JP2014024924A - 乳化重合用乳化剤 - Google Patents

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直也 橋本
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幸治 川口
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Abstract

【課題】 本発明は、ビニル系モノマーを構成単量体とした乳化重合時の乳化重合安定性(以下、重合安定性と略記)やエマルションの機械的安定性が優れ、体積平均粒子径が小さく粒子径分布が狭くかつ臭気の少ないエマルションを得ることができる乳化重合用乳化剤を提供することを目的とする。
【解決手段】分子内に酸性度の異なる2種以上の親水基を有するアニオン性界面活性剤(X)を含有することを特徴とする乳化重合用乳化剤である。
【選択図】 なし

Description

本発明は乳化重合用乳化剤に関する。さらには、ラテックスの製造に用いられる乳化重合用乳化剤に関する。
従来、乳化重合用乳化剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、不均化ロジン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩およびポリオキシアルキレンベンジル化フェニルエーテル硫酸エステル塩などが知られている。(例えば、特許文献−1〜5参照)
これらの乳化重合用乳化剤に求められる性能は、重合時の凝集物発生を抑制する乳化重合安定性やエマルションに高せん断をかけた際に発生する凝集物を抑制する機械的安定性が良好であること、粘度が低いこと、エマルションの泡立ちが低いこと、エマルションの臭気が少ないことなどであり、これらの性能を全て満足する乳化重合用乳化剤は得られていない。
特開昭56−161403号公報 特開2006−241175号公報 特開2000−344808号公報 特開平9−136908号公報 米国特許第2854477号明細書
本発明の課題は、ビニル系モノマーを構成単量体とした乳化重合時の乳化重合安定性(以下、重合安定性と略記)やエマルションの機械的安定性が従来より改善され、体積平均粒子径が小さく粒子径分布が狭くかつ臭気の少ないエマルションを得ることができる乳化重合用乳化剤を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、分子内に酸性度の異なる2種以上の親水基を有するアニオン性界面活性剤(X)を含有することを特徴とする乳化重合用乳化剤;該乳化剤を用いて得られる、ビニル系モノマーを構成単量体としてなるエマルションである。
本発明の乳化重合用乳化剤を、ビニル系モノマーを構成単量体とした乳化重合工程で使用して得られるエマルションは下記の効果を奏する。
(1)重合安定性やエマルションの機械的安定性に優れる。
(2)体積平均粒子径が小さく、かつ粒子径分布が狭い。
(3)残存する単量体の量が少ないので、エマルションの臭気が少ない。
本発明におけるアニオン性界面活性剤(X)は、異なる酸性度を示す親水基を分子内に2つ以上有する。アニオン界面活性剤(X)が分子内に酸性度の異なる親水性基を2個以上有することで、重合安定性およびエマルションの機械的安定性に優れ、体積平均粒子径が小さく粒子径分布が狭く、かつ残存する単量体が少ないエマルションを得ることが可能である。
酸性度は、一般に25℃における水中での酸解離指数(pKa)により表される(化学便覧基礎編II改訂4版;平成5年、丸善(株)参照)。
親水基としては、pKaが6未満の酸性基を有する基などが挙げられ、具体的には、カルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、スルフェノ基、フォスフィノ基、フォスフィニル基等の酸性基を有する基が挙げられる。
酸性度の異なる2個以上の親水基とは、親水基の構造が同一であっても、その親水基に結合した疎水基の構造の違いによって酸性度が異なる場合も含む。
(X)としては、カルボキシ基及び/又はスルホ基を有することが好ましく、分子内に少なくとも1個のカルボキシ基を有することが更に好ましい。一般式(1)及び一般式(2)で表されるアニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤を含有することが特に好ましい。
Figure 2014024924
[式中、Rは炭素数4〜22の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜36の芳香環含有炭化水素基、Zは、直結、−OCO−、−O(AO)m−CO−及び−NHCO−、AOは炭素数2〜8のアルキレンオキシ基、Mはそれぞれ独立に水素カチオン、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン又は低級アルカノールアミンカチオンを表し、mは0〜100の整数である。]
Figure 2014024924
[式中、R2は炭素数1〜22の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜18の芳香環含有炭化水素基、R3は炭素数1〜22のアルキレン基、Qは−SO 基、−OSO 基、−(AO)nSO 基、−COO基、AOは炭素数2〜8のアルキレンオキシ基、nは1〜100の整数、複数のQは同一でも異なっていてもよく、少なくとも一つはカルボキシ基を有する。]
一般式(1)におけるRは炭素数4〜22の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜36の芳香環含有炭化水素基である。炭素数4〜22の脂肪族炭化水素基としては、直鎖若しくは分岐のアルキル基(ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル及びドコシル基等)、直鎖若しくは分岐のアルケニル基(ブテニル、ヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル及びオクタデセニル基等)並びに直鎖若しくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル及びブチルシクロヘキシル基等)等が挙げられる。これらの内好ましいのは炭素数8〜22の炭化水素基、更に好ましいのは炭素数12〜18の飽和炭化水素基である。
炭素数6〜36の芳香環含有炭化水素基としては、アリール基(フェニル、ナフチル、スチリルフェニル及びベンジルフェニル等)、アリールアルキル基(ベンジル、1−フェニルエチル及び2−フェニルエチル基等)並びにアルキルアリール基(メチルフェニル、エチルフェニル、ブチルフェニル及びノニルフェニル基等)が挙げられる。これらの内好ましいのは炭素数12〜30の芳香環含有炭化水素基、更に好ましいのは炭素数12〜24の芳香環含有炭化水素基、特に好ましいのは炭素数12〜24のアルキルアリール基である。
の内、重合安定性、エマルションの機械的安定性の観点から好ましいのは炭素数12〜18のアルキル基及び炭素数12〜24のアルキルアリール基である。
一般式(1)において、Zは直結、−O(AO)m−COO−又は−NHCO−であり、直結の場合とは、連結基であるZを介在することなく、Rとメチン基が直接連結された場合である。
AOは炭素数2〜8のアルキレンオキシ基(例えばエチレンオキシ基、1,2−プロピレンオキシ基、1,3−プロピレンオキシ基、1,2−ブチレンオキシ基及び1,2−ヘキシレンオキシ基など)であり、重合安定性およびエマルションの機械的安定性の観点から好ましいのはエチレンオキシ基及び1,2−プロピレンオキシ基である。
mは0〜100の整数であり、重合安定性およびエマルションの機械的安定性の観点から好ましい範囲は0〜20、更に好ましい範囲は0〜15である。
一般式(1)において、Mは水素カチオン、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、又は低級アルカノールアミンカチオンであり、具体的にはアルカリ金属(ナトリウム、カリウム及びリチウム等)カチオン、アンモニウムカチオン、モノ〜テトラアルキル置換アンモニウム(アルキル基の炭素数1〜8、例えばテトラメチル及びテトラエチル)カチオン並びにアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等)にプロトンが付加したカチオン等が挙げられる。これらの内好ましいものは、アルカリ金属カチオン及びアンモニウムカチオンであり、更に好ましいのはナトリウムカチオン及びアンモニウムカチオンである。
一般式(2)において、R2は炭素数1〜22の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香環含有炭化水素基である。
炭素数1〜22の脂肪族炭化水素基としては、直鎖若しくは分岐の炭素数1〜22のアルキル基(メチル、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル及びドコシル基等)、直鎖若しくは分岐の炭素数2〜22のアルケニル基(アリル、メタリル、ブテニル、ヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル及びオクタデセニル基等)並びに直鎖若しくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル及びブチルシクロヘキシル基等)等が挙げられる。これらの内好ましいのは炭素数1〜9の飽和炭化水素基、更に好ましいのは炭素数1〜4の飽和炭化水素基である。
炭素数6〜18の芳香環含有炭化水素基としては、アリール基(フェニル及びナフチル基等)、アリールアルキル基(ベンジル、1−フェニルエチル及び2−フェニルエチル基等)並びにアルキルアリール基(メチルフェニル、エチルフェニル、ブチルフェニル及びノニルフェニル基等)が挙げられる。
2の内、重合安定性およびエマルションの機械的安定性の観点から、好ましいのは炭素数6〜18の脂肪族炭化水素基及び炭素数6〜18の芳香環含有炭化水素基であり、更に好ましいのは炭素数6〜16の脂肪族炭化水素基である。
一般式(2)において、R3は炭素数1〜22のアルキレン基であり、炭素数1〜22のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ヘキサデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコシレン基及びドコシレン基等が挙げられ、重合安定性およびエマルションの機械的安定性の観点から、好ましいのは炭素数1〜12のアルキレン基、更に好ましいのは炭素数2〜10のアルキレン基である。
一般式(2)において、Qは−SO 基、−OSO 基、−(AO)nSO 基、−COO基であり、重合安定性、エマルションの機械的安定性、体積平均粒子径、粒子径分布および残存する単量体量の観点から好ましいのは−COO基である。一般式(2)におけるQが有するMは水素カチオン、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、又は低級アルカノールアミンカチオンであり、具体的にはアルカリ金属(ナトリウム、カリウム及びリチウム等)カチオン、アンモニウムカチオン、モノ〜テトラアルキル置換アンモニウム(アルキル基の炭素数1〜8、例えばテトラメチル及びテトラエチル)カチオン並びにアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等)にプロトンが付加したカチオン等が挙げられる。
これらの内好ましいものは、アルカリ金属カチオン及びアンモニウムカチオンであり、更に好ましいのはナトリウムカチオン及びアンモニウムカチオンである。
Qが−(AO)nSO 基である場合のnは1〜100の整数であり、重合安定性およびエマルションの機械的安定性の観点から好ましくは2〜30、更に好ましくは5〜30である。
本発明のアニオン性界面活性剤(X)は公知の方法で製造することができる他、スルホ基を導入する場合は、以下の公知の反応(1)〜(4)を組み合わせて製造することができる。
(1)フリーデルクラフツ反応
(1−1)フェノール性水酸基含有化合物(フェノール、クミルフェノール、ナフトール及びビスフェノールA等)にスチレン、ベンジルクロライド、ビニルトルエン又はα−メチルスチレン等をフリーデルクラフツ反応等によって付加させる。
(1−2)芳香族炭化水素系化合物(ジフェニルエーテル、ビスフェノールS、ジフェニルエーテル、ビフェニル、ジフェニルアミン及びこれらのアルキル置換体)に、スチレン、ベンジルクロライド、ビニルトルエン又はα−メチルスチレン等をフリーデルクラフツ反応等によって付加させる。
(1)における触媒としては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛又は活性白土等が使用できる。反応条件は、例えば特公昭50−25526号公報記載の条件が挙げられる。
得られた粗生成物を、濾過、抽出等により精製することもできる。
(2)アルキレンオキサイドの付加反応
上記(1−1)の生成物の水酸基にアルキレンオキサイドを付加する反応は通常の方法で行うことができる。例えば加圧反応器に、フリーデルクラフツ反応生成物及び触媒を仕込み、アルキレンオキサイドを圧入する方法が挙げられる。触媒としては、アルカリ触媒、例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウム等)の水酸化物;酸[過ハロゲン酸(過塩素酸、過臭素酸及び過ヨウ素酸等)、硫酸、燐酸及び硝酸等、好ましくは過塩素酸]及びそれらの塩[好ましくは2価又は3価の金属(Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Co、Ni、Cu及びAl)の塩]が挙げられる。反応温度は通常50〜150℃、反応時間は通常2〜20時間である。
2種以上のアルキレンオキサイドを併用する場合はブロック付加でもランダム付加でも両者の混合系〔ランダム付加後にチップしたもの:分子中に任意に分布されたオキシエチレン鎖を0〜50重量%(好ましくは5〜40重量%)有し、0〜30重量%(好ましくは5〜25重量%)のオキシエチレン鎖が分子末端にチップされたもの〕でもよい。
アルキレンオキサイド付加反応終了後は、必要により中和し吸着剤で処理して触媒を除去・精製することができる。
(3)硫酸エステル化反応
上記(2)によって得られたアルキレンオキサイド付加物の末端水酸基の硫酸エステル化物は、生成したアルキレンオキサイド付加物をそのまま硫酸エステル化し、水酸化ナトリウム等のアルカリを用いて中和することによって得られる。中和度は通常95〜110%であり、中和物のpH(硫酸エステル塩の5%水溶液)は、通常5〜10である。
硫酸エステル化の方法としては、例えば(イ)クロロスルホン酸を用いる方法、(ロ)サルファンを用いる方法、(ハ)スルファミン酸を用いる方法及び(ニ)硫酸を用いる方法が挙げられる。(ロ)のサルファンについては、乾燥窒素等で希釈して用いる。
反応温度は、(イ)及び(ロ)の場合は、通常0〜70℃、好ましくは0〜40℃である。(ハ)及び(ニ)の場合は、通常50〜150℃、好ましくは60〜130℃である。
硫酸エステル化反応の終点は、56100/(硫酸エステル又はその塩の分子量)で表される酸価(AV)が、理論値の70〜110%となる点であり、好ましくは80〜105%となる点である。
(4)スルホン化反応
上記(1−2)で得られた置換芳香族炭化水素系化合物のスルホン化反応は、従来の方法で行うことができる。
例えば、温度0〜30℃で、置換芳香族炭化水素系化合物に、クロルスルホン酸を滴下しながら反応させてスルホン化し、その後、アルカリ性化合物(水酸化ナトリウム等)で中和してスルホン化物の塩が得られる。
本発明の乳化剤(A)は、アニオン性界面活性剤(X)を含有する水溶液であることが好ましく、乳化剤の重量に基づくアニオン性界面活性剤(X)は10〜90重量%、好ましくは10〜50重量%である。
本発明のアニオン性界面活性剤(X)を含有する乳化剤を用いて得られるエマルションは、ビニル系モノマーを構成単量体としてなるポリマー粒子を含有し、そのポリマー粒子は体積平均粒子径が小さく、かつ粒子径分布が狭いという特徴を有する。
構成単量体(m)としては、芳香族ビニル系モノマー(m1)、脂肪族ビニル系モノマー(m2)、ニトリル基又はニトロ基含有モノマー(m3)、カルボキシル基含有モノマー(m4)、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(m5)、脂肪酸ビニルエステル系モノマー(m6)などが挙げられる。
(m1)芳香族ビニル系モノマー;
スチレン、置換スチレン(置換基の炭素数1〜18、好ましくは1〜8)[例としては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、シクロヘキシルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレン、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン、クロルスチレンなど]、ビニルナフタレンなどが挙げられる。
(m2)脂肪族ビニル系モノマー;
炭素数2〜24、好ましくは2〜12、更に好ましくは2〜6のモノオレフィン[例としてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘプテン、4-メチルペンテン−1,1−ヘキセン、ジイソブチレン、1−オクテン、1−ドデセン
、1−オクタデセンなど]、炭素数4〜18のアルカンジエン[例としてはブタジエン、炭素数4〜5のイソプレン、クロロブタジエン、その他1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエンおよび1,7−オクタジエンなど]などが挙げられる。
(m3)ニトリル基又はニトロ基含有モノマー;
ニトリル基含有モノマー[例としてはアクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリルおよびシアノスチレンなど]、ニトロ基含有モノマー[例としては4−ニトロスチレンなど]が挙げられる。
(m4)カルボキシル基含有モノマー;
(メタ)アクリル酸系モノマー[例としてはアクリル酸、メタクリル酸など]、不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など]が挙げられる。
(m5)(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(炭素数1〜24、好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜8の直鎖または分岐のアルキル基)[例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシルおよび(メタ)アクリル酸テトラコシルなど]、(メタ)アクリル酸アルケニルエステル(炭素数1〜30の直鎖または分岐のアルケニル基)[例としては(メタ)アクリル酸ブテニル、(メタ)アクリル酸オクテニル、(メタ)アクリル酸デセニル、(メタ)アクリル酸ドデセニル、(メタ)アクリル酸オレイルなど]が挙げられる。
(m6)脂肪酸ビニルエステル系モノマー;
脂肪酸としては炭素数1〜24、好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜8の直鎖状または分岐状の脂肪酸エステル[例としては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニルおよびn−オクタン酸ビニル、オレイン酸ビニル、リノール酸ビニル、リノレン酸ビニルなど]が挙げられる。
本発明のエマルションの例としては、合成樹脂エマルション[アクリル樹脂、アクリル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、酢酸ビニル−アクリル共重合体、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂等のエマルション]及びゴムラテックス[SBラテックス(主な構成単量体:スチレン、ブタジエン)、ABSラテックス(主な構成単量体:スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル)、VPラテックス(主な構成単量体:スチレン、ブタジエン、ビニルピリジン)、MBS(主な構成単量体:スチレン、ブタジエン、メチルメタクリレート)ラテックスなど]が挙げられる。
これらのうち、アニオン性界面活性剤(X)の乳化安定性の観点から好ましくはゴムラテックスであり、さらに好ましくはSBラテックスである。
本発明の乳化重合用乳化剤(A)はアニオン性界面活性剤(X)の他のアニオン性界面活性剤(X’)、ノニオン性界面活性剤(N)、両性界面活性剤(Y)を含有してもよい。
他のアニオン性界面活性剤(X’)としては、炭素数8〜24の炭化水素系エーテルカルボン酸又はその塩、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素系硫酸エステル塩[ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン及び(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム]、炭素数8〜24の炭化水素系スルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等]、アルキル(炭素数4〜8)ジフェニルエーテルスルホン酸塩及び炭素数8〜24の炭化水素系リン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸カリウム等]、アシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]並びにロジン酸塩[アビエチン酸ナトリウム、デヒドロアビエチン酸ナトリウム、デヒドロアビエチン酸カリウム、ジヒドロアビエチン酸カリウム等]等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤(N)としては、上述のアニオン性界面活性剤(X)の製造工程におけるアニオン化する前の中間体の他に、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=20)及びジステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=30)等]、多価(2価〜10価又はそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール及びモノラウリン酸ソルビタン等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8,重合度=1〜100)多価(2価〜10価又はそれ以上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノラウリン酸ポリオキシエチレン(重合度=10)ソルビタン及びポリオキシエチレン(重合度=50)ジオレイン酸メチルグルコシド等]、脂肪酸アルカノールアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド及び1:1型ラウリン酸ジエタノールアミド等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数1〜22)フェニルエーテル、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数8〜24)アミノアルキル(炭素数2〜8)エーテル並びにアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメチルアミンオキシド等]等が挙げられる。
両性界面活性剤(Y)としては、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]並びにアミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
重合安定性向上の目的で、さらに保護コロイド剤、例えば部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどを使用することができるが、多量に使用すると本発明の目的に反するので本発明の(A)の重量に基づいて20重量%以下が好ましい。重合は必要に応じてその他の添加剤、例えば、pH調整剤、連鎖移動剤、キレート剤などが使用される。重合温度は、重合しようとするモノマーの種類によって異なるが、通常−5〜100℃である。また普通に用いられる水系媒体として水の他にメタノール、イソプロパノール、アセトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の有機溶剤を併用してもよい。また、必要に応じて、乳化重合時または生成したエマルションに消泡剤、粘度調整剤、造膜助剤、防腐剤、凍結安定剤、架橋剤、可塑剤、帯電防止剤、顔料、染料などの添加剤を加えてもよい。
乳化重合は、従来から行われている乳化重合の方法で行えばよい。すなわち、本発明のアニオン性界面活性剤(X)単独、または必要により他の公知の乳化重合用乳化剤を併用して、水性媒体中で撹拌下に所定温度でビニル系モノマーおよび重合開始剤を一括で、または分割して、あるいは連続的に供給することにより行われる。
乳化重合時の系内における乳化重合用乳化剤の濃度としてはビニル系モノマー100重量に対して通常0.1〜10.0重量部、好ましくは0.5〜8.0重量部である。またビニル系モノマーの濃度としては得られたエマルションの全量に基づいて通常20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%である。重合開始剤、促進剤およびpH調整剤としては公知のものを使用すればよく、たとえば重合開始剤としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルヒドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスイソバレロニトリル等が挙げられ、促進剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄アンモニウムおよび硫酸銅等などが挙げられ、またpH調整剤としては水酸化ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウムなどが挙げられる。
体積平均粒子径および体積平均粒子径分布は、電気泳動光散乱光度計(大塚電子株式会社製、ELS−800)を使用して以下のように測定できる。
イオン交換水約100gに生成したエマルション約1gを分散させ、装置に対する試料濃度と光量を最適化する。この試料を測定用セル(10mm×10mm)に入れて体積平均粒子径分布を測定(積算回数;50回)し、体積平均粒子径を算出する。
本発明のアニオン性界面活性剤(X)を用いて得られるエマルションは、体積平均粒子径が小さく、かつ粒子径分布が狭い。
本発明のエマルションにおいて、エマルション中に残存する単量体の含有量は、エマルションの固形分の重量に基づいて、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。残存する単量体が1重量%以下であれば、エマルションの臭気が少ない。
特にスチレンを含む単量体を乳化重合する場合は、生成したエマルション中にスチレンが残存すると強い不快な臭気があり、エマルションの使用時に問題となることが多かったが、本発明のエマルションは臭気が少ない。
残存する単量体の含有量は、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、GC−204)を使用して以下のように測定できる。
マイクロシリンジを用いてエマルションを機器に注入し、以下の測定条件に従って測定を行う。各構成単量体の定量を別途作成した標準溶液(1.0、0.1、0.01%)から求めた検量線を用いて算出し、その合計をエマルションの固形分の重量に基づいて換算した値を残存単量体の含有量(%)とした。
測定条件
カラム:内径3.0mm、長さ3.0m
充填剤:[液相]Thermon1000(5%)、[担体]Chromosorb W 150−180 AW−DMCS
カラム温度:120℃(定温)
キャリアーガス:窒素、40mL/min
インジェクション温度:200℃
検出器温度:200℃
測定試料注入量:1μL
上記ガスクロマトグラムに限らず、ヘッドスペースガスクロマト(例えば、HSS/GC)、高速液体クロマトグラフ(HPLC)又は他のクロマトグラフ法を使用してもよい。
本発明のエマルションは、合成ゴム、塗料、粘着剤、接着剤などの用途に利用できる。また、乳化重合用乳化剤以外にも、通常の乳化剤として、農薬用乳化剤または化粧品用乳化剤など、従来から乳化剤として使用されているあらゆる用途の乳化剤としても使用できる。
[実施例]
以下の実施例により本発明を更に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
部および%は特記しない限り重量部および重量%を意味する。
製造例1
ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルアルコールのスルホコハク酸2ナトリウム塩の製造;
オートクレーブに、ラウリルアルコール186部(1モル)及び水酸化カリウム0.1部を仕込み、窒素置換後、温度100〜160℃、ゲージ圧0〜0.8MPaの条件下でエチレンオキサイド88部(2モル部)を投入し、付加重合させた。その後、触媒の水酸化カリウムを吸着剤で吸着除去し、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテル274部を得た。
生成物の全量を、加熱撹拌・冷却装置の付いたガラス製反応装置に仕込み、窒素雰囲気下、無水マレイン酸103部(1.05モル部)を仕込み、反応温度50〜60℃で3時間反応させた。この生成物全量を水1000部に亜硫酸ナトリウム132部(1.05モル)を溶解させた水溶液に窒素雰囲気下、50〜60℃で投入し、3時間スルホン化反応を行い、水187部で希釈してポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルのスルホコハク酸2ナトリウム塩(X−1)[一般式(1)において、R1=ラウリル基、Z=−O(AO)m−CO−、AO=エチレンオキシ基、m=2、M=ナトリウム]の30%水溶液1696部を得た。
製造例2
ポリオキシエチレン(10モル)ステアリルアルコールのスルホコハク酸2ナトリウム塩の製造;
オートクレーブに、ステアリルアルコール270部(1モル)及び水酸化カリウム 部を仕込み、窒素置換後、温度100〜160℃、ゲージ圧0〜0.8MPaの条件下でエチレンオキサイド440部(10モル部)を投入し、付加重合させた。その後、触媒の水酸化カリウムを吸着剤で吸着除去し、ポリオキシエチレン(10モル)ステアリルエーテル710部を得た。
生成物の全量を、加熱撹拌・冷却装置の付いたガラス製反応装置に仕込み、窒素雰囲気下、無水マレイン酸103部(1.05モル部)を仕込み、反応温度50〜60℃で3時間反応させた。この生成物全量を水2000部に亜硫酸ナトリウム132部(1.05モル)を溶解させた水溶液に窒素雰囲気下、50〜60℃で投入し、3時間スルホン化反応を行い、水205部で希釈してポリオキシエチレン(10モル)ステアリルエーテルのスルホコハク酸2ナトリウム塩(X−2)[一般式(1)において、R1=ステアリル基、Z=−O(AO)m−CO基、AO=エチレンオキシ基、m=10、M=ナトリウム]の30%水溶液3150部を得た。
製造例3
ポリオキシプロピレン(2モル)スチレン(1モル)化フェノールのスルホコハク酸2ナトリウム塩の製造;
オートクレーブに、スチレン(1モル)化フェノール198部(1モル)及び水酸化カリウム0.1部を仕込み、窒素置換後、温度100〜160℃、ゲージ圧0〜0.8MPaの条件下でプロピレンオキサイド116部(2モル)を投入し、付加重合させた。その後、触媒の水酸化カリウムを吸着剤で吸着除去し、ポリオキシプロピレン(2モル)付加スチレン(1モル)化フェノール314部を得た。
生成物の全量を、加熱撹拌・冷却装置の付いたガラス製反応装置に仕込み、窒素雰囲気下、無水マレイン酸103部(1.05モル部)を仕込み、反応温度50〜60℃で3時間反応させた。この生成物全量を水1000部に亜硫酸ナトリウム132部(1.05モル)を溶解させた水溶液に窒素雰囲気下、50〜60℃で投入し、3時間スルホン化反応を行い、水281部で希釈してポリオキシプロピレン(2モル)付加スチレン(1モル)化フェノールのスルホコハク酸ナトリウム塩(X−3)[一般式(1)において、R1=スチリルフェニル基、Z=−O(AO)m−CO−、AO=プロピレンオキシ基、m=2、M=ナトリウム]の30%水溶液1830部を得た。
製造例4
トリデカノールのスルホコハク酸2ナトリウム塩の製造;
トリデカノール200部(1モル)を、加熱撹拌・冷却装置の付いたガラス製反応装置に仕込み、窒素雰囲気下、無水マレイン酸103部(1.05モル部)を仕込み、反応温度50〜60℃で3時間反応させた。この生成物全量を水900部に亜硫酸ナトリウム132部(1.05モル)を溶解させた水溶液に窒素雰囲気下、50〜60℃で投入し、3時間スルホン化反応を行い、水115部で希釈してトリデカノールのスルホコハク酸ナトリウム塩(X−4)[一般式(1)において、R1=トリデシル基、Z=−O(AO)m−CO−、m=0、M=ナトリウム]の30%水溶液1450部を得た。
製造例5
オレイン酸の硫酸化物の製造;
オレイン酸282部(1モル)をジクロロプロパン60部に溶解した液に、窒素通気してクロルスルホン酸122部(1.05モル)を5〜40℃で滴下し、反応で生成する塩化水素を留去しながら、3時間反応を行い、オレイン酸の硫酸化物を得た。これに30%の水酸化ナトリウム水溶液133部(1モル)および水400部を撹拌下投入した後、ジクロロプロパンを減圧下留去してオレイン酸の硫酸化物(X−5)[一般式(2)において、R=オクチレン基、R=ヘプチレン基またはR=ヘプチレン基、R=オクチレン基、Q=−SO3M基及び−COOM基、M=ナトリウム及び水素原子]の50%水溶液880部を得た。
実施例1〜5、比較例1〜4
製造例1〜5で得られた(X−1)〜(X−5)及び下記(X’−1)〜(X’−3)のアニオン性界面活性剤を乳化剤として用いて以下のSBラテックスを製造した。
撹拌機、滴下ボンベ、窒素ガス導入管および温度計を備えた加圧反応容器に、水108部、スチレン50部、メタクリル酸メチル6部、メタクリル酸2部、表1に記載のアニオン性界面活性剤を乳化剤として表1に記載の部数、過硫酸ナトリウム0.50部およびpH調整剤としてのトリポリリン酸ナトリウム0.04部を仕込み、撹拌下、系内を窒素ガスで置換後、滴下ボンベからブタジエン42部を80℃、5時間で圧入滴下反応し、さらに3時間熟成反応し、固形分48%のSBラテックスを得た。
実施例6〜10、比較例5〜8
製造例1〜5で得られた(X−1)〜(X−5)及び下記(X’−1)〜(X’−3)のアニオン性界面活性剤を乳化剤として用いて以下の樹脂エマルションを製造した。
撹拌機、滴下ボンベ、窒素ガス導入管および温度計を備えた加圧反応容器に、水108部、スチレン50部、アクリル酸2−エチルヘキシル42部、メタクリル酸メチル6部、メタクリル酸2部、表1に記載のアニオン性界面活性剤を乳化剤として表1に記載の部数、過硫酸ナトリウム0.50部およびpH調整剤としてのトリポリリン酸ナトリウム0.04部を仕込み、撹拌下、系内を窒素ガスで置換後、80℃で8時間、熟成反応し、固形分48%の樹脂エマルションを得た。
得られたエマルションの体積平均粒子径(以下、Davと略記する場合がある)(nm)、Dav±30nmの範囲内の粒子の含有量(vol%)、残存単量体の含有量(%)、重合安定性および機械的安定性について、以下の試験法で測定した。結果を表1に示す。
(1)体積平均粒子径(nm)
電気泳動光散乱光度計(大塚電子株式会社製、ELS−800)を使用して測定した。イオン交換水約100gに生成したエマルション約1gを分散させ、装置に対する試料濃度と光量を最適化する。この試料を測定用セル(10mm×10mm)に入れて体積平均粒子径分布を測定(積算回数;50回)し、体積平均粒子径を算出した。
(2)Dav±30nmの範囲内の粒子の含有量(vol%)
上記(1)の測定を基に、エマルション粒子量に対するDav±30nmの範囲内の粒子含有量の比率を算出した。
(3)残存単量体の含有量(%)
ガスクロマトグラフ(島津製作所製、GC−204)を使用して測定した。
マイクロシリンジを用いてエマルションを機器に注入し、以下の条件に従って分析を行った。各構成単量体の検量線を用いて定量化し、その合計をエマルションの固形分の重量に基づいて換算した値を残存単量体の含有量(%)とした。
測定条件
カラム:内径3.0mm、長さ3.0m
充填剤:[液相]Thermon1000(5%)
[担体]Chromosorb W 150−180 AW−DMCS
カラム温度:120℃(定温)
キャリアーガス:窒素、40L/min
インジェクション温度:200℃
検出器温度:200℃
測定試料注入量:1μL
(4)臭気
エマルションを直径9cmのシャーレに20mL採り、10人のモニターにより以下の基準で臭気の官能評価を行った。10人の平均値を臭気の評価とした。
5点:殆ど臭気なし
4点:わずかに臭気有り
3点:やや不快臭有り
2点:かなり不快臭有り
1点:強い不快臭有り
(5)重合安定性(%)
エマルションを100メッシュの金網で濾過し、残渣を水洗後130℃で2時間乾燥して得た凝固物重量を、仕込モノマー重量に対する%で表した。
(6)機械的安定性(%)
エマルション50gをマロン法安定度試験機にて10kg/cm2、1000rpmで5分間シェアをかけ、生成した凝固物を100メッシュの金網で濾別し、水洗後130℃で2時間乾燥して得た凝固物重量の乾燥重量を採取エマルション中の固形分重量に対する%で表した。
Figure 2014024924
Figure 2014024924
表1、2中における略号は以下の通りである。
(X’−1):ラウリン酸カリウム
(X’−2):ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(X’−3):ラウリル硫酸ナトリウム
表1、2の結果より本発明のアニオン性界面活性剤は、乳化重合用の乳化剤として使用でき、得られたエマルションは従来の乳化剤を使用した場合に比べて、
(1)重合安定性やエマルションの機械的安定性が優れている。
(2)体積平均粒子径が小さく、かつ粒子径分布が狭い。
(3)残存する単量体の量が少ないので、エマルションの臭気が少ない。
本発明のアニオン性界面活性剤は、ビニル系モノマーを単量体として用いる乳化重合用の乳化剤として好適に利用できる。

Claims (6)

  1. 分子内に酸性度の異なる2種以上の親水基を有するアニオン性界面活性剤(X)を含有することを特徴とする乳化重合用乳化剤(A)。
  2. アニオン性界面活性剤(X)が分子内に少なくとも1個のカルボキシ基を有するアニオン性界面活性剤である請求項1記載の乳化重合用乳化剤。
  3. アニオン性界面活性剤(X)が一般式(1)及び一般式(2)で表されるアニオン界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上のアニオン性界面活性剤を含有する請求項1または2記載の乳化重合用乳化剤。
    Figure 2014024924
    [式中、Rは炭素数4〜22の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜36の芳香環含有炭化水素基、Zは、直結、−OCO−、−O(AO)m−CO−及び−NHCO−、AOは炭素数2〜8のアルキレンオキシ基、Mはそれぞれ独立に水素カチオン、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン又は低級アルカノールアミンカチオンを表し、mは0〜100の整数である。]
    Figure 2014024924
    [式中、R2は炭素数1〜22の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜18の芳香環含有炭化水素基、R3は炭素数1〜22のアルキレン基、Qは−SO 基、−OSO 基、−(AO)nSO 基、−COO基、AOは炭素数2〜8のアルキレンオキシ基、nは1〜100の整数、複数のQは同一でも異なっていてもよく、少なくとも一つはカルボキシ基を有する。]
  4. 請求項3に記載のアニオン性界面活性剤の有する2つのMがアルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン及び低級アルカノールアミンカチオンから選ばれる1種のカチオン並びに水素カチオンであるアニオン性界面活性剤を含有する乳化重合用乳化剤。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の乳化重合用乳化剤を用いて得られる、ビニル系モノマーを構成単量体としてなるエマルション。
  6. ビニル系モノマーが、炭素数2〜6のモノオレフィン、ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルおよび酢酸ビニルからなる群から選ばれる1種以上のモノマーである請求項5記載のエマルション。
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