JP2007064429A - ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】油圧低減用リングを組み込んだころ軸受において、その製作コストを安価にかつオイルシールに対する油圧を効果的に低減可能とすること。
【解決手段】本ころ軸受28は、オイルポンプ駆動軸14が挿通されるオイルポンプハウジング16の軸方向外側の内周円筒面に配置されているオイルシール26の直ぐ内側の内周円筒面に配置されるものであり、外輪28aのオイルシール26側の端部に設けた鍔部28dと保持器28cとの軸方向に対向する空間に軸方向に複数の薄肉リング32a,32b,32cを少なくともその内径側にラビリンス隙間を介在させて軸方向に重ね配置している。
【選択図】図1
【解決手段】本ころ軸受28は、オイルポンプ駆動軸14が挿通されるオイルポンプハウジング16の軸方向外側の内周円筒面に配置されているオイルシール26の直ぐ内側の内周円筒面に配置されるものであり、外輪28aのオイルシール26側の端部に設けた鍔部28dと保持器28cとの軸方向に対向する空間に軸方向に複数の薄肉リング32a,32b,32cを少なくともその内径側にラビリンス隙間を介在させて軸方向に重ね配置している。
【選択図】図1
Description
本発明は、オイルシールと油圧源との間でオイルシールの直ぐ内側に配置されるころ軸受に関する。
自動車の自動変速機においてトルクコンバータに隣接させてオイルポンプ(油圧源)が組み込まれている。図8はトルクコンバータの要部を示す断面図、図9は図8に示すトルクコンバータにおいてシェル型針状ころ軸受が組み込まれている周辺を拡大して示す断面図である。このトルクコンバータの詳細な説明は略するが、同図を参照して、トルクコンバータ10はエンジンのクランクシャフトと結合されている。トルクコンバータ10のインペラーシェル12にスリーブ状のオイルポンプ駆動軸14が結合されている。オイルポンプ駆動軸14は、オイルポンプ15のハウジング(オイルポンプハウジング)16に挿通されている。トルクコンバータ10のステータ18は一方向クラッチ20を介して中空固定軸22に一方向に回転可能に支持されている。中空固定軸22はオイルポンプ駆動軸14の中空孔に挿通されていると共にオイルポンプハウジング16に固定されている。オイルポンプ駆動軸14にオイルポンプ15のインナロータ24が回転駆動可能に結合されている。
オイルポンプ駆動軸14が挿通されるオイルポンプハウジング16の内周面は軸方向に3段の内周円筒面16a,16b,16cになっている。オイルポンプハウジング16の軸方向外側の内周円筒面16aにオイルシール26が、そのオイルシール26より内側の内周円筒面16bにシェル型針状ころ軸受28がそれぞれ取り付けられ、さらに内側の内周円筒面16cにオイルポンプ駆動軸14の外周円筒面14aとの間でシェル型針状ころ軸受28にオイルを供給する微小隙間30が形成されている。シェル型針状ころ軸受28は、オイルポンプ駆動軸14の外周円筒面14aとオイルポンプハウジング16の内周円筒面16bとの間に介装されてオイルポンプ15の駆動荷重を支持するようになっている。特許文献1にオイルポンプ駆動軸とオイルポンプハウジングとの間に軸受を介在させる技術が開示されている。
オイルシール26は、断面L字型の金属リング26aの周囲にゴム材料26bを被せて構成される。金属リング26aのL字断面の下端から片持ち支持されたリップ部分26cは、環状のコイルスプリング26dによって裏打ちされている。オイルシール26の外周部分の直径は、その抜き取り状態では、オイルポンプハウジング16の軸方向外側の内周円筒面16aの内径より大きい。オイルシール26の外周部分は、オイルポンプハウジング16の円筒面16aに挿入されて縮径し、円筒面16aを外側に押す圧力を発生する。オイルシール26はこの圧力が円筒面16aと外周部分との接触面間に発生させる摩擦力によってオイルポンプハウジング16の軸方向の所定位置に保持される。
シェル形針状ころ軸受28は、シェル形外輪28aと、このシェル形外輪28aの内周面に配置された複数の針状ころ28bと、複数の針状ころ28bを保持する円環状の保持器28cとを具備している。シェル形外輪28aの軸方向両側から半径方向内側に鍔部28dが環状に延びている。
以上の構成において、従来のシェル型針状ころ軸受28においては、オイルシール26側の鍔部28dの内側面と保持器28cの外端面との間にオイルシール26に作用するオイルの圧力を当該オイルシール26の耐圧以下に低減させるためのリング(油圧低減用リング)32を設けている。この油圧低減用リング32はその内周円筒面とオイルポンプ駆動軸14の外周円筒面14aとの間の隙間にラビリンス隙間を形成し、オイルポンプハウジング16の内周円筒面16cとオイルポンプ駆動軸14の外周円筒面14aとの間の微小隙間30を通じて供給されるオイルの圧力が過度になると、その過度の油圧を上記ラビリンス隙間によりオイルシール26の耐圧以下に低減するようになっている。
しかしながら、従来では、その油圧低減用リング32は単一のリング構成であるために、ラビリンス隙間の作用を確保するために軸方向に長い薄肉長円筒の形状となる。そのため、油圧低減用リング32は安価なプレス打ち抜き加工で製作することができず、金属棒材から円柱体を切り出し、その後、旋削加工、フライス加工などの様々な機械加工によるものとなり、その後で、焼入れ焼戻し等の熱処理が必要となっているために、製作コストが高くついている。
また、従来では、油圧低減用リング32が半径方向に薄肉であるために熱処理に際しての冷却過程での熱収縮が大きくなって軸方向全体にわたる熱処理歪み量が大きく、そのため、内外径研磨機により上記リング32の内外径面を平坦に研磨する研磨取り代も大きくなってその点からも製作コストが高くついているという課題がある。
さらに、従来では、低減用リング32は一枚物であり、油圧を低減させるためのラビリンス隙間の形状も単純となり油圧を低減する効果が低く、また、その油圧を減圧する程度を調整する形状も形成し難いという課題がある。
特開2000−88078号公報
本発明が解決する課題は、油圧低減用リングを組み込んだころ軸受において、その製作コストを安価にかつオイルシールに対する油圧を効果的に低減可能とすることである。
本発明に係るころ軸受は、軸が挿通されるハウジングにおける軸方向外側の内周円筒面に配置されているオイルシールの直ぐ内側の内周円筒面に配置されるころ軸受において、外輪のオイルシール側の端部に半径方向内向きの鍔部を設け、この外輪の鍔部と保持器とを軸方向に空間を隔てて対向して配置し、この空間に軸方向に薄肉である複数のリング(薄肉リング)を少なくともその内径側にラビリンス隙間を介在させて軸方向に重ね配置したことを特徴とするものである。
また、本発明においては、油圧低減用リングに用いる薄肉リングが軸方向に薄肉であるので、プレス加工により容易に形成することができ、また、焼入れ焼戻し等の熱処理を施すに際しての冷却過程での熱収縮歪みも小さく済むから、薄肉リングに対する平坦研磨も特には不要となりその点からも製作コストが安価に済む。
さらに、本発明においては、複数の薄肉リングを軸方向に重ねて配置したから、この重ね配置により複数の薄肉リング全体にわたりその外周円筒面あるいは内周円筒面の形状によりオイルシールと油圧源との間にオイルシールに対する油圧を低減するラビリンス隙間を設定することができる。
本発明においては薄肉リングを金属の薄板をプレス打ち抜き加工する場合、薄肉リングを、油圧を低減させるためのリングとして、安価に製作することができる。
上記複数の薄肉リングをその内径寸法が軸方向に交互に異なるように配置した場合、また、上記複数の薄肉リングをその内径寸法および外径寸法がそれぞれ軸方向に交互に異なるように配置した場合、ころ軸受の軸方向に狭い空間内にラビリンス隙間を長く設定して油圧を効果的に低減することができるようになる。
上記複数の薄肉リングのうち、上記複数の薄肉リングの材質を互いに異種とすることができる。こうした場合、薄肉リング同士の焼付きを防止することができるようになる。
なお、この異種に関しては、外輪の鍔部の内側面側の薄肉リングを保持器の材質と同種の材質とし、保持器の外端面側の薄肉リングを当該保持器の材質とは異種の材質とすることができる。
例えば、保持器の材質が鉄である場合、それに対応する保持器側の薄肉リングの材質を銅とし、外輪の鍔部側の薄肉リングを鉄とする。こうした場合、銅が自己潤滑性に優れているので、保持器と該保持器側の薄肉リングとの対向接触面での焼付きを効果的に防止することができるようになる。
薄肉リングの素材を金属とした場合では上記のようにプレス打ち抜き加工することができるが、金属に限定されず、合成樹脂で構成することができる。
薄肉リングはその表面に自己潤滑性を有する膜素材を皮膜して薄肉リング相互間の焼付き防止を図ることができる。
さらには、複数の薄肉リングのうちの、少なくともいずれか1つを外輪案内とし、少なくともいずれか1つを軸案内とした場合では、ころ軸受の軸方向に狭い空間内により効果的にラビリンス隙間を長く設定することができるようになる。
上記複数の薄肉リングのそれらが互いに対向する面に潤滑性向上を目的とした凹部を形成することができる。こうした場合、薄肉リング同士の焼付きを効果的に防止することができるようになる。
本発明によれば、製作コストを安価にかつオイルシールに対する油圧を効果的に低減することができる。
以下、添付した図面を参照して本発明の実施の形態に係るころ軸受を詳細に説明する。実施の形態のころ軸受はシェル型針状ころ軸受に適用している。図1および図2を参照してオイルポンプ駆動軸が挿通されるオイルポンプハウジングの内周円筒面に取り付けられるシェル形針状ころ軸受を説明する。図1は本発明の実施の形態に係るシェル形針状ころ軸受を取り付けたオイルポンプハウジングの内周円筒面周辺の要部を示す断面図、 図2(a)は図1のシェル形針状ころ軸受に組み込む薄肉リングの平面図、図2(b)は図2(a)の(A)―(A)線に沿う薄肉リングの断面図である。図2(a)(b)では複数の薄肉リングのうち1枚のみ示している。図1および図2で図6と対応する部分には同一の符号を付している。オイルポンプ駆動軸14は、一端側が図示略のトルクコンバータのインペラーシェル12に結合され、他端側がオイルポンプハウジング16の内周円筒面に挿通されている。オイルポンプハウジング16の内周面は軸方向に外側、内側、さらにその内側の3段の内周円筒面16a,16b,16cになっている。
オイルポンプハウジング16の外側の内周円筒面16aにオイルシール26が取り付けられている。オイルシール26は、断面L字型の金属リング26aの周囲にゴム材料26bを被せられ、この金属リング26aの下端にリップ部分26cが片持ち支持され、環状のコイルスプリング26dによって裏打ちされている。
オイルポンプハウジング16の内側の内周円筒面16bにシェル形針状ころ軸受28が取り付けられている。このシェル形針状ころ軸受28にはオイルポンプハウジング16のさらに内側の内周円筒面16cとオイルポンプ駆動軸14の縮径した外周円筒面14aとの間の微小隙間30から潤滑油が供給される。シェル形針状ころ軸受28は、シェル形外輪28aと、複数の針状ころ28bと、保持器28cとを具備している。シェル形外輪28aは、オイルポンプハウジング16の内周円筒部16bの環状溝16dに嵌合した固定リング34に軸方向外側へ抜け止めされている。シェル形外輪28aの軸方向両側から半径方向内向きに鍔部28dが環状に延びている。
外輪28aのオイルシール26側の鍔部28dと保持器28cとは軸方向に空間を隔てて対向して配置され、この空間に複数の、実施の形態では3枚の薄肉リング32a,32b,32cが重ねて配置されている。この薄肉リング32a,32b,32cは、金属の薄板素材をプレス打ち抜き加工により内外径同一の円環状に形成されている。各薄肉リング32a,32b,32cの素材は同種の金属でも異種の金属で構成してもよい。プレス打ち抜き加工の詳細は周知であるので説明を略する。プレス打ち抜き加工された薄肉リング32a,32b,32cに対して内外面に旋削加工やバリ取り加工を行い、研削加工を経て焼入れ等の熱処理を実施することができる。
以上説明した実施の形態のシェル形針状ころ軸受28においては、シェル形外輪28aの鍔部28dと保持器28cとの間に配置する油圧低減用リングをプレス打ち抜き加工により製作することができる薄肉リング32a,32b,32cで構成したから、製作コストが安価に済む。また、薄肉リングが軸方向に短いので、プレス打ち抜き加工後の素材に熱処理を実施するときの熱処理歪みが僅かに済み、内外径面の研磨を省略することができる。
実施の形態では、油圧低減リングとして従来の単一の軸方向に厚肉のリングではなく、軸方向に薄肉である複数の薄肉リング32a,32b,32cを重ね配置して構成したから、これら複数の薄肉リング32a,32b,32c全体によりオイルシール26に対する油圧を低減するラビリンス隙間を設定することができる。
実施の形態では、従来のような、単一の厚肉リングではなく、軸方向に重ねた複数の薄肉リング32a,32b,32cで構成したから、外輪28aの鍔部28dと保持器28cとの対向空間の大きさに合わせてその使用枚数を調節してオイルシール26に対する油圧を低減するラビリンス隙間を設定することができる。
図3および図4を参照して他の実施の形態に係るシェル形針状ころ軸受を説明する。図3は本発明の他の実施の形態に係るシェル形針状ころ軸受を取り付けたオイルポンプハウジングの内周円筒面周辺の要部を示す断面図、 図4(a)は図3のシェル形針状ころ軸受に組み込む薄肉リングの平面図、図4(b)は図4(a)の(B)−(B)線、(C)―(C)線、(D)―(D)線に沿う薄肉リングの断面図である。図4(a)(b)それぞれには第1、第2、第3の薄肉リングそれぞれを示している。
この実施の形態では、油圧低減用リングとして、三枚の第1、第2、第3の薄肉リング32d,32e,32fで構成している。第1の薄肉リング32dは保持器28c側に配置し、第3の薄肉リング32fは外輪28aの鍔部28d側に配置し、第2の薄肉リング32eは第1、第2の薄肉リング32d,32fの中央に配置している。
第1、第2、第3の薄肉リング32d,32e,32fは外径寸法が同一で、内径寸法が軸方向に交互に異なるように配置されている。第1、第2、第3の薄肉リング32d,32e,32fの内径寸法が軸方向に交互に異なるように重ねて配置した場合、シェル形針状ころ軸受28の軸方向に狭い空間内にラビリンス隙間を長く設定して油圧を効果的に低減することができるようになる。特に、第1、第3の薄肉リング32d,32fは内径寸法を小さくし、第2の薄肉リング32eは内径寸法を大きくしている。第1、第2、第3の薄肉リング32d,32e,32fは外径寸法を同一でかつ大きくして外輪案内としている。
このように第1、第2、第3の薄肉リング32d,32e,32fを配置した場合、シェル型針状ころ軸受28の軸方向に狭い空間内に密封性能により優れたラビリンス隙間を設定することができるようになる。
図5および図6を参照してさらに他の実施の形態に係るシェル形針状ころ軸受を説明する。図5はさらに他の実施の形態に係るシェル形針状ころ軸受を取り付けたオイルポンプハウジングの内周円筒面周辺の要部を示す断面図、 図6(a)は図5のシェル形針状ころ軸受に組み込む薄肉リングの平面図、図6(b)は図6(a)の(B)−(B)線、(C)―(C)線、(D)―(D)線に沿う薄肉リングの断面図である。図6(a)(b)それぞれには第1、第2、第3の薄肉リングそれぞれを示している。
この実施の形態では、油圧低減用リングとして、三枚の第1、第2、第3の薄肉リング32d,32e,32f(符号は図3、図4の薄肉リングと一致させている)で構成している。第1の薄肉リング32dは保持器28c側に配置し、第3の薄肉リング32fは外輪28aの鍔部28d側に配置し、第2の薄肉リング32eは第1、第2の薄肉リング32d,32fの中央に配置している。
第1、第2、第3の薄肉リング32d,32e,32fは内径寸法および外径寸法が軸方向に交互に異なるように配置されている。第1、第2、第3の薄肉リング32d,32e,32fの内径寸法および外径寸法それぞれが軸方向に交互に異なるように重ねて配置した場合、シェル形針状ころ軸受28の軸方向に狭い空間内にラビリンス隙間を長く設定して油圧を効果的に低減することができるようになる。特に、第1、第3の薄肉リング32d,32fは内径寸法および外径寸法を小さくし、第2の薄肉リング32eは内径寸法および外径寸法を大きくしている。
このように第1、第2、第3の薄肉リング32d,32e,32fを配置した場合、シェル型針状ころ軸受28の軸方向に狭い空間内に密封性能により優れたラビリンス隙間を設定することができるようになる。
図3ないし図6に示す実施の形態において、第1、第2、第3の薄肉リング32d,32e,32fそれぞれの材質を異質にする。同種金属同士は凝着結合を生じるので、これら薄肉リング32d,32e,32fをそれぞれ異種金属とすることが好ましい。異種金属とすると、互いの摩耗が防止ないしは抑制することができる。例えば、保持器28cが鉄あるいはその合金製であれば、第1の薄肉リング32dを例えば銅あるいはその合金製とし、第2の薄肉リング32eを例えば鉄あるいはその合金製とする。シェル形外輪28aが、鉄製であれば第3の薄肉リング32fは該シェル形外輪28aと同質としてもよい。銅系合金としては、銅−亜鉛合金(黄銅),銅−錫合金(青銅)等がある。第1の薄肉リング32dの材質を保持器28cと異質とすることにより第1の薄肉リング32dと保持器28cとの接触による焼付きを防止するのに有用である。特に、銅製の第1の薄肉リング32dは自己潤滑性表面を有するので特にその焼付き防止に効果的である。この自己潤滑性表面を有する他の金属としてはアルミニウムとその合金がある。
薄肉リング32d,32e,32fを自己潤滑性および耐摩耗性を有する合成樹脂で構成したり、これらを塗装あるいはコーティングすることができる。この合成樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリプロピレン、PTFE、フェノール、及びポリアセタール等を用いることができる。また、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等を用いることができる。
図7で示すように、第1の薄肉リング32dと第2の薄肉リング32eとの潤滑性を向上させるため、これらのリング面に凹部36を形成して薄肉リング32d,32e同士の焼付きを効果的に防止することができる。この凹部36としては図7(a)で示すような溝(スリットを含む)36aを形成したり、あるいは図7(b)で示すようなディンプル36bを形成することができる。溝36aは潤滑油の供給と排出とが円滑となる。ディンプル36bは、ディンプル加工により薄肉リングのリング面上に形成した圧痕や窪みである。ディンプルの形状としては凹球面状でほぼ均一深さの窪みであり、これらを多数設けて、油溜りとし、シェル形針状ころ軸受に対する潤滑油として利用することができる。
複数の薄肉リング32d,32eそれぞれの表面に固体潤滑膜を形成してもよい。固体潤滑膜は、イオンプレーティング法、スパッタリング法、ショットピーニング法等によって形成することができる。膜質は特に限定されないが、耐摩耗性を有するものが好ましい。
10 トルクコンバータ
14 オイルポンプ駆動軸(軸)
26 オイルシール
28 シェル型針状ころ軸受(ころ軸受)
32a〜32f 油圧低減用の薄肉リング
14 オイルポンプ駆動軸(軸)
26 オイルシール
28 シェル型針状ころ軸受(ころ軸受)
32a〜32f 油圧低減用の薄肉リング
Claims (4)
- 軸が挿通されるハウジングにおける軸方向外側の内周円筒面に配置されているオイルシールの直ぐ内側の内周円筒面に配置されるころ軸受において、外輪のオイルシール側の端部に半径方向内向きの鍔部を設け、この外輪の鍔部と保持器とを軸方向に空間を隔てて対向して配置し、この空間に軸方向に薄肉である複数のリング(薄肉リング)を少なくともその内径側にラビリンス隙間を介在させて軸方向に重ね配置した、ことを特徴とするころ軸受。
- 上記薄肉リングが金属薄板をプレス打ち抜き加工により製作したものである、ことを特徴とする請求項1に記載のころ軸受。
- 上記複数の薄肉リングを、その内径寸法を軸方向に交互に異ならせて配置した、ことを特徴とする請求項1または2に記載のころ軸受。
- 上記複数の薄肉リングを、その内径寸法および外径寸法をそれぞれ軸方向に交互に異ならせて配置した、ことを特徴とする請求項1または2に記載のころ軸受。
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Cited By (2)
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JP2013133833A (ja) * | 2011-12-26 | 2013-07-08 | Ntn Corp | シェル形針状ころ軸受 |
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2005
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