JP2014029840A - リチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定のリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含有する正極、
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を含有する負極、及び
非水電解液を備えたリチウム二次電池であって、
上記非水電解液は、電解質(1)として
一般式(1):(XSO2)(X’SO2)N-Li+
(X、X’は、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、X、X’の少なくとも一方はフッ素原子である。)で表される化合物、及びカーボネート系溶媒を含むことを特徴とするリチウム二次電池。
【選択図】なし
Description
特許文献2には、リチウム塩を含む非水電解液を架橋性ポリマーで固体化した電解質を有するリチウム電池が開示されているが、溶媒の固体化により放電容量が低下しサイクル特性が十分でない。
特許文献3には、非水電解質液がリチウム塩を含むイオン性液体であるリチウム二次電池が開示されているが、サイクル特性が満足できるものではない。
一般式 LixMnaMbOyで表され、元素MはNi、Co、Al、Si、Zr、Ti、Fe、Mg及びVよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b)≦2.1、0<x≦2、1≦a≦3、0≦b≦1.0、3≦y≦4.5であるリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含有する正極、
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を含有する負極、及び
非水電解液を備えたリチウム二次電池であって、
前記非水電解液は、電解質(1)として
一般式(1):(XSO2)(X’SO2)N-Li+
(X、X’は、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、X、X’の少なくとも一方はフッ素原子である。)で表される化合物、及びカーボネート系溶媒を含むことを特徴とする。
M’PFc(CmF2m+1)6-c(M’はアルカリ金属イオン、0≦c≦6、1≦m≦2)、
M’BFd(CnF2n+1)4-d(M’はアルカリ金属イオン、0≦d≦4、1≦n≦2)、及び
M’AsF6(M’はアルカリ金属イオン)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩化合物であることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、
一般式 LixMnaMbOyで表され、元素MはNi、Co、Al、Si、Zr、Ti、Fe、Mg及びVよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b)≦2.1、0<x≦2、1≦a≦3、0≦b≦1.0、3≦y≦4.5であるリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含有する正極、
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を含有する負極、及び
非水電解液を備えたリチウム二次電池であって、
上記非水電解液は、電解質(1)として
一般式(1);(XSO2)(X’SO2)N-Li+
(X、X’は、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、X、X’の少なくとも一方はフッ素原子である。)で表される化合物、及びカーボネート系溶媒を含むところに特徴を有する。
かかるリチウム二次電池によれば、非水電解液が電解質(1)を含むと、電極上に被膜を形成し、電極上での非水電解液の分解を抑制する事ができる。また正極のMn成分溶出を抑制することができ、内部抵抗の上昇を抑制し、放電電圧を高い値に維持する事ができる。さらに非水電解液がさらに電解質(2)を含む場合、リチウム塩の電気伝導率を高める事ができ、充放電における正極、負極間でリチウムイオンの移動を良好にする事ができる。また正極集電体の不動態化を促進し、劣化を抑制する事が出来る。
以下に、本発明のリチウム二次電池に使用される正極について説明する。
本発明のリチウム二次電池において、正極活物質は、一般式 LixMnaMbOyで表され、元素MはNi、Co、Al、Si、Zr、Ti、Fe、Mg及びVよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b)≦2.1、0<x≦2、1≦a≦3、0≦b≦1.0、3≦y≦4.5であるリチウム遷移金属複合酸化物を含有する。前記リチウム遷移金属複合酸化物は、単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
正極の製造方法は、例えば、正極集電体に正極活物質組成物をドクターブレード法などで塗工したり、浸漬した後に、乾燥する方法;正極活物質組成物を混練成形し乾燥して得たシートを正極集電体に導電性接着剤を介して接合し、プレス、乾燥する方法;液状潤滑剤を添加した正極活物質組成物を正極集電体上に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで一軸又は多軸方向に延伸する方法などが挙げられる。
<一般式(1)で表される化合物(以下、電解質(1)ともいう)>
本発明の使用される非水電解液は、一般式(1);(XSO2)(X’SO2)N-Li+で表される化合物{式中、X、X’は、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、X、X’の少なくとも一方はフッ素原子である。}(電解質(1))を含むことを特徴とする。上記一般式(1)で表される化合物を非水電解液中に含むことにより、電極上に被膜を形成し、電極上での非水電解液の分解を抑制する事ができる。また正極のMn成分溶出を抑制することができ、内部抵抗の上昇を抑制し、放電電圧を高い値に維持する事ができる。その結果として高温保存特性及びサイクル特性を改善することができる。また、非水電解液は、電解質(1)、カーボネート系溶媒を必須とし、さらに後述の電解質(2)を含んでもよいが、イオン性液体に通常使用されるトリエチルアンモニウム、エチルメチルイミダゾリウム、ブチルメチルイミダゾリウム、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム、メチルプロピルピペリジニウム等は含まないことが好ましい。
本発明のリチウム二次電池中の非水電解液中の一般式(1)で表される化合物(電解質(1))の濃度は、電解質(1)を主たる電解質とする場合は、0.1mol/L以上、飽和濃度以下であることが好ましい。より好ましくは0.1mol/L〜2.5mol/Lであり、さらに好ましくは0.3mol/L〜2mol/L、特に好ましくは0.4mol/L〜1.5mol/Lであり、最も好ましくは0.5mol/L〜1.2mol/Lである。電解質(1)の濃度が高すぎると非水電解液の粘度が高くなって電気伝導度が低下し、電池性能が充分に発現しないおそれがあり、電解質(1)の濃度が低いと、イオン量が少なくなる傾向があり、電解液の電気伝導度が不十分となるおそれがある。電解質(1)以外の電解質を主たる電解質とする場合は、電解質(1)の濃度は、好ましくは0.01mol/L〜2mol/L、より好ましくは0.05mol/L〜1mol/L、さらに好ましくは0.1mol/L〜0.5mol/Lである。電解質(1)の濃度が0.01mol/L未満である場合は、電極上の被膜形成が充分でなく、所望の電池性能が得られないおそれがある。電解質(1)の濃度が2mol/Lを超える場合は非水電解液の粘度が高くなり電気伝導度が低下し電池性能が充分に発揮できないおそれがある。
本発明のリチウム二次電池においては、前記非水電解液が、電解質としてさらに電解質(2)を含み、前記電解質(2)が、
M’PFc(CmF2m+1)6-c(M’はアルカリ金属イオン、0≦c≦6、1≦m≦2)、
M’BFd(CnF2n+1)4-d(M’はアルカリ金属イオン、0≦d≦4、1≦n≦2)、及び
M’AsF6(M’はアルカリ金属イオン)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩化合物であることが好ましい。
M’PFc(CmF2m+1)6-cにおいて、M’はLi、Na、K、Rb、Cs及びFrよりなる群から選択されることが好ましく、Liであることがより好ましい。また、c=6であることが好ましい。M’BFd(CnF2n+1)4-dにおいて、M’はLi、Na、K、Rb、Cs及びFrよりなる群から選択されることが好ましく、Liであることがより好ましい。また、d=4であることが好ましい。M’AsF6において、M’はLi、Na、K、Rb、Cs及びFrよりなる群から選択されることが好ましく、Liであることがより好ましい。これらの電解質(2)は、電解液中での解離定数が大きく、また、後述する溶媒と溶媒和し難いアニオンを生成するものである。具体的には、電解質(2)は、LiPF6、LiBF4、及びLiAsF6よりなる群から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩であることが好ましい。これらの中でも、好ましくはLiPF6、LiBF4、より好ましくはLiPF6である。上記電解質(2)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電解質(2)が主たる電解質となる場合は、非水電解液中の電解質(2)の濃度は0.1mol/L以上、飽和濃度以下であることが好ましい。より好ましくは0.1mol/L〜2.5mol/Lであり、さらに好ましくは0.3mol/L〜2mol/L、特に好ましくは0.4mol/L〜1.5mol/Lであり、最も好ましくは0.5mol/L〜1.2mol/Lである。電解質(2)の濃度が高すぎると非水電解液の粘度が高くなって電気伝導度が低下し、電池性能が充分に発現しないおそれがあり、電解質(2)の濃度が低いと、イオン量が少なくなる傾向があり、電解液の電気伝導度が不十分となるおそれがある。
電解質(1)を主たる電解質とする場合は、電解質(2)の濃度は、好ましくは0.01mol/L〜2mol/L、より好ましくは0.05mol/L〜1mol/L、さらに好ましくは0.1mol/L〜0.5mol/Lである。電解質(2)の濃度が0.01mol/L未満である場合は、電極上の被膜形成が充分でなく、所望の電池性能が得られないおそれがある。電解質(2)の濃度が2mol/Lを超える場合は非水電解液の粘度が高くなり電気伝導度が低下し電池性能が充分に発揮できないおそれがある。
本発明に使用される非水電解液において、上記電解質類を溶解させる溶媒としては、従来、非水電解液に使用されている種々の非水溶媒のカーボネート系溶媒を使用することができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類などを使用することができる。これらのカーボネート系溶媒は、電圧印加時に分解しにくく安定であるため好ましく使用できる。また、本発明の効果を損なわない程度に、上記カーボネート系溶媒以外の、従来、非水電解液に使用されている種々の非水溶媒を併用してもよい。併用する溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,1−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンなどのエーテル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;プロピオン酸メチルや酪酸メチルなどの鎖状カルボン酸エステル類などを使用することができる。
また、カーボネート系溶媒としては、フッ素含有カーボネートを用いてもよい。前記フッ素含有カーボネートとしては、フッ素含有環状カーボネートまたはフッ素含有鎖状カーボネートが挙げられる。
フッ素含有環状カーボネートとしては、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、トリフルオロエチレンカーボネート、テトラフルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、ジフルオロメチルエチレンカーボネート、ビス(フルオロメチル)エチレンカーボネート、ビス(ジフルオロメチル)エチレンカーボネート、ビス(トリフルオロメチル)エチレンカーボネート、フルオロエチルエチレンカーボネート、ジフルオロエチルエチレンカーボネート、トリフルオロエチルエチレンカーボネート、テトラフルオロエチルエチレンカーボネート等が挙げられる。
フッ素含有鎖状カーボネートとしては、モノフルオロジメチルカーボネート、モノフルオロジエチルカーボネート、モノフルオロエチルメチルカーボネート、ビス(モノフルオロメチル)カーボネート、ビス(モノフルオロエチル)カーボネート、トリフルオロジメチルカーボネート、トリフルオロジエチルカーボネート、トリフルオロエチルメチルカーボネート等が挙げられる。上記のような、フッ素含有カーボネート(例えばフッ素含有環状カーボネートまたはフッ素含有鎖状カーボネート)を本発明の電解質(1)と組み合わせて用いることにより、電極上に良好な被膜を形成し、電極の劣化が抑制される効果が一層期待できるため、これらのフッ素含有カーボネート(例えばフッ素含有環状カーボネートまたはフッ素含有鎖状カーボネート)を溶媒として使用する様態は、本発明の好ましい様態の一つである。これらのフッ素含有カーボネートを溶媒として用いる場合、非水電解液の粘度、イオン伝導度等の観点から、非水電解液中のフッ素含有カーボネートの濃度としては0.1質量%〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%〜10質量%である。また、これらのフッ素含有カーボネートは2種以上を用いてもよい。
上記カーボネート系溶媒のなかでも、鎖状カーボネート類と環状カーボネート類を混合して使用することが好ましい。環状カーボネート類の中では、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが好ましく、より好ましくはエチレンカーボネートである。鎖状カーボネート類の中では、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましく、より好ましくはエチルメチルカーボネートである。
本発明のリチウム二次電池の非水電解液は、高温保存特性及びサイクル特性の改善や安全性の向上のため、電解質(1)、カーボネート系溶媒、任意に電解質(2)以外に添加剤を含んでいても良い。添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、メチルビニレンカーボネート(MVC)、エチルビニレンカーボネート(EVC)等の不飽和結合を有する環状カーボネート;フェニルエチレンカーボネート及びエリスリタンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブサルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、テトラメチルチウラムモノスルフィド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシンイミド等の含窒素化合物;モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩などのリン酸塩;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物などがあげられる。非水電解液にこれらの添加剤を用いる場合、その濃度は、0.1質量%〜5質量%であることが好ましく、添加剤は2種以上を用いてもよい。
負極は、負極活物質、分散用溶媒、結着剤、増粘剤及び必要に応じて導電助剤などを含む負極活物質組成物が負極集電体に担持されているものであり、通常シート状である。
セパレータは正負極を隔てるように配置されるものである。セパレータとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを用いることができる。例えば、非水電解液を吸収・保持するポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータやセルロース系セパレータなど)、不織布セパレータ、多孔質金属体などが挙げられる。中でも、有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を持つポリオレフィン系微多孔質セパレータが好適である。
非水電解液調製例1
一般式(1)で表される化合物(電解質(1))としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI、従来公知の方法により合成したもの0.94g(5mmol)、電解質(2)としてヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6、キシダ化学株式会社製、LBGグレード)0.76g(5mmol)を10mLのメスフラスコに測り取り、エチレンカーボネート(EC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)(いずれもキシダ化学株式会社製、LBGグレード)の体積比が3/7(EC/EMC)である溶媒でメスアップして非水電解液1を調製した。
電解質(1)として前出のLiFSI 0.75g(4mmol)、電解質(2)として前出のLiPF6 0.91g(6mmol)を用いたこと以外は、非水電解液調製例1と同様にして非水電解液2を調製した。
電解質(1)として前出のLiFSI 0.56g(3mmol)、電解質(2)として前出のLiPF6 1.06g(7mmol)を用いたこと以外は、非水電解液調製例1と同様にして非水電解液3を調製した。
電解質(1)として前出のLiFSI 0.37g(2mmol)、電解質(2)として前出のLiPF6 1.22g(8mmol)を用いたこと以外は、非水電解液調製例1と同様にして非水電解液4を調製した。
電解質(1)として前出のLiFSI 0.19g(1mmol)、電解質(2)として前出のLiPF6 1.37g(9mmol)を用いたこと以外は、非水電解液調製例1と同様にして非水電解液5を調製した。
電解質(1)を用いず、電解質(2)として前出のLiPF6 1.52g(10mmol)を用いたこと以外は非水電解液調製例1と同様にして非水電解液6を調製した。
正極活物質層の面積が12cm2(3cm×4cm)の正極シート(正極活物質:LiMn2O4、バインダー:PVDF、導電助剤:アセチレンブラックを96:5:4の比率で混錬し、NMP溶剤に溶解させて固形分60%でスラリー化して、アルミ箔上に塗工し、100℃ホットプレート上で乾燥させた後、ロールプレス機で一定密度になるまでプレスして作製した。3mAh/cm2)1枚と、負極活物質層の面積が13.44cm2(3.2cm×4.2cm)の負極シート(負極活物質:人造黒鉛、バインダー:SBR、増粘剤:CMC、導電助剤:カーボンブラックを95.7:2:1.8:0.5の比率で混錬し、純水に溶解させて固形分48%でスラリー化して、銅箔上に塗工し、100℃ホットプレート上で乾燥させた後、ロールプレス機で一定密度になるまでプレスして作製した。3.2mAh/cm2)1枚とを対向するように積層し、その間に1枚のポリオレフィン系セパレータ(ポリエチレン製20μm)を挟んだ。2枚のアルミニウムラミネートフィルムで正極及び負極のシートを挟み込み、アルミニウムラミネートフィルム内を各非水電解液1〜6で満たし、真空状態で密閉することによりラミネートセルを作製した。
非水電解液1〜6を用いて作製した各ラミネート型リチウム電池について、前記充放電試験装置を用いて、30℃の条件下で、0.5Cでの4.2V定電流定電圧充電を5時間行った後、正極のみを取り出した。それぞれの電池作製に用いた非水電解液と同じ組成の電解液を別途作製し、各電解液中に取り出した各正極を入れて、60℃で30日間放置した。放置後の電解液について超純水にて1%濃度に希釈してICP分析を行った(測定装置:株式会社島津製作所製 ICP発光分析装置 ICPE−9000)。結果を表1に示す。
4−1.容量維持率
非水電解液1〜6を用いて得られた各ラミネート型リチウム電池を、前記充放電試験装置を用いて、30℃にて、1Cでの4.2V定電流定電圧充電を3時間行い、0.2Cでの2.75Vカットオフの放電を行い、このときの放電容量を初期放電容量(A)とする。その後、各ラミネート型リチウム電池について、30℃で1Cでの4.2V定電流定電圧充電を3時間行い、60℃で0.5、1.0、2.0、3.0ヶ月間のそれぞれで保管した。その後、30℃、0.2Cでの2.75Vカットオフの放電を行った後、1Cでの4.2V定電流定電圧充電を3時間行い、0.2Cでの2.75Vカットオフの放電を行った。この時の放電容量を高温保管後の放電容量(B)とする。高温保管前後での容量維持率を以下の式により算出し、その結果を図1及び表2に示す。
容量維持率=高温保管後の放電容量(B)/初期放電容量(A)×100
放電容量測定時の放電速度を1Cとする以外は、上記と同じ条件で高温保管前後での容量維持率を算出した。その結果を図2及び表3に示す。
非水電解液1〜6を用いて得られた各ラミネート型リチウム電池について、30℃で1Cでの4.2V定電流定電圧充電を3時間行い、充電終了後6時間以上24時間以内に電池回路電圧を測定した(測定装置:鶴賀電機株式会社製 低抵抗計 型番3566)。測定後60℃で3.0ヶ月間保管し、保管中の0.25、0.5、1.0、2.0ヶ月経過時点で室温に戻し、3時間放置した後に、電池回路電圧を測定した。その結果を表4及び図3に示す。
非水電解液1〜6を用いて得られた各ラミネート型リチウム電池について、30℃で、1Cでの4.2V定電流定電圧充電を3時間行い、充電終了後6時間以上24時間以内に1KHzで交流インピーダンスを測定した(測定装置:鶴賀電機株式会社製 低抵抗計 型番3566)。測定後60℃で3.0ヶ月間保管し、保管中の0.5、1.0、2.0ヶ月経過時点で1KHz交流インピーダンスを測定した。なお、測定は各電池を室温雰囲気下に戻し、3時間放置後に行った。その結果を表5及び図4に示す。
非水電解液1〜6を用いて作製した各ラミネート型リチウム電池について、前記充放電試験装置を用いて、30℃において1Cでの4.2V定電流定電圧の充電を開始して0.02Cカットオフまで充電し、1Cでの2.75Vカットオフの放電を行い、サイクル試験を行った。各充放電後には10分の充放電休止時間を設けた。その結果を図5に示す。
Claims (7)
- 一般式 LixMnaMbOyで表され、元素MはNi、Co、Al、Si、Zr、Ti、Fe、Mg及びVよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b)≦2.1、0<x≦2、1≦a≦3、0≦b≦1.0、3≦y≦4.5であるリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含有する正極、
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を含有する負極、及び
非水電解液を備えたリチウム二次電池であって、
前記非水電解液は、電解質(1)として
一般式(1):(XSO2)(X’SO2)N-Li+
(X、X’は、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、X、X’の少なくとも一方はフッ素原子である。)で表される化合物、及びカーボネート系溶媒を含むことを特徴とするリチウム二次電池。 - 前記非水電解液が、電解質としてさらに電解質(2)を含み、前記電解質(2)が、
M’PFc(CmF2m+1)6-c(M’はアルカリ金属イオン、0≦c≦6、1≦m≦2)、
M’BFd(CnF2n+1)4-d(M’はアルカリ金属イオン、0≦d≦4、1≦n≦2)、及び
M’AsF6(M’はアルカリ金属イオン)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩化合物である請求項1に記載のリチウム二次電池。 - 前記非水電解液中に含まれる電解質(2)の濃度が、電解質(1)と電解質(2)との合計量に対して10〜99.9mol%である請求項2に記載のリチウム二次電池。
- 前記電解質(2)がLiPF6である請求項2又は3に記載のリチウム二次電池。
- 前記カーボネート系溶媒が環状カーボネート類及び鎖状カーボネート類を含む請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池。
- 前記リチウム遷移金属複合酸化物が、LiMn2O4(マンガン酸リチウム)である請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム二次電池。
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