JP2014028918A - アクリル樹脂組成物、アクリル樹脂フィルムおよびそれを用いた再帰反射シート - Google Patents

アクリル樹脂組成物、アクリル樹脂フィルムおよびそれを用いた再帰反射シート Download PDF

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祐二 川口
Junichi Abe
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Abstract

【課題】再帰反射シートとして使用した際に必要となる色度座標(x,y)及び反射性能を満足し、さらに該再帰反射シートが長期間の耐候性試験もしくは屋外で暴露された際にも外観の変化の少ない、良好な耐候性を持つ黄色アクリル樹脂フィルム、それを表皮材に用いた再帰反射シートおよびそれらの原料となるアクリル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、アクリル樹脂(A)、黄色染料(I)および橙色染料(II)を含有するアクリル樹脂組成物であって、前記黄色染料(I)および橙色染料(II)が所定の条件を満たすことを特徴とするアクリル樹脂組成物(B)である。
【選択図】なし

Description

本発明は、再帰反射シートの表皮材として用いられる着色されたアクリル樹脂フィルムに関する。さらに好ましくは、看板、道路標識等に使用される再帰反射シートの表皮材として用いられてその表面を保護するとともに、意匠性を付与することができる透明な着色アクリル樹脂フィルムおよびそれを表皮材に用いた再帰反射シートに関する。
入射した光を光源方向に向けて反射させる再帰反射シートは従来からよく知られており、その再帰反射性及び暗所における優れた視認性を利用して種々の分野で使用されている。
例えば、再帰反射シートを用いた道路標識、工事標識等の標識は、夜間等の暗所で走行する車両のヘッドライトの光源からの光を光源方向、即ち走行する車両の方向へ向けて反射させ、標識の視認者である車両の運転者に対して優れた視認性を提供し、明確な情報伝達を可能にするという優れた特性を有している。
上記の用途に使用される再帰反射シートとして、封入レンズ型再帰反射シートや、再帰反射性能が優れることからプリズムを用いたプリズム型再帰反射シート(例えば、三角錐型キューブコーナー再帰反射シート)の利用も年々拡大しつつある。
このような道路標識、工事標識等の標識として用いられる再帰反射シートとして着色されたアクリル樹脂フィルムを表皮材として用いることによって、耐候性や視認性等の優れた特性を付与することができる。
着色された再帰反射シートの色の種類としては、白、黄、赤、黄赤、緑、青があり、各色について、色の範囲および輝度率(β)の下限値が規格に定められている。例えば、JIS規格の場合は、JIS Z9117に、黄の再帰反射シートの色は、JIS Z8722に規定する照明および受光の幾何学的条件a(45°照明、垂直受光)により、標準の光D65の条件で測定したときのXYZ表色系での色度座標(x,y)が、(0.532,0.468)、(0.493,0.453)、(0.467,0.481)および(0.492,0.508)の範囲であり、輝度率(β)の下限値は0.27である、と定められている。ここで、輝度率(β)は、完全拡散反射面の値を1.00とし、それに対する試料輝度の比率を示した値である。
また、ASTM D4956では、黄の再帰反射シートの色は、XYZ表色系での色度
座標(x,y)が(0.498,0.412)、(0.557,0.442)、(0.479,0.520)および(0.438,0.472)の範囲内であり、Y値の下限値が15であることが定められている。
再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルムとしては、XYZ表色系での色度座標(x,y)が特定の範囲にある着色アクリル樹脂フィルムが開示されている(特許文献1)。
特開2005−8845号公報
しかし、特許文献1に記載の着色アクリル樹脂フィルムは、XYZ表色系での色度座標(x,y)や透明性、視認性では問題がないものの、長期間の耐候性試験での暴露において表面が白化する場合があった。
本発明の課題とするところは、再帰反射シートとして使用した際に必要となる色度座標(x,y)及び反射性能を満足し、さらに該再帰反射シートが長期間の耐候性試験もしくは屋外で暴露された際にも外観の変化の少ない、良好な耐候性を持つ再帰反射シート表皮用着色アクリル樹脂フィルム、それを表皮材に用いた再帰反射シートおよびそれらの原料となるアクリル樹脂組成物を提供することにある。
(1)本発明の第1の要旨は、
アクリル樹脂(A)、黄色染料(I)および橙色染料(II)を含有するアクリル樹脂組成物であって、前記黄色染料(I)および橙色染料(II)が以下の条件を満たすアクリル樹脂組成物(B)にある。
<黄色染料(I)>
380〜830nmの可視光領域の波長において、極大吸収波長が385nm以上455nm未満の範囲に存在する黄色染料。
<橙色染料(II)>
380〜830nmの可視光領域の波長において、極大吸収波長が455nm以上525nm未満の範囲に存在する橙色染料。
(2)本発明の第2の要旨は、アクリル樹脂(A)100質量部に対して、黄色染料(I)および橙色染料(II)を合計で0.1質量部以上2.5質量部以下含有する(1)に記載のアクリル樹脂組成物(B)にある。
(3)本発明の第3の要旨は、黄色染料(I)がアンスラキノン系化合物である(1)又は(2)に記載のアクリル樹脂組成物(B)にある。
(4)本発明の第4の要旨は、橙色染料(II)がメチン系化合物である(1)〜(3)のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物(B)にある。
(5)本発明の第5の要旨は、黄色染料がCI Solvent Yellow 163である(1)〜(4)のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物(B)にある。
(6)本発明の第6の要旨は、橙色染料(II)がCI Disperse Orange 47である(1)〜(5)のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物(B)にある。
(7)本発明の第7の要旨は、(1)〜(6)のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物(B)からなる黄色アクリル樹脂フィルムにある。
(8)本発明の第8の要旨は、再帰反射シートの表皮材として用いられる(7)に記載の黄色アクリル樹脂フィルムにある。
(9)本発明の第9の要旨は、(7)に記載の黄色アクリル樹脂フィルムを表皮材に用いた再帰反射シートにある。
本発明により、再帰反射シートとして使用した際に必要となる色度座標(x,y)及び反射性能を満足し、さらに該再帰反射シートが長期間の耐候性試験もしくは屋外で暴露された際にも外観の変化の少ない、良好な耐候性を持つ黄色アクリル樹脂フィルム、それを表皮材に用いた再帰反射シートおよびそれらの原料となるアクリル樹脂組成物が提供される。
色度座標(x,y)における(0.498,0.412)、(0.557,0.442)、(0.479,0.520)および(0.438,0.472)そして最初の(0.498,0.412)の各座標を順に直線で結ぶことによって囲まれる領域を示す図である。 実施例及び比較例の結果を示す図である。
<<アクリル樹脂(A)>>
アクリル樹脂(A)としては、例えば、下記のゴム含有重合体(A−1)及び/または熱可塑性重合体(A−2)を用いることができる。
<ゴム含有重合体(A−1)>
ゴム含有重合体(A−1)は、アクリル酸アルキルおよび多官能性単量体を必須成分として含む単量体成分(A−1−a)を重合して得られるゴム重合体(A1a)の存在下に、メタクリル酸アルキルを必須成分として含む単量体成分(A−1−b)をグラフト重合して得られたゴム含有重合体である。なお、単量体成分(A−1−a)中のアクリル酸アルキルの割合は50質量%以上であることが好ましい。なお、本発明においては、「微小な種粒子」の存在下に単量体成分(A−1−b)の重合を行うこともできる。この微小な種粒子は、例えば、メタクリル酸エステルを40質量%以上含む単量体混合物を重合させることによって製造することができる。この場合、ゴム含有重合体(A−1)100質量%中における「微小な種粒子」の含有量は10質量%以下であることが好ましい。単量体成分(A−1−a)または(A−1−b)を重合する際、単量体成分(A−1−a)または(A−1−b)を重合容器内に一括で添加して重合しても良く、2段階以上に分けて添加して重合しても良い。フィルムの耐成形白化性及び耐衝撃性の観点から、2段階以上に分けて重合することが好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」又は「メタクリル」を示す。
単量体成分(A−1−a)中の必須成分であるアクリル酸アルキルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル及びアクリル酸n−オクチルが挙げられる。これらの中で、アクリル酸n−ブチルが好ましい。これらは単独で又は二種以上を混合して使用できる。
単量体成分(A−1−a)中の必須成分である多官能性単量体としては、例えば、共重合性の二重結合を1分子内に2個以上有する架橋性単量体が挙げられる。多官能性単量体としては、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール等のジ(メタ)アクリル酸アルキレングリコール;ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼン;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のシアヌレート系単量体;メタクリル酸アリル等のα,β−不飽和カルボン酸;ジカルボン酸のアリル、メタリルまたはクロチルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上を混合して使用できる。
単量体成分(A−1−a)中のアクリル酸アルキルおよび多官能性単量体以外の単量体としては、例えば、メタクリル酸アルキル、これらと共重合可能な二重結合を有する他の単量体が挙げられる。
メタクリル酸アルキルとしては、例えば、アルキル基が直鎖状は分岐鎖状のものが挙げられる。
メタクリル酸アルキルの具体例としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル及びメタクリル酸n−ブチルが挙げられる。これらは単独で又は二種以上を混合して使用できる。
これらと共重合可能な二重結合を有する他の単量体としては、例えば、アクリル酸低級アルコキシ、アクリル酸シアノエチル、アクリルアミド、(メタ)アクリル酸等のアクリル系単量体;スチレン、アルキル置換スチレン等の芳香族ビニル単量体;及びアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体が挙げられる。これらは単独で又は二種以上を混合して使用できる。
単量体成分(A−1−a)は、連鎖移動剤を含むことができる。
上記の連鎖移動剤としては、例えば、炭素数2〜20のアルキルメルカプタン、メルカプト酸類、チオフェノール及び四塩化炭素が挙げられる。これらは単独又は二種以上を混合して使用できる。例えば、n−オクチルメルカプタンが挙げられる。
単量体成分(A−1−a)中のアクリル酸アルキルの含有量は、好ましくは40〜99.9質量%である。
単量体成分(A−1−a)中のメタクリル酸アルキルの含有量は、好ましくは0〜59.9質量%である。
単量体成分(A−1−a)中のこれらと共重合可能な二重結合を有する他の単量体の含有量は、好ましくは0〜30質量%である。
単量体成分(A−1−a)中の多官能性単量体の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%である。
ゴム重合体(A1a)のガラス転移温度(以下、Tgという)は、ゴム含有重合体(A−1)の柔軟性の点から、好ましくは25℃未満、より好ましくは10℃以下、最も好ましくは0℃以下である。また、ゴム重合体(A1a)のTgは、−130℃以上が好ましく、−80℃以上がより好ましい。
なお、本発明において、Tgはポリマーハンドブック〔Polymer HandBook(J.Brandrup,Interscience,1989)〕に記載されている値を用いてFOXの式から算出した値をいう。
ゴム含有重合体(A−1)中の単量体成分(A−1−a)の含有量(単量体成分(A−1−a)+単量体成分(A−1−b)+単量体成分(A−1−c)=100質量%)は、製膜性、耐成形白化性、耐熱性及び柔軟性の点から、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%である。
ゴム含有重合体(A−1)は、ゴム重合体(A1a)の存在下に、メタクリル酸アルキルを主成分として含む単量体成分(A−1−b)をグラフト重合して得られたゴム含有重合体である。
単量体成分(A−1−b)は、メタクリル酸アルキル以外に、アクリル酸アルキル、これらと共重合可能な二重結合を有する他の単量体を含むことができる。また、単量体成分(A−1−b)は、連鎖移動剤を含むことができる
具体的には、ゴム重合体(A1a)の説明において挙げたものを用いることができる。
単量体成分(A−1−b)中のメタクリル酸アルキルの含有量は、好ましくは51〜100質量%である。
単量体成分(A−1−b)中のアクリル酸アルキルの含有量は、好ましくは0〜20質量%である。
単量体成分(A−1−b)中のこれらと共重合可能な二重結合を有する他の単量体の含有量は、好ましくは0〜49質量%である。
単量体成分(A−1−b)の重合体のTgは、ゴム含有重合体(A−1)の耐熱性及び製造容易性の点から、50〜−110℃が好ましい。
ゴム含有重合体(A−1)中の単量体成分(A−1−b)の含有量(単量体成分(A−1−a)+単量体成分(A−1−b)+単量体成分(A−1−c)=100質量%)は、製膜性、耐成形白化性、耐熱性及び柔軟性の点から、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは30〜80質量%である。
単量体成分(A−1−b)を重合する前に、アクリル酸アルキル9.9〜90質量%、メタクリル酸アルキル9.9〜90質量%、これらと共重合可能な二重結合を有する他の単量体0〜20質量%、及び多官能性単量体0.1〜10質量%を含む単量体成分(A−1−c)を重合してもよい。また、単量体成分(A−1−c)は、連鎖移動剤を含むことができる。具体的には、ゴム重合体(A1a)の説明において挙げたものを用いることができる。
単量体成分(A−1−c)を重合して得られる重合体のTgとしては、アクリル樹脂フィルムの耐成形白化性の点で、ゴム状重合体(A1a)のTgより高いことが好ましい。
単量体成分(A−1−c)の組成としては、単量体成分(A−1−a)の組成と異なることが好ましい。単量体成分(A−1−a)と単量体成分(A−1−c)の組成を異ならせることで、アクリル樹脂フィルムの耐成形白化性を良好にすることが容易である。
なお、重合体に関して言う「異なる組成」とは、重合体を形成する単量体の種類及び含有量のうちの少なくとも1つが異なるものをいう。
単量体成分(A−1−c)から得られる重合体単独のTgは、好ましくは25〜100℃である。単量体成分(A−1−c)から得られる重合体単独のTgの下限値は、耐熱性及び柔軟性の点から、好ましくは25℃以上、より好ましくは40℃以上、最も好ましくは50℃以上である。また、単量体成分(A−1−c)から得られる重合体単独のTgの上限値は、製膜性及び耐成形白化性の点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下、最も好ましくは70℃以下である。
単量体成分(A−1−c)の含有量(単量体成分(A−1−a)+単量体成分(A−1−b)+単量体成分(A−1−c)=100質量%)は、製膜性、耐成形白化性、耐熱性及び柔軟性の点から、好ましくは5〜35質量%、より好ましくは5〜20質量%である。
〈ゴム含有重合体(A−1)の製造方法〉
ゴム含有重合体(A−1)の製造法としては、例えば、逐次多段乳化重合法、及びゴム状重合体(A1a)の存在下に、必要に応じて単量体成分(A−1−c)を逐次多段乳化重合させた後に、単量体成分(A−1−b)重合時に懸濁重合系に転換させる乳化懸濁重合法が挙げられる。
ゴム含有重合体(A−1)を逐次多段乳化重合法で製造する方法としては、例えば、ゴム状重合体(A1a)を得るための単量体成分(A−1−a)、水及び界面活性剤を混合して調製した乳化液を反応器に供給して重合した後に、単量体成分(A−1−c)及び単量体成分(A−1−b)をそれぞれ順に反応器に供給して重合する方法が挙げられる。
上記の方法で得られたゴム含有重合体(A−1)を用いて得られるアクリル樹脂フィルムは、フィルム中のフィッシュアイ数が少ないという特性の点で、好ましい。
ゴム含有重合体(A−1)を逐次多段乳化重合法で製造する際に使用される界面活性剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系及びノニオン系の界面活性剤が挙げられる。これらは単独で又は二種以上を混合して使用できる。
アニオン系の界面活性剤としては、例えば、ロジン石鹸、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム系等のカルボン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム系等のスルホン酸塩;及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム系等のリン酸エステル塩が挙げられる。
アニオン系の界面活性剤の市販品の具体例としては、三洋化成工業(株)製のエレミノールNC−718、東邦化学工業(株)製のフォスファノールLS−529、フォスファノールRS−610NA、フォスファノールRS−620NA、フォスファノールRS−630NA、フォスファノールRS−640NA、フォスファノールRS−650NA及びフォスファノールRS−660NA並びに花王(株)製のラテムルP−0404、ラテムルP−0405、ラテムルP−0406及びラテムルP−0407(いずれも商品名)が挙げられる。
単量体成分(A−1−a)、水及び界面活性剤を混合して乳化液を調製する方法としては、例えば、水中に単量体成分(A−1−a)を仕込んだ後、界面活性剤を投入する方法;水中に界面活性剤を仕込んだ後に単量体成分(A−1−a)を投入する方法;及び単量体成分(A−1−a)中に界面活性剤を仕込んだ後に水を投入する方法が挙げられる。
単量体成分(A−1−a)を水及び界面活性剤と混合して乳化液を調製するための混合装置としては、例えば、攪拌翼を備えた攪拌機;ホモジナイザー、ホモミキサー等の強制乳化装置;及び膜乳化装置が挙げられる。
上記の乳化液としては、単量体成分(A−1−a)の油中に水滴が分散したW/O型、水中に単量体成分(A−1−a)の油滴が分散したO/W型のいずれの分散体でも使用することができる。
なお、ゴム状重合体(A1a)の重合方法としては、例えば単量体成分(A−1−a)を一括で重合する方法、単量体成分(A−1−a)を2以上に分けて、多段で重合する方法が挙げられる。多段で重合する場合の単量体成分(A−1−a)は、同一成分の単量体成分を多段階で重合してもよいし、成分の異なる単量体成分を多段階で重合してもよい。
上記の方法で得られたゴム含有重合体(A−1)のラテックスは、必要に応じて濾材を配した濾過装置を用いて処理することができる。この濾過処理は、ゴム含有重合体(A−1)のラテックスから重合中に発生したスケールの除去は重合原料中若しくは重合中に外部から混入する夾雑物の除去に使用される。
上記の濾材を配した濾過装置としては、例えば、袋状のメッシュフィルターを利用したISPフィルターズ・ピーテーイー・リミテッド社のGAFフィルターシステム、円筒型濾過室内の内側面に円筒型の濾材を配し、該濾材内に攪拌翼を配した遠心分離型濾過装置及び濾材が該濾材面に対して水平の円運動及び垂直の振幅運動をする振動型濾過装置が挙げられる。
ゴム含有重合体(A−1)はゴム含有重合体(A−1)のラテックスから回収することによって粉状物として得ることができる。
ゴム含有重合体(A−1)のラテックスからゴム含有重合体(A−1)を回収する方法としては、例えば、塩析は酸析による凝固方法、噴霧乾燥法及び凍結乾燥法が挙げられる。
ゴム含有重合体(A−1)を、金属塩を用いた塩析処理による凝固法で回収する場合、最終的に得られたゴム含有重合体(A−1)中への残存金属含有量を800ppm以下にすることが好ましく、残存金属含有量は微量であるほど好ましい。
上記の塩析処理における金属塩としてカルシウム、マグネシウム、ナトリウム等の水との親和性の強い金属塩、好ましくはカルシウム塩を使用する場合には、ゴム含有重合体(1)中の残存金属含有量を極力少なくすることにより、アクリル樹脂フィルムを沸騰水中に浸漬する際の白化現象を容易に抑制できる。
ゴム含有重合体(A−1)中の単量体成分(A−1−a)、単量体成分(A−1−b)及び単量体成分(A−1−c)を重合する際に使用される重合開始剤としては公知のものが使用でき、その添加方法としては、水相、単量体相のいずれか片方に添加する方法は双方に添加する方法が挙げられる。
上記の重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ系開始剤及び過酸化物はアゾ系開始剤と酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が挙げられる。
レドックス系開始剤の具体例としては、硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸ニナトリウム塩、ロンガリット及びヒドロパーオキサイドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が挙げられる。ヒドロパーオキサイドとして、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドが具体的に挙げられる。
ゴム含有重合体(A−1)のラテックスの製造方法として、単量体成分(A−1−a)を水及び界面活性剤と混合して調製した乳化液を反応器に供給して重合した後に、単量体成分(A−1−c)、及び単量体成分(A−1−b)をそれぞれ順に反応器に供給して重合する方法で製造する場合、硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸ニナトリウム塩及びロンガリットを含む、重合容器内の水溶液を重合温度まで昇温した後に、単量体成分(A−1−a)を水及び界面活性剤と混合して調製した乳化液を反応器に供給して重合し、次いで、単量体成分(A−1−c)、及び単量体成分(A−1−b)を順次反応器に供給して重合する方法が好ましい。
ゴム含有重合体(A−1)のラテックスを得るための重合温度としては用いる重合開始剤の種類や量によって異なるが、例えば40〜120℃が挙げられる。
<熱可塑性重合体(A−2)>
熱可塑性重合体(A−2)は、メタクリル酸アルキル単位を主成分とする重合体である。
メタクリル酸アルキル単位を主成分とする重合体としては、アクリル樹脂フィルムの耐熱性の点で、メタクリル酸アルキル50〜100質量%、アクリル酸アルキル0〜50質量%及びこれらと共重合可能な二重結合を有する他の単量体0〜49質量%を含有する単量体成分を重合して得られる重合体が好ましい。
これらの単量体は、具体的には、ゴム重合体(A1a)の説明において挙げたものを用いることができる。これらは単独では二種以上を混合して使用できる。
メタクリル酸アルキルの含有量は、アクリル樹脂フィルムの耐熱性の点から、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは85〜99.9質量%、最も好ましくは92〜99.9質量%である。
アクリル酸アルキルの含有量は、アクリル樹脂フィルムの耐熱性の点から、好ましくは0〜40質量%、より好ましくは0.1〜15質量%、最も好ましくは0.1〜8質量%である。
これらと共重合可能な二重結合を有する他の単量体の含有量は、アクリル樹脂フィルムの耐熱性の点で、好ましくは0〜49質量%である。
熱可塑性重合体(A−2)の重合方法としては、例えば、懸濁重合法、乳化重合法及び塊状重合法が挙げられる。
アクリル樹脂(A)は、好ましくはゴム含有重合体(A−1)及び熱可塑性重合体(A−2)を含有する。ゴム含有重合体(A−1)と熱可塑性重合体(A−2)との比率を変えることで容易にアクリル樹脂フィルムの耐熱性や柔軟性を調整できる。
アクリル樹脂中のゴム含有重合体(A−1)の含有量は、特に制限されないが、好ましくは10〜100質量%であり、より好ましくは20〜95質量%である。アクリル樹脂中の熱可塑性重合体(A−2)の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0〜90質量%であり、より好ましくは5〜80質量%である。また、アクリル樹脂中のゴム含有重合体(A−1)と熱可塑性重合体(A−2)の含有量は、特に制限されないが、好ましくはゴム含有重合体(A−1)が10〜100質量%かつ熱可塑性重合体(A−2)が0〜90質量%であり、より好ましくはゴム含有重合体(A−1)が20〜95質量%かつ熱可塑性重合体(A−2)が5〜80質量%である。
<<染料>>
本発明では、所望の色相にアクリル樹脂フィルムを着色しつつ、透明性を確保させるために、黄色染料(I)および橙色染料(II)が用いられる。
用いられる染料としては、水溶性染料、分散染料、油溶性染料のいずれでも構わないが、耐候性、耐水白化性の観点から分散染料もしくは油溶性染料を用いることが好ましい。
<黄色染料(I)>
本発明で用いられる黄色染料(I)は、380nm〜830nmの可視光領域の波長において、極大吸収波長が385nm以上455nm未満の範囲に存在する黄色染料である。この範囲に極大吸収波長を持つ黄色染料を用いることで、所望の色度座標(x,y)に着色させることが可能となる。
また、黄色染料(I)は、380nm〜830nmの可視光領域の波長において、405nm以上455nm未満の範囲に極大吸収波長を有することが好ましく、425nm以上455nm未満の範囲に極大吸収波長を有することがより好ましい。
黄色染料(I)の分散染料の具体例としては、CI Disperse Yellow
3、5、7、8、42、54、64、79、82、83、93、100、119、122、126、160、184、184:1、186、198、204、224等が挙げられる。
黄色染料(I)の油溶性染料の具体例としては、CI Solvent Yellow
2、6、14、15、16、19、21、33、56、61、80、93、114、163、167等が挙げられる。
アクリル樹脂との相溶性や入手のしやすさの観点から、黄色染料(I)は、アンスラキノン系化合物を含む染料であることが好ましく、CI Solvent Yellow 1
63であることがより好ましい。CI Solvent Yellow 163は、例えば
、大日精化工業(株)製「DYMIC MBR D−05 エロー」、BASF(株)製「
ORACET Yellow GHS」として工業的に入手可能である。
<橙色染料(II)>
本発明で用いられる橙色染料(II)は、380nm〜830nmの可視光領域の波長において、極大吸収波長が455nm以上525nm未満の範囲に存在する橙色染料である。この範囲内に極大吸収波長を持つ橙色染料を用いることで、所望の色度座標(x,y)に着色させることが可能となる。
また、橙色染料(II)は、380nm〜830nmの可視光領域の波長において、極大吸収波長が455nm以上505nm未満の範囲に存在することが好ましく、極大吸収波長が455nm以上485nm未満の範囲に存在することがより好ましい。
橙色染料(II)の分散染料の具体例としては、CI Disperse Orange 1、3、11、13、29、30、31、31:1、33、40、47、49、54、66、73、119、163等が挙げられる。
橙色染料(II)油溶性染料の具体例としては、CI Solvent Orange 1、2、5、6、7、14、37、40、44、45、60、62、71、86、99、105等が挙げられる。
アクリル樹脂との相溶性や入手のしやすさの観点から、橙色染料(II)は、メチン系化合物を含む染料であることが好ましく、CI Disperse Orange 47であることがより好ましい。CI Disperse Orange 47は、例えば、大
日精化工業(株)製「DYMIC MBR D−34 オレンジ」、Buckeye Color Chemical社製「LAMBDAPLAST ORANGE RZ」として工業
的に入手可能である。
<染料の含有量>
黄色染料と橙色染料の含有量としては、アクリル樹脂(A)100質量部に対して、黄色染料と橙色染料とを合計で0.1質量部以上2.5質量部以下含有することが好ましい。
0.1部以上とすることで、所望の色度座標(x,y)に着色した黄色アクリル樹脂フィルムとすることが可能となり、2.5部以下とすることで、耐候性試験後の黄色アクリル樹脂フィルムの表面の白化を抑制することが可能となる。
<<アクリル樹脂組成物(B)>>
アクリル樹脂組成物(B)は、アクリル樹脂(A)と、黄色染料および橙色染料とを含有する。
アクリル樹脂組成物(B)の形状としては、例えば、塊状物、粉体状物及びペレット状物が挙げられる。これらの中で、アクリル樹脂組成物(B)の取り扱い性の点で、ペレット状物が好ましい。
黄色染料と橙色染料のアクリル樹脂(A)への添加方法としては、例えば、アクリル樹脂組成物(B)をペレット状物とする前に添加する方法、及びペレット状物としたアクリル樹脂(A)に添加する方法が挙げられる。これらの中で、アクリル樹脂組成物(B)の取り扱い性およびフィルム状に成形する際のフィルムの着色ムラの点で、アクリル樹脂組成物(B)をペレット状物とする前に添加する方法が好ましい。
アクリル樹脂組成物(B)は、着色剤として、顔料を含んでもよい。顔料としては、例えば、CI Pigment Yellow 93、CI Pigment Yellow 95、CI Pigment Yellow 128、CI Pigment Yellow 109、CI Pigment Yellow 139、CI Pigment Yellow 110、CI Pigment Yellow 163等を挙げることができる。顔料を使用する場合、アクリル樹脂組成物(B)100質量部に対して0.01〜5質量部を配合することが好ましい。
アクリル樹脂組成物(B)中には、必要に応じて、安定剤、滑剤、加工助剤、艶消し剤、光拡散剤、可塑剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、着色剤、抗菌剤、防かび剤、離型剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等の各種配合剤を含むことができる。
アクリル樹脂組成物(B)中には、アクリル樹脂フィルムを使用した製品を保護するためのアクリル樹脂フィルムに耐候性を付与する点で、紫外線吸収剤および光安定剤を配合することが好ましい。
アクリル樹脂組成物(B)中に配合される紫外線吸収剤の分子量としては300以上が好ましく、400以上がより好ましい。紫外線吸収剤の分子量が300以上の場合、アクリル樹脂フィルムを製造する際に使用される金型の汚れを抑制することが容易である。
紫外線吸収剤の種類としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、チバガイギー社製のチヌビン234、ADEKA社製のアデカスタブLA−31(いずれも商品名)が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、チバガイギー社のチヌビン1577、ADEKA社製のLA−F70(いずれも商品名)が挙げられる。
<<黄色アクリル樹脂フィルム>> 本発明の黄色アクリル樹脂フィルムはアクリル樹脂組成物(B)を成形して得られるものである。
黄色アクリル樹脂フィルムは、該アクリル樹脂フィルムを表皮材として用いた再帰反射シートの、アクリル樹脂フィルム側を、反射0°照明、45°円周受光により、標準の光D65、10°視野の条件で測定したときのXYZ表色系での色度座標(x,y)が、(0.498,0.412)、(0.557,0.442)、(0.479,0.520)および(0.438,0.472)の範囲内であることが好ましく、さらに(0.532,0.468)、(0.493,0.453)、(0.467,0.481)および(0.492,0.508)の範囲内であることがより好ましい。
ここで、「(0.498,0.412)、(0.557,0.442)、(0.479,0.520)および(0.438,0.472)の範囲」とは、図1に示すように、色度座標(x,y)における(0.498,0.412)、(0.557,0.442)、(0.479,0.520)および(0.438,0.472)そして最初の(0.498,0.412)の各座標を順に直線で結ぶことによって囲まれる領域を意味する。
この範囲の色度座標(x,y)を有する着色アクリル樹脂フィルムを再帰反射シートの表皮材として用いた場合、その再帰反射シートは、例えばJIS Z9117や、AST
M D4956に記載の色相を満足することができ、再帰反射シートの視認性を高めるこ
とができる傾向にある。
アクリル樹脂フィルムの厚みとしては、アクリル樹脂フィルムの取り扱い性の点で、10〜500μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。
アクリル樹脂フィルムの製造法としては、例えば、溶融流延法、Tダイ法、インフレーション法等の溶融押出法及びカレンダー法が挙げられるが、経済性の点でTダイ法が好ましい。
アクリル樹脂フィルムは押出機等で製膜した後、巻き取り機で紙管等の管状物に巻き取って、ロール状物品とすることができる。
アクリル樹脂フィルムの表面には、微細構造を形成することもできる。微細構造を形成する方法としては、例えば、熱転写法及びエッチング法が挙げられる。
これらの中で、微細構造を有する金型を加熱した後に、アクリル樹脂フィルムの表面に、加熱された金型をプレスしてアクリル樹脂フィルムの表面に微細構造を形成する熱転写法が生産性や経済性の点で好ましい。
上記の熱転写法としては、例えば、微細構造を有する金型をロール状物品から切り出されたアクリル樹脂フィルムに加熱プレスして微細構造を枚葉で熱転写させる方法及び加熱されたベルト状の微細構造を有する金型にニップロールを用いてロール状物品から巻き出されたアクリル樹脂フィルムを挟みこみ加圧し、アクリル樹脂フィルムの表面に微細構造を熱転写させる連続賦形方法が挙げられる。
上記の微細構造を有する金型を作成する方法としては、例えば、サンドブラスト法、エッチング法及び放電加工法が挙げられる。
<<再帰反射シート>>
再帰反射シートの種類としては、封入レンズ型再帰反射シート、アルミニウム蒸着を施したガラスビーズを基材に埋め込んだカプセル型再帰反射シート、プリズム加工した樹脂シートを反射体として使用したプリズム型再帰反射シート等がある。本発明のアクリル樹脂フィルムは、いずれのタイプの再帰反射シートの表面に積層されて使用される。
再帰反射シートの構成としては、例えば、光の入射する方向から、アクリル樹脂フィルム、再帰反射素子層、結合剤層の順に構造が形成されている再帰反射シートが挙げられ、再帰反射シートの保護と意匠性付与のために、アクリル樹脂フィルムが表皮材となる。用いるアクリル樹脂フィルムは1層でも2層以上の多層構造であっても良い。
結合剤層の背面には、再帰反射シートの強度の向上、寸法安定性の改善、水分および/もしくは化学薬品等の浸入を防止する目的で、支持体層を設置することも可能である。この支持体層を構成する材料の例としては、樹脂や繊維、布、ステンレス鋼やアルミニウムなどの薄層金属シートをそれぞれ単独又は複合して用いることができる。
結合剤層もしくは支持体層の背面には、再帰反射シートを金属板、木板、ガラス板、プラスティック板などに貼付するために接着剤層及び該接着剤層保護のための剥離材層を設けることが可能である。接着剤および剥離材は適宜、公知のものを選択することができる。
例えば、カプセル型再帰反射シートは以下のようにして製造される。
まず、仮支持体層にガラスビーズの上半球部分を一旦埋込み、ビーズの下半球部分とビーズ相互の間隙にわたって一面に金属膜を蒸着してから、これに密着して熱可塑性ポリマからなる支持フィルムを塗布形成する。次に、その面を更に耐熱性樹脂などからなるフィルムで被覆して反対側の上記仮支持体層を剥離し、露呈したガラスビーズの上半球部の上に本発明のアクリル樹脂フィルムを重ねる。次に、所望の独立小区画空室を作るための凸形網目パターンを有する金型によって、耐熱性樹脂などからなるフィルム側から加熱プレスし、支持フィルムを熱溶融してアクリル樹脂フィルムと部分的に密着させる。そして、上記パターンどおりの連結壁を形成して独立小区画空室を形成して、カプセル型再帰反射シートを製造する。
また、アクリル樹脂フィルムの表面に直接上記のプリズム加工を施し、プリズム加工されていない側を表面側、プリズム加工側を再帰反射素子として、アクリル樹脂フィルムをそのままプリズム型再帰反射シートとすることもできる。
アクリル樹脂フィルムをそのままプリズム型再帰反射シートとする場合の製造方法としては、例えば、まず熱プレスにより微細構造を有するアクリル樹脂フィルムを作製し、得られたアクリル樹脂フィルムと結合剤層もしくは結合剤層と支持体層が一体化したシートを網目状の突起を持った金型ロールとゴムロールの間に通して、密封封入構造を形成させる再帰反射シートの製造方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。尚、以下において、「部」は「質量部」を表し、「%」は「質量%」を表す。また、以下の説明で使用される略号は以下の通りである。
MMA: メチルメタクリレート
n−BA: n−ブチルアクリレート
St: スチレン
1,3−BD: 1,3−ブチレングリコールジメタクリレート AMA: アリルメタクリレート
CHP: クメンハイドロパーオキサイド
t−BH: t−ブチルハイドロパーオキサイド
n−OM: n−オクチルメルカプタン
EDTA: エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
SFS: ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)
RS610NA:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム(東邦化学工業(株)製、商品名:フォスファノールRS610NA)
染料、ゴム含有重合体(I)、熱可塑性重合体(II)、アクリル樹脂フィルム及び再帰反射シートについての各種評価は以下の方法により実施した。
(1)各種染料の極大吸収波長
熱可塑性重合体(A−2−2)100質量部に対して、各種染料を0.02質量部添加され、後述する実施例と同様の方法で混練、ペレット化、フィルム成形を行い、厚み75μの着色アクリル樹脂フィルムとした。このフィルムについて、日本分光(株)製の紫外可視分光光度計V−630を使用して380〜830nmの可視光領域における各波長の吸光度を測定し、最も吸光度の高い波長を極大吸収波長とした。
尚、ブランクとしては、染料の添加されていない熱可塑性重合体(II)のみからなるアクリル樹脂フィルムを用いた。
(2)アクリル樹脂フィルムの光学特性(全光線透過率およびヘーズ)
製造した直後の着色アクリル樹脂フィルムの全光線透過率およびヘーズを測定した。
なお、全光線透過率はJIS K7361−1に準拠し、ヘーズはJIS K7136に準拠して、日本電色工業(株)製のNDH2000を用いて測定した。
(3)アクリル樹脂フィルムを用いた再帰反射シートの再帰反射性能
市販のカプセルレンズ型再帰反射シート(白)(ニッカポリマ(株)製、商品名:ニッカライトULS)上に着色アクリル樹脂フィルムを貼り合わせ、これから外径10cm、幅2cmのドーナツ状の再帰反射シートを切り出した。切り出した再帰反射シートを、20cm×20cmの昼白色の白紙に貼り付け、地面と垂直に設置して、再帰反射シートから約50m離れた距離に自動車を止め、その運転席から再帰反射物品を観察した。なお、切り出したドーナツ状の再帰反射シートを照明する光としては、その自動車のヘッドライトを用いた。
○:切り出したドーナツ状の円がはっきり確認できる。
×:切り出したドーナツ状の円が確認できない。
(4)アクリル樹脂フィルムの初期色度座標(x,y)
市販のカプセルレンズ型再帰反射シート(白)(ニッカポリマ(株)製、商品名:ニッカライトULS)上に着色アクリル樹脂フィルムを貼り合わせ、着色アクリル樹脂フィルム側を、反射0°照明、45°円周受光により、標準の光D65、10°視野の条件で測定し、色度座標(x,y)が、(0.498,0.412)、(0.557,0.442)、(0.479,0.520)および(0.438,0.472)の範囲内であるかどうかを確認した。
なお、日本電色工業(株)製のSE−2000を用いて上記条件により測定した。
(6)アクリル樹脂フィルムの耐候性試験(雨あり)後の外観
着色アクリル樹脂フィルムをポリカーボネート樹脂板(タキロン(株)製、PC−1600(商品名)2mm厚、無色透明)に130℃、2MPaで5分間、続いて130℃、4MPaで5分間熱プレスし、25℃、4MPaで5分間加圧冷却して積層した。その後、積層体の着色アクリル樹脂フィルム側が暴露されるように耐候性試験機内に設置し、所定時間暴露した際の着色アクリル樹脂フィルムの外観を以下の基準により評価した。
○:耐候性試験後のフィルム表面に白化が見られない。
×:耐候性試験後のフィルム表面に白化が見られる。
尚、耐候性試験は以下の条件で行った。
・試験装置:ダイプラ・ウィンテス(株)製、
メタルウェザー、型式 KU−R4−CI−A
・槽内温度:63℃設定
・紫外線照射条件:80mW/cm2設定 ウシオ電機(株)製、照度計UIT−10
1/UVD−365PD(測定波長330〜390nm、ピーク感度波長365nm、)にて測定
・ランプ:ダイプラ・メタルウェザーKU−R4CI−A用、MH−ランプMW−60
・フィルター:ダイプラ・メタルウェザーKU−R4CI−A用、KF−2フィルター
(照射波長295〜430nm)
・試験雰囲気:105分照射のみ、15分照射+雨有り、の2時間/1サイクル
・試験時間:300時間(150サイクル)
[調製例]ゴム含有重合体(A−1)の製造
冷却器付き反応容器内にイオン交換水195部を投入し、70℃に昇温し、さらに、イオン交換水5部にSFS0.10部、硫酸第一鉄0.0002部、EDTA0.0006部を加えて調製した混合物を一括投入した。次いで、窒素下で撹拌しながら、MMA2.3部、n−BA2.13部、St0.37部、1,3−BD0.2部、CHP0.01部、および乳化剤(RS610NA)1.3部からなる単量体成分(A−1−a−1)を含む混合物を8分間かけて反応容器に滴下した後、15分間反応を継続させて単量体成分(A−1−a−1)からなる重合体を得た。
続いて、重合容器内に、n−BA24.54部、St4.26部、1,3−BD1.2部、AMA0.225部、CHP0.03部からなる単量体成分(A−1−a−2)を90分間かけて添加した後、60分間反応を継続させてゴム重合体(A1a)を得た。ここで、ゴム重合体(A1a)のTgは−34℃であった。
続いて、重合容器内に、MMA6部、n−BA3.28部、St0.72部、AMA0.15部、CHP0.02部からなる単量体成分(A−1−c)を30分間かけて滴下した後、60分間反応を継続させて重合体を形成させた。ここで、単量体成分(A−1−c)から構成される重合体のTgは32℃であった。
次いで、重合容器内に、MMA52.25部、n−BA2.26部、St0.49部、n−OM0.193部、及びtBH0.055部からなる、単量体成分(A−1−b)を130分間かけて滴下した後、60分間反応を継続させて重合体を形成させ、ゴム含有重合体(A−1)を含有するアクリル樹脂ラテックスを得た。ここで、単量体成分(A−1−b)から構成される重合体のTgは94℃であった。
重合後測定した質量平均粒子径は、0.09μmであった。
得られたゴム含有重合体(A−1)のラテックスを、濾材にSUS製のメッシュ(平均目開き62μm)を取り付けた振動型濾過装置を用い濾過した後、酢酸カルシウム3部を含む水溶液中で塩析させ、水洗回収後、乾燥し、粉体状のゴム含有重合体(A−1)を得た。
ゴム含有重合体(A−1)の組成については表1にまとめた。



[実施例1]
調製例で得られたゴム含有重合体(A−1)40部、熱可塑性重合体(A−2−1)30部、熱可塑性重合体(A−2−2)30部からなるアクリル樹脂(A)に、紫外線吸収剤と、光安定剤と、抗酸化剤と、黄色染料と、橙色染料と、を表2に示す配合量で添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合しアクリル樹脂組成物(B)を得た。紫外線吸収剤としては、BASF(株)製のトリアジン系紫外線吸収剤であるチヌビン1577(商品名)を用いた。光安定剤としては、ADEKA社製のヒンダードアミン系光安定剤であるLA−57(商品名)を用いた。抗酸化剤としては、BASF(株)製のヒンダードフェノール系酸化防止剤であるイルガノックス1076(商品名)を用いた。黄色染料としては、アンスラキノン系染料のアンスラキノン系染料のCI Solvent Yellow
163である、大日精化工業(株)製の「ダイミックカラーMBR−D05エロー(商品名)」を用いた。橙色染料としては、メチン系染料のCI Disperse Orange 47である、大日精化工業(株)製の「ダイミックカラーMBR−D34オレンジ(商品名)」を用いた。
このアクリル樹脂組成物(B)を230℃に加熱した脱気式2軸混練押出機(東芝機械(株)製、商品名:TEM−35B)に供給し、混練してアクリル樹脂組成物(B)のペレット状物を得た。
熱可塑性重合体(A−2−1)としては、ダイヤナールBR−80(三菱レイヨン(株)製、還元粘度0.057/g、JIS K7191の1.8MPaにおける荷重たわみ温度100℃)を使用した。
熱可塑性重合体(A−2−2)としては、ダイヤナールBR−75(三菱レイヨン(株)製、還元粘度0.060/g、JIS K7191の1.8MPaにおける荷重たわみ温度89℃)を使用した。
得られたアクリル樹脂組成物(B)のペレットを、300mm幅のTダイを取り付けた40mmφ(直径)のノンベントスクリュー型押出機(L/D=26)を用いてシリンダー温度200℃〜240℃、Tダイ温度250℃及び冷却ロール温度80℃の条件で製膜した。そして、得られたアクリル樹脂フィルムを巻き取り機で紙管に巻き取り、黄色に着色した透明の厚さ75μmの黄色アクリル樹脂フィルムのロール状物品を得た。
得られた黄色アクリル樹脂フィルムの光学特性は良好であり、初期の色度座標(x,y)も、(0.498,0.412)、(0.557,0.442)、(0.479,0.520)および(0.438,0.472)の範囲内にあった。
耐候性試験後の色度座標(x,y)も、(0.498,0.412)、(0.557,0.442)、(0.479,0.520)および(0.438,0.472)の範囲内にあり、良好な耐候性を示した。
続いて、得られた黄色アクリル樹脂フィルムをポリカーボネート樹脂板に熱プレスした積層品の耐候性試験を行ったところ、黄色アクリル樹脂フィルムの表面に白化は無く、良好な外観を示した。
また、得られた黄色アクリル樹脂フィルムを用いた再帰反射シートは視認性にも優れ、優れた再帰反射性能を示した。
結果を表2に示す。
尚、黄色染料のみを含有した75μの着色アクリル樹脂フィルムの、380〜830nmの可視光領域における吸光度を測定したところ、極大吸収波長は443nmであった。
橙色染料のみを含有した75μの着色アクリル樹脂フィルムの、380〜830nmの可視光領域における吸光度を測定したところ、極大吸収波長は465nmであった。

[実施例2〜4]
実施例と同様のアクリル樹脂(A)に、黄色染料のみを表2に示す添加量とした以外は実施例と同様にして製造および評価を行った。
得られた着色アクリル樹脂フィルムの光学特性は良好であり、色度座標(x,y)も、(0.498,0.412)、(0.557,0.442)、(0.479,0.520)および(0.438,0.472)の範囲内にあった。
続いて、得られた黄色アクリル樹脂フィルムをポリカーボネート樹脂板に熱プレスした積層品の耐候性試験を行ったところ、黄色アクリル樹脂フィルムの表面に白化は無く、良好な外観を示した。
また、得られた着色アクリル樹脂フィルムを用いた再帰反射シートは視認性にも優れ、優れた再帰反射性能を示した。
[比較例]
黄色染料(I)と橙色染料(II)の添加量を表2に示す添加量とした以外は実施例と同様にして製造および評価を行った。
結果を表2に示す



以上説明したように、本発明によれば、再帰反射シートとして使用した際に必要となる色度座標(x,y)及び反射性能を満足し、さらに該再帰反射シートが長期間の耐候性試験もしくは屋外で暴露された際にも外観の変化の少ない、良好な耐候性を持つ黄色アクリル樹脂フィルム、それを表皮材に用いた再帰反射シートおよびそれらの原料となるアクリル樹脂組成物を提供することが可能となる。比較例は橙色染料を用いなかったため耐候性が不良であった。

Claims (9)

  1. アクリル樹脂(A)、黄色染料(I)および橙色染料(II)を含有するアクリル樹脂組成物であって、前記黄色染料(I)および橙色染料(II)が以下の条件を満たすアクリル樹脂組成物(B)。
    <黄色染料(I)>
    380〜830nmの可視光領域の波長において、極大吸収波長が385nm以上455nm未満の範囲に存在する黄色染料。
    <橙色染料(II)>
    380〜830nmの可視光領域の波長において、極大吸収波長が455nm以上525nm未満の範囲に存在する橙色染料。
  2. アクリル樹脂(A)100質量部に対して、黄色染料(I)および橙色染料(II)を合計で0.1質量部以上3.5質量部以下含有する請求項1に記載のアクリル樹脂組成物(B)。
  3. 黄色染料(I)がアンスラキノン系化合物を含む請求項1又は2に記載のアクリル樹脂組成物(B)。
  4. 橙色染料(II)がメチン系化合物を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物(B)。
  5. 黄色染料(I)がCI Solvent Yellow 163である請求項1乃至4のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物(B)。
  6. 橙色染料(II)がCI Disperse Orange 47である請求項1乃至5のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物(B)。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物(B)からなる黄色アクリル樹脂フィルム。
  8. 再帰反射シートの表皮材として用いられる請求項7に記載の黄色アクリル樹脂フィルム。
  9. 請求項7に記載の黄色アクリル樹脂フィルムを表皮材に用いた再帰反射シート。
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