JP2014031041A - 鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料ポンプの組付けを容易に行うことができる鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】クランクケース28の側面に、クランクケースカバー28Aが取り付けられ、クランクケースカバー28Aに、燃料ポンプブラケット50が取り付けられ、燃料ポンプ47が、シリンダ部29の後方であって、クランクケース28の上方の位置で、燃料ポンプブラケット50に支持される。
【選択図】図4

Description

本発明は、鞍乗型車両に関する。
特許文献1には、内燃機関のシリンダ部の後方に燃料ポンプが配置される鞍乗型車両が開示されている。
特開2008−143317号公報
しかしながら、上記特許文献1の鞍乗型車両では、燃料ポンプが車体フレームにブラケットを介して支持されており、車体フレームに別途ブラケットの取り付け部を形成する必要があり、また燃料ポンプをブラケットに取付ける工程が必要なため、組付け手順が複雑である。
本発明は上述の実情に鑑みて、燃料ポンプの組付けを容易に行うことができる鞍乗型車両を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、本発明の第1の発明は、ヘッドパイプ(3)と、該ヘッドパイプ(3)から後方へ延びるメインフレーム(4)と、前記メインフレーム(4)の後部から後方に延びる左右一対のシートレール(5L,5R)と、前記メインフレーム(4)の後部から下方に延びる左右一対のセンタフレーム(8L,8R)と、前記センタフレーム(8L,8R)から後斜め上方に延び、前記シートレール(5L,5R)に接続する左右一対のリヤフレーム(9L,9R)と、を備える車体フレーム(2)と、前記メインフレーム(4)の下方に配置される内燃機関(25)と、前記メインフレーム(4)の上部に支持される燃料タンク(13)と、前記内燃機関(25)の吸気系に燃料を噴射する燃料噴射装置(42)と、前記燃料噴射装置(42)に、前記燃料タンク(13)に貯留された燃料を供給する燃料ポンプ(47)と、を備える鞍乗型車両において、前記内燃機関(25)は、クランクケース(28)と、該クランクケース(28)の前部から上方に立ち上がるシリンダ部(29)と、を備え、前記クランクケース(28)の側面に、クランクケースカバー(28A)が取り付けられ、前記クランクケースカバー(28A)に、前記燃料ポンプ(47)を支持するための燃料ポンプブラケット(50)が取り付けられ、前記燃料ポンプ(47)が、前記シリンダ部(29)の後方であって、前記クランクケース(28)の上方の位置で、前記燃料ポンプブラケット(50)に支持されることを特徴とする鞍乗型車両を提供する。
第2の発明は、上記第1の発明において、前記燃料ポンプブラケット(50)は、前記燃料ポンプ(47)の車幅方向外側の側面の少なくとも一部を覆うように、前記クランクケースカバー(28A)に取り付けられることを特徴とする。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、前記クランクケースカバー(28A)は、その少なくとも一部が前記クランクケース(28)にボルト(285)によって締結され、前記燃料ポンプブラケット(50)は、前記ボルト(285)によって前記クランクケースカバー(28A)とともに、前記クランクケース(28)に締結されることを特徴とする。
第4の発明は、上記第1〜第3のいずれかの発明において、前記燃料ポンプ(47)の外周面に環状の弾性部材(54)が取り付けられ、該弾性部材(54)に係止孔(55A,56A)が形成され、前記燃料ポンプブラケット(50)は、前記係止孔(55A,56)に嵌入される係止片(52,53)を有し、これら係止片(52,53)を、前記係止孔(55A,56A)に嵌入して、前記燃料ポンプ(47)を支持することを特徴とする。
第5の発明は、上記第1〜第4のいずれかの発明において、前記クランクケースカバー(28A)には、前記シリンダ部(29)の後方であって、前記クランクケース(28)の上方の空間に向けて突出するように延びる延出部(283)が一体に形成され、前記燃料ポンプブラケット(50)は、前記延出部(283)に取り付けられることを特徴とする。
第6の発明は、上記第1〜第4のいずれかの発明において、前記シリンダ部(29)の後方の前記クランクケース(28)の上部に、リダクションギヤ(83)を介しクランク軸に動力を伝えるスタータモータ(M)が取付けられ、前記クランクケースカバー(28A)には、前記リダクションギヤ(83)を覆うように延びる延出部(283)が形成され、前記燃料ポンプブラケット(50)は、前記延出部(283)において前記クランクケースカバー(28A)を前記クランクケース(28)に締結するボルト(285)によって共締めで取付けられ、前記延出部(283)及び前記燃料ポンプブラケット(50)によって、前記スタータモータ(M)の側方が覆われることを特徴とする。
第7の発明は、上記第1〜第6のいずれかの発明において、キャニスタ(70)が、左右の前記センタフレーム(8L,8R)間を連結するクロスパイプ(8C)に取付けられたキャニスタステー(71)に取付けられ、側面視で、前記燃料ポンプ(47)は、前記センタフレーム(8L,8R)よりも前方に配置され、前記キャニスタ(70)は、前記センタフレーム(8L,8R)よりも後方、かつ該センタフレーム(8L,8R)よりも後方で上下方向に沿って配置されるクッション(84)よりも前方に配置されることを特徴とする。
第8の発明は、上記第1〜第7のいずれかの発明において、前記シリンダ部(29)の後部に、上方に延びて、前記車体フレーム(2)に連結されるハンガボス(36)が形成され、前記燃料ポンプ(47)に接続される燃料パイプ(48,49)は、前記ハンガボス(36)の後方に配置されることを特徴とする。
第9の発明は、上記第1〜第8のいずれかの発明において、前記車体フレーム(2)は、前記メインフレーム(4)の下方で前後方向に延びて、その後端が前記メインフレーム(4)の後部側に接続される補強パイプ(10)をさらに備えることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、シリンダ部の後方、且つクランクケースの上方のデッドスペースを利用することで、簡易に燃料ポンプを設けることができる。そして、この発明では、燃料ポンプを燃料ポンプブラケットによってクランクケースカバーに組付けた状態としてから、車体側に設けることができるため、組付けを容易に行うことができる。
上記第2の発明によれば、飛石等の車幅方向外側からの外力から燃料ポンプを保護できる。
上記第3の発明によれば、部品点数の増加を抑えて、燃料ポンプブラケットを取り付けることができる。
上記第4の発明によれば、弾性部材を介在させることで、燃料ポンプの保護効果を高めることができるとともに、燃料ポンプへの振動の伝達の抑制効果を高めることができる。
上記第5の発明によれば、燃料ポンプをクランクケースから離間させて作業性の向上を図ろうとする場合に、燃料ポンプブラケットの寸法を小さく抑えることができることで、作業性を確保しつつ、燃料ポンプブラケットの形状の簡素化を図ることができ、また燃料ポンプに伝わる振動を抑制し易くできるとともに燃料ポンプブラケットの剛性を確保し易くすることができる。
上記第6の発明によれば、スタータモータを保護できる。
上記第7の発明によれば、燃料ポンプ及びキャニスタそれぞれの容量を確保しつつ、これらをコンパクトに配置できる。
上記第8の発明によれば、燃料パイプの接続スペースを確保し、かつ燃料パイプと燃料ポンプとの接続部分を保護できる。
本発明の実施形態の自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車の要部の上面図である。 上記実施形態の自動二輪車の車体フレームの斜視図である。 上記自動二輪車の要部の左側面図である。 上記自動二輪車に設けられる燃料ポンプを支持するための燃料ポンプブラケットの左側面図である。 図4のA−A線に沿う断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。なお、以下の説明に用いる図面において、矢印FRは車両の前方を、矢印UPは車両の上方を、矢印LHは車両の左方をそれぞれ示している。
図1に示す本発明の実施形態に係る鞍乗型車両としての自動二輪車1の車体フレーム2は、前端を構成するヘッドパイプ3と、ヘッドパイプ3の上部から後斜め下方へ延出し、その後部4Bが角度を変えて下方に湾曲するメインフレーム4と、メインフレーム4の後部4Bから後方へ延出する左右一対のシートレール5L,5Rと、ヘッドパイプ3の下部から後斜め下方へ延出するダウンフレーム6と、メインフレーム4の後部4Bの側面から下方に延出して、車両下部で湾曲して略水平に前方に延出し、次に上方に延出してダウンフレーム6の下部に接続される左右一対のセンタフレーム8L,8Rと、センタフレーム8L,8Rにおけるメインフレーム4の後部4Bから下方に延びる部位の上下方向略中央の位置から後斜め上方に延出し、シートレール5L,5Rの前後方向略中央の位置に接続されるリヤフレーム9L,9Rと、ダウンフレーム6の上部から後方に延出し、その後端がメインフレーム4の後部4B側に位置する部位、詳しくはメインフレーム4のヘッドパイプ3から直進する部位の後部に接続される補強パイプ10と、を備えている。
メインフレーム4の前部、ダウンフレーム6の上部、及びヘッドパイプ3の後部には、金属板材を張り合わせ構成されるとともに内側が中空とされるガセット部11が跨るように溶着され、補強パイプ10は前後方向に略水平に延出し、その前端が、ガセット部11に左右から覆われる状態で、このガセット部11に溶着されて補強されている。また、シートレール5L,5R、センタフレーム8L,8R、及びリヤフレーム9L,9Rで囲まれる領域は、側面視で三角形状を呈している。なお、上記の部材のうち図中に表れない部材(例えば、シートレール5R等)は、説明の便宜上、図中に括弧書きで符合を示している。以下の説明でも、図中に表れない部材は同様に取り扱っている。
ヘッドパイプ3には、下部に前輪WFを支持する左右一対のフロントフォーク12L,12Rが図示省略するステアリングシャフトを介して回転自在に取付けられ、メインフレーム4の上部には、燃料タンク13が支持されている。センタフレーム8L,8Rにおけるメインフレーム4の後部4Bから下方に延びる部位の前側には、前方に張り出し、上下方向に長く延びる左右一対のピボットプレート14L,14Rが溶着されている。
フロントフォーク12L,12Rの上部間は、トップブリッジ20及びこのトップブリッジ20の下方に配置されるボトムブリッジ21で連結されており、トップブリッジ20には、バーハンドル22が取付けられている。また、トップブリッジ20及びボトムブリッジ21の前方には、フロントカウル23が支持され、また、燃料タンク13の側方には、左右一対のタンクシュラウド24L,24Rが配置されている。
ピボットプレート14L,14Rの上下方向略中央に位置には、ピボット軸15が架け渡され、ピボット軸15にスイングアーム16が上下スイング自在に支持されている。スイングアーム16は、左右一対のアーム部材17L,17Rで構成され、後端部に後輪WRを回転可能に支持している。また、シートレール5L,5Rには、前後方向に延出するシート18及び後部左方に設けた後部側方ガード部材19が支持されている。また、スイングアーム16とシートレール5L,5Rとの間には、リヤクッション84が設けられている。リヤクッション84は、センタフレーム8L,8Rにおけるメインフレーム4の後部4Bから下方に延びる部位に概略沿って延びている。
メインフレーム4の下方において、補強パイプ10と、ダウンフレーム6と、センタフレーム8L,8Rとで囲まれる側面視で略矩形の空間には、内燃機関25及び変速機26からなるパワーユニット27が、当該空間に収まるように配置されている。内燃機関25は、クランクケース28と、クランクケース28の前部から上方に立ち上がるシリンダ部29と、を備えている。シリンダ部29は、内部に形成されたシリンダボアにピストンを摺動可能に収容するシリンダブロック30と、シリンダブロック30の上部に配置されるシリンダヘッド31と、シリンダヘッド31の上部を覆うヘッドカバー32と、を備えている。
図中L1は、シリンダブロック30内のシリンダボアの中心軸であるシリンダ軸線を示し、シリンダ軸線L1は、垂直方向に対してやや傾斜し、クランクケース28側から前上方に延びている。本実施形態では、シリンダ軸線L1がダウンフレーム6の延在方向に概略沿って延びている。また、クランクケース28は、変速機26と一体化されており、その左側面に、外観部材であるクランクケースカバー28Aが取り付けられている。
図4を参照し、本実施形態において、クランクケースカバー28Aは、クランクケース28の左側面前側を覆う前側部281と、出力スプロケット80を覆うスプロケットカバー部282と、を有しており、前側部281は、クランクケース28に収容されたクランクシャフトに同軸となる略円形状に形成され、その内側で発電機を覆うACGカバー(発電機カバー)として機能している。また、スプロケットカバー部282は、前側部281から後方に延びて、センタフレーム8Lの直前まで至り、クランクケース28の左側面後側を広範囲に覆い、この左側側面後側から突出する出力軸81の端部に設けられた出力スプロケット80を覆うドライブスプロケットカバーとして機能している。なお、出力スプロケット80は図示しないドライブチェーンを介して後輪WRに駆動力を伝達する。また、前側部281には、シリンダ部29の後方であって、クランクケース28の上方の空間に向けて突出するように延びる延出部283が一体に形成されている。なお、延出部283は、略円形状の前側部281の外縁に対して突出するように形成されている。
前側部281並びにスプロケットカバー部282の外周縁部、及び延出部283の先端部には、複数のボルト挿通孔284が形成されており、クランクケースカバー28Aは、複数のボルト挿通孔284に挿通させたボルト285をクランクケース28に締結することで、クランクケース28に取り付けられている。ここで、シリンダ部29の後方におけるクランクケース28の後部上面(上部)には、スタータモータMが設けられ、上記延出部283は、このスタータモータMを左方から一部覆うように、スタータモータMの側方に向けて延びている。さらに、この延出部283の車幅方向内側には、スタータモータMに噛み合って、クランクケース28のクランク軸に動力を与えるリダクションギヤ83が配置され、このリダクションギヤ83は、延出部283によって側方から覆われている。
図1に戻り、パワーユニット27は、ダウンフレーム6の下部側面から後方に延びるようにダウンフレーム6に固着された左右一対の前側クランクケースハンガ33L,33Rと、補強パイプ10の後部から下方に延びるように補強パイプ10に固着されたシリンダハンガ34と、ピボットプレート14L,14Rの間に配置されるとともに、側面視でセンタフレーム8L,8Rにおけるメインフレーム4の後部4Bから下方に延びる部位の前方に配置される後側クランクケースハンガ35と、によって車体フレーム2に支持されている。
図3を参照し、左右のセンタフレーム8L、8Rにおけるメインフレーム4の後部4Bから下方に延びる部位の上部の間は、クロスパイプ8Cによって連結され、このクロスパイプ8Cの車幅方向中央からやや左方にオフセットした位置には、ハンガ支持ブラケット8Sが溶着されている。上記後側クランクケースハンガ35は、ハンガ支持ブラケット8Sに固定されるようになっている。
詳しくは、ハンガ支持ブラケット8Sには上下一対のボルト挿通孔8S1,8S2が形成され、図4に示すように、本実施形態では、後側クランクケースハンガ35が、3つのボルト挿通孔35Aが形成された板体であり、3つのボルト挿通孔35Aのうちの2つを、ボルト挿通孔8S1,8S2に重ねた状態で、ボルト35Bを挿通され、このボルト35Bが図示しないナットに螺合されることで、ハンガ支持ブラケット8Sに後側クランクケースハンガ35が締結されている。そして、後側クランクケースハンガ35は、3つのボルト挿通孔35Aのうちの残りの1つがハンガ支持ブラケット8Sよりも下方に位置するように、ハンガ支持ブラケット8Sに締結されている。
図1を参照し、各ハンガの支持について説明すると、前側クランクケースハンガ33L,33Rはクランクケース28の前部上側を支持している。
また、図4を参照し、後側クランクケースハンガ35は、クランクケースカバー28Aにおけるスプロケットカバー部282の後側上部の内側に、後側クランクケースハンガ35におけるハンガ支持ブラケット8Sよりも下方に位置するボルト挿通孔35Aが位置する状態で、ボルト挿通孔35Aに挿通されたボルト37Aが、クランクケース28の左側面における後側上部に締結されることで、クランクケース28の後側上部を支持している。
また、シリンダハンガ34は、シリンダヘッド31の上部後面から後上方に延びるように、シリンダヘッド31に一体に形成されたハンガボス36の上部側面に、シリンダハンガ34の下部に挿通させたボルト37Bを車幅方向外側から締結することで、ハンガボス36を介してシリンダ部29を支持している。
図1に戻り、シートレール5L,5R、センタフレーム8L,8R、及びリヤフレーム9L,9Rによって形成される三角形状の空間には、エアクリーナ38が配置され、ここで、図2に示すように、エアクリーナ38の前面の車幅方向の略中央の位置からは、コネクティングチューブ39が車幅方向外側に延びつつ、前方に延びている。コネクティングチューブ39の前端はスロットルボディ40に接続され、スロットルボディ40からは吸気管41が車幅方向内側に延びつつ、前方に延び、吸気管41の前端は、シリンダヘッド31の後面に形成された吸気ポート(図示省略)に接続されている。ここで、本実施形態では、エアクリーナ38、コネクティングチューブ39、スロットルボディ40、及び吸気管41で吸気系が構成される。
スロットルボディ40は内部に吸気通路を有し、概略筒状をなしており、車幅方向中央に対して右方にオフセットして配置されるとともに、コネクティングチューブ39の前端からその吸気通路が車幅方向内側前方に向くように配置されている。そして、本実施形態では、スロットルボディ40の上面に、燃料噴射装置であるインジェクタ42が設けられている。
なお、図1に示すように、エアクリーナ38は、シート18の前部下方に配置された左右一対のサイドカバー44L,44Rによって覆われている。サイドカバー44L,44Rは、シートレール5L,5R、センタフレーム8L,8R、及びリヤフレーム9L,9Rによって形成される三角形状の空間を概略覆うように、三角形状に形成されている。また、左のサイドカバー44Lの後方には、収納ボックス45が配置されている。
一方で、シリンダヘッド31の前面に形成された排気ポート(図示省略)には、排気管46が接続され、排気管46は排気ポートから右に湾曲して後方に延びている。
図2及び図4を参照し、インジェクタ42は、燃料ポンプ47から燃料を供給されて、スロットルボディ40の吸気通路内に燃料を噴射する。ここで、本実施形態では、シリンダ部29が、センタフレーム8L,8Rにおけるメインフレーム4の後部4Bから下方に延びる部位から前方に離間して位置し、燃料ポンプ47が、シリンダ部29の後方であって、クランクケース28の上方の位置に配置されている。燃料ポンプ47は円筒状体であり、その軸線方向に長く形成され、その軸線方向を概略上下方向に沿わせて配置され、その上面のインレットポート47Aに接続したインレットパイプ48を介して燃料タンク13に接続し、燃料タンク13に貯留された燃料を供給されるとともに、同様に上面のアウトレットポート47Bに接続したアウトレットパイプ49を介してインジェクタ42に接続し、インジェクタ42に対して燃料を供給する。なお、詳しくは、燃料ポンプ47は、その軸線が、垂直方向に対してやや傾斜し、シリンダ軸線L1に沿うように配置されている。また、燃料ポンプ47は、車幅方向でスロットルボディ40と並んでいる。
また、燃料ポンプ47はハンガボス36の後斜め下方に位置し、ハンガボス38の後方を、燃料パイプであるインレットパイプ48及びアウトレットパイプ49が上下方向に延びている。
燃料ポンプ47は、クランクケースカバー28Aに取り付けられた燃料ポンプブラケット50に支持され、図4、図5及び図6を参照し、燃料ポンプブラケット50は金属製の板材からなり、クランクケースカバー28Aにおける延出部283に取り付けられて、上方に延びる板状のアーム部51と、このアーム部51の先端に形成された一対の板状の係止片52,53と、を有している。アーム部51は、延出部283に取り付けられた状態で、その面方向が前後方向に沿うように延び、また上下方向に長く、側面視で鉛直方向に対してやや後方側に傾斜するように形成されている。
係止片52,53は、アーム部51が延出部283に取り付けられた状態で、前後に並び、かつそれぞれが右方に突出するように形成されている。係止片52,53の各先端には、外側に張り出すフック部52A,53Aが形成されている。なお、本実施形態において係止片52,53はそれぞれ、アーム部51から前後方向に延びた後、車幅方向内側に延びる断面L字状に形成されている。
図5に示すように、本実施形態においてアーム部51は、基部側に2つのボルト挿通孔51Aを有し、これらボルト挿通孔51Aを延出部283に形成された2つの上記ボルト挿通孔284に車幅方向外側から重ねて、上記ボルト285が挿通されることで、延出部283に取り付けられる。そして、上記ボルト285がクランクケース28に螺合されることで、燃料ポンプブラケット50は、アーム部51を介して延出部283とともに、クランクケース28に締結されている。なお、アーム部51は2つのボルト285によって締結されることで延出部283に対して回転しないようになっている。
そして、燃料ポンプ47の外周面には環状の弾性部材54が取り付けられ、弾性部材54の外周面には、該弾性部材54の径方向で対向する位置に一対のステー部55,56が突出するように形成されている。そして、図5を参照し、ステー部55,56にはそれぞれ、燃料ポンプ47の軸方向と直交する方向に沿って、これらステー部55,56を貫通する係止孔55A,56Aが形成されている。
そして、係止孔55A,56Aに係止片52,53を車幅方向外側から内側に向けて嵌入することで、燃料ポンプブラケット50が、燃料ポンプ47を支持している。ここで、上記フック部52A,53Aは、ステー部55,56における係止孔55A,56Aの周縁部に引っ掛り、燃料ポンプ47の抜けを防止する。
ここで、本実施形態では、燃料ポンプ47が燃料ポンプブラケット50によってクランクケース28側に取り付けられた状態において、燃料ポンプブラケット50のアーム部51が、燃料ポンプ47の車幅方向外側の側面(左側面)の下部側を覆うようになっている。また、アーム部51は、延出部283とともに、スタータモータMを側方から覆っている。
一方で、図1及び図3を参照し、本実施形態の自動二輪車1にはキャニスタ70が設けられている。キャニスタ70は、燃料タンク13に連通し、燃料タンク13から導き出された蒸発燃料を吸着剤で吸着し、当該吸着剤に吸着した燃料を、吸気通路に供給する。図3に示すように、キャニスタ70は、クロスパイプ8Cから下方に延びるキャニスタステー71に支持されている。キャニスタ70は、センタフレーム8L,8Rの前端よりも後方であって、これらセンタフレーム8L,8Rの間に配置されて、図1に示すように側面視でセンタフレーム8L,8Rに一部が重なるとともに、センタフレーム8L,8Rに沿っている。さらに詳しくは、キャニスタ70は、センタフレーム8L,8Rよりも後方で上下方向に沿って配置されるリヤクッション84よりも前方に配置されている。なお、キャニスタ70の燃料タンク13等への配管については説明を省略する。
以上に記載した本実施形態の自動二輪車1では、クランクケース28の側面に、クランクケースカバー28Aが取り付けられ、クランクケースカバー28Aに、燃料ポンプブラケット50が取り付けられ、燃料ポンプ47が、シリンダ部29の後方であって、クランクケース28の上方の位置で、燃料ポンプブラケット50に支持されている。
このような構造を有する自動二輪車1では、シリンダ部29の後方、且つクランクケース28の上方のデッドスペースを利用することで、簡易に燃料ポンプ47を設けることができる。そして、燃料ポンプ47を燃料ポンプブラケット50によってクランクケースカバー28Aに組付けた状態としてから、車体側に設けることができるため、組付けを容易に行うことができる。具体的に本実施形態では、燃料ポンプブラケット50をクランクケースカバー28Aにボルト285によって支持した状態としてから、この後に、ボルト285をクランクケース28に締結することで、燃料ポンプ47とクランクケースカバー28Aを同時にクランクケース28に組付けることができ、組付けを容易に行うことができる。
また、本実施形態では、燃料ポンプブラケット50が、燃料ポンプ47の車幅方向外側の側面を覆うように、クランクケースカバー28Aに取り付けられているので、飛石等の車幅方向外側からの外力から燃料ポンプ47を保護できる。
また、本実施形態では、クランクケースカバー28Aが、クランクケース28にボルト285によって締結され、燃料ポンプブラケット50は、ボルト285によってクランクケースカバー28Aとともに、クランクケース28に締結されている。このような構造では、部品点数の増加を抑えて、燃料ポンプブラケット50を取り付けることができる。
また、本実施形態では、燃料ポンプ47の外周面に環状の弾性部材54が取り付けられ、弾性部材54に係止孔55A,56Aが形成され、燃料ポンプブラケット50は、自身に形成された係止片52,53を、係止孔55A,56Aに嵌入して、燃料ポンプ47を支持する。これによれば、弾性部材54を介在させることで、燃料ポンプ47の保護効果を高めることができるとともに、燃料ポンプ47への振動の伝達の抑制効果を高めることができる。
また、本実施形態では、クランクケースカバー28Aに、シリンダ部29の後方であって、クランクケース28の上方の空間に向けて突出するように延びる延出部283が一体に形成され、燃料ポンプブラケット50が延出部283に取り付けられるが、このような構成では、燃料ポンプ47をクランクケース28から離間させて作業性の向上を図ろうとする場合に、燃料ポンプブラケット50の寸法を小さく抑えることができることで、作業性を確保しつつ、燃料ポンプブラケット50の形状の簡素化を図ることができ、また燃料ポンプに伝わる振動を抑制し易くできるとともに燃料ポンプブラケット50の剛性を確保し易くすることができる。
詳しくは、本実施形態では、シリンダ部29の後方のクランクケース28の上部に、リダクションギヤ83を介しクランク軸に動力を伝えるスタータモータMが取付けられ、クランクケースカバー28Aに形成される延出部283が、リダクションギヤ83を覆うように延び、燃料ポンプブラケット50は、延出部283においてクランクケースカバー28Aをクランクケース28に締結するボルト285によって共締めで取付けられ、延出部283及び燃料ポンプブラケット50によって、スタータモータMの側方が覆われるようになっており、スタータモータMが保護されている。
また、本実施形態では、キャニスタ70が、左右のセンタフレーム8L,8R間を連結するクロスパイプ8Cに取付けられたキャニスタステー71に取付けられ、側面視で、燃料ポンプ47が、センタフレーム8L,8Rよりも前方に配置され、キャニスタ70は、センタフレーム8L,8Rよりも後方、かつセンタフレーム8L,8Rよりも後方で上下方向に沿って配置されるクッション84よりも前方に配置されるが、この場合には、燃料ポンプ及びキャニスタそれぞれの容量を確保しつつ、これらをコンパクトに配置できる。
また、シリンダ部29の後部に、上方に延びて、車体フレーム2(補強パイプ10)に連結されるハンガボス36形成され、燃料ポンプ70に接続される燃料パイプであるインレットパイプ48及びアウトレットパイプ49が、ハンガボス36の後方に配置されるが、この場合、燃料パイプの接続スペースを確保し、かつ燃料パイプと燃料ポンプ47との接続部分を保護できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、燃料ポンプブラケット50がクランクケースカバー28Aとともに、クランクケース28にボルト285によって締結される構成を説明したが、燃料ポンプブラケット50は、クランクケースカバー28Aにボルト等によって直接締結されるものでもよい。
また、上記実施形態では、燃料ポンプブラケット50がクランクケースカバー28Aの延出部283に取り付けられる構成を説明したが、クランクケースカバー28Aにおけるその他の部位に取り付けられるものであってもよい。
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
2 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
4 メインフレーム
5L,5R シートレール
8L,8R センタフレーム
8C クロスパイプ
9L,9R リヤフレーム
10 補強パイプ
13 燃料タンク
25 内燃機関
28 クランクケース
28A クランクケースカバー
283 延出部
285 ボルト
29 シリンダ部
34 シリンダハンガ
35 後側クランクケースハンガ(クランクケースハンガ)
36 ハンガボス
42 インジェクタ(燃料噴射装置)
47 燃料ポンプ
48 インレットパイプ
49 アウトレットパイプ
50 燃料ポンプブラケット
52,53 係止片
54 弾性部材
55A,56A 係止孔
70 キャニスタ
71 キャニスタステー
83 リダクションギヤ
84 リヤクッション(クッション)
M スタータモータ

Claims (9)

  1. ヘッドパイプ(3)と、該ヘッドパイプ(3)から後方へ延びるメインフレーム(4)と、前記メインフレーム(4)の後部から後方に延びる左右一対のシートレール(5L,5R)と、前記メインフレーム(4)の後部から下方に延びる左右一対のセンタフレーム(8L,8R)と、前記センタフレーム(8L,8R)から後斜め上方に延び、前記シートレール(5L,5R)に接続する左右一対のリヤフレーム(9L,9R)と、を備える車体フレーム(2)と、
    前記メインフレーム(4)の下方に配置される内燃機関(25)と、
    前記メインフレーム(4)の上部に支持される燃料タンク(13)と、
    前記内燃機関(25)の吸気系に燃料を噴射する燃料噴射装置(42)と、
    前記燃料噴射装置(42)に、前記燃料タンク(13)に貯留された燃料を供給する燃料ポンプ(47)と、を備える鞍乗型車両において、
    前記内燃機関(25)は、クランクケース(28)と、該クランクケース(28)の前部から上方に立ち上がるシリンダ部(29)と、を備え、
    前記クランクケース(28)の側面に、クランクケースカバー(28A)が取り付けられ、
    前記クランクケースカバー(28A)に、前記燃料ポンプ(47)を支持するための燃料ポンプブラケット(50)が取り付けられ、
    前記燃料ポンプ(47)が、前記シリンダ部(29)の後方であって、前記クランクケース(28)の上方の位置で、前記燃料ポンプブラケット(50)に支持されることを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 前記燃料ポンプブラケット(50)は、前記燃料ポンプ(47)の車幅方向外側の側面の少なくとも一部を覆うように、前記クランクケースカバー(28A)に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
  3. 前記クランクケースカバー(28A)は、前記クランクケース(28)にボルト(285)によって締結され、
    前記燃料ポンプブラケット(50)は、その少なくとも一部が前記ボルト(285)によって前記クランクケースカバー(28A)とともに、前記クランクケース(28)に締結されることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗型車両。
  4. 前記燃料ポンプ(47)の外周面に環状の弾性部材(54)が取り付けられ、該弾性部材(54)に係止孔(55A,56A)が形成され、
    前記燃料ポンプブラケット(50)には、係止片(52,53)が形成され、該燃料ポンプブラケット(50)は、前記係止片(52,53)を、前記係止孔(55A,56A)に嵌入して、前記燃料ポンプ(47)を支持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
  5. 前記クランクケースカバー(28A)には、前記シリンダ部(29)の後方であって、前記クランクケース(28)の上方の空間に向けて突出するように延びる延出部(283)が一体に形成され、
    前記燃料ポンプブラケット(50)は、前記延出部(283)に取り付けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
  6. 前記シリンダ部(29)の後方の前記クランクケース(28)の上部に、リダクションギヤ(83)を介しクランク軸に動力を伝えるスタータモータ(M)が取付けられ、
    前記クランクケースカバー(28A)には、前記リダクションギヤ(83)を覆うように延びる延出部(283)が形成され、
    前記燃料ポンプブラケット(50)は、前記延出部(283)において前記クランクケースカバー(28A)を前記クランクケース(28)に締結するボルト(285)によって共締めで取付けられ、
    前記延出部(283)及び前記燃料ポンプブラケット(50)によって、前記スタータモータ(M)の側方が覆われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
  7. キャニスタ(70)が、左右の前記センタフレーム(8L,8R)間を連結するクロスパイプ(8C)に取付けられたキャニスタステー(71)に取付けられ、
    側面視で、前記燃料ポンプ(47)は、前記センタフレーム(8L,8R)よりも前方に配置され、
    前記キャニスタ(70)は、前記センタフレーム(8L,8R)よりも後方、かつ該センタフレーム(8L,8R)よりも後方で上下方向に沿って配置されるクッション(84)よりも前方に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
  8. 前記シリンダ部(29)の後部に、上方に延びて、前記車体フレーム(2)に連結されるハンガボス(36)が形成され、
    前記燃料ポンプ(47)に接続される燃料パイプ(48,49)は、前記ハンガボス(36)の後方に配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
  9. 前記車体フレーム(2)は、前記メインフレーム(4)の下方で前後方向に延びて、その後端が前記メインフレーム(4)の後部側に接続される補強パイプ(10)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
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