JP2007252337A - 抽出カートリッジの加圧装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】抽出カートリッジのフィルタを振動させてフィルタの目詰まりを防止する。
【解決手段】抽出カートリッジの加圧装置は、エアノズル15Aと、このエアノズル15Aを抽出カートリッジ2の注入口2eに向けて付勢するバネ45と、エアノズル15Aに加圧エアを供給するピストン式のエアポンプとを有する。バネ45は、抽出カートリッジ2の圧力が所定値を超えたときに、エアノズルが注入口2eから離れるように、付勢力が設定されている。これにより抽出カートリッジ2内の加圧エアの圧力が脈動する。
【選択図】図12

Description

本発明は、フィルタ部材を有する抽出カートリッジに特定物質を含む液を注入し、加圧エアによって液をフィルタ部材に通過させて、このフィルタ部材に特定物質を付着させる抽出カートリッジの加圧装置に関する。
核酸を抽出する核酸抽出法としては、磁気ビーズを用いたもの、フィルタを用いたものなどが知られている。フィルタを用いた核酸抽出法は、磁気ビーズを用いた核酸抽出法に比べて、高純度、高収量で核酸を抽出することができるという利点を有している。
フィルタを用いた核酸抽出法は、核酸を含む試料液を注入してフィルタを通過させて核酸をフィルタに吸着させた後、回収液を注入してフィルタを通過させることで核酸とフィルタとを分離し、回収液とともに核酸を回収するものである。液に圧力をかけてフィルタを通過させる方式としては、遠心機を用いる方式、減圧を利用する方式、加圧を利用する方式などが知られている。
遠心機を用いた方式では、装置が非常に大きくなるとともに装置の操作が複雑になるという問題が生じる。また、減圧を利用する方式では、最大でも1気圧の圧力をかけられるだけであり、抽出処理に時間がかかるという問題が生じる。一方、加圧を利用する方式では、装置が上記した遠心機を用いた装置ほどは大きくならない上、任意の大きさの圧力をかけられることから抽出処理を比較的短時間で済ませることができる。このため、本出願人は、加圧を利用して液に圧力をかけてフィルタを通過させる核酸抽出法を提案している。なお、本出願人は、フィルタとして、従来のガラス繊維フィルタに比べて極めて薄く形成されるとともに高い核酸吸着性と容易な脱着性を有する多孔質メンブレンフィルタを用いることを提案している。
加圧を利用して液に圧力をかける核酸抽出法は、抽出カートリッジの加圧装置によって実現される(例えば特許文献1参照)。この加圧装置では、エアノズルから供給される加圧エアによって試料液がフィルタを通過するときに、フィルタに目詰まりが生じることがあり、この目詰まりによって試料液がフィルタを通過できなくなるという問題があった。そこで、フィルタの目詰まりを防止するために、このフィルタを振動させる技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2005−95160号公報 特表平11−508488号公報
しかしながら、従来におけるフィルタを振動させる技術では、装置が大型化するとともに、装置が高価になるという問題があった。本出願人は、一部の処理を手動で行う抽出カートリッジの加圧装置を開発しており、この加圧装置は小型且つ安価であることを特徴としていることから、フィルタを振動させるための機構も簡易なものであることが好ましい。
本発明は、抽出カートリッジのフィルタを振動させてフィルタの目詰まりを防止することができる小型且つ安価な抽出カートリッジの加圧装置を提供することを目的とする。
本発明は、注入口から注入された液に含まれる特定物質をフィルタ部材に付着させる抽出カートリッジに加圧エアを供給する抽出カートリッジの加圧装置に関し、前記加圧エアの圧力を脈動させて前記加圧エアを前記注入口に供給し、前記フィルタ部材を振動させる加圧エア供給手段を備えることを特徴とする。前記抽出カートリッジの注入口から注入される液が、核酸が含まれる試料液である場合に、本発明が好適に用いられる。
前記加圧エア供給手段は、前記注入口に密着し前記加圧エアを前記抽出カートリッジに供給するエアノズルと、前記エアノズルを前記注入口に向けて付勢し、前記抽出カートリッジ内の加圧エアの圧力が所定値を超えたときに前記エアノズルが前記注入口から離れるように付勢力が調整された弾性部材とを有することが好ましい。エアポンプには往復運動によって加圧エアを発生させるものを用いることが好ましい。エアポンプが往復運動を繰り返すと、加圧エアの圧力は周期的に段階的に上昇してゆき、やがて所定値を超える。加圧エアの圧力が所定値を超えると、エアノズルが注入口から離れて加圧エアが外部に逃げ、抽出カートリッジの加圧エアの圧力は低下する。この後、エアノズルが再び注入口に密着する。これらの動作が繰り返されると、抽出カートリッジの圧力は脈動し、これによりフィルタが上下に振動する。
前記弾性部材によって付勢された状態で前記エアノズルを保持する加圧ヘッドと、前記エアノズルが前記注入口に密着することが可能であるエア供給位置、及び前記エアノズルが前記注入口から離れる退避位置の間で前記加圧ヘッドを変位させるヘッド変位機構とを備えることが好ましい。前記ヘッド変位機構は、前記加圧ヘッドを前記エア供給位置または前記退避位置に選択的に位置させるカムと、このカムを回動する操作部とを有することが好ましい。
本発明の抽出カートリッジの加圧装置によれば、簡素な構成で抽出カートリッジのフィルタを振動させてフィルタの目詰まりを防止することができる。加圧抽出処理は確実に且つ迅速に行うことができ、抽出カートリッジに注入する検体には種々のものを用いることができる。
本発明の抽出カートリッジの加圧装置を説明する前に核酸抽出処理について説明する。核酸抽出処理は図1(A)〜(G)に示す手順で行われる。まず図1(A)に示すように、抽出カートリッジ2に核酸を含む試料液Sを注入する。次に(B)に示すように、廃液容器3上の抽出カートリッジ2に加圧エアを導入して加圧し、フィルタ2aを通して試料液Sを通過させ、このフィルタ2aに核酸を吸着させる。フィルタ2aを通過した液状成分は廃液容器3に排出される。
次に、(C)に示すように、抽出カートリッジ2に洗浄液Wを注入する。次いで、(D)に示すように、抽出カートリッジ2に加圧エアを導入して加圧し、フィルタ2aに核酸を保持したままその他の不純物の洗浄除去を行う。フィルタ2aを通過した洗浄液Wは廃液容器3に排出される。洗浄液注入動作及び洗浄動作は複数回繰り返してもよい。
次に、(E)に示すように、抽出カートリッジ2の下方の廃液容器3を回収容器4に交換する。次いで、(F)に示すように、抽出カートリッジ2に回収液Rを注入する。最後に、(G)に示すように、抽出カートリッジ2に加圧エアを導入して加圧し、フィルタ2aと核酸の結合力を弱め、吸着されている核酸を離脱させて、核酸を含む回収液Rを回収容器4に回収する。
抽出カートリッジ2のフィルタ2aは、基本的には核酸が通過可能な多孔性であり、その表面は試料液S中の核酸を化学的結合力で吸着する特性を有し、洗浄液Wによる洗浄時にはその吸着を保持し、回収液Rによる回収時に核酸の吸着力を弱めて離すように構成されている。その一例の具体的構成は、特開2003−128691号の核酸の分離精製方法に詳述されているように、例えば、フィルタ2aは表面に水酸基を有する有機高分子で構成されている。表面に水酸基を有する有機高分子としては、アセチルセルロースの表面鹸化物が好ましい。アセチルセルロースとしては、モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースのいずれでもよいが、特にはトリアセチルセルロースが好ましい。
「核酸を含む試料液S」は、細胞またはウイルスを含む試料に前処理を施した状態のものである。前処理とは、試料を溶解処理することにより核酸を液中に分散させた溶液に水溶性有機溶媒を添加する処理のことである。例えば診断分野においては、試料として採取された全血、血漿、血清、尿、便、精液、唾液等の体液、あるいは植物(またはその一部)、動物(またはその一部)など、あるいはそれらの溶解物およびホモジネートなどの生物材料から調製された溶液が対象となる。「溶解処理」は、細胞膜および核膜を溶解して核酸を可溶化する試薬(例えば、グアニジン塩、界面活性剤又はタンパク質分解酵素)を含む水溶液で処理するもので、例えば、対象となる試料が全血の場合、フィルタ2aへの非特異吸着および目詰まりを防ぐために赤血球および各種タンパク質を分解、低分子化し、抽出の対象である核酸を可溶化させるために白血球および核膜の溶解を行う。「水溶性有機溶媒」としてはエタノール、イソプロパノールまたはプロパノールなどが挙げられ、中でもエタノールが好ましい。水溶性有機溶媒の濃度は好ましくは5〜90重量%であり、さらに好ましくは15〜50重量%である。エタノールの添加濃度は、凝集物を生じない程度でできるだけ高くすることが特に好ましい。
「洗浄液W」は、核酸と一緒にフィルタ2aに付着した試料液S中の不純物を洗い流す機能、つまり核酸の吸着をそのままにして不純物を離脱させる機能を有し、主剤と緩衝剤、および必要に応じて界面活性剤を含む水溶液からなる。主剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−イソプロパノール、ブタノール、アセトン等の約10〜100重量%(好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは30〜80重量%)の水溶液が挙げられる。
「回収液R」は、塩濃度が低いことが好ましく、特には0.5M以下の塩濃度の溶液、例えば、精製蒸留水、TEバッファ等が使用される。
図2に示すように、加圧装置10は、基台11と、この基台11に対して取り外し可能な載置トレイ(ラック挿入台)12と、基台11の両側面に取り付けられた側板13と、この側板13に設けられた軸14を中心に揺動自在であって8個のエアノズル15A〜15Hを保持する加圧ヘッド16と、手動で操作されて加圧ヘッド16を変位させるヘッド変位機構17とから構成される。この加圧装置10には、抽出カートリッジ2、廃液容器3、及び回収容器4を保持するラック18が着脱自在である。以下では、XYZ座標系を用いて説明を行うが、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の替わりに、それぞれ前後方向、横方向、上下方向を用いて説明を行う場合もある。
以下では、まず、抽出カートリッジ2について説明する。図3に示すように、抽出カートリッジ2は、筒状本体2bと、この筒状本体2bの底部に保持されたフィルタ2aと、筒状本体2bの下端中心部に細管ノズル状に突出形成された吐出部2cと、筒状本体2bの側部に設けられた2つの突部2dとから構成される。筒状本体2bの上面には各液の注入口2eが形成され、吐出部2cの下面には排出口2fが形成されている。
次に、ラック18について説明する。図4に示すように、ラック18は、抽出カートリッジ2を保持するカートリッジホルダ19と、廃液容器3及び回収容器4を保持する容器ホルダ20とから構成される。
カートリッジホルダ19は、プレート材を接合した2分割構造であって、柱状に形成され、Y軸方向に延びている。カートリッジホルダ19の両端部には、Z軸マイナス方向に延びる2本の支持脚25が設けられている。カートリッジホルダ19の上面には、抽出カートリッジ2を保持するカートリッジ保持孔19aが、Y軸方向に並べて形成されている。カートリッジ保持孔19aは、Z軸方向に延びており、所定ピッチで8つ形成されている。カートリッジ保持孔19aには溝19bが形成されており、この溝19bに抽出カートリッジ2の突部2dを係合させて、抽出カートリッジ2が挿入される。
カートリッジホルダ19の内部には、図示しない係止プレートがY軸方向に移動自在に設けられている。抽出カートリッジ2をカートリッジ保持孔19aに挿入すると、突部2dが係止プレートに引っ掛かり、抽出カートリッジ2が保持される。カートリッジホルダ19の前面に設けられたボタン22を押圧すると係止プレートがスライド移動し、係止プレートに形成された溝が溝19bに重なり合うことにより、抽出カートリッジ2の保持が解除され抽出カートリッジ2は落下する。手を汚さずに、使用後のカートリッジを廃棄することができる。また、抽出カートリッジ2を上方に取り出すことなく落下させて廃棄することから、抽出カートリッジ2の先端部がカートリッジホルダ19に接触することがないため、カートリッジホルダ19が汚れることがなくコンタミネーションを防止することができる。
容器ホルダ20は、直方体状に形成されており、前面に取っ手21が設けられている。容器ホルダ20の上面前部には、廃液容器3を保持する廃液容器保持溝20aがY軸方向に並べて形成されている。また、容器ホルダ20の上面後部には、回収容器4を保持する回収容器保持溝20bがY軸方向に並べて形成されている。廃液容器保持溝20a及び回収容器保持溝20bは、それぞれ所定ピッチで8つ形成されている。容器ホルダ20の前面には、廃液容器保持溝20aまで貫通するスリット20cが形成されている。廃液容器3は透明な樹脂により形成されており、スリット20cを通して廃液容器3を目視することにより、廃液容器3がその時点で収容している収容量を確認することができる。
容器ホルダ20のY軸方向における側面前部には、カートリッジホルダ19の支持脚25が載置される載置溝28が形成されており、側面後部には載置溝29が形成されている。カートリッジホルダ19は、支持脚25を載置溝28に載置する第1取付位置と、支持脚25を載置溝29に載置する第2取付位置とのいずれかに選択的に取り付けることができる。カートリッジホルダ19を第1取付位置に取り付けたとき、抽出カートリッジ2の吐出部2cが廃液容器3に挿入され、一方、カートリッジホルダ19を第2取付位置に取り付けたとき、抽出カートリッジ2の吐出部2cが回収容器4に挿入される。
図2に示すように、カートリッジホルダ19が取り付けられたラック18は、載置トレイ(ラック挿入台)12に一旦載置した後に、X軸マイナス方向にスライド移動させることにより、加圧装置10に装着する。載置トレイ12の載置部のY軸方向の幅は、ラック18のY軸方向の幅とほぼ同じサイズである。加圧装置10にはY軸方向に延びる突き当てブロック26が設けられている。ラック18をX軸マイナス方向にスライド移動させると、ラック18の突き当て面27が突き当てブロック26に突き当たり、ラック18が位置決めされる。ラック18は、保持する複数の抽出カートリッジ2がそれぞれエアノズル15A〜15Hの直下に位置するところに位置決めされる。
ここで、ラック18の突き当て面27はカートリッジホルダ19の後面であることから、カートリッジホルダ19が上述した第1取付位置と第2取付位置のいずれに取り付けられている場合であっても、保持する複数の抽出カートリッジ2を、それぞれエアノズル15A〜15Hの直下に位置させることができる。載置トレイ12と突き当てブロック26とによってラック保持部が構成されている。また、載置トレイ12の上面には、「WASH」と印されている。核酸回収動作時において、カートリッジホルダ19を第2取付位置に取り付けずに、誤って第1取付位置に取り付けたままラック18を加圧装置10に装着したときに、「WASH」の文字を露呈させることにより、操作者に間違った操作が行われていることを気づかせることができる。載置トレイ12の上面には、文字の替わりに図柄等を印してもよい。
詳細は後述するが、軸14は、加圧ヘッド16の揺動中心となる回転軸として用いられるのに加え、加圧ヘッド16のエアポンプを駆動するための駆動軸としても用いられている。軸14は断面が正8角形である。軸14は、原則としてモータ82(図9参照)によって回転するが、軸14に着脱自在に接続される手動式のハンドル(操作部材)23によって回転させることも可能である。ハンドル23は、軸14に嵌合する嵌合溝23aを有している。なお、ハンドル23は、ギア等を介して軸14に接続してもよい。モータ82及びハンドル23が、軸14を回転させる駆動源になる。
以下では、加圧ヘッド16及びヘッド変位機構17について説明する。加圧ヘッド16は、図5に示す8機のエア供給ユニット30A〜30Hを有している。エア供給ユニット30A〜30Hは、軸14に沿って並べられており、互いには固定されておらず、軸14を介して連結している。エア供給ユニット30A〜30Hは、それぞれ、エアポンプ31A〜31Hと、これらのエアポンプ31A〜31Hの前部に接続されたチェックバルブ(蓄積部)32A〜32Hと、これらのチェックバルブ32A〜32Hの下部に接続されたエアノズル15A〜15Hとから構成される。
図6に示すように、加圧ヘッド16は、エア供給ユニット30A〜30H(図5参照)と、これらのエア供給ユニット30A〜30Hを保持するヘッド基部66と、軸14とから構成される。図示していないが、ヘッド基部66は、軸受けを介して軸14に支持されており、この軸14を中心にして回転自在である。
ヘッド変位機構17は、引っ張りバネ62と、加圧装置10の側板13(図2参照)に設けられた回転軸63と、この回転軸63に固定されたカム64と、この回転軸63の両端部に固定された把持部(操作部)65(図2参照)とから構成される。
引っ張りバネ62の上端部62aは側板13に取り付けられており、下端部62bは加圧ヘッド16のヘッド基部66に取り付けられている。この引っ張りバネ62により、加圧ヘッド16は軸14を中心にして図6中時計回りに付勢され、カム64に押し付けられる。
図2に示す把持部65は操作者に把持され操作される部位であり、把持部65を操作することにより、回転軸63を介してカム64が回転する。図6に示すように、カム64は、第1接触面64a及び第2接触面64bを有する。カム64は、第1接触面64aがヘッド基部66の上面66aに接触する図中実線で示す第1位置と、第2接触面64bが上面66aに接触する図中二点鎖線で示す第2位置との間で回動する。カム64が第1位置にあるときの加圧ヘッド16の位置を退避位置と称し、カム64が第2位置にあるときの加圧ヘッド16の位置をエア供給位置と称する。カム64の回転によって、加圧ヘッド16は軸14を中心として揺動する。
以下では、エア供給ユニットの各部について詳細に説明する。エア供給ユニット30A〜30Hの代表としてエア供給ユニット30Aを用いて説明するが、他のエア供給ユニット30B〜30Hも同様の構成である。ただし、後述するように、エアポンプ31A〜31Hの位相はそれぞれ異なる。
エアポンプ31Aは、シリンダ33と、このシリンダ33内を摺動するピストン34と、このピストン34を保持するロッド35と、このロッド35を保持するロッド保持部36と、軸14に取り付けられた偏心カム37とから構成される。
シリンダ33の上部には吸気口33aが形成されており、この吸気口33aから新たなエアがシリンダ33内に供給される。ピストン34にはピストンパッキン38が取り付けられている。ロッド保持部36は、XZ平面に沿う基板36aを有しており、この基板36aにはX軸方向に延びる開口であるガイド部36bが形成されている。このガイド部36bには、偏心カム37の軸部37aが係合している。軸部37aは、偏心カム37の端面からY軸方向に少しだけ突出しており、この突出した部位がガイド部36bに係合している。軸部37aには、正8角形の貫通穴37bが形成されている。また、基板36aには、Y軸方向に延びる断面楕円の筒状部36cが形成されており、この筒状部36cの内面に偏心カム37のカム面が接する。軸14を介して偏心カム37が回転すると、ピストン34がX軸方向で往復運動する。エアポンプによって生成される加圧エアの圧力は特に限定されないが、170kPa〜220kPa程度であることが好ましい。
チェックバルブ32Aは、シリンダ33の前面に取り付けられている。チェックバルブ32Aは、ボール39と、このボール39をシリンダ33のエア流出口33bに押し付けて塞ぐ圧縮バネ40とを有している。ボール39が接触する接触領域には、Oリングが取り付けられている。このチェックバルブ32Aによって、加圧エアの逆流を防ぐことができる。エアポンプ31Aが往復運動を行うと、チェックバルブ32Aの内部に加圧エアが蓄積されてゆく。
チェックバルブ32Aの前部には、Z軸プラス方向に突出する円柱状の第1突部41と、X軸プラス方向に突出する角柱状の第2突部42とが形成されている。ヘッド基部66の上面には、Z軸方向に貫通する第1ガイド孔43が形成されており、この第1ガイド孔43はY軸方向の幅が第1突部41の径とほぼ同じでX方向の幅が第1突部41の径よりも大きくなっている。また、ヘッド基部66の前部に固定された前板46には、X軸方向に貫通する第2ガイド孔44が形成されており、この第2ガイド孔44はY軸方向の幅が第2突部42の幅とほぼ同じでZ軸方向の幅が第2突部42の幅よりも大きくなっている。
エア供給ユニット30Aをヘッド基部66に組み付ける際には、第1突部41を第1ガイド孔43に挿入し、かつ第2突部42を第2ガイド孔44に挿入した状態にする。第1突部41には、コイルバネ45を巻き付け、このコイルバネ45の上端部45aをヘッド基部66の内面に固定し、コイルバネ45の下端部45bをチェックバルブ32Aの上面に固定する。エア供給ユニット30Aは、ヘッド基部66に対して前部が下方に付勢されるとともに、ヘッド基部66に対して少しの移動が可能になる。
チェックバルブ32Aの下面にはエアノズル15Aが取り付けられている。エアノズル15Aは円筒状に形成されている。エアノズル15Aの外周面には、径方向に深さをもつように溝50が形成されている。この溝50にはOリング51が嵌め込まれている。溝50は深くなるにしたがって溝幅(Z軸方向における幅)が大きくなっている。これにより、加圧時にはOリング51に径の内方へ向かう力が働くため、Oリング51の密閉性を高く保つことができる。エアノズル15Aの下端部は、この下端部の外径が抽出カートリッジ2の内径とほぼ同じになるように形成され、角部に面取りが施されている。
カム64が図中二点鎖線で示す第2位置に移動すると、加圧ヘッド16はエア供給位置に移動し、エアノズル15Aは抽出カートリッジ2の注入口2eに接触する。エアノズル15Aにはコイルバネ45の弾性による押下力がZ軸マイナス方向に働き、この押下力によってエアノズル15Aは抽出カートリッジ2の注入口2eに押し付けられ密着する。詳細については後述するが、エアポンプ31Aが駆動して生成された加圧エアは、チェックバルブ32A、エアノズル15A、及び抽出カートリッジ2に供給され、これらの内部の圧力を上昇させる。エアノズル15Aには加圧エアによる押上力がZ軸プラス方向に働く。
ここで、コイルバネ45の弾性による押下力をF1と定義し、加圧エアによる押上力をF2と定義する(図12参照)。押上力F2は加圧エアの圧力に応じて大きさが変化する力である。押下力F1≧押上力F2であるとき、エアノズル15Aは抽出カートリッジ2の注入口2eに密着する。一方、押下力F1<押上力F2であるとき、エアノズル15Aは抽出カートリッジ2の注入口2eから離れる。コイルバネ45は、抽出カートリッジ2の圧力が所定値(本実施形態では所定値は170kPa)であるときに、押下力F1=押上力F2となるように弾性が設定されている。
以下では、エアポンプの位相差(偏心カムの位相差)について説明する。エアポンプの位相の設定を行う場合には、エアポンプの位相を所定角度(本実施形態では「360度/エアポンプ数」の1倍に設定)刻みで分散させるとともに、列方向で隣り合うエアポンプ同士の位相差が所定角度の2以上の整数倍、つまり「360度/エアポンプ数」の2以上の整数倍になるようにして設定を行う。
図5に示す8機のエアポンプ31A〜31Hにおいては、エアポンプの位相を45度刻みで分散させるとともに、隣り合うエアポンプ同士の位相差が45度の3倍、つまり135度になるようにして、各エアポンプの位相を設定する。図6に示すように、偏心カム37の軸部37aを軸14に嵌合させることにより偏心カム37を組み付けることができるが、このときに各偏心カム37のY軸回りでの姿勢を変えることにより、エアポンプ31A〜31Hの位相を45度刻みでずらすことができる。
図7に示すように、各エアポンプの位相を45度刻みで分散させると、各エアポンプの位相は、それぞれ、0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度、315度になる。エアポンプ31Aを基準の0度として、Y軸プラス側に配置されたエアポンプの位相が135度ずつ進むように順に設定してゆく。以下では、「エアポンプ[位相]」という表現形式を用いて説明する。エアポンプ31A[0度]であるとき、エアポンプ31B[135度]、エアポンプ31C[270度]、エアポンプ31D[45度]、エアポンプ31E[180度]、エアポンプ31F[315度]、エアポンプ31G[90度]、エアポンプ31H[225度]である。ここで、エアポンプの位相においては360度と0度とは同じ意であることから、算出の途中で360度(1周)を超えた場合には、算出した値から360度を差し引いて算出を継続する。図8は、エアポンプ31Bの要部断面図であり、図中実線で示すエアポンプ31Bの偏心カムは、図中2点鎖線で示すエアポンプ31Aの偏心カムに対して位相が135度進んでいる(図中反時計回りが正)。
エアポンプ31A〜31Hの位相を上記のように設定することにより、セットされる抽出カートリッジ2が一部だけ(一般的に、抽出カートリッジ2はY軸マイナス側から順にセットされる)であっても、共通の軸14を回転させるモータ82にかかる負荷が時間的に分散される。例えば、Y軸マイナス側から順に3個の抽出カートリッジ2がセットされている場合には、エアポンプ31A〜31Cに負荷がかかり、一方、エアポンプ31D〜31Hにはほぼ負荷がかからない。しかし、このように連続した一部のエアポンプ31A〜31Cだけに負荷がかかる場合であっても、負荷がかかるエアポンプ31A〜31Cの位相は適当に分散されており(エアポンプ31Aを基準としたときに、エアポンプ31Bは135度進み、エアポンプ31Cは270度進んでいる)、モータ82にかかる負荷は時間的に分散される。
図9は、加圧装置10の電気的構成を示すブロック図であり、加圧装置10にはシステム制御部80が備えられている。システム制御部80には、位置センサ(検出器)81、モータ82、及びタイマ83が接続されており、システム制御部80は各部を制御している。
位置センサ81は、加圧ヘッド16がエア供給位置にあるときにオン信号を、退避位置にあるときにオフ信号を出力する。位置センサ81は例えばリミットスイッチであって、このリミットスイッチは、加圧ヘッド16がエア供給位置に移動するのに伴って加圧ヘッド16に接触してオン信号を出力する。システム制御部80では、位置センサ81の出力信号を監視しており、出力信号がオン信号に切り換わったときに、モータ82の駆動を開始させるとともに、タイマ83による計時を開始する。システム制御部80では、タイマ83による計時時間が設定時間を経過したときに、モータ82の駆動を停止させる。この設定時間は加圧処理にかかる時間を考慮して設定される。なお、この設定時間は、抽出カートリッジ2に注入する液の種類や液量に基づいて、変更可能に構成しておくことが好ましい。
加圧装置10には電源84が接続されている。電源84は、モータ82及びシステム制御部80に電力を供給している。電源84には例えばACアダプタを用いる。なお、電源は市販のバッテリでもよく、カーバッテリでもよい。
以下、上記構成による作用について、図10のフローチャートの流れに沿って説明する。図2に示すように、複数の抽出カートリッジ2を保持したカートリッジホルダ19を、複数の廃液容器3及び回収容器4を保持した容器ホルダ20の第1取付位置に取り付ける。各抽出カートリッジ2の吐出部2cは各廃液容器3に挿入した状態になる。この後、各抽出カートリッジ2に、核酸を含んだ試料液Sを手動で注入する。
ラック18を載置トレイ12上に載置し、このラック18をX軸マイナス方向にスライド移動させ、突き当て面27が突き当てブロック26に突き当たるところでラック18を停止させることにより、ラック18を加圧装置10に装着することができる。加圧ヘッド16は退避位置にあり、各抽出カートリッジ2は、それぞれエアノズル15A〜15Hの直下に位置する。
把持部65を把持して回転操作すると、この操作力が回転軸63及びカム64を介して加圧ヘッド16に伝達され、加圧ヘッド16がエア供給位置に移動する。以下では、必要に応じて、エア供給ユニット30A〜30Hの代表としてエア供給ユニット30Aを用いて説明する。
図11及び図12(A)に示すように、加圧ヘッド16がエア供給位置に移動すると、エアノズル15Aが抽出カートリッジ2の注入口2eに接触する。エアノズル15Aは、コイルバネ45の弾性による押下力F1によって、抽出カートリッジ2の注入口2eに押し付けられて密着する。また、加圧ヘッド16がエア供給位置に移動すると、これを位置センサ81が検出し、モータ82が駆動を開始し、軸14が回転して、エアポンプ31Aが往復運動を開始する。エアポンプ31Aが往復運動を開始すると、生成された加圧エアが、チェックバルブ32A、エアノズル15A、及び抽出カートリッジ2に供給される。これらに蓄積される加圧エアの圧力は同じ大きさである。エアノズル15Aには、加圧エアによる押上力F2が働く。
図13は、抽出カートリッジ2の圧力と加圧時間との関係をグラフにしたものである。エアポンプ31Aの往復の周期は1s程度である。このグラフから分かるように、抽出カートリッジ2の圧力が170kPaに上昇するまで(7s後まで)、抽出カートリッジ2の圧力は上昇を続ける。図12(A)に示すように、押下力F1≧押上力F2の関係であり、抽出カートリッジ2は密閉されている。抽出カートリッジ2の圧力が高まると、試料液Sが加圧エアから力を受けて試料液Sの一部がフィルタ2aを通過する。試料液Sがフィルタ2aを通過すると、このフィルタ2aに核酸が吸着され、その他の液状成分は廃液容器3に排出される。
エアポンプ31Aは約220kPaの加圧エアを発生させる能力を有していることから、抽出カートリッジ2の圧力はやがて170kPaを超える。このとき、図12(B)に示すように、押下力F1<押上力F2の関係となり、エアノズル15Aは抽出カートリッジ2の注入口2eから離れる。加圧エアは外部に逃げ、抽出カートリッジ2の圧力は急激に低下する。抽出カートリッジ2の圧力が160kPa程度になると、エアノズル15Aは再び抽出カートリッジ2の注入口2eに密着する。そして、抽出カートリッジ2の圧力は再び上昇する。これらの動作が1s程度の短い周期で繰り返され、抽出カートリッジ2の圧力は脈動することとなる。
抽出カートリッジ2の圧力が脈動すると、これに合わせて試料液S及びフィルタ2aが上下方向(Z軸方向)に振動する。抽出カートリッジ2の圧力が上昇するときにはフィルタ2aは下に凸の形状であり、抽出カートリッジ2の圧力が下降するときにはフィルタ2aは水平になる。ここで、圧力変動が大きい場合には、抽出カートリッジ2の圧力が下降するときに、フィルタ2aは上に凸の形状になる。フィルタ2aが上下方向に振動することにより、フィルタ2aの目詰まりが防止される。
モータ82は設定時間(例えば60s)を過ぎると駆動を停止し、エアポンプ31A〜31Hによる加圧エアの供給は停止される。抽出カートリッジ2に試料液Sが残っている場合には、把持部65を回転操作して加圧ヘッド16を一旦退避位置に移動させてから、再び加圧ヘッド16をエア供給位置に移動させて加圧エアの供給を行う。全ての抽出カートリッジ2から試料液Sが排出されたことが目視確認できた場合には、把持部65を回転操作して加圧ヘッド16を退避位置に移動させる。
次に、ラック18を取り出して各抽出カートリッジ2に洗浄液Wを注入してから、このラック18を加圧装置10に装着する。洗浄液Wに対する加圧処理は、試料液Sに対する加圧処理と同様に行われる。フィルタ2aを通過した洗浄液Wは、核酸以外の不純物と共に廃液容器3に排出される。
この後、ラック18を取り出し、カートリッジホルダ19を容器ホルダ20の第2取付位置に取り付ける。各抽出カートリッジ2の吐出部2cは各回収容器4に挿入した状態になる。このラック18を加圧装置10に装着すると、各抽出カートリッジ2はそれぞれエアノズル15A〜15Hの直下に位置する。回収液Rに対する加圧処理は、試料液Sに対する加圧処理と同様に行われる。回収液Rはフィルタ2aを通過し、フィルタ2aに吸着された核酸と共に、回収容器4に収容される。把持部65を回転操作して加圧ヘッド16を退避位置に移動させ、ラック18を取り出して、全ての核酸抽出処理が完了する。
本加圧装置10では、複数の抽出カートリッジ2に同時に処理を施すことができるから、短時間で加圧抽出処理を終えることができる。また、加圧装置10の構成は非常に簡素であることから、加圧装置10を安価に提供することができる。
上記実施形態では、ラックの容器ホルダにスリットを設けることにより、廃液容器の収容量を確認できるようにしたが、この構成の替わりに、またはこの構成に加えて、加圧装置本体に装着したラックよりも後方に光源を配置し、この光源によって容器ホルダ及び廃液容器に照明を当ててもよい。この場合には、容器ホルダ及び廃液容器を透明な樹脂で形成する。
上記実施形態では、洗浄液による洗浄処理を施しているが、フィルタ部材の透過能力によっては必ずしも必要とされるものではない。上記実施形態では、回収液を用いて回収動作を行っているが、例えば、フィルタ部材に特定物質を吸着させたまま分析を行う場合には、回収液は必ずしも必要ではない。
上記実施形態では、核酸を抽出するために用いる加圧装置について記載しているが、これに限定されるものではなく、種々の特定物質を抽出する場合にも本加圧装置を用いることができる。
上記実施形態では、エア供給ユニットは8機であったが、エア供給ユニットの数は任意でよい。上記実施形態では、往復運動によって加圧エアを発生させるエアポンプとして、ピストン式エアポンプを用いて説明したが、例えばベローズポンプなど、他のエアポンプを用いてもよい。
上記実施形態では、加圧エア供給手段は、抽出カートリッジの圧力が所定値を超えたときに加圧エアを外部に逃がすことにより加圧エアの圧力が脈動したが、圧力が脈動する加圧エアを発生させるエアポンプを用いる構成であってもよい。なお、脈動の周期は特に限定されず、フィルタを振動させることが可能であればよい。
上記実施形態では、固定された抽出カートリッジに対してエアノズルが移動する構成であったが、固定されたエアノズルに対して抽出カートリッジが移動する構成にしてもよい。また、上記実施形態では、エアノズルが抽出カートリッジに向けてバネ付勢されていたが、抽出カートリッジがエアノズルに向けてバネ付勢される構成であってもよい。
加圧エアの圧力を脈動させてフィルタを振動させる替わりに、抽出カートリッジ自体を振動させてフィルタを振動させてもよい。
上記実施形態では、抽出カートリッジに液が注入された状態で圧力が脈動する加圧エアを供給してフィルタを振動させたが、フィルタを振動させるタイミングはこれに限らず、例えば、抽出カートリッジから液が抜け切った後にフィルタを振動させてもよい。
上記実施形態で用いたエアノズルの替わりに、図12に示すエアノズル300を用いてもよい。エアノズル300は、エアポンプ31Aの前面に取り付けられたノズル保持部301に着脱自在である。ノズル保持部301は、エアポンプ31Aが生成した加圧エアをエアノズル300に送り込むエア流路301aを有している。ノズル保持部301には、上記実施形態の第1突部41及び第2突部42に対応する第1突部302及び第2突部303が設けられている。
エアノズル300は、ノズル本体304と、このノズル本体304の下面に取り付けられた接触部305とから構成される。ノズル本体304の上面の一部領域にはスペーサが設けられており、このスペーサ間を通って、ノズル本体304のエア流路304aに加圧エアが流れ込む。接触部305にはエア流路305aが形成されている。
エア流路304aには、チェックバルブ306が配置されている。チェックバルブ306は、上記実施形態のチェックバルブ32Aの替わりに設けられるものであり、チェックバルブ32Aと同じ役割を果たす。チェックバルブ306はゴム製であり、着脱自在である。また、エア流路304aとエア流路305aにまたがって、抵抗用フィルタ307が配置されている。抵抗用フィルタ307には、多数の微小な孔が形成されており、この孔径は0.22μm以下であることが好ましい。抵抗用フィルタ307には、バイオフィルタを用いることが好ましいが、加圧エアの流速を抑えることが可能であれば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のものなど、他のフィルタを用いてもよい。抵抗用フィルタ307は、この抵抗用フィルタ307よりも下流側で圧力が急激に下がったときに、抵抗用フィルタ307よりも上流側に残留している加圧エアが急激な勢いでエアノズル300から吹き出すことを防ぐ役割を果たし、抽出カートリッジ内の液が飛び散ることを防いでコンタミネーションを防ぐ。
接触部305は、略円筒状に形成されており、下面に溝305bが形成されている。この溝305bは、抽出カートリッジの上部が入り込むことができるサイズに形成されている。溝305bの奥には、抽出カートリッジの上面に接触するOリング308が取り付けられている。
エアノズル300には、ゴム製の滑り防止リング309が設けられている。エアノズル300をノズル保持部301の保持溝301bに挿入すると、滑り防止リング309の働きにより、エアノズル300がノズル保持部301に保持される。
ノズル本体304のエア流路304aのチェックバルブ306よりも上流側の容積を変更することにより、加圧エアの圧力を変更することができる。容積を小さくすると加圧エアの圧力が高くなり、容積を大きくすると加圧エアの圧力が低くなる。エアノズル300を他のものに交換するだけで、エアポンプ31Aを交換せずに、加圧エアの圧力を変更することが可能である。また、エアノズル300が交換可能であることから、チェックバルブ306及び抵抗用フィルタ307を新しいものに交換する作業が簡単である。
なお、エアノズル300を他のものに交換しなくても、エアノズル300のノズル保持部301に対する位置を変更することにより、加圧エアの圧力を変更してもよい。この場合には、滑り防止リングに滑り防止効果の高いものを用いるか、もしくは、ノズル保持部301に対するエアノズル300の位置を数段階に変更可能な構成にすることが好ましい。
核酸抽出動作を順に示す説明図である。 加圧装置及びラックの外観斜視図である。 カートリッジの外観斜視図である。 ラックの分解斜視図である。 エア供給ユニットの外観斜視図である。 XZ平面で切断したときの加圧ヘッドの断面図である。 エアポンプの位相差を説明する説明図である。 位相が135度進んでいるエアポンプの要部断面図である。 加圧装置の電気的構成を示すブロック図である。 核酸抽出動作の流れを示すフローチャートである。 エア供給位置に移動した加圧ヘッドの断面図である。 フィルタの振動を説明するためのエアノズル及び抽出カートリッジの断面図である。 抽出カートリッジ内の圧力変化を示すグラフである。 チェックバルブ及び抵抗用フィルタを備えたエアノズルの断面図である。
符号の説明
S 試料液
W 洗浄液
R 回収液
2 カートリッジ
2a フィルタ
10 加圧装置
14 軸
15A〜15H、300 エアノズル
16 加圧ヘッド
17 ヘッド変位機構
18 ラック
19 カートリッジホルダ
20 容器ホルダ
30A〜30H エア供給ユニット
31A〜31H エアポンプ
37 偏心カム
37b 嵌合部

Claims (5)

  1. 注入口から注入された液に含まれる特定物質をフィルタ部材に付着させる抽出カートリッジに加圧エアを供給する抽出カートリッジの加圧装置において、
    前記加圧エアの圧力を脈動させて前記加圧エアを前記注入口に供給し、前記フィルタ部材を振動させる加圧エア供給手段を備えることを特徴とする抽出カートリッジの加圧装置。
  2. 前記加圧エア供給手段は、
    前記注入口に密着し、前記加圧エアを前記抽出カートリッジに供給するエアノズルと、
    前記エアノズルを前記注入口に向けて付勢し、前記抽出カートリッジ内の加圧エアの圧力が所定値を超えたときに前記エアノズルが前記注入口から離れるように付勢力が調整された弾性部材とを有することを特徴とする請求項1記載の抽出カートリッジの加圧装置。
  3. 前記弾性部材によって付勢された状態で前記エアノズルを保持する加圧ヘッドと、
    前記エアノズルが前記注入口に密着することが可能であるエア供給位置、及び前記エアノズルが前記注入口から離れる退避位置の間で前記加圧ヘッドを変位させるヘッド変位機構とを備えることを特徴とする請求項2記載の抽出カートリッジの加圧装置。
  4. 前記ヘッド変位機構は、前記加圧ヘッドを前記エア供給位置または前記退避位置に選択的に位置させるカムと、このカムを回動する操作部とを有することを特徴とする請求項3記載の抽出カートリッジの加圧装置。
  5. 前記抽出カートリッジの注入口から注入される液は、核酸が含まれる試料液であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の抽出カートリッジの加圧装置。
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