JP2014031557A - 高炉操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高炉内に、コークス層と、鉱石およびコークスの混合物を含む混合層とを、交互に積層して操業する高炉操業方法において、炉内の通気性を改善することができる操業方法を提供する。
【解決手段】コークスと鉱石とを高炉の炉頂から装入し、高炉内に、コークス層と、鉱石およびコークスの混合物を含む混合層とを、交互に積層して操業する高炉操業において、混合層には、鉱石に対して3〜9質量%のコークスを含有させ、コークス層には、コークス反応性指数の値が32以上の高反応性コークスを、鉱石に対して0.5〜3.2質量%含有させる。高反応性コークス以外のコークスとして、コークス反応性指数の値が31以下のコークスを用いることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、高炉内に、コークス層と、鉱石およびコークスの混合物を含む混合層とを、交互に積層して操業する高炉操業方法に関する。
一般的な高炉操業では、鉄含有原料としての焼結鉱や塊鉱石(以下、「鉱石」という。)と、塊コークスとを、炉頂部から高炉内に装入し、鉱石の層と塊コークスの層とが交互に積層された塊状帯を、高炉内に形成する。
装入された鉱石は、反応の進行、および温度の上昇に伴って軟化し、互いに融着して、融着帯とよばれる領域を形成する。融着帯は、鉱石が融着した鉱石融着層と、コークススリットとよばれるコークス層とを含む。融着帯は、塊状帯と比較して、通気抵抗が非常に高い。融着帯の通気抵抗を低減することにより、高炉操業の安定化を図ることができる。
高炉内での鉱石の還元促進、および融着帯での通気抵抗の低減を図る目的で、小中塊コークスを鉱石と混合して装入することが行われている(下記非特許文献1参照)。コークスを鉱石と混合することで、コークスの骨材効果により鉱石融着層の通気性は向上する。小中塊コークスの代替として、高反応性コークスを、鉱石と混合して装入することにより、還元反応は促進され、還元材比を低減でき、生産性が向上するとされている(下記特許文献1参照)。
鉱石と混合される小中塊コークスは、コークス層を形成するコークスと比較して、粒径が小さく、単位体積当たりの表面積、すなわち比表面積が大きく、また、鉱石と混合されて鉱石との混合層中に存在する小中塊コークスは、鉱石の近傍に存在する。このため、小中塊コークスは、鉱石の還元により発生するCO2ガスと優先的に反応し、コークス層を形成するコークスの劣化を抑制できると考えられている。小中塊コークスの代替として、高反応性コークスを使用した場合、コークス層を形成するコークスの劣化を、さらに抑制できると考えられている。
下記特許文献2では、高反応性コークス(フェロコークス)とともに、コークスを鉱石と混合することにより、未還元鉱石の還元、および高反応性コークスのガス化という連鎖的な反応を促進できるとされている。
下記特許文献3では、鉱石層とコークス層との両方に、高反応性コークスを含ませることにより、通気性が向上するとされている。
特開2006−28594号公報 特開2011−58091号公報 特開2012−12620号公報
渡壁史郎、外6名、「高炉への鉱石・コークス多量混合装入技術の開発」、鉄と鋼、日本鉄鋼協会、Vol. 92 (2006)、No. 12、p. 901-910 松倉良徳、外4名、「原料性状の高炉通気性への影響評価」、鉄と鋼、日本鉄鋼協会、Vol. 87 (2001)、No. 5、p. 350-356
高炉内において、下記(1)式に示すソリューションロス反応により、コークスの粉化や、コークス粒径の低下が生じる。
C+CO2 → 2CO (1)
ソリューションロス反応により消費されるコークスは、鉱石に対して約3質量%程度であり、還元反応の反応性向上を目的として、多量の高反応性コークスを鉱石と混合しても、この高反応性コークスは、塊状帯では消費されず融着帯に達する。ソリューションロス反応により劣化、小粒径化した高反応性コークスは、下方に移動する過程で多量の粉を発生する。この発生した粉により、通気性が著しく悪化するという問題がある。
また、コークス比(銑鉄1t(トン)あたりに対して炉内に投入されるコークスの質量(kg))を一定とすると、多量のコークス(高反応性コークスを含む)を鉱石と混合した場合、コークス層を形成するコークス量が減少する。このため、融着帯におけるコークススリット層厚が小さくなり、炉内の通気性が低下するおそれがある。
さらに、高反応性コークスを鉱石と混合することによる融着層の通気性改善効果は、大きくない(上記特許文献2参照)。
そこで、本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、コークス(高反応性コークスを含む。)と、鉱石とを使用して操業する際に、高炉の通気性を改善できる、高炉の操業方法を提供することにある。
高炉全体としての通気性を改善するためには、鉱石融着層の通気性の向上を図りつつ、コークス層の通気性を低下させないようにする必要がある。
本発明は、炉内に装入するコークスの機能(役割)を、
(ア)ソリューションロス反応によるガス化、
(イ)コークススリットを形成するスペーサー、および
(ウ)骨材効果による鉱石融着層の通気性の向上
の3つに分け、コークスが、それぞれの機能に適した挙動をするように、コークスを選択することによって、高炉の通気性を向上させるものである。
すなわち、本発明者らは、融着帯における通気性を向上できる高炉操業方法について種々の検討を重ねた結果、コークスと鉱石とを使用して操業する際に、反応性が低いコークス(高反応性コークスではないコークス)を、鉱石と混合し、高反応性コークスを、鉱石との混合層ではなく、コークス層中に含ませる(鉱石層には混合しない)ことによって、高炉の通気性を改善できることを見出した。
鉱石融着層の通気性は、反応性が低いコークスの骨材効果により向上する。さらに、コークス層に混合された高反応性コークスは、優先的にガス化し、コークス層中のコークスの劣化を抑制し、コークス層の通気性を維持する。本発明は、以下のとおりである。
(1)高炉内に、コークス層と、鉱石およびコークスの混合物を含む混合層とを、交互に積層して操業する高炉操業方法において、前記混合層に前記鉱石に対して3〜9質量%のコークスを含有させ、前記コークス層に、コークス反応性指数の値が32以上の高反応性コークスを、前記鉱石に対して0.5質量%〜3.2質量%含有させることを特徴とする高炉の操業方法。
(2)前記混合層において、前記鉱石の平均粒径に対する前記コークスの平均粒径比を、2〜4とすることを特徴とする前記(1)に記載の高炉操業方法。
(3)前記高反応性コークスの平均粒径を、10mm〜50mmとし、前記高反応性コークス以外のコークスを、10mm〜60mmの平均粒径、および31以下のコークス反応性指数を有するものとすることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の高炉操業方法。
以下、別に記載がない限り、本明細書において、単に「コークス」というときは、高反応性コークス以外のコークスをいうものとする。
別に記載がない限り、本明細書における用語の定義は、以下のとおりである。
「コークス反応性指数」(CRI):20±1mmに整粒されたコークス200gを、1100℃において、CO2ガス雰囲気下で、2時間反応させたときの質量減少率(質量%)をいう。
「平均粒径」:粒径の積算分布における50%径。
「高温通気抵抗指数」:充填層に対するガスの通気性の程度を示す変数であって、下記(2)式、および(3)式により算出されるKSの値(上記非特許文献2参照)。ここで、ΔP/ΔLは、充填層全体の通気抵抗(充填層全体による圧力損失;Pa/m)であり、ρgは、ガス密度(kg/m3)であり、μgは、ガス粘度(kg/m/s)であり、ugは、ガス空塔流速(m/s)であり、Tは、試料温度(℃)である。
本発明によれば、高反応性コークスがコークス層中に混合されていることにより、コークス層を形成するコークスの劣化が抑制され、塊状帯および融着帯における通気性を改善できる。また、高反応性コークスは、混合層から放出されるCO2濃度の高いガスと、コークスより優先的に反応する。これにより、高反応性コークスを融着帯に達するまでに消失させ、粉の発生を抑制するとともに、混合層中に混合されたコークスの骨材効果により融着層内に空隙を確保し、炉内の通気性を改善できる。
荷重軟化試験装置の概略図である。 混合層中のコークスの鉱石に対する混合比と、高温通気抵抗指数との関係を示すグラフである。 コークス層中の高反応性コークスのコークスに対する混合比と、相対圧力損失との関係を示すグラフである。
本発明は、前記のとおり、高炉内に、コークス層と、鉱石およびコークスの混合物を含む混合層とを、交互に積層して操業する高炉操業方法において、前記混合層に、前記鉱石に対して3〜9質量%のコークスを含有させ、前記コークス層に、コークス反応性指数の値が32以上の高反応性コークスを、前記鉱石に対して0.5質量%〜3.2質量%含有させる、高炉の操業方法である。前記混合層において、鉱石の平均粒径に対するコークスの平均粒径比を、2〜4とすることが好ましい。前記高反応性コークスの平均粒径を、10mm〜50mmとすることが好ましく、この場合、前記高反応性コークス以外のコークスを、10mm〜60mmの平均粒径、および31以下のコークス反応性指数を有するものとすることが好ましい。以下、本発明の上記構成要件について、詳細に説明する。
高炉の通気性を改善するには、融着帯において、鉱石融着層の通気抵抗を低下させるとともに、通気抵抗の低いコークススリットを形成する必要がある。
まず、鉱石に対するコークスの混合比、および鉱石の平均粒径に対するコークスの平均粒径比が、鉱石融着層の通気抵抗に与える影響について説明する。
なお、鉱石融着層の通気抵抗を低下させる方法として、小中塊コークスを鉱石と混合して使用する技術が知られているが、小中塊コークスに比べて大きな粒径を有するコークスを鉱石と混合して使用することでも、高炉の通気性が改善されることが知られている(上記非特許文献1参照)。鉱石融着層の通気性を向上させるためには、小中塊コークスに比べて大きな粒径を有するコークスを用いる方が好ましいと考えられる。しかし、従来は、通気性に及ぼすコークス粒径の影響は必ずしも明確にはされていなかった。
鉱石に対するコークスの混合比、および鉱石の平均粒径に対するコークスの平均粒径比が、鉱石融着層の通気抵抗に与える影響を、高炉の融着層の通気性を評価することが可能な荷重軟化試験装置を用いて、調べた。
図1は、荷重軟化試験装置の概略構成を示す図である。この荷重軟化試験装置は、黒鉛発熱体5を有する竪型電気炉1を備えている。竪型電気炉1には、竪型電気炉1を縦方向(上下方向)に貫通し黒鉛発熱体5で囲まれた孔が形成されている。荷重軟化試験装置は、竪型電気炉1の孔内に配置され、装入試料3を容れる黒鉛坩堝2と、黒鉛坩堝2の上方に配置され、黒鉛坩堝2内の装入試料3に荷重をかけることが可能な荷重制御装置6とを、さらに備えている。黒鉛坩堝2の内径は72mmである。黒鉛坩堝2の底部にはロストル(火格子)が設けられている。
この荷重軟化試験装置は、温度測定装置を備えており、この温度測定装置により、黒鉛坩堝2上部の測定点7における温度を、試料温度として測定できるようになっている。竪型電気炉1の孔の下方には、滴下試料受け皿9が配置されている。滴下試料受け皿9により、黒鉛坩堝2内から、ロストルを介して滴下した試料を受けることができる。
この荷重軟化試験装置には、導入配管13を介して、ガス流量制御装置10が接続されている。ガス流量制御装置10へは、N2ガスと、COガスとが、個別に導入されるようになっている。N2ガスと、COガスとは、ガス流量制御装置10で混合されて、ガス導入配管13を介して、竪型電気炉1の孔へと、この孔の下方から送られるようになっている。ガス流量制御装置10により、孔内へ送るN2ガス、およびCOガスの流量を、個別に調整することが可能である。
孔内へ導入されたガスは、孔内を上方へと流れ、ロストルを介して黒鉛坩堝2内に入る。坩堝2内に入ったガスは、黒鉛坩堝2の上部から出て(以下、黒鉛坩堝2から出たガスを、「排ガス11」という。)、さらに上方へと流れ、竪型電気炉1の孔の上部から出て、ガス導出配管14を介して、荷重軟化試験装置の外部へと放出される。
ガス導出配管14には、排ガス分析装置(赤外分光計)12が接続されている。排ガス分析装置12により、ガス導出配管14を流れる排ガス11の組成(CO、CO2)を分析可能である。ガス導入配管13と、ガス導出配管14とには、ガス圧力測定装置8が接続されている。ガス圧力測定装置8により、装入試料3が容れられた黒鉛坩堝2による通気抵抗(圧力損失)を測定することができる。
この荷重軟化試験装置により、黒鉛坩堝2内の装入試料3に、荷重制御装置6で荷重を加え、竪型電気炉1内に還元ガス(N2ガスとCOガスとの混合ガス)4を導入し、黒鉛発熱体5で装入試料3を加熱できる。排ガス分析装置12による排ガス11の分析等により、装入試料3の還元性、装入試料3中の鉱石の還元効率を調べることができる。
この荷重軟化試験装置を用いて、コークスと、鉱石としての予備還元焼結鉱とを混合した混合物を黒鉛坩堝2に装入して充填層を形成し、装入試料3とした。予備還元焼結鉱は、粒径範囲が8.0〜10.0mmとなるように整粒した平均粒径が9.0mmの焼結鉱に、1000℃で、COガス、およびCO2ガスを、それぞれ8Nl(リットル)/min、および5Nl/minの流量で、1.75時間流して作製した。また、コークスは、粒径範囲が16.0mm〜19.0mm、25.4mm〜31.7mm、または35.0mm〜38.0mmとなるように整粒した、平均粒径がそれぞれ17.5mm、28.5mm、36.5mmの3種類のものを準備した。
表1に、装入試料3の充填条件を示す。
1tの溶銑を製造するにあたり、予備還元焼結鉱が1.6t必要となると仮定した。試験番号1〜12の条件では、予備還元焼結鉱に対するコークスの混合比(混合コークス比)を、3.13、4.69、6.25または9.38質量%と設定し、予備還元焼結鉱の平均粒径に対するコークスの平均粒径比((コークス/鉱石)粒径比)を、1.94、3.17または4.05と設定した。表1の「充填コークス量」は、上記設定となるように、予備還元焼結鉱に混合した(充填層に含まれる)コークスの量である。
試験番号0では、混合コークス比は0であり、充填層は鉱石単独層である。試験開始時の充填層の層高は、いずれの試験についても300mmとした。
各試験番号0〜12の条件による充填層(装入試料3)を用いて、充填層の通気性を調べる試験を行った。本試験の主な目的は、より具体的には、試料温度が1200℃に到達してから、より高温で装入試料3が溶融して、その融液が滴下するまでの間の充填層の通気抵抗を測定することである。
まず、N2雰囲気下で、充填層を昇温し、試料温度が800℃に到達した後、黒鉛坩堝2の上部から、荷重制御装置6により、実炉平均荷重を模した98kPaの荷重を、充填層に加えた。鉱石融着開始時の還元率を各試験間で等しくするために、試料温度が1200℃のときに、各試験における鉱石還元率が80%となるように、鉱石還元率の変化に応じて昇温速度、および導入ガス組成(COガス流量/N2ガス流量比)を操作した。
試料温度が1200℃に到達した後は、4.6℃/minの昇温速度で充填層を昇温しながら、還元ガス4を充填層内に導入した。還元ガス4は、ガス流量制御装置10により、COガスの流量を13.8Nl/minに制御し、N2ガスの流量を16.2Nl/minの流量に制御して得られるCO/N2混合ガスとした。このCO/N2混合ガスは、コークスのガス化反応が鉱石の還元によって生じたCO2ガスのみとなるようにするものである。これは、本試験では、コークスを混合すること自体による通気性改善効果に着目していることによる。
試料温度が1600℃になるまで昇温を継続して、鉱石を溶融させた。鉱石の溶融により得られた融液は、黒鉛坩堝2底部のロストルを介して滴下させ、滴下試料受け皿9に回収した。
試験中は、排ガス分析装置12による排ガス11の組成(CO、CO2)、積算流量計(図示せず)による排ガス流量、ガス圧力測定装置8による充填層の通気抵抗、および変位計(図示せず)による充填層の層高を、それぞれ測定した。
図2は、荷重軟化試験装置による上記試験で得られた、鉱石に対するコークスの混合比(横軸)と、高温通気抵抗指数(縦軸)との関係を示す図である。高温通気抵抗指数(KS)の値が小さいほど、通気性は良好である。図2には、鉱石の平均粒径に対するコークスの平均粒径比(図2中に、「粒径比」と記載)ごとに、鉱石に対するコークスの混合比と、高温通気抵抗指数との関係を示している。
高温通気抵抗指数を求めるためのパラメータ(「課題を解決するための手段」の項における高温通気抵抗指数の定義参照)は、以下のとおりとした。ΔP/ΔLは、ガス圧力測定装置8により測定した通気抵抗の値を充填層の層高で除した値とした。ρg(ガス密度)は、COのガス密度、およびN2のガス密度を、供給ガス組成に応じて案分し、温度補正および圧力補正して算出したものとした。μg(ガス粘度)は、供給ガス組成、温度、圧力を考慮して算出したものとした。ug(ガス空塔流速)は、ガス流量を温度補正および圧力補正して算出したものとした。T(試料温度)は、温度測定装置による測定点7における測定値である。
図2から、鉱石の平均粒径に対するコークスの平均粒径比が2〜4の範囲において、鉱石に対するコークスの混合比(コークス混合比)が0質量%から6質量%までは、高温通気抵抗指数の値はコークス混合比の増加に伴って低下しており、鉱石にコークスを混合することにより通気性が改善されることがわかる。これに対して、コークス混合比が9質量%まで増加すると、高温通気抵抗指数の減少率が小さくなっている。以上のことから、鉱石とコークスとの混合層中のコークスの混合比は、3質量%〜9質量%とする必要があると考えられる。
また、鉱石の平均粒径に対するコークスの平均粒径比が2〜4の範囲においては、当該比に対する高温通気抵抗指数の減少率には、明確な差異はみられない。このことから、鉱石の平均粒径に対するコークスの平均粒径比が2〜4の範囲であれば、通気性改善効果はコークス粒径に依存しないことがわかる。
鉱石融着層内の通気性を確保するためには、ソリューションロス反応によるコークスの劣化を避ける必要があり、そのためには、コークスは、ある程度粗粒で、反応性が低い必要がある。具体的には、鉱石と混合するコークスを、10mm〜60mmの平均粒径、および31以下のCRI値を有するものとすることが好ましい。
一方、コークススリットの通気性を維持するには、コークススリットを形成するコークスの粒径の低下を抑制する必要がある。コークス粒径の低下は、主として、混合層から放出される高濃度のCO2ガスと、コークススリットを形成するコークスとが接触し、上記(1)式に示すソリューションロス反応が生じることにより引き起こされる。したがって、コークススリットを形成するコークスと接するCO2ガスの濃度を低下させることにより、当該コークスの粒径の低下を抑制できると考えられる。
コークス層においてコークスに接触するCO2ガス濃度を低下させるためには、コークス層が高反応性コークスを含むようにして、混合層から放出されるCO2ガスが、コークス層において、高反応性コークスと優先的に反応して、COガスが発生するようにすればよい。このような反応を効率的に生じさせるためには、高反応性コークスは、コークス層の下部に配置されていることが好ましいと考えられる。
高反応性コークスをCO2ガスと優先的に反応させることにより、コークスの粒径の低下を抑制することのみならず、高反応性コークスを消滅させ、炉下部における粉の発生を抑制し、高炉の通気性を改善することもできる。
そこで、内容積が3500m3の高炉を想定し、高炉トータルシミュレーターを用いて、コークス層中に混合する高反応性コークスの量、および当該高反応性コークスの反応性を示す指標であるコークス反応性指数(CRI)の値を、様々に変更した計算(シミュレーション)を実施し、高炉内の通気性改善効果について検討した。
図3に、コークス層中の高反応性コークスの鉱石に対する混合比と、相対圧力損失との関係(シミュレーション結果)を示す。相対圧力損失とは、鉱石層中へのコークスの混合、およびコークス層中への高反応性コークスの混合を行わないベース操業時の炉内圧力損失を基準とした圧力損失の相対値である。図3に示す結果は、高反応性コークスのコークス反応性指数の値を、32および40とし、鉱石とコークスとの混合層中のコークスの混合比を、鉱石に対して3.13質量%としたときのものである。
図3から、コークス層中の高反応性コークスの混合比の増加に伴い、コークスの劣化が抑制され鉱石融着層の通気性が改善されることがわかる。コークス層中の高反応性コークスの混合比が3.2質量%付近まで増加すると、通気性の改善効果は、低下する傾向がある。これは、高反応性コークスを増やすことにより、通気性改善効果に加え、高反応性コークスが未反応のまま融着層に至ることの影響が現れることによると考えられる。
高反応性コークスが未反応のまま融着層に至ることを避けるためには、コークス層中の高反応性コークスの混合比、および当該高反応性コークスの粒径を、一定レベル以下にする必要がある。具体的には、コークス層中の高反応性コークスの鉱石に対する混合比は、図3の結果から、3.2質量%以下とする必要があり、この場合、当該高反応性コークスの粒径は、10mm〜50mmであることが好ましい。
また、コークス層中の高反応性コークスの混合比は、0.5質量%より小さいと、通気性の改善効果が小さいため、0.5質量%以上とする必要がある。さらに、高反応性コークスのコークス反応性指数の値が32以上であれば、いずれのコークス反応性指数のものでも、通気性の改善効果がみられることから、コークス層中に混合する高反応性コークスのコークス反応性指数の値は、32以上とする必要がある。
本発明の効果を確認するために、高炉トータルシミュレーターを用いて、検証計算を行った。計算条件として、内容積が3500m3の高炉を想定し、計算前提条件として、送風量、酸素富化率、送風温度、送風湿分、および微粉炭吹き込み量は、共通とし、溶銑温度が全ての計算結果で等しくなるように、コークス(高反応性コークスを含む)と鉱石との質量比を操作して計算した。鉱石の粒径は13mmとし、高反応性コークスの粒径は20mmとし、コークスの粒径は40mmとした。
比較例として、鉱石層中へコークスを混合しない操業(比較例1)、混合層中に鉱石に対して3.13質量%のコークスを混合した操業(比較例2)、および、混合層中に鉱石に対して1.88質量%の高反応性コークスを混合した操業(比較例3)について、数値シミュレーションを実施した。
本発明例として、混合層中に3.13質量%のコークスを混合し、コークス層中に3.13質量%の高反応性コークスを混合した操業(本発明例1)、および混合層中に6.25質量%のコークスを混合し、コークス層中に3.13質量%の高反応性コークスを混合した操業(本発明例2)について、数値シミュレーションを実施した。
表2に、計算条件、および計算結果を示す。表2中の単位(kg/pt)は、銑鉄1t当たりの装入量を表す。表2から、コークスが鉱石との混合層中に混合されていることにより、通気性は向上するが(比較例2)、さらに、コークス層中に高反応性コークスを混合することによって(本発明例1、2)、コークスの劣化が抑制され通気抵抗が低下し、高炉の通気性が顕著に改善されることがわかる。

Claims (3)

  1. 高炉内に、コークス層と、鉱石およびコークスの混合物を含む混合層とを、交互に積層して操業する高炉操業方法において、
    前記混合層に前記鉱石に対して3〜9質量%のコークスを含有させ、
    前記コークス層に、コークス反応性指数の値が32以上の高反応性コークスを、前記鉱石に対して0.5質量%〜3.2質量%含有させることを特徴とする高炉の操業方法。
  2. 前記混合層において、前記鉱石の平均粒径に対する前記コークスの平均粒径比を、2〜4とすることを特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
  3. 前記高反応性コークスの平均粒径を、10mm〜50mmとし、
    前記高反応性コークス以外のコークスを、10mm〜60mmの平均粒径、および31以下のコークス反応性指数を有するものとすることを特徴とする、請求項1または2に記載の高炉操業方法。
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