JP2014026194A - レーザー走査型顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】 対象物の深さ方向の情報を定量化して求めることで3次元画像を取得可能とすると共に、焦点深度以上の高低差を持つ対象物においても定量化された3次元情報を取得可能なレーザー走査型顕微鏡を提供する。
【解決手段】 レーザー光源1からの光が音響光学変調素子4を通過し、さらに第1の瞳伝達拡大レンズ系5等を通過し対物レンズ16に送られて、対象物Sで反射して戻ってくる。反射戻り光は受光素子18、24で受光され、第1のデータ処理部21が、音響光学変調素子4等の制御信号および強度情報や位相情報の信号を元に、対物レンズ16の焦点深度内での3次元画像を得る。この3次元画像と第2のデータ処理部27で得られた3次元の位置情報とが、第3のデータ処理部31において処理され、共焦点レーザー走査型顕微鏡と同等の分解能で深さ方向の定量化がされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザー光の走査によって不透明物体の表面形状の観察及び計測、透明物体の表面または内部構造の観察及び計測を高速に行うレーザー走査型顕微鏡に関する。
微小な高さを高精度に測定するには、光へテロダイン干渉法がよく知られている。これは、周波数の異なる2つのレーザー光を干渉させ、その差の周波数のビート信号を作成し、ビート信号の位相変化を波長の1/500程度の分解能で検出して、表面の高さ方向の変化を計測するものである。このようなものとして、下記特許文献1の特開昭59−214706号公報が具体的に知られているが、この特許文献1では、音響光学素子を用いて異なる波長からなる2つのビームを隣接して発生させ、これら2ビーム間の位相変化を検出し、その位相変化を累積して表面プロファイルを得る方法が開示されている。
ただし、この特許文献1では、光変調器である音響光学素子に印加する直流電圧により走査を行い、かつ、正弦波信号を音響光学素子に加えて、お互いに周波数の異なる2つの空間的に分離したビームを作成していた。ここで、音響光学素子のブラッグ回折格子dは、超音波の速度をVa、印加する周波数をfaとすると、d=Va/faとなる。すなわち、ブラッグ回折角と印加する周波数とは、逆比例関係となる。
他方、通常の顕微鏡の分解能はいわゆるアッベの理論の限界により制限されている。この限界は、波動の有する回折現象の結果であり、越えることの出来ない理論限界とされていて、下記特許文献1においても同様であった。例えばレーザー走査型顕微鏡においても、このアッベの理論の限界による横分解能の限界を有しているだけでなく、深さ方向の分解能も種々の制約により十分なものではなかった。
特開昭59−214706号公報
つまり、このようなレーザー走査型顕微鏡においては、測定対象である対象物の深さ方向の情報を定量化する際に、深さ方向の情報を簡易に取得することができず、また、3次元情報を取得可能な深さが対物レンズの焦点深度内とされるという制約があった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、対象物の深さ方向の情報を定量化して求めることで3次元画像を取得可能とすると共に、焦点深度以上の高低差を持つ対象物においても定量化された3次元情報を取得可能なレーザー走査型顕微鏡を提供することを目的とする。
上記目的を達成させるために、本発明は、レーザー光を出射するレーザー光源と、
該レーザー光を相互に異なる周波数の2つの光に変調させつつ相互に異なる方向に出射する光変調器と、
前記2つの光を1次元走査あるいは2次元走査する走査素子面を有し、制御信号に基づき2つの光を走査する走査光学素子と、
瞳位置を有し、配置されている対象物に2つの光を出射する対物レンズと、
前記光変調器の回折光出射面と該対物レンズの瞳位置とを共役な配置とするように、前記光変調器と該対物レンズとの間に位置して、前記光変調器から出射された2つの光を拡大する瞳伝達拡大レンズ系と、
前記対物レンズおよび対象物のいずれかを2つの光の光路とされる光軸に沿って移動させて、これらの間の距離を相対的に変化させる移動手段と、
前記対象物からの反射光あるいは透過光を受光して光電変換し、かつ前記光変調器によって生じる2つの光の分離方向に沿って配置される2つ以上の分割受光素子からなる第1の受光素子と、
前記第1の受光素子で光電変換された各々の信号を和算または差算し、これら和算または差算に基づいて2つの光の位相情報および強度情報を得る信号比較手段と、
前記信号比較手段の位相情報および強度情報と前記走査光学素子の制御信号とから、対物レンズの焦点深度内の3次元画像を構築する第1のデータ処理部と、
対象物からの反射戻り光の光強度データに基づき、前記走査光学素子の制御信号および前記移動手段による移動量より3次元の位置情報を構築する第2のデータ処理部と、
前記対物レンズの焦点深度内の3次元画像と光強度データに基づく3次元の位置情報とにより定量化された3次元画像を構築する第3のデータ処理部と、
を含むことを特徴とするレーザー走査型顕微鏡とされるものである。
また、本発明においては、レーザー光源から射出された直線偏光であるレーザー光を円偏光に変換すると共に、対象物からの円偏光である反射戻り光を再び透過させて、前記レーザー光と直交する直線偏光にする1/4波長板と、前記レーザー光と偏波面が直交している反射戻り光を光路から分離する偏光ビームスプリッターと、前記偏光ビームスプリッターにより分離された戻り光を集光するレンズと、前記レンズの焦点面に配置された空間フィルタと、空間フィルタを透過した反射戻り光を受光して光電変換することで光強度データを得る第2の受光素子と、を有するものが好適である。
さらに、本発明においては、走査光学素子が、前記2つの光を前記光変調器の回折方向に沿って走査する第1の走査光学素子と、前記2つの光を第1の走査光学素子と直交する方向に沿って走査する第2の走査光学素子と、を含み、前記第1の走査光学素子と前記第2の走査光学素子との間に配置されて、対象物からの反射戻り光を分離するビームスプリッターと、前記ビームスプリッターにより分離された戻り光を集光して結像するレンズと、第2の受光素子として前記レンズの焦点面に位置し、かつ前記光変調器によって生じる2つの光の分離方向に沿って配列される複数の分割受光素子からなる1次元撮像素子と、を有し、第2のデータ処理部が、前記1次元撮像素子により受光して光電変換された反射戻り光の光強度データに基づき、前記走査光学素子の制御信号および前記移動手段による移動量より3次元の位置情報を構築するものが好適である。
また、本発明においては、レーザー光源から射出された直線偏光であるレーザー光を円偏光に変換すると共に、対象物からの円偏光である反射戻り光を再び過透させて、前記レーザー光と直交する直線偏光にする1/4波長板と、前記レーザー光と偏波面が直交している反射戻り光を光路から分離する偏光ビームスプリッターと、前記偏光ビームスプリッターにより分離された戻り光を集光するレンズと、前記レンズの焦点面に配置されたピンホールと、を有し、前記第1の受光素子が、該ピンホールを透過した光を受光することにより第2の受光素子を兼ねることができ、該第1の受光素子の受光に伴い、前記第1のデータ処理部が、共焦点光学系により狭められた対物レンズの焦点深度内の3次元の画像を構築するものが好適である。
他方、本発明に係わる第1の受光素子が、対象物を透過した光を対象物の直下で受光することが好適である。
また、本発明に係わる光変調器は、前記レーザー光源から出射されたレーザー光が入射させる音響光学変調素子と、前記音響光学変調素子にキャリア交流信号と正弦波信号を印加する信号発生器と、を含むことや、前記レーザー光源から出射されたレーザー光が入射させる空間光変調器と、前記空間光変調器に振幅または位相情報として正弦波状の格子縞を書き込み、キャリア交流信号と正弦波信号を印加して、前記格子縞を一定方向に移動させる信号発生器と、を含むことが好適である。
また、本発明に係わる走査光学素子は、ガルバノミラーやレゾナントミラーによる1次元走査素子、非線形光学結晶やフォトニック結晶を用いた光走査ディバイス、2つの1次元走査ディバイスと瞳伝達拡大レンズ系よりなる2次元走査光学系、または、1次元または2次元のマイクロミラーディバイスとされるものが好適である。
さらに、本発明に係わる光電変換部で作成されたビート信号は、前記受光素子を構成する複数の分割受光素子のすべての分割受光素子の和信号、または、前記複数の分割受光素子の対応する位置にある分割受光素子同士の差信号より取得するものが好適である。
また、本発明に係わる移動手段による移動は、ステッピングモータ駆動によるステージ移動、ピエゾ素子による直接またはステージ移動とされることが好適である。
請求項に係る発明の作用を以下に説明する。
レーザー光源から出射されたレーザー光を相互に異なる周波数の2つの光に変調させつつ相互に異なる方向に光変調器が出射する。つまり、周波数fcと周波数fmの電気信号で光変調器である音響光学変調素子を駆動すると、周波数fcをキャリアとするAM変調により、周波数fc+fmと周波数fc-fmを有する2つのビームが発生する。キャリア周波数である周波数fcを数十MHz程度とし、数MHz程度の周波数fmを付与すると、音響光学変調素子のブラッグ回折角はかなり大きくなる。
この音響光学変調素子より出射された光は、大きな角度差を有した2つのビームとなる。この角度差を瞳伝達拡大レンズ系である拡大光学系により、2つのビームの重なり程度を著しく小さくして、走査光学素子である2次元走査光学系に入射させる。このとき、2次元走査光学系の入射面と音響光学変調素子の出射面とが、共役な配置となるようにする。
このようにすると、2次元走査光学系からの出射光は、お互いに角度差が小さいビームとなるが、おのおのが有する周波数はfc+fmとfc-fmであり、変化は無い。つまり、この2つのビームを変調周波数とは無関係な上記した走査光学素子とされる1次元走査あるいは2次元走査する走査光学素子および第2の瞳伝達レンズ系を介して、対物レンズに向けて走査することにより、対象物上を2つの近接したビームで走査されることになる。
この2つの近接したビームによるビート信号は、対象物が反射物体である場合には、音響光学素子とほぼ共役な位置に配置された受光素子により取得することができ、対象物が透過物体である場合には、ファーフィールドではあるが対象物からあまり離れていない位置に配置した受光素子により取得することができる。
また、このときのビート信号は2fmとなるが、これは、十数MHzと高いビート信号として、検出される。このビート信号と基準となる信号の位相差θは、対象物の実質的な高さdや屈折率差nを反映している。すなわち、レーザー波長をλとすると、θ=2πnd/λなる関係があるからである。
さらに、信号比較手段が第1の受光素子の光電変換された各々のビート信号を作成し、この信号比較手段がこのビート信号に基づいて得られた信号の位相差または強度差を求め、信号比較手段の位相情報または強度情報を取得して得たデータに基づき、対物レンズの焦点深度内の3次元画像を構築する第1のデータ処理部が処理する。
そして、第2のデータ処理部が、対象物からの反射戻り光の光強度データに基づき、走査光学素子の制御信号および移動手段による移動量より3次元の位置情報を構築し、また、第3のデータ処理部が、対物レンズの焦点深度内の3次元画像と光強度データに基づく3次元の位置情報とにより定量化された3次元画像を構築する。このことから、対象物が反射物体であれば表面のプロファイルが測定され、対象物が透過物体であれば、実質的な屈折率差あるいは厚みが測定される。
以上より本発明に係るレーザー走査型顕微鏡によれば、2つのビーム間の距離とビート信号の周波数とを無関係に設定できるような光学系となり、近接したビームを得ると同時にビート信号の周波数を高くして、分解能と走査速度を著しく向上させことができる。
他方、光変調器として空間光変調器を採用した場合、この空間光変調器に短冊状の正弦波格子を書き込み、これを高速で一方向に移動させることにより、格子縞のピッチがビームの分離距離となる。次々と格子を移動させることにより、位相が変調されたことに相当するので、格子縞で生じた±1次回折光は、変調周波数の2倍だけ周波数の異なる光とすることができる。この場合、書き込み格子のピッチが十分に大きければ、近接した2つのビームを作ることができて拡大光学系の拡大率を小さくできるので、光学系を小型にすることができる。
以上のような光学系と光変調器により、ビート周波数作成手段と走査手段とを分離させることができる。このため、より高周波のビート信号を作成し、より走査速度を高めることができるので、データ取得を一層高速に行うことができるようになる。以上の結果として、3次元情報をビデオレート以上で取得できるとともに、ビーム分離を著しく小さくすることにより、横の分解能も顕著に向上させることができ、高さ方向の分解能も波長の1/500程度に向上できる。
また、2つのビームは殆ど光路を共有化しているので、外部的な環境変化、振動等に著しく強いレーザー走査顕微鏡装置とすることができる。このように2つのビームが存在している場合、受光素子としてビームの分離方向に垂直な方向に2つ以上に分割されている分割受光素子を用いると、全分割受光素子の出力の和信号では、実効上、対物レンズで集光された2つのビームの分離度に応じた位相差のビーム径に相当する領域の積分値を与えるので、微分干渉顕微鏡とほぼ等価な分解能を与えることになる。
さらに分解能を高くするには、2分割以上された分割受光素子の隣り合った位置にある受光素子同士の差信号を取得すると、実効上、対物レンズで集光された2つのビームの分離度に応じた位相差の微分のビーム径に相当する領域の積分値を与える。この場合には、和信号と比較して、位相差の生じている部分のみが位相差に寄与するので、感度が著しく高くなる。従って、ビームの分離度に応じた分解能に匹敵する横分解能の向上が図れる。
これは、通常の微分干渉顕微鏡には見られない際立った特長となる。この結果、波長で支配されている横分解能よりもはるかに高い横分解を得ることが出来る。ビート信号の強度に対しても同様な効果がある。
一方、このようなレーザー走査型顕微鏡における縦分解能は、使用する対物レンズの焦点深度の領域において非常に高い分解能が得られるが、定量化を簡易に行うことは容易ではなく、また、焦点深度よりも対象物の高低差が大きい場合、3次元画像の取得が容易ではなかった。これに対して、本発明の基本的な装置構成がレーザー走査型で有ることに着目した場合、共焦点レーザー走査型顕微鏡の構成と本発明の構成が同じであるため、共焦点光学系を組み込むことが可能であり、共焦点レーザー走査型顕微鏡のもつ断層撮像能力を得ることが可能となる。
以上より本発明に係るレーザー走査型顕微鏡によれば、実質上、回折限界以上の分解能を有する顕微鏡装置が実現でき、さらには、ビーム利用効率の低下を招かない光学系を実現可能ともした。
以上、まとめると、高さや屈折率分布などの3次元情報を一度の2次元走査で非常に高速に、また、極めて高い横分解能で取得する光利用効率の高いレーザー走査型顕微鏡を提供することができる。従って、生きたままの細胞やマイクロマシーンなどの状態変化などをリアルタイムに3次元計測できるなど、従来の2次元情報を取得し3次元方向に積算していくようなレーザー走査型共焦点顕微鏡などとは比較にならない大きな特徴を有している。
また、透過型にすれば、生物や細胞を生きたままリアルタイムかつ高い分解能で観察、計測できるので、細胞等を不活性化して計測する電子顕微鏡にはない大きな特徴ともなる。
上記に示したように、本発明のレーザー走査型顕微鏡によれば、変調が可能な音響光学変調素子または空間変調器を光変調器として用い、瞳伝達拡大レンズ系と2次元走査ディバイスと併用することにより、非常に近接した2つのビームを非常に高い変調周波数で、変調することができるので、ビデオレートの3次元計測が可能となる。また、例えば音響光学変調素子に変調信号を加えることによってビームが分離されるが、このビームの分離方向に沿って分割される2分割以上の分割受光素子を用い、すべての分割受光素子の和演算または対応する受光素子間で差演算をおこなってヘテロダイン検波することで、極めて高い横分解能を得ることができる。
つまり、ヘテロダイン検波して得られた信号を直交変換した強度情報と位相情報により、1回の2次元走査でアッベの回折限界を大幅に超える分解能を持つ3次元情報を取得可能なレーザー走査型顕微鏡が実現可能となる。
さらに、このようなレーザー走査型顕微鏡において、共焦点光学系の受光光学系を組み込むと共に、対物レンズまたは試料ステージを高分解能で深さ方向に移動する移動手段を組み込むことにより、共焦点レーザー走査型光学顕微鏡が持つ断層撮像能力で深さ方向の定量化が可能となり、かつ、対物レンズの焦点深度を超える高低差を持つ対象物の測定が可能なレーザー走査型顕微鏡を実現する。
以上より、対物レンズの焦点深度内で元来非常に高い3次元の分解能持っているので、本発明によれば、従来の共焦点レーザー走査型光学顕微鏡よりも遙かに高い3次元分解能を持つ、非常に高速なレーザー走査型顕微鏡を提供することができる。さらに、電子顕微鏡や走査プローブ顕微鏡でしか従来観察できなかった微細構造を観察することが、本発明により可能となり、また、透過型においては、生物や細胞を生きたままリアルタイムかつ高い分解能で観察、計測できるため、細胞等を不活性化して計測する電子顕微鏡にはない大きな特徴を有している。
したがって、細胞や微生物の状態変化や表面状態の過渡的な変化等を、高速に観察、計測することができる。また、既に製品化されている裸眼立体ディスプレーや偏光めがねを使用した3次元ディスプレー等を用いることにより、ビデオレートの3次元立体画像を表示することもできるので、教育や研究、医療において、有用な装置とすることができる。
他方、非常に近接したほぼ同一の行路を通る2つのビームを用いているので、外乱等の影響を受けにくい観察や測定ができる。また、受光素子を分割型とし、ビームを分離する方向に対して、少なくとも2分割以上の受光素子を用い、すべての受光素子の和演算または対応する受光素子間で、差演算をおこなってヘテロダイン検波することで、特に、差演算においては、極めて高い横分解能を得ることが可能となる。
本発明のレーザー走査型顕微鏡に係る実施例1を示すブロック図である。 図1の対物レンズおよび測定対象物周辺部分を拡大して示す図である。 本発明のレーザー走査型顕微鏡に係る実施例1による対象物における照射領域を表す説明図である。 試料形状と分割受光素子に戻ってくる光を模式的に示す図である。 図4で説明した試料形状についての位相情報及び強度情報を示す図である。 試料形状と本発明によって得られる高さ方向の情報を説明する図である。 本発明のレーザー走査型顕微鏡に係る実施例2を示すブロック図である。 本発明のレーザー走査型顕微鏡に係る実施例3を示すブロック図である。 本発明のレーザー走査型顕微鏡に係る実施例4を示すブロック図である。 本発明のレーザー走査型顕微鏡に係る実施例5を示すブロック図である。 本発明のレーザー走査型顕微鏡に係る実施例6を示すブロック図である。
以下に、本発明に係るレーザー走査型顕微鏡の実施例1から実施例6を各図面に基づき、詳細に説明する。
本発明に係るレーザー走査型顕微鏡の実施例1を、以下に図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施例に係るレーザー走査型顕微鏡の構成を示すブロック図である。この図1に示すように、光学系として、レーザー光が出射されるレーザー光源1と光を分離するための光変調器である音響光学変調素子(AOM)4との間に、コリメーターレンズ2及びビーム整形光学系3が配置されている。これらレーザー光源1および音響光学変調素子4は制御基板14にそれぞれ接続されていて、この制御基板14により動作がそれぞれ制御されるようになる。音響光学変調素子4に、キャリア交流信号としての周波数fcと正弦波信号としての変調周波数fmを制御基板14に内蔵の信号発生器が印加する。
さらに、音響光学変調素子4に対して、2群のレンズからなる第1の瞳伝達拡大レンズ系5、ビーム径を適性化するための制限開口7、後述の対象物Sからの反射戻り光を共焦点光学系に分離して出射する偏光ビームスプリッター8、直線偏光であるレーザー光の偏波面を45°回転させる1/4波長板9、反射戻り光から光の位相および強度情報を得るための受光素子に光を分離するビームスプリッター10が順に並んで配置されている。また、第1の瞳伝達拡大レンズ系5を構成する2群のレンズの間に、光軸L外を通る不要な非回折光および高次回折光をカットするためのピンホール6が配置されている。
さらに、ビームスプリッター10に対して図1において右隣には、入力されたレーザー光を1次元走査する第1の1次元走査ディバイス11が配置されており、第1の1次元走査ディバイス11の図1において下方には、2群のレンズからなる第2の瞳伝達拡大レンズ系12、第1の1次元走査ディバイス11と直交する方向に光を偏向する第2の1次元走査ディバイス13が配置されている。
本実施例では、第1の1次元走査ディバイス11で出射方向が図1において下方に変えられたビームが、これらを順に通過することになり、これら第1の1次元走査ディバイス11、第2の瞳伝達拡大レンズ系12及び第2の1次元走査ディバイス13により、2次元走査光学系が構成されている。また、第2の1次元走査ディバイス13の下隣には、2群のレンズからなる第3の瞳伝達拡大レンズ系15、対象物Sと対向する対物レンズ16が配置されている。
試料Sで反射した光は上述と逆の光路を戻りビームスプリッター10に入射する。光軸Lが通過する方向に対して直交する方向であってビームスプリッター10に隣り合った位置に配置され、音響光学変調素子4によって分離されたビームの分離方向に光軸を対象に少なくとも2分割された第1の受光素子18に入射する。第1の受光素子18は光電変換部19に接続され、信号を適切な大きさに増幅し、光電変換部19からの信号を比較する信号比較器20に接続され、第1のデータ処理部21に接続されている。
そして、この第1のデータ処理部21は、制御基板14により制御されている音響光学変調素子4及び1次元走査ディバイス11、13の制御信号および信号比較器20からの強度情報や位相情報の信号を元に対象物Sのプロファイル等を作成する。つまり、この第1のデータ処理部21によって、強度情報や位相情報に基づく対物レンズ16の焦点深度内での3次元画像が得られることになる。
他方、対象物Sで反射して対象物Sから戻ってくる反射戻り光のビームスプリッター10を透過した光は、再び1/4波長板9に入射する。この反射戻り光の光束は、再び1/4波長板9を透過することにより、直線偏光に戻るが、照明光束に対して偏波面が90°回転しているため、偏光ビームスプリッター8により直角に反射され照明光束の光路から分離される。
この偏光ビームスプリッター8により分離された光束は、収束レンズ22およびこの収束レンズ22の焦点面に設置された前記収束レンズ22の回折限界スポット径程度の径を有する空間フィルタであるピンホール23を透過し、受光素子24で受光される。この収束レンズ22の焦点面は、対物レンズ16の焦点面と共役な位置となるため、観察試料である対象物Sの焦点が合った時のみピンホール23を光束が透過して、受光素子24で受光される。なお、焦点位置がずれた場所からの光に関しては、ピンホール23面上で光束がピンホール径よりも大きくなるので、受光素子24で受光される光量が著しく減少するため高さ方向の分解能が向上する。
受光素子24で受光された信号は光電変換部25において信号を適切な大きさに増幅され、この光電変換部25は第2のデータ処理部27に接続されている。
また、本実施例では、制御回路14により制御されつつ、対物レンズ16を光軸Lに沿って高精度に移動させる移動手段である移動機構26が配置されている。この移動機構26としては、例えばステッピングモータ駆動によるステージ移動や、ピエゾ素子による直接またはステージ移動とすることが考えられる。
この移動機構26により対物レンズ16を移動させるのに伴い、制御回路14からの1次元走査ディバイス11、13の位置情報と移動機構26の位置情報とから、画素ごとに受光素子24で受光される光強度が最も高くなる焦点が合った位置を第2のデータ処理部27で求める処理をし、3次元の位置情報を構築する。但し、移動機構26は、対物レンズ16を移動させる代わりに対象物Sを移動させる機構としてもよく、この場合にも上記と同等の効果が得られる。
前記第1のデータ処理部21において得られた強度情報や位相情報に基づく対物レンズ16の焦点深度内での3次元画像と、前記第2のデータ処理部27において得られた3次元の位置情報とが、第3のデータ処理部31において処理され、共焦点レーザー走査型顕微鏡と同等の分解能で深さ方向の定量化がされる。このことから、表面のプロファイル情報を簡単に導くことができ、第3のデータ処理部31から送り込まれた表示装置32において、この表面のプロファイル情報を表示することができる。本実施例では、これら第1のデータ処理部21、第2のデータ処理部27、第3のデータ処理部31等の処理部を相互に別々のものとしたが、これらをまとめて一つのデータ処理部としても良い。
以上より、対物レンズ16の焦点深度より深い高低差を持つ対象物Sにおいても測定が可能となる。なお、第3のデータ処理部31は、得られた3次元画像データを電子データとして保存する機能を有する。
この一方、前述のレーザー光源1は、He-Ne等のガスレーザー、もしくは、半導体レーザー、固体レーザーであり、コヒーレントなレーザー光を発生する。このレーザー光をコリメーターレンズ2により平行光束にし、ビーム整形光学系3を用いて最適な径で音響光学変調素子4に入射させる。この音響光学変調素子4には、制御基板14より変調信号としてsin(2πfct)sin(2πfmt)のようなDSB変調信号を加える。
この様な変調を行うと、fc+fmとfc-fmの2つの周波数変調が加えられたことになる音響光学変調素子4は、ブラッグ回折格子のピッチdに相当する音波の粗密波を発生する。すなわち、超音波の速度をVa、印加する周波数をfとすると、d=Va/fとなる。具体的には、この粗密波により、音響光学変調素子4に入射されたレーザー光であるビームは、±1次回折光に分離され、各々の回折光は周波数fc±fmの周波数で変調される。ただし、たとえば音響光学変調素子4の材料としてTeO2を用いた場合、この結晶内の音速は、4200m/sである。
キャリア周波数の周波数fcとして80MHzを選択すると、ピッチはd=52.5μmとなり、He-Neレーザーをレーザー光源1に用いた場合、回折角θは1.38°程度になる。このキャリア周波数に、周波数8MHzのfmを加えると、±1次回折光はθ=1.38°±0.138°の2つのビームに分離角Δθを0.276°として分離され、それぞれ88MHzと72MHzで変調されることになる。
次に、この分離角Δθを対物レンズ16の入射瞳面で縮小する方法について述べる。
回折光が第1の瞳伝達拡大レンズ系5の光軸Lを通るよう、音響光学変調素子4から第1の瞳伝達拡大レンズ系5への入射角にθの傾きを持たせる。また、第1の瞳伝達拡大レンズ系5は2群のレンズからなるのに伴い、入射側レンズ群の焦点距離をfin 出射側レンズ群の焦点距離をfoutとしている。
音響光学変調素子4の出射面を第1の瞳伝達拡大レンズ系5の入射側レンズ群の焦点位置に置き、第1の瞳伝達拡大レンズ系5の2つのレンズ群間隔をfin+foutとすると、音響光学変調素子4の出射面位置を第1の1次元走査ディバイス11の偏向中心が射出側foutの位置に共役となるアフォーカル光学系となっている。また、第1の瞳伝達拡大レンズ系5の中間焦点面付近に光軸L近傍の光束のみ透過するようピンホール6が前述のように有り、このピンホール6で光軸L外を通る不要な非回折光および高次回折光をカットする。
ここで、fin<foutとすると、fout/fin=m1倍の拡大光学系となり、音響光学変調素子4で作られた分離角Δθを1/m1に縮小することができる。この一方、ビーム径はm1倍に拡大するため、この後の光学系による周辺光量の低下現象であるケラレを考慮し、制限開口7が第1の瞳伝達拡大レンズ系5の出射側レンズの後に挿入され、ビーム径を適性化する。
第2の瞳伝達拡大レンズ系12は、前述の第1の瞳伝達拡大レンズ系5と同様の構成となっており、この第2の瞳伝達拡大レンズ系12が、音響光学変調素子4の出射面位置、及び第1の1次元走査ディバイス11の偏向中心と第2の1次元走査ディバイス13の偏向中心を共役な位置関係に保つと共に、1より大きな倍率であるm2倍の拡大倍率を与える。
この第2の瞳伝達拡大レンズ系12を出射した光束は、第1の1次元走査ディバイス11の偏向方向と直交する方向に光束を偏向する第2の1次元走査ディバイス13に入射し、これにより光束は2次元走査されることになる。そして、これら第1の1次元走査ディバイス11及び第2の1次元走査ディバイス13は制御基板14に繋がっていて、レーザー光源1、音響光学変調素子4と同期して動作するように、制御されるようになっている。
この第2の1次元走査ディバイス13を出射した光束は、前述の第1の瞳伝達拡大レンズ系5と同様の構成となっている第3の瞳伝達拡大レンズ系15に入射する。第3の瞳伝達拡大レンズ系15は、音響光学変調素子4の出射面位置、第1の1次元走査ディバイス11の偏向中心、及び第2の1次元走査ディバイス13の偏向中心を対物レンズ16の入射瞳面と共役な位置関係に保つと共に、1より大きな倍率であるm3倍の拡大倍率を与える。
以上により、第1の瞳伝達拡大レンズ系5、第2の瞳伝達拡大レンズ系12、第3の瞳伝達拡大レンズ系15によるm1×m2×m3=m4倍の光学倍率によって、音響光学変調素子4によって作られた分離角ΔθをΔθ/m4に縮小し、対物レンズ16に音響光学変調素子4で分離された2つのビームを入射する。このことにより、音響光学変調素子4の変調周波数fmが高くしても、対象物Sの表面上で2つのビームによって作られる微小スポットを極めて近接させ、対象物Sを照明することができる。このようにして、図2の実線で示すビームLAおよび点線で示すビームLBのように、非常に接近して相互に同一径とされる2つのビームを得ることができる。
また、これら2つのビームLA、LBが有する周波数は、「光の振動数+キャリア周波数fc±変調周波数fm」となる。ここで、対物レンズ16からの2つの接近したビームLA、LBによって、対象物Sの表面上において作られる微小スポットの中心距離Δxを回折限界スポット径K以下に設定したとする。この場合、各々のスポットは、アッべの理論の回折限界以下にはならないが、わずかにずらした各々別の周波数の光であるために、ヘテロダイン検波をすることにより、その和信号あるいは差信号よりビート信号を生成でき、微分情報を取得することができる。
図1に示す受光素子18を、図2に示すビームLA、LBの分離方向に沿って2分割以上に分割した複数の分割受光素子とする。例えば、ビームLA、LBの分離方向に対して垂直な方向に延びる図2及び図3に示す境界線Cを光軸L上に形成した時、この境界線Cと平行に暗線を有するように、これら複数の受光素子を配置し、その和信号あるいは差信号より、ビート信号を取得させる。この際、和信号を用いビームを走査すると、ビーム内の平均的な位相差を示しており、実質的に微分干渉顕微鏡と等価になり、差信号を用いビームを走査すると、ビーム分離度に相当する高い横分解能で、位相差情報および位置情報を取得することが可能となる。なお、これらの横分解能の向上に関しては、詳しく後に述べる。
まず、情報取得の高速化について述べる。図2に示すように対物レンズ16で絞られた2つのビームLA、LBは、近接した2つのスポットA、B(図3に示す)となる。なお、スポットAの複素振幅EaおよびスポットBの複素振幅Ebは、下記式のようになる。
Ea=Aexpj(2π(fo+fc+fm)t)
Eb=Bexpj(2π(fo+fc-fm)t+δ)
この複素振幅Ebの式のδは、ビームLAのスポットAを基準としたビームLBのスポットBの高さ方向の位相差を表わし、foは光の周波数を表す。なお、前述したように、この2つのスポット間隔は、音響光学変調素子4に加えた変調周波数fmと拡大光学系の倍率m4によって決定されるので、走査速度とは無関係である。
他方、対象物Sで反射されたこの2つのビームLA、LBは、前述の照明光束と逆の光路を戻る。すなわち、対物レンズ16、第3の瞳伝達レンズ系15、第2の1元走査ディバイス13、第2の瞳伝達レンズ系12、及び第1の1元走査ディバイス11を順に戻ることにより、偏向成分がキャンセルされて軸上光となり、ビームスプリッター8で反射されて受光素子18に導かれる。受光素子18は、音響光学変調素子4によってビームLA、LBの分離された方向に沿って少なくとも2分割されている。これら2分割以上の受光素子は、フォトダイオードや光電子増倍管(PMT)等によりそれぞれ構成されている。
受光素子18を構成する各分割受光素子をフォトダイオードとした場合、その素子の持つ端子間容量に反比例し遮断周波数が決まる。一般的に端子間容量は受光面積に比例するため、受光系を高速化するには受光面積の小さいフォトダイオードを使用することが望ましい。これに伴い、端子間容量の小さい小型のフォトダイオードをアレイ上に複数個配置し高速化を図り、光電変換部19では、各フォトダイオードに1対1で対応した電気的増幅を行うことにより、信号比較器20において必要に応じた素子の組合せで、和信号または差信号を作成することが出来る。
第1のデータ処理部21においては、信号比較器20からの信号を制御基板14からの音響光学変調素子4の変調信号を用いてヘテロダイン検波し、実質的な直交変換により強度情報と位相情報を得る。また、制御基板14から1次元走査ディバイス11、13への各制御信号に合わせ、前記した強度情報や位相情報に基づき、対物レンズ16の焦点深度内における3次元の画像を構築する。
以下、対象物Sの形状と受光素子18の分割受光素子18A、18Bに戻ってくる光との関係を図4および図5に基づき、具体的に説明する。なお、図4において実線はビームLAを示し、点線はビームLBを示している。また、図4において2つのビームLA、LBによるスポットA、Bは本来現れないが、理解を容易とするために、スポットAを実線の円、スポットBを点線の円でそれぞれ示す。
図4は、対象物Sの形状である「試料形状」と分割受光素子18A、18Bに戻ってくる光を模式的に示している。つまり、受光素子18を分割された分割受光素子18Aと分割受光素子18Bで構成することとし、さらに、分割受光素子18Aの信号の値をaとし、分割受光素子18Bの信号の値をbとする。そして、対象物Sの平面部に入射した光は分割受光素子18A、18Bに対称に入射し、これらの差動を取ると、b−aの値は0となる。
これに対して、図4(A)では、対象物Sの緩い右上がり傾斜斜面にスポットA、Bが位置していて、対象物Sの緩い右上がり傾斜斜面からの戻り光は、分割受光素子18B側に偏るので、b−aの値はプラスになる。
他方、図4(B)では、緩い右下がり斜面と急な右下がり斜面とに跨がってスポットA、Bが位置している。この場合、緩い右下がり斜面からの戻り光は、分割受光素子18A側に偏り、b−aの値はマイナスになる。急な右下がり斜面からの戻り光は、更に分割受光素子18A側に偏り、b−aの値は更に大きなマイナスの値になる。
この際、受光素子18で得られた信号を元にして得られ位相情報は微分情報となるため、符号は維持され、強度情報はその絶対値となるため、符号はプラスとなる。
図5は、図4で説明した「試料形状」を位相情報及び強度情報で表した場合を示す図である。前述のように位相情報は微分値であり対象物Sの斜面の傾きを表すため、位相情報と強度情報から、対象物Sの形状を求めることが出来る。
上記では、2つの分割受光素子を適用した場合で説明したが、光軸Lを境界として、ビームの分離方向に複数の受光素子を対象物Sから離した場合も同様に議論が出来、特に、差出力を得る場合には、光軸Lを境界にして対応する受光素子間同士で行うようにすれば良い。また、複数の受光素子の和出力だけを用いるのであれば、実質上1つの受光素子を用いることで、同様のことが実現できることになる。
一方、前記光学系は、瞳伝達光学系により結合された直交する2つの1次元走査ディバイスとしたが、2次元走査ディバイスとしても良く、さらに瞳伝達光学系によりこれら走査ディバイスと対物レンズ16の射出瞳面とを結合する構成となっている。このような構成は、共焦点レーザー走査型顕微鏡の典型的な構成と同じであるため、共焦点レーザー走査型顕微鏡の受光光学系である共焦点光学系を組み込むことができる。
受光素子18により2つのビームLA、LBの位相差δは、ビート信号として検出される。すなわち、受光素子18上の2つのビームの強度Iは、下記式に基づく値で受光素子18の光電変換部19により検出され、信号比較器20に送られる。
I=(Ea+Eb)(Ea+Eb)*=A2+B2+2ABcos(2π*2fmt+δ)
したがって、信号比較器20を用いて、周波数2fmのヘテロダイン検波の位相比較を行うことにより、位相差δを測定することができる。このようにすれば、変調周波数fmを高くし、かつ、ビームを非常に接近させることができるので、横分解能を高くすることができると同時に、データの取得を高速に行うことができる。
つまり、位相比較を行う時間は、変調周波数fmに逆比例するので、たとえば、ビデオレート(水平走査周波数約16KHz)で、1000点以上のデータを取得しようとすれば、1点の情報取得の周波数は16MHzとなる。変調周波数fmを8MHzにすれば、ビート周波数は、16MHzとなるので、十分にビデオレートで情報取得をすることができる。
以下、図6に基づき対物レンズの焦点深度についての説明をする。
図6(A)に示すような「対物レンズ焦点深度」を超えた高さを有する断面形状の物体である対象物Sの高さを測定した場合には、下記のようになる。
従来型のレーザー走査型顕微鏡では、図6(B)に示す「従来型横分解能」のように、高い横分解能で連続値として3次元の形状が取得できるが、対物レンズ焦点深度より対象物Sの高さが高いため、「対物レンズ焦点深度」の範囲をずらして2つの画像を取得しなければならならず、またこれに伴い深さ方向の形状の定量化が難しかった。
これに対して、図6(C)に示すように、共焦点光学系では高さ方向に沿って「共焦点系高さ分解能」に合わせた数値情報を取得できるので、3次元グリッド上の位置座標として高さ情報を取得することが出来る。このため、図6(B)の3次元の形状と 図6(C)の高さ情報を合成することにより、図6(D)に示すように、数値化されかつ深い焦点深度とされる高分解能の画像を取得することが出来る。
以上により、本実施例によれば、横分解能がアッベの回折限界を超え、共焦点レーザー走査型顕微鏡と同等の分解能で深さ方向を定量化した3次元計測データを取得することが可能なレーザー走査型顕微鏡を得ることが出来る。したがって、これまでの各種光学顕微鏡で観察が難しく、電子顕微鏡や走査プローブ顕微鏡でしか観察出来なかった対象物の観察や計測をすることが可能となる。
この一方、製品化されている裸眼立体ディスプレーや偏光めがねを使用した3次元ディスプレー等を用いることにより、ビデオレートの3次元立体画像を表示することもできるので、教育や研究、医療において、有用な装置とすることができる。また、2つのビームの重なりの程度をビーム径よりも小さくしてあるので、2つのビームの行路差はほとんど生じていない。したがって、外乱や振動の影響も2つのビームで同時に生じるので、これらの影響が相殺される。
他方、本実施例では、ビームの分離度を個々のビーム径よりも非常に小さくした例を示したが、変調周波数を高くすることにより、ビームの分離度が大きくなり、かつ、ビーム径程度の分離度が必要となる場合にも、本発明の光学系が有用であることになる。
尚、上記実施例においては、1次元走査ディバイスを直交させて2つ配置することにより2次元走査を行う構成で説明をしたが、単純な一方向だけのデータが必要なアプリケーションであれば、1次元走査ディバイスを1段のみ使用した系でも同様な効果が得られることになる。この1次元走査ディバイスとして、マイクロマシーンの技術を用いたマイクロミラーディバイス、レゾナントミラー、ガルバノミラー、及び回転ポリゴンミラー等を用いることができる。さらに、近年開発がなされている、非線形光学結晶やフォトニック結晶を用いた高速スキャナーを使用できることにもなる。
また、マイクロマシーンの技術を用いたマイクロミラーディバイスにおいては、1つのディバイスで2次元走査可能なディバイスが有るが、これも使用可能であり採用すれば、第2の瞳伝達拡大光学系12が必要なくなる。これに伴い拡大倍率がm2分小さくなるが、第1の瞳伝達拡大光学系および第3の瞳伝達拡大光学系の拡大倍率m1,m3を大きくすれば、前述のm4の拡大倍率を保持できることになる。
以上において、主に高速にデータを取得する手段について述べたが、次に、横分解能を著しく増大させる手段について述べる。
簡単のために1次元で考える。まず、表面のプロファイルd(x)の位相分布をAejθ(x)とおく。ここで、θ(x)=2πd(x)/λである。本実施例のように反射の場合には、光路差は2倍になるので、観測されるθ(x)の半分を高さ情報とすればよい。
さて、上記のように音響光学変調素子にキャリア信号fcと変調信号fmの掛け算信号(DSB変調)を与えると、実質上、回折光は2つの僅かに分離したfc±fmの周波数を持った光となる。対物レンズで収束されるとΔxだけ分離した2つのビームとなり、各ビームプロファイルをu(x)とする。この場合、対物レンズから離れた場所では、表面プロファイルとビームプロファイルの積のフーリエ変換となる。
本レーザー走査型顕微鏡においては、一方の受光素子で受光されるビームは、ej(ωc-ωm)tで変調を受けていることになり、中心距離Δxだけ離れた他方の受光素子で受光されるビームは、ej(ωc+ωm)tで変調を受けていることになる。従って、受光素子上の複素振幅分布は、以下のようになる。
E=∫(Aejθ(x) u(x)ejkxdx・ej(ωc-ωm)t+Aejθ(x+Δx) u(x)ejkxdx・ej(ωc+ωm)tとなる。
これら受光素子により強度Iの検出を行うと、I=EE*、さらに、2ωmのヘテロダイン検波を行うので、以下の(1)式のようになる。
I(k)=A2∫ej(θ(x)-θ(x'+Δx') u(x) u(x’) ejk(x-x')dxdx’e-j2ωmt
+A2∫e-j(θ(x)-θ(x'+Δx') u(x) u(x’) ejk(x-x')dxdx’ej2ωmt・・・・・(1)式
そして、2つのビームLA、LBの重なっている照射領域A,Bのほぼ中心を図3の境界線Cとし、この境界線Cを挟んだ位置であって、ビームLA、LBの分離方向である各々の照射領域A,Bの分離方向に沿った位置に対応して2つの受光素子を対象物Sから離して配置する。
ここでまず、2つの受光素子の和信号がどのようになるかを考える。対象物Sから離れた位置では、フーリエ変換面であると考えられるので、受光素子で受光できる最大空間周波数をKmaxとすると、和信号では強度Iが下記式から求められる。
I=∫I(k)dk(積分範囲は-KmaxからKmax)
=A2∫cos(θ(x)−θ(x’+Δx’)−2ωmt) u(x) u(x’)sin(Kmax(x-x’))/(x-x’)dxdx’
受光素子を近接させてより広い空間周波数まで受光するように配置すると、
sin(Kmax(x-x’))/(x-x’)=Kδ(x-x’)となるので、以下の(2)式のようになる。
I=A2∫cos(θ(x) −θ(x+Δx) −2ωmt) u(x)2dx・・・・・(2)式
すなわち、2つのビームの分離位置の位相差をビームプロファイルのウェイトで積分したことになる。
(2)式を変形すると下記の式を得る。
Iq=A2∫cos(θ(x)−θ(x+Δx) u(x)2dx・cos(2ωmt)
Ii=A2∫sin(θ(x)−θ(x+Δx) u(x)2dx・sin(2ωmt)
従って、直交変換により、観測される位相差Θは以下の(3)式のようになる。
Θ=tan-1(∫sin(θ(x)−θ(x+Δx)) u(x)2dx/∫cos(θ(x)−θ(x+Δx)) u(x)2dx)・・・・・(3)式
この一方、2つの受光素子の差信号を考えると、和信号の場合と同様にして下記の式が得られる。
I=∫I(k)dk(積分範囲は0からKmax)−∫I(k)dk(積分範囲は−Kmaxから0)
=A2∫sin(θ(x)−θ(x’+Δx’)−2ωmt) u(x) u(x’)( cos(Kmax(x-x’)-1)/(x-x’)dxdx’
受光素子を近接させたより広い空間周波数まで受光するように配置すると、
(cos(Kmax(x-x’)-1)/(x-x’)=δ’(x-x’)+1/x(δ(x)-1)となるので、下記(4)式のようになる。
I=A2∫d/dx(sin(θ(x)―θ(x+Δx)―2ωmt) )u(x)2dx・・・・・(4)式
さらに、この(4)式を変形すると、下記のようになる。
Iq=A2∫d/dx(sin(θ(x)−θ(x+Δx)) u(x)2dx・cos(2ωmt)
Ii=−A2∫d/dx(cos(θ(x)−θ(x+Δx)) u(x)2dx・sin(2ωmt)
従って、直交変換により観測される位相差Θは以下の(5)式のようになる。
Θ=tan-1(−∫d/dx(cos(θ(x)−θ(x+Δx)) u(x)2dx/∫d/dx(sin(θ(x)−θ(x+Δx))u(x)2dx)・・・・・(5)式
ここで、(3)式と(5)式の比較を行う。定性的には、以下の点がわかる。
まず、(3)式では、ビームの中心距離Δxだけ離れた2点の位相差をu(x)の重み関数で、平滑化した結果として得られる位相差を示しているので、ビーム内の平均的な位相差を示している。これは、微分干渉顕微鏡と等価な処理である。
他方、(5)式では、ビームの中心距離Δxだけ離れた2点の位相差の微分に対して、u(x)の重み関数で、平滑化しているので、おおよそ元の関数を復元していることになる。従って、ビームを走査するとビーム分離度に相当する横分解能で、位相差および位置情報を取得することが可能となる。
ここでは、2分割の受光素子を適用した場合を記述したが、照射領域A,Bの重なった領域の中心付近に、2つのビームの分離方向に沿って複数の受光素子を対象物Sから離して配置した場合も同様になる。特に、差出力を得る場合には、光軸Lの中心付近に対応して配置した複数の受光素子のうちの、対応する複数の受光素子間同士で差演算するようにすれば良い。また、複数の受光素子の和出力だけを用いるのであれば、実質上1つの受光素子を用いることで、同様のことが実現できることになる。
以上述べたように、フーリエ変換面にて空間周波数情報を処理することにより、特に差演算では非常に高い横分解能の向上をもたらすことができる。また、ビーム内にプロファイルの傾きがあれば、定性的には光が反射または透過する方向が異なるので、2つの受光素子に強度としての差出力が与えられることは容易に考えられる。もう少し具体的に説明すると、ビーム径よりも小さいプロファイルの変化に対しては、光が照射されている領域のフーリエ変換の0次回折波と1次回折波との干渉により形成された干渉縞のファーフィールドにおけるパターンが2つの受光素子で異なるので、受光素子の差信号はプロファイルの傾きに反映した強度差となってあらわれることになる。
本実施例は、実施例1で述べた共焦点光学系の挿入位置を変更した実施例である。
図7は、本発明の実施例の構成を示すブロック図である。本実施例では、実施例1において存在していたビームスプリッター10、集束レンズ22、ピンホール23、受光素子24及び光電変換部25を取り除き、偏光ビームスプリッター8で反射して分離された反射戻り光が受光素子18に送られる構成とされている。
すなわち、偏光ビームスプリッター8はレーザー光である照明光が透過する配置とし、1/4波長板9を透過した反射戻り光は、偏光ビームスプリッター8により直角に反射され、音響光学変調素子4によりビームが分離される方向に沿って光軸を対称に2分割されている受光素子18の分割受光素子に入射する。光電変換部19においては、受光素子18を構成する各分割受光素子である各フォトダイオードに1対1で対応した電気的増幅を行い、信号比較器20において必要に応じた素子の組合せで、和信号または差信号を作成することとする。
これに伴って、第1のデータ処理部21において、制御基板14からの音響光学変調素子4の変調信号を用いて、信号比較器20からの信号をヘテロダイン検波し、実質的な直交変換により強度情報と位相情報を得る。また、制御基板14から1次元走査ディバイス11、13の各制御信号に合わせて、前記した強度情報や位相情報に基づき、対物レンズ16の焦点深度内における3次元の画像を構築する。
他方、本実施例では、第2の瞳伝達拡大レンズ系12の第2の1次元走査ディバイス13側寄りのレンズと、第2の1次元走査ディバイス13との間に、ビームスプリッター33が配置されている。対象物Sからの反射戻り光は光軸L上の光路を戻り、第2の1次元走査ディバイス13による走査成分がキャンセルされて再びビームスプリッター33に入射し、直角に反射されることにより照明光束の光路から分離される。ただし、第1の1次元走査ディバイス11による偏向成分がキャンセルされていないため、第1の1次元走査ディバイス11による偏向方向に長いライン状の光束となる。
この分離された戻り光光路に結像レンズ34を配置し、上記のライン状の光束方向に結像レンズ34の回折限界受光素子サイズを持つ受光素子を配列した1次元撮像素子35が、この結像レンズ34の焦点面に配置され、光電変換部36において適切な増幅処理を行う。
但し、前記1次元撮像素子35は、ライン方向に前記結像レンズ34の回折限界受光素子サイズを持つ受光素子が配列された受光素子アレイでもかまわない。
前記結像レンズ34の焦点面は、前記対物レンズ16の焦点面と共役な位置となるため、観察試料の焦点が合った時のみ前記1次元撮像素子35における光量が最大となり、焦点位置がずれた場所からの光は前記1次元撮像素子35面上で受光素子サイズよりも大きくなり、受光される光量が著しく減少する。
この結果、焦点深度が著しく浅くなり高さ方向の分解能が向上する。
実施例1と同様の移動機構26により対物レンズ16を高精度に移動させ、制御回路14からの1次元走査ディバイス11、13の位置情報とこの移動機構26の位置情報から、画素ごとに前記1次元撮像素子35で受光される光強度が最も高くなる焦点が合った位置を第2のデータ処理部27で求める処理をし、3次元の位置情報を構築する。なお、対物レンズ16を移動させる代わりに対象物Sを移動させる機構としても効果が同等である。
前記第1のデータ処理部21において得られた、強度情報や位相情報に基づく対物レンズ16の焦点深度内で3次元の画像と、前記第2のデータ処理部27において得られた3次元の位置情報とが、第3のデータ処理部31において処理され、共焦点レーザー走査型顕微鏡と同等の分解能で深さ方向の定量化され、表面のプロファイル情報を簡単に導くことができ、表示装置32において表示する。
以上のことから、対物レンズ16の焦点深度より深い高低差を持つ対象物Sにおいても測定が可能となる。また、データ処理部31は得られた3次元画像データを電子データとして保存する機能を有す。したがって、本実施例によれば、横分解能がアッベの回折限界を超え、共焦点レーザー走査型顕微鏡と同等の分解能で深さ方向を定量化した3次元計測データを取得することが可能なレーザー走査型顕微鏡を得ることが出来る。
本実施例は、受光素子18により共焦点光学系を構成する実施例である。
図8は、本発明の実施例の構成を示すブロック図である。本実施例においても、実施例1において存在していたビームスプリッター10、集束レンズ22、ピンホール23、受光素子24及び光電変換部25を取り除き、偏光ビームスプリッター8で反射して分離された反射戻り光が受光素子18に送られる構成とされている。さらに、本実施例では、偏光ビームスプリッター8と受光素子18との間の反射戻り光の光軸上に、集束レンズ22及び、この収束レンズ22の焦点面に収束レンズ22の回折限界スポット径程度の径を有するピンホール23がそれぞれ配置されている。
偏光ビームスプリッター8は照明光が透過する配置とし、1/4波長板9を透過した反射戻り光は偏光ビームスプリッター8により直角に反射される。反射戻り光光軸に配置された収束レンズ22やピンホール23を通過し、このピンホール23の直後に音響光学変調素子4によりビームが分離される方向に沿って光軸を中心にして複数に分割されている受光素子18により、ピンホール23を透過した光束を受光する。
収束レンズ22の焦点面は、前記対物レンズ16の焦点面と共役な位置となるため、観察試料である対象物Sの焦点が合った時のみ前記ピンホール23を光束が透過し、前記受光素子18で受光される。また、光電変換部19において、受光素子18を構成する各分割受光素子である各フォトダイオードに1対1で対応した電気的増幅を行い、信号比較器20において必要に応じた素子の組合せで和信号または差信号を作成することが出来る。
これに伴って、第1のデータ処理部21において、制御基板14からの音響光学変調素子4の変調信号を用いて、信号比較器20からの信号をヘテロダイン検波し、実質的な直交変換により強度情報と位相情報を得る。
また、制御基板14から1次元走査ディバイス11、13の各制御信号に合わせて、前記した強度情報や位相情報に基づき、共焦点光学系によって狭められた対物レンズ16の焦点深度内における3次元の画像を構築する。
焦点位置がずれた場所からの光については、前記ピンホール23面上で光束がピンホール径よりも大きくなり、受光素子18で受光される光量が著しく減少する。この結果、通常の顕微鏡に比べ焦点深度が著しく浅くなり縦分解能が大幅に向上する。
また、実施例1と同様の移動機構26により対物レンズ16を高精度に移動させ、画素ごとに焦点が合った高さを記憶させる。なお、対物レンズ16を移動させる代わりに対象物Sを移動させる機構としても効果が同等である。
移動機構26により前記対物レンズ16を高精度に移動させ、制御回路14からの1次元走査ディバイス11、13の位置情報と移動機構26の位置情報とから、画素ごとに受光素子18で受光され、信号比較器20において作成された和信号の光強度が最も高くなる焦点が合った位置を第2のデータ処理部27で求める処理をし、3次元の位置情報を構築する。
以上より、本実施例においても、第1のデータ処理部21において得られた、強度情報や位相情報に基づく共焦点光学系で狭くなった対物レンズ16の焦点深度内での3次元画像と、前記第2のデータ処理部27において得られた3次元の位置情報とが、第3のデータ処理部31において処理され、共焦点レーザー走査型顕微鏡と同等の分解能で深さ方向の定量化され、表面のプロファイル情報を簡単に導くことができ、表示装置32において表示する。
以上のことから、対物レンズ16の焦点深度より深い高低差を持つ対象物Sにおいても測定が可能となる。また、データ処理部31は得られた3次元画像データを電子データとして保存する機能を有す。したがって、本実施例によれば、横分解能がアッベの回折限界を超え、共焦点レーザー走査型顕微鏡と同等の分解能で深さ方向を定量化した3次元計測データを取得することが可能なレーザー走査型顕微鏡を得ることが出来る。
本実施例は、実施例1で述べた反射光学系を透過光学系に置き換えた実施例である。
図9は、本発明の実施例の構成を示す透過型の光学系のブロック図である。
本実施例では、主要な光学系は、実施例1におけるビームスプリッター10、受光素子18、光電変換部19、および信号比較器20を削除し、この替りに、対物レンズ16で集光された光は透過することになるので、対象物Sをはさんで対物レンズ16と反対側に受光素子28を配置した。
つまり、対物レンズ16の光軸の延長線上に、音響光学変調素子4によりビームが分離される方向に沿って光軸を中心にして複数分割された受光素子28の分割受光素子を配置する。 光電変換部29において、受光素子28を構成する各分割受光素子である各フォトダイオードに1対1で対応した電気的増幅を行い、信号比較器30において、必要に応じた分割受光素子の組合せにより和信号または差信号を作成することが出来る。第1のデータ処理部21において、制御基板14からの音響光学変調素子4の変調信号を用いて、信号比較器30からの信号をヘテロダイン検波し、実質的な直交変換により強度情報と位相情報を得る。
また、制御基板14から1次元走査ディバイス11、13の各制御信号に合わせ、強度情報や位相情報に基づき、対物レンズ16の焦点深度内における3次元の画像を構築する。
本実施例の場合、反射型に比較して、対象物Sに近接して受光素子28を配置することができるので、取得できる空間周波数を非常に高く設定することが可能となる。この結果、対象物Sの有する空間周波数の再現性が良くなるので、横分解能の更なる向上が可能となる。特に、生きたままの状態で、生物や細胞等の観察や計測を非常に高分解能で実施できる。これは、電子顕微鏡のような高倍率であっても生体を殺した状態でないと観測できない測定器とは大きく異なる特徴である。
以上より、本実施例においても、第1のデータ処理部21において得られた、強度情報や位相情報に基づく対物レンズ16の焦点深度内で3次元の画像と、前記第2のデータ処理部27において得られた3次元の位置情報とが、第3のデータ処理部31において処理され、共焦点レーザー走査型顕微鏡と同等の分解能で深さ方向の定量化され、表面のプロファイル情報を簡単に導くことができ、表示装置32において表示する。
以上のことから、対物レンズ16の焦点深度より深い高低差を持つ対象物Sにおいても測定が可能となる。また、データ処理部31は得られた3次元画像データを電子データとして保存する機能を有す。したがって、本実施例によれば、横分解能がアッベの回折限界を超え、共焦点レーザー走査型顕微鏡と同等の分解能で深さ方向を定量化した3次元計測データを取得することが可能なレーザー走査型顕微鏡を得ることが出来る。
本実施例は、実施例2で述べた反射光学系を透過光学系に置き換えた実施例である。
図10は、本発明の実施例の構成を示す透過型の光学系のブロック図である。本実施例における主要な光学系は、実施例2における偏光ビームスプリッター8、1/4波長板9、受光素子18、光電変換部19、および信号比較器20を削除し、前記実施例4で述べた対象物Sをはさんで対物レンズ16と反対側に配置された受光系である受光素子28を加えたものであるため、詳細な説明を割愛する。
本実施例は、反射光学系と透過光学系と併用する場合の実施例である。
図11は、本発明の実施例の構成を示す光学系のブロック図である。実施例1から実施例3において述べた反射光学系に、対象物Sをはさんで対物レンズ16と反対側に配置された受光系である受光素子28を加えたものであるため、詳細な説明を割愛する。なお、本実施例の代表例としては、この図11に示す実施例1の構成に透過系を加えた構成であり、このような構成によれば、1台のレーザー走査型顕微鏡で反射像と透過像をそれぞれ撮像可能となり、また同時に撮像することも可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明は、レーザー光の走査によって不透明物体の表面形状の観察及び計測、透明物体の表面または内部構造の観察及び計測を高速に行うレーザー走査型顕微鏡だけでなく、さまざまな種類の顕微鏡に好適なものである。
1 レーザー光源
2 コリメーターレンズ
3 ビーム整形光学系
4 音響光学変調素子
5 第1の瞳伝達拡大レンズ系
6 ピンホール
7 制限開口
8 偏光ビームスプリッター
9 1/4波長板
10 ビームスプリッター
11 第1の1次元走査ディバイス
12 第2の瞳伝達拡大レンズ系
13 第2の1次元走査ディバイス
14 制御基板
15 第3の瞳伝達拡大レンズ系
16 対物レンズ
18 第1の受光素子
19 光電変換部
20 信号比較器
21 第1のデータ処理部
22 集束レンズ
23 ピンホール
24 第2の受光素子
25 光電変換部
26 対物レンズ移動機構
27 第2のデータ処理部
28 第3の受光素子
29 光電変換部
30 信号比較器
31 第3のデータ処理部
32 表示装置
33 ビームスプリッター
34 結像レンズ
35 1次元撮像素子
36 光電変換部
S 対象物

Claims (10)

  1. レーザー光を出射するレーザー光源と、
    該レーザー光を相互に異なる周波数の2つの光に変調させつつ相互に異なる方向に出射する光変調器と、
    前記2つの光を1次元走査あるいは2次元走査する走査素子面を有し、制御信号に基づき2つの光を走査する走査光学素子と、
    瞳位置を有し、配置されている対象物に2つの光を出射する対物レンズと、
    前記光変調器の回折光出射面と該対物レンズの瞳位置とを共役な配置とするように、前記光変調器と該対物レンズとの間に位置して、前記光変調器から出射された2つの光を拡大する瞳伝達拡大レンズ系と、
    前記対物レンズおよび対象物のいずれかを2つの光の光路とされる光軸に沿って移動させて、これらの間の距離を相対的に変化させる移動手段と、
    前記対象物からの反射光あるいは透過光を受光して光電変換し、かつ前記光変調器によって生じる2つの光の分離方向に沿って配置される2つ以上の分割受光素子からなる第1の受光素子と、
    前記第1の受光素子で光電変換された各々の信号を和算または差算し、これら和算または差算に基づいて2つの光の位相情報および強度情報を得る信号比較手段と、
    前記信号比較手段の位相情報および強度情報と前記走査光学素子の制御信号とから、対物レンズの焦点深度内の3次元画像を構築する第1のデータ処理部と、
    対象物からの反射戻り光の光強度データに基づき、前記走査光学素子の制御信号および前記移動手段による移動量より3次元の位置情報を構築する第2のデータ処理部と、
    前記対物レンズの焦点深度内の3次元画像と光強度データに基づく3次元の位置情報とにより定量化された3次元画像を構築する第3のデータ処理部と、
    を含むことを特徴とするレーザー走査型顕微鏡。
  2. レーザー光源から射出された直線偏光であるレーザー光を円偏光に変換すると共に、対象物からの円偏光である反射戻り光を再び透過させて、前記レーザー光と偏波面が直交する直線偏光にする1/4波長板と、
    前記レーザー光と偏波面が直交している反射戻り光を光路から分離する偏光ビームスプリッターと、
    前記偏光ビームスプリッターにより分離された戻り光を集光するレンズと、
    前記レンズの焦点面に配置された空間フィルタと、
    空間フィルタを透過した反射戻り光を受光して光電変換することで光強度データを得る第2の受光素子と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のレーザー走査型顕微鏡。
  3. 走査光学素子が、
    前記2つの光を前記光変調器の回折方向に沿って走査する第1の走査光学素子と、
    前記2つの光を第1の走査光学素子と直交する方向に沿って走査する第2の走査光学素子と、
    を含み、
    前記第1の走査光学素子と前記第2の走査光学素子との間に配置されて、対象物からの反射戻り光を分離するビームスプリッターと、
    前記ビームスプリッターにより分離された戻り光を集光して結像するレンズと、
    第2の受光素子として前記レンズの焦点面に位置し、かつ前記光変調器によって生じる2つの光の分離方向に沿って配列される複数の分割受光素子からなる1次元撮像素子と、
    を有し、
    第2のデータ処理部が、前記1次元撮像素子により受光して光電変換された反射戻り光の光強度データに基づき、前記走査光学素子の制御信号および前記移動手段による移動量より3次元の位置情報を構築することを特徴とする請求項1記載のレーザー走査型顕微鏡。
  4. レーザー光源から射出された直線偏光であるレーザー光を円偏光に変換すると共に、対象物からの円偏光である反射戻り光を再び透過させて前記レーザー光と偏波面が直交する直線偏光にする1/4波長板と、
    前記レーザー光と偏波面が直交している反射戻り光を光路から分離する偏光ビームスプリッターと、
    前記偏光ビームスプリッターにより分離された戻り光を集光するレンズと、
    前記レンズの焦点面に配置されたピンホールと、
    を有し、
    前記第1の受光素子が、該ピンホールを透過した光を受光することにより第2の受光素子を兼ねることができ、
    該第1の受光素子の受光に伴い、前記第1のデータ処理部が、共焦点光学系により狭められた対物レンズの焦点深度内の3次元の画像を構築することを特徴とする請求項1記載のレーザー走査型顕微鏡。
  5. 前記第1の受光素子が、対象物を透過した光を対象物の直下で受光することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のレーザー走査型顕微鏡。
  6. 前記光変調器は、
    前記レーザー光源から出射されたレーザー光が入射させる音響光学変調素子と、
    前記音響光学変調素子にキャリア交流信号と正弦波信号を印加する信号発生器と、
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のレーザー走査型顕微鏡。
  7. 前記光変調器は、
    前記レーザー光源から出射されたレーザー光が入射させる空間光変調器と、
    前記空間光変調器に振幅または位相情報として正弦波状の格子縞を書き込み、キャリア交流信号と正弦波信号を印加して、前記格子縞を一定方向に移動させる信号発生器と、
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のレーザー走査型顕微鏡。
  8. 前記光学素子は、ガルバノミラーやレゾナントミラーによる1次元走査素子、非線形光学結晶やフォトニック結晶を用いた光走査ディバイス、2つの1次元走査ディバイスと瞳伝達拡大レンズ系よりなる2次元走査光学系、または、1次元または2次元のマイクロミラーディバイスとされることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載のレーザー走査型顕微鏡。
  9. 前記光電変換部で作成されたビート信号は、前記受光素子を構成する複数の分割受光素子のすべての分割受光素子の和信号、または、前記複数の分割受光素子の対応する位置にある分割受光素子同士の差信号より取得することを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載のレーザー走査型顕微鏡。
  10. 前記移動手段による移動は、ステッピングモータ駆動によるステージ移動、ピエゾ素子による直接またはステージ移動とされることを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載のレーザー走査型顕微鏡。
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