JP2014020829A - 液体クロマトグラフィー用カチオン交換体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非多孔性粒子の表面に、ビニルスルホン酸共重合体が固定されていることを特徴とする液体クロマトグラフィー用カチオン交換体により、前記課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
一方、カチオン交換基としては、従来からスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等が知られている。なかでもスルホン酸基は、pKaが小さく、対象をイオン解離する目的で溶離液のpHを低下した場合にそのpHの変動が生じたとしても対象を安定的に保持し得ることから、カチオン交換基として多用されており、スルホン酸基の粒子への導入方法として、スチレン共重合体粒子に対して三酸化硫黄、クロロ硫酸又は濃硫酸を作用させる方法、粒子に対してエポキシ基やアリル基を導入し更に亜硫酸を作用させる方法、そして水酸基を有する粒子にプロパンスルトン、ブタンスルトン又は三硫化硫黄を作用させる方法が使用されている。
このため、上記(1)や(2)の改善を目的として、カチオン交換能を有するビニルポリマー鎖を粒子表面にグラフトして固定する方法(特許文献1から4)、細孔内に水溶性ポリマーを固定化する方法(特許文献5)が提案されている。しかし、グラフトによってポリマー鎖を粒子表面に固定すると、操作圧が高くなり、上記(5)に反して操作流速の低下を招いてしまう。また細孔内に水溶性ポリマーを固定する方法は非多孔性粒子には適用することができない。
[非多孔性基材の作成]
特許公開2001−2716号に記載された方法(シード重合法)により、非多孔性粒子を製造した。ベンジルメタクリレート20g及びメルカプト酢酸2−エチルヘキシル0.95gを500mL三つ口フラスコに入れて混合し、イオン交換水を200g投入した。マグネティック撹拌子を入れ、85度に設定したオイルバスに取り付け、窒素導入管を設置し、150rpmで撹拌した。これとは別に50mL容器に過硫酸カリウム0.6g及びイオン交換水20gを計り取り溶解した。30分経過後、三つ口フラスコに設置したゴム栓から、過硫酸カリウム水溶液を注射器で投入した。回転数を300rpmとしてソープフリー乳化重合を実施した。2時間重合を継続後、凝集分を取り除いてシード溶液を回収した。シード溶液の固形分含有率は、6.98%であり、粒子径は電子顕微鏡による測定で0.39μmであった。
メタクリル酸2,3エポキシプロピル64g、二メタクリル酸エチレン16g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−65、和光純薬(株)製)0.2g及びドデシル硫酸ナトリウム0.2gを300mLフラスコに計量し、撹拌子を入れ、マグネティックスタラーで混合した。イオン交換水を100mL加え、マグネティックスタラーで撹拌しながら超音波ホモジナイザーで乳化した。前記のように調整したシード溶液10.90g(固形分量0.760g)及び50mLの4%濃度のポリビニルアルコール水溶液を加え、1分間よく撹拌し、静置した。室温下で30分放置後、60度に設定した水浴に静置し、2時間重合を行った。得られた重合液をガラスフィルターでろ過し、温水、アセトン、温水の順で洗浄して、非多孔性粒子を得た。
実施例1
ビニルスルホン酸ナトリウム(以下「VSNa」と略記する)25%水溶液(東京化成工業製)10.0g、2-ヒドロキシエチルメタクリル酸エステル(以下「HEMA」と略記する)0.216g(VSNaとの比率で10モル%)及び過硫酸カリウム0.026gを10mLガラス容器に入れ、65度に設定した水浴中で5時間重合した。重合液を少量サンプリングし、共重合体の分子量を下記の条件下、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した結果、重量平均分子量11700、ビニルスルホン酸の重合率は94%であった。
カラム:TSKgel(登録商標) G4000PWXL及び同 G2500PWXL
溶離液:0.1mol/L 硝酸ナトリウム
流速:1.0mL/分
検出:屈折率計
サンプル:10倍希釈し、5uL注入
上記重合液を200mLのメタノールで再沈精製し、窒素気流下通風乾燥しビニルスルホン酸共重合体の白色粉体を得た。
エポキシ化非多孔性粒子5g(乾燥重量)に対し、ビニルスルホン酸共重合体1.0g(エポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり20重量%)及び20mLの純水を100mLナス型フラスコに入れ、超音波槽にてよく分散した。ナス型フラスコをエバポレータ―に取り付け、減圧下水を留去した。ナス型フラスコを150度に設定した温風過熱器に入れ、1時間加熱することにより、ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子の表面に固定した。ナス型フラスコを冷却後、水を入れ、よく分散し、ガラスフィルターを用いて、水、0.1N塩酸、0.1N水酸化ナトリウム、水の順で洗浄し、カチオン交換体を得た。得られたカチオン交換体は、10%のイオン交換水を分散液として、4.6mm内径x50mm長さの液体クロマトグラフィー用カラムにスラリー充填した。得られたカラムを使用して、下記条件下、液体クロマトグラフィーを実施してタンパク質の分離性能を測定した。カチオン交換体の操作圧は、溶離液Aを流速0.5mL/分で送液した時の操作圧とした。そしてカチオン交換体のカチオン交換容量は、カラムに25mmol/Lのクエン酸溶液を0.4mL/分の流速で10分間通液し、続いてイオン交換水を0.4mL/分の流速でカラム溶出液の電気伝導度が低下するまで通液し、カラムから抽出したカチオン交換体を200mLのビーカー中で0.5mol/Lの塩化ナトリウム水溶液で分散後、0.01mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液でpH7を終点として自動滴定することで測定した。
溶離液A:10mmol/L リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)
溶離液B:0.5mol/LのNaClを含む10mmol/L リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)
グラジエント:5〜100%溶離液B直線グラジエント、9.5分
流速:0.4mL/分
対象:α−キモトリプシノーゲンA(1g/L)
リボヌクレアーゼA(1g/L)
リゾチウム(1g/L)
注入量:3、5、7、10、20、30及び50μL
対象を10μL注入したときのクロマトグラムは図1に示したとおりであり、3種類の対象が良好に分離されていること、及び、全対象について、本発明のカチオン交換体が十分な保持力を有していることが分かる。カチオン交換体の操作圧については26.8MPaと低操作圧であり、カチオン交換容量は、カチオン交換体1Lあたり16.6meqと十分なものであった。
また下記条件下、グリコヘモグロビンの分析を行った場合のクロマトグラムを図2に示す。グリコヘモグロビンを対象とした場合にも、本発明のカチオン交換体は良好な分離を示すことが分かる。
グリコヘモグロビンの分析条件
溶離液A:20mmol/L リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.3)
溶離液B:0.2mol/LのNaClO4を含む20mmol/L リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.3)
グラジエント:0〜100%溶離液B直線グラジエント、10分
流速:0.5mL/分
試料:HbA1cコントロール(1.0g/L)(東ソー(株)製)
注入量:5μL
実施例1で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例2
ビニルスルホン酸共重合体を製造するにあたり、HEMAに代えてVSNaとの比率で1モル%量のN−ヒドロキシエチルアクリルアミド(以下「HEAA」と略記する)(シグマ製)を使用し、また得られたビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり5重量%とした以外は実施例1と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例2で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例3
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり10重量%とした以外は実施例2と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例3で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例4
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり20重量%とした以外は実施例2と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例4で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例5
HEAAの使用量をVSNaとの比率で5モル%量とし、また得られたビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり5重量%とした以外は実施例1と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例5で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例6
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり10重量%とした以外は実施例5と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例6で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例7
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり20重量%とした以外は実施例5と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例6で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例8
HEAAの使用量をVSNaとの比率で10モル%量とし、また得られたビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり5重量%とした以外は実施例1と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例8で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例9
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり10重量%とした以外は実施例8と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例9で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例10
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり20重量%とした以外は実施例8と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例10で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例11
HEAAの使用量をVSNaとの比率で25モル%量とし、また得られたビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり3重量%とした以外は実施例1と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例11で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり5重量%とした以外は実施例11と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例12で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり10重量%とした以外は実施例11と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例13で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
ビニルスルホン酸共重合体を製造するにあたり、VSNaとの比率で0.5モル%量のHEMAを使用し、また得られたビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり5重量%とした以外は実施例1と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例14で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例15
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり10重量%とした以外は実施例14と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例15で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり20重量%とした以外は実施例14と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例16で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
ビニルスルホン酸共重合体を製造するにあたり、VSNaとの比率で5モル%量のHEMAを使用し、また得られたビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり5重量%とした以外は実施例1と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例17で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり10重量%とした以外は実施例17と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例18で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり20重量%とした以外は実施例17と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例19で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり20重量%とし、加熱時間を5時間とした以外は実施例17と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例20で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例21
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり5重量%とした以外は実施例1と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例21で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例22
ビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり10重量%とした以外は実施例1と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。実施例22で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
実施例23
実施例1において、VSNa25%水溶液20.0g、N−[Tris(hydroxymethyl)methyl]acrylamide(シグマ製、Tris−AA)0.5g(VSNaとの比率で7.5モル%)を30mLガラス容器に入れ、直射日光下に3日間放置した以外は同様の操作を行って得たビニルスルホン酸共重合体を使用し、カチオン交換体を得た。実施例23で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
比較例1
市販のカラム(TSKgel(登録商標) SP−NPR)から粒子を取り出し、実施例1で使用したのと同一の4.6mm内径×50mm長さのカラムに充填し、実施例1と同一の条件でタンパク質の分離能を測定した。操作圧は6.2MPaと低操作圧であったが、保持力が弱く、溶出ピークの幅はブロードなものであった。結果を図1に示すとともに、操作圧とα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
比較例2
市販のカラム(TSKgel(登録商標) SP−STAT)から粒子を取り出し、実施例1で使用したのと同一の4.6mm内径×50mm長さのカラムに充填し、実施例1と同一の条件でタンパク質の分離能を測定した。操作圧は1.6MPaと低操作圧であったが、保持力が弱く、溶出ピークの幅はブロードなものであった。結果を図1に示すとともに、操作圧とα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示す。
ビニルスルホン酸共重合体を製造するにあたり、HEMAに代えてVSNaとの比率で30モル%量のHEAAを使用し、また得られたビニルスルホン酸共重合体をエポキシ化非多孔性粒子に固定するにあたり、その使用量をエポキシ化非多孔性粒子の乾燥重量あたり20重量%とした以外は実施例1と同様の操作を行い、カチオン交換体を得た。比較例3で製造したカチオン交換体に関し、固定したビニルスルホン酸共重合体の分子量とVSNaの重合率、カチオン交換容量、操作圧そしてα−キモトリプシノーゲンAを10μL注入したときのピーク半値幅を表1に示すが、操作圧が高く、測定は困難であった。
実施例1で使用したエポキシ化非多孔性粒子4g、デキストラン(分子量60000)3g、イオン交換水7g及び水酸化ナトリウム60μLを容量40mLの遠心管にいれ、50度に設定した水浴中で16時間振盪した。得られた反応物を遠心して上澄を除去し、イオン交換水10mLを加えて分散後、更に遠心した。上澄の除去、イオン交換水の添加及び遠心からなる操作を合計3回繰り返し、上澄を除去後、遠心管にイオン交換水4.3g、1,3プロパンスルトン1.2g及び48%水酸化ナトリウム水溶液1.5gを加え、撹拌した。反応液をガラスフィルターでろ過し、水、0.1N塩酸、0.1N水酸化ナトリウム、水の順で洗浄し、カチオン交換体を得た。
Claims (5)
- 非多孔性粒子の表面に、ポリビニルスルホン酸共重合体が固定されていることを特徴とする液体クロマトグラフィー用カチオン交換体。
- 非多孔性粒子が、単官能性ビニルモノマーと多官能性ビニルモノマーの共重合体からなり、その粒径が5μm以下である、請求項1記載の液体クロマトグラフィー用カチオン交換体。
- ポリビニルスルホン酸共重合体の分子量が5000以上40000以下であることを特徴とする請求項1記載の液体クロマトグラフィー用カチオン交換体。
- ポリビニルスルホン酸共重合体の導入量が、非多孔性粒子の30重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の液体クロマトグラフィー用カチオン交換体。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用カチオン交換体を充填して成る液体クロマトグラフィー用カラム。
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