JP6097994B2 - 立体表示形成体及びその作製方法 - Google Patents

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本発明は、偽造防止効果を必要とするセキュリティ印刷物である銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、カード及び通行券等の貴重印刷物の分野において、光が入射することで両眼視差を用いた立体画像が出現し、更には光の入射角度の変化に応じて立体画像が動的に視認される立体表示形成体及びその作製方法に関わるものである。
従来、パララックスバリア、レンチキュラーレンズ又はホログラム等を用いて、観察する角度に応じて、平面上に形成された画像が動いて見える動画的効果を実現したり、立体感を得るといった特殊な視覚効果を実現した画像形成体が存在する。
これらの中には、ピッチの異なる二つの画線、画素及び模様等が干渉することで出現する干渉縞(モアレ)を利用して動画的効果や立体感を実現している技術がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
このモアレによって出現する画像は、立体感を有し、傾けた場合の動きも極めてスムーズであるという特徴の他に、多くの場合、一定ピッチで繰り返し同じ画像を配列して形成することから、画像の作製も比較的容易であり、厳重な刷り合わせの管理を行わなくても、比較的安定して同じ画像が出現する点において、大量生産に向いているという特徴を有している。
さらに、本出願人は、人体が動いて視認される動的効果を奏する形成体として、透明基材上に、両手両足を段階的に動かした画像を圧縮して形成した圧縮画像を印刷し、その印刷した上に判別具を重ね、画像の配列方向に判別具をスライドさせることによって、人体が歩いているように視認される動的効果を奏する形成体を出願している(例えば、特許文献3参照)。
また、観察角度により画像の光沢が変化する表示体として、回折格子を用いたものが挙げられる。例えば、回折格子上に、文字及び画像等を輪郭で区分けして表示した後、その輪郭の内側又は外側を滑らかな曲線群からなる回折格子により形成することで、この表示体に対する視点を変化させた場合、輪郭の内側又は外側で回折格子により虹色に輝いて見える位置が滑らかに変化して視認される技術が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
また、観察する角度に応じて、平面上に形成された画像が動いて見える動画的効果を実現したり、立体感を感じさせたりといった特殊な視覚効果を実現した意匠性に優れた形成体として、両眼視差を用いたものが知られている。
両眼視差とは、人間の左右の目が離れていることに起因する、左右の目で視認される観察画像の違いを利用し、観察者の脳内で立体画像を生成するものである。平面画像であっても、左右の目で異なった画像を絶縁して見せることで、観察者には立体画像として認識される。
両眼視差を用いた形成体として、回折格子上に、複数の微細線から成る模様が基準点を中心としてその周囲に複数形成されており、形成体を光源下で観測すると、複数形成された模様のうち、隣り合う二つの模様から成る画像が立体視で観察され、観察角度を変えると、他の隣り合う二つの模様から成る画像が立体視で観察され、それによって、肉眼では基準点を中心として立体的な模様が動いているように視認される技術が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
特許第3131771号公報 特許第4452515号公報 特許第5131789号公報 特開平06−67608号公報 特開2011−22478号公報
特許文献1記載の技術は、パララックスバリア方式によって、立体的なモアレ模様を出現させる技術であるが、パララックスバリア方式を用いる以上、第1の模様と第2の模様の間には透明層が必須であり、スムーズな動画効果を実現するためには、通常の用紙には適用できないという問題がある。
特許文献2記載の技術は、凸レンズのレンズ効果を利用した、いわゆる、レンチキュラー方式で立体的なモアレ模様を出現させる技術であるが、特許文献1の技術と比較するとクリアなモアレ模様を形成することができるという特徴を有するものの、レンズと模様間は、焦点を合わせるために一定の距離が必要であって、特許文献1の技術と同様に厚さが必要であり、また、レンズ自体は、透明か半透明である必要がある。加えて、レンズを貼り付ける場合、その工程は、複雑になる場合が多い。
特許文献3記載の技術は、形成体と判別具が個別になっている個別型(判別型)の形態と、積層されている積層型(一体型)の形態の二種類の形態が開示されているが、個別型(判別型)の形態の場合、レンチキュラーレンズや万線が施された判別シートが必要であり、判別具がないと真正品か否かの判定ができないといった問題がある。また、積層型(一体型)の形態の場合、圧縮された図柄と判別用の万線の刷り合わせが要求され、刷り合わせが大きくずれると、視認性が劣るといった問題がある。
特許文献4記載の技術は、回折格子を用いることで、観察角度の変化により光沢が変化して視認される。しかしながら、文字及び図形等の輝いて見える位置が、単に左右に移動するだけであり、文字や図形そのものが動いて視認されることはないため、視認性に劣るといった課題が残されている。
特許文献5記載の技術は、ステレオグラムの原理により立体視させている。よって、必ず同一の模様が二つ並んで形成される必要があり、さらに、動的に視認させるための複数の模様は、断続的に形成されている。そのため、動的に視認される際、立体視される画像が断続的に視認されることから、実際には、連続的に動いて視認することができない。
本発明は、前述したとおり、刷り合わせ精度を必要とせずに、立体視される画像が断続的に動的効果を持って視認され、かつ、通常の紙を基材として市販される一般的な印刷材料だけで安価に作製するといった課題の解決を目的とするものであり、光の入射角度の変化に応じて立体画像が動的に視認される立体表示形成体及びその作製方法に関する。
本発明における立体表示形成体は、基材上の少なくとも一部に、明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有し、かつ、潜像の基となる原画像を圧縮した形状を有する画線群が、第一の方向に第一のピッチで、規則的に複数配置されて成る第一の画像を備え、画線群は、円弧状の画線が、基材に対して凹形状又は凸形状の断面形状を有して規則的に配置されて成り、画線は、隣り合う画線群において、それぞれ対応する領域に配置されている形状が、全て異なって形成され、基材を、定位置の光源に対して所定の角度から異なる角度へと連続的に変化させて観察した場合、光源からの入射光を反射する位置が、円弧状の画線上で徐々に移動することにより、原画像が虚像として立体的、かつ、動的に視認されることを特徴とする。
本発明における立体表示形成体は、画線が、明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有するインキで形成され、又は、明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有する材料から成る基材を加工して形成されたことを特徴とする。
本発明における立体表示形成体は、原画像が二つの場合、基材上における第一の画像に対して近接又は隣接する位置に、更に、立体視可能な第二の画像を備え、第二の画像は、明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有し、かつ、第二の虚像の基となる第二の原画像を圧縮した形状を有する第二の画線群が、第一の方向に第一のピッチで、規則的に複数配置されて成り、第二の画線群は、円弧状の第二の画線が、基材に対して凹形状又は凸形状の断面形状を有して規則的に配置されて成り、第二の画線は、隣り合う画線群において、それぞれ対応する領域に配置されている形状が、全て異なって形成され、第一の画像を形成している画線と、第二の画像を形成している第二の画線はミラー反転して成り、二つの原画像が虚像として立体的、かつ、相反する方向に動的に視認されることを特徴とする。
本発明における立体表示形成体は、第二の画線が、明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有するインキで形成され、又は、明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有する材料から成る基材を加工して形成されたことを特徴とする。
本発明における立体表示形成体の作製方法は、少なくとも入力部、処理部、出力部を備えたシステムを用いて、観察角度を異ならせることで画像が動的に視認可能な請求項1又は請求項2記載の立体表示形成体の作製方法であって、処理部において、正反射光下で出現する虚像の基となる原画像を作製又は決定する原画像決定工程と、原画像に対応するデータを入力部から入力し、入力されたデータを基に、処理部において、第一の方向に圧縮した原画像が、第一の方向に第一のピッチで規則的に複数配置されて成る圧縮画像を形成する圧縮画像形成工程と、所定の線幅を有する円弧状の仮想線が、第二の方向に第二のピッチで規則的に複数配置されて成る仮想線群を、第一の方向に第一のピッチと異なる第三のピッチで規則的に複数配置して成る円弧群を形成する円弧群形成工程と、円弧群の上に、複数の圧縮画像を重ね合わせる工程と、仮想線と、複数の圧縮画像が重なり合った部分のみの画線を抽出する画線抽出工程と、基材上の一部に、抽出した画線から成り、第一の画像を構成している明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有し、基材に対して凸形状又は凹形状の断面形状を有する第一の画線群を形成する画線群形成工程から成ることを特徴とする。
本発明における立体表示形成体の作製方法は、原画像が二つの場合、処理部において、正反射光下で出現する二つの虚像の基となる二つの原画像を作製又は決定する原画像決定工程と、円弧状の仮想線における向きをミラー反転させた所定の線幅を有する円弧状の第二の仮想線が、第二の方向に第二のピッチで規則的に複数配置されて成る第二の仮想線群を、第一の方向に第一のピッチと異なる第三のピッチで規則的に複数配置して成る第二の円弧群を形成する円弧群形成工程と、第二の円弧群の上に、複数の第二の圧縮画像を重ね合わせる工程と、第二の仮想線と、複数の第二の圧縮画像が重なり合った部分のみの第二の画線を抽出する画線抽出工程と、基材上における第一の画像に対して近接又は隣接する位置に、抽出した第二の画線から成り、第二の画像を構成している明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有し、基材に対して凸形状又は凹形状の断面形状を有する第二の画線群を形成する画線群形成工程を有することを特徴とする。
本発明における立体表示形成体の作製方法は、隣り合う仮想線群において、仮想線群を構成している仮想線同士が、隣接していることを特徴とする。
本発明における立体表示形成体の作製方法は、第一のピッチと第三のピッチの差が、98%から102%を除く80%から120%であることを特徴とする。
本発明の立体表示形成体においては、極めて薄く形成することが可能であり、透明層やレンズを必要せず、通常の紙を基材として市販される一般的な印刷材料だけで安価に作製することが可能である。
また、レンズを貼り合わせる工程がないため、作製工程が複雑になるおそれがなく、レンズを貼り合わせる精度が必要でないため、比較的容易に作製可能である。
また、光沢のある表面を有する凹凸画線が万線状に配列されていているため、入射光に対する画線からの反射光を視認することで、裸眼で立体的効果を奏する画像を視認することが可能となる。
さらに、判別具を保持していなくても、単に立体表示形成体を傾けて観察することで、入射光に対する反射光が円弧状の画線上で徐々に変化し、そのことによって円弧状の画線の配置方向に従って拡大された図柄が連続的に動的効果を奏するため、視認性に優れる。
本発明における立体表示形成体の平面図を示す。 本発明における第一の画像の一部拡大図を示す。 本発明における画線群の一部拡大図を示す。 本発明における立体表示形成体の作製するシステムの概略図を示す。 本発明における立体表示形成体の作製工程を示す。 本発明における立体表示形成体の作製手順を示す。 本発明における原画像の圧縮手順を示す。 本発明における円弧群の構成を示す。 本発明における画線の画線幅と仮想線のピッチの関係を示す。 仮想線群の形態を示す。 本発明における画線の一部拡大図を示す。 隣り合う画線群同士におけるそれぞれ対応する領域を示す。 本発明における画線の断面形状を示す。 立体表示形成体が付与された基材を観察する視点を示す。 第二の観察角度における画線の視認原理を示す。 本発明における立体表示形成体を第一の観察角度から観察した際の平面図を示す。 本発明における立体表示形成体を第二の観察角度から観察した際の平面図を示す。 本発明における観察者の左目と右目に視認される平面図を示す。 本発明における基材に対する観察角度の変化の模式図を示す。 本発明の変形例における立体表示形成体の平面図を示す。 本発明における立体表示形成体の作製工程の一部を示す。 変形例における第二の観察角度における画線の視認原理を示す。 変形例における立体表示形成体を第二の観察角度から観察した際の平面図を示す。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
まず、立体表示形成体の構成について説明を行う。
図1に、本発明における立体表示形成体の平面図及びその一部拡大図を示す。立体表示形成体(1)は、基材(2)上の少なくとも一部に、光沢を有する第一の画像(3)を備えている。基材(2)は、第一の画像(3)を形成することができれば、紙、プラスティック及び金属等とすることができ、その材質は問わない。また、第一の画像(3)は、基材(2)の中に収まる限り、大きさに制限はない。
第一の画像(3)は、複数の画線群(4−1、4−2、・・・、4−n)から成り、画像群は、第一の画線群(4−1)、第二の画線群(4−2)、・・・、第n(nは2以上の自然数とする)の画線群(4−n)から成り、各画線群(4−1、4−2、・・・、4−n)は、各画線群同士が重ならないように、1−1、1−2、・・・、1−nの順に規則性のあるピッチで配置されている。
すなわち、図2に示すように、第一の画像(3)は、所定の幅(W1)及び所定の高さ(H2)を有する画線群(4)が、第一の方向に第一のピッチ(P1)で規則的に複数配置されて成る。
図3に、画線群(4)の一部拡大図を示す。画線群(4)は、潜像の基となる原画像を圧縮した形状を有しており、円弧状の画線(5)が万線状に配置されて成る。画線群(4)を形成する円弧状の画線(5)については、次の画線群(4)の作製方法で詳細に説明する。
このように、本発明の立体表示体(1)は、円弧状の画線(5)が万線状に配置されていることで、光の反射を利用して原画像が一つの虚像として出現する表示体である。
第一の画像(3)を構成する複数の画線群(4)の作製方法について、図4乃至図6を用いて説明する。
図4に示すように、立体表示形成体(1)を作製するためのシステム(S)は、少なくとも入力部(101)、処理部(102)及び出力部(103)を備えており、処理部(102)には記憶部(104)を備えていても良い。
第一に、図5及び図6(a)に示すように、処理部(102)において、正反射光下で出現する虚像の基となる原画像(9)を作製又は決定する(STEP1)。原画像(9)については、文字、図柄及び模様等、特に限定はなく、任意の画像とすることが可能である。
また、原画像(9)は、処理部(102)において直接作製しても良く、あらかじめ記憶部(104)に記憶されている複数の原画像(9)の中から任意に選んで、処理部に(102)において決定しても良い。本実施の形態においては、図6(a)に示すように、原画像(9)として「二重円」の画像の例で説明する。
なお、原画像(9)を作製又は決定すると同時に、正反射光下で虚像を出現させるための原画像(9)に対応するデータを、入力部(101)から入力する。ここでいうデータとは、後述する原画像(9)の圧縮率や、円弧状の仮想線のピッチ等、第一の画像(3)を構成する複数の画線群(4)の作製に必要なデータのことである。
第二に、図5及び図6(b)に示すように、処理部(102)において、原画像(9)を特定の方向に圧縮し、画線幅(W1)の圧縮画像(10)を形成する(STEP2)。
原画像(9)を圧縮する特定の方向は、後述する仮想線群(7)の配置方向と同一方向である必要がある。例えば、仮想線群(7)が第一の方向に配置されている場合は、図6(a)に示す原画像(9)は、第一の方向(図中、横方向)にのみ圧縮して、図7(a)に示す第一の画像(3)とする必要がある。また、特定の縮率での圧縮することについては後述する。
第三に、図5及び図6(c)に示すように、処理部(102)において、形成した圧縮画像(10)を第一の方向に第一のピッチで規則的に複数配置する(STEP3)。
圧縮画像の作成手順としては、前述した第二、第三の順のように、図7(b)に示す原画像(9−1)の一つを特定の圧縮率で圧縮し、複数の圧縮画像(10−1、10−2、・・・、10−n)を第一のピッチで配置しても良く、また、図7(b)に示す複数の原画像(9−1、9−2、・・・、9−n)を一つのグループとして扱い、全体を圧縮して、結果的に各圧縮画像(10−1、10−2、・・・、10−n)間のピッチが第一のピッチとなるように圧縮率を調整しても良い。
ただし、原画像(9)の一つを特定の圧縮率で圧縮して圧縮画像(10)とした後に、圧縮画像(10−1、10−2、・・・、10−n)を第一のピッチ(P1)で複数配置する場合の圧縮率については、圧縮した圧縮画像(10)の幅を第一のピッチ(P1)を超えない幅に収まる値にとどめることが望ましい。これは、圧縮した各圧縮画像(10)の幅が第一のピッチ(P1)を超えてしまう場合、各圧縮画像(10)同士が重なりあってしまい、出現する虚像も重なり合って出現することから、観察者には分かりづらい虚像となるためである。
各原画像(9−1、9−2、・・・、9−n)を圧縮する方向は、縦方向、横方向又は斜め方向等の一方向に対して画像を圧縮することが可能である。また、縦方向の圧縮とは、画像の上下方向から圧縮をする形態であり、圧縮後の画像は横長となる。逆に、横方向の圧縮とは、画像の左右方向から圧縮をする形態であり、圧縮後の画像は横長となる。
第四に、図5及び図6(d)に示すように、処理部(102)において、円弧状の仮想線(8)を一定の間隔で第一の方向に配置して成る円弧群(6)を形成する(STEP4)。
図8に、円弧群(6)の構成を示す。円弧群(6)は、円弧状の仮想線(8)が第二の方向に第二のピッチ(P2)で規則的に複数配置されてなる仮想線群(7)が、第一の方向に第三のピッチ(P3)で規則的に複数配置されてなる。なお、円弧状の仮想線(8)は、曲率が等しい半円状の形状であることが望ましい。
また、第二のピッチ(P2)は、後述する画線(5)の画線幅に応じて適宜設定する。画線(5)の画線幅より小さいピッチの場合、画線(5)同士が重複してしまうため、第二のピッチ(P2)は、画線(5)の線幅以上とする。
さらに、虚像をより鮮明に、かつ、より動的効果を奏するためには、図9(a)に示すように、画線(5)同士が隣接して配置されていることが好ましい。画線(5)同士を隣接して配置させるためには、画線(5)の画線幅(W1)に対応させて、図9(b)に示すように、仮想線(8)の第二のピッチ(P2)を画線(5)の画線幅(W1)と等しく形成する。
また、仮想線群(7)の第三のピッチ(P3)は、5〜3000μmの範囲であることが望ましい。第三のピッチ(P3)が5μm未満である場合は、設計しづらく、逆に、3000μmを超える場合は、虚像が視認しづらくなり望ましくない。
なお、図10(a)に示すように、隣り合う仮想線群(7)において、仮想線群(7)を構成している仮想線(8)同士は、隣接している形態が好ましい。図10(b)に示すように、隣り合う仮想線群(7)において、仮想線群(7)を構成している仮想線(8)同士が離れている形態の場合、仮想線(8)同士が隣接している形態に比べて、画線群(4)を構成している円弧状の画線(5)の連続性が損なわれ、虚像の視認性及び動的効果の視認性が劣る。
圧縮画像(10)における第一のピッチ(P1)と、仮想線群(7)の第三のピッチ(P3)の関係については、第一のピッチ(P1)と第三のピッチ(P3)の差によって、発生させる虚像の幅が決定される。
さらに、発生させる虚像の動く度合いは、圧縮画像(10)における第一のピッチ(P1)と、仮想線群(7)の第三のピッチ(P3)の差に大きく影響を受け、ピッチの差を小さくすると変化の度合いは大きくなり、ピッチの差を大きくすると変化の度合いは小さくなる。
虚像を鮮明に視認させる方法として、圧縮画像(10)における第一のピッチ(P1)と、仮想線群(7)の第三のピッチ(P3)の差を大きくする方法が挙げられる。具体的には、圧縮画像(10)における第一のピッチ(P1)と、仮想線群(7)の第三のピッチ(P3)が等しい場合を100%と定義すると、第一のピッチ(P1)と第三のピッチ(P3)の差が、98%から102%の範囲にある場合、虚像の視認性が低下することから、このピッチの差の範囲を用いないことが好ましい。
虚像を制御するためのパラメーターは、複雑にからみあっていることから、虚像の個数、虚像の動きの細かさ等、何を優先させるかによって、圧縮画像(10)における第一のピッチ(P1)と、仮想線群(7)の第三のピッチ(P3)は異なってくる。
その中でも圧縮画像(10)における第一のピッチ(P1)と、仮想線群(7)の第三のピッチ(P3)の差異は、あらゆる要素に影響を及ぼすパラメーターであることから、基本的には、98%から102%を除いた80%から120%程度の範囲に留めることが、虚像の制御と視認性向上において好ましい条件である。
また、仮想線群(7)を構成する仮想線(8)の個数は、特定の個数に限定されるものではなく、モアレによる画像の動きの細かさ、動きの量及びモアレの発生数等を考えて、自由に決定して良い。
ただし、後述するが、作製段階において、円弧群(6)の上に複数の圧縮画像(10)を重ね合わせるため、円弧群(6)は、複数の圧縮画像(10)よりも大きく形成する必要がある。
また、円弧群(6)の大きさは、基材(2)上に出現させたい虚像の大きさである、すなわち、基材(2)上の少なくとも一部に備える第一の画像(3)の領域に沿った大きさで決定されるものである。つまり、第一の画像(3)の領域とほぼ同じ大きさの円弧群(6)を形成することとなる。
第五に、図5及び図6(e)に示すように、処理部(102)において、円弧群(6)の上に複数の圧縮画像(10)を重ね合わせる(STEP5)。円弧群(6)と複数の圧縮画像(10)の重ね合わせ角度は、平行に重ね合わせることが望ましい。円弧群(6)と複数の圧縮画像(10)に角度のずれが生じた場合には、出現する虚像に歪みが生じてしまうため、できる限り並行に重ね合わせる必要がある。
第六に、図5及び図6(f)に示すように、処理部(102)において、円弧群(6)を形成している仮想線(8)と、圧縮画像(10)が重なり合った部分のみの画線を抽出し(STEP6)、複数の画線群(4−1、4−2、・・・、4−n)から成る第一の画像(3)とする。
複数の画線群(4−1、4−2、・・・、4−n)を構成している画線(5)は、規則的に配置されている。ここでいう規則的とは、円弧群(6)において、第二の方向に第二のピッチ(P2)で規則的に複数配置されて成る仮想線群(7)が、第一の方向に第三のピッチ(P3)で規則的に複数配置されて成っていることに由来している。
図11(a)の第一の画像(3)におけるA1拡大図及びB1拡大図を図11(b)に示す。A1の領域に配置されている複数の画線(5)と、B1の領域に配置されている複数の画線(5)において、それぞれ対応する領域に配置されている画線(5)は、全て形状が異なる。
ここでいう、それぞれに対応する領域とは、図12に示すように、隣り合う画線群(4)同士、つまり、隣り合って配置されている画線群(4−1)と画線群(4−2)において、画線群(4−1)における所定の領域A1と、画線群(4−2)における所定の領域B1のように、同じ領域の関係のことである。
同様に、隣り合って配置されている画線群(4−2)と画線群(4−3)において、画線群(4−2)における所定の領域B1と、画線群(4−3)における所定の領域C1に関しても、隣り合う画線群(4)同士において、それぞれ対応する領域であるといえる。
つまり、仮に、各画線群(4−1、4−2及び4−3)を重ね合わせた場合、所定の領域(A1、B1及びC1)は、同じ領域を示すこととなり、そのような関係のことを「対応する領域」という。
例として、図11(b)に示すA1拡大図のうちの一つの画線(5−1a)と、図11(b)に示すB1拡大図のうちの一つの画線(5−1b)は、図11(c)に示すように、形状が異なるものである。これは、第三のピッチ(P3)で第一の方向に形成される円弧群(6)の上に、第三のピッチ(P3)とは異なる第一のピッチ(P1)で第一の方向に形成される圧縮画像(10)を重ねるため、ピッチの差によって、それぞれ対応する領域に配置されている画線(5)は、全て形状が異なることとなる。
すなわち、本発明において、第一の画像(3)を構成している画線(5)は、隣り合う画線群(4)同士において、それぞれ対応する領域に配置されている画線(5)の形状が異なる。
また、画線(5)の線幅は、5〜100μmの範囲で形成する。これは、線幅が5μm未満の場合、虚像の発現性が劣り、逆に、線幅が100μmを超える場合、虚像の立体視がしづらくなり、望ましくないためである。
また、画線(5)と隣り合う画線(5)の間隔は、小さければ小さいほど鮮明な虚像が出現する。逆に、大きすぎる場合、虚像の明るさが低下してしまい好ましくない。そのため、画線(5)と隣り合う画線(5)の間隔は、虚像に歪みが生じない範囲で適宜設定する必要がある。
なお、虚像をより鮮明に奏するために、前述した画線(5)の画線幅と、画線(5)同士の間隔を等しく形成することが、特に望ましい形態である。
図13に、円弧状の画線(5)の断面形状を示す。図13(a)は、円弧状の画線(5)の平面図であり、図13(b)及び図13(c)は、図13(a)におけるA−A´断面図である。図13(b)及び図13(c)に示すように、円弧状の画線(5)は、基材(2)に対して、凹形状又は凸形状の画線である。なお、スムーズな動的効果を奏するため、形状は、多角形のような角張った形状ではなく、なめらかな形状とする方が望ましい。
円弧状の画線(5)を凸形状の画線とした場合、基材(2)に対する円弧状の画線(5)の高さは、5〜1000μmの範囲内で形成することが可能である。基材(2)に対する円弧状の画線(5)の高さが1000μm以上である場合には、基材(2)に対して、凸形状の画線として作製しづらくなり、好ましくない。
第七に、図5に示すように、出力部(103)において、抽出した画線(5)から成る第一の画像(3)を基材上の一部に形成する(STEP7)。形成手段については、後述する。
次に、画線(5)を形成する材料について説明する。
画線(5)は、光輝性を有する画線で形成される。本発明における光輝性とは、明暗フリップフロップ性及び/又はカラーフリップフロップ性のことであり、画線(5)は、明暗フリップフロップ性及び/又はカラーフリップフロップ性を有する材料で形成されたものである。
明暗フリップフロップ性とは、観察角度の変化により明度の変化が生じることであり、カラーフリップフロップ性とは、観察角度の変化により色相の変化が生じることである。本発明において、立体的、かつ、動的に視認される画像は、画線(5)上の入射光を正反射する部位から成る。正反射した入射光と拡散反射した入射光のコントラストが大きいことで、肉眼において立体的、かつ、動的に画像を視認することが可能となる。そのため、画像(5)は、光源に対して所定の反射光量を有する材料である、明暗フリップフロップ性及び/又はカラーフリップフロップ性を有する材料を用いる必要がある。
明暗フリップフロップ性及び/又はカラーフリップフロップ性を有する材料には、アルミニウム粉末、銅粉末、亜鉛粉末、錫粉末、真鍮粉末又はリン化鉄等の一般的な金属粉顔料や、虹彩色パール顔料及び鱗片状顔料等の一般的なパール顔料を含むインキや、透明インキ、グロス系のインキがある。
また、基材(2)に用いることが可能な明暗フリップフロップ性及び/又はカラーフリップフロップ性を有する材料には、アルミ又はステンレス等の一般的な金属材料や、フィルム又はプラスティック等の樹脂材料の他に、パールインキ、平滑な表面を形成可能な塗料等が塗工された基材(2)があるが、画線(5)が、明暗フリップフロップ性及び/又はカラーフリップフリップ性を有していれば、形成する材料に限定はない。以下、本実施の形態においては、画線(5)が光輝性を有する材料により形成されたとして説明する。
次に、画線(5)の形成方法について説明する。
画線(5)は、基材(2)上に、光輝性を有するインキで盛りのある画線として形成する方法と、光輝性を有する基材(2)を凹形状又は凸形状に変形することで形成する方法とがある。
インキで盛りのある画線として形成する方法とは、基材(2)に対して公知の印刷方法に適した版面及び光輝性を有するインキを用いて印刷を行うことで形成する。画線(5)を凹版印刷、スクリーン印刷又はフレキソ印刷より形成した場合には、形成された画線(5)は、基材(2)に対して、盛りのある凸形状の画線として形成される。
基材(2)を凹形状又は凸形状に変形させて形成する方法とは、光輝性を有する基材(2)をエンボス加工又はレーザ加工等、基材(2)を変形することが可能な公知の加工機を用いて、画線(5)の形状に合わせて加工することで形成される。
なお、光輝性を有しない基材(2)を用いた際においても、凹形状又は凸形状に変形させた後、基材(2)における変形箇所上に、光輝性を有するインキを印刷により付与することで画線(5)を形成することが可能である。例えば、公知の抄紙機を用いてすき入れにより基材(2)を凹形状又は凸形状に変形させて後、変形箇所上に光輝性を有するインキをベタ印刷により付与することで、画線(5)が形成される。
また、凹形状又は凸形状に変形させた部位の表面のみが平滑になるように、エンボス加工することも可能である。
次に、立体表示形成体の視認原理について説明する。
一般的な円弧状の円弧画線を視認するための観察角度について説明する。図14は、立体表示形成体(1)が付与された基材(2)を観察するための視点(E1及びE2)を示す図である。なお、円弧画線は、基材(2)上における第一の方向(X1)に配置されている。
一般的に、基材(2)、定位置の光源(Q)及び視点が、図14(a)に示す位置関係にあるとき、第一の観察角度(E1)から観察したとし、図14(b)に示す位置関係にあるとき、第二の観察角度(E2)から観察したとする。
第一の観察角度(E1)とは、円弧画線(11)が定位置の光源(Q)からの入射光に対して、光輝性を有して視認される領域のことである。例えば、円弧画線(11)を、パールインキで形成した場合、パールインキは、拡散反射領域においては、光源(Q)からの入射光を反射しない。よって、円弧画線(11)は、所定の反射光量未満の反射光であり、肉眼において光輝性を有しない画線として視認される。
第二の観察角度(E2)とは、円弧画線(11)が定位置の光源(Q)からの入射光に対して、光輝性を有して視認される領域のことである。例えば、円弧画線(11)を、パールインキで形成した場合、パールインキは、正反射領域においては、光源(Q)からの入射光を反射する。よって、円弧画線(11)は、所定の反射光量以上の反射光を有し、肉眼において光輝性を有する画線として視認される。
なお、第一の観察角度(E1)及び第二の観察角度(E2)は、円弧画線(11)を形成する材料により、基材(2)、光源(Q)及び始点の位置関係が変化し、更には正反射領域及び拡散反射領域に限らない。
第一の観察角度(E1)とは、円弧画線(11)が定位置の光源(Q)からの入射光に対して、光輝性を有して視認されない領域のことであり、第二の観察角度(E2)とは、円弧画線(11)が定位置の光源(Q)からの入射光に対して、光輝性を有して視認される領域のことである。
図15は、第二の観察角度(E2)における円弧画線(11)の視認原理を示す模式図である。図15(a)に示すように、第二の観察角度(E2)において、円弧画線(11)を形成する光輝性の材料は、光源(Q)からの入射光を反射する。
円弧画線(11)が、基材(2)に対して凹形状又は凸形状の場合、光源(Q)からの反射光(V1、V2、V3、V4及びV5)は、一方向ではなく他方向に反射する。
観察者の左目(L)の視野角度はθLであることから、左目(L)には、視野角度θL内にある反射光(V1及びV2)が視認される。一方、反射光(V3、V4及びV5)は、視野角度θLの範囲外であることから、視認されない。よって、円弧画線(11)は、観察者の左目(L)において、図15(b)に示すように、視野角度θL内となる図面左(U)側の点線部は、光輝性を有して視認されるが、視野角度θL外となる図面右(D)側の実線部は、光輝性を有しない画線として視認される。
一方、観察者の右目(R)の視野角度はθRであることから、右目(R)には、視野角度θR内にある反射光(V4及びV5)が視認される。一方、反射光(V1、V2及びV3)は、視野角度θRの範囲外であることから、視認されない。よって、円弧画線(11)は、観察者の右目(R)において、図15(c)に示すように、視野角度θR内となる図面右(D)側の点線部は、光輝性を有して視認されるが、視野角度θR外となる図面左(U)側の実線部は、光輝性を有しない画線として視認される。
図15(b)に示す左目(L)で視認される円弧画線(11)の光輝性を有して視認される箇所と、図15(c)に示す右目(R)で視認される円弧画線(11)の光輝性を有して視認される箇所は、図面左(U)側と図面右(D)側を結ぶ直線に対して、左右に位相差を持った画線として視認される。よって、同一画像を複数並んで形成しなくても両眼視差により、観察者には、図15(d)に示すように、円弧画線(11)の両方が視認される。
なお、立体表示形成体(1)を観察する際には、図15(a)に示す、左右の視点を結ぶ線と、図面左(U)側と図面右(D)側を結ぶ直線が略平行となるように観察することで、円弧画線(11)及び後述する第一の画像(3)を立体的に視認することが可能となる。よって、観察時に、左右の視点を結ぶ線と図面左(U)側と図面右(D)側を結ぶ直線が平行となるように、立体表示形成体(1)及び/又は視点を調節する。
次に、これまで説明してきた一般的な観察角度及び視認原理を利用し、本発明の立体表示形成体(1)を、各観察角度(E1及びE2)から観察した際の視認原理について説明する。
図16は、立体表示形成体(1)を、第一の観察角度(E1)から観察した際の平面図である。基材(2)に対して第一の観察角度(E1)から観察した場合、複数の画線群(4)から成る第一の画像(3)は、画線群(4)から成る一つの模様である、いわゆる、原画像を圧縮した模様が、複数規則的に配列されている平面的な画像として視認される。
図17は、立体表示形成体(1)を、第二の観察角度(E2)から観察した際の平面図である。基材(2)に対して第二の観察角度(E2)から観察した場合、原画像(9)が一つの虚像として、部分的に光輝性を有して視認される。
図18(a1)は、観察者の左目(L)に視認される虚像(12L)を示す平面図である。図18(a1)に示すように、第二の観察角度(E2)において観察者の左目(L)には、複数の円弧状の画線(5)における光輝性を有して視認される部位から成る虚像(12L)が視認される。
図18(b1)は、観察者の右目(R)に視認される虚像(12R)を示す平面図である。図18(b1)に示すように、第二の観察角度(E2)において観察者の右目(R)には、複数の円弧状の画線(5)における光輝性を有して視認される部位から成る虚像(12R)が視認される。
前述のとおり、左目(L)で視認される画線群(4)と、右目で視認される画線群(4)は、水平方向に位相差を持った画線として視認されることから、両眼視差により観察者には、原画像(9)が一つの立体的な虚像(12)として視認される。
さらに、観察角度を変化させることで、その観察角度の変化に伴い、動的に虚像(12)を視認することが可能である。次に、虚像(12)が動的に視認される原理について説明する。
図19(a)は、基材(2)に対する観察角度の変化を示す模式図であり、図19(b)は、図19(a)において視認される虚像(12)を示す平面図である。
図19(a)に示すように、画線群(4)が光輝性を有して視認される領域(θ4)内において、基材(2)に対する観察角度を観察角度(E2−1)から観察角度(E2−2)へと連続的に変化させて観察した場合、観察角度の変化に伴い、画線群(4)における光源(Q)からの入射光を反射する位置が、画線群(4)を構成する円弧画線上で徐々に変化する。
その変化に伴って、画線群(4)の光輝性を有して視認される領域が変化する。それによって、図19(b)に示す出現していた虚像(12)が、矢印方向に動いているように視認される。
例えば、観察角度を第21の観察角度(E2−1)から第22の観察角度(E2−2)へと連続的に変化させて観察した場合、虚像(12)は、右から左へと動いているように視認され、反対に、第22の観察角度(E2−2)から第21の観察角度(E2−1)へと連続的に変化させて観察した場合、虚像(12)は、左から右へと動いているように視認される。
このように、本発明における原画像(9)の虚像(12)は、立体的、かつ、連続的に動いているように視認することが可能となる。
次に、前述した立体表示形成体(1)の変形例について説明する。
図20は、変形例の立体表示形成体(1)を示す平面図である。なお、前述した実施の形態と同様の点については、説明を省略する。前述した実施の形態と同様に、立体視可能な画像を有しているが、変形例における立体視可能な画像は、前述した実施の形態よりも動的効果が高い画像である。
図20に示すように、立体表示形成体(1)は、第一の画像(3)と第二の画像(13)を有する。なお、第一の画像(3)は、前述した画像と同一の画像であることから、説明を省略する。図20に示すように、第二の画像(13)は、第一の画像(3)に対して、近接又は隣接する位置に、形成されている。
隣接する位置とは、第一の画像(3)及び第二の画像(13)が隣り合って接して形成されることであり、近接する位置とは、第一の画像(3)及び第二の画像(13)が基材(2)上において近い位置に形成されることである。
なお、近接又は隣接する位置においては、観察者の視野や左右の目の間の距離、第一の画像(3)及び第二の画像(13)の大きさに合わせて、第一の画像(3)及び第二の画像(13)がいずれも立体視可能となる距離(W)の範囲で設定する。
第二の画像(13)を構成している画線(15)と、第一の画像(3)を構成している画線(5)は、図20の拡大図に示すように、第一の方向の基準線(K)を軸にミラー反転した形状となっている。
なお、図21に、作製段階におけるSTEP4の円弧群形成工程と、STEP5の重ね合わせ工程における円弧群(6及び6´)及び圧縮画像(10及び10´)の説明図を示す。
図21(a)に円弧群形成工程(STEP4)を示す。第一の画像(3)を形成するために、前述したとおり、円弧状、かつ、盛り上がりのある形状の仮想線(8)を規則的に複数配置して円弧群(6)を形成する。さらに、変形例においては、第一の画像(3)と近接又は隣接する位置に形成する第二の画像(13)を形成するために、円弧状、かつ、凹んだ形状の仮想線(8´)を規則的に複数配置して円弧群(6´)を形成する。
次に、図21(b)に重ね合わせ工程(STEP5)を示す。STEP4で形成した円弧群(6及び6´)に、前述した圧縮画像(10及び10´)を重ね合わせる。
その後、各円弧群(6及び6´)を形成している各仮想線(8及び8´)と、各圧縮画像(10及び10´)が重なり合った部分のみの画線を抽出することで、図20に示すように、第二の画像(13)を構成している画線(15)と、第一の画像(3)を構成している画線(5)が、第一の方向の基準線(K)を軸にミラー反転した形状として形成される。
また、第一の画像(3)を形成している画線(5)と第二の画像(13)を形成している画線(15)は、1〜180度の範囲内で異ならせることが可能であるが、略180度であることが好ましい。これは、略180度とすることで、第一の画像(3)と第二の画像(13)が立体的、かつ、動的に視認する際に、より動的効果が高い画像として視認されるためである。なお、動的効果が視認される原理についての詳細は後述する。
以下、本実施の形態の変形例においては、第一の画像(3)を形成している画線(5)と第二の画像(13)を形成している画線(15)が、180度異なるとして説明する。
図22は、第二の観察角度(E2)における円弧画線(11´)の視認原理を示す模式図である。図22(a)に示すように、第二の観察角度(E2)において、円弧画線(11´)を形成する光輝性の材料は、光源(Q)からの入射光を反射する。
円弧画線(11´)が、基材(2)に対して凹形状又は凸形状の場合、光源(Q)からの反射光(V1、V2、V3、V4及びV5)は、一方向ではなく他方向に反射する。
図22(a)、(b1)、(c1)及び(d1)を用いて、第二の画像(13)が凹形状の円弧画線(11´)である場合について説明する。
観察者の左目(L)の視野角度はθLであることから、左目(L)には、視野角度θL内にある反射光(V4及びV5)は視認される。一方、反射光(V1、V2及びV3)は、視野角度θLの範囲外であることから、視認されない。よって、円弧画線(11´)は、観察者の左目(L)には、図22(b1)に示すように、視野角度θL内となる図面右(D)側の点線部は、光輝性を有して視認されるが、視野角度θL外となる図面左(U)側の実線部は、光輝性を有しない画線として視認される。
一方、観察者の右目(R)の視野角度はθRであることから、右目(R)には、視野角度θR内にある反射光(V1及びV2)が視認される。一方、反射光(V3、V4及びV5)は、視野角度θRの範囲外であることから、視認されない。よって、円弧画線(11´)は、観察者の右目(R)には、図22(c1)に示すように、視野角度θR内となる図面左(U)側の点線部は光輝性を有して視認されるが、視野角度θR外となる図面右(D)側の実線部は光輝性を有しない画線として視認される。
図22(b1)に示す左目(L)で視認される円弧画線(11´)の光輝性を有して視認される箇所と、図22(c1)に示す右目(R)で視認される円弧画線(11´)の光輝性を有して視認される箇所は、図面左(U)側と図面右(D)側を結ぶ直線に対して、左右に位相差を持った画線として視認される。よって、同一画像を複数並んで形成しなくもて、両眼視差により、観察者には図22(d1)に示すように、円弧画線(11´)は両方が視認される。
図22(b2)、図22(c2)及び図22(d2)は、前述した凸形状の円弧画線(11)を形成する画線(5)を第2の観察角度(E2)から視認した際の模式図である。図22(b2)は、観察者の左目(L)で視認される円弧画線(11)であり、図22(c2)は、観察者の右目(R)で視認される円弧画線(11)であり、図22(d2)は、観察者の左右の目(L、R)で視認される円弧画線(11)である。
以上のように、凸形状の円弧画線(11)と凹形状の円弧画線(11´)が、観察者の左右の目(L、R)で逆の部分が光輝性を有しているように視認されることで、基材(2)を傾けて視認した際に、それぞれの円弧画線(11及び11´)は異なる方向に動いて視認される。
つまり、図20に示した立体表示形成体(1)を、図23(a)に示すように、基材(2)に対する観察角度を観察角度(E2−1)から観察角度(E2−2)へと連続的に変化させて観察した場合、観察角度の変化に伴い、図23(b)に示すように、各虚像(12及び12´)が異なる方向に動的に視認される。
よって、変形例で示した立体表示形成体(1)は、前述した一つの画像を形成した場合と比べて、動的効果が高くなる。
なお、変形例においては、第一の画像(3)の基となる原画像と、第二の画像(13)の基となる原画像を同じ画像の場合で説明したが、異なる画像とすることも可能である。
1 立体表示形成体
2 基材
3 第一の画像
4、4−1、4−2、4−3、4−n 画線群
5、5−1a、5−1b、15 画線
6、6´ 円弧群
7 仮想線群
8、8´ 仮想線
9、9−1 原画像
10、10´、10−1、10−n 圧縮画像
11、11´ 円弧画線
12、12´、12L、12R 虚像
13 第二の画像
E1、E2、E2−1、E2−2 観察角度
Q 光源
S システム
101 入力部
102 処理部
103 出力部
104 記憶部

Claims (7)

  1. 基材上の少なくとも一部に、明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有し、かつ、虚像の基となる原画像を圧縮した形状を有する画線群が、第一の方向に第一のピッチで、規則的に複数配置されて成る第一の画像を備え、
    前記画線群は、円弧状の画線が、前記基材に対して凹形状又は凸形状の断面形状を有して規則的に配置されて成り、
    前記画線は、隣り合う前記画線群において、それぞれ対応する領域に配置されている形状が、全て異なって形成され、
    前記基材を、定位置の光源に対して所定の角度から異なる角度へと連続的に変化させて観察した場合、前記光源からの入射光を反射する位置が、前記円弧状の画線上で徐々に移動することにより、前記原画像が虚像として立体的、かつ、動的に視認されることを特徴とする立体表示形成体。
  2. 前記画線は、明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有するインキで形成され、又は、明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有する材料から成る前記基材を加工して形成されたことを特徴とする請求項1記載の立体表示形成体。
  3. 前記原画像が二つの場合、
    前記基材上における前記第一の画像に対して近接又は隣接する位置に、更に、立体視可能な第二の画像を備え、
    前記第二の画像は、明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有し、かつ、第二の虚像の基となる第二の原画像を圧縮した形状を有する第二の画線群が、前記第一の方向に前記第一のピッチで、規則的に複数配置されて成り、
    前記第二の画線群は、円弧状の第二の画線が、前記基材に対して凹形状又は凸形状の断面形状を有して規則的に配置されて成り、
    前記第二の画線は、隣り合う前記画線群において、それぞれ対応する領域に配置されている形状が、全て異なって形成され、
    前記第一の画像を形成している前記画線と、前記第二の画像を形成している前記第二の画線はミラー反転して成り、
    前記二つの原画像が虚像として立体的、かつ、相反する方向に動的に視認されることを特徴とする請求項1又は2記載の立体表示形成体。
  4. 前記第二の画線は、明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有するインキで形成され、又は、明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有する材料から成る前記基材を加工して形成されたことを特徴とする請求項3記載の立体表示形成体。
  5. 少なくとも入力部、処理部、出力部を備えたシステムを用いて、観察角度を異ならせることで画像が動的に視認可能な請求項1又は請求項2記載の立体表示形成体の作製方法であって、
    前記処理部において、正反射光下で出現する虚像の基となる原画像を作製又は決定する原画像決定工程と、
    前記原画像に対応するデータを前記入力部から入力し、入力された前記データを基に、前記処理部において、第一の方向に圧縮した前記原画像が、前記第一の方向に第一のピッチで規則的に複数配置されて成る圧縮画像を形成する圧縮画像形成工程と、
    所定の線幅を有する円弧状の仮想線が、第二の方向に第二のピッチで規則的に複数配置されて成る仮想線群を、前記第一の方向に前記第一のピッチと異なる第三のピッチで規則的に複数配置して成る円弧群を形成する円弧群形成工程と、
    前記円弧群の上に、前記複数の圧縮画像を重ね合わせる工程と、
    前記仮想線と、前記複数の圧縮画像が重なり合った部分のみの画線を抽出する画線抽出工程と、
    前記基材上の一部に、抽出した前記画線から成り、第一の画像を構成している明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有し、前記基材に対して凸形状又は凹形状の断面形状を有する第一の画線群を形成する画線群形成工程から成ることを特徴とする立体表示形成体の作製方法。
  6. 前記原画像が二つの場合、
    前記処理部において、正反射光下で出現する二つの虚像の基となる二つの原画像を作製又は決定する原画像決定工程と、
    前記円弧状の仮想線における向きをミラー反転させた所定の線幅を有する円弧状の第二の仮想線が、第二の方向に第二のピッチで規則的に複数配置されて成る第二の仮想線群を、前記第一の方向に前記第一のピッチと異なる第三のピッチで規則的に複数配置して成る第二の円弧群を形成する円弧群形成工程と、
    前記第二の円弧群の上に、複数の第二の圧縮画像を重ね合わせる工程と、
    前記第二の仮想線と、前記複数の第二の圧縮画像が重なり合った部分のみの第二の画線を抽出する画線抽出工程と、
    前記基材上における前記第一の画像に対して近接又は隣接する位置に、抽出した前記第二の画線から成り、第二の画像を構成している明暗フリップフロップ性又はカラーフリップフロップ性の少なくともどちらか一方の特性を有し、前記基材に対して凸形状又は凹形状の断面形状を有する第二の画線群を形成する画線群形成工程を有することを特徴とする請求項5記載の立体表示形成体の作製方法。
  7. 隣り合う前記仮想線群において、前記仮想線群を構成している前記仮想線同士は、隣接していることを特徴とする請求項5又は6記載の立体表示形成体の作製方法。
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