JP2014031190A - 容器および金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、内面に丸みを帯びた多数の凸部が形成された樹脂製の容器の成型に用いられる、製作が容易な金型、およびその金型を用いた成形により製造される樹脂製の容器を提供する。
【解決手段】
樹脂シート材の、成形後に容器の外面となる面を金型に当てて成形された樹脂製の容器であって、複数の平面の組合せを含む壁面でそれぞれが形成されて2次元的に配列された複数の凹部22が設けられた外面と、複数の凹部22それぞれを反映するとともに、それぞれ凹部22の形状よりも相対的に丸みを帯びた、2次元的に配列された複数の凸部21が設けられた内面とを有する。
【選択図】 図7
本発明は、内面に丸みを帯びた多数の凸部が形成された樹脂製の容器の成型に用いられる、製作が容易な金型、およびその金型を用いた成形により製造される樹脂製の容器を提供する。
【解決手段】
樹脂シート材の、成形後に容器の外面となる面を金型に当てて成形された樹脂製の容器であって、複数の平面の組合せを含む壁面でそれぞれが形成されて2次元的に配列された複数の凹部22が設けられた外面と、複数の凹部22それぞれを反映するとともに、それぞれ凹部22の形状よりも相対的に丸みを帯びた、2次元的に配列された複数の凸部21が設けられた内面とを有する。
【選択図】 図7
Description
本発明は、樹脂製の容器およびその容器成形用の金型に関する。
従来より米飯などの食品を入れる容器や杓子などに多数の凹凸模様を形成することで、食品がこびりつきにくくなることが知られている(特許文献1,2参照)。米飯を例にあげると、隣接する凸部と凸部との間に米飯の粒が入り込まぬよう、凸部と凸部との間隔は米飯の粒1つ分の寸法より短いことが好ましい。また、1つ1つの凸部が丸みを帯びていると、凸部が例えば角錐形の場合と比べ凸部と凸部の隙間が実質的に狭く、米飯粒がすき間に一層入り込みにくくなり好ましい。また、凸部が丸みを帯びていると、凸部が例えば角粒の場合と比べ、米飯の粒が凸部の頂上の狭い面積のみで、すなわち点接触に近い状態で接触するため、好ましい。
樹脂シート材を成形して、上記のような、米飯に代表される食品が触れる内面に、丸みを帯びた多数の凸部が形成された容器を製造することを考える。
このような容器を成形するには、例えば金型材料の面を削って多数の半球状の突起を設けた金型を製作し、その金型に、樹脂シート材の、成形後に容器の外面となる側の面を当て、真空成形・圧空成形することが考えられる。しかしながらこの場合、金型材料の面を削るにあたり、特殊形状のエンドミルを用意し、米飯のひと粒よりも短い間隔の突起を1つ1つ形作っていく必要がある。このため金型の製造に多大な時間とコストがかかるおそれがある。また、この金型のコストが成形品である容器のコストにも影響し、容器のコストを押し上げる要因ともなる。
本発明は、上記事情に鑑み、内面に丸みを帯びた多数の凸部が形成された容器の成型に用いられる、製作が容易な金型、およびその金型を用いた成形により製造される容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の容器は、
複数の平面の組合せを含む壁面でそれぞれが形成された複数の凹部が2次元的に配列された外面と、
上記複数の凹部それぞれに対応する位置に、凹部の形状よりも相対的に丸みを帯びた複数の凸部それぞれが形成された内面とを有することを特徴とする。
複数の平面の組合せを含む壁面でそれぞれが形成された複数の凹部が2次元的に配列された外面と、
上記複数の凹部それぞれに対応する位置に、凹部の形状よりも相対的に丸みを帯びた複数の凸部それぞれが形成された内面とを有することを特徴とする。
ここで、上記本発明の容器は、金型材料の面に、第1の方向に延びる複数の第1の溝を形成する切削加工とその第1の方向と交わる第2の方向に延びる複数の第2の溝を形成する切削加工とを含む切削加工が施されることにより形成された、複数の平面の組合せを含む壁面でそれぞれが形成されて2次元的に配列された複数の凸部が形成された金型に、樹脂シート材の、容器の外面となる面を当てて成形され、容器外面の凹部が金型の凸部を反映した形状を有し、容器内面の凸部が相対的に丸みを帯びた形状を有する容器であってもよい。
また、上記目的を達成する本発明の金型は、
金型材料の面に、第1の方向に延びる複数の第1の溝を形成する切削加工とその第1の方向と交わる第2の方向に延びる複数の第2の溝を形成する切削加工とを含む切削加工が施されることにより、複数の平面の組合せを含む壁面でそれぞれが形成されて2次元的に配列された複数の凸部が形成されていることを特徴とする。
金型材料の面に、第1の方向に延びる複数の第1の溝を形成する切削加工とその第1の方向と交わる第2の方向に延びる複数の第2の溝を形成する切削加工とを含む切削加工が施されることにより、複数の平面の組合せを含む壁面でそれぞれが形成されて2次元的に配列された複数の凸部が形成されていることを特徴とする。
金型に樹脂シート材を当てて成形したとき、金型の凹凸が直接に反映されるのは、樹脂シート材の、その金型に接触する側の面であり、その樹脂シート材の金型に接触する面に対する裏側の面には、その金型の凹凸も反映されるが、その金型の凹凸のみではなく、樹脂シート材の材料や厚み、成形温度などから決まるその樹脂シート材の材質も反映された形状の凹凸があらわれる。
本発明は、この点に着目することにより完成した発明であり、金型は標準的なエンドミルを使って容易に製作可能な、複数の平面の組合せを含む壁面で形成されて2次元的に配列された複数の凸部が形成された金型とし、その金型と、樹脂シート材の材質との組合せにより、その樹脂シート材の成形品からなる容器の内面に丸みを帯びて2次元的に配列された複数の凸部を形成した容器を製作可能としたものである。これにより、金型の製作時間が飛躍的に短縮化されて大幅なコストダウンとなり、したがって容器についても、米飯などの食品のこびりつきを抑えるという所期の特質を保ちつつコストダウンが図られる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の容器の一実施形態である包装用容器を上方斜めから見た斜視図、図2は、図1に斜視図を示す包装用容器を上方から見た平面図である。
また、図3は、図1,図2に示す包装用容器を、下方斜めから見た斜視図、図4は、その包装用容器の底面図である。さらに図5はその包装用容器の側面図である。
この包装用容器10は、米飯等に代表される食品を包装する容器であり、この包装用容器10内には例えば米飯が収容され、上部の開口が例えば樹脂フイルムによって密封されて流通される。ここでは、この包装用容器10内に米飯が収容されるものとして説明する。
この包装用容器10は、樹脂シート材の一面を金型に当てて成形することにより製造される。
この包装用容器10の底部11には、周辺部分111と、その周辺部分111よりも内面側に突出して外面側が凹んだ中央部分112との2段形状を有する。
底部11の2段形状は、包装用容器10に炊き上がりの熱い状態の米飯が収容されその熱で不定形に変形するのを避け、変形の形状を制御するのに、又、内容物を熱いまま容器に入れ密封したときの内容物の温度降下による容器内の減圧変形の抑制に有効である。
この包装用容器10の底部11には、その底部11の内面側に、丸みを帯びた形状の、多数の凸部21が2次元的に配列されている。また、底部11の外面には、内面の凸部21に対応して、2次元的に配列された多数の凹部22が形成されている。底部11の内面に形成された凸部21は、隣接する凸部21どうしの間隔が米飯の粒の長さよりも短く、凸部21どうしの間に米飯粒が入り込んでこびりついてしまうのを抑えている。
また、この包装用容器10の側壁12には、三角形の平板の組合せからなるトラス構造が採用されており、所期の強度を確保しつつ薄肉、軽量化が図られている。
次に、この包装用容器10の底部11の、凹凸形状について詳述する。
図6は、図2に示す矢印A−Aに沿って片側だけ断面して示した側面図である。
図6は、この図6の右半分のみが断面で示されており、この右半分には、包装用容器10の側壁12の内面12aと、底部11に形成された、内面の凸部21および外面の凹部22があらわれている。
図7は、図6のB部分の拡大図である。
この図7には、底部11の内面および外面の、凸部21および凹部22の双方があらわれているが、ここでは先ず外面にあらわれている凹部22について説明する。
この凹部22は、図7に示すように、その断面が台形に形成されている。この凹部22の、図7の紙面に垂直な方向の断面にも、この図7と同様の台形があらわれる。すなわち、この凹部22は、頭部が切除された四角錐の形状を有する凹部である。さらに換言すると、この凹部には、複数の平面の組合せからなる壁面で形成されている。この包装用容器10は、樹脂シート材を金型に当てて成形することにより製造される容器であり、この凹部22は、金型の形状が転写されたものである。
図8は、金型の、包装用容器底部の凹部に対応する部分の面形状を示した模式斜視図である。この金型30Aは、金型材料をエンドミルを使って切削加工することにより製作される。
仮に、半球状の突起を多数形成した金型を製作しようとすると、特殊形状のエンドミルを特別に製作し、その特殊形状のエンドミルを使って半球状の突起を1つずつ削り出す必要があり、金型製作に多大の時間とコストを必要とする。また、それらの半球状の突起を米飯の粒よりもさらに密に形成するのは困難を伴う。
これに対し、本実施形態で採用される金型30Aは、図8に示すように、標準的なエンドミルを使って、金型材料を矢印C方向(本発明にいう第1の方向の一例)に直線的に平行に削ってそのC方向に延びる第1の溝を作り、さらに矢印D方向(本発明にいう第2の方向の一例)に直線的に平行に削ってそのD方向に延びる第2の溝を作り、これにより多数の凸部31Aをまとめて削り出すことができる。この切削方法の場合、米飯の粒よりも密な凸部31Aであっても容易に製作することができる。このため、金型製作の時間や金型のコストが大幅に短縮化される。
次に包装用容器10の底部11の内面の凸部21について説明する。
図9は、本実施形態と対比される比較例であって、本実施形態における図7に相当する断面図である。
図9に示す比較例における凸部21Aには、底部外面の凹部22Aの形状、すなわち図8に示す金型30Aの凸部31Aの形状がそのまま反映されている。
この場合、米飯の粒40は、隣接する凸部21Aどうしの間の窪みに入り込み易く、入り込んだときはその窪みの壁面に面で接触する可能性が高まる。また、窪みに入り込まなくても、凸部21Aの平らな頂部に面接触する可能性が高まる。底部内面と米飯の粒40との接触は出来る限り点接触に近い方が好ましく、面で接触すると、その分米飯がこびりつき易くなる。
この比較例に対し、図7に示す本実施形態における底部内面の凸部21は、底部外面の凹部22と比べて丸みを帯びた、ほぼ半球の形状を有する。この場合、米飯の粒は凸部21どうしの間の窪みには入り込み難く、また米飯の粒はどのような姿勢であっても底部内面にほぼ点接触に近い状態で接触し、米飯がこびりつき難くなっている。すなわち、底部内面の凸部21は、丸みを帯びていることが重要である。
本実施形態は、包装用容器10の成形前の樹脂シート材の材料や厚み、成形温度等を適切に選択すると、金型には図8に示すような角張った形状の凸部31を形成し、この金型を使って成形した包装用容器10の底部内面には、図7に示すような、丸みを帯びたほぼ半球形状の凸部21を形成できることを見い出したのである。
すなわち、本実施形態の包装用容器10の底部11の内面の凸部21は、図8に示す金型30Aの凸部31Aを反映するとともに、樹脂シート材の材質が反映されることにより丸みを帯びた形状となっている。
本実施形態では、このように、樹脂シート材の材質を利用することにより、金型に半球形状の突起を多数形成する方法と比べて金型の製作コストを大幅に下げ、その金型を使って成形した包装用容器10についてもそのコストを大幅に下げることを可能としたのである。
図10は、底部の凹凸の変形例を示した断面図、図11は、金型の、図10の凹凸を形成する部分の模式斜視図である。
この金型30Bも、図9に示す金型30Aと同様、金型材料を標準的なエンドミルを使って矢印C方向および矢印D方向に切削加工することにより製作される。この金型30Bの凸部31Bは、頭部が切断されていない、四角錐形状を有する。これに対応して、図10に示す、包装用容器底部外面に形成された凹部22Bは、断面では三角形にあらわれている。この凹部22Bは、立体形状では四角錐形状の壁面で形成されている。すなわち、この凹部22Bも、複数の平面の組合せからなる壁面で形成されている。
これに対し、包装用容器底部内面の凸部21Bは、金型30Bの凸部31B(図11参照)の形状が反映されるとともに、樹脂シート材の性質が反映され、丸みを帯びた、ほぼ半球の形状を有する。
このように、本発明は、角ばった形状の凸部を有する金型を使って丸みを帯びた凸部を形成することを旨とするものであり、これを満たす範囲内において様々な形状を採り得るものである。
またここでは米飯用の包装用容器等を例に挙げて説明したが、本発明は、米飯用である必要はなく、また包装用容器である必要はなく、同様の形状の突起を必要とする食品用容器に広く採用することができるものである。
10 包装用容器
11 底部
12 側壁
12a 内面
21,21A,21B,31,31A 凸部
22,22A,22B 凹部
30A,30B 金型
40 粒
111 周辺部分
112 中央部分
11 底部
12 側壁
12a 内面
21,21A,21B,31,31A 凸部
22,22A,22B 凹部
30A,30B 金型
40 粒
111 周辺部分
112 中央部分
Claims (3)
- 複数の平面の組合せを含む壁面でそれぞれが形成された複数の凹部が2次元的に配列された外面と、
前記複数の凹部それぞれに対応する位置に、該凹部の形状よりも相対的に丸みを帯びた複数の凸部それぞれが形成された内面とを有することを特徴とする容器。 - 金型材料の面に、第1の方向に延びる複数の第1の溝を形成する切削加工と該第1の方向と交わる第2の方向に延びる複数の第2の溝を形成する切削加工とを含む切削加工が施されることにより形成された、複数の平面の組合せを含む壁面でそれぞれが形成されて2次元的に配列された複数の凸部が形成された金型に、樹脂シート材の、前記外面となる面を当てて成形され、容器外面の凹部が前記金型の凸部を反映した形状を有し、容器内面の凸部が相対的に丸みを帯びた形状を有することを特徴とする請求項1記載の容器。
- 容器の製造に用いる金型であって、
金型材料の面に、第1の方向に延びる複数の第1の溝を形成する切削加工と該第1の方向と交わる第2の方向に延びる複数の第2の溝を形成する切削加工とを含む切削加工が施されることにより、複数の平面の組合せを含む壁面でそれぞれが形成されて2次元的に配列された複数の凸部が形成されていることを特徴とする金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012171997A JP2014031190A (ja) | 2012-08-02 | 2012-08-02 | 容器および金型 |
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Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005054066A1 (ja) * | 2003-12-05 | 2005-06-16 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | インモールド容器およびその製造装置 |
JP2012066417A (ja) * | 2010-09-21 | 2012-04-05 | Iwate Univ | 金型、その製造方法、金型を用いた樹脂成形体の製造方法並びにその製造方法によって製造された樹脂成形体 |
-
2012
- 2012-08-02 JP JP2012171997A patent/JP2014031190A/ja active Pending
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