JP2015141091A - 保持装置、挿入体設置方法、および堆積物除去方法 - Google Patents

保持装置、挿入体設置方法、および堆積物除去方法 Download PDF

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Toshio Kobayashi
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Abstract

【課題】容器の外から延びるように挿入される可撓性挿入体を容器内の所望の位置に保持するのに適した保持装置、その保持装置を用いて可撓性挿入体を容器内に設置する挿入体設置方法、および容器内の堆積物を除去する堆積物除去方法を提供する。
【解決手段】可撓性パイプ31が貫通する中空部111aを有する基体111と、基体111の複数箇所から外向きに伸縮自在に張り出して容器を内側から押すことにより基体111を容器内に保持する複数の第1の油圧シリンダ112と、中空部111aの周回方向複数箇所において基体111から中空部111a内に伸縮自在に突出し可撓性パイプ31を共同して把持する複数の第2の油圧シリンダとを備えた保持装置11を採用して原子炉格納容器内の圧力容器21に可撓性パイプ31を設置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、容器内に配置されて容器の外から延びるように挿入される可撓性挿入体をその容器内で保持する保持装置、その保持装置を用いて可撓性挿入体を容器内に設置する挿入体設置方法、およびその保持装置を用いて可撓性挿入体を容器内に設置する工程を含む、容器内に堆積した堆積物を除去する堆積物除去方法に関する。
核燃料のメルトダウンにより原子炉格納容器内底部に堆積した燃料デブリを除去する技術の開発が大きな課題となっている。原子炉格納容器内においては、高線量(オペレーションフロアー線量:〜880mSu/h)のため、燃料デブリへのアクセスが極めて困難となっており、燃料デブリの性状に応じて多様な作業を遠隔実施することが必要となる。
このため、遠隔操作ロボットが検討されている。遠隔操作ロボットには、無線操縦のタイプと有線操縦のタイプがあるが、無線操縦の遠隔操作ロボットの場合、障害物の多い場所では電波が届かず操作が出来なくなるという問題がある。一方、有線操縦の遠隔操作ロボットは、障害物があるとケーブルの取扱いが問題となる。このため、燃料デブリを加工ないし除去するための装置をその燃料デブリ近傍まで如何にして搬入するかが課題となる。
この課題を解決するひとつの手段として、燃料デブリの破砕のためのエネルギーを伝達する可撓性の伝送ラインを原子炉格納容器の外から、その先端部が燃料デブリ近傍に達するまで原子炉格納容器内に挿入し、その伝送ラインにエネルギーを送り込んで燃料デブリを破砕することが考えられる。この燃料デブリの破砕のためのエネルギーとして、CO2レーザ等の長波長のレーザを採用することが好適と考えられる(特許文献1,2参照)。
しかしながら、例えばCOレーザの伝送ライン等の可撓性の伝送ラインを原子炉格納容器内の所望の位置に如何にして保持するかが問題となる。
このような課題は、原子炉格納容器内の燃料デブリに限らず、アクセス困難な堆積物が存在する容器内の堆積物を除去しようとする場合に共通の課題である。
特開2006−307451号公報 特開2008−183737号公報
本発明は、上記事情に鑑み、容器の外から延びるように挿入される可撓性挿入体を容器内の所望の位置に保持するのに適した保持装置、その保持装置を用いて可撓性挿入体を容器内に設置する挿入体設置方法、および容器内の堆積物を除去する堆積物除去方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の保持装置のうちの第1の保持装置は、容器内に配置され容器の外から延びるように挿入される可撓性挿入体を容器内で保持する保持装置であって、
可撓性挿入体が貫通する中空部を有する基体と、
基体の複数箇所から外向きに伸縮自在に張り出して容器を内側から押すことにより基体を容器内に保持する複数の第1のシリンダと、
中空部の周回方向複数箇所において基体から中空部内に伸縮自在に突出し可撓性挿入体を共同して把持する複数の第2のシリンダとを備えたことを特徴とする。
本発明の第1の保持装置は、複数の第1のシリンダで容器を押すことにより、基体を容器内の所望の位置に保持することができる。また、本発明の第1の保持装置は、可撓性挿入体を基体の中空部に貫通させて複数の第2のシリンダでその可撓性挿入体を把持させるものであり、これにより可撓性挿入体が容器内の所望の位置に保持される。
ここで、本発明の第1の保持装置において、上記基体が、互いに分割され中空部を形成するように結合される複数の分割体からなることが好ましい。
基体が複数の分割体で構成されていると、容器内に可撓性挿入体を先に挿入し、その後に保持装置を容器内に配置することも可能であり、保持装置設置の自由度が向上する。
ここで、本発明の第1の保持装置において、上記複数の第1のシリンダおよび上記複数の第2のシリンダが、いずれも油圧シリンダであることが好ましい。
油圧シリンダを採用することで、この第1の保持装置が容器内で一層確実に保持される。
さらに、上記容器が原子炉格納容器であって、本発明の第1の保持装置が複数の第1のシリンダによって原子炉格納容器内に保持される装置であることが好ましい。
本発明の第1の保持装置は、原子炉格納容器に挿入される可撓性パイプ等の可撓性挿入体を保持するのに好適な構造を備えている。
また、上記目的を達成する本発明の保持装置のうちの第2の保持装置は、
容器の外から延びるように挿入される複数本の可撓性挿入体を互いに固定した状態に保持する保持装置であって、
互いに分割されて結合されることにより複数本の可撓性挿入体がそれぞれ貫通する複数の中空部が形成される複数の分割体を有する基体と、
複数の中空部それぞれに対応するグループに複数ずつ属するように複数のグループに分かれ、各グループごとに各グループに対応する各中空部の周囲方向複数箇所において基体から各中空部に伸縮自在に突出し、各グループごとにそれぞれ共同して各中空部を貫通する各可撓性挿入体を把持する複数のシリンダとを備えたことを特徴とする。
本発明の第2の保持装置によれば、複数本の可撓性挿入体を一体に取り扱うことができる。また、この第2の保持装置によれば、先に挿入された1本の可撓性挿入体に案内させて他の可撓性挿入体を挿入することができる。
ここで、上記第2の保持装置においても、上記複数のシリンダが、いずれも油圧シリンダであることが好ましい。
さらに、上記第1の保持装置および上記第2の保持装置のいずれにおいても、上記可撓性挿入体が可撓性パイプであって、その第1の保持装置あるいは第2の保持装置が可撓性パイプを把持する装置であることも好ましい態様である。
この保持装置に可撓性パイプを保持させることで、その保持された可撓性パイプに様々な要素を挿入して可撓性パイプに案内させることができる。
また、本発明の挿入体設置方法のうちの第1の挿入体設置方法は、
容器内に請求項1記載の保持装置を導入し複数の第1のシリンダを張り出させて容器内に保持装置を保持させる工程と、
容器内に可撓性挿入体を挿入して容器内に保持されている保持装置の中空部を貫通させる工程と、
複数の第2のシリンダに、中空部を貫通させた状態の可撓性挿入体を把持させる工程とを有することを特徴とする。
本発明の第1の挿入体設置方法によれば、本発明の保持装置を採用して、可撓性挿入体を容器内の所望の位置に確実に設置することができる。
また、本発明の挿入体設置方法のうちの第2の挿入体設置方法は、
容器内に可撓性挿入体を挿入する工程と、
容器外において、請求項2記載の保持装置の複数の分割体を、可撓性挿入体が中空部を貫通した状態に結合させる工程と、
複数の分割体が結合した状態の保持装置を可撓性挿入体に案内させながら容器内に導入し、複数の第1のシリンダを張り出させて容器内に保持装置を保持させるとともに複数の第2のシリンダに可撓性挿入体を把持させる工程とを有することを特徴とする。
本発明の第2の挿入体設置方法によれば、基体が複数の分割体からなる本発明の保持装置を採用し、その保持装置を可撓性挿入体に案内させながら容器内に導入することができる。したがって、容器の構造によっては、この第2の挿入体設置方法を採用することで保持装置を容器内に容易に導入することができる。またこの第2の挿入体設置方法においても、上述の第1の挿入体設置方法と同様、可撓性挿入体を容器内の所望の位置に確実に設置することができる。
また、本発明が堆積物除去方法のうちの第1の堆積物除去方法は、
上記容器が堆積物を有する容器であって、上前記可撓性挿入体が可撓性パイプであり、
本発明の第1又は第2の挿入体設置方法により可撓性パイプを容器内に設置する工程に続き、
レーザが内部を通過する伝送管と、2本の伝送管どうしの間に配置され1本の伝送管から出射したレーザを反射してもう1本の伝送管に入射する可撓性ジョイントとを交互に備えてレーザを伝送する伝送ラインを可撓性パイプ内に導入して、可撓性パイプに案内させながら堆積物にレーザを照射する位置まで差し込む工程と、
本発明の保持装置の複数の第1のシリンダおよび複数の第2のシリンダのいずれか一方又は双方の伸縮により可撓性パイプを介して可撓性パイプに差し込まれている伝送ラインの位置を調整しながら堆積物にレーザを照射することにより堆積物を破砕する工程と、
レーザ照射により破砕された堆積物を容器内から除去する工程とを有することを特徴とする。
この第1の堆積物除去方法を採用すると、容器内の堆積物へのアクセスが容易となる。
ここで、この第1の堆積物除去方法において、上記容器が、原子炉格納容器内の圧力容器であって、上記堆積物が、その圧力容器内に堆積した燃料デブリであってもよい。
この第1の堆積物除去方法は、圧力容器内の燃料デブリの除去に効果的である。
また、本発明の第1の堆積物除去方法を原子炉格納容器内の圧力容器に堆積した燃料デブリの除去に採用した場合、その圧力容器内の堆積物を除去した後にさらに、
保持装置の複数の第1のシリンダおよび複数の第2のシリンダのいずれか一方又は双方の伸縮により伝送ラインの位置を調整しながら圧力容器の底にレーザを照射して圧力容器の底に開口部を設ける工程と、
原子炉容器外において、保持装置である第1の保持装置の中空部を通過する寸法を有する請求項2記載の保持装置である第2の保持装置の複数の分割体を、可撓性パイプが第2の保持装置の中空部を貫通した状態に結合させる工程と、
複数の分割体が結合した状態の第2の保持装置を可撓性パイプに案内させながら第1の保持装置の中空部および開口部を通過させて圧力容器下部のコンクリートペデスタル内に導入し、第2の保持装置の複数の第1のシリンダを張り出させてコンクリートペデストリアル内に第2の保持装置を保持させるとともに第2の保持装置の複数の第2のシリンダに可撓性パイプを把持させる工程と、
第2の保持装置の複数の第1のシリンダおよび複数の第2のシリンダのいずれか一方又は双方の伸縮によりヘッドの位置を調整しながらコンクリートペデスタルの内側に堆積した燃料デブリにレーザを照射することにより燃料デブリを破砕する工程と、
レーザ照射により破砕された燃料デブリをコンクリートペデスタル内から除去する工程とを有することが好ましい。
こうすることにより圧力容器に堆積した燃料デブリおよびコンクリートペデスタル内部に堆積した燃料デブリの双方を原子炉格納容器内から除去することができる。
また、本発明の堆積物除去方法のうちの第2の堆積物除去方法は、
堆積物を有する容器内に請求項1記載の保持装置を導入し複数の第1のシリンダを張り出させて容器内に保持装置を保持させる工程と、
可撓性パイプの先端が容器の開口部近傍に達するように可撓性パイプを延長する工程と、
レーザが内部を通過する伝送管と、2本の伝送管どうしの間に配置され1本の伝送管から出射したレーザを反射してもう1本の伝送管に入射する可撓性ジョイントとを交互に備えてレーザを伝送する伝送ラインを備えた可撓性挿入体を、可撓性パイプ内に挿通しさらに上記開口部から容器内に導入して、容器内に保持されている保持装置の中空部を貫通させる工程と、
保持装置に可撓性挿入体を把持させる工程と、
保持装置の複数の第1のシリンダおよび複数の第2のシリンダのいずれか一方又は双方の伸縮により可撓性挿入体の位置を調整しながら堆積物にレーザを照射することにより堆積物を破砕する工程と、
レーザ照射により破砕された堆積物を容器内から除去する工程とを有することを特徴とする。
このように、本発明の堆積物除去方法では、可撓性パイプは、容器の開口部にまで延ばし、レーザを伝送する伝送ラインを本発明にいう可撓性挿入体とし、この可撓性挿入体を容器内に挿入して本発明の保持装置に保持させて堆積物を除去させることも可能である。
ここで、この第2の堆積物除去方法において、上記容器が、原子炉格納容器内における圧力容器下部のコンクリートペデスタルであり、堆積物がコンクリートペデスタルの内側に堆積した燃料デブリであってもよい。
この第2の堆積物除去方法は、下部のコンクリートペデスタル内側に堆積した燃料デブリの除去に効果的である。
以上の本発明によれば、容器の外から延びるように挿入される可撓性挿入体を容器内の所望の位置に保持するのに適した保持装置、その保持装置を用いて可撓性挿入体を容器内に設置する挿入体設置方法、および容器内の堆積物を除去する堆積物除去方法が提供される。
本発明の第1実施形態の保持装置の平面図である。 本発明の第1実施形態の保持装置の正面図である。 本発明の第2実施形態の保持装置の平面図である。 本発明の第2実施形態の保持装置の正面図である。 図1,図2に示す第1実施形態の保持装置である第1の保持装置と、さらに第3実施形態の保持装置(第2の保持装置)とを示した平面図である。 図1,図2に示す第1実施形態の保持装置である第1の保持装置と、さらに第3実施形態の保持装置(第2の保持装置)とを示した正面図である。 第4実施形態の保持装置の平面図である。 第5実施形態の保持装置の平面図である。 本発明の挿入体設置方法の第1実施形態としての可撓性パイプ設置方法の工程の流れを示すフローチャートである。 図9に示す可撓性パイプ設置方法の保持工程(ステップS11)の第1例を示した模式図である。 図9に示す可撓性パイプ設置方法の保持工程(ステップS11)の第2例に示す模式図である。 図9に示す可撓性パイプ設置方法の挿入工程(ステップS12)の一例を示した模式図である 本発明の挿入設置方法の第2実施形態としての可撓性パイプ設置方法のフローチャートである。 図13に示す第2実施形態の可撓性パイプ設置方法を示した模式図である。 上述の第2実施形態の可撓性パイプ設置方法の第1変形例を示した模式図である。 本発明の堆積物除去方法の第1実施形態としての燃料デブリ除去方法の工程を示すフローチャートである。 差込工程(図16、ステップS32)の具体例を示した模式図である。 COレーザを伝送する伝送ラインの構造を示した模式図である。 第1破砕工程(図16、ステップS33)の具体例を示した模式図である。 第1破砕工程(図16、ステップS33)の第1変形例を示した模式図である。 第1破砕工程(図16、ステップS33)の第2変形例を示した模式図である。 図16に示す第1実施形態の燃料デブリ除去方法の第1除去工程(ステップS34)の第1例を示した模式図である。 図16に示す第1実施形態の燃料デブリ除去方法の第1除去工程(ステップS34)の第2例を示した模式図である。 図16に示す第1実施形態の燃料デブリ除去方法における開削工程(ステップS35)を示す模式図である。 圧力容器の開削中の底を上方から見て示した図である。 図25に示す矢印X−Xに沿う拡大断面図である 図16に示す第1実施形態の燃料デブリ除去方法の結合工程(ステップS36)、把持工程(ステップS37)および第2破砕工程(ステップS38)を示す模式図である。 図27の部分拡大図である。 本発明の第2実施形態の燃料デブリ除去方法の工程を示すフローチャートである。 図29に示す第2実施形態の燃料デブリ除去方法の保持工程(ステップS41)〜把持工程(ステップS44)を示す模式図である。 図29に示す第2実施形態の燃料デブリ除去方法の破砕工程(ステップS45)の各例を示す模式図である。 COレーザの斜め照射により切り出された燃料デブリの塊りのイメージ図である。 図29に示す第2実施形態の燃料デブリ除去方法の除去工程(ステップS46)の第1例を示す模式図である。 コンクリートペデスタル内側に堆積している燃料デブの破砕方法のもう1つの例を示した模式図である。 コンクリートペデスタル内側に堆積している燃料デブの破砕方法のもう1つの例を示した模式図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
ここでは、原子炉格納容器内に堆積した燃料デブリを破砕して除去する場面を念頭において説明する。
図1,図2は、本発明の第1実施形態の保持装置の、それぞれ平面図および正面図である。この第1実施形態の保持装置および後述する第2実施形態、第3実施形態の保持装置は、本発明の保持装置のうちの第1の保持装置の各例である。
ここでは、保持装置11は、原子炉格納容器(後述する)の内部にある圧力容器21内に配置されている。
この保持装置11は、基体111と、複数(本実施形態では4つ)の第1の油圧シリンダ112と、複数(本実施形態では同じく4つ)の第2の油圧シリンダ113を備えている。
この保持装置11は、圧力容器21の内部に配置され、その圧力容器21の外から延びるように配置される可撓性パイプ31を圧力容器21内で保持する装置である。
ここで、圧力容器内21は本発明にいう容器の一例に相当し、可撓性パイプ31は本発明にいう可撓性挿入体の一例に相当する。
基体111は、可撓性パイプ31が貫通する中空部111aを有する。
また、第1の油圧シリンダ112は、基体111の複数箇所から外向きに伸縮自在に張り出して、圧力容器21を内側から押すことにより、基体111を圧力容器21内に保持する役割を担っている。これらの第1の油圧シリンダ112により基体111が圧力容器21内の任意の高さ位置に支持される。
また、第2の油圧シリンダ113は、中空部111aの周回方向複数箇所(本実施形態では4箇所)において基体111から中空部111a内に伸縮自在に突出し、可撓性パイプ31を共同して把持する役割を担っている。これらの第2の油圧シリンダ113が可撓性パプ31を把持することにより、可撓性パイプ31が保持装置11を介して圧力容器21内の所望の高さ位置に設置される。これら第2の油圧シリンダ113は、回転軸113aにより、回転自在に基体111に連結されている。
ここで、4つの第1の油圧シリンダ112を互いに協調させながら伸縮させると、基体111を圧力容器21に支持させたまま、その支持された高さ位置において前後左右に移動させることができる。また、これと同様に、4つの第2の油圧シリンダ113を互いに協調させながら伸縮させると、可撓性パイプ31を把持したまま、その把持された可撓性パイプ31を前後左右に移動させることができる。
ここで、この第1実施形態の保持装置11は、図2に示すように、連結用の第3の油圧シリンダ114により上下2段に連結されていて、これにより圧力容器21内での保持装置11の支持の安定性、および可撓性パイプ31の把持の安定性を向上させている。
ただし、本実施形態において上下2段に連結することは必ずしも必要ではなく、1段のみであってもよく、あるいは必要に応じて3段以上に連結されていてもよい。
ここで、可撓性パイプ31については、API(American Petroleum Institute)で規格が定められている。ここには、最大呼び径6−5/8インチ、内径146.3mm、外径168.3mmまでの規格が定められている。この規格に準拠した巻取りパイプ(Flex Spoolable Pipe)が存在し、呼び径8”(外径9.181インチ、内径7.625インチ)のものが市場で入手可能であり、ここでは可撓性パイプ31の一例としてこのパイプが使用される。
図3,4は、本発明の第2実施形態の保持装置のそれぞれ平面図および正面図である。
ここでは、上述の第1実施形態の保持装置11との相違点を示すため、第2実施形態の保持装置12の基体121のみ示されている。ただし、この第2実施形態の保持装置12においても、上述の第1実施形態の保持装置11における第1の油圧シリンダ112や第2の油圧シリンダ113に相当する油圧シリンダも備えられている。さらには、この第2実施形態の保持装置12においても、図2に示すように、複数段に連結される構造を備えていてもよい。ここには、複数(ここでは2つ)の分割体121A,121Bが示されている。これらの分割体121A,121Bは、基体121が互いに分割された形状を有し、互いに結合されることにより、基体121および中空部121aが形成される。これらの分割体121A,121Bは、ボルト125により互いに固定される。
図1,図2に示す第1実施形態の保持装置11の場合、その中空部111aには可撓性パイプ31の先端部を差し込む必要がある。これに対し、図3,図4に示す第2実施形態の保持装置12の場合、可撓性パイプ31の途中部分を分割体121A,121Bで挟むようにして、それらの分割体121A,121Bをボルト止めすることができる。詳細は後述する。
図5,図6は、図1,図2に示す第1実施形態の保持装置である第1の保持装置と、さらに第3実施形態の保持装置(第2の保持装置)とを示した、それぞれ平面図および正面図である。
ここには、第1の保持装置11に加え、その第1の保持装置11の中空部111aを通過する寸法の第2の保持装置13が示されている。この第2の保持装置13も、基本構造は第1の保持装置と同一である。すなわち、この第2の保持装置13も、第1の保持装置11と同様、中空部131aを有する基体131、外向きに伸縮自在に張り出して容器を内側から押える複数の第1の油圧シリンダ132、および中空部131a内に伸縮自在に突出し可撓性パイプ31を共同で把持する複数の第2のシリンダ133を備えている。この第2の保持装置13は、第2のシリンダ133を伸ばして、可撓性パイプ31との間で滑るように可撓性パイプを軽く把持し、その状態のまま、可撓性パイプ31に案内されながら、図6に矢印Zで示す向きに、第1の保持装置11の中空部111aを通過して下降する。このとき第1の保持装置11の第2の油圧シリンダ113は、図5に示すように、中空部111aを開放する姿勢に退避させておく。
この図5,6に示す大小の保持装置11,13の使用例についての詳細は後述する。
図7は、第4実施形態の保持装置の平面図である。この図7に示す第4実施形態の保持装置および後述する第5実施形態の保持装置は、本発明の保持装置のうちの第2の保持装置の各例である。
この図7に示す第4実施形態の保持装置14は、基体141が2分割された形状の2つの分割体141A,141Bを有する。それら2つの分割体141A,141Bは、ボルト145により互いに固定されて基体141を構成している。
2つの分割体141A,141Bの結合体からなる基体141には、複数(この例では2つ)の中空部141a,141bを有する。各中空部141a,141bには、各中空部141a,141bの寸法に見合った径の各可撓性パイプ31,32が1本ずつ貫通する。
この保持装置14には、各中空部141a,141bの周回方向複数箇所(本実施形態では各4箇所)において基体141から各中空部141a,141b内に伸縮自在に突出し、各中空部141a,141bをそれぞれ貫通した各可撓性パイプ31,32を把持する複数の油圧シリンダ143A,143Bが備えられている。すなわち、この実施形態の保持装置14を構成する複数の油圧シリンダ143は、複数(ここでは2つ)の中空部141a,141bのそれぞれに対応する各グループに複数ずつ(ここでは、4つずつ)属するように複数のグループ(ここでは2つのグループ)に分かれ、各グループごとに、各グループに対応する各中空部141a,141bの周回方向複数箇所(ここでは4箇所)において基体141から各中空部141a,141bに伸縮自在に突出し、各グループごとにそれぞれ共同して、各中空部141a,141bを貫通する各可撓性パイプ31,32を把持する構成となっている。
この第4実施形態の保持装置14の具体的な使用例については後述する。
図8は、第5実施形態の保持装置の平面図である。
この図8に示す第5実施形態の保持装置15は、図8に示す第5実施形態の保持装置15と同様、その基体151が2分割された形状の2つの分割体151A,151Bを有する。それら2つの分割体151A,151Bは、ボルト155により互いに固定されて基体151を構成している。
2つの分割体151A,151Bの結合体からなる基体151は、複数(この例では3つ)の中空部151a,151b,151cを有する。各中空部151a,151b,151cには、各中空部151a,151b,151cの寸法にそれぞれ見合った径の各可撓性パイプ31,32,33が1本ずつ貫通する。
この保持装置15にも、各中空部151a,151b,151cの周回方向複数箇所(本実施形態では各2箇所)において基体151から各中空部151a,151b,151c内に伸縮自在に突出し、各中空部151a,151,151cをそれぞれ貫通した各可撓性パイプ31,32,33を把持する複数の油圧シリンダ153A,153B,153Cが備えられている。すなわち、この第5実施形態の保持装置15を構成する複数の第2の油圧シリンダ153は、上述の第4実施形態の保持装置14における複数の第2の油圧シリンダ143と同様、複数(ここでは3つ)の中空部151a,151b,151cのそれぞれに対応する各グループに複数ずつ(ここでは、2つずつ)属するように複数のグループ(ここでは3つのグループ)に分かれ、各グループごとに、各グループに対応する各中空部151a,151b,151cの周回方向複数箇所(ここでは2箇所)において基体151から各中空部151a,151b,151cに伸縮自在に突出し、各グループごとにそれぞれ共同して各中空部151a,151b,151cを貫通する各可撓性パイプ31,32,33を把持する構成となっている。
この第5実施形態の保持装置15の具体的な使用例についても後述する。
以上で保持装置自体の説明を終了し、次に、本発明の挿入体設置方法の実施形態を説明する。
図9は、本発明の挿入体設置方法の第1実施形態としての可撓性パイプ設置方法の工程の流れを示すフローチャートである。
この図9に示す第1実施形態としての可撓性パイプの設置方法は、保持工程(ステップS11)と、挿入工程(ステップS12)と、把持工程(ステップS13)とを有する。ここでは各工程の概要を説明し、各工程の具体例についての説明は後に譲る。
ステップS11の保持工程は、圧力容器21内に、図1に示す第1の実施形態の保持装置11を導入し、その保持装置11の複数の第1の油圧シリンダ112を張り出させて圧力容器21内に保持装置11を保持させる工程である。
また、ステップS12の挿入工程は、圧力容器21内に可撓性パイプ31を挿入して、圧力容器21内に保持されている保持装置11の中空部111aを貫通させる工程である。
さらにステップS13の把持工程は、保持装置11を構成する複数の第2の油圧シリンダ113に、中空部111を貫通させた状態の可撓性パイプ31を把持させる工程である。
図10は、図9に示す可撓性パイプ設置方法の保持工程(ステップS11)の第1例を示した模式図である。
原子炉格納容器20内には、さらに、圧力容器21と、その圧力容器21を下から支えるコンクリートペデスタル22が設置されている。この原子炉格納容器20では、メルトダウンにより、圧力容器212の底部に燃料デブリ181が堆積しており、コンクリートペデスタル22の内側にも燃料デブリ182が堆積している。以下において説明する各図における原子炉格納容器20にもこの図10と同じ符号を付して、原子炉格納容器自体についての重複説明は省略する。
この図10に示す第1例では、原子炉格納容器20の上部にクレーンが設置されている。そのクレーン50から延びるワイヤ51に保持装置11を吊り下げて、その保持装置11を矢印Z方向に、圧力容器21内の所望の高さ位置まで下降する。そして保持装置11を圧力容器21内の所望の高さ位置まで下降させた後、その保持装置11の複数の第1の油圧シリンダ112(図1参照)を張り出させて圧力容器21に押し当て、保持装置11をその圧力容器21に保持させる。その後ワイヤ51は、保持装置11の万一の突然の落下時にも安全なようにワイヤ控え55に保持させておく。
図11は、図9に示す可撓性パイプ設置方法の保持工程(ステップS11)の第2例に示す模式図である。
ここに示す第2例では、原子炉格納容器20の上部にクレーン50を設置し、そのクレーン50にエクステンションパイプ52を設置して、保持装置11をエクステンションパイプ52の先端に固定する。ここでは、エクステンションパイプ52の先端を保持装置11の中空部111a(図1参照)に差し込み、その保持装置11の複数の第2の油圧シリンダ113を中空部111a内に突出させてそのエクステンションパイプ52の先端部を把持する。また、この第2例では、保持装置11の万一の落下を防止するため、図10に示す第1例と同様にワイヤ51でも吊り下げておく。こうしておいてエクステンションパイプ52を矢印Z方向に伸長し、保持装置11を圧力容器内の所望の高さ位置まで下降させる。ここでは、エクステンションパイプ52を使用しているため、図10に示す第1例における、ワイヤ51のみで吊り下げる場合と比べ保持装置11の横揺れ等が防止され、保持装置11をより安全に所望の高さ位置に配置することができる。保持装置11を圧力容器21内の所望の高さ位置まで下降させた後、図10の第1例と同様、その保持装置11の複数の第1の油圧シリンダ112を張り出させて圧力容器21に押し当て、保持装置11をその圧力容器21に保持させる。その後ワイヤ51は、ワイヤ控え55に保持させる。また保持装置21の第2の油圧シリンダ113をエクステンションパイプ52から離し、エクステンションパイプ51を上方に縮める。
図12は、図9に示す可撓性パイプ設置方法の挿入工程(ステップS12)の一例を示した模式図である。
図10又は図11に示すように圧力容器21内に保持装置11を保持させた後、可撓性パイプ31が巻かれている繰出しドラム30から可撓性パイプ31を繰り出し、支持台38に案内させ、また、クレーン50からワイヤ51により吊り下げながら、その可撓性パイプ31を圧力容器21内に挿入して、その圧力容器21内に保持されている保持装置11の中空部111aを貫通させる。このとき、可撓性パイプの先端にカメラ33を設置しておく。このカメラ33は可撓性パイプ31内を通るワイヤ(不図示)等により吊り下げられている。こうすることにより、可撓性パイプ31を、カメラ33で確認しながら正確に挿入していくことができる。
保持装置11の中空部111aに可撓性パイプ31を貫通させると、保持装置11の複数の第2の油圧シリンダ113で可撓性パイプ31を把持させる(図9の把持工程(ステップS13))。これにより可撓性パイプ31が圧力容器21内に設置される。その後、カメラ33は、可撓性パイプ31内のワイヤ(不図示)により引き上げられる。また、可撓性パイプ31を吊り下げているワイヤ51も、ワイヤ控え55に保持させておく。尚、以下ではワイヤ控え55についての説明は省略する。
図13は、本発明の挿入設置方法の第2実施形態としての可撓性パイプ設置方法のフローチャートである。
この図13に示す第2実施形態としての可撓性パイプ設置方法は、挿入工程(ステップS21)と、結合工程(ステップS22)と。把持工程(ステップS23)とを有する。
ステップS21の挿入工程は、圧力容器21内に可撓性パイプ31を挿入する工程である。
またステップS22の結合工程は、圧力容器21の外において、図3に示した2つ割りタイプの保持装置12の複数の分割体121A,121Bを、可撓性パイプ31が中空部121aを貫通した状態に結合させる工程である。
さらにステップS31の把持工程は、複数の分割体121A,121Bが結合した状態の保持装置12を可撓性パイプ31に案内させながら圧力容器21内に導入し、複数の第1の油圧シリンダ122を張り出させて圧力容器21内に保持装置12を保持させるとともに複数の第2のシリンダ123に可撓性パイプ31を把持させる工程である。
図14は、図13に示す第2実施形態の可撓性パイプ設置方法を示した模式図である。
ここでは、保持装置12を設置するよりも前に、可撓性パイプ31の先端をワイヤ51で吊り下げ、可撓性パイプ31を、繰出しドラム30から繰り出しながら圧力容器21に挿入する(図13の挿入工程(ステップS21))。このとき可撓性パイプ31の中にカメラ41を設置しておき、そのカメラ41の画像で確認しながら挿入する。
次に、原子炉格納容器20の外の安全な場所において保持装置12(図3参照)の分割体121A,121Bを、ボルト締めにより、可撓性パイプ31が保持装置12の中空部121aを貫通させた状態に互いに結合する(図13の結合工程(ステップS22))。
次に、その保持装置12の第2の油圧シリンダで可撓性パイプ31との間で滑る程度に可撓性パイプ31を軽く把持し、あるいは可撓性パイプ31の把持と開放を繰り返しながら、保持装置12を可撓性パイプ31に案内させて矢印Z’方向に移動させ、圧力容器21内に導入する。このとき保持装置12の落下防止のため、必要に応じた保持装置12をワイヤ51で吊り下げるなどの安全な措置を講じておく。そして、保持装置12で可撓性パイプ31の所定位置をしっかりと把持し、さらに可撓性パイプ31とともに保持装置12の高さ位置を調整し、所望の高さ位置において、保持装置12の複数の第1の油圧シリンダを張り出し圧力容器21の壁面に押し当ててその保持装置12を圧力容器21に保持させる。その後のカメラ41やワイヤ51等の処置は、上述の第1実施形態の可撓性パイプ設置方法と同じである。
この第2実施形態の可撓性パイプ設置方法によれば、分割自在な保持装置12を使用していることから、その保持装置12を外部で組み立て、可撓性パイプ31に案内させながら圧力容器21内に導入することができる。
図15は、上述の第2実施形態の可撓性パイプ設置方法の第1変形例を示した模式図である。
ここには、可撓性パイプ31のほか、もう一方の可撓性パイプ32が示されている。ここでは、この可撓性パイプ32の先端部にカメラ41が設置されている。これら2本の可撓性パイプ31,32は、それらの先端近傍が図7に示すタイプの保持装置14に保持され、それぞれの繰出しドラム30,34から繰り出され、2本一緒に圧力容器21に挿入され、圧力容器21内に保持されている保持装置11の中空部111aを貫通する。そしてそれらのうちの1本のメインの可撓性パイプ31が保持装置11に把持される。
あるいは、図7に示すタイプの保持装置14は2分割されているため、以下のような設置法も可能である。すなわち、加圧容器21内に1本の可撓性パイプ31のみを先に挿入して、圧力容器21内の保持装置11に把持させる。その後、原子炉格納容器20の外部においてその保持装置14を構成する2つの分割体141A,141Bをボルト締めする。これにより、圧力容器21に既に挿入されている可撓性パイプ31と、もう1本の可撓性パイプ32の先端部が、2つの中空部141a,141bをそれぞれ貫通した状態となる。そしてその保持装置14の油圧シリンダで可撓性パイプ31を緩く把持するとともに、もう1本の可撓性パイプ32についてはその先端部分を油圧シリンダでしっかりと把持する。こうしておいて、保持装置14を圧力装置21に降下させていく。これにより、保持装置14にしっかりと把持されている可撓性パイプ32が、緩く把持されている可撓性パイプ31に案内されながら圧力容器21内に挿入される。
この第1変形例では、カメラ41は、後述する燃料デブリ181の破砕の際に使用することを予定している。このためここでは、メインの可撓性パイプ31とは別のカメラ用の可撓性パイプ32を使ってカメラ41を設置している。メインの可撓性パイプ31には、この後、燃料デブリ破砕用のCOレーザを伝送する伝送ライン(後述する)が挿入される。燃料デブリの破砕の場面については後述する。
また、ここでは、図示は省略するが、図8を参照して説明した、2分割され、結合時に3つの中空部151a,151b,151cが形成されるタイプの保持装置15を用い、
圧力容器21内に3本の可撓性パイプを設置する例を第2変形例として挙げておく。この第2変形例における、これら3本の可撓性パイプの設置方法は、上述の第1変形例における2本の可撓性パイプの場合と同様であり、説明は省略する。
それら3本の可撓性パイプのうちのメインの可撓性パイプおよび2本目の可撓性パイプは、図15に示した第1変形例の場合と同様、それぞれCOレーザ伝送ラインの挿通用、カメラ設置用である。3本目の可撓性パイプには、水位計測用ロッドが挿入される。詳細は後述する。
次に、本発明の堆積物除去方法の実施形態について説明する。
図16は、本発明の堆積物除去方法の第1実施形態としての燃料デブリ除去方法の工程を示すフローチャートである。
この図16に示す第1実施形態の燃料デブリ除去方法では、先ず最初に設置工程(ステップS31)が置かれている。この設置工程(ステップS31)では、図9〜図12を参照して説明した可撓性パイプ設置方法、図13〜図14を参照して説明した可撓性パイプ設置方法、図15を参照して説明したその変形例等、上述のいずれかの方法により加圧容器21内に可撓性パイプが設置される。
この図16に示す第1実施形態としての燃料デブリ除去方法では、その設置工程(ステップS31)に続き、差込工程(ステップS32)、第1破砕工程(ステップS33)、および第1除去工程(ステップS34)が置かれている。
ステップS32の差込工程では、設置工程(ステップS31)において加圧容器21内に設置された可撓性パイプ31に、COレーザを伝送する伝送ラインが導入され、可撓性パイプに案内させながら圧力容器に堆積している燃料デブリにCOレーザを照射する位置までその伝送ラインが差し込まれる。この伝送ラインは、COレーザが内部を通過する伝送管と、2本の伝送管どうしの間に配置され1本の伝送管から出射したレーザを反射してもう1本の伝送管に入射する可撓性ジョイントとを交互に備えてCOレーザを伝送する伝送ラインである。詳細は後述する。
ステップS33の第1破砕工程は、保持装置の複数の第1の油圧シリンダおよび複数の第2の油圧シリンダのいずれか一方又は双方の伸縮により、可撓性パイプを介して、可撓性パイプに差し込まれている伝送ラインの位置を調整しながら、加圧容器に堆積している燃料デブリにCOレーザを照射することによりその燃料デブリを破砕する工程である。
さらに、ステップS34の第1除去工程は、COレーザの照射により破砕された燃料デブリを圧力容器内から除去する工程である。
この第1除去工程(ステップS34)までで、圧力容器に堆積している燃料デブリが除去される。圧力容器の下のコンクリートペデスタル内には燃料デブリが堆積していないことが分かっている場合、あるいは、コンクリートペデスタル内に燃料デブリを他の除去方法(例えば後述する第2実施形態の燃料デブリ除去方法)により除去することが予定されているときは、この第1実施形態の燃料デブリ除去方法は、この第1除去工程(ステップS34)で終了となる。
ただし、ここでは、コンクリートペデスタル内にも燃料デブリが堆積していることが想定されている。そしてこの図16に示す燃料デブリ除去方法では、圧力容器内に堆積した燃料デブリの除去に続き、そのコンクリートペデスタル内の燃料デブリの除去を行なう工程が置かれている。
すなわち、この図16に示す燃料デブリ除去方法では、第1除去工程(ステップS34)に続き、開削工程(ステップS35)、結合工程(ステップS36)、把持工程(ステップS37)、第2破砕工程(ステップS38)、および第2除去工程(ステップS39)が置かれている。
ステップS35の開削工程は、保持装置の複数の第1の油圧シリンダおよび複数の第2の油圧シリンダのいずれか一方又は双方の伸縮により可撓性パイプに挿入されている伝送ラインの位置を調整しながら圧力容器の底にレーザを照射して、圧力容器の底に開口部を設ける工程である。
また、ステップS36の結合工程は、原子炉格納容器外において、圧力容器21内に既に保持されている保持装置である第1の保持装置(図1参照)の中空部を通過する寸法を有する、分割体を結合するタイプの保持装置(図3参照)である第2の保持装置の複数の分割体を、可撓性パイプが第2の保持装置の中空部を貫通した状態に結合させる工程である。
また、ステップS37の把持工程は、複数の分割体が結合した状態の第2の保持装置を可撓性パイプに案内させながら第1の保持装置の中空部および圧力容器の底に設けた開口部を通過させて圧力容器下部のコンクリートペデスタル内に導入し、第2の保持装置の複数の第1の油圧シリンダを張り出させてコンクリートペデストリアル内に第2の保持装置を保持させるとともに第2の保持装置の複数の第2の油圧シリンダに可撓性パイプを把持させる工程である。
さらに、ステップS38の第2破砕工程は、第2の保持装置の複数の第1の油圧シリンダおよび複数の第2の油圧シリンダのいずれか一方又は双方の伸縮により伝送ラインの位置を調整しながらコンクリートペデスタルの内側に堆積した燃料デブリにCOレーザを照射することにより燃料デブリを破砕する工程である。
さらに、ステップS39の第2除去工程は、COレーザ照射により破砕された燃料デブリをコンクリートペデスタル内から除去する工程である。
ステップS31の設置工程については、前述の可撓性パイプ設置方法の説明において具体的に説明済であるため、以下では、ステップS32以降の各工程について具体例を挙げて説明する。
図17は、差込工程(図16、ステップS32)の具体例を示した模式図である。
ここには、ステップS31の設置工程において、図15を参照して説明した通りに、圧力容器21内に2本の可撓性パイプ31,32が設置されている。
そしてこの差込工程(図16、ステップS32)では、COレーザを伝送する伝送ライン60が繰出装置70により繰り出されてメインの可撓性パイプ31に挿入される。この伝送ライン60の後端にはCOレーザ発振器80が連結される。
図18は、COレーザを伝送する伝送ラインの構造を示した模式図である。
この伝送ライン60には、外筒61が備えられており、この外筒61には曲がり部61aが設けられている。この曲がり部61aは、この外筒61をどの向きにも曲げることができる構造となっている。
外筒61の中にはレーザ伝送管62が配置され、支持部材63に支持されている。ここには、レーザ伝送管62が2本示されており、それら2本のレーザ伝送管62は、曲がり部61aで終端している。そしてこれら2本のレーザ伝送管62の端部どうしの間には、1本のレーザ伝送管62から出射されたレーザを反射してもう1本のレーザ伝送管に入射する、2つの反射ミラーからなる結合光学系64が備えられている。これにより、外筒61の曲がり部61aおよび結合光学系64からなる可撓性ジョイントが構成され、図18(B),(C)ように自在に曲げることができ、かつ曲げた状態においても1本のレーザ伝送管62からもう1本のレーザ伝送管62へとレーザを伝送することが可能となっている。
図17に示す伝送ライン60は、図18に示すような、外筒61に所定のピッチで曲がり部61aが設けられ、レーザ伝送管62と結合光学系64が交互に配置された構造の伝送ラインである。
また、この伝送ライン60の先端には、伝送ライン60によって伝送されてきたCOレーザを受け取ってそのCOレーザを燃料デブリに照射するレーザ照射ノズル65が連結されている。
図19は、第1破砕工程(図16、ステップS33)の具体例を示した模式図である。
図18を参照して説明したようにして可撓性パイプ31に伝送ライン60を挿入した後、COレーザ発振器80を作動させ、COレーザを伝送ライン60に送り込む。伝送ライン60に送り込まれたCOレーザは、図18を参照して説明したようにしてレーザ伝送管62をリレーしてレーザ照射ノズル65に送り込まれる。そしてレーザ照射ノズル65により燃料デブリ181に向けてCOレーザ651が照射される。
ここで、保持装置11を構成している複数の第1の油圧シリンダ112や複数の第2の油圧シリンダ113(図1参照)を伸縮することにより、可撓性パイプ31,32や可撓性パイプ31に挿入されている伝送ライン60の先端のレーザ照射ノズル65の位置を調整することができる。そこで、カメラ41で燃料デブリ181の状態を確認しながらその燃料デブリ181の必要な箇所にCOレーザ651が照射されるようにレーザ照射ヘッド65の位置が調整される。また、図2に示したように保持装置11を上下2段とすることにより、それら上下2段の保持装置11に保持された可撓性パイプ31を斜めに傾けることができ、レーザ照射ノズル65からCOレーザ651を下方斜めに照射することもできる。
圧力容器21内には水が溜っており(不図示)、レーザ照射ノズル65から燃料デブリ181に向けて照射されたCOレーザ651は、その途中の水に吸収されて水を急速に蒸発させ、気泡を盛んに産生しながら燃料デブリ181に向かう。水に吸収されずに燃料デブリ181に到達したCOレーザ651は、そのエネルギーで燃料デブリ181のCOレーザ651の照射箇所を粉砕して、燃料デブリ181の微細紛を生成する。
図20は、第1破砕工程(図16、ステップS33)の第1変形例を示した模式図である。
ここでは、図8に示すタイプの保持装置15により3本の可撓性パイプ31,32,33が互いに固定されている。保持装置15は、複数の第1の油圧シリンダ112の伸長により圧力容器21に保持されている。この保持装置15には、複数の第2の油圧シリンダ113により、メインの可撓性パイプ31が把持されている。
ここで、3本の可撓性パイプ31,32,33のうちのメインの1本の可撓性パイプ31には、COレーザ伝送用の伝送ライン60が挿入され、別の1本の可撓性パイプ32にはカメラ41が挿入されている。このカメラ41はその可撓性パイプ32内を延びるワイヤ411により吊り下げられている。
さらに、別のもう1本の可撓性パイプ33には、水位計測用ロッド42が挿入される。水位計測用ロッド42は、可撓性パイプ33内を通るワイヤ421により吊り下げられている。ここで、水位計測用ロッド42を燃料デブリ181に突き当たるまで下降させ、突き当ったときの水位計測用ロッド42がカメラ41で観察され、水19の水位が調べられる。
前述した通り、伝送ライン60により伝送されてきたCOレーザ651は水中にある燃料デブリ181に向けて出射されるが、そのときの水位には適切な水位がある。そこでここでは、上記のようにして圧力容器21内の水19の水位が調べられ、不適切な水位のときは水の注入あるいは水の汲み出しが行なわれ、その後にCOレーザ651の照射による燃料デブリ181の破砕が行なわれる。水の注入や水の汲み出しは、注入口や排出口として利用できる開口があるときはそれを使えばよいが、そのような適当な開口がないときは可撓性パイプ31に伝送ライン60を挿入する前に、あるいは既に挿入されていたときはその伝送ライン60を一旦抜き取って、その可撓性パイプ60に注水ホースを挿入して注水し、あるいは先端に水中ポンプの付いた揚水用ホースを挿入して水の汲み出しを行なってもよい。ここでは、このようにして適当な水位に調整した後、図19を参照して説明したようにして燃料デブリ181にCOレーザ651が照射され、燃料デブリ181の破砕が行なわれる。
図21は、第1破砕工程(図16、ステップS33)の第2変形例を示した模式図である。図20と同じ要素には図20と同じ符号を付して、説明を省略する。
伝送ライン60は、空洞に形成されており、内部の乾燥のために空気が送り込まれる。ここでは、伝送ライン60に送り込まれる空気の流量を上げて圧力容器21の底に溜っている水19に空気92を吹き付ける。すると水19は脇に押し寄せられ空気を吹き付けた領域の水位を下げることができる。この水位の下がり方は吹き付ける空気92の流量により定まる。圧力容器21の底に溜っている水19が多めのときは、このようにして空気92を吹き付けて水位を下げ、その状態のまま燃料デブリ181にCOレーザ651を照射する。こうすることにより、圧力容器21に溜った水19を汲み出すことなく、適正な水位の状態で燃料デブリ181にCOレーザ651を照射して燃料デブリ181を破砕することができる。
上記では、圧力容器21内に2本あるいは3本の可撓性パイプを挿入する例を示したが、本実施形態の主要部はメインの可撓性パイプ31の保持等であり、以下では、メインの可撓性パイプ31に関してのみ、図示および説明を行なう。また以下では、伝送ライン60の先端のレーザ照射ノズル65についての図示および説明は省略する。
図22は、図16に示す第1実施形態の燃料デブリ除去方法の第1除去工程(ステップS34)の第1例を示した模式図である。
図22に示す第1除去工程(図16、ステップS34)では、可撓性パイプ31から伝送ライン(図19参照)が抜き取られ、その伝送ライン60に代えて、先端に水中ポンプ71が取り付けられた揚水用ホース72を可撓性パイプ31に差し込み、水中ポンプ71で燃料デブリ181の微細紛が混じった水が汲み上げられ、これにより、圧力容器21内の燃料デブリ181が除去される。
図23は、図16に示す第1実施形態の燃料デブリ除去方法の第1除去工程(ステップS34)の第2例を示した模式図である。
ここでは、可撓性パイプ31から伝送ライン60(図19参照)が抜き取れられ、その伝送ライン60に代えて、今度は先端にキャッチャ73が取り付けられた可撓性の長尺のマニピュレータ74を可撓性パイプ31に挿し込み、COレーザ651(図19参照)の照射により切り出した燃料デブリ181の塊り181aをキャッチャ73で挟んで引き上げて、外部の処理施設等へ運び出す。
ここでは、これら図22,図23に示した2つの例のいずれかにより、あるいはこれら2つの例の組合せにより、燃料デブリ181が圧力容器21から除去される。
図24は、図16に示す第1実施形態の燃料デブリ除去方法における開削工程(ステップS35)を示す模式図である。また図25は、圧力容器の開削中の底を上方から見て示した図、図26は、図25に示す矢印X−Xに沿う拡大断面図である。
ここでは、圧力容器21内の燃料デブリを除去した後、圧力容器21自体の底にCOレーザ651が照射され、圧力容器21の底に開口が形成される。この開口を形成するにあたっては、先ずは底の中央に穴211が開けられ、その穴211に落下防止部材91が挿入される。この落下防止部材91はワイヤ92により上から吊り下げられている。
次いで、その中央の穴211を取り巻くように円環状の穴212(図25参照)が開けられる。このときは、保持装置11の、可撓性パイプ31を把持している複数の第2の油圧シリンダ113を伸縮させることにより、図24に矢印Yで示すように、可撓性パイプ31を円を描くように移動させる。
中央の穴211および円環状の穴212は、図26に示すように最初は幅広に抉られ、徐々に狭幅に深く抉られて最終的に貫通する形状となっている。
このようにして円環状の穴212が貫通すると、ワイヤ92により、圧力容器21の切断された底部が引き上げられ、その圧力容器21に、下のコンクリートペデスタル22の内部に通じる開口が形成される。切断された底部を引き上げるにあたり、可撓性パイプ31が邪魔になるときは、可撓性パイプ31も一旦引き上げられる。
図27は、図16に示す第1実施形態の燃料デブリ除去方法の結合工程(ステップS36)、把持工程(ステップS37)、および第2破砕工程(ステップS38)を示す模式図である。
また図28は、図27の部分拡大図である。
ここでは、圧力容器21内の保持装置11(ここではこの保持装置11を第1の保持装置11と称する)は、可撓性パイプ31の把持を止めて退避し、中空部111aを開放する(図5参照)。可撓性パイプ31はその先端部がコンクリートペデスタル22内に挿入されるようにさらに繰り出される。ここで、原子炉格納容器20の外において、図2に示す2分割タイプの第2の保持装置12が、可撓性パイプ31がその第2の保持装置12の中空部121aを貫通するようにボルト締めされる。こうしておいて、図14を参照して説明したようにして、その第2の保持装置12を可撓性パイプに案内させながら原子炉格納容器20内に移動させる。ここで、この第2の保持装置12は、その外径が第1の保持装置11の中空部111a(図1参照)を通り抜けることができる寸法の保持装置である。
可撓性パイプ31に案内されながら原子炉格納容器20内に移動してきた第2の保持装置12は、圧力容器21内の第1の保持装置11の中空部111aを通り抜け、さらに圧力容器21の底の開口215を通り抜けて、コンクリートペデスタル22内の所望の高さ位置まで下降する。この第2の保持装置12がコンクリートペデスタル22内の所望の高さ位置に達したら、その第2の保持装置12の複数の第1の油圧シリンダ122を張り出させコンクリートペデスタル22に押し当ててその第2の保持装置12をコンクリートペデスタル22に保持させる。また、その第2の保持装置12の複数の第2の油圧シリンダ123により可撓性パイプ31をしっかりと把持する。
その後、この可撓性パイプ31に挿通された伝送ライン(ここでは不図示)を使ってCOレーザ651を送り込み、コンクリートペデスタル22の内側に堆積している燃料デブリ182を破砕する。
この燃料デブリ182を破砕した後は、図22や図23と同様にして、原子炉格納容器20の外部に取り出される(図16、ステップS39の第2の除去工程)。
次に本発明の堆積物除去方法の第2実施形態としての燃料デブリ除去方法について説明する。
図29は、本発明の第2実施形態の燃料デブリ除去方法の工程を示すフローチャートである。
この図29に示す第2実施形態の燃料デブリ除去方法は、保持工程(ステップS41)、繰出工程(ステップS42)、貫通工程(ステップS43)、把持工程(ステップS44)、破砕工程(ステップS45)、および除去工程(ステップS46)の各工程を有する。
ステップS41の保持工程は、燃料デブリが堆積したコンクリートペデスタル内に図1に示す保持装置を導入しその保持装置の複数の第1の油圧シリンダ112を張り出させてコンクリートペデスタル内に保持装置を保持させる工程である。
ステップS42の繰出工程は、可撓性パイプの先端がコンクリートペデスタルに設けられたの開口部近傍に達するように可撓性パイプを繰り出す工程である。
ステップS43の貫通工程は、図18を参照して説明した伝送ライン60を可撓性パイプ内に挿通しさらにコンクリートペデスタルに設けられた開口部からコンクリートペデスタル内に導入して、そのコンクリートペデスタル内に保持されている保持装置の中空部を貫通させる工程である。したがって本実施形態では、この伝送ライン自体が本発明にいう可撓性挿入体の一例に相当する。
またステップS44の把持工程は、その保持装置に伝送ラインを把持させる工程である。
さらにステップS45の破砕工程は、保持装置の複数の第1の油圧シリンダおよび複数の第2の油圧シリンダのいずれか一方又は双方の伸縮により伝送ラインの位置を調整しながら燃料デブリにCOレーザを照射することによりその燃料デブリを破砕する工程である。
さらにステップS46の除去工程は、COレーザ照射により破砕された燃料デブリをコンクリートペデスタル内から除去する工程である。
図30は、図29に示す第2実施形態の燃料デブリ除去方法の保持工程(ステップS41)〜把持工程(ステップS44)を示す模式図である。
上述の第1実施形態では、圧力容器21の底部に開口部を設けたが、この第2実施形態ではコンクリートペデスタル22の横壁に開口部225が設けられる。
そして、図30(A)に示すようにして、マニピュレータ92により、その開口部225からコンクリートペデスタル22の内部に保持装置11(図1参照)が運び込まれ、その保持装置11の複数の第1の油圧シリンダ112が伸長されてコンクリートペデスタル22を押し、これにより保持装置11がコンクリートペデスタル22内の所望の高さ位置に保持される(図29、ステップS41の保持工程)。
この図30では、保持装置11が上下2段に保持される例が示されている。この保持装置11の個数は、必要に応じて1段でもよく、2段でもよく、あるいは3段以上であってもよい。
次に、図30(B)に示すように、原子炉格納容器の外部から可撓性パイプ31の先端が開口部225近傍に達するように可撓性パイプ31が繰り出される(図29、ステップS42の繰出工程)。
コンクリートペデスタル22の外壁面には、保持装置16が設置され、可撓性パイプ31はその先端部が保持装置16に移動自在に支持される。この保持装置16は、本発明の第2の保持装置の一例であり、中空部161aを有する基体161と、中空部161a内に伸縮して伝送ラインを把持する複数の油圧シリンダ(不図示)を有する。この保持装置16に把持された伝送ライン60は把持している複数の油圧シリンダによりその位置が移動調整される。
次いで、これも図30(B)に示すように、COレーザ伝送用の伝送ライン60が可撓性パイプ31に挿入され可撓性パイプ31に案内させながら延長され、さらに開口部225からコンクリートペデスタル22内にまで挿入され、さらに、コンクリートペデスタル22内に保持されている保持装置11の中空部111a(図1参照)を貫通させる(図29、ステップS43の貫通工程)。
次いで、図30(C)に示す保持装置11の複数の第2の油圧シリンダ113で伝送ライン60を把持し、さらに第1の油圧シリンダ112の伸縮により、保持装置11自体の位置を調整する(図29、ステップS44の把持工程)。
図31は、図29に示す第2実施形態の燃料デブリ除去方法の破砕工程(ステップS45)の各例を示す模式図である。
図31(A)は、伝送ラインの先端部が真下を向くように2基の保持装置11に把持されて、燃料デブリ182にCOレーザ651を照射している様子を示している。ここでは2基の保持装置11を左右前後に同一位置に移動していることにより伝送ライン60の先端部を常に真下に向けながら移動させてCOレーザ651で燃料デブリ182を照射し、これにより燃料デブリ182が微細紛に破砕される。
図31(B),(C)は、伝送ライン60が3基の保持装置11に把持され、COレーザ651が斜め下向きに照射されるようにそれら3基の保持装置11の左右の位置が調整されている。この調整は、3基の保持装置11の複数の第1の油圧シリンダ112や複数の第2の油圧シリンダ113を協調させて伸縮させることにより行なわれる。
尚、伝送ライン60を、保持装置11に図31(B),(C)のように把持させたときもCOレーザ651を真下に向けて照射することも可能である。
図32は、COレーザの斜め照射により切り出された燃料デブリの塊りのイメージ図である。
ここでは、図31(B),(C)のようにCOレーザ651を斜め下向きに照射することにより、燃料デブリの塊り182aが切り出される。
図33は、図29に示す第2実施形態の燃料デブリ除去方法の除去工程(ステップS46)の第1例を示す模式図である。
ここには、コンクリートペデスタル22内に、伝送ライン60に加え、注水ホース77と、先端に水中ポンプ71を備えた揚水ホース72を差し込んだ状態が示されている。注水ホースを使ってコンクリートペデスタル22内に注水され、水中ポンプ71でその水を汲み出している。こうすることにより、伝送ライン60によるCOレーザの照射による破砕により発生した燃料デブリ182の微細紛が水とともに汲み出される。汲み出された水は処理施設に送られ燃料デブリの微細紛が回収される。この注水、汲出しは伝送ライン60を使い燃料デブリ182にCOレーザを照射して燃料出部入り182の微細紛を発生させながら行ってもよい。
図34は、図29に示す第2実施形態の燃料デブリ除去方法の除去工程(ステップS46)の第2例を示す模式図である。
ここには、コンクリートペデスタル22にマニュピレータ76を差し込み、図32にように切り出された燃料デブリ182の塊り182aがそのマニピュレータ74の先端のキャッチャー73で挟んで取り出している様子が示されている。この塊り182aのような、燃料デブリ182の大きな加工片は、このようなマニピュレータ76によりコンクリートペデスタル22から取り出されて処理施設に搬送される。
図35は、コンクリートペデスタル内側に堆積している燃料デブの破砕方法のもう1つの例を示した模式図である。
ここでは、可撓性パイプ31から突出させた伝送ライン60を開口部225からコンクリートペデスタル22に差し込み、保持装置16により位置決めされながらCOレーザ651を燃料デブリ182に照射している様子が示されている。ここでは、コンクリートペデスタル22の内側には保持装置11(図30参照)は配置されていない。
コンクリートペデスタル22の開口部25の位置や大きさ、コンクリートペデスタル22内部の燃料デブリ182の位置や性状等によっては、この図34に示す破砕方法が有効な場合もある。
尚、ここでは、原子炉格納容器内の燃料デブリの加工、破砕の方法およびその除去方法を例に挙げて説明したが、本発明は原子炉格納容器内の燃料デブリ以外を除去対象とする場合にも適用可能である。本発明は特に、アクセス困難な容器内に堆積した堆積物を除去する場合に好適である。
また、上述の実施形態では、堆積物をCOレーザを用いて破砕して除去する例について説明したが、本発明は、必ずしもCOレーザを用いることに限定されるものではない。ただし、波長2.0μm以上の各種のレーザを用いることが好適である。
11,12,13,14,15,16 保持装置
13 第2の保持装置
19 水
10,20 原子炉各格納容器
21 圧力容器
22 コンクリートペデスタル
25 開口部
30,34 繰出しドラム
31,32,35 可撓性パイプ
33,41 カメラ
42 水位計測用ロッド
50 クレーン
51,53,92 ワイヤ
52 エクステンションパイプ
56 吊上機
60 伝送ライン
61 ワイヤ押え、外筒
61a 曲がり部
62 レーザ伝送管
64 結合光学系
65 レーザ照射ノズル
70 繰出装置
72 揚水用ホース
73 キャッチャ
74,76 マニピュレータ
80 COレーザ発振器
91 落下防止部材
111,121,131,141,151 基体
111a,121a,141a,141b,151a,151b,151c 中空部
112,132 第1の油圧シリンダ
113,133 第2の油圧シリンダ
113a 回転軸
121A,121B,141A,141B,151A,151B 分割体
143A,143B 油圧シリンダ
155 ボルト
181,182 燃料デブリ
211 穴
225 開口部
651 COレーザ

Claims (14)

  1. 容器内に配置され該容器の外から延びるように挿入される可撓性挿入体を該容器内で保持する保持装置であって、
    前記可撓性挿入体が貫通する中空部を有する基体と、
    前記基体の複数箇所から外向きに伸縮自在に張り出して前記容器を内側から押すことにより該基体を該容器内に保持する複数の第1のシリンダと、
    前記中空部の周回方向複数箇所において前記基体から該中空部内に伸縮自在に突出し前記可撓性挿入体を共同して把持する複数の第2のシリンダとを備えたことを特徴とする保持装置。
  2. 前記基体が、互いに分割され前記中空部を形成するように結合される複数の分割体からなることを特徴とする請求項1記載の保持装置。
  3. 前記複数の第1のシリンダおよび前記複数の第2のシリンダが、いずれも油圧シリンダであることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の保持装置。
  4. 前記容器が原子炉格納容器であって、当該保持装置が前記複数の第1のシリンダによって該原子炉格納容器内に保持される装置であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の保持装置。
  5. 容器の外から延びるように挿入される複数本の可撓性挿入体を互いに固定した状態に保持する保持装置であって、
    互いに分割されて結合されることにより前記複数本の可撓性挿入体がそれぞれ貫通する複数の中空部が形成される複数の分割体を有する基体と、
    前記複数の中空部それぞれに対応するグループに複数ずつ属するように複数のグループに分かれ、各グループごとに該各グループに対応する各中空部の周囲方向複数箇所において前記基体から該中空部に伸縮自在に突出し各グループごとにそれぞれ共同して該各中空部を貫通する各可撓性挿入体を把持する複数のシリンダとを備えたことを特徴とする保持装置。
  6. 前記複数のシリンダが、いずれも油圧シリンダであることを特徴とする請求項4記載の保持装置。
  7. 前記可撓性挿入体が可撓性パイプであって、当該保持装置が該可撓性パイプを把持する装置であることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項記載の保持装置。
  8. 容器内に請求項1記載の保持装置を導入し前記複数の第1のシリンダを張り出させて該容器内に該保持装置を保持させる工程と、
    前記容器内に可撓性挿入体を挿入して該容器内に保持されている前記保持装置の前記中空部を貫通させる工程と、
    前記複数の第2のシリンダに、前記中空部を貫通させた状態の前記可撓性挿入体を把持させる工程とを有することを特徴とする挿入体設置方法。
  9. 容器内に可撓性挿入体を挿入する工程と、
    前記容器外において、請求項2記載の保持装置の前記複数の分割体を、前記可撓性挿入体が前記中空部を貫通した状態に結合させる工程と、
    前記複数の分割体が結合した状態の前記保持装置を前記可撓性挿入体に案内させながら前記容器内に導入し、前記複数の第1のシリンダを張り出させて該容器内に該保持装置を保持させるとともに前記複数の第2のシリンダに前記可撓性挿入体を把持させる工程とを有することを特徴とする挿入体設置方法。
  10. 前記容器が堆積物を有する容器であって、前記可撓性挿入体が可撓性パイプであり、
    請求項8又は9記載の挿入体設置方法により前記可撓性パイプを前記容器内に設置させる工程に続き、
    レーザが内部を通過する伝送管と、2本の伝送管どうしの間に配置され1本の伝送管から出射したレーザを反射してもう1本の伝送管に入射する可撓性ジョイントとを交互に備えてレーザを伝送する伝送ラインを前記可撓性パイプ内に導入して、該可撓性パイプに案内させながら該堆積物にレーザを照射する位置まで差し込む工程と、
    前記保持装置の前記複数の第1のシリンダおよび前記複数の第2のシリンダのいずれか一方又は双方の伸縮により前記可撓性パイプを介して該可撓性パイプに差し込まれている前記伝送ラインの位置を調整しながら前記堆積物にレーザを照射することにより該堆積物を破砕する工程と、
    レーザ照射により破砕された堆積物を前記容器内から除去する工程とを有することを特徴とする堆積物除去方法。
  11. 前記容器が、原子炉格納容器内の圧力容器であって、前記堆積物が、該圧力容器内に堆積した燃料デブリであることを特徴とする請求項10記載の堆積物除去方法。
  12. 前記圧力容器内の堆積物を除去した後にさらに、
    前記保持装置の前記複数の第1のシリンダおよび前記複数の第2のシリンダのいずれか一方又は双方の伸縮により前記伝送ラインの位置を調整しながら前記圧力容器の底にレーザを照射して該圧力容器の底に開口部を設ける工程と、
    原子炉格納容器外において、前記保持装置である第1の保持装置の前記中空部を通過する寸法を有する請求項2記載の保持装置である第2の保持装置の前記複数の分割体を、前記可撓性パイプが該第2の保持装置の前記中空部を貫通した状態に結合させる工程と、
    前記複数の分割体が結合した状態の前記第2の保持装置を前記可撓性パイプに案内させながら前記第1の保持装置の前記中空部および前記開口部を通過させて前記圧力容器下部のコンクリートペデスタル内に導入し、該第2の保持装置の前記複数の第1のシリンダを張り出させて該コンクリートペデストリアル内に該第2の保持装置を保持させるとともに該第2の保持装置の前記複数の第2のシリンダに該可撓性パイプを把持させる工程と、
    前記第2の保持装置の前記複数の第1のシリンダおよび前記複数の第2のシリンダのいずれか一方又は双方の伸縮により前記伝送ラインの位置を調整しながら前記コンクリートペデスタルの内側に堆積した燃料デブリにレーザを照射することにより該燃料デブリを破砕する工程と、
    レーザ照射により破砕された燃料デブリを前記コンクリートペデスタル内から除去する工程とを有することを特徴とする請求項11記載の堆積物除去方法。
  13. 堆積物を有する容器内に請求項1記載の保持装置を導入し前記複数の第1のシリンダを張り出させて該容器内に該保持装置を保持させる工程と、
    可撓性パイプの先端が前記容器の開口部に達するように該可撓性パイプを延長する工程と、
    レーザが内部を通過する伝送管と、2本の伝送管どうしの間に配置され1本の伝送管から出射したレーザを反射してもう1本の伝送管に入射する可撓性ジョイントとを交互に備えてレーザを伝送する伝送ラインを備えた可撓性挿入体を、前記可撓性パイプ内に導入し前記先端開口から突出させ前記開口部から前記容器内に導入して該容器内に保持されている前記保持装置の前記中空部を貫通させる工程と、
    前記保持装置に前記可撓性挿入体を把持させる工程と、
    前記保持装置の前記複数の第1のシリンダおよび前記複数の第2のシリンダのいずれか一方又は双方の伸縮により前記可撓性挿入体の位置を調整しながら前記堆積物にレーザを照射することにより該堆積物を破砕する工程と、
    レーザ照射により破砕された堆積物を前記容器内から除去する工程とを有することを特徴とする堆積物除去方法。
  14. 前記容器が、原子炉格納容器内における圧力容器下部のコンクリートペデスタルであり、前記堆積物が該コンクリートペデスタルの内側に堆積した燃料デブリであることを特徴とする請求項13記載の堆積物除去方法。
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