JP2014019376A - 電動式パワーステアリング装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウォームホイール4bを、金属製で円輪状のホイール部16aと、このホイール部16aの外周面に溶着された合成樹脂製の歯部17aとから構成する。又、このホイール部4bと回転軸10aとを一体とする。このホイール部4bの軸方向側面に、外径側端部のリム部18部分を除いて肉盗み部19を形成する。そして、このホイール部4bの厚さ寸法を、このリム部18で大きく、このリム部18よりも内径寄り部分で小さくする。1対の転がり軸受11a、11b同士のピッチを短くする等により、コストを抑えつつ、小型・軽量化を図れる。
【選択図】図1
Description
このうちのハウジングは、固定の部分に支持されて回転しない。
又、前記回転軸は、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。
又、前記ウォームホイールは、前記ハウジングの内部でこの回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転する。
又、前記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、前記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
更に、前記電動モータは、前記ウォームを回転駆動する。
更に、このホイール部の軸方向に関する厚さ寸法は、前記歯部若しくはこの歯部となるべき中間素材を溶着固定する為、外径側端部に全周に亙って設けられたリム部で大きく、このリム部よりも内径寄り部分で軸方向側面から凹入される状態で形成された肉盗み部に対応する部分で小さくなっている。
この様な請求項2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記肉盗み部を、前記ホイール部の側面に全周に亙って設ける。そして、前記ハウジングに対して前記回転軸を回転自在に支持する転がり軸受の一部を、前記肉盗み部の内部に入り込ませる。
或いは、上述の様な請求項2に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記肉盗み部を、前記ホイール部の軸方向片面の開口部の幅が最も広く、奥部に向かうに従って漸次狭くなる形状(断面V字形)とする事もできる。
又は、本発明を実施する場合に、請求項5に記載した発明の様に、前記肉盗み部を、前記リム部の軸方向両面に設ける事もできる。
即ち、回転軸とホイール部とを一体とし、しかもこのホイール部の軸方向に関する厚さ寸法を、径方向外端部で大きく、内径寄り部分で小さくしているので、歯部若しくはこの歯部となるべき中間素材の軸方向に関する幅寸法、並びに、前記回転軸とウォームホイールとの結合強度を確保しつつ、このウォームホイールの肉厚の低減による軽量化を図れる。又、前記ホイール部の内径寄り部分に設けた肉盗み部に、電動式パワーステアリングホイールを構成する他の部分を配置できる為、この分の小型化も図れる。更に、前記ホイール部と前記歯部若しくはこの歯部となるべき中間素材とを高周波誘導加熱により溶着する為、歯部若しくはこの歯部となるべき中間素材を、射出成形と同時にホイール部に結合固定する場合の様に、複雑な設備が不要になり、製造コストを抑える事もできる。
図1〜4は、請求項1、2、6に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて本発明の特徴は、電動式パワーステアリング装置を構成するウォーム減速機のウォームホイール4b及びこのウォームホイール4bと共に回転する回転軸10aの構造及びその製造方法にある。その他の部分に関しては、前述の図15に示した構造を含め、前述の特許文献1〜5に記載される等により従来から知られている構造及びその製造方法と同様であるから、説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
先ず、前記回転軸10aと前記ウォームホイール4bのホイール部16aとを一体とし、しかもこのホイール部16aに肉盗み部19を設けて、このホイール部16aの軸方向に関する厚さ寸法を、径方向外端部で大きく、内径寄り部分で小さくしている。前記回転軸10aと前記ホイール部16aとを一体とした事で、これら回転軸10aとホイール部16aとの嵌合強度確保の為、このホイール部16aの内径側端部の軸方向厚さを確保する必要がない。前記歯部17aの軸方向に関する幅寸法を確保する為には、前記ホイール部16aの外径側端部に設けた、前記リム部18の幅寸法さえ確保すれば足りる。この為、前記回転軸10aと前記ウォームホイール4bとの結合強度を確保しつつ、前記ホイール部16aの内径側部分の軸方向厚さを小さく抑えて、前記ウォームホイール4bの軽量化を図れる。
図5は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、ハウジング3aに対して回転軸10aを回転自在に支持する転がり軸受11bの一部を、肉盗み部19の内部に入り込ませている。即ち、上述した実施の形態の第1例の場合、保持部22の先端部のみを肉盗み部19内に進入させ、転がり軸受11bに関してはこの肉盗み部19外に位置させていたのに対して、本例の場合には、保持部22aを前記肉盗み部19内に、より深く進入させて、この保持部22a内に保持された前記転がり軸受11bの軸方向の一部を、前記肉盗み部19内に配置している。
この様な本例の構造によれば、1対の転がり軸受11a、11b同士のピッチをより短くできて、電動式パワーステアリングホイールをより小型・軽量化できる。
その他の部分に関しては、上述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
図6〜8は、請求項1、5に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。
本例の場合には、ホイール部16bの軸方向両側面に肉盗み部19a、19aを設けて、このホイール部16bの径方向外径寄り部分の形状を、軸方向に関して対称にしている。
この様な形状を採用する事により本例の場合には、図8に示す様に、高周波誘導コイル21により前記ホイール部16bを加熱する際に、このホイール部16bの外周縁部に存在するリム部18aを、軸方向全幅に亙り均一に発熱させる事ができる。この結果、このリム部18aの外周面と環状中間素材20の内周面との結合部の品質を良好にし易い。
その他の部分に関しては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
図9は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、ホイール部16cの軸方向片面の径方向中間部に、このホイール部16cの軸方向片面の開口部の幅が最も広く、奥部に向かうに従って漸次狭くなる、断面V字形の肉盗み部19bを形成している。
この様な形状を有する肉盗み部19bは、鍛造加工により容易に形成できる為、前記ホイール部16cを含む部材の生産性を向上できる。但し、本例の構造は、保持部22(図1参照)を内部に進入させる事は難しいので、1対の転がり軸受11a、11b(図1参照)同士のピッチを短くして小型・軽量化を図る面からは不利である。
その他の部分に関しては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
図10は、請求項6、7に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、内径を拡縮自在としたチャック23により、回転軸10aの一部でホイール部16aに隣接する部分に設けられた、内輪嵌合部24を把持する。この内輪嵌合部24は、転がり軸受11bの内輪(図1参照)を外嵌固定する為の円筒面で、前記回転軸10aと、高精度で同心に加工されている。従って、前記チャック23により前記内輪嵌合部24を把持する事により、前記回転軸10aの径方向に関する位置決めを、高精度で図れる。同時に、前記チャック23の軸方向端面を、前記内輪嵌合部24の端部に存在する段差面25に突き当てて、前記回転軸10aの軸方向に関する位置決めを図る。更に、この状態で、高周波誘導コイル21の内周面とリム部18の外周面とを、環状中間素材20を介して径方向に対向させる。
その他の部分に関しては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
図11は、請求項6〜8に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、中空円管状の回転軸10aの両端開口部に、互いに対向する先端部を円すい状の凸面としたセンタリング治具26a、26bの先端部を挿入して、前記回転軸10aの径方向及び軸方向の位置決めを図っている。
この様な本例の製造方法によれば、前記回転軸10aの位置決めを、より高精度に行える。特に、この回転軸10aの倒れ方向の変位を、より十分に抑えられる。尚、図示の例では、前記センタリング治具26a、26bに加えてチャック23も設けているが、このチャック23は省略しても良い。
その他の部分に関しては、上述した実施の形態の第5例の場合と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
図12は、請求項6、7、9に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合には、高周波誘導コイル21への通電に基づいて、ホイール部16aのリム部18と環状中間素材20とを溶着するのと同じ(同一のチャッキング)工程で、回転軸10aの端部に設けたセレーション部27に、別の高周波誘導コイル28により、高周波焼き入れ処理を施す。このセレーション部27は、前記回転軸10aの端部と中間シャフト15の端部とをトルク伝達可能に接続する為の自在継手14a(図13参照)のヨークを結合する為に設けている。
尚、前記回転軸10aの反対側端部には、ステアリングシャフト2a(図14参照)の先端部と、回転方向に関する所定角度の相対変位を可能に、且つ、この所定角度相対変位した場合にトルク伝達可能にする為の、歯車状の凹凸部29を設けている。この凹凸部29に関しても、耐摩耗性向上の為に高周波焼き入れする必要があれば、更に第三の高周波誘導コイルにより、同時に焼き入れ処理する事もできる。但し、この場合には、この第三の高周波誘導コイルに関しては、径方向に関して退避可能な分割型として、前記回転軸10aの出し入れを可能にする必要がある。
その他の部分に関しては、前述した実施の形態の第5例の場合と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
又、前述した実施の形態の各例の場合、肉盗み部をホイール部の側面に全周に亙って設けているが、このホイール部の側面の円周方向複数箇所に等間隔に設ける事もできる。但し、この場合には、回転軸を回転自在に支持する転がり軸受の外輪を保持する為の保持部を、前記肉盗み部の内部に進入させる事はできない。
又、前述した実施の形態の各例の場合、肉盗み部をホイール部の側面に全周に亙って設けているが、このホイール部の側面の円周方向複数箇所に等間隔に設ける事もできる。但し、この場合には、回転軸を回転自在に支持する転がり軸受の外輪を保持する為の保持部を、前記肉盗み部の内部に進入させる事はできない。
2、2a ステアリングシャフト
3、3a ハウジング
4、4a、4b ウォームホイール
5 ウォーム歯
6 ウォーム軸
7 電動モータ
8、8a ウォーム
9a、9b 転がり軸受
10、10a 回転軸
11a、11b 転がり軸受
12 トーションバー
13 トルクセンサ
14a、14b 自在継手
15 中間シャフト
16、16a、16b、16c ホイール部
17、17a 歯部
18、18a リム部
19、19a、19b 肉盗み部
20 環状中間素材
21 高周波誘導コイル
22、22a 保持部
23 チャック
24 内輪嵌合部
25 段差面
26a、26b センタリング治具
27 セレーション部
28 高周波誘導コイル
29 凹凸部
30 ステアリングギヤユニット
Claims (9)
- 固定の部分に支持されて回転しないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸と、前記ハウジングの内部でこの回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯をこのウォームホイールと噛合させた状態で、前記ハウジングの内側に回転自在に支持されたウォームと、このウォームを回転駆動する電動モータとを備えた電動式パワーステアリング装置に於いて、
前記ウォームホイールが、円輪状のホイール部と、このホイール部の周囲にこのホイール部と同心に設けられて、このホイール部の外周面に溶着された合成樹脂製の歯部とから成るものであり、このホイール部と前記回転軸とが金属材により一体に構成されており、このホイール部の軸方向に関する厚さ寸法は、前記歯部を溶着固定する為、外径側端部に全周に亙って設けられたリム部で大きく、このリム部よりも内径寄り部分で軸方向側面から凹入される状態で形成された肉盗み部に対応する部分で小さくなっている事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。 - 前記肉盗み部が、前記リム部の軸方向片面にのみ設けられている、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置。
- 前記肉盗み部が前記ホイール部の側面に全周に亙って設けられており、前記ハウジングに対して前記回転軸を回転自在に支持する転がり軸受の一部が、前記肉盗み部の内部に入り込んでいる、請求項2に記載した電動式パワーステアリング装置。
- 前記肉盗み部が、前記ホイール部の軸方向片面の開口部の幅が最も広く、奥部に向かうに従って漸次狭くなる形状を有する、請求項2に記載した電動式パワーステアリング装置。
- 前記肉盗み部が、前記リム部の軸方向両面に設けられている、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置。
- 請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置の製造方法であって、前記リム部に前記歯部若しくはこの歯部となる中間素材を外嵌し、この歯部の周囲に高周波誘導コイルを配置すると共に、前記回転軸を径方向及び軸方向の位置決めを図って保持した状態で、前記高周波誘導コイルに通電して前記リム部を発熱させて、このリム部の外周面と前記歯部の内周面とを溶着する電動式パワーステアリング装置の製造方法。
- 前記回転軸の一部で前記ホイール部に隣接する部分に設けられた、この回転軸を前記ハウジング内の回転自在に支持する為の転がり軸受の内輪を外嵌固定する為の内輪嵌合部をチャックにより把持して、前記回転軸の径方向に関する位置決めを図ると共に、このチャックの軸方向端面を前記内輪嵌合部の端部に存在する段差面に突き当てて、前記回転軸の軸方向に関する位置決めを図った状態で、前記高周波誘導コイルの内周面と前記リム部の外周面とを、前記歯部若しくはこの歯部となるべき中間素材を介して径方向に対向させる、請求項6に記載した電動式パワーステアリング装置の製造方法。
- 前記回転軸が中空円管状であり、この回転軸の両端開口部に、互いに対向する先端部を円すい状の凸面としたセンタリング治具の先端部を挿入して、前記回転軸の径方向及び軸方向の位置決めを図った状態で、前記高周波誘導コイルの内周面と前記リム部の外周面とを、前記歯部若しくはこの歯部となるべき中間素材を介して径方向に対向させる、請求項6〜7のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置の製造方法。
- 前記リム部の外周面と前記歯部若しくはこの歯部となるべき中間素材の内周面とを溶着する為にこのリム部を前記高周波コイルへの通電に基づいて発熱させる際に、前記回転軸の一部に別の高周波誘導コイルにより高周波焼き入れ処理を施す、請求項6〜8のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置の製造方法。
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