以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<<第1実施形態>>
(遊技機管理システム)
まず、本発明の第1実施形態に係る遊技機管理システムの構成について図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る遊技機管理システムのシステム構成を模式的に示すブロック図である。
図1のように、遊技機管理システムは、管理コンピュータ100、遊技機200、台間機250、呼出ランプ230、台コンピュータ310、島コンピュータ320、及び、これらの機器を接続するネットワーク301、302を備える。
本実施形態における情報処理装置としての管理コンピュータ100は、遊技機200と台間機250とを含む遊技設備から受信した遊技設備の稼働状況を示す様々な稼働信号を集計・管理する。特に、本実施形態では、管理コンピュータ100は、受け取った稼働信号を遊技者ごとに分類して記憶・管理していく。なお、管理コンピュータ100は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やワークステーション(WS)等により実現することができる。
遊技機200から送信された稼働信号は、呼出ランプ230、台コンピュータ310、島コンピュータ320を介して管理コンピュータ100へ伝達される。また、台間機250から送信された稼働信号は、台コンピュータ310、島コンピュータ320を介して管理コンピュータ100へ伝達される。
(管理コンピュータ100)
図2は、管理コンピュータ100のハードウェア構成を模式的に示したブロック図である。図2において、110はCPUである。CPU110は、後述するハードディスク装置105に格納されているアプリケーションプログラムや、オペレーティングシステム(OS)等を実行し、RAM102にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に格納する制御を行う。
101はROMであり、内部には基本I/Oプログラム等のプログラム、基本処理において使用する各種データを記憶する。102は各種データを一時記憶するためのRAMであり、CPU110の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
103は記録媒体へのアクセスを実現するための外部記憶ドライブであり、メディア(記録媒体)104に記憶されたプログラム等を本コンピュータシステムにロードすることができる。尚、メディア104には、例えば、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、ICメモリキー、DVD等が含まれる。
105は外部記憶装置(記憶手段)であり、本実施形態では大容量メモリとして機能するハードディスク装置(以下、HDと呼ぶ)を用いている。HD105には、アプリケーションプログラム、OS、制御プログラム、関連プログラム等が格納される。
106は指示入力装置であり、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、タッチパネル等がこれに相当する。指示入力装置106を用いて、ユーザは、管理コンピュータ100に対して、装置を制御するコマンド等を入力指示する。
107はディスプレイであり、指示入力装置106から入力されたコマンドや、それに対する管理コンピュータ100の応答出力等を表示したりするものである。
109はシステムバスであり、管理コンピュータ100内のデータの流れを司るものである。108は通信インタフェース(以下、I/Fという)であり、このI/F108を介して島コンピュータ320とのデータのやり取りを行う。
尚、管理コンピュータ100は、経過時間を計時するための不図示のタイマ(計時手段)を備えている。このタイマは、例えば、水晶振動子に基づいて動作する。
以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアにより、ハードウェア装置の代替として構成することもできる。
本実施形態では、メディア994からプログラム及び関連データを直接RAM102にロードして実行させる例を想定するが、これに限られない。また、本実施形態では、説明の便宜のため、管理コンピュータ100を1つの装置で実現した構成について述べるが、複数の装置にリソースを分散して構成してもよい。
(遊技機200)
遊技機200は、所定の入賞イベントの発生に応じて遊技球の払い出しを行う遊技装置であり、本実施形態ではパチンコ機により実現される。遊技機200は、大当たりや出玉などのその遊技機における稼働状況を示す稼働信号を管理コンピュータ100へ送信するための通信デバイスを備えている。なお、遊技機200は、パチンコ機に限らず、遊技機の稼働信号を送信する機能を備えた各種の遊技機(例えば、パチスロ機、パチンコ用の遊技球をBETしてスロット遊技を行ういわゆるパチロット機)で実現しても構わない。
具体的な構成について図3を参照して説明すると、図3は、遊技機200の外観構成の概略を例示した模式図である。図3のように、遊技機200は、遊技機本体210を有している。また、遊技機200は、背面側に打玉量をカウント可能なアウトボックス(不図示)を備えている。なお、打玉量とは遊技盤面に打ち込まれた遊技球の量(個数)をいう。この打ち込まれた遊技球は、遊技機200の背面側で回収する際にアウトボックスで収集され、アウトボックスに取り付けられた計数機において打ち込まれた遊技球の数が計数されて、打玉量として算出される。
遊技機本体210には盤面211が設けられ、盤面211上には、図柄表示装置212、始動入賞口(アタッカ)213、大当たり入賞口214、釘215、通常入賞口(不図示)等が設けられている。また、遊技機本体210の下部には、打ち込む遊技球(パチンコ球)や払い出された遊技球を収納する上皿221、遊技球の打ち込みの強さを調整するハンドル222等が備えられている。
始動入賞口213は、ハンドル222等の操作により打ち出された遊技球が入賞すると、遊技球の入賞を検知する。この遊技球の入賞が検知されると内部的な抽選が行われ、当選した場合は大当たりや小当たり等が発生する。また、始動入賞口213への遊技球の入賞を契機として、図柄表示装置212は、複数の数字や図形等の図柄を変動させながら表示する。図柄表示装置212は、変動表示の開始後、所定の変動時間を経過すると図柄の変動表示を停止し、図柄の組み合わせやデモ表示等により抽選結果の報知や演出表示を行う。
大当たり入賞口214は、通常は遊技球が入賞しないように閉鎖されているが、大当たりに当選した場合に開放される。大当たり入賞口214に遊技球が入賞すると、相当数(例えば、入賞した遊技球1個につき15個)の遊技球が払い出される。大当たり入賞口214の開放は、大当たり発生後、所定時間(例えば、30秒)が経過するまで、または、所定数の遊技球が大当たり入賞口214に入賞するまで継続する。この一回の開放をラウンドと呼ぶ。一般的に、大当たり入賞口214は遊技球が通過しやすい位置に設けられるため、大当たりの発生期間(ラウンド中)においては大量の遊技球が払い出されることになる。
本実施形態に係る遊技機200は、遊技の進行に応じてその遊技機200の稼働状況を通知するために、(呼出ランプ230、台コンピュータ310、島コンピュータ320を経由して)以下の稼働信号を管理コンピュータ100へ送信する。
・大当信号:遊技機200において大当たりが発生していることを示す信号である。
・小当信号:遊技機200において小当たりが発生していることを示す信号である。
・出玉信号:遊技機200から遊技球が払い出されたことを示す信号である。
・打玉信号:遊技機200へ遊技球が打ち出されたことを示す信号である。
・始動信号:遊技球が始動入賞口に入賞したことを示す信号である。
・確変信号:遊技機200において確変大当たりが発生していることを示す信号である。
なお、ここに挙げた稼働信号は一例であり遊技機の種類や機種によって異なる。従って、遊技機の機種によっては時短を示す時短信号などを稼働信号に含めてもよい。
(呼出ランプ230)
また、図3に示すように、遊技機の上部には呼出ランプ230が設けられている。この呼出ランプ230は、大当たり発生等のイベント発生に応じて入賞イベントに係る所定の表示を行う表示器であり、本実施形態では、遊技機200から送信された稼働信号を台コンピュータ310へ伝達する機能も有している。
(台間機250)
次に、台間機250について説明する。台間機250は、現金や会員カードの挿入に応じて遊技球の貸し出しを行う球貸機(サンド)であり、本実施形態では、図1に示すように各遊技機200と1対1の対応をなし、遊技機200に隣接して設けている。図4は一般的な台間機250の外観を模式的に示す図である。図4のように、台間機250は、紙幣挿入口251、ICコイン挿入口252、ICコイン排出口253、会員カード挿入口254、ランプ255等を備えている。
紙幣挿入口251は、遊技者が遊技球の貸し出しを受けるために現金を挿入する挿入口である。ICコイン挿入口252、ICコイン排出口253は、ICコインの挿入、排出を行うための開口部である。ここで、ICコインとは、コイン型の筐体に記憶媒体を内蔵したものであり、遊技媒体の数量をデータ化して記憶させ、遊技者による持ち運びを容易にするために使用されている。
会員カード挿入口254は、遊技場の会員に予め配布されている会員カード(カード型の記録媒体)の挿入を受け付ける挿入口である。本実施形態では、各会員カードにはその会員カードのカード識別情報が記録されており、台間機250の会員カード挿入口254に遊技者の会員カードが挿入されると、会員カード挿入口254から連通する内部に設けられたカードリーダ(不図示)がその会員カードのカード識別情報を読み取る。
ランプ255は、対応する遊技機200や当該台間機250の状態を表示する構成要素である。本実施形態では、会員カードが台間機250から排出されなかった場合に所定の色(例えば、赤色)を表示してカードの取り忘れの警報を報知する報知手段として機能する。
本実施形態に係る台間機250は更に、台間機250に挿入された会員カードから読み取ったその会員カードの識別情報(カード識別情報)や、台間機250から会員カードが排出されたことを示す会員カード排出信号、並びに、貯玉の払い出し等を含む台間機の稼働信号を管理コンピュータ100へ送信するための通信デバイス(不図示)を備えている。そして、現金の投入や、会員カードの読み取り・排出等を行うと、それらの動作に応じて動作内容を示す稼働信号を(台コンピュータ310、島コンピュータ320を経由して)管理コンピュータ100へ送信する。台間機250が送信する稼働信号は以下の通りである。
・入金信号:現金が入金されたことを示す信号である。
・カード売上信号:入金状態で遊技者が玉貸しを受けたこと、すなわち、売上が上がったことを示す信号である。
・会員カード識別情報:会員カードを識別するための情報である。
・会員カード挿入信号:会員カードが挿入されたことを示す信号である。
・会員カード排出信号:会員カードが排出されたことを示す信号である。
・貯玉払い出し信号:会員カードに関連付けられた貯玉情報に基づく貯玉から払い出されたことを示す信号である。
なお、本実施形態では、会員カード識別情報、会員カード挿入信号、および、会員カード排出信号は、電子文書(メッセージ情報)として実現される。したがって、台間機250は、会員カードの挿入または排出に応じて、その会員カードの会員カード識別情報と、会員カード挿入信号/会員カード排出信号とに相当する電子文書を生成して、管理コンピュータ100へ向けて送信することになる。ここで、本実施形態では、会員カード識別情報と、会員カード挿入信号/会員カード排出信号とは、単一の電子文書により送信される。例えば、カード識別情報が「01234」の会員カードが挿入/排出された場合、台間機250は、「挿入:01234」「排出:01234」といった電子文書を生成して送信する。
ただし、会員カード識別情報、会員カード挿入信号、会員カード排出信号の具体的な実現方法はこれに限られない。例えば、会員カード識別情報と、会員カード挿入信号/会員カード挿入信号とを別個に送信してもよいし、また、会員カード挿入信号、会員カード排出信号をパルス信号で実現してもよい。
なお、ここに挙げた稼働信号は一例であり台間機の種類や機種によって異なる。したがって、上述の信号のほかに、故障やエラーを示す信号を送信可能としてもよい。
(台コンピュータ310)
次に、台コンピュータ310について、図5を参照して説明する。台コンピュータ310は、複数の遊技機200(本実施形態では4機)から呼出ランプ230を経由して、及び遊技機200に対応する台間機250と直接接続される情報処理装置である。台コンピュータ310は、遊技機200から呼出ランプ230を介して、または台間機250から稼働信号を受信すると、これらの稼働信号をネットワーク302を介して島コンピュータ320へ送信する。
図5は、台コンピュータ310のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。図5において、311は、遊技機200から呼出ランプ230を介して、または台間機250から受信した稼働信号を一時的に記憶するためのRAMである。
312、313は外部装置との通信インタフェースとしての、それぞれ第1通信部、第2通信部である。第1通信部312はネットワーク302に接続するための通信インタフェースであり、第2通信部313は遊技機200に接続するための通信インタフェースである。
314は、システムバス(バス)であり、台コンピュータ310内のデータの流れを司るものである。
図5に例示した構成では、第2通信部313に4機の遊技機200が呼出ランプ230を介して接続されているが、第2通信部313に接続される遊技機200の数はこれに限られない。また同様に、第2通信部313に4機の台間機250が接続されているが、第2通信部313に接続される台間機250の数はこれに限られない。
第2通信部313が、遊技機200から呼出ランプ230を介して、または台間機250から稼働信号を受け取ると、台コンピュータ310は、その情報に遊技機200または台間機250を識別するための情報を付与してRAM311に記憶する。そして、第1通信部312は、RAM311に記憶された稼働信号を読み取り、その台コンピュータ310の識別情報を付与してネットワーク302を介して島コンピュータ320に送出する。
(島コンピュータ320)
次に、島コンピュータ320について説明する。島コンピュータ320は、台コンピュータ310から受信した稼働信号をネットワーク301を介して管理コンピュータ100へ送信する情報処理装置である。本実施形態に係る遊技機管理システムにおいては、図1に示すように、複数の島コンピュータ320を配置し、各島コンピュータ320の管理下に複数の台コンピュータ310を設ける構成としている。
図6は、島コンピュータ320のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。この図6において、321はCPUであり、後述するROM322等に格納されたオペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し、RAM323にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に格納する制御を行う。
322はROMであり、内部には基本I/Oプログラム等のプログラム、システム管理において必要な各種データを記憶する。323は各種データを一時記憶するためのRAMであり、CPU321の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
324は、システムバス(バス)であり、島コンピュータ320内のデータの流れを司るものである。
325、326は、それぞれ外部装置との通信インタフェースとして動作する、第1通信部、第2通信部である。本実施形態では、第1通信部325はネットワーク302を介して台コンピュータ300に接続するための通信インタフェース、第2通信部326はネットワーク301を介して管理コンピュータ100に接続するための通信インタフェースである。
第1通信部327が、台コンピュータ310から稼働信号を受け取ると、島コンピュータ320は、その情報をRAM323に記憶する。そして、第2通信部326は、RAM323に記憶された稼働信号を読み取り、その島コンピュータ320の識別情報を付与してネットワーク301を介して管理コンピュータ100に送出する。
上記のように、台コンピュータ310では稼働信号に対して遊技機200、台間機250の識別情報と、その台コンピュータの識別情報が付与され、さらに島コンピュータ320ではその島コンピュータの識別情報が付与されて、管理コンピュータ100へ送信される。このため、管理コンピュータ100は、識別情報を参照することで、受信した稼働信号がどの遊技機200または台間機250からのものなのかを判別することができる。
また、ネットワーク301、302は、典型的には、LAN(Local Area Network)であるが、有線/無線を問わずデータを送受信可能な回線であればどのような構成でもよい。
なお、本実施形態では、図1のように、管理コンピュータ100と遊技設備(遊技機200、台間機250)とは、島コンピュータ320及び台コンピュータ310を介して接続されているが、管理コンピュータ100が遊技設備から稼働信号を取得できるならば、このような構成に限られない。
(稼働信号の分類の概要)
遊技機200または台間機250から稼働信号を受け取ると、管理コンピュータ100は、受け取った稼働信号を遊技者ごとに分類してHD105に記憶していく。本実施形態では、各遊技者に予め会員カードが配布されており、この会員カードから読み取ったカード識別情報に基づいて、受信間隔が一定期間内の一連の稼働信号を遊技者ごとに分類する。そこで、管理コンピュータ100が稼働信号を遊技者ごとに分類する処理の概要について図7〜9を参照して説明する。
●動作例1
図7は、稼働信号を遊技者ごとに分類する処理を説明するためのタイミングチャートである。図7のように、管理コンピュータ100は、台間機250からカード識別情報を受信してから、この台間機250、または、この台間機250に対応する遊技機200から受信した、受信間隔が一定期間内の一連の稼働信号を、このカード識別情報と関連付けて、HD105に記憶していく。言い換えると、管理コンピュータ100は、台間機250からカード識別情報を受信してから、この台間機250からの受信、またはこの台間機250に対応する遊技機200からの稼働信号の受信が、一定期間中断するまでの間に受信した稼働信号を、このカード識別情報と関連付けて、記憶していく。
具体的には、台間機250から会員カード挿入信号及びカード識別情報としての電子文書を受信すると、管理コンピュータ100は、その台間機250のカードフラグの値をOFFからONへ切り替えて、その台間機250またはその台間機に対応する遊技機200から受信した稼働信号に対して、カード識別情報を関連付ける処理を開始する。同時に、タイマをスタートさせて経過時間を計測していく。ここで、カードフラグとは、会員カードが台間機250に挿入されているか否かを示す二値情報である。カードフラグの値がONであることは会員カードが台間機250に挿入されていることを意味し、OFFであることは会員カードが挿入されていないことを意味する。管理コンピュータ100は、台間機250(遊技機200)毎にカードフラグをRAM102に保持して、会員カードの挿入の有無を管理する。
その後、タイマをスタートさせてから一定期間以内に、遊技機200又は台間機250から稼働信号(例えば、出玉信号)を受信すると、その出玉信号をカード識別情報と関連付けてHD105に記憶する。同時に、タイマをリセットさせて、再び経過時間の計測を開始する。その後、一定期間以内にさらに稼働信号を受信すると、その稼働信号をカード識別情報と関連付けてHD105に記憶するとともに、タイマをリセットさせて、再び経過時間の計測を開始する。このような処理を繰り返して、受信間隔が一定期間内の一連の稼働信号をカード識別情報と関連付けて、HD105に記憶していく。
もし、計時を開始してから稼働信号をさらに受信する前に一定期間が経過した場合、管理コンピュータ100は、カード識別情報で識別される会員カードが配布された遊技者による遊技が終了したと判定する。そして、稼働信号に対してカード識別情報を関連付ける処理を終了する。
●動作例2
動作例1では、稼働信号の受信が一定期間中断したことに基づいて遊技者の交代を判定する場合を説明したが、さらに、稼働信号を分類する際に会員カード排出信号を用いて遊技者の交代を判定してもよい。そこで、稼働信号に加えて会員カード排出信号を使用して、稼働信号を遊技者ごとに分類する動作例について、図8、図9を参照して説明する。図8、図9は、稼働信号を遊技者ごとに分類する処理を説明するためのタイミングチャートである。
図8、図9のように、台間機250から会員カード挿入信号及びカード識別情報としての電子文書を受信すると、管理コンピュータ100は、カードフラグをOFFからONへ切り替えるとともに、その台間機250または遊技機200から受信した稼働信号に対して、カード識別情報を関連付ける処理を開始する。同時に、タイマをスタートさせて経過時間を計測していく。
そして、タイマをスタートさせてから一定期間以内に、遊技機200又は台間機250から稼働信号(例えば、出玉信号)を受信すると、その出玉信号をカード識別情報と関連付ける。同時に、タイマをリセットさせて、再び経過時間の計測を開始する。その後、一定期間以内にさらに稼働信号を受信すると、その稼働信号をカード識別情報と関連付けるとともに、タイマをリセットさせて、再び経過時間の計測を開始する。このような処理を繰り返して、受信間隔が一定期間内の一連の稼働信号をカード識別情報と関連付けて、HD105に記憶していく。ここまでの処理は動作例1と同様である。
動作例2では、会員カード排出信号を受信したことに応じてカードフラグをONからOFFに切り替え、その後、一定期間内に稼働信号の受信があるか否か観察する。図8のように、カードフラグをONからOFFへ切り替えた後、一定期間内に稼働信号を受信しなかった場合は、その一定期間の経過後に、稼働信号をカード識別情報と関連付ける処理を終了する。一方、図9のように、会員カード排出信号の受信後、一定期間内に稼働信号を受信した場合は、その後稼働信号の受信が一定期間中断するまで、稼働信号をカード識別情報と関連付ける処理を継続していく。
(稼働信号分類処理)
上記の動作例1、2のような稼働信号を遊技者ごとに分類する処理(稼働信号分類処理)の詳細について、フローチャートを参照して説明する。図10は、稼働信号分類処理の処理全体の流れを示すフローチャートである。稼働信号分類処理は、遊技機200及び台間機250の組のそれぞれについて、並列的に実行される。また、以降の説明に用いる各フローチャートの各ステップの処理は、管理コンピュータ100のCPU110の制御により実行される。
まずステップS101において、管理コンピュータ100は、島コンピュータ320等を経由して、遊技機200または台間機250から信号を受信する。
次に、ステップS102において、ステップS101で受信した信号(受信信号)の種類を判定する。そして、この受信信号が、台間機250から送信された会員カード挿入信号か、会員カード排出信号か、または、会員カード識別情報のいずれかであると判定された場合はステップS103へ進む。受信信号が、会員カード挿入信号/会員カード排出信号/会員カード識別情報以外の稼働信号と判定された場合は、ステップS104へ進む。受信信号がいずれの稼働信号にも該当しないと判定された場合は、ステップS105へ進む。なお、稼働信号に該当しない信号には、例えば、台コンピュータ310や島コンピュータ320が動作エラーを検出して送信するエラー検出信号などが含まれる。
ステップS103では、カード挿入・排出・識別処理を実行する。この処理では、会員カードの挿入・排出に応じてカードフラグをOFFとONと間で切り替えたり、会員カード識別情報の受信に応じて会員を特定したりする。カード挿入・排出・識別処理の詳細は後述する。
ステップS104では、受信した稼働信号を会員カード識別情報と関連付けて記憶する関連付け処理を行う。関連付け処理の詳細も後述する。
ステップS105では、稼働信号に該当しない信号の内容に応じて、適宜、その他の処理を行う。例えば、エラー検出信号を受信した場合は、その旨をディスプレイ107に表示してもよい。
管理コンピュータ100は、外部の装置から信号を受信するたびに上記のステップS101〜S105の処理を実行する。ここで、カード挿入・排出・識別処理(ステップS103)、関連付け処理(ステップS104)、その他の処理(ステップS105)はそれぞれ並列に実行される。ただし、関連付け処理(ステップS104)の実行中にさらに稼働信号を受信したときは、後に詳述する関連付け処理を最初からやり直すのではなく、すでに開始されている関連付け処理を継続する。
(カード挿入・排出・識別処理)
次に、図10のS103で実行するカード挿入・排出・識別処理の詳細について、図11を参照して説明する。図11は、カード挿入・排出・識別処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS111において図10のステップS101で受信した信号(受信信号)の種類を判定する。受信信号が会員カード挿入信号の場合はステップS112へ進み、処理対象の台間機250に対応するカードフラグの値をONに設定する。受信信号が会員カード排出信号の場合はステップS113へ進み、処理対象の台間機250に対応するカードフラグの値をOFFに設定する。
受信信号が会員カード識別情報の場合はステップS114へ進み、処理対象の台間機250に対応する遊技機200の遊技者を、受信した会員カード識別情報で特定する。ここで本実施形態では、会員カード識別情報と図13に示す遊技者の会員番号とは同一としている。しかしこれに限られるものではなく、会員カード識別情報と遊技者の会員番号とを別個に設定してもよい。
ステップS111〜S114の処理を終了したら、カード挿入・排出・識別処理を終了して、図10のフローチャートに戻る。
なお、前述のように、本実施形態では、会員カード挿入信号/会員カード排出信号と会員カード識別情報とは単一の電子文書により送信されるが、このような電子文書を受信したときは、カードフラグの切り替え(ステップS112、S113)と会員の特定(ステップS114)との両方を実行する。例えば、会員カード挿入信号と会員カード識別情報としての電子文書を受信したときはステップS112及びS114の両方の処理を実行し、会員カード排出信号と会員カード識別情報としての電子文書を受信したときはステップS113及びS114の両方の処理を実行する。
(関連付け処理)
次に、図10のS104で実行する関連付け処理の詳細について、図12(a)を参照して説明する。図12は、関連付け処理(図12(a))と、関連付け処理(図12(b))の中で実行される会員特定処理との流れを示すフローチャートである。
稼働信号を受信すると、まず、ステップS121において、パラメータnに値0をセットする。このパラメータは、ステップS122〜ステップS125、ステップS127の処理の実行回数をカウントするために使用されるものであり、RAM102等の記憶装置に保持される。
次に、ステップS122において、タイマを用いて計時、すなわち、経過時間の測定を開始する。
次に、ステップS123において、受信した稼働信号を送信した遊技設備(遊技機200または台間機250)を使用している遊技者(会員)を特定する処理(会員特定処理)を行う。会員特定処理の詳細は後述する。
次に、ステップS124において、受信した稼働信号に対して、ステップS123で特定された会員に対応するカード識別情報を関連付ける処理を行う。
次に、ステップS125において、計時を開始してから一定期間内に台間機250又は遊技機200から稼働信号を受信したか否かを判定する。この一定期間は予め定められた時間であり、遊技機200の機種や遊技場の管理方針等に基づいて設定される。そして一定期間内に稼働信号を受信した場合(ステップS125でYES)はステップS127へ進み、受信せずに一定期間が経過した場合(ステップS125でNO)はステップS126へ進む。
ステップS126では、カード識別情報が関連付けられた稼働信号をHD105等の記憶装置に記憶する処理を行う。そして、関連付け処理を終了する。
ステップS127では、タイマによる計時をクリアしてステップS122へ戻る。このように、タイマがタイムアウトしない限り、稼働信号を受信する度にタイマはクリアされることになる。
(会員特定処理)
次に、図12(a)の関連付け処理のステップS123で実行する会員特定処理の詳細について、図12(b)を参照して説明する。
まず、ステップS131において、パラメータnの値を1インクリメント(増加)する。
次に、ステップS132において、パラメータnの値が1よりも大きいか否かを判定する。1よりも大きい場合(ステップS132でYES)はステップS136へ進み、1よりも大きくない(1に等しい)場合(ステップS132でNO)はステップS133へ進む。パラメータnの初期値は0であるため(図12(a)のステップS121)、会員特定処理を最初に実行したときはステップS133へ進み、2回目以降の実行時にはステップS136へ進むことになる。
ステップS133では、カードフラグの値がONにセットされているか否かを判定する。ONにセットされている場合(ステップS133でYES)はステップS135へ進み、ONにセットされていない場合(ステップS133でNO)はステップS134へ進む。
ステップS134へ進むのは、稼働信号を初めて受信した時点でカード挿入信号をまだ受信していない場合、つまり、会員が会員カードを挿入しないで遊技を開始した場合に相当する。このような場合は、管理コンピュータ100は、遊技を行っている会員を特定することができない。このため、ステップS134では、稼働信号を送信した遊技機200等の遊技者(会員)は、特定不能な会員を意味する「仮想会員」であるとする。そして、会員特定処理を終了して関連付け処理に戻る。
一方、ステップS135では、稼働信号を送信した遊技機200等の遊技者(会員)は、図11のカード挿入・排出・識別処理のステップS114で特定した会員であると特定する。そして、会員特定処理を終了して関連付け処理に戻る。
ステップS136では、カードフラグの値がONにセットされているか否かを判定する。ONにセットされている場合(ステップS136でYES)はステップS137へ進み、ONにセットされていない場合(ステップS136でNO)はステップS138へ進む。
ステップS137では、会員特定処理を前回実行したときに特定した会員の会員カード識別番号(ステップS135)と、今回受信した会員カード識別番号とが同一であるか否を判定する。同一の場合(ステップS137でYES)はステップS138へ進む。同一でない場合(ステップS137でNO)は、会員が切り替わったことを意味するため、会員特定処理を終了すると共に、関連付け処理(図12(a))のステップS126へ進んで、これまでに会員カード識別情報が関連付けられている稼働信号をHD105等の記憶装置に格納する。
ステップS138では、ステップS134またはS135で特定した会員から他の会員へ切り替わったことが認められないため、稼働信号を送信した遊技機200等の遊技者(会員)は以前特定した会員であるとする。そして、会員特定処理を終了して関連付け処理に戻る。
上記のように、本実施形態では、カード識別情報を受信してから、稼働信号の受信が予め定められた期間中断するまでの間に受信した稼働信号を、このカード識別情報と関連付け記憶する。すなわち、会員カードのカード識別情報に基づいて遊技者を識別して、受信間隔が一定期間内の一連の稼働信号をこの遊技者の遊技によるものと自動的に分類して記憶する。このため、遊技の途中で会員カードが排出されたり、あるいは、会員カードが排出されないまま遊技が終了したりしたような場合でも、稼働信号を遊技者ごとに正確に分類することができる。また、会員カードが配布されていない遊技者についても、稼働信号を仮想会員の識別情報と関連付けて記憶するため、仮想会員として遊技を終了した場合は、仮想会員による遊技の稼働信号として、通常の会員による遊技の稼働信号と区別して分類・記憶することができる。
また、本実施形態では、稼働信号を受信したことに応じて、当該稼働信号に対するカード識別情報の関連付けを行う。このため、遊技場の管理者は、各会員の遊技状況をその遊技に合わせてリアルタイムに把握することができる。
また、本実施形態では、カード排出信号を受信してカードフラグがONからOFFへ切り替わってから、一定期間が経過するまでに受信した稼働信号を、カード識別情報と関連付けていく。このため、遊技の途中で会員カードが排出されたような場合でも、稼働信号を遊技者に正確に対応づけることができる。
(稼働信号の分類例)
次に、上記の処理によって遊技者ごとに分類されて管理コンピュータ100のHD105に記憶された稼働信号について、図13を参照して説明する。図13は、所定の期間に管理コンピュータ100のHD105に記憶された各遊技者の稼働信号の一例を示す図である。
管理コンピュータ100が記憶する稼働信号には、図13のように、例えば以下のものが含まれる。
・遊技者の会員番号(会員カード識別情報と同一)を記録した「会員番号」欄401。
・出玉(入賞して払い出された球)数を記録した「出玉」欄402。
・打玉(遊技盤に打ち込まれた球)数を記録した「打玉」欄403。
・差玉数(打玉数−出玉数)を記録した「差玉」欄404。
・投資金額(遊技者が払い込んだ金額)を記録した「投資金額」欄405。
・収支(交換玉数×換金率−投資金額)を記録した「収支」欄406。
・貯玉の合計数を記録した「貯玉・メダル預」欄407。
・貯玉から引き出された球数を記録した「貯玉・メダル払」欄408。
・遊技者の来店回数を記録した「来店回数」欄409。
・遊技者が獲得しているポイントを記録した「ポイント」欄410。
・遊技者が遊技を行った時間を記録した「稼働時間」欄411。
・打玉数に対する出玉数を記録した「出玉率」欄412。
なお、ここに挙げた稼働信号は代表的なものの一例であり、例えば「ラリーポイント」等の項目を追加するなど、システム構成や遊技場の運用形態によって異なってもよい。
<<第2実施形態>>
本実施形態では、遊技の終了後も会員カードが排出されなかったような場合に、そのことを自動的に検出して、警報を報知する構成について説明する。なお、遊技機管理システムのシステム構成や各装置のハードウェア構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(稼働信号の分類の概要)
図14は、本実施形態に係る管理コンピュータ100が実行する処理を説明するためのタイミングチャートである。図14のように、管理コンピュータ100は、第1実施形態と同様に、各遊技者に予め会員カードが配布されており、この会員カードから読み取られたカード識別情報を受信してから、台間機250、または、遊技機200から受信した、受信間隔が一定期間内の一連の稼働信号を、このカード識別情報と関連付けていく。
ここで、本実施形態では、稼働信号に対するカード識別情報との関連付けを開始してから、カード識別情報との関連付けを終了するまでに、カード排出信号を受信しなかった場合に警報を報知する点が、第1実施形態、第2実施形態と異なる。警報の報知は、台間機250に設けられたランプ255に所定の表示をさせることによって行われるが、他の装置を用いて行ったり、あるいは、警告音を使用したりしてもよい。
(関連付け処理)
図14を参照して概要を説明した稼働信号分類処理の詳細について、図15を参照して説明する。図15は、本実施形態における関連付け処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態における稼働信号分類処理の処理全体と、会員特定処理は、第1実施形態と同様に図10と図12(b)で示されるため、説明を省略する。
図15のステップS141において、パラメータnに値0をセットする。この処理は図12(a)のステップS121と同様である。
次に、ステップS142において、タイマを用いて計時を開始する。この処理は図12(a)のステップS122と同様である。
次に、ステップS143において、受信した稼働信号を送信した遊技機200または台間機250の遊技者(会員)を特定する処理(会員特定処理)を行う。この処理の詳細は第1実施形態と同様に図12(b)で示される。
次に、ステップS144において、受信した稼働信号に対して、ステップS143で特定された会員に対応するカード識別情報を関連付ける処理を行う。この処理は図12(a)のステップS124と同様である。
次に、ステップS145において、計時を開始してから一定期間内に台間機250又は遊技機200から稼働信号を受信したか否かを判定する。この処理は図12(a)のステップS125と同様である。一定期間内に稼働信号を受信した場合(ステップS145でYES)はステップS147へ進み、受信せずに一定期間が経過した場合(ステップS145でNO)はステップS146へ進む。
ステップS146では、カード識別情報が関連付けられた稼働信号をHD105等の記憶装置に記憶する処理を行う。この処理は図12(a)のステップS126と同様である。そして、ステップS148へ進む。
ステップS147では、タイマによる計時をクリアしてステップS142へ戻る。
この処理は図12(a)のステップS127と同様である。
ステップS148では、これまでの一連の処理の間に、台間機250からカード排出信号を受信しているか否かを判定する。受信していない場合(ステップS148でNO)は、会員カードが正常に排出されていないと判断してステップS149へ進む。一方、カード排出信号を受信している場合(ステップS148でYES)は、遊技が正常に終了したと判断して関連付け処理を終了する。
ステップS149では、当該会員カードのカード識別情報を管理コンピュータ100へ送信した台間機250に対して、ランプ255に警報を報知させるための信号を送信する。
上記のように、本実施形態では、遊技の終了後も会員カードが排出されなかったような場合に、そのことを自動的に検出して、警報を報知する。このため、遊技者が会員カードを排出し忘れることを効果的に防止することができる。
<<第3実施形態>>
第1実施形態、第2実施形態では、カード識別情報を受信した後に受け取った稼働情報を遊技者ごとに分類する構成を説明したが、本実施形態では、カード識別情報の受信前に受け取った稼働情報を遊技者ごとに分類する構成について説明する。なお、遊技機管理システムのシステム構成や各装置のハードウェア構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(稼働信号の分類の概要)
本実施形態においても、各遊技者に予め会員カードが配布されており、この会員カードから読み取ったカード識別情報に基づいて、受信間隔が一定期間内の一連の稼働信号を遊技者ごとに分類する。ここで、本実施形態では、カード識別情報を受信する前に受信した稼働信号を、受信間隔が一定期間内で、最後の稼働信号の受信時がカード識別情報の受信時から一定期間内の場合に、カード識別情報に関連付ける処理を行う。これにより、カード識別情報を受信する前に受信した稼働信号も遊技者ごとに分類することができる。
本実施形態に係る管理コンピュータ100が稼働信号を遊技者ごとに分類する処理の概要について図16を参照して説明する。図16は、稼働信号を遊技者ごとに分類する処理を説明するためのタイミングチャートである。
図16では、稼働信号の受信が始まった後に会員カード識別情報を受信している。このような場合、第1実施形態に係る構成は、会員カード識別情報を受信するまでに受信した受信間隔が一定期間内の一連の稼働信号を仮想会員の識別情報と関連付けて、HD105に記憶していく。そして、カード識別情報を受信した後は、稼働信号の受信が一定期間中断するまで、受信した稼働信号をカード識別情報と関連付けてHD105に記憶する。
本実施形態では、仮想会員の識別情報と関連付けてHD105に記憶された稼働信号を分析して、カード識別情報の受信前に受信した稼働信号とカード識別情報との関連付けを行う。まず、カード識別情報の受信前の一定期間内に仮想会員の識別情報と関連付けられている稼働信号を受信しているか判定する。そして、受信している場合にその稼働信号から遡って、受信間隔が一定期間内の一連の稼働信号をカード識別情報に関連付けていく。このようにして、カード識別情報を受信する前に受信した稼働信号をカード識別情報に関連付ける。
(稼働信号分類処理)
図16を参照して概要を説明した処理の詳細について、図17を参照して説明する。図17は、カード識別情報の受信前に受信した稼働信号をカード識別情報と関連付ける処理の流れを示すフローチャートである。なお、図17の処理の前には、第1実施形態または第2実施形態の処理が実行されており、遊技者が識別されないまま受信した稼働信号が、仮想会員の識別情報と関連付けてHD105に記憶されているとする。また、HD105に記憶されているカード識別情報の記録のそれぞれについて、以下の処理を行う。
まず、ステップS151において、稼働信号の受信記録をHD105から読み出す。
次に、ステップS152において、処理対象のカード識別情報の受信前の一定期間内に、仮想会員の識別情報が関連付けられた稼働信号を受信しているか否かを判定する。受信している場合(ステップS152でYES)は処理を終了し、受信していない場合(ステップS152でNO)はステップS153へ進む。
ステップS153では、カード識別情報の受信前に受信した、受信間隔が一定期間内の、それぞれ仮想会員の識別情報が関連付けられている一連の稼働信号に、このカード識別情報を関連付ける。ここで、カード識別情報を関連付ける一連の稼働信号は、ステップS152でカード識別情報の受信前の一定期間内に受信したと判定された、仮想会員の識別情報が関連付けられた稼働信号が含まれるように選択する。ステップS153の処理を終えると、当該後処理を終了する。
上記のように、本実施形態では、カード識別情報を受信する前に受信した稼働信号を、受信間隔が一定期間内で、最後の稼働信号の受信時がカード識別情報の受信時から一定期間内の場合に、カード識別情報に関連付ける。このため、カード識別情報の受信前に受け取った稼働情報も遊技者ごとに分類することができる。
<<第4実施形態>>
遊技機200を用いて遊技を行う場合、遊技者はまず遊技球の貸し出しを受ける必要があるが、遊技の大当たり等によって遊技者がすでに多数の遊技球を有しているときに、その遊技者が追加の遊技球の貸し出しを受けることは考えにくい。そこで、本実施形態では、遊技者の持玉数が規定値以上のときに、遊技球が貸し出されたことを示すカード売上信号が上がった場合に、遊技者が交代したと判定する構成を説明する。本実施形態における遊技機管理システムのシステム構成や各装置のハードウェア構成は第1実施形態と同様であるため同じ符号を付して説明を省略し、第1実施形態と相違する部分についてのみ説明を行う。
(管理コンピュータ100の機能構成)
図18は本実施形態に係る管理コンピュータ100の機能構成を示す図である。図18のように、本実施形態に係る管理コンピュータ100は、稼働履歴処理部120と、カード情報処理部130と、バッファ部140と、データベース部150との機能要素を備えている。これらの各機能要素は図2を参照して上述した情報処理装置のCPU110がRAM102にロードされたプログラムを実行し、図2に示される各ハードウェアと協働することによって実現される。もちろん機能ブロックの一部或いは全てが専用のハードウェアで実現されてもよい。
カード情報処理部130は、台間機250から送信された、カードの挿入状態を示す電子文書(カード挿入情報)を受信して、後述する会員カード挿入時処理を実行する機能要素である。なお、図18では、台間機250とカード情報処理部130との間の通信経路に存在する、台コンピュータ310、島コンピュータ320等を省略している。
稼働履歴処理部120は、島コンピュータ320から遊技機200及び台間機250の稼働信号を受信し、並びに、カード情報処理部130から会員カードが挿入中であるか否かを示す情報を受信して、後述するフラグデータ受信時処理および稼働履歴作成処理を実行する機能要素である。
バッファ部140は、島コンピュータ320から受信した稼働信号を一時的に保持する機能要素である。バッファ部140はRAM102等のメモリ装置を使用して実現される。
データベース部150は、遊技者毎に分類された稼働信号が格納される機能要素である。データベース部150は、例えば、HD105にデータベースを構築することで実現可能である。
なお、本実施形態では、遊技機200及び台間機250から送信される稼働信号の種別が第1実施形態と異なっており、本実施形態における稼働信号は(1)各稼働データの累積値を示す累積データと(2)遊技機200の稼働状態を示すフラグデータとに大別される。
累積データは、さらに累積稼働データと累積売上データとに大別される。この累積稼働データには、遊技場管理システムの起動時から処理実行時までに遊技機200において測定された、打玉数、出玉数、遊技のスタート回数等の累積値が含まれる。また、累積売上データには、遊技場管理システムの起動時から処理実行時までに台間機250に支払われた売上の累積値(累積売上金額)が含まれる。なお、売上には、現金売上、カード売上、貯玉払出等の種類があり、これらを個別に集計してもよいが、本実施形態では、これらを合算した金額を累積売上として使用する。
一方、フラグデータが示す遊技機200の稼働状態には、本実施形態では、非稼働状態、通常動作状態、大当状態、小当状態、確変大当状態、時短大当状態が含まれる。
このような累積データとフラグデータが含まれる稼働信号は、島コンピュータ320の配下の全遊技台200について、その島コンピュータ320から管理コンピュータ100へ定期的(例えば、1〜5秒ごと)に電子文書形式で送信される。なお、稼働信号の送信は、遊技機200が稼働しているか否かに関わらず、島コンピュータ320の配下の全遊技台200について行われる。
また、本実施形態では、ある台間機250に会員カードが挿入された場合は、それに応じてその台間機250から、カードの挿入状態を示すカード挿入情報が管理コンピュータ100へ送信される。ただし、第1実施形態と異なり、本実施形態では、ある台間機250に会員カードが挿入されたときの他に、定期的(例えば、1〜5秒ごと)に、島コンピュータ320の配下の全台間機250からカード挿入情報が送信される。なお、カード挿入情報には、会員カードの挿入の有無と、会員カードが挿入されている場合はその会員カード識別情報が記載されている。
(バッファ部140の内容)
次に、管理コンピュータ100のバッファ部140について、図19を参照して説明する。図19は、バッファ部140の記憶内容を模式的に示す図である。図19のように、本実施形態では、島コンピュータ320が管轄する遊技機200毎の稼働履歴データ450をバッファ部140に保持する。
バッファ部140に保持される稼働履歴データ450には、図19のように、例えば以下のものが含まれる。
・データ更新時刻451:累積データまたはフラグデータが更新された場合の、その更新時刻。フラグデータにも累積データにも変化がなければ更新時刻は更新されない。後述するように、本実施形態ではデータ更新時刻451を参照して、稼働信号を最後に受信してからの経過時間を判定する。
・稼働種別452:遊技機200の稼働状態の種類(本実施形態では、非稼働状態、通常動作状態、大当状態、小当状態、確変大当状態、時短大当状態)。初期値は非稼働状態にセットされる。
・会員識別情報453:遊技機200の遊技者の識別情報。本実施形態では、会員カード識別情報と会員識別情報とは1対1に対応しているため、会員カード識別情報により会員は特定される。なお、会員が特定されていない場合と、遊技場管理システムの起動時からまだ会員が誰も遊技をしていない場合はデフォルト値、例えば(−1)が保持される。
・累積打玉数454:遊技場管理システムの起動時から処理実行時までの打玉数の累積値。本実施形態では、島コンピュータ320から送信される稼働データの中に打玉数の累積値が含まれるため、稼働データの受信に応じて、その稼働データに含まれる打玉数の累積値により累積打玉数454が更新される。初期値は(0)である。
・累積出玉数455:遊技場管理システムの起動時から処理実行時までの出玉数の累積値。本実施形態では、島コンピュータ320から送信される稼働データの中に出玉数の累積値が含まれるため、稼働データの受信に応じて、その稼働データに含まれる出玉数の累積値により累積出玉数455が更新される。初期値は(0)である。
・累積スタート回数456:遊技場管理システムの起動時から処理実行時までの遊技のスタート(開始)数の累積値。本実施形態では、島コンピュータ320から送信される稼働データの中にスタート回数の累積値が含まれるため、稼働データの受信に応じて、その稼働データに含まれるスタート回数の累積値により累積スタート回数456が更新される。初期値は(0)である。
・累積売上457:遊技場管理システムの起動時から処理実行時までの売上の累積値。本実施形態では、島コンピュータ320から送信される稼働データの中に売上の累積値が含まれるため、稼働データの受信に応じて、その稼働データに含まれる売上の累積値により累積売上457が更新される。初期値は(0)である。
・持玉計算用打玉458:会員識別情報453で識別される会員が処理実行時に行われている遊技を開始してから計上された、打玉数の累積値。後述するように、遊技開始時の累積打玉数454の値と、処理実行時の累積打玉数454の値との差分により算出される。遊技者の交代が検出された場合は初期値(0)にセットされる。
・持玉計算用出玉459:会員識別情報453で識別される会員が処理実行時に行われている遊技を開始してから計上された、出玉数の累積値。後述するように、遊技開始時の累積出玉数455の値と、処理実行時の累積出玉数455の値との差分により算出される。遊技者の交代が検出された場合は初期値(0)にセットされる。
・持玉計算用売上460:会員識別情報453で識別される会員が処理実行時に行われている遊技を開始してから計上された、売上の累積値。後述するように、遊技開始時の累積売上457の値と、処理実行時の累積売上457の値との差分により算出される。遊技者の交代が検出された場合は初期値(0)にセットされる。
・カードフラグ461:会員カードが台間機250に挿入されているか否かを示す二値情報。カードフラグ461の値がONであることは会員カードが台間機250に挿入されていることを意味し、OFFであることは会員カードが挿入されていないことを意味する。
なお、上述の持玉計算用打玉458、持玉計算用出玉459、持玉計算用売上460は、その遊技者が有しているはずの理論上の持玉数(理論持玉数)を計算するために使用される。本実施形態では、理論持玉数を下記の数1により計算する。
(数1)
(理論持玉数)=(持玉計算用売上)÷(遊技球単価)−(持玉計算用打玉)+(持玉計算用出玉)
(稼働信号の分類の概要)
次に、本実施形態に係る管理コンピュータ100が稼働信号を遊技者ごとに分類する処理の概要について図20、図21を参照して説明する。図20、図21は本実施形態に係る管理コンピュータ100が稼働信号を遊技者ごとに分類する処理を説明するためのタイミングチャートである。
台間機250から会員カードの挿入及びカード識別情報を示す電子文書(会員カード挿入情報)を受信すると、管理コンピュータ100は、図20のように、カードフラグ461をOFFからONへ切り替えるとともに、その台間機250または遊技機200から受信した稼働信号に対して、カード識別情報を関連付ける処理を開始する。同時に、タイマをスタートさせて経過時間を計測していく。
そして、タイマをスタートさせてから一定期間以内に、遊技機200又は台間機250から稼働信号(例えば、打玉信号)を受信すると、その出玉信号をカード識別情報と関連付ける。同時に、タイマをリセットさせて、再び経過時間の計測を開始する。その後、一定期間以内にさらに稼働信号を受信すると、その稼働信号をカード識別情報と関連付けるとともに、タイマをリセットさせて、再び経過時間の計測を開始する。このような処理を繰り返して、受信間隔が一定期間内の一連の稼働信号をカード識別情報と関連付けて、HD105に記憶していく。ここまでの処理は第1実施形態と同様である。
本実施形態では、遊技機200から受信した稼働信号をもとに上記の(式1)により理論持玉数を計算し、この理論持玉数が予め定められた持玉規定値以上の値をとっていて、カードフラグ461がOFFのときに、台間機250から売上信号を受信した場合は、遊技者が交代したと判定して、稼働信号のカード識別情報への関連付けを終了する。例えば、図20中で、売上信号X、Yを受信したときは理論持玉数が持玉規定値を下回っているため、第1実施形態と同様の処理を行うが、売上信号Zを受信したときは理論持玉数が持玉規定値を上回っているため、打玉信号を受信してから一定期間が経過していないが、遊技者が交代したと判定して、稼働信号をカード識別情報へ関連付ける処理を終了する。
なお、図21のように、理論持玉数が予め定められた持玉規定値以上の値をとっているときに、台間機250から売上信号Yを受信したが、カードフラグ461がONの場合は、遊技者は交代していないと判定する。このような場合は、遊技者が意図的または誤って遊技球の貸し出しを受けたと考えられるからである。なお、遊技場の運営方針等により、カードフラグ461の値に関わらず、理論持玉数が予め定められた持玉規定値以上の値をとっているときに、台間機250から売上信号を受信したときは常に遊技者が交代したと判定するようにしてもよい。
(稼働信号分類処理)
上記のような稼働信号分類処理の詳細について、フローチャートを参照して説明する。図22は、本実施形態における稼働信号分類処理の処理全体の流れを示すフローチャートである。
まずステップS161において、管理コンピュータ100は、島コンピュータ320等を経由して、遊技機200または台間機250から信号を受信する。
次に、ステップS162において、ステップS161で受信した信号(受信信号)の種類を判定する。そして、この受信信号が、台間機250から送信されたカード挿入情報であると判定された場合はステップS163へ進む。受信信号が、フラグデータであると判定された場合は、ステップS164へ進む。受信信号が累積データであると判定された場合は、ステップS165へ進む。
ステップS163では、カード挿入情報に基づく遊技者の交代の判定等を行う処理(会員カード挿入時処理)を実行する。会員カード挿入時処理の詳細は後述する。
ステップS164では、フラグデータの内容に基づいてバッファ部140の内容を更新する等の処理(フラグデータ受信時処理)を実行する。フラグデータ受信時処理の詳細は後述する。
ステップS165では、累積データに基づいて稼働信号に会員カード識別情報を関連付けて、遊技場管理システムの稼働履歴を作成する処理(稼働履歴作成処理)を実行する。稼働履歴作成処理の詳細は後述する。
管理コンピュータ100は、外部の装置から信号を受信するたびに、その内容に基づいて、会員カード挿入時処理(S161)、フラグデータ受信時処理(S162)、または、稼働履歴作成処理(S163)を実行する。前述のように、カード挿入情報、フラグデータ、および、累積データは、島コンピュータ320の配下の全ての、台間機250及び遊技機200から定期的に送信されるため、管理コンピュータ100はS161〜S163の各処理を一定時間おきに繰り返し実行することになる。会員カード挿入時処理(S161)は、カードの挿入・排出に応じて会員カード識別情報が送信されたときにも実行される。このようにして、管理コンピュータ100は、会員カード挿入時処理(S161)、フラグデータ受信時処理(S162)、稼働履歴作成処理(S163)を並列に実行する。
(会員カード挿入時処理)
次に、図22のステップS163で実行する会員カード挿入時処理について図23を参照して説明する。図23は会員カード挿入時処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS171において、台間機250から会員カード挿入情報を受信する。上述のように、会員カード挿入情報は、台間機250に対してカードの挿入または排出がなされたときはその台間機250から受信し、台間機250から会員カード挿入情報が定期的に送信されたときは島コンピュータ320が管轄する全ての台間機250からそれぞれ受信する。
次に、ステップS172において、パラメータnに値0をセットして初期化する。本実施形態では、ステップS171で会員カード挿入情報を受信した台間機250の各々について、ステップS174〜S178、ステップS180の処理を実行するが、このパラメータnは処理対象の台間機250を識別するために使用される。
次に、ステップS173において、パラメータnの値を1インクリメント(増加)する。
次に、ステップS174において、パラメータnに対応する台間機250に対して会員カードが挿入されているか否かを判定する。この判定は受信した会員カード挿入情報を解析して行われる。挿入されていると判定された場合(ステップS174でYES)はステップS175へ進み、挿入されていると判定されなかった場合(ステップS174でNO)はステップS180へ進む。
ステップS175では、処理対象の台間機250に対応する遊技機200のカードフラグ461をONにする。また、バッファ部140において、この台間機250に対応する稼働履歴データ450の会員識別情報453の値に、受信した会員カード挿入情報に記載されている会員カード識別情報の値をセットする。そしてステップS176へ進む。
ステップS176では、ステップS175の処理の前後に会員識別情報453の値に変化があったか否かを判定する。変化があったと判定された場合(ステップS176でYES)はステップS177へ進み、変化がなかったと判定された場合(ステップS176でNO)はステップS179へ進む。
ステップS175の処理の前後に会員識別情報453の値に変化があったことは、遊技者が交代して会員カードが入れ替わったことを意味する。このため、ステップS177では、バッファ部140に格納されているデータからデータベース部150に登録するための登録用データを作成し、データベース部150に登録する。
そして、ステップS178において、バッファ部140の内容を更新する。具体的には、データ更新時刻451に当該処理を実行している時刻をセットするとともに、会員識別情報453に新たな会員カード識別情報をセットする。また、持玉計算用打玉458、持玉計算用出玉459、持玉計算用売上460には値(0)をセットする。なお、累積打玉数454、累積出玉数455、累積スタート回数456、累積売上457は変更しない。そして、ステップS179へ進む。
一方、ステップS180では、処理対象の台間機250(遊技機200)のカードフラグ461をOFFにする。そして、ステップS179へ進む。
ステップS179では、パラメータnの値がステップS171で会員カード挿入情報を受信した台間機250の数、即ち、その台間機250に対応する遊技機200の数に等しいか否かを判定する。パラメータnの値が遊技機200の数に等しいことは、会員カード挿入情報を受信した台間機250に対応する遊技機200の全てについて、ステップS173〜S178、ステップS180の処理を実行し終えたことを意味する。ここで、この遊技機200の数は、会員カード挿入情報が台間機250に対してカードの挿入または排出がなされたことに応じて送信された場合は1であるが、会員カード識別情報が島コンピュータ320配下の全ての台間機250から定期的に送信された場合はその台間機250の数となる。パラメータnの値が会員カード挿入情報を受信した台間機250に対応する遊技機200の数に等しい場合(ステップS179でYES)は会員カード挿入時処理を終了し、等しくない場合(ステップS179でNO)はステップS173へ戻って他の遊技機200について処理を継続する。
(フラグデータ受信時処理)
次に、図22のステップS164で実行するフラグデータ受信時処理について図24を参照して説明する。図24はフラグデータ受信時処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS181において、島コンピュータ320からその島コンピュータ320が管轄する全ての遊技機200についてのフラグデータを受信する。
次に、ステップS182において、パラメータnに値0をセットして初期化する。本実施形態では、島コンピュータ320が管轄する全ての遊技機200の各々について、ステップS183〜S185の処理を実行するが、このパラメータnは処理対象の遊技機200を識別するために使用される。
次に、ステップS183において、パラメータnの値を1インクリメント(増加)する。
次に、ステップS184において、受信したフラグデータと、バッファ部140の稼働種別452を参照して、処理対象の遊技機200の稼働状態が変化したか否かを判定する。変化している場合(ステップS184でYES)はステップS185へ進み、変化していない場合(ステップS184でNO)はステップS186へ進む。
ステップS185では、フラグデータで示される稼働状態でバッファ部140の稼働種別452の内容を更新する。また、データ更新時刻451を当該ステップS185の処理時刻で更新する。そして、ステップS186へ進む。
ステップS186では、パラメータnの値がステップS181で受信したフラグデータの数、即ち、島コンピュータ320が管轄する遊技機200の数に等しいか否かを判定する。パラメータnの値が遊技機200の数に等しいことは、島コンピュータ320が管轄する遊技機200の全てについて、ステップS183〜S185の処理を実行し終えたことを意味する。パラメータnの値が島コンピュータ320が管轄する遊技機200の数に等しい場合(ステップS186でYES)はフラグデータ受信時処理を終了し、等しくない場合(ステップS186でNO)はステップS183へ戻って他の遊技機200について処理を継続する。
(稼働履歴作成処理)
次に、図22のステップS165で実行する稼働履歴作成処理について図25を参照して説明する。図25は稼働履歴作成処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS191において、島コンピュータ320からその島コンピュータ320が管轄する全ての遊技機200についての累積データを受信する。
次に、ステップS192において、パラメータnに値0をセットして初期化する。本実施形態では、島コンピュータ320が管轄する全ての遊技機200の各々について、ステップS194〜S204の処理を実行するが、このパラメータnは処理対象の遊技機200を識別するために使用される。
次に、ステップS193において、パラメータnの値を1インクリメント(増加)する。
次に、ステップS194において、前回受信した累積データから今回受信した累積データに変化があるか否かを判定する。バッファ部140には前回受信した累積データが保持されているため、実際には、受信した累積データと、バッファ部140に保持されている累積データ(累積打玉数454、累積出玉数455、累積スタート回数456、累積売上457)とが一致するか否かを判定する。前回受信した累積データから今回受信した累積データに変化がある場合(ステップS194でYES)はステップS195へ進み、変化がない場合(ステップS194でNO)はステップS201へ進む。
ステップS195以降では、カードフラグ461がONで理論持玉数が持玉規定値以上の時に売上に変化があったときは遊技者が交代したと判定し、それ以外は遊技者は交代していないと判定する処理を行う。一方、ステップS201以降では、稼働中だが一定期間稼働信号を受信していない場合に遊技者が交代したと判定する処理を行う。
ステップS195では、タイマをクリアして計時(経過時間の測定)を開始する。本実施形態では、バッファ部140のデータ更新時刻451の値を処理実行時刻に更新することがこの処理に相当する。
次に、ステップS196において、受信した累積データの内容でバッファ部140の累積データ(454〜457)の内容を更新する。また、更新した累積データの内容に合わせて持玉計算用のデータ(458〜460)の内容を更新する。具体的には、更新後の累積データと更新前の累積データとの差分を持玉計算用のデータに加算する。すなわち、以下のとおりである。
・更新後の持玉計算用打玉458=(更新前の持玉計算用打玉458)+(更新後の累積打玉数454)−(更新前の累積打玉数454)。
・更新後の持玉計算用出玉459=(更新前の持玉計算用出玉459)+(更新後の累積出玉数455)−(更新前の累積出玉数455)。
・更新後の持玉計算用売上460=(更新前の持玉計算用売上460)+(更新後の累積売上457)−(更新前の累積売上457)。
次に、ステップS197で、ステップS196で行ったバッファ部140の更新の前後に、累積売上457または持玉計算用売上460に変化があったか否かを判定する。変化があった場合(ステップS197でYES)はステップS198へ進み、変化がなかった場合(ステップS197でNO)は、遊技者は交代していないと判定して、ステップS205へ進む。
ステップS198ではカードフラグ461がONであるか否かを判定する。ONの場合(ステップS198でYES)は遊技者は交代していないと判定して、ステップS205へ進む。OFFの場合(ステップS198でNO)はステップS199へ進む。なお、ステップS198をスキップすると、カードフラグ461の値に関わらず、理論持玉数が予め定められた持玉規定値以上の値をとっているときに、台間機250から売上信号を受信したときは常に遊技者が交代したと判定することになる。
ステップS199では、ステップS196で更新した持玉計算用のデータを用いて遊技者が有している持玉数の理論値(理論持玉数)を計算する。前述の通り、理論持玉数は上述の数1で計算される。
次に、ステップS200では、ステップS199で計算した理論持玉数が、予め定められた持玉規定値以上であるか否かを判定する。持玉規定値以上の場合(ステップS199でYES)は遊技者が交代したと判定してステップS203へ進む。持玉規定値以上の場合(ステップS199でNO)は、遊技者は交代していないと判定してステップS205へ進む。
ステップS201では、バッファ部140の稼働種別452を参照して、処理対象の遊技機200が稼働中(本実施形態では、通常動作状態、大当状態、小当状態、確変大当状態、時短大当状態のいずれか)、すなわち、非稼働状態でないか否かを判定する。稼働中の場合(ステップS201でYES)はステップS202へ進み、稼働中でない場合(ステップS201でNO)はステップS205へ進む。
ステップS202では、ステップS195で計時を開始してから予め定められた期間を経過しているか否かを判定する。具体的には、処理実行時の時刻が、バッファ部140のデータ更新時刻451により示される時刻から一定時間以上経過した時刻に該当するか否かを判定する。経過している場合(ステップS202でYES)は、以前、処理対象の遊技機200は稼働中だったが、一定期間、その遊技機200から稼働信号を受信していないことを意味するため、第1実施形態と同様に遊技者が交代したと判定してステップS203へ進む。経過していない場合(ステップS202でNO)は、遊技者は交代していないと判定してステップS205へ進む。
ステップS203では、バッファ部140に格納されているデータからデータベース部150に登録するための登録用データを作成し、データベース部150に登録する。
そして、ステップS204において、バッファ部140の内容を更新する。具体的には、データ更新時刻451にはバッファ部140の処理実行時の時刻をセットし、稼働種別453には非稼働状態をセットする。会員識別情報453には(−1)をセットし、持玉計算用打玉458、持玉計算用出玉459、持玉計算用売上460には値(0)をセットする。なお、累積打玉数454、累積出玉数455、累積スタート回数456、累積売上457は値を変更しない。そして、ステップS205へ進む。
ステップS205では、パラメータnの値がステップS191で受信した累積データの数、即ち、島コンピュータ320が管轄する遊技機200の数に等しいか否かを判定する。パラメータnの値が遊技機200の数に等しいことは、島コンピュータ320が管轄する遊技機200の全てについて、ステップS194〜S204の処理を実行し終えたことを意味する。パラメータnの値が島コンピュータ320が管轄する遊技機200の数に等しい場合(ステップS205でYES)は稼働履歴作成処理を終了し、等しくない場合(ステップS205でNO)はステップS192へ戻って他の遊技機200について処理を継続する。
上記のように、本実施形態では、稼働信号を受信したことに応じて、この稼働信号に基づいて遊技機200における持玉数を計算する。そして、台間機250から会員カード識別情報を受信してから、稼働信号の受信が予め定められた期間中断するまでの間に、計算した持玉数が予め定められた規定値以上のときに、遊技球が貸し出されたことを示す稼働信号を受信した場合、遊技者が交代したと判定して、稼働信号に対する会員カード識別情報と関連付けを終了する。このため、本実施形態に係る構成によれば、稼働信号を遊技者ごとにさらに正確に分類することができる。
なお、上記のように、本実施形態の構成においても、第1実施形態と同様に、稼働信号の受信が予め定められた期間中断するまでの間に受信した稼働信号を、このカード識別情報と関連付け記憶する(ステップS201〜S203)ため、遊技の途中で会員カードが排出されたり、あるいは、会員カードが排出されないまま遊技が終了したりしたような場合でも、稼働信号を遊技者ごとに正確に分類することができる。また、稼働信号を受信したことに応じて、バッファ部140の内容を更新して当該稼働信号に対するカード識別情報の関連付けを行うため、遊技場の管理者は、バッファ部140の内容を閲覧することで、各会員の遊技状況をその遊技に合わせてリアルタイムに把握することができる。さらに、カード排出信号を受信してカードフラグがONからOFFへ切り替わってから、一定期間が経過するまでに受信した稼働信号を、カード識別情報と関連付けていくため、遊技の途中で会員カードが排出されたような場合でも、稼働信号を遊技者に正確に対応づけることができる。
また、本実施形態の構成においても、第2実施形態と同様に、遊技の終了後も会員カードが排出されなかったような場合に、そのことを自動的に検出して警報を報知してもよい。また、第3実施形態と同様に、カード識別情報の受信前に受け取った稼働情報を遊技者ごとに分類してもよい。