JP2014022322A - 液体燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の取扱性を向上するとともに、耐久性および発電性能を向上する。
【解決手段】アニオン交換膜2と、大気に接触配置されたカソード3と、アニオン交換膜2を挟んでカソード3とは反対側に配置されたアノード4と、該アノード4を浸漬させる位置に配置され、燃料液Aを収容する燃料収容部5と、該燃料収容部5に配置され、アノード4とアニオン交換膜2との間に電解質Cを供給可能な電解質供給部6とを備える液体燃料電池1を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体燃料電池に関するものである。
従来、アノードとカソードとの間をアニオンである水酸化物イオンが移動するアニオン交換型の燃料電池が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この燃料電池では、糖燃料が収容されているアノード側において糖燃料が酸化されることにより、水素イオンと電子が発生する。発生した電子は、外部回路を通ってカソード側に運ばれる際に仕事を行う。
一方、大気に接触しているカソード側では、大気中の酸素が外部回路を通して移動してきた電子によって還元されることにより水酸化物イオンが発生する。発生した水酸化物イオンはアニオン交換膜を介してカソード側からアノード側に移動し、糖燃料の酸化によって発生した水素イオンと反応して水が生成されるという反応が繰り返されることにより発電が行われる。
特開2009−93948号公報
特許文献1の燃料電池は、発電の開始時に糖燃料内に必要とされる水酸化物イオンを賄うために、糖燃料に水酸化カリウムを混合したアルカリ性の燃料液を使用している。しかしながら、アルカリ性の燃料液は、ユーザによる取り扱いが困難であるという不都合がある。
また、燃料液内の糖はアルカリ性によって異性化されたり、有機酸への自発的な反応が生じたりするため、燃料電池の非使用時においても燃料液が劣化してしまうという不都合がある。さらに、アノード側にアルカリ性の燃料液が収容されている場合、アノード側の水酸化物イオン濃度が高くなるため、アニオン交換膜を介したカソード側からアノード側への水酸化物イオンの移動が阻害され、発電性能が低下するという不都合もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、燃料の取扱性を向上するとともに、耐久性および発電性能を向上することができる液体燃料電池を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、アニオン交換膜と、大気に接触配置されたカソードと、前記アニオン交換膜を挟んで前記カソードとは反対側に配置されたアノードと、該アノードを浸漬させる位置に配置され、燃料液を収容する燃料収容部と、該燃料収容部に配置され、前記アノードとアニオン交換膜との間に電解質を供給可能な電解質供給部とを備える液体燃料電池を提供する。
本態様によれば、燃料収容部内に燃料液を収容し、アノードを燃料液内に浸漬させた状態で、電解質供給部からアノードとアニオン交換膜との間に電解質を供給することにより、燃料液として電解質ではない燃料、例えば、糖燃料を使用した場合でも、電解質が供給された領域で電解質が電離することによりアニオンがリッチな状態となる。その結果、電解質の供給によって得られたアニオンと、カソード側の水酸化物イオンとがアニオン交換膜を介してイオン交換され、発電が開始される。
発電が開始されると、燃料液が収容されているアノード側において燃料液が酸化されることにより、水素イオンと電子が発生する。発生した電子は、外部回路を通ってカソード側に運ばれる際に仕事を行う。
一方、大気に接触しているカソード側では、大気中の酸素が外部回路を通して移動してきた電子によって還元されることにより水酸化物イオンが発生する。発生した水酸化物イオンはアニオン交換膜を介してカソード側からアノード側に移動し、糖燃料の酸化によって発生した水素イオンと反応して水が生成されるという反応が繰り返されることにより発電が継続的に行われる。
すなわち、本態様に係る液体燃料電池によれば、発電の開始の際に電解質を供給するので、燃料液として中性のものを使用することができる。
中性の燃料液を利用できることにより、燃料の取扱性が向上するとともに、アルカリ性による燃料液の異性化や、有機酸への自発的な反応を防止して、非使用時における燃料液の劣化を抑制することができる。また、アノード側に中性の燃料液を収容でき、アノード側の水酸化物イオンを低減できる。その結果、アニオン交換膜を介したカソード側からアノード側への水酸化物イオンの移動が阻害されてしまうことを防止して、発電性能を向上することができる。
上記態様においては、前記電解質供給部が、容積可変の電解質収容部と、該電解質収容部の容積を外部からの押圧力によって減少させる加圧部と、前記電解質収容部と前記燃料収容部との間に配置され、前記電解質収容部から前記燃料収容部への電解質の流れを許容し、逆方向の流れを禁止する逆止弁とを備えていてもよい。
このようにすることで、発電を開始したいときに加圧部を作動させ、外部からの押圧力によって電解質収容部の容積を減少させると、電解質収容部内の圧力が上昇するので、逆止弁を介して電解室収容部から燃料収容部内へと電解質が供給される。これにより、電解質が電離することにより生成されるアニオンがアニオン交換膜を介してカソード側からの水酸化物イオンとイオン交換され、発電が開始される。
また、上記態様においては、前記電解質供給部が、前記アノードの表面に沿う方向に異なる位置に独立して電解質を供給可能に設けられていてもよい。
このようにすることで、アノードの表面に沿う方向に異なる位置において、電解質供給部から電解質を独立して供給されることになり、発電を開始させる領域の広さを調節して発電量を調節することができる。
また、上記態様においては、前記カソードと前記アノードとの間に接続される負荷に供給される電力を検出する電力検出部と、該電力検出部により検出された電力に基づいて前記電解質供給部からの電解質の供給量を調節する電解質調節部とを備えていてもよい。
このようにすることで、電力検出部により検出された電力が小さい場合にはより広い領域に電解質を供給して、アニオン交換を促進することにより電力を増大させることができる。
本発明によれば、燃料の取扱性を向上するとともに、耐久性および発電性能を向上することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る液体燃料電池を示す模式的な縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る液体燃料電池を示す模式的な縦断面図である。 図2の液体燃料電池の第1の変形例を示す模式的な縦断面図である。 図2の液体燃料電池の第2の変形例を示す模式的な縦断面図である。 図2の液体燃料電池の第3の変形例を示す模式的な縦断面図である。 図1の液体燃料電池を並列接続した使用法を説明する模式的な縦断面図である。 図1の液体燃料電池を直列接続した使用法を説明する模式的な縦断面図である。 図1の液体燃料電池の変形例であって、固体電解質を供給する場合を説明する模式的な縦断面図である。 図8の液体燃料電池の固体電解質を自動的に供給する場合を説明する模式的な縦断面図である。
本発明の第1の実施形態に係る液体燃料電池1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る液体燃料電池1は、図1に示されるように、アニオン交換膜2と、該アニオン交換膜2を挟んで配置されたカソード3およびアノード4と、アノード4を浸漬させるようにアニオン交換膜2のアノード4側に配置され燃料液Aを収容する燃料液収容部5と、該燃料液収容部5に配置された電解質供給部6とを備えている。
カソード3はアニオン交換膜2に接して配置されているとともに、アニオン交換膜2とは逆側の面は通気防水シート7によって覆われることにより、防水されながら大気と接触状態に配置されている。
カソード3はアルカリ液槽8に配置されている。アルカリ液Bは、例えば、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム水溶液等である。
アノード4は多孔質材料により構成され、燃料液A内に浸漬されるようになっている。
燃料液Aは、糖水溶液であり、還元性のあるグルコース等の糖を溶かした水溶液である。
電解質供給部6は、電解液Cを収容する電解液収容部9と、外部から加圧することにより電解液収容部9の容積を減少させる加圧部10と、電解液収容部9と燃料液収容部5との間に配置された逆止弁11と、電解液収容部9と外気との間に配置された空気流入弁12とを備えている。
電解液Cは、例えば、塩化ナトリウム水溶液やリン酸緩衝液等を用いることが好ましい。
すなわち、操作者が外部から加圧部10に押圧力Fを加えると、電解液収容部9の容積が減少させられる結果、電解液収容部9内の圧力が上昇し、逆止弁11を介して燃料液収容部5内へと電解液Cが供給される。このとき、空気流入弁12は閉じたままの状態である。そして、操作者が押圧力Fを解除すると、電解液収容部9内の圧力は低下するので、空気流入弁12を介して外部から空気が電解液収容部9内に入ることにより、電解液収容部9を復元させる。このとき、逆止弁11によって燃料液収容部5から電解液収容部9への燃料液Aの逆流は阻止されている。
なお,図中符号13は燃料液Aを燃料液収容部5内に供給するためのポート、符号14はバッファ、符号15はアルカリ液Bの注排液用のキャップである。
このように構成された本実施形態に係る液体燃料電池1の作用について以下に説明する。
本作用を説明するにあたり、液体燃料電池1を組み立て、燃料液Aを投入する前の段階から説明する。
アニオンを伝導しやすいアニオン交換膜2は、液体燃料電池1を組み立てる前、つまり、液体燃料電池1のアルカリ液槽8内にアルカリ液Bを投入する前は、塩素イオンや炭酸イオン等を含有した状態となっている。これは、水酸化物イオンを含有させておいても、直ちに大気中の二酸化炭素によって炭酸イオンに変化したり、大気中に浮遊する塩素等を含有した状態になり易かったりするためである。
液体燃料電池1のカソード3側のアルカリ液槽8に、アルカリ液Bを供給すると、アルカリ液Bが、例えば、水酸化ナトリウム水溶液である場合、アルカリ液B内には、ナトリウムイオンと水酸化物イオンとが電離した状態で含有される。この段階でアニオン交換膜2はカソード3側でアルカリ液Bと接するため、元々含有していた塩素イオンや炭酸イオンはアルカリ液B中の水酸化物イオンとイオン交換され、アニオン交換膜2内は水酸化物イオンがリッチなアルカリ性環境となる。
このとき交換された塩素イオンや炭酸イオンはアルカリ液B中に放出される。
この状態では、カソード3側のアルカリ液槽8にアルカリ液Bが充填され、アノード4側の燃料液収容部5は空の状態である。
これ以降の作業は操作者によって行われる。
操作者は燃料液収容部5のポート13を開けて、燃料液収容部5内に燃料液Aを投入する。燃料液Aは、例えば、グルコース水溶液である。
このとき、電解液収容部9内にも電解液Cを充填しておく。
この状態で、アルカリ液槽8と燃料液収容部5の両方ともが液体で満たされるが、燃料液Aは電解質ではないグルコース水溶液であるため、アニオン交換膜2でのアニオン交換は開始されない。すなわち、カソード3はアルカリ液槽8に浸漬されることによりアルカリ性となっているが、アノード4側は中性であるため、アノード4側のグルコース酸化の過電圧が高い状態であり、発電を行うことができない。
この状態で、操作者が加圧部10に押圧力Fを加えると、電解液収容部9の容積が減少して内圧が高められるので、電解液Cが逆止弁11を介してアノード4に向けて放出される。アノード4は多孔質材料により構成されているので、放出された電解液Cは、アノード4を貫通してアニオン交換膜2とアノード4との間に供給される。
電解液Cが供給される前までは、アルカリ液槽8とアニオン交換膜2内は水酸化物イオンがリッチな状態であり、アノード4側の燃料液収容部5は電解質のないグルコースがリッチな状態であった。これに対して、電解液C、例えば、塩化ナトリウム水溶液が供給されると、燃料液収容部5は、供給された領域周辺にナトリウムイオンと塩素イオンおよびグルコースがリッチな状態となる。
そして、アニオン交換膜2を挟んだアルカリ液槽8においてリッチな水酸化物イオンと、燃料液収容部5においてリッチな塩素イオンとが、アニオン交換膜2を介してイオン交換される。
これは、塩素イオンと水酸化物イオンとの濃度差によって発生するイオン交換機能であり、互いの濃度差を相殺するようにアニオン交換が開始される。
例えば、アニオン交換膜2を含めたアルカリ液B中の水酸化物イオンの濃度を10mol/Lとし、投入した電解液Cの塩素イオン濃度を0.1mol/Lとすると、塩素イオン濃度の半分となる0.05mol/Lが同量の水酸化物イオンと交換されることになる。
電解液Cが供給される前の燃料液A中の塩素イオン濃度は0mol/Lであるが、0.1mol/Lの塩素イオンが供給されることで、アニオン交換膜2の界面では、燃料液収容部5側が塩素イオン濃度0.1mol/L、水酸化物イオン濃度0mol/Lとなり、アルカリ液槽8側では塩素イオン濃度0mol/L、水酸化物イオン10mol/Lとなる。
そして、交換が開始されると塩素イオン濃度の半分となる0.05mol/Lが水酸化物イオン0.05mol/Lと入れ替わることになる。すなわち、電解液Cやアルカリ液B中のイオンの電離度を100%とし、アルカリ液Bの濃度が電解液Cの濃度より高いと仮定すると、投入する電解液Cの濃度の50%分の水酸化物イオンが燃料液収容部5に流入してくることになる。
アニオン交換膜2を介して燃料液収容部5側に流入してきた水酸化物イオンは、燃料液収容部5および多孔質のアノード4内部に流入する。
そして、アノード4内部に流入した水酸化物イオンは、アノード4が有する金微粒子触媒に吸着し、金微粒子触媒の近傍に浮遊するグルコースから水素を乖離させようと、グルコースの分解性を高める作用を発揮する。
この状態で、液体燃料電池1のアノード4とカソード3との間に負荷を接続すると、元々アルカリ液B中で酸素還元の過電圧が下がっていたカソード3における酸素還元と、流入してきた水酸化物イオンでグルコース酸化の過電圧が下がったアノード4におけるグルコース酸化が生じ,発電が行われて、負荷に電流が流れることになる。また、発電によりカソード3から移動してくる水酸化物イオンはアノード4のグルコース酸化で発生した水素イオンと結合して水になる。
また、電解液Cをアノード4とアニオン交換膜2との間に流入させた電解液収容部9は、押圧されることにより容積を減少させられた状態から、空気流入弁12を介して外気を取り込むことにより自己の弾性復元力によって初期の形状まで復元する。この際に、電解液収容部9内の電解液Cは逆止弁からなる空気流入弁12によって外部に漏出しないように保持される。また、初期の形状に復元した電解液収容部9内に電解液Cが残っている場合には、加圧部10に対して、さらに押圧力を作用させることにより、電解液Cを追加供給することもできる。
また、燃料液Aを収容している燃料液収容部5にはバッファ14が設けられているので、電解質供給部6の作動により電解液Cが追加供給されてもバッファ14によって吸収され、燃料液収容部5内の内圧が高まらないように維持される。
このように、本実施形態に係る液体燃料電池1によれば、操作者が加圧部10を押圧しない限り、電解液収容部9は燃料液収容部5に対して密閉状態に維持されているので、燃料液Aであるグルコース水溶液内の電解液Cの濃度を極力抑えて、燃料液Aのアルカリ化を防止することができる。すなわち、燃料液Aは、非使用時には略中性に維持されるので、劣化を防止することができる。
そして、本実施形態に係る液体燃料電池1のように、カソード3側にアルカリ液槽8を設けて、カソード3とアニオン交換膜2とを常にアルカリ液Bに浸漬させた状態として、酸素還元反応やアニオン交換機能に対してスタンバイ状態(過電圧が下がった状態)にすることができ、アノード4側への電解液Cの供給によって瞬時に発電を開始させることができるという利点がある。
また、発電開始時に操作者が必要量の電解液Cを供給するので、停止時には、電解液Cの濃度を最小限に抑え、燃料液Aのアルカリ化を防止することができる。また、発電が開始すれば、カソード3における酸素還元で発生した水酸化物イオンがアノード4側に移動してグルコース酸化で発生した水素イオンと結合し水となるため、発電中においても燃料液Aのアルカリ化を防止することができる。
なお、本実施形態においては、電解液Cとして塩化ナトリウム水溶液を例示したが、これに代えて、カソード3側からくる水酸化物イオンとイオン交換を行うためのアニオンを有しているものであれば、他の多様な電解液Cを採用することもできる。
また、カソード3側は、水酸化物イオンが高濃度でアノード4側は低濃度であるため、カソード3側からアノード4側への水酸化物イオンの移動は容易であり、発電が妨げられずに済むという利点もある。
さらに、操作者が補充することが必要となる燃料液Aとして、略中性の燃料液Aを使用しているので、取り扱い性が良好であるという利点もある。
次に、本発明の第2の実施形態に係る液体燃料電池20について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る液体燃料電池1と構成を共通とする箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る液体燃料電池20は、図2に示されるように、燃料液収容部5に、複数の電解質供給部6A,6Bを備えている点において第1の実施形態に係る液体燃料電池1と相違している。
電解質供給部6A,6Bは、アノード4を挟んで、アニオン交換膜2とは反対側の位置に、アニオン交換膜2の表面方向に並んで配置されている。
各電解質供給部6A,6Bは、第1の実施形態と同様に、電解液収容部9、加圧部10、逆止弁11および空気流入弁12をそれぞれ備えている。そして、各電解質供給部6A,6Bに設けられた加圧部10に押圧力Fを加えると、電解液収容部9が個別に収縮させられて、各電解質供給部6A,6Bに対向している範囲近傍のアニオン交換膜2とアノード4との間に電解液Cを供給することができるようになっている。
このように構成された本実施形態に係る液体燃料電池20によれば、一方の電解質供給部6A(6B)の加圧部10に押圧力Fを加えると、その電解質供給部6A(6B)に対向したアノード4の領域近傍に電解液Cが供給され、その領域近傍の電解質濃度が高くなる。その結果、電解質濃度の高い領域において発電が開始される。
すなわち、複数の電解質供給部6A,6Bを並べて配置することにより、注入する電解液Cの量や濃度を調節すれば、発電に寄与するアノード4の面積を必要に応じて調節することができる。したがって、さらに電力が必要な場合には、他の加圧部10に押圧力Fを加えてアノード4の他の領域に電解液Cを供給することで、他の領域においても発電を開始させ、電力を増大させることができるという利点がある。
なお、本実施形態においては、1つの電解質供給部6A(6B)から電解液Cを供給すると、燃料液収容部5内において電解液Cが拡散する結果、他の電解質供給部6B(6A)に対向する領域においても発電が開始されることとなる。これに代えて、図3に示されるように、アノード4についても隔壁21によって分離してもよい。このようにすることで、1つの電解質供給部6A(6B)から供給された電解液Cが、他の電解質供給部6B(6A)に対向する領域にまで広がって発電を開始させてしまうことを防止して、より精度よく発電量を制御することができる。
また、本実施形態においては、電解質供給部6A,6Bを2つ有する場合を例示して説明したが、これに代えて、3以上備えていてもよい。
また、本実施形態においては、操作者が外部から加圧部10に押圧力Fを加える場合を例示して説明したが、図4に示されるように、供給する電解液Cの量を自動調節することにしてもよい。
すなわち、図4に示す液体燃料電池30は、電解質供給部6Aの加圧部10に押圧力Fを加える押圧手段31と、負荷装置32に供給する電力を検出する電力検出部33と、該電力検出部33により検出された電力に基づいて、押圧手段31により電解質供給部6Aの加圧部10に加える押圧力Fを調節する制御部34とを備えている。
押圧手段31は、例えば、電動式のアクチュエータである。
電力検出部33は、負荷装置32に接続されるアノード4およびカソード3からの配線間に接続された電圧計35と、いずれかの配線に設けられた電流計36とを備えている。
制御部34は、電力検出部33により検出された電力が所定の閾値より低い場合には、押圧手段31を作動させて、加圧部10を加圧し、電解液Cの供給されるアノード4領域を増やして発電量を増大させるようになっている。
図4に示す例では、1つの電解質供給部6Bは、上記各実施形態と同様に、操作者が加圧部10に押圧力Fを加えることによって電解液Cを供給する手動のものである。発電の開始時には手動で電解液Cを供給し、発電が開始された場合には、発電により得られた電力の一部を用いて、電力の検出および電力に応じた電解液Cの供給量の調節を自動的に実施すればよい。
また、加圧部10を押圧する押圧手段31により電解液Cを供給することとしたが、これに代えて、電解液収容部9をシリンジ状に構成し、押圧手段31がピストンを駆動させることにより電解液収容部9の容積を縮小させることにしてもよい。
また、図5に示すように、制御部34がバッテリ37を搭載していて、操作者がスイッチ38を入れると、搭載されているバッテリ37により電解質供給部6A,6Bの押圧手段31を作動させるようになっていてもよい。このようにすることで、全ての電解質供給部6A,6Bを自動的に作動させることができる。
また、本実施形態においては、アニオン交換膜2に対して複数の電解質供給部6A,6Bを並列に設けることとしたが、これに代えて、図1のような単一の電解質供給部6を有する液体燃料電池1を、図6に示されるように複数並列に、あるいは、図7に示されるように複数直列に接続して使用することにしてもよい。
並列接続した場合には、燃料液収容部5が独立しているので、出力制御を簡単に切り替えることができ、かつ、作動させない液体燃料電池1については長期にわたって非作動状態として保管することができる。
また、直列接続した場合には、起動させる液体燃料電池1に応じて出力端子38a,38bを切り替える必要があるが、出力端子38a,38bを切り替えるだけで、負荷装置32により要求される電力を変化させることができる。
また、本実施形態においては、電解質供給部6が供給する電解質として塩化ナトリウム水溶液のような燃料液Aを例示したが、これに代えて、固体電解質Dを供給することにしてもよい。
図8に示す液体燃料電池40では、アノード4内に固体電解質Dをアニオン交換膜2の略中央近傍まで導くための導入管41を設け、導入管41の先端部に、アニオン交換膜2側に開口する開口部42を設けることにしている。図中符号43は固体電解質Dの導入口、符号44は導入口43を開閉するキャップである。
このようにすることで、導入口43から導入管41内に固体電解質Dが投入されると、投入された固体電解質Dは、導入管41内に満たされている燃料液Aによって溶解され、電解質イオンが開口部42からアニオン交換膜2側に放出される。これにより、アノード4側における電解質イオン濃度を高めて、発電を開始させることができる。
なお、固体電解質Dを自動投入する場合には、図9に示されるように、導入管41の上部に送り出し装置45を設けることにすればよい。
また、固体電解質Dとしては多様なものが想定できるが、特に、医療用途で利用される場合には、安全性も考慮して調味料となる食品添加物等で利用される物質を選択することが好ましく、無機塩や有機塩、核酸やアミノ酸などを採用することができる。
例えば、無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ホエイソルト等がある。また、有機塩としては、乳酸ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、アルギン酸トリウムやコハク酸からなる有機酸類がある。
核酸としては、5−イノシン酸ナトリウムや5−リボヌクレオチドカルシウム等がある。
アミノ酸としては、L−グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、グリシン等を挙げることができる。
また、上述したナトリウム塩が主体であるが、カリウム塩やカルシウム塩またはマグネシウム塩でも利用できる。
また、固体電解質Dとしては、胡椒、醤油、味噌等を利用してもよい。また、食品添加物以外では、リン酸緩衝液も利用することができる。
A 燃料液
C 電解液(電解質)
F 押圧力
1,20,30,40 液体燃料電池
2 アニオン交換膜
3 カソード
4 アノード
5 燃料液収容部(燃料収容部)
6,6A,6B 電解質供給部
10 加圧部
11 逆止弁
33 電力検出部
34 制御部(電解質調節部)

Claims (4)

  1. アニオン交換膜と、
    大気に接触状態に配置されるカソードと、
    前記アニオン交換膜を挟んで前記カソードとは反対側に配置されたアノードと、
    該アノードを浸漬させる位置に配置され、燃料液を収容する燃料収容部と、
    該燃料収容部に配置され、前記アノードとアニオン交換膜との間に電解質を供給可能な電解質供給部とを備える液体燃料電池。
  2. 前記電解質供給部が、容積可変の電解質収容部と、該電解質収容部の容積を外部からの押圧力によって減少させる加圧部と、前記電解質収容部と前記燃料収容部との間に配置され、前記電解質収容部から前記燃料収容部への電解質の流れを許容し、逆方向の流れを禁止する逆止弁とを備える請求項1に記載の液体燃料電池。
  3. 前記電解質供給部が、前記アノードの表面に沿う方向に異なる位置に独立して電解質を供給可能に設けられている請求項1または請求項2に記載の液体燃料電池。
  4. 前記カソードと前記アノードとの間に接続される負荷に供給される電力を検出する電力検出部と、
    該電力検出部により検出された電力に基づいて前記電解質供給部からの電解質の供給量を調節する電解質調節部とを備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の液体燃料電池。
JP2012162902A 2012-07-23 2012-07-23 液体燃料電池 Pending JP2014022322A (ja)

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