一例として示すダクト収容ボックス10Aの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係るダクト収容ボックスの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、図1のダクト収容ボックス10Aの部分破断正面図であり、図3は、図1の3−3線矢視断面図である。図1〜図3では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し(図3を除く)、前後方向を矢印Zで示す(図2を除く)。図2では、ガラリ13の一部を破断して示す。なお、図1〜図3では、ダクト収容ボックス10Aに2本の空気搬送ダクト11が接続されているが、ダクト11の数を2本に限定するものではなく、2本を超過する数のダクト11がボックス10Aに接続される場合もある。
ダクト収容ボックス10Aは、クリーンルーム40,41(室)(図7,11参照)から延びる複数本の給気ダクト48(図7参照)(空気搬送ダクト11)を一纏めにした状態で、工場12(図7,11参照)(既設建物)の屋外から外気を取り入れ、その外気を給気ダクト48に供給する。または、クリーンルーム40,41から延びる複数本の排気ダクト56(図11参照)(空気搬送ダクト11)を一纏めにした状態で、排気ダクト56から排気される空気を工場12の屋外に排出する。以下、ダクト収容ボックス10Aの説明では空気搬送ダクト11の用語を用いる。ダクト収容ボックス10Aは、金属製またはプラスチック製のガラリ13と、ガラリ13につながる金属製のチャンバー14とから形成されている。ボックス10Aの内部には、所定容積の内部空間15が画成されている。
ガラリ13は、工場12(既設建物)の内外を隔てる壁16に作られた開口17に整合させた状態で、その壁16に取り付けられている。チャンバー14は、工場12の壁16から内側に延出する横方向へ長い5面体である。チャンバー14は、上下方向へ対向する頂壁18および底壁19と、横方向へ対向する両側壁20,21と、ガラリ13に対向してそれら両側壁20,21の間に位置する後側壁22とから形成されている。それら壁18〜22は、その平面形状が矩形に成形されている。チャンバー14では、頂底壁18,19と両側壁20,21と後側壁22とが気密に接続されている。チャンバー14は、頂底壁18,19と両側壁20,21とのうちの壁16に当接する部分が壁16に気密に固定されている。
後側壁22には、空気搬送ダクト11の延出端部23を挿通する挿通孔24が形成されている。ダクト収容ボックス10Aでは、後側壁22の挿通孔24に空気搬送ダクト11の延出端部23が挿通され、挿通孔24の周縁にダクト11の周面が気密に固定されている。空気搬送ダクト11の延出端部23は、挿通孔24からダクト収容ボックス10Aの内部空間15に引き込まれ、ボックス10Aの内部空間15に収容されている。
ダクト収容ボックス10Aの内部空間15では、空気搬送ダクト11の排気端部23がガラリ13に向かって前後方向前方へ直状に延び、開口端25がガラリ13に対向し、開口端25が工場12の外(屋外)に向かって前後方向前方へ開口している。なお、空気搬送ダクト11はその断面形状が円形に成型されているが、断面形状を円形に限定するものではなく、四角形等の他の断面形状を有するダクト11を使用することもできる。
空気搬送ダクト11の延出端部23には、ガラリ13に対向しない方向へ屈曲する屈曲ダクト26が接続されている。屈曲ダクト26は、空気搬送ダクト11の延出端部23の開口端25から出入する空気の流れをガラリ13に対向しない方向へ向ける。屈曲ダクト26は、空気搬送ダクト11の延出端部23の開口端25に気密に接合された第1開口端27と、第1開口端27の反対側に位置して空気が出入する第2開口端28とを有する。屈曲ダクト26は、空気搬送ダクト11の延出端部23の軸線L1に対して略90度で上下方向上方へ屈曲している。屈曲ダクト26の第2開口端28は、チャンバー14の頂壁18に向かって上下方向上方へ開口している。
なお、屈曲ダクト26が空気搬送ダクト11の延出端部23の軸線L1に対して略90度で上下方向下方へ屈曲していてもよい。屈曲ダクト26が上下方向下方へ屈曲する場合は、第2開口端28がチャンバー14の底壁19に向かって上下方向下方へ開口する。また、屈曲ダクト26が空気搬送ダクト11の延出端部23の軸線L1に対して略90度で横方向へ屈曲していてもよい。屈曲ダクト26が横方向へ屈曲する場合は、第2開口端28がチャンバー14の側壁20,21に向かって横方向左方または横方向右方へ開口する。
空気搬送ダクト11が給気ダクト48の場合、頂壁18に向かって開口する屈曲ダクト26の第2開口端28から空気が給気され、空気が屈曲ダクト26を通って給気ダクト48に流入する。また、空気搬送ダクト11が排気ダクト56の場合、頂壁18に向かって開口する屈曲ダクト26の第2開口端28から空気が排気され、空気がガラリ13を通って工場12の屋外に排気される。
このダクト収容ボックス10Aは、屈曲ダクト26が上下方向上方へ屈曲してガラリ13に対向しない方向へ延出し、屈曲ダクト26の第2開口端28がチャンバー14の頂壁18に向かって開口(ガラリ13に対向しない方向へ開口)するから、図3に矢印A1で示すように、ガラリ13の外側に吹く風の影響で余分な空気がボックス10Aの内部空間15に進入したとしても、その空気が屈曲ダクト26の周面に衝突し、空気がダクト26の第2開口端28に直接進入することはなく、内部空間15に進入した空気の空気搬送ダクト11への直接の流入を防ぐことができ、ダクト11に流入する空気を最小限にすることができる。
ダクト収容ボックス10Aは、図3に矢印A2で示すように、ガラリ13の外側に吹く風の影響で空気がボックス10Aの内部空間15から流出したとしても、空気が屈曲ダクト26の第2開口端28から直接流出することはなく、空気の空気搬送ダクト11からの直接の流出を防ぐことができ、ダクト11から流出する空気を最小限にすることができる。ダクト収容ボックス10Aは、ガラリ13の外側に風が吹いたとしても、空気が空気搬送ダクト11へ一気に流入することはなく、空気がダクト11から一気に流出することもないから、ダクト11の内部気圧の急激な変動を防ぐことができる。
図4は、他の一例として示すダクト収容ボックス10Bの斜視図であり、図5は、図4のダクト収容ボックス10Bの部分破断正面図である。図6は、図4の6−6線矢視断面図である。図4〜図6では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し(図6を除く)、前後方向を矢印Zで示す(図5を除く)。図5では、ガラリ13の一部を破断して示す。図4に示すダクト収容ボックス10Bのうち、空気搬送ダクト11やガラリ13、チャンバー14は図1のボックス10Aのそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、それらの説明は省略する。
空気搬送ダクト11の延出端部23には、図1のそれと同様に、ガラリ13に対向しない方向へ屈曲する屈曲ダクト26が接続されている。屈曲ダクト26は、空気搬送ダクト11の延出端部23の開口端25から出入する空気の流れをガラリ13に対向しない方向へ向ける。屈曲ダクト26は、空気搬送ダクト11の延出端部23の開口端25に気密に接合された第1開口端27と、第1開口端27の反対側に位置して空気が出入する第2開口端28とを有する。屈曲ダクト26は、略90度で上下方向上方へ屈曲するとともに、上方へ屈曲した後、略90度で前後方向後方へ屈曲している。したがって、屈曲ダクト26は、空気搬送ダクト11の延出端部23の軸線L1に対して略180度で屈曲し、ガラリ13の側からチャンバー14の後側壁22の側に向かってUターンしている。屈曲ダクト26の第2開口端28は、ガラリ13とは反対側にチャンバー14の後側壁22に向かって開口している。
なお、屈曲ダクト26が上下方向下方へ略90度屈曲した後、前後方向後方へ略90度屈曲していてもよく、屈曲ダクト26が横方向へ略90度屈曲した後、前後方向後方へ略90度屈曲していてもよい。それらの場合においても、屈曲ダクト26が空気搬送ダクト11の延出端部23の軸線L1に対して略180度で屈曲し、ガラリ13の側からチャンバー14の後側壁22の側に向かってUターンし、屈曲ダクト26の第2開口端28がガラリ13とは反対側にチャンバー14の後側壁22に向かって開口する。
空気搬送ダクト11が給気ダクト48の場合、後側壁22に向かって開口する屈曲ダクト26の第2開口端28から空気が給気され、空気が屈曲ダクト26を通って給気ダクト48に流入する。また、空気搬送ダクト11が排気ダクト56の場合、後側壁22に向かって開口する屈曲ダクト26の第2開口端28から空気が排気され、空気がガラリ13を通って工場12の屋外に排気される。なお、屈曲ダクト26は、延出端部23の軸線L1に対して90〜180度の範囲で上方向や下方向、横方向のいずれかへ屈曲していればよいが、延出端部23の軸線L1に対して120〜180度の範囲で上方向や下方向、横方向のいずれかへ屈曲していることが好ましい。
このダクト収容ボックス10Bは、屈曲ダクト26が上下方向上方と前後方向後方とへ屈曲してガラリ13に対向しない方向へ延出し、屈曲ダクト26の第2開口端28がチャンバー14の後側壁22に向かって開口(ガラリ13の反対側に開口)するから、図6に矢印A1で示すように、ガラリ13の外側に吹く風の影響で余分な空気がボックス10Bの内部空間15に進入したとしても、その空気が屈曲ダクト26の周面に衝突し、空気がダクト26の第2開口端28に直接進入することはなく、内部空間15に進入した空気の空気搬送ダクト11への直接の流入を防ぐことができ、ダクト11に流入する空気を最小限にすることができる。
ダクト収容ボックス10Bは、図6に矢印A2で示すように、ガラリ13の外側に吹く風の影響で空気がボックス10Bの内部空間15から流出したとしても、空気が屈曲ダクト26の第2開口端28から直接流出することはなく、空気の空気搬送ダクト11からの直接の流出を防ぐことができ、ダクト11から流出する空気を最小限にすることができる。ダクト収容ボックス10Aは、ガラリ13の外側に風が吹いたとしても、空気が空気搬送ダクト11へ一気に流入することはなく、空気がダクト11から一気に流出することもないから、ダクト11の内部気圧の急激な変動を防ぐことができる。
図7,8は、給気装置38を含む室圧制御機構39の一例を示す構成図であり、図9は、一例として示す給気装置38の構成図である。図7、クリーンルーム40,41(室)を上方から示し、図8は、クリーンルーム40,41を側方から示す。なお、図7の室圧制御機構39では、室として半導体の製造や薬剤の製造、各種実験等に使用するクリーンルーム40,41を例示しているが、室をクリーンルーム40,41に限定するものではなく、室としてクリーンルーム40,41を含むあらゆる室が含まれる。また、2つのクリーンルーム40,41を図示しているが、室を2つに限定するものではなく、1つまたは3つ以上の室にこの給気装置38を適用することができる。
図7の室圧制御機構39では、空気搬送ダクト11が給気ダクト48として使用され、それら給気ダクト48がダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bに接続されている。なお、給気ダクト48の延出端部23に取り付けられた屈曲ダクト26は、図1〜図6に示す態様のいずれかのそれが使用されている。室圧制御機構39は、所定容積を有するクリーンルーム40,41に空気(外気)を供給する給気装置38と、クリーンルーム40,41から空気を排出する排気装置42とから形成されている。クリーンルーム40,41は、工場12(既設建物)内部に設置され、その四方を天井43および床44と、各側壁45とに囲繞され、高い気密性を有する。
天井43には、空気をクリーンルーム40,41内に取り入れるための給気口(図示せず)が施設されている。側壁45には、クリーンルーム40,41内から空気を排出するためのガラリ排気口46が施設されている。側壁45には、クリーンルーム40,41に出入りするためのドア47が設置されている。クリーンルーム40,41の室内気圧は、あらかじめ設定された目標室内気圧に保持される。クリーンルーム40,41の目標室内気圧に特に限定はなく、クリーンルーム40,41の用途や容積等によって目標室内気圧を適宜設定することができる。
給気装置38は、クリーンルーム40,41につながる金属製の給気ダクト48と、給気ダクト48を通る空気(外気)の所定量をクリーンルーム40,41に強制的に送り込む給気ファン49(送風機)と、給気ファン49に流入する空気の量を調節するモータダンパ50と、給気ダクト48を通る空気の圧力を測定する圧力センサ51と、クリーンルーム40,41に給気する空気を一定に保持する定風量ユニット52とを有する。給気ファン49は、インターフェイスを介して制御装置(図示せず)に接続されている。制御装置は、給気ファン49の出力を設定されたそれに保持し、給気ファン49から送り出される空気の圧力および量を一定に保持する。なお、この実施の形態では、給気装置38が定風量ユニット52を備えているが、給気装置38に定風量ユニット52が含まれていなくてもよい。
給気ダクト48は、天井43空間に配置され、天井43に施設された給気口と工場12の壁16に施設されたダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bとの間に延びている。給気ダクト48は、ガラリ13から流入した空気をクリーンルーム40,41内に搬送する。給気ダクト48の延出端部23は、ボックス10Aまたはボックス10Bの内部空間15に収容されている。モータダンパ50は、ボックス10Aまたはボックス10Bと給気ファン49との間に延びる給気ダクト48に設置されている。圧力センサ51は、モータダンパ50と給気ファン49との間に延びる給気ダクト48に設置されている。定風量ユニット52は、給気ファン49とクリーンルーム40,41と間に延びる給気ダクト48に取り付けられている。
給気装置38では、ダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bからクリーンルーム40,41に向かって、モータダンパ50、圧力センサ51、給気ファン49、定風量ユニット52の順に並んでいる。定風量ユニット52は、給気ダクト48の内部気圧の変動に対してユニット52内を流れる空気量を調節し、クリーンルーム40,41に供給する空気量を常時一定に保持する。ガラリ13からボックス10Aまたはボックス10Bに流入した空気は、給気ダクト48を通ってモータダンパ50から給気ファン49に流入し、給気ファン49からダクト48を通って定風量ユニット52に流入した後、ユニット52からダクト48を通り、給気口からクリーンルーム40,41内に供給される。
モータダンパ50は、モジュトロールモータ(図示せず)と、モータの回転を制御する(モータダンパ50の旋回羽根54の開度を調節する)コントローラ53(制御装置)と、モータの駆動力によって旋回する旋回羽根54とから形成されている。モータダンパ50は、旋回羽根54の旋回によって開閉される空気流路(図示せず)を有する。モータダンパ50のコントローラ53は、演算処理を行う中央処理部と各種条件を記憶可能なメモリ(記憶部)とを有するマイクロプロセッサである。
モータダンパ50では、コントローラ53からの制御信号によってモジュトロールモータが回転するとともに旋回羽根54が所定角度に旋回し、空気流路に対する羽根54の開度(旋回角度)を調整して空気流路を通過する空気量を調節する。コントローラ53には、各種条件を入力するための入力装置、入力確認のための表示装置がインターフェイスを介して接続されている(図示せず)。モータダンパ50には、平行翼ダンパまたは対向翼ダンパを使用することができる。なお、圧力センサ51は、インターフェイス55を介してモータダンパ50のコントローラ53に接続されている。モータダンパ50のコントローラ53のメモリには、圧力センサ51によって測定された給気ダクト48の測定圧力と比較する設定圧力が格納されている。なお、設定圧力は、入力装置によって自由に設定変更することができる。設定圧力は、−1000Pa〜1000Paの範囲に設定される。
モータダンパ50のコントローラ53の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいてメモリに格納されたアプリケーションプログラムを起動し、起動したアプリケーションプログラムに従って以下の各手段を実行する。コントローラ53の中央処理部は、圧力センサ51から出力された給気ダクト48内の測定圧力とあらかじめ設定された設定圧力とを比較する給気圧力比較手段を実行する。中央処理部は、測定圧力と設定圧力とを比較した結果、測定圧力が設定圧力の範囲から外れている場合、モータダンパ50の旋回羽根54の開度を調節して測定圧力を設定圧力の範囲内に戻す給気圧力制御手段を実行する。
測定圧力が設定圧力の範囲から外れているとは、測定圧力が設定圧力の範囲を超過している場合と測定圧力が設定圧力の範囲未満の場合とがある。ボックス10Aまたはボックス10Bの外部(工場12の屋外)に吹く風の影響で、空気がガラリ13を通ってボックス10Aまたはボックス10Bの内部空間15に進入し、あるいは、空気がボックス10Aまたはボックス10Bの内部空間15からガラリ13を通って流出したとしても、上述のとおり、空気搬送ダクト11(給気ダクト48)の延出端部23に接続された屈曲ダクト26がガラリ13に対向しない方向へ延出し、屈曲ダクト26の第2開口端28がチャンバー14の頂壁18または後側壁22に対向しているから、空気が給気ダクト48に直接流入することはなく、空気が給気ダクト48から直接流出することはない。
しかし、ボックス10Aまたはボックス10B内に進入した空気によってボックス10A内やボックス10B内の気圧が上昇し、それによって、空気が給気ダクト48に流入する場合がある。給気ダクト48に空気が流入すると、ダクト48内の圧力が増加する。その結果、測定圧力が設定圧力の範囲を超過する場合がある。それとは逆に、ボックス10Aまたはボックス10B内から流出した空気によってボックス10A内やボックス10B内の気圧が下降し、それによって、空気が給気ダクト48からボックス10A,10Bの内部空間15に流出しようとする場合がある。給気ダクト48から空気が流出しようとすると、ダクト48内の圧力が減少する。その結果、測定圧力が設定圧力の範囲未満となる場合がある。
測定圧力が設定圧力の範囲を超過している場合、コントローラ53は、モータダンパ50の旋回羽根54が最小開度でなければ、旋回羽根54の開度を小さくし、ダンパ50の空気流路を通る空気の量を減少させる(給気ダクト48を通る空気の量を減少させる)。その結果、給気ダクト48内の圧力が下がり、測定圧力が低下して測定圧力が設定圧力の範囲内に復帰する。逆に、測定圧力が設定圧力の範囲未満の場合、コントローラ53は、旋回羽根54が全開(開度100%)でなければ、旋回羽根54の開度を大きくし、ダンパ50の空気流路を通る空気の量を増加させる(給気ダクト48を通る空気の量を増加させる)。その結果、給気ダクト48内の圧力が上がり、測定圧力が増加して測定圧力が設定圧力の範囲内に復帰する。
測定圧力が設定圧力の範囲内にある場合、コントローラ53は、旋回羽根54が全開であれば、羽根54の全開を保持するとともに、旋回羽根54が最小開度であれば、羽根54の最小開度を保持する。または、旋回羽根54が全開でなければ、そのときの旋回羽根54の開度を保持するとともに、旋回羽根54が最小開度でなければ、そのときの旋回羽根54の開度を保持する。コントローラ53は、測定圧力が設定圧力の範囲から外れた後、旋回羽根54の開度を調節したことによって測定圧力が設定圧力の範囲内に戻ると、そのときの旋回羽根54の開度を保持する。
モータダンパ50の旋回羽根54の旋回速度は、1〜30s/Full Scaleの範囲、好ましくは、1〜5s/Full Scaleの範囲にある。旋回速度が30s/Full Scaleを超えると、モータダンパ50のレスポンスが低下し、ダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bの外部に吹く風の影響で、給気ダクト48に空気が流入し、または、給気ダクト48から空気が流出しようとして測定圧力が急激に変化したときに、旋回羽根54の旋回がそれに迅速に対応することができず、ダンパ50の空気流路を通過する空気量の調節が遅れ、給気ファン48やモータダンパ50を利用して一定量かつ一定圧の空気をクリーンルーム40,41に給気することができなくなる場合がある。モータダンパ50では、その旋回羽根54の旋回速度が1〜30s/Full Scaleの範囲にあるから、測定圧力が急激に変化したとしても、旋回羽根54の旋回がそれに迅速に対応し、ダンパ50の空気流路を通過する空気量を速やかに調節し、測定圧力を設定圧力の範囲内に速やかに復帰させる。
モータダンパ50の旋回羽根54の開度を小さくしたときの羽根54の最小開度は、3〜25%の範囲、好ましくは、5〜20%に設定されている。したがって、旋回羽根54の開度を最小にしたとしても、羽根54が全閉(開度0%)になることはない。開度3〜25%は、羽根54が全開のときを開度100%とし、その開度に対する割合である。たとえば、開度3%では、羽根全開100%に対して3%だけ開いた状態を示し、開度25%では、羽根全開100%に対して25%だけ開いた状態を示す。
排気装置42は、クリーンルーム40,41につながる金属製の排気ダクト56と、クリーンルーム40,41から所定量の空気を強制的に排気する排気ファン57(送風機)と、クリーンルーム40,41から排気する空気を一定に保持する定風量ユニット58とを有する。排気ファン57は、インターフェイスを介して制御装置(図示せず)に接続されている。制御装置は、排気ファン57の出力を設定されたそれに保持し、排気ファン57から送り出される空気の圧力および量を一定に保持する。
排気ダクト56は、床の下方に配置され、クリーンルーム40,41の側壁45に施設されたガラリ排気口46と空気排気口59との間に延びている。空気排気口59は、工場12の壁16に設置されたガラリ(図示せず)につながっている。排気装置42では、空気排気口59からクリーンルーム40,41に向かって、排気ファン57、定風量ユニット58の順に並んでいる。排気ダクト56は、ガラリ排気口46から流出した空気を工場12外(クリーンルーム40,41外)に搬送する。
排気ファン57は、定風量ユニット58と空気排気口59との間に延びる排気ダクト56に取り付けられている。定風量ユニット58は、排気ファン57とガラリ排気口46との間に延びる排気ダクト56に取り付けられている。排気ファン57は、一定量かつ一定圧の空気をクリーンルーム40,41から排気する。定風量ユニット58は、排気ダクト56の内部気圧の変動に対してユニット58内を流れる空気量を調節し、クリーンルーム40,41から排出する空気量を常時一定に保持する。ガラリ排気口46から流出した空気は、定風量ユニット58に流入し、ユニット58から排気ダクト56を通って排気ファン57に流入した後、排気ファン57からダクト56を通り、空気排気口59から工場12の屋外に排気される。
給気ダクト48や排気ダクト56に取り付けられた定風量ユニット52,58は、図示はしていないが、モータダンパおよび風速センサと、制御装置と、それらを収容する筐体とから形成されている。定風量ユニット52,58のモータダンパは、モータダンパ50と同一である。それら定風量ユニット52,58では、制御装置からの制御信号によってモジュトロールモータが回転するとともに旋回羽根が所定角度に旋回する。定風量ユニット52,58の制御装置は、演算処理を行う中央処理部と各種条件を記憶可能なメモリ(記憶部)とを有するマイクロプロセッサである。制御装置には、各種条件を入力するための入力装置、入力確認のための表示装置がインターフェイスを介して接続されている(図示せず)。
定風量ユニット52,58の制御装置のメモリには、クリーンルーム40,41の目標室内気圧と、定風量ユニット52,58を通過する空気通過量との相関関係が格納され、目標室内気圧に対応する空気通過量と、その空気通過量に対応するモータダンパの旋回羽根の開度(旋回角度)との相関関係が格納されている。目標室内気圧は、入力装置によって自由に設定変更することができる。定風量ユニット52,58の制御装置は、目標室内気圧が入力されると、メモリに格納された相関関係に基づいて目標室内気圧に対応する空気流路における空気通過量を決定し、モータダンパの空気流路を通過する空気通過量が決定したそれになるように、相関関係に基づいてモータダンパの旋回羽根の開度を決定した後、旋回羽根の開度を決定したそれに保持する。
それら定風量ユニット52,58は、給気ダクト48や排気ダクト56の内部気圧の変動に対してユニット52,58内を通る空気通過量を目標室内気圧に対応するそれに調節し、クリーンルーム40,41へ供給する空気量を一定に保持するとともに、クリーンルーム40,41から排気する空気量を一定に保持する。具体的には以下のとおりである。定風量ユニット52,58の制御装置は、風速センサから出力された風速からモータダンパの空気流路を通る空気通過量を演算し、演算した空気通過量と目標室内気圧に対応する空気通過量とを比較する。
給気装置38の定風量ユニット52の制御装置は、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれよりも多い場合、モータダンパの旋回羽根の開度を小さくし、空気流路を通過する空気通過量を少なくする。定風量ユニット52の制御装置は、旋回羽根の開度を小さくした後、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれの範囲に入ると、そのときの旋回羽根の開度を維持する。演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれよりも少ない場合、定風量ユニット52の制御装置は、モータダンパの旋回羽根の開度を大きくし、空気流路を通過する空気通過量を多くする。定風量ユニット52の制御装置は、旋回羽根の開度を大きくした後、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれの範囲に入ると、そのときの旋回羽根の開度を維持する。
排気装置42の定風量ユニット58の制御装置は、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれよりも多い場合、モータダンパの旋回羽根の開度を大きくし、空気流路を通過する空気通過量を多くする。定風量ユニット58の制御装置は、旋回羽根の開度を大きくした後、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれの範囲に入ると、そのときの旋回羽根の開度を維持する。演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれよりも少ない場合、定風量ユニット58の制御装置は、モータダンパの旋回羽根の開度を小さくし、空気流路を通過する空気通過量を少なくする。定風量ユニット58の制御装置は、旋回羽根の開度を小さくした後、演算した空気通過量が目標室内気圧に対応するそれの範囲に入ると、そのときの旋回羽根の開度を維持する。
図10は、モータダンパ50のコントローラ53が実行する各手段の一例を示すフローチャートである。図10のフローチャートに基づき、コントローラ53によって実行される給気装置38のプロセスの一例を説明すると、以下のとおりである。室圧制御機構39を起動すると、給気ファン49および排気ファン57、定風量ユニット52,58、圧力センサ51、モータダンパ50が稼動する。圧力センサ51は、給気ダクト38内を流れる空気の圧力を測定し、その測定圧力をコントローラ53に出力する。
室圧制御機構39では、図7,8に矢印A3で示すように、給気ファン49や給気ダクト48を介してクリーンルーム40,41内へ所定量の空気が供給され、矢印A4で示すように、排気ファン59や排気ダクト56を介してクリーンルーム40,41から工場15の屋外に所定量の空気が排気される。室圧制御機構39の運転開始時点では、設定圧力に対応する量の空気がモータダンパ50の空気流路を通過するように、旋回羽根54の開度が所定開度に調節され、給気ファン49や排気ファン59の出力が調節されているとともに、定風量ユニット52,58の空気通過量が調節されており、圧力センサ51から出力された測定圧力が設定圧力の範囲内にある(S−1)。
また、室圧制御機構39では、給気ファン49と定風量ユニット52との間に延びる給気ダクト48において、そこを流れる空気に圧力変動が生じたとしても、定風量ユニット52によってダクト48の空気通過量が一定に保持され、常時一定量の空気がクリーンルーム40,41に給気される。また、定風量ユニット58と排気ファン57との間に延びる排気ダクト56において、そこを流れる空気に圧力変動が生じたとしても、定風量ユニット58によってダクト56の空気通過量が一定に保持され、常時一定量の空気がクリーンルーム40,41から排気される。
図3または図6に矢印A1で示すように、工場12の壁16に取り付けられたガラリ13の外側近傍で強い風が吹くと、その風の影響で空気がガラリ13を通ってダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bの内部空間15に進入する場合があるが、給気ダクト48(空気搬送ダクト11)の延出端部23に接続された屈曲ダクト26によって、空気が給気ダクト48に直接流入することはない。しかし、ボックス10A内またはボックス10B内に進入した空気によって内部空間15の気圧が上昇し、それによって、空気が給気ダクト48に流入する場合がある。
給気ダクト48に空気が流入すると、ダクト48内の圧力が増加する。その結果、測定圧力が設定圧力の範囲を超過する場合がある。なお、定風量ユニット52では、モータダンパの旋回羽根の開度を調節することで、そこを通る空気の通過量を一定に保持するが、一度に余分な空気が給気ダクト48に流入すると、モータダンパがそれに追い付かず、ユニット52を通って余分な空気がクリーンルーム40,41内に流入する場合があり、クリーンルーム40,41内を目標室内気圧に保持することができない場合がある。
それとは逆に、図3または図6に矢印A2で示すように、工場12の壁16に取り付けられたガラリ13の外側近傍で強い風が吹くと、その風の影響で空気がガラリ13を通ってダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bの内部空間15から工場12の屋外に流出する場合があるが、給気ダクト48(空気搬送ダクト11)の延出端部23に接続された屈曲ダクト26によって、空気が給気ダクト48から直接流出することはない。しかし、ボックス10A内またはボックス10B内から流出した空気によって内部空間15の気圧が下降し、それによって、空気が給気ダクト48から流出しようとする場合がある。
給気ダクト48から空気が流出しようとすると、ダクト48内の圧力が減少する。その結果、測定圧力が設定圧力の範囲未満となる場合がある。なお、定風量ユニット52では、モータダンパの旋回羽根の開度を調節することで、そこを通る空気の通過量を一定に保持するが、一度に余分な空気が給気ダクト48から流出しようとすると、モータダンパがそれに追い付かず、クリーンルーム40,41内を目標室内気圧に保持することができない場合がある。クリーンルーム40,41ではその内部気圧を厳格に管理する必要があるが、給気ダクト48内の圧力変動による影響でクリーンルーム40,41の内部気圧が変動する場合があり、給気ダクト48内の圧力変動による影響を無視することはできない。
しかし、この室圧制御機構39における給気装置38では、給気ダクト48を通過する空気の圧力(モータダンパ50の空気流路を通過する空気量)を監視し、ダクト48を通る空気の量(空気圧)を一定に保持するから、給気ファン48に余分な空気が不定期かつ不規則に流入することや給気ダクト48から余分な空気が不定期かつ不規則に流出することはない。具体的にモータダンパ50のコントローラ53は、圧力センサ51から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較する(給気圧力比較手段)(S−2)。次に、コントローラ53は、測定圧力と設定圧力とを比較した結果、測定圧力が設定圧力の範囲内にあるかを判断する(S−3)。
モータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力が設定圧力の範囲内にあると判断すると、そのときの旋回羽根54の開度を保持する。次に、コントローラ53は、室圧制御機構39を停止するかを判断する(S−4)。室圧制御機構39の停止指示があると、コントローラ53は、給気装置38の運転を停止する。室圧制御機構39を継続して運転する場合、ステップ2(S−2)に戻って測定圧力と設定圧力とを比較し、ステップ2(S−2)からのプロセスを繰り返す。
ステップ3(S−3)においてモータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力が設定圧力の範囲内になく、測定圧力が設定圧力の範囲を超過していると判断すると、旋回羽根54の開度が最小開度(開度3〜25%)であれば、その開度を保持し、旋回羽根54の開度が最小開度(開度3〜25%)でなければ、羽根54の開度を小さくする(S−5)。なお、旋回羽根54の開度を小さくしたとしても、開度3〜25%未満(好ましくは、5〜20%未満)にすることはなく、羽根54が全閉になることはない。
モータダンパ50のコントローラ53は、給気ダクト48を通る空気の設定圧力と設定圧力に対応する空気通過量との相関関係、圧力センサ51から出力される各測定圧力とそれら測定圧力に対応する空気通過量との相関関係、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量に対応するモータダンパ50の旋回羽根54の開度(旋回角度)に基づいて、旋回羽根54の開度を決定することもできる。この場合、コントローラ53のメモリには、それら相関関係や旋回羽根54の開度が格納されている。
具体的には以下のとおりである。モータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力が設定圧力の範囲を超過している場合、設定圧力とその設定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、設定圧力に対応する空気通過量を決定するとともに、測定圧力とその測定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、圧力センサ51から出力された測定圧力に対応する空気通過量を決定する。測定圧力に対応する空気通過量は、設定圧力に対応する空気通過量よりも多い。
さらに、モータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量を算出する。算出した空気通過量はプラスとなる。コントローラ53は、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量(プラス)に対応するモータダンパ50の旋回羽根54の開度に基づいて、算出した空気通過量に対応する羽根54の開度を決定する。なお、旋回羽根54の開度はマイナスになる。したがって、コントローラ53は、旋回羽根54の開度が最小開度であれば、羽根54の開度を最小開度に保持し、旋回羽根54の開度が最小開度でなければ、羽根54の開度を小さくする(S−5)。
モータダンパ50のコントローラ53は、旋回羽根54の開度を最小開度に保持し、または、旋回羽根54の開度を小さくした後、室圧制御機構39を停止するかを判断する(S−4)。室圧制御機構39の停止指示があると、コントローラ53は、給気装置38の運転を停止する。室圧制御機構39を継続して運転する場合、旋回羽根54の開度を最小開度または小さくした開度を保持した状態で室圧制御機構39が運転され、ステップ2(S−2)に戻って圧力センサ51から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較する(圧力比較手段)(S−2)。
旋回羽根54の開度が最小開度または小さくなると、モータダンパ50の空気流路を通過する空気量が減少し、測定圧力が低下して測定圧力が設定圧力の範囲内に復帰する(給気圧力制御手段)。ゆえに、ダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bから余分な空気が給気ダクト48に流入したとしても、給気ファン49に流入する空気量を設定圧力に対応するそれに保持することができる。
ステップ3(S−3)においてモータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力が設定圧力の範囲内になく、測定圧力が設定圧力の範囲未満であると判断すると、旋回羽根54が全開(開度100%)であれば、その開度を保持し、旋回羽根54が全開でなければ、羽根54の開度を大きくする(S−5)。
メモリに格納された各相関関係や旋回羽根54の開度に基づいて、開度を決定する場合は以下のとおりである。モータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力が設定圧力の範囲未満である場合、設定圧力とその設定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、設定圧力に対応する空気通過量を決定するとともに、測定圧力とその測定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、圧力センサ51から出力された測定圧力に対応する空気通過量を決定する。測定圧力に対応する空気通過量は、設定圧力に対応する空気通過量よりも少ない。
さらに、モータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量を算出する。算出した空気通過量はマイナスとなる。コントローラ53は、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量(マイナス)に対応するモータダンパ50の旋回羽根54の開度に基づいて、算出した空気通過量に対応する羽根54の開度を決定する。なお、旋回羽根54の開度はプラスになる。したがって、コントローラ53は、旋回羽根54が全開であれば、羽根54の開度を全開に保持し、旋回羽根54が全開でなければ、羽根54の開度を大きくする(S−5)。
モータダンパ50のコントローラ53は、旋回羽根54の開度を全開に保持し、または、羽根54の開度を大きくした後、室圧制御機構39を停止するかを判断する(S−4)。室圧制御機構39の停止指示があると、コントローラ53は、給気装置38の運転を停止する。室圧制御機構39を継続して運転する場合、旋回羽根54の開度を全開または大きくした開度を保持した状態で室圧制御機構39が運転され、ステップ2(S−2)に戻って圧力センサ51から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較する(給気圧力比較手段)(S−2)。
旋回羽根54の開度が全開または大きくなると、モータダンパ50の空気流路を通過する空気量が増加し、測定圧力が上昇して測定圧力が設定圧力の範囲内に復帰する(給気圧力制御手段)。ゆえに、給気ファン49内への空気の流入減を防ぐことができ、給気ファン49に流入する空気量を設定圧力に対応するそれに保持することができる。
工場12の壁16に取り付けられたガラリ13の外側近傍に吹いていた風が納まり、ダクト収容ボックス10A〜10Eから給気ダクト48への余分な空気の流入が停止すると、モータダンパ50の空気流路を通過する空気量が旋回羽根54の開度を小さくした直後の空気流路を通過するそれに比較して減少し、圧力センサ51から出力される測定圧力も低下する。測定圧力と設定圧力との比較(S−2)においてモータダンパ50のコントローラ53は、ステップ3(S−3)において測定圧力が設定圧力の範囲内にあると判断すると、そのときの旋回羽根54の開度を保持し、室圧制御機構39を継続して運転する場合、ステップ2(S−2)に戻って測定圧力と設定圧力とを比較し(給気圧力比較手段)(S−2)、ステップ2(S−2)からのプロセスを繰り返す。なお、旋回羽根54の開度を小さくした後、圧力センサ51から出力される測定圧力が低下し、測定圧力が設定圧力の範囲未満になると、旋回羽根54の開度を大きくする(S−5)。
モータダンパ50のコントローラ53は、ガラリ13の外側近傍で再び風が吹き、その風の影響で余分な空気が再びダクト収容ボックス10A〜10Eに進入して空気が給気ダクト48に流入し、測定圧力が設定圧力の範囲外になり、測定圧力が設定圧力を超過すると、旋回羽根54が最小開度であれば、羽根54の開度を最小開度に保持し、旋回羽根54が最小開度でなければ、羽根54の開度を小さくする(S−5)。コントローラ53は、旋回羽根54の開度を小さくした後、小さくした開度を保持した状態で、ステップ2(S−2)に戻って圧力センサ51から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較し(給気圧力比較手段)(S−2)、ステップ2(S−2)からのプロセスを繰り返す。
モータダンパ50のコントローラ53は、ガラリ13の外側近傍で再び風が吹き、その風の影響で空気が再びダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bから流出して空気が給気ダクト48から流出しようとし、測定圧力が設定圧力の範囲外になり、測定圧力が設定圧力未満になると、旋回羽根54の開度を大きくする(S−5)。コントローラ53は、旋回羽根54の開度を大きくした後、大きくした開度を保持した状態で、ステップ2(S−2)に戻って圧力センサ51から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較し(給気圧力比較手段)(S−2)、ステップ2(S−2)からのプロセスを繰り返す。
給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Aまたは給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Bは、ガラリ13の外側に吹く風の影響で余分な空気がボックス10Aやボックス10Bの内部空間15に進入したとしても、その空気が屈曲ダクト26に直接進入することはなく、内部空間15に進入した空気の給気ダクト48への直接の流入を防ぐことができ、ダクト48に流入する空気を最小限にすることができる。また、ガラリ13の外側に吹く風の影響で空気がボックス10Aやボックス10Bの内部空間15から流出したとしても、空気が屈曲ダクト26から直接流出することはなく、空気の給気ダクト48からの直接の流出を防ぐことができ、ダクト48から流出する空気を最小限にすることができる。
給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Aまたは給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Bは、ガラリ13の外側近傍(工場12の屋外)に吹く風の影響で、余分な空気がボックス10A内やボックス10B内に進入して空気が給気ダクト48に流入し、それによって測定圧力が設定圧力の範囲を超過すると、モータダンパ50の旋回羽根54の開度を小さくして空気の給気ファン49内への流入を制限するから、一定圧かつ一定量の空気を安定して給気ファン49に流入させることができ、給気ファン49やモータダンパ50を利用してクリーンルーム40,41に一定圧かつ一定量の空気を安定して流入させることができる。
給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Aまたは給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Bは、ガラリ13の外側近傍に吹く風の影響で、余分な空気がボックス10A内やボックス10B内から流出して空気が給気ダクト48から流出しようとし、測定圧力が設定圧力の範囲未満になると、モータダンパ50の旋回羽根54の開度を大きくして給気ファン49内への空気の流入減を防ぐから、一定圧かつ一定量の空気を安定して給気ファン49に流入させることができ、給気ファン49やモータダンパ50を利用してクリーンルーム40,41に一定圧かつ一定量の空気を安定して流入させることができる。また、測定圧力が設定圧力の範囲に戻ると、そのときの旋回羽根54の開度を保持するから、一定圧かつ一定量の空気を安定して給気ファン49に流入させることができ、給気ファン49やモータダンパ50を利用してクリーンルーム40,41に一定圧かつ一定量の空気を安定して流入させることができる。
給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Aまたは給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Bは、それを利用することで、クリーンルーム40,41に給気する空気を一定に保持することができ、クリーンルーム40,41の室内気圧を目標室内気圧に維持することができる。給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Aやダクト収容ボックス10Bは、給気ファン49から給気する空気の圧力や量を厳密に管理することが要求されるクリーンルーム40,41での使用に特に有効であり、クリーンルーム40,41において室内気圧の変動がない空調環境を作ることが可能である。
一定圧かつ一定量の空気を安定して給気ダクト48からクリーンルーム40,41に給気させるには給気ダクト48内の空気の圧力が負圧に保持される必要があるが、給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Aやダクト収容ボックス10Bは、その設定圧力が−1000Pa〜1000Paの範囲にあるから、空気が給気ダクト48に流入し、または、空気が給気ダクト48から流出しようとしたとしても、モータダンパ50の旋回羽根54が迅速に作動し、給気ダクト48内の空気の圧力が正圧になることを防ぐことができ、ダクト48内の空気の圧力を負圧に保持することができる。
給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Aまたは給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Bは、モータダンパ50の旋回羽根54の旋回速度が1〜30s/Full Scaleの範囲、好ましくは、1〜5s/Full Scaleの範囲にあるから、給気ダクト48に空気が流入し、または、空気が給気ダクト48から流出しようとして給気ダクト48の内部気圧が変動したとしても、モータダンパ50の旋回羽根54が前記旋回速度で瞬時に旋回し、測定圧力を設定圧力の範囲内に速やかに戻すことができ、給気ダクト48内の空気の圧力変動を確実に防ぐことができる。給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Aやダクト収容ボックス10Bは、余分な空気が不定期かつ不規則に給気ファン49内に流入することはなく、余分な空気が不定期かつ不規則に給気ダクト48から流出することもないから、給気ファン49やモータダンパ50を利用して一定圧かつ一定量の空気をクリーンルーム40,41に給気することができ、クリーンルーム40,41に給気する空気を一定に保持することができる。
旋回羽根54の開度が全閉(0%)なると、クリーンルーム40,41に空気が給気されず、給気ファン49内への空気の流入が停止し、給気ファン49を介して空気をクリーンルーム40,41に給気することができないが、給気装置38を備えたダクト収容ボックス10Aやダクト収容ボックス10Bは、モータダンパ50の旋回羽根54の開度を小さくしたときの羽根54の最小開度が3〜25%の範囲にあるから、羽根54の開度が全閉(0%)なることはなく、クリーンルーム40,41への空気の未給気状態が回避され、クリーンルーム40,41の室内気圧の極端な下降を防ぐことができるとともに、給気ファン49やモータダンパ50を利用して一定圧かつ一定量の空気をクリーンルーム40,41に給気することができる。
図11,12は、排気装置42を含む室圧制御機構39の一例を示す構成図であり、図13は、一例として示す排気装置42の構成図である。図11は、クリーンルーム40,41(室)を上方から示し、図12は、クリーンルーム40,41を側方から示す。なお、図11の室圧制御機構39では、室としてクリーンルーム40,41を例示しているが、室をクリーンルーム40,41に限定するものではなく、室としてクリーンルーム40,41を含むあらゆる室が含まれる。
図11の室圧制御機構39では、空気搬送ダクト11が排気ダクト56として使用され、それら排気ダクト56がダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bに接続されている。なお、排気ダクト56の延出端部23に取り付けられた屈曲ダクト26は、図1〜図6に示す態様のいずれかのそれが使用されている。室圧制御機構39は、所定容積を有するクリーンルーム40,41に空気(外気)を供給する給気装置38と、クリーンルーム40,41から空気(室内空気)を排出する排気装置42とから形成されている。クリーンルーム40,41は、図7,8のそれと同一であるから、図7,8と同一の符号を付すとともに、図7,8の説明を援用することでその説明は省略する。なお、クリーンルーム40,41の室内気圧は、図7,8のそれと同様に、あらかじめ設定された目標室内気圧に保持される。
給気装置38は、クリーンルーム40,41につながる金属製の給気ダクト48と、給気ダクト48を通る空気の所定量をクリーンルーム40,41に強制的に給気する給気ファン49(送風機)と、クリーンルーム40,41に供給する空気を一定に保持する定風量ユニット52とを有する。給気装置38では、空気取込口60からクリーンルーム40,41に向かって、給気ファン49、定風量ユニット52の順に並んでいる。空気取込口60は、工場12の壁16に設置されたガラリ(図示せず)につながっている。給気ファン49は、インターフェイスを介して制御装置(図示せず)に接続されている。制御装置は、給気ファン49の出力を設定されたそれに保持し、給気ファン49から送り出される空気の圧力および量を一定に保持する。
給気ダクト48は、天井43空間に配置され、空気取込口60とクリーンルーム40,41の天井43に施設された給気口との間に延びている。給気ダクト48は、空気取込口60から流入した空気をクリーンルーム40,41に搬送する。給気ファン49は、定風量ユニット52と空気取込口60との間に延びる給気ダクト48に取り付けられている。給気ファン49は、一定量かつ一定圧の空気をクリーンルーム40,41に給気する。
定風量ユニット52は、給気ファン49と給気口との間に延びる給気ダクト48に取り付けられている。定風量ユニット52は、給気ダクト48の内部気圧の変動に対してユニット48内を流れる空気量を調節し、クリーンルーム40,41に供給する空気量を常時一定に保持する。空気取込口60から流入した空気は、給気ダクト48を通って給気ファン49に流入し、給気ファン49からダクト48を通って定風量ユニット52に流入した後、ユニット52からダクト48を通り、給気口からクリーンルーム40,41内に供給される。
排気装置42は、クリーンルーム40,41につながる金属製の排気ダクト56と、クリーンルーム40,41から排出する空気を一定に保持する定風量ユニット58と、排気ダクト56を流れる空気の圧力を測定する圧力センサ51と、クリーンルーム40,41から所定量の空気を強制的に排気する排気ファン57(送風機)と、排気ダクト56を流れる空気の量を調節するモータダンパ50とを有する。排気ファン57は、インターフェイスを介して制御装置(図示せず)に接続されている。制御装置は、排気ファン57の出力を設定されたそれに保持し、排気ファン57から送り出される空気の圧力および量を一定に保持する。なお、この実施の形態では、排気装置42が定風量ユニット58を備えているが、排気装置42に定風量ユニット58が含まれていなくてもよい。
排気ダクト56は、床44の下方に配置され、クリーンルーム40,41の側壁45に施設されたガラリ排気口46とダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bとの間に延びている。排気ダクト56は、ガラリ排気口46から流出した空気を工場12外(クリーンルーム40,41外)に搬送する。排気ダクト56の排気端部23は、ボックス10Aまたはボックス10Bの内部空間15に収容されている。
定風量ユニット58は、排気ファン57とガラリ排気口46との間に延びる排気ダクト56に取り付けられている。圧力センサ51は、排気ファン57と定風量ユニット58との間に延びる排気ダクト56に設置されている。排気ファン57は、定風量ユニット58とダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bとの間に延びる排気ダクト56に取り付けられている。排気ファン57は、一定量かつ一定圧の空気をクリーンルーム40,41から排気する。モータダンパ50は、排気ファン57とボックス10Aまたはボックス10Bとの間に延びる排気ダクト56に設置されている。
排気装置42では、クリーンルーム40,41からダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bに向かって、定風量ユニット58、圧力センサ51、排気ファン57、モータダンパ50の順に並んでいる。定風量ユニット58は、排気ダクト56の内部気圧の変動に対してユニット58内を流れる空気量を調節し、クリーンルーム40,41から排出する空気量を常時一定に保持する。ガラリ排気口46から流出した空気は、定風量ユニット58に流入し、ユニット58から排気ダクト56を通って排気ファン57に流入した後、排気ファン57からダクト56を通り、ガラリ13から工場12の屋外に排気される。
モータダンパ50は、図7,8の給気ダクト48に設置されたそれと同一であるから、図7,8と同様の符号を付すとともに、図7,8の説明を援用することで、その説明は省略する。なお、モータダンパ50のコントローラ53のメモリには、圧力センサ51によって測定された排気ダクト56の測定圧力と比較する設定圧力が格納されている。なお、設定圧力は、入力装置によって自由に設定変更することができる。設定圧力は、−1000Pa〜1000Paの範囲に設定される。
モータダンパ50のコントローラ53の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいてメモリに格納されたアプリケーションプログラムを起動し、起動したアプリケーションプログラムに従って以下の各手段を実行する。コントローラ53の中央処理部は、圧力センサ51から出力された排気ダクト56内の測定圧力とあらかじめ設定された設定圧力とを比較する排気圧力比較手段を実行する。中央処理部は、測定圧力と設定圧力とを比較した結果、測定圧力が設定圧力の範囲から外れている場合、モータダンパ50の旋回羽根54の開度を調節して測定圧力を設定圧力の範囲内に戻す排気圧力制御手段を実行する。
測定圧力が設定圧力の範囲から外れているとは、測定圧力が設定圧力の範囲を超過している場合と測定圧力が設定圧力の範囲未満の場合とがある。ダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bの外部(工場12の屋外)に吹く風の影響で、空気がガラリ13を通ってボックス10Aまたはボックス10Bの内部空間15に進入し、あるいは、空気がボックス10Aまたはボックス10Bの内部空間15からガラリ13を通って流出したとしても、上述のとおり、排気ダクト56(空気搬送ダクト11)の延出端部23に接続された屈曲ダクト26がガラリ13に対向しない方向へ延出しているから、空気が排気ダクト56に直接流入することはなく、空気が排気ダクト56から直接流出することはない。
しかし、ダクト収容ボックス10A内またはダクト収容ボックス10B内に進入した空気によってボックス10A内やボックス10B内の気圧が上昇し、それによって、空気が排気ダクト56に流入しようとする場合がある。排気ダクト56に空気が流入しようとすると、ダクト56内の圧力が増加する。その結果、測定圧力が設定圧力の範囲を超過する場合がある。それとは逆に、ボックス10A内またはボックス10B内から流出した空気によってボックス10A内やボックス10B内の気圧が下降し、それによって、必要以上の空気が排気ダクト56から流出する場合がある。排気ダクト56から空気が流出すると、ダクト56内の圧力が減少する。その結果、測定圧力が設定圧力の範囲未満となる場合がある。
測定圧力が設定圧力の範囲を超過している場合、コントローラ56は、モータダンパ50の旋回羽根54が全開(開度100%)でなければ、旋回羽根54の開度を大きくし、ダンパ50の空気流路を通る空気の量を増加させる(排気ダクト56を通る空気の量を増加させる)。その結果、排気ダクト56内の圧力が下がり、測定圧力が低下して測定圧力が設定圧力の範囲内に復帰する。逆に、測定圧力が設定圧力の範囲未満の場合、コントローラ53は、旋回羽根54が最小開度(開度3〜25%)でなければ、旋回羽根54の開度を小さくし、ダンパ50の空気流路を通る空気の量を減少させ、排気ダクト56からの空気の流出を制限する。その結果、排気ダクト56内の圧力が上がり、測定圧力が増加して測定圧力が設定圧力の範囲内に復帰する。
測定圧力が設定圧力の範囲内にある場合、コントローラ53は、旋回羽根54が全開であれば、羽根54の全開を保持するとともに、旋回羽根54が最小開度であれば、羽根54の最小開度を保持する。または、旋回羽根54が全開でなければ、そのときの羽根54の開度を保持するとともに、旋回羽根54が最小開度でなければ、そのときの羽根54の開度を保持する。コントローラ53は、測定圧力が設定圧力の範囲から外れた後、旋回羽根54の開度を調節したことによって測定圧力が設定圧力の範囲内に戻ると、そのときの羽根54の開度を保持する。
モータダンパ50の旋回羽根54の旋回速度は、1〜30s/Full Scaleの範囲、好ましくは、1〜5s/Full Scaleの範囲にある。旋回速度が30s/Full Scaleを超えると、モータダンパ50のレスポンスが低下し、ダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bの外部に吹く風の影響で、排気ダクト56に空気が流入しようとし、または、ダクト56から空気が流出して測定圧力が急激に変化したときに、旋回羽根54の旋回がそれに迅速に対応することができず、ダンパ50の空気流路を通過する空気量の調節が遅れ、排気ファン57やモータダンパ50を利用して一定量かつ一定圧の空気をクリーンルーム40,41から排気できなくなる場合がある。モータダンパ50では、その旋回羽根54の旋回速度が1〜30s/Full Scaleの範囲にあるから、測定圧力が急激に変化したとしても、旋回羽根54の旋回がそれに迅速に対応し、ダンパ50の空気流路を通過する空気量を速やかに調節し、測定圧力を設定圧力の範囲内に速やかに復帰させる。
モータダンパ50の旋回羽根54の開度を小さくしたときの羽根54の最小開度は、3〜25%の範囲、好ましくは、5〜20%に設定されている。したがって、旋回羽根54の開度を最小にしたとしても、羽根54が全閉(開度0%)になることはない。給気ダクト48や排気ダクト56に取り付けられた定風量ユニット52,58は、図7,8のそれらと同一であるから、図7,8のユニット52,58と同一の符号を付すとともに、図7,8の説明を援用することで、その説明は省略する。また、定風量ユニット52,58の動作原理は、図7,8のユニット52,58のそれと同一であるから、図7,8の説明を援用することで、その説明は省略する。
図14は、モータダンパ50のコントローラ53が実行する各手段の一例を示すフローチャートである。図14のフローチャートに基づき、コントローラ53によって実行される排気装置42のプロセスの一例を説明すると、以下のとおりである。室圧制御機構39を起動すると、給気ファン49および排気ファン57、定風量ユニット52,58、圧力センサ51、モータダンパ50が稼動する。圧力センサ51は、排気ダクト56内を流れる空気の圧力を測定し、その測定圧力をコントローラ53に出力する。
室圧制御機構39では、図11,12に矢印A3で示すように、給気ファン49や給気ダクト48を介してクリーンルーム40,41内へ所定量の空気が給気され、矢印A4で示すように、排気ファン57や排気ダクト56を介してクリーンルーム40,41から工場12の屋外に所定量の空気が排気される。室圧制御機構39の運転開始時点では、設定圧力に対応する量の空気がモータダンパ50の空気流路を通過するように、旋回羽根54の開度が所定開度に調節され、給気ファン49や排気ファン57の出力が調節されているとともに、定風量ユニット52,58の空気通過量が調節されており、圧力センサ51から出力された測定圧力が設定圧力の範囲内にある(S−10)。
また、室圧制御機構39では、給気ファン49と定風量ユニット52との間に延びる給気ダクト48において、そこを流れる空気に圧力変動が生じたとしても、定風量ユニット52によってダクト48の空気通過量が一定に保持され、常時一定量の空気がクリーンルーム40,41に給気される。また、定風量ユニット58と排気ファン57との間に延びる排気ダクト56において、そこを流れる空気に圧力変動が生じたとしても、定風量ユニット58によってダクト56の空気通過量が一定に保持され、常時一定量の空気がクリーンルーム40,41から排気される。
図3、図6に矢印A1で示すように、工場12の壁16に取り付けられたガラリ13の外側近傍で強い風が吹くと、その風の影響で空気がガラリ13を通ってダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bの内部空間15に進入する場合があるが、排気ダクト56(空気搬送ダクト11)の延出端部23に接続された屈曲ダクト26によって、空気が排気ダクト56に直接流入することはない。しかし、ボックス10A内またはボックス10B内に進入した空気によって内部空間15の気圧が上昇し、それによって、空気が排気ダクト56に流入しようとする場合がある。
排気ダクト56に空気が流入しようとすると、排気ダクト56からの空気の排気が妨げられ、ダクト56内の圧力が増加する。その結果、測定圧力が設定圧力の範囲を超過する場合がある。なお、定風量ユニット58では、モータダンパの旋回羽根の開度を調節することで、そこを通る空気の通過量を一定に保持するが、一度に余分な空気が排気ダクト56に流入しようとすると、定風量ユニット58のモータダンパがそれに追い付かず、クリーンルーム40,41からの空気の流出が妨げられる場合があり、クリーンルーム40,41内を目標室内気圧に保持することができない場合がある。
それとは逆に、図3、図6に矢印A2で示すように、工場12の壁16に取り付けられたガラリ13の外側近傍で強い風が吹くと、その風の影響で空気がガラリ13を通ってダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bの内部空間15から流出する場合があるが、排気ダクト56(空気搬送ダクト)の延出端部23に接続された屈曲ダクト26によって、空気が排気ダクト56から直接流出することはない。しかし、ボックス10A内またはボックス10B内から流出した空気によってボックス10A内やボックス10B内の気圧が下降し、それによって、必要以上の空気が排気ダクト56から流出する場合がある。
排気ダクト56から空気が流出すると、ダクト56内の圧力が減少する。その結果、測定圧力が設定圧力の範囲未満となる場合がある。なお、定風量ユニット58では、モータダンパの旋回羽根の開度を調節することで、そこを通る空気の通過量を一定に保持するが、一度に余分な空気が排気ダクト56から流出すると、定風量ユニット58のモータダンパがそれに追い付かず、必要以上の空気がクリーンルーム40,41から排気され、クリーンルーム40,41内を目標室内気圧に保持することができない場合がある。クリーンルーム40,41ではその内部気圧を厳格に管理する必要があるが、排気ダクト56内の圧力変動による影響でクリーンルーム40,41の内部気圧が変動する場合があり、排気ダクト56内の圧力変動による影響を無視することはできない。
しかし、この室圧制御機構39における排気装置42では、排気ダクト56を通過する空気の圧力(モータダンパ50の空気流路を通過する空気量)を監視し、ダクト56を通る空気の量(空気圧)を一定に保持するから、排気ファン57に余分な空気が不定期かつ不規則に流入することや排気ダクト56から余分な空気が不定期かつ不規則に流出することはない。具体的にモータダンパ50のコントローラ53は、圧力センサ51から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較する(排気圧力比較手段)(S−11)。次に、コントローラ50は、測定圧力と設定圧力とを比較した結果、測定圧力が設定圧力の範囲内にあるかを判断する(S−12)。
モータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力が設定圧力の範囲内にあると判断すると、そのときの旋回羽根54の開度を保持する。次に、コントローラ53は、室圧制御機構39を停止するかを判断する(S−13)。室圧制御機構39の停止指示があると、コントローラ53は、排気装置42の運転を停止する。室圧制御機構39を継続して運転する場合、ステップ11(S−11)に戻って測定圧力と設定圧力とを比較し、ステップ11(S−11)からのプロセスを繰り返す。ステップ12(S−12)においてモータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力が設定圧力の範囲内になく、測定圧力が設定圧力の範囲を超過していると判断すると、旋回羽根54が全開(開度100%)でなければ、羽根54の開度を大きくする(S−14)。なお、旋回羽根54が全開であれば、全開を保持する(S−14)。
モータダンパ50のコントローラ53は、排気ダクト56を通る空気の設定圧力とその設定圧力に対応する空気通過量との相関関係、圧力センサ51から出力される各測定圧力とそれら測定圧力に対応する空気通過量との相関関係、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量に対応する旋回羽根54の開度(旋回角度)に基づいて、旋回羽根54の開度を決定することもできる。この場合、コントローラ53のメモリには、それら相関関係や旋回羽根54の開度が格納されている。
具体的には以下のとおりである。モータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力が設定圧力の範囲を超過している場合、設定圧力とその設定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、設定圧力に対応する空気通過量を決定するとともに、測定圧力とその測定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、圧力センサ51から出力された測定圧力に対応する空気通過量を決定する。測定圧力に対応する空気通過量は、設定圧力に対応する空気通過量よりも多い。
さらに、モータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量を算出する。算出した空気通過量はプラスとなる。コントローラ53は、設定圧力に対応する空気通過量から測定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量(プラス)に対応するモータダンパ50の旋回羽根54の開度に基づいて、算出した空気通過量に対応する旋回羽根54の開度を決定する。なお、旋回羽根54の開度はプラスになる。したがって、コントローラ50は、旋回羽根54の開度が全開であれば、羽根54の開度を全開に保持し、旋回羽根54の開度が全開でなければ、羽根54の開度を大きくする(S−14)。
モータダンパ50のコントローラ53は、旋回羽根54の開度を全開に保持し、または、旋回羽根54の開度を大きくした後、室圧制御機構39を停止するかを判断する(S−13)。室圧制御機構39の停止指示があると、コントローラ53は、排気装置42の運転を停止する。室圧制御機構39を継続して運転する場合、開度全開または大きくした開度を保持した状態で室圧制御機構39が運転され、ステップ11(S−11)に戻って圧力センサ51から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較する(排気圧力比較手段)(S−11)。
旋回羽根54の開度が全開または大きくなると、モータダンパ50の空気流路を通過する空気量が増加し、測定圧力が低下して測定圧力が設定圧力の範囲内に復帰する(排気圧力制御手段)。ゆえに、ダクト収容ボックス10A〜10Eから余分な空気が排気ダクト56に流入しようとしたとしても、排気ファン57を介して排気する空気量を設定圧力に対応するそれに保持することができる。ステップ12(S−12)においてモータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力が設定圧力の範囲内になく、測定圧力が設定圧力の範囲未満であると判断すると、旋回羽根54が最小開度(開度3〜25%)でなければ、旋回羽根54の開度を小さくする(S−5)。なお、旋回羽根54が最小開度(開度3〜25%)であれば、その開度を保持し(S−5)、最小開度未満にすることはなく、旋回羽根54が全閉になることはない。
メモリに格納された各相関関係や旋回羽根54の開度に基づいて、開度を決定する場合は以下のとおりである。モータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力が設定圧力の範囲未満である場合、設定圧力とその設定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、設定圧力に対応する空気通過量を決定するとともに、測定圧力とその測定圧力に対応する空気通過量との相関関係に基づいて、圧力センサ51から出力された測定圧力に対応する空気通過量を決定する。測定圧力に対応する空気通過量は、設定圧力に対応する空気通過量よりも少ない。
さらに、モータダンパ50のコントローラ53は、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量を算出する。算出した空気通過量はマイナスとなる。コントローラ53は、測定圧力に対応する空気通過量から設定圧力に対応する空気通過量を差し引いた空気通過量(マイナス)に対応するモータダンパ50の旋回羽根54の開度に基づいて、算出した空気通過量に対応する旋回羽根54の開度を決定する。なお、旋回羽根54の開度はマイナスになる。したがって、コントローラ53は、旋回羽根54が最小開度でなければ、羽根54の開度を小さくする(S−5)。
モータダンパ50のコントローラ53は、旋回羽根54を最小開度に保持し、または、旋回羽根54の開度を小さくした後、室圧制御機構39を停止するかを判断する(S−13)。室圧制御機構39の停止指示があると、コントローラ53は、排気装置42の運転を停止する。室圧制御機構39を継続して運転する場合、旋回羽根54を最小開度または小さくした開度を保持した状態で室圧制御機構39が運転され、ステップ11(S−11)に戻って圧力センサ51から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較する(排気圧力比較手段)(S−11)。
旋回羽根54の開度が最小開度または小さくなると、モータダンパ50の空気流路を通過する空気量が減少し、排気ダクト56からの空気の排気を制限することで、測定圧力が上昇して測定圧力が設定圧力の範囲内に復帰する(排気圧力制御手段)。ゆえに、排気ダクト56から空気が流出しようとしたとしても、排気ファン57を介して排気する空気量を設定圧力に対応するそれに保持することができる。
工場12の壁16に取り付けられたガラリ13の外側近傍に吹いていた風が納まり、ダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bへの余分な空気の流入が停止すると、モータダンパ50の空気流路を通過する空気量が旋回羽根54の開度を大きくした直後の空気流路を通過するそれに比較して増加し、圧力センサ51から出力される測定圧力も低下する。測定圧力と設定圧力との比較(S−11)においてモータダンパ50のコントローラ53は、ステップ12(S−12)において測定圧力が設定圧力の範囲内にあると判断すると、そのときの旋回羽根54の開度を保持し、室圧制御機構39を継続して運転する場合、ステップ11(S−11)に戻って測定圧力と設定圧力とを比較し、ステップ11(S−11)からのプロセスを繰り返す。なお、旋回羽根54の開度を大きくした後、圧力センサ51から出力される測定圧力が低下し、測定圧力が設定圧力の範囲未満になると、コントローラ53は、旋回羽根54の開度を再び小さくする(S−14)。
モータダンパ50のコントローラ53は、ガラリ13の外側近傍で再び風が吹き、その風の影響で余分な空気が再びダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bに進入して空気が排気ダクト56に流入しようとし、測定圧力が設定圧力の範囲外になり、測定圧力が設定圧力を超過すると、旋回羽根54の開度が全開であれば、旋回羽根54の開度を全開に保持し、旋回羽根54の開度が全開でなければ、旋回羽根54の開度を大きくする(S−14)。コントローラ50は、旋回羽根54の開度を大きくした後、大きくした開度を保持した状態で、ステップ11(S−11)に戻って圧力センサ51から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較し(排気圧力比較手段)(S−11)、ステップ11(S−11)からのプロセスを繰り返す。
モータダンパ50のコントローラ53は、ガラリ13の外側近傍で再び風が吹き、その風の影響で空気が再びダクト収容ボックス10Aまたはダクト収容ボックス10Bから流出して必要以上の空気が排気ダクト56から流出し、測定圧力が設定圧力の範囲外になり、測定圧力が設定圧力未満になると、旋回羽根54の開度を小さくする(S−14)。コントローラ53は、旋回羽根54の開度を小さくした後、小さくした開度を保持した状態で、ステップ11(S−11)に戻って圧力センサ51から出力された測定圧力とメモリに格納した設定圧力とを比較し(排気圧力比較手段)(S−11)、ステップ11(S−11)からのプロセスを繰り返す。
排気装置42を備えたダクト収容ボックス10A〜10Eは、ガラリ13の外側に吹く風の影響で余分な空気がボックス10A〜10Eの内部空間15に進入したとしても、その空気が流れ方向変更部材26,29,32,33に直接進入することはなく、内部空間15に進入した空気の排気ダクト56への直接の流入を防ぐことができ、ダクト56に流入する空気を最小限にすることができる。また、ガラリ13の外側に吹く風の影響で空気がボックス10A〜10Eの内部空間15から流出したとしても、空気が流れ方向変更部材26,29,32,33から直接流出することはなく、空気の排気ダクト56からの直接の流出を防ぐことができ、ダクト56から流出する空気を最小限にすることができる。
排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Aまたは排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Bは、ガラリ13の外側近傍(工場12の屋外)に吹く風の影響で、余分な空気が排気ダクト56に流入しようとし、それによって測定圧力が設定圧力の範囲を超過すると、モータダンパ50の旋回羽根54の開度を大きくしてモータダンパ50の空気流路を通過する空気量を増加させるから、排気ダクト56からの空気の排気減を防ぐことができ、排気ファン57やモータダンパ50を利用して一定圧かつ一定量の空気を安定してクリーンルーム40,41外に排気することができる。
排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Aまたは排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Bは、ガラリ13の外側近傍に吹く風の影響で、余分な空気が排気ダクト56から流出し、それによって測定圧力が設定圧力の範囲未満になると、モータダンパ50の旋回羽根54の開度を小さくしてモータダンパ50の空気流路を通過する空気量を減少させるから、排気ダクト56から排気する空気の量を減少させることができ、排気ファン57やモータダンパ50を利用して一定圧かつ一定量の空気を安定してクリーンルーム40,41外に排気することができる。また、測定圧力が設定圧力の範囲に戻ると、そのときのモータダンパ50の旋回羽根54の開度を保持するから、排気ファン57やモータダンパ50を利用して一定圧かつ一定量の空気を安定してクリーンルーム40,41外に排気することができる。
排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Aまたは排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Bは、それを利用することで、クリーンルーム40,41から排気する空気を一定に保持することができ、クリーンルーム40,41の室内気圧を目標室内気圧に維持することができる。排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Aやダクト収容ボックス10Bは、排気ファン57から排気する空気の圧力や量を厳密に管理することが要求されるクリーンルーム40,41での使用に特に有効であり、クリーンルーム40,41において室内気圧の変動がない空調環境を作ることが可能である。
一定圧かつ一定量の空気を安定してクリーンルーム40,41外に排気させるには排気ダクト56内の空気の圧力が正圧に保持される必要があるが、排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Aまたは排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Bは、その設定圧力が−1000Pa〜1000Paの範囲にあるから、空気が排気ダクト56に流入しようとし、または、空気が排気ダクト56から流出したとしても、モータダンパ50の旋回羽根54が迅速に作動し、排気ダクト56内の空気の圧力が負圧になることを防ぐことができる。
排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Aまたは排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Bは、モータダンパ50の旋回羽根54の旋回速度が1〜30s/Full Scaleの範囲、好ましくは、1〜5s/Full Scaleの範囲にあるから、空気が排気ダクト56に流入しようとし、または、空気が排気ダクト56から流出することで排気ダクト56の内部気圧が変動したとしても、モータダンパ50の旋回羽根54が前記旋回速度で瞬時に旋回し、測定圧力を設定圧力の範囲内に速やかに戻すことができ、排気ダクト56内の空気の圧力変動を確実に防ぐことができる。排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Aやダクト収容ボックス10Bは、余分な空気が不定期かつ不規則に排気ファン56内に流入することはなく、余分な空気が不定期かつ不規則に排気ダクト56から流出することもないから、排気ファン57やモータダンパ50を利用して一定圧かつ一定量の空気をクリーンルーム40,41外に排気することができ、クリーンルーム40,41から排気する空気を一定に保持することができる。
旋回羽根54の開度が全閉(0%)なると、クリーンルーム40,41から空気が排気されず、排気ファン57内への空気の流入が停止し、排気ファン57を介して空気をクリーンルーム40,41外に排気することができないが、排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Aまたは排気装置42を備えたダクト収容ボックス10Bは、モータダンパ50の旋回羽根54の開度を小さくしたときの羽根54の最小開度が3〜25%の範囲にあるから、旋回羽根54の開度が全閉(0%)なることはなく、クリーンルーム40,41外への空気の未排気状態が回避され、クリーンルーム40,41の室内気圧の極端な上昇を防ぐことができるとともに、排気ファン57やモータダンパ50を利用して一定圧かつ一定量の空気をクリーンルーム40,41外に排気することができる。