JP2014019894A - 熱間成形鋼板部材およびその製造方法 - Google Patents

熱間成形鋼板部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】量産化可能である、延性・衝撃特性に優れた、引張強度900MPa以上の熱間プレス鋼板部材とその製造方法を提供する。
【解決手段】
C:0.10〜0.40%、Si:0.001〜2.0%、Mn:1.0〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.001〜1.0%、Ti:0.050%〜0.40%、N:0.01%以下、残部Feおよび不純物の化学組成を有し、面積%で、フェライト:10〜90%、未再結晶フェライト:2.0%以下およびマルテンサイト:10〜90%、フェライト+マルテンサイトの合計面積率:90%以上、フェライトの平均粒径が5.0μm以下の鋼組織とする。
製造にあたっては、フェライトの平均粒径が7.0μm以下である素材鋼板を、720℃以上Ac点未満の温度域に1〜20分間保持し、熱間成形を行い、600℃から150℃までを20〜500℃/秒の平均冷却速度で冷却する。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、自動車のボディー構造部品を始めとする機械構造部品等に使用される、熱間成形鋼板部材およびその製造方法に関する。具体的には、本発明は、900MPa以上の引張強度を有しながら、優れた延性と衝撃特性を有する熱間成形鋼板部材およびその製造方法に関する。
近年、自動車の軽量化のため、車体に使用する鋼材の高強度化を図り、使用重量を減ずる努力が進められている。自動車に広く使用される薄鋼板においては、鋼板強度の増加に伴い、プレス成形性が低下し、複雑な形状部材を製造することが困難になる。具体的には、延性が低下し、加工度が高い部位で破断が生じる、あるいは、スプリングバックや壁反りが大きくなり、寸法精度が劣化する、といった問題が発生する。したがって、高強度、特に900MPa級以上の引張強度を有する鋼板を用いて、プレス成形によりそのような部材を製造することは容易ではない。プレス成形ではなく、ロール成形によれば、高強度の鋼板を加工できるが、長手方向に一様な断面を有する部材にしか適用できない。
一方、特許文献1に示されているように、加熱した鋼板をプレス成形する熱間プレスと呼ばれる方法では、鋼板が高温で軟質、高延性になっているため、複雑な形状の部材を寸法精度よく成形することが可能である。さらに、鋼板をオーステナイト単相域に加熱しておき、金型内で急冷(焼入れ)することによって、マルテンサイト変態による部材の高強度化が同時に達成できる。したがって、このような熱間プレス法は、部材の高強度化と鋼板の成形性とを同時に確保できる優れた成形方法である。
また、特許文献2には、室温で予め所定の形状に成形後、オーステナイト域に加熱し、金型内で急冷することによって、部材の高強度化を達成する予プレスクエンチ法が開示されている。このような熱間プレスの一態様である予プレスクエンチ法は、金型により部材を拘束して熱歪による変形を抑制することができるので、部材の高強度化と高い寸法精度とを同時に確保することができる優れた成形方法である。
しかし、近年に至っては、熱間プレス鋼板部材には延性も求められるようになってきており、鋼組織が実質的にマルテンサイト単相である、特許文献1や特許文献2に代表される従来技術では、斯かる要求に応えることができないという問題が生じている。
ところで、特許文献3には、Cの含有量を0.1%以下に制限した鋼板をオーステナイト単相域に加熱し、熱間プレスを行うことによって、フェライトとマルテンサイトを含む複相組織にすることによって、延性に優れるとされる部材が開示されている。このように鋼板をオーステナイト単相域に加熱することによって、部材の鋼組織は均一になる。しかし、実施例の記載等から明らかなように、Cの含有量を0.1%以下に制限しているので、部材の引張強度は高々700MPaであり、自動車の軽量化に寄与する十分な強度を有していない。
また、特許文献4には、多量のCrを添加した鋼板をオーステナイト単相域に加熱し、プレス前後に、オーステナイトの一部をフェライト変態させ、組織を複相、具体的には、フェライトとマルテンサイトの二相にすることによって、引張強度が980MPa以上であり、さらに、延性に優れる部材が開示されている。しかし、特許文献4に開示されたようなCrを多量に添加した鋼を使用すると、鋼中に形成されたセメンタイトやM23等の炭化物が加熱中に固溶しにくくなるため、安定した機械特性を確保するには長時間の加熱が必要となる。さらに、フェライト変態に要する時間が長くなるため、一旦オーステナイト単相域に加熱した後に、二相組織を形成させるために長時間保持するといった製造工程が新たに必要となるのである。したがって、熱間プレス鋼板部材の製造コストの増加を招くだけでなく、著しく生産性を阻害する方法であり、量産技術としては適していない。
一方、特許文献5には、平均粒径(フェライト相の平均粒径、あるいはさらに第2相を含む場合にはフェライト相と第2相の平均粒径)が15μm以下である冷延鋼板をフェライトとオーステナイトの二相組織となるように加熱し、その組織を保ったままプレスし、金型内で急冷することによって、組織がフェライトとマルテンサイトの二相であり、それぞれの平均粒径が7μm以下である、高強度かつ延性に優れるとされる部材が開示されている。
英国特許公報1490535号 特開平10−96031号公報 特表2010−521584号公報 特開2010−131672号公報 特開2010−65293号公報
特許文献5に記載されるように、熱間プレス鋼板部材の組織は熱間プレスに供する鋼板の鋼組織に影響される。特に、鋼組織の微細化は、特許文献5に示されるように、部材の延性向上に寄与する重要な組織制御方法である。
一方、本発明者らは、熱間プレスに供する鋼板の組織を微細化するとともに均一化することによって、部材の衝撃特性を向上させることが可能になることを新たに見出した。
そして、熱間プレスに供する鋼板の組織を微細化するとともに均一化するには、熱延鋼板の不均一な組織を解消するために、熱延鋼板を冷間圧延し、その鋼板を再結晶する温度で焼鈍することが必要であることをさらに見出した。
この点に関し、特許文献5に開示された方法では、熱間プレスに供する鋼板の組織を微細化するために、焼鈍温度をAc点近傍に制御している。本発明者らの知見によれば、このような製造条件では、未再結晶フェライトが熱間プレスに供する鋼板に多く残存することになる。そして、そのような未再結晶フェライトは、フェライトとオーステナイトとが共存する二相温度域に加熱したとしても再結晶しないため、熱間プレス後の組織は極めて不均一になる。したがって、特許文献5に開示された方法では、熱間プレス鋼板部材の組織を微細化し、その延性を向上させることは可能であろうが、その衝撃特性は著しく劣る。
このように、熱間プレス後に900MPa以上の引張強度を有し、延性および衝撃特性に優れる部材を提供する量産技術は未だ確立されていない。
本発明の具体的課題は、上述したように従来は量産することが不可能であった、熱間プレス後、延性および衝撃特性に優れた、引張強度が900MPa以上の熱間プレス鋼板部材およびその製造方法を提供することであり、一般化すれば、本発明は熱間成形と同時または直後に鋼板を冷却する手段を備えている熱間成形への適用も可能であることから、熱間成形後、延性および衝撃特性に優れた、引張強度が900MPa以上の熱間成形鋼板部材およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、熱間成形後の引張強度が900MPa以上の熱間成形鋼板部材の延性と衝撃特性を改善するために鋭意検討を行った結果、化学組成について、特定のCとMn含有量に対して、Ti含有量を限られた範囲とし、フェライトおよびマルテンサイトからなる微細かつ均一な鋼組織にすることにより、延性と衝撃特性が改善されるという新知見を得た。
そして、斯かる鋼組織を得るには、熱間成形に供する鋼板としても、上述した化学組成を有するとともに微細かつ均一な鋼組織を有する鋼板を用いるとともに、熱間成形の際の熱処理条件を適正化することによって、達成されるという新知見を得た。
本発明はその知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.10%以上0.40%以下、Si:0.001%以上2.0%以下、Mn:1.0%以上3.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.001%以上1.0%以下、Ti:0.050%以上0.40%以下およびN:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、
面積%で、フェライト:10%以上90%以下、未再結晶フェライト:2.0%以下およびマルテンサイト:10%以上90%以下、フェライトおよびマルテンサイトの合計面積率:90%以上であり、前記フェライトの平均粒径が5.0μm以下である鋼組織を有し、引張強度が900MPa以上である機械特性を有することを特徴とする、熱間成形鋼板部材。
(2)前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Nb:0.4%以下、V:0.4%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下およびNi:1.0%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)に記載の熱間成形鋼板部材。
(3)前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の熱間成形鋼板部材。
(4)前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、B:0.01%以下を含有することを特徴とする上記(1)から(3)のいずれか1項に記載の熱間成形鋼板部材。
(5)前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Bi:0.01%以下を含有することを特徴とする上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の熱間成形鋼板部材。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1項に記載の化学組成を有し、未再結晶フェライトが2.0面積%以下であり、フェライトの平均粒径が7.0μm以下である鋼組織を有する素材鋼板を、720℃以上Ac点未満の温度域に1分間以上20分間以下保持し、このように加熱された素材鋼板に熱間成形を行い、次いで、600℃から150℃までを20℃/秒以上500℃/秒以下の平均冷却速度で冷却することを特徴とする、熱間成形鋼板部材の製造方法。
(7)前記素材鋼板が、冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、および合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなる群から選ばれた1種である、上記(6)記載の熱間成形鋼板部材の製造方法。
次に、本発明において、各範囲に限定した理由について説明する。なお、以下の説明においては、熱間成形について、具体的態様である熱間プレスを例にとって説明する。
1.化学組成
はじめに、本発明に係る熱間成形鋼板部材の化学組成を上述のように規定した理由を説明する。以下の説明において、各合金元素の含有量を表す「%」は、特に断りがない限り「質量%」を意味する。
(C:0.10%以上0.40%以下)
Cは、鋼の焼入れ性を高め、かつ焼入れ後の強度を主に決定する、非常に重要な元素である。C含有量が0.10%未満では焼入れ後の強度で900MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、C含有量は0.10%以上とする。好ましくは、0.11%以上である。一方、C含有量が0.40%超では、衝撃特性の劣化が顕著となる。したがって、C含有量は0.40%以下とする。溶接性の観点からは、C含有量を0.28%以下とすることが好ましい。
(Si:0.001%以上2.0%以下)
Siは、延性を劣化させることなく、あるいは、延性を向上させて、焼入れ後の強度を高める作用を有する元素である。Si含有量が0.001%未満では上記作用を得ることが困難である。したがって、Si含有量は0.001%以上とする。なお、Si含有量を0.05%以上にすると、延性がさらに向上する。したがって、Si含有量は0.05%以上とすることが好ましい。一方、Si含有量が2.0%超では、上記作用による効果は飽和して経済的に不利となる上、表面性状の劣化が著しくなる。したがって、Si含有量は2.0%以下とする。好ましくは1.5%以下である。
(Mn:1.0%以上3.0%以下)
Mnは、鋼の焼入れ性を高め、焼入れ後の強度を安定して確保するために、非常に効果のある元素である。しかし、Mn含有量が1.0%未満では、その効果が十分に得られず、焼入れ後の強度で900MPa以上の引張強度を確保することが非常に困難となる。したがって、Mn含有量は1.0%以上とする。なお、Mn含有量を1.6%以上にすると、焼入れ後の強度で980MPa以上の引張強度を確保することが可能となる。このため、Mn含有量は1.6%以上とすることが好ましい。一方、Mn含有量が3.0%超では、組織が不均一となり、衝撃特性の劣化が顕著となる。したがって、Mn含有量は3.0%以下とする。なお、熱間プレスに供する前の鋼板においては、その引張強度を低くすることが生産性の向上に寄与するので、Mn含有量を2.4%以下とすることが好ましい。
(P:0.05%以下)
Pは、一般には鋼に不可避的に含有される不純物であるが、固溶強化により、強度を高める作用を有するので積極的に含有させてもよい。しかし、P含有量が0.05%超では溶接性の劣化が著しくなる。したがって、P含有量は0.05%以下とする。P含有量は好ましくは0.02%以下である。上記作用をより確実に得るには、P含有量を0.003%以上とすることが好ましい。
(S:0.01%以下)
Sは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、溶接性の観点からは低いほど好ましい。S含有量が0.01%超では溶接性の低下が著しくなる。したがって、S含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.003%以下、さらに好ましくは0.0015%以下である。
(sol.Al:0.001%以上1.0%以下)
Alは、鋼を脱酸して鋼材を健全化する作用を有する元素であり、また、Ti等の炭窒化物形成元素の歩留まりを向上させる作用を有する元素でもある。sol.Al含有量が0.001%未満では上記作用を得ることが困難となる。したがって、sol.Al含有量は0.001%以上とする。好ましくは0.015%以上である。一方、sol.Al含有量が1.0%超では、溶接性の低下が著しくなるとともに、酸化物系介在物が増加して表面性状の劣化が著しくなる。したがって、sol.Al含有量は1.0%以下とする。好ましくは0.080%以下である。
(Ti:0.050%以上0.40%以下)
Tiは、本発明において重要な元素であり、鋼中に炭化物、窒化物、または炭窒化物である微細な析出物を形成し、焼入れ後の組織を微細化することが可能となり、延性を著しく向上させる。
ここに、Ti:0.050%以上0.40%以下とするとともに、C含有量およびMn含有量を、それぞれ、C:0.10〜0.40%、Mn:1.0〜3.0%に 規定し、さらに、熱間プレスに供する鋼板の鋼組織を、フェライト平均粒径を微細に、かつ未再結晶フェライトの量を可及的少となるように、制御し、併せて、後述するような熱間プレス条件を組み合わせることによって、900MPa以上の引張強度を有しながら優れた延性と衝撃特性を有する熱間プレス鋼板部材を得ることが可能となる。
Ti含有量が0.050%未満では、焼入れ後の組織が微細にならず、延性を向上させることができない。したがって、Ti含有量は0.050%以上とする。好ましくは0.070%以上である。一方、Ti含有量が0.40%超では、鋳造時および熱間圧延時に粗大な炭窒化物が形成されてしまい、低温靭性の劣化が顕著となる。したがって、Ti含有量は0.40%以下とする。好ましくは0.25%以下、さらに好ましくは0.20%以下である。
(N:0.01%以下)
Nは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、溶接性の観点からは低いほど好ましい。N含有量が0.01%超では溶接性の低下が著しくなる。したがって、N含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.006%以下である。
本発明にかかる鋼板の鋼組成は、残部Feと不純物であるが、任意成分として、以下に説明するような元素をさらに少なくとも1種含有するものであってもよい。
(Nb:0.4%以下、V:0.4%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下およびNi:1.0%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上)
これらの元素は、いずれも鋼の焼入れ性を高め、かつ焼入れ後の強度を安定して確保する効果のある元素である。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、NbおよびVについては、それぞれ0.4%を超えて含有させると、熱間圧延および冷間圧延が困難になるだけでなく、焼入れ後の組織が不均一になりやすくなり、衝撃特性の劣化が顕著となる。また、Cr、Mo、CuおよびNiについては、1.0%を超えて含有させると、上記作用による効果は飽和して経済的に不利となるうえに、熱間圧延や冷間圧延が困難となる。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Nb:0.003%以上、V:0.003%以上、Cr:0.005%以上、Mo:0.005%以上、Cu:0.005%以上およびNi:0.005%以上の少なくとも一つを満足させることが好ましい。
(Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上)
これらの元素は、いずれも介在物制御、特に介在物の微細分散化に寄与し、低温靭性を高める作用を有する元素である。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、いずれも0.01%を超えて含有させると、表面性状の劣化が顕在化する場合がある。したがって、各元素の含有量はそれぞれ上記のとおりとする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、これらの元素の少なくとも一つの含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。ここで、REMは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素を指し、上記REMの含有量はこれらの元素の合計含有量を意味する。ランタノイドの場合、工業的にはミッシュメタルの形で添加される。
(B:0.01%以下)
Bは、低温靭性を高める作用を有する元素である。したがって、Bを含有させてもよい。しかし、0.01%を超えて含有させると、熱間加工性が劣化して、熱間圧延が困難になる。したがって、B含有量は0.01%以下とする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、B含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。
(Bi:0.01%以下)
Biは、組織を均一にし、衝撃特性を高める作用を有する元素である。したがって、Biを含有させてもよい。しかし、0.01%を超える量でBiを含有させると、熱間加工性が劣化して、熱間圧延が困難になる。したがって、Bi含有量は0.01%以下とする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Bi含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。
2.熱間プレス鋼板部材の鋼組織
次に、本発明に係る熱間プレス鋼板部材の鋼組織について説明する。
(フェライトの面積率:10%以上90%以下)
フェライトの面積率が10%未満では、フェライトの殆どが孤立し、延性を向上させることができない。したがって、フェライトの面積率は10%以上とする。一方、フェライトの面積率が90%超では、マルテンサイトの面積率が10%未満となり、後述するように、焼入れ後の強度で900MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、フェライトの面積率は90%以下とする。フェライトとマルテンサイトとの割合は上記範囲に入る限り、特に制限されないが、好ましくは、フェライト:25〜85%、マルテンサイト:15〜75%である。
(未再結晶フェライトの面積率:2.0%以下)
未再結晶フェライトが残存することにより、焼入れ後の強度は高くなるが、鋼組織は極めて不均一となり、延性と衝撃特性は著しく劣化する。具体的には、未再結晶フェライトの面積率が2.0%超で、所望の延性と衝撃特性が得られなくなる。したがって、未再結晶の面積率は2.0%以下とする(0%の場合も含む)。
ここで、本発明において「未再結晶フェライト」とは、顕微鏡観察によって確認される圧延方向に伸長したフェライト相をいい、前記フェライトとは区別されるものである。
(マルテンサイトの面積率:10%以上90%以下)
マルテンサイトを鋼中に形成させることにより、焼入れ後の強度を高めることができる。マルテンサイトの面積率が10%未満では、焼入れ後の強度で900MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、マルテンサイトの面積率は10%以上とする。一方、マルテンサイトの面積率が90%超では、フェライトの面積率が10%未満となり、上述したように、延性を向上させることができない。したがって、マルテンサイトの面積率は90%以下とする。
(フェライトおよびマルテンサイトの合計面積率:90%以上)
本発明に係る熱間プレス鋼板部材は、フェライトおよびマルテンサイトからなる組織を有すること基本とするが、製造条件によっては、フェライトおよびマルテンサイト以外の相または組織として、ベイナイト、残留オーステナイト、セメンタイトおよびパーライトの1種または2種以上が混入する場合がある。この場合、フェライトおよびマルテンサイト以外の相または組織が10%を超えると、これらの相または組織の影響により、目的とする特性が得られない場合がある。したがって、フェライトおよびマルテンサイト以外の相または組織の混入は10%以下とする。すなわち、フェライトおよびマルテンサイトの合計面積率は90%以上とする。
以上の鋼組織における各相の面積率の測定法は当業者には周知であり、本発明においても常法により測定することができる。後で実施例において示すように、これらの面積率は圧延方向と圧延方向に垂直方向の両方向における断面において測定し、その平均値として求められる。
(フェライトの平均粒径:5.0μm以下)
焼入れ後の組織を微細化することにより、焼入れ後の強度、延性および衝撃特性を高めることができる。引張強度が900MPa以上で、良好な延性および衝撃特性を確保するために、フェライトの平均粒径は5.0μm以下とする。
本発明にかかる鋼板部材は、鋼板から熱間成形された部材を意味し、例えば、熱間プレス成形された鋼部材を包含するが、代表的には、自動車のボディー構造部品に用いられるドアガードバーなどがあるが、自動車用としては、バンパーレインフォースメントなどもあり、機械構造部品用としては、鋼板を素材として製造された建築構造用熱間成形鋼管などもある。
3.製造方法
次に、上記の特徴を有する本発明に係る熱間プレス鋼板部材の好ましい製造方法について説明する。
引張強度が900MPa以上の強度下で優れた延性と衝撃特性とを確保するには、焼入れ後の組織を、面積%で、フェライトを10%以上90%以下、未再結晶フェライトを2.0%以下、マルテンサイトを10%以上90%以下、フェライトおよびマルテンサイトの合計面積率を90%以上とし、フェライトの平均粒径を5.0μm以下とすることが肝要である。
本発明にあっては、量産可能技術として、そのような最終鋼組織を容易に再現できるように、熱間プレス成形用素材鋼板(”出発鋼板“ということもある)として、そのような鋼組織を調整しておき、それが維持できるような熱間プレス成形条件を採用するのである。
まず、このような組織を得るには、上記化学組成を有し、未再結晶フェライトが2.0面積%以下であり、フェライトの平均粒径が7.0μm以下である鋼組織を有する鋼板を用意する。未結晶フェライトの量は、例えば冷間圧延まま鋼板に十分な時間をかけて再結晶焼鈍処理を行うことで、調整できる。なお、前記鋼組織を有する冷延鋼板および溶融亜鉛めっき冷延鋼板さらに合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、例えば、(Ac点−20℃)以上の温度域で焼鈍することにより製造することができる。
このようにして用意した素材鋼板である熱間プレス用鋼板を、本発明にしたがって、熱間プレス成形する。以下の説明からも容易に理解されるように、本発明によれば、オーステナイト単相に加熱されることはなく、それだけ短時間の処理が可能となり、また、未再結晶フェライトの面積率が制限されているため、不均一組織とならず、本来の微細化組織と相俟って、延性、衝撃特性を大幅に改善できる。
ここに、上述のようにして用意した熱間プレス用鋼板を、720℃以上Ac点未満の温度域に1分間以上20分間以下保持したのちに熱間プレスし、600℃から150℃までを20℃/秒以上500℃/秒以下の平均冷却速度で冷却する。
(熱間プレス用鋼板の鋼組織)
熱間プレスに供する熱間プレス用鋼板には、上記化学組成を有し、かつ、未再結晶フェライトが2.0面積%以下であり、フェライトの平均粒径が7.0μm以下である鋼組織を有する冷延鋼板または溶融亜鉛めっき冷延鋼板を用いることができる。
本発明によれば、鋼材の化学組成が前述のように規定されていることから、特に、C、Mn、Tiを特定範囲に規定することで、通常の条件下で十分な再結晶焼鈍を行うことで、上述のような出発鋼板が容易に得られる。
前記の鋼組織を有する熱間プレス用鋼板を後述するような熱処理条件で熱間プレスすることにより、所望の鋼組織を有し、引張強度が900MPa以上であり、かつ延性と衝撃特性に優れた熱間プレス鋼板鋼材が得られる。
なお、すでに述べたように、前記鋼組織を有する冷延鋼板および溶融亜鉛めっき冷延鋼板は、例えば、(Ac点−20℃)以上の温度域で焼鈍することにより製造することができる。
(熱間プレス用鋼板の加熱:720℃以上Ac点未満の温度域に1分間以上20分間以下保持)
熱間プレスに供する鋼板の加熱は、720℃以上、かつ、下記実験式(i)により規定されるオーステナイト単相になるAc点(℃)未満の温度域に1分間以上20分間以下保持することにより行う。
Ac=910−203×(C0.5)−15.2×Ni+44.7×Si
+104×V+31.5×Mo−30×Mn−11×Cr
−20×Cu+700×P+400×Al+50×Ti ・・・・(i)
ここで、上記式中における元素記号は、前記鋼板の化学組成における各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
保持温度が720℃未満では、フェライト単相に近い組織になり、焼入れ後の強度で900MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、保持温度は、720℃以上とする。一方、保持温度がAc点以上になると、焼入れ後の組織がマルテンサイト単相となり、延性の劣化が顕著となる。したがって、保持温度はAc点未満とする。
また、保持時間が1分間未満では、セメンタイトなどの未固溶炭化物が残存し、低温靭性が劣化する。したがって、保持時間は1分間以上とする。一方、保持時間が20分間超では、生産性が低下するばかりか、スケールや亜鉛系酸化物の生成により、表面性状が劣化する。したがって、保持時間は20分間以下とする。
このとき、720℃以上Ac点以下の温度域までの加熱速度は特に限定する必要はないが、0.2℃/秒以上100℃/秒以下の平均加熱速度とすることが好ましい。上記平均加熱速度を0.2℃/秒以上とすることにより、より高い生産性を確保することが可能となる。また、上記平均加熱速度を100℃/秒以下とすることにより、通常の炉を用いて加熱する場合において、加熱温度の制御が容易となる。なお、高周波加熱等を用いれば、100℃/秒を上回る加熱速度で加熱したとしても、加熱温度の制御を精度よく行うことが可能となる。
(600℃から150℃までの平均冷却速度:20℃/秒以上500℃/秒以下)
150℃以上600℃以下の温度域における冷却は拡散型変態が起きないように冷却する。上記温度域における平均冷却速度が20℃/秒未満では、ベイナイト変態が過度に進行してしまい、強化相であるマルテンサイトの面積率を確保できなくなり、焼入れ後の強度で900MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、上記温度域における平均冷却速度は20℃/秒以上とする。一方、上記温度域における平均冷却速度を500℃/秒超とすることは通常の設備においては困難である。そこで、上記温度域における平均冷却速度は500℃/秒以下とする。したがって、上記温度域における平均冷却速度は500℃/秒以下とする。好ましくは200℃/秒以下である。
なお、冷却する際、600℃到達以降は相変態による発熱が非常に大きくなるため、600℃以上の温度域における冷却方法と同じ冷却方法では十分な冷却速度が確保できない場合がある。このため、600℃までの冷却よりも600℃から150℃までの冷却を強く行う必要があり、具体的には以下に述べるようにすることが好ましい。
熱間プレス法では、通常、常温または数10℃程度の鋼製金型により冷却が達成される。したがって、冷却速度を変化させるためには、金型寸法を変え熱容量を変化させればよい。また金型材質を異種金属(例えば銅など)に変えることでも冷却速度を変化させることができる。金型寸法を変えられない場合、水冷型の金型を用いて冷却水量を変えることによっても、冷却速度を変えることができる。また、予め溝を数カ所切った金型を用い、プレス中にその溝に水を通すことによって冷却速度を変える、プレス途中でプレス機を上げ、その間に水を流すことでも、冷却速度を変えることができる。さらには、金型クリアランスを変え、鋼板との接触面積を変化させることでも冷却速度を変えることができる。例えば600℃前後で冷却速度を変える手段には、次のような手段が考えられる。
(1)600℃到達直後に、熱容量の異なる金型または室温状態の金型に移動させて、冷却速度を変える;
(2)水冷金型の場合、600℃到達直後に金型中の流水量を変化させて、冷却速度を変える;
(3)600℃到達直後に、金型と部材の間に水を流し、その水量を変化させることで、冷却速度を変える。
本発明における熱間プレス法における成形の形態は特に制限されないが、例示すれば、曲げ加工、絞り成形、張出し成形、穴拡げ成形、フランジ成形が挙げられる。目的とする熱間プレス鋼板部材の種類・形状によって適宜選べばよい。材質としては、冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板などを例示できる。
熱間プレス鋼板部材の代表例として、自動車用補強部品であるドアガードバーやバンパーレインフォースメントなどを挙げることができる。例えば、熱間プレス鋼板部材が、バンパーレインフォースメントである場合、所定長さの合金溶融亜鉛めっき鋼板を用意し、これに金型内で、曲げ成形などの加工を順次行えばよい。
本発明にかかる製品は延性と衝撃特性に優れることが特徴であるが、そのときの延性としては、引張試験における全伸びが10%以上あることが好ましい。また、衝撃特性としては、0℃でのシャルピー試験の衝撃値が20J/cm以上であることが好ましい。
熱間プレス後は、通常、スケール除去目的でショットブラスト処理が施される。このショットブラスト処理には、表面に圧縮応力を導入する効果があるため、遅れ破壊が抑制され、また疲労強度が向上するという利点がある。
なお、熱間プレス用鋼板の種類やその組織は限定されないが、予成形を伴う熱間プレス加工においては、熱間プレス用鋼板はできるだけ軟質で延性のあることが望ましい。例えば、引張強度として800MPa以下であることが望ましい。
上記説明においては、熱間成形について、具体的態様である熱間プレスを例にとって説明してきたが、本発明は熱間プレスと同様に成形と同時または直後に鋼板を冷却する手段を備えている熱間成形、例えばロール成形にも適用可能である。
本発明の実施例について説明する。
表1に示す化学組成、表2に示す鋼組織と引張強度の鋼板(板厚t:1.2mm)を熱間プレスに供する鋼板とした。
これらの出発鋼板は、実験室にて溶製したスラブを、熱間圧延、冷間圧延、再結晶焼鈍して製造した鋼板(表2において冷延鋼板と表記する)である。なお、めっきシミュレーターを用いて、一部の鋼板には、溶融亜鉛めっき処理(片面あたりのめっき付着量は60g/m)、合金化溶融亜鉛めっき処理(めっき皮膜中のFe含有量は15質量%)を行った。表2において、それぞれを溶融亜鉛めっき鋼板と合金化溶融亜鉛めっき鋼板と表記する。また、再結晶焼鈍を施さない冷間圧延まま(表2においてフルハードと表記する)の鋼板も使用した。
これらの鋼板を、1.2t×100w×200L(mm )の寸法に切断し、表3の条件にて加熱、冷却した。また、鋼板に熱電対を貼付し、冷却速度の測定も行った。表3の平均加熱速度は室温から720℃までの温度域、保持時間は720℃以上の温度域、平均冷却速度は600℃から150℃までの温度域に対する値である。各種製造条件で得られた鋼板に対して、引張試験、シャルピー試験、金属組織観察を実施した。
本例において作製した鋼板部材は、金型による熱間プレスが施されていないが、熱間プレス鋼板部材と同じ熱履歴を受けているので、鋼板の機械的性質は、同じ熱履歴を有する熱間プレス鋼板部材と実質的に同一である。
(引張試験)
各鋼板から、圧延方向に対して直角方向が長手方向となるJIS5号引張試験片を採取し、TS(引張強度)およびEL(全伸び)を測定した。
(衝撃特性)
1.2mm厚の鋼板を4枚積層してねじ止めした後、Vノッチ試験片を作製し、シャルピー衝撃試験に供した。衝撃特性は、0℃での衝撃値が20J/cm以上となる場合を良好とした。それに達しない場合を不良とした。
(フェライト、未再結晶フェライトおよびマルテンサイトの面積率、フェライトの平均粒径)
各鋼板の圧延方向および圧延方向に対して直角方向から試験片を採取し、圧延方向断面、圧延方向に対して直角方向断面の組織を電子顕微鏡で観察し、8mmの領域を写真撮影し、画像解析によりフェライト、未再結晶フェライトおよびマルテンサイトの面積率、フェライトの平均粒径を調査した。
(試験結果の説明)
これらの熱間プレスを模擬した試験の結果を表4に示す。
なお、表1〜4において下線を付された数値は、その数値により示される含有量、条件、または機械特性が本発明の範囲外であることを示している。
表3における本発明例である供試材No.1、2、4〜7、10、13、16〜20、22、24、25および27は、優れた延性と衝撃特性を有している。
一方、供試材No.3、11および12は、熱間プレス用鋼板の鋼組織が本発明で規定する範囲を外れ、所望の組織が得られないため、延性および衝撃特性が悪かった。
供試材No.8および21は、化学組成が本発明で規定する範囲を外れ、衝撃特性が悪かった。供試材No.9および14は、製造条件が本発明で規定する範囲を外れ、所望の組織が得られないため、目標とする引張強度が得られなかった。
供試材No.15は、製造条件が本発明で規定する範囲を外れ、所望の組織が得られないため、延性が悪かった。
供試材No.23および26は、化学組成が本発明で規定する範囲を外れ、目標とする引張強度が得られなかった。
供試材No.28は、化学組成が本発明で規定する範囲を外れ、所望の組織が得られないため、延性が悪かった。
Figure 2014019894
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Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.10%以上0.40%以下、Si:0.001%以上2.0%以下、Mn:1.0%以上3.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.001%以上1.0%以下、Ti:0.050%以上0.40%以下およびN:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、
    面積%で、フェライト:10%以上90%以下、未再結晶フェライト:2.0%以下およびマルテンサイト:10%以上90%以下、フェライトおよびマルテンサイトの合計面積率:90%以上であり、前記フェライトの平均粒径が5.0μm以下である鋼組織を有し、引張強度が900MPa以上である機械特性を有することを特徴とする、熱間成形鋼板部材。
  2. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Nb:0.4%以下、V:0.4%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下およびNi:1.0%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱間成形鋼板部材。
  3. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱間成形鋼板部材。
  4. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、B:0.01%以下を含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱間成形鋼板部材。
  5. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Bi:0.01%以下を含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の熱間成形鋼板部材。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の化学組成を有し、未再結晶フェライトが2.0面積%以下であり、フェライトの平均粒径が7.0μm以下である鋼組織を有する素材鋼板を、720℃以上Ac点未満の温度域に1分間以上20分間以下保持し、このように加熱された素材鋼板に熱間成形を行い、次いで、600℃から150℃までを20℃/秒以上500℃/秒以下の平均冷却速度で冷却することを特徴とする、熱間成形鋼板部材の製造方法。
  7. 前記素材鋼板が、冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、および合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなる群から選ばれた1種である、請求項6記載の熱間成形鋼板部材の製造方法。
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