JP2014030844A - 扁平チューブ用フィンおよび扁平チューブ用フィンの製造金型と金属帯状体の送り装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属製薄板の幅方向の一方側から他方側に向けて形成された、熱交換用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部34と、金属製薄板の一部を切り起こされて形成された切り起こし部37と、切り起こし部37の形成痕である透孔39とを有する扁平チューブ用フィンであって、切り起こし部37は複数箇所に形成され、扁平チューブ用フィンの製造完了前の移送方向において、複数の切り起こし部37のうちのいずれか1つ以上には、移送方向の下流側部分における起立高さが移送方向の上流側部分における起立高さよりも低位な起立壁37Bに形成され、起立壁37Bが移送用係止部であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
かかる熱交換器用フィンは、図11に示す熱交換器用フィンの製造装置によって製造される。
熱交換器用フィンの製造装置には、アルミニウム等の金属製の薄板10がコイル状に巻かれたアンコイラー12が設けられている。アンコイラー12からピンチロール14を経て引き出された薄板10は、オイル付与装置16に挿入され、加工用オイルをその表面に付着され、プレス装置18内に設けられた金型装置20に供給される。
以下、金属製の薄板に切り欠き部や透孔等が加工されたものを、金属帯状体11と称する。金属帯状体11は、所定方向に所定距離移送された後、カッター26によって所定長さに切断される。所定長さに切断された製品(熱交換器用フィン)は、スタッカ28に収容される。スタッカ28は、鉛直方向に立設された複数のピン27を有しており、熱交換器用フィンに形成されている透孔の内部にピン27を挿入させて製造された熱交換器用フィンを積層している。
送り装置は、駆動手段によって移送方向に沿って往復動する往復動体を有しており、この往復動体の上面には送りピンが突出して設けられている。送りピンの上端部は、金属帯状体11に形成された切り欠き部内に進入可能な大きさに形成されており、往復動体が移送方向に移動することによって、切り欠き部内に進入した送りピンが金属帯状体11を牽引して金属帯状体11を移送方向に移送させる。
送りピンが金属帯状体11を移送方向に移送する際には、送りピンの移送方向下流側の壁面が切り欠き部の内壁面に当接して金属帯状体11を移送方向に牽引することができる。
切り欠き部34は、扁平チューブ用フィン30の幅方向の一方側からのみ形成されている。したがって、切り欠き部34と切り欠き部34との間の複数の板状部36は、長手方向に沿って伸びる連結部38によって連結されている。
すなわち、上記の扁平チューブ用フィンにおいては、切り欠き部34により扁平チューブ用フィンの片側が開放されているので、送りピンを切り欠き部34内に進入させて移送させようとすると、移送の際に製品幅の金属帯状体の移送に偏りが生じ、移送精度が非常に悪い。これに加えて、移送時に送りピンによって切り欠き部34の幅が広がってしまう(切り欠き部34が変形してしまう)という不具合の発生も懸念される。
すなわち、金属製薄板の幅方向の一方側から他方側に向けて形成された、熱交換用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部と、前記金属製薄板の一部を切り起こされて形成された切り起こし部と、当該切り起こし部の形成痕である透孔とを有する扁平チューブ用フィンであって、前記切り起こし部は複数箇所に形成され、扁平チューブ用フィンの製造完了前の移送方向において、複数の切り起こし部のうちのいずれか1つ以上には、前記移送方向の下流側部分における起立高さが前記移送方向の上流側部分における起立高さよりも低位な起立壁に形成されていて、当該起立壁が移送用係止部であることを特徴とする扁平チューブ用フィンである。
本発明にかかる扁平チューブ用フィンの構成によれば、きわめて薄型の扁平チューブを用いる切り欠き部が幅狭な扁平チューブ用フィンであっても、切り起こし部の一部において他の切り起こし部よりも低位となるように起立させた起立壁に、透孔を挿通させた移送手段の送りピンを係止させることにより、扁平チューブ用フィンの前駆体の移送を確実かつ容易に行うことが可能になる。
具体的には、アンコイラー40から金属製薄板41が巻き出され、ループコントローラ42およびNCフィーダ44を介してプレス装置48に供給され、扁平チューブ用フィンの製造金型46によりプレス加工されることにより、図1(A)に示すような金属帯状体49が形成される。NCフィーダ44は、薄板41の上面と下面とに接触する2つのローラから構成されており、2つのローラが回転駆動することにより、金属製薄板41を互いに挟み込んで金属製薄板41を間欠送りする。このように供給される金属製薄板41は、ループコントローラ42によって間欠送りのばたつきが抑えられている。
このような製造金型46は、少なくとも一方が他方に対して接離動することにより開閉自在に設けられた第1型である上型46Aおよび第2型である下型46Bと、上型46Aおよび下型46Bの少なくとも一方に設けられ、先端部に加工対象である金属製薄板に透孔39を穿設するためのバーリング部が形成されている。
本実施形態における製造金型46においては、パンチ47の先端がダイ47Bに進入した際に形成される隙間47Cが金属帯状体49(金属製の薄板41)の板厚寸法よりも幅広寸法となるように形成されている。
また、図3(B)に示すようなパンチ47形状を採用すれば、金属帯状体49の移送方向の下流側における切り起こし部37(起立壁37B)は、起立壁37Bの上端部位置が起立壁37Bの下端部位置よりも移送方向の下流側に位置する曲面形状に形成される(図4(B)参照)。
いずれの製造金型46においても、移送方向におけるパンチ47の先端部中心線CL1の位置が、移送方向におけるダイ47Bの中心線CL2の位置よりも移送方向の下流側に位置するように配設されている。このようなパンチ47とダイ47Bとの位置関係を採用することにより、図3および図4に示すような形状の起立壁37Bの製造を容易に行うことができる。
本実施形態にかかる切り起こし部37は、金属帯状体49を個片化した後の扁平チューブ用フィン30を板厚方向に積層させる際の積層間隔を規定するタブ37Aと、金属帯状体49を後述する送り装置50により移送させる際に、送りピン55を係合させるための起立壁37Bとにより構成されている。本実施形態における起立壁37Bの高さ寸法H1は、タブ37Aの起立高さ寸法H2よりも低位となるように形成した。起立壁37Bは、タブ37Aの起立高さ寸法H2以下であり、送りピン55を透孔39に差し込むことが可能であれば、起立壁37Bの起立高さ寸法H1および起立形状は適宜調整することができる。
金属帯状体49は、材料である金属製薄板に対して幅方向に扁平チューブが挿入される切り欠き部34が 金属帯状体49の移送方向に沿って所定間隔をあけて複数箇所に形成されている。切り欠き部34と切り欠き部34との間は、ルーバー35が形成された板状部36が形成されている。また、ルーバー35の幅方向の両端部側には、板状部36の一部が切り起こされてなる切り起こし部37と、切り起こし部37の形成痕である透孔39が形成されている。
上記の1つのルーバー35に対する2つの切り起こし部37,37のうちの一つはこの連結部38の位置に形成されている。
このように、4つの製品を移送方向の中心線を対象軸とする配列に配置にすることによって、製造金型46の左右の荷重バランスが良くなる。
本実施形態にかかる送り装置50は、金属帯状体49を移送方向に誘導する移送ガイド52と、移送ガイド52の下方に配設され、水平方向に往復動可能に設けられた移動ユニット54と移動ユニット54に取り付けられたピン保持部56により保持された送りピン55と、を有している。ピン保持部56はコイルばねなどに代表される付勢手段56Aにより送りピン55を付勢させた状態で保持している。
移動ユニット54は、移送ガイド52の下方位置に金属帯状体49の移送方向(スリット52Bの延設方向)に往復動可能に配設されている。移動ユニット54に設けられた送りピン55の平面位置が移送ガイド52の上面に載置された、移送開始位置における金属帯状体49の透孔39の平面位置となるように移動ユニット54が移動すると、付勢手段56Aの付勢力より送りピン55を伸長させ透孔39内に進入させる。送りピン55が透孔39を挿通した後、移動ユニット54は図示しない移動手段により金属帯状体49の移送方向(図6内の矢印1の方向)に水平移動する。このとき透孔39に挿通している送りピン55が起立部37Bに係止することで金属帯状体49を移送方向に牽引させることになる。
送り装置50は以上の動作(図6中の矢印1,2,3,1,・・・)を繰り返し実行することにより、金属帯状体49を移送開始位置から移送完了位置まで間欠的に送り出す動作をする。
上刃58Aおよび下刃58Bは、金属帯状体49の搬送方向に長尺に形成されており、間欠送りされる金属帯状体49を、噛み合わせた上刃58Aと下刃58Bとで切断し、移送方向に長い帯状の製品(以下、製品幅の金属帯状体と称する場合がある)を製造する。
なお、カットオフ装置60に送り込まれる前に、複数本の製品幅の金属帯状体49は、隣り合う製品幅の金属帯状体49同士の間を所定間隔あけるように配置される。また、カットオフ装置60に送り込まれる前には、複数本の製品幅の金属帯状体49は、カットオフ装置60による1回の送り長さよりも長い長さを一時的に溜めるため、下方に撓ませるようにしてバッファ部分Bを形成している。
切断装置66は、各々の製品幅の金属帯状体49を所定長さに切断することにより、扁平チューブ用フィン30を形成する。切断装置66は、各製品幅の金属帯状体49の上面側に配置された上刃68と、各製品幅の金属帯状体49の下面側に配置された下刃69とを有する。
上刃68と下刃69とが型閉じすることによって、各製品幅の金属帯状体49が移送方向に沿って所定長さに切断され、扁平チューブ用フィン30が製造される。
カットオフ装置60の下流側には、金型46と列間スリット装置58を通過した製品幅の金属帯状体49を保持すると共に製品幅の金属帯状体49の移送方向をガイドし、扁平チューブ用フィン30に形成された後も保持状態を維持する保持装置70と、扁平チューブ用フィン30を板厚方向に積層するスタック装置80が設けられている。
スタック装置80は、複数本のスタックピン81が立設されたベース部82とベース部82を保持体71の下方側位置から保持体71に保持されている製品幅の金属帯状体49および扁平チューブ用フィン30の位置との間で昇降移動する昇降手段を有している。本実施形態においてはサーボモータ84とサーボモータ84の出力軸に連結されたボールネジ85とにより昇降手段を構成している。
具体的には、カットオフ装置60の切断装置66における上刃68および下刃69の位置を製品幅の金属帯状体49が通過する(送り出される)前に、図7(A)に示すように流体シリンダ72が伸長し、一対の保持体71の各々のコの字状部分の開口部によって製品幅の金属帯状体49の幅方向両側端縁および底面を保持可能な位置にセットする。一対の保持体71が製品幅の金属帯状体49の両側端縁と底面を保持するようにセットされると、図7(B)に示すように、送り装置62により製品幅の金属帯状体49が送り出される。製品幅の金属帯状体49は、互いの開口部を対向させた状態で配置された一対の保持体71により形成されたガイド空間74に沿って移送方向がガイドされることになる。
また、上下に隣接する扁平チューブ用フィン30同士は、下側の扁平チューブ用フィン30に形成されたタブ37Aの起立高さにより積層間隔を一定間隔に維持させることができる。起立壁37Bの立設高さはタブ37Aの立設高さ以下であるので、扁平チューブ用フィン30の上下方向の積層間隔に対して何ら影響を与えるものではない。
この制御部100は、図10に示すように、ベース部82に積層された扁平チューブ用フィン30の積層数が増加するに伴って(図中上側から下側に進むにつれて)ベース部82(スタック装置)の上昇ストローク(S1,Sm,Sn)が徐々に少なくなるようにサーボモータ84の駆動を制御している。なお、製品幅の金属帯状体49に対する保持体71が接離動する範囲は常に一定である。
ベース部82から扁平チューブ用フィン30が受け渡し装置に受け渡されると、ベース部82の上昇ストロークが初期値S1になるようにサーボモータ84の駆動量がリセットされる。
多数の切り起こし部37のうちの一部に起立壁37Bのみからなる切り起こし部37を配設しても、扁平チューブ用フィン30の積層時において悪影響を及ぼすことはない。
さらには、カットオフ装置60、保持装置70、スタック装置80の実施形態についても、以上で説明した実施形態の構成とは異なる公知の構成を採用することも可能である。
Claims (7)
- 金属製薄板の幅方向の一方側から他方側に向けて形成された、熱交換用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部と、
前記金属製薄板の一部を切り起こされて形成された切り起こし部と、当該切り起こし部の形成痕である透孔とを有する扁平チューブ用フィンであって、
前記切り起こし部は複数箇所に形成され、
扁平チューブ用フィンの製造完了前の移送方向において、
複数の切り起こし部のうちのいずれか1つ以上には、前記移送方向の下流側部分における起立高さが前記移送方向の上流側部分における起立高さよりも低位な起立壁に形成されていて、当該起立壁が移送用係止部であることを特徴とする扁平チューブ用フィン。 - 前記起立壁は、前記移送方向に垂直方向に起立する形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の扁平チューブ用フィン。
- 前記起立壁は、前記起立壁の上端部位置が前記起立壁の下端部位置よりも前記移送方向の下流側に位置する形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の扁平チューブ用フィン。
- 幅方向の一方側から他方側に向けて形成された、熱交換用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部と、切り起こされて形成された切り起こし部と、当該切り起こし部の形成痕である透孔とを有する扁平チューブ用フィンを製造する製造金型であって、
開閉自在に設けられた第1型および第2型と、
前記第1型または前記第2型のいずれか一方に設けられ、先端部に加工対象である金属製の薄板に前記透孔を穿設するためのバーリング部およびパンチと、
前記パンチの先端部が進入するダイと、を具備し、
前記パンチを前記ダイに進入させた際において前記パンチと前記ダイとの間に形成される隙間寸法は、前記金属製の薄板の板厚寸法より大きいことを特徴とする扁平チューブ用フィンの製造金型。 - 前記移送方向における前記パンチの先端部中心線位置が、前記移送方向における前記ダイの中心線位置よりも前記移送方向の下流側に位置するように配設されていることを特徴とする請求項4記載の扁平チューブ用フィンの製造金型。
- 金属製薄板の幅方向の一方側から他方側に向けて、熱交換用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部と、前記金属製薄板の一部を切り起こされて形成された切り起こし部と、当該切り起こし部の形成痕である透孔とを有する扁平チューブ用フィンを形成する際に、前記金属製薄板に前記切り欠き部および前記切り起こし部とを形成した後に所定長さに切断する前の段階の金属帯状体を所定方向に移送する送り装置であって、
前記金属帯状体を上面に載置可能であって、前記金属帯状体の移送方向に延びるスリットが形成された移送ガイドと、該移送ガイドの下方に設けられ、駆動手段によって前記金属帯状体の移送方向に移動可能な移動体と、前記移送ガイドのスリットから前記金属帯状体の透孔に進入可能に設けられ、前記金属帯状体の透孔に進入した際には、前記移動体の移動に伴って前記金属帯状体を移送方向に牽引する送りピンと、を具備し、
前記金属帯状体は、前記切り起こし部のうち、前記移送方向における下流側に形成された起立壁が前記送りピンと係止することにより前記移送方向に牽引されることを特徴とする金属帯状体の送り装置。 - 前記送りピンの上端面は、
前記移送方向の下流側から上流側に向けて、下方に向けて傾斜する傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項6記載の金属帯状体の送り装置。
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