JP2014020668A - クリンカ灰除去装置及びクリンカ灰除去方法 - Google Patents

クリンカ灰除去装置及びクリンカ灰除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】石炭火力発電所において、2次過熱器の下端部に付着するクリンカ灰を除去する。
【解決手段】長尺管12と、長尺管12が、軸方向D1に移動自在に挿通される鞘管14と、長尺管12の一端に取り付けられたタガネ16aを有するはつり工具16とを有し、前記鞘管14の先端部を鉛直方向に移動可能に支持する第1支持部20と、はつり工具16が設けられる側とは反対側の前記鞘管16の後端部を歳差運動可能に支持する第2支持部22とを備え、タガネ16aをクリンカ灰110に接触させて、該クリンカ灰110を破砕する。
【選択図】図4

Description

この発明は、石炭ボイラ等の内部に付着するクリンカ灰の除去装置及び除去方法に関する。
石炭火力発電所では、石炭ボイラの火炉内のボイラ伝熱管や、石炭バーナ口の周辺部などへクリンカ灰が付着する。ここで、クリンカ灰とは、火炉内で燃焼した石炭灰の粒子が溶融固化したものである。近年、石炭火力発電所では、燃料コスト低減のために、不純物の多い劣質炭を燃料にすることがある。FeやMg等の低融点不純物が多い劣質炭を燃料にした場合、2次過熱器の伝熱管等に付着するクリンカ灰は、数m程のサイズにまで成長することもあり、定期点検などの火炉内での作業の妨げになっている。
このようなクリンカ灰を除去する技術として、水等の流体の高圧噴射によりクリンカ灰を粉砕する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2010−243122号公報 特開2000−111029号公報
しかしながら、流体の高圧噴射では伝熱管等に腐食や破損を引き起こす虞がある。腐食や破損を防ぐために突き棒やタガネ等による手作業で除去を行うと、今度は、膨大な作業時間を要してしまう。このため、火炉内に付着するクリンカ灰をより効果的かつ安全に除去する技術が求められていた。特に、2次過熱器は火炉の床面から50m以上の高さに位置するために、2次過熱器の下端部に付着するクリンカ灰の除去には多大な労力を要していた。
本発明はこのような技術的背景の下でなされた。従って、この発明の目的は、石炭火力発電所において、特に2次過熱器の下端部に付着するクリンカ灰を効果的に除去するための装置及び除去方法を提案することにある。
発明者らは、鋭意検討の結果、先端に、はつり工具を備えた長尺管を、鞘管に挿通することにより撓み耐性を高めた長尺な竿状のクリンカ灰除去装置を用いることで、上述の目的を達成できることに想到した。従って、この発明のクリンカ灰除去装置は、長尺管と鞘管とはつり工具とを備える。鞘管には、長尺管が軸方向に移動自在に挿通される。はつり工具は、長尺管の一端に取り付けられており、タガネを有する。
また、この発明のクリンカ灰除去方法は、上述のクリンカ灰除去装置のタガネをクリンカ灰に接触させることでクリンカ灰を破砕して除去する。
上述の構成を備える本発明のクリンカ灰除去装置及び除去方法は、石炭火力発電所の2次過熱器の下端部に付着するクリンカ灰を効果的に除去することができる。
石炭火力発電所で用いられる石炭ボイラの構造を模式的に示す模式図である。 石炭ボイラに設けられる覗き孔及びマンホールを拡大して示す部分拡大図である。 2次過熱器の下端部に付着するクリンカ灰の様子を示す斜視図である。 クリンカ灰除去装置の火炉内での使用状況の一例を模式的に示す図である。 (A)は、クリンカ灰除去装置の本体の全体構造を示す模式図であり、(B)は、長尺管の構造を示す模式図であり、(C)は、鞘管の構造を示す模式図である。 (A)は、はつり工具の一態様であるケレンの構造を模式的に示す模式図であり、(B)は、はつり工具の別の態様であるフラックスチッパーの構造を模式的に示す模式図である。 (A)は、第1態様のタガネの正面図であり、(B)は、(A)のタガネの側面図である。 (A)は、第2態様のタガネの正面図であり、(B)は、(A)のタガネの側面図である。 第3態様のタガネの正面図である。 第1支持部の構成を模式的に示す模式図である。 第2支持部の構成を模式的に示す模式図である。 (A)及び(B)は、クリンカ灰除去方法の工程段階を順に示す模式図である。 (A)及び(B)は、図12(B)に続く、クリンカ灰除去方法の工程段階を順に示す模式図である。 (A)及び(B)は、クリンカ灰除去方法において、特に鞘管及び長尺管の延長方法の工程段階を順に示す模式図である。 図14(B)に続く、鞘管及び長尺管の延長方法の工程段階を示す模式図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。なお、各図においては、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係を、この発明が理解できる程度に概略的に示してある。また、以下、この発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。また、各図において、共通する構成要素には同符号を付し、重複する説明を省略することもある。また、他の図面との対応関係が明らかな構成要素の符号を省略することもある。
(クリンカ灰)
まず、図1〜図3を参照して、この発明のクリンカ灰除去装置(以下、単に除去装置とも称する。)の除去対象であるクリンカ灰について説明する。図1は、石炭火力発電所で用いられる石炭ボイラの構造を模式的に示す模式図である。図2は、石炭ボイラに設けられる覗き孔及びマンホールを拡大して示す部分拡大図である。図3は、2次過熱器の下端部付近に付着するクリンカ灰の様子を示す斜視図である。
まず、図1を参照して石炭ボイラ(以下、ボイラとも称する。)の構造を簡単に説明する。ボイラ100は、火炉102と、後部伝熱部104とを備える。火炉102は、複数の石炭バーナ102aが設けられた下部領域102Dと、2次、3次及び4次過熱器102b,102c及び102dが設けられる上部領域102Uとに区画される。2次〜4次過熱器102b,102c及び102dは、それぞれ、所定形状に屈曲された多数の伝熱管の集合体であり、内部を流通する蒸気を過熱する。
後部伝熱部104は、規則的に配列された複数の後部伝熱管の集合体であり、後部伝熱管内部を流通する蒸気や水等の被加熱流体を加熱する。この例に示すボイラ100は、鉛直方向に測った高さが約70mであり、火炉102と後部伝熱部104とを合わせた水平方向の長さが約40mである。
また、上部領域102Uの壁面には、マンホール106と覗き孔108とが設けられている。
図2に示すように、覗き孔108は、2次過熱器102b等を目視点検するための直径10〜20cmの開口部であり、ボイラ100の稼働中には不図示の蓋で閉じられている。この覗き孔108の鉛直方向下側には、マンホール106が設けられている。この例では、覗き孔108の約8m下方にマンホール106が設けられている。
マンホール106は、火炉102の壁に設けられた略楕円形状の開口部であり、ボイラ100の稼動時には不図示の蓋で閉じられている。この例では、マンホール106の楕円の長軸方向(鉛直方向)の長さは約80cmであり、楕円の短軸方向(水平方向)の長さは約40cmである。
次に図3を参照して、火炉102内に付着するクリンカ灰について説明する。図3は、本発明の除去対象である、2次過熱器102bの下端部付近に付着したクリンカ灰110を示している。多数の伝熱管112がU字形に屈曲する2次過熱器102bの下端部の伝熱管112に、クリンカ灰110が纏わり付くように付着している。この例では、クリンカ灰110のサイズは、数mオーダである。なお、マンホール106から2次過熱器102bの下端部、即ちクリンカ灰110までの距離は7〜9mである。
一般にクリンカ灰110は、SiO、Al及びFeを主成分とする比重が2程度の軽石状又はガラス状の塊状物質である。クリンカ灰110が破壊されるまでの機械的強度は、軽量コンクリートブロックが破壊されるまでの強度よりも若干小さい程度である。
(発明の概要)
次に、図4を参照して、この発明の除去装置とクリンカ灰除去方法(以下、単に除去方法とも称する。)を概略的に説明する。図4は、除去装置の火炉内での使用状況の一例を模式的に示す図である。
除去装置10は、長尺管12と、長尺管12が挿通される鞘管14と、長尺管12の一端に取り付けられたはつり工具16とを備える。さらに、除去装置10は、任意的な部材として支持部18を備える。なお、これらの構成の詳細は後述する。また、支持部18以外の除去装置10、すなわち長尺管12、鞘管14及びはつり工具16を備える竿状の構成を本体10Hとも称する。また、以降、長尺管12の延在方向に沿って、はつり工具16に向かう方向を軸方向又は振動方向とも称し、矢印D1で示す。また、はつり工具16が取り付けられた側の長尺管12の端部を先端部と称し、先端部とは反対側の端部を後端部と称する。
除去装置10の長尺管12と鞘管14は、長尺な二重管として構成されている。二重管の内側のパイプである長尺管12は、二重管の外側のパイプである鞘管14に軸方向D1に移動自在に挿通されている。
はつり工具16は、その先端部側にクリンカ灰110を破砕するタガネ16aを備えており、長尺管12の先端部に装着されている。はつり工具16は、圧縮空気の供給を受け振動方向D1に高速に往復運動(振動)して、クリンカ灰110を破砕する動力工具である。なお、「はつり」とは、岩等を砕いて削り取ることを示す。
本体10Hの軸方向D1に測った長さである全長は、マンホール106からクリンカ灰110まで最短距離である7m以上である。本体10Hは、マンホール106から火炉102内に挿入され、クリンカ灰110の破砕を行う際は、全長の殆どが火炉102内に位置する。そして、マンホール106の外側には、オペレータが操作してタガネ16aを移動させる操作部10Aが約1m突出している。
除去装置10の支持部18は、第1支持部20と第2支持部22とを備える。
第1支持部20は、本体10Hが鉛直方向に自在に移動可能に、鞘管14の先端部側を支持する。第1支持部20は、第1巻き上げ機20とワイヤ20と吊金具20とを備える。なお、吊金具20は覗き孔108に取り付けられている。
第2支持部22は、支持枠22と第2巻き上げ機22と第3巻き上げ機22とを備える。第2支持部22は、マンホール106に取り付けられ、図中に点線で示すように、鞘管14の後端部側を歳差運動可能に支持する。なお、歳差運動とは、点線で示すように、支点である第2支持部22を頂点とし、鞘管14を母線とする直円錐の範囲内で鞘管14(本体10H)が自在に移動することを示す。
次に、除去装置10を用いたクリンカ灰110の除去方法を簡単に説明する。概略的には、本体10Hの先端部側のタガネ16aをクリンカ灰110に狙いを定めて押し当てて(以下、位置決めとも称する。)、はつり工具16を稼働させることで、クリンカ灰110を破砕して除去していく。上述のように、2次過熱器102bに付着するクリンカ灰110は大きさが数mに及ぶこともあるので、タガネ16aの位置決め及び破砕を幾度も繰り返して、クリンカ灰110を除去していく。
位置決めに当たり、タガネ16aの鉛直方向の位置(高さ)は、第1支持部20により調整する。具体的には、マンホール106からタガネ16aを目視しながら、オペレータが第1巻き上げ機20から繰り出すワイヤ20の長さを調整することで鉛直方向の位置決めを行う。
また、水平方向の位置決めは、オペレータが除去装置10の操作部10Aを、手動で左右に振ることで行われる。すなわち、鞘管14は、第2支持部22を支点に歳差運動するので、操作部10Aを左及び右に移動すれば、タガネ16aを右及び左にそれぞれ移動させることができる。
このようにして、第1支持部20によりタガネ16aの高さを合わせ、さらに上述の第2支持部22を支点として、本体10Hを左右に振ることで、タガネ16aを所望の位置に位置決めする。その上で、操作部10Aの長尺管12を軸方向D1の前方に押し出し、タガネ16aを適当な圧力でクリンカ灰110に接触させながらはつり工具16を稼働させて、クリンカ灰110を破砕する。
(本体)
次に図5を参照して、本体について詳細に説明する。図5(A)は、本体の全体構造を示す模式図であり、図5(B)は、長尺管の構造を示す模式図であり、図5(C)は、鞘管の構造を示す模式図である。
図5(A)に示すように、本体10Hは、相対的に軸方向D1の長さが短い鞘管14に、長さが長い長尺管12が挿通されて構成される。このように本体10Hを、言わば二重管とすることにより、長尺管12を単独で用いた場合に比較して、本体10Hの撓みを抑制することができる。鞘管14は、内部に挿通される長尺管12を、軸方向D1に移動自在に支持するガイドとして機能する。また、鞘管14は、長尺管12の撓み、及びこの撓みに起因するはつり工具16の振れを抑制し、除去装置10の操作性を向上する。
鞘管14と長尺管12の長さの差は2〜3mの範囲の値とすることが好ましい。長さの差を2m以上とすることで、単位長さ当たりの質量が長尺管12よりも大きい鞘管14の長さを抑え、本体10Hの全重量を小さくすることができる。これにより、本体10Hの操作性を向上することができる。また、長さの差を3m以下とすることで、鞘管14から突出した長尺管12の突出部の撓みを実用上十分に小さくでき、本体10Hの操作性を向上することができる。
(長尺管)
図5(B)に示すように、長尺管12は、撓みの少ない剛体製のパイプとして構成されている。この例では、長尺管12として、呼び径が20Aの配管用炭素鋼管を用いている。また、長尺管12は、軸方向D1に関して3個の部分に分割可能に構成されている。すなわち、長尺管12は、長尺本管12と、第1長尺延長管12と、第2長尺延長管12とを備える。
長尺本管12と第1長尺延長管12との接続部には、クイックカップリング12a(迅速継手又は迅速管継手とも称する。)が設けられており、両管12及び12をクイックカップリング12aではめ込むだけで接続することができる。後述のように、長尺管12は、はつり工具16に圧縮空気を供給する動力伝達管を兼ねているので、クイックカップリング12aにより、両管12及び12は気密にシールされている。なお、同様に、はつり工具16及び長尺本管12の接続部と、第1及び第2長尺延長管12及び12の接続部と、第2長尺延長管12の後端部にもクイックカップリング12aが用いられる。なお、第2長尺延長管12の後端部のクイックカップリング12aには、コンプレッサーから圧縮空気を供給するホースが接続される。
この例では、長尺本管12の軸方向D1に沿って測った全長は、約5.5mである。また、第1及び第2長尺延長管12及び12の軸方向D1に沿って測った全長は互いに等しく、約2.1mである。また、はつり工具16の軸方向D1に沿って測った全長は約0.5mである。
よって、3本の管12,12及び12を接続すれば、長尺管12の全長は約10mとなる。また、2本の管12及び12を接続すれば、長尺管の全長は約8mとなる。また、マンホール106から10mを超えた遠方に存在するクリンカ灰110を除去する必要がある場合には、3本以上の長尺延長管を接続して、長尺管12の全長を10mを超える長さとしても良い。
(鞘管)
図5(C)に示す鞘管14は、長尺管12(クイックカップリング12aも含む)の外径よりも大きな内径を有し、撓みの少ない剛体製のパイプとして構成されている。この例では、鞘管14として、呼び径50Aの配管用炭素鋼管を用いている。なお、本体10Hの総重量を抑えるために鞘管14には、機械的強度が同じであれば単位長さ当たりの質量が軽い材料を用いることが好ましい。
鞘管14は、軸方向D1に関して2個の部分に分割可能に構成されている。すなわち、鞘管14は、鞘本管14と鞘延長管14とを備える。鞘本管14と鞘延長管14との接続部には、継手14eが設けられている。この継手14eは、いわゆるソケット継手であり、鞘本管14の後端部に設けられた鞘延長管14よりも一回り大径なパイプとして構成されている。この例では、鞘本管14の軸方向D1に沿って測った全長は、約5.0mである。また、鞘延長管14の軸方向D1に沿って測った全長は、約2mである。
鞘延長管14を用いるか否かは、長尺管12の全長に応じて定まる。具体的には、長尺管12の全長が10mの場合には、鞘延長管14を用いる。それに対して、全長が8mの場合には、鞘本管14のみを用いる。鞘延長管14をこのように用いることで、除去装置10は、鞘管14からの長尺管12の突出量を適切に保つことができる。
鞘管14には、支持部18のワイヤやチェーンを取り付けるための複数の吊具が設けられている。詳細には、鞘管14の側面に、先端部側から後端部側に沿って、第1吊具14a、第2吊具14b、第3吊具14c及び第4吊具14dが設けられている。
第1吊具14aは鞘本管14の先端部付近に取り付けられた剛体製のO環である。この例では、第1吊具14aは、鞘本管14の側面に固定されたナットにボルト止めされている。第1吊具14aには、第1支持部20のワイヤ20が取り付けられる。
第2吊具14bは、鞘本管14の軸方向D1に沿った中間部付近に設けられている。第2吊具14bは、鞘本管14への取り付け方法を含めて第1吊具14aと同様に構成されている。第2吊具14bには、第1支持部20のワイヤ20が取り付けられる。第2吊具14bは、第1吊具14aの補助的な役割を果たす。つまり、第1吊具14aとともに第2吊具14bにもワイヤ20を掛けることで、より効果的に長尺管12及び鞘管14の撓みを抑制できる。
第3吊具14cは、鞘本管14の後端部付近に設けられた2個の剛体製のO環14c−1及び14c−2を備える。これらのO環14c−1及び14c−2は、鞘本管14を挟んで鉛直線上に対称的に設けられている。個々のO環14c−1及び14c−2は、第1吊具14aと同様に構成されている。O環14c−1は支持部18のチェーンで上方から、O環14c−2は支持部18のチェーンで下方から、それぞれ張架される。
第4吊具14dは、取り付け位置が鞘延長管14後端部付近である点を除き、第3吊具14cと同様に構成され、O環14d−1及び14d−2も同様に構成されている。
(はつり工具)
次に、図6を参照して、クリンカ灰を破砕するはつり工具について説明する。図6(A)は、はつり工具の一態様であるケレンの構造を模式的に示す模式図であり、図6(B)は、はつり工具の別の態様であるフラックスチッパーの構造を模式的に示す模式図である。
はつり工具16は、長尺本管12の先端部にクイックカップリング12aを介して取り付けられたはつり作業用の動力工具である。
この例では、図6(A)に示すように、はつり工具16として、圧縮空気により稼働する空気工具であるケレン(例えば、株式会社中谷機械製作所 形式:NK1500)を用いる。ケレンは、タガネ16aと、本体部16bとを備える。タガネ16aは、本体部16bの先端部側に取り付けられている。タガネ16aは、本体部16bを稼働すると振動方向D1に高速で振動し、クリンカ灰110を破砕する。この例では、タガネ16aの振動数は、約4000回/分とする。なお、タガネ16aについては次項で詳述する。
本体部16bは、動力伝達管を兼ねる長尺本管12から圧縮空気の供給を受けて稼働し、タガネ16aを振動させる。なお、本体部16bの構造は従来周知であるのでこれ以上の説明を省略する。
なお、この例では、はつり工具16としてケレンを用いた場合を説明した。しかし、はつり工具16には、図6(B)に示すフラックスチッパー(例えば、株式会社中谷機械製作所 形式:F2)を用いても良い。フラックスチッパーは、ケレンと同様に、タガネ16aの振動方向D1に沿って高速振動し、クリンカ灰110を効果的に破砕することができる。
また、はつり工具16としては、電動工具を用いてもよい。この場合、長尺管12の内部に電源ケーブルを挿通し、電動工具に動力を供給することができる。
(タガネ)
次に、図7〜図9を参照して、はつり工具に取り付けられるタガネについて説明する。図7(A)は、第1態様のタガネの正面図であり、図7(B)は、図7(A)のタガネの側面図である。図8(A)は、第2態様のタガネの正面図であり、図8(B)は、図8(A)のタガネの側面図である。図9は、第3態様のタガネの正面図である。
まず始めに、図7(A)を参照して、タガネの説明に用いる方向を定義する。第1方向D2を振動方向D1に垂直な方向とする。図7及び図8に矢印D2で示すように、第1方向D2は、タガネの刃先50の延在方向と平行に設定している。なお、側面図とは、第1方向D2から見たタガネの構造を示す。
第2方向D3は、振動方向D1及び第1方向D2の両方向に垂直な方向とする。図7及び図8では、第2方向D3は、平タガネの刃先50の、言わば厚み方向に対応する。なお、正面図とは、第2方向D3から見たタガネの構造を示す。
図7(A)及び(B)を参照して、第1態様のタガネ16aについて説明する。タガネ16aは、クリンカ灰110を破砕できるが、クリンカ灰110が付着している2次過熱器102bの伝熱管112を傷つけないように構成されることが好ましい。そのために、タガネ16aでは刃先50の構造と、材質とが工夫されている。
詳細には、第1態様のタガネ16aは、いわゆる平タガネであり、刃先50が第1方向D2に平行に延在する。そして、刃先50の第1方向D2に沿った両端部50Eが、面取りされて、刃先50の外側に向かって凸形の湾曲面状に丸められている。また、図7(B)に示すように、刃先50の先端は、第2方向D3に関して、刃先の外側に向かって凸形の湾曲面状に丸められている。この例では、タガネ16aの材料を未焼入れの軟鋼とする。より詳細には、機械構造用炭素鋼であるS17Cを用いている。このように、刃先50の角部を丸めるとともに、タガネ16aの材料として上述の材質を用いることで、伝熱管112の損傷を防止しつつ、クリンカ灰110を効果的に破砕することができる。
なお、タガネ16aの材料としては、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、及びポリフェニレンサルファイド等のエンジニアリングプラスチックを用いても良い。ここで、「エンジニアリングプラスチック」とは、構造用及び機械部材に適合した機械的強度を有する高性能プラスチックで、耐熱性が100℃以上のものである。エンジニアリングプラスチックを材料とすることでも、伝熱管112の損傷を防止しながら、実用上十分なクリンカ灰破砕能力を持つタガネを得ることができる。
続いて、図8及び図9を参照して、第2及び第3態様のタガネ16a及び16aについて説明する。
図8(A)及び(B)に示すように、第2態様のタガネ16aは、いわゆる平タガネであり、第1方向D2に沿った刃先50の輪郭線が弧状に形成されている。つまり、タガネ16aは、第1方向D2に沿って略楕円形に形成されている。また、図8(B)に示すように、刃先50の先端は、第2方向D3に関して、刃先の外側に凸の湾曲面状に丸められている。第2態様のタガネ16aは、第1態様16aと同様の材料で形成できる。
図9に示すように、第3態様のタガネ16aは、刃先50が半球状に形成された棒状のいわゆる直タガネである。第3態様のタガネ16aは、第1態様16aと同様の材料で形成できる。
刃先50の形状が異なるこれら3種のタガネ16a,16a及び16aには、クリンカ灰110の破壊力に関して以下の大小関係がある。
第1態様(16a)>第2態様(16a)>第3態様(16a
上述のように第1態様のタガネ16aでも、伝熱管112への損傷は実用上充分に防止されるので、大量のクリンカ灰110を短時間で除去するためには、第1態様のタガネ16aを用いることが好ましい。一方、第2及び第3態様のタガネ16a及び16aは、伝熱管112へ加わる衝撃力を小さくできるので、伝熱管112の表面近傍に付着するクリンカ灰110の除去に好適である。
(支持部)
次に、図10及び図11を参照して、支持部について説明する。図10は、第1支持部の構成を模式的に示す模式図である。図11は、第2支持部の構成を模式的に示す模式図である。既に説明したように、支持部18は、第1及び第2支持部20及び22を備える(図4参照)。
図10に示すように、第1支持部20は、第1巻き上げ機20と、ワイヤ20と、吊金具20とを備える。
第1巻き上げ機20には、ワイヤ20が巻き取られており、ワイヤ20の繰り出し長さを自在に変更できる。この例では、第1巻き上げ機20として手動ウインチが用いられる。
ワイヤ20は、第1巻き上げ機20とは逆側の自由端が、火炉102内に位置する鞘管14の第1吊具14aに、覗き孔108を介して接続されている。その結果、ワイヤ20の繰り出し長さを変えることにより、本体10Hを鉛直方向に自在に移動させることができる。ここで、「鉛直方向に自在に移動」とは、水平面と軸方向D1との角度を自在に変更できることであり、言わば本体10Hを自在に寝かせたり立てたりできることを意味する。
吊金具20は、覗き孔108に固定された剛体製のO環である。この例では、吊金具20は、覗き孔108の周囲の火炉102の外壁面にボルトで固定されており、ワイヤ20が挿通される。
図11に示すように、第2支持部22は、支持枠22と、第2及び第3巻き上げ機22及び22とを備える。
支持枠22は、金属等の剛体製のパイプを梯子状に組み立てた枠体であり、図中に点線で示したマンホール106に固定されている。より詳細には、マンホール106の周囲の火炉102の外壁面を利用して固定されている。支持枠22は、鉛直方向に延在し、互いに平行に配置された2本の縦パイプ22aと、この2本の縦パイプ22a間を水平方向に接続する3本の横パイプ22b,22c及び22dとで構成される。最も上方に位置する横パイプ22bの水平方向の中心部付近には、剛体製のO環である吊金具22Aが設けられている。また、最も下方に位置する横パイプ22dの水平方向の中心部付近には、剛体製のO環である吊金具22Bが設けられている。
第2巻き上げ機22は、この例ではレバーブロック(登録商標)が用いられている。第2巻き上げ機22の一方のフックが、最も上方に位置する横パイプ22bの吊金具22Aに掛けられている。そして、他方のフックは、鞘管14の後端部付近に設けられたO環14d−1(又は、O環14c−1)に掛けられている。第2巻き上げ機22は、第3巻き上げ機22と協働して、適当な張力のチェーンで鞘管14を張架(支持)する。
第3巻き上げ機22は、この例ではレバーブロックが用いられている。第3巻き上げ機22の一方のフックが、最も下方に位置する横パイプ22dの吊金具22Bに掛けられている。そして、他方のフックは、鞘管14の後端部付近に設けられたO環14d−2(又は、O環14c−2)に掛けられている。第3巻き上げ機22は、第2巻き上げ機22と協働して、適当な張力のチェーンで鞘管14を張架(支持)する。
第2及び第3巻き上げ機22及び22は、鞘管14を鉛直方向の上下から挟んで設けられている。従って、両巻き上げ機22及び22のチェーンを巻き上げると、鞘管14は、言わば上下方向から引っ張られて、第4吊具14d(又は、第3吊具14c)の位置を支点として歳差運動可能に支持される。このように、鞘管14、つまり本体10Hを、第2及び第3巻き上げ機22及び22により上下方向から張架することで、本体10Hの水平方向の不所望な振動が抑えられるので、位置決めを容易に行うことができる。
第2及び第3巻き上げ機22及び22にはレバーブロックの他に、チェーンブロック等、従来公知の他の巻き上げ機を用いることができる。
以上説明したように、本発明の除去装置10は、本体10Hを鞘管14と長尺管12の二重管で構成することで撓みを防止し、さらに、本体10Hの先端部と後端部とをそれぞれ第1及び第2支持部20及び22で支持している。その結果、タガネ16aを、約10cmの精度で所望の位置に位置決めすることができ、クリンカ灰110の除去に要する時間を短縮できる。
また、タガネ16aの材質及び刃先50の形状を上述のように構成することで、伝熱管112に損傷を与えること無く、クリンカ灰110のみを破砕することができる。
(除去方法)
次に、この発明の除去方法について、図12及び図13を参照して説明する。図12(A)及び(B)は、除去方法の工程段階を順に示す模式図であり、図13(A)及び(B)は、図12(B)に続く、除去方法の工程段階を順に示す模式図である。なお、図12及び図13においては、除去装置10を簡略的に示している。
除去方法は、第1〜第8工程を備える。以下、これらの工程を順に説明する。
<第1工程:図12(A)>
図12(A)に示すように、第1工程においては、覗き孔108を通じて火炉102の内部に挿入された第1支持部20のワイヤ20の自由端20fを、マンホール106から再び火炉102の外部に取り出す。
より詳細には、ワイヤ20の自由端20fを、覗き孔108の吊金具20を通して火炉102の内部に送り込み、第1巻き上げ機20により、垂れ下がった自由端20fがマンホール106から目視可能となるまでワイヤ20を繰り出す(図中、白矢印HAr1参照)。そして、矢印Ar1に示すように、この自由端20fをフックや手で、マンホール106から火炉102の外側に引き出す。
なお、以降の説明において、図で用いられる白矢印(符号HArで示す。)は、ワイヤ20及びチェーンの繰り出し及び巻き上げを示す。また、実線の矢印(符号Arで示す。)は構成要素の位置移動を示す。
<第2〜5工程:図12(B)>
続いて、第2工程において、長尺管12の先端部にはつり工具16を装着し、その状態の長尺管12を、鞘管14に挿通する。なお、はつり工具16と長尺管12と鞘管14とからなる構造体(図中、点線参照)を、上述のように本体10Hとも称する。
続いて、第3工程において、第2支持部22の支持枠22をマンホール106に固定する。続いて、第4工程において、火炉102の外部に取り出された自由端20fを、本体10Hの鞘管14の先端部の第1吊具14aに接続する。これで、本体10Hは、先端部付近がワイヤ20で懸吊された状態になる。なお、図12(B)には、第2〜4工程が終了した状態が示されている。
次に、第5工程において、白矢印HAr2に示すように、第1巻き上げ機20からワイヤ20を繰り出しながら、本体10Hをマンホール106から、火炉102の内部に押し入れていく。すなわち、オペレータは、第1巻き上げ機20からワイヤ20を繰り出し、この繰り出し量に応じた長さだけ、矢印Ar2及びAr3に示すように、本体10Hを火炉102の内部に挿入していく(図中点線で示す。)。
<第6工程:図13(A)及び(B)>
第6工程において、本体10Hがある程度火炉102の内部に挿入されたならば、鞘管14の後端部に設けられた第3吊具14cに、第2及び第3巻き上げ機22及び22のチェーンを取り付ける。
詳細には、鞘管14のO環14c−1に第2巻き上げ機22のチェーンのフックを掛け、O環14c−2に第3巻き上げ機22のチェーンのフックを掛ける。これにより、本体10Hの後端部側は、第2及び第3巻き上げ機22及び22により、上下両方向から張架される。
この状態で、第1巻き上げ機20からのワイヤ20の繰り出し(白矢印HAr3)と、第2及び第3巻き上げ機22及び22のチェーンの巻き取り(白矢印HAr4及びHAr5)とを同期させて行う。そうすると、本体10Hは、矢印Ar4に示すように、火炉102内部に更に挿入される。
このように、ワイヤ20を繰り出しながら、第2及び第3巻き上げ機22及び22のチェーンを巻き上げると、やがて、これらのチェーンと鞘管14のO環14c−1及び14c−2が、鉛直方向に沿って一直線上に直列する。
このように、これらの部材が一直線に並んだ状態で第2及び第3巻き上げ機22及び22により、チェーンに適当な張力を与えれば、本体10Hは、第3吊具14cの位置で、歳差運動可能に支持される。つまり、除去装置10のセッティングが完了する。図13(B)は、この状態の除去装置10の様子を示している。
<第7及び第8工程:図4>
第7工程において、タガネ16aの位置決めが行われる。具体的には、第1巻き上げ機20のワイヤ20の繰り出し量によりタガネ16aの高さを調整し、及び、操作部10Aを水平方向に移動させることでタガネ16aの水平位置を調整し、タガネ16aの位置決めを行う。
そして、第8工程において、タガネ16aを位置決めした上で、長尺管12を軸方向D1の前方に押し出してクリンカ灰110に接触させ、はつり工具16を稼動して、クリンカ灰110を破砕する。
なお、第7及び第8工程については、図4を参照して上述したので、これ以上の説明を省略する。
以上説明したように、本発明の除去方法によれば、除去装置10を簡単な手順でセッティングすることができる。よって、セッティングまでを含めたクリンカ灰110の除去作業に要する時間を短縮することができる。
(本体の延長方法)
次に、図14及び図15を参照して、使用中の除去装置における本体の延長方法、詳細には、鞘管及び長尺管の延長方法について説明する。図14(A)及び(B)は、鞘管及び長尺管の延長方法の工程段階を順に示す模式図である。図15は、図14(B)に続く、鞘管及び長尺管の延長方法の工程段階を示す模式図である。なお、図14(A)〜図15は、図13(B)に示す使用状態にある除去装置10における第2支持部22付近を拡大した模式図である。
本体10Hを延長してクリンカ灰110を除去するためには、以下の第9〜第12工程を行う。以下、これらの工程を順に説明する。
<第9工程:図14(A)>
第9工程において、長尺管12、より詳細には第1長尺延長管12の後端部に第2長尺延長管12を接続する。なお、図14(A)では、既に第1及び第2長尺延長管12及び12が、クイックカップリング12aで接続された状態を示している。
次に、矢印Ar5で示すように、接続が済んだ第2長尺延長管12を内部に挿入しながら、鞘管14、より詳細には鞘本管14の後端部に鞘延長管14を接続する。具体的には、鞘延長管14を継手14eに差し込む。
<第10工程:図14(B)>
第10工程において、第2支持部22の上側吊金具22Aと、鞘延長管14の後端部に設けられたO環14d−1との間に第4巻き上げ機22のチェーンを掛け渡す。同様に、第2支持部22の下側吊金具22Bと、鞘延長管14の後端部に設けられたO環14d−2との間に第5巻き上げ機22のチェーンを掛け渡す。
これにより、支持枠22の上側吊金具22Aには、既存の第2巻き上げ機22に加えて、第4巻き上げ機22が固定される。同様に、下側吊金具22Bには、既存の第3巻き上げ機22に加えて、第5巻き上げ機22が固定される。
この状態で、白矢印HAr6及びHAr7に示すように、第2及び第3巻き上げ機22及び22のチェーンを繰り出して緩めていく。その結果、本体10Hは、第4及び第5巻き上げ機22及び22と、第1吊具14aに掛けられたワイヤ20で支持された状態となり、第2及び第3巻き上げ機22及び22を取り外すことが可能となる。
<第11工程:図15>
第11工程においては、不図示の第1巻き上げ機20から白矢印HAr10に示すようにワイヤ20を適当に繰り出す。そして、ワイヤ20の繰り出し量に応じて、第4及び第5巻き上げ機22及び22のチェーンを巻き上げる(白矢印HAr8及び9参照)。その結果、本体10Hは、後端部側が巻き上げ機22及び22のチェーンで、及び先端部側がワイヤ20でそれぞれ張架されたまま、矢印Ar5のように、徐々に火炉102内部に挿入される。なお、図15は、上述のように第2及び第3巻き上げ機22及び22を取り外した状態を示している。
このように第9〜第11工程を実施することで、本体10Hを支持部18から取り外すことなく、使用中の状態で全長を延長することができる。
<第12工程:図4>
最後に、延長された本体10Hを用いて、上述の第7及び第8工程と同様の操作を行い、クリンカ灰110を破砕する。
なお、この例では、本体10Hの全長が短い状態から長い状態へと延長する場合を説明したが、逆に、本体10Hを長い状態から短い状態に短縮する場合は、上述と逆の工程を行えば良い。
以上説明したように、本発明の除去方法によれば、使用状態を保ったまま、簡単な手順で、除去装置10の全長を延長できる。よって、除去装置10の延長操作をも含めたクリンカ灰110の除去作業に要する時間を短縮することができる。
なお、この延長操作は、例えば、全長が短い状態の除去装置10が届く範囲のクリンカ灰110の除去が終了し、連続して、さらに遠方のクリンカ灰110を除去する場合に好適である。
10 クリンカ灰除去装置(除去装置)
10A 操作部
10H 本体
12 長尺管
12 長尺本管
12 第1長尺延長管
12 第2長尺延長管
12a クイックカップリング
14 鞘管
14 鞘本管
14 鞘延長管
14a 第1吊具
14b 第2吊具
14c 第3吊具
14c−1,14c−2,14d−1,14d−2 O環
14d 第4吊具
14e 継手
16 はつり工具
16a,16a,16a,16a タガネ
16b 本体部
18 支持部
20 第1支持部
20 第1巻き上げ機
20 ワイヤ
20,22A,22B 吊金具
22 第2支持部
22 支持枠
22a 縦パイプ
22b,22c,22d 横パイプ
22 第2巻き上げ機
22 第3巻き上げ機
22 第4巻き上げ機
22 第5巻き上げ機
50 刃先
50E 端部
100 石炭ボイラ(ボイラ)
102 火炉
102a 石炭バーナ
102b 2次過熱器
102c 3次過熱器
102d 4次過熱器
102D 下部領域
102U 上部領域
104 後部伝熱部
106 マンホール
108 覗き孔
110 クリンカ灰
112 伝熱管
発明者らは、鋭意検討の結果、先端に、はつり工具を備えた長尺管を、鞘管に挿通することにより撓み耐性を高めた長尺な竿状のクリンカ灰除去装置を用いることで、上述の目的を達成できることに想到した。従って、この発明のクリンカ灰除去装置は、長尺管と鞘管とはつり工具とを備える。鞘管には、長尺管が軸方向に移動自在に挿通される。はつり工具は、長尺管の一端に取り付けられており、タガネを有する。さらに、このクリンカ灰除去装置は、はつり工具が設けられた側の鞘管の先端部を、鉛直方向に移動可能に支持する第1支持部と、はつり工具が設けられた側とは反対側の鞘管の後端部を、鞘管が歳差運動可能に支持する第2支持部とを備えている。また、第1支持部が、繰り出されるワイヤの長さを自在に変更できる第1巻き上げ機と、第1巻き上げ機から繰り出され、石炭ボイラのマンホールの上方に設けられた覗き孔を介して石炭ボイラ内部に位置する先端部を懸吊するワイヤとを備え、第2支持部が、マンホールに固定された剛体からなる支持枠と、後端部をそれぞれ張架する、支持枠の鉛直方向上側部分の上側吊金具に固定された第2巻き上げ機と、支持枠の鉛直方向下側部分の下側吊金具に固定された第3巻き上げ機とを備えている。

Claims (16)

  1. 長尺管と、
    該長尺管が、軸方向に移動自在に挿通される鞘管と、
    前記長尺管の一端に取り付けられたタガネを有するはつり工具と
    を備えることを特徴とするクリンカ灰除去装置。
  2. 前記タガネの振動方向に対して垂直な方向を第1方向とし、前記振動方向及び前記第1方向に垂直な方向を第2方向とするとき、
    前記タガネが、刃先が前記第1方向に平行に延在する平タガネであり、前記刃先が前記第2方向に関して湾曲面として形成されており、前記刃先の第1方向に沿った両端部が曲面状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリンカ灰除去装置。
  3. 前記タガネの振動方向に対して垂直な方向を第1方向とし、前記振動方向及び前記第1方向に垂直な方向を第2方向とするとき、
    前記タガネが、前記第1方向に沿った刃先の輪郭線が弧状に形成されている平タガネであり、前記刃先が前記第2方向に関して湾曲面として形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリンカ灰除去装置。
  4. 前記タガネの刃先が、半球状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリンカ灰除去装置。
  5. 前記タガネが、未焼入れの軟鋼を材料とすることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のクリンカ灰除去装置。
  6. 前記タガネが、エンジニアリングプラスチックを材料とすることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のクリンカ灰除去装置。
  7. 前記はつり工具が、ケレン又はフラックスチッパーであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のクリンカ灰除去装置。
  8. 前記鞘管の軸方向に沿った長さが、前記長尺管よりも短いことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のクリンカ灰除去装置。
  9. 前記鞘管と前記長尺管の長さの差が2〜3mの範囲の値であることを特徴とする請求項8に記載のクリンカ灰除去装置。
  10. 前記長尺管が、軸方向に接続された1以上の部分で構成されていることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のクリンカ灰除去装置。
  11. 前記鞘管が、軸方向に接続された1以上の部分で構成されていることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のクリンカ灰除去装置。
  12. 前記長尺管が、前記はつり工具に動力を伝えるための動力伝達管を兼ねることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載のクリンカ灰除去装置。
  13. 前記はつり工具が設けられた側の前記鞘管の先端部を、鉛直方向に移動可能に支持する第1支持部と、
    前記はつり工具が設けられた側とは反対側の前記鞘管の後端部を、該鞘管が歳差運動可能に支持する第2支持部とを備えることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載のクリンカ灰除去装置。
  14. 前記第1支持部が、繰り出されるワイヤの長さを自在に変更できる第1巻き上げ機と、該第1巻き上げ機から繰り出され、石炭ボイラのマンホールの上方に設けられた覗き孔を介して石炭ボイラ内部に位置する前記先端部を懸吊するワイヤとを備え、
    前記第2支持部が、前記マンホールに固定された剛体からなる支持枠と、前記後端部をそれぞれ張架する、前記支持枠の鉛直方向上側部分の上側吊金具に固定された第2巻き上げ機と、該支持枠の鉛直方向下側部分の下側吊金具に固定された第3巻き上げ機とを備えることを特徴とする請求項13に記載のクリンカ灰除去装置。
  15. 請求項1〜14の何れか一項に記載のクリンカ灰除去装置を用い、前記タガネをクリンカ灰に接触させて、該クリンカ灰を破砕することを特徴とするクリンカ灰除去方法。
  16. 請求項14に記載のクリンカ灰除去装置を用いて、
    前記覗き孔を通じて前記石炭ボイラの火炉の内部に挿入された前記第1支持部の前記ワイヤの自由端を、前記マンホールから再び前記火炉の外部に取り出す第1工程と、
    先端部に前記はつり工具を装着した状態の前記長尺管を前記鞘管に挿通する第2工程と、
    前記支持枠を、前記マンホールに固定する第3工程と、
    前記第1工程で前記火炉の外部に取り出された前記自由端を、前記長尺管が挿通された状態の前記鞘管の先端部に接続する第4工程と、
    前記第1巻き上げ機から前記ワイヤを繰り出しながら、前記長尺管が挿通された状態の前記鞘管を前記マンホールから、前記火炉の内部に導入する第5工程と、
    第5工程で前記火炉の内部に導入された、前記長尺管が挿通された状態の前記鞘管の後端部を、上方及び下方の両方向から、それぞれ前記第2及び第3巻き上げ機により張架する第6工程と、
    前記第1巻き上げ機の前記ワイヤの繰り出し量により前記タガネの高さを調整し、及び、前記鞘管及び長尺管の前記マンホールから前記火炉の外部に突出した操作部を水平方向に移動させることで前記タガネの水平位置を調整し、前記タガネの位置決めを行う第7工程と、
    前記タガネをクリンカ灰に接触させて、該クリンカ灰を破砕する第8工程と
    を備えることを特徴とするクリンカ灰除去方法。
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