧状画線であることから、光源(Q)からの反射光(V1、V2、V3、V4、V5)は、一方向ではなく、他方向に反射する。
観察者の左目(L)の視野角度はθLであることから、左目(L)には、反射光(V4、V5)が視認される。一方、反射光(V1、V2、V3)は、視野角度θLの範囲外であることから、視認されない。よって、第2の情報画線(6)は、観察者の左目(L)には、図19(b1)に示すように、終点(D)側の点線部は光輝性を有して視認されるが、始点(U)側の実線部は光輝性を有しない画線として視認される。
一方、観察者の右目(R)の視野角度はθRであることから、右目(R)には、反射光(V1、V2)が視認される。一方、反射光(V3、V4、V5)は、視野角度θRの範囲外であることから、視認されない。よって、第2の情報画線(6)は、観察者の右目(R)には、図19(c1)に示すように、始点(U)側の点線部は光輝性を有して視認されるが、終点(D)側の実線部は光輝性を有しない画線として視認される。
図19(b1)に示す左目(L)で視認される第2の情報画線(6)の光輝性を有して視認される箇所と、図19(c1)に示す右目で視認される第2の情報画線(6)の光輝性を有して視認される箇所は、始点(U)と終点(D)を結ぶ直線である基準線(H1)に対して、位相差を持った画線として視認される。よって、両眼視差により、観察者には図19(d1)に示すように、第2の情報画線(6)は立体画線として視認される。
図19(b2)、図19(c2)及び図19(d2)は、図17に示した変形例の第1の画像(3)を形成する第1の情報画線(4)を第2の観察角度(E2)から視認した際の模式図である。図19(b2)は、観察者の左目(L)で視認される第1の情報画線(4)であり、図19(c2)は、観察者の右目(R)で視認される第1の情報画線(4)であり、図19(d2)は、観察者の左右の目(L、R)で視認される第1の情報画線(4)である。
第2の画像(5)を形成する第2の情報画線(6)は、前述した第1の画像(3)を形成する第1の情報画線(4)と略180度異なる方向に配列されている。よって、第2の観察角度(E2)においては、観察者に視認される各情報画線(4、6)の点線部に示す光輝性を有して視認される箇所が、観察者の左右の目(L、R)で逆の部分が視認される。
例えば、図19(b1)及び図19(b2)は、それぞれ観察者の左目(L)で視認される各情報画線(4、6)であるが、図19(b1)においては、第2の情報画線(6)の終点(D)側が光輝性を有して視認される。一方、図19(b2)においては、第1の情報画線(4)の始点(U)側が光輝性を有して視認される。
第1の画像(3)と第2の画像(5)を形成する各情報画線(4、6)が、観察者の左右の目(L、R)で逆の部分が光輝性しているように視認されることで、基材(2)を傾けて視認した際、第1の画像(3)と第2の画像(5)は、異なる方向に動的に視認される。なお、異なる方向に動的に視認される原理の詳細は後述する。
図20は、第2の画像(5)を、前述した第2の観察角度(E2)から観察した際の平面図である。図20(a1)は、観察者の左目(L)に視認される第2Lの画像(5L)を示す平面図であり、図20(a2)は、図20(a1)の一部を拡大した図である。図20(a2)に示すように、第2の観察角度(E2)において観察者の左目(L)には、第2の情報画線(6)における点線部が光輝性を有して視認される。一方、図20(a2)における実線部は、光輝性を有しない画線として視認される。よって、点線部が光輝性を有し、かつ、実線部が光輝性を有さない、複数の第2の情報画線(6)から成る第2Lの画像(5L)が視認される。
図20(b1)は、観察者の右目(R)に視認される第2Rの画像(5R)を示す平面図であり、図20(b2)は、図20(b1)の一部を拡大した図である。図20(b2)に示すように、第2の観察角度(E2)において観察者の右目(R)には、第2の情報画線(6)における点線部が光輝性を有して視認される。一方、図20(b2)における実線部は、光輝性を有しない画線として視認される。よって、点線部が光輝性を有し、かつ、実線部が光輝性を有さない複数の第2の情報画線(6)から成る第2Rの画像(5R)が視認される。
図20(c1)は、観察者の両目(L、R)に視認される第2の画像(5)を示す平面図であり、図20(c2)は、図20(c1)の一部を拡大した図である。前述したように、第2の観察角度(E2)において観察者の左目(L)には、図20(a1)に示す第2Lの画像(5L)が視認され、右目(R)には、図20(b1)に示す第2Rの画像(5R)が視認される。
前述のとおり、左目(L)で視認される第2の情報画線(6)と、右目で視認される第2の情報画線(6)は、始点(U)と終点(D)を結ぶ直線である基準線(H1)に対して、位相差を持った画線として視認される。よって、複数の情報画線(4)から成る第2の画像(5)は、第2Rの画像(5R)と、第2Lの画像(5L)は、基準線(H1)に対して位相差を持った画像として観察者の両目(L、R)にそれぞれ視認されることから、右目で視認される第2の画像(5)と、左目で視認される第2の画像(5)の位相が異なることで、両眼視差により観察者には、図20(d)に示すように、第2の画像(5)は立体的な画像として視認される。
図21(a)は、基材(2)に対する観察角度の連続的な変化を示す模式図であり、
図21(b)は、第2の観察角度(E2)から視認される各画像(3、5)の平面図である。図21(a)に示す、各情報画線(4、6)が光輝性を有する画線として視認される領域(θ4)内において第2の観察角度(E2)から観察した場合、図21(b)に示すように、第1の画像(3)及び第2の画像(5)は立体的に視認される。
図21(c)は、第21の観察角度(E21)から視認される各画像(3、5)の平面図である。領域(θ4)内において、観察角度を第2の観察角度(E2)から第21の観察角度(E21)へ連続的に変化させて観察した場合、基材(2)に対する観察角度の変化に伴い、情報画線(4)における光源(Q)からの入射光を反射する位置が徐々に変化する。
前述のとおり、第1の画像(3)を形成する第1の情報画線(4)と、第2の画像(5)を形成する第2の情報画線(6)は、略180度異なる方向に配列されている。それにより、第2の観察角度(E2)における各情報画線(4、6)の光輝性を有して視認される箇所は、観察者の左右の目(L、R)で逆の部分が光輝性を有しているように視認される。
例えば、第2の観察角度(E2)から第21の観察角度(E21)へと連続的に変化させて観察した場合、第1の画像(3)を形成する第1の情報画線(4)は、始点側から終点側へ光輝性を有して視認される箇所が変化する。それにより、立体的に視認される第1の画像(3)は、図21(c)に示す破線(F)を基準とした場合、破線(F)から右へ動いているように視認される。
一方、第2の画像(5)を形成する第2の情報画線(6)は、終点側から始点側へ光輝性を有して視認される箇所が変化する。それにより、立体的に視認される第2の画像(5)は、逆の部分が光輝性していることから、破線(F)から左へ動いているように視認される。
図21(d)は、第22の観察角度(E22)から視認される各画像(3、5)の平面図である。第2の観察角度(E2)から第22の観察角度(E22)へと連続的に変化させて観察した場合、第2の観察角度(E2)から第21の観察角度(E21)へと連続的に変化させた場合とは逆に、第1の画像(3)は、破線(F)から左へ動いているように視認される。一方、第2の画像(5)は、破線(F)から右へ動いているように視認される。
前述のとおり、各画像(3、5)の左右に動く最大幅(動き量)は、各情報画線(4、6)の光輝性を有する箇所の変化量と同一であることから、基準線(H1)の長さと同一の範囲内で、左右に動く。
例えば、基準線(H1)を5mmとし、第1の画像(3)のみを形成した際に、第2の観察角度(E2)から第21の観察角度(E21)へ連続的に変化させて観察した場合、第1の画像(3)は、破線(F)から右へ略5mm動いているように視認される。また、第2の観察角度(E2)から第22の観察角度(E22)へ連続的に変化させて観察した場合、第1の画像(3)は、破線(F)から左へ略5mm動いているように視認される。
一方、第1の画像(3)及び第2の画像(5)を形成し、図21(c)に示すように、第2の観察角度(E2)から第21の観察角度(E21)へ連続的に変化させて観察した場合、第1の画像(3)は、破線(F)から右へと略5mm動いているように視認される。一方、第2の画像(5)は、破線(F)から左へと略5mm動いているように視認される。よって、観察者には、第1の画像(3)及び第2の画像(5)が略10mm離れたように視認される。
また、図21(d)に示すように、第2の観察角度(E2)から第22の観察角度(E22)へ連続的に変化させて観察した場合、第1の画像(3)は、破線(F)から左へと略5mm動いているように視認される。一方、第2の画像(5)は、破線(F)から右へと略5mm動いているように視認される。よって、観察者には、第1の画像(3)及び第2の画像(5)が略10mm、図21(c)とは逆方向に離れたように視認される。
このように、第1の画像(3)及び第2の画像(5)を形成する各情報画線(4、6)の頂点の向きを異なる方向とすることで、第1の画像(3)及び第2の画像(5)は異なる方向に動的に視認される。よって、前述した一つの画像を形成した場合と比べて、動的効果が高い形成体(1)となる。
なお、第1の画像(3)及び第2の画像(5)は、「N」という文字形状の同一の画像としていたが、図22に示すように、異なる画像とすることも可能である。また、第1の画像(3)を構成する第1の情報画線(4)と、第2の画像(5)を構成する第2の情報画線(4)の形状は円弧状であれば、図22に示すように、それぞれ異なる形状とすることが可能である。
さらには、図22の第2の画像(5)内において、太線で図示するように、所望の図柄の輪郭部を凹形状又は凸形状の画線として構成することも可能である。
以下、前述の発明を実施するための最良の形態にしたがって、具体的に作製した立体視可能な印刷物の実施例について詳細に説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
以下、実施例1を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明を限定するものではない。実施例1として図1に示した形成体(1)を作製した。基材(2)は、コート紙とした。
第1の情報画線(4)は、図6(a)に示す左右対称の円弧状画線とし、第1のピッチ(P1)400μmで複数形成した。第1の情報画線(4)の画線幅は200μmとし、基準線(H1)を1mmとした。
始点(U)において、基準線(H1)に対する円弧状の第1の情報画線(4)の接線(H2)が成す角度(θ1)は、45度とし、終点(D)において、基準線(H1)に対する円弧状の第1の情報画線(4)の接線(H3)が成す角度(θ2)は、45度とした。
第1の情報画線(4)を、表1に示すパールインキにより、スクリーン印刷機を用いて基材(2)上にスクリーン印刷により印刷することで、「N」形状の第1の画像(3)を形成した。なお、表1に示すパールインキは、第1の観察角度(E1)では半透明であり、第2の観察角度(E2)では、金色の干渉光を呈するインキである。第1の情報画線(4)を印刷する際には、公知の製版方法により作製した、スクリーン印刷版面を用いた。
実施例1にて作製した形成体(1)を、第1の観察角度(E1)から観察したところ、第1の情報画線(4)は光輝性を有しない画線として視認できた。よって、複数の第1の情報画線(4)で形成された第1の画像(3)は、平面的な画像として視認できた。
次に、形成体(1)を、第2の観察角度(E2)から観察したところ、第1の情報画線(4)は金色の干渉色を伴う光輝性を有する画線として視認できた。左目(L)で視認できる第1の情報画線(4)と、右目で視認できる第1の情報画線(4)は、始点(U)と終点(D)を結ぶ直線である基準線(H1)に対して、位相差を持った画線として視認できることから、第2の観察角度(E2)においては、両眼視差により第1の画像(3)が、立体的な画像として視認できた。
さらに、第1の情報画線(4)が光輝性を有する画線として視認される領域(θ4)内において、基材(2)に対する観察角度を、図17に示した第21の観察角度(E21)から第22の観察角度(E22)へと連続的に変化して観察した場合、観察角度の変化に伴い、第1の情報画線(4)における光源(Q)からの入射光を反射する位置が始点側から終点側へと徐々に異なり、第1の画像(3)が、立体的、かつ、左右に連続的に動いているように視認できた。
実施例2として図18に示した形成体(1)を作製した。基材(2)は、カード状のステンレス板(SUS302)とした。
第1の情報画線(4)及び第2の情報画線(6)は、いずれも図6(a)に示す左右対称の円弧状画線とし、第1のピッチ(P1)50μmで複数形成した。第1の情報画線(4)及び第2の情報画線(6)の画線幅は、いずれも20μmとし、基準線(H1)を1.2mmとした。
第1の情報画線(4)と第2の情報画線(6)は、頂点の向きを180度異なる向きとした。
始点(U)において、基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H2)が成す角度(θ1)と、第2の情報画線(6)の接線(H2)が成す角度(θ1)は、いずれも45度とした。また、終点(D)において、基準線(H1)に対する第1の情報画線(4)の接線(H3)が成す角度(θ2)と、基準線(H1)に対する第2の情報画線(6)の接線(H3)が成す角度(θ2)は、いずれも45度とした。
第1の情報画線(4)及び第2の情報画線(6)は、レーザマーカ(キーエンス製 MD−V9600)により、基材(2)上にレーザ加工することで、「N」形状の第1の画像(3)及び第2の画像(5)を形成した。なお、第1の情報画線(4)及び第2の情報画線(6)をレーザ加工する際には、各情報画線(4、6)の画像データを、公知の画像処理装置を用いて作製した後、その画像データをレーザマーカに入力し、基材(2)に対して加工を行った。
実施例2にて作製した形成体(1)を、第1の観察角度(E1)から観察したところ、第1の情報画線(4)及び第2の情報画線(6)は光輝性を有しない画線として視認できた。よって、複数の第1の情報画線(4)で形成した第1の画像(3)と、複数の第2の情報画線(6)で形成した第2の画像(5)は、いずれも平面的な画像として視認できた。
次に、形成体(1)を、第2の観察角度(E2)から観察したところ、第1の情報画線(4)及び第2の情報画線(6)は、いずれも光輝性を有する画線として視認できた。左目(L)で視認できる第1の情報画線(4)及び第2の情報画線(6)と、右目で視認できる第1の情報画線(4)及び第2の情報画線(6)は、始点(U)と終点(D)を結ぶ直線である基準線(H1)に対して、位相差を持った画線として視認できることから、第2の観察角度(E2)においては、両眼視差により第1の画像(3)及び第2の画像(5)が、立体的な画像として視認できた。
さらに、第1の情報画線(4)及び第2の情報画線(6)が光輝性を有する画線として視認される領域(θ4)内において、基材(2)に対する観察角度を、図21に示した第21の観察角度(E21)から第22の観察角度(E22)へと連続的に変化して観察した場合、観察角度の変化に伴い、第1の情報画線(4)における光源(Q)からの入射光を反射する位置が始点側から終点側へと徐々に変化することで、第1の画像(3)は左から右へ1mm動いているように視認できた。一方、第2の画像(5)は、第1の画像(3)とは逆に、右から左へ1mm動いているように視認できた。よって、実施例2にて作製した形成体(1)は、第1の画像(3)及び第2の画像(5)が、立体的、かつ、2mm逆方向に離れたように視認できた。