JP2014031450A - 洗剤粒子群の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
噴霧乾燥を使用しない方法にて、アルキル硫酸塩を含有する、中低嵩密度の洗剤粒子群を収率良く製造する方法を提供すること。
【解決手段】
a)工程:陰イオン性界面活性剤及び該界面活性剤100質量部に対して25〜70質量部の水を含有するアルキル硫酸塩組成物と、洗剤用粉体原料とをバッチ式混練機を用いて混練することによって発泡体組成物を形成する工程、b)工程:該発泡体組成物を粉粒体処理に供する工程、を含む洗剤粒子群の製造方法であって
a)工程で投入される洗剤用粉体原料の体積(A)、a)工程で投入されるアルキル硫酸塩組成物の体積(B)及び混練機内容積(C)が、〔(A)+(B)〕/(C)=0.10〜0.60の関係式を満たすものであり、かつ、a)工程で投入されるアルキル硫酸塩組成物とa)工程で投入される洗剤用粉体原料の質量比が20/80〜65/35である、洗剤粒子群の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、混練機とアルキル硫酸塩組成物と洗剤用粉体原料とを用いた洗剤粒子群の製造方法に関する。
現在、市販されている洗剤には、大きく分けて高嵩密度型洗剤(650g/Lより大きい)、中嵩密度型洗剤(400〜650g/L)、低嵩密度型洗剤(250g/L以上400g/L未満)、液体洗剤等がある。例えば、日本においては高嵩密度型洗剤が多く使用されているが、アジア・オセアニアや欧州等においては、中低嵩密度型洗剤の需要も多い。
特許文献1には、界面活性剤ペーストと乾燥した洗剤材料を高速ミキサー/中速ミキサー/乾燥機にて連続的に洗剤組成物を製造する方法が開示されている。特許文献2には、界面活性剤ペーストと乾燥した洗剤原料を高速ミキサー/中速ミキサー/コンディショニング装置にて微粒子を再循環させながら連続的に洗剤組成物を製造する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1の製法では粒度の調整が困難であり、また、特許文献2の製法では粒度の調整を行う為、微粒子を再循環させる製法を用いており、生産性が低い製造法である。その為、より簡単に必要な粒度の洗剤粒子群を収率良く得られる製法が求められている。更に、これら特許文献はいずれも、洗剤粒子の嵩密度を増加する方法を提供するものであり、中低嵩密度の洗剤粒子群の製造方法としては適切ではない。
また、特許文献3には、噴霧乾燥の使用を低減するかまたは使用しない製造方法として、界面活性剤の発泡体をミキサーに導入することによる界面活性剤顆粒の製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献3の製造方法では、洗剤粒子群を収率良く得る製法としては不十分である。
また、特許文献4では噴霧乾燥を使用しない製造方法として、混練機のような強剪断装置で界面活性剤ペーストとアルカリビルダー等を混練・捏和後、粉砕し、界面活性剤粉体化物を開示している。その界面活性剤粉体化物にゼオライトを混練した後に粉砕を行う事による界面活性剤顆粒の製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献4の製造方法では、中低嵩密度な洗剤粒子群を収率良く得る製法としては不十分である。
特表平10−500716号公報 特表平10−506141号公報 特表2002−525420号公報 特開平6−128597号公報
従って本発明の課題は、噴霧乾燥を使用しない方法にて、アルキル硫酸塩を含有する、中低嵩密度の洗剤粒子群を収率良く製造する方法を提供することである。
即ち、本発明の要旨は、
a)工程:
イ)下記式(1):
R−O−SO3M (1)
(式中、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基、Mはアルカリ金属原子、アンモニウム又はアミンを示す。)で示される陰イオン性界面活性剤、及び
ロ)上記イ)成分100質量部に対して25〜70質量部の水、を含有するアルキル硫酸塩組成物と、洗剤用粉体原料とをバッチ式混練機を用いて混練することによって発泡体組成物を形成する工程、
b)工程:該発泡体組成物を粉粒体処理に供する工程、
を含む洗剤粒子群の製造方法であって
a)工程で投入される洗剤用粉体原料の体積(A)、a)工程で投入されるアルキル硫酸塩組成物の体積(B)及び混練機内容積(C)が、〔(A)+(B)〕/(C)=0.10〜0.60の関係式を満たすものであり、かつ、
a)工程で投入されるアルキル硫酸塩組成物とa)工程で投入される洗剤用粉体原料の質量比(アルキル硫酸塩組成物/洗剤用粉体原料)が20/80〜65/35である、洗剤粒子群の製造方法、に関する。
本発明の洗剤粒子群の製造方法により、中低嵩密度の洗剤粒子群が簡便に収率良く得られるという効果が奏される。
本発明の特徴の一つは、バッチ式混練機を用いて洗剤用粉体原料とアルキル硫酸塩組成物を発泡体組成物とした後に粉粒化処理することである。
即ち、混練機に投入する洗剤用粉体原料とアルキル硫酸塩組成物の比率と混練機容積に対する洗剤用粉体原料とアルキル硫酸塩組成物の合計容積を特定の比率にして混練することで、均一に混練すると同時に洗剤用粉体原料とアルキル硫酸塩組成物の混練物の比重を低下(発泡)させる事ができ、この発泡体組成物を粉粒体化する事で、中低嵩密度な洗剤粒子群を簡便に収率良く製造することができる。
本発明の製造方法における混練の態様としては、混練機を使用して洗剤用粉体原料とアルキル硫酸塩組成物を同時に混練する態様であれば特に限定されるものではない。また、洗剤用粉体原料とアルキル硫酸塩組成物を同時に混練する前に予めアルキル硫酸塩組成物のみを混練しても良い。以下、本発明の製造方法の一例としての態様について、より詳細に説明する。
本明細書において、洗剤粒子とは界面活性剤及び洗剤用粉体原料等を含有する粒子であり、洗剤粒子群とはその集合体を意味する。洗剤組成物とは、洗剤粒子群を含有し、所望により洗剤粒子群以外に別途添加された洗剤成分(例えば、ビルダー顆粒、蛍光染料、酵素、香料、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤等)を含有する組成物を意味する。
本明細書において、水溶性とは25℃の水に対する溶解度が0.5g/100g以上であることを意味し、水不溶性とは、25℃の水に対する溶解度が0.5g/100g未満であることを意味する。
A.洗剤粒子群
本発明の洗剤粒子群は、(1)洗剤用粉体原料、(2)アルキル硫酸塩組成物が配合されてなるものである。本発明の洗剤粒子群は、更に、(3)その他の粉体成分及び/又は(4)その他の液体成分を含有してもよい。
(1)洗剤用粉体原料
a)工程で混練機内に投入される洗剤用粉体原料としては、水溶性無機塩及び/又は水溶性固体アルカリ無機物質である。
(1−1)水溶性無機塩
水溶性無機塩は、洗濯液のイオン強度を高め、皮脂汚れ洗浄等の効果を向上させる為、洗剤用粉体原料として用いることが好ましい。該水溶性無機塩としては、例えば硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸カリウムが好ましい。又、溶解速度向上の観点からは硫酸マグネシウムの併用も有効である。
また、水溶性無機塩の平均粒径は特に限定されないが、アルキル硫酸塩組成物を高配合する場合には、洗剤粒子群の収率向上の観点から1〜50μmまで粉砕して用いてもよい。なお、水溶性無機塩の平均粒径は体積基準で算出されるものであり、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置:LA−920(堀場製作所(株)製)を用いて測定される値である。
(1−2)水溶性固体アルカリ無機物質
水溶性固体アルカリ無機物質とは、常温(20℃)で固体状のアルカリ無機物質であり、該水溶性固体アルカリ無機物質としては、特に規定はないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム等を挙げることができる。中でも洗濯液中で好適なpH緩衝領域を示すアルカリ剤として炭酸ナトリウムが好ましい。これらの水溶性固体アルカリ無機物質は単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。
炭酸ナトリウムとしては、軽質ソーダ灰(ライト灰)、重質ソーダ灰(デンス灰)のいずれも用いることが可能である。
また、水溶性固体アルカリ無機物質の平均粒径は特に限定されないが、アルキル硫酸塩組成物を高配合する場合には、収率の向上の観点から1〜50μmまで粉砕して用いてもよい。なお、水溶性固体アルカリ無機物質の平均粒径は体積基準で算出されるものであり、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置:LA−920(堀場製作所(株)製)を用いて測定される値である。
洗剤用粉体原料としては、水溶性無機塩、水溶性固体アルカリ無機物質のうち、例示された原料を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。洗剤用粉体原料の好ましい例としては、洗剤粒子群の発泡安定性の観点から、硫酸ナトリウム及び/又は炭酸ナトリウムであり、硫酸ナトリウムがより好ましい。水溶性無機塩と水溶性固体アルカリ無機物質が洗剤粒子群中に占める量は、洗浄力向上の観点から10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がより更に好ましい。また、洗剤粒子群の嵩密度の低減の観点から90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
(2)アルキル硫酸塩組成物
本発明に使用するアルキル硫酸塩組成物としては中低嵩密度な洗剤粒子群を収率良く得る観点から、ペースト状のアルキル硫酸塩組成物、即ちアルキル硫酸塩ペーストが好ましく、次のイ)成分及びロ)成分を含有するアルキル硫酸塩組成物を用いる。
イ)下記式(1):
R−O−SO3M (1)
(式中、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基、Mはアルカリ金属原子、アンモニウム又はアミンを示す。)で示される陰イオン性界面活性剤。
ロ)上記イ)成分100質量部に対して25〜70質量部の水。
アルキル硫酸の塩としては、炭素鎖の炭素数が10〜18のアルキル基又はアルケニル基のものが好ましい。また、塩としてはNa塩、K塩、アンモニウム塩又はアミン塩が挙げられる。これらの中でも、中低嵩密度な洗剤粒子群を収率良く得る観点から、Na塩が好ましい。
該アルキル硫酸塩ペーストは、その含水率により粘度が大きく変化する。例えば、イ)成分の酸前駆体をアルカリ化合物で中和して当該アルキル硫酸塩ペーストを調製することができるが、その際に、用いるアルカリ化合物の水分量を調節し、所望の含水率をもった、すなわち、所望の粘度を有するアルキル硫酸塩ペーストを調製することが好ましい。該アルキル硫酸塩組成物は、該アルキル硫酸塩100質量部に対して25〜70質量部の水を含有する際に、粘度が低下したペースト状のアルキル硫酸塩組成物となり、ハンドリングしやすくなることが一般的に知られており、本明細書ではこの範囲にアルキル硫酸塩組成物の水分を調整したアルキル硫酸塩ペーストを用いることが好ましい。
アルキル硫酸塩ペーストにおける水の量の範囲としては、ハンドリングの観点から、イ)成分100質量部に対して25〜70質量部が好ましく、30〜65質量部がより好ましく、35〜65質量部が更に好ましい。
また、アルキル硫酸塩ペーストの粘度は、好ましくは該界面活性剤ペーストの使用温度域において、製造上のハンドリング性の観点から、好ましくは10Pa・s以下、より好ましくは5Pa・s以下であり、好ましくは0.5Pa・s以上、より好ましくは1Pa・s以上であり、また、好ましくは0.5〜10Pa・sであり、更に好ましくは1〜5Pa・sである。前記使用温度域としては、アルキル硫酸塩ペーストの安定性の観点から、好ましくは20〜70℃、より好ましくは20〜60℃である。ここで、粘度は、共軸二重円筒型の回転粘度計(HAAKE製、センサー:SV−DIN)により剪断速度50〔1/s〕で測定(60℃)して求める。
アルキル硫酸塩ペーストの調製法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。該アルキル硫酸塩ペーストの酸前駆体のうち、非常に不安定で分解しやすいものは、その分解を抑制できるように調製することが好ましい。たとえば、ループ反応器を用いて、中和熱を熱交換器などにより除去し、当該酸前駆体及びアルキル硫酸塩ペーストの温度管理に注意しながら製造を行なえばよい。製造時の温度域としては、30〜60℃が好ましく、製造後の保存温度域としては60℃以下が好ましい。また、使用時、必要に応じて昇温し、アルキル硫酸塩ペーストを用いればよい。
該アルキル硫酸塩ペーストには、酸前駆体を製造した際の未反応アルコールや未反応ポリオキシエチレンアルキルエーテル、中和反応時の副生成物である芒硝、中和反応時に添加され得るpH緩衝剤、脱色剤等が含有されていてもよい。
該アルキル硫酸塩ペーストにおいて、界面活性剤としてイ)成分からなる一種以上を単独で用いることもできるが、下記の界面活性剤を併用して用いることもできる。併用する場合は、あらかじめイ)成分含有のアルキル硫酸塩ペーストと混合して用いても良いし、それぞれ別々に添加しても良い。なお、下記界面活性剤を併用する場合、下記界面活性剤は、イ)成分100質量部に対して、好ましくは1〜70質量部、より好ましくは2〜50質量部、更に好ましくは3〜30質量部である。かかる界面活性剤としては、α−スルホ脂肪酸エステル塩や二級アルカンスルホン酸塩が挙げられる。
なお、本発明で得られる洗剤粒子群中におけるアルキル硫酸塩ペーストの含有量としては、洗浄力及び洗剤用粉体原料との造粒物を形成させる観点から、洗剤粒子群中の10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。また、固化性や解砕性の観点から、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
(3)その他の粉体成分
混練機には、「洗剤用粉体原料」以外の一般に洗剤組成物の分野に用いられる公知の物質を合わせて添加してもよい。洗剤粒子群中のその他の粉体成分の量は、1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
かかる物質としては、キレート剤(トリポリリン酸塩、オルトリン酸塩、ピロリン酸塩等、アルカリ金属アルミノケイ酸塩)、水溶性ポリマーのうち粉体のもの(カルボン酸ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類、ポリエチレングリコール)、水不溶性賦形剤(二酸化ケイ素、水和ケイ酸化合物、バーライト、ベントナイト等の粘土化合物等)や、粒子状界面活性剤(脂肪酸又はその塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等)が挙げられる。
上記の物質は、該洗剤用粉体原料と該アルキル硫酸塩組成物を混練する前に、洗剤用粉体原料やアルキル硫酸塩組成物と合わせて添加してもよいし、該洗剤用粉体原料と該アルキル硫酸塩組成物を混練して発泡体組成物を形成した後に添加してもよい。また、発泡体組成物を粉粒体化したものに添加してもよい。
(4)その他の液体成分
本発明においては、さらにその他の液体成分を添加して洗剤粒子群を製造してもよい。添加されるその他の液体成分としては、得ようとする洗剤粒子群の組成に応じて適宜選択することができる。液体成分の添加時期は特に限定されるものではなく、例えば、該アルキル硫酸塩組成物に予め混合しておいてもよいし、該洗剤用粉体原料に予め混合しておいてもよい。
該洗剤用粉体原料と該アルキル硫酸塩組成物を混練により発泡体組成物を製造した後に液体成分を添加する場合は、混練機にて該液体成分を添加してもよいし、本発明の製造方法によって得られる洗剤粒子群を混練機から排出した後に、別の混練機/混合機造粒機に得られた洗剤粒子群を投入し、当該液体成分をここに添加してもよい。
液体成分としては、例えば非イオン界面活性剤や脂肪酸、水溶性ポリマー(カルボン酸ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類、ポリエチレングリコール等)等の通常の洗剤組成物に用いられる任意の液体成分が挙げられる。液体成分は一成分のみを用いてもよく、二成分以上を併用しても良い。液体成分としては、その融点以上の温度にて液状として添加してもよく、又は水溶液若しくは分散液の形態で添加してもよい。液体成分の量(有効量)としては、洗剤粒子群の凝集抑制の観点から、最終産物である洗剤粒子群の15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
液体成分として用いられる非イオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、洗浄力の観点から、例えば炭素数10〜14のアルコールにアルキレンオキシドを6〜22モル付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
これら液体成分は、任意のノズルにより噴霧して添加することができる。
B.洗剤粒子群の製造方法
本発明の製造方法では、混練機を用いて、洗剤用粉体原料とアルキル硫酸塩組成物を混練して発泡体組成物を形成する工程、及び該発泡体組成物を粉粒体化する工程を有する。
a)工程
a)工程は、水分を含有するアルキル硫酸塩組成物と、洗剤用粉体原料とをバッチ式混練機を用いて混練することによって発泡体組成物を形成する工程である。通常、バッチ式混練機は、粉体と高粘性液体等とを均一に混練するための手段として汎用されているが、本発明では、溶液あるいはペーストを発泡させて発泡体を形成させる手段として混練機を用いる。本発明では、下記に詳述するような特定の諸条件を見出すことで、アルキル硫酸塩組成物と洗剤用粉体原料とを含む発泡体組成物を意外にも形成することができた。
本明細書においては、発泡体組成物は、該洗剤用粉体原料と該アルキル硫酸塩組成物中にガス媒体(エアー、窒素、二酸化炭素等)が含有されてなるものである。
具体的には、バッチニーダー等の一般に用いられる混練機に、該洗剤用粉体原料と該アルキル硫酸塩組成物を投入し、ガス媒体存在下ガス媒体、所定の時間の間混練を行うことにより、ガス媒体を巻き込み、発泡体組成物を製造することができる。ガス媒体は混練機内に存在する空気を用いるが、本発明を損なわない限り、強制的に供給しても良い。
このようなバッチ式の製造方法を行う機器の一例としては、装置内部に内容物を強制的に攪拌、混合を促す羽根等を有する混合機類も含まれる。例えば、工業用バッチニーダー(佐竹化学機械工業株式会社、バッチニーダ/加圧ニーダ((株)栗本鐵工所製)、加圧型ニーダー((株)モリヤマ製)などが挙げられる。
a)工程において、混練機に投入されるアルキル硫酸塩組成物/洗剤用粉体原料の質量比は発泡体組成物の比重を調整し、中低嵩密度の洗剤粒子群を得る観点から、好ましくは20/80以上、より好ましくは25/75以上、さらに好ましくは30/70以上であり、より更に好ましくは35/65以上であり、同様の観点から、好ましくは65/35以下、好ましくは60/40以下、好ましくは55/45以下である。
a)工程で投入される洗剤用粉体原料の体積(A)、a)工程で投入されるアルキル硫酸塩組成物の体積(B)及び混練機内容積(C)は、次の関係式を満たすことが必要である。即ち、〔(A)+(B)〕/(C)は、洗剤粒子群を発泡させて、中低嵩密度の洗剤粒子群を得る観点から、0.10以上であり、0.15以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、同様の理由で0.60以下であり、0.5以下が好ましく、0.4以下が更に好ましく、0.10〜0.60であり、0.15〜0.5であることが好ましく、0.2〜0.4であることがより好ましい。ここでいう洗剤用粉体原料(A)とアルキル硫酸塩組成物(B)の合計容積〔(A)+(B)〕とは、洗剤用粉体原料の嵩密度の逆数に仕込み質量を乗じたものとアルキル硫酸塩組成物の密度の逆数に仕込み質量を乗じたものの和である。上記範囲内では、ガス媒体を混練機内に強制的に供給しなくても発泡させることができる。
混練機のジャケット温度は発泡体組成物の比重調整の観点から40℃以上が好ましく、50℃以上がさらに好ましく、発泡体組成物の冷却速度の観点から80℃以下が好ましく、70℃以下がさらに好ましい。
混練機に供給する際のアルキル硫酸塩組成物の温度としては、発泡体組成物の比重調整の観点から40℃以上が好ましく、50℃以上が好ましく、発泡体組成物の冷却速度の観点から80℃以下が好ましく、70℃以下が好ましい。
混練機に供給する際の該洗剤用粉体原料の温度としては、発泡体組成物の比重調整の観点から20℃以上が好ましく、発泡体組成物の冷却速度の観点から50℃以下が好ましい。
a)工程における混練時間としては、発泡体組成物を形成させる観点から、混練時間は、好ましくは10分間以上、好ましくは20分間以上、好ましくは30分間以上であり、生産性及び発泡体組成物の破泡抑制の観点から、好ましくは300分間以下、好ましくは200分間以下、好ましくは150分間以下である。
a)工程によって得られる発泡体組成物の比重は、中低嵩密度の洗剤粒子群を収率良く得る観点から、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.1〜0.9、さらに好ましくは0.2〜0.8、さらに好ましくは0.3〜0.7である。発泡体組成物の比重をかかる範囲にコントロールする方法としては、例えば、バッチ式の製造方法においては、該洗剤用粉体原料と該アルキル硫酸塩組成物の混練時間を調整する方法が挙げられる。
a)工程によって得られる発泡体組成物の気泡容積分率は、発泡させる観点から、好ましくは20%以上、好ましくは30%以上、好ましくは40%以上であり、中低嵩密度の洗剤粒子群を収率良く得る観点から、好ましくは95%以下、好ましくは90%以下、好ましくは80%以下である。発泡体組成物の気泡容積分率は後述の方法により求めることができる。
b)工程
b)工程は、工程a)で得られた発泡体組成物を粉粒体処理に供する工程である。
洗剤用粉体原料とアルキル硫酸塩組成物の発泡体組成物を粉粒体化する事で中低嵩密度な洗剤粒子群を収率良く得ることができる。粉粒体の形状としては、半球状/球状の粒子、ブロック、ブリケット、タブレット、ヌードル、ペレット(円筒状物)、フレーク等が例示できる。
ヌードルにするには、あらかじめ混練機で混練した発泡体組成物を、組成物が固化しない温度で、次いで押出機など(例えば押出ダイ)に通過させてヌードル状に成形する。ヌードルを得るのに使用できる押出機としては、日本粉体工業技術協会編「造粒ハンドブック」(オーム社発行)第3章 押出し造粒 に記載の押出し造粒機が使用でき、スクリュー型、ロール型、ブレード型、自己成型型、ラム型等を使用することができる。なかでも、高い製造能力が得られる観点から、スクリュー型が好ましい、特に、内部に一以上のパドルと固定爪とオリフィスプレートとが備えられており、内部で剪断作用が受けられる構造を有するのが好ましい。押出線速度は、好ましくは0.1mm/s〜100mm/s、より好ましくは1mm/s〜70mm/sである。押出速度がこのような範囲にあると、生産性を低下させることなく、押出しダイへの負荷も過大にならないので好ましい。押出機内部及び先端に取り付けるオリフィスプレートの孔の形状は、円形、正三角形、正方形等何れでも良いが、押出しダイの強度を高く保つ観点から円形が好ましい。押出ダイの押出面積は、好ましくは0.1〜200mm2/本、より好ましくは0.15〜100mm2/本、さらに好ましくは0.1〜3mm2/本、さらにより好ましくは0.15〜2mm2/本である。押出面積がこのような範囲にあると、生産性を低下させることなく、押出しダイへの負荷も過大にならないので好ましい。
ペレットは、押出機の出口にカッターを設置して、成形された発泡体組成物のヌードルを切断するか、ヌードルを冷却、固化させた後、破砕機にて解砕することで得られる。
フレークにするには、例えばドラムフレーカー、ベルトクーラーなどにより、混練品を20〜40℃程度まで冷却、固化するとともにフレーク化すればよい。
半球状/球状の粒子にするには、ロールドロップ式造粒法、ロートフォーム式造粒法、溶融噴霧冷却法等が挙げられる。
また、発泡体組成物が固化したもの、あるいはフレーク、ヌードル、ペレットなどの粉粒体を粉砕してもよい。このような粉砕物を得る処理も、本明細書における粉粒体処理に包含される。粉砕処理に用いられる粉砕機には特に制限はないが、一般に内部に回転体とスクリーンを装着した破砕機が使用でき、好ましくは、カッターミル、フェザーミル等の切断・剪断式破砕機等、ハンマーミル、アトマイザー、パルペライザー等の衝撃式破砕機が挙げられる。このうち、衝撃破砕による微粉の発生が少ないことから、破砕式造粒機パワーミル、カッターミル、フェザーミル、スピードミル、等の切断・剪断式破砕機等を使用することが好ましい。また、その際には、長時間運転してもカッターの刃が摩耗しにくいため、ステライトやタングステンカーバイド等で処理されたカッターを採用することが好ましい。粉砕された粉砕品を所定孔径のスクリーンから排出するものもまた好ましい。
具体的には、破砕式造粒機パワーミル((株)ダルトン製)、フィッツミル(ホソカワミクロン(株)製)、スピードミル(岡田精工(株)製)、アトマイザー(不二パウダル(株)製)、パルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)、コミニューター(不二パウダル(株)製)等が挙げられる。スクリーンは、金網タイプ、ヘリンボンタイプ、パンチングメタルタイプ等、特に限定されないが、スクリーンの強度、破砕物の形状を考慮すると、パンチングメタルタイプが好ましい。粉砕の際には、破砕熱により破砕物が軟化して破砕機に付着することを防止するために、破砕機内へ冷風を導入することが好ましい。この場合、冷風温度は5〜30℃が好ましく、より好ましくは5〜25℃である。また、冷風は脱湿して使用することが好ましい。さらに、冷風としては、空気を窒素で希釈したものを用いてもよい。
短時間で粉粒体化する為には、発泡体組成物そのものや、発泡体組成物から形成される半球状/球状の粒子、ブロック、ブリケット、タブレット、ヌードル、ペレット(円筒状物)、フレーク等の粉粒体を強制的に冷却しても良い。あるいは、かかる粉粒体を形成させながら強制的に冷却しても良い。冷却は、ドラムフレーカーやベルトクーラー等、を使用して行うこともできるし、冷風を直接、粉粒体化前の発泡体組成物に当ててもよい。
このように、本発明においては、混練機を用いて、洗剤用粉体原料とアルキル硫酸塩組成物の比率と混練機容積に対する洗剤用粉体原料とアルキル硫酸塩組成物の合計容積を特定の比率にして混練すること採用し、更に発泡体組成物を粉粒体化する事で、中低嵩密度の洗剤粒子群を収率良く得ることができる。
C.洗剤粒子群を含有する洗剤組成物及びその製造方法
上記のようにして製造される洗剤粒子群をそのまま洗剤組成物として扱うこともできるが、さらに所望の成分が添加されたものも洗剤組成物として扱うことができる。即ち、本発明の洗剤組成物は、本発明の製造方法によって得られる洗剤粒子群を少なくとも含有してなるものである。
添加される成分としては、例えば、ビルダー顆粒、蛍光染料、酵素、香料、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤等が挙げられる。かかる成分は、該アルキル硫酸塩組成物を添加した後に、混練機に添加してもよいし、又は、本発明の製造方法によって得られる洗剤粒子群を混練機から排出した後に、別の混合機を用いて添加してもよい。
D.物性と評価
本発明により得られる洗剤粒子群等の物性としては、嵩密度や流動性、平均粒径が挙げられる。また生産性の指標となる物性として造粒収率が挙げられる。洗剤粒子群の嵩密度としては、中低嵩密度である250〜680g/Lが好ましく、300〜600g/Lがより好ましく、400〜600g/Lが更により好ましい。洗剤粒子群の平均粒径としては、洗剤粒子の造粒収率を向上させる観点から、200〜800μmが好ましく、200〜600μmがより好ましい。洗剤粒子群の流動性としては、洗剤粒子の取り扱い性に優れる観点から、4〜12秒が好ましく、4〜10秒がより好ましく、4〜8秒が更に好ましい。造粒収率としては、100%に近ければ近い程好ましく、例えば、80〜100%が好ましく、90〜100%がより好ましい。
洗剤粒子群等についての物性の測定方法は以下に説明する通りである。
<物性の測定方法>
1.嵩密度
嵩密度は、JIS K 3362:2008において見掛け密度として記載された方法で測定する。なお、嵩密度は、2000μmの篩上に残留した粒子をカットした残りの粒子にて測定する。
2.流動性
流動性は、JIS K 3362:2008記載の見掛け密度測定用のホッパーから、100mLの粉末が流出するのに要する時間とする。なお、流動性は、2000μmの篩上に残留した粒子をカットした残りの粒子にて測定する。
3.平均粒径
平均粒径については、JIS Z 8801−1:2006記載の金属製網ふるい(目開き2000〜45μm)を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる質量分率からメジアン径を算出する。より詳細には、目開き45μm、63μm、90μm、125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1410μm、2000μmの12段の篩と受け皿を用いて、受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの粒子を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(HEIKO製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、5分間振動させたあと、それぞれの篩及び受け皿上に残留した当該粒子の質量を測定し、各篩上の当該粒子の質量割合(%)を算出する。受け皿から順に目開きの小さな篩上の当該粒子の質量割合を積算していき合計が50%となる粒径を平均粒径とする。
4.造粒収率
本明細書における造粒収率とは、製造された洗剤粒子群中の、2000μm以下の粒子の質量での割合を示したものである。
<アルキル硫酸ナトリウム組成物、発泡体組成物の比重>
アルキル硫酸ナトリウム組成物の比重、混練機より得られる発泡体組成物の比重は、任意の容器の容積を予め20℃の水を用いて測定した後、測定サンプルを該容器に徐々に添加しながら繰り返しタッピングを行い、測定サンプルと測定サンプルの間に空隙が生じないように充填し、その質量を60℃で測定し、該容器の容積で除すことにより、得られる。なお、本明細書において別途記載のない限り、比重とは20℃の水の密度に対する比重である。
<気泡容積分率の測定方法>
本明細書で規定する気泡容積分率は、以下の式(1)で求められる。
気泡容積分率[vol%]=(1−(ρ/ρ0))×100
ρ:発泡体組成物の比重
ρ0:アルキル硫酸ナトリウム組成物の比重の逆数に配合質量割合[(配合質量%)/100]を乗じたものと、洗剤用粉体原料の比重の逆数に配合質量割合[(配合質量%)/100]を乗じたものの和の逆数
気泡容積分率が大きいほど、発泡体組成物や洗剤粒子中に多く気泡が含まれていることを示す。尚、発泡体組成物の比重、アルキル硫酸ナトリウム組成物の比重は、前記測定値を用い、洗剤用粉体原料(硫酸ナトリウム)は、真比重を用いる。
以下に、本発明を実施例等に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例等においては、特に記載のない限り下記の原料を用いた。なお、表中の組成の%は質量%を意味する。
アルキル硫酸ナトリウム組成物(純分66%、残部水;アルキル基の炭素数はC12/C14/C16=64/24/12(質量%))。該アルキル硫酸ナトリウム組成物の60℃での粘度は1.4Pa・s、比重は1.0であった。
硫酸ナトリウム:平均粒径200μm、四国化成工業(株)製「中性無水芒硝」。
粉砕硫酸ナトリウム:上記硫酸ナトリウムを平均粒径22μmに粉砕したもの。なお、硫酸ナトリウムの真比重は2.7であった。
以下の実施例等では、混練機として、工業用バッチニーダー(佐竹化学機械工業株式会社1600−65CVJA−3.7型、実効容量65L)を用いた。バッチニーダーのジャケット部には60℃の温水を通水した。
実施例1
25℃の硫酸ナトリウム12.0kgを投入した後、60℃のアルキル硫酸ナトリウム組成物8.0kgを投入した。この時、容積比は0.33であった。その後、バッチニーダーで90分間混練し、発泡体組成物を調製した。調製された発泡体組成物の比重は0.43、気泡容積分率は73%であった。
次に調整された発泡体組成物を任意の容器に取り出し、発泡体組成物の温度が約25℃になるまで常温・常圧化で放置した。冷却後の発泡体組成物は固化しており、それを手で粗解砕した後、破砕式造粒機パワーミル((株)ダルトン製、P−3S型、スクリーンφ3mm)を用いて解砕し、洗剤粒子群を製造した。得られた洗剤粒子群の組成及び物性を表1に示す。
実施例2
25℃の粉砕硫酸ナトリウム12.0kgを投入した後、60℃のアルキル硫酸ナトリウム組成物8.0kgを投入した。この時、容積比は0.25であった。その後、バッチニーダーで60分間混練し、発泡体組成物を調製した。調製された発泡体組成物の比重は0.50、気泡容積分率は69%であった。
次に調整された発泡体組成物を任意の容器に取り出し、発泡体組成物の温度が約25℃になるまで常温・常圧化で放置した。冷却後の発泡体組成物は固化しており、それを手で粗解砕した後、破砕式造粒機パワーミル((株)ダルトン製、P−3S型、スクリーンφ3mm)を用いて解砕し、洗剤粒子群を製造した。得られた洗剤粒子群の組成及び物性を表1に示す。
実施例3
25℃の硫酸ナトリウム14.0kgを投入した後、60℃のアルキル硫酸ナトリウム組成物6.0kgを投入した。この時、容積比は0.33であった。その後、バッチニーダーで90分間混練し、発泡体組成物を調製した。調製された発泡体組成物の比重は0.67、気泡容積分率は63%であった。
次に調整された発泡体組成物を任意の容器に取り出し、発泡体組成物の温度が約25℃になるまで常温・常圧化で放置した。冷却後の発泡体組成物は固化しており、それを手で粗解砕した後、破砕式造粒機パワーミル((株)ダルトン製、P−3S型、スクリーンφ3mm)を用いて解砕し、洗剤粒子群を製造した。得られた洗剤粒子群の組成及び物性を表1に示す。
実施例4
25℃の粉砕硫酸ナトリウム10.0kgを投入した後、60℃のアルキル硫酸ナトリウム組成物10.0kgを投入した。この時、容積比は0.26であった。その後、バッチニーダーで90分間混練し、発泡体組成物を調製した。調製された発泡体組成物の比重は0.47、気泡容積分率は68%であった。
次に調整された発泡体組成物を任意の容器に取り出し、発泡体組成物の温度が約25℃になるまで常温・常圧化で放置した。冷却後の発泡体組成物は固化しており、それを手で粗解砕した後、破砕式造粒機パワーミル((株)ダルトン製、P−3S型、スクリーンφ3mm)を用いて解砕し、洗剤粒子群を製造した。得られた洗剤粒子群の組成及び物性を表1に示す。
比較例1
25℃の硫酸ナトリウム3.0kgを投入した後、60℃のアルキル硫酸ナトリウム組成物2.0kgを投入した。この時、容積比は0.08であった。その後、バッチニーダーで90分間混練し、発泡体組成物を調製した。調製された発泡体組成物の比重は1.50、気泡容積分率は7%となり満足する発泡体組成物が得られなかった。
比較例2
25℃の硫酸ナトリウム24.0kgを投入した後、60℃のアルキル硫酸ナトリウム組成物16.0kgを投入した。この時、容積比は0.66であった。その後、バッチニーダーで90分間混練し、発泡体組成物を調製した。調製された発泡体組成物の比重は1.51、気泡容積分率は6%となり満足する発泡体組成物が得られなかった。
比較例3
25℃の硫酸ナトリウム3.5kgを投入した後、60℃のアルキル硫酸ナトリウム組成物1.5kgを投入した。この時、容積比は0.08であった。その後、バッチニーダーで90分間混練し、発泡体組成物を調製した。調製された発泡体組成物の比重は1.70、気泡容積分率は5%となり満足する発泡体組成物が得られなかった。
比較例4
25℃の硫酸ナトリウム28.0kgを投入した後、60℃のアルキル硫酸ナトリウム組成物12.0kgを投入した。この時、容積比は0.66であった。その後、バッチニーダーで90分間混練し、発泡体組成物を調製した。調製された発泡体組成物の比重は1.75、気泡容積分率は2%となり満足する発泡体組成物が得られなかった。
比較例5
25℃の硫酸ナトリウム6.0kgを投入した後、60℃のアルキル硫酸ナトリウム組成物14.0kgを投入した。この時、容積比は0.32であった。その後、バッチニーダーで90分間混練し、発泡体組成物を調製した。調製された発泡体組成物の比重は1.05、気泡容積分率は15%となり、更に冷却後も固化しなかった為、満足する発泡体組成物を得る事ができなかった。
比較例6
25℃の硫酸ナトリウム18.0kgを投入した後、60℃のアルキル硫酸ナトリウム組成物2.0kgを投入した。この時、容積比は0.34であった。その後、バッチニーダーで90分間混練したが、発泡体組成物を調製した。調製された発泡体組成物の比重は2.10、気泡容積分率は9%となり、更に冷却後も固形物にならず、満足する発泡体組成物を得る事ができなかった。
Figure 2014031450
実施例1、2及び4で得られた洗剤粒子群は、嵩密度が488〜519g/Lとなった。また、造粒収率は100%であり、中低嵩密度の洗剤粒子群が収率良く得られた。さらに、洗剤用粉体原料の中では比重が大きい部類に入る硫酸ナトリウムが多い組成であっても、従来より低い嵩密度の洗剤粒子群を収率良く得ることができた(実施例3)。
一方、比較例1〜4については、発泡体組成物の比重が1.50以上(気泡容積分率10%以下)と比重の高い発泡体組成物となった。これは、混練機容積に対する洗剤用粉体原料とアルキル硫酸塩組成物の合計容積が所定の比率に達していなかった為、発泡体組成物へのエアの巻き込みが十分でなかった為と考えられる。比較例5については、発泡体組成物の比重が1.05(気泡容積分率15%)と比重の高い発泡体組成物となり、冷却後も固化しなかった。これは、混練機に投入する洗剤用粉体原料が少なすぎたため、発泡体組成物が固化しなかった為と考えられる。比較例6については、発泡体組成物の比重が2.10(気泡容積分率9%)と比重の高い発泡体組成物となり、冷却後も固形物にならなかった。これは、混練機に投入するアルキル硫酸塩組成物が少なすぎたため、発泡体組成物が固形化しなかった為と考えられる。尚、比較例で得られた洗剤粒子群の物性は測定しなかった。
本発明によれば、噴霧乾燥を使用しない方法にて、中低嵩密度の洗剤粒子群を収率良く製造することができる。かかる洗剤粒子群は、衣料用等様々な用途の洗剤組成物として、又はかかる洗剤組成物の一成分として好ましく用いることができる。

Claims (6)

  1. a)工程:
    イ)下記式(1):
    R−O−SO3M (1)
    (式中、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基、Mはアルカリ金属原子、アンモニウム又はアミンを示す。)で示される陰イオン性界面活性剤、及び
    ロ)上記イ)成分100質量部に対して25〜70質量部の水、を含有するアルキル硫酸塩組成物と、洗剤用粉体原料とをバッチ式混練機を用いて混練することによって発泡体組成物を形成する工程、
    b)工程:該発泡体組成物を粉粒体処理に供する工程、
    を含む洗剤粒子群の製造方法であって
    a)工程で投入される洗剤用粉体原料の体積(A)、a)工程で投入されるアルキル硫酸塩組成物の体積(B)及び混練機内容積(C)が、〔(A)+(B)〕/(C)=0.10〜0.60の関係式を満たすものであり、かつ、
    a)工程で投入されるアルキル硫酸塩組成物とa)工程で投入される洗剤用粉体原料の質量比(アルキル硫酸塩組成物/洗剤用粉体原料)が20/80〜65/35である、洗剤粒子群の製造方法。
  2. a)工程によって得られる発泡体組成物の気泡容積分率が20%以上である、請求項1に記載の製造方法。
  3. a)工程によって得られる発泡体組成物の比重が0.9以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. a)工程で投入される洗剤用粉体原料が硫酸ナトリウム及び/又は炭酸ナトリウムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. a)工程で投入される洗剤用粉体原料が硫酸ナトリウムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. a)工程における混練時間が10〜300分間である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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