本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[ゲームシステムの概要の説明]
まず、図1を用いて、ゲームシステムの概要について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るゲームシステム1の全体像を模式的に示す概略図である。
ゲームシステム1は、ホール管理サーバ10、ジャックポットサーバ11、会員管理サーバ12、および複数のゲーミングマシンを備えている。ゲーミングマシンは、例えば、スロットマシンである。
ホール管理サーバ10は、ホール(遊技場)内の金銭の流れを集計・管理し、賃借表等を作成するとともに、他のサーバを管理する。また、ゲーミングマシンが単位ゲームを開始したタイミング、単位ゲームを終了したタイミング、および単位ゲームにおける抽籤結果などを含むアカウンティング情報を、各ゲーミングマシンから取得し蓄積する。
ジャックポットサーバ11は、ジャックポットにおけるジャックポット額の累積と払い出しを管理する。ジャックポットは、各ゲーミングマシンにおいてプレーヤが消費したコインの一部をジャックポット額として累積していき、ジャックポットトリガーが成立したゲーミングマシンがあった場合に、そのゲーミングマシンに対して、累積したジャックポット額のコインを払い出すものである。この場合、ゲーミングマシンは、1回の遊技ごとに、ジャックポット額に蓄積する額(累積額)を算出し、外部制御装置であるジャックポットサーバ11に送信する。ジャックポットサーバ11は、各スロットマシンから送信されてきた累積額をジャックポット額に累積していく。
会員管理サーバ12は、会員の個人情報、会員カード(ICカード)の情報、会員についての過去の遊技結果等の記憶、管理を行うためのサーバである。会員カード(ICカード)の発券は、例えば、会員カード発券端末によって行われる。会員登録時に、入力された会員の個人情報が、会員カードの識別コードとともに、会員管理サーバ12に記憶される。また、会員カード発券端末は、カメラを備えており、会員カードの発券時に、ICカードの発券を受けるプレーヤの顔の撮影を行うようにすることもできる。撮影した画像は、識別コードに対応付けて会員管理サーバ12に記憶される。
ゲーミングマシンは、図1に示すように、複数のエリア(例えば、図1に示すように、A−1〜A−3)に亘って設置される。ここで、エリアは、例えば、ホールの1フロアや、フロア内のエリアに対応する。この例では、エリアはA−1からA−3まで示されているが、これは一例にすぎない。
ゲーミングマシンはさらに、エリア内のゾーン(例えば、図1に示すように、Z−1〜Z−4)ごとに設置される。ここで、ゾーンは、エリア内の特定のスペースに対応する。この例では、ゾーンは、エリア内にそれぞれ4つ(Z−1からZ−4)設けられているが、これも一例にすぎない。また、この例では、1つのゾーンにそれぞれ8台のゲーミングマシンが配置されているが、これも一例に過ぎず、様々な台数を配置することができる。
ゲーミングマシンは、図1に示すように、エリアA−1のゾーンZ−1には、T−11a〜T−11hの8台が配置され、同様に、エリアA−1のゾーンZ−2には、T−12a〜T−12hの8台が配置され(以下、不図示)、エリアA−1のゾーンZ−3には、T−13a〜T−13hの8台が配置され、エリアA−1のゾーンZ−4には、T−14a〜T−14hの8台が配置される。
さらに、図1に示すように、エリアA−2のゾーンZ−1には、T−21a〜T−21hの8台が配置され、同様に、エリアA−2のゾーンZ−2には、T−22a〜T−22hの8台が配置され(以下、不図示)、エリアA−2のゾーンZ−3には、T−23a〜T−23hの8台が配置され、エリアA−2のゾーンZ−4には、T−24a〜T−24hの8台が配置される。また、エリアA−3のゾーンZ−1には、T−31a〜T−31hの8台が配置され、同様に、エリアA−3のゾーンZ−2には、T−32a〜T−32hの8台が配置され(以下、不図示)、エリアA−3のゾーンZ−3には、T−33a〜T−33hの8台が配置され、エリアA−3のゾーンZ−4には、T−34a〜T−34hの8台が配置される。
なお、ゲーミングマシンのそれぞれは、図1に示すように、例えば、Ethernet(登録商標)によるLAN接続等を介して、ホール管理サーバ10、ジャックポットサーバ11、会員管理サーバ12に接続される。
また、各ゲーミングマシンにはそれぞれ、固有の識別子が付されており、ホール管理サーバ10等は、その識別子により、各ゲーミングマシンから送られてくるデータの出所を判別している。また、ホール管理サーバ10等からゲーミングマシンにデータを送信する場合にも、その識別子に基づいて送信先を指定している。このような識別子には、例えば、IPアドレスなどのネットワークアドレスが使用されうるが、ネットワークアドレス以外の識別子を設けて、個々のゲーミングマシンを管理することもできる。
なお、ゲームシステム1は、様々な遊技を行うことが可能な1つのホール(遊技場)内に構築されてもよいし、複数のホールに亘って構築されてもよい。また、1つのホール内に構築される場合には、ホールのフロアやセクションごとにゲームシステム1が構築されてもよい。サーバとゲーミングマシンを接続する通信回線は、有線であっても無線であってもよく、また、インターネット(例えば、VPNを用いた秘匿回線として利用する)や、専用回線、交換回線等を採用することも可能である。
[ゲーミングマシンの概略の説明]
次に、図2を参照して、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの概略について説明する。図2には、プレーヤトラッキング装置(Player Tracking Device)を含むゲーミングマシンである、スロットマシン1010の構成が概念的に示されている。なお、プレーヤトラッキング装置は、プレーヤトラッキングシステム(Player Tracking System)を実現するための端末であり、本明細書では、この装置を以降、PTS端末と称する。また、本実施形態におけるPTS端末は、PTSフロントユニットとPTS本体を含むように構成される。PTSフロントユニットは、ゲーミングマシンの前面に一体的に配置され、プレーヤによって操作される操作部を含む。また、PTS本体は、PTSフロントユニットにケーブル等で接続される制御部を含み、PTSフロントユニットから隔置される。なお、以下の説明では、ゲーミングマシンとしてスロットマシンを用いる場合について説明するが、本発明は、スロットマシンに限らず、種々のゲームを行うゲーミングマシンに適用することができる。
図2に示すように、スロットマシン1010は、PTS端末1700を搭載し、さらに上側画像表示パネル1131、下側画像表示パネル1141、および精算機1868を備えている。スロットマシン1010は、PTS端末1700を介してホール管理サーバ10やジャックポットサーバ11等と、ネットワークを介して接続されている。本実施形態では、1つのスロットマシン1010に対して、1つのPTS端末1700が設けられている。
本実施形態では、PTS端末1700は、通信回線(又はスロットマシン1010)を介して、紙幣識別器1022と接続されている。
また、PTS端末1700は、所定のプロトコルに基づいて、コントローラ(後述する、スロットマシン1010のコントローラ1100)とデータの送受信を行うとともに、ネットワークを介して接続されているホール管理サーバ10、ジャックポットサーバ11、会員管理サーバ12等とデータ通信を行う。例えば、PTS端末1700からコントローラ1100に対しては、ゲームを開始するのに必要なクレジットの情報や、所定の演出の際に単位ゲームの停止を指示する停止コマンドなどが送信され、コントローラ1100からPTS端末1700に対しては、ゲーム結果としてのクレジットの情報や単位ゲームの開始通知、終了通知が送信される。
また、PTS端末1700からホール管理サーバ10には、単位ゲームの開始通知や終了通知、抽籤結果等を含むアカウンティング情報等が送信される。なお、本実施形態では、PTS端末1700を介してスロットマシン1010のアカウンティング情報を含む遊技情報をホール管理サーバ10等に送信しているが、PTS端末1700を備えることなく、コントローラ1100から通信インターフェイスを介して、又は、PTS端末1700以外の装置を介して、当該遊技情報をホール管理サーバ10等に送信することもできる。さらに、PTS端末1700と会員管理サーバ12との間では、会員のクレジットの情報等がやりとりされる。
ここで、会員の場合の遊技フローは概略以下のようになる。最初に、会員カード発券端末によって会員登録を行い、その際に、会員カード(ICカード)が発券される。その後、プレーヤは、スロットマシン1010のPTS端末1700に会員カードを挿入し、そこで、現金を投入する。紙幣識別器1022は、紙幣が投入されると、金種および金額を識別し、その識別結果として、金種データおよび金額データがPTS端末1700へ送信される。PTS端末1700は、金種データおよび金額データから、ゲーム用のクレジットを求め、これをコントローラ1100に送信する。
コントローラ1100は、PTS端末1700から送信されたクレジットに基づいてゲームを実行する。ゲーム結果に応じたクレジットは、コントローラ1100からPTS端末1700へ送信され、PTS端末1700において、ゲーム結果に基づく払い出し計算が行われて、プレーヤに払い出される金額が決定される。PTS端末1700では、この決定された金額をそのまま会員カードに書き込み、会員カードを排出する。また、会員カードには、ゲームの実行等に応じて、所定のポイントが付与される。
また、ゲーム毎に、(リアルタイム、又は所定のタイミングで)ゲーム結果としての払出金額(クレジット)が、PTS端末1700を介して、ホール管理サーバ10に、その会員の識別コードとともに送信される。このように送信された情報は、ホール管理サーバ10において、対応する会員のゲーム結果としてそれぞれ把握され蓄積される。
会員であるプレーヤが次にゲームを行う場合、PTS端末1700は、挿入された会員カードを読み込むと、会員カードに記憶されている金額を読み取る。読み取られた金額は、クレジットに変換され、コントローラ1100に送信される。ゲーム結果に応じたクレジットは、上記と同様に、コントローラ1100からPTS端末1700へ送信され、PTS端末1700において、ゲーム結果に基づく払い出し計算が行われて、プレーヤに払い出される金額(クレジット)が決定される。このとき、挿入されている会員カードの金額に対して、ゲームの結果得られた金額を加算することによりこれを更新する。
このときさらに、PTS端末1700は、会員カードから読み取った識別コード(又は会員ID)と更新された金額を会員管理サーバ12に送信し、会員管理サーバ12は、PTS端末1700から送信された金額を、上記の識別コードで特定される会員の金額に加算し記憶する。この処理により、会員の保持する金額が常に管理される。
会員であるプレーヤはその後必要に応じて、キャッシャーカウンタ等で、会員カードに記憶されている金額に基づいて精算を行うことができる。また、上述したスロットマシン1010のように精算機1868を備える場合は、当該スロットマシン1010において会員カードによる精算を行うことができる。
一方、非会員の場合の遊技フローは概略以下のようになる。プレーヤは、スロットマシン1010のPTS端末1700に現金を投入する。紙幣識別器1022は、紙幣が投入されると、金種および金額を識別し、その識別結果として、金種データおよび金額データがPTS端末1700へ送信される。PTS端末1700は、金種データおよび金額データから、ゲーム用のクレジットを求め、これをコントローラ1100へ送信する。
コントローラ1100は、PTS端末1700から送信されたクレジットに基づいてゲームを実行する。ゲーム結果に応じたクレジットは、コントローラ1100からPTS端末1700に送信され、PTS端末1700において、ゲーム結果に基づく払い出し計算が行われて、プレーヤに払い出される金額が決定される。PTS端末1700では、この決定された金額を、スロットマシン1010にストックされている新たなICカードに書き込み、そのICカードを排出する。非会員は、ここで初めてICカードを手にすることになる。また、非会員は、現金の投入等によって、金額がチャージされた非会員カード(ICカードやICチケット)を取得することも可能であり、この場合は、この非会員カードを用いてゲームを行うことができる。
非会員であるプレーヤはその後必要に応じて、キャッシャーカウンタ等で、ICカードに記憶されている金額に基づいて精算を行うことができる。また、上述したスロットマシン1010のように精算機1868を備える場合は、当該スロットマシン1010においてICカードによる精算を行うことができる。
また、ゲーム毎に、(リアルタイム、又は所定のタイミングで)ゲーム結果としての払出金額(クレジット)が、PTS端末1700を介して、ホール管理サーバ10に送信される。このように送信された情報は、ホール管理サーバ10において、非会員のゲーム結果として把握され蓄積される。
[機能フロー図の説明]
図3を参照して、本発明の一実施形態に係るゲーミングマシン(スロットマシン1010)の基本的な機能について説明する。図3に示すように、スロットマシン1010は、外部制御装置(例えば、ジャックポットサーバ11)にデータ通信可能に接続され、外部制御装置は、ホール内に設置された他の複数のスロットマシン1010にデータ通信可能に接続されている。
〈スタートチェック〉
まず、スロットマシン1010は、BETボタンがプレーヤにより押されたか否かをチェックし、続いて、スピンボタンがプレーヤにより押されたか否かをチェックする。
〈シンボル決定〉
次に、スロットマシン1010は、スピンボタンがプレーヤにより押されると、シンボル決定用乱数値を抽出し、複数のリールのそれぞれに応じて、リールの回転を停止させたときにプレーヤに表示するシンボルを決定する。
〈リール制御〉
次に、スロットマシン1010は、各リールの回転を開始させ、決定されたシンボルがプレーヤに表示されるように回転を停止させる。
〈入賞判定〉
次に、スロットマシン1010は、各リールの回転が停止されると、プレーヤに表示されたシンボルの組合せが入賞に係るものであるか否かを判定する。
〈払い出し〉
次に、スロットマシン1010は、プレーヤに表示されたシンボルの組合せが入賞に係るものであるとき、そのシンボルの組合せの種類に応じた特典をプレーヤに与える。例えば、スロットマシン1010は、コインの払い出しに係るシンボルの組合せが表示されたとき、そのシンボルの組合せに応じたコインの数をクレジット数に加算する。
また、スロットマシン1010は、ボーナスゲームトリガーに係るシンボルの組合せが表示されたとき、ボーナスゲームを開始する。なお、本実施形態では、ボーナスゲームとして、コインを消費することなく、前述の停止予定シンボルの決定に係る抽籤が所定回数にわたって行われるゲーム(フリーゲーム)が行われる。
また、スロットマシン1010は、ジャックポットトリガーに係るシンボルの組合せが表示されたとき、ジャックポット額のコインを遊技者に払い出す。ジャックポットは、各ゲーミングマシンにおいて遊技者が消費したコインの一部をジャックポット額として累積していき、ジャックポットトリガーが成立したスロットマシン1010があったとき、そのスロットマシン1010に対して、累積したジャックポット額のコインを払い出す機能をいう。スロットマシン1010は、1回の遊技(単位ゲーム)ごとに、ジャックポット額に蓄積する額(累積額)を算出し、外部制御装置へ送信する。外部制御装置は、各ゲーミングマシンから送信されてきた累積額をジャックポット額に累積していく。
ここで、単位ゲームとは、BETボタンがプレーヤにより押されてBetの受付が開始されてから賞成立となり得る状態までの一連の動作である。
〈演出の決定〉
スロットマシン1010は、ディスプレイによる画像の表示、ランプによる光の出力、およびスピーカによる音の出力によって演出を行う。スロットマシン1010は、演出用乱数値を抽出し、抽籤により決定されたシンボルなどに基づいて、演出の内容を決定する。
[スロットマシンの構造]
次に、図4を参照して、スロットマシン1010の全体構造について説明する。
スロットマシン1010では、遊技媒体として、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報が用いられる。特に、本実施形態では、ICカード1500に記憶された現金データなどのクレジット関連データが用いられている。なお、スロットマシン1010は、遊技媒体としてコインを用いないような構造となっているが、これは一例に過ぎず、コインを含む様々な遊技媒体が使用できるスロットマシンとして構成することができる。
スロットマシン1010は、キャビネット1011と、キャビネット1011の上側に設置されたトップボックス1012を含む筐体を備えている。キャビネット1011、およびトップボックス1012の主たる部分は、金属製板部材により形成される。また、キャビネット1011の前面には、上部ドア1142および下部ドア1144が設けられている。
上部ドア1142の前面下側には、下側画像表示パネル1141が設けられている。下側画像表示パネル1141は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。
また、上部ドア1142の前面で、上述した下側画像表示パネル1141の上部には、シンボル表示窓1135が設けられている。シンボル表示窓1135からは、キャビネット1011の内部に設けられた、5つのリールM1a〜M1eからなるリール装置M1が視認できるようになっている。各リールの周面には、12個のシンボルが描かれている。12個のシンボルは、リール装置M1の各リールの回転方向に沿って連続して配されており、シンボル列を形成している。各リールM1a〜M1eを回転させることによって、各リールに描かれたシンボルを縦方向に回転させた後に停止する再配置を行うことを可能にしている。
ここで、「再配置」とは、シンボルの配置が解除された後、再びシンボルが配置される状態を意味する。「配置」とは、シンボルが外部のプレーヤに対して目視により確認可能な状態であることを意味する。スロットマシン1010は、回転したリールM1a〜M1eが停止することによるシンボルの配置状態によって、所定の役に応じた配当を付与する所謂スロットゲームを実行する。
なお、本実施形態は、メカニカルリール方式のリール装置M1を備えたスロットマシン1010であるが、スロットマシン1010は、擬似リールを表示するビデオリール方式のものであってもよく、また、ビデオリール方式とメカニカル方式が混在した方式のものであってもよい。
トップボックス1012の前面には、上側画像表示パネル1131が設けられている。上側画像表示パネル1131は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。上側画像表示パネル1131は、演出にかかる画像や、遊技の内容の紹介やルールの説明を示す画像が表示される。
上述した下側画像表示パネル1141には、必要に応じて、クレジットの状況(例えば、プレーヤが現在所有するクレジットの合計数)を示すクレジット数表示部や端数現金を示す端数現金表示部が配置され、また、Bet内容等のゲームに関する各種の情報が表示される。ここで、「クレジット」とは、プレーヤがBetする際に使用するゲーム上での仮想の遊技媒体である。また、「端数現金」とは、投入された金額が足らないために、クレジットに換算されなかった現金の事である。
後述するPTS端末1700にICカード1500が挿入されると、クレジット数表示部に、ICカードに記憶されていたクレジット数が表示され、端数現金表示部に、ICカードに記憶されていた端数現金が表示される。なお、これらの数値は、会員カードの識別コードに対応付けて、会員管理サーバ12に記憶される。
ここで、ICカードは、例えば、非接触ICカードであり、クレジットなどの各種データの記録や演算をするためのIC(Integrated Circuit)が組み込まれ、例えば、NFC(Near Field Communication)のようなRFID(Radio Frequency Identification)技術を用いた近距離無線通信が可能となっている。プレーヤは、ICカード1500を用いることによりクレジット関連データを所有でき、さらに、異なるスロットマシン間において、これを自由に持ち運びすることができる。そして、プレーヤは、スロットマシン1010のPTS端末1700にICカード1500を挿入することにより、ICカード1500内に記憶されたクレジット関連データ(金額データ)を使用して、スロットマシン1010で単位ゲーム等の遊技を行うことができる。
なお、プレーヤは、ホールに設置される機械から、コインや紙幣などの現金を現金データとして、ICカード1500に貯めることができてもよい。
下部ドア1144の前面最上部の左右には、それぞれ、スピーカ1112が設けられている。スロットマシン1010では、上側画像表示パネル1131による画像の表示、スピーカ1112による音の出力、および、ランプ(不図示)による光の出力等によって単位ゲームの演出が実行される。
また、下部ドア1144の前面であって、当該スピーカ1112の下側には、PTS端末1700のフロント部分であるPTSフロントユニット1700aが組み込まれており、PTSフロントユニット1700aの右側には、印刷物排出口1136およびビル投入口1137が配置されている。
さらに、下部ドア1144の前面には、PTSフロントユニット1700aの下側に、コントロールパネル1030が配置されている。コントロールパネル1030は、平板状のベース板を備え、当該ベース板上には、複数の操作ボタン(すなわち、スピンボタン1031、最大BETボタン1032、5BETボタン1033、3BETボタン1034、2BETボタン1035、1BETボタン1036、ヘルプボタン1037、および、CASHOUTボタン1038)が配置されている。
スピンボタン1031は、プレーヤが押圧操作し易く且つ識別し易くするため、他のボタンよりも大きなサイズの円形状に形成されている。スピンボタン1031は、ベース板の右端部に配置されており、押圧操作によりゲームをスタートさせる機能を有している。
最大BETボタン1032〜1BETボタン1036は、スピンボタン1031の左側に等間隔で一列状に配置されている。これらの操作ボタンは、四角形状に形成されている。右端に配置された最大BETボタン1032は、押圧操作により10倍等の最大のベット数(Bet数)でゲームを行わせる機能を有している。5BETボタン1033は、押圧操作により5倍のBet数でゲームを行わせる機能を有している。3BETボタン1034は、押圧操作により3倍のBet数でゲームを行わせる機能を有している。2BETボタン1035は、押圧操作により2倍のBet数でゲームを行わせる機能を有している。1BETボタン1036は、押圧操作により1倍のBet数でゲームを行わせる機能を有している。
ヘルプボタン1037、およびCASHOUTボタン1038は、ベース板の左端部に前後方向に配置されている。ヘルプボタン1037は、押圧操作によりゲーム方法等を示すヘルプ情報を下側画像表示パネル1141等に表示させる機能を有している。また、CASHOUTボタン1038は、押圧操作によりクレジット等を、ICカード1500に記憶させたり、印刷形態で出力させたりする機能を有している。
さらに、スロットマシン1010は、キャビネット1011の側部に通気孔1133、および、吸気孔1134が配置され、トップボックス1012の側部に通気孔1132が配置される。また、通気孔1133の位置に対応するキャビネット1011の内部には、ファン(不図示)が配設され、同様に、通気孔1132の位置に対応するトップボックス1012の内部には、ファン(不図示)が配設されている。これらのファンによって、スロットマシン1010の内部の空気が外部に排出されるとともに、吸気孔1134から外部の空気が取り込まれ、このような空気の循環によって、スロットマシン1010内部の温度が調整される。
また、スロットマシン1010のキャビネット1011の側部には、上部ドア1142と下部ドア1144を開けるためのキーを差し込むキーシリンダー1138と、上部ドア1142と下部ドア1144をロックするためのドアロックバー1139が設けられている。
次に、図5を参照して、上部ドア1142、および、下部ドア1144が開放された状態のスロットマシン1010と、キャビネット1011の内部構造について説明する。
図5は、上部ドア1142、および下部ドア1144が開放された状態のスロットマシン1010を示す斜視図である。図5に示すように、スロットマシン1010のトップボックス1012の前面には、上述したように、上側画像表示パネル1131が配置されており、トップボックス1012の側部には、通気孔1132が配置されている。スロットマシン1010のキャビネット1011は、前面が開口された箱型形状に形成されており、上部ドア1142が前面上部に配置されていると共に、下部ドア1144が前面下部に配置されている。
また、キャビネット1011の側部上側には、通気孔1133が配置され、キャビネット1011の側部中段には、吸気孔1134が配置されている。さらに、吸気孔1134の近傍に、上述のキーシリンダー1138、およびドアロックバー1139が配置されている。
図5に示すように、キャビネット1011は、、左端部において上部ドア1142および下部ドア1144を回転自在に軸支している。上部ドア1142とキャビネット1011とは、上部ドア1142の上端部および下端部において回転自在に軸支されていると共に、上部ドア開放機構1143により連結されている。上部ドア開放機構1143は、上部ドア1142の下側に配置され、上部ドア1142の裏面壁に一端部が回転自在に軸支された棒状部材1143aと、キャビネット1011の前面側に横設されたスライド部材1143bとを有している。スライド部材1143bは、棒状部材1143aの他端部を水平方向に移動自在に係合し、上部ドア1142を所定の開放角度で一時停止させ、外部から所定以上の力で閉鎖する方向に付勢されたときに閉鎖方向に回動させるようになっている。
また、下部ドア1144とキャビネット1011とは、下部ドア1144の上端部および下端部において回転自在に支持されていると共に、下部ドア開放機構1145により連結されている。下部ドア開放機構1145は、下部ドア1144の下側に配置され、下部ドア1144の裏面壁に一端部が回転自在に軸支された棒状部材1145aと、キャビネット1011の前面側に横設されたスライド部材1145bとを有している。スライド部材1145bは、棒状部材1145aの他端部を水平方向に移動自在に係合し、下部ドア1144を所定の開放角度で一時停止させ、外部から所定以上の力で閉鎖する方向に付勢されたときに閉鎖方向に回動させるようになっている。
上部ドア1142には、上述したように、シンボル表示窓1135が配置され、シンボル表示窓1135は、リールカバー1135aで覆われている。リールカバー1135aは、例えば、透明液晶パネルや透明パネル等のベースパネルと、ベースパネルの前面に設けられたタッチパネルとを備えている。リールカバー1135aで覆われたシンボル表示窓1135は、リール装置M1の各リールの周面に描かれているシンボルのうち、5列3行の15個のシンボルを外部から視認可能にしている。
また、図5には、下部ドア1144の中段に配置されたPTSフロントユニット1700aが示されている。PTSフロントユニット1700aは、下部ドア1144を閉めた状態において、キャビネット1011の内部に収納されるようになっている。PTSフロントユニット1700aを含むPTS端末1700の構成については後で詳細に説明する。
キャビネット1011の右下部には、ビルストッカ1147が収納されている。図4に示したビル投入口1137は、ビルストッカ1147の挿入口(紙幣識別器1022の挿入口)に連絡されている。ビルストッカ1147は、ビル投入口1137に投入された紙幣を内部に引き込んだ後、紙幣の真贋判定を行って、不正な紙幣であればビル投入口1137から排出し、正規の紙幣であれば、紙幣の種類ごとに区分して収納等を行う機能を有している。また、キャビネット1011の中段には、キャビネット1011内の空間を仕切る棚板部材1149が配置されている。棚板部材1149は、金属製の薄板により形成されている。
例えば、PTS本体1700bは、図5に示すように、キャビネット1011の内部であって、棚板部材1149の上部に配置される。PTS本体1700bは、マグネットを有しており、キャビネット1011の内側側面にマグネットで吸着される。このとき、キャビネット1011の内側側面で、当該マグネットに接触又は近接する部分は、少なくとも金属製部材で構成される。なお、PTSフロントユニット1700aとPTS本体1700bとは、所定のネットワーク(例えば、所定のケーブル)によって接続されるが、ここでは図示を省略した。
なお、ここまで、スロットマシン1010を、図4、および図5に示すような構成の装置として説明してきたが、様々な他の構成の装置としてもよい。
[PTS端末の構成]
次に、図6を参照して、PTSフロントユニット1700aの構成について説明する。PTS端末1700は、スロットマシン1010の下部ドア1144に組み込まれたPTSフロントユニット1700aと、スロットマシン1010のキャビネット1011の内部に格納されたPTS本体1700bを備え、PTSフロントユニット1700aとPTS本体1700bとは、所定のネットワーク(例えば、所定のケーブル)によって接続される。なお、PTS端末1700は、ゲーミングマシンとの間で共通化されたデータインタフェースを用いてデータのやりとりを行うことによって、様々なメーカの様々なタイプのゲーミングマシンに組み込むことが可能である。
図6は、図4、および図5に示したPTSフロントユニット1700aのみを拡大して示した図である。図6に示すように、PTSフロントユニット1700aはパネル1710を有しており、パネル1710の前面に配置された各部がプレーヤによって視認され、パネル1710の裏面に配置された部材は、スロットマシン1010のキャビネット1011の内部に収納され、プレーヤからは視認できないようになっている。
パネル1710の前面右側には、タッチパネル機能を有したLCD1719が設けられている。LCD1719は、例えば、会員の情報や会員向けの情報を表示し、画面のサイズは6.2インチ(約15.7cm)である。また、LCD1719の周囲には、LCDカバー1719aが設けられている。なお、この例では、LCD1719がタッチパネル機能を有するように構成されるが、キーボード、マウス、ボタンといった他の入力装置によってプレーヤの指示を入力するようにしてもよい。
また、LCD1719、LCDカバー1719aの上方には、LEDに接続されて発光する発光板1720aが設けられている。発光板1720aは、例えば、ポリカーボネートで構成され、パネル1710の裏側に配置された複数の(例えば、7つの)フルカラーLED1721aに接続され、フルカラーLED1721aの発光に応じて発光する。
LCD1719、LCDカバー1719aの下方には、同様に、LEDに接続されて発光する発光板1720bが設けられている。発光板1720bは、例えば、ポリカーボネートで構成され、パネル1710の裏側に配置された複数の(例えば、7つの)フルカラーLED1721b(不図示)に接続され、これらのフルカラーLED1721bの発光に応じて発光する。
また、LCD1719の右側には、撮像窓1712が設けられており、LCDカバー1719aの内部又はパネル1710の裏側に配置された人体検出カメラ1713(不図示)が、この撮像窓1712を介してプレーヤを撮像する。撮像窓1712は、例えば、スモーク等のシールド処理がなされたハーフミラー材であってもよい。
また、LCD1719の右下のLCDカバー1719aには、ホームボタン1722が設けられている。ホームボタン1722は、LCD1719に表示された画面を所定の上位画面に遷移させるためのボタンである。
さらに、LCD1719の右側のLCDカバー1719aには、スピーカ用ダクト1706が設けられており、これに対応するパネル1710の裏側の位置には、バスレフ型(バス・レフレックス型)のスピーカ1707が設けられている。同様に、LCD1719の左側には、スピーカ用ダクト1708が設けられており、これに対応するパネル1710の裏側の位置には、バスレフ型(バス・レフレックス型)のスピーカ1709(不図示)が設けられている。これらのスピーカは、PTS端末1700の専用スピーカであり、スロットマシン1010に設けられたスロットマシンゲーム用のスピーカ1112とは別に設けられている。これらのスピーカは、演出や、音声による通話を実現したり、ICカード1500の抜き忘れによる報知音を出力したりすることができる。なお、スピーカからの音が、上述したスピーカ用ダクト1706、1708を通って前方(プレーヤ側)にステレオで聞こえるように構成されているため、パネル1710の裏側にスピーカを設置することができ、結果的にPTSフロントユニット1700aの(パネル面の)省スペース化が実現される。
また、LCD1719の左下のLCDカバー1719aには、マイク用開口部1714と、マイク用開口部1716が設けられており、これらに対応するLCDカバー1719aの内部には、それぞれマイク1715、1717(不図示)が設けられている。
パネル1710の前面左下には、ICカード1500を挿入又は取り出すことができるカード挿入口1730が設けられている。カード挿入口1730のカード挿入部には、フルカラーLED1731(不図示)が設けられており、複数色に点灯することによって、後述するカードスタッカー1742に溜まったICカード1500の残数を報知することができる。カード挿入口1730には、イジェクトボタン1732が設けられており、イジェクトボタン1732の位置や、イジェクト操作の工程がわかるように、イジェクトボタン1732の近傍に設けられた赤色のLED1733(不図示)が点灯するようになっている。
また、カード挿入口1730に対応するパネル1710の裏側の位置には、カードユニット1741とカードスタッカー1742が設けられており、カード挿入口1730は、カードユニット1741の一部として構成されている。カードスタッカー1742には、ICカード1500を30枚程度保管しておくことができ、新たに単位ゲームを行ったプレーヤがクレジットの精算を行う場合に、カードスタッカー1742に保管してあるICカード1500が取り出され、カード挿入口1730に排出される。
カード挿入口1730から取り込まれ、カードユニット1741において保持されているICカード1500は、クレジットの精算時において、NFC等によりクレジット情報を更新し、その後、ICカード1500をカード挿入口1730から排出する。ICカード1500は、プレーヤが単位ゲームを行っている間は、完全にカードユニット1741の内部に格納されている。
また、クレジットの精算時において、ICカード1500が残っているにもかかわらず人体検出カメラ等によってプレーヤの不在が検出された場合、ICカード1500をカードスタッカー1742に保管するように構成することもできる。これにより、例えば、プレーヤが、残りクレジットが少ないことを知った上でICカード1500を放置し席を立った場合や、単にICカード1500を取り忘れて席を離れた場合でも、ICカード1500が長時間に亘ってカードユニット1741に保持されたままになることがない。
パネル1710の前面左上には、USB端子1737とオーディオ端子1738が設けられている。USB端子1737は、ここにUSB機器を接続して充電等を行うことができるように構成されている。また、オーディオ端子1738は、例えば、4極の端子であり、ここにヘッドセットを挿入して、ヘッドフォンとマイクで相手と通話をすることができる。また、オーディオ端子1738を2極又は3極の端子として、ヘッドフォンで音声を聴くことができるようにもできる。
パネル1710の前面で、LCD1719の左側には、タッチユニット1745が設けられている。タッチユニット1745は、ICチップを含んだICデバイス(例えば、非接触ICカードやNFCによる通信機能を備えた携帯電話やスマートフォン等)に対してデータ通信によりデータを書き込むライタや、当該ICデバイスからデータ通信によりデータを読み取るリーダとして機能することが可能なRFIDモジュールを含んでいる。また、タッチユニット1745の前面4隅には、それぞれLED1746(不図示)が配置されている。また、タッチユニット1745の他に、あるいはタッチユニット1745に替えて、磁気カードのような情報記録媒体に記憶された情報を読み取るための情報記録媒体読取装置を備えるようにしてもよい。この場合、ICカード1500の代わりに、磁気カードを会員カードとすることができる。
上述したように、本実施形態に係るPTSフロントユニット1700aは、マイク機能、カメラ機能、スピーカ機能、表示機能、などを有する各種装置が、一体となって一つのユニットを形成しているため、省スペース化を実現している。また、ここまで、PTSフロントユニット1700aを、図6に示すような構成の装置として説明してきたが、様々な他の構成の装置としてもよい。
[スロットマシンの回路構成]
次に、図7を参照して、スロットマシン1010が備える回路の構成について説明する。
ゲーミングボード1050は、内部バスによって互いに接続されたCPU1051、ROM1052およびブートROM1053と、メモリカード1054に対応したカードスロット1055と、GAL(Generic Array Logic)1056に対応したICソケット1057と、を備えている。
メモリカード1054は、不揮発性メモリからなり、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを記憶している。ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム、画像や音による演出を実行するためのプログラムが含まれている。また、上記ゲームプログラムには、シンボル決定プログラムが含まれている。シンボル決定プログラムは、再配置されるシンボルを決定するためのプログラムである。
また、カードスロット1055は、メモリカード1054を挿抜可能に構成されており、IDEバスによってマザーボード1070に接続されている。したがって、カードスロット1055からメモリカード1054を抜き取り、メモリカード1054に別のゲームプログラムを書き込み、そのメモリカード1054をカードスロット1055に差し込むことにより、スロットマシン1010で行われるゲームの種類や内容を変更することができる。
GAL1056は、OR固定型アレイ構造を有するPLD(Programmable Logic Device)の一種である。GAL1056は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えており、入力ポートに所定の入力があると、対応するデータを出力ポートから出力する。
また、ICソケット1057は、GAL1056を着脱可能なように構成されており、PCIバスによってマザーボード1070に接続されている。メモリカード1054を別のプログラムが書き込まれたものに差し替えるか、又は、メモリカード1054に書き込まれたプログラムを別のものに書き換えることによって、スロットマシン1010で行われる遊技の内容を変更することができる。
内部バスによって互いに接続されたCPU1051、ROM1052およびブートROM1053は、PCIバスによってマザーボード1070に接続されている。PCIバスは、マザーボード1070とゲーミングボード1050との間の信号伝達を行うとともに、マザーボード1070からゲーミングボード1050への電力供給を行う。
ROM1052には、認証プログラムが記憶される。ブートROM1053には、予備認証プログラムおよびCPU1051が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
認証プログラムは、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。予備認証プログラムは、上記認証プログラムを認証するためのプログラムである。認証プログラムおよび予備認証プログラムは、対象となるプログラムが改竄されていないことの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。
マザーボード1070は、市販の汎用マザーボード(パーソナルコンピュータの基本部品を実装したプリント配線板)を用いて構成され、メインCPU1071と、ROM(Read Only Memory)1072と、RAM(Random Access Memory)1073と、通信インターフェイス1082と、を備えている。ここで、メインCPU1071は、スロットマシン1010のコントローラ1100に対応する。
ROM1072は、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU1071により実行されるBIOS(Basic Input/Output System)などのプログラムと恒久的なデータとが記憶されている。メインCPU1071によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われる。また、ゲーミングボード1050を介して、メモリカード1054に記憶されているゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムの取込処理が開始される。なお、本発明において、ROM1072は、内容の書き換えが可能なものであってもよく、不可能なものであってもよい。
RAM1073には、メインCPU1071が動作する際に用いられるデータやシンボル決定プログラムなどのプログラムが記憶される。例えば、前述のゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムや認証プログラムの取込処理を行った際、これらを記憶することができる。また、RAM1073には、上記プログラムを実行する際の作業用の領域が設けられている。例えば、遊技回数、Bet数、払出数、クレジット数などを管理するカウンタを記憶する領域や、抽籤により決定したシンボル(コードナンバー)を記憶する領域などが設けられている。
通信インターフェイス1082は、PTS端末1700とメインCPU1071との間でデータの送受信を制御するためのものである。また、マザーボード1070には、後述するドアPCB(Printed Circuit Board)1090および本体PCB1110が、それぞれUSBによって接続されている。また、マザーボード1070には、電源ユニット1081が接続されている。
電源ユニット1081からマザーボード1070に電力が供給されると、マザーボード1070のメインCPU1071が起動するとともに、PCIバスを介してゲーミングボード1050に電力が供給されてCPU1051が起動される。
ドアPCB1090および本体PCB1110には、スイッチやセンサなどの入力装置や、メインCPU1071により動作が制御される周辺装置が接続されている。
ドアPCB1090には、コントロールパネル1030、および冷陰極管1093が接続されている。
コントロールパネル1030には、前述の各ボタンに対応して、スピンスイッチ1031S、最大BETスイッチ1032S、5BETスイッチ1033S、3BETスイッチ1034S、2BETスイッチ1035S、1BETスイッチ1036S、ヘルプスイッチ1037S、およびCASHOUTスイッチ1038Sが設けられている。各スイッチは、対応するボタンがプレーヤによって押されたことを検出し、メインCPU1071に対して信号を出力する。
冷陰極管1093は、上側画像表示パネル1131および下側画像表示パネル1141の背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU1071から出力される制御信号に基づいて点灯する。
本体PCB1110には、ランプ1111、スピーカ1112、プリンタ1171、およびグラフィックボード1130が接続されている。なお、紙幣識別器1022は、この例では、PTS端末1700に接続されているが、スロットマシン1010に接続されている構成としてもよい。
ランプ1111は、メインCPU1071から出力される制御信号に基づいて点灯する。スピーカ1112は、メインCPU1071から出力される制御信号に基づいてBGM等の音を出力する。プリンタ1171は、例えば、メインCPU1071から出力される制御信号に基づいて、RAM1073に記憶されたクレジット数、日時やスロットマシン1010の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケットとして出力する。
なお、上側画像表示パネル1131や下側画像表示パネル1141をタッチパネルとして構成することもできる。タッチパネルは、プレーヤの指などが触れた位置を検出し、その検出した位置に対応した信号をメインCPU1071に対して出力する。
紙幣識別器1022は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット1011内に受け入れるものである。そして、キャビネット1011内に投入された紙幣はコイン枚数に換算され、換算されたコイン枚数に相当するクレジットがプレーヤの所有クレジットとして加算される。
グラフィックボード1130は、メインCPU1071から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル1131および下側画像表示パネル1141のそれぞれにより行う画像の表示を制御する。グラフィックボード1130は、画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを記憶するビデオRAMなどを備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード1054から読み出されてRAM1073に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
モータ駆動回路1153は、FPGA(Field Programmable Gate Array)1155およびドライバ1154を備える。モータ駆動回路1153には、各リールM1a〜M1eの回転を行うステッピングモータ1159a〜1159eが接続されている。FPGA1155は、プログラミング可能なLSI等の電子回路であり、ステッピングモータ1159a〜1159eの制御回路として機能する。ドライバ1154は、ステッピングモータ1159a〜1159eに入力するパルスの増幅回路として機能する。
インデックス検出回路1151は、回転中の各リールM1a〜M1eの位置を検出するものであり、さらに、各リールM1a〜M1eの脱調を検出可能である。位置変更検出回路1152は、各リールM1a〜M1eの回転が停止した後におけるリールの停止位置の変更を検出する。例えば、位置変更検出回路1152は、実際には入賞に係るシンボルの組合せではないにも拘わらず、不正などの外的な作用によって、入賞に係るシンボルの組合せになるように停止位置が変更された場合、各リールM1a〜M1eの停止位置の変更を検出する。位置変更検出回路1152は、例えば、各リールM1a〜M1eの内側部分に所定間隔で取り付けられたフィン(不図示)を検出することにより、各リールM1a〜M1eの停止位置の変更を検出可能に構成されている。
なお、ステッピングモータ1159a〜1159eの励磁方式は、特に限定されるものではなく、1−2相励磁方式や2相励磁方式を採用することが可能である。また、ステッピングモータにかえて、DCモータを採用してもよい。DCモータが採用される場合、本体PCB110には、偏差カウンタ、D/A変換器、サーボ増幅器が順に接続され、サーボ増幅器にDCモータが接続されることになる。また、DCモータの回転位置は、ロータリエンコーダによって検出され、ロータリエンコーダから偏差カウンタに対してDCモータの現在の回転位置がデータとして供給される。
なお、ここまで、スロットマシン1010の回路構成を、図7に示すような構成のものとして説明してきたが、様々な他の構成を採用することができる。
[PTS端末の回路構成]
次に、図8を参照して、PTS端末1700が備える回路等の構成について説明する。上述したように、PTS端末1700は、PTSフロントユニット1700aとPTS本体1700bを備えるが、図8では、PTS端末1700が備える回路等を、PTSフロントユニット1700aに含まれる回路等と、PTS本体1700bに含まれる回路等に分けて示すものとする。
PTS端末1700を制御するPTSコントローラ1750は、CPU1751、ROM1752、およびRAM1753を有する。
CPU1751は、PTS端末1700の各構成部の実行制御を行うとともに、ROM1752に格納された各種プログラムを実行したり、演算したりする。例えば、CPU1751は、クレジット更新プログラムを実行して、ICカード1500に記憶されたクレジット関連データを更新する。
ROM1752は、フラッシュメモリなどのメモリデバイスからなり、CPU1751により実行される恒久的なデータが記憶されている。例えば、ROM1752には、ICカード1500に記憶されたクレジット関連データを書き換えるクレジット更新プログラム等が記憶されうる。
RAM1753は、ROM1752に記憶された各種プログラムを実行する際に必要なデータを一時的に記憶する。
外部記憶装置1754は、例えばハードディスク装置のような記憶装置であり、CPU1751で実行されるプログラムや、CPU1751で実行されるプログラムが利用するデータを記憶する。
サーバI/F(インターフェイス)1755は、ホール管理サーバ10やジャックポットサーバ11等のサーバとPTS端末1700とのデータ通信を実現する。ゲーミングマシンI/F(インターフェイス)1756は、スロットマシン1010とPTS端末1700とのデータ通信を実現するものであり、当該データ通信には、規定のプロトコルが使用されうる。
その他、PTS端末1700は、紙幣識別器I/F(インターフェイス)1757を介して紙幣識別器1022と、精算機I/F(インターフェイス)1758を介して精算機1868と接続され、必要に応じてデータの送受信を行うことができる。
USB制御部1759は、USB端子1737において電源ユニット1760からの電源を供給するかどうかを判定し、所定の条件を満たす場合に、USB端子1737を充電可能とする。プレーヤは、所定条件を満たす場合に、USB端子1737に電子機器を接続し、当該電子機器を充電することができる。
発光部LED駆動部1761は、LCD1719の上側の発光板1720aを発光させるために、フルカラーLED1721aを所定のタイミングで点灯させるよう制御するとともに、LCD1719の下側の発光板1720bを発光させるために、フルカラーLED1721bを所定のタイミングで点灯させるよう制御する。
LCD制御部1762は、LCD1719に会員の情報や会員向けの情報等を表示させたり、ICカード1500から読み取ったデータや、プレーヤによって入力されたデータを表示させたりするよう制御する。また、LCD1719はタッチパネル機能を備えており、プレーヤによってタッチパネルが操作されたとき、所定の信号がCPU1751に送信される。
ホームボタン1722は、LCD1719の近傍に設けられ、LCD1719に表示された画面を所定の上位画面に遷移させるためのボタンである。プレーヤによりホームボタン1722が押されると、そのプレーヤの操作がCPU1751に送信され、CPU1751は、当該操作に応じて、LCD1719の表示を更新するよう、LCD制御部1762に指令を送信する。
ICカード制御部1763は、ICカード1500の挿入、排出、クレジットデータの書き込み等を制御する。ICカード制御部1763は、ICカードR/W(リーダライタ)制御部1763a、ICカード吸入排出制御部1763b、LED制御部1763cを備える。
ICカードR/W制御部1763aは、カードユニット1741を制御して、ICカード1500に記憶されているクレジット関連データを更新する。また、新たにICカード1500を発行する場合は、精算された金額に対応するクレジット関連データを記憶する。カードユニット1741は、ICカード1500にNFC等によりデータを読み取り、又は書き込むためのアンテナ部を有する。
カードユニット1741は、ICカード1500に記憶された情報を読み取るICカードリーダ、および、ICカード1500に情報を書き込むICカードライタの機能を備えるが、必要に応じてどちらか一方の機能を有するものとしてもよい。
ICカード吸入排出制御部1763bは、ICカード1500の吸入および排出の制御を行う。プレーヤによってカード挿入口1730にICカード1500が挿入されると、プレーヤがゲームを実行している間、ICカードをカードユニット1741の中に保持するよう制御する。また、精算時にクレジット関連データがICカード1500に書き込まれた後、そのICカード1500を排出するよう制御する。さらに、イジェクトボタン1732が押された場合に、ICカード1500の排出を行う。
また、新たにICカード1500を発行する場合は、カードスタッカー1742からICカード1500を新たに取り出して、クレジット関連データを記憶させるために、ICカード1500をカードユニット1741に供給する。
LED制御部1763cは、カードユニット1741のカード挿入口1730の近傍に設けられたLED(フルカラーLED1731)を点灯するよう制御するとともに、イジェクトボタン1732の近傍に設けられたLED(赤色のLED1733)を点灯するよう制御する。
タッチユニット制御部1764は、ICカード1500、携帯電話、スマートフォン等のタッチ操作に伴うデータ送受信を制御する。タッチユニット制御部1764は、非接触R/W(リーダライタ)制御部1764aとLED制御部1764bを備えている。
非接触R/W制御部1764aは、タッチユニット1745でICカード1500や携帯電話が所定の距離に近接した(例えば、タッチ操作があった)か否かを判定し、所定の距離に近接した場合に、タッチユニット1745から読み取り結果等を取得する。タッチユニット1745は、ICカード1500や携帯電話との間でNFC等によりデータ送受信を行うためのアンテナ部を有する。
タッチユニット1745は、ICカード1500や携帯電話に記憶された情報を読み取るICカードリーダ、および、ICカード1500や携帯電話に情報を書き込むICカードライタの機能を備えるが、必要に応じてどちらか一方の機能を有するものとしてもよい。
LED制御部1764bは、タッチユニット1745の前面4隅に配置されているLED1746を制御し、所定のタイミングで点灯させる。
DSP1765は、マイク1715、1717から取得した音声データを受信し、所定の音声処理を行った後、そのデータをCPU1751に送信する。また、DSP1765は、受信した音声データをスピーカ1707、1709に送信する。さらに、DSP1765は、ヘッドセットの接続されたオーディオ端子に対して、受信した音声をヘッドフォンに出力するとともに、マイクから受信した音声を処理してCPU1751に送信する。なお、ここでは概略の構成を示すものであり、A/D変換器、D/A変換器、アンプ等は省略してある。
カメラ制御部1766は、人体検出カメラ1713により撮像されたプレーヤ等の画像を取得し、必要に応じて所定の画像処理を施し、処理後のデータをCPU1751に送信する。当該データは、例えば、サーバI/F1755を介して、ホール管理サーバ10や会員管理サーバ12等に送信される。
なお、ここまで、PTS端末1700の回路構成を、図8に示すような構成のものとして説明してきたが、様々な他の構成を採用することができる。
[シンボル組合せテーブルの構成]
次に、図9を参照して、シンボル組合せテーブルについて説明する。
シンボル組合せテーブルは、入賞に係るシンボルの図柄の組合せと払出数とを規定している。スロットマシン1010では、リール装置M1の5列のリールM1a〜M1e(第1リール〜第5リール)のシンボル列の回転が停止され、入賞ライン上に表示されるシンボルの組合せが、シンボル組合せテーブルにより規定されているシンボルの組合せと一致する場合に、入賞が成立する。そして、入賞役に応じて、クレジットの付与等の特典がプレーヤに与えられる。なお、入賞ライン上に表示されたシンボルの組合せが、シンボル組合せテーブルにより規定されているシンボルの組合せの何れとも一致しない場合には、入賞が不成立(いわゆるハズレ)となる。
基本的に、「RED」、「APPLE」、「BLUE 7」、「BELL」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」および「ORANGE」の各シンボルが全5列のリールM1a〜M1eにおいて入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞が成立する。ただし、「CHERRY」および「ORANGE」の各シンボルについては、1つ又は3つのリールにおいて入賞ライン上に表示された場合にも、入賞が成立する。
例えば、リール装置M1の全5列のリールM1a〜M1eにおいてシンボル「BLUE 7」が入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞役は「BLUE」となり、払出数として「10」が決定される。そして、決定された払出数に基づいてクレジットの付与が行われる。このようなクレジットの付与は、例えば、加算されたクレジットが、ICカード1500に記憶された後、カード挿入口1730から排出されることによって行われる。
[スロットマシンで実行されるプログラムの内容]
次に、図10ないし図16を参照して、スロットマシン1010により実行されるプログラムの一例について説明する。
〈メイン制御処理〉
まず、図10を参照して、メイン制御処理について説明する。図10は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1010のメイン制御処理のフローチャートを示す図である。
はじめに、スロットマシン1010に電源が投入されると、メインCPU1071は、ゲーミングボード1050を介して、メモリカード1054から認証したゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを読み出し、RAM1073に書き込む(ステップS11)。
次に、メインCPU1071は、1ゲーム終了時初期化処理を行う(ステップS18)。例えば、Bet数や抽籤により決定されたシンボルなど、RAM1073の作業領域において1回の遊技ごとに不要となるデータがクリアされる。
次に、メインCPU1071は、後で説明するスタートチェック処理を行う(ステップS19)。この処理では、BETスイッチやスピンスイッチの入力のチェックなどが行われる。
次に、メインCPU1071は、後で説明するシンボル抽籤処理を行う(ステップS20)。この処理では、シンボル決定用乱数値に基づいて停止予定シンボルが決定される。
次に、メインCPU1071は、演出内容決定処理を行う(ステップS21)。メインCPU1071は、演出用乱数値を抽出し、予め定められた複数の演出内容の何れかを抽籤により決定する。演出内容は、入賞役やスロットマシン1010におけるゲームの状況に応じて決定することができる。例えば、入賞役とスロットマシン1010におけるゲームの状況とに応じて、それぞれの演出に関する抽籤確率を変動させるように構成することができる。
次に、メインCPU1071は、後で説明するリール制御処理を行う(ステップS22)。この処理では、リール装置M1の5列のリールM1a〜M1e(第1リール〜第5リール)の回転が開始され、ステップS20のシンボル抽籤処理において決定された停止予定シンボルが所定の位置(例えば、シンボル表示窓1135)に停止される。つまり、各リールに関して、停止予定シンボルを含む3つのシンボルがシンボル表示窓1135内に表示される。
次に、メインCPU1071は、後で説明する払出数決定処理を行う(ステップS23)。この処理では、入賞ラインL上に表示されたシンボルの組合せに基づいて払出数が決定され、RAM1073に設けられた払出数記憶領域に格納される。
次に、メインCPU1071は、ゲーム結果通知処理を行う(ステップS25)。この処理は、単位ゲームが終了した終了時間(例えば、払出数決定処理が行われた時間)、ゲーム内容(例えば、払出数)、およびスロットマシン1010を識別する識別コードを含むデータを、PTS端末1700に送信する処理である。また、ICカード1500等が挿入されていてプレーヤが識別できる場合は、ICカード1500に係る会員の識別コードもPTS端末1700に送信される。PTS端末1700は、このデータを、ホール管理サーバ10に送信し、ホール管理サーバ10において、このデータが、遊技を行っているプレーヤ毎、マシン毎のゲーム経過に関する情報(遊技情報)として蓄積される。
次に、メインCPU1071は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否かを判別する(ステップS26)。メインCPU1071は、ボーナスゲームトリガーが成立したと判別したときには、後で説明するボーナスゲーム処理を行う(ステップS27)。
メインCPU1071は、ステップS27の処理の後、又はステップS26においてボーナスゲームトリガーが成立していないと判別したとき、メインCPU1071は、払出処理を行う(ステップS28)。メインCPU1071は、払出数記憶領域に格納されている値をRAM1073に設けられているクレジット数記憶領域に加算する。ここで例えば、プレーヤがCASHOUTボタンを押すと、これを検出したCASHOUTスイッチ1038SがメインCPU1071に信号を出力し、カードユニット1741に保持されているICカード1500に記憶されているクレジット数に、クレジット数記憶領域の値が加算される。なお、プリンタ1171により、バーコード付チケットを発行するようにしても良い。払出処理が終了すると、S18の処理に戻り、単位ゲームを繰り返す。
〈スタートチェック処理〉
次に、図11を参照して、スタートチェック処理について説明する。図11は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1010のスタートチェック処理のフローチャートを示す図である。
メインCPU1071は、カード挿入口1730から挿入されたICカード1500がカードユニット1741に保持されたか否かや、紙幣識別器1022に紙幣の投入がされたか否かを判別する(ステップS41)。メインCPU1071は、ICカード1500の挿入や紙幣の投入を検出したと判別したときには、当該ICカード1500、当該紙幣の正当性を確認したうえで、クレジット数記憶領域を加算する(ステップS42)。
メインCPU1071は、ステップS42の後、又はステップS41においてICカード1500等の挿入を検出していないと判別したときには、クレジット数記憶領域は0であるか否かを判別する(ステップS43)。メインCPU1071は、クレジット数記憶領域は0ではないと判別したときには、BETボタン(例えば、最大BETボタン1032、5BETボタン1033、3BETボタン1034、2BETボタン1035、1BETボタン1036のいずれか)の操作受付を許可する(ステップS44)。
次に、メインCPU1071は、BETボタンの操作を検出したか否かを判別する(ステップS45)。メインCPU1071は、BETボタンがプレーヤによって押されたことをBETスイッチ(例えば、最大BETスイッチ1032S、5BETスイッチ1033S、3BETスイッチ1034S、2BETスイッチ1035S、1BETスイッチ1036Sのいずれか)により検出したときは、BETボタンの種別に基づいて、RAM1073に設けられているBET数記憶領域を加算し、クレジット数記憶領域を減算する(ステップS46)。
次に、メインCPU1071は、BET数記憶領域は最大であるか否かを判別する(ステップS47)。メインCPU1071は、BET数記憶領域は最大であると判別したときには、BET数記憶領域の更新を禁止する(ステップS48)。メインCPU1071は、ステップS48の後、又はステップS47においてBET数記憶領域は最大ではないと判別したときには、スピンボタンの操作受付を許可する(ステップS49)。
メインCPU1071は、ステップS49の後、ステップS45においてBETボタンの操作を検出していないと判別したとき、又はS43においてクレジット数記憶領域は0であると判別したときには、スピンボタンの操作を検出したか否かを判別する(S50)。メインCPU1071は、スピンボタンの操作を検出していないと判別したときには、ステップS41に移る。
メインCPU1071は、スピンボタンの操作を検出したと判別したときには、後で説明するジャックポット関連処理を行う。この処理は、Betされたクレジットの一部を、例えば、ジャックポットのために蓄積されるジャックポット額として、PTS端末1700を介してジャックポットサーバ11に払い出す(ステップS51)。
次に、メインCPU1071は、ゲーム開始通知処理を行う(ステップS52)。この処理は、単位ゲームが開始されたゲーム開始時間、ゲーム内容(例えば、Bet数)、およびスロットマシン1010を識別する識別コードを含むデータを、PTS端末1700に送信する処理である。また、ICカード1500等が挿入されていてプレーヤが識別できる場合は、ICカード1500に係る会員の識別コードもPTS端末1700に送信される。PTS端末1700は、このデータを、ホール管理サーバ10に送信し、ホール管理サーバ10において、このデータが、遊技を行っているプレーヤ毎、マシン毎のゲーム経過に関する情報(遊技情報)として蓄積される。ステップS52の処理が終了したら、スタートチェック処理を終了する。
〈シンボル抽籤処理〉
次に、図12を参照して、シンボル抽籤処理について説明する。図12は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1010のシンボル抽籤処理のフローチャートを示す図である。
はじめに、メインCPU1071は、シンボル決定用の乱数値を抽出する(ステップS111)。次に、メインCPU1071は、リール装置M1の5列のリールM1a〜M1e(第1リール〜第5リール)の停止予定シンボルを抽籤により決定する(ステップS112)。メインCPU1071は、各リールに応じて抽籤を行い、12個のシンボルの何れかを停止予定シンボルとして決定する。
次に、メインCPU1071は、決定した各リールの停止予定シンボルをRAM1073に設けられているシンボル格納領域に格納する(ステップS113)。次に、メインCPU1071は、シンボル組合せテーブル(図9)を参照し、シンボル格納領域に基づいて入賞役を判定する(ステップS114)。メインCPU1071は、各リールにより入賞ライン上に表示されるシンボルの組合せと、シンボル組合せテーブルに規定されているシンボルの組合せとが一致するか否かを判定し、入賞役を決定する。この処理が行われると、シンボル抽籤処理を終了する。
〈リール制御処理〉
次に、図13を参照して、リール制御処理について説明する。図13は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1010のリール制御処理のフローチャートを示す図である。
はじめに、メインCPU1071は、ステッピングモータ1159a〜1159eを制御し、リール装置M1の5列のリールM1a〜M1eの回転を開始する(ステップS131)。次に、メインCPU1071は、ステッピングモータ1159a〜1159eを制御し、前述のシンボル格納領域に基づいて、5列のリールM1a〜M1eの回転を停止する(ステップS132)。この処理が行われると、リール制御処理を終了する。
なお、リール制御処理によるリールM1a〜M1eの回転開始・停止のタイミング、又はその他のタイミングに合わせて、演出内容決定処理(図10)で決定された演出が実行される。例えば、スロットマシン1010の上側画像表示パネル1131に動画や静止画を表示するとともに、これに同期させてスピーカ1112から音声を出力させ、ランプ1111を点灯することによって、当該演出を実行することができる。
〈払出数決定処理〉
次に、図14を参照して、払出数決定処理について説明する。図14は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1010の払出数決定処理のフローチャートを示す図である。
はじめに、メインCPU1071は、入賞役はジャックポットであるか否かを判別する(ステップS151)。メインCPU1071は、入賞役はジャックポットではないと判別したときには、入賞役に対応する払出数を決定する(ステップS152)。例えば、入賞役が「BELL」であるとき、払出数として「8」が決定される(図9を参照)。なお、ハズレのときは払出数として「0」が決定される。次に、メインCPU1071は、決定した払出数を払出数記憶領域に格納する(ステップS153)。この処理が行われると、払出数決定処理を終了する。
メインCPU1071は、入賞役はジャックポットであると判別したときには、ジャックポットの入賞があった旨を外部制御装置(すなわち、ジャックポットサーバ11)に対して通知する(ステップS154)。なお、ジャックポットサーバ11は、通知を受けると、それまでに更新してきたジャックポット額をスロットマシン1010に対して送信する。このとき、ジャックポット額の一部(例えば80パーセント)を払い出しの対象とし、残り(例えば20パーセント)を次回のジャックポットトリガー成立時に備えて繰り越すようにしても良い。
次に、メインCPU1071は、ジャックポットサーバ11よりジャックポット額を受信する(ステップS155)。次に、メインCPU1071は、受信したジャックポット額を払出数記憶領域に格納する(ステップS156)。この処理が行われると、払出数決定処理を終了する。
〈ジャックポット関連処理〉
次に、図15を参照して、ジャックポット関連処理について説明する。図15は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1010のジャックポット関連処理のフローチャートを示す図である。
はじめに、メインCPU1071は、累積額を算出する(ステップS171)。メインCPU1071は、BET数記憶領域に格納されている値と予め設定された累積割合との積をもとめ、ジャックポット額への累積額を算出する。
次に、メインCPU1071は、算出された累積額をジャックポットサーバ11に対して送信する(ステップS172)。ジャックポットサーバ11は、累積額を受信すると、ジャックポット額を更新する。この処理が行われると、ジャックポット関連処理を終了する。
〈ボーナスゲーム処理〉
次に、図16を参照して、ボーナスゲーム処理について説明する。図16は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1010のボーナスゲーム処理のフローチャートを示す図である。
はじめに、メインCPU1071は、ボーナスゲーム数を決定する(ステップS191)。メインCPU1071は、ボーナスゲーム数決定用乱数値を抽出し、例えば「10」、「20」および「30」といった複数種類のボーナスゲーム数の何れかを抽籤により決定する。
次に、メインCPU1071は、決定したボーナスゲーム数をRAM1073に設けられているボーナスゲーム数記憶領域に格納する(ステップS192)。
次に、メインCPU1071は、図10を参照して説明したステップS18の処理と同様に、1ゲーム終了時初期化処理を行う(ステップS193)。
次に、メインCPU1071は、ゲーム開始通知処理を行う(ステップS194)。この処理は、図11のステップS52に示すゲーム開始通知処理と同様のもので、(ボーナスゲームの)単位ゲームが開始されたゲーム開始時間、ゲーム内容(例えば、Bet数)、およびスロットマシン1010を識別する識別コードを含むデータを、PTS端末1700に送信する処理である。また、ICカード1500等が挿入されていてプレーヤが識別できる場合は、ICカード1500に係る会員の識別コードもPTS端末1700に送信される。PTS端末1700は、このデータを、ホール管理サーバ10に送信し、ホール管理サーバ10において、このデータが、遊技を行っているプレーヤ毎、マシン毎のゲーム経過に関する情報(遊技情報)として蓄積される。
次に、メインCPU1071は、図12を参照して説明したシンボル抽籤処理を行う(ステップS195)。次に、メインCPU1071は、図10を参照して説明したステップS21の処理と同様に、演出内容決定処理を行う(ステップS196)。次に、メインCPU1071は、図13を参照して説明したリール制御処理を行う(ステップS197)。次に、メインCPU1071は、図14を参照して説明した払出数決定処理を行う(ステップS198)。
次に、メインCPU1071は、ゲーム結果通知処理を行う(ステップS199)。この処理は、図10のステップS25に示すゲーム結果通知書理と同様のもので、(ボーナスゲームの)単位ゲームが終了した終了時間(例えば、払出数決定処理が行われた時間)、ゲーム内容(例えば、払出数)、およびスロットマシン1010を識別する識別コードを含むデータを、PTS端末1700に送信する処理である。また、ICカード1500等が挿入されていてプレーヤが識別できる場合は、ICカード1500に係る会員の識別コードもPTS端末1700に送信される。PTS端末1700は、このデータを、ホール管理サーバ10に送信し、ホール管理サーバ10において、このデータが、遊技を行っているプレーヤ毎、マシン毎のゲーム経過に関する情報(遊技情報)として蓄積される。
次に、メインCPU1071は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否かを判別する(ステップS200)。メインCPU1071は、ボーナスゲームトリガーが成立したと判別したときには、追加するボーナスゲーム数を決定する(ステップS201)。前述のステップS191の処理と同様に、ボーナスゲーム数の決定が行われる。次に、メインCPU1071は、決定したボーナスゲーム数をボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値に加算する(ステップS202)。
メインCPU1071は、ステップS202の処理の後、又はステップS200においてボーナスゲームトリガーが成立していないと判別したときには、払出処理を行う(ステップS203)。この払出処理では、メインCPU1071は、前述のステップS198の払出数決定処理にて払出数記憶領域に格納された値を、ボーナス用払出数記憶領域に格納されている値に加算する。ボーナス用払出数記憶領域は、ボーナスゲーム中に決定された払出数の合計を記憶する領域である。
そして、ボーナスゲーム処理が終了すると、メインCPU1071は、図10を参照して説明したステップS28の払出処理にて、ボーナス用払出数記憶領域に格納されている値をRAM1073に設けられているクレジット数記憶領域に格納されている値に加算する。つまり、ボーナスゲームにおいて決定された払出数の合計がまとめて払い出されることになる。
次に、メインCPU1071は、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値を1減算する(ステップS204)。次に、メインCPU1071は、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値は0であるか否かを判別する(ステップS205)。メインCPU1071は、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値は0ではないと判別したときには、ステップS193の処理に移る。一方で、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値は0であると判別したときには、ボーナスゲーム処理を終了する。ボーナスゲーム処理が終了すると、図10を参照して説明したステップS28の払出処理に移る。
本実施形態に係るスロットマシン1010では、ボーナスゲームとして実行されるゲームが、コインを消費することなく、停止予定シンボルの決定に係る抽籤が、抽籤により決定されたボーナスゲーム数だけ繰り返し行われるフリーゲームであるものとする。また、このときのBet数は、1BETボタン1036がプレーヤにより押された場合のBet数であるとする。
[遊技情報分析システムの必要性と特徴]
次に、図17〜図19を参照して、本発明の遊技情報分析システムの必要性と特徴について説明する。図17は、遊技情報分析システムが必要とされる背景について説明するための図である。
図17の課題に示すように、健全なホール店舗の運営を継続していく為には、単に、ホール店舗側の利益を追求するだけでは不十分であり、顧客の利益を考慮する必要がある(ここで、「ホール店舗」は、カジノや、ゲーミングマシンが配置される他の施設を含むものである)。
すなわち、ホール店舗と顧客のそれぞれに対して満足度を適切なバランスで維持することが重要である。しかしながら、従来のシステムでは、これらの満足度や、顧客の特性、ゲーミングマシンの特性を把握することは困難であった。
そこで、本発明の遊技情報分析システムでは、上述の課題を解決するために、ホール店舗、顧客の双方の視点から遊技情報を分析し、最適な経営上を提供する。
図18は、本発明の遊技情報分析システムの特徴を説明するための図である。本発明の遊技情報分析システムは、ホール店舗の運営が最適になるようなアドバイスと予測を行うエキスパートシステムであり、主たる特徴として、(1)スロットマシン等から提供される稼働データを顧客の心理と結びつけて運営バランスを判定すること、(2)マシン特性や顧客(プレーヤ)特性、満足度等を過去の稼働データに基づいて分類(カテゴライズ)すること、(3)過去データとの比較により、潜在リスクやトレンドの変化を検出すること、および(4)将来予測と収益性のシミュレーションを行うこと等が挙げられる。なお、本明細書においては、スロットマシン1010や後述のスロットマシン2014を含むゲーミングマシンを、必要に応じて「マシン」と称する。
このような特徴を有する本発明の遊技情報分析システムにより、既存システムとして構築されているゲームシステムをより発展させ、ホール店舗運営に有益なアドバイスと予測をホール店舗のオーナー等に提供することができる。
図19は、本発明の遊技情報分析システムにおける分析処理の概要を説明するための図である。本発明の遊技情報分析システムは、既存システムの稼働データを有効活用して、総合的な遊技情報分析を行うことができる。既存システムから遊技情報分析システムには、例えば、マシンごと、顧客ごとの登録データ、およびマシンごと、顧客ごとの稼働データ(スロットマシンのIN/OUTに関するデータ、すなわち、プレーヤ投資金額(IN)とスロットマシン払出額(OUT))が提供され、遊技情報分析システムにおいて、稼働データの集計と分析が行われる。
遊技情報分析システムは種々の分析を行うが、例えば、(1)運営の健全性(バランス)の判定、(2)マシン/顧客の特性による分類、(3)潜在リスクやトレンドの変化の検出、および(4)将来の予測と潜在リスクやトレンドの発見等の分析を行う。
遊技情報分析システムのこのような分析により、スピーディーかつ最適な経営判断と、健全なホール店舗運営に有益な情報が提供される。
[遊技情報分析システムの概要]
次に、図20〜図45を参照して、遊技情報分析システムの概要について説明する。本発明に係る遊技情報分析システムは、ホール店舗(又は店舗)に配置されるスロットマシン等のゲーミングマシンに関する遊技情報を取得し分析を行うものである。
図20は、遊技情報分析システムの代表的な運用形態のバリエーションを表す図である。図20に示すように、遊技情報分析システムの代表的な運用形態として、小規模ホール店舗向けオンライン、大規模ホール店舗向けオンライン、およびオフラインの各運用形態があり、さらに、オプションとしていくつかの付随的な運用形態が用意される。
小規模ホール店舗向けオンラインの運用形態では、遊技情報分析システムが、分析処理を行う(後述する)分析サーバを含み、この分析サーバは、ホール管理サーバから、分析に必要な遊技情報等をリアルタイム又はその他のタイミングで取得する。また、ホール管理サーバは、複数のゲーミングマシン(本実施形態ではスロットマシン)から、遊技状況に係る情報等を受信し蓄積する。ここで、ホール店舗管理サーバに接続されるゲーミングマシンの台数は、例えば、1000台以下といった、小規模ホール店舗におけるゲーミングマシンの台数である。
大規模ホール店舗向けオンラインの運用形態では、小規模ホール店舗向けオンラインの運用形態と同様に、遊技情報分析システムが、分析処理を行う(後述する)分析サーバを含み、この分析サーバは、ホール管理サーバから、分析に必要な遊技情報等をリアルタイム又はその他のタイミングで取得する。また、ホール管理サーバは、複数のゲーミングマシン(本実施形態ではスロットマシン)から、遊技状況に係る情報等を受信し蓄積する。ここで、ホール店舗管理サーバに接続されるゲーミングマシンの台数は、例えば、1000台より多い、大規模ホール店舗におけるゲーミングマシンの台数である。当該運用形態における分析サーバは、このように多くのゲーミングマシンから(ホール管理サーバを介して)データを受信して分析処理を行うため、コンピュータリソースに大きな負荷がかかる場合がある。そこで、複数の分析サーバによってこれらの分析処理を分散させ、各分析サーバに過大な負荷がかからないように構成することもできる。
オフラインの運用形態では、小規模ホール店舗向けオンラインの運用形態と同様に、遊技情報分析システムが、分析処理を行う分析サーバを含むように構成されるが、分析サーバからクライアント端末に送信される分析結果データ等はリアルタイムで受信するものではなく、かつネットワークを介して受信するものでもない。分析結果データ等は、例えば、CD−ROMや可搬型メモリのような、可搬型記録媒体を経由してクライアント端末に提供される。
遊技情報分析システムでは、オプションとして複数サイト(例えば、複数の独立したホール店舗や、同一のグループに属する複数のホール店舗等)の遊技情報等を用いて分析処理を行うように構成することができる。また、分析結果の表示等を、簡易認証対応を含む簡単な操作によって(分析サーバに接続された、後述するクライアント端末によって)指示することができる。さらに、上記のクライアント端末として、スマートフォン、携帯電話、PDA等のモバイル端末を利用することができ、既存システムのホール管理サーバ等から遊技情報等を取得することによって、システム間の連携を実現することもできる。
図21は、小規模ホール店舗向けオンラインの運用形態で実現される遊技情報分析システム2001aの構成例を示す図である。
遊技情報分析システム2001aは、図21に示すように、クライアント端末2011aと分析サーバ2012aを含み、図1に示すゲームシステム1のような、各ホール店舗に導入されているゲームシステムに接続される。ここで、ゲームシステムは、例えば、ホール管理サーバ2013aと、このホール管理サーバ2013aに接続される複数のスロットマシン2014a−1、2014a−2、2014a−3〜2014a−1000を含んでいる。
遊技情報分析システム2001aは、上述した小規模ホール店舗向けオンラインの運用形態で実施されるシステムであり、上述のように1000台以下(1000台)のスロットマシンを含むものである。各スロットマシンは、ネットワークを介してホール管理サーバ2013aに接続され、各スロットマシンに投入される金額・コイン数(いわゆる、「IN」の情報であり、以降、Bet数、Bet額、Bet金額などと称する)や、各スロットマシンから払い出される金額・コイン数(いわゆる、「OUT」の情報であり、以降、払出数、払出額、払出金額などと称する)など、遊技状況を示す遊技情報がスロットマシンからリアルタイムでホール管理サーバ2013aに送信され、さらに、ホール管理サーバ2013aから分析サーバ2012aに送信される。
また、ホール管理サーバ2013aに記憶される各スロットマシンに関するマシン情報が、分析サーバ2012aに送信される。マシン情報には、ゲーミングマシンを管理するために登録される固定情報と、プレーヤによる遊技に応じて変化する変動情報が含まれ、変動情報については、リアルタイムで各スロットマシンからホール管理サーバ2013aを介して分析サーバ2012aに送信されうる。
分析サーバ2012aにおける分析処理の結果として得られた分析結果データは、クライアント端末2011aに提供され、クライアント端末2011aは、ユーザの操作に応じて、受け取った分析結果データに基づき各種分析レポート等をクライアント端末2011aのディスプレイ等に表示するよう制御する。
なお、分析サーバ2012aは、既存のゲームシステムに接続することができる。この場合、分析サーバ2012aは、ゲームシステムのホール管理サーバ2013aから送信されるデータのプロトコルとフォーマットを把握し、これに対応して受信を行うようにする必要がある。
また、本明細書では、遊技情報分析システムを個別の運用形態によらず集合的に指す場合は、遊技情報分析システム2001と称するものとし、クライアント端末を個別の運用形態によらず集合的に指す場合は、クライアント端末2011と称するものとし、分析サーバを個別の運用形態によらず集合的に指す場合は、分析サーバ2012と称するものとし、ホール管理サーバを個別の運用形態によらず集合的に指す場合は、ホール管理サーバ2013と称するものとし、スロットマシンを個別の運用形態によらず集合的に指す場合は、スロットマシン2014と称するものとする。スロットマシン2014は、図2や図4に示すスロットマシン1010に対応する。
図22は、大規模ホール店舗向けオンラインの運用形態で実現される遊技情報分析システム2001bの構成例を示す図である。
遊技情報分析システム2001bは、図22に示すように、クライアント端末2011bと分析サーバ2012b−1〜分析サーバ2012b−4を含み、図1に示すゲームシステム1のような、各ホール店舗に導入されているゲームシステムに接続される。ここで、ゲームシステムは、例えば、ホール管理サーバ2013b〜ホール管理サーバ2013b−3と、これらのホール管理サーバ2013b〜ホール管理サーバ2013b−3に接続される複数のスロットマシン2014b−1、2014b−2、2014b−3〜2014b−1000、2014b−1001、2014b−1002、2014b−1003〜2014b−2000、2014b−2001、2014b−2002、2014b−2003〜2014b−3000を含んでいる。
遊技情報分析システム2001bは、上述した大規模ホール店舗向けオンラインの運用形態で実施されるシステムであり、上述のように1000台より多い台数(3000台)のスロットマシンを含むものである。各スロットマシンは、ネットワークを介してホール管理サーバ2013b−1〜ホール管理サーバ2013b−3のうち、対応する1つのホール管理サーバに接続され、各スロットマシンに投入されるBet数や、払い出される払出数など、遊技状況を示す遊技情報がスロットマシンからリアルタイムで、対応するホール管理サーバ2013bに送信され、さらに、ホール管理サーバ2013b−1〜ホール管理サーバ2013b−3のそれぞれから分析サーバ2012b−1〜分析サーバ2012b−4のいずれかに送信される。
分析サーバ2012bは、この例では、4台の分析サーバ2012b−1〜分析サーバ2012b−4からなり、分析処理を分散して実行する。それぞれの分析サーバ2012bは、異なる分析処理を担当するように構成してもよいし、異なるスロットマシンの範囲について同じ分析処理を行うように構成してもよい。ホール管理サーバ2013b−1〜ホール管理サーバ2013b−3は、分析サーバ2012b−1〜分析サーバ2012b−4の処理内容にあわせて、必要なデータを各分析サーバ2012bに送信する。
また、ホール管理サーバ2013b−1〜ホール管理サーバb−3に記憶される各スロットマシンに関するマシン情報が、必要に応じて、分析サーバ2012b−1〜分析サーバ2012b−4のすべて、又はいずれかに送信される。マシン情報には、ゲーミングマシンを管理するために登録される固定情報と、プレーヤによる遊技に応じて変化する変動情報が含まれ、変動情報については、リアルタイムで各スロットマシンからホール管理サーバ2013bを介して分析サーバ2012bに送信されうる。
図23は、オフラインの運用形態で実現される遊技情報分析システム2001cの構成例を示す図である。
遊技情報分析システム2001cは、図23に示すように、クライアント端末2011cと分析サーバ2012cを含み、図1に示すゲームシステム1のような、各ホール店舗に導入されているゲームシステムに接続される。ここで、ゲームシステムは、例えば、ホール管理サーバ2013cと、このホール管理サーバ2013cに接続される複数のスロットマシン2014c−1、2014c−2、2014c−3〜マシン2014c−1000を含んでいる。この場合、クライアント端末2011cは、ネットワークを介して分析サーバ2012cに接続されていないため、「スタンドアロン端末」ということができる。
遊技情報分析システム2001cは、上述した小規模ホール店舗向けオンラインの運用形態で実施されるシステムであり、上述のように1000台以内(1000台)のスロットマシンを含むものである。スロットマシン2014c−1〜スロットマシン2014c−1000のそれぞれとホール管理サーバ2013cとの接続、および送信データは、図21の遊技情報分析システム2001aと同様であり、分析サーバ2012cとホール管理サーバ2013cとの接続、および送信データも、図21の遊技情報分析システム2001aと同様である。
分析サーバ2012cにおける分析処理の結果として得られた分析結果データは、例えば、CD−ROMや可搬型メモリといった可搬型記録媒体に記憶されクライアント端末2011cに提供される。クライアント端末2011cは、受け取った分析結果データに基づいて、各種分析レポート等をクライアント端末2011cのディスプレイ等に表示するよう制御する。
図24は、複数のホール店舗について分析処理が行われる遊技情報分析システム2001dの構成例を示す図である。遊技情報分析システム2001dは、例えば、上述した遊技情報分析システムの3つの構成例(遊技情報分析システム2001a、遊技情報分析システム2001b、遊技情報分析システム2001c)に関するオプションとして提供される。
遊技情報分析システム2001dは、図24に示すように、クライアント端末2011dと分析サーバ2012dを含み、図1に示すゲームシステム1のような、各ホール店舗に導入されているゲームシステムが複数接続される。ここで、ゲームシステムは、3つのホール店舗(ホール店舗A〜ホール店舗C)に関するゲームシステムである。ホール店舗Aに関するゲームシステムは、例えば、ホール管理サーバ2013d−Aと、このホール管理サーバ2013d−Aに接続される複数のスロットマシン2014d−A1、2014d−A2〜2014d−A1000を含んでいる。ホール店舗Bに関するゲームシステムは、例えば、ホール管理サーバ2013d−Bと、このホール管理サーバ2013d−Bに接続される複数のスロットマシン2014d−B1、2014d−B2〜スロットマシン2014d−B800を含んでいる。また、ホール店舗Cに関するゲームシステムは、例えば、ホール管理サーバ2013d−Cと、このホール管理サーバ2013d−Cに接続される複数のスロットマシン2014d−C1、2014d−C2〜2014d−C500を含んでいる。
ホール店舗A〜ホール店舗Cは、上述した小規模ホール店舗にあたる(すなわち、すロットマシンの台数が1000台以内)。ホール店舗Aにおける、スロットマシン2014d−A1〜スロットマシン2014d−A1000のそれぞれとホール管理サーバ2013d−Aとの接続、および送信データは、図21の遊技情報分析システム2001aと同様であり、ホール店舗B、ホール店舗Cにおいても、対応する装置の接続、および送信データは、図21の遊技情報分析システム2001aと同様である。
ホール管理サーバ2013d−Aから分析サーバ2012dに対しては、スロットマシン2014d−A1〜スロットマシン2014d−A1000の遊技情報等がリアルタイム、又はその他のタイミングで送信される。ホール管理サーバ2013d−Bから分析サーバ2012dに対しては、スロットマシン2014d−B1〜スロットマシン2014d−B800の遊技情報等がリアルタイム、又はその他のタイミングで送信される。ホール管理サーバ2013d−Cから分析サーバ2012dに対しては、スロットマシン2014d−C1〜スロットマシン2014d−C500の遊技情報等がリアルタイム、又はその他のタイミングで送信される。
図25は、複数の接続方法によってクライアント端末が分析サーバに接続される遊技情報分析システム2001eの構成例を示す図である。遊技情報分析システム2001eは、例えば、上述した遊技情報分析システムの3つの構成例(遊技情報分析システム2001a、遊技情報分析システム2001b、遊技情報分析システム2001c)に関するオプションとして提供される。
遊技情報分析システム2001eは、図25に示すように、クライアント端末2011eと分析サーバ2012eを含み、図1に示すゲームシステム1のような、各ホール店舗に導入されているゲームシステムが接続される。ここで、ゲームシステムは、ホール管理サーバ2013eと、このホール管理サーバ2013eに接続される複数のスロットマシン2014e−1、2014e−2、2014e−3〜2014e−1000を含んでいる。
また、遊技情報分析システム2001eのクライアント端末2011eは、2種類のクライアント端末(例えば、クライアント端末2011e−1、クライアント端末2011e−2)を含むように構成することができる。ここで、クライアント端末2011e−1は、ユーザがそのクライアント端末を操作して分析結果を表示させたりする場合に、ユーザID、およびパスワードを入力することによって、分析サーバ2012eに接続され、遊技情報分析システム2001eにログオンすることができるようになっている(通常認証)。
一方、クライアント端末2011e−2は、ユーザID、およびパスワードをどちらも入力することなく、又は、ユーザIDや他の文字列を入力することのみによって、分析サーバ2012eに接続され、遊技情報分析システム2001eにログオンすることができるようになっている(簡易認証)。
このように、クライアント端末2011e−1とクライアント端末2011e−2では、遊技情報分析システム2001eに対するログイン方法(認証方法)が異なるが、このような違いに応じて、遊技情報分析システム2001eで参照できるデータの範囲、取り扱うことができるデータ、利用できる機能等に差を設けるようにしてもよい。
図26は、複数の種類のクライアント端末が利用できる遊技情報分析システム2001fの構成例を示す図である。遊技情報分析システム2001fは、例えば、上述した遊技情報分析システムの3つの構成例(遊技情報分析システム2001a、遊技情報分析システム2001b、遊技情報分析システム2001c)に関するオプションとして提供される。
遊技情報分析システム2001fは、図26に示すように、クライアント端末2011fと分析サーバ2012fを含み、図1に示すゲームシステム1のような、各ホール店舗に導入されているゲームシステムが接続される。ここで、ゲームシステムは、ホール管理サーバ2013fと、このホール管理サーバ2013fに接続される複数のスロットマシン2014f−1、2014f−2、2014f−3〜2014f−1000を含んでいる。
また、遊技情報分析システム2001fのクライアント端末2011fは、2種類のクライアント端末(例えば、クライアント端末2011f−1、クライアント端末2011f−2)を含むように構成することができる。ここで、クライアント端末2011f−1は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータであり、クライアント端末2011f−2は、タブレット型の可搬型コンピュータである。ここで、クライアント端末2011f−1は、LANケーブル、ルータ、およびインターネット等を介して分析サーバ2012fに接続されるのに対し、クライアント端末2011f−2は、無線LAN、無線ルータ、およびインターネット等を介し、又は、公衆無線通信ネットワーク、無線基地局、およびインターネット等を介して分析サーバ2012fに接続される。
このように、クライアント端末2011f−1とクライアント端末2011f−2では、ハードウエアの構成が異なり、場合によっては、分析サーバ2012fに対する接続方法も異なるが、このような違いに応じて、遊技情報分析システム2001fで参照できるデータの範囲、取り扱うことができるデータ、利用できる機能等に差を設けるようにしてもよい。
また、ここでは、デスクトップ型のパーソナルコンピュータとタブレット型の可搬型コンピュータを例示したが、スマートフォンや携帯電話など、分析サーバ2012fに接続可能な他の様々なコンピュータをクライアント端末として用いることができる。
ここまで、図21〜図26を参照して、遊技情報分析システムの構成について説明してきたが、これらの構成は一例に過ぎず、他の様々な構成で本発明に係る遊技情報分析システムを実現することができる。例えば、上述の例では、各スロットマシンの遊技情報等が、ホール管理コンピュータを介して分析サーバに送信されるが、他のコンピュータを介して分析サーバに送信されてもよく、他の様々な通信形態で各スロットマシンの遊技情報等が分析サーバで把握されうる。
次に、図27を参照して、本発明に係る遊技情報分析システム2001のソフトウエア構成例について説明する。図27に示す例では、既存のゲームシステム(既存システム)に含まれるホール管理サーバ2013等から分析サーバ2012の分析エンジンに、過去から現在までに蓄積された遊技情報等が送信され、そこで過去分の分析処理が行われ、分析結果が分析データベースに記憶・蓄積される。分析エンジンを用いた分析処理は、ここではバッチ処理となっており、例えば、夜間にホール管理サーバから遊技情報等がインターネットを含むネットワーク経由で収集され、分析処理が行われる。
このような過去の蓄積データの分析処理によって、例えば、当該既存のゲームシステムに、途中から本発明の遊技情報分析システム2001を導入した場合であっても、しばらくの間、スロットマシンから遊技情報を取得して(統計データを得るための)分析を行うことなく、(過去の蓄積データによって)すぐに、現時点のプレーヤ特性やマシン特性を把握することができ、本発明の遊技情報分析システム2001を使用し始めた瞬間から、有効な分析レポートの出力等が可能となる。
もちろん、分析エンジンによる分析処理をリアルタイムで行い、分析結果を分析データベースに記憶するようにしてもよい。なお、この場合、分析処理に必要な遊技情報等は、ホール管理サーバから、リアルタイムに送信されてくる必要がある。
分析データベースに記憶された分析結果は、Webアプリケーションのようなユーザインタフェースによってユーザに提供される。例えば、分析サーバに接続されたクライアント端末で実行されるWebブラウザ(Web GUI)により、分析データベースに記憶された分析結果が取得・解釈され、ユーザに分析結果レポート等が(クライアント端末のディスプレイに)表示される。
また、分析サーバに接続されたクライアント端末で実行されるアプリケーションにより、分析データベースに記憶された分析結果が取得・解釈され、クライアント端末に接続されたプリンタ等に分析結果レポート等が印刷出力される。また、PDFのような所定のファイル形式でデータとして出力され、ユーザが他のコンピュータでそのデータを表示することにより、分析結果レポート等を確認することもできる。
さらに、分析サーバに接続されたクライアント端末で実行されるアプリケーションにより、分析データベースに記憶された分析結果が取得・解釈され、CSVやXMLのような所定のファイル形式でデータとして出力され、ユーザが他のコンピュータでそのデータを表示することにより、分析結果レポート等を確認することもできる。
またさらに、他のシステムから、WEB−APIを介して分析サーバにアクセスし、必要なデータを分析データベースから取得し、分析結果レポート等を編集・出力するようにしてもよい。WEB−APIは、遊技情報分析システムにおいて、所定のユーザが分析結果等を利用できるように、あらかじめ用意しておくことができる。
次に、図28〜図39を参照して、本発明に係る遊技情報分析システム2001の主な機能と特徴について概要を説明する。第1の機能は、顧客心理と運営のバランスについての診断を行う機能である。本発明では、ゲームの推移に応じた顧客の心理分析を行うことが可能である。顧客の心理分析は、例えば、顧客(プレーヤ)のゲームの経緯(履歴)をローソクチャートによって表現することで心理状態を分類しスコア化するが、詳細については後で説明する。
また、本発明では、この顧客の心理と売上とのバランスについて診断を行うことができる。ホール店舗は、売上を重視して払出額を抑制すれば顧客の心理に悪影響を与えることとなり、本発明では、このような顧客心理と運営のバランスについて効果的な診断を行うことができる。
図29には、売上と顧客心理のバランス診断についての概要が示されている。図29に示すように、売上、顧客心理(ローソク形状)、ホール店舗満足度スコア、および顧客満足度スコアといった各種ファクターに基づいて、バランスの診断を行う。代表的な運営バランスとしては、図29に示すように、顧客重視運営(ホール店舗不満、かつ顧客満足)、健全運営(ホール店舗満足、かつ顧客満足)、運営危機(ホール店舗不満、かつ顧客不満)、および売上重視運営(ホール店舗満足、かつ顧客不満)といったパターンがある。
ホール店舗は、利益の追求のみでは、顧客が不満を持ち、ホール店舗運営が安定したもにはならなくなる。本発明の遊技情報分析システム2001では、スコア化した顧客心理と売上の散布図から、ホール店舗の運営がバランスの良い状態となっているかどうかを診断することができる。
図28に示す、遊技情報分析システム2001の第2の機能は、マシンと顧客の特性を分析する機能である。本発明では、マシン(すなわち、スロットマシン等のゲーミングマシン)の特性と顧客(すなわち、遊技のプレーヤ、遊技者)の特性を分析することが可能であり、このことによってさらに、マシンと顧客の特性マッチング診断が可能となる。
図30には、マシン特性の分類の簡単な例が示されている。図30では、マシン特性指標のボラティリティに着目し、波の荒さや当籤確率等からマシン特性の分類、すなわち、この例では、それぞれのマシンが、波の荒いマシンか、波の小さいマシンかを分類する。図30に示す上のグラフには、ゲーム数の経過に応じて、Winloss/Betが大きく変化する、「波の荒いマシン」の例が示されている。一方、図30に示す下のグラフには、ゲーム数の経過に応じて、Winloss/Betがあまり変化しない、「波の小さいマシン」の例が示されている。
図31には、プレーヤ特性の分類の簡単な例が示されている。図31では、プレーヤ特性指標の投資金額に着目し、それぞれのプレーヤが、1ゲーム当りのBet額(Bet/ゲーム)の大きいプレーヤと、1ゲーム当りのBet額(Bet/ゲーム)の大きいプレーヤとに分類される。図31に示す上のグラフには、一連のゲームからなる1つの勝負(セッション)ごとに、プレーヤ投資金額が大きく変化する、「1ゲーム当りのBet額の大きいプレーヤ」の例が示されている。一方、図31に示す下のグラフには、セッションごとに、プレーヤ投資金額があまり変化しない、「1ゲーム当りのBet額の小さいプレーヤ」の例が示されている。なお、図31のグラフで、プレーヤ投資金額のセッション内での変動が、上述したローソクチャートで表現されているが、ローソクチャートの詳細については、後述する。
図32には、マシン特性と顧客特性に基づくマッチング診断の例が示されている。図30、および図31で示されたように、マシン特性による分類(波の荒いマシン/波の小さいマシン)、およびプレーヤ特性による分類(1ゲーム当りのBet額の大きいプレーヤ/1ゲーム当りのBet額の小さいプレーヤ)に基づいて、マシン台数比率とプレイ時間比率からマッチング診断が行われる。
図32の特性マッチングのグラフに示すように、マシン特性=「波の小さいマシン」とプレーヤ特性=「1ゲーム当りのBet額の大きいプレーヤ」の組み合わせに関しては、マシン台数比率が大きく、プレイ時間比率が小さくなっている。したがって、プレーヤの稼働に対してマシンが多い、とのマッチング診断がなされる。一方、マシン特性=「波の荒いマシン」とプレーヤ特性=「1ゲーム当りのBet額の小さいプレーヤ」の組み合わせに関しては、マシン台数比率が小さく、プレイ時間比率が大きくなっている。したがって、この場合は、プレーヤの稼働に対してマシンが少ない、とのマッチング診断がなされる。このように、例えば、マシン特性とプレーヤ特性のマッチングから、顧客の遊技したいマシンが配備されているかどうかが診断される。
図28に示す、遊技情報分析システム2001の第3の機能は、潜在リスクやトレンドの変化を検出する機能である。本発明では、マシンの稼働と収益性の分析、ゴト分析、故障分析等によって、潜在リスクを検出することが可能であり、また、マシン分類と顧客分類に基づく人気分析等によって、トレンドの変化を検出することが可能である。なお、「ゴト」とは、不正な行為によってマシンからの払い出しを受ける行為である。
図33には、マシンの稼働率と収益性の分析についての概要が示されている。図33に示すように、稼働率、Bet/時、稼働スコア、および収益スコアといった各種ファクターに基づいて、稼働率と収益性のバランスの診断を行う。代表的な運営バランスとしては、図33に示すように、収益良好(稼働低い、かつ収益高い)、バランス良好(稼働高い、かつ収益高い)、バランス悪い(稼働低い、かつ収益低い)、および稼働良好(稼働高い、かつ収益低い)といったパターンがある。このような視点に基づいて、稼働と利益の両方から判断して、稼働効率の悪いマシンを抽出する。
図34には、ゴト分析に関連して、疑いのあるマシン、プレーヤ、セッションの分析を行った例が示されている。図34の上段には、プレーヤAの判定結果が示されている。プレーヤAについて、4つのゴト判定方式(すなわち、1ゲームの多額Bet判定、マシンの故障判定、お札の出し入れ判定、および勝率判定)が実施され、すべての判定結果が「OK」となっている。
図34の下段には、プレーヤBの判定結果が示されている。プレーヤBについて、4つのゴト判定方式(すなわち、1ゲームの多額Bet判定、マシンの故障判定、お札の出し入れ判定、および勝率判定)が実施され、勝率判定以外は、判定結果が「NG」となっている。このような判定結果が得られたプレーヤBは、ゴト行為を行っている可能性があるプレーヤである要注意プレーヤとして抽出される。
図35には、マシンの故障頻度を分析した例が示されている。図35の上のグラフでは、2014年1月から2014年6月にかけて、マシンAのカードディスペンサーの故障回数が、閾値(240回)とともに示されている。また、図35の下のグラフでは、2014年1月から2014年6月にかけて、マシンAのキャビネットの故障回数が、閾値(44回)とともに示されている。各マシンのこうした故障発生についての信号は、各スロットマシンから送信され、本発明の遊技情報分析システムで把握される。このような分析によって、故障リスクの高いマシンの抽出が行われる。
図36には、マシン分類と顧客分類による人気分析の例が示されている。図36の上のグラフでは、個々のマシンから見たプレイ時間が示され、この例では、プレーヤAが最もプレイ時間が長く、その後、プレーヤB、プレーヤC、プレーヤDと続いていることがわかる。また、図36の下のグラフでは、プレーヤAがどのマシンで遊技をしているかが、プレイ時間によって示され、この例では、プレーヤAは、スロットAのプレイ時間が最も長く、その後、スロットC、ルーレット、スロットBと続いていることがわかる。このような分析によって、マシンと顧客(プレーヤ)の好みを把握することができる。
図28に示す、遊技情報分析システム2001の第4の機能は、将来予測と収益性のシミュレーションを行う機能である。本発明では、売上目標の設定と予測によって、シミュレーションを行うことが可能であり、また、プロモーション効果についてのシミュレーションを行うことも可能である。
図37には、売上目標と予測によるリスク管理の例が示されている。図37のグラフは、縦軸が売上値、横軸が時間(年月)に設定され、各年月における売上目標値と売上予測値を示している。例えば、2014年1月から2014年5月までは、概ね売上目標を達成することができるが、2014年6月は、売上目標未達成となる可能性があることが分かる。このようなグラフを表示することによって、売上目標未達成のリスクを早期に発見することができる。
また、図38および図39には、プロモーション効果のシミュレーション結果が表示される。図38のグラフは、縦軸が売上値、横軸が時間(年月日)に設定され、それぞれの日におけるシミュレーション値と売上予測値を示している。シミュレーションは、来店頻度が高いと分類されたプレーヤについて、プロモーションを実施するものであり、そのシミュレーション結果Aは、プロモーションの効果として売上値が+100000であることを示しており、その効果は比較的低いことが分かる。
図39のグラフは、縦軸が売上値、横軸が時間(年月日)に設定され、それぞれの日におけるシミュレーション値と売上予測値を示している。シミュレーションは、来店頻度が中程度と分類されたプレーヤと、来店頻度が低いと分類されたプレーヤについて、プロモーションを実施するものであり、そのシミュレーション結果Bは、プロモーションの効果として売上値が合計で+1000000であることを示しており、その効果は比較的高いことが分かる。このように、本発明の遊技情報分析システム2001では、過去のデータを使用したシミュレーションを行って、プロモーションの効果を予測することができる。
次に、図40〜図42を参照して、本発明に係る遊技情報分析システム2001で利用されるクライアント端末2011と分析サーバ2012のハードウエア構成、およびホール管理サーバ2013のハードウエア構成について説明する。
図40は、本発明に係るクライアント端末2011のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。クライアント端末2011は、CPU2101、ROM2102、RAM2103、外部記憶装置2104、ディスプレイ2105、キーボード2106、マウス2107、ネットワークI/F(インターフェイス)2108、およびスピーカ2109を含む。
CPU2101は、ROM2102、およびRAM2103に格納された制御プログラムを読み出して実行する。例えば、CPU2101は、ユーザの指示によってWEBブラウザを実行し、分析サーバ2012から受信した分析結果データ等に基づいて各種分析レポート等をディスプレイ2105に表示する。ROM(Read Only Memory)2102は、不揮発性メモリであり、クライアント端末2011の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAM(Random Access Memory)2103は揮発性メモリであり、CPU2101で実行される、上述したWEBブラウザのようなプログラムや、それらのプログラムが実行中に使用するデータ等が一時的に格納される。
外部記憶装置2104は、例えば、ハードディスク装置のような記憶装置であり、WEBブラウザのプログラムデータや分析サーバ2012から受信した分析結果データ等が記憶される。
ディスプレイ2105は、ユーザによるタッチ操作が可能なタッチパネルを備えたタッチパネルディスプレイとして構成される。このディスプレイ2105は、例えば、液晶表示装置によって実現され、例えば、WEBブラウザによって分析レポート等が表示される。ここで、ユーザの操作がタッチパネルに入力されると、当該操作内容がCPU2101に送信され、その操作に応じた処理が行われる。
キーボード2106、およびマウス2107は、ユーザが、指示やデータ入力等を行うための入力装置である。
ネットワークI/F2108は、インターネット等のネットワークを介して、分析サーバ2012と接続し、クライアント端末2011と分析サーバ2012との間のデータ送受信を制御する。例えば、このネットワークI/F2108を介して、クライアント端末2011から分析サーバ2012に対して、ユーザの指示内容が送信され、逆に、分析サーバ2012からクライアント端末2011に対しては、分析結果データ(WEBページ)が送信される。スピーカ2109は、各種の音声データを出力する。
なお、図40は、クライアント端末2011がデスクトップ型のコンピュータである場合の例を説明するものであるが、上述の通り、クライアント端末2011として、タブレット型のコンピュータやスマートフォン等、様々な他の形態のコンピュータを利用することができる。
クライアント端末2011が、図23に示すようなクライアント端末2011cのように、スタンドアロン端末として構成される場合は、分析サーバ2012から分析結果データ等がCD−ROMや可搬型メモリのような可搬型記録媒体にコピーされ、その可搬型記録媒体に記憶されたデータが、クライアント端末2011の外部記録媒体インターフェイス(不図示)を介して読み込まれて外部記憶装置2104に記憶された後、WEBブラウザによってその分析結果データ等が解釈され、最終的に、各種分析レポート等がディスプレイ2105に表示される。
また、クライアント端末2011が、図26に示すようなクライアント端末2011f−2のように、無線通信によって分析結果データ等を受信する端末(例えば、タブレット型端末)として構成される場合、クライアント端末2011は、無線通信制御部、およびアンテナ(不図示)を有するように構成され、これらの構成要素を介して、無線ネットワークを含むネットワーク経由で、クライアント端末2011から分析サーバ2012に対してユーザの指示内容が送信される一方、分析サーバ2012からクライアント端末2011に対して分析結果データ等が送信される。
図41は、本発明に係る分析サーバ2012のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。分析サーバ2012は、CPU2201、ROM2202、RAM2203、外部記憶装置2204、ディスプレイ2205、キーボード2206、マウス2207、およびネットワークI/F(インターフェイス)2208を含む。
CPU2201は、ROM2202、およびRAM2203に格納された制御プログラムを読み出して実行する。例えば、CPU2201は、クライアント端末2011からのユーザの指示に応じて、対応する分析処理を実行し、分析結果データを生成する。ROM2202は、不揮発性メモリであり、分析サーバ2012の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAM2203は揮発性メモリであり、CPU2201で実行される、上述した分析処理を行うためのプログラムや、それらのプログラムが実行中に使用するデータ等が一時的に格納される。
外部記憶装置2204は、例えば、ハードディスク装置のような記憶装置であり、分析処理を行うためのプログラムデータ、クライアント端末2011に送信する分析結果データ、ホール管理サーバ2013から受信した遊技情報等が記憶される。
ディスプレイ2205は、遊技情報分析システムの管理者によるタッチ操作が可能なタッチパネルを備えたタッチパネルディスプレイとして構成される。このディスプレイ2205は、例えば、液晶表示装置によって実現される。分析サーバ2012がリモート接続された端末から入力や指示を受信するような場合、分析サーバ2012はディスプレイ2205を備える必要はない。
キーボード2206、およびマウス2207は、遊技情報分析システムの管理者が、指示やデータ入力等を行うための入力装置である。キーボード2206およびマウス2207についても、上述と同様に、分析サーバ2012がリモート接続された端末から入力や指示を受信するような場合、これらを備える必要はない。
ネットワークI/F2208は、インターネット等のネットワークを介して、クライアント端末2011とホール管理サーバ2013に接続し、クライアント端末2011と分析サーバ2012、およびホール管理サーバ2013と分析サーバ2012との間のデータ送受信を制御する。例えば、このネットワークI/F2208を介して、クライアント端末2011から分析サーバ2012に対して、ユーザの指示内容が送信され、逆に、分析サーバ2012からクライアント端末2011に対しては、分析結果データ(WEBページ)が送信される。また、このネットワークI/F2208を介して、ホール管理サーバ2013から分析サーバ2012に対して、遊技情報等が送信される。
なお、図41に示す分析サーバ2012は一例に過ぎず、他の様々な構成が可能である。
図42は、ホール管理サーバ2013のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。ホール管理サーバ2013は、既存のゲームシステムに含まれるホール管理サーバである場合もあるし、本発明に係る遊技情報分析システム2001に合わせて新たに導入される場合もある。ホール管理サーバ2013は、CPU2301、ROM2302、RAM2303、外部記憶装置2304、ディスプレイ2305、キーボード2306、マウス2307、およびネットワークI/F(インターフェイス)2308を含む。
CPU2301は、ROM2302、およびRAM2303に格納された制御プログラムを読み出して実行する。例えば、CPU2301は、スロットマシン2014から遊技情報が送信されてきた場合に、それらの情報を、必要に応じて適宜編集、集計し、外部記憶装置2304に蓄積する。ROM2302は、不揮発性メモリであり、ホール管理サーバ2013の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAM2303は揮発性メモリであり、CPU2301で実行される、上述した遊技情報の蓄積をコントロールするためのプログラムや、それらのプログラムが実行中に使用するデータ等が一時的に格納される。
外部記憶装置2304は、例えば、ハードディスク装置のような記憶装置であり、遊技情報の蓄積をコントロールするためのプログラムデータ、遊技情報等が記憶される。
ディスプレイ2305は、ホール店舗の管理者によるタッチ操作が可能なタッチパネルを備えたタッチパネルディスプレイとして構成される。このディスプレイ2305は、例えば、液晶表示装置によって実現される。ホール管理サーバ2013がリモート接続された端末から入力や指示を受信するような場合、ホール管理サーバ2013はディスプレイ2305を備える必要はない。
キーボード2306、およびマウス2307は、ホール店舗の管理者が、指示やデータ入力等を行うための入力装置である。キーボード2306およびマウス2307についても、上述と同様に、ホール管理サーバ2013がリモート接続された端末から入力や指示を受信するような場合、これらを備える必要はない。
ネットワークI/F2308は、インターネット等のネットワークを介して分析サーバ2012と接続し、ホール店舗内のネットワーク等を介してスロットマシン2014に接続し、ホール管理サーバ2013と分析サーバ2012、およびスロットマシン2014とホール管理サーバ2013との間のデータ送受信を制御する。例えば、このネットワークI/F2308を介して、ホール管理サーバ2013から分析サーバ2012に対して遊技情報等が送信され、スロットマシン2014からホール管理サーバ2013に対して遊技情報等が送信される。
なお、図42に示すホール管理サーバ2013は一例に過ぎず、他の様々な構成が可能である。
次に、図43〜図45を参照して、本発明に係る遊技情報分析システム2001で利用されるクライアント端末2011と分析サーバ2012の各機能、およびホール管理サーバ2013の各機能について説明する。
図43は、本発明に係るクライアント端末2011についての機能ブロック図である。クライアント端末2011は、入力制御部2151、表示制御部2152、アクセス制御部2153、WEBブラウザ2154、およびネットワークI/F(インターフェイス)部2155を含む。また、クライアント端末2011は、記憶装置2180(図40の外部記憶装置2104に対応)に、分析サーバ2012から受信した分析結果データ2181を、(必要に応じて)記憶する。
入力制御部2151は、図40に示すディスプレイ2105やキーボード2106、マウス2107等の操作を検知し、操作内容をCPU2101に送信する。これによって、例えば、ユーザ等が、WEBブラウザ上で所望の分析レポートを表示させることができる。
表示制御部2152は、ディスプレイ2105に、画面等を表示するよう制御する。例えば、WEBブラウザ2154により生成された、分析レポート等を表示するWEBページをWEBブラウザ2154の指令に応じて表示するよう制御する。
アクセス制御部2153は、ユーザから入力されたユーザIDやパスワードを分析サーバ2012に送信して、分析サーバ2012よりアクセスが許可された場合に(認証OK)、分析サーバ2012からの分析結果データの受信等が可能となる。また、図25に示すような簡易認証が行われる場合、アクセス制御部2153は、分析サーバ2012との間の認証処理なしで、又は、ユーザIDのみを分析サーバ2012に送信することによって、分析サーバ2012とのデータ送受信を可能とする。
WEBブラウザ2154は、ユーザの操作に応じて、指定された分析レポートを表示するように、分析サーバ2012にリクエストを行い、当該リクエストの応答として分析サーバ2012から送信されてきたHTML形式の分析結果データや関連する画像データを受信し、受信した分析結果データ等を解釈してディスプレイ2105に表示するための分析レポート(WEBページ)を生成する。なお、この例では、WEBブラウザ2154を用いて分析レポートをディスプレイ2105に表示するようにしているが、他のアプリケーションを用いて同様の処理を行うように構成することもできる。
ネットワークI/F部2155は、図40のネットワークI/F2108を制御して、クライアント端末2011と分析サーバ2012との間のデータ送受信を制御する。
図44は、本発明に係る分析サーバ2012についての機能ブロック図である。分析サーバ2012は、アクセス制御部2251、WEBページ制御部2252、システム管理部2253、遊技情報受信部2254、遊技情報分析部2255、およびネットワークI/F(インターフェイス)部2256を含む。また、分析サーバ2012は、記憶装置2280(図41の外部記憶装置2204に対応)に、システム管理データ2281、および分析データベース2282を記憶する。ここで、分析データベース2282には、遊技情報データ2282a、指標データ2282b、および分析結果データ2282cが含まれる。
アクセス制御部2251は、クライアント端末2011からログインがあった場合に、ユーザIDとパスワードを、システム管理データ2281のユーザ登録情報に基づいて認証チェックを行い、認証OKであれば、クライアント端末2011のアクセスを許可する。
WEBページ制御部2252は、クライアント端末2011で実行されるWEBブラウザからWEBページのリクエストがあった場合に、リクエストされたWEBページを生成し、クライアント端末2011に送信する。例えば、クライアント端末2011から、分析レポートを表示する要求があった場合に、WEBページ制御部2252は、分析データベース2282の分析結果データ2282cや遊技情報分析部2255による分析処理の結果をWEBページとして生成し、それを分析結果データとしてクライアント端末2011に送信する。WEBページ制御部2252は、いわば、WEBサーバとして機能する機能部である。
システム管理部2253は、ユーザがクライアント端末2011を操作して、システム管理の操作(後述する、遊技情報分析システムのメニュー画面でシステム管理を選択して行うシステム管理に係る操作)を行った場合に、その操作・入力結果を記憶装置2280のシステム管理データ2281に記憶する。
例えば、システム管理の操作として、ユーザにより所定のデータやアルゴリズムをメンテナンスするデータ管理操作が行われた場合に、その操作による処理結果を、システム管理データ2281のデータ情報に記憶する。また、ユーザにより本システムを利用するユーザグループの権限を定義するグループ管理操作が行われた場合に、その操作による処理結果を、システム管理データ2281のグループ情報に記憶する。また、ユーザにより本システムを利用するユーザを登録するユーザ管理操作が行われた場合に、その操作による処理結果を、システム管理データ2281のユーザ登録情報に記憶する。ユーザ登録情報には、ユーザID、パスワード等が含まれる。また、本システムを利用したユーザのアクセス履歴を、システム管理データ2281のアクセス情報に記憶する。
遊技情報受信部2254は、ホール管理サーバ2013から、遊技情報を受信する。遊技情報は、複数のスロットマシン2014から送信される遊技情報や、ホール管理サーバ2013で蓄積、編集、又は加工した遊技情報を含む。また、ホール店舗内のスロットマシン2014の遊技情報をリアルタイム、又はリアルタイムに近いタイミングで受信することができる。受信した遊技情報は、記憶装置2280の分析データベース2282の遊技情報データ2282aとして記憶される。
また、遊技情報分析システム2001が、既存のゲームシステムに導入される場合は、蓄積された過去の遊技情報を一括して受信することもできる。
また、本発明の遊技情報分析システムでは、分析データベース2282に、遊技情報の分析で利用される指標データ2282bを保持しているが、遊技情報を受信するたびに更新、生成する必要があるものについては、後述する遊技情報分析部2255において指標データの計算を行い、指標データ2282bとして記憶する。
遊技情報分析部2255は、所定のタイミングで、分析データベース2282の遊技情報データ2282a、および指標データ2282b等に基づいて分析処理を行い、分析結果を、分析データベース2282の分析結果データ2282cとして記憶する。なお、遊技情報分析部2255が、分析処理を行うタイミングは、ユーザがクライアント端末2011を介して分析レポートの表示を要求してきたタイミングや、遊技情報受信部2254が遊技情報を受信したタイミングなど、様々なタイミングが設定されうる。
また、上述のように、遊技情報受信部2254が、蓄積された過去の遊技情報を一括して受信したような場合は、夜間バッチによって、所定の遊技情報から分析処理を行ったり、指標データの生成を行ったりするように構成することもできる。
ネットワークI/F(インターフェイス)部2256は、図41のネットワークI/F2208を制御して、分析サーバ2012とクライアント端末2011との間のデータ送受信を制御するとともに、ホール管理サーバ2013から送信される遊技情報の受信を制御する。
なお、図44に示す分析サーバ2012の各機能は、図41に示す分析サーバ2012のCPU2201の制御によって実行される。
図45は、ホール管理サーバ2013についての機能ブロック図である。ホール管理サーバ2013は、会員管理部2351、遊技関連データ管理部2352、遊技情報送信部2353、およびネットワークI/F(インターフェイス)部2354を含む。また、ホール管理サーバ2013は、記憶装置2380(図42の外部記憶装置2304に対応)に、会員管理データ2381、および遊技関連データ2382を記憶する。
ここで、会員管理データ2381は、ホール店舗において会員登録をした会員に関する情報を含む。また、遊技関連データ2382は、ホール管理サーバ2013から分析サーバ2012に送信される遊技情報を含み、各スロットマシン2014における遊技履歴が記憶される(会員の遊技履歴については、会員ID等の識別子と関連付けて管理される)ほか、スロットマシン2014のマシン情報や故障に関する情報を含む各種情報等も記憶される。
会員管理部2351は、ホール店舗での会員登録の操作を制御し、登録された会員の情報を、記憶装置2380の会員管理データ2381に記憶する。
遊技関連データ管理部2352は、遊技に関するデータを各スロットマシン2014から収集して、そのデータを、遊技関連データ2382に記憶する。遊技に関するデータには、スロットマシン2014における各ゲームの開始時間、終了時間、Bet額、払出額、マシンID、プレーヤID(会員の場合)のほか、遊技に関連する様々なデータが含まれる。
遊技情報送信部2353は、遊技関連データ管理部2352により各スロットマシン2014から収集されたデータを、必要に応じて、予め設定されているアドレスの分析サーバ2012に送信する。ゲームの開始時間、終了時間、Bet額等、ゲームごとの情報は基本的にリアルタイムで送信されるが、送信のタイミングは、データの種類に応じて様々に決定される。
図45に示すホール管理サーバ2013の各機能は、図42に示すホール管理サーバ2013のCPU2301の制御によって実行される。また、本発明に係る遊技情報分析システム2001は、ホール管理サーバ2013を含むゲームシステムとは独立して設計・開発される場合(例えば、他社が製造した既存のゲームシステムのホール管理サーバ2013から、遊技情報分析システム2001に遊技情報を送信するような場合)があり、このような場合には、ゲームシステムのホール管理サーバ2013における送信プロトコルおよび送信フォーマットと、遊技情報分析システム2001の分析サーバ2012における受信プロトコルおよび受信フォーマットとの間で整合性を図る必要がある。
[遊技情報分析システムにおけるメニュー構成の概要]
次に、図46〜図76を参照して、本発明に係る遊技情報分析システム2001によってクライアント端末2011のディスプレイに表示される、階層構造を有するメニュー画面について説明する。
図46は、クライアント端末2011のディスプレイに表示されるメニュー画面2500を示す図であり、メニュー画面2500は、遊技情報分析システム2001の基本機能と関連付けられて示されている。メニュー画面2500は、例えば、ユーザがクライアント端末2011によって遊技情報分析システム2001にログインした場合に、クライアント端末2011のディスプレイに最初に表示される画面である。
図46に示すように、メニュー画面2500には、大きく、概要レポート表示部2510、マシンレポート表示部2520、プレーヤレポート表示部2530、会員レポート表示部2540、リアルタイム表示部2550、専門分析表示部2560、ツール表示部2570、およびシステム管理表示部2580の各表示部を含んでいる。
図46の上部に示すように、遊技情報分析システム2001の基本機能は、概要レポート、マシンレポート、プレーヤレポート、および会員レポートを含む。これらの機能のうち、基本機能「概要レポート」は、概要レポート表示部2510に対応付けられ、すなわち、概要レポート表示部2510で提供される各レポートにより、当該基本機能が実現される。以降同様に、基本機能「マシンレポート」は、マシンレポート表示部2520に対応付けられ、基本機能「プレーヤレポート」は、プレーヤレポート表示部2530に対応付けられ、基本機能「会員レポート」は、会員レポート表示部2540に対応付けられる。
図47には、図46に示したものと同じメニュー画面2500が示されているが、ここでは、メニュー画面2500が、遊技情報分析システム2001の付帯機能と関連付けられて示されている。
図47の上部に示すように、遊技情報分析システム2001の付帯機能は、リアルタイム、専門分析、ツール、およびシステム管理を含む。これらの機能のうち、付帯機能「リアルタイム」は、リアルタイム表示部2550に対応付けられ、すなわち、リアルタイム表示部2550で提供されるモニタ表示、レポートにより、当該基本機能が実現される。以降同様に、付帯機能「専門分析」は、専門分析表示部2560に対応付けられ、付帯機能「ツール」は、ツール表示部2570に対応付けられ、付帯機能「システム管理」は、システム管理表示部2580に対応付けられる。
図48は、メニュー画面2500のうち、概要レポート表示部2510で選択可能な各レポートの機能・目的を説明するための図である。
概要レポート表示部2510で選択可能なレポートには、図48に示すように、日次稼働レポート、日次財務レポート、月次稼働レポート、月次財務レポート、および月次診断レポートがある。
ここで、日次稼働レポートは、ホール店舗全体の日次の稼働状況をレポートすることを目的とし、稼働に関するリスクやトレンドの変化を検出できるような各種データを表示する。また、売上達成予測を行うことも可能である。日次財務レポートは、ホール店舗全体の日次の財務状況をレポートすることを目的とし、財務に関するリスクやトレンドの変化を検出できるような各種データを表示する。
月次稼働レポートは、ホール店舗全体の月次の稼働状況をレポートすることを目的とし、稼働に関するリスクやトレンドの変化を検出できるような各種データを表示する。また、売上達成予測を行うことも可能である。月次財務レポートは、ホール店舗全体の月次の財務状況をレポートすることを目的とし、財務に関するリスクやトレンドの変化を検出できるような各種データを表示する。
また、月次診断レポートは、ホール店舗全体の月次の運営状態をレポートすることを目的とし、ホール店舗と顧客の満足度とのバランスについて判定するための各種データを表示する。また、スロットマシンの特性と顧客の特性とのマッチングを判定するための各種データを表示する。
図49は、概要レポート表示部2510で選択可能な日次稼働レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。日次稼働レポートでは、図49に示すように、稼働サマリー、Winloss累積、Winloss比較、Bet推移、有効セッション推移、有効会員推移、稼働ユニット推移、稼働率推移、停止率推移、要注意セッション推移、および推移詳細が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、稼働サマリーは、稼働関連指標のサマリー(例えば、Winloss、稼働率、セッション数、会員数等)を表示する。Winloss累積は、Winlossの目標達成率と予測分析結果を表示する。Winloss比較は、WinlossとHoldと稼働率の指標比較分析結果を表示する。Bet推移は、Betの変動リスクを検出するためのデータを表示する。有効セッション推移は、有効セッションの変動リスクを検出するためのデータを表示する。有効会員推移は、有効会員の変動リスクを検出するためのデータを表示する。稼働ユニット推移は、稼働マシン(この例では、スロットマシン)台数の推移を表示する。稼働率推移は、マシンの稼働率の変動リスクを検出するためのデータを表示する。停止率推移は、マシン停止時間の変動リスクを検出するためのデータを表示する。要注意セッション推移は、要注意セッションとして判定されたセッションを(リスク管理のために)表示する。推移詳細は、稼働関連指標の時系列リストを表示する。
図50は、概要レポート表示部2510で選択可能な日次財務レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。日次財務レポートでは、図50に示すように、Winloss推移、貨幣の推移、貨幣毎の推移、キャッシュレスの推移、キャッシュレスカテゴリ、およびポイント推移が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、Winloss推移は、Winlossによる資金の時系列推移を表示する。貨幣の推移は、キャッシュボックスの貨幣の時系列推移を表示する。貨幣毎の推移は、キャッシュボックスの貨幣毎の時系列推移を表示する。キャッシュレスの推移は、キャッシュレスの時系列推移を表示する。キャッシュレスカテゴリは、キャッシュレスのカテゴリ(例えば、wat、クーポン、チケット等)の構成比率によるキャッシュレスのバランスを表示する。ポイント推移は、ポイントのバランスを示すデータを表示する。
図51は、概要レポート表示部2510で選択可能な月次稼働レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。月次稼働レポートでは、図51に示すように、稼働サマリー、Winloss累積、Winloss比較、Bet推移、有効セッション推移、有効会員推移、稼働ユニット推移、稼働率推移、停止率推移、要注意セッション推移、および推移詳細が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
これらのレポートは、図49に関して説明した日次稼働レポートのそれぞれを、月次でまとめて表したものであるため、詳細な説明は省略する。
図52は、概要レポート表示部2510で選択可能な月次財務レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。月次財務レポートでは、図52に示すように、Winloss推移、貨幣の推移、貨幣毎の推移、キャッシュレスの推移、キャッシュレスカテゴリ、およびポイント推移が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
これらのレポートは、図50に関して説明した日次財務レポートのそれぞれを、月次でまとめて表したものであるため、詳細な説明は省略する。
図53は、概要レポート表示部2510で選択可能な月次診断レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。月次診断レポートでは、図53に示すように、満足度バランス、満足度バランス推移、人気マッチング、特性マッチング、およびフィーチャー特性マッチングが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、満足度バランスは、顧客満足度を考慮した運営バランスの診断について表したデータを表示する。満足度バランス推移は、顧客満足度を考慮した運営バランスの時系列詳細について表示する。人気マッチングは、マシン(この例では、スロットマシン)構成比とプレイ時間比から見たマシン人気マッチングの分析結果を表示する。特性マッチングは、マシン構成比とプレイ時間比から見たマシン特性マッチングの分析結果を表示する。フィーチャー特性マッチングは、マシン構成比とプレイ時間比から見たマシン−フィーチャー特性マッチングの分析結果を表示する。
図54は、メニュー画面2500のうち、マシンレポート表示部2520で選択可能な各レポートの機能・目的を説明するための図である。
マシンレポート表示部2520で選択可能なレポートには、図54に示すように、日次マシンレ稼働ポート、月次マシン稼働レポート、月次マシン人気レポート、および月次マシン診断レポートがある。
ここで、日次マシン稼働レポートは、マシン(この例では、スロットマシン)の日次の稼働状況をレポートすることを目的とし、稼働に関するリスクやトレンドの変化を検出できるような各種データを表示する。また、故障頻度が高いマシンを検出するためのデータや、ゴトの疑いがあるマシンを検出するためのデータを表示する。月次マシン稼働レポートは、マシンの月次の稼働状況をレポートすることを目的とし、稼働に関するリスクやトレンドの変化を検出できるような各種データを表示する。また、故障頻度が高いマシンを検出するためのデータや、ゴトの疑いがあるマシンを検出するためのデータを表示する。
また、月次マシン人気レポートは、マシンの月次の人気状況をレポートすることを目的とし、人気機種や不人気機種のトレンドの変化を検出するためのデータを表示する。月次マシン診断レポートは、マシンの月次の運営状態をレポートすることを目的とし、ホール店舗の満足度と顧客の満足度のバランスを判定するためのなデータを表示する。また、収益と稼働のバランスを判定するためのデータを表示する。
図55は、マシンレポート表示部2520で選択可能な日次マシン稼働レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。日次マシン稼働レポートでは、図55に示すように、稼働サマリー、Winloss比較、Bet推移、停止時間ランキング、および要注意セッションランキングが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、稼働サマリーは、稼働関連指標のサマリー(例えば、Winloss/ユニット、プレイ時間/ユニット等)を表示する。Winloss比較は、Winloss/ユニットとBet/ユニットの指標比較分析結果を表示する。Bet推移は、Bet/ユニットの変動リスクを検出するためのデータを表示する。停止時間ランキングは、マシンの停止時間ランキングを表示する。要注意セッションランキングは、要注意セッションのマシンのランキングを表示する。
図56は、マシンレポート表示部2520で選択可能な月次マシン稼働レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。月次マシン稼働レポートでは、図56に示すように、稼働サマリー、Winloss比較、Bet推移、停止時間ランキング、および要注意セッションランキングが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
これらのレポートは、図55に関して説明した日次マシン稼働レポートのそれぞれを、月次でまとめて表したものであるため、詳細な説明は省略する。
図57は、マシンレポート表示部2520で選択可能な月次マシン人気レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。月次マシン人気レポートでは、図57に示すように、Betのテーマランキング、ゲームタイプの特性、デノミの特性、テーマの特性、ベンダーの特性、ベースP/Oの特性、マッチングクラスの特性、ゲームタイプの人気度、デノミの人気度、テーマの人気度、ベンダーの人気度、ベースP/Oの人気度、およびマッチングクラスの人気度が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、Betのテーマランキングは、Betのテーマについてランキングを表示する。ゲームタイプの特性は、ゲームタイプのBet比率を表示する。デノミの特性は、デノミのBet比率を表示する。テーマの特性は、テーマのBet比率を表示する。ベンダーの特性は、メーカーのBet比率を表示する。ベースP/Oの特性は、ベースP/OのBet比率を表示する。マッチングクラスの特性は、マシン特性クラスのBet比率を表示する。ゲームタイプの人気度は、ゲームタイプの会員比率を表示する。デノミの人気度は、デノミの会員比率を表示する。テーマの人気度は、テーマの会員比率を表示する。ベンダーの人気度は、メーカーの会員比率を表示する。ベースP/Oの人気度は、ベースP/Oの会員比率を表示する。マッチングクラスの人気度は、マシン特性クラスの会員比率を表示する。
図58は、マシンレポート表示部2520で選択可能な月次マシン診断レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。月次マシン診断レポートでは、図58に示すように、稼働バランスサマリー、稼働バランス推移、満足度バランスサマリー、満足度バランス推移、およびマシン満足度が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、稼働バランスサマリーは、稼働率と収益性(Bet/H)の稼働バランスサマリーを表示する。稼働バランス推移は、稼働率と収益性(Bet/H)の稼働バランスの時系列詳細を表示する。満足度バランスサマリーは、ホール店舗の満足度と顧客の満足度のバランスをマシン台数分布で表示する。満足度バランス推移は、ホール店舗の満足度と顧客の満足度のバランスをマシン台数分布の時系列詳細で表示する。マシン満足度は、ホール店舗と顧客の満足度のバランスのマシン分布を表示する。
図59は、メニュー画面2500のうち、プレーヤレポート表示部2530で選択可能な各レポートの機能・目的を説明するための図である。
プレーヤレポート表示部2530で選択可能なレポートには、図59に示すように、日次プレーヤ稼働レポート、月次プレーヤ稼働レポート、月次プレーヤ特性レポート、および月次プレーヤ診断レポートがある。
ここで、日次プレーヤ稼働レポートは、プレーヤ全体の日次の稼働状況をレポートすることを目的とし、稼働に関するリスクやトレンドの変化を検出できるような各種データを表示する。また、ゴトの疑いがあるセッションを検出できるようなデータを表示する。月次プレーヤ稼働レポートは、プレーヤ全体の月次の稼働状況をレポートすることを目的とし、稼働に関するリスクやトレンドの変化を検出できるような各種データを表示する。また、ゴトの疑いがあるセッションを検出できるようなデータを表示する。月次プレーヤ特性レポートは、プレーヤ全体の月次の行動特性をレポートすることを目的とし、顧客の行動特性のトレンドの変化を検出できるような各種データを表示する。月次プレーヤ診断レポートは、プレーヤ全体の月次の心理状態をレポートすることを目的とし、顧客心理を判定するための各種データを表示する。
図60は、プレーヤレポート表示部2530で選択可能な日次プレーヤ稼働レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。日次プレーヤ稼働レポートでは、図60に示すように、稼働サマリー、Winloss比較、Bet推移、および要注意セッションランキングが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、稼働サマリーは、稼働関連指標のサマリー(例えば、Winloss/セッション、プレイ時間(分)/セッション等)を表示する。Winloss比較は、Winloss/セッションとプレイ時間(分)/セッションの指標比較分析結果を表示する。Bet推移は、Bet/セッションの変動リスクを検出するためのデータを表示する。要注意セッションランキングは、要注意セッションのマシンのランキングを表示する。
図61は、プレーヤレポート表示部2530で選択可能な月次プレーヤ稼働レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。月次プレーヤ稼働レポートでは、図61に示すように、稼働サマリー、Winloss比較、Bet推移、および要注意セッションランキングが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
これらのレポートは、図60に関して説明した日次プレーヤ稼働レポートのそれぞれを、月次でまとめて表したものであるため、詳細な説明は省略する。
図62は、プレーヤレポート表示部2530で選択可能な月次プレーヤ特性レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。月次プレーヤ特性レポートでは、図62に示すように、プレーヤタイプのBetランキング、プレーヤタイプの特性、マッチングクラスの特性、プレーヤタイプの人気度、およびマッチングクラスの人気度が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、プレーヤタイプのBetランキングは、プレーヤタイプのBetランキングを表示する。プレーヤタイプの特性は、プレーヤタイプのBet比率を表示する。マッチングクラスの特性は、プレーヤ特性のBet比率を表示する。プレーヤタイプの人気度は、プレーヤタイプのスロット、テーブル比率を表示する。マッチングクラスの人気度は、プレーヤ特性のスロット、テーブル比率を表示する。
図63は、プレーヤレポート表示部2530で選択可能な月次プレーヤ診断レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。月次プレーヤ診断レポートでは、図63に示すように、Winlossセッションの比率推移、およびローソク足の比率推移が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、Winlossセッションの比率推移は、セッションの勝敗比率の時系列詳細を表示する。ローソク足の比率推移は、セッションのローソク形状の時系列詳細を表示する。
図64は、メニュー画面2500のうち、会員レポート表示部2540で選択可能な各レポートの機能・目的を説明するための図である。
会員レポート表示部2540で選択可能なレポートには、図64に示すように、日次会員稼働レポート、月次会員稼働レポート、月次会員特性レポート、および月次会員診断レポートがある。
ここで、日次会員稼働レポートは、会員の日次の稼働状況をレポートすることを目的とし、稼働に関するリスクやトレンドの変化を検出できるような各種データを表示する。また、ゴトの疑いがある会員を検出できるようなデータを表示する。月次会員稼働レポートは、会員の月次の稼働状況をレポートすることを目的とし、稼働に関するリスクやトレンドの変化を検出できるような各種データを表示する。また、ゴトの疑いがある会員を検出できるようなデータを表示する。月次会員特性レポートは、会員の月次の行動特性をレポートすることを目的とし、顧客の行動特性のトレンドの変化を検出できるような各種データを表示する。月次会員診断レポートは、会員の月次の心理状態をレポートすることを目的とし、顧客心理を判定するための各種データを表示する。
図65は、会員レポート表示部2540で選択可能な日次会員稼働レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。日次会員稼働レポートでは、図65に示すように、稼働サマリー、Winloss比較、Bet推移、および要注意セッションランキングが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、稼働サマリーは、稼働関連指標のサマリー(例えば、Winloss/人、プレイ時間(分)/人等)を表示する。Winloss比較は、Winloss/人とプレイ時間(分)/人の指標比較分析結果を表示する。Bet推移は、Bet/人の変動リスクを検出するためのデータを表示する。要注意セッションランキングは、要注意セッションのWinlossのランキングを表示する。
図66は、会員レポート表示部2540で選択可能な月次会員稼働レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。月次会員稼働レポートでは、図66に示すように、稼働サマリー、Winloss比較、Bet推移、および要注意セッションランキングが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
これらのレポートは、図65に関して説明した日次会員稼働レポートのそれぞれを、月次でまとめて表したものであるため、詳細な説明は省略する。
図67は、会員レポート表示部2540で選択可能な月次会員特性レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。月次会員特性レポートでは、図67に示すように、国籍別のBetランキング、国籍別の特性、性別毎の特性、年代別の特性、来店間隔別の特性、来店頻度とBet額別の特性、国籍別の人気度、性別毎の人気度、年代別の人気度、来店間隔別の人気度、および来店頻度とBet額別の人気度が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、国籍別のBetランキングは、国籍別のBetランキングを表示する。国籍別の特性は、国籍別のBet比率を表示する。性別毎の特性は、性別毎のBet比率を表示する。年代別の特性は、年代別のBet比率を表示する。来店間隔別の特性は、来店間隔別のBet比率を表示する。来店頻度とBet額別の特性は、来店頻度と使用Bet額別のBet比率を表示する。国籍別の人気度は、国籍別のスロット、テーブル比率を表示する。性別毎の人気度は、性別毎のスロット、テーブル比率を表示する。年代別の人気度は、年代別のスロット、テーブル比率を表示する。来店間隔別の人気度は、来店間隔別のスロット、テーブル比率を表示する。来店頻度とBet額別の人気度は、来店頻度と使用Bet額別のスロット、テーブル比率を表示する。
図68は、会員レポート表示部2540で選択可能な月次会員診断レポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。月次会員診断レポートでは、図68に示すように、プレーヤ満足度スコアランキングが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、プレーヤ満足度スコアランキングは、顧客満足度のランキングを表示する。
図69は、メニュー画面2500のうち、リアルタイム表示部2550で選択可能なレポートの機能・目的を説明するための図である。
リアルタイム表示部2550で選択可能なレポートには、図69に示すように、リアルタイムモニタ、およびリアルタイムレポートがある。
ここで、リアルタイムモニタは、マシンや顧客の稼働状況をフロアマップ上にリアルタイムにモニタリングすることを目的とし、マシンや顧客の状態の監視画面を表示し、また、故障の検出やゴトの検出が可能なデータを表示する。リアルタイムレポートは、ホール店舗全体の稼働状況をリアルタイムにレポートすることを目的とし、稼働に関するリスクやトレンドの検出が可能なデータを表示し、また、故障の検出やゴトの検出が可能なデータを表示する。
図70は、リアルタイム表示部2550で選択可能なリアルタイムモニタを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。リアルタイムモニタでは、図70に示すように、セッション、イベント、メーター、温度、湿度、電圧、および通話が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。また、オプションとして、カメラアングル、温度評価、および通話ラインが表示される。
ここで、例えば、セッションは、プレーヤの来店状況や要注意セッションのアラートを発生し、表示する。イベントは、マシンステータス(例えば、スタッカー、ジャックポット、ハンドベイ、メンテナンス等の状況)を表示する。メーターは、例えば、スロットマシン2014から送信されるメーターデータによって、要注意マシンの検出を行い、その状況を表示する。温度は、マシン温度の分布を表示する。湿度は、マシン湿度の分布を表示する。電圧は、マシン電圧の分布を表示する。通話は、通話ステータスを表示する。また、カメラアングルは、ホール店舗における監視カメラと視野範囲を表示する。温度評価は、フロア全体の温度マップを表示する。通話ラインは、通話ラインのイメージを表示する。
図71は、リアルタイム表示部2550で選択可能なリアルタイムレポートを選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。リアルタイムレポートでは、図71に示すように、サマリー、およびチャートが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、サマリーは、稼働指標のサマリー(当日分)を表示する。また、チャートは、時間足チャート(Winloss、Bet、セッション、会員、稼働率等)を表示する。時間足チャートは、例えば、一定の時間間隔で区切ってローソク足等のチャートを表現するものである。
図72は、メニュー画面2500のうち、専門分析表示部2560で選択可能なレポートの機能・目的を説明するための図である。
専門分析表示部2560で選択可能なレポートには、図72に示すように、プレーヤ心理分析、マシン波動分析、故障分析、ゴト分析、および相関分析がある。
ここで、プレーヤ心理分析は、マシンの稼働データから、顧客(セッション)の勝敗パターンを分析し、顧客の心理状態を分類することを目的とし、セッション毎の遊技状態の分析が可能なデータを表示する。マシン波動分析は、マシンの稼働データから、ゲームの特性を示す指標を集計し、ゲーム性のパターンを分類することを目的とし、フィーチャー当籤確率とボラティリティ特性の分析が可能なデータを表示する。故障分析は、マシンのイベントログから原因別の故障回数を集計し、停止時間を算出することを目的とし、故障原因の分析が可能なデータを表示する。ゴト分析は、マシンの稼働データから、ゴト行為の疑いがある顧客(セッション)を抽出することを目的とし、要注意セッションの分析が可能なデータを表示する。相関分析は、指標間、カテゴリ間の時系列の変化の相関関係が高い組み合わせを抽出することを目的とし、通常では発見できない因果関係の分析が可能なデータを表示する。
図73は、専門分析表示部2560で選択可能なプレーヤ心理分析を選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。プレーヤ心理分析では、図73に示すように、心理サマリー、心理時系列リスト、およびローソクチャートが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、心理サマリーは、月別の心理特性マシンリストを表示する。心理時系列リストは、マシン別の月足心理特性リストを表示する。ローソクチャートは、月別、マシン別の心理分析ローソクチャートを表示する。
図74(A)は、専門分析表示部2560で選択可能なマシン波動分析を選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。マシン波動分析では、図74(A)に示すように、波動サマリー、および波動チャートが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、波動サマリーは、ゲーム特性マシンリストを表示する。波動チャートは、マシン別のWinloss/Betの波動チャートを表示する。
図74(B)は、専門分析表示部2560で選択可能な故障分析を選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。故障分析では、図74(B)に示すように、故障サマリー、および故障回数の詳細が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、故障サマリーは、月別の故障回数のマシンリストを表示する。故障回数の詳細は、月別、マシン別の故障回数の詳細リストを表示する。
図75(A)は、専門分析表示部2560で選択可能なゴト分析を選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。ゴト分析では、図75(A)に示すように、ゴトサマリーが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、ゴトサマリーは、月別の要注意セッションリスト、要注意マシンリスト、および要注意会員リストを表示する。
図75(B)は、専門分析表示部2560で選択可能な相関分析を選択した場合に表示されるレポートの内容を示している。相関分析では、図75(B)に示すように、相関サマリーと詳細が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、相関サマリーと詳細は、指標とカテゴリ間の相関係数サマリーと詳細を表示する。
図76は、メニュー画面2500のうち、ツール表示部2570で選択可能なレポートの機能・目的を説明するための図である。
ツール表示部2570で選択可能なレポートには、図76に示すように、アドホックレポートツール、マシン分析、会員分析、およびシミュレーションツールがある。
ここで、アドホックレポートツールは、データベースを利用して、ユーザ自身が任意のレポートを出力できるようにすることを目的とし、当該ツールによって、様々なデータベース機能が活用される。マシン分析は、全マシンのリストを表示することを目的とし、マシンの検索をすることもできる。会員分析は、全会員のリストを表示することを目的とし会員の検索をすることもできる。シミュレーションツールは、過去の実績データを参考にパラメータを変更した場合の売上/会員数等を試算することを目的とし、プロモーション等の投資効果の事前確認を行うことができるようなデータを表示する。
図77(A)は、ツール表示部2570で選択可能なアドホックレポートツールを選択した場合に表示される項目を示している。アドホックレポートツールでは、図77(A)に示すように、レポート選択、レポート参照、およびアドホックレポートツールに関する各項目が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、レポート選択に関する項目として、レポートの選択をユーザが指示するための表示が行われる。レポート参照に関する項目として、レポートの参照をユーザが指示するための表示が行われる。アドホックレポートツールに関する項目として、カスタマイズレポート作成ツールの各種指定をユーザ指示するための表示が行われる。
図77(B)は、ツール表示部2570で選択可能なマシン分析を選択した場合に表示されるレポートを示している。マシン分析では、図77(B)に示すように、マシンリストが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、マシンリストは、マシンリスト(例えば、ベース、稼働ステータス、特性、故障といった各項目を含む)を表示する。
図78(A)は、ツール表示部2570で選択可能な会員分析を選択した場合に表示されるレポートを示している。会員分析では、図78(A)に示すように、会員リストが、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、会員リストは、会員リスト(例えば、個人、ベース、カテゴリといった各項目を含む)を表示する。
図78(B)は、ツール表示部2570で選択可能なシミュレーションツールを選択した場合に表示される項目を示している。シミュレーションツールでは、図78(B)に示すように、シミュレーションツールに関する項目が、例えば、クライアント端末2011で実行されているWebブラウザによって、ひとつのWebページとしてクライアント端末2011のディスプレイに表示される。
ここで、例えば、シミュレーションツールに関する項目として、プロモーション用のシミュレーション結果や、稼働に関するシミュレーション結果が表示される。
このほか、メニュー画面2500には、本発明に係る遊技情報分析システム2001についての設定等を行うために選択されるシステム管理表示部2580がある。システム管理表示部2580で選択可能な機能として、図47に示すように、データ管理、グループ管理、ユーザ管理、およびアクセス管理がある。
データ管理は、例えば、ホール管理サーバ2013から受信する遊技情報等について設定を行うために選択され、グループ管理は、例えば、クライアント端末2011、分析サーバ2012、およびホール管理サーバ2013のグルーピングについて設定を行うために選択される。
また、ユーザ管理は、例えば、分析サーバ2012から提供される分析結果を受信するクライアント端末2011のユーザを登録し管理するために選択される。アクセス管理は、例えば、登録されたユーザがクライアント端末2011を利用して分析結果を参照等する場合に、参照可能な分析結果の範囲等をユーザやクライアント端末2011に応じて設定するために選択される。
[遊技情報分析システムに関するユースケース]
次に、図79〜図100を参照して、本発明の一実施形態に係る遊技情報分析システム2001のユーザが、どのような態様でこの遊技情報分析システム2001を利用しうるかを、想定されるユーザごとのユースケースとして説明する。
図79は、本発明の一実施形態に係る遊技情報分析システム2001において想定されるユーザと、当該ユーザの代表的なユースケースを示した図である。遊技情報分析システム2001を利用するものとして想定されるユーザは、大きく4つに分類される。第1のユーザは、ホール店舗のオーナーである。オーナーは、ホール店舗の運営管理を行う者である。オーナーのユースケースとしては、例えば、ホール店舗全体の稼働指標の管理、売上リスクマネジメント、運営バランスの診断等がある。
第2のユーザは、マシンキーパーである。マシンキーパーは、マシン(この例では、スロットマシン)の運用管理を担当する者である。マシンキーパーのユースケースとしては、例えば、マシンの人気トレンドの把握、マシンの保守管理、ゴト対策等がある。
第3のユーザは、マーケッターである。マーケッターは、ホール店舗の顧客を確保し、売上促進を図る者である。マーケッターのユースケースとしては、例えば、顧客トレンドの把握、プロモーション計画の立案、マーケティング調査等がある。
第4のユーザは、オペレータである。オペレータは、ホール店舗においてマシンやその他の装置のオペレーション業務を行う者である。オペレータのユースケースとしては、例えば、稼働指標のモニタリング、来客状況のモニタリング、マシンの稼働に関するモニタリング等がある。
図80は、オーナーに関するユースケースの関連性を例示した図である。オーナーの業務の中心には、ホール店舗の運営管理があり、その運営管理は、稼働指標の管理、売上リスクマネジメント、および運営バランスの診断という、個別の業務を含み、これらの個別の業務のそれぞれに関して、本発明の遊技情報分析システム2001の機能を有効に活用することができる。
図81は、本発明の遊技情報分析システム2001において、クライアント端末2011のディスプレイに表示されるメニュー画面2500と、このメニュー画面2500のうちどの機能が、オーナーに関するユースケースにおいて有効に利用されるかを示した図である。オーナーに関するユースケースでは、図81に示すように、概要レポート表示部2510によって表示される概要レポートに含まれる種々のレポートが利用されうる。
また、オーナーに関する個別の業務は、図80を参照して説明した通り、稼働指標の管理、売上リスクマネジメント、および運営バランスの診断であるが、稼働指標の管理には、例えば、売上、稼働、来客に関する指標の確認等が含まれ、売上リスクマネジメントには、目標値に対する実績値と予測値の確認によるリスクマネジメント等が含まれ、運営バランスの診断には、顧客視点による運営状況のバランス診断等が含まれる。
図82には、概要レポート表示部2510によって表示される日次稼働レポートの表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、稼働サマリー(日次)が示されている(図49参照)。稼働サマリー(日次)では、Winloss、稼働率、セッション数、および会員数といった稼働関連指標について、実際の日次における当該指標の数値、および所定の期間(比較対象期間)における当該指標の平均値が表示され、さらに、実際の数値が平均値に対してどの程度変化しているかを示す変化率(%)が示されている。また、Winlossについて、その日における予算と、その予算をどの程度使用したかを示す予算使用率(%)が表示されている。
ここで、Winlossの数値が以前と比べて低下している(変化率が、比較的大きな−34.95という数値になっている)点に着目し、これを問題点と捉えると、ホールド(%)の変化率が−30.87、会員数の変化率が−24.53といった、大きな変化となって現れている点が原因として考えられる。そこで、オーナーは、対策として、例えば、設定P/Oの見直しや、プロモーションによる会員数アップを検討することができる。このように、本発明の遊技情報分析システム2001のレポートによって、問題点の把握と改善策を的確に判断し、実施することができる。
図83には、概要レポート表示部2510によって表示される日次稼働レポートの表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、Winloss累積(日次)が示されている(図49参照)。Winloss累積(日次)は、縦軸がWinlossの累積値、横軸が日付(1カ月間の日付)のグラフであり、Winloss累積の実績値と予算が表示されている。また、本日日付以降のWinloss累積は、予想として、予想範囲(図83において、点線の矩形で表されたエリア)内に表示される。
ここで、図83のグラフより、今月の初めから現在に至るまで、Winloss累積が予算に達しておらず、また、今後(今月中)においても、Winloss累積が予算に達しない見込みであることが把握される。そこで、オーナーは、例えば、来店者数を増加させるための改善策や、マシンの稼働率を増加させるための改善策を検討することができる。このように、本発明の遊技情報分析システム2001のレポートによって、目標達成管理を行うことができるとともに、問題点を早期に把握し事前の対策を講じてリスクを回避することができる。
図84には、概要レポート表示部2510によって表示される月次診断レポートの表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、満足度バランス推移(月次)が示されている(図53参照)。満足度バランス推移(月次)は、縦軸が顧客満足度スコア、横軸がホール店舗満足度スコアのグラフであり、この例では、2013年9月から2014年10月までのデータが月別にプロットされている。プロットされた各月の点が、右上のエリアに多くあれば、良好な満足度バランスであると言える。逆に、プロットされた各月の点が、左下のエリアに多くあれば、良好でない満足度バランスであると言える。
また、図84に示すグラフの原点から、横軸に最も近い方向に延びている線2511の付近にプロットされた点が多くある場合は、ホール店舗にとって満足度が高く、顧客にとって満足度が低い状態であり、満足度バランスとして良好であるとは言えない。一方、図84に示すグラフの原点から、縦軸に最も近い方向に延びている線2512の付近にプロットされた点が多くある場合は、ホール店舗にとって満足度が低く、顧客にとって満足度が高い状態であり、満足度バランスとして良好であるとは言えない。
ここで、図84のグラフより、顧客満足度と売上のバランスは概ね良好であるが、このときに、図83の分析結果も得られているとすると、Winloss値が目標を達成していないことが把握される。そこで、オーナーは、例えば、顧客満足度を維持しながら売上を上げるための改善策や、還元プロモーションを行いながら顧客と売上を向上させるための改善策を検討することができる。このように、本発明の遊技情報分析システム2001のレポートによって、顧客満足度を考慮して、継続的な売上維持を図ることができ、また、利益だけでなく、顧客満足度(顧客への還元)を意識した運営を行うようにすることができる。
図85は、マシンキーパーに関するユースケースの関連性を例示した図である。マシンキーパーの業務の中心には、マシンの運用管理があり、その運用管理は、マシン人気トレンドの把握、保守管理、およびゴト対策という、個別の業務を含み、これらの個別の業務のそれぞれに関して、本発明の遊技情報分析システム2001の機能を有効に活用することができる。
図86は、本発明の遊技情報分析システム2001において、クライアント端末2011のディスプレイに表示されるメニュー画面2500と、このメニュー画面2500のうちどの機能が、マシンキーパーに関するユースケースにおいて有効に利用されるかを示した図である。マシンキーパーに関するユースケースでは、図86に示すように、マシンレポート表示部2520によって表示されるマシンレポートに含まれる種々のレポートと、専門分析表示部2560によって表示されるゴト分析が利用されうる。
また、マシンキーパーに関する個別の業務は、図85を参照して説明した通り、マシン人気トレンドの把握、保守管理、およびゴト対策であるが、マシン人気トレンドの把握には、例えば、人気(不人気)マシンのトレンド確認等が含まれ(上述のマシンレポートが利用される)、保守管理には、例えば、故障頻度が高いマシンの確認等が含まれ(上述のマシンレポートが利用される)、ゴト対策には、投資金額や収支金額に疑いがある要注意マシン、要注意プレーヤの確認等が含まれる(上述のゴト分析が利用される)。
図87には、マシンレポート表示部2520によって表示される月次マシン人気レポートの表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、ベンダーの特性(月次)が示されている(図57参照)。ベンダーの特性(月次)は、メーカー別のBet比率を月次で表すものであり、縦軸がBet比率、横軸が2013年12月〜2014年10月までの各月となっている棒グラフであり、各月のメーカー別Bet比率が示されている。
ここで、図87のグラフより、各月におけるBet比率でみたメーカーごとのシェアを把握することができる。例えば、点線の矩形エリアに示すように、当該期間において、D社やE社のマシン(この例では、スロットマシン)のBet構成比に大きな変化があることを把握することができる。このような場合、マシンキーパーは、ホール店舗に導入するマシンの構成について見直しをしたり、稼働率の低いマシンに対するイベントを企画したりすることができる。このように、本発明の遊技情報分析システム2001のレポートによって、マシン人気のトレンドを把握した最適なマシン構成を検討することができ、また、人気に陰りが出て稼働率が低くなったマシンに対するフォローアップを行うようにすることもできる。
図88には、マシンレポート表示部2520によって表示される月次マシン稼働レポートの表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、停止時間ランキング(月次)が示されている(図56参照)。停止時間ランキング(月次)は、停止時間の長いマシンを個別にランキング形式で表すものである。
ここで、図88のグラフでは、マシンID=「0085」のマシン(この例では、スロットマシン)が最も停止時間が長く、次に、マシンID=「0043」のマシンの停止時間が長く、その次に、マシンID=「0053」のマシンの停止時間が長いことが表示され、故障によって停止時間の長いマシンがどのマシンであるかを把握することができる。このような場合、マシンキーパーは、停止時間削減のための定期メンテナンスの強化を行うよう検討したり、各マシンのオーバーホールを検討したりすることができる。このように、本発明の遊技情報分析システム2001のレポートによって、マシントラブルによる稼働損失の削減を図ることができ、トラブルの少ないマシン運用を実現することができる。
図89には、専門分析表示部2560によって表示されるゴト分析の表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、ゴトサマリーが示されている(図75(A)参照)。図89に示すゴトサマリーには、要注意セッションの統計と、異常セッションのリスト(要注意セッションリスト)が表示されている。
ここで、要注意セッションの統計では、セッション(プレーヤが行う一連のゲームからなる勝負)が勝ちとなったプレーヤのうち、ホール店舗の売上に対して異常な比率となっているものを要注意セッションとし、その要注意セッションのセッション数、合計Bet、およびWinlossを表示する。また、異常セッションのリストでは、疑わしいセッションと判定されたものをリスト表示する。セッションのリストには、開始日時、終了日時、識別ID(セッションID)、プレーヤID、マシンID、メーカー、テーマ、プレイ時間(h)、Bet計、Winloss、およびBet/ゲームのそれぞれが含まれる。この例では、異常セッションのリストは、勝ちの金額が大きい順(Winlossの値が小さい順)に表示されている。
このようなレポートにより、マシンキーパーは、投資金額や収支金額が異常なセッションを効率的に発見することができ、例えば、要注意となったマシンやプレーヤに対する監視を強化するように改善策を講じることができる。このように、本発明の遊技情報分析システム2001のレポートによって、ゴト対策を管理し、不正による損失を最小限に抑えるようにすることができる。
図90は、マーケッターに関するユースケースの関連性を例示した図である。マーケッターの業務の中心には、顧客確保(売上促進)があり、その顧客確保は、顧客トレンドの把握、プロモーション計画の立案、およびマーケティング調査という、個別の業務を含み、これらの個別の業務のそれぞれに関して、本発明の遊技情報分析システム2001の機能を有効に活用することができる。
図91は、本発明の遊技情報分析システム2001において、クライアント端末2011のディスプレイに表示されるメニュー画面2500と、このメニュー画面2500のうちどの機能が、マーケッターに関するユースケースにおいて有効に利用されるかを示した図である。マーケッターに関するユースケースでは、図91に示すように、プレーヤレポート表示部2530によって表示されるプレーヤレポートに含まれる種々のレポート、会員レポート表示部2540によって表示される会員レポートに含まれる種々のレポート、およびツール表示部2570によって表示されるアドホックレポートツールとシミュレーションツールが利用されうる。
また、マーケッターに関する個別の業務は、図90を参照して説明した通り、顧客トレンドの把握、プロモーション計画の立案、およびマーケティング調査であるが、顧客トレンドの把握には、顧客の属性や行動の傾向の確認等が含まれ(上述のプレーヤレポート、会員レポートが利用される)、プロモーション計画の立案には、プロモーションを実施する際の事前シミュレーション等が含まれ(上述のシミュレーションツールが利用される)、マーケティング調査には、アドホックツールによる詳細調査と任意レポートの作成等が含まれる(上述のアドホックレポートツールが利用される)。
図92には、会員レポート表示部2540によって表示される月次会員特性レポートの表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、来店頻度とBet額別の特性(月次)が示されている(図67参照)。図92に示す来店頻度とBet額別の特性(月次)は、顧客の来店頻度を含む顧客タイプ別にBet比率を月次で表すものであり、縦軸がBet比率、横軸が2013年12月〜2014年10月までの各月となっている棒グラフである。
ここで、図92のグラフより、各月におけるBet比率でみた顧客タイプごとのシェアを把握することができる。例えば、点線の矩形エリアに示すように、当該期間において、来店頻度が疎遠である顧客や高額Betの顧客のBet構成比に大きな変化があることを把握することができる。また、優良顧客のBet比率が減少していることも問題と捉えられる。このような場合、マーケッターは、例えば、高い来店頻度の顧客を優良顧客にするための方策としてポイント付与サービスを実施するよう検討したり、新規会員からの開拓を行うための方策を検討したりすることができる。このように、本発明の遊技情報分析システム2001のレポートによって、顧客トレンドを把握したターゲット顧客へのアクションを検討・実施することができる。
図93には、ツール表示部2570によって表示されるシミュレーションツールの表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、シミュレーションツールのシミュレーション結果(プロモーション用のシミュレーション)が示されている(図78(B)参照)。図93に示すプロモーション用のシミュレーションは、Winlossに関する予想額、シミュレーション額、予想額とシミュレーション額との差分(%)、予算、現在の予算の使用分(%)を表示するとともに、2つのグラフを表示する。
第1のグラフは、Winlossの予算に対して、Winloss予想(累積)とWinlossシミュレーション(累積)を表すものであり、縦軸がWinloss(累積)の額、横軸が2014年2月〜2014年12月までとなっており、Winloss予想(累積)とWinlossシミュレーション(累積)の推移を時間の経過とともに表すグラフとなっている。
第2のグラフは、Winloss予想(累積)とWinlossシミュレーション(累積)の時系列推移を表すものであり、縦軸がWinlossの額、横軸が2014年2月〜2014年12月までとなっており、Winloss予想とWinlossシミュレーションの推移を時間の経過とともに表すグラフとなっている。
また、第1のグラフや第2のグラフに関して、稼働モデルや、マシンの稼働率/停止率を設定することもできる(図93の右上の設定エリア参照)。
マーケッターは、プロモーションを実施したいときに、具体的な数値と効果を事前に把握しておきたいというニーズがある。そこで、図92に示すようなシミュレーションツールを用いれば、プロモーション費用とその効果についてシミュレーションを行い、より具体的な数値と効果を事前に把握することができる。このように、本発明の遊技情報分析システム2001のレポートによって、過去の実績を活かしたプロモーション計画を立案することができ、また、費用やプロモーション対象の最適化を行うこともできる。
図94には、ツール表示部2570によって表示されるアドホックレポートツールの表示を指示した場合に表示されるレポート出力指示画面である、アドホックレポートツールが示されている(図77(A)参照)。図94に示すアドホックレポートツールは、左側に、指標を表示している指標エリアと、ディメンションを表示しているディメンションエリアが表示されている。指標としては、Bet計、ペイアウト計、ジャックポット、Winloss、ゲーム数等がある。ディメンションとしては、日次、週次、月次、四半期単位、年次等がある。
また、図94の右側には、レポートの表示形態を指定するエリアがあり、表示・カウントする元となる対象を表す値(VALUE)を指定する欄、グルーピングを行う単位を示すグループ(GROUP)を指定する欄、表示順のソートを行う値を示すシリーズ(SERIES)を指定する欄、改ページを行う単位を示すページ(PEGE)を指定する欄、およびフィルタリングを行う単位を示すフィルタ(FILTER)を指定する欄が表示される。さらに、それぞれの入力欄には、表示に関する詳細な設定等を行うことができるアイコンを追加することができる。
図94の例では、値(VALUE)の欄には、指標エリアから「ゲーム数」が指定されるとともに、ゲーム数についてのサマリーを表示し、90000件ごとに区切って頻度を表示するように設定された「設定」アイコンが指定される。グループ(GROUP)の欄には、指標エリアから「テーマ」が指定されている。他の欄には指定がされていない。
その結果、図95に示すように、上段にゲーム数のサマリーが表示され、中段にゲーム数ごとのカウント(頻度)に関するヒストグラムが表示され、下段にテーマごとのゲーム数が表示される。
図95の上段に表示されたサマリーには、ゲーム数の合計(SUM)、平均(AVG)、(1つのセッションにおける)最小ゲーム数(MIN)、(1つのセッションにおける)最大ゲーム数(MAX)、および標準偏差(STD)が示されている。
図95の中段には、(1つのセッションにおける)ゲーム数ごとのカウント(頻度)が、ヒストグラムとして表現されている。例えば、ゲーム数が、1〜90000ゲームであった件数や、90001〜180000ゲームであった件数等が、それぞれ縦軸のカウントに応じてヒストグラムで表示される。
図95の下段には、テーマごとのゲーム数が示されている。例えば、テーマ=「A1」のゲーム数は、13,174件であり、テーマ=「A2」のゲーム数は、28,746件といった表示がされる。
上述した図94、および図95のレポートによって、マシンや顧客の情報、特性を多角的に分析することができる。このように、本発明の遊技情報分析システム2001のレポートによって、マーケッターによってカスタマイズされたレポートの作成が可能となる。また、遊技情報分析システム独自の指標を含めた分析ツールを提供することもできる。
また、マーケッターは、マシンや顧客の特性を、金額、稼働、カテゴリ別に特徴を把握したいという場合があるが、上述の図94、図95で示したアドホックレポートツールによるレポートによって、集計データの分布を確認することができ、また、プロモーション時に効果のある金額やカテゴリの把握が可能となる。
図96は、アドホックレポートツールで、テーマごと、年代ごとの人気度(Bet額)を表したものである。
図96の上段にはサマリーが表示され、ここには、Bet額の合計(SUM)、平均額(AVG)、最小額(MIN)、最大額(MAX)、および標準偏差(STD)が示されている。
図96の中段には、テーマ=「B2」のマシン(この例ではスロットマシン)における年代別のBet額合計を表した棒グラフが示されている。また、図96の下段には、テーマ=「A3」のマシンにおける年代別のBet額合計を表した棒グラフが示されている。
マーケッターは、マシンの人気を詳細に分析したいという場合があるが、上述の図96で示したアドホックレポートツールによるレポートによって、マシンの詳細な人気を把握することができ、また、人気マシンの顧客特徴分析を行うことが可能となる。例えば、図96を参照すると、テーマ=「B2」のマシンは、30代に人気であるが、30代を中心として、20代、40代、50代にもある程度人気があることが分かる。また、テーマ=「A3」のマシンは、圧倒的に40代に人気があり、他の年代にはほとんど人気がないことが分かる。
図97は、アドホックレポートツールで、会員タイプ別の稼働曜日を表したものである。
図97の上段にはサマリーが表示され、ここには、Bet額の合計(SUM)、平均額(AVG)、最小額(MIN)、最大額(MAX)、および標準偏差(STD)が示されている。
図97の中段には、会員タイプ=「重要」の会員における曜日別の使用Bet額(稼働日、来店日)を表した棒グラフが示されている。また、図97の下段には、会員タイプ=「新規」の会員における曜日別の使用Bet額(稼働日、来店日)を表した棒グラフが示されている。
マーケッターは、会員タイプ別の稼働動向を把握したいという場合があるが、上述の図97で示したアドホックレポートツールによるレポートによって、会員の稼働トレンドを把握することができ、また、会員動向を前提としたプロモーション計画の立案を行うことが可能となる。例えば、図97を参照すると、会員タイプ=「重要」の会員については、水曜日の稼働が低調である傾向を有していることがわかる。また、会員タイプ=「新規」の会員については、金曜日の稼働が低調である傾向を有していることがわかる。
図98は、オペレータに関するユースケースの関連性を例示した図である。オペレータの業務の中心には、オペレーション業務があり、そのオペレーション業務は、稼働指標のモニタリング、来客状況のモニタリング、マシン稼働のモニタリングという、個別の業務を含み、これらの個別の業務のそれぞれに関して、本発明の遊技情報分析システム2001の機能を有効に活用することができる。
図99は、本発明の遊技情報分析システム2001において、クライアント端末2011のディスプレイに表示されるメニュー画面2500と、このメニュー画面2500のうちどの機能が、オペレータに関するユースケースにおいて有効に利用されるかを示した図である。オペレータに関するユースケースでは、図99に示すように、リアルタイム表示部2550によって表示されるリアルタイムモニタとリアルタイムレポートが利用されうる。
また、オペレータに関する個別の業務は、図98を参照して説明した通り、稼働指標のモニタリング、来客状況のモニタリング、およびマシン稼働のモニタリングであるが、稼働指標のモニタリングには、当日の売上や来客状況の確認等が含まれ(上述のリアルタイムレポートが利用される)、来客状況のモニタリングには、遊技中のプレーヤのフロアマップ上での確認等が含まれ(上述のリアルタイムモニタが利用される)、マシン稼働のモニタリングには、故障中のマシンのフロアマップ上での確認等が含まれる(上述のリアルタイムモニタが利用される)。
図100には、リアルタイム表示部2550によって表示されるリアルタイムレポートの表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、サマリーやグラフが示されている(図71参照)。図100に示すリアルタイムレポートには、1つのサマリーと5つのグラフが表示されている。上段左側に示されたサマリーは、項目サマリーであり、Winloss、Bet計、稼働率(%)、ユニット数(マシン数)、セッション数、および会員数のそれぞれについて、リアルタイムの実績を表示する。Winlossについては、このほか、予算と、予算に対する現在の使用分(%)も表示される。
図100の上段右側に示されたグラフは、累積Winlossの実績の推移を現在時刻まで、時間の経過とともに表示するものである。累積Winlossの実績とともに、予想についても時間の経過とともに表示される。
図100の中段左側に示されたグラフは、Bet計の推移を現在時刻まで、時間の経過とともに表示するものである。また、図100の中段右側に示されたグラフは、稼働セッション数の推移を現在時刻まで、時間の経過とともに表示するものである。なお、これらのグラフには、同時に、平均を表す直線も表示される。
図100の下段左側に示されたグラフは、稼働会員の数の推移を現在時刻まで、時間の経過とともに表示するものである。また、図100の下段右側に示されたグラフは、稼働率の推移を現在時刻まで、時間の経過とともに表示するものである。なお、これらのグラフには、同時に、平均を表す直線も表示される。
上述した図100に示されたオンラインレポートによって、売上、マシン稼働、来客の時間帯別の推移を確認することができる。このように、本発明の遊技情報分析システム2001のレポートによって、オペレータは、日中の稼働状況を確認し、サービス業務を最適化することが可能となる。また、時間帯別の従業員数の増減をコントロールして効率的な人員配置を行うこともできる。
[遊技情報分析システムのメニュー構成と指標]
次に、図101〜図120を参照して、本発明の一実施形態に係る遊技情報分析システム2001が提供・利用するメニュー画面の構成、指標、カテゴリについて説明する。
図101は、図46に示したメニュー画面2500により提供される、基本機能に関連するレポートを一覧表としてまとめたものである。基本機能として、概要レポート、マシンレポート、プレーヤレポート、および会員レポートがある。概要レポートは、ホール店舗全体を対象とした分析レポートを提供し、日次稼働レポート、日次財務レポート、月次稼働レポート、月次財務レポート、および月次診断レポートを含む。マシンレポートは、マシン(この例では、スロットマシン)を対象とした分析レポートを提供し、日次マシン稼働レポート、月次マシン稼働レポート、月次マシン人気レポート、および月次マシン診断レポートを含む。
プレーヤレポートは、プレーヤ全体を対象として分析レポートを提供し、日次プレーヤ稼働レポート、月次プレーヤ稼働レポート、月次プレーヤ特性レポート、および月次プレーヤ診断レポートを含む。会員レポートは、会員を対象とした分析レポートを提供し、日次会員稼働レポート、月次会員稼働レポート、月次会員特性レポート、および月次会員診断レポートを含む。
図102は、図47に示したメニュー画面2500により提供される、付帯機能に関連するレポートや機能等を一覧表としてまとめたものである。付帯機能として、リアルタイム、専門分析、ツール、およびシステム管理がある。リアルタイムは、当日のホール店舗の状況をリアルタイムに把握するための機能であり、リアルタイムモニタ、およびリアルタイムレポートを含む。専門分析は、目的別の専門性の高い分析を提供するものであり、プレーヤ心理分析、マシン波動分析、故障分析、ゴト分析、および相関分析を含む。
ツールは、ユーザ自身による分析ツールであり、アドホックレポートツール、マシンリスト、会員リスト、およびシミュレーションツールを含む。システム管理は、システムの運用管理に関する機能を提供し、データ管理、グループ管理、ユーザ管理、およびアクセス管理を含む。
図103は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供される基本指標について説明、取得・集計方法とともに一覧表としてまとめた図である。投入金額(IN)は、プレーヤが投入した金額を表す。払出金額(OUT)は、スロットマシンが払い出した金額を表す。ジャックポット金額(JP)は、スロットマシンが払い出したジャックポット金額を表す。プレイ売上金額(Winloss)は、投入金額と払出金額の差分による売上金額を表す。ゲーム数(Games)は、スロットマシンで行われるゲーム数を表す。プレイ時間は、スロットマシンにおけるゲーム開始からゲーム終了までの時間を表す。セッション数は、プレーヤが行う一連の遊技の単位であって、複数のゲームからなる。
投入金額、払出金額、ジャックポット金額、およびゲーム数は、ホール管理サーバから取得したデータ(スロットマシンから送信されたデータ)であり、プレイ売上金額、プレイ時間、およびセッション数は、ホール管理サーバから取得したデータ等から算出された情報である。また、ゲーム数を、ホール管理サーバから取得したデータ等から算出するようにしてもよい。
図104は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供されるマシン基本指標について説明、取得・集計方法とともに一覧表としてまとめた図である。マシン基本指標としては、例えば、稼働率、停止時間、故障時間、ハンドベイ時間、その他停止時間、稼働日数/マシン、マシン台数(登録数)、実測PO、1ゲーム当りの平均Bet、故障イベント回数、非故障イベント回数、およびホールド率(Hold(%))がある。
例えば、稼働率は、マシン(この例では、スロットマシン)の稼働率で、プレイ時間/営業時間により算出される。停止時間は、故障以外のサービス停止時間である。故障時間は、マシンの故障によるサービス停止時間である。実測POは、期間又はゲーム区間内のPO率であり、(OUT+IN)/IN×100で求められる。ホールド率は、(1−(OUT+JP)/IN)×100で求められる。
図105は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供されるプレーヤ基本指標について説明、取得・集計方法とともに一覧表としてまとめた図である。プレーヤ基本指標としては、例えば、会員数、来店回数、来店間隔、最新来店日からの経過日数、来店会員数、会員比率(%)、および顧客満足度スコアがある。
図106は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供されるバランス判定指標(1)について説明、評価判定、判定閾値、集計方法・備考とともに一覧表としてまとめた図である。バランス判定指標(1)としては、例えば、満足度ランク、満足度バランス、ホール店舗満足度スコア、および顧客満足度スコアがある。
図107、および図108は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供されるバランス判定指標(2)について説明、評価判定、判定閾値、集計方法・備考とともに一覧表としてまとめた図である。バランス判定指標(2)としては、例えば、形状心理スコア、収支心理スコア、ヒゲ心理スコア、ボリューム心理スコア、勝ちセッション期待値スコア、稼働バランススコア、稼働スコア、収益スコア、および会員スコアがある。
図109、および図110は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供される心理指標について説明、評価判定、判定閾値、集計方法・備考とともに一覧表としてまとめた図である。心理指標としては、例えば、満足度クラス、勝1(比率)、勝2(比率)、勝3(比率)、勝4(比率)、敗1(比率)、敗2(比率)、敗3(比率)、敗4(比率)、分(比率)、累積売上金額(Open)、累積売上金額(High)、累積売上金額(Low)、累積売上金額(Close)、累積売上金額BB+3、累積売上金額BB−3、ローソク形状符号(心理スコア)、会員セッション比率、および勝率(セッション)がある。
図111、および図112は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供される波動特性指標(1)について説明、評価判定、判定閾値、集計方法・備考とともに一覧表としてまとめた図である。波動特性指標(1)としては、例えば、Win/Bet、Win/Bet累積、Win/Bet累積(理論値)、区間判定、全区間Winloss/Bet倍率別当り間隔、通常区間Winloss/Bet倍率別当り間隔、放出区間Winloss/Bet倍率別当り間隔、全区間Winloss/Bet偏差、通常区間Winloss/Bet偏差、放出区間Winloss/Bet偏差、および放出時間率(%)がある。
図113、および図114は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供される波動特性指標(2)について説明、評価判定、判定閾値、集計方法・備考とともに一覧表としてまとめた図である。波動特性指標(2)としては、例えば、フィーチャーゲーム倍率別発生回数、フィーチャーゲームPO、1ゲーム当りの平均Bet、特性(×100倍以上の当りの間隔)、特性(×100倍以上の平均倍率)、特性(低倍率時PO)、プログレッシブ発生数、ジャックポット発生数、会員ゲーム数比率、フィーチャーゲームの当り間隔、フィーチャーゲームの平均倍率、および通常POがある。
図115は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供されるセッション特性指標について説明、評価判定、判定閾値、備考とともに一覧表としてまとめた図である。セッション特性指標としては、例えば、スロット投資金額(敗けセッション)、テーブル投資金額(敗けセッション)、スロット1ゲーム当り平均Bet、テーブル1ゲーム当り平均Bet、大当りを除く通常時PO(遊技したマシンのWin/Betの×100未満のPO率)、および通常PO(遊技したマシンの通常PO)があり。
図116は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供されるカレンダー指標について説明、評価判定、判定閾値、備考とともに一覧表としてまとめた図である。カレンダー指標としては、例えば、ユーザ任意データがある。
図117、および図118は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供されるマシンカテゴリについて、分類定義、備考とともに一覧表としてまとめた図である。マシンカテゴリとしては、例えば、デノミ、テーマ、ベンダー、ロケーション、設定ペイアウト率(%)、最新稼働日、ゲームタイプクラス(ゲーム種別)、ゲームタイプクラス(リンク有無)、ゲームタイプクラス(プログレッシブ有無)、ゲームタイプクラス(ディスプレイ形状)、ゲームタイプクラス(リール数)、ゲームタイプクラス(ライン数)、ゲームタイプクラス(1ラインBet数)、ゲームタイプクラス(ボーナス特性)、ゲームタイプクラス(テーブル種別)、ゲームタイプクラス、大当り間隔クラス(×100倍以上の当たりの間隔)、大当り平均倍率クラス(×100倍以上の平均倍率)、低倍率POクラス(×100倍以上の当りを除くPO)、フィーチャーの当り間隔クラス、フィーチャーの平均倍率クラス、通常POクラス、およびマシンユーザ定義がある。
図119は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供されるプレーヤカテゴリについて、分類定義、備考とともに一覧表としてまとめた図である。プレーヤカテゴリとしては、例えば、プレーヤタイプ(会員/非会員)、プレーヤランク、性別、国籍、年代、最新稼働日、会員区分、遊技タイプ、および会員ユーザ定義がある。
図120は、本発明に係る遊技情報分析システム2001で提供されるカレンダーカテゴリについて、分類定義、備考とともに一覧表としてまとめた図である。カレンダーカテゴリとしては、例えば、ユーザ任意カテゴリがある。
[ボーナスゲーム状態の検出]
次に、図121〜図128を参照して、プレーヤによって行われるスロットマシン2014の各ゲームがボーナスゲーム状態であるか否かを検出するボーナスゲーム状態検出処理について説明する。こうしたボーナス状態検出処理は、例えば、分析サーバ2012の遊技情報分析部2255が、バッチ又はリアルタイムに行う。なお、ここで、ボーナス状態とは、スロットマシン2014において、ゲームがボーナスゲームとして実施されている状態であり、ボーナスゲームには、フリーゲームやフィーチャーゲームなども含まれる。
分析サーバ2012が、ホール管理サーバ2013を介してそれぞれのスロットマシン2014から、実施されたゲームがボーナスゲームであるという情報を得ることができれば、上述のボーナス状態検出処理は不要であるが、遊技情報として、各スロットマシン2014から、ゲームごとに開始時間、終了時間、プレーヤ投資金額、スロットマシン払出額、マシンIDといった情報が送信される場合であって、各ゲームがボーナスゲームであるか否かを遊技情報分析処理に用いようとする場合には、当該処理が必要となる。また、ボーナスゲームか否かを示す情報がゲームごとに付与されている場合であっても、ボーナスゲームではないが、実質的にボーナスゲーム状態であるといった状態を把握することができることが望ましい。
図121は、ボーナスゲーム状態検出処理の処理手順の概要を示すフローチャートである。最初にステップS111において、通常時PO(ペイアウト)の算出が行われる。ペイアウトは、以下の式1により求められる。
ペイアウト=(スロットマシン払出金額/プレーヤ投資金額)×100 ・・(式1)
この処理は、例えば、所定の期間において、プレーヤの勝ちが多い放出区間とそれ以外の通常区間を判定し、通常区間におけるPO率を通常時POとして求める処理である。処理の詳細については後で説明する。
ここで、所定の期間は、例えば、数時間、1日、1週間、1カ月といった期間であり、通常時POは、統計データとして事前に求めておくべき性質の情報である。したがって、図121のフローチャートでは、便宜上ステップS111として表記したが、通常時POの算出は、ボーナスゲーム状態検出処理が行われる前の任意のタイミングで実行されうるものである。また、この通常時POは、各スロットマシンに対して事前に求めておくことができる。
次に、ステップS112において、ボーナスゲーム状態の候補を検出する。この処理は、スロットマシン2014から送信されてきた各ゲームのデータから、ゲームごとのPOを求め、通常時POとの乖離が所定割合(又は所定値)以上であるゲームを、ボーナスゲーム状態の候補として検出する処理である。処理の詳細については後で説明する。
次に、ステップS113において、ボーナスゲーム状態の候補として検出されたゲームについて再評価を行い、ステップS114において、最終的にボーナスゲームとしての条件を満たしたゲームをボーナスゲーム状態であるとして検出する。これらの処理の詳細についても、後で説明する。
図122は、スロットマシン2014におけるゲームについて、ゲーム収支の推移を例示したグラフである。図122の縦軸は金額を表しており、単位は、例えば、香港ドル(HKD)、アメリカドル(USD)、日本円(JPY)等である。図122の横軸は、ゲームを表している。この例では、プレーヤによって第1ゲームから第30ゲームまで行われた場合に、各ゲームでのプレーヤの投入金額の累積とスロットマシンの払出額の累積がどのように推移したかが示され、さらに、プレーヤにとっての収支金額が表されている。
プレーヤの収支金額を表す線が、0より上であれば(プレーヤにとって)収支マイナスとなり、0より下であれば、(プレーヤにとって)収支プラスとなることを示す。
図122の例では、プレーヤは、第1ゲームから第30ゲームまで、毎回一定のBet金額(5HKD)を投資し、各ゲームにおいてスロットマシン2014が、抽籤によって払出額を決定し、払い出しを行う。プレーヤの収支は、第1ゲーム〜第17ゲームまでマイナスであったが、第18ゲーム〜第23ゲームまでプラスに転じ、その後再びマイナスに戻り、最終的にプレーヤの収支はマイナス20(HKD)となったことが示されている。
このことは逆に、ホール店舗にとってみると、その収支は、第1ゲーム〜第17ゲームまでプラスであったが、第18ゲーム〜第23ゲームまでマイナスに転じ、その後再びプラスに戻り、最終的に20(HKD)の利益となったことを示している。
図123は、図122のゲーム収支の推移を示したグラフを表示するために使用したデータを示す図であり、このデータは、スロットマシン2014からホール管理サーバ2013を経由して分析サーバ2012に送信された遊技情報である。
図123の遊技情報には、ゲームNO、プレーヤ投資金額、スロットマシン払出額、ゲーム終了日時、ゲーム開始日時、会員識別コード(会員ID)、およびマシン識別コード(マシンコード)が含まれている。会員IDは、スロットマシン2014に会員カードが挿入された場合に、セットされる。このように、分析サーバ2012は、特定のスロットマシン2014が各ゲームでどのような投資、および払出が行われているのかを、例えば、リアルタイムで把握することができる。
次に、図124を参照して、図121のステップS111の通常時POの算出に関する処理を詳細に説明する。図124は、分析サーバ2012の遊技情報分析部2255が、スロットマシン2014から受信した遊技情報に基づいて種々の指標を計算した結果を示している。
図124に示されているゲームNO、プレーヤ投資金額(IN)、およびスロットマシン払出額(OUT)は、図123に示したゲームNO、プレーヤ投資金額、およびスロットマシン払出額と同様に、スロットマシン2014から受信した遊技情報である。
図124に示すPO(ペイアウト)は、ゲームごとに、以下の式2により分析サーバ2012で算出される。
PO=スロットマシン払出額(OUT)/プレーヤ投資金額(IN)×100 ・・(式2)
また、図124に示すWinlossは、ゲームごとに、以下の式3により分析サーバ2012で算出される。
Winloss=プレーヤ投資金額(IN)−スロットマシン払出額(OUT) ・・(式3)
また、Winloss/Betは、上記のWinlossをBet額で除したものであり、ここでは、プレーヤ投資金額(IN)をBet額とする。
ここで、Winloss/Betの移動平均をとると、各ゲームに関して、図124の右端の列に示すような値が得られる。このWinloss/Bet移動平均は、5ゲームのWinloss/Betの移動平均をとるものである(図111の指標「区間判定」参照)。なお、この例では、移動平均の対象となる5ゲームは、前の2ゲームと後の2ゲームを含むものとしているが、前の4ゲームを含んだ移動平均とするなど、様々に設定することができる。
次に、Winloss/Bet移動平均についての閾値を−0.5とし、Winloss/Bet移動平均の値が−0.5より大きい場合、そのゲームの集合を「通常区間」とし、Winloss/Bet移動平均の値が−0.5以下の場合、そのゲームの集合を「放出区間」とする。このような処理を行うことで、プレーヤの勝ちが多い区間である放出区間と、プレーヤの勝ちが少ない通常区間とを判定することができる。
その後、通常区間におけるPOの平均値を算出する(図124の点線矩形部分のPOが計算対象となる)。上述のように、通常時POは、1日や1週間といった期間で求めることができるが、ここでは便宜上、第1ゲームから第50ゲームによって求めるものとする。この結果、通常時POは、以下の式4で求められる。
通常時PO=1900/24=79.2(小数点第2位四捨五入) ・・(式4)
次に、図125、図126を参照して、図121のステップS112のボーナスゲーム状態の候補の検出に関する処理を詳細に説明する。図125は、スロットマシン2014におけるゲームについて、ゲーム収支の推移を例示したグラフである。図125のグラフは、図122で示したものとは別のゲームであるが、表記方法は同様である(ただし、縦軸の金額についてはより大きな数値となっている)。
図125では、第18ゲームから第25ゲームにかけて(図125の点線楕円部分)、ボーナスゲームが実行され、スロットマシン払出額が急に大きな数値に変化していることがわかる。
図126は、図125のグラフに対応する遊技情報であり、さらに、分析サーバ2012によって、ゲーム単位のPOと、PO移動平均が計算されている。このPO移動平均は、3ゲームのPOの移動平均をとるものである。なお、この例では、移動平均の対象となる3ゲームは、前の1ゲームと後の1ゲームを含むものとしているが、前の2ゲームを含んだ移動平均とするなど、様々に設定することができる。
ここで、通常時POとして得られた数値である79.2を10倍して792とし、この数値をボーナスゲーム状態判定の閾値とすることができる。例えば、図126のPO移動平均で、閾値792を超えるゲームをボーナスゲーム状態の候補とすることができる。このような判定をすると、図126に示すように、ボーナスゲーム状態の候補(1)、ボーナスゲーム状態の候補(2)、およびボーナスゲーム状態の候補(3)が判定され、これらは、第8〜第10ゲーム、第17〜第26ゲーム、および第31〜第33ゲームに対応する。
ここで、図121のステップS113の候補の再評価とステップS114のボーナスゲーム状態の検出に関する処理を詳細に説明する。ボーナスゲーム状態の候補としてゲームが検出された後、そのゲームのそれぞれについて、所定の条件を満たしたものを、最終的にボーナスゲーム状態であると判定する。所定の条件は、例えば、以下の第1の条件又は第2の条件を満たす場合である。
第1の条件は、そのゲームが大当りであって、かつ、単発の大当りでないこと(例えば、数ゲーム前(又は後)にも大当りのゲームが存在すること)。
第2の条件は、そのゲームが大当りでないが、前後に複数の大当りが存在すること(例えば、数ゲーム前(又は後)に大当りのゲームが複数存在すること)。
ここで、第1の条件および第2の条件で、大当りは、スロットマシン払出額が150以上であるとし、他の大当りの存在を確認する範囲が2ゲーム前から2ゲーム後までであるとすると、第8ゲーム〜第10ゲームは、ボーナスゲーム状態でないと判定され、第17ゲーム〜第26ゲームは、ボーナスゲーム状態であると判定され、第31ゲーム〜第33ゲームは、ボーナスゲーム状態でないと判定される。
このような分析サーバ2012による一連の処理によって、遊技情報で捉えた各ゲームが、ボーナスゲーム状態であるか否かを、ゲームがボーナスゲームであることを示す直接的なデータがなくても判定することができる。また、単発の大当りについては、前後のゲームの状況に基づいて、ボーナスゲームであるか否かを判断することができる。
次に、図127のフローチャートを参照して、図121のステップS112のボーナスゲーム状態の候補の検出に関する処理手順を説明する。
最初に、ステップS121において、1つのマシンにおけるゲーム履歴データを取得する。このようなゲーム履歴データは、スロットマシン2014から送信される遊技情報に含まれる。また、ゲーム履歴データを取得する場合に、プレーヤが行う一連のゲームからなる1勝負の単位(セッション)ごとに取得するようにできる。
次に、ステップS122において、ゲーム単位にPOを算出する。その後、ゲームごとに処理を繰り返す。
ステップS123において、事前に求めた通常時POと、ステップS122で求めたPOを比較する。通常時POとPOの乖離が所定割合以上の場合(ステップS124のYES)、ステップS125において、そのゲームをボーナスゲーム状態の候補と判定する。例えば、上述のように、POが、通常時POの10倍以上であった場合に、そのゲームをボーナスゲーム状態の候補と判定することができるが、他の様々な基準を設けることができる。
通常時POとPOの乖離が所定割合以上でない場合(ステップS124のNO)や、ステップS125の後、ステップS126ですべてのゲームについて比較が終了したか否かが判定され、終了していない場合は(ステップS126のNO)、ステップS123以降の処理を繰り返す。終了している場合は(ステップS126のYES)、当該処理を終了する。
この時点で、ボーナスゲーム状態の候補と判定されたゲームには、ゲーム履歴データの当該ゲームに対応付けられたエリアに、その旨のフラグ等が付与され、遊技情報データ2282aとして分析データベース2282に記憶される。
次に、図128のフローチャートを参照して、図121のステップS113の候補の再評価とステップS114のボーナスゲーム状態の検出に関する処理手順を説明する。
最初に、ステップS131において、ボーナスゲーム状態の候補と判定されたゲームのゲーム履歴データを取得する。このようなゲーム履歴データは、上述した分析データベース2282の遊技情報データ2282aから取得される。その後、ゲームごとに処理を繰り返す。
次に、ステップS132で、当該ゲームが大当りか否かが判定される。大当りか否かは、例えば、上述のように、スロットマシン払出数が所定金額(150)以上の場合に、大当りと判定する。当該ゲームが大当りと判定された場合(ステップS132のYES)、ステップS133で、当該ゲームが単発の大当りか否かが判定される。この判定は、例えば、周辺の大当りのゲーム数(すなわち、前後の数ゲーム中に大当りが存在するかどうか)等に基づいて行われうる。
当該ゲームが単発の大当りでない場合(ステップS133のNO)、ステップS134で、当該ゲームをボーナスゲーム状態であると判定する。
ステップS132において、当該ゲームが大当りと判定されない場合(ステップS132のNO)、ステップS135で、当該ゲームの前後に大当りが存在するか否かが判定される。この判定は、例えば、周辺の大当りのゲーム数(すなわち、前後の数ゲーム中に大当りが存在するかどうか)等に基づいて行われうる。
当該ゲームの前後に大当りが存在する場合(ステップS135のYES)、ステップS134で、当該ゲームをボーナスゲーム状態であると判定する。
当該ゲームが単発の大当りである場合(ステップS133のYES)、当該ゲームの前後に大当りが存在しない場合(ステップS135のNO)、又はステップS134の後、ステップS136ですべてのゲームについて比較が終了したか否かが判定され、終了していない場合は(ステップS136のNO)、ステップS132以降の処理を繰り返す。終了している場合は(ステップS136のYES)、当該処理を終了する。
この時点で、ボーナスゲーム状態と判定されたゲームには、ゲーム履歴データの当該ゲームに対応付けられたエリアに、その旨のフラグ等が付与され、遊技情報データ2282aとして分析データベース2282に記憶される。このデータを参照することによって、それぞれのゲームがボーナスゲームであるかどうかを判断することが可能となる。また、このデータに基づいて、ボーナスゲームの出現率を計算することも可能となる。
[セッション(1勝負)の検出]
プレーヤは、通常、1台のスロットマシン2014を用いて複数の連続したゲームを行い、基本的に、その単位での勝ち負けによって心理状態が左右される。本明細書では、このような連続したゲームでの1勝負のまとまりを「セッション」と呼ぶこととする。
このようなセッションの単位での勝ち負けで、各プレーヤの心理状態が決定されるため、スロットマシン2014において連続して行われるゲームに関し、どこからどこまでは1つのセッションであるかを判定することは重要である。しかし、上述した、スロットマシン2014から分析サーバ2012に送信される遊技情報には、ゲームごとのプレーヤ投資金額やスロットマシン払出額等の情報は含まれるが、セッションの区切りや、どのゲームがどのセッションに属するといった情報はない。
そこで、スロットマシン2014に関する他の情報から、セッションの区切りを判断することができれば非常に有効である。
図129、および図130は、1台のスロットマシン2014にけるゲームの開始と終了のいくつかのパターンを示す図である。
図129(A)は、1台のスロットマシン2014において、会員によって会員カードがスロットマシン2014に挿入されることによってセッションの第1ゲームが開始され、その後、会員カードがイジェクトされることによって、セッションが終了し、直前のゲームが最終ゲームということになる。このようなパターンでは、開始ゲームと最終ゲームが明確にわかるため、セッションも明確に検出することができる。
このような場合に、会員のゲーム履歴は、会員管理サーバ12等に記憶され、さらに、1セッションの平均プレイ時間や、1セッションの平均プレイゲーム数、1セッションのなかのゲームの平均プレイ間隔等の統計情報が、分析サーバ2012で算出され、分析データベース2282の指標データ2282bとして記憶される。なお、1セッションの平均プレイ時間、1セッションの平均プレイゲーム数、1セッションのなかのゲームの平均プレイ間隔等は、ゲームや曜日等の違いに応じて異なる傾向となる可能性があり、それぞれに平均値を用意することができる。
図129(B)は、1台のスロットマシン2014において、非会員によってセッション(1)が開始され、その後、非会員によってセッション(2)が開始されるパターンである。非会員は、現金や非会員カード(ICカードやICチケット)を利用してゲームを開始し、ゲームを終了する場合も、会員のように、会員カードをイジェクトするといった、所定の行為がないため、セッションを検出することが難しいが、スロットマシン2014に配設されたPTS端末1700の人体検出カメラ1713によりフェイシャル認証が行われる場合、セッション(1)とセッション(2)が同じ非会員によって実行されているのかどうかを判定することができるため、非会員としてのセッションを高精度に検出することができる。
図129(B)において、スロットマシン2014に配設されたPTS端末1700の人体検出カメラ1713によって、着席判定が行われる場合は、セッション(1)とセッション(2)が同じ非会員によって実行されている1つのセッションかどうかを判定することは難しいため、事前に算出されている、上述の1セッションの平均プレイ時間や、1セッションの平均プレイゲーム数といった統計情報に基づいて、セッションの区切りを推定することができる。また、セッション(1)とセッション(2)の間隔、およびセッション(1)のなかのゲームの間隔、セッション(2)のなかのゲームの間隔が、事前に算出されている、1セッションのなかのゲームの平均プレイ間隔と比較され、セッション(1)とセッション(2)が1つのセッションかどうか(あるいは、他にセッションの区切りがあるかどうか)が推定される。
図129(C)は、1台のスロットマシン2014において、非会員によって非会員カードが挿入されてセッション(1)が開始された後、非会員カードがイジェクトされ、さらにその後、非会員によって非会員カードが挿入されてセッション(2)が開始された後、しばらく間隔が空いて、その後、会員によって会員カードが挿入され、セッション(3)が開始されるパターンである。
この場合、セッション(3)の開始によって、セッション(2)の終了が明らかとなり、セッション(3)が、セッション(1)およびセッション(2)とは異なるセッションであることが分かるが、セッション(1)とセッション(2)は、途中で非会員カードの抜き差しがあったものの同一のセッションである可能性がある。このような場合は、事前に算出されている、上述の1セッションの平均プレイ時間や、1セッションの平均プレイゲーム数といった統計情報に基づいて、セッションの区切りを推定することができる。また、セッション(1)とセッション(2)の間隔、およびセッション(1)のなかのゲームの間隔、セッション(2)のなかのゲームの間隔が、事前に算出されている、1セッションのなかのゲームの平均プレイ間隔と比較され、セッション(1)とセッション(2)が1つのセッションかどうか(あるいは、他にセッションの区切りがあるかどうか)が推定される。
図130(A)は、1台のスロットマシン2014において、非会員によって紙幣が挿入されてセッション(1)が開始された後、しばらく間隔が空いて、非会員によって紙幣が挿入されてセッション(2)が開始された後、また、しばらく間隔が空いて、その後、非会員によって紙幣が挿入され、セッション(3)が開始されるパターンである。
この場合、セッション(1)、セッション(2)、およびセッション(3)は、1つのセッションなのか別個のセッションなのか判定ができない。そこで、事前に算出されている、上述の1セッションの平均プレイ時間や、1セッションの平均プレイゲーム数といった統計情報に基づいて、セッションの区切りを推定することができる。また、セッション(1)、セッション(2)、およびセッション(3)のそれぞれの間隔、およびセッション(1)のなかのゲームの間隔、セッション(2)のなかのゲームの間隔、セッション(3)のなかのゲーム間隔が、事前に算出されている、1セッションのなかのゲームの平均プレイ間隔と比較され、セッション(1)、セッション(2)およびセッション(3)が1つのセッションかどうか(あるいは、他にセッションの区切りがあるかどうか)が推定される。
図130(B)は、1台のスロットマシン2014において、非会員によって紙幣が挿入されてセッション(1)が開始された後、キャッシュアウトが行われ(例えば、図4に示すスロットマシン1010のCASHOUTボタン1038が押下され)、その後、非会員によって紙幣が挿入されてセッション(2)が開始された後、しばらく間隔が空いて、その後、非会員によって紙幣が挿入され、セッション(3)が開始されるパターンである。
この場合、セッション(1)については、キャッシュアウトがされているため、基本的には、1つの独立したセッションの終わりとして判断される。また、セッション(2)、およびセッション(3)は、1つのセッションである可能性があるため、事前に算出されている、上述の1セッションの平均プレイ時間や、1セッションの平均プレイゲーム数といった統計情報に基づいて、セッションの区切りを推定することができる。また、セッション(2)とセッション(3)の間隔、およびセッション(2)のなかのゲームの間隔、セッション(3)のなかのゲームの間隔が、事前に算出されている、1セッションのなかのゲームの平均プレイ間隔と比較され、セッション(2)とセッション(3)が1つのセッションかどうか(あるいは、他にセッションの区切りがあるかどうか)が推定される。
このように、セッションの判定は、会員、非会員のそれぞれについて様々な方法によって行われるが、上述の方法は一例に過ぎない。また、本発明の遊技情報分析システム2001では、会員のセッションについては、会員IDと結びつけられて、どの会員がどのセッションを実行したかが特定されるが、非会員のセッションについては、セッションを実行した非会員を特定することはできない。しかしながら、多くのこのような「匿名」ともいえる非会員の個々のセッションに関する情報を集計することにより、その非会員のセッションにおけるプレイ時間、ゲーム数、1ゲーム当りのBet金額といった、プレーヤ特性に準ずる指標に基づいて分類することができ、そのように分類されたセッションのプレーヤが、どのような心理状態であるかといった傾向等を把握することができる。例えば、非会員のうち、1セッションでのゲーム数の多いグループについて、顧客満足度スコアがどのように分布するかを分析することができる。
[ゲーム特性のローソクチャート表現]
次に、図131〜図137を参照して、スロットマシン2014におけるゲーム特性のローソクチャート表現について説明する。
図131は、ゲーム収支の推移を示すデータであり、ゲームNO、プレーヤ投資金額、およびスロットマシン払出額は、図122のゲーム収支の推移を示したグラフを表示するために使用した図123に示すデータと同様のものであり、このデータは、スロットマシン2014からホール管理サーバ2013を経由して分析サーバ2012に送信された遊技情報である。
図131には、ゲームNO、プレーヤ投資金額、およびスロットマシン払出額のほか、プレーヤ投資金額、およびプレーヤ収支金額が表されており、これらのデータが、図122のグラフのプレーヤ投資金額(累積)、およびプレーヤ収支金額として表されている。
また、図131に示された第1ゲームから第33ゲームは、上述したセッションの検出によって1つのセッションとして判定されたものであり、この例では、プレーヤは、第1ゲームから第33ゲームを行い、収支は−35(単位は、例えばHKD)で勝負を終えたことになる。図131に示すように、このセッションにおけるプレーヤの収支に関しては、開始時の収支が0で、終了時の収支が−35、最小収支は−40、最大収支は15であることが分かる。
図132は、図131とは別のセッションについて、プレーヤのゲーム収支を示したものである。セッションは第1ゲーム〜第200ゲームであり、プレーヤの収支に関しては、セッション開始時の収支が0で、セッション終了時の収支が−1400、最小収支は−1900、最大収支は600である。
ここで、こうしたプレーヤの当該セッションにおける収支経緯が、図132の右側に、ローソクチャートして表してある。ローソクチャートは、株価の変動(四本足)を端的に表すチャートとして知られるもので、始値より終値の方が高いものが陽線であり、実体の下端には始値が対応付けられ、実体の上端には終値が対応付けられ、上ヒゲの上端には高値が対応付けられ、下ヒゲの下端には安値が対応付けられる。陽線の実体は白抜きの矩形で表される。一方、始値より終値の方が低いものが陰線であり、実体の下端には終値が対応付けられ、実体の上端には始値が対応付けられ、上ヒゲの上端には高値が対応付けられ、下ヒゲの下端には安値が対応付けられる。陰線の実体は黒塗りの矩形で表される。
また、ローソクチャートには、どのような期間で四本足を捉えるかによって、日足、週足、月足、年足などの種類がある。日足は、1日のなかでの始値、高値、安値、終値をローソクチャートに表すもので、週足は、1週間のなかでの始値、高値、安値、終値をローソクチャートに表すもので、月足は、1月のなかでの始値、高値、安値、終値をローソクチャートに表すもので、年足は、1年のなかでの始値、高値、安値、終値をローソクチャートに表すものである。
図132の右側のローソクチャートの説明に戻ると、このローソクチャートは、陽線であり、セッションの開始からセッションの終わりまで、プレーヤの最終的な収支がマイナスになったことを示している。実体の下端には、セッションの開始時の収支(0)が対応付けられ、実体の上端には、セッション終了時の収支(−1400)が対応付けられ、下ヒゲの下端には、最大収支の600が対応付けられ、上ヒゲの上端には、最小収支の−1900が対応付けられている。
図132に示されたローソクチャートにおいて、実体の長さ、下ヒゲの長さ、上ヒゲの長さは、上述のセッションにおける収支の額に対応している。また、このようにしてローソクチャートを表すことにより、下ヒゲは、勝ち金額を投資していることを表し、下ヒゲの長さは、その投資の額を表している。一方、上ヒゲは、負け金額を取り戻していることを表し、上ヒゲの長さは、その取り戻した額を表している。
図133は、図132に示したプレーヤの収支を、さらに50ゲームずつに細分化してローソクチャートに表した図である。図132では、セッション全体の収支経緯が1つのローソクチャートに表されたものであったが、図133では、このセッションを4つのゲーム区間に分割して、その区間でそれぞれローソクチャートに表現している。このようにすることで、セッションにおける収支経緯(ゲームの勝負の変動)をより詳細に表すことができる。
図133の下段には、第1ゲーム〜第50ゲームの収支経緯に対応するローソクチャートが示されている。このローソクチャートは陰線となる。四本足(セッションの開始時の収支、最大収支、最小収支、セッションの終了時の収支)は、それぞれ(0、600、0、450)である。また、図133の下段には、第51ゲーム〜第100ゲームの収支経緯に対応するローソクチャートが示されている。このローソクチャートは陽線となる。四本足(セッションの開始時の収支、最大収支、最小収支、セッションの終了時の収支)は、それぞれ(450、450、−1900、−1900)である。
さらに、図133の下段には、第101ゲーム〜第150ゲームの収支経緯に対応するローソクチャートが示されている。このローソクチャートは陰線となる。四本足(セッションの開始時の収支、最大収支、最小収支、セッションの終了時の収支)は、それぞれ(−1900、−500、−1900、−700)である。また、図133の下段には、第151ゲーム〜第200ゲームの収支経緯に対応するローソクチャートが示されている。このローソクチャートは陽線となる。四本足(セッションの開始時の収支、最大収支、最小収支、セッションの終了時の収支)は、それぞれ(−700、−600、−1400、−1400)である。
図134は、各プレーヤに関するローソクチャートの表現を例示した図である。この例では、各ローソクチャートが、プレーヤ投資金額に関連付けて(出来高ベースで)表示されているため、プレーヤ投資金額といった掛け金も容易に把握することができる。
例えば、プレーヤ1のローソクチャートは、陰線であり、四本足(セッションの開始時の出来高、最大出来高、最小出来高、セッションの終了時の出来高)は、それぞれ(420、110、550、260)である。このローソクチャートは、プレーヤがセッションの最初に420の投資を行い、途中で、550まで投資額が増加する局面と、110まで投資額が減少する局面を経て、最終的に、260が手元に残ったことを表している。
プレーヤ2のローソクチャートは、陽線であり、四本足(セッションの開始時の出来高、最大出来高、最小出来高、セッションの終了時の出来高)は、それぞれ(260、110、550、370)である。このローソクチャートは、プレーヤがセッションの最初に260の投資を行い、途中で、550まで投資額が増加する局面と、110まで投資額が減少する局面を経て、最終的に、370が手元に残ったことを表している。
プレーヤ3のローソクチャートは、陽線であり、四本足(セッションの開始時の出来高、最大出来高、最小出来高、セッションの終了時の出来高)は、それぞれ(370、110、550、495)である。このローソクチャートは、プレーヤがセッションの最初に370の投資を行い、途中で、550まで投資額が増加する局面と、110まで投資額が減少する局面を経て、最終的に、495が手元に残ったことを表している。
プレーヤ4のローソクチャートは、陰線であり、四本足(セッションの開始時の出来高、最大出来高、最小出来高、セッションの終了時の出来高)は、それぞれ(495、110、550、330)である。このローソクチャートは、プレーヤがセッションの最初に495の投資を行い、途中で、550まで投資額が増加する局面と、110まで投資額が減少する局面を経て、最終的に、330が手元に残ったことを表している。
プレーヤ5のローソクチャートは、陰線であり、四本足(セッションの開始時の出来高、最大出来高、最小出来高、セッションの終了時の出来高)は、それぞれ(330、60、370、160)である。このローソクチャートは、プレーヤがセッションの最初に330の投資を行い、途中で、370まで投資額が増加する局面と、60まで投資額が減少する局面を経て、最終的に、160が手元に残ったことを表している。
[ローソクチャートによるプレーヤ心理状態の推定]
上述したようなローソクチャートは、その個別の形状、又は複数の形状の並び(組み合わせ)によって、プレーヤの心理状態を推定することができる。このようなローソクチャートの表現により、1勝負(1セッション)あたりの結果を単純に勝ち金/負け金で表現するのではなく、プレーヤのゲーム収支がどのような経過をたどり、最終的な勝敗に至ったのかを推定し、プレーヤの心理状態をスコア化する。
これによって、一方的に勝った場合、一方的に負けた場合、勝っていたが最終的に負けた場合、負けていたが最終的に勝った場合、勝ち負けがあったが最終的にイーブンであった場合等に、1セッションあたりのゲーム結果を分類し、より詳細なプレーヤの心理状態を把握することができる。
図135は、ローソクチャート(陰線)についての代表的なパターンと、そのようなパターンを判定するためのパターン認識の基準について説明した図である。
図135に示す「陰線坊主」は、ゲーム推移としては、比較的単調な経緯で最終的に負けるパターンである。ローソクチャートは、所定の長さ(L)以上の実体を有する形状となる。また、実体の長さに対して所定の割合の短い長さ(L1)以下の上下のヒゲがある場合もこのパターンに含まれる。
「陰線カラカサ」は、ゲーム推移としては、途中で負けた後に取り戻すが、最初の状態までは戻らないといった負けパターンである。ローソクチャートは、所定の長さ(L)以下の実体を有する形状となる。また、実体の長さに対して所定の割合の長さ(L2)以上の下ヒゲがある。
「陰線トンカチ」は、ゲーム推移としては、途中で勝った後に負けて最終的に最初の状態より負けるといった負けパターンである。ローソクチャートは、所定の長さ(L)以下の実体を有する形状となる。また、実体の長さに対して所定の割合の長さ(L2)以上の上ヒゲがある。
「陰線十字」は、ゲーム推移としては、途中の勝ち負けを経て、最終的に最初の状態より少し負けるといった負けパターンである。ローソクチャートは、極めて短い所定の長さ(L3)以下の実体を有する形状となる。また、所定の長さ(L4)以上の上下のヒゲがある。
図136は、ローソクチャート(陽線)についての代表的なパターンと、そのようなパターンを判定するためのパターン認識の基準について説明した図である。
図136に示す「陽線坊主」は、ゲーム推移としては、比較的単調な経緯で最終的に勝つパターンである。ローソクチャートは、所定の長さ(L)以上の実体を有する形状となる。また、実体の長さに対して所定の割合の短い長さ(L1)以下の上下のヒゲがある場合もこのパターンに含まれる。
「陽線カラカサ」は、ゲーム推移としては、途中で負けた後に取り戻し、最初の状態よりも勝つといった勝ちパターンである。ローソクチャートは、所定の長さ(L)以下の実体を有する形状となる。また、実体の長さに対して所定の割合の長さ(L2)以上の下ヒゲがある。
「陽線トンカチ」は、ゲーム推移としては、途中で勝った後に負けて最終的に最初の状態より勝った状態となる勝ちパターンである。ローソクチャートは、所定の長さ(L)以下の実体を有する形状となる。また、実体の長さに対して所定の割合の長さ(L2)以上の上ヒゲがある。
「陽線十字」は、ゲーム推移としては、途中の勝ち負けを経て、最終的に最初の状態より少し勝つといった勝ちパターンである。ローソクチャートは、極めて短い所定の長さ(L3)以下の実体を有する形状となる。また、所定の長さ(L4)以上の上下のヒゲがある。
また、図136には、「十字クロス」のパターンと、そのパターンを判定するための基準についての説明がある。「十字クロス」は、途中の勝ち負けを経て、最終的に最初の状態に戻るという、イーブンのパターンである。ローソクチャートは、実体の長さがほぼゼロであり、所定の長さ(L5)以上の上下のヒゲがある。
図135、および図136を参照して、ローソクチャートについての代表的なパターンと、そのようなパターンを判定するための基準について説明したが、これらは例示に過ぎず、他の様々なパターンを設定することができ、それに応じて、それらのパターンを判定するための基準を様々に設定することができる。また、ここで説明したローソクチャートのパターンの例は、株価分析に準じた形状を挙げているが、ゲーム特性の分析を行う者として独自の形状を設定することもできる。
以上、説明したように、ローソクチャートは、基本的にプレーヤが1勝負を行う(すなわち、セッションの)間でのゲーム経過の変動を表現するものであるが、例えば、プレーヤごと、マシンごと、マシンが配置される島ごと、時間帯ごと等、さまざまな単位でまとめてローソクチャートに表現することもできる。
[ローソクチャートによるプレーヤの心理状態の推定に基づいた顧客満足度の算出]
上述のように、セッションにおけるゲーム収支の推移に応じて、ローソクチャートを作成することができ、そのローソクチャートのパターンや形状等に応じたスコアを算出して、プレーヤの心理状態をスコア化することができる。
図137は、ローソクチャートに基づいてプレーヤの心理状態のスコア化する、ローソクチャート関連心理スコア算出処理の手順を表すフローチャートである。このような処理は、分析サーバ2012の遊技情報分析部2255によって行われる。
最初に、ステップS141において、分析対象の期間における分析対象のプレーヤについて、1セッションにおけるゲーム履歴データを取得する。次に、ステップS142において、Bet額(プレーヤ投資金額)とスロットマシン払出額から、ゲームごとのプレーヤの収支金額を時系列に算出する。
ステップS143において、ステップS142で算出されたプレーヤの収支金額の推移に基づいて、当該セッションのゲーム履歴をローソクチャートで表現し、そのローソクチャートがどのパターンに該当するかを決定し、そのパターンを割り当てる。ここで、ローソクチャートは、セッションを構成する複数のゲームの単位に細分化されて表現されることもできる(すなわち、1セッションが複数のローソクチャートで表現される)。この場合、複数のローソクチャートの並びや組み合わせが所定のパターンに該当するかを決定し、そのパターンに割り当てることもできる。
ステップS144において、ローソクチャートの割当状況(割当比率)に基づいて、当該セッションの勝敗パターン心理スコアを算出する(図109参照)。
次に、ステップS145において、当該セッションの形状心理スコアを、割り当てられたローソクチャートの形状に基づいて算出する。また、形状心理スコアは、標準偏差等に基づいて、低、中、高の3段階に分類することができる(図107参照)。さらに、ステップS146において、当該セッションのヒゲ心理スコアを、割り当てられたローソクチャートのヒゲの長さに基づいて算出する。また、ヒゲ心理スコアは、標準偏差等に基づいて、低、中、高の3段階に分類することができる(図107参照)。
次に、ステップS147において、ステップS144〜ステップS146で算出された各心理スコアをローソクチャート関連心理スコアに加算する。
ステップS148において、当該プレーヤの他のセッションがある場合(ステップS148のYES)、他のセッションに対して、ステップS141以降の処理を繰り返す。当該プレーヤの他のセッションがない場合(ステップS148のNO)、処理を終了する。
図138は、図137で示したフローチャートで算出されたローソクチャート関連心理スコアに基づいて、プレーヤごとの顧客満足度スコアが算出され、さらに、それらが統合されて、顧客満足度スコア(全体)が求められる処理の概要を示す図である。
プレーヤごとの顧客満足度スコアは、そのプレーヤの「心理度」と、「満足度」を所定の方法によって合成することにより算出される。プレーヤの心理度は、図137で示したフローチャートで算出されたローソクチャート関連心理スコア、収支心理スコア、およびボリューム心理スコアに基づいて算出される。
収支心理スコアは、プレーヤのインカム値をセッションごとにまとめたもので、標準偏差等に基づいて、低、中、高の3段階に分類することができる(図107参照)。また、ボリューム心理スコアは、セッションごとのゲーム数をまとめたものであり、標準偏差等に基づいて、低、中、高の3段階に分類することができる(図107参照)。
プレーヤの満足度は、勝ちセッション期待値等に基づいて算出される。勝ちセッション期待値は、1カ月の勝ちセッションの平均金額であり、標準偏差等に基づいて、低、中、高の3段階に分類することができる(図107参照)。
このようにして求められたプレーヤごとの顧客満足度スコアは、全プレーヤ又は所定のプレーヤ(例えば、会員)の範囲でまとめられ、顧客全体としての顧客満足度スコアが生成される。
プレーヤごとに求められた顧客満足度スコアは、会員のものについては会員IDに対応付けられ管理される。このような本発明の仕組みにより、プレーヤの心理状態まで含めた会員管理が可能となり、単純な勝ち金/負け金で会員のカテゴライズを行うのではなく、どのような心理状態でゲームを楽しめたかをスコア化して管理できる。
また、会員の来店頻度とその心理状態(例えば、顧客満足度スコア)をともに把握し、早い段階で疎遠会員の候補を推定することができる。またさらに、勝ち金は少なくても楽しめた(顧客満足度が高い)会員を把握し、それらの会員を様々な側面からより詳細に分類を行うこともできる。
また、顧客満足度スコアをマシンごとに集計することによって、マシンの特性、タイプを把握することができる。これまで、マシンについてはカタログで示される情報しかなかったが、実際にプレーヤが実行するゲームの結果、プレーヤに与えた心理的影響を加味して個々のマシンを評価することができる。
[短期でのPO乖離に基づいたゴト分析]
従来の遊技情報分析システムでは、ゴト行為をリアルタイムに検出することは困難であった。しかし、本発明に係る遊技情報分析システム2001では、上述のように、「ボーナスゲーム状態の検出」、および「セッション(1勝負)の検出」が可能となり、また、「ゲーム特性のローソクチャートによる表現」が行われることにより、これらの新たな機能を用いた、より精度が高く、誤検出の少ない効果的なゴト検出が可能となった。
本発明に係る遊技情報分析システム2001では、分析サーバ2012の遊技情報分析部2255によってゴト分析が行われ、ゴト行為を検出したり、ゴト行為の可能性を検出したりした場合は、クライアント端末2011のディスプレイにアラート表示を行う等のアラート処理を行うことができる。
例えば、「ボーナスゲーム状態の検出」に関して、本発明に係る遊技情報分析システム2001では、事前に所定期間に亘る通常時POを算出し、通常区間の平均的なふるまいを把握するようにし、通常時POとの乖離が所定程度以上であった場合に、当該ゲームがボーナスゲーム状態であると判定している。上述した例では、通常時POが79.2と算出された場合(図124参照)、ゲームのPO(前後1ゲームを含んだ3ゲームの移動平均)が、792以上となるゲームをボーナスゲームとして検出した(図126参照)。
そこで、ゴト分析のために、ここでは、通常時POが79.2であると仮定した場合に、例えば、ゲームのPO(前後1ゲームを含んだ3ゲームの移動平均)が、792(79.2の10倍)〜38600(79.2の500倍)までをボーナスゲームとして検出し、それ以上のPOの値である場合に、ゴト行為が行われている(あるいは、ゴト行為が行われている可能性がある)として、アラート処理を行うことができる。
また、「セッション(1勝負)の検出」に関して、本発明に係る遊技情報分析システム2001では、会員カードの挿入やイジェクト等に基づいて、セッションの区切りを検出するとともに、過去に行われた、こうした会員カードの挿入/イジェクトによって得られた1セッションの平均プレイ時間や、1セッションの平均プレイゲーム数といった統計情報等から、高精度にセッションの区切りを推定することができる。
そこで、ゴト分析のために、ここでは、検出又は推定された1セッションにおいて、ゲーム数、プレイ時間、PO、Winloss、Bet、Winloss/Bet、その他の遊技情報に関する値が、過去のセッションの同値に関して得られている平均値等と比べて著しく乖離している場合に、ゴト行為が行われている(あるいは、ゴト行為が行われている可能性がある)として、アラート処理を行うことができる。
例えば、上述した図89に示す、メニュー画面2500の専門分析表示部2560によって表示されるゴト分析の表示を指示した場合に表示されるレポート(ゴトサマリー)では、セッション単位にゴト行為の可能性があるものをリストする「要注意セッションリスト」が提供されている。この要注意セッションリストは、セッションの単位で算出されたWinlossの値が異常値を示すものを、Winlossの値が小さい順にリスト表示している。
また、「ゲーム特性のローソクチャートによる表現」に関して、本発明に係る遊技情報分析システム2001では、1セッションにおけるゲーム経過に応じて、ローソクチャートを生成し、そのローソクチャートの形状が、どのパターンに当てはまるかによって、プレーヤの心理状態をスコア化することができる。
そこで、ゴト分析のために、ここでは、1セッションにおけるゲーム経過に応じて生成されたローソクチャートが、事前に用意されたどのパターンにも当てはまらなかったり、ローソクチャートのうち、実体やヒゲが異常な形状となったりする場合に、ゴト行為が行われている(あるいは、ゴト行為が行われている可能性がある)として、アラート処理を行うことができる。
なお、上述したゴト分析のための方法や条件は一例に過ぎず、本発明に係る遊技情報分析システム2001の「ボーナスゲーム状態の検出」、「セッション(1勝負)の検出」、および「ゲーム特性のローソクチャートによる表現」の各機能を応用して、様々な方法でゴト分析を行うことができる。
[顧客心理を考慮した遊技情報分析システム]
ホール店舗の運営においては、顧客であるプレーヤから投資金額を収入として受け取る一方、スロットマシンによる払出額が支出として必要となるため、他の業種とは異なり、運営側の利益追求のみでは、遊技情報分析システムとして不十分である。
そこで、本発明に係る遊技情報分析システム2001では、ホール店舗から得られる運営データ(例えば、マシン稼働状況データを含む遊技情報)に、顧客の心理状態を結びつけて分析可能とすることで、顧客満足度をスコア化する。またさらに、ホール店舗満足度スコアも算出し、顧客満足度とホール店舗満足度を対比させることによって、両者のバランスを表示し、ホール店舗のオーナー等に対して、運営バランスの診断を容易に行えるようにした。
顧客満足度とホール店舗満足度を対比させて満足度バランスを表示するレポートとして、例えば、図84に示す満足度バランス推移(月次)がある。ここでは、図84の満足度バランス推移(月次)のグラフと類似するグラフについて、図139、および図140を参照して詳細に説明する。これらのグラフも、クライアント端末2011のディスプレイに表示されたメニュー画面2500からユーザが指示を行うことにより、分析サーバ2012による分析処理が行われ、クライアント端末2011のディスプレイ等に出力される。
図139は、図84と同様に、横軸にホール店舗満足度スコア、縦軸に顧客満足度スコアを表すグラフ2600であり、ホール店舗と顧客の満足度スコアを合成した満足度ランクを表すグラフとなっている。ホール店舗満足度スコアと顧客満足度スコアにしたがって、点をプロットすると、その点から原点までの距離(半径サイズ)が、全体の満足度(満足度ランク)となる。
ここで、ホール店舗満足度スコアは、例えば、Winloss/日/マシンを、全てのマシンについて月次にまとめたものである。もちろん、ホール店舗満足度スコアとして、他の指標を加味することもできる。また、顧客満足度スコアは、例えば、図138に示すように、各プレーヤの心理度と満足度から得られた顧客満足度スコアをすべてのプレーヤ(又はすべての会員)について統合し、月次でまとめた顧客満足度スコアである。上述のホール店舗満足度スコア、および顧客満足度スコアは最小値=0、最大値100になるよう標準化されたスコアである。また、標準偏差を用いて、3つのレベル(Low、Normal、High)に分類することもできる(図106参照)。
例えば、満足度ランクは、半径サイズの閾値に応じて、以下のように5段階に評価される(図106参照)。
・(1)0≦非常に不満<30×(2)1/2
・(2)30×(2)1/2≦不満<40×(2)1/2
・(3)40×(2)1/2≦普通<60×(2)1/2
・(4)60×(2)1/2≦満足<70×(2)1/2
・(5)70×(2)1/2≦非常に満足≦100×(2)1/2
図139では、(1)の満足度ランク「非常に不満」に対応するエリアは、横軸のホール店舗満足度スコア=30、かつ縦軸の顧客満足度スコア=30の点(30、30)と原点(0、0)との距離(半径サイズ=30×(2)1/2)を半径として、原点から扇型に形成されるエリア(すなわち、円弧2601の内側)である。
また、(2)の満足度ランク「不満」に対応するエリアは、横軸のホール店舗満足度スコア=40、かつ縦軸の顧客満足度スコア=40の点(40、40)と原点(0、0)との距離(半径サイズ=40×(2)1/2)を半径として、原点から扇型((1)の満足度ランク「非常に不満」に対応するエリアを除く)に形成されるエリア(すなわち、円弧2602の内側で円弧2601の外側)である。
また、(3)の満足度ランク「普通」に対応するエリアは、横軸のホール店舗満足度スコア=60、かつ縦軸の顧客満足度スコア=60の点(60、60)と原点(0、0)との距離(半径サイズ=60×(2)1/2)を半径として、原点から扇型((1)の満足度ランク「非常に不満」に対応するエリアと(2)の満足度ランク「不満」に対応するエリアを除く)に形成されるエリア(すなわち、円弧2603の内側で円弧2602の外側)である。
さらに、(4)の満足度ランク「満足」に対応するエリアは、横軸のホール店舗満足度スコア=70、かつ縦軸の顧客満足度スコア=70の点(70、70)と原点(0、0)との距離(半径サイズ=70×(2)1/2)を半径として、原点から扇型((1)の満足度ランク「非常に不満」に対応するエリア、(2)の満足度ランク「不満」に対応するエリア、および(3)の満足度ランク「普通」に対応するエリアを除く)に形成されるエリア(すなわち、円弧2604の内側で円弧2603の外側)である。
またさらに、(5)の満足度ランク「非常に満足」に対応するエリアは、横軸のホール店舗満足度スコア=100、かつ縦軸の顧客満足度スコア=100の点(100、100)と原点(0、0)との距離(半径サイズ=100×(2)1/2)を半径として、原点から扇型((1)の満足度ランク「非常に不満」に対応するエリア、(2)の満足度ランク「不満」に対応するエリア、(3)の満足度ランク「普通」に対応するエリア、および(4)の満足度ランク「満足」に対応するエリアを除く)に形成されるエリア(すなわち、横軸のホール店舗満足度スコア=100、縦軸の顧客満足度スコア=100で形成される矩形2605の内側で円弧2604の外側)である。
図139の例では、満足度ランクに対応するエリアは、それぞれ均等な半径サイズでは構成されておらず、対応するエリアの面積も均等となっていない。このように、満足度ランクを任意の判定方法により評価することができる。
ここで、図139のグラフ2600に、ホール店舗満足度スコア=70、顧客満足度スコア=30の点(70、30)である点2611をプロットすると、この点2611は、(3)の満足度ランク「普通」に対応するエリアに配置され、満足度ランク=「普通」と評価される。
また、ホール店舗満足度スコア=60、顧客満足度スコア=70の点(60、70)である点2612をプロットすると、この点2612は、(4)の満足度ランク「満足」に対応するエリアに配置され、満足度ランク=「満足」と評価される。
さらに、ホール店舗満足度スコア=10、顧客満足度スコア=30の点(10、30)である点2613をプロットすると、この点2613は、(1)の満足度ランク「非常に不満」に対応するエリアに配置され、満足度ランク=「非常に不満」と評価される。
図139の例では、上述のように、ホール店舗満足度スコアと顧客満足度スコアに応じて3つの点(点2611、点2612、点2613)をグラフ2600にプロットしたが、このようなそれぞれの点を、月次のホール店舗満足度スコアと顧客満足度スコアに応じた点としてグラフ上に同時に表せば、満足度ランクに関する月次の推移を容易に把握することができる。
図140は、図139と同じ構成のグラフ2620であるが、図139のグラフ2600とは視点が異なり、ホール店舗と顧客の間の満足度バランスを表すグラフとなっている。ホール店舗満足度スコアと顧客満足度スコアにしたがって、点をプロットすると、その点が、グラフ2620の縦軸と横軸の間で、どの角度の位置に属するかで、ホール店舗と顧客の間の満足度バランスが判定される。
例えば、満足度バランスは、グラフ2620において、グラフの横軸から縦軸に向かう角度の閾値に応じて、以下のように5段階に評価される(図106参照)。
・(1)0≦ホール店舗の満足度がより強い(店舗より強い)<15
・(2)15≦ホール店舗の方が強い(店舗より)<45
・(3)45≦普通<55
・(4)55≦顧客の方が強い(顧客より)<75
・(5)75≦顧客の満足度がより強い(顧客より強い)≦90
図140では、(1)の満足度バランス「ホール店舗の満足度がより強い」に対応するエリアは、グラフ2620の横軸と、横軸に対して15度の角度で配置される線2624の間のエリアである。
また、(2)の満足度バランス「ホール店舗の方が強い」に対応するエリアは、上述の線2624と、横軸に対して45度の角度で配置される線2623の間のエリアである。
また、(3)の満足度バランス「普通」に対応するエリアは、上述の線2623と、横軸に対して55度の角度で配置される線2622の間のエリアである。
さらに、(4)の満足度バランス「顧客の方が強い」に対応するエリアは、上述の線2622と、横軸に対して75度の角度で配置される線2621の間のエリアである。
またさらに、(5)の満足度バランス「顧客の満足度がより強い」に対応するエリアは、上述の線2621と、縦軸の間のエリアである。
図140の例では、満足度バランスに対応するエリアは、それぞれ均等な角度のエリアとして構成されておらず、対応するエリアの面積も均等となっていない。例えば、上述の(3)の満足度バランス「普通」に対応するエリアには、相対的に顧客満足度スコアの方がホール店舗満足度スコアより高いエリアが設定されている。このように、満足度バランスを任意の判定方法により評価することができる。
ここで、図140のグラフ2620に、ホール店舗満足度スコア=70、顧客満足度スコア=30の点(70、30)である点2631(図139の点2611と同じ位置の点)をプロットすると、この点2631は、(2)の満足度バランス「ホール店舗の方が強い」に対応するエリアに配置され、満足度バランス=「ホール店舗の方が強い」と評価される。
また、ホール店舗満足度スコア=60、顧客満足度スコア=70の点(60、70)である点2632(図139の点2612と同じ位置の点)をプロットすると、この点2632は、(3)の満足度バランス「普通」に対応するエリアに配置され、満足度バランス=「普通」と評価される。
さらに、ホール店舗満足度スコア=10、顧客満足度スコア=30の点(10、30)である点2633(図139の点2613と同じ位置の点)をプロットすると、この点2633は、(4)の満足度バランス「顧客の方が強い」に対応するエリアに配置され、満足度バランス=「顧客の方が強い」と評価される。
図140の例では、上述のように、ホール店舗満足度スコアと顧客満足度スコアに応じて3つの点(点2631、点2632、点2633)をグラフ2620にプロットしたが、このようなそれぞれの点を、月次のホール店舗満足度スコアと顧客満足度スコアに応じた点としてグラフ上に同時に表せば、満足度バランスに関する月次の推移を容易に把握することができる。
また、図139のグラフ2600と、図140のグラフ2620を合わせてそれぞれの点を、満足度ランク、および満足度バランスの点から総合的に評価することもできる。例えば、図140の点2631(図139の点2611)は、満足度ランク=「普通」で、満足度バランス=「ホール店舗の方が強い」と評価される。図140の点2632(図139の点2612)は、満足度ランク=「満足」で、満足度バランス=「普通」と評価される。図140の点2633(図139の点2613)は、満足度ランク=「非常に不満」で、満足度バランス=「顧客の方が強い」と評価される。
[既存のゲームシステムとの接続を可能とした遊技情報分析システム]
本発明の一実施形態に係る遊技情報分析システム2001は、上述のようにゲームシステムに接続して、当該ゲームシステムから、マシン稼働データなどの情報(例えば、各ゲームにおけるIN/OUTの情報等)からなる遊技情報を取得し、当該遊技情報から、顧客であるプレーヤの金額収支(単純な勝ち負け)だけでなく、プレーヤの遊技における心理状態を判定するような遊技分析を行う。
遊技情報分析システム2001に接続されるゲームシステムは、遊技情報分析システム2001とは独立して設計・開発される場合がある。例えば、他社が製造した既存のゲームシステムにおける遊技情報を新規に遊技情報分析システム2001で受信して分析を行うような場合である。
遊技情報分析システム2001の分析サーバ2012は、こうした既存のゲームシステムですでに稼働しているホール管理サーバ2013やスロットマシン2014から、遊技情報を受信することになるが、その場合、分析サーバ2012は、ゲームシステムのホール管理サーバ2013から送信されるデータのプロトコルとフォーマットを把握し、これに対応して受信を行うように構成することができる。
本発明の遊技情報分析システム2001は、上述のように、ボーナスゲームを特定するための情報なしに、プレーヤの投資金額とスロットマシン2014の払出額に基づいて、ボーナスゲーム状態のゲームを検出し、さらに、セッションの検出や、ゲーム特性のローソクチャートでの表現等を実現することができるため、接続された既存のゲームシステムからも、基本的にIN/OUTに関する遊技情報で遊技情報の効果的な分析を行うことができる。また、既存のゲームシステムによって蓄積された過去の遊技情報(例えば、マシン稼働データ)を用いて、同様の遊技情報の分析を行うことができる。
既存のゲームシステムによって蓄積された過去の遊技情報を用いて、プレーヤの心理状態を含むプレーヤ特性、マシン特性などを分析できることによって、例えば、当該既存のゲームシステムに、途中から本発明の遊技情報分析システム2001を導入した場合であっても、しばらくの間、スロットマシンから遊技情報を取得して分析を行うことなく、(過去の蓄積データによって)すぐに、現時点のプレーヤ特性やマシン特性を把握することができ、本発明の遊技情報分析システム2001を使用し始めた瞬間から、有効な分析レポートの出力等が可能となる。
[ローソクチャートを用いたマシンの分析・分類]
本発明の一実施形態に係る遊技情報分析システム2001は、上述のようにゲームシステムに接続して、当該ゲームシステムから、マシン稼働データなどの情報(例えば、各ゲームにおけるIN/OUTの情報)からなる遊技情報を取得し、当該遊技情報から、顧客であるプレーヤの金額収支(単純な勝ち負け)だけでなく、プレーヤの遊技における心理状態を判定するような遊技分析を行う。
この結果、遊技情報分析システム2001では、マシンごとの、各ゲームに関するIN/OUTの情報から、「ボーナスゲーム状態の検出」、「セッション(1勝負)の検出」、および「ゲーム特性のローソクチャートによる表現」の各機能を提供することができる。そして、このような機能を利用して、マシン(スロットマシン)を分類することにより、現行の稼働率や売り上げ、カタログスペックなどからは判別が困難なマシン分析を可能とする。
マシンごとによるセッションの分析から、上述した「セッション(1勝負)の検出」と「ゲーム特性のローソクチャートによる表現」によって、ローソクチャート関連心理スコアが算出され、顧客満足度スコアが求められる(図138参照)。ここでは、この顧客満足度スコアは、月次でマシンごとに求められるものである。一方、ホール店舗満足度スコアは、例えば、Winloss/日/マシンを、マシンごとに月次にまとめたものである。
ここで、図140と同様に、横軸にホール店舗満足度スコア、縦軸に顧客満足度スコアを表すグラフを表示させ、各マシンにおいて、ホール店舗と顧客の満足度バランスがどのように分布しているのかを把握することができる。このグラフでは、1台のマシンに対応する点がそれぞれプロットされ、マシンごとの満足度バランスの状態が示され、そのバランスの状態に応じて、マシンを分類(カテゴライズ)することができる。また、図139のように、満足度ランクを把握することもできる。なお、このグラフも、クライアント端末2011のディスプレイに表示されたメニュー画面2500からユーザが指示を行うことにより、分析サーバ2012による分析処理が行われ、クライアント端末2011のディスプレイ等に出力される。
また、遊技情報分析システム2001では、マシンごとに、大当りに相当する所定額以上の払出額があるゲームが何ゲーム間隔で発生するかを示す、大当りゲーム数間隔(Win/Betの×100以上の当りのゲーム数間隔)を算出するとともに、大当りに相当する所定額以上の払出額があるゲームにおける大当り平均倍率(Win/Betの×100以上のWin/Betの平均値)を算出することができる(図113参照)。
このようなマシンごとの大当りゲーム数間隔や大当り平均倍率の算出では、上述した、「ボーナスゲーム状態の検出」により、どのゲームがボーナスゲームであるかを判定するステップが含まれている。こうして算出された、マシンごとの大当りゲーム数間隔や大当り平均倍率を、単独で、あるいは、上述のマシンごとの満足度バランスに関連付けて表示することができ、また、大当りゲーム数間隔や大当り平均倍率によって分類されたマシンについて、対応する満足度バランスを対応付けて表示することができる。
また、遊技情報分析システム2001では、マシンID等から、個々のマシンのベンダー(メーカー)やテーマを取得することができるため、こうしたマシン特性とマシンごとの顧客満足度スコアとを関連付けて、マシンについて、メーカーごとの顧客満足度や、テーマごとの顧客満足度を表示することができる。
また、マシンごとの顧客満足度スコアと大当りゲーム数間隔や大当り平均倍率とを関連付けて、マシンについて、大当りに関する特性と顧客満足度を対比させて表示したりすることができる。例えば、上述した図30では、大当り平均倍率(ボラティリティ)の高いものを「波の荒いマシン」とし、大当り平均倍率の低いものを「波の小さいマシン」として分類したが、このような分類において、それぞれの顧客満足度を示すようにすることができる。
なお、マシンの人気度という意味では、上述のローソクチャート関連心理スコアや顧客満足度スコアのほか、Bet金額(各マシンに投資されている額や割合)、Bet金額/ゲーム、プレイ時間、プレイゲーム数等によっても把握することができる。図87には、マシンがメーカー単位に分類され、その分類されたメーカーごとのBet比率で人気度を把握できるようなレポート(メーカーのBet比率(月次))が示されている。
このようなマシンの分析、分析結果に応じた分類によって、カタログスペック等では把握できないマシンの情報を得ることができ、マシンのトレンドを推測することもできる。
図141には、代表的なマシン特性が示されている。このうち、ローソクチャート関連心理スコア、顧客満足度スコア、ホール店舗満足度スコア、満足度バランス、満足度ランク、大当りゲーム数間隔、大当り平均倍率、Bet金額、Bet金額/ゲーム、プレイ時間、プレイゲーム数、Winloss/Bet(全区間)、Winloss/Bet(通常区間)、およびWinloss/Bet(放出区間)等の情報は、各スロットマシンから受信したIN/OUTに関する情報からなる遊技情報から求められる。また、マシンID、テーマ(ゲームの内容)、ベンダー(メーカー)等の情報は、登録データから求められる。このほか、マシン特性には様々なものがあり、図103〜図120に示した指標等のなかにも含まれている。
[ローソクチャートを用いたプレーヤの分析・分類]
本発明の一実施形態に係る遊技情報分析システム2001は、上述のようにゲームシステムに接続して、当該ゲームシステムから、マシン稼働データなどの情報(例えば、各ゲームにおけるIN/OUTの情報)からなる遊技情報を取得し、当該遊技情報から、顧客であるプレーヤの金額収支(単純な勝ち負け)だけでなく、プレーヤの遊技における心理状態を判定するような遊技分析を行う。
この結果、遊技情報分析システム2001では、プレーヤごとの、各ゲームに関するIN/OUTの情報から、「ボーナスゲーム状態の検出」、「セッション(1勝負)の検出」、および「ゲーム特性のローソクチャートによる表現」の各機能を提供することができる。そして、このような機能を利用して、プレーヤを分類することにより、プレーヤのプレイスタイル等の分析を可能とする。なお、プレーヤについて、各ゲームの遊技内容が把握できるのは、通常、遊技の際に会員カードを用いることでプレーヤが特定される「会員」であるが、セッションの単位で、非会員を含むプレーヤの遊技内容をとらえ、これらのセッションの特性を分類等して分析することにより、匿名のプレーヤとして遊技の傾向を把握することができる。
プレーヤごとによるセッションの分析から、上述した「セッション(1勝負)の検出」と「ゲーム特性のローソクチャートによる表現」によって、ローソクチャート関連心理スコアが算出され、顧客満足度スコアが求められる(図138参照)。ここでは、この顧客満足度スコアは、月次でプレーヤごとに求められるものである。一方、ホール店舗満足度スコアは、例えば、そのプレーヤのWinlossを、月次でまとめたものである。
ここで、図140と同様に、横軸にホール店舗満足度スコア、縦軸に顧客満足度スコアを表すグラフを表示させ、各プレーヤにおいて、ホール店舗と顧客の満足度バランスがどのように分布しているのかを把握することができる。このグラフでは、1人の会員に対応する点がそれぞれプロットされ、会員ごとの満足度バランスの状態が示され、そのバランスの状態に応じて、プレーヤを分類(カテゴライズ)することができる。また、図139のように、満足度ランクを把握することもできる。なお、このグラフも、クライアント端末2011のディスプレイに表示されたメニュー画面2500からユーザが指示を行うことにより、分析サーバ2012による分析処理が行われ、クライアント端末2011のディスプレイ等に出力される。
図142には、代表的なプレーヤ特性が示されている。このうち、ローソクチャート関連心理スコア、顧客満足度スコア、ホール店舗満足度スコア、満足度バランス、満足度ランク、Bet金額、Bet金額/ゲーム、プレイ時間、およびプレイゲーム数等の情報は、各スロットマシンから受信したIN/OUTに関する情報からなる遊技情報から求められる。また、会員ID、会員の国籍、会員の年代、会員性別等の情報は、登録データから求められる。さらに、会員区分(現役会員、休眠会員、幽霊会員等)や遊技タイプ(優良会員、高Bet会員、高来店会員、疎遠会員、新規会員等)は、登録データ、又は遊技情報(遊技履歴を評価することによって求められる情報)から求められる。このほか、プレーヤ特性には様々なものがあり、図103〜図120に示した指標等のなかにも含まれている。
[分類されたマシン特性とプレーヤ特性とのマッチング]
本発明に係る遊技情報分析システム2001では、上述のような分析により、分類されたマシン特性と、分類されたプレーヤ特性とをマッチングさせることができ、プレーヤ特性に合ったマシン特性かどうかの分析が可能となる。
ここで、図143を参照すると、マシン使用履歴データとして、プレーヤ投資金額、スロットマシン払出金額、ゲーム開始日時、ゲーム終了日時、会員識別コード(会員ID)、およびマシン識別コード(マシンID)からなる複数のレコードが示されている。このデータは、各スロットマシンからゲームごとに、本発明に係る遊技情報分析システム2001に送信される遊技情報の例である。
こうした遊技情報の履歴を蓄積し、所定の期間(例えば、1日、1週、1月等)で集計することにより、図144に示すような、会員−マシン対応テーブルを作成することができる。こうしたテーブルにより、会員が、所定の期間、どのマシンで遊技したかを把握することができる。
また、図143のマシン使用履歴データから、会員ごとのBet金額/ゲーム別の使用マシン管理テーブル(不図示)を作成することもできる。このテーブルは、会員IDごとに、その会員が使用したマシンのマシンIDを記憶する。例えば、投資したBet金額/ゲームの平均額が大きな順に、その会員IDの会員が使用したマシンのマシンIDが記憶される。
また、図143のマシン使用履歴データから、使用頻度順の使用マシン管理テーブル(不図示)を作成することもできる。このテーブルは、会員IDごとに、使用頻度の高い順に、その会員IDの会員が使用したマシンのマシンIDを記憶する。
例えば、このようなテーブルを設けることによって、上記で説明したマシン特性とプレーヤ特性のマッチングを行うことができる。なお、ここで示すマッチングの例は一例に過ぎない。他の様々な方法で、マシン特性とプレーヤ特性を結びつけ、マッチングを行うことができる。
例えば、プレーヤ特性として、Bet金額/ゲームが大きいと分類されているプレーヤの会員IDを抽出し、その会員IDの会員が使用するマシンを、図144に示す会員−マシン対応テーブル、又は、Bet金額/ゲーム別の使用マシン管理テーブルを用いて特定することができる。なお、ここで各プレーヤに対応付けられるマシンは、プレーヤが使用した全てのマシンでも、所定の基準によって選択された1つ又は複数のマシンでもよい。
このような使用マシンの特定を、Bet金額/ゲームが大きいと分類されているプレーヤのすべてに対して行うことによって、マシンのグループが抽出される。そこで、そのマシンのグループについて、所定のマシン特性を見ることによって、Bet金額/ゲームが大きいと分類されているプレーヤが使用するマシンの傾向を把握することができる。例えば、それらのマシンの顧客満足度スコアは、どのような分布になっているか、プレイ時間は、どのような分布になっているかなどを把握することができる。
逆に、マシン特性として所定の分類がされているマシンを抽出し、プレーヤのマシン使用実態を通して(例えば、図144の会員−マシン対応テーブル等を参照して)、関連する会員IDを抽出し、その会員IDのプレーヤからなるグループについて、所定のプレーヤ特性を見ることによって、所定のマシン特性のマシンに関連するプレーヤの傾向を把握することができる。
さらに、このようなプレーヤ特性とマシン特性のマッチングによって、会員の年代別に人気のマシンを表示させたり、それぞれの年代に人気のマシンをテーマごとに表示させたり、様々な分析を行うことができる。
また、非会員や、非会員を含む全会員を対象とした分析を行う場合、プレーヤに代えて、セッションを用いて、マッチングを行ってもよい。すなわち、図143に示したマシン使用履歴データから、所定期間に、プレーヤが行った一連の複数のゲームであるセッションが求められ、このセッションのそれぞれに対応するマシンが特定される。その関係が、図145に示すセッション−マシン対応テーブルで示されている。なお、セッションは、上述したセッションの検出方法等を用いて検出される。
ここで、各セッションについて種々の特性を求めることができる。例えば、セッションに関する顧客満足度スコア、セッションのトータル時間、セッションの平均Bet/ゲーム、セッションの会員比率等である。このようなセッション特性は、セッションが1人のプレーヤによって行われることから、プレーヤの特性に準ずるものと考えることができる。
そこで、セッション特性とマシン特性を結びつけ、マッチングを行うことができる。
例えば、セッション特性として、顧客満足度スコアが大きいと分類されているセッションを抽出し、そのセッションで使用されるマシンを、図145に示すセッション−マシン対応テーブルを用いて特定することができる。
このような使用マシンの特定を、顧客満足度スコアが大きいと分類されているセッションのすべてに対して行うことによって、そのセッションで使用されたマシンのグループが抽出される。そこで、そのマシンのグループについて、所定のマシン特性を見ることによって、顧客満足度スコアが大きいと分類されているセッションで使用されるマシンの傾向を把握することができる。例えば、それらのマシンのメーカーや稼働率は、どのような分布になっているか、プレイ時間は、どのような分布になっているかなどを把握することができる。
[分類されたマシンとプレーヤの時間割合による人気分析]
上述のようなマシン特性やプレーヤ特性を用いて、当該特性に基づいて時間割合で分析を行うことにより、人気マシンのプレーヤ特性割合やターゲット顧客の好みのマシン特性割合などを分析することができる。
図146のレポートは、例えば、図46に示すメニュー画面2500の会員レポート表示部2540によって表示される月次会員特性レポートの表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、40代会員の遊技テーマの特性(月次)が示されている。図146に示す来店頻度と40代会員の遊技テーマの特性(月次)は、40代会員の遊技に関し、遊技テーマ別にプレイ時間比率を月次で表すものであり、縦軸がプレイ時間比率、横軸が2013年12月〜2014年10月までの各月となっている棒グラフである。
ここで、図146のグラフより、各月におけるプレイ時間比率でみた遊技テーマごとのシェアを把握することができる。例えば、点線の矩形エリアに示すように、当該期間において、遊技テーマAと遊技テーマBのプレイ時間構成比に大きな変化があることを把握することができる。このことは、このタイミングで40代の会員について、人気の遊技テーマのトレンドが劇的に変化したことを示している。このような場合、マーケッター等は、人気の遊技テーマのマシンや、これに類するタイプのマシンを導入するなど、顧客トレンドを把握したターゲット顧客へのアクションを検討・実施することができる。
図146のグラフを表示するために、遊技情報分析システム2001は、プレーヤ特性として40代として分類されている会員が利用するマシンと、そのマシンのプレイ時間を、所定のテーブル(不図示、図142に示す使用マシン管理テーブルに類するものであり、蓄積された遊技情報(図142のマシン使用履歴データ)から求められる)より、月ごとに把握した後、対応するマシンのマシン特性から遊技テーマ(ゲーム内容)を取得して、その遊技テーマごと、月ごとにプレイ時間を集計し、これを標準化してプレイ時間比率として表示する。
図146の例では、プレーヤ特性とマシン特性に基づいて、時間割合(プレイ時間比率)による分析を行ったが、Bet比率による分析を行ってもよい。例えば、図87に示す、ベンダーの特性(月次)のレポートや、図92に示す、来店頻度とBet額別の特性(月次)のレポートでは、マシン特性の分類ごとに、又はプレーヤ特性の分類ごとに、標準化されたBet割合が、棒グラフで示されている。
また、時間割合やBet割合の他に、ユーザ数やマシン数など、他の基準によって分析が行われてもよい。
[マシンの故障分析に基づく故障リスク分析、ゴト分析]
本発明の一実施形態に係る遊技情報分析システム2001では、故障が発生した場合、マシンごとに、故障の発生と故障箇所を示すデータ等を(各スロットマシン2014より)遊技情報として受信し、これらを時系列に蓄積する。マシンの故障は、マシン内部のセンサや故障検知回路が故障を判別してイベント(故障通知イベント)を発生させる場合もあるし、所定のキープアライブ信号に応答する形で(例えば、正常であることを知らせる)データを送信するようにする場合もある。
一部のホール店舗では、24時間で営業を行っており、マシンが故障等により停止すると、それがそのままマシンの稼働率低下につながり、損失の原因となる。遊技情報分析システム2001では、各マシンの故障履歴を蓄積し管理することにより、マシンの故障箇所をマシンごと、およびマシンの部位(機能部)ごとに、いち早く把握し、表示やアラートを行うことができる。またさらに、故障したマシンや故障した箇所に関連するマシン(例えば、故障の多いマシンのメーカーのマシンや、故障の多い機能部、部品等を共通的に利用しているマシンなど)を、予め、故障の可能性が高いマシンとして管理できる。そのため、マシンの故障に対して早急に対応したり、マシンが故障する前に、点検や交換などの適切な対処を行って故障を未然に防ぐようにしたりすることができる。このような故障リスク分析は、上述のように、マシンが24時間稼働するような環境では、特に重要である。
また、通常は、故障の発生により、スロットマシン2014からイベント信号が送信されるが、これらの信号のなかには、故障の発生を示すイベント信号(故障発生信号)と、故障でないイベント信号(非故障信号)として送信されるものが含まれ、さらに、非故障信号には、実質的には故障に関する通知であるものが含まれる。本発明の遊技情報分析システム2001では、このようなイベント信号をすべて把握することができ、これらのイベント信号の発生割合を加味しながら各マシンの故障リスクを管理することができる。
また、イベント信号が頻繁に発生するマシンは、ゴト行為が行われている可能性も疑われる。このようなゴト分析に関し、本発明の遊技情報分析システム2001は、イベント信号の頻度(例えば、故障発生率)と、対応するマシンのIN/OUTの関係から、ゴト行為の可能性を判断し、表示やアラートを行うことができる。
さらに、ゴト分析に関し、故障発生率の急激な変化を判定し、その変化率に応じてゴト行為の可能性をいくつかのレベルで通知するようにすることもできる。
なお、本発明の遊技情報分析システム2001は、各スロットマシン2014からのイベント信号に基づいて、上述のような故障リスク分析やゴト分析を行うものであるが、スロットマシン2014からのイベント信号(送信データ)をリアルタイムで分析サーバ2012に取り込んで、故障リスクやゴト行為に関する通知をリアルタイムで行うことも、スロットマシン2014からの送信データをホール管理サーバ2013や分析サーバ2012に蓄積しておいて、後で、所定の期間分の蓄積データに対して、故障リスクやゴト行為の分析を行うこともできる。
図147は、本発明の遊技情報分析システム2001における、マシンの故障リスク分析についてのレポートを示す図である。このレポートは、例えば、図47に示すメニュー画面2500の専門分析表示部2560によって表示される故障分析の表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、マシン故障分析(リアルタイム)が示されている。図147は、マシンの故障分析に関して集計等したデータを月次で表すものであり、マシンごとに、故障に関する項目(例えば、イベント信号により得られた情報等から分析された項目)が表示される。
図147では、各マシンに対して、マシンID、ステータス、ベンダー、テーマ、セッション数、ゲーム数、プレイ時間(h)、故障発生信号、非故障信号、およびトータル停止時間(h)が示されている。
マシンIDは、マシンを識別するためのコードであり、ステータスは、マシンの状況を3段階で示すシグナル表示であり、ベンダーは、マシンのメーカーであり、テーマが、マシンで実行されるゲームの内容であり、セッション数は、本発明の遊技情報分析システム2001で算出される、プレーヤの一連のゲーム(1勝負)の単位であり、ゲーム数は、マシンで実行されるゲームの数であり、プレイ時間(h)は、プレーヤがプレイした時間であり、故障発生信号は、マシンから送信された、故障の発生を示すイベント信号(故障発生信号)の数であり、非故障信号は、マシンから送信された、故障でないイベント信号(非故障信号)の数であり、トータル停止時間(h)は、マシンが何らかの理由で停止した時間であり、通常、単にプレーヤが遊技をしていないだけの正常状態の時間は含まない。
ここで、ステータスは、マシンの状態に応じてランク付けされた3段階のステータスに応じて、シグナル表示が行われる。例えば、故障分析の結果、マシンの状態が良好であれば、信号機のスタイルをしたシグナル表示の左端の丸形状部分が、緑色に表示される(そうでない場合、この部分は黒色で表示される)。マシンの状態に何らかのリスク(リスク小)があれば、信号機のスタイルをしたシグナル表示の中央の丸形状部分が、黄色に表示される(そうでない場合、この部分は黒色で表示される)。マシンの状態が危険(リスク大)であれば、信号機のスタイルをしたシグナル表示の右端の丸形状部分が、赤色に表示される(そうでない場合、この部分は黒色で表示される)。
上述のマシンの状態は、例えば、マシンから送信されてきたイベント信号(故障信号や非故障信号)等の所定期間における数、送信の間隔、故障率、故障箇所や、これらの所定期間における変化率、およびトータル停止時間などに応じて故障リスクが評価され、その故障リスクの大きさごとに3段階のランクに判定される。なお、図147の例は、リアルタイムの表示であって、危険(リスク大)となったマシンが新たに発生した場合に、クライアント端末2011において、アラート表示や音声アラート通知等を行うようにすることができるが、蓄積された所定期間のイベント信号等を利用して、過去の所定期間に関するマシンの状態を表示するようにしてもよい。
図147に示されたマシン故障分析(リアルタイム)において、リスト表示されたマシンの行をマウスやタッチパネル等で選択すると、そのマシンについて、故障箇所(機能部)ごとのイベント信号の数がヒストグラムにより示される(不図示)。この例では、上述した故障信号と非故障信号に分けて表示される。
例えば、紙幣識別器、カードディスペンサー、キャビネット、および通信コントローラといった、マシンの機能部ごとに、イベント信号の数がヒストグラムで示される。また、それぞれに機能部については、故障信号の数と非故障信号の数が別個にヒストグラムで表示される。
また、マシン故障分析に関しては、図88を参照して上述したように、例えば、図46に示すメニュー画面2500のマシンレポート表示部2520によって表示される月次マシン稼働レポートの表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、停止時間ランキング(月次)を表示して、マシンについて停止時間ランキング(月次)を把握することができる。また、マシンレポート表示部2520によって表示される日次マシン稼働レポートの表示を指示した場合には、停止時間ランキング(日次)を表示させることができる。
また、ゴト分析に関しては、図89を参照して上述したように、例えば、図47に示すメニュー画面2500の専門分析表示部2560によって表示されるゴト分析の表示を指示した場合に表示されるレポートの一部である、ゴトサマリー(すなわち、要注意セッションの統計、異常セッションのリスト(要注意セッションリストや要注意マシンリスト)等)を表示して、疑わしいセッションに基づいて判断した、疑わしいマシンを把握することができる。
[プロモーション分析]
ホール店舗では、例えば、会員の来店率向上や、プレイ時間・Bet金額の増大などの促進を行うために、特定のプレーヤ特性をもつプレーヤにクーポンを配布する。クーポンの付与形態としては、ICカードのクーポンを提供したり、会員カードにポイントを付与したり、食事券や買い物券として付与したりといった、様々な形態が存在する。ICカードのクーポンのように、会員カードとは異なる電子媒体により提供されるクーポンは、通常、単純な払い戻し(CASHOUT)ができないように管理されている。このようなクーポンの提供は、プロモーションの代表的な例である。ホール店舗では、このほかにも様々なプロモーションを行うことができる。
本発明の一実施形態に係る遊技情報分析システム2001では、プロモーションとして支出した支出額と、このプロモーションによる利益の提供を受けたプレーヤが、その後ゲーム等で使った使用金額を管理することができ、その支出額と使用金額との関係により、当該プロモーションが成功したかどうかを分析する。
また、このように、プロモーションによる利益の提供を受けたプレーヤや会員について、上述したローソクチャート関連心理スコアや顧客満足度を算出して、それらの指標がどのように変化したか、例えば、クーポンを配布するといったプロモーションの効果の度合いを分析することができる。また、配布されたクーポンを使用したか否かを、プレーヤ特性別に分析するようもできる。
また、上述したローソクチャート関連心理スコアや顧客満足度を算出して、満足度の低いプレーヤに対して、クーポンの配布等のプロモーションを実施することができる。
またさらに、プロモーションの前後で、ホール店舗満足度スコアと顧客満足度スコアとの満足度バランスを分析し(図139、図140参照)、プロモーションの効果を、満足度バランスの視点から分析、評価することもできる。
また、本発明の一実施形態に係る遊技情報分析システム2001は、シミュレーションツールによって、プロモーションの効果を分析することができる。例えば、図47に示すメニュー画面2500のツール表示部2570によって表示されるシミュレーションツールの表示を指示し、所定のプレーヤ特性(プレーヤカテゴリー)のプレーヤに対して、プロモーションの実施を指定すると(プロモーションの内容はあらかじめツールに対して設定される)、プロモーションの効果が金額によって示されるとともに、グラフにシミュレーション結果が表示される。このようなシミュレーションの計算は、例えば、スロットマシン2014から送信される、IN/OUTの情報を含む遊技情報を蓄積した過去データを用いて行われる。
図38を参照して上述したシミュレーションでは、プレーヤカテゴリ=「来店頻度(高)」のプレーヤを対象として所定のプロモーションを実施した場合のシミュレーション結果Aが示され、低いプロモーション効果であったことが示されている。すなわち、プロモーションの効果は、6ヶ月後に+10000(シミュレーション値が、売上予想値を少し上回っている)であった。
また、図39を参照して上述したシミュレーションでは、プレーヤカテゴリ=「来店頻度(中)」のプレーヤと、プレーヤカテゴリ=「来店頻度(低)」のプレーヤを対象として所定のプロモーションを実施した場合のシミュレーション結果Bが示され、高いプロモーション効果であったことが示されている。すなわち、プロモーションの効果は、6ヶ月後に+100000(シミュレーション値が、売上予想値を大きく上回っている)であった。
また、図93を参照して上述したシミュレーションでは、プロモーションを実施する際の事前のシミュレーションの結果が表示されている。このシミュレーションによって、プロモーションを実施する前に、具体的な数値を把握することができる。図93のグラフには、2014年2月〜2014年12月までのWinloss予想(累積と日次)と、これに対するWinlossシミュレーション(累積と日次)が示され、予想とシミュレーションにどの程度の差があるかが把握できるようになっている。
[アドホックレポートツール]
本発明の一実施形態に係る遊技情報分析システム2001は、クライアント端末2011のユーザ自身がレポートの表示項目等を選択することができる、アドホックレポートツールを備えている。アドホックツールは、図47に示すメニュー画面2500のツール表示部2570によって表示されるアドホックレポートツールの表示を指示した場合に、レポート出力指示画面が表示される(図94参照)。
ここでユーザは、指標を表示している指標エリアから、データを出力する対象となる指標を、1つ又は複数選択して「VALUE」欄に指定する。これらの指標には、Bet計やペイアウト計などのほか、セッション数、通常PO、通常区間Winloss/Bet倍率別当り間隔、ローソクチャート関連心理度スコア、顧客満足度スコア、満足度バランス等、本発明において、独自に算出される項目を指定することができる。このような項目は、スロットマシン2014から送信される、IN/OUTの情報を含む遊技情報に基づいて算出される。
ディメンションエリアでは、日次、週次、月次、四半期単位、年次等のディメンションが表示されている。
このようなアドホックレポートツールでユーザが指示をすることにより、例えば、ゲーム数に関するサマリーと、ゲーム数ごとのカウント(頻度)を表すレポート(図95参照)、Bet額に関するサマリーと、テーマごと、年代ごとの人気度(Bet額)を表すレポート(図96参照)、Bet額に関するサマリーと、会員タイプ(重要、新規等)別の稼働曜日を表すレポート(図97参照)を、クライアント端末2011のディスプレイに表示させることができる。なお、この例では、基本的にデータを2次元に展開して表示するが、3次元のグラフを表示することも可能である。
グラフに表示するマシン特性およびプレーヤ特性の少なくとも1つが、複数のカテゴリに分類され、アドホックレポートツールは、そのカテゴリごとに、対応するカウント値、時間、他の特性(又は、カウント値、時間、他の特性の割合)を表示させることができる。
また、アドホックレポートツールに対する上述のような(ユーザによる)項目の指定は、テンプレートとして登録することができる。例えば、ヒストグラム分析、マシン分析、会員分析として、表示項目、および表示態様のパターンを登録しておくことができ、任意のタイミングで呼び出して実行し、レポートを表示させることができる。
上述した実施形態では、遊技場を例に挙げて説明したが、これに限られるものではなく、遊技場などの娯楽施設以外の他の施設にも適用可能である。例えば、デパート、百貨店、アウトレットモールを含むショッピングセンターなどの商業施設、このような商業施設や遊技施設に加えて、飲食施設や映画館といった複数の施設が集まっている建物・地域である複合商業施設に適用することができる。また、例えば、ホテル、空港、駅などの施設にも適用することができる。