JP2014019029A - オイルパーム薄板の接合組成物及びその接合方法 - Google Patents

オイルパーム薄板の接合組成物及びその接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オイルパームの幹を使用し、オイルパームが本来的に有している成分と異なる成分を付加することなく積層合板を接合できること。
【解決手段】所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から刃物CTを当てて、所定の厚みに剥いて薄板Wを形成し、所定の厚みで剥いた薄板Wを乾燥させて、所定枚数積層し、薄板Wの温度を上昇させ、かつ、前記積層された薄板Wを薄板Wの面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮し、積層合板PWとして接合するオイルパーム薄板Wの接合組成物において、前記接合組成物は、所定の厚みに剥いた薄板Wの面を接着機能を有する接合面とし、複数枚の薄板Wの温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の薄板Wをオイルパーム幹WD自体が含有する樹脂成分及び糖成分としたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヤシの一種であるオイルパーム(油椰子;oil palm)から得られた接着剤等による接合に関するもので、オイルパームを薄く剥いたり、製材したりした薄板相互またはオイルパーム薄板と他の薄板とを接合する接合剤及びその接合方法に関するものである。
このオイルパーム薄板と他の薄板とを接合する接合剤は、家屋の床材及び壁材、隔壁材等の建築材料、家具材料、ボートを含む船舶、その他の屋内・屋外のデッキ及び遊具、車両のボディ本体の外装及び内装に使用できるものである。
なお、一般に「板」とは、広辞苑によれば「材木を薄く平たくひきわったもの」、「金属や石などを薄く平たくしたもの」等として説明されるが、ここでは、オイルパームが木材の性状を有するものではなく、竹材に近い性状もつものであるが、オイルパームにおいても「薄く平たくしたもの」を「薄板」と呼ぶこととする。また、オイルパームの材料を仔細に呼称する用語がないので、木材と同様に扱うこととする。
一般に、オイルパームの成木は単一の幹からなり高さ10〜20m以上に達する。葉は羽状で長さ3〜5m程度、若木で年間に約30枚、樹齢10年以上の木では約20枚が新しく生えている。花は3枚の花弁と3枚のがく(萼)からなり、個々には小さいが密集した集団を形成し、受粉してから果実が成熟するまでは約6ヶ月を要している。果実は油分の多い多肉質の果肉(中果皮)と、同じく油分に富んだ1つの種子からなり、果実の重さは1房あたり40〜50kg程度になる。
19世紀後半から東南アジアのプランテーションで栽培されるようになり、オイルパームから採れる植物性油脂のヤシ油(palm oil)は、大豆や菜種等他の植物性油脂よりも生産性が高く、安価であることから、マーガリン、揚げ物用の油等の食用に使用されている。また、石鹸、化粧品等にも多用されている。近年、ヤシ油(palm oil)は、マレーシやインドネシア等の東南アジアから日本への輸出される量も増大している。したがって、オイルパームといえば、果肉と種子から取れる油脂の意味と、油椰子の幹自体を指す場合もある。
通常、学術的にはオイルパームは、ヤシ科アブラヤシ属に分類される植物の総称で、西アフリカを原産とするギニアアブラヤシ(Elaeis guineensis)と、中南米原産のアメリカアブラヤシ(Elaeis oleifera)の2種類が有名であり、栽培品種の中にはギニアアブラヤシとアメリカアブラヤシの交配品種も存在する。特に、植物性油脂の原料となる椰子の一種であるアブラヤシ(油椰子)を「オイルパーム」と呼ぶ場合もある。
即ち、オイルパームは、果肉と種子から油脂が取れ、単位面積当たり得られる油脂の量は他の植物を群を抜いていることから、商業作物としてマレーシア等の東南アジア諸国を中心に大規模なプランテーション農業が行われているので、油脂の方を「オイルパーム」と呼ぶ方が著名になりつつあるかもしれない。
しかし、本発明においては、果肉と種子から取れる油脂のオイルパームを意味するものではなく、油椰子の幹自体または植物の個体全体をオイルパームと呼ぶこととする。
このオイルパームを扱った特許出願には、特許文献1(空果房を扱った発明)に掲載のものがある。特許文献1では、オイルパームを利用した建築材料の製造方法を開示している。具体的には、パーム繊維を洗滌した後乾燥油が95%になるように乾燥する段階と、前記乾燥したパーム繊維を1〜1.5cm単位で破送・切断してパーム繊維チップを製造する段階と、前記乾燥したパーム繊維を200メッシュの粒経で粉碎する段階と、竹を200メッシュの粒経で粉碎する段階と、前記パーム繊維チップ、前記パーム繊維粉末、前記竹粉末、バイオセラミック粉末を1:1:1:1の比率で混合して主原料を製造する段階と、石炭の炭化物から200メッシュの粒経を有するフライアッシュを抽出する段階と、火炎防止剤と耐熱性樹脂である硬化用難燃樹脂を1:1の比率で混合・溶融してバインダーを製造する段階と、前記製造されたバインダー20〜30重量%、前記混合した主原料50〜60重量%、フライアッシュ20〜25重量%の粉末を混合して高液状で練る段階と、前記ねりを150〜200℃の温度を発散する成形部間を通過させて1次で焼く段階と、前記焼かれた成形物を多数の上部ローラー群と下部ローラー群が後側に行くほどその間隔が徐徐に細くなるように配置された圧延部の間を通過させて徐徐に薄い厚さで圧延する段階と、前記成形物を多数の上部ローラー群と下部ローラー群からなった冷却部を通過させながら0〜4℃で冷凍させる段階と、切断シリンダーによって昇降する刃により前記成形物を一定な長さ単位で切断する段階との工程から成り立っている。
この特許文献1では、パーム繊維を主原料として利用することにより人体に無害であるだけではなく、パーム繊維を1〜1.5cmで切断したものをパーム繊維粉末とともに使用するので、パーム繊維が周辺の他の内容物との仮橋役を成して堅固な建築材料となり、竹とバイオセラミックにより抗菌及び脱臭機能を具現化することができる。また、カビが発生しないで、遠赤外線、陰イオンの発生が期待できる。そして、不燃性廃材をリサイクルすることができ、製作コストが安くなる。更に、全ての組成物から有毒性ガスが発生しないので建築材料として安全性が高いとされている。
また、特許文献2(空果房を扱った発明)では、板状体または成形体は、油ヤシの空果房を解繊して得た油ヤシ繊維にゴム状弾性を示す樹脂を付着し、圧縮成形することにより得られた板状体または成形体である。
したがって、オイルパームの空果房を解繊して得た油ヤシ繊維は、例えば、ココヤシ繊維等の他のヤシ繊維に比して、繊維表面にパームオイルが付着しているために繊維の撥水性が優れていると共に、繊維中に含まれるセルロース及びリグニンの量が相対的に多いので、耐水性に優れる。加えて、油ヤシ繊維は、ココヤシ繊維等の他のヤシ繊維に比して、繊維強度が大であると共に、繊維径が大きく、かつ、繊維長が長いので、寸法安定性が優れている。また、油ヤシ繊維は、その表面の凹凸が大きいと共に屈曲の強度が大きくて繊維同士のからみあいが大きいから、このことによっても寸法安定性が高められる。そのため、この板状体または成形体は、吸水、吸湿時における寸法安定性が優れている。
そして、油ヤシ繊維表面の凹凸が大きいので、ゴム状弾性を示す樹脂が油ヤシ繊維の表面の空隙に侵入して固化又は硬化し、これが釘または楔のように作用して、所謂、アンカー効果を発揮するから、油ヤシ繊維はゴム状弾性を示す樹脂により強く結合する。このことも吸水、吸湿時における寸法安定性の向上に寄与していると考えられる。
油ヤシ繊維は、例えば、ココヤシ繊維等の他のヤシ繊維に比して、繊維の剛性及び強度が大であると共に、繊維径が大きく、かつ、繊維長が長いので、弾性回復性に優れている。また、油ヤシ繊維は、繊維の屈曲の強度が大きくて繊維同士のからみあいが大きいので、弾性回復性が高められる。そして、ゴム状弾性を示す樹脂は弾性回復性が高い。そのため、油ヤシ繊維がゴム状弾性を示す樹脂により連結されている板状体または成形体は、優れた弾性回復性を示し、歩行感及びクッション性が良く、しかも、遮音性が良い。
この板状体または成形体では、油ヤシ繊維を使用するから、他の種類のヤシ繊維に比して解繊等に要する労力が少なく、そのため、製造コスト及びエネルギーが節減でき、製品が安価となる。例えば、ココヤシ繊維では、ヤシ殻を軟化させるために長期間水中に浸漬し、その後に機械的に繊維状に解繊するために長期間多大のエネルギーを必要とする。これに対してオイルパームは、もともと繊維状のままで集合体となっている空果房を解繊するから、水中浸漬の必要はなく、解繊のために要するエネルギーも非常に少なくて済む。また、油ヤシ繊維はココヤシ繊維に比して発塵性が少なく、その取り扱いにおいて作業環境の悪化が避けられる。
更に、油ヤシ繊維の繊維間に大きな隙間が形成されるので、噴霧または浸漬によりゴム状弾性を示す樹脂を供給したときには、樹脂が上記隙間を介して全繊維に均等に付着し、強度分布が均一になるという板状態が得られる。
そして、特許文献3(オイルパーム幹の発明)では、接着剤で貼り合わされた複数の単板の表面に露出している繊維に接着剤を浸透させた合板の技術を開示している。
特許文献3に係るパーム合板は、樹脂接着剤で貼り合わされた複数の単板を備え、複数の単板のうちの最も外側の少なくとも1枚の単板は、パーム単板であり、パーム単板の表面に露出しているパーム繊維に樹脂接着剤が浸透させたものである。これにより、品質が比較的良好な樹木の単板をフェイスとバックとして使用せずに、安価な廃棄材のヤシの幹から製造可能なパーム単板を使用して表面を樹脂接着剤で処理することで、低コストで合板を製造する。
また、特許文献3のパーム合板は、複数の単板を全てパーム単板とし、安価な廃棄材のヤシの幹から製造可能なパーム単板のみを使用し、互いを樹脂接着剤で接着してもよい。このときのパーム繊維に浸透させてある樹脂接着剤は、複数の単板を貼り合わせる樹脂接着剤と同系のものである。樹脂接着剤が同系であるため、安価に合板を製造することができる。なお、ここで、同系とは、同一の樹脂接着剤、配合(例えば、配合比率)を変えたものを含む。
そして、特許文献3のパーム合板は、パーム繊維に樹脂接着剤を浸透させる面を研磨した後に、パーム繊維に樹脂接着剤を浸透させ、合板表面から突出するパーム繊維を少なくし、パーム繊維に樹脂接着剤を浸透させるものである。この合板製造方法は、複数の単板を接着剤で貼り合わせる工程と、複数の単板の表面であり、露出している繊維に接着剤を浸透させる面を研磨する工程と、研磨した面に接着剤を塗布して繊維に接着剤を浸透させる工程と、接着剤を乾燥させる工程とを備え、これにより、品質が比較的良好な樹木の単板をフェイスとバックとして使用することなく、低いコストで合板を製造することができる。
このように、特許文献3によれば、品質が比較的良好な樹木の単板をフェイスとバックとして使用せずに、低いコストで製造が可能な合板およびパーム合板、合板製造方法が開示されている。
特開2009−166342 特開平10−8696 特開2011−68015
このように、特許文献1及び特許文献2は、何れもオイルパームの果実の空果房を解繊して得た油ヤシ繊維の利用であり、直接的にオイルパームの幹を利用するものではない。しかし、オイルパームの幹は成木で20m以上となり、全体の90〜95%を占める容積率であることからその利用が望まれていた。
特に、マレーシア等の東南アジア等では、パームオイルの生産のためにオイルパームが栽培されているが、パームオイル採取後の空果房には繊維等が多く含まれていることから、その空果房は繊維ボード等種々の用途に活用されている。しかし、毎年伐採されているヤシの幹は有効に活用されておらず、廃棄処分されているのが現状である。
また、特許文献3には、最も外側の少なくとも1枚の単板がパーム単板を複数樹脂接着剤で貼り合わせる工程と、パーム単板の表面であり、露出しているパーム繊維に樹脂接着剤を浸透させる面を研磨する工程と、研磨した面に樹脂接着剤を塗布してパーム繊維に樹脂接着剤を浸透させる工程と、樹脂接着剤を乾燥させる工程とを備えた合板製造方法を開示している。しかし、パーム単板に如何に樹脂接着剤を塗布するか、露出しているパーム繊維に樹脂接着剤を浸透させるかについては説明されておらず不明であり、具体的な合板の製造方法が不明である。少なくとも、パーム単板を複数樹脂接着剤で貼り合わせるという樹脂接着剤の使用を前提としている。
そこで、本発明は、オイルパームの幹を使用し、オイルパーム自体が本来的に有している成分と異なる成分を付加することなく、積層合板を接合できるオイルパーム薄板の接合組成物及びその接合方法の提供を課題とするものである。
請求項1の発明にかかるオイルパーム薄板の接合組成物は、所定長のオイルパームの幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板を形成し、前記所定の厚みで剥いた前記薄板を乾燥させて、所定枚数積層し、前記薄板の温度を上昇させ、かつ、前記積層された前記薄板を前記薄板の面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧密加工して積層合板に接合するオイルパーム薄板の接合組成物において、前記薄板を一体に接合する前記接合組成物は、所定の厚みに剥いた前記薄板の面を接着機能を有する接合面とし、前記複数枚の薄板の温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の薄板を前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分としたものである。
ここで、所定長のオイルパームの幹、即ち、オイルパーム幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板を形成するのは、ロータリーレースで所定の厚みに剥いた薄板を使用することを意味する。
また、前記所定の厚みで剥いた前記薄板を乾燥させて、所定枚数積層するのは、前記薄板の全面を均一な乾燥状態としてから積層することを意味する。
そして、前記薄板の温度を上昇させ、かつ、前記積層された前記薄板を前記薄板の面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮し、前記積層合板に一体に接合する際の前記薄板の温度上昇は、電熱加熱、スチーム加熱または熱板加熱の何れでもよいし、両者の同時使用も可能である。
更に、前記積層合板として一体に接合する前記接合組成物は、前記複数枚の薄板の温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の薄板を前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合し、前記積層合板を一体化するには、前記複数枚の薄板の温度及び圧縮力の制御によって、前記オイルパームの幹自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって前記複数枚の薄板を接合し、前記積層合板として一体化することを意味する。特に、ヘミセルロースはリグニンとセルロースとの結び付ける機能を有しており、堅固に接合できる。
なお、ここにおける接合には、オイルパーム幹の薄板は凹凸面に対して逆の凸凹面に成型する能力があることから、その成形能力を利用した機械的接合も含まれている。
また、本発明を実施する場合、圧密加工とは、前記薄板を多層重ね所定の温度で圧縮し、その圧縮状態を維持させるように冷却して固定化したものを意味し、圧縮とは単に圧力を加える状態を意味する。
請求項2の発明にかかるオイルパーム薄板の接合組成物は、所定長のオイルパームの幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板を形成し、前記所定の厚みで剥いた前記薄板を乾燥させて、所定枚数積層し、前記薄板の温度を上昇させ、かつ、前記積層された前記薄板を前記薄板の面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮し、前記積層合板として接合するとき、前記積層合板に一体に接合する前記接合組成物は、前記複数枚の薄板の温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の薄板を前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって行うものである。
ここで、所定長のオイルパームの幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板を形成するのは、単板としてロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板を使用することを意味する。
また、前記所定の厚みで剥いた前記薄板を乾燥させて、所定枚数積層するのは、前記薄板の全面を均一な乾燥状態としてから積層することを意味する。
そして、前記薄板の温度を上昇させ、かつ、前記積層された前記薄板を前記薄板の面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮して積層合板に一体に接合形成する前記薄板の温度上昇は、電熱加熱、スチーム加熱または熱板加熱の何れでもよいし、両者の同時使用も可能である。
更に、前記積層合板に一体に接合する前記接合組成物は、前記複数枚の薄板の温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の薄板を前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合し、前記積層合板を一体に形成したことは、前記複数枚の薄板の温度及び圧縮力の制御によって、前記オイルパームの幹自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって前記複数枚の薄板を接合し、前記積層合板として一体に接合することを意味する。特に、ヘミセルロースはリグニンとセルロースとの結び付ける機能を有しており、堅固に一体化が可能である。
なお、ここにおける接合には、オイルパーム幹の薄板は凹凸面に対して逆の凸凹面に成型する能力があることから、その成形能力を利用した機械的接合も含まれている。
請求項3の発明にかかるオイルパーム薄板の接合組成物において、前記オイルパーム薄板を一体に接合してなる積層合板の1枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とし、前記オイルパーム薄板以外の木材からなる薄板を含めて前記積層合板に一体に接合したものである。
ここで、前記複数枚積層した薄板の1枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とは、例えば、桧、杉、米桧、桧葉、米杉、唐松、赤松、栗、欅、槇、樫、桜、樅、栂等の木目を生かした薄い板材を意味し、それを片側の露出面に配設することを意味する。また、前記オイルパーム薄板を一体に接合してなる積層合板の1枚をオイルパーム薄板以外の木材、例えば、ラワン材の幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いた薄板(ベニヤ板の1層相当)とすることができる。
請求項4の発明にかかるオイルパーム薄板の接合組成物において、前記オイルパーム薄板を一体に接合してなる積層合板の両端面の2枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とし、前記オイルパーム薄板以外の木材からなる薄板を含めて前記積層合板に一体に接合したものである。
ここで、前記複数枚積層した薄板の2枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とは、例えば、桧、杉、米桧、桧葉、米杉、唐松、赤松、栗、欅、槇、樫、桜、樅、栂等の木目を生かした木材からなる薄い板材を意味し、それを両側の露出面に配設することを意味する。また、前記オイルパーム薄板を一体に接合してなる積層合板の1枚をオイルパーム薄板以外の木材、例えば、ラワン材の幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いた薄板(ベニヤ板の1層相当)を露出面側の1枚または両露出面側の2枚とすることができる。
請求項5の発明にかかるオイルパーム薄板の接合方法は、所定長のオイルパームの幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて複数枚の薄板に形成する薄板工程と、前記薄板を乾燥する薄板乾燥工程と、前記薄板乾燥工程で乾燥させた前記薄板を所定の状態に複数枚積層する積層工程と、前記積層工程以降で前記積層された前記薄板の温度を上昇させるべく加熱する加熱工程と、前記加熱工程によって加熱された前記積層された前記薄板に対して、前記薄板の面に直角方向の圧縮力を加える押圧工程と、前記押圧工程で所定時間押圧した後、前記加熱工程で供給していた温度を降下させる固定工程を具備するものである。
ここで、上記薄板工程とは、所定長のオイルパームの幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板に形成する工程である。
また、上記薄板乾燥工程とは、前記薄板を乾燥する薄板の乾燥工程であり、前記薄板に形成する工程と同一行程であっても、別工程であってもよい。
そして、上記積層工程とは、乾燥させた前記薄板を所定の状態に複数枚積層する工程で、通常2枚乃至5枚の単位で使用されるが、2枚以上であればよい。
更に、上記加熱工程とは、前記積層工程以降で前記積層された前記薄板の温度を上昇させるべく加熱する工程で、水蒸気を導入して加熱または熱板で加熱する工程である。
更にまた、上記押圧工程とは、前記加熱工程によって加熱された前記積層された前記薄板に対して、前記薄板の面に直角方向の圧縮力を加える工程であり、所定の圧縮率で圧縮が行えればよい。
加えて、上記固定工程とは、前記押圧工程で所定時間押圧した後、前記加熱工程で供給していた温度を降下させ、前記積層合板の圧縮状態を固定し、所定の圧縮率で圧縮していた圧縮力を解圧するものである。
なお、ここにおける接合には、オイルパーム幹の薄板は凹凸面に対して逆の凸凹面に成型する能力があることから、その成形能力を利用した機械的接合も含まれている。
請求項6の発明にかかるオイルパーム薄板の接合方法において、前記薄板乾燥工程で乾燥させた薄板を所定の状態に積層する積層工程は、所定の積載面を規制する枠体で前記薄板の面の上下及び左右を規制するものである。
ここで、上記薄板を所定の状態に積層する積層工程は、前記薄板の面方向に外力を加えるが、その時、その圧縮力を加える面に対して直角方向に前記薄板が伸びると、前記積層合板の位置によって厚い個所と薄い個所が生じる。それを防止するために圧縮力を加える面に対して直角方向に膨張するのを規制するものである。
請求項7の発明にかかるオイルパーム薄板の接合方法において、前記薄板を所定の状態に複数枚積層する積層工程では、前記複数枚積層した薄板の1枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とし、前記オイルパーム薄板以外の木材からなる薄板を含めて前記積層合板に一体に接合したものである。
ここで、前記複数枚積層した薄板の1枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とは、例えば、桧、杉、米桧、桧葉、米杉、唐松、赤松、栗、欅、槇、樫、桜、樅、栂等の木目を生かした木材からなる薄い板材を意味し、それを片側の露出面に配設することを意味する。当該薄い板材をオイルパーム薄板の接着能力で接合するものである。また、前記オイルパーム薄板を一体に接合してなる積層合板の1枚をオイルパーム薄板以外の木材、例えば、ラワン材の幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いた薄板(ベニヤ板の1層相当)を露出面側の1枚とすることができる。
請求項8の発明にかかるオイルパーム薄板の接合方法において、前記薄板を所定の状態に複数枚積層する積層工程では、前記複数枚積層した薄板の両端の2枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とし、前記オイルパーム薄板以外の木材からなる薄板を含めて前記積層合板に一体に接合したものである。
ここで、前記複数枚積層した薄板の2枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とは、例えば、桧、杉、米桧、桧葉、米杉、唐松、赤松、栗、欅、槇、樫、桜、樅、栂等の木目を生かした木材からなる薄い板材を意味し、それを片側の露出面に配設することを意味する。当該薄い板材をオイルパーム薄板の接着能力で接合するものである。また、前記オイルパーム薄板を一体に接合してなる積層合板の1枚をオイルパーム薄板以外の木材、例えば、ラワン材の幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いた薄板(ベニヤ板の1層相当)を露出面側の1枚または両露出面側の2枚とすることができる。
請求項1のオイルパーム薄板の接合組成物は、所定長のオイルパームの幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板を形成し、前記所定の厚みで剥いた前記薄板を乾燥させて、所定の枚数積層し、前記薄板の温度を上昇させ、かつ、前記積層された前記薄板を前記薄板の面に対して直角方向の圧縮力を加えて積層方向に圧縮して前記薄板を一体に接合するものであり、このとき、前記薄板を一体に接合する前記接合組成物としては、所定の厚みに剥いた前記薄板の面を、接着機能を有する接合面とし、前記複数枚の薄板の温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の薄板を前記オイルパームの幹自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分としたものである。
したがって、オイルパームの幹は節、年輪がないからロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板を作成する場合、均質な薄板が得られ、結果的に、その前記薄板からなる積層合板は均質なものとなる。また、加える温度と圧縮力によって前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によってその接合力を変化させるから、加える温度と圧縮力の制御によって任意の接着力が得られる。そして、前記複数枚の薄板を前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合して前記積層合板を形成するものであるから、他の合成樹脂、合成ゴムを接着材として使用していないから、自然に戻すことができ公害問題を引き起こさない。更に、前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合されるときの圧縮力によって、前記薄板の空隙が殆どなくなり、緻密な組織になるから、耐水性があり、かつ、防水、防虫性に富み、建築材料として使用しても耐用年数が長くなる。なお、ここにおける接合には、オイルパーム幹の薄板は凹凸面に対して逆の凸凹面に成型する能力があることから、その成形能力を利用した機械的接合も含まれている。
請求項2のオイルパーム薄板の接合組成物は、所定長のオイルパームの幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板を形成し、前記所定の厚みで剥いた前記薄板を乾燥させて、所定の枚数積層し、前記薄板の温度を上昇させ、かつ、前記積層された前記薄板を前記薄板の面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮して積層合板に一体に接合形成するオイルパーム薄板の接合組成物において、前記薄板を一体に接合する前記接合組成物は、前記複数枚の薄板の温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の薄板を前記オイルパームの幹自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の成分としたものでる。
したがって、オイルパームの幹は節、年輪がないからロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板を作成する場合、均質な薄板が得られ、結果的に、その前記薄板からなる積層合板は均質なものとなる。また、加える温度と圧縮力によって前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によってその接合力を変化させるから、加える温度と圧縮力の制御によって任意の接着力が得られる。そして、前記複数枚の薄板を前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合して前記積層合板を形成するものであるから、他の合成樹脂、合成ゴムを接着材として使用していないから、自然に戻すことができ公害問題を引き起こすことがない。更に、前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合されるときの圧縮力によって、前記薄板の空隙が殆どなくなり、緻密な組織になるから、耐水性があり、かつ、防水、防虫性に富み、建築材料として使用しても耐用年数が長くなる。なお、ここにおける接合には、オイルパーム幹の薄板は凹凸面に対して逆の凸凹面に成型する能力があることから、その成形能力を利用した機械的接合も含まれている。
請求項3のオイルパーム薄板の接合組成物の前記オイルパーム薄板を一体に接合してなる積層合板の1枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とし、前記オイルパーム薄板以外の木材からなる薄板を含めて前記積層合板に一体に接合したものであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、積層合板の片側の面のみを他の材料、即ち、薄い木材、竹材とすることができる。特に、化粧板として使用するのに好適である。
請求項4のオイルパーム薄板の接合組成物の前記オイルパーム薄板を一体に接合してなる積層合板の両端面の2枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とし、前記オイルパーム薄板以外の木材からなる薄板を含めて前記積層合板に一体に接合したものであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、積層合板の両側の面を他の材料、即ち、薄い木材、竹材とすることができる。特に、化粧板として使用するのに好適である。
請求項5のオイルパーム薄板の接合方法は、周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて複数枚の薄板に形成する薄板工程と、前記薄板を乾燥する薄板乾燥工程と、前記薄板乾燥工程で乾燥させた前記薄板を所定の状態に複数枚積層する積層工程と、前記積層工程以降で前記積層された前記薄板の温度を上昇させるべく加熱する加熱工程と、前記加熱工程によって加熱された前記積層された前記薄板に対して、前記薄板の面に直角方向の圧縮力を加える押圧工程と、前記押圧工程で所定時間押圧した後、前記加熱工程で供給していた温度を降下させる固定工程を具備するものである。
したがって、これらの工程で使用されるオイルパームの幹は節、年輪がないからロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板を作成する場合、均質な薄板が得られ、結果的に、その前記薄板からなる積層合板は均質なものとなる。また、加える温度と圧縮力によって前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によってその接合力を変化させることができるから、加える温度と圧縮力の制御によって任意の接着力が得られる。そして、前記複数枚の薄板を前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合して前記積層合板を形成するものであるから、他の合成樹脂、合成ゴムを接着材として使用していないから、自然に戻すことができ公害問題を引き起こさない。更に、前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合されるときの圧縮力によって、前記薄板の空隙が殆どなくなり、緻密な組織になるから、耐水性があり、かつ、防水、防虫性に富み、建築材料として使用しても耐用年数が長くなる。なお、ここにおける接合には、オイルパーム幹の薄板は凹凸面に対して逆の凸凹面に成型する能力があることから、その成形能力を利用した機械的接合も含まれている。
請求項6のオイルパーム薄板の接合方法は、前記薄板乾燥工程で乾燥させた薄板を所定の状態に積層する積層工程は、所定の積載面を規制する枠体で前記薄板の面の上下及び左右を規制するものであるから、請求項5に記載の効果に加えて、その圧縮力を加える面に対して直角方向に前記薄板が伸びることが防止され、前記積層合板の位置によって厚い個所と薄い個所が生じることがない。
請求項7のオイルパーム薄板の接合組成物の前記オイルパーム薄板を一体に接合してなる積層合板の1枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とし、前記オイルパーム薄板以外の薄板を含めて前記積層合板に一体に接合したものであるから、請求項6に記載の効果に加えて、積層合板の片側の面のみを他の材料からなる薄い木材、竹材とすることができる。
請求項8のオイルパーム薄板の接合組成物の前記オイルパーム薄板を一体に接合してなる積層合板の両端面の2枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とし、前記オイルパーム薄板以外の薄板を含めて前記積層合板に一体に接合したものであるから、請求項6に記載の効果に加えて、積層合板の両側の面を他の材料からなる薄い木材、竹材とすることができる。
図1は本発明の実施の形態のオイルパーム薄板の接合方法におけるロータリーレースによる薄板の製造工程の説明図である。 図2は本発明の実施の形態のオイルパーム薄板の接合方法における積層合板とするための薄板の積層位置関係を示す説明図である。 図3は本発明の実施の形態のオイルパーム薄板の接合方法における積層合板とするための薄板の積層方法を示す説明図である。 図4は本発明の実施の形態のオイルパーム薄板の接合方法における積層合板の組み合わせ状態(a)及び積層状態(b)及び圧縮状態(c)を示す説明図である。 図5は本発明の実施の形態のオイルパーム薄板の接合方法における積層合板を製造する圧密加工材製造装置の概略構成を示す断面図である。 図6は本発明の実施の形態のオイルパーム薄板の接合方法における積層合板を製造するための説明図で、(a)は原材料となる加工前木材の供給の説明図、(b)は加熱圧縮開始状態による説明図、(c)は密閉加熱圧縮開始状態による説明図、(d)は密閉加熱圧縮状態による蒸気圧制御処理の説明図、(e)は密閉冷却状態による説明図、(f)は圧密加工された木材(圧密加工材)の取り出しの説明図である。 図7は本発明の実施の形態のオイルパーム建築材料における合板を製造するための枠体の説明図で、斜視図(a)及び切断線A−A(b)による断面図である。 図8は本発明の実施の形態のオイルパーム薄板の接合方法における他の積層合板とするための薄板の積層方法を示す説明図である。 図9は本発明の実施の形態のオイルパーム圧密材におけるオイルパーム幹の外周から中心に向かってその維管束の密度及び大きさを示す説明図で、(a)が樹皮から中心を4等分した最外周の採取位置、(b)がその4等分した隣接位置、(c)がその4等分した隣接位置、(d)がその4等分した中心位置の顕微鏡写真である。 図10は本発明の実施の形態のオイルパーム圧密材におけるオイルパーム基材を圧密加工前(a)と圧密加工後(b)の断面の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図中の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
[実施の形態]
まず、この発明の実施の形態で使用するオイルパームの幹は、木材の板目と柾目を製材するように板取りを行うと、何れも柾目状に繊維が並ぶ面になる。即ち、国産材の桧や杉のように年輪がなく、畳表の藺草のように繊維がオイルパームの幹の長さ方向に延びている。
オイルパーム幹の成分は産地によって差があるが、その差は僅かであり、一般にセルロース30.6重量%、ヘミセルロース33.2重量%、リグニン(総リグニン28.5重量%=クラーソンリグニン24.7重量%+酸可溶性リグニン3.8重量%)、抽出成分3.6重量%、灰分4.1重量%といわれており、Characterization in Chemical Composition of the Oil Palm (Elaeis guineensis) (Journal of the Japan Institute of Energy,87,383-388(2008))にも記載がある。
視認できる0.4〜1.2mmの繊維(維管束)、即ち、維管束と維管束の間は、リグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類、少ない空孔によって一体なっている。
本実施の形態にかかる積層合板を構成するオイルパーム薄板の形成について図1を用いて説明する。
オイルパーム薄板Wは、20年から30年以上成長した単一の幹を所定長のオイルパーム幹WDとして切断し、それを大根のかつら剥きと同様の周方向の剥きを行うロータリーレースと呼ばれる装置にセットする。そして、オイルパーム幹WDを回転させ刃物CTによって周方向の剥きを行う。これは、所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて複数枚の薄板Wに形成する薄板工程となる。
図1に示すように、オイルパーム幹WDの中心を軸芯となるように回転させ、その外周側に所定幅の刃物CTを当て、所謂、かつら剥き同様の剥きにより連続薄板UWDが形成される。即ち、オイルパーム幹WDは大根のかつら剥きのように所定の厚みで連続した薄板、即ち、連続薄板UWDが削り出される。この連続薄板UWDを所定の長さにカットし、乾燥させることで所定の面積、所定の厚みの薄板Wが作られる。
なお、オイルパームの葉、空果房、根等は、チップ状に裁断され、好気性細菌処理によってコンポスト化(堆肥化)する有機廃棄物発酵処理方法によって処理される。特に、空果房は他の実用性のある処理を行ってもよい。また、細かく破砕し、セルロース、ヘミセルロース、リグニン等の成分抽出を行ってもよい。
通常、連続薄板UWDが剥かれた時点でその乾燥が開始される。しかし、所定の積層合板PWを作る単位の枚数の切断の後に乾燥を行ってもよい。一般に、切断は流れ作業で行われるので、オイルパーム幹WDから連続薄板UWDが形成された時点で乾燥開始するのが乾燥時間の確保からは望ましい。この乾燥工程は、積層合板PWを作成する加圧前多層材NWに重ね合わせるように5枚の所定面積、所定厚さの薄板W1,・・・,W5が切断されてからの乾燥であると、連続薄板UWDの切断時にその端部の切りくずが出にくくなるので望ましいが、オイルパーム幹WDから連続薄板UWDが形成された時点以降であれば大きな差異はない。何れにせよ、これらの薄板Wを乾燥する工程は、薄板乾燥工程となる。
所定の面積、所定の厚みの薄板Wは、図2に示すように、更に切断され、5枚の所定面積、所定厚さの薄板W1,・・・,W5が切断される。なお、本実施の形態では、所定の面積、所定の厚みの薄板Wを5枚積層し加圧前多層材NWとし、次いで、圧密加工してなる積層合板PWの事例で説明する。
この切断は、図2(a)に示すかつら剥きされた連続薄板UWDの供給方向に短い辺の薄板W1,W3,W5と、図2(b)に示す連続薄板UWDの供給方向に長い辺の薄板W2,W4が形成される。
この5枚の所定面積、所定厚さの薄板W1,・・・,W5は、裁断によって形成してもよいし、鋸の切断によって形成してもよい。オイルパームの性質上何れでもよいが、裁断の方が作業性からみると効率的である。
本実施の形態では、かつら剥きされた連続薄板UWDの供給方向に短い辺の薄板W1,W3,W5と、連続薄板UWDの供給方向に長い辺の薄板W2,W4を2種類のロータリーレースで形成しているが、連続薄板UWDの供給方向の幅で5枚の薄板W1,・・・,W5を得られるように設定してもよい。何れにせよ、図3に示すように、連続薄板UWDの供給方向に短い辺の薄板W1,W3,W5と、連続薄板UWDの供給方向に長い辺の薄板W2,W4を互いの繊維の長さ方向が直角になるように加圧前多層材NWを積載するものであればよい。
勿論、図3に示す連続薄板UWDの供給方向に短い辺の薄板W1,W3,W5と、連続薄板UWDの供給方向に長い辺の薄板W2,W4を繊維の長さ方向が直角になるように積載すれば、連続薄板UWDの供給方向に短い辺の薄板W1,W3,W5を2枚、連続薄板UWDの供給方向に長い辺の薄板W2,W4を3枚の組み合わせとすることもできる。
遅くとも、5枚の所定面積、所定厚さの薄板W1,・・・,W5が切断され、それを図3のように加圧前多層材NWの積載状態に位置合わせを行うまでに、湿度の低い温風を所定面積、所定厚さの薄板W1,・・・,W5の両面に当てて乾燥させる必要がある。加圧前多層材NWとして5枚の薄板W1,・・・,W5を積層する生産ラインに送るまでには、5枚の薄板W1,・・・,W5の乾燥が進行するので、その乾燥状態で図4(a)に示すように、加圧前多層材NWとして積層することができる。この積層を行うときには、5枚の薄板W1,・・・,W5の各辺を位置決めする枠体20(図7参照)または位置決め孔18(図5参照)等の設定が望ましい。
このように、前記薄板乾燥工程で乾燥させた薄板Wを所定の状態に複数枚積層する工程を、ここでは積層工程と呼ぶ。
そこで、加圧前多層材NWとして積層したものに、所定の温度条件下で所定の圧縮力を加えて圧密化し、所定の時間経過した後、温度を所定の温度まで降下した後、解圧し、積層合板PWとしたものである。
即ち、加熱工程によって加熱した積層された薄板Wに、その薄板Wの面に対して直角方向の圧縮力を加える押圧工程を行い、その押圧工程で所定の温度で所定時間押圧した後、加熱工程で供給していた温度を降下させる固定工程を経て、積層合板PWを得るものである。
ここで、前記積層工程以降で前記積層された薄板Wの温度を上昇させるべく加熱する工程を加熱工程と呼び、また、加熱工程によって加熱され、積層された薄板Wに、薄板Wの面に対して直角方向の圧縮力を加える工程を、押圧工程と呼ぶ。そして、前記押圧工程で所定時間押圧した後、前記加熱工程で供給していた温度を降下させる工程を、圧密化した状態を固定化する意味で固定工程と呼ぶこととする。
図5において、本実施の形態の積層合板PWを製造する圧密加工材製造装置MCは、主として、上プレス盤10Aと下プレス盤10Bとの2分割された構造体によって内部空間IS及び位置決め孔18を形成するプレス盤10と、下プレス盤10Bの周縁部10bに対向する上プレス盤10Aの周縁部10aに配設され、下プレス盤10Bには加圧前多層材NWの位置を定め規制する位置決め孔18が形成され、上プレス盤10Aの所定の上下動の範囲で内部空間IS及び位置決め孔18を密閉状態とするシール部材11と、上プレス盤10Aの上面側から内部空間IS内に連通され、内部空間IS及び位置決め孔18内に蒸気を供給するための配管口12aを有する配管12と、その上流側のバルブV4と、下プレス盤10Bの側面側から内部空間IS及び位置決め孔18内に連通され、内部空間IS内から水蒸気を排出するための配管口13aを有する配管13と、配管13内の蒸気圧を検出する圧力計P2と、その下流側のバルブV5と、バルブV5に接続されたドレン配管14等から構成されている。
また、プレス盤10の上プレス盤10A及び下プレス盤10B内には、それらを高温の水蒸気を通すことによって所望の温度に昇温するための配管路15,16が形成されており、これら配管路15,16には蒸気供給側の配管ST1から分岐された配管ST2,ST3、蒸気排出側の配管ET1,ET2がそれぞれ接続されている。そして、蒸気供給側の配管ST1,ST2,ST3の途中にはバルブV1,V2,V3、配管ST1内の蒸気圧を検出する圧力計P1が配設されており、蒸気排出側の配管ET1,ET2は、バルブV6を介してドレン配管14に接続されている。
なお、配管ST1に水蒸気を供給するボイラ装置、また、プレス盤10の固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aを上昇/下降させ加圧するための油圧機構を含むプレス昇降装置は省略されている。
本実施の形態1では、プレス盤10の上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで形成される内部空間IS及び位置決め孔18内を加熱するためにバルブV4に接続された配管12を用いて高温の水蒸気を導入しているが、この他、高周波加熱、マイクロ波加熱等を用いることも可能である。特に、木材に対する高周波加熱は、マイクロ波による誘電過熱よりも、マイクロ波よりも若干周波数の低い高周波で、木材の中心から加熱する方法が好適である。
更に、プレス盤10には、上プレス盤10A及び下プレス盤10B内に形成された配管路15,16に水蒸気に換えて低温の冷却水を通すことによって所望の温度に冷却する冷却水供給側の配管ST11から分岐された配管ST12,ST13が、上記配管ST2,ST3にそれぞれ接続されている。また、冷却水供給側の配管ST11,ST12,ST13の途中にはバルブV11,V12,V13が配設されている。なお、配管ST11に冷却水を供給する冷却水供給装置は省略されている。
勿論、本発明を実施する場合には、プレス盤10にてプレス圧縮される方向は、加圧前多層材NWの5枚の薄板W1,・・・,W5の面に対して直角方向に圧縮力が加えられる。
そして、このように構成される圧密加工材製造装置MCによって加圧前多層材NWから積層合板PWを製造するにあたり、まず、図6(a)に示すように、圧密加工材製造装置MCにおけるプレス盤10の固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aが上昇し、予め所定の条件に乾燥させた加圧前多層材NWが、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで形成される内部空間IS及び位置決め孔18内に載置される。
ここで、本実施の形態においては、積層合板PWの原材料となる加圧前多層材NWは、所定の寸法(厚み・幅・長さ)に形成されたものであり、5枚の薄板W1,・・・,W5の面側をプレス盤10の上プレス盤10A及び下プレス盤10Bに対向させ、下プレス盤10Bの位置決め孔18に載置した。
続いて、図6(b)に示すように、固定側の下プレス盤10Bの位置決め孔18上に載置された加圧前多層材NWに対して上プレス盤10Aを所定圧力にて下降させて加圧前多層材NWの上面、即ち、本実施の形態においては、薄板W1,・・・,W5の面に対して垂直方向に当接させる。そして、上プレス盤10Aの配管路15及び下プレス盤10Bの配管路16に所定温度(例えば、110〜180〔℃〕)の水蒸気が通され、内部空間IS及び位置決め孔18内が所定温度(例えば、110〜180〔℃〕)に保持される。
次に、固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aの圧縮力が所定圧力(例えば、20〜50kg/cm2)に設定され、加圧前多層材NWが上プレス盤10A及び下プレス盤10Bにて所定時間(例えば、5〜40〔min〕)加熱圧縮される。なお、このときの圧縮力は、割れを防止するために、加圧前多層材NWの温度上昇、即ち、加圧前多層材NWの内部の温度の伝達状態に応じて徐々に大きくするのが望ましく、加熱圧縮の時間も伝達時間を考慮して設定するのが好ましい。オイルパームにおいては、樹齢によって変化するが、通常、5〜20〔min〕で運転される。
更に、図6(c)に示すように、上プレス盤10Aの周縁部10aが下プレス盤10Bの周縁部10bに当接すると上プレス盤10Aの周縁部10aに配設されたシール部材11によって、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bにて形成される内部空間IS及び位置決め孔18が密閉状態となる。ここで、内部空間IS及び位置決め孔18内に配管12の配管口12aによって蒸気が供給される。このとき水蒸気は、乾燥状態にあったオイルパーム基材Wまたは加圧前多層材NWを同時に所定の湿度にバランス良く湿潤させる。そして、内部空間IS及び位置決め孔18の密閉状態で上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによる圧縮力が保持されたまま、所定温度(例えば、150〜210〔℃〕)まで上昇される。
なお、本実施の形態において、プレス盤10の上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによって形成される内部空間IS及び位置決め孔18がシール部材11を介して密閉状態となったときにおける内部空間IS及び位置決め孔18の上下方向の寸法間隔は、プレス盤10によって加圧前多層材NWが圧縮率70%の積層合板PWとなるときの厚み方向の仕上がり寸法に設定されている。このため、加圧前多層材NWの厚み全体の圧縮率、即ち、加圧前多層材NWの圧縮による板厚の変化は、上プレス盤10Aの周縁部10aが下プレス盤10Bの周縁部10bに当接することで決まることとなる。
そして、図6(c)に示す内部空間IS及び位置決め孔18の密閉状態で、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bの圧縮力が維持され、かつ、内部空間IS及び位置決め孔18が所定温度(例えば、150〜210〔℃〕)のまま、所定時間(例えば、オイルパームでは20〜60〔min〕)保持され、この後の冷却圧縮を解除したときに、戻りのない積層合板PWを形成するための加熱処理が行われる。このとき、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで密閉状態とされている内部空間IS及び位置決め孔18を介して、加圧前多層材NWの周囲面とその内部とでは高温高圧の蒸気圧が出入り自在となっている。
なお、このように、本実施の形態においては、加圧前多層材NWの表裏面に上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが面接触し、密閉状態の内部空間IS及び位置決め孔18に保持されるため、加圧前多層材NWは、厚み全体が十分に加熱され、効率よく圧縮変形されることになる。
次に、図6(d)に示すように、内部空間IS及び位置決め孔18の密閉状態で加熱圧縮処理が行われているときに、蒸気圧制御処理として圧力計P2で内部空間IS及び位置決め孔18の蒸気圧が検出され、バルブV5が適宜、開閉される。これにより、配管口13a、配管13を通って内部空間IS及び位置決め孔18からドレン配管14側に高温高圧の水蒸気が排出されることで、特に、加圧前多層材NWの外層部分の含水率に基づく余分な内部空間IS及び位置決め孔18内の水分が除去され、内部空間IS及び位置決め孔18内が所定の蒸気圧となるように調節される。また、必要に応じて、バルブV4に接続された配管12、配管口12a(図5)を介して内部空間ISに所定の蒸気圧を供給することができる。これらにより、木材の加熱圧縮処理の定着、所謂、木材の固定化がより促進されることとなる。
更に、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによる加熱圧縮から冷却圧縮へと移行する直前に、蒸気圧制御処理としてバルブV5が開状態とされることで配管口13a、配管13を通って内部空間IS及び位置決め孔18からドレン配管14側に高温高圧の水蒸気が排出される。
続いて、図6(e)に示すように、上プレス盤10Aの配管路15及び下プレス盤10Bの配管路16に常温の冷却水が通されることによって、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが常温前後まで冷却され、材料によって異なる所定時間(例えば、オイルパームでは10〜60〔min〕)保持される。なお、このときの固定側の下プレス盤10Bに対する上プレス盤10Aの圧縮力は、加熱圧縮の際の圧力と同じ所定圧力(例えば、20〜50kg/cm2)に保持されたまま、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが冷却される。
そして、最後に、図6(f)に示すように、固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aを上昇させ、内部空間IS及び位置決め孔18から仕上がり品である積層合板PWが取出されることで一連の処理工程が終了する。
本実施の形態の積層合板PWを製造する圧密加工材製造装置MCは、主として、上プレス盤10Aと下プレス盤10Bとの2分割された構造体によって内部空間IS及び位置決め孔18を形成するプレス盤10を具備しているが、本発明を実施する場合の加圧前多層材NWの外周の移動規制は枠体20とすることもできる。この加圧前多層材NWの外周の移動規制としての枠体20は、上プレス盤10Aの寸法によって、上下動自在な構造とするか、固定構造とするかが決定される。
図7に示す枠体20は、上下動自在な構造としたもので、図5及び図6の下プレス盤10Bに配設されるものである。
下プレス盤10Bのベース板25に同一高さの外側下プレス盤10Ba及び内側下プレス盤10Bbを配設し、その間に枠体溝21を形成する。枠体溝21のベース板25側には複数のコイルスプリング22が配設され、その上部に四角の可動枠23が配設されている。可動枠23の内面には、切欠きが形成されていて加圧前多層材NWの側面からの水蒸気等の流体を導く流体路24となっている。四角の可動枠23の内周は加圧前多層材NWの外周に略等しくなっており、四角の可動枠23に加圧前多層材NWが入ると各薄板W1,・・・,W5に位置ずれが生じないようになっている。したがって、上プレス盤10Aが下降した時、それが下プレス盤10Bの寸法以上の広さを有していても、可動枠23と当接すると、可動枠23が複数のコイルスプリング22の弾性に抗して下降し、加圧前多層材NWの圧縮に応答する。そして、複数のコイルスプリング22の移動限界で加圧前多層材NWの圧縮が終了する。勿論、下プレス盤10Bの可動枠23に対して上プレス盤10Aが挿入される構造である場合には、下プレス盤10Bに可動枠23を固定配置とすることができる。
このようにして、薄板W1,・・・,W5の繊維の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、薄板W1,・・・,W5の厚みが加熱圧縮され、圧密加工されて圧縮率70%以上とした積層合板PWが製造される。
なお、本実施の形態においては、蒸気圧を制御した後、徐々に解圧して内部蒸気圧を開放し、また、冷却によって加圧前多層材NW内の水蒸気圧を下げて定着させるので、冷却圧縮を解除したときに膨らみ変形やパンクと呼ばれる表面割れのない積層合板PWを形成できる。即ち、本実施の形態で製造した積層合板PWは、圧縮解除後に膨らみ変形や表面割れを生じることがなく、安定した品質が確保されている。本実施の形態では、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bを用いて圧縮し、定着して積層合板PWを得ているが、本発明を実施する場合には、通常の電子レンジが使用するマイクロ波の周波数帯域よりも若干周波数の低い高周波で誘電加熱して加圧前多層材NWを加熱圧縮し、定着しても、積層合板PWを得ることができる。
本実施の形態における5枚の薄板W1,・・・,W5は、その厚みを1.5mm,2.0mm,2.5mm,3.0mm,3.5mm,4.0mm,4.5mm,5.0mm,5.5mm,6.0mmのものを、その繊維長が直角に交差するように各同一厚さの5枚の薄板W1,・・・,W5を配置した加圧前多層材NWから圧縮して積層合板PWを製造した。
基本的に圧縮前の加圧前多層材NWの厚み7.5〜30mmに対して、3〜10mmの圧密加工を行った積層合板PWを得た。供給する水蒸気の温度は、110〜210度に上昇させ、その間に加えた圧縮力は20〜50kg/cm2である。ここで、1.5mmの薄板Wは5枚積層することにより、7.5mmの加圧前多層材NWとなるが、実験室レベルでの所定の圧縮率で圧縮した場合の圧縮誤差及び解圧後の膨張によって1割以下であるが誤差が介在している。
また、念のため、本実施の形態における5枚の薄板W1,・・・,W5は、その厚みを1.5mm,2.0mm,2.5mm,3.0mm,3.5mm,4.0mm,4.5mm,5.0mm,5.5mm,6.0mmのものを、その繊維長が平行になるように各同一厚さの5枚の薄板W1,・・・,W5を配置した加圧前多層材NWから圧縮して積層合板PWを製造した。
前者と同様に、基本的に圧縮前の加圧前多層材NWの厚み7.5〜30mmに対して、3〜10mmの圧密加工を行った積層合板PWを得た。供給する水蒸気の温度は、110℃から210度に上昇させ、その間に加えた圧縮力は20〜50kg/cm2である。
表1では、繊維長が直角に交差するように各同一厚さの5枚の薄板W1,・・・,W5を配置した加圧前多層材NWを「交差接合状態」と示し、繊維長が平行する加圧前多層材NWを「平行接合状態」として示した。表1は耐久試験の結果であり、4月〜6月の3か月間太陽光が使用者される場所に置き、自然の天候条件下で、晴れの日には10時と4時に水を30分間噴霧したものである。「交差接合状態」の1.5mmと2.0mmの積層合板PWでは、部分的に表面が面一でなくなり、内部で気泡の発生、剥離等が発生している可能性があった。即ち、使用環境条件の拘束を受けることが判明した。この試験では、自然界の温度の急変に対する対応を検討したものである。ここで、「交差接合状態」よりも「平行接合状態」の方が互いの結合が容易であり、良好な強度が得られることを証明している。しかし、繊維方向が特定方向に定まっているから、板としての平面性には欠けるが、逆に、積層合板PWを巻回して搬送すること、特定の弧状のコンクリート枠等として使用することもできる。
しかし、他の試料は、ヘミセルロースはリグニンとセルロースとの結び付ける機能を有しているから、オイルパーム幹WDの自然栽培されている状態では、互いにどれだけ干渉し合っているかは不明であるが、所定の温度(120℃以上)、例えば、リグニンの反応開始温度の80度以上に温度を上げることにより、ヘミセルロースの反応開始温度の60度以上となり、互いに反応し、接合力が強くなり、堅固な材料となることが判明した。
「交差接合状態」の1.5mmと2.0mmの積層合板PWでは、0.2〜1.0mm
の繊維が交差すると、その交差位置では、ヘミセルロースがリグニンとセルロースとの結び付きを行っても、所定の温度及び圧縮力で得られる絶対的ヘミセルロース及びリグニン、セルロースの総量が少なく、接合が完全に行われていないと推定される。
また、発明者らは、過酷な使用条件として表2の試験を行った。なお、多くの試料を使用したが、今回提出の試料は、顕著な特徴が表れているところを抽出したものである。
積層合板Aは4枚の薄板Wからなり、その薄板Wの厚みを3.0mmとしたものである。また、積層合板Bは4枚の薄板Wからなり、その薄板Wの厚みを2.5mm+3.0mm+2.5mm+3.0mmとしたものである。積層合板Cは3枚の薄板Wからなり、その薄板Wの厚みを2.5mm+3.0mm+2.5mmとしたものである。積層合板Dは3枚の薄板Wからなり、その薄板Wの厚みを3.0mm+3.0mm+3.0mmとしたものである。
加圧前多層材NWと積層合板PWの圧縮率は、式
(加圧前多層材NWの厚み−積層合板PWの厚み)/加圧前多層材NWの厚み
で算出した。
ここで、30℃の湯と、60℃の湯につけるという過酷な試験を行った。積層合板A及び積層合板Bは30℃の湯につけても90分以内に変化はなかった。しかし、60℃の湯につけると45分で積層面が軟化した。
また、積層合板Cでは、30℃の湯につけても30分で積層面が軟化した。即ち、これはヘミセルロースの反応開始温度の60℃以上の問題ではなく、圧縮力の影響が出ていると推定できる。圧縮力を大きくすると積層合板Cの内部の空気がなくなり、緻密な接合が行われるものの、圧縮力が弱いと繊維を潰すことなく形式的な接合が行われているに過ぎないので、そこに湯が入り全体が軟化したものと推定される。当然、60℃の湯につけても15分で積層面が軟化した。
そして、積層合板Dは、薄板Wの厚みを増加させ、圧縮力を増加させることにより、30℃の湯に45分間は問題なく着けられており、また、60℃の湯でも15分間は耐えている。したがって、圧縮力を大きくすることが必要要件であり、圧縮率からいえば65%以上の圧縮率が望ましい。特に、70%以上の圧縮率が安全性が高くなる。また、圧縮率が低い場合には、表面に撥水性のコーティング剤の塗布が望ましい。
即ち、試験的には、圧縮率が65%以上であると、薄板W1,・・・,W5を互いに繊維長が直角に交差するように配置してなる加圧前多層材NWとし、しかも、薄板Wの厚みは2.5mmに境界線があるから、2.5mm以上であることが望ましい。
特に、自然界で30℃の湯中に積層合板PWが浸漬される条件は皆無であるが、それでも、薄板Wの厚みは2.5mm、圧縮率が65%以上であれば、使用できることを示している。
また、60℃の湯中に積層合板PWが浸漬される条件は、ヘミセルロースがリグニンとセルロースとの結付きを阻害する可能性を確認するものであるが、圧縮率が65%以上であれば、それも現れ難いことを示している。
しかし、圧縮率の境界線が65%程度にあることを意味するものであるから、大量生産する場合には、望ましくは65%以上であり、また、薄板Wの厚みも3.0mm以上が望ましい。
更に、発明者らは、オイルパーム基材Wが直行する3枚からなり、各厚みが4mmのものを使用して表2及び表3と同様の実験を行った。圧縮率が50%を割る48.75%で60℃の湯に対して浸漬されないことが確認された。即ち、圧縮率は50%以上であればよく、圧縮率40%以上であれば実用的に問題が生じないことが確認された。
上記のように、本実施の形態のオイルパーム薄板Wの接合を行う組成物は、所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながらロータリーレースで刃物CTを当てて、所定の厚みに剥いて薄板Wを形成し、所定の厚みで剥いた薄板Wを乾燥させて、所定枚数積層し、薄板Wの温度を上昇させ、かつ、前記積層された薄板Wを薄板Wの面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮し、積層合板PWとして接合するオイルパーム薄板Wの接合組成物において、薄板Wを一体に接合する前記接合組成物は、所定の厚みに剥いた薄板Wの面を接着機能を有する接合面とし、複数枚の薄板Wの温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の薄板Wをオイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分としたものである。
したがって、オイルパーム幹WDは節、年輪がないからロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板Wを作成する場合、均質な薄板Wが得られ、結果的に、その薄板Wからなる積層合板PWは均質なものとなる。また、加える温度と圧力によってオイルパーム幹WD自体が含有する樹脂成分及び糖成分によってその接合力を変化させるから、加える温度と圧力の制御によって任意の接着力が得られる。そして、複数枚の薄板Wをオイルパーム幹WD自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合して前記積層合板を形成するものであるから、他の合成樹脂、合成ゴムを接着材として使用していないから、自然に戻すことができ公害問題を引き起こさない。更に、オイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって接合されるときの圧縮力によって、薄板Wの空隙が殆どなくなり、緻密な組織になるから、耐水性があり、かつ、防水、防虫性に富み、建築材料として使用しても耐用年数が長くなる。
特に、ヘミセルロースはリグニンとセルロースとの結び付ける機能を有しており、オイルパーム幹WDの自然栽培されている状態では、互いにどれだけ干渉し合っているかは不明である。しかし、所定の温度、例えば、リグニンの反応開始温度の80度以上に温度を上げることにより、ヘミセルロースの反応開始温度の60度以上となり、互いに反応し、堅固な特性となることが確認された。
本実施の形態のオイルパーム薄板の接合組成物は、所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から刃物CTで所定の厚みに剥いて薄板Wを形成し、前記所定の厚みで剥いた薄板Wを乾燥させて、所定枚数積層し、薄板Wの温度を上昇させ、かつ、前記積層された薄板Wを薄板Wの面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮し、積層合板PWとして接合するオイルパーム薄板Wの接合組成物において、薄板Wを一体に接合する接合組成物は、複数枚の薄板Wの温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の薄板Wをオイルパーム幹WD自体が含有する樹脂成分及び糖成分としたものである。
したがって、オイルパーム幹WDは節、年輪がないからロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板Wを作成する場合、均質な薄板Wが得られ、結果的に、その薄板Wからなる積層合板PWは均質なものとなる。また、加える温度と圧力によってオイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分によってその接合力を変化させるから、加える温度と圧力の制御によって任意の接着力が得られる。そして、複数枚の薄板Wをオイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分によって接合して積層合板PWを形成するものであるから、他の合成樹脂、合成ゴムを接着材として使用していないから、自然に戻すことができ公害問題を引き起こさない。更に、オイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって接合されるときの圧縮力によって、薄板Wの空隙が殆どなくなり、緻密な組織になるから、耐水性があり、かつ、防水、防虫性に富み、建築材料として使用しても耐用年数が長くなる。
上記実施の形態のオイルパーム薄板の接合組成物における前記オイルパーム薄板Wを一体に接合してなる積層合板PWは、前記複数枚積層した薄板Wの1枚をオイルパーム薄板W以外の薄板、即ち、例えば、桧、杉、米桧、桧葉、米杉、唐松、赤松、栗、欅、槇、樫、桜、樅、栂等の木目を生かした薄い板材WUを、図8(a)のように、片側の露出面に配設することにより、当該薄い板材WUをオイルパーム薄板Wの接着能力で接合することができる。また、それら片側の露出面に配設した木目を生かした意匠とすることができる。したがって、積層合板PWの片側の面のみを他の材料からなる薄い木材、竹材とすることができる。特に、化粧板として使用するのに好適である。
上記実施の形態のオイルパーム薄板の接合組成物における前記オイルパーム薄板Wを一体に接合してなる積層合板PWは、複数枚積層した薄板Wの両端面の2枚をオイルパーム薄板W以外の薄板とし、即ち、例えば、桧、杉、米桧、桧葉、米杉、唐松、赤松、栗、欅、槇、樫、桜、樅、栂等の木目を生かした薄い板材WUを、図8(b)のように、片側の露出面に配設することにより、当該薄い板材WUをオイルパーム薄板Wの接着能力で接合することができる。この片側の露出面に配設した薄い板材WUは、木目を生かした意匠とすることができる。また、反対面の露出面に配設した薄い板材WVは、耐湿度、耐震動、耐防虫性等の木材の性質を利用した特性とすることができる。したがって、積層合板PWの片側の面のみを他の材料からなる薄い木材、竹材とすることができる。特に、化粧板として使用するのに好適である。
上記実施の形態のオイルパーム薄板の接合は、所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに刃物CTで剥いて薄板に形成する工程を薄板工程とすることができる。また、薄板Wを乾燥する薄板Wの乾燥工程は、薄板Wに形成する工程と同一行程であっても、別工程であってもよく、これを薄板乾燥工程とすることができる。
そして、乾燥させた薄板Wを所定の状態に複数枚加圧前多層材NWとして積層する工程は、通常、2枚乃至5枚の単位で積層して使用されるが、原理的には、2枚以上の積層であればよく、これを積層工程とすることができる。
更に、積層工程以降で積層された薄板Wの温度を上昇させるべく加熱する工程で、水蒸気または電熱を導入して加熱または熱板で加熱する工程は、加熱エネルギを供給するから加熱工程とすることができる。更にまた、前記加熱工程によって加熱された前記積層された薄板Wに対して、薄板Wの面に直角方向の圧縮力を加える工程は、所定の圧縮率で薄板Wの圧縮、即ち、加圧前多層材NWの圧縮が行えればよい。この工程は、押圧工程とすることができる。
加えて、前記押圧工程で所定時間押圧した後、前記加熱工程で供給していた温度を降下させ、積層合板PWの圧縮状態を固定し、所定の圧縮率で圧縮していた圧縮力を解圧するものであり、これを積層合板PWから捉えて固定工程とすることができる。
このように、上記実施の形態のオイルパーム薄板の接合方法は、所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに刃物CTで剥いて複数枚の薄板Wに形成する薄板工程と、その薄板Wを乾燥する薄板乾燥工程と、前記薄板乾燥工程で乾燥させた薄板Wを所定の状態に複数枚積層する積層工程と、前記積層工程以降で前記積層された薄板Wの温度を上昇させるべく加熱する加熱工程と、前記加熱工程によって加熱された前記積層された薄板Wに、薄板Wの面に対して直角方向の圧縮力を加える押圧工程と、前記押圧工程で所定時間押圧した後、前記加熱工程で供給していた温度を降下させる固定工程とを具備するものである。
したがって、これらの工程で使用されるオイルパーム幹WDは節、年輪がないからロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板Wを作成する場合、均質な薄板Wが得られ、結果的に、その薄板Wからなる積層合板PWは均質なものとなる。また、加える温度と圧縮力によってオイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によってその接合力を変化させることができるから、加える温度と圧縮力の制御によって任意の接着力が得られる。そして、前記複数枚の薄板Wをオイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって接合して積層合板PWを形成するものであるから、他の合成樹脂、合成ゴムを接着材として使用していないから、自然に戻すことができ公害問題を引き起こさない。更に、オイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって接合されるときの圧縮力によって、薄板Wの空隙が殆どなくなり、緻密な組織になるから、耐水性があり、かつ、防水、防虫性に富み、建築材料として使用しても耐用年数が長くなる。
上記実施の形態の前記薄板乾燥工程で乾燥させた薄板Wを所定の状態に積層する積層工程の5枚の薄板W1,・・・,W5の各辺を位置決めする枠体20または位置決め孔18は、所定の積載面を規制する枠体20または位置決め孔18であり、複数枚の薄板Wの面の上下及び左右を規制するものである。したがって、その圧縮力を加える面に対して直角方向に薄板Wが伸びることが防止され、積層合板PWの位置によって厚い個所と薄い個所が生じることがない。
上記実施の形態の薄板Wを所定の状態に複数枚積層する積層工程では、前記複数枚積層した薄板W1,・・・,W6の1枚の薄板W1をオイルパーム薄板W以外の薄板WUとし、オイルパーム薄板W以外の薄板WUを含めて積層合板PWとして一体に接合したものである。このように、オイルパーム薄板W2,・・・,W6の接合組成物におけるオイルパーム薄板W2,・・・,W6を薄板WU(W1)一体に接合してなる積層合板PWは、前記複数枚積層した薄板W1,・・・,W6の1枚の薄板W1をオイルパーム薄板W以外の薄板WU(W1)、即ち、例えば、桧、杉、米桧、桧葉、米杉、唐松、赤松、栗、欅、槇、樫、桜、樅、栂等の木目を生かした薄い板材WU(W1)を、図8(a)のように、片側の露出面に配設することにより、当該薄い板材WU(W1)をオイルパーム薄板W2,・・・,W6の接着能力で接合することができる。また、それら片側の露出面に配設した木目を生かした意匠とすることができる。したがって、積層合板PWの片側の面のみを他の材料からなる薄い木材、竹材とすることができる。特に、化粧板として使用するのに好適である。
上記実施の形態の薄板W1,・・・,W7を所定の状態に複数枚積層する積層工程では、前記複数枚積層した薄板W1、W7の両端面の2枚をオイルパーム薄板W以外の木材等からなる薄板WU(W1)と薄板WV(W7)とし、オイルパーム薄板W以外の薄板WU(W1)と薄板WV(W7)を含めて積層合板PWとして一体に接合したものである。この実施の形態の積層合板PWは、複数枚積層した薄板W1,・・・,W7の両端面の2枚をオイルパーム薄板W以外の薄板WU(W1)と薄板WV(W7)とし、即ち、例えば、桧、杉、米桧、桧葉、米杉、唐松、赤松、栗、欅、槇、樫、桜、樅、栂等の木目を生かした薄い板材WU(W1)を、図8(b)のように、片側の露出面に配設することにより、当該薄い板材WU(W1)と薄板WV(W7)をオイルパーム薄板W2,・・・,W6の接着能力で接合することができる。この片側の露出面に配設した薄い板材WUは、木目を生かした意匠とすることができる。また、反対面の露出面に配設した薄い板材WVは、耐湿度、耐震動、耐防虫性等の木材の性質を利用した特性とすることができる。したがって、積層合板PWの片側の面のみを他の材料からなる薄い木材、竹材とすることができる。特に、化粧板として使用するのに好適である。
上記実施の形態の薄板W1,・・・,W6または薄板W1,・・・,W7を、所定の状態に複数枚積層する積層工程では、前記複数枚積層した薄板W1,・・・,W6または薄板W1,・・・,W7の片側の面の1枚または両端面の2枚をオイルパーム薄板W1,・・・,W6または薄板W1,・・・,W7以外の木材等からなる薄板WU及び/または薄板WVとし、オイルパーム薄板W1,・・・,W6または薄板W1,・・・,W7以外の薄板を含めて積層合板PWとして一体に接合したものである。ここでは、薄板Wを1以上とすることができる。
勿論、オイルパーム薄板W1,・・・,W6または薄板W1,・・・,W7以外の木材等からなる薄板WU及び/または薄板WVをラワン材とすることもできる。また、ベニヤ板と同様に、所定長のラワン材の幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板をオイルパーム薄板W以外の木材からなる薄板WU及び/または薄板WVとすることができる。
なお、ここにおける接合には、オイルパーム幹の薄板は凹凸面に対して逆の凸凹面に成型する能力があることから、その成形能力を利用した機械的接合も含まれている。
本実施の形態で説明している圧密加工とは、前記オイルパーム薄板W等を所定の温度条件下で所定の圧縮力を加えて圧縮し、所定の時間経過後、前記温度を所定の温度まで降下させて解圧する固定化によって、基材を所定の圧縮率で圧縮する加工である。
このとき、前記オイルパーム幹WDの維管束Aは、図10(a)に示すように、ほぼ円形で(最大長+最小長)/2で算出した維管束Aの平均径(相加平均=算術平均)は、0.4〜1.2mmの太さであり、その中に導管Bも形成されている。維管束Aの太さは、オイルパーム幹WDの位置によって大きく変化し、図9に示すように一般に、上側では細く、根元側では太くなっている。また、オイルパーム幹WDの切断面の位置からすれば、外周側の維管束Aの断面は細く、中心に向かって徐々に太くなっている。
このオイルパーム薄板Wの維管束Aが破壊されると、ささくれた(棘が刺さり易い)表面となり、表面的には圧密加工しない状態の表面との違いがなくなる。特に、維管束Aの破壊は通常よりも硬いささくれが立つので、その取扱いが危険になる。そこで、硬いささくれが立たない状態を図10(b)に示すような1mm以上と特定したものである。
圧密加工においては、圧縮力の方向に対して、直角方向の伸びを規制している。即ち、オイルパーム薄板Wに対して特定方向から圧縮力を加える。その加える圧縮力に対して、オイルパーム薄板Wは軟化して垂直方向に流動する。圧縮力の方向に対して直角方向の伸びを規制しない場合には、オイルパーム薄板Wの全体が、圧縮力を受けている位置から流れ出し、圧縮力が加わっていない所に集まってしまう。そこで、オイルパーム薄板Wの外周に対して圧縮力が加わっても軟化しているオイルパーム薄板Wが流れ出さないように、圧縮力の方向に対して直角方向の伸びを規制している。
維管束Aの周囲はシリカ結晶が付着して硬く、導管Aが圧密加工によって変形しても、0.4〜1.2mmの太さの1/10〜2/10程度の変形にすぎない。圧密加工では、維管束Aを除く柔細胞Cの変形となって変化する。しかし、維管束Aに直接外力が及ぶように圧縮しても、機械的強度が変化しないか、逆に、降下するので、オイルパーム幹WDから製材したオイルパーム薄板Wは圧密加工された厚みが1mm以上の厚みであることが望ましい。
オイルパーム幹WDの維管束Aが1.2mmの太さのとき、圧密加工された維管束Aは0.8〜0.9mm程度となり、維管束Aを除く柔細胞Cの存在は0.1〜0.2mm程度であるから、その圧密加工状態の機械的強度が大きくなっている。
しかし、維管束Aが破壊される圧力で圧縮したときには、機械的強度が変化しないか、或いは、機械的強度が降下するので圧密加工したオイルパーム薄板Wの厚みは、少なくとも1.0mmは必要となる。例えば、圧密加工したオイルパーム薄板Wの厚みが0.8mm以下の厚みでは、0.4mmの維管束Aは安全であるが、維管束Aの1.2mmのものが多少縮径されたとしても破壊される可能性がある。そこで、圧密加工したオイルパーム薄板Wの厚みが1.0mm以上とすれば、維管束Aが多少は縮径されることは当然であるから、破壊されたり、切断されたりすることがなくなる。
このようにして、圧密加工したオイルパーム薄板Wの厚みは1.0mm以上としたものである。
上記のように、本実施の形態のオイルパーム基材Wの圧密化に寄与する組成物は、所定長のオイルパーム幹WDから製材したオイルパーム基材Wが有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分としたものである。なお、発明者らの分析ではリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分が主となる組成物と認識しているが、分析能力が向上すると他の成分の関与が否定できなくなる可能性がある。少なくても、圧密化に寄与する成分が他にも存在する可能性は否定できない。
WD オイルパーム幹
CT 刃物
W、W1,・・・,W5 薄板
UWD 連続薄板
PW 積層合板
NW 加圧前多層材
MC 圧密加工材製造装置
IS 内部空間
10 プレス盤
10A 上プレス盤
10B 下プレス盤
18 位置決め孔
20 枠体

Claims (8)

  1. 所定長のオイルパームの幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板を形成し、前記所定の厚みで剥いた前記薄板を乾燥させて、所定枚数積層し、前記薄板の温度を上昇させ、かつ、前記積層された前記薄板を前記薄板の面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮し、積層合板として接合するオイルパーム薄板の接合組成物において、
    前記薄板を一体に接合する前記接合組成物は、所定の厚みに剥いた前記薄板の面を接着機能を有する接合面とし、前記複数枚の薄板の温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の薄板を前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分としたことを特徴とするオイルパーム薄板の接合組成物。
  2. 所定長のオイルパームの幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて薄板を形成し、前記所定の厚みで剥いた前記薄板を乾燥させて、所定枚数積層し、前記薄板の温度を上昇させ、かつ、前記積層された前記薄板を前記薄板の面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮し、積層合板として接合するオイルパーム薄板の接合組成物において、
    前記薄板を一体に接合する前記接合組成物は、前記複数枚の薄板の温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の薄板を前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分としたことを特徴とするオイルパーム薄板の接合組成物。
  3. 前記オイルパーム薄板を一体に接合してなる積層合板は、前記複数枚積層した薄板の1枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とし、前記オイルパーム薄板以外の木材からなる薄板を含めて前記積層合板に一体に接合したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオイルパーム薄板の接合組成物。
  4. 前記オイルパーム薄板を一体に接合してなる積層合板は、前記複数枚積層した薄板の両端面の2枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とし、前記オイルパーム薄板以外の木材からなる薄板を含めて前記積層合板に一体に接合したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオイルパーム薄板の接合組成物。
  5. 所定長のオイルパームの幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて複数枚の薄板に形成する薄板工程と、
    前記薄板を乾燥する薄板乾燥工程と、
    前記薄板乾燥工程で乾燥させた前記薄板を所定の状態に複数枚積層する積層工程と、
    前記積層工程以降で前記積層された前記薄板の温度を上昇させるべく加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程によって加熱された前記積層された前記薄板に、前記薄板の面に対して直角方向の圧縮力を加える押圧工程と、
    前記押圧工程で所定時間押圧した後、前記加熱工程で供給していた温度を降下させる固定工程と
    を具備することを特徴とするオイルパーム薄板の接合方法。
  6. 前記薄板乾燥工程で乾燥させた薄板を所定の状態に積層する積層工程は、所定の積載面を規制する枠体で前記薄板の面の上下及び左右を規制することを特徴とする請求項5に記載のオイルパーム薄板の接合方法。
  7. 前記薄板を所定の状態に複数枚積層する積層工程では、前記複数枚積層した薄板の1枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とし、前記オイルパーム薄板以外の木材からなる薄板を含めて前記積層合板に一体に接合したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のオイルパーム薄板の接合方法。
  8. 前記薄板を所定の状態に複数枚積層する積層工程では、前記複数枚積層した薄板の両端面の2枚をオイルパーム薄板以外の木材からなる薄板とし、前記オイルパーム薄板以外の木材からなる薄板を含めて前記積層合板に一体に接合したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のオイルパーム薄板の接合方法。
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