JP2014031368A - 褐色脂肪細胞活発化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】褐色脂肪細胞の活動を増進させる新規の褐色脂肪細胞活発化剤を提供すること。
【解決手段】本発明の褐色脂肪細胞活発化剤は、自律神経系のうち、交感神経系の働きを増進させることができるため、これを摂取することで、褐色脂肪細胞の働きを増進し肥満の解消や予防をすることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、褐色脂肪細胞活発化剤に関する。
現代人は、肥満、高血圧、糖尿病、脂質代謝異常、ストレスよる睡眠不足や免疫力低下、冷え症、低体温症状等、様々な問題を抱えている。
これらの症状を予防または治療するため、多くの研究がなされており、様々な予防剤や治療剤が開発されている。例えば、抗肥満剤としては、オルリスタット、マジンドール等が、抗高血圧剤としては、各種利尿剤、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、交感神経遮断薬等が知られている。
しかしながら、肥満、高血圧等の症状は、個人によりその症状の原因が異なるため、上述した公知の予防剤や治療剤を用いても、その使用者の症状の原因とは異なる機序に作用する場合、必ずしも十分な効果が得られない場合があった。また、抗肥満薬として知られる薬剤の中には、強い副作用のあるものも多い。
一方、褐色脂肪細胞の不活性化は、肥満症、低体温症、高血圧、耐糖能低下、脂質代謝異常、不眠等、様々な症状の直接的または間接的な原因となり得ることが知られている(非特許文献1)。そこで、褐色脂肪細胞の不活性化に起因する、前記の各症状を予防または治療するため、褐色脂肪細胞の活性化に作用する素材の開発が求められている。
例えば、褐色脂肪細胞が主として交感神経活動により機能が調節されることから、交感神経活動亢進作用を有する組成物を使用する提案が行われている(特許文献1)。しかしながら、褐色脂肪細胞の活性化に作用する素材は、その他にはまだあまり知られていない。
国際公開第2008/120712号
斉藤昌之、大野秀樹編、「ここまでわかった燃える褐色細胞の不思議」、第1版、有限会社 ナップ、2013年6月、p.18−19、24−25、78−79
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、褐色脂肪細胞の活動を増進させる新規の褐色脂肪細胞活発化剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、黒生姜の根茎の粉砕物、根茎の絞り汁または抽出物、これらの乾燥物、あるいは、その粉末化物等の黒生姜の根茎、茎、葉または花等の加工物が、交感神経系の働きを高めて褐色脂肪細胞の活動を増進させることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1)黒生姜加工物品を含有することを特徴とする褐色脂肪細胞発化剤。
(2)前記黒生姜加工物品が黒生姜の根茎を利用したものである(1)記載の褐色脂肪細胞活発化剤。
本願発明の褐色脂肪細胞活発化組成物を摂ることにより、交感神経系の働きを高めて褐色脂肪細胞の活動を増進させることが可能である。
マウスの褐色脂肪組織交感神経活動(BAT−SNA)の経時変化を示す。 マウスの褐色脂肪組織交感神経活動(BAT−SNA)の経時変化を示す。 マウスの肩甲間褐色脂肪組織直上の皮下の体温の経時変化を示す。 褐色脂肪組織高活性者のエネルギー消費量(EE)変化を示す。 褐色脂肪組織低活性者のエネルギー消費量(EE)変化を示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本願発明で用いられる黒生姜(Kaempferia Parviflora)とは東南アジアに自生するショウガ科、バンウコン属の植物で、精力増進、滋養強壮、血糖値の低下、体力回復、消化器系の改善、膣帯下、痔核、痔疾、むかつき、口内炎、関節痛、胃痛の改善等の報告がある。このように、黒生姜は、長期にわたり人間に摂取されてきた実績のある天然植物あって安全性が高い。そのため、当該組成物は、実用性が高く、医薬部外品、医薬品、外用剤等に幅広く使用することができる。
本発明の加工物品を得るための黒生姜の使用部位は樹皮、根、葉、茎、花または枝等が使用し得る。なかでも、好ましいのは、根茎である。具体的には、黒生姜の加工品(乾燥物、裁断物等)あるいはその粉末、絞り汁または抽出物を利用することができる。なお、ここで、抽出物とは、上記黒生姜またはその加工物を溶媒で抽出して得られる抽出液、その希釈液または濃縮液、あるいはそれらの乾燥物及びその粉末を意味する。食品または医薬品として使用する点等を考慮すると、抽出物を用いることも好ましい。本発明において、加工物品とは、これらのすべてを包含する。
黒生姜の粉末製品は、洗浄後、スライスした黒生姜を天日、あるいは乾燥機を用いて乾燥後、そのままあるいは適当な形状大きさに裁断して得た加工品を、粉砕装置を用いて粉砕することで得ることができる。粉砕装置としては通常使用されるものがひろく使用できるが、例えば、原料ホッパー、粉砕機、分級機及び製品ホルダー等から構成される粉砕機を用いることができる。
黒生姜の抽出物は、黒生姜またはその加工物を溶媒で抽出することによって得られる。抽出に使用される溶媒としては、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコール、酢酸エチル、酢酸メチル等の低級エステル、アセトン、及びこれらと水との混合溶媒が挙げられる。水のみで行うことも有効である。中でも、本発明の組成物がヒトが摂取するものであることから、水単独またはエタノール単独、若しくは水とエタノールとの混合溶媒(いわゆる含水エタノール)を使用するのが好ましい。特に、40%以上の濃度で、エタノールを含む混合溶媒を使用するのが好ましい。
溶媒として混合溶媒を使用する場合は、例えば、アセトン/水(2/8〜8/2、体積比)混合物、エタノール/水(2/8〜8/2、体積比)混合物等を用いることもできる。エタノール/水の場合、黒生姜の根茎に対して、その質量の2〜20倍質量の溶媒を加え、室温または加熱下で10分〜48時間程度抽出するのが好ましい。
用いる抽出方法に特に制限はないが、安全性及び利便性の観点から、できるだけ緩やかな条件で行うことが好ましい。例えば、原料植物部位またはその乾燥物を粉砕、破砕または細断し、これに2〜20倍質量の溶媒を加え、0℃〜溶媒の還流温度の範囲で10分〜48時間、静置、振盪、攪拌あるいは還流等の任意の条件下にて抽出を行う。抽出作業後、濾過、遠心分離等の分離操作を行い、不溶物を除去する。これに、必要に応じて希釈、濃縮操作を行うことにより、抽出液を得る。さらに、不溶物についても同じ操作を繰り返して抽出し、その抽出液を先の抽出液と合わせて用いてもよい。これらの抽出物は、当業者が通常用いる精製方法により、さらに精製して使用してもよい。
得られた抽出液は、そのままあるいは濃縮して、液状物、濃縮物、ペースト状で、あるいは、さらにこれらを乾燥した乾燥物の形状で用いることができる。乾燥は、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動乾燥等の当業者が通常用いる方法により行われる。さらに、以上の方法で得られた乾燥物品を、周知の方法を用いて粉末化して使用することも可能である。
本願発明の褐色脂肪細胞活発化剤は、交感神経系の働きを高めて褐色脂肪細胞の活動を増進させることから、肥満症またはその合併症の予防または治療を目的として、動物あるいはヒトに与えることができる。通常の抗肥満剤は、脂肪細胞の代謝を活発化させるものが多いのに対し、本願発明の褐色脂肪細胞活発化剤による抗肥満効果は、その作用機序において異なる。
さらに、本願発明の褐色脂肪細胞活発化剤は、褐色脂肪細胞の活動を増進し体温調節機能を向上したり基礎体温を上昇したりする働きを有すことから、これを摂取することにより、上記肥満症等の予防または治療以外にも、冷え症、低体温症等の予防や治療、ウイルスに対する免疫力の向上等に資することができる。さらにこれらに加えて、褐色脂肪細胞の活動低下を起因とする、高血圧、耐糖能低下、脂質代謝異常等の疾病の予防や改善を図ったり、安眠への誘導を行ったりすることも可能である。
本願発明の褐色脂肪細胞活発化剤は、上記した目的に応じ、非経口投与剤、経口投与剤等として、そのまま、あるいは、他の成分と混合して使用することができる。非経口投与剤としては、静脈内投与剤、筋肉内投与剤、皮下投与剤、経皮投与剤、等が用いられる。皮下投与剤のひとつである、腹腔内投与剤としてもよい。また、経腸投与剤として、注射等を用い内臓へ直接投与することも好ましい。
また、本願発明の褐色脂肪細胞活発化剤は、化粧品に適した形態として使用することもできる。例えば、ローション剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤等の種々の形態に加工され得る。具体的には、化粧水、化粧クリーム、乳液、クリーム、パック、ヘアトニック、ヘアクリーム、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、洗顔剤、ファンデーション、育毛剤、水性軟膏、スプレー等として利用できる。
黒生姜の成分の変性防止の観点からは非経口投与剤とする方法もあるが、黒生姜の成分は有機溶剤による抽出にも耐えられるほど丈夫で、胃液等への暴露によっても変性しにくいため、経口投与剤としても十分な効果を得ることができる。経口投与剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル等がある。カプセル化して、内臓にそのまま到達させる量を増やすことが好ましい。さらに、本発明の一剤は、錠剤、散剤、カプセル等の剤形状を有するもののほか、ドリンク剤、シロップ剤、ゼリーの形で供給され得る。
経口投与剤としては、例えば、当業者が通常用いる添加剤(例えば、デキストリン、デンプン、糖類、リン酸カルシウム等の賦形剤、香料、香油等)を用いて、錠剤、顆粒剤等の形状に成形してもよく、あるいは、水、飲料等に溶解して、液剤としてもよい。好ましくは、カプセル剤、顆粒剤、錠剤または飲料の形態である。
カプセル剤の製造方法としては、内容物として上記植物または抽出物を用いること以外は、従来公知のソフトカプセルの製造方法に従えばよい。そのような製造法としては、カプセル皮膜シートを用いて、ロータリー式充填機で内容物を封入し、カプセル製剤を成型する方法、または滴下法によりシームレスカプセルを製造する方法等が挙げられる。
また、錠剤については、上記植物または抽出物を含有する顆粒あるいは抽出物そのものに、適切な結合剤、賦形剤、崩壊剤及び必要に応じて滑沢剤を添加し、公知の打錠法により調製することができる。顆粒剤については、公知の各種湿式、乾式等の造粒法が適用でき、適切な結合剤及び賦形剤と共に成形する。さらに、ドリンク剤、シロップ剤、ゼリー等については、適切な糖、酸、香料等を添加して香味を調製し、公知の製法により調製することができる。
本発明の褐色脂肪細胞活発化剤に含有される黒生姜加工物品の配合量としては特に制限はないが、経口投与剤であれば、好ましくは0.0001%以上、より好ましくは0.001%以上配合されることが望ましく、化粧品等の非経口投与剤であれば、好ましくは0.00001%以上、より好ましくは0.0001%以上配合されることが望ましい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(黒生姜抽出液の製造)
黒生姜の根茎チップ300gを秤量し、60%エタノール3lと共に3角フラスコに入れる。途中で何回か攪拌しながら室温で24時間静置する。減圧濾過後、残ったチップに60%エタノール3lに再度浸漬して、室温で24時間静置して抽出を行う。これを減圧濾過して、2回目の抽出液を得た。前記1回目、2回目の抽出液を併せ、これを約1/6に減圧濃縮して原液とした。
(交感神経活動評価試験)
12時間毎の明暗周期(8時〜20時まで点灯)下に24℃の恒温動物室にて1週間以上飼育した体重約300gのWistar系雄ラット(約9週齢)を使用した。実験当日は3時間絶食させた後ウレタン麻酔し、十二指腸投与用のカニューレを挿入し、その後、肩甲間褐色脂肪組織交感神経、大腿皮膚動脈交感神経の遠心枝を銀電極で吊り上げ、それら神経の電気活動を測定した。これらの測定値が落ち着いた時期(13時頃)に前記黒生姜抽出液を60%エタノールで500mg/kg投与量になるように溶解した原液を60%エタノールで100倍、1000倍、10000倍に希釈した液1mlを十二指腸に投与してこれらの自律神経活動の変化を電気生理学的に測定した。なお、対照実験としては溶媒である60%エタノール溶液1mlを十二指腸投与した。尚、手術開始から測定終了までチューブを気管に挿入して気道を確保し、保温装置にて体温(ラット直腸温)を35.0±0.5℃に保つようにした。自律神経活動のデータは5分間毎の5秒あたりの発火頻度(pulse/5s)の平均値にて解析し、刺激開始前の値(0分値)を100%とした百分率で表した。
図1に、60%エタノールで100倍、1000倍、10000倍に希釈した液によるマウスの肩甲間褐色脂肪組織交感神経活動(BAT−SNA)の経時変化を示す。
図1において、対照実験として行なった60%エタノール溶液1mlの十二指腸投与は最初徐々にBAT−SNAを低下させ、投与25分後にBAT−SNAを最低値74.4%に減少させ、その後徐々にBAT−SNAを上昇させて投与60分後にはBAT−SNAを101.7%にまで回復させた。これに対して、例えば、原液の100倍希釈液(5mg/kg相当を含む)1mlの十二指腸投与は、BAT−SNAを最初やや低下させて投与15分後にはBAT−SNAを70.2%にまで減少させたが、その後BAT−SNAを徐々に著明に上昇させて、投与60分後には176.7%にまで増加させた。
一方、原液を60%エタノールで1000倍、10000倍に希釈した、より有効成分の含有量の少ない液においても、上記100倍希釈液の場合と同様にBAT−SNAの上昇が観察された。これらの結果から、黒生姜成分が、広い濃度範囲で、交感神経の活動を活発化させ得ることが実証された。
続いて、黒生姜エキスが500mg/kgとなるように水に懸濁した原液を、水によりさらに100倍に希釈して得た懸濁溶液を作成し、ラットの十二指腸に1ml与えるほかは、上記手順と同様にしてラットの肩甲間褐色脂肪組織(BAT−SNA)の活動の経時変化を観察した。また、対照実験として、希釈溶媒として使用した水1mlをラットの十二指腸に与えて、同様に肩甲間褐色脂肪組織の活動を観察した。図2に、その結果を示す。
対照実験として行なった水の十二指腸投与は、BAT−SNAを殆ど変化させなかったのに対し、黒ショウガエキスの水懸濁液原液の100倍水懸濁希釈液1mlの十二指腸投与は、徐々に、しかし、著明にBAT−SNAを上昇させて、投与60分後には最高値の194.9%にまで増加させた。
以上の実験結果より、黒生姜エキスの水懸濁溶液の十二指腸投与も、60%エタノール溶液の投与と同様にして、交感神経活動を増加させる作用を有することが確認された。
(褐色脂肪細胞活動評価試験)
12時間毎の明暗周期(8時〜20時まで点灯)下に24℃の恒温動物室にて1週間以上飼育した体重約300gのWistar系雄ラット(約9週齢)を使用した。実験前日にペントバルビタール麻酔下に肩甲間褐色脂肪組織直上の皮下部位にサーミスターを装着し、同時に十二指腸カニューレを挿入した。実験当日は3時間絶食させて無麻酔条件下でテレメトリーシステムを用いて体温測定を開始し、測定値の落ち着いた13時頃に、黒生姜エキスを水により100倍希釈した懸濁希釈液(5mg/kg相当を含む)1mlをカニューレにて十二指腸に投与し、肩甲間褐色脂肪組織直上皮下の体温の変化を測定し、褐色脂肪細胞からなる組織の活動を評価した。ここで、希釈に水を使用したのは、60%エタノールを使用すると、それ自体の影響で体温が上昇することを防ぐためである。
体温のデータは、5分間ごとの5秒間あたりの温度の平均値の、十二指腸投与直前の値(0分値)からの温度差(Δ℃値)で表し、その平均値と標準偏差で体温変化を表した。本試験の対照実験としては、水1mlを十二指腸投与したときの同部位の体温の変化を測定することで行った。
図3に、100倍希釈液及び水投与後のマウスの肩甲間褐色脂肪組織直上の体温の経時変化をΔ℃値で示す。黒生姜の懸濁希釈液を投与した場合、Δ℃値は投与直後上昇して10分後に最高値を示した後ゆっくりと低下する。その後、Δ℃値は、40分後に最低値を示した後再度上昇を始めた。対照実験として行った水を投与した場合も、Δ℃値は投与直後上昇して5分後に最高値を示し、その後ゆっくりと低下する。水の投与の場合、55分後に、Δ℃値は最低値を示した。Δ℃値の最低値は、黒生姜の懸濁希釈液を投与した場合よりも、水の投与の場合のほうが低くなった。
さらに、黒生姜の懸濁希釈液を投与した場合と水の投与の場合の5分後から60分後の各群におけるΔ℃値を分散分析法(ANOVA with repeated measures)により解析したところ、両群のΔ℃値には有意差が認められた。
以上の検討から、黒生姜の懸濁希釈液を投与した場合、水の投与の場合と比べて有意に体温を上昇させることが確認された。これは、先の交感神経活動の検討と合わせて考慮すると明らかなように、黒生姜加工物品の摂取による交感神経活動の活発化に伴う褐色脂肪とそれからなる組織の活動増進に起因するものと考えられる。
(健康成人男性による黒生姜エキス単回摂取試験)
24〜29歳の健康成人男性10名を被験者とし、FDG−PET/CTを用いて、褐色脂肪組織の活動度を調べて、高活性者(BAT+)5名及び低活性者(BAT−)5名の2群に分けた。27度に調節した部屋内で被験者をベッドに仰臥させ、呼気中の酸素と二酸化炭素濃度を約30分間連続して測定し、安静時エネルギー消費量(REE)を算出した。その後、黒生姜エキスを100mg含有するカプセルを水30mlと共に摂取させ、上記と同様にして、エネルギー消費量(EE)を算出した。別の日に、同様にしてプラセボカプセルを摂取させた場合のエネルギー消費量(EE)も求めた。
図4に、褐色脂肪組織の高活性者(BAT+)の黒生姜カプセル及び摂取後2時間までのエネルギー消費量変化を示す。同様に、図5に低活性者(BAT−)のエネルギー消費量変化を示す。黒丸は黒生姜エキスを含有するカプセルを摂取した場合、白丸はプラセボカプセルを摂取した場合をそれぞれ示す。
図4及び図5から、褐色脂肪組織の高活性者(BAT+)は、低活性者(BAT−)と比べて、黒生姜を摂取することによりエネルギー消費量が明らかに高まることが分かる。例えば、黒生姜エキスの摂取後60分経過後の高活性者(BAT+)のエネルギー消費量は、摂取前のエネルギー消費量と比べて有意な差をもって高いのに対し(p<0.01)、低活性者(BAT−)の場合は両者に優位な差は見られなかった。以上の結果から、ヒトにおいても、マウスによる検討と同様に、黒生姜加工物品の摂取によって褐色脂肪組織の活動が増進することが確認された。
さらに、上記の方法で得た黒生姜抽出液を乾燥した黒生姜エキス粉末、黒生姜粉砕物、及び黒生姜抽出液を用い、下記表の処方で飲料、顆粒、ソフトカプセル、美容液、シャンプー、石鹸を作成した。
(黒生姜粉砕物の製造)
黒生姜の根茎を洗浄後、1〜10mm程度にスライスし、1日天日干しにした。その後、40〜100℃に設定したオーブン乾燥機で4〜6時間乾燥し、粗粉砕後、130〜200℃で5〜20秒間殺菌を行った。殺菌した粗粉砕物を粉砕機によって粉砕し、黒生姜粉砕物を得た。
(黒生姜の茎、葉、花粉砕物の製造)
上記と同様の方法により、黒生姜の茎粉砕物、葉粉砕物、花粉砕物を得た。
実施例1(液剤の製造)
表1の配合割合で各成分を配合し、液剤とした。

Figure 2014031368
実施例2(顆粒1の製造)
表2に従い、スクラロース0.5kg、クエン酸5kg、還元麦芽糖水飴64.5kg、難消化性デキストリン67.2kg、カンゾウ抽出物0.5kg、黒生姜粉砕物16.8kg,シクロデキストリン8.4kg、ショウヤク5kgをフローコーターNFLO−200型流動層造粒機(フロイント産業(株)製)に投入し、数分間気流で混合する。これに、水60Lを1分間に2000mL噴霧することにより造粒を行った。つづいて、得られた造粒物を30メッシュの篩いにて篩別し顆粒剤とした。
Figure 2014031368
実施例3(顆粒2の製造)
実施例2と同様にして、表3の成分を配合し顆粒剤とした。
Figure 2014031368
実施例4(ソフトカプセル1の製造)
表4の配合割合で配合した内容液を調製し、表5の配合割合で配合したカプセル皮膜に充填することでソフトカプセルとした。カプセル化は、カプセル皮膜液を流延しフィルム化すると共に、内部に内容液を充填しヒートシールし、成形されたソフトカプセルを乾燥させて行った。
Figure 2014031368
Figure 2014031368
実施例5(ソフトカプセル2の製造)
表6の配合割合で配合した内容液を調製し、表7の配合割合で配合したカプセル皮膜に充填し、実施例4と同様にしてソフトカプセルとした。
Figure 2014031368
Figure 2014031368
実施例6(美容液の製造)
表8の配合割合で各成分を配合し、美容液とした。
Figure 2014031368
実施例7(シャンプーの製造)
表9の配合割合で各成分を配合し、シャンプーとした。
Figure 2014031368
実施例8(石鹸の製造)
表10の配合割合で各成分を配合し、石鹸とした。
Figure 2014031368

Claims (2)

  1. 黒生姜加工物品を含有することを特徴とする褐色脂肪細胞活発化剤。
  2. 前記黒生姜加工物品が黒生姜の根茎を利用したものである請求項1の褐色脂肪細胞活発化剤。
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