JP2014022625A - プリント配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性を向上させることが可能なビアホール又はスルーホールを有する。
【解決手段】プリント配線基板は、配線3側から電極4に向かって、150μm以下の径のレーザ光L1を照射して、配線3及び絶縁基板1の一部を除去して段部20を形成し、これよりも小径のレーザ光L2を用いて、段部20の開口端側から電極4側に向かう、段部20よりも小径で絶縁基板1を貫通するビアホール10を段部20の所定箇所に形成して、形成されたビアホール10及び段部20に電解銅めっきを施してめっき層9を形成することにより製造される。
【選択図】図1
【解決手段】プリント配線基板は、配線3側から電極4に向かって、150μm以下の径のレーザ光L1を照射して、配線3及び絶縁基板1の一部を除去して段部20を形成し、これよりも小径のレーザ光L2を用いて、段部20の開口端側から電極4側に向かう、段部20よりも小径で絶縁基板1を貫通するビアホール10を段部20の所定箇所に形成して、形成されたビアホール10及び段部20に電解銅めっきを施してめっき層9を形成することにより製造される。
【選択図】図1
Description
この発明は、ビアホール又はスルーホールを有するプリント配線基板及びその製造方法に関する。
プリント配線基板の配線の微細化等に伴い、配線間を層間接続するビアホールやスルーホールの小径化が進められている。スルーホールの小径化を図るものとして、基板の両面側から第1及び第2の開口部を形成し、これらをつなげて貫通孔を形成すると共に、各開口部を途中から内側に屈曲させるような形状とすることにより、第1及び第2の開口部の位置が多少ずれても両開口部の結合位置が余りずれないようにして、スルーホール内に形成される導体層の信頼性を低下させずに高密度で配置するようにしたプリント配線基板(例えば、下記特許文献1参照)が知られている。
しかしながら、上述した特許文献1に開示された従来技術のプリント配線基板では、両開口部の周縁の基板表面とスルーホール内壁とのなす角度や両開口部が結合される中間部分での角度が直角に近いため、開口部周縁と内壁との境界部位及びスルーホール中間部の内壁において導体層にクラックが発生するおそれがあり、信頼性という点においては十分とは言い難かった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、信頼性を向上させることが可能なビアホール又はスルーホールを有するプリント配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るプリント配線基板は、絶縁基板に15μm以上150μm未満の径を有するビアホールが形成されると共に、前記ビアホールの開口端側に前記ビアホールよりも大径の段部が形成され、前記ビアホール及び段部にめっき層が形成されていることを特徴とする。
本発明の一実施形態においては、前記ビアホールの開口端側と反対側の端部に電極が形成され、前記めっき層は前記電極と接続されている。
また、本発明に係るプリント配線基板は、絶縁基板に15μm以上150μm未満の径を有するスルーホールが形成されると共に、前記スルーホールの両開口端側に前記スルーホールよりも大径の段部がそれぞれ形成され、前記スルーホール及び段部にめっき層が形成されていることを特徴とする。
本発明に係るプリント配線基板によれば、絶縁基板に15μm以上150μm未満の径で形成されたビアホール又はスルーホールの開口端側に、これらの穴径よりも大径の段部が形成された上で、導体層としてのめっき層がビアホール及びスルーホールと共に段部に形成されているので、段部が基板表面とホールとの間のいわゆる面取りの役目を果たし、基板表面とホール内との境界部位において導体層にクラックが発生し難く、信頼性を向上させることができる。
また、ビアホール又はスルーホールが15μm以上150μm未満の極めて小径で形成されると、ビアホール又はスルーホールのアスペクト比が高くなり、めっき形成に支障を来すという問題もあるが、本発明のプリント配線基板によれば、段部が形成されることにより、ビアホール又はスルーホールのアスペクト比を低下させることができ、めっき形成も支障無く行うことができる。これにより、小径化を促進しつつ信頼性向上を図ることができる。
本発明に係るプリント配線基板の製造方法は、絶縁基板に15μm以上150μm未満の径のビアホールと共に、前記ビアホールの開口端側に前記ビアホールよりも大径の段部をレーザ加工により形成する工程と、前記形成されたビアホール及び段部にめっき層を形成する工程とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るプリント配線基板の製造方法は、絶縁基板に15μm以上150μm未満の径のスルーホールと共に、前記スルーホールの両開口端側に前記スルーホールよりも大径の段部をレーザ加工によりそれぞれ形成する工程と、前記形成されたスルーホール及び段部にめっき層を形成する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明の一実施形態においては、前記レーザ加工で、UV−YAGレーザを用いる。
本発明に係るプリント配線基板の製造方法によれば、上記と同様の作用効果を奏するプリント配線基板を製造することができる。
本発明によれば、信頼性を向上させることが可能なビアホール又はスルーホールを有することができる。
以下、添付の図面を参照して、この発明の実施の形態に係るプリント配線基板及びその製造方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプリント配線基板を製造工程毎に示す断面図である。図2は、プリント配線基板の製造工程を示すフローチャートである。第1の実施形態に係るプリント配線基板は、絶縁基板に形成されたビアホール(LVH)を有する構造を備え、例えば次のように製造される。
まず、図1(a)に示すように、絶縁基板1の両面に銅箔からなる導体層2が形成された両面CCLを準備し(ステップS100)、両面の各導体層2上にフォトリソグラフィによりエッチングレジストを形成した後にエッチングを行って、図1(b)に示すような配線3や電極4を構成する配線パターンを形成する(ステップS102)。ステップS100にて用いる両面CCLとしては、例えば厚さ25μm程度の樹脂フィルムからなる絶縁基板1に、厚さ12μm程度の銅箔からなる導体層2を貼り合わせた構造のものなどを用いることができる。
この両面CCLは、例えば公知のキャスティング法により、銅箔にポリイミドのワニスを塗布してそのワニスを硬化させて作製されたものを使用することができる。その他、両面CCLとしては、圧延或いは電解銅箔とポリイミドの樹脂フィルムとを接着材により貼り合わせて作成されたものなどを用いることもできる。
絶縁基板1を構成する樹脂フィルムとしては、例えばポリイミド、ポリオレフィン、液晶ポリマー(LCP)等を用いることができる。また、ステップS102でのエッチングには、例えば塩化第二鉄や塩化第二銅などを主成分とするエッチャントを用いることができる。
次に、図1(c)に示すように、例えば配線3側から電極4に向かって、図示しないUV−YAGレーザ装置を用いて150μm以下の径のレーザ光L1を照射して、配線3及び絶縁基板1の一部を除去して段部20を形成する(ステップS104)。段部20は、絶縁基板1の表面側の開口周縁部21と、この開口周縁部21からビアホール10へと続く内壁部22とのなす角度θが、非常に緩やかで平角に近い鈍角(例えば120°〜160°)となるような球面状に形成されることが望ましい。
段部20を形成したら、図1(d)に示すように、再度UV−YAGレーザ装置によりステップS104よりも小径のレーザ光L2を用いて、段部20の開口端側から電極4側に向かう、段部20よりも小径で絶縁基板1を貫通するビアホール10を段部20の所定箇所に形成する(ステップS106)。なお、形成された段部20及びビアホール10内には、形成後に例えばプラズマデスミア処理が施される。
ステップS106にて形成されるビアホール10は、最大直径が15μm以上150μm未満となるように形成されている。段部20は例えば直径が150μm以下で且つビアホール10よりも大径となるように形成される。段部20やビアホール10は、その他、炭酸ガスレーザ(CO2レーザ)やエキシマレーザなどで形成しても良いし、化学的なエッチングなどにより形成しても良い。また、デスミア処理は、CF4及びO2(四フッ化メタン+酸素)の混合ガスにより行うことができるが、Ar(アルゴン)などのその他の不活性ガスを用いることもでき、いわゆるドライ処理ではなく、薬液を用いたウェットデスミア処理としてもよい。
そして、図1(e)に示すように、ビアホール10の内壁11及び段部20の内壁部22の表面に、例えばコロイドを付与して導電皮膜19を形成し(ステップS108)、最後に、電解銅めっき等のめっき処理を行って(ステップS110)、図1(f)に示すような配線3上から段部20を経てビアホール10内にて電極4上にフィリングされためっき層9を形成する。これにより、第1の実施形態に係るプリント配線基板を製造する。
なお、めっき層9は、例えば配線3上の厚さが12μm程度となるように形成されており、ビアホール10が15μm以上150μm未満と非常に小さい径で形成されているため、上記のようにホール内にフィリングされた構成となっているが、フィリングされていなくても良い。また、段部20とビアホール10の形成工程は、順序が入れ替わっても良い。
図3は、本発明の第2の実施形態に係るプリント配線基板を製造工程毎に示す断面図である。図4は、プリント配線基板の製造工程を示すフローチャートである。第2の実施形態に係るプリント配線基板は、絶縁基板に形成されたビアホールを有する構造を備える点は第1の実施形態に係るプリント配線基板と同様であるが、片面CCLから製造される点などの製造工程が相違している。
まず、図3(a)に示すように、絶縁基板1の片面に導体層2が形成された片面CCLを準備し(ステップS200)、図3(b)に示すように、絶縁基板1の表面側から導体層2に向かって、図示しないUV−YAGレーザ装置を用いてレーザ光L1を照射し、絶縁基板1を貫通するビアホール10を所定箇所に形成して(ステップS202)、形成後にデスミア処理を施す。
次に、図3(c)に示すように、再度UV−YAGレーザ装置によりビアホール10の開口端側から導体層2側に向かってレーザ光L2を照射して、ビアホール10よりも大径の段部20を形成する(ステップS204)。段部20は、上述したものと同様に角度θが非常に緩やかで平角に近い鈍角(例えば120°〜160°)となるように形成される。
ビアホール10及び段部20を形成したら、図3(d)に示すように、露出した導体層2の表面、ビアホール10の内壁11、段部20の内壁部22、絶縁基板1の開口周縁部21、及び絶縁基板1の表面1a上に、シード層8を形成する(ステップS206)。シード層2は、例えば銅、ニッケル、クロム、チタン、タングステン、チタン及びタングステンの合金等の中から選択される少なくとも1種類の金属を含む材料からなり、例えばスパッタリングや無電解めっき等により絶縁基板1の導体層2形成側と反対側の全面に高い密着性を備えた状態で形成される。
その後、図3(e)に示すように、シード層8上にめっきレジスト7をパターン形成した上で電解銅めっき等のめっき処理を行う(ステップS208)。最後に、図3(f)に示すように、めっきレジスト7を剥離して除去しシード層8を除去してめっき層9を形成すると共に、導体層2にエッチングを施して電極4を構成する配線パターンを形成する(ステップS210)。これにより、第2の実施形態に係るプリント配線基板を製造する。
図5は、本発明の第3の実施形態に係るプリント配線基板を製造工程毎に示す断面図である。図6は、プリント配線基板の製造工程を示すフローチャートである。第3の実施形態に係るプリント配線基板は、絶縁基板に形成されたスルーホール(TH)を有する構造を備える点が、第1及び第2の実施形態に係るプリント配線基板と相違している。
まず、図5(a)に示すように、絶縁基板1の両面に導体層2が形成された両面CCLを準備し(ステップS300)、図5(b)に示すように、例えば一方の面の導体層2側から他方の面の導体層2側に向かって、図示しないUV−YAGレーザ装置を用いてレーザ光L1を照射して、各導体層2及び絶縁基板1を貫通し最大直径が15μm以上150μm未満となるスルーホール30を所定箇所に形成する(ステップS302)。
次に、図5(c)に示すように、再度UV−YAGレーザ装置によりスルーホール30の一方の開口端側からレーザ光L2を照射して、スルーホール30よりも大径の段部20aを一方の面側に形成する。また、例えば両面CCLを位置合わせした上で表裏反転させたり、レーザ装置の照射方向を反対側に変更したりして、図5(d)に示すように、UV−YAGレーザ装置によりスルーホール30の他方の開口端側からレーザ光L2を照射して、スルーホール30よりも大径の段部20bを他方の面側に形成し(ステップS304)、形成後にデスミア処理を施す。各段部20a,20bは、上述したものと同様に角度θが非常に緩やかで平角に近い鈍角(例えば120°〜160°)となるように形成される。
その後、図5(e)に示すように、スルーホール30の内壁31及び段部20a,20bの内壁部22の表面に導電皮膜19を形成し(ステップS306)、図5(f)に示すように、電解銅めっき等のめっき処理を行うことで(ステップS308)、両面の導体層2上から各段部20a,20bを経てスルーホール30内にフィリングされためっき層9を形成する。
最後に、両面の各めっき層9上にフォトリソグラフィによりエッチングレジストを形成した後にエッチングを行って、図5(g)に示すような配線3上にめっき層9が備えられた配線パターンを形成する(ステップS310)。これにより、第3の実施形態に係るプリント配線基板を製造する。
図7は、本発明の第4の実施形態に係るプリント配線基板を製造工程毎に示す断面図である。図8は、プリント配線基板の製造工程を示すフローチャートである。第4の実施形態に係るプリント配線基板は、絶縁基板に形成されたスルーホールを有する構造を備える点は第3の実施形態に係るプリント配線基板と同様であるが、絶縁基板から製造される点などの製造工程が相違している。
まず、図7(a)に示すように、絶縁基板1を準備し(ステップS400)、図7(b)に示すように、絶縁基板1の一方の面側から他方の面側に向かって、図示しないUV−YAGレーザ装置を用いてレーザ光L1を照射し、絶縁基板1を貫通し最大直径が15μm以上150μm未満となるスルーホール30を所定箇所に形成する(ステップS402)。
次に、図7(c)に示すように、再度UV−YAGレーザ装置によりスルーホール30の一方の開口端側からレーザ光L2を照射して、スルーホール30よりも大径の段部20aを絶縁基板1の一方の面側に形成し、図7(d)に示すように、UV−YAGレーザ装置によりスルーホール30の他方の開口端側からレーザ光L2を照射して、スルーホール30よりも大径の段部20bを絶縁基板1の他方の面側に形成し(ステップS404)、形成後にデスミア処理を施す。段部20a,20bにおける上記角度θは、非常に緩やかで平角に近い鈍角(例えば120°〜160°)を構成する。
スルーホール30及び各段部20a,20bを形成したら、図7(e)に示すように、スルーホール30の内壁31及び各段部20a,20bの内壁部22を含む絶縁基板1の表面1a全体に、シード層8を形成する(ステップS406)。その後、図7(f)に示すように、シード層8上にめっきレジスト7をパターン形成した上で電解銅めっき等のめっき処理を行う(ステップS408)。
最後に、図7(g)に示すように、めっきレジスト7を剥離して除去しシード層8を除去してめっき層9を構成する配線パターンを形成する(ステップS410)。これにより、第4の実施形態に係るプリント配線基板を製造する。なお、上述した第1〜第4の実施形態に係るプリント配線基板は、次のような寸法的特徴を有する。
以下、実施例によりプリント配線基板について具体的に説明する。
図9は、本発明の第1及び第2の実施形態に係るプリント配線基板の各部の寸法例を示す断面図、図10は、本発明の第3及び第4の実施形態に係るプリント配線基板の各部の寸法例を示す断面図である。
図9は、本発明の第1及び第2の実施形態に係るプリント配線基板の各部の寸法例を示す断面図、図10は、本発明の第3及び第4の実施形態に係るプリント配線基板の各部の寸法例を示す断面図である。
図9に示すように、第1の実施形態に係るプリント配線基板として、厚さAが25μmのポリイミド製の絶縁基板1に12μmの銅箔(不図示)を貼着したものを用いた。このような絶縁基板1に対して、100μm径のUV−YAGレーザを照射して径Bが100μmとなる段部20を形成し、その後30μm径と50μm径のUV−YAGレーザをそれぞれ照射して、最大直径bがそれぞれ30μm及び50μmとなるビアホール10を形成したものを用意した。この基板に対してデスミア処理を施した後に導電被膜19を形成し、12μm厚の電解めっき銅からなるめっき層9を形成し、その後、サブトラクティブ法により回路形成を行い、プリント配線基板を作製した。これを実施例1とする。
図9に示すように、第2の実施形態に係るプリント配線基板として、厚さAが25μmのポリイミド製の絶縁基板1を用いた。このような絶縁基板1に対して、100μm径のUV−YAGレーザを照射して径Bが100μmとなる段部20を形成し、その後30μm径と50μm径のUV−YAGレーザをそれぞれ照射して、最大直径bがそれぞれ30μm及び50μmとなるビアホール10を形成したものを用意した。この基板に対してスパッタによる成膜を行い図示しないシード層8を形成した。シード層8の種類と膜厚はNi−Crの場合は20nmで、Cuの場合は200nmとした。その後、セミアディティブ法により12μm厚のめっき層9(不図示)を形成して回路形成を行い、プリント配線基板を作製した。なお、絶縁基板1とシード層8との密着性は7N/cm以上となるスパッタ条件を採用した。これを実施例2とする。
図10に示すように、第3の実施形態に係るプリント配線基板として、厚さAが25μmのポリイミド製の絶縁基板1の両面に12μmの銅箔(不図示)を貼着したものを用いた。このような絶縁基板1に対して、一方の面側に100μm径のUV−YAGレーザを照射して径Bが100μmとなる段部20aすると共に、絶縁基板1を反転させて他方の面側に同径のUV−YAGレーザを照射して径Bが100μmとなる段部20bを形成した。その後、所望の面側(例えば段部20a側)から30μm径と50μm径のUV−YAGレーザをそれぞれ照射して、最大直径bがそれぞれ30μm及び50μmとなるスルーホール30を段部20a,20b間の絶縁基板1に貫通形成したものを用意した。この基板に対してデスミア処理を施した後に導電被膜19を形成し、12μm厚の電解めっき銅からなるめっき層9を形成し、その後、サブトラクティブ法により回路形成を行い、プリント配線基板を作製した。これを実施例3とする。なお、形状の品質を向上させるために、スルーホール30の穴開けは、上記2種類以上の異なるビーム径で行うようにしても良い。
図10に示すように、第4の実施形態に係るプリント配線基板として、厚さAが25μmのポリイミド製の絶縁基板1を用いた。このような絶縁基板1に対して、一方の面側に100μm径のUV−YAGレーザを照射して径Bが100μmとなる段部20aを形成すると共に、絶縁基板1を反転させて他方の面側に同径のUV−YAGレーザを照射して径Bが100μmとなる段部20bを形成した。その後、所望の面側(例えば段部20a側)から30μm径と50μm径のUV−YAGレーザをそれぞれ照射して、最大直径bがそれぞれ30μm及び50μmとなるスルーホール30を段部20a,20b間の絶縁基板1に貫通形成したものを用意した。この基板に対してスパッタによる成膜を行い図示しないシード層8を形成した。シード層8の種類と膜厚はNi−Crの場合は20nmで、Cuの場合は200nmとした。その後、セミアディティブ法により12μm厚のめっき層9(不図示)を形成して回路形成を行い、プリント配線基板を作製した。なお、絶縁基板1とシード層8との密着性は7N/cm以上となるスパッタ条件を採用した。これを実施例4とする。
図11は、本発明の実施例及び比較例のプリント配線基板の試験結果を示す図である。本実施例1〜4においては、上述した実施形態に係る製造方法で製造したプリント配線基板の各サンプルに対し、液相式(液槽式)ヒートショック試験機を用いて、各サンプルを試験温度260℃の環境下に10秒間曝すことと、試験温度20℃の環境下に20秒間曝すことを200サイクル繰り返して、クラックの有無を検査することを行った。
図11に示すように、実施例1及び2は、図9に示すようなビアホール10及び段部20を絶縁基板1に形成したプリント配線基板における試験結果を示し、実施例3及び4は、図10に示すようなスルーホール30及び段部20a,20bを絶縁基板1に形成したプリント配線基板における試験結果を示している。
各実施例1〜4において、上記のようにビアホール10又はスルーホール30の最大直径bをそれぞれ30μmにした場合と、50μmにした場合との各サンプルに対して試験を行った。なお、比較例は、段部20(20a,20b)が形成されていない従来形状のスルーホールを絶縁基板1に形成したプリント配線基板である。
実施例1〜4のプリント配線基板は、ビアホール10又はスルーホール30の最大直径bが30μm及び50μmのいずれの場合においても、200サイクル終了後にクラックは発見されなかった。一方、比較例のプリント配線基板は、スルーホールの最大直径が30μmのときは3サイクル終了時点で、50μmのときは64サイクル終了時点で、それぞれクラックが発見された。
この結果から、実施例1〜4によれば、ビアホール10又はスルーホール30及び段部20(20a,20b)の小径化を促進することが可能である。特に、スルーホール30に関しては、アスペクト比が1.5以下であれば品質を保つことが可能であることが確認された。また、実施例1〜4においては、絶縁基板1の表面1a側の開口周縁部21とこの開口周縁部21からビアホール10又はスルーホール30へと続く内壁部11,31とのなす角度θを、上述したように非常に緩やかで平角に近い鈍角を構成するように形成することができることが分かり、クラックの発生等を防止して基板の信頼性向上を図ることが可能であることが確認された。従って、本発明に係るプリント配線基板では、ビアホール10及びスルーホール30の小径化を可能にして、信頼性向上を図ることができる可能となることが分かった。
図9に示したプリント配線基板に関しては、段部20の径Bが150μm以下(B≦150μm)、ビアホール10の最大直径bが15μm以上150μm未満(15≦最大直径b<150μm)という条件が適用される。また、図10に示したプリント配線基板に関しては、段部20a,20bの径Bがそれぞれ150μm以下(B≦150μm)、スルーホール30の最大直径bが15μm以上150μm未満(15≦最大直径b<150μm)で、絶縁基板1の厚さAに対するスルーホール30の最大直径bのアスペクト比が1.5以下(A/b≦1.5)という条件が適用される。このような条件を満たすことで、プリント配線基板は、めっき形成も支障なく行うことができ、信頼性向上を図ることができる。
1 絶縁基板
1a 表面
2 導体層
3 配線
4 電極
8 シード層
9 めっき層
10 ビアホール
11 内壁
19 導電皮膜
20 段部
21 開口周縁部
22 内壁部
30 スルーホール
31 内壁
1a 表面
2 導体層
3 配線
4 電極
8 シード層
9 めっき層
10 ビアホール
11 内壁
19 導電皮膜
20 段部
21 開口周縁部
22 内壁部
30 スルーホール
31 内壁
Claims (6)
- 絶縁基板に15μm以上150μm未満の径を有するビアホールが形成されると共に、前記ビアホールの開口端側に前記ビアホールよりも大径の段部が形成され、
前記ビアホール及び段部にめっき層が形成されている
ことを特徴とするプリント配線基板。 - 前記ビアホールの開口端側と反対側の端部に電極が形成され、
前記めっき層は前記電極と接続されている
ことを特徴とする請求項1記載のプリント配線基板。 - 絶縁基板に15μm以上150μm未満の径を有するスルーホールが形成されると共に、前記スルーホールの両開口端側に前記スルーホールよりも大径の段部がそれぞれ形成され、
前記スルーホール及び段部にめっき層が形成されている
ことを特徴とするプリント配線基板。 - 絶縁基板に15μm以上150μm未満の径のビアホールと共に、前記ビアホールの開口端側に前記ビアホールよりも大径の段部をレーザ加工により形成する工程と、
前記形成されたビアホール及び段部にめっき層を形成する工程とを備えた
ことを特徴とするプリント配線基板の製造方法。 - 絶縁基板に15μm以上150μm未満の径のスルーホールと共に、前記スルーホールの両開口端側に前記スルーホールよりも大径の段部をレーザ加工によりそれぞれ形成する工程と、
前記形成されたスルーホール及び段部にめっき層を形成する工程とを備えた
ことを特徴とするプリント配線基板の製造方法。 - 前記レーザ加工で、UV−YAGレーザを用いることを特徴とする請求項4又は5記載のプリント配線基板の製造方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015173179A (ja) * | 2014-03-11 | 2015-10-01 | キヤノン株式会社 | 形成方法、および物品の製造方法 |
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2012
- 2012-07-20 JP JP2012161261A patent/JP2014022625A/ja active Pending
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JP2015173179A (ja) * | 2014-03-11 | 2015-10-01 | キヤノン株式会社 | 形成方法、および物品の製造方法 |
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KR102518566B1 (ko) * | 2015-02-23 | 2023-04-05 | 도판 인사츠 가부시키가이샤 | 인쇄 배선판 및 그 제조 방법 |
CN111385971A (zh) * | 2018-12-25 | 2020-07-07 | Tdk株式会社 | 电路基板及其制造方法 |
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