JP2014029840A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極からのMn成分溶出を抑制する事で高温保存特性に優れ、正負極に良質な被膜を形成する事でサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供すること。
【解決手段】特定のリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含有する正極、
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を含有する負極、及び
非水電解液を備えたリチウム二次電池であって、
上記非水電解液は、電解質(1)として
一般式(1):(XSO2)(X’SO2)N-Li+
(X、X’は、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、X、X’の少なくとも一方はフッ素原子である。)で表される化合物、及びカーボネート系溶媒を含むことを特徴とするリチウム二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は非水電解液を用いたリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、高エネルギー密度を有するため、移動体通信機器用電源、携帯用情報端末用電源などとして利用され、端末の普及と共にその市場が急速に伸びており、安全性の確保、サイクル特性、ハイレート特性及びエネルギー密度の向上、高温保存特性等の改良を目的として、さまざまな研究がなされている。
近年では、電子機器の小型化・軽量化又は電動自動車の開発に伴って、大容量、高出力のリチウム二次電池の開発が望まれており、そのため、リチウム二次電池の非水電解液に難燃性液体としてイオン性液体を使用することが検討されている。
特許文献1には、リチウム塩を含む非水電解質液と、難黒鉛化性炭素の負極を含むリチウム二次電池が開示されているが、満足できるサイクル特性ではない。
特許文献2には、リチウム塩を含む非水電解液を架橋性ポリマーで固体化した電解質を有するリチウム電池が開示されているが、溶媒の固体化により放電容量が低下しサイクル特性が十分でない。
特許文献3には、非水電解質液がリチウム塩を含むイオン性液体であるリチウム二次電池が開示されているが、サイクル特性が満足できるものではない。
特開2009−26542号公報 特開2009−277413号公報 特開2007−207675号公報
以上のように種々の検討が行われている中で、例えば、炭素の負極とイオン性液体の組み合わせを用いたリチウム二次電池は、有機溶媒系の電池と比較すると内部抵抗が高く、出力特性が不十分であり、サイクル特性等が不十分であるという問題があった。
加えて、正極活物質としてリチウム含有マンガン酸系物質を使用すると、高温でのサイクル特性が劣化するという問題があった。これは、高温下で正極からのMn成分の溶出を伴うためであると考えられている。このため、Mnの一部を他元素でドープ置換する方法、リチウム含有マンガン酸系物質の合成方法、リチウム含有マンガン酸系物質の粒子表面の改質等の種々の取り組みがなされているが、リチウム二次電池において、高温保存特性及びサイクル特性及び金属成分溶出の抑制等の電池性能のさらなる向上が求められているのが実情であった。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、本発明の目的は、正極からのMn成分溶出を抑制する事で高温保存特性に優れ、正負極に良質な被膜を形成する事でサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明者らは、リチウム二次電池において、正極活物質としてリチウム含有マンガン酸系物質を使用した場合に、非水電解液中に特定の電解質を含有させることにより、電極上に被膜が形成され、その結果、電極の劣化が抑制され、正極からのMn成分溶出を抑制し得ることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のリチウム二次電池は、
一般式 LixMnabyで表され、元素MはNi、Co、Al、Si、Zr、Ti、Fe、Mg及びVよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b)≦2.1、0<x≦2、1≦a≦3、0≦b≦1.0、3≦y≦4.5であるリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含有する正極、
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を含有する負極、及び
非水電解液を備えたリチウム二次電池であって、
前記非水電解液は、電解質(1)として
一般式(1):(XSO2)(X’SO2)N-Li+
(X、X’は、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、X、X’の少なくとも一方はフッ素原子である。)で表される化合物、及びカーボネート系溶媒を含むことを特徴とする。
前記非水電解液は、電解質としてさらに電解質(2)を含み、前記電解質(2)は、
M’PFc(Cm2m+16-c(M’はアルカリ金属イオン、0≦c≦6、1≦m≦2)、
M’BFd(Cn2n+14-d(M’はアルカリ金属イオン、0≦d≦4、1≦n≦2)、及び
M’AsF6(M’はアルカリ金属イオン)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩化合物であることが好ましい。
このとき、前記非水電解液中に含まれる電解質(2)の濃度は、電解質(1)と電解質(2)との合計量に対して10〜99.9mol%であることが好ましい。
前記電解質(2)がLiPF6である態様、前記カーボネート系溶媒が環状カーボネート類及び鎖状カーボネート類を含む態様は、いずれも本発明の好ましい実施態様である。
前記一般式(1)で表される化合物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドであることが好ましい。
前記リチウム遷移金属複合酸化物が、LiMn24(マンガン酸リチウム)であることが好ましい。
本発明によれば、正極からのMn成分溶出を抑制する事で高温保存特性に優れ、正負極に良質な被膜を形成する事でサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
図1は、満充電した本発明のリチウム二次電池の高温保存特性を示す図である(横軸は60℃で保存した期間(月)、縦軸は容量維持率を示す)。 図2は、満充電した本発明のリチウム二次電池の高温保存特性を示す図である(横軸は60℃で保存した期間(月)、縦軸は容量維持率を示す)。 図3は、満充電した本発明のリチウム二次電池の高温保存特性を示す図である(横軸は60℃で保存した期間(月)、縦軸はセルOCVを示す)。 図4は、満充電した本発明のリチウム二次電池の高温保存特性を示す図である(横軸は60℃で保存した期間(月)、縦軸は抵抗上昇%を示す)。 図5は、30℃における本発明のリチウム二次電池によるサイクル特性の改善を示す図である(横軸はサイクル数、縦軸は容量維持率を示す)。
<リチウム二次電池>
本発明のリチウム二次電池は、
一般式 LixMnabyで表され、元素MはNi、Co、Al、Si、Zr、Ti、Fe、Mg及びVよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b)≦2.1、0<x≦2、1≦a≦3、0≦b≦1.0、3≦y≦4.5であるリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含有する正極、
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を含有する負極、及び
非水電解液を備えたリチウム二次電池であって、
上記非水電解液は、電解質(1)として
一般式(1);(XSO2)(X’SO2)N-Li+
(X、X’は、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、X、X’の少なくとも一方はフッ素原子である。)で表される化合物、及びカーボネート系溶媒を含むところに特徴を有する。
かかるリチウム二次電池によれば、非水電解液が電解質(1)を含むと、電極上に被膜を形成し、電極上での非水電解液の分解を抑制する事ができる。また正極のMn成分溶出を抑制することができ、内部抵抗の上昇を抑制し、放電電圧を高い値に維持する事ができる。さらに非水電解液がさらに電解質(2)を含む場合、リチウム塩の電気伝導率を高める事ができ、充放電における正極、負極間でリチウムイオンの移動を良好にする事ができる。また正極集電体の不動態化を促進し、劣化を抑制する事が出来る。
<正極>
以下に、本発明のリチウム二次電池に使用される正極について説明する。
<正極活物質>
本発明のリチウム二次電池において、正極活物質は、一般式 LixMnabyで表され、元素MはNi、Co、Al、Si、Zr、Ti、Fe、Mg及びVよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b)≦2.1、0<x≦2、1≦a≦3、0≦b≦1.0、3≦y≦4.5であるリチウム遷移金属複合酸化物を含有する。前記リチウム遷移金属複合酸化物は、単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
前記一般式において1.9≦(a+b)≦2.1であり、リチウム二次電池が好適な特性を呈する観点から、好ましくは2.0≦(a+b)≦2.1であり、より好ましくは(a+b)=2である。
前記一般式において0<x≦2であり、好ましくは0.5≦x≦2、より好ましくは0.5≦x≦1.5、さらに好ましくは0.5≦x≦1、より一層好ましくはx=1である。xが0であると酸化物中のLiサイトがNi等の元素で置換されることになるため、実質的な容量低下を招くおそれがあり、xが2より大きいと、初回の不可逆容量が増えて効率が低下するおそれがある。
前記一般式において1≦a≦3であり、好ましくは1≦a≦2.5、より好ましくは1.2≦a≦2.5、さらに好ましくは1.5≦a≦2.0、より一層好ましくはa=2である。aが1未満であると酸化物の充電時の熱安定性が低下するおそれがあり、aが3より大きいと、正極活物質の容量低下に繋がるおそれがある。
前記一般式において0≦b≦1.0であり、好ましくは0≦b≦0.8、より好ましくは0≦b≦0.7、さらに好ましくは0≦b≦0.6、より一層好ましくは0≦b≦0.5、さらに一層好ましくはb=0である。
前記一般式において3≦y≦4.5であり、好ましくは3.5≦y≦4.5であり、より好ましくはy=4である。
前記リチウム遷移金属複合酸化物において、x、a、b及びyの最も好ましい組み合わせは(a+b)=2、a=2、b=0、x=1、y=4又は(a+b)=2、a=1.5、b=0.5、x=1、y=4である。よって、前記リチウム遷移金属複合酸化物の最も好ましいものは、LiMn24、LiNi0.5Mn1.54である。
前記リチウム遷移金属複合酸化物の正極活物質の表面に、特定の物質をドープさせてもよく、ドープに用いられる物質としては、Ni、Co、Al、Si、Zr、Ti、Fe、Mg及びV等が挙げられる。
前記正極活物質は、前記リチウム遷移金属複合酸化物を主成分とする。正極活物質は、前記リチウム遷移金属複合酸化物を、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%含有する。
本発明において、正極活物質は、本発明の効果を奏する限り、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、LiAPO4(A=Fe、Mn、Ni、Co)などのオリビン構造を有する化合物、遷移金属を複数取り入れた固溶材料(電気化学的に不活性な層状のLi2MnO3と、電気化学的に活性な層状のLiM’’O(M’’=Co、Niなどの遷移金属)との固溶体)などを用いてもよい。これらを単独で使用してもよく、複数組み合わせて使用してもよい。
前記正極活物質は、当業者に公知の製造方法により製造されたものであればよく、製造方法としては、例えば、電解合成したMnO2とLi2CO3、LiOHを混合して750〜800℃で焼成する方法、電解合成したMnO2とLi2CO3を混合して800℃程度で焼成し、徐冷し、数回粉砕する方法、水熱合成したMn34とLiOHを混合し、750〜820℃で焼成する方法等が挙げられる。
正極は、正極活物質、導電助剤、結着剤及び分散用溶媒などを含む正極活物質組成物が正極集電体に担持されているものであり、通常シート状である。
正極の製造方法は、例えば、正極集電体に正極活物質組成物をドクターブレード法などで塗工したり、浸漬した後に、乾燥する方法;正極活物質組成物を混練成形し乾燥して得たシートを正極集電体に導電性接着剤を介して接合し、プレス、乾燥する方法;液状潤滑剤を添加した正極活物質組成物を正極集電体上に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで一軸又は多軸方向に延伸する方法などが挙げられる。
正極集電体の材料としては特に限定されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、チタンなどの導電性金属を用いることができる。中でも、薄膜に加工しやすく、安価であるという観点から、アルミニウムが好ましい。
導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、金属粉末材料、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維などが挙げられる。
結着剤(バインダー)としては、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂;スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴムなどの合成ゴム;ポリアミドイミドなどのポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリ(メタ)アクリル系樹脂;ポリアクリル酸;カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース系樹脂などが挙げられる。これらの結着剤は単独で使用してもよく、複数種を混合して使用してもよい。また、これらの結着剤は溶媒に溶けた状態であっても、溶媒に分散した状態であっても構わない。
導電助剤及び結着剤の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性などを考慮して適宜調整することができる。
正極を製造する際にして、正極活物質組成物に用いられる溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトン、エタノール、酢酸エチル、水などが挙げられる。
<非水電解液>
<一般式(1)で表される化合物(以下、電解質(1)ともいう)>
本発明の使用される非水電解液は、一般式(1);(XSO2)(X’SO2)N-Li+で表される化合物{式中、X、X’は、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、X、X’の少なくとも一方はフッ素原子である。}(電解質(1))を含むことを特徴とする。上記一般式(1)で表される化合物を非水電解液中に含むことにより、電極上に被膜を形成し、電極上での非水電解液の分解を抑制する事ができる。また正極のMn成分溶出を抑制することができ、内部抵抗の上昇を抑制し、放電電圧を高い値に維持する事ができる。その結果として高温保存特性及びサイクル特性を改善することができる。また、非水電解液は、電解質(1)、カーボネート系溶媒を必須とし、さらに後述の電解質(2)を含んでもよいが、イオン性液体に通常使用されるトリエチルアンモニウム、エチルメチルイミダゾリウム、ブチルメチルイミダゾリウム、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム、メチルプロピルピペリジニウム等は含まないことが好ましい。
上記一般式(1)中、X、X’は、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、X、X’の少なくとも一方はフッ素原子である。炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状のアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。炭素数1〜6のフルオロアルキル基としては、上記アルキル基が有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。上記アルキル基又はフルオロアルキル基の中でも、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が好ましい。一般式(1)で表される好ましい化合物としては、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(メチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(エチルスルホニル)イミドが挙げられ、より好ましくはリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドであり、さらに好ましくはリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)である。
本発明のリチウム二次電池の非水電解液においては、電解質(1)は主たる電解質としてもよいし、他の電解質を主たる電解質としてもよい。他の電解質を主たる電解質とする場合は、後述する電解質(2)が主たる電解質となることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池中の非水電解液中の一般式(1)で表される化合物(電解質(1))の濃度は、電解質(1)を主たる電解質とする場合は、0.1mol/L以上、飽和濃度以下であることが好ましい。より好ましくは0.1mol/L〜2.5mol/Lであり、さらに好ましくは0.3mol/L〜2mol/L、特に好ましくは0.4mol/L〜1.5mol/Lであり、最も好ましくは0.5mol/L〜1.2mol/Lである。電解質(1)の濃度が高すぎると非水電解液の粘度が高くなって電気伝導度が低下し、電池性能が充分に発現しないおそれがあり、電解質(1)の濃度が低いと、イオン量が少なくなる傾向があり、電解液の電気伝導度が不十分となるおそれがある。電解質(1)以外の電解質を主たる電解質とする場合は、電解質(1)の濃度は、好ましくは0.01mol/L〜2mol/L、より好ましくは0.05mol/L〜1mol/L、さらに好ましくは0.1mol/L〜0.5mol/Lである。電解質(1)の濃度が0.01mol/L未満である場合は、電極上の被膜形成が充分でなく、所望の電池性能が得られないおそれがある。電解質(1)の濃度が2mol/Lを超える場合は非水電解液の粘度が高くなり電気伝導度が低下し電池性能が充分に発揮できないおそれがある。
電解質(1)は、市販品を使用してもよく、また、従来公知の方法により合成したものを用いてもよい。
<電解質(2)>
本発明のリチウム二次電池においては、前記非水電解液が、電解質としてさらに電解質(2)を含み、前記電解質(2)が、
M’PFc(Cm2m+16-c(M’はアルカリ金属イオン、0≦c≦6、1≦m≦2)、
M’BFd(Cn2n+14-d(M’はアルカリ金属イオン、0≦d≦4、1≦n≦2)、及び
M’AsF6(M’はアルカリ金属イオン)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩化合物であることが好ましい。
M’はアルカリ金属イオンを表し、アルカリ金属イオンとしては、Li、Na、K、Rb、Cs及びFrが挙げられる。
M’PFc(Cm2m+16-cにおいて、M’はLi、Na、K、Rb、Cs及びFrよりなる群から選択されることが好ましく、Liであることがより好ましい。また、c=6であることが好ましい。M’BFd(Cn2n+14-dにおいて、M’はLi、Na、K、Rb、Cs及びFrよりなる群から選択されることが好ましく、Liであることがより好ましい。また、d=4であることが好ましい。M’AsF6において、M’はLi、Na、K、Rb、Cs及びFrよりなる群から選択されることが好ましく、Liであることがより好ましい。これらの電解質(2)は、電解液中での解離定数が大きく、また、後述する溶媒と溶媒和し難いアニオンを生成するものである。具体的には、電解質(2)は、LiPF6、LiBF4、及びLiAsF6よりなる群から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩であることが好ましい。これらの中でも、好ましくはLiPF6、LiBF4、より好ましくはLiPF6である。上記電解質(2)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電解質(2)は、電解液中での解離定数が大きく、適度な電気伝導度を示し、かつ電池性能を高めることができる。
本発明のリチウム二次電池の非水電解液においては、電解質(2)は主たる電解質としてもよいし、電解質(1)を主たる電解質としてもよい。
電解質(2)が主たる電解質となる場合は、非水電解液中の電解質(2)の濃度は0.1mol/L以上、飽和濃度以下であることが好ましい。より好ましくは0.1mol/L〜2.5mol/Lであり、さらに好ましくは0.3mol/L〜2mol/L、特に好ましくは0.4mol/L〜1.5mol/Lであり、最も好ましくは0.5mol/L〜1.2mol/Lである。電解質(2)の濃度が高すぎると非水電解液の粘度が高くなって電気伝導度が低下し、電池性能が充分に発現しないおそれがあり、電解質(2)の濃度が低いと、イオン量が少なくなる傾向があり、電解液の電気伝導度が不十分となるおそれがある。
電解質(1)を主たる電解質とする場合は、電解質(2)の濃度は、好ましくは0.01mol/L〜2mol/L、より好ましくは0.05mol/L〜1mol/L、さらに好ましくは0.1mol/L〜0.5mol/Lである。電解質(2)の濃度が0.01mol/L未満である場合は、電極上の被膜形成が充分でなく、所望の電池性能が得られないおそれがある。電解質(2)の濃度が2mol/Lを超える場合は非水電解液の粘度が高くなり電気伝導度が低下し電池性能が充分に発揮できないおそれがある。
また、非水電解液中の電解質(1)と電解質(2)の濃度は、電解質(1)と電解質(2)の濃度の合計として、好ましくは0.8mol/L〜2.5mol/L、より好ましくは0.8mol/L〜2.0mol/L、さらに好ましくは0.8mol/L〜1.5mol/Lである。
前記非水電解液中に含まれる電解質(2)の濃度は、高温保存特性及びサイクル特性の改善の観点から、電解質(1)と電解質(2)との合計量に対して好ましくは10〜99.9mol%である。より好ましくは85mol%以下、さらに好ましくは80mol%以下、より一層好ましくは75mol%以下、さらに一層好ましくは70mol%以下、特に好ましくは65mol%以下、最も好ましくは60mol%以下である。かかる範囲であると、適度な電気伝導度となるため、サイクル特性も向上すると考えられる。
本発明に使用される非水電解液中における電解質(1)の濃度は、高温保存特性及びサイクル特性の改善の観点から、上記電解質(1)と電解質(2)との合計を100mol%とした場合、好ましくは0.01〜90mol%、より好ましくは15〜90mol%、さらに好ましくは20〜90mol%、より一層好ましくは25〜90mol%、さらに一層好ましくは30〜90mol%、特に好ましくは35〜90mol%、最も好ましくは40〜90mol%である。電解質(1)の配合量が少なすぎると、電極上の被膜形成が充分でなく、所望の電池性能が得られないおそれがある。
<カーボネート系溶媒>
本発明に使用される非水電解液において、上記電解質類を溶解させる溶媒としては、従来、非水電解液に使用されている種々の非水溶媒のカーボネート系溶媒を使用することができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類などを使用することができる。これらのカーボネート系溶媒は、電圧印加時に分解しにくく安定であるため好ましく使用できる。また、本発明の効果を損なわない程度に、上記カーボネート系溶媒以外の、従来、非水電解液に使用されている種々の非水溶媒を併用してもよい。併用する溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,1−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンなどのエーテル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;プロピオン酸メチルや酪酸メチルなどの鎖状カルボン酸エステル類などを使用することができる。
また、カーボネート系溶媒としては、フッ素含有カーボネートを用いてもよい。前記フッ素含有カーボネートとしては、フッ素含有環状カーボネートまたはフッ素含有鎖状カーボネートが挙げられる。
フッ素含有環状カーボネートとしては、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、トリフルオロエチレンカーボネート、テトラフルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、ジフルオロメチルエチレンカーボネート、ビス(フルオロメチル)エチレンカーボネート、ビス(ジフルオロメチル)エチレンカーボネート、ビス(トリフルオロメチル)エチレンカーボネート、フルオロエチルエチレンカーボネート、ジフルオロエチルエチレンカーボネート、トリフルオロエチルエチレンカーボネート、テトラフルオロエチルエチレンカーボネート等が挙げられる。
フッ素含有鎖状カーボネートとしては、モノフルオロジメチルカーボネート、モノフルオロジエチルカーボネート、モノフルオロエチルメチルカーボネート、ビス(モノフルオロメチル)カーボネート、ビス(モノフルオロエチル)カーボネート、トリフルオロジメチルカーボネート、トリフルオロジエチルカーボネート、トリフルオロエチルメチルカーボネート等が挙げられる。上記のような、フッ素含有カーボネート(例えばフッ素含有環状カーボネートまたはフッ素含有鎖状カーボネート)を本発明の電解質(1)と組み合わせて用いることにより、電極上に良好な被膜を形成し、電極の劣化が抑制される効果が一層期待できるため、これらのフッ素含有カーボネート(例えばフッ素含有環状カーボネートまたはフッ素含有鎖状カーボネート)を溶媒として使用する様態は、本発明の好ましい様態の一つである。これらのフッ素含有カーボネートを溶媒として用いる場合、非水電解液の粘度、イオン伝導度等の観点から、非水電解液中のフッ素含有カーボネートの濃度としては0.1質量%〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%〜10質量%である。また、これらのフッ素含有カーボネートは2種以上を用いてもよい。
上記カーボネート系溶媒のなかでも、鎖状カーボネート類と環状カーボネート類を混合して使用することが好ましい。環状カーボネート類の中では、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが好ましく、より好ましくはエチレンカーボネートである。鎖状カーボネート類の中では、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましく、より好ましくはエチルメチルカーボネートである。
本発明の非水電解液におけるカーボネート系溶媒の濃度は、好ましくは70質量%〜95質量%、より好ましくは75質量%〜95質量%、さらに好ましくは80質量%〜90質量%である。
<添加剤>
本発明のリチウム二次電池の非水電解液は、高温保存特性及びサイクル特性の改善や安全性の向上のため、電解質(1)、カーボネート系溶媒、任意に電解質(2)以外に添加剤を含んでいても良い。添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、メチルビニレンカーボネート(MVC)、エチルビニレンカーボネート(EVC)等の不飽和結合を有する環状カーボネート;フェニルエチレンカーボネート及びエリスリタンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブサルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、テトラメチルチウラムモノスルフィド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシンイミド等の含窒素化合物;モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩などのリン酸塩;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物などがあげられる。非水電解液にこれらの添加剤を用いる場合、その濃度は、0.1質量%〜5質量%であることが好ましく、添加剤は2種以上を用いてもよい。
<負極>
負極は、負極活物質、分散用溶媒、結着剤、増粘剤及び必要に応じて導電助剤などを含む負極活物質組成物が負極集電体に担持されているものであり、通常シート状である。
負極集電体の材料としては、銅、鉄、ニッケル、銀、ステンレス鋼(SUS)などの導電性金属を用いることができるが、薄膜に加工しやすいという観点から、銅が好ましい。
負極活物質としては、従来公知のリチウム二次電池で使用される負極活物質を用いることができ、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであればよい。具体的には、グラファイト、人造黒鉛、天然黒鉛などの黒鉛材料、石炭・石油ピッチから作られるメソフェーズ焼成体、難黒鉛化性炭素などの炭素材料、Si、Si合金、SiO等などのシリコンSi系負極材料、Sn合金等などのSn系負極材料、リチウム金属、リチウム−アルミニウム合金などのリチウム合金を用いることができる。
なお、負極の製造方法としては、正極の製造方法と同様の方法を採用することができる。負極に使用し得る導電助剤、結着剤、材料分散用の溶媒等は、正極で用いられるものと同様のものを用いることができる。
また、負極活物質組成物の作製に増粘剤を用いてもよく、増粘剤は、負極活物質組成物を集電体上に塗布可能な粘度に制御するために用いられる非イオン性ポリマーであることが好ましい。増粘剤としては、例えばポリエチレングリコール類、セルロース類、ポリアクリルアミド類等が挙げられるが、これらの中でも、ポリエチレングリコール類、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース類等が好ましく、好適な粘性を付与でき、かつ分散性も良好であるカルボキシメチルセルロース(CMC)が特に好ましい。
<セパレータ>
セパレータは正負極を隔てるように配置されるものである。セパレータとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを用いることができる。例えば、非水電解液を吸収・保持するポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータやセルロース系セパレータなど)、不織布セパレータ、多孔質金属体などが挙げられる。中でも、有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を持つポリオレフィン系微多孔質セパレータが好適である。
上記多孔性シートの材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの3層構造を有する積層体などが挙げられる。酸化電圧が高く、高電圧に有利な点から、ポリプロピレン(PP)製のセパレータが好適である。
上記不織布セパレータの材質は、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、アラミド、ガラスなどが挙げられ、非水電解液層に要求される機械強度などに応じて単独又は混合して用いられる。
本発明に係るリチウム二次電池は、正極と負極とが、非水電解液が含浸されているセパレーターを介して、ケースに収納された構造を有している。本発明に係るリチウム二次電池の形状は任意であり、例えば、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型、大型等のいずれであってもよい。
本発明のリチウム二次電池において、正極からのMn成分溶出量は、好ましくは300ppm未満、より好ましくは250ppm以下、さらに好ましくは200ppm以下、より一層好ましくは190ppm以下、さらに一層好ましくは180ppm以下、特に好ましくは150ppm以下、最も好ましくは140ppm以下である。係る範囲であると、正極からのMn成分溶出が抑制され、電極の劣化を防止し、内部抵抗の上昇を抑制し、放電電圧を高い値に維持することができる。その結果として高温保存特性及びサイクル特性を改善することができる。なお、正極からのMn成分溶出量は、後述の方法により測定することができる。
本発明のリチウム二次電池において、60℃で3ヶ月保存した場合の0.2C回復容量は、好ましくは40%以上、より好ましくは45%以上、さらに好ましくは50%以上である。なお、当該0.2C回復容量は、後述の方法により測定することができる。
本発明のリチウム二次電池において、60℃で3ヶ月保存した場合の1C回復容量は、好ましくは22%以上、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは30%以上である。なお、当該1C回復容量は、後述の方法により測定することができる。
本発明のリチウム二次電池において、60℃で3ヶ月保存した場合のセルOCV(開放電圧)は、好ましくは3.0V以上、より好ましくは3.1V以上、さらに好ましくは3.2V以上である。なお、当該セルOCVは、後述の方法により測定することができる。
本発明のリチウム二次電池において、60℃で3ヶ月保存した場合の内部抵抗上昇率(IR上昇率)は、好ましくは400%未満、より好ましくは300%以下、さらに好ましくは250%以下、特に好ましくは200%以下である。なお、当該内部抵抗上昇率は、後述の方法により測定することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
1.非水電解液の調製
非水電解液調製例1
一般式(1)で表される化合物(電解質(1))としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI、従来公知の方法により合成したもの0.94g(5mmol)、電解質(2)としてヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6、キシダ化学株式会社製、LBGグレード)0.76g(5mmol)を10mLのメスフラスコに測り取り、エチレンカーボネート(EC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)(いずれもキシダ化学株式会社製、LBGグレード)の体積比が3/7(EC/EMC)である溶媒でメスアップして非水電解液1を調製した。
非水電解液調製例2
電解質(1)として前出のLiFSI 0.75g(4mmol)、電解質(2)として前出のLiPF6 0.91g(6mmol)を用いたこと以外は、非水電解液調製例1と同様にして非水電解液2を調製した。
非水電解液調製例3
電解質(1)として前出のLiFSI 0.56g(3mmol)、電解質(2)として前出のLiPF6 1.06g(7mmol)を用いたこと以外は、非水電解液調製例1と同様にして非水電解液3を調製した。
非水電解液調製例4
電解質(1)として前出のLiFSI 0.37g(2mmol)、電解質(2)として前出のLiPF6 1.22g(8mmol)を用いたこと以外は、非水電解液調製例1と同様にして非水電解液4を調製した。
非水電解液調製例5
電解質(1)として前出のLiFSI 0.19g(1mmol)、電解質(2)として前出のLiPF6 1.37g(9mmol)を用いたこと以外は、非水電解液調製例1と同様にして非水電解液5を調製した。
非水電解液調製例6
電解質(1)を用いず、電解質(2)として前出のLiPF6 1.52g(10mmol)を用いたこと以外は非水電解液調製例1と同様にして非水電解液6を調製した。
2.ラミネートセルの作製と試験前の充放電
正極活物質層の面積が12cm2(3cm×4cm)の正極シート(正極活物質:LiMn24、バインダー:PVDF、導電助剤:アセチレンブラックを96:5:4の比率で混錬し、NMP溶剤に溶解させて固形分60%でスラリー化して、アルミ箔上に塗工し、100℃ホットプレート上で乾燥させた後、ロールプレス機で一定密度になるまでプレスして作製した。3mAh/cm2)1枚と、負極活物質層の面積が13.44cm2(3.2cm×4.2cm)の負極シート(負極活物質:人造黒鉛、バインダー:SBR、増粘剤:CMC、導電助剤:カーボンブラックを95.7:2:1.8:0.5の比率で混錬し、純水に溶解させて固形分48%でスラリー化して、銅箔上に塗工し、100℃ホットプレート上で乾燥させた後、ロールプレス機で一定密度になるまでプレスして作製した。3.2mAh/cm2)1枚とを対向するように積層し、その間に1枚のポリオレフィン系セパレータ(ポリエチレン製20μm)を挟んだ。2枚のアルミニウムラミネートフィルムで正極及び負極のシートを挟み込み、アルミニウムラミネートフィルム内を各非水電解液1〜6で満たし、真空状態で密閉することによりラミネートセルを作製した。
充放電試験装置(ACD−01、アスカ電子株式会社製)を使用して、30℃で充放電速度0.2C(定電流モード)、3.5V〜4.2Vで1度充放電を行った後、ラミネートセルを開封してから、再度真空状態で密閉した。同条件で充放電を5回繰り返して非水電解液に対応するラミネート型リチウム電池を完成させた。
3.Mn成分溶出試験
非水電解液1〜6を用いて作製した各ラミネート型リチウム電池について、前記充放電試験装置を用いて、30℃の条件下で、0.5Cでの4.2V定電流定電圧充電を5時間行った後、正極のみを取り出した。それぞれの電池作製に用いた非水電解液と同じ組成の電解液を別途作製し、各電解液中に取り出した各正極を入れて、60℃で30日間放置した。放置後の電解液について超純水にて1%濃度に希釈してICP分析を行った(測定装置:株式会社島津製作所製 ICP発光分析装置 ICPE−9000)。結果を表1に示す。
表1の結果から、LiFSIとLiPF6を併用した例とLiFSIを用いなかった例と比べると、LiFSIとLiPF6を併用した例は、Mn成分溶出が抑制されていることが分かる。また、LiFSIの濃度が高くなると、Mn成分溶出がさらに抑制されていることが分かる。これは、LiFSIにより正極上に被膜が形成され、正極の劣化が抑えられ、正極からのMn成分溶出が抑制されるためであると考えられる。
4.高温保存特性試験
4−1.容量維持率
非水電解液1〜6を用いて得られた各ラミネート型リチウム電池を、前記充放電試験装置を用いて、30℃にて、1Cでの4.2V定電流定電圧充電を3時間行い、0.2Cでの2.75Vカットオフの放電を行い、このときの放電容量を初期放電容量(A)とする。その後、各ラミネート型リチウム電池について、30℃で1Cでの4.2V定電流定電圧充電を3時間行い、60℃で0.5、1.0、2.0、3.0ヶ月間のそれぞれで保管した。その後、30℃、0.2Cでの2.75Vカットオフの放電を行った後、1Cでの4.2V定電流定電圧充電を3時間行い、0.2Cでの2.75Vカットオフの放電を行った。この時の放電容量を高温保管後の放電容量(B)とする。高温保管前後での容量維持率を以下の式により算出し、その結果を図1及び表2に示す。
容量維持率=高温保管後の放電容量(B)/初期放電容量(A)×100
放電容量測定時の放電速度を1Cとする以外は、上記と同じ条件で高温保管前後での容量維持率を算出した。その結果を図2及び表3に示す。
図1及び2並びに表2及び3の結果から、LiFSIとLiPF6を併用した例とLiFSIを用いなかった例と比べると、LiFSIとLiPF6を併用した例は、容量維持率が向上していることがわかる。これは、LiFSIを非水電解液中に含むと、正極上に被膜が形成され、正極からのMn成分溶出を抑制し、電極(正極)の劣化を防止し、容量の低下が抑えられるためであると考えられる。
4−2.セルOCV(開放電圧)
非水電解液1〜6を用いて得られた各ラミネート型リチウム電池について、30℃で1Cでの4.2V定電流定電圧充電を3時間行い、充電終了後6時間以上24時間以内に電池回路電圧を測定した(測定装置:鶴賀電機株式会社製 低抵抗計 型番3566)。測定後60℃で3.0ヶ月間保管し、保管中の0.25、0.5、1.0、2.0ヶ月経過時点で室温に戻し、3時間放置した後に、電池回路電圧を測定した。その結果を表4及び図3に示す。
図3及び表4の結果から、LiFSIとLiPF6を併用した例とLiFSIを用いなかった例と比べると、LiFSIとLiPF6を併用した例は、セルOCVが向上していることがわかる。これは、LiFSIを非水電解液中に含むと、正極上に被膜が形成され、正極からのMn成分溶出を抑制し、電極(正極)の劣化を抑えることができ、放電電圧を高い値に維持できるためであると考えられる。
4−3.インピーダンス
非水電解液1〜6を用いて得られた各ラミネート型リチウム電池について、30℃で、1Cでの4.2V定電流定電圧充電を3時間行い、充電終了後6時間以上24時間以内に1KHzで交流インピーダンスを測定した(測定装置:鶴賀電機株式会社製 低抵抗計 型番3566)。測定後60℃で3.0ヶ月間保管し、保管中の0.5、1.0、2.0ヶ月経過時点で1KHz交流インピーダンスを測定した。なお、測定は各電池を室温雰囲気下に戻し、3時間放置後に行った。その結果を表5及び図4に示す。
図4及び表5の結果から、LiFSIとLiPF6を併用した例とLiFSIを用いなかった例と比べると、LiFSIとLiPF6を併用した例は、内部抵抗の上昇が抑制されていることがわかる。これは、LiFSIを非水電解液中に含むと、正極上に被膜が形成され、正極からのMn成分溶出を抑制し、正極の劣化が抑えられ、内部抵抗の上昇を抑制できるためであると考えられる。
5.サイクル特性試験
非水電解液1〜6を用いて作製した各ラミネート型リチウム電池について、前記充放電試験装置を用いて、30℃において1Cでの4.2V定電流定電圧の充電を開始して0.02Cカットオフまで充電し、1Cでの2.75Vカットオフの放電を行い、サイクル試験を行った。各充放電後には10分の充放電休止時間を設けた。その結果を図5に示す。
図5の結果から、LiFSI 0.5mol+LiPF6 0.5mol、LiFSI 0.4mol+LiPF6 0.6mol、LiFSI 0.3mol+LiPF6 0.7mol、LiFSI 0.2mol+LiPF6 0.8mol、LiFSI 0.1mol+LiPF6 0.9molの電解質組成(非水電解液1〜5)を用いた場合は、LiPF6 1mol(非水電解液6)と比較していずれもサイクル特性が向上していることが分かる。これは、LiFSIを非水電解液中に含むと、電極上に被膜が形成され、正極からMn成分の溶出を抑制し、正極の劣化が抑えられるため、また、被膜により非水電解液が電極上で分解される事が抑制されるため、サイクル性能が改善されると考えられる。

Claims (7)

  1. 一般式 LixMnabyで表され、元素MはNi、Co、Al、Si、Zr、Ti、Fe、Mg及びVよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1.9≦(a+b)≦2.1、0<x≦2、1≦a≦3、0≦b≦1.0、3≦y≦4.5であるリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含有する正極、
    リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を含有する負極、及び
    非水電解液を備えたリチウム二次電池であって、
    前記非水電解液は、電解質(1)として
    一般式(1):(XSO2)(X’SO2)N-Li+
    (X、X’は、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、X、X’の少なくとも一方はフッ素原子である。)で表される化合物、及びカーボネート系溶媒を含むことを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記非水電解液が、電解質としてさらに電解質(2)を含み、前記電解質(2)が、
    M’PFc(Cm2m+16-c(M’はアルカリ金属イオン、0≦c≦6、1≦m≦2)、
    M’BFd(Cn2n+14-d(M’はアルカリ金属イオン、0≦d≦4、1≦n≦2)、及び
    M’AsF6(M’はアルカリ金属イオン)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩化合物である請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記非水電解液中に含まれる電解質(2)の濃度が、電解質(1)と電解質(2)との合計量に対して10〜99.9mol%である請求項2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記電解質(2)がLiPF6である請求項2又は3に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記カーボネート系溶媒が環状カーボネート類及び鎖状カーボネート類を含む請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  6. 前記一般式(1)で表される化合物が、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  7. 前記リチウム遷移金属複合酸化物が、LiMn24(マンガン酸リチウム)である請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム二次電池。
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