JP2014031361A - 新規化合物及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジュンサイに含まれる有用な新規化合物を単離すること、及び当該化合物を含有する美肌剤等の提供。
【解決手段】ジュンサイに溶媒(例えば、エタノール)を加えた後、抽出物に含まれる活性成分の活性を失活させない程度に加温加熱する加熱抽出法や、超臨界抽出法等を適宜適用できる。また、一定量の溶媒にジュンサイの樹皮を浸漬してバッチ処理する浸漬抽出法や連続的に溶媒を送り続ける連続抽出法等、公知の種々の抽出法を適用する。得られた抽出液から活性画分を分取することができる。更に、必要に応じて、アルミナカラムクロマトグラフィーやシリカゲルクロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の適当な分離精製手段を組み合わせて精製し、3-O-(6"-O-E-caffeoyl)-b-D-glucopyranosidを得た。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規の化合物及びそれを用いた用途に関する。
ジュンサイは、温帯から熱帯にかけて広く分布する多年生の水草で、我国では芽を椀たねや酢の物等で食する。ジュンサイ抽出物については抗酸化及び抗菌作用(特許文献1参照)、抗炎症作用(特許文献2参照)等が開示されている。しかしながらジュンサイ及びそれらに含まれている化合物について、シワ、しみ、たるみ等皮膚に関する抗老化作用の研究はほとんど進んでおらず、更にはジュンサイに含まれる物質の多くが未だ単離同定されていないのが現状である。このことから、ジュンサイには有用な新規化合物が含まれている可能性があると考えられている。
一方、皮膚の組成は大きく三つに分類され、外層から表皮、真皮、皮下組織から形成されており、それぞれは身体の恒常維持、外界からの防御など、種々な役割を担っている。皮膚真皮の機能は、外界からの衝撃を吸収するいわばクッションの役割を果たしている。このクッションの効果、すなわち、真皮の厚さ、柔軟性が失われると、しわ、たるみの発生が起こる。
一方、真皮の構成成分は主に、コラーゲン、エラスチン、および線維芽細胞でそのほとんどを占めており、コラーゲン、エラスチンの劣化、減少あるいは変性により、はりの消失、しわ、たるみの形成などの老化症状が現れる。健常な真皮中では古くなったコラーゲンおよびエラスチンは吸収・排出される一方、新たにコラーゲンおよびエラスチンが線維芽細胞から生産され、一定したこれらの質的および量的な恒常性を保っている。しかし、年齢を重ねると、外的および内的な要因において、その恒常性は崩れ、線維芽細胞由来のエラスターゼが必要以上にエラスチンを分解し、また真皮マトリックスを構成するエラスチンタンパク質と糖の化学結合による異常な架橋反応(糖化反応)によりエラスチンが減少し、変性は促進される。
また、コラーゲンは皮膚の主成分であり、弾力性のある繊維状のタンパク質である。コラーゲン産生量が正常ならば、ハリや弾力性に富んで滑らかな肌となり、しなりのある毛細血管が形成され栄養素と老廃物との交換がスムーズになる。しかしながら、コラーゲンは、体内でコラゲナーゼの作用により分解してしまう。よって、コラーゲンの分解を抑制し、皮膚の老化を防止するために、コラゲナーゼ活性阻害剤となり得る種々の物質が研究されている。現在までに、コラゲナーゼ活性阻害剤の代表的なものとして、コーヒー酸またはその塩(特許文献3)、グアバの葉(特許文献4)、ハマメリス抽出物(特許文献5)、コケモモ、シラカバ、ハマスゲ、ボダイジュ、緑茶(特許文献6)、シモツケソウ、ヤドリギ、ホホバ葉、蓮葉、レッドクローバー(特許文献7)、松樹皮抽出物(特許文献8)、ケール(特許文献9)、カムカム種子の抽出物(特許文献10)、アセロラ種子の抽出物(特許文献11)などが知られている。
ヒアルロン酸は、細胞間隙への水分の保持、組織内にゼリー状のマトリックスを形成することに基づく細胞の保持、組織の潤滑性と柔軟性の保持、機械的障害などの外力への抵抗、及び、細菌感染の防止など多くの機能を有している。
一方、老化により表皮細胞間のヒアルロン酸染色強度が低下し、また紫外線照射による光弾力線維症が起こった部分のヒアルロン酸はほとんど検出されないことが報告されており、その結果として皮膚の乾燥、ハリ、弾力性の低下を引き起こすと考えられている。このような状態を改善すべく、ヒアルロン酸を配合した化粧料を塗布することにより皮膚表面の保湿性を保つ方法がとられてきたが、高分子であるヒアルロン酸は皮膚を透過しないことから根本的改善は期待できない。したがって、ヒアルロン酸分解酵素であるヒアルロニダーゼを阻害することにより細胞自身が元来もっているヒアルロン酸合成能を高め、皮膚機能を根本的に改善する物質の開発が期待されている。
さらに、美容には痩身、美肌、美白などの要素が知られており、シミ、ソバカスや色黒、老人斑、傷ややけど等の炎症後の色素沈着は美容上問題視されている。特に女性において美白に関する意識が高まっている。それらの色素沈着は、紫外線や炎症などの刺激が真皮組織中のメラノーマ細胞を活性化し、メラノーマ細胞に内在する酵素のチロシナーゼが生体成分のチロシンを酸化重合反応させ、黒褐色の色素であるメラニンを産生する機構が明らかにされている。このことから、チロシナーゼの活性を阻害することにより美白効果を得ることを目的として、種々の動植物抽出物を配合した美容飲食品及び化粧料が提案されている。
特開平1−138288号公報 特開平2−286622号公報 特開平5−117145号公報 特開平7−291873号公報 特開平8−283133号公報 特開2003−12531号公報 特開2003−48846号公報 特開2003−238426号公報 特開2003−238426号公報 特許第3635081号公報 特開2007−314552号公報
このような、背景の下、本発明者は、ジュンサイに含まれる新規化合物について、エラスターゼ阻害作用及びコラゲナーゼ阻害作用、ヒアロニダーゼ阻害作用、チロシナーゼ阻害作用等の美肌作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、ジュンサイに含まれる有用な新規化合物を単離すること、及び該化合物を含有する美肌剤等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
1.下記化学式(1)にて示される化合物。
2.上記1.に記載の化合物を含有するジュンサイ抽出物。
3.上記1.又は2.に記載の物を有効成分とする美肌剤。
4.ジュンサイ及び/又はその抽出物を有効成分とする美肌剤。
5.上記3.又は4.に記載の美肌剤を含有する経口摂取用美肌用組成物。
6.上記3.又は4.に記載の美肌剤を含有する化粧料。
7.上記3.又は4.に記載の美肌剤を含有する医薬品。
8.上記3.又は4.に記載の美肌剤を含有する皮膚外用医薬品。
化合物(1)の主なHMBC相関を示す図である。 新規の化合物(1)のエラスターゼ阻害作用を示すグラフである。 ジュンサイ抽出物のエラスターゼ阻害作用を示すグラフである。 新規の化合物(1)のコラゲナーゼ阻害作用を示すグラフである。 ジュンサイ抽出物のコラゲナーゼ阻害作用を示すグラフである。 新規の化合物(1)(ジュンサイノサイドA)のチロシナーゼ阻害作用を示すグラフである。 ジュンサイ抽出物のチロシナーゼ阻害作用を示すグラフである。 新規の化合物(1)(ジュンサイノサイドA)のヒアルロニダーゼ阻害作用を示すグラフである。 ジュンサイ抽出物のヒアルロニダーゼ阻害作用を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物(以下、化合物(1)ということがある)は下記化学式(1)に示されるものである。
化合物(1)は、IUPAC命名法においては、tamarixetin
3-O-(6"-O-E-caffeoyl)-b-D-glucopyranosidであり、本発明者は化合物(1)をJunsainosideAと名づけた。
また、化合物(1)は、ジュンサイを溶媒で抽出することにより単離することができる。
抽出溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、水等を用いることができる。これらの中で、エタノール、1,3−ブチレングリコール、水、アセトン、ジクロロメタン等が好ましく用いられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。溶媒を混合して用いる場合、各溶媒の混合比は、溶媒の種類に応じて適宜調整すればよい。
抽出方法については、特に限定されるものではなくジュンサイに溶媒(例えば、エタノール)を加えた後、抽出物に含まれる活性成分の活性を失活させない程度に加温加熱する加熱抽出法や、超臨界抽出法等を適宜適用できる。また、一定量の溶媒にジュンサイの樹皮を浸漬してバッチ処理する浸漬抽出法や連続的に溶媒を送り続ける連続抽出法等、公知の種々の抽出法を適用できる。
具体的な抽出方法の一例を挙げると、例えば、ジュンサイに対して、その乾燥重量の5〜50重量倍程度、好ましくは、10〜40重量倍程度の抽出溶媒を加えて浸漬して加温(25〜100℃)し、1〜6時間程度溶媒を攪拌させることにより、活性成分を抽出することができる。勿論、溶媒の種類、溶媒量や加熱温度、加熱時間等については、活性成分を効率的に抽出できるように適宜調整すればよい。
上記した方法によってジュンサイから抽出物を得た後、通常、濾過、遠心分離等の常法によって残渣と固液分離することによって、抽出液を得ることができる。本発明では、得られた抽出液をそのまま美肌剤として用いることが可能であるが、活性が低い場合もあるため、適宜濃縮又は溶媒を留去して、エキス状や粉末状として用いることもできる。更に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、ベンゼン、アセトン等の有機溶媒を1種又は2種以上用いた溶媒分画操作によって、得られた抽出液から活性画分を分取することができる。更に、必要に応じて、アルミナカラムクロマトグラフィーやシリカゲルクロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の適当な分離精製手段を1種若しくは2種以上組み合わせて精製することもできる。
なお、ジュンサイからの化合物(1)の単離及び同定は、具体的には実施例1の記載に従い行うことができる。
このように、本発明の化合物(1)は、天然物から単離及び精製することができるが、該化合物の製造方法はこれに限定されるものではない、公知の化学合成法をもとに該化合物を合成してもよいし、天然物から得られた物質を原材料として反応等の処理を施して製造することも可能である。
また、本発明の化合物(1)は、後述する試験例で示すように、エラスターゼ活性、コラゲナーゼ活性を阻害する作用を有することから、コラーゲン、エラスチンの劣化、減少あるいは変性によるはりの消失、しわ、たるみの形成などの老化症状を抑制することから、皮膚の老化を防止することができる美肌剤として用いることができる。
本発明の美肌剤には、化合物(1)及ジュンサイの抽出物の少なくとも1つを用いることができる。
本発明の美肌剤中に含まれる化合物(1)の割合は、当該美肌剤が美肌作用を発揮する限りにおいて特に制限されない。また、化合物(1)、又はジュンサイの抽出物だけからなるものであってもよい。化合物(1)の含有量として、具体的には、乾燥重量に換算して総量として0.005重量%以上の割合を挙げることができる。抽出物を用いる場合には、その中に含まれる化合物(1)が上記割合となる量を使用すればよい。
本発明の美肌剤は、その形状も特に制限されない。例えば、粉末状、顆粒状、錠剤状、丸剤状、乳剤状、液状、懸濁液状、濃縮エキス、乾燥エキス等を例示することができる。
本発明の化合物(1)は、前述の効果を目的として、様々な用途に適用することができる。用途として、医薬品、試薬(研究用、テストキット用)、化粧料、並びに経口摂取用美肌用組成物(たとえば、食品、健康食品、機能性食品、サプリメント、特定用途食品、特定保健用食品、ペットフード、及びペット用サプリメント等の食品組成物等)が挙げられる。
本発明の化合物(1)を含む医薬組成物は、賦形剤、担体又は添加剤を含んでいてもよい。賦形剤、担体及び添加剤としては、通常使用され、かつ薬学的に許容されるものであれば特に限定されず、その種類及び組成は、適宜変更が可能である。
賦形剤としては、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられ、担体としては、滅菌水、生理食塩水、及び各種緩衝液等が挙げられる。添加剤としては、粘ちょう剤、緩衝材、保存剤、防腐剤等が挙げられる。
医薬用組成物の剤型としては特に制限されるものではなく、必要に応じて適宜選択すればよいが、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の経口剤;注射剤、坐剤、塗布剤等の非経口剤が挙げられる。
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の経口剤は、例えば、デンプン、乳糖、白糖、トレハロース、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される、これらの製剤中の本発明の化合物の配合量は特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。この種の製剤には、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を適宜使用することができる。
非経口剤の場合、患者の年齢、体重、疾患の程度等に応じて用量を調節し、例えば、静注、点滴静注、皮下注射、筋肉注射等によって投与する。この非経口剤は常法に従って製造され、希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水等を用いることができる。さらに必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤等を加えてもよい。また、この非経口剤は安定性の点から、バイアル等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥処理により水分を除き、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもできる。さらに必要に応じて、等張化剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤等を加えてもよい。その他の非経口剤の例として、外用液剤、軟膏等の塗布剤、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、これらも常法に従って製造される。
本発明の化合物を化粧料(化粧料組成物)に用いる場合、該化合物を、化粧料成分として一般に使用されている成分、例えば、界面活性剤、油分、保湿剤、皮膜形成剤、色素、香料等と任意に組み合わせて配合することにより調製することができる。その形態は特に制限されず、例えば、化粧水、クリーム、乳液、ゲル剤、エアゾール、エッセンス、パック、洗浄剤、ファンデーション、打粉、各種メーク剤(口紅、チーク等)とすることができる。
化粧料に配合される該化合物の配合割合は、該化合物の期待される効果が得られるのであれば特に制限されないが、通常、0.0001〜10重量%程度である。抽出物を用いる場合には、その中に含まれる化合物(1)が上記割合となるような量を設定すればよい。
上記化粧料には、本発明の化合物(1)及びそれを含有するジュンサイ抽出物の他に、その美肌効果を損なわない範囲で化粧品に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(1)油分の例
エステル系の油相成分:トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12-18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。
フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2-エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
(3)脂肪酸の例
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2-エチルヘキサン酸等が挙げられる。
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2-エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2、4、6-トリアニリノ-p-(カルボ-2-エチルヘキシル-1-オキシ)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3、3-ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4-(3、4-ジメトキシフェニルメチレン)-2、5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。
(5)粉体・顔料の例
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
(6)界面活性剤の例
アニオン性界面活性剤:脂肪酸セッケン、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。
(7)多価アルコール、糖の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3-メチル-1、3-ブタンジオール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
(8)高分子の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28-1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28-2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T-ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BFGoodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン、BF Goodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キナエキス、キューカンバ-エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ-ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤などが挙げられる。
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキスなどの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。
(11)溶媒の例
精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
本発明の化合物を食品組成物に用いる場合、各種飲料や各種加工製品の原材料として本発明の化合物を飲食品に添加したり、必要に応じてデキストリン、乳糖、デンプン等の賦形剤や香料、色素等とともにペレット、錠剤、顆粒等に加工したり、またゼラチン等で被覆してカプセルに成形加工して健康食品、保健食品等の食品組成物を製造することができる。
食品組成物に配合される当該化合物の配合割合は、当該化合物の期待される効果が得られるのであれば特に制限されないが、通常、1回あたりの摂取量が0.0001〜20mg程度である。抽出物を用いる場合には、その中に含まれる化合物(1)が上記割合となるような量を設定すればよい。
これらの食品組成物には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。さらに、健康維持機能をもった本美肌用組成物には、他の抗酸化物質や健康食品素材などの配剤、例えば、抗酸化物質(還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチン、トコトリエノール、ビタミンA誘導体、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、尿酸、ユビキノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、アリシン、セサミン、リグナン類、カテキン、イソフラボン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン、イソクマリン類、ブルーベリーエキス)、健康食品素材(V.(ビタミン)A、V.B1、V.B2、V.B6、V.B12、V.C、V.D、V.E、V.P、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EPA、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、ラクトフェリン、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン
、カリウム、ヘム鉄、カキ肉エキス、キトサン、キチンオリゴ糖、コラーゲン、コンドロイチン、ウコン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、シジミエキス、スッポン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、オオバコ、カミツレ、カモミール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズヒップ
、ローズマリー、セージ、ビフィズス菌、フェーカリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、ウコン、コンドロイチン、玄米胚芽エキス、レイシ、タマネギ、DHA、 EPA、 DPA、 甜茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木、ヤブシタケ、ロイヤルゼリー、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、コラーゲン、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グルコサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニンジン、桑葉、大豆抽出物、エキナセア、エゾウコギ、大麦抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロッコリー、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナッツ種皮、ビルベリー、ブラックコホシュ、マリアアザミ、月桂樹、セージ、ローズマリー、ラフマ、黒酢、ゴーヤー、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、花棘、カフェイン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グルコサミン、ソバ、シトラス、食物繊維、プロテイン、プルーン、スピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、スッポン、シャンピニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ、フコイダン、メシマコブ、クランベリー、コンドロイチン硫酸、亜鉛、鉄、セラミド、シルクペプチド、グリシン、ナイアシン、チェストツリー、L-システイン、赤ワイン葉、ミレット、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クローブ、ローズマリー、カテキン、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、ブラックジンガー、ショウガ、ガジュツ、ナットウキナーゼ、ベニコウジ、トコトリエノール、ラクトフェリン、シナモン、韃靼ソバ、ココア、ユズ種子エキス、シソの実エキス、ライチ種子エキス、月見草エキス、黒米エキス、α−リポ酸、生コーヒー豆エキス)なども配合することができる。
本発明の美肌剤は、ジュンサイ及び/又はその抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
本発明の美肌剤はジュンサイをそのまま用いても良いし抽出物として用いても良い。更にそのまま用いる場合は、粉砕したものを用いることが好ましい。更には場合によってはジュンサイを乾燥したものを用いることもできる。
本発明の美肌剤として抽出物を用いる場合、その抽出溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、水等を用いることができる。これらの中で、エタノール、1,3−ブチレングリコール、水、アセトン、ジクロロメタン等が好ましく用いられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。溶媒を混合して用いる場合、各溶媒の混合比は、溶媒の種類に応じて適宜調整すればよい。
抽出方法については、特に限定されるものではなくジュンサイに溶媒(例えば、エタノール)を加えた後、抽出物に含まれる活性成分の活性を失活させない程度に加温加熱する加熱抽出法や、超臨界抽出法等を適宜適用できる。また、一定量の溶媒にジュンサイの樹皮を浸漬してバッチ処理する浸漬抽出法や連続的に溶媒を送り続ける連続抽出法等、公知の種々の抽出法を適用できる。
前述の効果を目的として、様々な用途に適用することができる。用途として、医薬品、試薬(研究用、テストキット用)、化粧料、並びに経口摂取用美肌用組成物(たとえば、食品、健康食品、機能性食品、サプリメント、特定用途食品、特定保健用食品、ペットフード、及びペット用サプリメント等の食品組成物等)が挙げられる。尚、これらの用途として用いる場合、本発明の美肌剤は、肌剤として上記化合物(1)を用いた場合と同様な剤形にすることができ、更に、他の配合成分は、美肌剤として上記化合物(1)を用いた場合と同様に配合することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1:新規成分の単離及び構造決定
(1)新規成分の単離
ジュンサイからの化合物の抽出及び単離は、以下に従って行った。
即ち、乾燥ジュンサイ(870 g)に50%w/wエタノール(20 kg)を加えて1夜浸漬後,80℃で3時間抽出を行った。濾過後,濾液を濃縮してジュンサイ抽出物(188 g, 収率: 21.6%)を得た。抽出物(100g)をダイアイオンHP-20(1kg)カラムに付し,10%v/vメタノール(6L),次いで30%メタノールv/v(6L)で樹脂を洗浄した。70%メタノール(6L)で溶出し,溶出液を濃縮・乾固してHP-20の70%メタノール溶出部(Fr.70,29 g)を得た。Fr.70(29 g)をODSカラムクロマトグラフィー(300g)に付し,40%メタノール(1.5L),50%メタノール(1L)で順次洗浄後,60%メタノール(0.8L)で溶出した。溶出液を濃縮・乾固してODSの60%エタノール溶出部(Fr.70-60,1.8 g)を得た。Fr.70-60(1g)をHPLC[カラム:イナートシル preparative ODS, 250 mm×内径20 mm(GLサイエンス),溶離液: 60%メタノール,検出: UV (220 nm),流速: 10 mL/min]で粗精製後,さらにHPLC[カラム:RPAQUEOUS, 250 mm×内径20 mm(野村化学),溶離液: 70%メタノール,検出: UV (220 nm),流速: 10 mL/min]で精製を行い,淡黄色の粉末Fr. 70-60-3(32 mg)を得た。
(2)新規成分Fr. 70-6-3の構造決定
得られたFr. 70-6-3について,旋光度,質量分析,紫外線及び赤外線吸収スペクトル,1Hおよび13C-NMRスペクトルの測定を行った。
1)物理化学データ
淡黄色粉末. [a]D 21 -52.0° (c=0.1, MeOH). High resolution
MALDI-TOF-MS Calcd for C31H28O15Na (M+Na)+:
663.1320; Found: 663.1327, UV [MeOH, nm, (loge)]: 255 (4.28), 329 (4.32).
IR (KBr, cm-1): 3400, 1689, 1655, 1605, 1514, 1016. 1H-NMR
(CD3OD, 500 MHz) d: 3.35 (1H, m, 4''-H), 3.43 (1H, m, 3''-H), 3.45 (1H, m, 5''-H),
3.50 (1H, m, 2''-H), 3.88 (3H, s, 4'-OCH3), 4.28 (2H, m, 6''-H),
5.26 (1H, d, J=7.3 Hz, 1''-H), 6.07 (1H, d, J=2.0 Hz, 6-H), 6.12
(1H, d, J=16.0 Hz, 8'''-H), 6.25 (1H, d, J=2.0, 8-H), 6.79 (1H,
d, J=8.3 Hz, 5'''-H), 6.80 (1H, d, J=8.8 Hz, 5'-H), 6.91 (1H, dd,
J=2.0, 8.3 Hz, 6'''-H), 7.04 (1H, d, J=2.0 Hz, 2'''-H), 7.39 (1H,
d, J=16.0 Hz, 7'''-H), 7.56 (1H, dd, J=2.0, 8.8 Hz, 6'-H), 7.57
(1H, d, J=2.0 Hz, 2'-H). 13C-NMR (CD3OD, 125 MHz) dc: 159.2 (C-2), 135.2 (C-3), 179.4 (C-4), 162.9 (C-5), 99.8 (C-6),
165.8 (C-7), 94.7 (C-8), 158.4 (C-9), 105.6 (C-10), 123.1 (C-1'), 123.4 (C-2'),
115.9 (C-3'), 149.8 (C-4'), 115.9 (C-5'), 123.4 (C-6'), 56.5 (4'-OCH3),
103.8 (Glc-1'), 75.6 (Glc-2'), 78.0 (Glc-3'), 71.8 (Glc-4'), 75.9 (Glc-5'),
64.3 (Glc-6''), 127.6 (C-1"'), 146.8 (C-2"'), 149.3 (C-3"'),
150.5 (C-4"'), 116.4 (C-5"'), 124.2 (C-6"'), 146.8 (C-7"'),
115.0 (C-8"'), 168.8 (C-9"'). Positive-ion MALDI-TOF-MS: m/z
663 (M+Na)+.
2)二次元NMR
HMQC (1H-detected multiple quantum coherence spectrum) およびHMBC
(1H-detected multi-bond heteronuclear multiple quantum coherence
spectrum) の解析の結果,図1の矢印に示すプロトン-カーボン間にHMBCの相関が認められた。
3)構成糖の同定
酸加水分解による糖の同定は,以下のように行った。
下記文献1)に従ってFr. 70-60-3 (2.0 mg) を5% 硫酸/1,4-ジオキサン混液 (1:1, v/v, 1.0 mL) に溶解し,90 °Cで3時間反応させた。反応液を酢酸エチルで3回洗浄後,水層をアンバーライト IRA-400 (OH-
form) で中和した。減圧乾燥後,残渣をL-システインメチルエステル塩酸塩 (0.5 mg) 含有ピリジン (0.1 mL) に溶解し,60 °Cで1時間加温した。反応液にo-torylisothiocyanate (0.5 mg) 含有ピリジン溶液 (0.1 mL) を添加し,さらに60 °Cで1時間加温した。反応液を逆相HPLC [カラム: COSMOSIL 5C18-AR-II (ナカライテスク), 250 ×内径4.6 mm (5 mm); 溶離液: アセトニトリル-1%酢酸 (18:82, v/v); 検出: UV (250 nm); 流速: 0.8 mL/min; カラム温度: 35 °C] に付し,誘導体の単糖の保持時間を標準品(D-グルコース) の保持時間 (tR:
D-グルコース; 47.0 min, L-glucose; 42.7
min) と比較することで,D-グルコースと同定した。
1)Tanaka, T.; Nakashima, T.; Ueda, T.; Tomii, K.; Kouno, I. Chem. Pharm. Bull. 2007, 55, 899-901.
以上の物理化学データより,ジュンサイから得られたFr. 70-60-3は,フラボノイドであるtamarixetinの3位にD-グルコースが結合し,その6"位にカフェ酸が結合したJunsainosideA(上記化学式(1)にて示される化合物(1))であることが判明した。
実施例2:ジュンサイ抽出物の調製
乾燥ジュンサイ(870 g)に30%w/wエタノール(20 kg)を加えて1夜浸漬後,80℃で3時間抽出を行った。濾過後,濾液を濃縮して実施例2のジュンサイ抽出物(188 g, 収率: 21.6%)を得た。実施例2のジュンサイ抽出物は、HPLCにより、0.12%(wt/wt)の化合物(1)が含有されていることが確認された。
試験例1:エラスターゼ阻害作用の評価
実施例1のサンプルをそれぞれ反応終濃度10,30,100 μg/mLとなるよう,1%DMSOにて調製し,96ウェルプレートに50μLずつ加えた。次にDQエラスチン(100μg/mL)を50μL加えた後,エラスターゼ(0.2U/mL)を100μL加えた。その後,蛍光光度計(30分後,励起波長485nm,測定波長530nm)を用いて測定した。その結果を図2に示す。さらに、実施例2のジュンサイ抽出物についても同様に評価を行った。その結果を図3に示す。
結果及び試験例1における実施例の効果
30〜100μg/mLの範囲において化合物(1)(実施例1)及びそれを含有するジュンサイ抽出物(実施例2)に有意なエラスターゼ阻害作用が認められた(図2及び図3)。以上により、化合物(1)及びそれを含有するジュンサイ抽出物は、エラスターゼの過剰発現を効果的に抑制することができ、従って、エラスチンの変性が、起こりにくくなり、皮膚に弾力性やハリを与え、皮膚の老化を防止することができることが確認された。
試験例2:コラゲナーゼ阻害作用の評価
トリス塩酸緩衝液(0.1 M)に溶解したコラゲナーゼ(0.25mg/ml)と実施例1の試料溶液(濃度10,30,100 μg/ml)とPZ-peptide (0.5
mg/ml)を混合し37℃で30分インキュベートした。これに酵素反応停止液として25mMのクエン酸を添加した後、酢酸エチルにより分解されたコラーゲンを含む上清を回収した。分光光度計を用いて上清の吸光度(320nm)を測定し、コラゲナーゼ阻害率を算出した。その結果を図4に示す。
同様の試験を実施例2のジュンサイ抽出物(濃度10,30,100,300,1000μg/ml)について行った。その結果を図5に示す。
結果及び試験例2における実施例の効果
図4及び図5に示されるように、新規の化合物(1)及びジュンサイ抽出物は、濃度依存的にコラゲナーゼ酵素を阻害することが確認された。これにより、新規化合物及びそれを含有するジュンサイ抽出物は、コラーゲンの分解を抑制し、従って、皮膚に弾力性やハリを与え、皮膚の老化を防止することができることが判る。
試験例3:ヒアルロニダーゼ阻害作用の評価
活性化剤溶液(0.5mg/mL Compound48/80(SIGMA 社)) 100μLと4000NF/mLヒアルロニダーゼ(SIGMA社)を加え、37℃にて20分間インキュベートした後、実施例1の試料溶液(濃度10,30,100 μg/ml)を加え37℃にて20分間インキュベートした。次いで0.8mg/mLヒアルロン酸Na(SIGMA社)を加え、37℃にて40分間インキュベートした後、0.4N水酸化ナトリウム溶液を100μL添加し、氷冷した。さらに、ホウ酸緩衝液(pH9.1)を100μL加え、3分間煮沸した後、氷冷した。氷冷後、エッペンドルフチューブに49μLを分注し、p−DAB試薬210μLを添加して37℃にて20分間インキュベートした。その後585nmにおける吸光度を測定した。その結果を図6に示す。実施例2のジュンサイ抽出物についても同様の試験を行った。その結果を図7に示す。
結果及び試験例3における実施例の効果
図6及び図7に示されるように、新規の化合物(1)(ジュンサイノサイドA)及びジュンサイ抽出物は、濃度依存的にヒアロニダーゼ酵素を阻害することが確認された。これにより、新規化合物及びそれを含有するジュンサイ抽出物は、ヒアルロン酸の分解を抑制し、従って皮膚の乾燥、及びハリ、弾力性の低下を抑制し、皮膚の老化を防止することができることが判る。
試験例4:チロシナーゼ阻害作用の評価
0.1Mリン酸緩衝液(pH:6.8)136μL,0.4mg/mLL-DOPA(SIGMA社)50μLおよびDMSOに溶解した実施例1の試料溶液(濃度10,30,100 μg/ml)4μL を混合し,ここにチロシナーゼ(SIGMA 社,マッシュルム由来)10μL(250units/mL)を添加して,室温で5分間反応させた。その後,490nmにおける吸光度を測定した。実施例2のジュンサイ抽出物についても同様の試験を行った。
結果及び試験例4における実施例の効果
図8及び図9に示されるように、新規の化合物(1)(ジュンサイノサイドA)及びジュンサイ抽出物は、濃度依存的にチロシナーゼを阻害することが確認された。これにより、新規化合物及びそれを含有するジュンサイ抽出物は、チロシンの酸化重合反応を抑制し、黒褐色の色素であるメラニンを産生の分解を抑制し、これにより、美白効果を有することが確認された。
本発明による美肌剤(新規の化合物(1))等の配合例を示す。尚、以下の配合例は本発明を限定するものではない。
配合例1:化粧クリーム
スクワラン 20.0wt%
ミツロウ 5.0
精製ホホバ油 5.0
グリセリン 5.0
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン-
モノステアレート 2.0
美肌剤 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
配合例2:化粧水
エタノール 5.0wt%
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
ポリエチレンオレイルエーテル 0.5
クエン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.1
美肌剤 0.1
精製水 残余
100.0wt%
配合例3:ボディージェル
マカデミアナッツ油 2.0wt%
ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
ベヘニルアルコール 3.0
ステアリン酸 3.0
バチルアルコール 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット 2.0
水素添加大豆リン脂質 1.0
セラミド 0.1
パルミチン酸レチノール 0.1
防腐剤 適量
ツボクサ抽出物 1.0
美肌剤 1.0
1、3−ブチレングリコール 5.0
精製水 残余
100.0wt%
配合例4:乳液
スクワラン 4.0wt%
ワセリン 2.5
セタノール 2.0
グリセリン 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ステアリン酸 1.0
L−アルギニン 1.0
美肌剤 0.5
水酸化カリウム 0.1
香料 微量
精製水 残余
100.0wt%
配合例5:浴用剤(液状)
プロピレングリコール 50.0wt%
エタノール 20.0
硫酸ナトリウム 5.0
美肌剤 0.5
ラノリン 0.5
アボガド油 0.5
色素 1.5
香料 22.0
100.0wt%
配合例6:シャンプー
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム
(E.O2モル) 15.0
ヤシ油脂肪族ジエタノールアミド 5.0
グリセリン 3.0
美肌剤 0.4
エタノール 5.0
香料及び防腐剤 適量
イオン交換水 残余
全体 100wt%
配合例7:ヘヤークリーム
流動パラフィン 20.0wt%
固形パラフィン 3.0
ポリオキシエチレンセチル エーテル
(E.O15モル) 2.0
ソルビタンセスキオレート 1.0
美肌剤 0.2
エタノール 10.0
水酸化カリウム 0.1
グリセリン 3.0
香料及び防腐剤 適量
全体 100wt%
配合例8:軟膏剤
サラシミツロウ 5.0wt%
精製ラノリン 5.0
美肌剤 1.0
香料 0.1
ワセリン 残余
全体 100wt%
配合例9:チューインガム
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
美肌剤 0.5
100.0wt%
配合例10:グミ
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブトウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
ユズ果汁 4.0
ユズフレーバー 0.6
色素 0.02
美肌剤 1.0
100.0wt%
配合例11:キャンディー
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
美肌剤 0.4
100.0wt%
配合例12:ヨーグルト(ハード・ソフト)
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
美肌剤 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
配合例13:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
美肌剤 0.3
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
配合例14:錠菓
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
美肌剤 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
配合例15:ソフトカプセル
玄米胚芽油 47.0wt%
ユズ種子油 40.0
乳化剤 12.0
美肌剤 1.0
100.0wt%
配合例16:錠剤
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
美肌剤 1.0
100.0wt%
以上により、化学式(1)で表される化合物は新規であり、高いエラスターゼ及びコラゲナーゼ阻害活性を有するため、これを有効成分として含有する美肌剤として有用であり、医薬品、化粧料、食品組成物等に利用することができる。

Claims (8)

  1. 下記化学式(1)にて示される化合物。
  2. 請求項1に記載の化合物を含有するジュンサイ抽出物。
  3. 請求項1又は2に記載の物を有効成分とする美肌剤。
  4. ジュンサイ及び/又はその抽出物を有効成分とする美肌剤。
  5. 請求項3又は4に記載の美肌剤を含有する経口摂取用美肌用組成物。
  6. 請求項3又は4に記載の美肌剤を含有する化粧料。
  7. 請求項3又は4に記載の美肌剤を含有する医薬品。
  8. 請求項3又は4に記載の美肌剤を含有する皮膚外用医薬品。
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