JP2014023983A - アルカリ性原水のph処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 炭酸ガスのみを中和剤として、アルカリ性原水をより少ない炭酸ガスの消費量でもって能率よく安定してPH処理できると共に、装置の大幅な小型化と製造コストの引下げを図る。
【解決手段】 アルカリ性原水A内へ炭酸ガスを溶解させてアルカリ成分を中和する炭酸ガス反応槽2と,反応槽2からの原水Aが導入されると共に反応槽2からの原水のPH値を検出するPH電極9を備えた中間槽3と,中間槽3からの原水が導入されると共に導入された原水の一部を前記炭酸ガス反応槽2へ循環させる循環ポンプ15を備えた循環槽4と,循環槽4からの原水が導入されると共に循環槽4からの原水のPH値を検出するPH電極8を備えた放流槽5と,前記反応槽2へ炭酸ガスを供給する流量調整器7bを備えた炭酸ガス供給装置7と,前記中間槽3のPH電極9及び放流槽5のPH電極3の検出信号により反応槽2への炭酸ガスCの供給量を調整する制御盤6とから構成する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、建設現場や各種工場等から排出される高アルカリ性原水の炭酸ガスを用いたPH処理装置の改良に関するものであり、PH処理装置の大幅な小型化、炭酸ガス消費量の大幅な削減及び安定したPHの引下げを可能としたPH処理装置に関するものである。
従前から、コンクリートミキサー車の洗浄水やボイラー排水等の建設現場や各種工場等から排出される高アルカリ性原水(廃液)の処理には、中和剤として硫酸や塩酸等の酸性液を用いるPH処理装置が用いられて来た。しかし、酸性液を中和剤とするPH処理装置は危険性が相対的に高く、広い設置場所を必要とするうえその保守管理に手数が掛かる等の問題があった。
そのため、炭酸ガスを中和剤とするPH処理装置が開発され、この種の高アルカリ性原水の処理に広く実用化されている。
図10は、炭酸ガスを中和剤とするPH処理装置の一例を示すものであり、反応槽40内に設けた水中ポンプ41の駆動により反応槽40内の廃液42を吐出管43の先端に設けたエジェクタ44から噴出させると共に、炭酸ガスボンベ45から炭酸ガス46を吐出管43内の廃液42内へ圧入し、廃液42内のアルカリ性分を中和させるものである。
廃液タンク47内の廃液42は、前記エジェクタ44の作動により発生する負圧吸引力により吸引管48を通して反応槽40内へ噴出される。
また、前記炭酸ガス46の混入溶解により中和処理された廃液42´は、仕切壁49の下方から通気室50へ流入し、流出口51から外部へ排出されて行く。
更に、未反応の残留炭酸ガス46は廃液42内を上昇して反応槽40の上方のガス溜部52内に溜まり、ガス通路53を通して廃液42内へ再吸引されて行く。
上記図10のPH処理装置は、未反応の残留炭酸ガス46を再利用するようにしているため、中和剤である炭酸ガス46の使用量を削減出来るという利点を具備している。しかし、水中ポンプ41を反応槽40内に設けると共に仕切壁49を設けて通気室50とガス溜部52を形成する構成としているため、反応槽40が必然的に大型化することとなり、その小型化を図り難いと云う基本的な問題がある。
また、エゼエクタ44の作動時の負圧吸引力を利用して廃液タンク47内の排水42を反応槽40内へ吸引するようにしているため、エジェクタ44を大容量のものにする必要があり、それに伴って水中ポンプ41の容量が増加すると云う問題がある。
一方、上記の如き問題する、ものとして、図11に示すような酸性液と炭酸ガスの両方を中和剤として用いるようにしたPH処理装置が開発されている。
即ち、図11に於いては、反応槽40の内部が隔壁40aによって酸性液を用いる第1処理室54と,炭酸ガスを用いる第2処理室55に分割されており、且つ第2処理質55は隔壁40b、40cによって中間水槽56、第1処理水槽57a及び第2処理水槽57bに3分割されている。
尚、図11に於いて、58a〜58dはPHメータ、59,60は循環ポンプ、61は耐性液容器、62は炭酸ガス容器、63,64はラインミキサ、65a〜65cはPHコントローラ、66は耐性液流量調整器、67は炭酸ガス流量調整器、68は原水圧送ポンプ、69は原水槽、70は処理水排出口である。
原水Aは、原水槽69から原水圧送ポンプ68により反応槽40内へ第1処理室へ供給され、これにHCL容器61から所要量の耐性液がPHコントローラ65a、耐性液流量調整器66及びラインミキサ63を通して供給される。第1処理室54で耐性液により中和処理された原水は、先印方向に流動して中間水槽56,第1処理水槽57a、第2処理水槽57bの順に流れ、これに炭酸ガス容器62から所要量の炭酸ガスがPHコントローラ65b、炭酸ガス流量調整器67及びラインミキサ64を通して供給されることにより、炭酸ガスによる中和処理が行われ、処理水排出口70から外部へ放流されて行く。
尚、中間水槽56内の処理原水は、適宜に循環ポンプ59により第1処理室54へ循環され、これにより耐性液による中和処理レベルが設定値に保持されている。
同様に、第2処理水槽57bの処理原水も、適宜に循環ポンプ60により第1処理水槽57aへ循環され、これにより炭酸ガスによる中和処理レベルが設定値に保持されている。
前記図11に示した原水処理装置は、酸性液による処理と炭酸ガスによる処理を組み合せ夫々の処理工程に循環ポンプ59,60を設けているため、安定した原水のアルカリ中和処理が行えるという高い実用的効用を奏するものである。
しかし、当該原水PH処理装置では、反応槽40の内部を仕切壁40a〜40cによって4分割する構成としているため、反応槽40の製作に手数が掛かることになり、製造コストの引下げや反応槽40の小型化を図り難いと云う問題がある。
また、酸性液による中和処理と炭酸ガスによる中和処理とを組み合す構成としているため、酸性液処理に係る危険性や保守管理上の困難性が排除できないという問題がある。
更に、酸性液容器と炭酸ガス容器の両方を必要とするうえ、夫々の処理系統にPHメータ、循環ポンプ、PHコントローラ等を設ける必要があるため、PH処理装置自体の大型化と製造コスト上昇が不可避となり、PH処理装置の小型化及び低コスト化が図れないという問題がある。
特開2001−340878号公報 特開2008−194657号公報
本発明は、従前のPH処理装置に於ける上述の如き問題、即ち(イ)反応槽やPH処理装置そのものの構造の簡素化と小型化及び製造コストの引下げが図り難いこと、及び(ロ)危険性が高く、装置の保守、管理が容易でないこと等の問題を解決し、安全で且つ安定した原水のPH処理が行えると共に、装置の小型化及び低コスト化を可能としたアルカリ性原水のPH処理装置を提供することを発明の主目的とするものである。
本願請求項1の発明は、アルカリ性原水A内へ炭酸ガスを溶解させてアルカリ成分を中和する炭酸ガス反応槽2と,反応槽2からの原水Aが導入されると共に反応槽2からの原水のPH値を検出するPH電極9を備えた中間槽3と,中間槽3からの原水が導入されると共に導入された原水の一部を前記炭酸ガス反応槽2へ循環させる循環ポンプ15を備えた循環槽4と,循環槽4からの原水が導入されると共に循環槽4からの原水のPH値を検出するPH電極8を備えた放流槽5と,前記反応槽2へ炭酸ガスを供給する流量調整器7bを備えた炭酸ガス供給装置7と,前記中間槽3のPH電極9及び放流槽5のPH電極3の検出信号により反応槽2への炭酸ガスCの供給量を調整する制御盤6とを発明の基本構成とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明に於いて、炭酸ガス反応槽2へ供給するアルカリ性原水AのPH値を検出するPH検出電極12を設けると共に当該PH検出電極12の検出値を制御盤6へ入力して反応槽2へ供給する炭酸ガスCの流量をフィードフォワード制御するようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明に於いて、炭酸ガス反応槽2、中間槽3、循環槽4及び放流槽5をパイプ材から成る構成とすると共に、中間槽3及び放流槽4を反応槽2及び循環槽4より短くしてその底面を反応槽2及び循環槽4の底面より上方に位置させるようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1の発明に於いて、中間槽3から原水を循環槽4へ導入する配管路Lの中間槽3側の入口端を上部蓋3aにより閉鎖すると共に、その下方側の管路側壁に横穴3bを設け、当該横穴3bを通して減衰を循環槽4へ導入するようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項1の発明に於いて、炭酸ガス反応槽2を、上端部に原水放流管29を有する外筒24と,外筒24の内部に同芯状に配置した外筒24より長さの短い内筒26と,内筒26の上端開口よりその内方へ、先端部に設けたノズル27aを内筒26の上端部に位置させて同芯状に挿入すると共に、内筒26の外部位置に炭酸ガス供給管28を有する原水供給管27とから成り、前記ノズル27aより噴出したアルカリ性原水と炭酸ガスの混合水を内筒26の下方より外筒24内へ放出してその流動方向を反転させ、前記原水放出管29から外部へ排出する構成の炭酸ガス反応槽としたものである。
請求項6の発明は、請求項5の発明に於いて、内筒26の下端部をラッパ状に拡経し、外筒24と内筒26間の間隙Gを小さくするようにしたものである。
本願発明に於いては、炭酸ガス反応槽2と,PH電極9を備えた中間槽3と,循環ポンプ15を備えた循環槽4と,PH電極8を備えた放流槽5と,炭酸ガス供給装置7と,前記各PH電極8・9の検出PH値に基づいて炭酸ガス供給量を調整する制御盤6とからPH処理装置を構成すると共に、各槽2、3、4、5をパイプ材を用いて形成するようにしている。
その結果、従前の四角状箱体の内部を仕切壁により区画する構造のPH処理装置に比較して、大幅な装置構造の簡素化、装置の小型化、及び製造コストの引き下げが可能となる。
また、本発明では、炭酸ガスのみを中和剤として用いることにより、原水PHを規制PH値以下に能率よく危険性を伴うことなく安全に、しかも安定して中和処理することができる。
更に、本発明では中間槽3及び放流槽5の高さ寸法を反応槽2及び循環槽4より短くし、且つその各底面を反応槽2及び循環槽4の底面より上方に位置せしめて支持固定する構成としているため、原水を抜き出しした場合でもPH電極8,9が乾燥により破損することが防止される。
加えて、本発明に於いては、中間槽3及び放流槽5のPH電極8,9の検出信号による炭酸ガス供給量のフィードバック制御と、原水AのPH値を検出するPH電極による炭酸ガス供給量のフィードフォワード制御とにより反応槽2への炭酸ガス供給量を自動制御するようにしているため、炭酸ガス消費量をより少なくした効率のよい、安定したPH処理を行うことができる。
本発明の炭酸ガス反応槽2では、原水と炭酸ガスとの混合水をノズル27aから内筒26の内方へ噴出し、内筒26の下端のラッパ状の原水反転口27bを通して外筒24へ放出してその流動方向を反転させ、外筒24の上端部に設けた原水放流管29を通して外部へ排出する構成としている。
その結果、内筒26内が炭酸ガス溶解室として機能すると共に外筒26の深さに相当する水圧が内筒24及び外筒26内の混合水に掛かるため、混合水内の炭酸ガスがより円滑に原水内へ溶解することになり、結果として炭酸ガスの溶解度が向上して、アルカリ原水の中和に必要とする炭酸ガス量が減少し、アルカリ処理装置のランニングコストを大幅に引下げることができる。
本発明に係る炭酸ガス溶解装置を反応槽として適用したPH処理装置の平面図である。 PH処理装置の正面図である。 PH処理装置の左側面図である。 PH処理装置の右側面図である。 PH処理装置の斜面図及びPH処理装置の一部の透明化した斜面図である。 PH処理装置の原水の処理及び制御系統の概要説明図である。 本発明に係る炭酸ガス反応槽の平面図である。 図7のイ−イ視断面図である。 表1の試験結果を示す線図である。 従前の炭酸ガスを用いたPH処理装置の一例を示す説明図である。 従前のアルカリ性廃水のPH処理装置の説明図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係るアルカリ性原水のPH処理装置の一例を示す平面図であり、図2はその正面図,図3は図1の左側面図,第4図は図1の右側面図である。また、図5は当該PH処理装置の斜面図である。
当該PH処理装置1は、図1乃至図5に示すように炭酸ガス反応槽2,中間槽3,循環槽4,放流槽5,制御盤6,炭酸ガス供給装置7,放流槽用PH電極8及び中間槽用PH電極9等を具備しており,別途に設けた原水ピット及び又は原水槽(図示省略)から最大PH=12の原水(廃液)Aが原水ポンプ(図示省略)により原子流入口10から反応槽2内へ供給され,PH5.8〜8.6に処理された処理済み原水Bが放流口11から外部へ排出されて行く。
尚、図1乃至図5に於いて、12は炭酸ガス反応槽2に仮保管されている原水槽用PH電極、13は炭酸ガス反応槽2に設けた原水槽用PH電極12の収納用ホルダ,14は炭酸ガス供給用配管,15は循環ポンプ,16、17はドレーンバルブ,18はゲートバルブである。
また、Lは反応槽2と中間槽3間の連通路、Lは中間槽3と循環槽4間の連通路、Lは循環槽4と放流槽5間の連通路である。
表1は、当該PH処理装置1の主要な仕様を示すものであり、装置の外形寸法は据付用架台31を含めて横幅1070mm、奥行1100mm、高さ1590mmである。
図6は、当該PH処理装置の原水処理並びにPH制御の概要説明図であり、別途に設けた原水ピット19及び又は原水槽20から原水ピットポンプ21及び又は原水槽ポンプ22により,原水Aが原水供給管27を通してPH処理装置1の炭酸ガス反応槽2内へ送られ、炭酸ガスLの溶解によりアルカリ成分を中和された原水Aが中間槽3、循環槽4放流槽5の順に流動し、処理済み原水Bが原水放流管29(法流口11)から外部へ排出されて行く。
前記原水槽20等と中間槽3と放流槽5にはPH電極12、9、8が設けられており,原水A及び処理済み原水B等のPH値が制御盤6上に記録、表示される。
また、前記炭酸ガス反応槽2と中間槽3の間は通路L1により、中間槽3と循環槽4の間は通路L2により、循環槽3と放流槽5間は通路L3により夫々連通されている。
尚、前記中間槽3は、原水Aが排出基準設定値に達しているか否かを判別するためのものであり、中間槽用PH電極が設けられており、中間槽3にてPH値が設定値外であることが検出されると,循環槽4に設けた循環ポンプ15が駆動されることになる。
また、原水槽20は別に設けてあるが、PH装置を使用しない時に原水槽用PH電極12を収納しておくホルダ13が反応槽2に設けられている。
また、中間槽3にて異常PH値を検知した際に、原水Aが循環槽4を通って、放流槽5まで勢いよく流れ出ないようにするため、中間槽3と循環槽4の間に配管Lを設け、図5(b)に示すようにこの中間槽3の配管Lの入口部に、上部蓋3aを設けると共に横穴3bから原水Aを排出する形状にして、あえて損失を与えるようにしている。さらに、横穴3bから原水Aを排出することによって、中間槽3の電極に原水Aが確実に触れるようにしている。
加えて、PH電極は、保管する際に電極の先端を渇水状態にしておくと、PH電極が割れてしまう為、ドレンバルブ16,17から反応槽2や循環槽4内の溜水を廃水しても、中間槽3と放流槽4のPH電極先端は常に水に触れるようにしている。
前記、炭酸ガス反応槽2へ供給する炭酸ガスCの供給量は、各PH電極12、9のPH検出値に基づいて制御盤6のコントローラ6aを介して制御されており、原水槽用PH電極12からのPH検出信号により予め炭酸ガスCの供給量を先行調整するようにした所謂フィードフォワード制御と,中間槽用PH電極9からのPH検出信号により炭酸ガスCの供給量を調整するようにしたフィードバック制御の両方式により,原水AのPH処理が行われて行く。
中間槽3のPH値が下がらないような異常が生じた場合には、循環ポンプ15が自動駆動されて処理済み原水Bの一部が炭酸ガス反応槽2へ循環され,外部へ排出する処理済み原水BのPH値を設定値に保持するように構成されていることは、前述した通りである。
尚、図6に於いて、7aは炭酸ガス供給装置7の圧力調整器、7bは流量調整器(電空レギュレータ)、7cは電磁弁、6bはPH表示器、6cはPH記録計、4a、19a、20aはフロート型液面検出器である。
図7は、本発明で使用する炭酸ガス反応槽2の平面図であり、図8は図7のイ−イ視断面図である。即ち、本発明に係る炭酸ガス反応槽2は、原水A内へ炭酸ガスCを溶解させることにより原水Aのアルカリ成分を中和させ、そのPH値を設定値(PH5.8〜8.6)に低減させるものである。
図7及び図8に於いて、24は外筒、25は蓋体、26は内筒、27は原水供給管、28は炭酸ガス供給管、29は原水放流管である。
即ち、当該炭酸ガス反応槽2は、縦長の外筒24と、外筒24と同軸上に設けた外筒より若干短い内筒26と、内筒26の上部開口より先端部に設けたノズル27aを内筒26内へ挿入させて支持固定した原水供給管27と、内筒26の外方に位置して原水供給管27の軸芯と直角方向に取付した炭酸ガス供給管28等から構成されている。
前記外筒24は内径300〜400mmφ、長さ800〜1200mm程度の円筒体であり、上方部はフランジ24aへ内筒26の上端を支持固定した蓋体25を固定することにより、気密に閉鎖されている。また、外筒24の上端部側壁には、処理済み原水の放流管29が設けられており、更に、外筒24の下端部にテーパ状に締られており、ドレーンバルブの取付口24bが形成されている。
前記内筒26は内経100〜150mmφ、長さ700〜1100mm程度の円筒体であり、その上端部を蓋体25へ固定することにより、外筒24内へこれと同芯状に挿入され、固定されている。
また、内筒26の先端部26aはラッパ状に拡径されており、原水反転口27bとなっている。つまり、内・外筒管24・26間の間隙Gが絞られた状態になっており、この部分を通して上方から内筒24内を下降して来た混合水が反転し、上昇流となって内・外筒24・26間を通り、原水放流管29より外部へ排出されて行く。
前記原水供給管27は、管経50A〜65A程度の短管から形成されており、先端に設けたノズル27aを内筒26の内部へ臨ましめた状態で、内筒26内へ同芯状に挿入され、蓋体25の上面へ取付具30を介して気密に着脱自在に支持固定されている。
また、前記炭酸ガス供給管28には,外筒24の外方に位置する箇所に,炭酸ガス供給管28がその軸芯と直角方向姿勢で取付固定されており,この炭酸ガス供給管28を介して炭酸ガスCが原水Aの流れ方向に対して垂直方向に噴出,混合される。
尚、前記原水供給管27へは、圧力0.15〜0.6kg/cm,流量100〜400l/minの原水Aが供給される。また、この原水A内へは、炭酸ガス供給管28からガス圧1〜2kg/cmの炭酸ガスCが垂直方向に25〜80l/minの流量で噴射され、原水A内へ炭酸ガスCが混入される。
原水Aと炭酸ガスCとの混合水はノズル27aから内筒26内へ向けて噴出され、炭酸ガス室となった内筒26内で撹拌混合されることにより、炭酸ガスCが原水A内へ溶解される。これにより、原水A内のアルカリ成分が溶解した炭酸ガスCと反応して中和され、そのPH値が低下する。
特に、内筒26内には外筒26の液面高さに相当する水圧が掛かると共に、内筒26の下端部をラッパ状の開口にして間隙Gを小さくし、炭酸ガス気泡Caを内筒26内に封じ込めるようにしていることにより、炭酸ガス気泡Caは外部への流出が少なくなると共に水圧によって圧縮されることになり、その溶解度が大幅に向上する。
次に、本発明に係る特性試験結果について説明する。
先ず、図8に示した炭酸ガス反応槽2の小型モデルを作成した。即ち、反応槽2の高さ(外筒の高さ)1000mm、内経(外筒の内経)200mm、内筒26の内経65mmφ、ノズル径16mmφとし、供給する原水Aの流量及びPH値を同一とした場合の供給炭酸ガス量と処理後のPH値の関係を調査した。
表2は、その結果を示すものであり、原水Aの流量は100l/minとしている。
図9は、上記表2の試験結果を示す線図である。
表2の結果からも明らかなように、従前のエジェクタ方式の反応槽の場合に比較して、2重筒方式の炭酸ガス反応槽2を使用したPH処理装置に於いては、比較的少量の炭酸ガスの供給でもって処理済み原水BのPH値を廃水基準値以下に安定して低下できることが判る。
また、市販のパイプ材を切断することにより反応槽2、中間槽3、循環槽4及び放流槽5等を形成しているため、従前の鋼板製箱体を仕切壁により区画する構成のPH処理装置に比較して、PH処理装置の小型化及び製造コストの大幅な引下げが可能となる。
本願発明は、セメント廃水やボイラ廃水のPH処理装置のみならず、あらゆる産業に於けるアルカリ性廃液のPH処理に利用できるものである。
A 原水(廃液)
B 処理済み原水(処理済み廃水)
C 炭酸ガス
Ca 炭酸ガスの気泡
G 間隙
反応槽と中間槽間の通路
中間槽と循環槽間の通路
循環槽と放流槽間の通路
1 アルカリ性原水のPH処理装置
2 炭酸ガス反応槽
3 中間槽
3a 上蓋
3b 横穴
4 循環槽
4a 液面検出器
5 放流槽
6 制御盤
6a コントローラ
6b PH表示器
6c PH記録計
7 炭酸ガス供給装置
7a 圧力調整器
7b 流量調整器
7c 電磁弁
8 放流槽用PH電極
9 中間槽用PH電極
10 原水流入口
11 放流口
12 原水槽用PH電極
13 原水槽用PH電極の収納用ホルダ
14 炭酸ガス供給用配管
15 循環ポンプ
16・17 ドレーンバルブ
18 ゲートバルブ
19 原水ピット
19a 液面検出器
20 原水槽
20a 液面検出器
21 原水ピットポンプ
22 原水槽ポンプ
23 炭酸ガスボンベ
24 外筒
24a フランジ
24b ドレーンバルブ取付口
25 蓋体
26 内筒
26a ラッパ状先端開口
27 原水供給管
27a ノズル
27b 原水反転口
28 炭酸ガス供給管
29 原水放流管
30 取付具
加えて、本発明に於いては、中間槽3のPH電極の検出信号による炭酸ガス供給量のフィードバック制御と、原水AのPH値を検出するPH電極による炭酸ガス供給量のフィードフォワード制御とにより反応槽2への炭酸ガス供給量を自動制御するようにしているため、炭酸ガス消費量をより少なくした効率のよい、安定したPH処理を行うことができる。
図6は、当該PH処理装置の原水処理並びにPH制御の概要説明図であり、別途に設けた原水ピット19及び又は原水槽20から原水ピットポンプ21及び又は原水槽ポンプ22により,原水Aが原水供給管27を通してPH処理装置1の炭酸ガス反応槽2内へ送られ、炭酸ガスLの溶解によりアルカリ成分を中和された原水Aが中間槽3、循環槽4放流槽5の順に流動し、処理済み原水Bが原水放流管29(流口11)から外部へ排出されて行く。

Claims (6)

  1. アルカリ性原水A内へ炭酸ガスを溶解させてアルカリ成分を中和する炭酸ガス反応槽(2)と,反応槽(2)からの原水Aが導入されると共に反応槽(2)からの原水のPH値を検出するPH電極(9)を備えた中間槽(3)と,中間槽(3)からの原水が導入されると共に導入された原水の一部を前記炭酸ガス反応槽(2)へ循環させる循環ポンプ(15)を備えた循環槽(4)と,循環槽(4)からの原水が導入されると共に循環槽(4)からの原水のPH値を検出するPH電極(8)を備えた放流槽(5)と,前記反応槽(2)へ炭酸ガスを供給する流量調整器(7b)を備えた炭酸ガス供給装置(7)と,前記中間槽(3)のPH電極(9)及び放流槽(5)のPH電極(3)の検出信号により反応槽(2)への炭酸ガスCの供給量を調整する制御盤(6)とから構成したことを特徴とするアルカリ性原水のPH処理装置。
  2. 炭酸ガス反応槽(2)へ供給するアルカリ性原水AのPH値を検出するPH検出電極(12)を設けると共に当該PH検出電極(12)の検出値を制御盤(6)へ入力して反応槽(2)へ供給する炭酸ガスCの流量をフィードフォワード制御するようにした請求項1に記載のアルカリ性原水のPH処理装置。
  3. 炭酸ガス反応槽(2)、中間槽(3)、循環槽(4)及び放流槽5をパイプ材から成る構成とすると共に、中間槽(3)及び放流槽4を反応槽(2)及び循環槽(4)より短くしてその底面を反応槽(2)及び循環槽(4)の底面より上方に位置させるようにした請求項1に記載のアルカリ性原水のPH処理装置。
  4. 中間槽(3)から原水を循環槽(4)へ導入する配管路Lの中間槽(3)側の入口端を上部蓋(3a)により閉鎖すると共に、その下方側の管路側壁に横穴(3b)を設け、当該横穴(3b)を通して減衰を循環槽(4)へ導入するようにした請求項1に記載のアルカリ性原水のPH処理装置。
  5. 炭酸ガス反応槽(2)を、上端部に原水放流管(29)を有する外筒(24)と,外筒(24)の内部に同芯状に配置した外筒(24)より長さの短い内筒(26)と,内筒(26)の上端開口よりその内方へ、先端部に設けたノズル(27a)を内筒(26)の上端部に位置させて同芯状に挿入すると共に、内筒(26)の外部位置に炭酸ガス供給管(28)を有する原水供給管(27)とから成り、前記ノズル(27a)より噴出したアルカリ性原水と炭酸ガスの混合水を内筒(26)の下方より外筒(24)内へ放出してその流動方向を反転させ、前記原水放出管(29)から外部へ排出する構成の炭酸ガス反応槽とした請求項1に記載のアルカリ性原水のPH処理装置。
  6. 内筒(26)の下端部をラッパ状に拡経し、外筒(24)と内筒(26)間の間隙Gを小さくするようにした請求項5に記載のアルカリ性原水のPH処理装置。
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