JP2014022690A - 面発光半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ特性の劣化を招かずに電気抵抗を低減できる面発光半導体レーザを提供する。
【解決手段】この面発光半導体レーザによれば、p型の分布ブラッグ反射層8を構成しているp型AlGaAs層8Bのバンドギャップは、p型GaInAs層8Aのバンドギャップよりも大きい。また、p型AlGaAs層8Bは、歪量が略零であり、p型GaInAs層8Aは予め定められた量の圧縮歪が加えられている。これにより、ホールをより高いエネルギーに分布させ、ホールがp型のDBR8を流れやすくすることができて、低い動作電流と低い電気抵抗を達成できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、通信用等の用途に用いられる面発光半導体レーザに関する。
光通信用光源として、面発光半導体レーザが実用化されている。面発光半導体レーザは、活性層を含む領域を、多層膜のブラッグ反射層(DBR:Distributed Bragg Reflector)で挟みこんだ構造になっている。
一般的に、上記ブラッグ反射層は、組成が異なる2つの半導体層を交互に積層した構造であるが、バンドギャップの異なる2つの半導体層が交互に接合している結果、バンド不連続が発生し、キャリアがこのバンド不連続の領域を通過するために、一様な結晶と比べて電気抵抗が高くなるという問題があった。特に、電子と比べて有効質量が大きいホールを流す必要があるp型のDBRでは、この電気抵抗が高くなるという問題が大きい。
電気抵抗を下げる1つの方策としては、従来、p型のDBRのドーピング量を大きくすることが適用されている。例えば、p型DBRへ高濃度ドープを行うためにカーボンドープなどの手法により、1018cm−3オーダーで高濃度ドープしたp型のDBR構造が用いられている。
しかしながら、一般に、レーザ共振器内に高濃度ドープした領域があると、自由キャリア吸収による光の損失が大きくなる。この自由キャリア吸収は、p型のキャリア濃度が1×1018cm−3を超える場合に顕著になり、2×1018cm−3以上のキャリア濃度で急激に増加する。
したがって、電気抵抗を低減するために、上記p型DBRのドーピング濃度を高くすると、自由キャリア吸収が増加し、上記p型DBRの反射率が低下するという課題や、レーザ共振器内の光学損失が大きくなって、しきい値電流が増加するなどレーザ特性が悪化するという課題がある。
特表平9−512138号公報
そこで、この発明の課題は、レーザ特性の劣化を招かずに電気抵抗を低減できる面発光半導体レーザを提供することにある。
バンド不連続の存在する多層膜にキャリアを流す場合に、電気抵抗を小さくするための1つの方策としては、バンドギャップの小さい結晶でもってキャリアがより高いエネルギーに分布するようにすることがある。例えば、ドーピング濃度を高くすると、キャリアがより高いエネルギーレベルに分布することになり、バンドギャップの高い層を乗り越えやすくなる。また、ホールが流れるp型DBRと比べて、電子が流れるn型DBRの方が電気抵抗は問題とならない。これは、ホールよりも電子の方が有効質量が小さく、電子の方がより高いエネルギーレベルに分布することによる。このことから、ホールを流すp型DBRでも、ホールの有効質量を小さくすれば、ホールがより高いエネルギーレベルに分布して、電気抵抗を低減するのに有効と考えられる。
図9Aは、結晶に歪みのない場合の価電子帯構造を模式的に示す図であり、縦軸はエネルギーEを示し、横軸が波数k⊥,波数k//を示している。図9Bは、結晶に歪みが加わっている場合の価電子帯構造を模式的に示す図であり、縦軸はエネルギーEを示し、横軸が波数k⊥,波数k//を示している。
ホールは重いホールと軽いホールの2つに分類できる。図9A,図9Bにおいて、実線の曲線は、重いホールのエネルギーE1を表し、破線の曲線は、軽いホールのエネルギーE2を表している。基板に格子整合していて歪の無い結晶では、図9Aに示すように、静止状態(k=0)では、重いホールのエネルギーE1と軽いホールのエネルギーE2とは一致するが、重いホールの有効質量と軽いホールの有効質量とは異なっている。
一方、結晶に圧縮歪が加わっている場合、図9Bに示すように、重いホールの静止状態のエネルギーE1と軽いホールの静止状態のエネルギーE2とは分離し、重いホールよりも軽いホールの方が高いエネルギーを取る。また、重いホールの有効質量は、歪のない場合と比べて小さくなる。
図10は、縦軸にホールのフェルミレベル(eV)を取り、横軸にキャリア濃度(cm−3)を取ったグラフである。なお、横軸の1E+18,2E+18,3E+18,… は、それぞれ、1×1018,2×1018,3×1018,…を表す。
フェルミレベルは、結晶で許される状態密度の半分がキャリアで占められるエネルギーレベルを表しており、フェルミレベルが高いほど、より高いエネルギーにキャリアが分布することを意味する。
図10に破線で示す曲線Q1は、無歪なGaAs結晶についての計算結果である。一方、図10に実線で示す曲線Q2は、圧縮歪が加わったGaAs結晶についての計算結果である。圧縮歪が加わったGaAs結晶では、無歪なGaAs結晶に比べて、重いホールの有効質量が3分の1になり、重いホールと軽いホールの静止エネルギーが0.05eVだけ分離すると仮定して圧縮状態を計算した。
図9Bに示すように、圧縮歪を加えた結晶では、重いホールの有効質量が小さくなり、軽いホールの存在できるエネルギー帯が高い方向に分離する。この結果、ホールは、歪が無い場合と比べてより高いエネルギーに分布し、図10の曲線Q2のように、フェルミレベルは大きくなる。
この発明は、上記圧縮歪を、p型DBRを構成する結晶に加えることで、ホールをより高いエネルギーに分布させ、ホールがp型DBRを流れ易くすることができ、面発光半導体レーザに適用した場合、低い電気抵抗が得られ、ドーピングによるフリーキャリアロスが小さく、低動作電流の面発光半導体レーザが得られるという着想に基づいて創出された。
すなわち、この発明の面発光半導体レーザは、活性層と、
p型の分布ブラッグ反射層と、
n型の分布ブラッグ反射層と
を備え、
上記活性層を含む領域を上記p型の分布ブラッグ反射層と上記n型の分布ブラッグ反射層とで挟んだ構造であり、
上記p型の分布ブラッグ反射層は、
第1のバンドギャップを有する第1の半導体結晶層と、
上記第1のバンドギャップよりも小さい第2のバンドギャップを有する第2の半導体結晶層と
を有し、
上記第2の半導体結晶層または上記第1の半導体結晶層に圧縮歪が加わっていることを特徴としている。
この発明の面発光半導体レーザによれば、上記p型の分布ブラッグ反射層を構成している第1または第2の半導体結晶層に圧縮歪が加わっていることで、ホールをより高いエネルギーに分布させ、ホールが上記p型の分布ブラッグ反射層を流れやすくすることができる。したがって、この発明の面発光半導体レーザによれば、フリーキャリアロスの増大を招く高濃度ドーピングを不要として、低い動作電流と低い電気抵抗を達成できる。
また、一実施形態の面発光半導体レーザでは、上記第2の半導体結晶層に圧縮歪が加わっており、上記第1の半導体結晶層に引っ張り歪が加わっている。
この実施形態の面発光半導体レーザによれば、上記引っ張り歪が加わっている第1の半導体結晶層により、上記第2の半導体結晶層の圧縮歪を上記p型の分布ブラッグ反射層全体として補償できる。したがって、上記第2の半導体結晶層に大きな圧縮歪を加えることができ、電気抵抗をより低減できる。
また、一実施形態の面発光半導体レーザでは、上記第2の半導体結晶層に圧縮歪が加わっており、
上記第2の半導体結晶層は、
上記第1の半導体結晶層に隣接していると共に上記活性層に近い側の端から予め定められた厚さ寸法だけ離隔した位置までの部分だけに圧縮歪が加わっている。
この実施形態の面発光半導体レーザによれば、上記第1の半導体結晶層と第2の半導体結晶層とのヘテロ接合の境界付近で、上記第2の半導体結晶層の上記予め定められた厚さ寸法の部分だけに圧縮歪みが加わっている。これにより、圧縮歪みが加わっている部分の厚さを薄くして歪応力による弾性破壊を抑えながら、電気抵抗の低減を図れる。
図11に示すように、バンドギャップの大きい第1の半導体結晶層とバンドギャップの小さい第2の半導体結晶層とのヘテロ接合の境界付近で形成されるスパイク状のバンド構造Sができ、このスパイク状のバンド構造Sがキャリアを流すときの抵抗となる。また、歪結晶を用いる場合には、歪の応力による結晶の弾性破壊を起こさないように、応力に対する臨界膜厚以内で歪層の厚みを抑える必要がある。歪応力による弾性破壊を起こさないためには、歪層の厚さは極力薄くすることが望ましく、スパイク状のバンド構造ができる近傍の厚み領域だけを歪層で構成することが望ましい。
また、一実施形態の面発光半導体レーザでは、上記第1の半導体結晶層に圧縮歪が加わっており、
上記第1の半導体結晶層は、
上記第2の半導体結晶層に隣接していると共に上記活性層に近い側の端から予め定められた厚さ寸法だけ離隔した位置までの部分だけに圧縮歪が加わっている。
この実施形態の面発光半導体レーザによれば、上記第1の半導体結晶層と第2の半導体結晶層とのヘテロ接合の境界付近で、上記第1の半導体結晶層の上記予め定められた厚さ寸法の部分だけに圧縮歪みが加わっている。これにより、圧縮歪みが加わっている部分の厚さを薄くして歪応力による弾性破壊を抑えながら、電気抵抗の低減を図れる。
また、一実施形態の面発光半導体レーザでは、上記第2の半導体結晶層または上記第1の半導体結晶層の上記圧縮歪が加わっている部分の厚さが、10nm以上かつ20nm以下である。
この実施形態の面発光半導体レーザによれば、上記圧縮歪が加わっている部分の厚さを、10nm〜20nmとしたことで、歪応力による弾性破壊を抑えながら、電気抵抗の低減を図れる。
また、一実施形態の面発光半導体レーザでは、上記第1の半導体結晶層がAlGaAs層であり、
上記第2の半導体結晶層がGaInAs層である。
この実施形態の面発光半導体レーザによれば、発振波長が950nm帯の面発光レーザに対して光吸収のない結晶層でDBRを構成できる。
また、一実施形態の面発光半導体レーザでは、上記第1の半導体結晶層がAlGaInP層であり、
上記第2の半導体結晶層がAlGaAs層である。
この実施形態の面発光半導体レーザによれば、発振波長が600nm帯の面発光レーザに対して光吸収のない結晶層でDBRを構成できる。
また、一実施形態の面発光半導体レーザでは、上記第1の半導体結晶層がAlGaInP層であり、
上記第2の半導体結晶層がGaInAs層またはGaAs層である。
この実施形態の面発光半導体レーザによれば、発振波長が950nm帯の面発光レーザに対して光吸収のない結晶層でDBRを構成できる。また、DBRのペアとなるGaInAsとの屈折率差が、AlGaAsより大きいAlGaInPでDBRを構成できるため、DBRの反射率を高くできる。
また、一実施形態の面発光半導体レーザでは、上記第1の半導体結晶層が(AlGa1−x)InP層であり、
上記第2の半導体結晶層が(AlGa1−y)InPであると共に、上記(AlxGa1−x)のxが、上記(AlGa1−y)のyよりも小さい。
この実施形態の面発光半導体レーザによれば、発振波長が600nm帯の面発光レーザに対して光吸収のない結晶層でDBRを構成できる。DBRを構成する結晶材料が同じであるため、結晶成長が簡便となり、制御性、生産性で優れている。
この発明の面発光半導体レーザによれば、p型の分布ブラッグ反射層を構成している第1または第2の半導体結晶層に圧縮歪が加わっていることで、ホールをより高いエネルギーに分布させ、ホールが上記p型の分布ブラッグ反射層を流れやすくすることができる。したがって、この発明の面発光半導体レーザによれば、フリーキャリアロスの増大を招く高濃度ドーピングを不要として、低い動作電流と低い電気抵抗を達成できる。
この発明の面発光半導体レーザの第1実施形態の断面図である。 上記第1実施形態が備えるp型DBR8の厚さ方向のバンドギャップ分布および歪量分布を表すグラフである。 この発明の面発光半導体レーザの第2実施形態の断面図である。 上記第2実施形態が備えるp型DBR28の厚さ方向のバンドギャップ分布および歪量分布を表すグラフである。 この発明の面発光半導体レーザの第3実施形態の断面図である。 上記第3実施形態が備えるp型DBR58の厚さ方向のバンドギャップ分布および歪量分布を表すグラフである。 この発明の面発光半導体レーザの第4実施形態の断面図である。 上記第4実施形態が備えるp型DBR58の厚さ方向のバンドギャップ分布および歪量分布を表すグラフである。 結晶に歪みのない場合の価電子帯構造を模式的に示す図である。 結晶に歪みが加わっている場合の価電子帯構造を模式的に示す図である。 ホールのフェルミレベルとキャリア濃度との関係を示すグラフである。 ヘテロ接合境界でバンドが不連続となる様子を模式的に示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の面発光半導体レーザの第1実施形態の断面図である。
この第1実施形態では、図1に示すように、有機金属気相エピタキシ法により、n型GaAs基板1上に、n型AlAs層2A/n型GaAs層2Bを30ペア有するn型の多層膜ブラッグ反射層2(以下、n型DBR2と言う)と、層厚0.5μmのn型AlGaAs(Al組成0.5)クラッド層3と、Ga0.9In0.1As/Al0.3Ga0.7Asを6ペア有する多重量子井戸活性層5とを順次成長させた。
さらに、上記多重量子井戸活性層5上に、層厚0.5μmのp型AlGaAs(Al組成0.5)クラッド層6と、このp型AlGaAsクラッド層6の途中に設けられる層厚30nmのp型AlAs選択酸化層7と、p型Ga0.95In0.05As層8A/p型Al0.8Ga0.2As層8Bを20ペア有するp型の多層膜ブラッグ反射層8(以下、p型DBR8と言う)と、層厚0.1μmのp型GaAsコンタクト層10を順次成長させた。
上記n型DBR2を構成するn型AlAs層2A,n型GaAs層2Bの各層の層厚は、λ/(4n)に設定した。このλ/(4n)のnは各層の結晶の屈折率であり、λは発振波長である。また、上記p型DBR8を構成する第2の半導体結晶層としてのp型GaInAs層8A,第1の半導体結晶層としてのp型AlGaAs層8Bの各層の層厚を、λ/(4n)に設定した。このλ/(4n)のnは各層の結晶の屈折率であり、λは発振波長である。
そして、上記p型GaAsコンタクト層10の表面に直径20μmのSiOパターンを形成し、このSiOパターンをマスクとして反応性イオンエッチングにより、p型AlAs選択酸化層7が露出するまでの深さまでエッチングして円柱形の構造を形成した。
次に、水蒸気中で加熱処理することで、p型AlAs選択酸化層7を円柱外周から中へ向かって酸化させ、直径5μmから外の領域をAlAs酸化層7Aとした。電流は、上記AlAs酸化層7Aでは流れず、このp型AlAs選択酸化層7の直径5μmの内側へ選択的に流れる。
中心から直径10μmの範囲で、p型GaAsコンタクト層10を選択除去した後、p型GaAsコンタクト層10の表面にTiAu電極であるp側電極11を形成し、基板裏面にAuGeNi電極であるn側電極12を形成した。
図2は、縦軸に、上記p型DBR8の厚さ方向の位置を取り、第1の横軸にp型GaInAs層8A,p型AlGaAs層8Bの各層のバンドギャップの相対値を取り、第2の横軸として上記各層の歪量を取ったグラフである。
図2に示すように、p型AlGaAs層8Bのバンドギャップは、p型GaInAs層8Aのバンドギャップよりも大きい。また、上記p型AlGaAs層8Bは、歪量が略零であり、上記p型GaInAs層8Aは、予め定められた量の圧縮歪が加えられている。このことで、ホールをより高いエネルギーに分布させ、ホールが上記p型のDBR8を流れやすくすることができる。したがって、この実施形態の面発光半導体レーザによれば、フリーキャリアロスの増大を招く高濃度ドーピングを不要として、低い動作電流と低い電気抵抗を達成できる。
この第1実施形態の面発光半導体レーザは、波長950nm帯で発振する。p型DBR8のドーピング濃度は1×1018cm−3に設定した。このp型DBR8のドーピング濃度は、自由キャリア吸収によるロスが増加しないレベルであるが、素子の抵抗は 80Ω程度と問題のないレベルが得られた。
(第2の実施の形態)
図3は、この発明の面発光半導体レーザの第2実施形態の断面図である。
この第2実施形態では、図3に示すように、有機金属気相エピタキシ法により、n型GaAs基板21上に、n型AlAs層22A/n型GaAs層22Bを30ペア有するn型の多層膜ブラッグ反射層22(以下、n型DBR22と言う)と、層厚0.5μmのn型AlGaAs(Al組成比0.5)クラッド層23と、Ga0.8In0.2As/Al0.3Ga0.7Asを3ペア有する多重量子井戸活性層25とを順次成長させた。
さらに、上記有機金属気相エピタキシ法により、上記多重量子井戸活性層25上に、層厚0.5μmのp型AlGaAs(Al組成比0.5)クラッド層26と、このp型AlGaAsクラッド層26の途中に設けられる層厚30nmのp型AlAs選択酸化層27と、p型Ga0.90In0.10As層28A/p型(Al0.6Ga0.4)0.55In0.45P層28Bを20ペア有するp型の多層膜ブラッグ反射層28(以下、p型DBR28と言う)と、層厚0.1μmのp型GaAsコンタクト層30を順次成長させた。
上記n型DBR22を構成するn型AlAs層22A,n型GaAs層22Bの各層の層厚は、λ/(4n)に設定した。このλ/(4n)のnは各層の結晶の屈折率であり、λは発振波長である。また、上記p型DBR28を構成する第2の半導体結晶層としてのp型GaInAs層28A,第1の半導体結晶層としてのp型(AlGa)InP層28Bの各層の層厚は、λ/(4n)に設定した。このλ/(4n)のnは各層の結晶の屈折率であり、λは発振波長である。
以下、前述の第1実施形態と同様のプロセスで、図3に断面を示す第2実施形態の面発光半導体レーザを作製した。なお、図3において、符号31はp側電極、符号32はn側電極である。また、符号27Aは、前述のAlAs酸化層7Aと同様のAlAs酸化層である。
この第2実施形態の面発光半導体レーザは、波長1000nm帯で発振する。上記p型DBR28のドーピング濃度は1×1018cm−3に設定した。
図4は、縦軸に、上記p型DBR28の厚さ方向の位置を取り、第1の横軸にp型GaInAs層28A,p型(AlGa)InP層28Bの各層のバンドギャップの相対値を取り、第2の横軸として上記各層の歪量を取ったグラフである。
この第2実施形態では、図4に示すように、前述の第1実施形態のp型DBR8のp型GaInAs層8Aよりも大きな圧縮歪の結晶で、p型DBR28のバンドギャップが小さいほうの結晶であるp型GaInAs層28Aを構成している。
また、この第2実施形態では、図4に示すように、上記p型DBR28のバンドギャップが大きい方の結晶であるp型(AlGa)InP層28Bを引っ張り歪の結晶で構成している。これにより、先のp型GaInAs層28Aの圧縮歪を補償し、より大きな圧縮歪の効果を得ることができる。すなわち、ホールをより高いエネルギーに分布させ、ホールが上記p型のDBR28を流れやすくすることができる。したがって、この実施形態の面発光半導体レーザによれば、フリーキャリアロスの増大を招く高濃度ドーピングを不要として、低い動作電流と低い電気抵抗を達成できる。
(第3の実施の形態)
図5は、この発明の面発光半導体レーザの第3実施形態の断面図である。
この第3実施形態では、図5に示すように、有機金属気相エピタキシ法により、n型GaAs基板51上に、n型AlAs層52A/n型GaAs層52Bを30ペア有するn型の多層膜ブラッグ反射層52(以下、n型DBR52と言う)と、層厚0.5μmのn型AlGaAs(Al組成比0.5)クラッド層53と、Ga0.8In0.2As/Al0.3Ga0.7Asを3ペア有する多重量子井戸活性層55とを順次成長させた。
さらに、上記有機金属気相エピタキシ法により、上記多重量子井戸活性層55上に、層厚0.5μmのp型AlGaAs(Al組成比0.5)クラッド層56と、このp型AlGaAsクラッド層56の途中に設けられる層厚30nmのp型AlAs選択酸化層57と、p型GaInAs層58A/p型Al0.8Ga0.2As層58Bを20ペア有するp型の多層膜ブラッグ反射層58(以下、p型DBR58と言う)と、層厚0.1μmのp型GaAsコンタクト層60を順次成長させた。
以下、前述の第1実施形態と同様のプロセスで、図5に断面を示す第3実施形態の面発光半導体レーザを作製した。なお、図5において、符号61はp側電極、符号62はn側電極である。また、符号57Aは、前述のAlAs酸化層7Aと同様のAlAs酸化層である。
上記n型DBR52を構成するn型AlAs層52A,n型GaAs層52Bの各層の層厚は、λ/(4n)に設定した。このλ/(4n)のnは各層の結晶の屈折率であり、λは発振波長である。
図6は、縦軸に、上記p型DBR58の厚さ方向の位置を取り、第1の横軸に第2の半導体結晶層としてのp型GaInAs層58A,第1の半導体結晶層としてのp型AlGaAs層58Bの各層のバンドギャップの相対値を取り、第2の横軸として上記各層の歪量を取ったグラフである。なお、矢印Fは、活性層55に向かう方向を示している。
図6に示すように、上記p型DBR58を構成する各p型GaInAs層58Aは、活性層55に近い側から20nmの厚みの部分だけを、圧縮歪が加わっている結晶であるp型Ga0.90In0.10As層58A‐1とし、この部分以外は無歪結晶であるGaAs層58A‐2とした。上記p型GaInAs層58A‐1でのホールがヘテロ界面近傍で高いエネルギーに分布する結果、ヘテロ接合のバリアによる抵抗を軽減できる。したがって、この実施形態の面発光半導体レーザによれば、フリーキャリアロスの増大を招く高濃度ドーピングを不要として、低い動作電流と低い電気抵抗を達成できる。
(第4の実施の形態)
図7は、この発明の面発光半導体レーザの第4実施形態の断面図である。
この第4実施形態では、図7に示すように、有機金属気相エピタキシ法により、n型GaAs基板71上に、n型AlAs層72A/n型GaAs層72Bを30ペア有するn型の多層膜ブラッグ反射層72(以下、n型DBR72と言う)と、膜厚0.5μmのn型AlGaAs(Al組成比0.5)クラッド層73と、GaAs/Al0.3Ga0.7Asを6ペア有する多重量子井戸活性層75とを順次成長させた。
さらに、上記有機金属気相エピタキシ法により、上記多重量子井戸活性層75上に、層厚0.5μmのp型AlGaAs(Al組成比0.5)クラッド層76と、このp型AlGaAs層76の途中に設けられる層厚30nmのp型AlAs 選択酸化層77と、p型Ga0.8Al0.2As層78A/p型(Al0.6Ga0.4)InP層78Bを20ペア有するp型の多層膜ブラッグ反射層78(以下、p型DBR78と言う)と、層厚0.1μmのp型GaAsコンタクト層80を順次成長させた。
以下、前述の第1実施形態と同様のプロセスで、図7に断面を示す第4実施形態の面発光半導体レーザを作製した。なお、図7において、符号81はp側電極、符号82はn側電極である。また、符号77Aは、前述のAlAs酸化層7Aと同様のAlAs酸化層である。
上記n型DBR72を構成するn型AlAs層72A,n型GaAs層72Bの各層の層厚は、λ/(4n)に設定した。このλ/(4n)のnは各層の結晶の屈折率であり、λは発振波長である。
図8は、縦軸に、上記p型DBR78の厚さ方向の位置を取り、第1の横軸に第2の半導体結晶層としてのp型GaAlAs層78A,第1の半導体結晶層としてのp型AlGaInP層78Bの各層のバンドギャップの相対値を取り、第2の横軸として上記各層の歪量を取ったグラフである。なお、図8において、矢印Fは、活性層75に向かう方向を示している。
図8に示すように、上記p型DBR78を構成する各p型AlGaInP層78Bは、活性層75に近い側から20nmの厚みの部分だけを、圧縮歪が加わっている結晶であるp型(AlGa)0.4In0.6P層78B‐1とし、この部分以外は無歪結晶であるp型(AlGa)0.5In0.5P層78B‐2とした。p型AlGaInP層78Bとp型GaAlAs層78Aとのへテロ界面に、ホールの流れに対するスパイク状のバリアが生じるが、上記p型AlGaInP78Bでのホールが高いエネルギーに分布する結果、上記スパイク状バリアによる抵抗を軽減できる。したがって、この実施形態の面発光半導体レーザによれば、フリーキャリアロスの増大を招く高濃度ドーピングを不要として、低い動作電流と低い電気抵抗を達成できる。
尚、上記第1〜第4実施形態では、第1の半導体結晶層をAlGaAs層またはAlGaInP層とし、第2の半導体結晶層をGaInAs層またはAlGaAs層としたが、第1の半導体結晶層を(AlGa1−x)InP層、第2の半導体結晶層を(AlGa1−y)InPとすると共に、上記(AlGa1−x)のAl組成比xを上記(AlGa1−y)のAl組成比yよりも小さく(x<y)してもよい。
1,21,51,71 n型GaAs基板
2,22,52,72 n型の多層膜ブラッグ反射層
2A,22A,52A,72A n型AlAs層
2B,22B,52B,72B n型GaAs層
3,23,53,73 n型AlGaAsクラッド層
5,25,55,75 多重量子井戸活性層
6,26,56,76 p型AlGaAsクラッド層
7,27,57,77 p型AlAs選択酸化層
8,28,58,78 p型の多層膜ブラッグ反射層
8A,28A,58A p型GaInAs層
8B,58B p型AlGaAs層
10,30,60 p型GaAsコンタクト層
11,31,61,81 p側電極
12,32,62,82 n側電極
28B,78B p型(AlGa)InP層
58A‐1 p型Ga0.90In0.10As層
58A‐2 GaAs層
78A p型GaAlAs層
78B‐1 p型(AlGa)0.4In0.6P層
78B‐2 p型(AlGa)0.5In0.5P層

Claims (9)

  1. 活性層と、
    p型の分布ブラッグ反射層と、
    n型の分布ブラッグ反射層と
    を備え、
    上記活性層を含む領域を上記p型の分布ブラッグ反射層と上記n型の分布ブラッグ反射層とで挟んだ構造であり、
    上記p型の分布ブラッグ反射層は、
    第1のバンドギャップを有する第1の半導体結晶層と、
    上記第1のバンドギャップよりも小さい第2のバンドギャップを有する第2の半導体結晶層と
    を有し、
    上記第2の半導体結晶層または上記第1の半導体結晶層に圧縮歪が加わっていることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  2. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、
    上記第2の半導体結晶層に圧縮歪が加わっており、
    上記第1の半導体結晶層に引っ張り歪が加わっていることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  3. 請求項1または2に記載の面発光半導体レーザにおいて、
    上記第2の半導体結晶層に圧縮歪が加わっており、
    上記第2の半導体結晶層は、
    上記第1の半導体結晶層に隣接していると共に上記活性層に近い側の端から予め定められた厚さ寸法だけ離隔した位置までの部分だけに圧縮歪が加わっていることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  4. 請求項1に記載の面発光半導体レーザにおいて、
    上記第1の半導体結晶層に圧縮歪が加わっており、
    上記第1の半導体結晶層は、
    上記第2の半導体結晶層に隣接していると共に上記活性層に近い側の端から予め定められた厚さ寸法だけ離隔した位置までの部分だけに圧縮歪が加わっていることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  5. 請求項3または4に記載の面発光半導体レーザにおいて、
    上記第2の半導体結晶層または上記第1の半導体結晶層の上記圧縮歪が加わっている部分の厚さが、10nm以上かつ20nm以下であることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  6. 請求項1または3に記載の面発光半導体レーザにおいて、
    上記第1の半導体結晶層がAlGaAs層であり、
    上記第2の半導体結晶層がGaInAs層であることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  7. 請求項4に記載の面発光半導体レーザにおいて、
    上記第1の半導体結晶層がAlGaInP層であり、
    上記第2の半導体結晶層がAlGaAs層であることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  8. 請求項1から5のいずれか1つに記載の面発光半導体レーザにおいて、
    上記第1の半導体結晶層がAlGaInP層であり、
    上記第2の半導体結晶層がGaInAs層またはGaAs層であることを特徴とする面発光半導体レーザ。
  9. 請求項1から5のいずれか1つに記載の面発光半導体レーザにおいて、
    上記第1の半導体結晶層が(AlGa1−x)InP層であり、
    上記第2の半導体結晶層が(AlGa1−y)InPであると共に、
    上記(AlGa1−x)のxが、上記(AlGa1−y)のyよりも小さいことを特徴とする面発光半導体レーザ。
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