JP2014020092A - 座屈拘束ブレース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 芯材2と、この芯材2の両面に沿って配置した拘束材3とを有する座屈拘束ブレース1である。芯材2は帯状の平板鋼板からなる。各拘束材3は、それぞれ芯材2の両面において芯材2の長手方向に延び幅方向に並べられて互いに接合される複数の鋼材4A,4B,4Cの組み合わせ体からなる。芯材2の長手方向の一部分における幅方向の中央から偏った位置には、長手方向に沿うスリット8を1つ以上設ける。前記各鋼材4A,4B,4Cは、例えば角形鋼管からなる。
【選択図】 図1
Description
また、芯材の長手方向の一部分における幅方向の中央から偏った位置に、長手方向に沿うスリットを設けているので、このスリットの設けられている長さ範囲の部分が他の部分よりも断面二次モーメントの小さいエネルギー吸収部となり、座屈拘束ブレースに制振部材として必要なエネルギー吸収性能を持たせることができる。特に、芯材の幅方向におけるスリットが設けられていない各芯材分割部分における幅方向寸法が互いに異なるので、エネルギー吸収部のうちでも各芯材分割部分によって座屈モードが異なり、拘束材に発生する力が分散される。すなわち、座屈の波長が各芯材分割部分によって異なり、波形の頂部で押される拘束材の部分が分散する。よって、拘束材の必要となる補剛力が低減する。このため、複数の鋼材の組み合わせ体によって拘束材を構成してその軽量化を図っても、拘束材として十分な補剛力を確保することができる。その結果、必要なエネルギー吸収性を与えつつ、剛性を高めることができ、かつ軽量化も可能な座屈拘束ブレースとすることができる。これらにより、構造物の骨組みへ座屈拘束ブレースを組み込む際の施工性が向上すると共に、座屈拘束ブレースの低コスト化も可能となる。
このように、芯材の幅方向におけるスリットが設けられていない各芯材分割部分における幅方向の中央位置に、前記鋼材の組み合わせ体の互いの接合部を位置させることで、芯材の座屈に対する補剛性が高まり、座屈拘束ブレースの剛性を効率良く確保することができる。また、拘束材を構成する各鋼材の相互の接合部をリブとした場合、鋼材相互の間の接合面積が充分に確保できて、堅固な接合が行えるうえ、そのリブを、拘束材の剛性増大に利用できる。このため、前記鋼材を、効率的に利用できる断面形状とできて、材料の無駄なく効果的に座屈拘束に利用でき、前記座屈拘束ブレースの低コスト化が図り易い。
鋼材の組み合わせ体を構成する複数の鋼材を溶接で直接に接合する場合、拘束材の芯材に対向する側では接触面の平坦性を確保するために溶接を避けることが考えられる。しかし、それでは、芯材に対向する側で溶接歪みにより隣り合う鋼材間に開きが生じてしまう恐れがある。これに対し、隣り合う鋼材の間にプレートを介在させた場合、プレートの介在で生じた隙間を溶接で埋めることができるので、拘束材の芯材に背向する側だけでなく対向する側でも隣り合う鋼材同士を溶接により接合でき、前記溶接歪みによる開きを緩和することができる。また、隣り合う鋼材間にプレートを介在させるので、拘束材のリブとなる鋼材同士の接合部の強度が向上し、局部変形に対してより強い拘束材とすることができる。
前記鋼材の組み合わせ体を構成する複数の鋼材を溶接で接合した場合、溶接歪みにより、拘束材の芯材との接触面の平坦性が損なわれる恐れがあるが、鋼材の組み合わせ体を構成する複数の鋼材を、これらを貫通するボルトで締め付けて接合した場合、芯材との接触面の平坦性を確保することができる。
これらの両拘束材3の両側部には、鋼材からなるプレート12が跨がって配置されて溶接されており、これにより両拘束材3が一体に連結されている。これら両プレート12と芯材2の両側端との間には、芯材2の長手方向に延びるスペーサ13が配置される。なお、図3(B)は、図2(A)のIIIb−IIIb矢視断面図、すなわち芯材2のスリット8を横切らない部分の断面図を示す。
また、芯材2の長手方向の一部分における幅方向の中央から偏った位置に、長手方向に沿うスリット8を設けているので、このスリット8が設けられている長さ範囲の部分が他の部分よりも断面二次モーメントの小さいエネルギー吸収部となり、座屈拘束ブレース1に制振部材として必要なエネルギー吸収性能を持たせることができる。特に、芯材2の幅方向におけるスリット8が設けられていない各芯材分割部分9,10における幅方向寸法が互いに異なるので、エネルギー吸収部のうちでも各芯材分割部分9,10によって座屈モードが異なり、拘束材3に発生する力が分散される。すなわち、座屈の波長が各芯材分割部分9,10によって異なり、波形の頂部で押される拘束材3の部分が分散する。よって、拘束材3の補剛力を低減することができる。これにより、角形鋼管4A,4B,4Cの組み合わせ体によって拘束材3を構成してその軽量化を図っても、拘束材3として十分な補剛力を確保することができる。これらにより、構造物の骨組みへ座屈拘束ブレース1を組み込む際の施工性が向上すると共に、座屈拘束ブレース1の低コスト化も可能となる。
2…芯材
3…拘束材
4A,4B,4C…角形鋼管
7A,7B,7C…溝形鋼材
8…スリット
9,10…芯材分割部分
14…ボルト
15…プレート
Claims (5)
- 芯材と、この芯材の両面に沿って配置した拘束材とを有する座屈拘束ブレースにおいて、前記芯材が帯状の平板鋼板からなり、前記各拘束材が、それぞれ前記芯材の両面において芯材の長手方向に延び幅方向に並べられて互いに接合された複数の鋼材の組み合わせ体からなり、前記芯材の長手方向の一部分における幅方向の中央から偏った位置に、長手方向に沿うスリットを1つ以上設けたことを特徴とする座屈拘束ブレース。
- 請求項1において、前記芯材の幅方向における前記スリットが設けられていない部分の幅方向中央位置に、前記鋼材の組み合わせ体の互いの接合部を位置させた座屈拘束ブレース。
- 請求項1または請求項2において、前記各鋼材は互いの接合部がリブである座屈拘束ブレース。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記鋼材の組み合わせ体を構成する隣り合う鋼材の間にプレートを介在させ、これらプレートと鋼材とを溶接により接合した座屈拘束ブレース。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記鋼材の組み合わせ体を構成する複数の鋼材が角形鋼管からなる座屈拘束ブレース。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107654020A (zh) * | 2017-11-10 | 2018-02-02 | 上海息数建筑科技有限公司 | 用于梁柱结构的支撑骨架及梁柱结构 |
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2012
- 2012-07-18 JP JP2012159231A patent/JP6067267B2/ja active Active
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