JP2014030397A - 多孔質フィルターカラム、試薬カートリッジ、および核酸精製キット - Google Patents

多孔質フィルターカラム、試薬カートリッジ、および核酸精製キット Download PDF

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Abstract

【課題】多孔質フィルターをカラム内へ確実に保持しつつ、溶液の浸透性および流体の移動量が高く保持され、溶液の溶出量が安定した多孔質フィルターカラムを提供する。
【解決手段】本発明の多孔質フィルターカラム1は、円筒状の側面部12と、排出口17を有して漏斗状に形成され、側面部と接続される底面部13とを有する外容器と、外容器の内腔を覆うように側面部と底面部との接続部位に配置された多孔質フィルター18と、軸線方向における一方の端面が多孔質フィルターに接触するように外容器内に配置され、多孔質フィルターを外容器内に保持する円筒状の中空部材20とを備え、中空部材20の外径は、側面部の内径と略同一であり、中空部材20の高さは、側面部の高さの2分の1以上であって、側面部の高さ以下であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体のろ過や、液体内の特定物質の抽出などに使用する多孔質フィルターカラム、より詳しくは、多孔質フィルターの保持機構に特徴を有する多孔質フィルターカラム、および当該多孔質フィルターカラムを用いた試薬カートリッジ、および核酸精製キットに関する。
多孔質フィルターは、液体のろ過や液体内に含まれる特定物質の抽出のためのツールとして、研究・工業用途で幅広く利用されている。このような場合、液体を通過させるカラム内で多孔質フィルターを保持しなければならない。通常は、カラム内で二つの部材により多孔質フィルターを挟んで固定する方法等が用いられている。近年、このような多孔質フィルターカラムは、遺伝子工学や遺伝子診療の分野で生体試料の核酸抽出に用いられることもある。
核酸の抽出・回収方法として、BOOM法が知られている。BOOM法は、カオトロピックイオンの存在下で核酸がシリカ表面に吸着することを利用し、カオトロピック試薬と固相シリカなどとを組み合わせた核酸の分離精製法であり、生体試料から溶解された核酸を多孔質のシリカに吸着させ、洗浄液で不純物を洗い流した後、溶出液によりシリカに吸着されている核酸を溶出して回収することで核酸の分離・精製を行なう手法である。この手法を実施するために、多孔質フィルターが底部に保持された有底筒状カラムが利用されており、これらはその底部に廃液用の排出口を有し、ポンプや遠心などの加圧手段により複数の試薬を多孔質フィルターに通過させて最終的に精製された核酸を回収するものである。
ポンプや遠心などの加圧手段を用いて、人の血液から核酸を精製する工程をより具体的に説明すると、(1)血液の溶解 → (2)溶解した血液を多孔質フィルター上部へ移動させ、核酸を吸着させる → (3)多孔質フィルターの洗浄 → (4)多孔質フィルターの乾燥 → (5)多孔質フィルターから核酸の回収、という流れとなる。
上記(2)〜(5)の工程では、いずれも多孔質フィルターに空気層による圧力を掛ける必要がある。ここで、例えば(2)の工程において、液体を通過させるカラム内の多孔質フィルターの保持に不具合があり、多孔質フィルターの端部とカラムとの間に隙間が生じている場合、溶解した血液の一部は多孔質フィルター内を通過することなく、隙間等から流れ出てしまう。
また、(4)の工程において多孔質フィルターの端部とカラムとの間に隙間が生じている場合、空気層による圧力が多孔質フィルター全面に均一に掛からず、空気が隙間等から流れ出てしまい乾燥不十分となる。その結果、(3)の工程で用いた洗浄液に含まれるエタノール等が残留してしまい、多孔質フィルターから核酸を回収した際に、回収した核酸にエタノール等が混入してしまう。このような混入があると、回収した核酸を用いた反応に関する不具合の発生率が高くなる。
核酸抽出用の多孔質フィルターカラムにおいては、円筒状の外容器および多孔質フィルターを保持するための部材共にそのほとんどが樹脂製であり、精密な実験や測定に用いられることから、試料のコンタミネーションを防ぐために一度使用されたものは再度使用せずに捨てることが多い。そのため、円筒状の外容器と多孔質フィルターは一体となって取り扱われ、多孔質フィルターを保持するための部材が用いられる。
多孔質フィルターを保持するための部材としてはOリングが一般的に用いられており、多孔質フィルターが支持された有底筒状のカラムにおいて、Oリングが多孔質フィルターの外周縁部分に設置されているものがある。
しかし、Oリングに覆われるフィルター部分はろ過に利用できないため、ろ過に利用可能なフィルター面積が狭くなり、ろ過効率が低下する。その結果、加圧しても流体の移動量が増加しにくい。また、Oリングとカラムとの間に生じる隙間に溶液が残りやすいため、核酸抽出用途においては多孔質フィルターへの吸着効率・洗浄効率が共に悪く、試料の純度や収量が低下することが問題となっていた。
この問題に対し、特許文献1には、多孔質フィルターとの接触面積が少ないタイプのフィルター保持部材が記載されている。このフィルター保持部材には、底部に排出口を有する有底筒状カラムの内壁面および多孔質フィルターに接触しない中空部が存在し、多孔質フィルターおよびカラムの内壁面を非接触にすることで、一般的なOリングに比べて溶液の浸透性および流体の移動量を極力損なわずに多孔質フィルターを保持することが可能となる。また、脚部により多孔質フィルターが固定され、フィルターの浮き上がり等による位置ずれを防止することができる。
しかし、液体を通過させるカラム内の多孔質フィルターの保持に不具合がある場合、また多孔質フィルターの端部がむき出しの状態であるため、多孔質フィルターの端部に欠け、破れが存在したり、保持の不具合により多孔質フィルターの端部に隙間が生じたりしている場合は、回収される核酸の収量や溶出量が低下してしまうため、改善の余地がある。
国際公開第2011/122066号
本発明は、上記の課題を解決するもので、多孔質フィルターをカラム内へ確実に保持しつつ、溶液の浸透性および流体の移動量が高く保持され、溶液の溶出量が安定した多孔質フィルターカラムを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、溶液の浸透性および流体の移動量が高く保持され、溶液の溶出量が安定した、試薬カートリッジおよび核酸精製キットを提供することである。
本発明の第一の態様は、円筒状の側面部と、排出口を有して漏斗状に形成され、前記側面部と接続される底面部とを有する外容器と、前記外容器の内腔を覆うように前記側面部と前記底面部との接続部位に配置された多孔質フィルターと、軸線方向における一方の端面が前記多孔質フィルターに接触するように前記外容器内に配置され、前記多孔質フィルターを前記外容器内に保持する円筒状の保持部材とを備え、前記保持部材の外径は、前記側面部の内径と略同一であり、前記保持部材の高さは、前記側面部の高さの2分の1以上であって、前記側面部の高さ以下であることを特徴とする多孔質フィルターカラムである。
前記保持部材の厚みは、0.2ミリメートル以上1.5ミリメートル以下であってもよい。
また、前記保持部材の前記端面の面積は、前記多孔質フィルターのろ過面の面積の30パーセント以下であってもよい。
さらに、前記多孔質フィルターが核酸吸着能を有してもよい。
本発明の第二の態様は、被検体から核酸を分離精製するための試薬が収容され、分注チップを用いて前記液体が分注される試薬カートリッジであって、前記被検体を収容する被検体収容部と、前記試薬を収容する試薬収容部と、前記分離精製において発生する廃液を収容する廃液収容部と、本発明の多孔質フィルターカラムとを備えることを特徴とする。
本発明の第三の態様は、本発明の試薬カートリッジと、前記分注チップを複数収容するための分注チップ収容体とを備えることを特徴とする核酸精製キットである。
本発明の多孔質フィルターカラムによれば、多孔質フィルターをカラム内へ確実に保持しつつ、溶液の浸透性および流体の移動量が高く保持され、溶液の溶出量を安定させることができる。
また、本発明の試薬カートリッジおよび核酸精製キットによれば、溶液の浸透性および流体の移動量が高く保持され、溶液の溶出量を安定させることができる。
本発明の一実施形態の試薬カートリッジを示す斜視図である。 本発明の核酸精製キットにおける、試薬カートリッジおよび分注チップラックを示す斜視図である。 (a)は、同試薬カートリッジに収容された多孔質フィルターカラムの上面図であり、(b)は、(a)のX−Y線における断面図である。 同多孔質フィルターカラムの外容器の断面図である。 同外容器の一部を破断して示す斜視図である。 (a)は、同多孔質フィルターカラムの中空部材の底面図であり、(b)は、同中空部材の側面図である。 (a)は、比較例の多孔質フィルターカラムにおける押え部材の底面図、(b)は、同押え部材の側面図、(c)は同押え部材の平面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細を説明する。以下では、本発明に係る多孔質フィルターカラムが収納され、核酸の分離精製に用いられる試薬カートリッジと、分注チップ収容体とを備える核酸精製キットについて説明する。
図1及び図2に示すように、核酸精製キット51は、被検体から核酸を抽出するための試薬などが収容された試薬カートリッジ100と、液体を分注するための分注チップ201が複数収容された分注チップラック(分注チップ収容体)200とを備えている。本実施形態では、分注チップラック200は同形同大の分注チップ201を複数備えており、試薬カートリッジ100に収容された液体は複数の分注チップ201のいずれかによって分注操作あるいは攪拌操作され、分注チップ201によって液体の間で交差汚染が生じないようになっている。また、分注チップラック200は、使用後の分注チップ201を回収するための容器でもあり、分注チップ201の使用終了後は、感染性廃棄物として分注チップ201を分注チップラック200ごと廃棄することができる。
図1は、試薬カートリッジ100を示す斜視図である。試薬カートリッジ100は、略箱状に形成された本体101と、本体101の外面から突出して形成された爪部102とを有している。爪部102は、例えば試薬カートリッジ100が核酸分析装置などにセットされたときに、試薬カートリッジ100が転倒しないように核酸分析装置の一部と係合させるためのものである。
本体101の外面の一部には、使用時に取り外される薄膜状の封止フィルム103が貼り付けられている。封止フィルム103によって本体101の開口は封止されており、本体101の内部に収容された多孔質フィルターカラム1などが本体101から脱落しないように保持している。封止フィルム103は、使用時まで本体101内部に埃などの異物が混入することを防止する機能も有している。
図2は、封止フィルム103を除いた状態の試薬カートリッジ100と分注チップラック200を示す斜視図である。本体101の内部には、生体試料などの被検体が投入されるサンプルウェル(被検体収容部)110と、被検体から核酸を抽出するための試薬などが収容されている試薬ウェル部120と、被検体から核酸を抽出する工程で分離された不要な溶液を廃棄する廃液ウェル(廃液収容部)130と、被検体から抽出された核酸を回収する回収ウェル140と、が一体に形成されている。また、試薬カートリッジ100には、多孔質フィルターカラム1が収容される保持部160が一体に形成されている。
保持部160は、試薬カートリッジ100において多孔質フィルターカラム1が収容される初期位置になっている。保持部160の底部には、液体を吸収する図示していない吸収体を設けることができる。この吸収体は、多孔質フィルターカラム1を保持部160に収容したときに多孔質フィルターカラム1の排出口(後述)側の外面に接触するようになっている。このため、例えば多孔質フィルターカラム1内に洗浄液を供給したときに排出口の外面に洗浄液が付着した場合に、吸収体に洗浄液を吸収させて洗浄液を除去することができる。
試薬ウェル部120は、複数の試薬ウェル(試薬収容部)121、122、123、124、125、126と、オイルウェル(オイル収容部)127と、オイル除去部(液体除去部)128とを有している。また、試薬ウェル部120において、複数の試薬ウェル121、122、123、124、125、126、及びオイルウェル127の開口は、使用時までウェル封止フィルム104によって封止されている。ウェル封止フィルム104は、気体の透過を抑制すると共に、分注チップ201を突き刺すことにより破ることができる構成とすることが好ましく、材料としては、例えば金属製の薄膜や、プラスチックフィルム等を用いることができる。
試薬ウェル121〜126の各々には、細胞膜などの生体物質を溶解する溶解液121A、溶解液121Aで溶解しきれず担体へ目詰まりを起こしている細胞質などの生体物質を溶解する溶解液122A、担体に吸着された核酸以外の不要物を洗い流すための洗浄液123A、124Aと、担体から核酸を溶出させる溶出液125Aと、溶出液中の核酸濃度を調整するための希釈液126Aが個別に収容されている。
オイルウェル127には、例えばPCR反応において反応溶液に重層して用いられる周知のオイル127Aが収容されている。オイル127Aとしては、例えばミネラルオイルやシリコンオイルなどを好適に採用することができる。
図2に示すように、廃液ウェル130は、多孔質フィルターカラム1の外形に対応する凹部を内面に有している。詳細は後述するが、これにより、多孔質フィルターカラム1を廃液ウェル130に差し込んでも転倒せず、かつ排出口が廃液ウェル内の廃液に接しないように支持することができる。
回収ウェル140は、廃棄ウェル130と同様の凹部を内面に有しており、差し込まれた多孔質フィルターカラム1を支持することができる。回収ウェル140の底部は、多孔質フィルターカラム1の担体から溶出液125Aによって溶出された核酸溶液を貯留できる容器形状を有している。
廃液ウェル130と回収ウェル140とは、試薬カートリッジ100内で互いに隣り合うように配置されている。これは、多孔質フィルターカラム1の洗浄を廃液ウェル130において行った後に回収ウェル140に移動させるときの多孔質フィルターカラム1の動線を短くするためである。これにより、試薬カートリッジ100上を通過する多孔質フィルターカラム1が試薬カートリッジ100の他の部位などを汚染する可能性を軽減することができる。
次に、試薬カートリッジ100に収容された、本発明の多孔質フィルターカラム1について説明する。
図3(a)は多孔質フィルターカラムの平面図であり、図3(b)は、図3(a)のX―Y線における断面図である。多孔質フィルターカラム1は、円盤状の多孔質フィルター18と、円盤状の支持部材19と、多孔質フィルター18及び支持部材19を収納する円筒形の外容器10と、多孔質フィルター18を外容器10内に保持する中空部材(保持部材)20とを備えている。
多孔質フィルターカラム1は、外容器10、多孔質フィルター18、支持部材19、および中空部材20を図3(b)のように組み合わせて構成されている。多孔質フィルターカラム1の使用時は、外容器10上部の開口部11より後述の試料溶液や洗浄溶液などの試液類が分注され、次いで加圧エア導入により試液類が多孔質フィルター18に吸着又は通過、ろ過されて、開口部11と反対側の排出口17より排出もしくは別容器へ回収される。
次に、外容器10、多孔質フィルター18及び支持部材19、中空部材20の詳細について説明する。
<外容器10>
図4は外容器10の断面図である。外容器10は全体形状が略円筒形の部材であり、上端側の開口部11と、円筒状の側面部12と、漏斗状に形成されて側面部12に接続された底面部13と、底面部13の中央に突出するように形成されたノズル状の排出口17とを有している。本実施形態では、樹脂を用いて上述の各部を一体成型することにより外容器10が構成されている。開口部11周辺には径方向外側に突出する鍔部16が形成されており、側面部12の外周面には、軸線方向に延びる凸部(突起)15が形成されている。
外容器10の形状は上端の開口部11と下端の排出口17とがいずれも開口して貫通した筒状になっており、上端の開口部11から被検体が溶解された状態の溶解液や洗浄液、溶出液などが供給される。これらの液体は、多孔質フィルター18及び支持部材19を通過して排出口17から排出される。
底面部13は、排出口17に近づくにつれて外径および内径が小さくなる漏斗状に形成されている。底面部13と側面部12との境界付近には支持部材19が外容器10の軸線(以下、単に「軸線」と称することがある。)と略直交するように配置されるため、底面部13の上端は外容器10の軸線と略直交するように形成されている。底面部13の内面は、軸線に対して傾斜しており、開口部11から注入された試料液体が排出口17から排出され易くなっている。排出口17は、平面視において底面部13の中心に形成されている。
底面部13の内面には、支持部材19及び多孔質フィルター18の支持及び変形防止を目的として、リブ状の担持部14が一体に形成されている。担持部14は支持部材19と接触して支持部材19の変形を防いでいる。平坦に保たれた支持部材19により多孔質フィルター18の変形が防止されるため、多孔質フィルター18と底面部13の間に隙間が生じることが防止される。多孔質フィルター18のろ過面となる上面および下面が平坦かつ軸線に対して直交するように支持するために、担持部14の支持部材19と接する面は、軸線に対して直交するように形成されている。
図5は、底面部13とその周囲の担持部14の構造を示すために、外容器10の一部を破断して示す斜視図である。担持部14は、図5(a)に示すように、底面部13の内面上に排出口17を中心として放射状に配置され、それぞれが傾斜した底面部13の内面から突出する板状に形成されている。これにより、多孔質フィルター18の中心部まで支持することができるため、加圧時に多孔質フィルター18の変形が起こりにくい。したがって、強度の低い多孔質フィルターを用いても本発明の多孔質フィルターカラムを構成することができる。
担持部の形状はこれには限られず、例えば、図5(b)に示すように、環状の担持部14Aとしてもよい。この場合、多孔質フィルター18の下面側を覆いにくいため、実質的なろ過面積を広くとることができる。したがって、試料液体の粘度や濃度が高い場合等により、高いろ過効率が必要な場合に適している。
なお、本発明において担持部は必須ではなく、省略されてもよい。
図3(b)に示すように、多孔質フィルター18及び支持部材19は、担持部14に載置されるように外容器10の内側に保持される。円筒形の側面部12の内径は、多孔質フィルター18の外径と同じであることが好ましい。これにより、側面部12と多孔質フィルター18との間に隙間が生じにくくなる。また、側面部12の内面が、上端の開口部11から底面部13に向かって徐々に内径が小さくなるテーパー状に形成され、内径が最小となる底面部13との境界において側面部12の内径と多孔質フィルター18の外径とが一致するようにされてもよい。
外容器10の開口部11の周囲に形成された鍔部16は、核酸試料の洗浄工程と回収工程を行なう際に、多孔質フィルターカラム1を廃液ウェル130や回収ウェル140に移動させるときにチャック等の移動手段が把持する部位である。
外容器10の外周面に形成された突起15は、外容器10を廃液ウェル130や回収ウェル140等に差し込む際に、廃液ウェル130等の内部に進入可能な領域を規定する役割がある。すなわち、廃液ウェル130等に進入できない寸法に突起15を形成することで、例えば外容器10を廃液ウェル130に差し込んだ際に、排出口17の位置を廃液ウェル130内の廃液に接しない高さとすることができる。これにより、例えば廃液ウェル130での洗浄工程においては排出口17の先端や周辺が廃液により汚染されることがなく、その後の回収工程において溶出した試料に廃液が混入する可能性を抑えることができる。
突起15は外容器10と一体となって成型されることが好ましい。また、廃液ウェル130等の内部に進入する領域を調節し、かつ廃液ウェル130等に差し込んだ際に多孔質フィルターカラム1が転倒せずに支持されればその形状に制限はない。したがって、突起15の形状は、板状又は棒状であってもよいし、外容器10の周囲を覆うリング状であってもよい。また、廃液ウェル130等に差し込んだ際の安定性の観点からは、外容器の周方向に複数の突起が形成されることが好ましい。
外容器10を形成する材料としては、試料溶液に用いる溶媒に溶解せず、溶液中の試料や試薬等に影響を与えないものであれば制限はないが、特にポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリルのいずれかを含む樹脂材料を用いれば、良好な可視光透過性を確保することができ、溶液の状態を確認することができる。ポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレンやポリプロピレンとポリエチレンとのランダム共重合体を使用することができる。また、アクリルとしては、ポリメタクリル酸メチル、または、メタクリル酸メチルとその他のメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレンなどのモノマーとの共重合体を使用することができる。また、これらの樹脂材料を使用する場合、チップの耐熱性や強度を確保することもできる。外容器10の作製方法としては、射出成形、真空成形等の各種樹脂成形法や、機械切削などを用いることができる。
<多孔質フィルター18>
多孔質フィルター18は、外容器10の内部において、側面部と底面部とが接続されている両者の境界部に、外容器10の内腔を覆うように配置されている。
多孔質フィルター18としては、生体試料が化学的に吸着するような親水性基を表面に有する材料を用いて、試料溶液が内部に浸透して試料が効率よく吸着する為に表面積の大きい多孔質の膜状に形成したものが好ましい。また、洗浄液による洗浄時には核酸を吸着保持し、回収液による回収時には核酸の吸着力を弱めて離すように構成されている。本発明における多孔質材料として、ガラスウール等の繊維状の材料を重ね合わされたものが用いられてもよい。
多孔質フィルター18の形状としては、外容器10内に水平に設置した際に外容器10との間に隙間が生じないような形状であればよい。本実施形態では、外容器10が円筒形であるため、多孔質フィルター18は、平面視において外容器10の内径と等しい外径をもつ円形である円盤状とされている。また、多孔質フィルター18の膜厚は、親水基の種類や多孔質材料の表面積、吸着させたい試料の種類などにより試料の吸着性が変化するため、フィルターの材質等を考慮して、分析等に必要なだけの試料が吸着できる値に設定すればよい。
また、外容器10内に設置される多孔質フィルター18は、1枚であっても複数枚であってもよい。さらに、複数枚設置する場合、材料が同一であっても、異なっていてもよい。
多孔質フィルター18の材料としては、有機物質の存在下で核酸などの生体物質を吸着することができるものであれば特に限定されないが、親水基を有する材料を多孔質にしたものや、多孔質材料に親水基を導入したものを用いることが好ましい。親水基を有する無機材料としては、シリカ、シリカに親水基を導入したシリカ誘導体、珪藻土、アルミナなどが挙げられる。また、親水基を有する有機材料としては、ポリヒドロキシエチルアクリル酸、ポリヒドロキシエチルメタアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリオキシエチレン、アセチルセルロース、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物、多糖構造を有する有機材料などを用いることができる。
さらに、ガラスやセラミックスなどの親水基を持たない材料の表面に親水基を有する材料をコーティングさせたものであっても良く、コーティングに用いる材料としては、ポリヒドロキシエチルアクリル酸、ポリヒドロキシエチルメタアクリル酸及びそれらの塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びそれらの塩、ポリオキシエチレン、アセチルセルロース、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物等の有機材料のポリマーが好ましい。
本明細書において「親水基」とは、水との相互作用を持つことができる有極性の基を指し、核酸等の生体物質の吸着に関与する全ての基が当てはまる。このような親水基としては、水との相互作用を持つ極性基で核酸を吸着することができるものであればよく、例えば水酸基、カルボキシル基、シアノ基、オキシエチレン基、アミノ基や、親水性をコントロールする目的でこれらの親水基を修飾した基などを挙げることができる。
<支持部材19>
多孔質フィルター18は洗浄・ろ過等の際に加圧手段により加圧されるため、強度の低い多孔質フィルター18を用いる場合、多孔質フィルター18が撓んでしまい、外容器10の内面と多孔質フィルター18との間に溶液が通過する隙間が生じ、この部分からの溶液漏れが起こるおそれがあるが、剛性の高い支持部材19を配置しておくことにより、多孔質フィルター18が撓むことを防ぎ、強度の低い多孔質フィルター18を用いた場合でも好適に加圧することができる。そのため、支持部材19の剛性は多孔質フィルター18よりも高くなっており、多孔質フィルター18が外容器10内で変形することが支持部材19によって抑制されている。
支持部材19は、少なくとも核酸に対する吸着性が低く、かつ被検体から核酸を抽出する反応を阻害しない材料によって形成されていることが好ましい。
支持部材19としては、例えば樹脂の粒を焼結させて作製された、液体が通過できるフィルター状のものを用いることが好ましいが、これに限定されるものではなく、洗浄等に用いる溶媒に溶解せず、溶媒によって剛性が低下せず、試料や試薬等に影響を与える物質が溶出せず、対象とする溶液や不純物等が通過できる孔を有していればよい。支持部材19の作製には外容器10と同様の樹脂材料を用いることができるが、フィルターを通過した液体が滞りなく通過できるよう、多孔質に形成されるものであれば特に限定されるものではない。
<中空部材20>
図6(a)は中空部材20の底面図であり、図6(b)は中空部材20の側面図である。図6(a)および図6(b)に示すように、中空部材20は円筒状の部材である。中空部材20において、底面側の端面20Aは、中空部材20の軸線と直交する平坦な面とされている。
中空部材20は外容器10の内面および多孔質フィルター18のろ過面である上面の周縁部と接触し、外容器10の内壁面と中空部材20の外周面との間に生じる摩擦で外容器10内に支持されることにより、中空部材20の端部で押さえられた多孔質フィルター18の浮き上がりが防止される。上述の支持態様に鑑みると、中空部材20の外径と外容器10の内径とがほぼ同一とされることが望ましい。
多孔質フィルター18のろ過面をできるだけ大きく確保する観点からは、端面20Aの面積は極力小さい方がよく、多孔質フィルター18のろ過面の面積の30%以下とされるのが好ましい。
ただし、多孔質フィルター18の浮き上がりを確実に抑えつつ保持するには、中空部材20に一定の剛性が必要とされるため、中空部材20の厚みtは、0.2mm以上必要であり、0.3mm以上であることが好ましい。
中空部材20の高さ(軸線方向の寸法)hは、外容器10の側面部12の高さの半分以上かつ側面部12の高さ以下とされており、側面部12の高さと同一または側面部12の高さよりわずかに低い値とされるのが好ましい。高さhがこれより小さいと、外容器10との接触面積が小さくなり、多孔質フィルター18を保持するための摩擦力が不十分となる。また。側面部12の高さを超えてしまうと、開口部11から中空部材20が突出するため、核酸精製等における各工程の実行の妨げとなる。
また、核酸を精製する工程において、溶解液、洗浄液等が多孔質フィルターカラム1に分注されるが、最大量が分注された場合でも、液面が外容器10内の中空部材20より高くならないように中空部材20の高さhが設定されるのが好ましい。これは、液面が中空部材20より高くなると、中空部材20の外周面と外容器10の内面との隙間に液体が浸入し、空気層による圧力が掛かり難く、且つ詰まってしまう可能性が高くなるためである。このような事態が生じると、乾燥工程においては乾燥不十分となり、多孔質フィルターの洗浄で用いた洗浄液中のエタノールが残留してしまう。その結果、多孔質フィルターから核酸を回収した際に、回収した核酸にエタノールが混入してしまい、回収した核酸を用いた反応に関する不具合の発生率が高くなる。
中空部材20を形成する材料としては、洗浄等に用いる溶媒に溶解せず、試料や試薬等に影響を与えないものであれば制限はないが、外容器10と同様に、特にポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリルのいずれかを含む樹脂材料を用いることが好ましい。形成方法についても、成型、切削等各種方法が用いられてよい。
外容器10への支持部材19、多孔質フィルター18、中空部材20の挿入方法としては、公知の組み立てロボットや製造方法を用いることができ、外容器10に支持部材19、多孔質フィルター18、中空部材20の順にそれぞれが水平になるよう積層できる方法であれば特に好適に用いることができる。そのため、本発明の多孔質フィルターカラム1は低コストに製造することができる。
以上に説明した構成の、多孔質フィルターカラム1を備えた試薬カートリッジ100及び分注チップラック200からなる核酸精製キット51の使用時の動作について、核酸の分離精製を例にとり多孔質フィルターカラム1の作用を中心に説明する。
まず、ユーザの手作業によって図1に示す試薬カートリッジ100の封止フィルム103が取り外される。続いて、試薬カートリッジ100のサンプルウェル110に例えば全血試料をユーザの手作業によって注入する。
続いて、試薬ウェル121〜126に貯留された各種の試薬を所定の手順に従って自動分析装置の分注搬送機構によって分注、混合する。これにより、サンプルウェル110に供給された全血試料中の細胞は溶解され細胞溶解液が得られる。試薬ウェル121〜126から液体を分注チップ201内に吸引するときには、試薬ウェル121〜126を封止している封止フィルム104を分注チップ201の先端で突き破る。すると、封止フィルム104には貫通孔が形成され、分注チップ201によって試薬ウェル121〜126の内部の各種試薬類を吸引できるようになる。
廃液を集める必要がある為、多孔質フィルターカラム1が廃液ウェル130へ搬送され、細胞が溶解された溶液をサンプルウェル110から多孔質フィルターカラム1に供給される。
廃液ウェル130に形成された凹部の内径は、側面部12の外径より大きいため、多孔質フィルターカラム1の排出口17から突起15まではウェル内に挿入されるが、突起15は廃液ウェル130内に進入できないため、突起15が設けられた部位は廃液ウェル130内に進入せず、排出口17が廃液ウェル内の廃液に接しない高さに支持される。また、当該凹部は多孔質フィルターカラム1の外形と略一致した内面形状とされている。このため廃液ウェル130に多孔質フィルターカラム1が差し込まれた状態では、凹部により多孔質フィルターカラム1が好適に支持されて試薬カートリッジ100内で転倒しないようになっている。
多孔質フィルターカラム1は開口部11から気体を送り込んでカラム内を加圧することで、多孔質フィルター18を液体が通過する速度を高めることができる。すると、細胞が溶解された溶液は多孔質フィルター18を通過して、核酸は多孔質フィルター18に吸着される。その後、前記溶解液121Aで溶解しきれず担体へ目詰まりを起こしている細胞質などの生体物質を溶解する溶解液122Aで多孔質フィルター18を洗浄する。
次に、洗浄液123A、124Aを多孔質フィルター18に供給して多孔質フィルター18を洗浄液123A、124Aによって洗浄する。その後、多孔質フィルターカラム1を回収ウェル140へ搬送し、溶出液125Aを多孔質フィルター18に供給する。これにより、多孔質フィルター18に吸着されていた核酸を溶出液125A中に溶出させて、核酸を含有する核酸溶液を回収ウェル140に回収する。
その後、希釈液126Aと回収された核酸が回収された溶出液125Aとを混ぜ合わせると、サンプルの準備が完了する。以上で多孔質フィルターカラム1を備える核酸精製キット51による核酸の分離精製は終了する。
多孔質フィルターカラム1に気体を送り込んで加圧する際に、多孔質フィルター18の保持が不十分であると、多孔質フィルター18の端部が浮き上がる等の不具合が生じる。
端部が浮き上がると、外容器10との内面と多孔質フィルター18との間に隙間が生じ、この隙間から気体や液体が逃げてしまうため、回収される核酸の収量や溶出量が低下するという問題があった。
これに対し、高さの低い円環状のワッシャや、周方向に等間隔で配置された保持部を有する部材を用いて多孔質フィルターを抑えることが提案されているが、浮き上がりを確実に防止するには至っていなかった。
本実施形態の多孔質フィルターカラム1では、円筒状の中空部材20を用いて多孔質フィルター18を外容器10内に保持している。中空部材20の外径は外容器10の内径とほぼ同一であり、かつ高さが外容器10の側面部の2分の1以上とされているため、中空部材20と外容器10との間に充分な摩擦力を発生させることができ、多孔質フィルターを確実に保持して浮き上がりを好適に防止することができる。
また、中空部材20は円筒状に形成され、平坦な端面が多孔質フィルター18と接触するように外容器10内に配置される。これにより、円盤状の多孔質フィルター18の周縁部を全周にわたって支持部材19との間に挟み込んで支持することができる。さらに、Oリング等を用いた従来の保持方法では、多孔質フィルターとOリングとが線接触するために、接触部位と外容器の内面との間に微小な隙間が生じて回収される核酸の収量や溶出量が低下する一因となっていたが、中空部材20においては、円筒状の形状により、端面が平坦であり、かつ外周面と直交するため、このような隙間が生じない。その結果、空気層による加圧時に多孔質フィルター18のろ過面全面に均一に圧をかけることができ、回収される核酸の収量や溶出量を安定させることができる。
次に、本発明の多孔質フィルターカラムについて実施例を用いてさらに説明するが、本発明は、実施例の具体的内容に限定されるものではない。
[実施例]
<1>多孔質フィルターカラム1の作製
外容器10は側面部12の内径13mm、側面部12の高さ14.66mmのポリプロピレン成形品とした。中空部材20はポリプロピレンで成形し、外径13.1mm、内径12.5mm(厚さ0.3mm)、高さ12.3mmとした。支持部材19にはポリプロピレンの粒を焼結させて作製した直径13mm、厚み1mmの硬質フィルターを使用した。多孔質フィルター18には直径13mm、平均孔径0.8μm、厚み740μmのグラスファイバーフィルターを用いた。
外容器10の開口部11から、支持部材19、多孔質フィルター18を順に挿入して側面部12と底面部13との境界付近に配置し、その後開口部11から中空部材20を挿入し、中空部材20の端面で多孔質フィルター18の周縁を押さえつけるように中空部材20を外容器10内に配置することにより、多孔質フィルターカラムを製造した。
<全血からの核酸抽出>
本実施例の多孔質フィルターカラムを用いて全血からの核酸抽出を行い、比較例と比較した。比較例の構成および核酸注出の手順について以下に示す。
[比較例]
上記中空部材20に代えて、図7に示すポリプロピレンで成形した押え部材30を用いた。円環部31の寸法は、外径11.9mm、内径10.7mm(厚さ0.6mm)、高さ1mmとした。脚部32は円環部31の周方向において等間隔に3つ設けられており、円環部31の径方向外側に0.6mm突出させ、高さは2mmとした。中空部材20に代えて押え部材30を用いた点以外は、実施例と同様にして、多孔質フィルターカラムを作製した。
<2>溶解液および洗浄液の調製
溶解液(4Mのグアニジン塩酸塩、10v/v%のTritonX−100、50mMのTris−HCl、10mMのEDTAを含む)および洗浄液(3mMのTris−HCl、0.3mMのEDTA、30mMのNaCl、70v/v%のエタノールを含む)を調製した。
<3>核酸抽出操作
全血100μLと<2>で調製した溶解液500μLを55℃で2分間混合・攪拌し、実施例及び比較例の多孔質フィルターカラムの開口部より分注して多孔質フィルターに接触させ、1分間インキュベートした。次に、ポンプによる加圧エアを導入し、全血溶解液を排出した。
以下、溶解液600μL、<2>で調製した洗浄液650μLに関しても同様に分注と排出操作を行った(洗浄液は2回繰り返し)。最後に55℃に加温した回収液(純水)350μLを分注して核酸を溶出し、その溶出量を測定した。実施例では核酸抽出操作を15回繰り返し、比較例では9回繰り返した。
次に、実施例の測定結果を表1に、比較例の測定結果を表2にそれぞれ示す。
Figure 2014030397
Figure 2014030397
表1および表2に示すように、比較例では、核酸の溶出した溶出液の量が被検体の量の2倍に満たない例が散見されたのに対し、実施例では全てのサンプルで溶出液の量が被検体の量の2倍以上であり、充分な量の溶出液が得られた。また、表3および表4に示すように、実施例(表3)と比較例(表4)との間で溶出液におけるDNAの濃度に大きな差は見られなかった。
以上より、本実施例の多孔質フィルターカラムは、カラム内に多孔質フィルターを確実に保持しつつ、溶液の浸透性および流体の移動量、更に溶出液の量に関してもフィルター本来の性能を極力損なわないことが示された。
Figure 2014030397
Figure 2014030397
参考として、上記実施例と同一条件で、中空部材20の厚みのみを変えて得られる溶出液の量を検討した結果を表5に示す。
Figure 2014030397
表5に示すように、中空部材の厚みを1.5mmまで増しても、得られる溶出量が大きく減少することはないことが確認された。
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各実施形態に種々の変更を加えたものを含む。つまり、各実施形態で挙げた具体的な材料や構成などは一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、外容器の内面および中空部材の外周面の少なくとも一方に、ローレットを形成したり、表面荒らしの処理を施したりすることにより、外容器と中空部材との間に生じる摩擦力を高めてもよい。
1 多孔質フィルターカラム
10 外容器
11 開口部
12 側面部
13 底面部
14 担持部
15 突起
16 鍔部
17 排出口
18 多孔質フィルター
19 支持部材
20 中空部材(保持部材)
20A 端面
51 核酸精製キット
100 試薬カートリッジ
110 サンプルウェル(被検体収容部)
121、122、123、124、125、126 試薬ウェル(試薬収容部)
130 廃液ウェル(廃液収容部)
200 分注チップラック
201 分注チップ

Claims (6)

  1. 円筒状の側面部と、排出口を有して漏斗状に形成され、前記側面部と接続される底面部とを有する外容器と、
    前記外容器の内腔を覆うように前記側面部と前記底面部との接続部位に配置された多孔質フィルターと、
    軸線方向における一方の端面が前記多孔質フィルターに接触するように前記外容器内に配置され、前記多孔質フィルターを前記外容器内に保持する円筒状の保持部材と、
    を備え、
    前記保持部材の外径は、前記側面部の内径と略同一であり、
    前記保持部材の高さは、前記側面部の高さの2分の1以上であって、前記側面部の高さ以下であることを特徴とする多孔質フィルターカラム。
  2. 前記保持部材の厚みが0.2ミリメートル以上1.5ミリメートル以下であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質フィルターカラム。
  3. 前記保持部材の前記端面の面積は、前記多孔質フィルターのろ過面の面積の30パーセント以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質フィルターカラム。
  4. 前記多孔質フィルターが核酸吸着能を有することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の多孔質フィルターカラム。
  5. 被検体から核酸を分離精製するための試薬が収容され、分注チップを用いて前記液体が分注される試薬カートリッジであって、
    前記被検体を収容する被検体収容部と、
    前記試薬を収容する試薬収容部と、
    前記分離精製において発生する廃液を収容する廃液収容部と、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の多孔質フィルターカラムと、
    を備えることを特徴とする試薬カートリッジ。
  6. 請求項5に記載の試薬カートリッジと、
    前記分注チップを複数収容するための分注チップ収容体と、
    を備えることを特徴とする核酸精製キット。
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