JP2018090081A - ステアリング装置の製造方法及びステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボールねじ装置のナットと一体化させたとき、ナットと外周の歯部との同軸が精度よく得られる従動プーリを備えたステアリング装置の製造方法及びステアリング装置を提供する。【解決手段】ステアリング装置の製造方法は、転舵軸20と、ボールねじ装置40と、モータMと、駆動プーリ36、従動プーリ34、及び駆動プーリ及び歯付きベルト35を備える駆動力伝達機構32と、を備えるステアリング装置10の製造方法である。従動プーリ34は、転動体ナット21bの外周面に従動プーリ素材が固定され転動体ナット21bと一体化された後に第二外歯34aが形成される、又は転動体ナット21bの外周面に固定され転動体ナット21bと一体化されるのと同時に第二外歯134aが形成される。【選択図】図6
Description
本発明は、ステアリング装置の製造方法及びステアリング装置に関する。
従来、電動モータの回転駆動力をボールねじ装置によって軸方向推力に変換し、ラックシャフトの作動を補助する電動パワーステアリング装置がある。このステアリング装置では、電動モータのモータシャフトとラックシャフトとが、オフセットした位置に平行に配置される。そして、電動モータの回転駆動力が、電動モータの回転軸に設けられた駆動プーリからベルトを介して従動プーリに伝達される。
従動プーリは、ラックシャフトとの間でボールねじ装置を構成するナットの外周に一体的に固定される。これにより、電動モータの回転駆動力は、従動プーリを介してナットに伝達される。伝達された回転駆動力は、従動プーリと一体化されているナットを軸線回りに回転させてボールねじ装置を作動させ、ラックシャフトに軸方向推力を付与する。
なお、このとき、上記のボールねじ装置では、通常、電動モータの負荷を低減させる等のため、回転による慣性が大きくなる直径の大きな従動プーリに対して、軽量化が求められている。これに対応するため、例えば、特許文献1、2に記載のステアリング装置では、樹脂によって従動プーリが形成されている。
しかしながら、従動プーリを樹脂で形成する場合、ナットに組付けて一体化させたときに、ナット(ボールねじ溝)と従動プーリの外周(歯部)とが、所定の同軸度を有するよう従動プーリを形成することは難しい。そして、ナットと従動プーリの外周(歯部)とが、所定の同軸度を有していない場合、偏心した従動プーリの回転によってナットに回転変動が生じてしまう。これにより、ステアリングホイールの振動の発生や電動パワーステアリング装置の騒音の増大の虞がある。しかし、上記特許文献1、2においては、ナットと従動プーリとの同軸を精度よく得るための手段については、記載されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ステアリング装置において、ボールねじ装置のナットと一体化させたとき、ナットと外周の歯部との同軸が精度よく得られる従動プーリを備えたステアリング装置の製造方法及びステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明に係るステアリング装置の製造方法は、ハウジングに軸線方向に摺動可能に支承されており、前記軸線方向に往復移動し転舵輪を転舵させる転舵軸と、前記転舵軸の外周面に外周転動溝が形成される転動体ねじ部、前記外周転動溝に対応する内周転動溝が内周面に形成される転動体ナット、及び前記外周転動溝と前記内周転動溝との間に収容される複数の転動体を備えるボールねじ装置と、前記ハウジングに固定されており、前記転舵軸とオフセットした出力シャフトを備えるモータと、前記出力シャフトに一体回転可能に固定され外周に第一外歯が形成された駆動プーリ、前記転動体ナットの外周面に前記転動体ナットと一体回転可能に固定され外周に第二外歯が形成された従動プーリ、及び前記第一外歯及び前記第二外歯と内歯で噛合し前記駆動プーリ及び前記従動プーリの間で駆動力を伝達する歯付きベルトを備える駆動力伝達機構と、を備えるステアリング装置の製造方法である。そして、前記従動プーリは、前記転動体ナットの前記外周面に従動プーリ素材が固定され前記転動体ナットと一体化された後に前記第二外歯が形成される、又は前記転動体ナットの前記外周面に固定され前記転動体ナットと一体化されるのと同時に前記第二外歯が形成される。
このように、従動プーリ素材が、転動体ナットの外周面に固定され、一体化された後に、従動プーリの外周面の第二外歯が形成される。又は従動プーリが、転動体ナットの外周面に固定されるのと同時に第二外歯が形成される。これにより、第二外歯は、転動体ナットを基準として形成することが可能となるため、第二外歯と転動体ナットとの所望の同軸度が、容易に得られる。
また、上記ステアリング装置において、前記従動プーリは、前記転動体ナットの前記外周面に固定されて一体化されており、前記第二外歯は、前記従動プーリが前記転動体ナットとの一体化に伴って前記従動プーリに生じ得る変形に伴う歪を有していない。これにより、上記ステアリング装置の製造方法において製作されるのと同様のステアリング装置が得られる。
<1.第一実施形態>
(1−1.概要)
以下、本発明のステアリング装置の第一実施形態について図面を参照しつつ説明する。ステアリング装置の一例として、車両用の電動パワーステアリング装置について説明する。電動パワーステアリング装置は、モータMによる操舵補助力によって操舵力を補助するステアリング装置である。なお、ステアリング装置は、電動パワーステアリング装置の他に、4輪操舵装置、後輪操舵装置、ステアバイワイヤ装置(後述のラックアンドピニオン機構を備えるもの、備えないもの、の両方を含む)などでもよい。
(1−1.概要)
以下、本発明のステアリング装置の第一実施形態について図面を参照しつつ説明する。ステアリング装置の一例として、車両用の電動パワーステアリング装置について説明する。電動パワーステアリング装置は、モータMによる操舵補助力によって操舵力を補助するステアリング装置である。なお、ステアリング装置は、電動パワーステアリング装置の他に、4輪操舵装置、後輪操舵装置、ステアバイワイヤ装置(後述のラックアンドピニオン機構を備えるもの、備えないもの、の両方を含む)などでもよい。
(1−2.ステアリング装置10の構成)
電動パワーステアリング装置10(以後、ステアリング装置10と称する)は、車両の転舵輪(図略)に連結される転舵シャフト20を転舵シャフト20の軸線方向と一致するA方向(図1の左右方向)に往復移動させることにより、転舵輪の向きを変える装置である。
電動パワーステアリング装置10(以後、ステアリング装置10と称する)は、車両の転舵輪(図略)に連結される転舵シャフト20を転舵シャフト20の軸線方向と一致するA方向(図1の左右方向)に往復移動させることにより、転舵輪の向きを変える装置である。
図1に示すように、ステアリング装置10は、ハウジング11と、ステアリングホイール12と、ステアリングシャフト13と、トルク検出装置14と、電動モータM(以後、モータMと称す)と、前述の転舵シャフト20と、操舵補助機構30と、ボールねじ装置40と、を備える。
ハウジング11は、車両に固定される固定部材である。ハウジング11は、筒状に形成され、転舵シャフト20(転舵軸に相当)をA方向に相対移動可能に挿通する。ハウジング11は、第一ハウジング11aと、第一ハウジング11aのA方向一端側(図1中、左側)に固定された第二ハウジング11bとを備える。
ステアリングホイール12は、ステアリングシャフト13の端部に固定され、車室内において回転可能に支持される。ステアリングシャフト13は、運転者の操作によってステアリングホイール12に加えられるトルクを転舵シャフト20に伝達する。
ステアリングシャフト13の転舵シャフト20側の端部には、ラックアンドピニオン機構を構成するピニオン13aが形成される。トルク検出装置14は、ステアリングシャフト13の捩れ量に基づいて、ステアリングシャフト13に加えられるトルクを検出する。
転舵シャフト20は、A方向に延伸している。転舵シャフト20には、ラック22が形成される。ラック22は、ステアリングシャフト13のピニオン13aに噛合し、ピニオン13aとともにラックアンドピニオン機構を構成する。ラックアンドピニオン機構は、ステアリング装置10の用途等に基づいて、ステアリングシャフト13と転舵シャフト20との間で伝達可能な最大軸力が設定される。
また、転舵シャフト20は、ラック22とは異なる位置に転動体ねじ部23が形成される。転動体ねじ部23は、後述する転動体ナット部材21とともにボールねじ装置40を構成し、操舵補助機構30により操舵補助力を伝達される。なお、後に詳述するが、転動体ナット部材21は、転動体ねじ部23とともにボールねじ装置40を構成する転動体ナット21bと、後述する駆動力伝達機構32を構成する従動プーリ34とが一体化された部材である。転舵シャフト20の両端は、図略のタイロッドおよびナックルアーム等を介して左右の転舵車輪(図略)に連結され、転舵シャフト20のA方向への軸動によって転舵車輪が左右方向に操舵される。
操舵補助機構30は、モータMを駆動源として転舵シャフト20に操舵補助力を付与する機構である。操舵補助機構30は、モータM、モータMを駆動する制御部ECU及び駆動力伝達機構32を備える。モータM、及びモータMを駆動するための制御部ECUは、ハウジング11の第一ハウジング11aに固定されるケース31に収容される。制御部ECUは、トルク検出装置14の出力信号に基づいて、操舵補助トルクを決定し、モータMの出力を制御する。
(1−3.駆動力伝達機構32の構成)
図2に示すように、駆動力伝達機構32は、駆動プーリ36、前述した転動体ナット部材21が備える従動プーリ34、及び歯付きベルト35を備える。駆動プーリ36は、モータMの出力シャフト37の先端に、出力シャフト37と一体回転可能に固定され、外周に第一外歯36aを備える。第一外歯36aは、はす歯である。駆動プーリ36は、樹脂又は金属によって形成される。
図2に示すように、駆動力伝達機構32は、駆動プーリ36、前述した転動体ナット部材21が備える従動プーリ34、及び歯付きベルト35を備える。駆動プーリ36は、モータMの出力シャフト37の先端に、出力シャフト37と一体回転可能に固定され、外周に第一外歯36aを備える。第一外歯36aは、はす歯である。駆動プーリ36は、樹脂又は金属によって形成される。
駆動プーリ36が樹脂で形成される場合、印加される負荷、温度等の環境条件に耐え得る材料であればどのような樹脂(熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂等)を使用してもよい。また、駆動プーリ36が金属で形成される場合も、樹脂の場合と同様、使用環境に耐え得る材料(例えば、鉄系材料、アルミ系材料等)であればどのようなものでもよい。なお、本実施形態では、駆動プーリ36は樹脂製であるものとする。これにより、ステアリング装置10として軽量化が図れる。出力シャフト37は、転舵シャフト20の軸線と平行に配置される。
(1−3−1.従動プーリ34について)
従動プーリ34は、転動体ナット部材21を構成する転動体ナット21bの外周面に転動体ナット21bと一体回転可能に固定され一体化される。つまり、転動体ナット部材21は、転動体ナット21bと従動プーリ34とを備える。なお、第一実施形態における転動体ナット21bへの従動プーリ34の固定方法、つまり、転動体ナット部材21の製造方法は、転動体ナット21bをインサート材とするインサート成形(インジェクション成形)による。詳細については、後に詳述する。また、従動プーリ34は、外周に第二外歯34a(図3参照)を備える。第二外歯34aは、はす歯である。
従動プーリ34は、転動体ナット部材21を構成する転動体ナット21bの外周面に転動体ナット21bと一体回転可能に固定され一体化される。つまり、転動体ナット部材21は、転動体ナット21bと従動プーリ34とを備える。なお、第一実施形態における転動体ナット21bへの従動プーリ34の固定方法、つまり、転動体ナット部材21の製造方法は、転動体ナット21bをインサート材とするインサート成形(インジェクション成形)による。詳細については、後に詳述する。また、従動プーリ34は、外周に第二外歯34a(図3参照)を備える。第二外歯34aは、はす歯である。
本実施形態においては、従動プーリ34は、所定の樹脂によって形成される。このとき、所定の樹脂とは、樹脂を主成分とする樹脂材料である。なお、このとき、樹脂材料としては、例えば、ポリアミド合成樹脂(66ナイロン,アラミド樹脂(いずれもデュポン社の登録商標)等),ポリエチレン,ポリスチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル(ビニル系),ポリエステル等の熱可塑性樹脂が適用できる。また、樹脂材料として、ガラス繊維を含んだ複合繊維強化樹脂(FRP)を適用してもよい。従動プーリ34の製造方法については、後に詳述する。
歯付きベルト35は、内周面に内歯35aを備える。内歯35aは、駆動プーリ36の第一外歯36a及び従動プーリ34の第二外歯34aと噛合可能なはす歯である。そして、歯付きベルト35が駆動プーリ36と、従動プーリ34との間に懸架され、内歯35aが第一外歯36a及び第二外歯34aと噛合する。駆動力伝達機構32は、モータMが発生させる回転駆動力を、駆動プーリ36から従動プーリ34に、歯付きベルト35を介して伝達する。また、転動体ナット21b(転動体ナット部材21)のA方向一端側(図2において左側)は、ボールベアリング33を介して第二ハウジング11bの内周面11b1に回転可能に支持される。
(1−4. ボールねじ装置40の構成)
図2に示すように、ボールねじ装置40は、第一ハウジング11a及び第二ハウジング11b内に収容される。ボールねじ装置40は、転舵シャフト20(転舵軸に相当)の転動体ねじ部23,前述した転動体ナット部材21を構成する転動体ナット21b,複数の転動ボール24(転動体に相当)を備える。転舵シャフト20の転動体ねじ部23には、外周面に螺旋状に形成された外周転動溝20aが形成される。外周転動溝20aは、複数巻き巻回されて形成される。
図2に示すように、ボールねじ装置40は、第一ハウジング11a及び第二ハウジング11b内に収容される。ボールねじ装置40は、転舵シャフト20(転舵軸に相当)の転動体ねじ部23,前述した転動体ナット部材21を構成する転動体ナット21b,複数の転動ボール24(転動体に相当)を備える。転舵シャフト20の転動体ねじ部23には、外周面に螺旋状に形成された外周転動溝20aが形成される。外周転動溝20aは、複数巻き巻回されて形成される。
転動体ナット21bは、筒状に形成され、転動体ねじ部23の外周側に、転動体ねじ部23(転舵シャフト20)と同軸となるよう配置される。本実施形態において、転動体ナット21bは、鉄系材料(例えば、S45C等)によって形成される。つまり、従動プーリ34と転動体ナット21bとは、異なる材質で形成される。そして、転動体ナット21bの溶融温度(融点)P1の方が、樹脂製の従動プーリ34の溶融温度(融点)P2よりも高い(P1>P2)。これにより、従動プーリ34は転動体ナット21bにインサート成形(インジェクション成形)可能となる。また、転動体ナット21bの内周面は、螺旋状に形成された内周転動溝21aを備える。内周転動溝21aは、複数巻き巻回されて形成される。
そして、転動体ねじ部23の外周転動溝20aと転動体ナット21bの内周転動溝21aとが対向して配置され、外周転動溝20aと内周転動溝21aとの間で複数の転動ボール24が転動する転動路R1が形成される。複数の転動ボール24は、転動路R1内に転動可能に配列される。これにより、転動体ねじ部23(転舵シャフト20)の外周転動溝20aと、転動体ナット部材21の内周転動溝21aとが、複数の転動ボール24を介して螺合する。
転動路R1を転動する複数の転動ボール24は、転動体ナット21bに設けられた図略のデフレクタを介して無限循環される。デフレクタによる転動ボール24の無限循環については、公知の技術であるので、詳細な説明については省略する。
また、転動体ナット21bは、図2,図3に示すように、軸線方向両端にセンタ孔21b1,21b1(基準部に相当する)を備える。センタ孔21b1,21b1は、転動体ナット21bの外周面21b2を加工する際の加工基準孔であり、円錐面からなる。センタ孔21b1,21b1の中心軸は、内周転動溝21aの中心軸及び外周面21b2の中心軸と同一である。なお、センタ孔21b1,21b1は、後に説明する従動プーリ34の外周に形成される第二外歯34aを加工形成する際にも加工基準孔として利用される。
(1−5.転動体ナット部材21の製造方法)
次に、転動体ナット部材21の製造方法について、主に図4のフローチャート,及び図3、図5,図6に基づき説明する。転動体ナット部材21の製造方法は、第一工程S10−第三工程S30を備える。
次に、転動体ナット部材21の製造方法について、主に図4のフローチャート,及び図3、図5,図6に基づき説明する。転動体ナット部材21の製造方法は、第一工程S10−第三工程S30を備える。
第一工程S10では、図5に示すように、転動体ナット部材21を構成する転動体ナット21bが、インサート材として、インサート成形用(インジェクション成形用)の金型50内にセットされる。なお、図5,図6は、あくまで、射出成型の概要を説明する図であり、金型50の型割り等を示す詳細な図ではないことを予め述べておく。
そして、このとき、金型50内にセットされた転動体ナット21bと金型50との間には、図6に示す従動プーリ34の従動プーリ素材34Aが形成される空隙CAが転動体ナット21bの外周を取り巻くように形成される。つまり、空隙CAは、転動体ナット21bの外周面の径方向外方において、円筒空間を形成している。このとき、空隙CAは、金型50内にセットされた転動体ナット21bの両端に形成されたセンタ孔21b1,21b1を基準に形成されることが好ましい。ただし、本実施形態においては、この態様に限らず、センタ孔21b1,21b1を基準としなくてもよい。
また、円筒空間である空隙CAの径方向外側の内周面CA1の位置は、転動体ナット部材21が完成した際における、従動プーリ34の第二外歯34aの外周面より若干外方に位置している。つまり、従動プーリ34の第二外歯34aの外周面に対し、若干の取り代を有する大きさで形成されている。即ち、下記第二工程S20で形成する従動プーリ素材34Aの外周面の直径は、第二外歯34aの外周面の直径より若干大きい。
次に、第二工程S20では、図6に示すように、昇温により溶融させた樹脂(例えば、66ナイロン)が、金型50の射出口50aから空隙CA内に射出される。その後、空隙CA内に射出された樹脂が冷却され、固化された後、外周面21b2に従動プーリ素材34Aが固定された転動体ナット21bが、金型50内から取り出される(図7参照)。
このとき、従動プーリ素材34Aの内周面34A1と接触する転動体ナット21bの外周面21b2には、セレーション等の凹凸が設けられていることが好ましい。これにより、転動体ナット21bの外周面21b2における従動プーリ素材34Aと外周面21b2との間の軸方向(A方向)への相対移動、及び軸周りでの相対回転を規制することができる。なお、本実施形態においては、転動体ナット21bの外周面21b2には、円周方向に形成された溝21b3が例示してある。この溝21b3によって、従動プーリ素材34AのA方向への移動が規制される。このように、第二工程S20において、転動体ナット21bの外周面21b2に従動プーリ素材34Aが固定され転動体ナット21bと一体化される。
次に、第三工程S30では、第二工程S20で転動体ナット21bと一体化された従動プーリ素材34A(図7参照)の外周面34A2に対して加工を行ない、第二外歯34aを形成する(図3参照)。まず、第二外歯34aの外周面34a1の加工を、例えば旋盤により行なう。このとき、旋盤では、転動体ナット21bの両端に形成されたセンタ孔21b1,21b1を加工の基準として利用し(図7参照)、従動プーリ素材34Aの外周面の加工を行なう。
従って、従動プーリ素材34Aでは、センタ孔21b1,21b1に対して、形状精度のよい加工後の外周面34a1が得られる。前述したように、転動体ナット21bも、センタ孔21b1,21b1を基準として転動体ナット21bの外周面21b2が加工されている。このため、同じ基準(センタ孔21b1,21b1)によって形成された従動プーリ素材34Aの加工後の外周面34a1と転動体ナット21bの外周面21b2とは、相互に良好な同軸度で形成される。
その後、精度よく加工された従動プーリ素材34Aの加工後の外周面34a1に対して、第二外歯34aのはす歯の歯部が加工される。このとき、歯部は、ホブ盤による歯切加工またはスカイビング加工等によって加工される。ただし、これは一例を例示したのみであり、歯切加工は、どのように実施してもよい。なお、ホブ盤、及びスカイビング加工による歯切加工は公知の技術であるので、詳細な説明は省略する。ホブ加工に代表される切削加工等の他に、転造や鍛造等の塑性加工で行なってもよい。そして、このときにも、転動体ナット21bの両端に形成されたセンタ孔21b1,21b1を加工の基準として使用する。これにより、形状精度の良い第二外歯34a(図3参照)が得られる。
このように、第三工程S30では、第二工程S20によって、転動体ナット21bの外周面21b2に従動プーリ素材34Aが固定され転動体ナット21bと一体化された後に、第二外歯34aが形成される。なお、このとき、従動プーリ34は、インサート成形によって、従動プーリ素材34Aが転動体ナット21bの外周面21b2と締め代を有さず密着して固定され、転動体ナット21bと一体化されたのち、第二外歯34aが加工によって形成される。このため、第二外歯34aは、従動プーリ34を転動体ナット21bに例えば圧入によって取り付ける(一体化する)際に生じ得る変形に伴う歪を有していない。
(1−6.作用)
次に、上記のように転動体ナット部材21が適用されたステアリング装置10の作用について説明する。ステアリングホイール12を操舵すると、操舵トルクおよびモータMの回転位置等に基づいてモータMが制御され出力シャフト37とともに駆動プーリ36が回転する。これに伴い、従動プーリ34が歯付きベルト35を介して回転され、モータMの回転駆動力が従動プーリ34に伝達される。
次に、上記のように転動体ナット部材21が適用されたステアリング装置10の作用について説明する。ステアリングホイール12を操舵すると、操舵トルクおよびモータMの回転位置等に基づいてモータMが制御され出力シャフト37とともに駆動プーリ36が回転する。これに伴い、従動プーリ34が歯付きベルト35を介して回転され、モータMの回転駆動力が従動プーリ34に伝達される。
このとき、従動プーリ34の第二外歯34aは、転動体ナット21bの外周面21b2に対して精度よく同軸で形成されている。これにより、従動プーリ34の回転によって、転動体ナット21bに回転変動が生じる虞は低い。よって、モータMの回転駆動力は、従動プーリ34、転動体ナット21b及び転動ボール24を介して振動や騒音の増大なく転舵シャフト20に伝達される。
<2.第二実施形態>
次に、第二実施形態における転動体ナット部材121(図2参照)の製造方法について図8のフローチャート、及び図9、図10に基づき説明する。上記第一実施形態では、転動体ナット部材21の従動プーリ34を形成する際、まず、転動体ナット21bに従動プーリ素材34Aをインサート成形した。そして、その後、従動プーリ素材34Aに対して第二外歯34aを加工し従動プーリ34を形成した。しかし、この態様には限らない。
次に、第二実施形態における転動体ナット部材121(図2参照)の製造方法について図8のフローチャート、及び図9、図10に基づき説明する。上記第一実施形態では、転動体ナット部材21の従動プーリ34を形成する際、まず、転動体ナット21bに従動プーリ素材34Aをインサート成形した。そして、その後、従動プーリ素材34Aに対して第二外歯34aを加工し従動プーリ34を形成した。しかし、この態様には限らない。
第二実施形態として、転動体ナット21bをインサート材とし、従動プーリ134をインサート成形によって、転動体ナット21bに固定し一体化する際、一体化するのと同時に従動プーリ134の第二外歯134aを形成して転動体ナット部材121を製作してもよい(図3参照)。図8のフローチャートに示すように、転動体ナット部材121の製造方法は、第一工程S110,第二工程S120を備える。
第一工程S110では、図9に示すように、転動体ナット部材121を構成する転動体ナット21bが、インサート材として、インサート成形用(インジェクション成形用)の金型150内にセットされる。ここで、インサート成形用の金型150内の空隙CA2の内周面CA3には、第二外歯134aを形成可能な雌型(図略)が形成されている。空隙CA2の内周面CA3の位置は、第二外歯134aの外周と一致させている。このとき、雌型内において転動体ナット21bは、転動体ナット21bの両端に形成されたセンタ孔21b1,21b1を基準として精度よく位置決めされている。
第二工程S120では、図10に示すように、昇温により溶融させた樹脂(例えば、66ナイロン,FRP等)が、金型150の射出口150aから空隙CA2内に射出される。その後、空隙CA2内に射出された樹脂が冷却され、固化され、従動プーリ134が形成される。これにより、第二工程S120において、従動プーリ14は、転動体ナット21bの外周面21b2に固定され一体化されるのと同時に第二外歯134aが形成される(図3参照)。
そして、このとき、従動プーリ134の第二外歯134aは、前述したように転動体ナット21bの両端に形成されたセンタ孔21b1,21b1を利用して雌型内に位置決めされた転動体ナット21bの周囲に形成されている。このため、従動プーリ134の第二外歯134aと、センタ孔21b1,21b1を利用して形成された転動体ナット21bの外周面21b2との間の同軸度は良好となる。このように、従動プーリ134では、インサート成形によって、従動プーリ134が転動体ナット21bの外周面21b2と締め代を有さず密着して固定され、転動体ナット21bと一体化されるのと同時に、第二外歯134aが形成される。このため、第二外歯134aは、従動プーリ34を転動体ナット21bに例えば圧入によって取り付ける(一体化する)際に生じ得る変形に伴う歪を有していない。これにより、上記実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第二外歯134aの仕上げ加工が省略できるため、加工コストが低減できる。
<3.第三実施形態>
次に、第三実施形態における転動体ナット部材221(図11A参照)の製造方法について説明する。第三実施形態では、上記第一実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第三実施形態の転動体ナット部材221では、インサート成形を用いずに、転動体ナット部材221を製造する。具体的には、第三実施形態の転動体ナット部材221は、従動プーリ素材234Aが、転動体ナット21bとは別体で形成されて転動体ナット21bの外周面21b2に固定され、転動体ナット21bと一体化された後、従動プーリ素材234Aの外周面に第二外歯234aが加工によって形成される。
次に、第三実施形態における転動体ナット部材221(図11A参照)の製造方法について説明する。第三実施形態では、上記第一実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第三実施形態の転動体ナット部材221では、インサート成形を用いずに、転動体ナット部材221を製造する。具体的には、第三実施形態の転動体ナット部材221は、従動プーリ素材234Aが、転動体ナット21bとは別体で形成されて転動体ナット21bの外周面21b2に固定され、転動体ナット21bと一体化された後、従動プーリ素材234Aの外周面に第二外歯234aが加工によって形成される。
詳細に説明すると、図11Bに示すように、従動プーリ素材234Aは、金属(例えば鉄、ただし、転動体ナット21bの材質とは異なる材質であることが好ましい)で形成された筒状のベース部234Bと、ベース部234Bをインサート材として、ベース部234Bの外周面にインサート成形され固定された樹脂を主成分とする本体部234Cと、を備える。本体部234Cは、少なくとも第二外歯234aを形成する部位である。なお、この態様に限らず、本体部234Cを、ベース部234Bに圧入しても良いし、接着材等によって固定しても良い。また、本体部234Cは、上記第一実施形態の従動プーリ34と同様の材質でよい。そして、ベース部234Bの内周面が、転動体ナット21bの外周面に圧入されて従動プーリ素材234Aが転動体ナット21bに固定される(図11C参照)。
そして、その後、上記実施形態と同様、従動プーリ素材234Aの本体部234Cの外周面234A2に対して加工が施され第二外歯234aが形成される(図11A参照)。つまり、転動体ナット21bの外周面に従動プーリ素材234Aが圧入によって固定され転動体ナット21bと一体化された後に、第二外歯234aが形成され、転動体ナット部材221が形成される。このとき、第二外歯234aは、第一実施形態と同様、転動体ナット21bの両端に形成されたセンタ孔21b1,21b1を加工の基準として形成される。これにより、第一実施形態と同様の効果が得られる。
また、従動プーリ素材234Aが、転動体ナット21bに圧入され固定された後に、第二外歯234aが形成される。このため、従動プーリ234は、転動体ナット21bの外周面21b2と締め代を有する一体化に伴って変形を生じているが、第二外歯234aは、変形に伴う歪を有していない。
<4.その他の態様>
(4−1.変形例1)
なお、上記第一及び第二実施形態では、転動体ナット部材21,121が備える従動プーリ34,134と転動体ナット21bとは、樹脂(従動プーリ34,134)、及び金属(転動体ナット21b)という異なる材質の組み合わせで形成された。しかし、この態様には限らない。第一及び第二実施形態の変形例1の転動体ナット部材321として、従動プーリ334を転動体ナット21bと同様、金属材料で形成してもよい(図12参照)。
(4−1.変形例1)
なお、上記第一及び第二実施形態では、転動体ナット部材21,121が備える従動プーリ34,134と転動体ナット21bとは、樹脂(従動プーリ34,134)、及び金属(転動体ナット21b)という異なる材質の組み合わせで形成された。しかし、この態様には限らない。第一及び第二実施形態の変形例1の転動体ナット部材321として、従動プーリ334を転動体ナット21bと同様、金属材料で形成してもよい(図12参照)。
ただし、従動プーリ334を形成する金属は、転動体ナット21bを形成する、例えば鉄系金属よりも融点(溶融温度)が低い低融点金属であることが条件となる。転動体ナット部材の製造方法については、図4及び図8のフローチャート1,2と同様である。つまり、フローチャート1,2において、従動プーリ素材34A,及び従動プーリ134をそれぞれ従動プーリ素材334A、又は従動プーリ334と読み替えればよい。これにより、上記実施形態と同様、転動体ナット21bをインサート材として従動プーリ素材334A(又は従動プーリ334)のインサート成形が行なえる。これによっても、相応の効果は得られる。
(4−2.その他)
なお、上記第一−第三実施形態においては、従動プーリ34,134、及び従動プーリ234の一部(少なくとも第二外歯234aを含む)は、材質が、例えば、66ナイロン等の樹脂のみによって形成されると説明したが、この態様には限らない。従動プーリ34,134及び従動プーリ234の一部は、樹脂を主成分とはするが、例えばガラス繊維等の強化材料を内部に含んでいても良い。これによっても同様の効果が得られる。
なお、上記第一−第三実施形態においては、従動プーリ34,134、及び従動プーリ234の一部(少なくとも第二外歯234aを含む)は、材質が、例えば、66ナイロン等の樹脂のみによって形成されると説明したが、この態様には限らない。従動プーリ34,134及び従動プーリ234の一部は、樹脂を主成分とはするが、例えばガラス繊維等の強化材料を内部に含んでいても良い。これによっても同様の効果が得られる。
また、上記第一,第三実施形態及び変形例1においては、第二外歯34a,234a,334aを加工する際に、転動体ナット21bが両端部に備えるセンタ孔21b1,21b1を、基準部として使用した。また、第二実施形態においては、第二外歯134aをインサート成形によって形成する際に、転動体ナット21bのセンタ孔21b1,21b1を基準部として使用した。しかしながら、この態様には、限らない。図13に示すように、基準部は、転動体ナット21bの外周面21b2のうち、軸方向両端部に位置する外周面(P及びQ)の何れか一方、又は両方であってもよい。
このとき、転動体ナット21bの図13における軸方向右側の外周面P(基準部)は、転動体ナット21bの内周転動溝21aを形成する際の基準面である。また、図13における軸方向左側の外周面Q(基準部)は、ボールベアリング33の内輪の支持面である。いずれの外周面P,Qを、第二外歯34a,234a,334aを加工する際、又は第二外歯134aを形成する際の基準部としても、転動体ナット21bと第二外歯34a,134a,234a,334aとの間では良好な同軸度が得られる。なお、このとき、転動体ナット21bの端面も合わせて基準部として利用することにより、さらに精度のよい加工結果が得られる。
さらに、基準部は、転動体ナット21bの内周面に形成された内周転動溝21aであっても良い。具体的には、内周転動溝21aにおける例えば所定の三点によって、基準部を形成すればよい。このとき、所定の三点は、転動体ナット21bの軸方向から見たときに、周方向に等角度(120度)間隔で配置されていることが好ましい。この場合、ボールねじ装置40の作動に直接影響を与える内周転動溝21aを基準部とするので、より良好に、転動体ナット21bの回転変動が防止できる。なお、このときにも、転動体ナット21bの端面を合わせて(同時に)基準面として利用することにより、さらに精度のよい加工結果が得られる。
<5.実施形態による効果>
上記実施形態におけるステアリング装置10は、転動体ナット21bの外周面に転動体ナット21bと一体回転可能に固定され外周に第二外歯34a,134a,234a,334aが形成された従動プーリ34,134,234,334、及び第一外歯36a及び第二外歯34a,134a,234a,334aと内歯35aで噛合し駆動プーリ36及び従動プーリ34,134,234,334の間で駆動力を伝達する歯付きベルト35を備える駆動力伝達機構32と、を備える。
上記実施形態におけるステアリング装置10は、転動体ナット21bの外周面に転動体ナット21bと一体回転可能に固定され外周に第二外歯34a,134a,234a,334aが形成された従動プーリ34,134,234,334、及び第一外歯36a及び第二外歯34a,134a,234a,334aと内歯35aで噛合し駆動プーリ36及び従動プーリ34,134,234,334の間で駆動力を伝達する歯付きベルト35を備える駆動力伝達機構32と、を備える。
そして、従動プーリ34,134,234,334は、転動体ナット21bの外周面21b2に従動プーリ素材34A,234A,334Aが固定され転動体ナット21bと一体化された後に第二外歯34a,234a,334aが形成される、又は転動体ナット21bの外周面21b2に固定され転動体ナット21bと一体化されるのと同時に第二外歯134aが形成される。
このように、従動プーリ34,134,234,334の第二外歯34a,134a,234a,334aが、転動体ナット21bの外周面21b2に固定され、一体化された以降において、形成される。これにより、第二外歯34a,134a,234a,334aは、転動体ナット21bを基準として形成することが可能となるため、第二外歯34a,134a,234a,334aと転動体ナット21bとの間で所望の同軸度が、容易に得られる。
上記実施形態であるステアリング装置10の製造方法によれば、転動体ナット21bをインサート材とするインサート成形によって、従動プーリ素材34A,334Aが転動体ナット21bの外周面21b2に固定され転動体ナット21bと一体化され、一体化された後に第二外歯34a,334aが加工されて形成される。これにより、第二外歯34a,334aと転動体ナット21bとの間で所望の同軸度が、容易に得られる。
また、上記実施形態の製造方法によれば、従動プーリ134は、転動体ナット21bをインサート材とするインサート成形によって、転動体ナット21bの外周面21b2に固定され転動体ナット21bと一体化されるのと同時に第二外歯134aが形成される。これにより、第二外歯134aと転動体ナット21bとの間で所望の同軸度が、容易に得られる。
また、上記実施形態の製造方法によれば、インサート成形によって形成される樹脂製の従動プーリ34,134は、金属製の転動体ナット21bとは異なる材質の材料で形成される。これにより、融点が大きく異なる二部材によって、インサート成形が良好に行なえる。
また、上記実施形態の製造方法によれば、従動プーリ34,134,234は、少なくとも第二外歯34a,134a,234aの材質が、樹脂を主成分として形成される。このため、軽量化が図れ、従動プーリ34,134,234が回転したときの回転慣性を金属製の従動プーリが回転したときの回転慣性よりも小さくできる。
また、上記実施形態の製造方法によれば、従動プーリ234は、従動プーリ素材234Aが転動体ナット21bとは別体で形成されて転動体ナット21bの外周面に固定され転動体ナット21bと一体化され、一体化された後、第二外歯234aが加工されて形成される。これによっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、上記実施形態の製造方法によれば、従動プーリ素材334Aは、転動体ナット21bの外周面に圧入によって固定される。これによっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、上記実施形態の製造方法によれば、従動プーリ素材234Aは、金属で形成された筒状のベース部234Bと、ベース部234Bをインサート材とするインサート成形によってベース部234Bの外周面に一体化された本体部234Cと、を備え、ベース部234Bの内周面が、転動体ナット21bの外周面21b2に圧入されて従動プーリ素材234Aが固定される。これによっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、上記実施形態の製造方法によれば、転動体ナット21bは、転動体ナット21bに一体化された従動プーリ34,234,334の第二外歯34a,234a,334aが形成される際の基準部を備える。これにより、転動体ナット21bと第二外歯34a,234a,334aとの同軸が得易い。
また、上記実施形態の製造方法によれば、転動体ナット21bは、転動体ナット21bに一体化された従動プーリ134の第二外歯134aが形成される際の基準部を備える。これにより、転動体ナット21bと第二外歯134aとの同軸が得易い。
また、上記実施形態の製造方法によれば、基準部は、転動体ナット21bが両端部に備えるセンタ孔21b1,21b1である。つまり、センタ孔21b1,21b1を基準に第二外歯34a,134a,234a,334aが形成されるので、第二外歯34a,134a,234a,334aと、センタ孔21b1,21b1を基準として形成される転動体ナット21bの外周面との同軸を精度よく得やすい。
また、上記実施形態のステアリング装置10において、従動プーリ34,134,234,334は、転動体ナット21bの外周面に固定されて一体化されており、第二外歯34a,134a,234a,334aは、従動プーリ34,134,234,334の変形に伴う歪を有していない。これにより、上記ステアリング装置10の製造方法で得られたステアリング装置と同様のステアリング装置が得られる。
また、上記実施形態のステアリング装置10において、従動プーリ34,134は、転動体ナット21bの外周面21b2と締め代を有さず密着する一体化に伴って変形を生じておらず、第二外歯34a,134aは歪を有していない。これにより、形状精度のよい第二外歯34a,134aが得られる。
また、上記実施形態のステアリング装置10において、従動プーリ234は、転動体ナット21bの外周面21b2と締め代を有する一体化に伴って変形を生じており、第二外歯234aは、変形に伴う歪を有していない。これにより、形状精度のよい第二外歯234aが得られる。
10・・・ステアリング装置(電動パワーステアリング装置)、 11・・・ハウジング、 20・・・転舵軸(転舵シャフト)、 20a・・・外周転動溝、 21,121,221,321・・・転動体ナット部材、 21a・・・内周転動溝、 21b・・・転動体ナット、 21b1・・・センタ孔、 23・・・転動体ねじ部、 24・・・転動体(転動ボール)、 32・・・駆動力伝達機構、 34,134,234,334・・・従動プーリ、 34A,234A,334A・・・従動プーリ素材、 34a,134a,234a,334a・・・第二外歯、 34a1・・・外周面、 35・・・歯付きベルト、 35a・・・内歯、 36・・・駆動プーリ、 36a・・・第一外歯、 37・・・出力シャフト、 40・・・ボールねじ装置、 50,150・・・金型、 234B・・・ベース部、 234C・・・本体部、 P,Q・・・基準部(外周面)、 S10,S110・・・第一工程、 S20,S120・・・第二工程、 S30・・・第三工程。
Claims (16)
- ハウジングに軸線方向に摺動可能に支承されており、前記軸線方向に往復移動し転舵輪を転舵させる転舵軸と、
前記転舵軸の外周面に外周転動溝が形成される転動体ねじ部、前記外周転動溝に対応する内周転動溝が内周面に形成される転動体ナット、及び前記外周転動溝と前記内周転動溝との間に収容される複数の転動体を備えるボールねじ装置と、
前記ハウジングに固定されており、前記転舵軸とオフセットした出力シャフトを備えるモータと、
前記出力シャフトに一体回転可能に固定され外周に第一外歯が形成された駆動プーリ、前記転動体ナットの外周面に前記転動体ナットと一体回転可能に固定され外周に第二外歯が形成された従動プーリ、及び前記第一外歯及び前記第二外歯と内歯で噛合し前記駆動プーリ及び前記従動プーリの間で駆動力を伝達する歯付きベルトを備える駆動力伝達機構と、を備えるステアリング装置の製造方法であって、
前記従動プーリは、前記転動体ナットの前記外周面に従動プーリ素材が固定され前記転動体ナットと一体化された後に前記第二外歯が形成される、又は前記転動体ナットの前記外周面に固定され前記転動体ナットと一体化されるのと同時に前記第二外歯が形成される、ステアリング装置の製造方法。 - 前記従動プーリは、
前記転動体ナットをインサート材とするインサート成形によって、前記従動プーリ素材が前記転動体ナットの前記外周面に固定され前記転動体ナットと一体化され、
前記一体化された後に前記第二外歯が加工されて形成される、請求項1に記載のステアリング装置の製造方法。 - 前記従動プーリは、前記転動体ナットをインサート材とするインサート成形によって、前記転動体ナットの前記外周面に固定され前記転動体ナットと一体化されるのと同時に前記第二外歯が形成される、請求項1に記載のステアリング装置の製造方法。
- 前記インサート成形によって形成される前記従動プーリは、
前記転動体ナットとは異なる材質の材料で形成される、請求項2又は3に記載のステアリング装置の製造方法。 - 前記従動プーリは、少なくとも前記第二外歯の材質が、樹脂を主成分とする、請求項1−4のいずれか1項に記載のステアリング装置の製造方法。
- 前記従動プーリは、
前記従動プーリ素材が前記転動体ナットとは別体で形成されて前記転動体ナットの前記外周面に固定され前記転動体ナットと一体化され、
前記一体化された後、前記第二外歯が加工されて形成される、請求項1に記載のステアリング装置の製造方法。 - 前記従動プーリ素材は、前記転動体ナットの前記外周面に圧入によって固定される、請求項6に記載のステアリング装置の製造方法。
- 前記従動プーリ素材は、
金属で形成された筒状のベース部と、前記ベース部をインサート材とするインサート成形によって前記ベース部の外周面に一体化された本体部と、を備え、
前記ベース部の内周面が、前記転動体ナットの前記外周面に圧入されて前記従動プーリ素材が固定される、請求項7に記載のステアリング装置の製造方法。 - 前記転動体ナットは、前記転動体ナットに一体化された前記従動プーリの前記第二外歯が前記加工によって形成される際の基準部を備える、請求項2又は6に記載のステアリング装置の製造方法。
- 前記転動体ナットは、前記転動体ナットに一体化された前記従動プーリの前記第二外歯が形成される際の基準部を備える、請求項3に記載のステアリング装置の製造方法。
- 前記基準部は、前記転動体ナットが両端部に備えるセンタ孔である、請求項9又は10に記載のステアリング装置の製造方法。
- 前記基準部は、前記転動体ナットの両端部における外周面の一方又は両方である、請求項9又は10に記載のステアリング装置の製造方法。
- 前記基準部は、前記転動体ナットにおける前記内周面の前記内周転動溝に形成される、請求項9又は10に記載のステアリング装置の製造方法。
- ハウジングに軸線方向に摺動可能に支承されており、前記軸線方向に往復移動し転舵輪を転舵させる転舵軸と、
前記転舵軸の外周面に外周転動溝が形成される転動体ねじ部、前記外周転動溝に対応する内周転動溝が内周面に形成される転動体ナット、及び前記外周転動溝と前記内周転動溝との間に収容される複数の転動体を備えるボールねじ装置と、
前記ハウジングに固定されており、前記転舵軸とオフセットした出力シャフトを備えるモータと、
前記出力シャフトに一体回転可能に固定され外周に第一外歯が形成された駆動プーリ、前記転動体ナットの外周面に前記転動体ナットと一体回転可能に固定され外周に第二外歯が形成された従動プーリ、及び前記第一外歯及び前記第二外歯と内歯で噛合し前記駆動プーリ及び前記従動プーリの間で駆動力を伝達する歯付きベルトを備える駆動力伝達機構と、を備えるステアリング装置であって、
前記従動プーリは、前記転動体ナットの前記外周面に固定されて一体化されており、
前記第二外歯は、前記従動プーリが前記転動体ナットとの一体化に伴って前記従動プーリに生じ得る変形に伴う歪を有していない、ステアリング装置。 - 前記従動プーリは、前記転動体ナットの前記外周面と締め代を有さず密着する一体化に伴って変形を生じていない、請求項14に記載のステアリング装置。
- 前記従動プーリは、前記転動体ナットの前記外周面と締め代を有する一体化に伴って変形を生じており、
前記第二外歯は、前記変形に伴う歪を有していない、請求項14に記載のステアリング装置。
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