JP2014031875A - ワンウェイクラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】ワンウェイクラッチの外輪や板バネの寿命を向上し、シャフトの長寿命化を図り、シャフトと転動体との噛み合い不良も防止することである。
【解決手段】板バネ15のリング部15aは、焼結部材による外輪11の凹部に位置し、板バネ15の押圧部15bは楔形状空間13に位置し外輪11の楔形状空間13の転動体14を押圧する。外輪11の凹部に設けられた高座18は、シールド部材16が板バネ15のリング部15aに接触しないようにシールド部材16を支持し、板バネ15のリング部15aが自由に撓む隙間dを確保して板バネ15のバネ有効長さを大きくする。シャフトが楔形状空間13の広幅部から狭小部に向けて回転するときは、外輪11と一体となって回転し、楔形状空間13の狭小部から広幅部に向けて回転するときは空転する。
【選択図】図3

Description

本発明は、一方の方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチに関する。
ワンウェイクラッチは、シャフトの一方の方向のみの回転力を外輪に伝達するクラッチである(例えば、特許文献1参照)。シャフトが回転力を伝達できる方向に回転するときは、外輪に形成された楔形状空間とシャフトとの間に設置された転動体が板バネに押されて噛み合い状態に至り、シャフトの回転力を外輪に伝達する。一方、シャフトが逆方向へ回転したときは、転動体が楔形状空間の広幅部へ移動することで転動体の噛み合い状態が解除されてシャフトの回転は空転となり、外輪に回転力を伝達しない状態となる。このようなワンウェイクラッチは、プリンタや複写機などのいわゆるOA機器の内部で紙送り機構に利用されている。
図7は従来のワンウェイクラッチ10の一例を示す構成図であり、図7(a)は正面図、図7(b)は一部切欠背面図、図7(c)は図7(a)のX−X線での断面図である。ワンウェイクラッチ10の外輪11は円筒状に形成され、シャフトを貫通させるための貫通孔12を有している。外輪11の内径面には円周方向に複数個の楔形状空間13が形成され、楔形状空間13に転動体14が収納され、また、外輪11の一方端部において縁部11aと凹部11bとが形成され、凹部11bには転動体14を押圧する板バネ15が収納されている。
そして、シールド部材16は、楔形状空間13に収納された転動体14が楔形状空間13から出ないように、外輪11の一方端部において楔形状空間13を封止している。シールド部材16は、外輪11の凹部11bのうち板バネ15が配置されない箇所に設けられたプロジェクション17との間をスポット溶接して、外輪11に固定される。
シャフトは貫通孔12に挿入される。これにより、シャフトの外面と転動体14の外面とが接触する。いま、シャフトが図7(b)の矢印Aの方向に回転すると、転動体14が板バネ15に押されて矢印Aの方向に移動し、楔形状空間13の広幅部から狭小部に向けて移動するので、転動体14は楔形状空間13でシャフト及び外輪11と噛み合い状態に至り、シャフトの回転力は外輪11に伝達されることになる。
一方、シャフトが矢印Aの逆方向である矢印Bの方向に回転したときは、転動体14が板バネ15を押圧して楔形状空間13の広幅部へ移動する。これにより、転動体14の噛み合い状態が解除されてシャフトの回転は空転となり、外輪11に回転力を伝達しない状態となる。
このように、ワンウェイクラッチは、シャフトの一方の方向のみの回転力を外輪11に伝達するクラッチであり、回転トルクの伝達のオンオフを行うことができるので、例えば、複写機の用紙ストックからカット紙を連続して送り出すのに使用されている。
特開2000−356230号公報
しかし、上記従来ものは、複写機の高速化に伴いワンウェイクラッチの期待噛み合い総回数が増加する。それに伴い、ワンウェイクラッチ構成部品である板バネの振幅回数を増加させる。これにより、板バネの寿命を向上する必要が生じている。
また、外輪は焼結部材で形成され、焼結部材で形成された外輪の硬度はHv600以上必要である。そこで、硬度Hv600を得るために炭素濃度1.0%〜1.2%の浸炭雰囲気で熱処理を実施している。複写機が高速になるに従い、負荷トルクが増加し、噛み合い回数も増加することから外輪の硬度を維持しつつ靭性を向上させる必要が生じている。
一方、転動体は耐摩耗性を考慮して熱処理し、その硬度をHv600以上としている。そのため、転動体に適合するシャフトの硬度もHv600以上が望ましいが、シャフトの硬度を高めるためには熱処理をしなければならない。シャフトを熱処理することは、その熱処理に伴う費用が増加するだけでなく、シャフトの変形・面荒れなどの品質劣化を来たす。そのため、シャフトの長寿命化が図れる非熱処理のシャフトの使用ができるようにすることが要請されている。
また、外輪は焼結部材を使用しているので、長期間使用していると、外輪の楔形状空間に封入したグリースの基油分が焼結部材のポーラスに吸収され、グリースの粘性が高くなる傾向にあった。その結果、長期使用においてはグリース粘性が高くなることで、シャフトと転動体との噛み合い時に転動体の応答性が悪くなり、噛み合い不良が発生することがあった。
本発明の目的は、外輪や板バネの寿命を向上でき、さらにはシャフトの長寿命化を図ることができ、またシャフトと転動体との噛み合い不良も防止できるワンウェイクラッチを提供することである。
請求項1の発明に係るワンウェイクラッチは、円筒状の内径面に楔形状空間が形成され、前記楔形状空間が開放している端面側に凹部が形成された焼結部材による外輪と;前記外輪の楔形状空間に配置され、前記外輪の内径を貫通するシャフトに接触する転動体と;リング状に形成されたリング部から突出して前記転動体を押圧する押圧部を有し、前記リング部は前記外輪の凹部に位置し、前記押圧部は前記楔形状空間に位置するように配置された板バネと;前記板バネを覆って前記外輪の凹部に配置され、前記転動体が前記楔形状空間から出ないように前記楔形状空間を封止するシールド部材と;前記外輪の前記凹部に設けられ、前記シールド部材が前記板バネのリング部に接触しないように前記シールド部材を支持し、前記板バネのリング部が自由に撓む隙間を確保して前記板バネのバネ有効長さを大きくするための高座とを備え;前記シャフトが前記楔形状空間の広幅部から狭小部に向けて回転するときは前記押圧部により前記転動体を前記狭小部に押し付けて前記シャフトと前記外輪とが一体となって回転し、前記楔形状空間の狭小部から広幅部に向けて回転するときは前記転動体の前記狭小部への押し付けを解除して前記シャフトを空転させることを特徴とする。
請求項2の発明に係るワンウェイクラッチは、請求項1の発明において、前記外輪は、炭素濃度0.65%〜0.85%の浸炭雰囲気で焼結部材を熱処理して形成されることを特徴とする。
請求項3の発明に係るワンウェイクラッチは、請求項1の発明において、前記転動体の硬度は、非熱処理シャフトが使用可能な硬度としたことを特徴とする。
請求項4の発明に係るワンウェイクラッチは、請求項1の発明において、前記外輪の焼結部材のポーラスに嫌気性接着剤を含浸させたことを特徴とする。
請求項5の発明に係るワンウェイクラッチは、請求項1の発明において、前記外輪は、炭素濃度0.65%〜0.85%の浸炭雰囲気で焼結部材を熱処理して形成され、前記転動体の硬度は、非熱処理シャフトが使用可能な硬度としたことを特徴とする。
請求項6の発明に係るワンウェイクラッチは、請求項1の発明において、前記外輪は、炭素濃度0.65%〜0.85%の浸炭雰囲気で焼結部材を熱処理して形成され、前記外輪の焼結部材のポーラスに嫌気性接着剤を含浸させたことを特徴とする。
請求項7の発明に係るワンウェイクラッチは、請求項1の発明において、前記外輪は、炭素濃度0.65%〜0.85%の浸炭雰囲気で焼結部材を熱処理して形成され、前記転動体の硬度は、非熱処理シャフトが使用可能な硬度とし、前記外輪の焼結部材のポーラスに嫌気性接着剤を含浸させたことを特徴とする。
本発明によれば、外輪の凹部に設けられた高座により、板バネのリング部に接触しないようにシールド部材を支持し、板バネのリング部が自由に撓む隙間を確保して、板バネのバネ有効長さを大きくするので、板バネの曲げ応力が緩和される。従って、バネ寿命を向上させることができ空転トルクを小さくできる。
また、炭素濃度0.65%〜0.85%の浸炭雰囲気で焼結部材の外輪を熱処理するので、外輪の硬度を満足した状態で靭性を向上できる。さらに、転動体の硬度は非熱処理シャフトが使用可能な硬度とするので、非熱処理シャフトを使用できシャフトの寿命を延ばすことができる。
また、外輪の焼結部材のポーラスに嫌気性接着剤を含浸させるので、外輪の楔形状空間に封入したグリースの基油分が焼結部材のポーラスに吸収されるのを防止でき、グリースの粘度変化を抑えることが可能となる。また、嫌気性接着剤を含浸させたことで、外輪の金属表面に樹脂皮膜が形成され防錆効果を得ることができる。
本発明の実施形態に係るワンウェイクラッチの一例を示す構成図。 本発明の実施形態に係るワンウェイクラッチの組立説明図。 本発明の実施形態に係るワンウェイクラッチの転動体と板バネとの係合関係の説明図。 表2に示す噛み合い回数と炭素雰囲気濃度との関係を示すグラフ。 本発明の実施形態に係るワンウェイクラッチの転動体とシャフトとの接触面での弾性変形の説明図。 本発明の実施形態に係るワンウェイクラッチの焼結部材で形成された外輪の表面のポーラスの説明図。 従来のワンウェイクラッチ10の一例を示す構成図。
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の実施形態に係るワンウェイクラッチ10の一例を示す構成図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)のY−Y線での断面図である。
この本発明の実施形態は、図7に示した従来例に対し、外輪11の凹部11bにプロジェクション17を有した高座18を設けたものである。図7と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図1(a)に示すように、ワンウェイクラッチ10の外輪11は、焼結部材により円筒状に形成され、シャフトを貫通させるための貫通孔12を有している。そして、図1(b)に示すように、外輪11の内径面には円周方向に複数個の楔形状空間13が形成され、楔形状空間13に転動体14が収納されている。転動体14は、外輪11の内径を貫通するシャフトに接触して、シャフトと外輪11との回転を一体としたり、シャフトの回転を空転させたりするものである。
また、外輪11の楔形状空間13が開放している端面側(背面側)において縁部11aと凹部11bとが形成され、凹部11bには転動体14を押圧するための板バネ15が配置されている。
外輪11の凹部11bにはプロジェクション17を有した高座18が設けられている。高座18のプロジェクション17は、シールド部材16が板バネ15に接触しないようにシールド部材16を支持する。
図2は本発明の実施形態に係るワンウェイクラッチ10の組立説明図であり、図2(a)は外輪11の楔形状空間13に転動体14を収納した段階の背面図、図2(b)は外輪11の凹部11bに配置される板バネ15の平面図、図2(c)は外輪11の一方端部を封止するシールド部材16の平面図、図2(d)はワンウェイクラッチ10の背面図である。
図2(a)に示すように、高座18は外輪11の凹部11bの一部に設けられ、シールド部材16をスポット溶接するためのプロジェクション17を有している。図2(a)では、6個の楔形状空間13及び6個の高座18が設けられた場合を示している。
そして、板バネ15は、図2(b)に示すように、リング状に形成されたリング部15aから押圧部15bが突出して設けられる。図2(b)では、6個の楔形状空間13に対応して、6個の押圧部15bが設けられた場合を示している。板バネ15のリング部15aは、高座18が設けられた位置を外して外輪11の凹部11bに配置され、また、押圧部15bは楔形状空間13に位置するように配置される。これにより、この押圧部15bは転動体14を押圧できる位置に配置される。
シールド部材16は、図2(c)に示すように、輪環状に形成される。そして、外輪11の凹部11bのうち板バネ15が配置されない箇所に設けられた高座18のプロジェクション17にスポット溶接されて外輪11に固定される。これにより、シールド部材16は、図2(d)に示すように、楔形状空間13に収納された転動体14が楔形状空間13から出ないように楔形状空間13を封止する。
図3は本発明の実施形態に係るワンウェイクラッチ10の転動体14と板バネ15との係合関係の説明図であり、図3(a)は転動体14及び板バネ15部分の一部切欠背面図、図3(b)の矢印Z方向から見た一部切欠内周面図である。なお、図3(a)ではシールド部材16の図示を省略している。
図3(a)に示すように、外輪11の凹部11bにはプロジェクション17を有した高座18が設けられている。板バネ15のリング部15aは、高座18が設けられた位置を外して外輪11の凹部11bに配置され、板バネ15の押圧部15bは、楔形状空間13の転動体14を押圧できる位置に配置される。
図3(b)に示すように、高座18のプロジェクション17は、シールド部材16が板バネ15に接触しないようにシールド部材16を支持する。これにより、板バネ15のリング部15aが自由に撓む隙間dを確保し、板バネ15のバネ有効長さLを大きくする。また、板バネ15の押圧部15bは、先端部が折り曲げられており、この折り曲げられた先端部が転動体14に接触して転動体14を押圧する。
このように、外輪11の楔形状空間13が開放している端面の凹部11bに、プロジェクション17を有した高座18を設け、シールド部材16と外輪11の端面の凹部11bと間に、板バネ15のリング部15aが自由に撓む隙間dを確保した。
板バネ15のリング部15aが自由に撓む隙間dを確保しない場合には、バネの有効長さは、バネ板15の押圧部15bの長さ(腕の長さ)L1である。これに対し、本発明の実施形態のように、板バネ15のリング部15aが自由に撓む隙間dを確保した場合には、バネの有効長さは、バネ板15の押圧部15bの長さ(腕の長さ)L1と、高座18のプロジェクション17までのリング部15aの長さとの和(L1+L2)となる。
曲げ応力は、バネの有効長さの1/2乗に比例する。従って、バネの有効長さがL1から(L1+L2)と長くなったことから曲げ応力が緩和される。これにより、バネ寿命を向上させることができ、空転トルクを小さくすることが可能となる。
次に、外輪11の硬度を維持しつつ靭性を向上させる手法について説明する。前述のように、本発明の実施形態では、外輪11は焼結部材で形成される。表1にワンウェイクラッチの外輪11並びに試験条件の仕様の一例を示す。
Figure 2014031875
通常、外輪11の硬度はHv600以上とし、外輪11の期待寿命(噛み合い回数100万回)を達成している。現状では、硬度Hv600を得るために、焼結部材で形成された外輪11を炭素濃度1.0%〜1.2%の浸炭雰囲気で熱処理を実施している。
これに対し、本発明の実施形態では、外輪11は、炭素濃度0.65%〜0.85%の浸炭雰囲気で焼結部材を熱処理して形成される。表2は、表1に示した仕様のワンウェイクラッチにつき、炭素濃度0.5%〜1%の浸炭雰囲気で外輪11を熱処理した場合の耐久性(噛み合い)の試験の結果を示す。また、図4は表2に示す噛み合い回数と炭素雰囲気濃度との関係を示すグラフである。
Figure 2014031875
表2及び図4から分かるように、炭素雰囲気濃度0.6%以下では、硬度不足で摩耗により期待寿命(安全率2とすると200万回)に至らず、炭素雰囲気濃度0.9%以上では、硬度は満足するが靭性不足で割れ不良が発生する。安全率を加味した期待寿命(200万回)を得るには、炭素雰囲気濃度0.7〜0.8%(公差を加味して炭素濃度0.65%〜0.85%)とする必要がある。そこで、本発明の実施形態では、浸炭雰囲気の炭素濃度を炭素濃度0.65%〜0.85%とすることで、硬度を満足した状態で靭性を向上させる。これにより、外輪11の寿命は2倍以上になる。従って、複写機が高速になり負荷トルクが増加して噛み合い回数が増加しても、外輪11の寿命を保つことができる。
次に、外輪11に挿入されるシャフトの長寿命化を図るための手法について説明する。シャフトは外輪11の貫通孔12に挿入され、シャフトの外面と転動体14の外面との噛み合い状態で、シャフトの回転力を外輪11に伝達するものである。このことから、現状では、転動体14は耐摩耗性を考慮して熱処理され、その硬度をHv600以上としている。そして、この転動体14の硬度に適合させるために、シャフトの硬度も熱処理してHv600以上としている。これにより、シャフトの長寿命化を図っている。
これに対し、本発明の実施形態では、転動体14の硬度は非熱処理のシャフト19が使用可能な硬度(Hv450〜550)のものを使用する。
図5は本発明の実施形態に係るワンウェイクラッチの転動体14とシャフト19との接触面での弾性変形の説明図であり、図5(a)は硬度Hv600の転動体14と硬度Hv600のシャフト19との接触面での弾性変形の説明図、図5(b)は硬度Hv450の転動体14と硬度Hv370のシャフト19との接触面での弾性変形の説明図である。
図5(a)に示すように、転動体14及びシャフト19の硬度がHv600と固いので、転動体14とシャフト19との間の弾性変形する接触面積は狭く、最大応力F1は大きくなる。
一方、転動体14の硬度を下げた場合には、非熱処理のシャフト19を使用できる。図5(b)に示すように、転動体14の硬度をHv450とした場合には、硬度Hv370の非熱処理のシャフト19を用いることができる。その場合、転動体14とシャフト19との間の弾性変形する接触面積が広くなり最大応力F2は小さくなる。これにより、非熱処理シャフト(ステンレス鋼硬度Hv370前後)のフレーキングに至るまでの寿命を2倍以上に延ばすことが可能となる。
さらに、非熱処理の転動体14(硬度Hv370前後)を使用すると、それに適合するシャフト19は、軟鋼の硬度Hv210前後を用いることができ、その寿命を2倍以上に延ばすことが可能となる。
このように、転動体14の硬度を下げることで、非熱処理のシャフト19を使用できる。従って、シャフト19の硬度を高めるための熱処理が不要となり、その熱処理に伴う費用が不要となるだけでなく、シャフト19の変形や面荒れなどの品質劣化も防止でき、シャフト19の長寿命化が図れる。
次に、外輪11の楔形状空間13に封入したグリースの粘性変化の抑制手法及び外輪11の防錆手法について説明する。図6は本発明の実施形態に係るワンウェイクラッチの焼結部材で形成された外輪11の表面のポーラスの説明図であり、図6(a)は樹脂含浸なしの状態でグリースを塗布した場合の外輪表面の一部切欠断面図、図6(b)は樹脂含浸有りの状態でグリースを塗布した場合の外輪表面の一部切欠断面図である。
図6(a)に示すように、外輪11は焼結部材を使用しているので、ポーラス20を有している。一方、シャフト19と転動体14との噛み合いを円滑にするために、外輪11の楔形状空間13にはグリース21が封入される。封入されたグリース21の基油分が焼結部材のポーラス20に吸収され、グリース21の増稠剤の濃度が相対的に高くなるので、長期間使用しているとグリース21の粘性が高くなる傾向にあった。その結果、シャフト19と転動体14との噛み合い時に転動体14の応答性が悪くなり、噛み合い不良が発生することがあった。
そこで、本発明の実施形態では、図6(b)に示すように、外輪11の焼結部材の表面に嫌気性接着剤22を塗布し、ポーラス20に嫌気性接着剤22を含浸させる。このように、嫌気性接着剤22を焼結部材に含浸させポーラス20を封孔することで、グリース21の基油分がポーラス20に吸収されないようにする。グリース21の基油分がポーラス20に吸収されないので、グリース21の粘度変化を抑えることが可能となる。また、嫌気性接着剤22を外輪11に含浸させたことで、外輪11の金属表高に数μmの樹脂皮膜が形成されるので、防錆効果を得ることもできる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…ワンウェイクラッチ、11…外輪、11a…縁部、11b…凹部、12…貫通孔、13…楔形状空間、14…転動体、15…板バネ、16…シールド部材、17…プロジェクション、18…高座、19…シャフト、20…ポーラス、21…グリース、22…嫌気性接着剤

Claims (7)

  1. 円筒状の内径面に楔形状空間が形成され、前記楔形状空間が開放している端面側に凹部が形成された焼結部材による外輪と;
    前記外輪の楔形状空間に配置され、前記外輪の内径を貫通するシャフトに接触する転動体と;
    リング状に形成されたリング部から突出して前記転動体を押圧する押圧部を有し、前記リング部は前記外輪の凹部に位置し、前記押圧部は前記楔形状空間に位置するように配置された板バネと;
    前記板バネを覆って前記外輪の凹部に配置され、前記転動体が前記楔形状空間から出ないように前記楔形状空間を封止するシールド部材と;
    前記外輪の前記凹部に設けられ、前記シールド部材が前記板バネのリング部に接触しないように前記シールド部材を支持し、前記板バネのリング部が自由に撓む隙間を確保して前記板バネのバネ有効長さを大きくするための高座とを備え;
    前記シャフトが前記楔形状空間の広幅部から狭小部に向けて回転するときは前記押圧部により前記転動体を前記狭小部に押し付けて前記シャフトと前記外輪とが一体となって回転し、前記楔形状空間の狭小部から広幅部に向けて回転するときは前記転動体の前記狭小部への押し付けを解除して前記シャフトを空転させることを特徴とするワンウェイクラッチ。
  2. 前記外輪は、炭素濃度0.65%〜0.85%の浸炭雰囲気で焼結部材を熱処理して形成されることを特徴とする請求項1記載のワンウェイクラッチ。
  3. 前記転動体の硬度は、非熱処理シャフトが使用可能な硬度としたことを特徴とする請求項1記載のワンウェイクラッチ。
  4. 前記外輪の焼結部材のポーラスに嫌気性接着剤を含浸させたことを特徴とする請求項1記載のワンウェイクラッチ。
  5. 前記外輪は、炭素濃度0.65%〜0.85%の浸炭雰囲気で焼結部材を熱処理して形成され、前記転動体の硬度は、非熱処理シャフトが使用可能な硬度としたことを特徴とする請求項1記載のワンウェイクラッチ。
  6. 前記外輪は、炭素濃度0.65%〜0.85%の浸炭雰囲気で焼結部材を熱処理して形成され、前記外輪の焼結部材のポーラスに嫌気性接着剤を含浸させたことを特徴とする請求項1記載のワンウェイクラッチ。
  7. 前記外輪は、炭素濃度0.65%〜0.85%の浸炭雰囲気で焼結部材を熱処理して形成され、前記転動体の硬度は、非熱処理シャフトが使用可能な硬度とし、前記外輪の焼結部材のポーラスに嫌気性接着剤を含浸させたことを特徴とする請求項1記載のワンウェイクラッチ。
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