JP2014017431A - 太陽電池表面保護シート及びそれを有する太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池表面保護シート及びそれを有する太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】
過酷な屋外環境下での使用に耐えうる耐紫外線性、耐熱性を有し、さらに発電特性の向上に寄与する透明性や発電層、電極などを保護する防湿性に優れた太陽電池表面保護シート、およびそれを用いた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】
高分子基材からなる層(以下、高分子基材層という)、A層、B層を有する太陽電池モジュール用表面保護シート。
A層:厚みが10〜1,000nmであり、含ケイ素化合物を含む層。
B層:以下のB1層又はB2層である。
B1層:ポリイソシアネートによって架橋された樹脂、及び、紫外線吸収剤を含む層。
B2層:ポリイソシアネートによって架橋され、さらに紫外線吸収成分を有する樹脂を含む層。
【選択図】なし

Description

本発明は、過酷な屋外環境下での使用に耐えうる耐紫外線性、耐熱性を有し、さらに発電特性の向上に寄与する透明性や発電層、電極などを保護する防湿性に優れた太陽電池表面保護シート及び、それを用いた太陽電池モジュールに関する。
近年、石油、石炭をはじめとする化石燃料の枯渇が危ぶまれ、これらの化石燃料により得られる代替エネルギーを確保するための開発が急務とされている。その一つとして太陽光発電に関する研究・開発が盛んに行われており、普及が加速している。太陽光エネルギーを電気エネルギーに直接変換することが可能な太陽光発電は、半永久的で無公害の新たなエネルギー源として実用化されつつあり、実際に利用される上での価格性能比の向上が目覚しく、クリーンなエネルギー源としての期待が高い。
太陽電池モジュールの構造としては一般的に、太陽光が当たる表面部分をガラスで覆い、熱可塑性樹脂からなる充填材で間隙を埋め、裏面を封止シートで保護した構成となっている。
実際に発電を司る発電層には結晶シリコン、薄膜シリコン、化合物薄膜、有機薄膜などいくつかの種類があるが、それらの種類や電極の素材によって太陽電池モジュールの表面や裏面を封止する部材の要求特性や要求レベルが異なる。
しかし、多くの場合太陽電池モジュールの表面保護シートとしては機械的強度、耐候性、防湿性の観点からガラス素材が使用されている。しかし、ガラスは重く、フレキシブル性が無いため利用範囲が制限されるという問題点を抱えている。
この問題に対する解決方法として、ガラスの代替としてフィルムを用いる方法が検討されてきた。フィルムから構成される表面保護シートを適用することで、太陽電池モジュールの軽量化が実現し、フレキシブル性も付与できることから設置場所、設置形態などの適用性が向上する。中でも耐候性に優れるフッ素系樹脂フィルムは透明性、耐候性に優れているため、これを基材として防湿層を形成したシート設計で太陽電池表面保護シートとしての利用が報告されている(特許文献1)。また、ポリエステルフィルム上に紫外線遮断層、水蒸気遮断層を形成して耐紫外線性及び防湿性を付与した太陽電池表面保護シートの発明が報告されている(特許文献2)。さらに、耐候性フィルム、バリアフィルム、接着性フィルムの順にドライラミネート方式または溶融押し出し樹脂を接着性樹脂として積層した太陽電池表面保護シートの発明も報告されている(特許文献3)。
特開2009−212424号公報 特開2006−253565号公報 特許3701398号公報
前記特許文献1ではフッ素系樹脂フィルムのみを太陽電池表面保護材として使用している。フッ素系樹脂フィルム単体でもそれ自体の耐候性は優れるが、表面保護シートとして機械的強度などの観点で保護性に乏しい。また、フッ素系樹脂フィルムが紫外線遮断性を有さないために、表面保護層よりも下部に位置する各層に紫外線耐久性に乏しい層があると、紫外線劣化を生じる。また、特許文献2の構成ではポリエステルフィルム基材上に水蒸気遮断層と紫外線吸収性を有する層を順に積層しているが、最表面に紫外線吸収性を有する層が曝されるため、より多くの環境ストレス因子に曝され、耐久性の点で劣ること、表面に汚れ等が付着し易く、透明性の低下を生じる。また、特許文献3の構成は接着剤を介して耐候性フィルム、バリアフィルム、接着性フィルムを積層したものであり、紫外線吸収剤を含むフッ素系樹脂フィルムを耐候性層とすること、フィルムの積層枚数が多くなることから、光の透過率が低下し易く、また、製造コスト、材料コスト共に高くなる。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような構成を採用する。すなわち、
(1) 高分子基材からなる層(以下、高分子基材層という)、A層、B層を有する太陽電池表面保護シート。
A層:厚みが10〜1,000nmであり、含ケイ素化合物を含む層。
B層:以下のB1層又はB2層である。
B1層:ポリイソシアネートによって架橋された樹脂、及び、紫外線吸収剤を含む層。
B2層:ポリイソシアネートによって架橋され、さらに紫外線吸収成分を有する樹脂を含む層。
(2) 前記ポリイソシアネートが、脂肪族系ポリイソシアネート及び/又は脂環族系ポリイソシアネートであることを特徴とする(1)に記載の太陽電池表面保護シート。
(3) 少なくとも一方の表面が、繰り返し構造中にフッ素原子を有するフッ素系樹脂を含む層(以下、C層という)であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の太陽電池表面保護シート。
(4) 高分子基材層、A層、B層、C層がこの順に積層されたことを特徴とする、(3)に記載の太陽電池表面保護シート。
(5) 前記A層について、含ケイ素化合物がケイ素酸化物であり、さらに亜鉛化合物を含むことを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の太陽電池表面保護シート。
(6) 前記A層について、ケイ素酸化物がSiOx(x=1〜2)であり、亜鉛化合物が酸化亜鉛であり、さらに酸化アルミニウムを含むことを特徴とする、(5)に記載の太陽電池表面保護シート。
(7) 前記A層が、ICP発光分光分析法により測定される亜鉛(Zn)原子の濃度が20〜40atom%、ケイ素(Si)原子の濃度が5〜20atom%、アルミニウム(Al)原子の濃度が0.5〜5atom%、酸素(O)原子の濃度が35〜70atom%であることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の太陽電池表面保護シート。
(8) 波長600nmの透過率T1が85%以上かつ波長360nmの透過率T2が5%以下であることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載の太陽電池表面保護シート。
(9) 前記高分子基材層を形成する樹脂が、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の太陽電池表面保護シート。
(10) (1)〜(9)のいずれかに記載の太陽電池表面保護シートを有する太陽電池モジュール。
本発明によれば、過酷な屋外環境下での使用に耐えうる耐紫外線性、耐熱性を有し、さらに発電特性の向上に寄与する透明性や発電層、電極などを保護する防湿性に優れた太陽電池表面保護シートが得られる。
実施例で使用した巻き取り式のスパッタリング装置の模式図。
以下、本発明について説明する。
[太陽電池表面保護シート]
本発明の太陽電池表面保護シートは、高分子基材からなる層(以下、高分子基材層という)、A層、B層を有するシートである。
A層:厚みが10〜1,000nmであり、含ケイ素化合物を含む層。
B層:以下のB1層又はB2層である。
B1層:ポリイソシアネートによって架橋された樹脂、及び、紫外線吸収剤を含む層。
B2層:ポリイソシアネートによって架橋され、さらに紫外線吸収成分を有する樹脂を含む層。
かかる構成とすることで、A層(厚みが10〜1,000nmであり、含ケイ素化合物を含む層)によって太陽電池モジュールの設置環境において、水蒸気がモジュール内部に浸入することが抑制されるため、本発明の表面保護シートを適用した太陽電池モジュールの活電部(発電層、電極層など)の劣化を抑制できる。
また、B層(ポリイソシアネートによって架橋された樹脂、及び、紫外線吸収剤を含む層(B1層)、又は、ポリイソシアネート化合物によって架橋され、さらに紫外線吸収成分を有する樹脂を含む層(B2層))によって紫外線による高分子基材からなる層や本発明の表面保護シートを適用した太陽電池モジュールの充填材層や活電部(発電層、電極層など)の劣化を抑制できる。すなわち、高い透明性を長期に亘って保持する太陽電池表面保護シートが得られる。
また、少なくとも一方の表面が、繰り返し構造中にフッ素原子を有するフッ素系樹脂を含む層(以下、C層という)である太陽電池表面保護シートであることが好ましい。
さらに、本発明の太陽電池表面保護シートは、少なくとも一方の表面(最表面側)にC層(繰り返し構造中にフッ素原子を有するフッ素系樹脂を含む層)を形成した場合、太陽電池表面保護シートの最表面に防汚性を付与できるので、より高い透明性を長期に亘って保持する太陽電池表面保護シートが得られるために好ましい。
また本発明の太陽電池表面保護シートは、高分子基材層、A層、B層の積層される順序に特に制限はないが、高分子基材層、A層、B層がこの順に積層されることが好ましく、高分子基材層、A層、B層、C層がこの順に積層されることが特に好ましい。このような順序で積層されることで、A層の上にB層を形成する場合、B層は紫外線遮断層として働くのみならず、A層表面の保護層としても作用するため、高分子基材層、A層、およびB層からなる積層シートに対して次工程の加工を行う場合、A層が傷付くことを抑制し、また防湿性が低下する現象の抑制に寄与すると考えられる。また、さらにB層よりも表面側に繰り返し構造中にフッ素原子を有するフッ素系樹脂を含む層(C層)を形成することで表面保護シート最表面に防汚性も付与可能となり、長期に亘って高い採光性を有する太陽電池表面保護シートとすることが可能となることから好ましい。なお、本発明の太陽電池表面保護シートは、高分子基材層、A層、B層、C層がこの順に積層されさえすれば、これらの各層の間に接着剤層等の別の層が介在してもよいし、これらの各層が直接積層されても構わない。

[高分子基材層]
前述の通り、高分子基材層とは、高分子基材からなる層である。ここで高分子基材とは、該高分子基材100質量%において、高分子を50質量%以上100質量%以下含む基材を意味し、その他に各種の添加剤を含有することができる。
本発明に用いられる高分子基材としては、フィルムを好適に用いることができる。そして高分子基材は、フィルム形態を有していればそれを構成する素材は特に限定されないが、本発明の太陽電池表面保護シートのフレキシブル性を考慮すると高分子としては有機高分子であることが好ましい。本発明に好適に用いることができる有機高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール等の各種ポリマーなどを挙げることができる。これらの中でも、熱寸法安定性や強度、耐熱性などの観点から、高分子基材を形成する樹脂はポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであることが好ましい。また、前記有機高分子は、単独重合体、共重合体のいずれでもよいし、1種類の有機高分子を用いてもよいし、複数種類の有機高分子をブレンドして用いてもよい。
高分子基材の形態としては、単層フィルム、あるいは、2層以上の、例えば、共押し出し法で製膜したフィルムであってもよい。フィルムの種類としては、一軸方向あるいは二軸方向に延伸されたフィルム等を使用してもよい。また、高分子基材の表面には、本高分子基材の表面に形成する機能層との密着性を良くするために、コロナ処理、イオンボンバード処理、溶剤処理、粗面化処理、および、有機物または無機物あるいはそれらの混合物で構成されるアンカーコート層の形成処理、といった前処理が施されていても構わない。
特に本高分子基材上にガスバリア層としてA層を形成する場合には、A層をより緻密で欠陥が少ない層とするための表面設計、組成は重要であり、アンカーコート層の形成処理は有用である。具体的にはアンカーコート層の形成処理により、高分子基材表面の鉛筆硬度、表面自由エネルギーや平均表面粗さなどを適切に調整することが重要となる。アンカーコート層を形成する方法としては、樹脂や希釈溶液などからなる塗液を塗布する方法が例示できる。例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などを用いることができる。
また、アンカーコート層を構成する樹脂は耐熱性、寸法安定性、強度、靭性などの観点から架橋樹脂であることが好ましい。架橋樹脂としては活性線効果型の樹脂や熱硬化型の樹脂が例示できる。活性線硬化型の樹脂を用いる場合、架橋させる際に用いられる活性線としては、紫外線、電子線、放射線(α線、β線、γ線)などが挙げられるが、実用上簡便に用いることができることから紫外線が好ましい。また、アンカーコート層を構成する架橋樹脂として熱硬化型の樹脂を用いる場合、架橋させる際に用いられる熱源としては、スチームヒーター、電気ヒーター、赤外線ヒーターなどがあるが、温度制御の安定性の観点から赤外線ヒーターが好ましい。
本発明に使用する高分子基材の厚さは特に限定されないが、柔軟性を確保する観点から500μm以下が好ましく、電気絶縁性、引張りや衝撃に対する強度を確保する観点から5μm以上が好ましい。さらに、フィルムの加工やハンドリングの容易性から下限は10μm以上が、上限は300μm以下がより好ましい。

[A層]
前述の通りA層とは、厚みが10〜1,000nmであり、含ケイ素化合物を含む層であり、これについて詳細を説明する。含ケイ素化合物を含む層は、いわゆるガスバリア性を有する層として知られているものである。本発明においてA層は、高分子基材の上に、あるいは高分子基材表面に形成されたアンカーコート層などの上に配置されることが好ましい。
本発明においてA層に好適に用いられる材料としては、含ケイ素化合物でありさえすれば特に限定されないが、含ケイ素化合物としてはケイ素酸化物であることが好ましい。さらにケイ素酸化物としては、膜質が非晶質かつ緻密に形成でき、優れたガスバリア性を有するSiOx(x=1〜2)で表されるケイ素酸化物が特に好ましい。

A層を有することにより、高いガスバリア性を発現することができるため、本発明の太陽電池表面保護シートはA層を有することが重要であるが、A層は高分子基材層の上に形成されることがより好ましく、その場合、高分子基材の耐熱性、熱寸法性、鉛筆硬度や表面自由エネルギーを適切にコントロールすることが重要である。
なおA層は、含ケイ素化合物を含むことが重要であるが、A層100質量%中に含ケイ素化合物を50質量%以上100質量%以下含むことが好ましい。そしてA層は、含ケイ素化合物を含んでいれば、他の化合物を含むことも可能であり、例えばA層は、Zn、Al、Ti、Zr、Sn、In、Nb、Mo、Ta等の元素の酸化物、窒化物、硫化物、または、それらの混合物を含んでいてもよい。中でも、A層は、含ケイ素化合物としてケイ素酸化物を含有し、さらに亜鉛化合物を含むことが好ましい。かかる組成により構成されるもののうち、とりわけ高いガスバリア性が得られるものとして、A層は、ケイ素酸化物としてSiOx(x=1〜2)で表されるケイ素酸化物、亜鉛化合物として酸化亜鉛を含み、さらに酸化アルミニウムを含むことが好ましい。
本発明に使用するA層の厚みは、ガスバリア性を発現する層の厚みとして10nm以上、1,000nm以下である。層の厚みが10nmより薄くなると、十分にガスバリア性が確保できない箇所が発生し、高分子基材面内でガスバリア性がばらつくなどの問題が生じる場合がある。また、層の厚みが1,000nmより厚くなると、層内に残留する応力が大きくなるため、曲げや外部からの衝撃によってA層にクラックが発生しやすくなり、使用に伴いガスバリア性が低下する場合がある。柔軟性を確保する観点から100nm以上、500nm以下が好ましい。A層の厚みは、通常は透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定することが可能である。
次に、A層について、酸化亜鉛、ケイ素酸化物(SiOx(x=1〜2))、及び酸化アルミニウムを含む態様について詳細を説明する。なお、酸化亜鉛、ケイ素酸化物(SiOx(x=1〜2))、及び酸化アルミニウムを含む層を、以後、「酸化亜鉛−ケイ素酸化物(SiOx(x=1〜2))−酸化アルミニウムが共存する層」又は「ZnOx−SiOx−AlOx」と記すこともある。また、本明細書においては、生成時の条件に依存する組成比のずれに関わらず、酸化亜鉛またはZnOx、酸化アルミニウムまたはAlOxと表記することとする。

本発明の太陽電池表面保護シートにおいてA層を適用することによりガスバリア性が良好となる理由は、酸化亜鉛−ケイ素酸化物(SiOx(x=1〜2))−酸化アルミニウムが共存する層においては、酸化亜鉛に含まれる結晶質成分と酸化ケイ素の非晶質成分とを共存させることによって、微結晶を生成しやすい酸化亜鉛の結晶成長が抑制され粒子径が小さくなるため層が緻密化し、酸素および水蒸気の透過が抑制されるためと推測している。
また、酸化アルミニウムを共存させることによって、酸化亜鉛とケイ素酸化物(SiOx(x=1〜2))を共存させる場合に比べて、より結晶成長を抑制することができるため、クラックの生成に起因するガスバリア性低下が抑制できるものと考えられる。
A層の組成は、後述するようにICP発光分光分析法により測定することができる。そしてA層は、ICP発光分光分析法により測定される亜鉛(Zn)原子の濃度が20〜40atom%、ケイ素(Si)原子の濃度が5〜20atom%、アルミニウム(Al)原子の濃度が0.5〜5atom%、酸素(O)原子の濃度が35〜70atom%であることが好ましい。Zn原子濃度が40atom%より大きくなる、またはSi原子濃度が5atom%より小さくなると、酸化亜鉛の結晶成長を抑制する酸化物が不足するため、空隙部分や欠陥部分が増加し、十分なガスバリア性が得られない場合がある。Zn原子濃度が20atom%より小さくなる、またはSi原子濃度が20atom%より大きくなると、層内部のケイ素酸化物(SiOx(x=1〜2))の非晶質成分が増加して層の柔軟性が低下する場合がある。また、Al原子濃度が5atom%より大きくなると、酸化亜鉛とケイ素酸化物(SiOx(x=1〜2))の親和性が過剰に高くなるため膜の鉛筆硬度が上昇し、熱や外部からの応力に対してクラックが生じやすくなる場合がある。Al原子濃度が0.5atom%より小さくなると、酸化亜鉛とケイ素酸化物(SiOx(x=1〜2))の親和性が不十分となり、層を形成する粒子間の結合力が向上できずに柔軟性が低下する場合がある。また、O原子濃度が70atom%より大きくなると、A層内の欠陥量が増加するため、所定のガスバリア性が得られない場合がある。O原子濃度が35atom%より小さくなると、亜鉛、ケイ素、アルミニウムの酸化状態が不十分となり、結晶成長が抑制できず粒子径が大きくなるため、ガスバリア性が低下する場合がある。かかる観点から、Zn原子濃度が25〜35atom%、Si原子濃度が10〜15atom%、Al原子濃度が1〜3atom%、O原子濃度が50〜64atom%であることがより好ましい。
なお、本発明の最も好ましい態様のA層、つまり、酸化亜鉛、ケイ素酸化物(SiOx(x=1〜2))、及び酸化アルミニウムを含み、かつICP発光分光分析法により測定される亜鉛(Zn)原子の濃度が20〜40atom%、ケイ素(Si)原子の濃度が5〜20atom%、アルミニウム(Al)原子の濃度が0.5〜5atom%、酸素(O)原子の濃度が35〜70atom%であれば、他に他の成分を含むことも可能であり、例えば、Al、Ti、Zr、Sn、In、Nb、Mo、Ta、Pd等から形成された金属酸化物を含んでも構わない。
A層の組成は、層の形成時に使用した混合焼結材料と同等の組成で形成されるため、目的とする層の組成に合わせた組成の混合焼結材料を使用することでA層の組成を調整することが可能である。
A層の組成分析は、ICP発光分光分析法を使用して、亜鉛、ケイ素、アルミニウムの各元素を定量分析し、酸化亜鉛とケイ素酸化物(SiOx(x=1〜2))、酸化アルミニウムおよび含有する無機酸化物の組成比を知ることができる。なお、酸素原子は亜鉛原子、ケイ素原子、アルミニウム原子が、それぞれ酸化亜鉛(ZnO)、ケイ素酸化物(SiOx(x=1〜2))(SiO)、酸化アルミニウム(Al)として存在すると仮定して算出する。ICP発光分光分析は、試料をアルゴンガスとともにプラズマ光源部に導入した際に発生する発光スペクトルから、多元素の同時計測が可能な分析手法であり、組成分析に適用することができる。
なお、A層表面に樹脂層が積層されている場合は、イオンエッチングや薬液処理により樹脂層を除去した後、ICP発光分光分析することができる。
本発明の太陽電池表面保護シート中にA層を設ける方法、特には、高分子基材上にA層を形成することで太陽電池表面保護シート中にA層を設ける方法は特に限定されず、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの混合焼結材料を使用して、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができる。酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの単体材料を使用する場合は、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムをそれぞれ別の蒸着源またはスパッタ電極から同時に成膜し、所望の組成となるように混合させて形成することができる。これらの方法の中でも、本発明に使用するA層の形成方法は、ガスバリア性と形成した層の組成再現性の観点から、混合焼結材料を使用したスパッタリング法がより好ましい。
このような方法で形成されたA層は高いガスバリア性を示すため、A層を積層構造中に含む本発明の太陽電池表面保護シートを有する太陽電池モジュールでは、外気中に含まれる水蒸気がモジュール内部に侵入することが抑制される。そのため、水の浸入に端を発する電極層の腐食などに代表される種々の劣化反応が抑制され、太陽電池モジュールの信頼性向上が果たされる。モジュールの信頼性に及ぼす水の影響は、発電層の種類や電極層の素材、モジュール設計などによってその大きさが変わるが、発電層がアモルファスシリコン、化合物薄膜や有機半導体である太陽電池モジュールの封止部材(表面、裏面)には特に高いガスバリア性が要求され、本発明の太陽電池表面保護シートは特に好適に用いることができる。同時に、通常これらの太陽電池モジュールは表面保護シートとしてガラスが用いられているため、本発明の表面保護シートを適用した場合にはモジュールの大幅な軽量化を達成できる。

[B層]
前述の通りB層とは、ポリイソシアネートによって架橋された樹脂、及び、紫外線吸収剤を含む層(B1層)、又は、ポリイソシアネートによって架橋され、さらに紫外線吸収成分を有する樹脂を含む層(B2層)であるが、これについて詳細を説明する。
高分子基材とB層との接着性、B層の靭性や膜強度の観点から、B層はポリイソシアネートによって架橋された樹脂を含むことが重要である。従って、ポリイソシアネートによって架橋される前の樹脂としては、ポリイソシアネートとの間に架橋反応を生じる反応性官能基、具体的には活性水素含有官能基を有する樹脂が好ましい。
ポリイソシアネートによって架橋される前の樹脂として好適な、活性水素含有官能基を有する樹脂は種々あるが、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂が好ましい。また、活性水素含有官能基としては、カルボキシル基、アミノ基、水酸基が例として挙げられる。中でも耐紫外線性とポリイソシアネートとの架橋反応性を考慮すると、ポリイソシアネートによって架橋される前の樹脂として好適な、活性水素含有官能基を有する樹脂は、アクリルポリオール系樹脂が好ましい。ここでアクリルポリオール系樹脂とは、アクリルポリオール系モノマーのみを重合した樹脂、アクリルポリオール系モノマーとそれ以外のアクリル系モノマーとを共重合した樹脂のいずれも含むものとする。
アクリルポリオール系樹脂の原料となる水酸基含有モノマー成分としては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等が挙げられる。これらの水酸基を有する重合モノマー成分は単独で、または2種類以上組み合わせて選択することができる。
アクリルポリオール系樹脂を得るために好適に用いられるアクリル系モノマー成分としては、エステル化合物、カルボン酸化合物、のうち何れか、あるいは、2種以上の混合物であってもよい。アクリル系モノマーとして使用できるエステル化合物としてはメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等が挙げられる。
アクリル系モノマーとして使用できるカルボン酸化合物としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸等が挙げられる。
上記した本発明に用いられるアクリル系モノマーの中でもエステル化合物が好ましく、その中でもメチルメタクリレート、メチルアクリレートが汎用性、価格、光安定性の観点からより好ましい。
次にポリイソシアネートによって架橋された樹脂を含む層(B層)によって紫外線を遮断する方法としては、該層中に紫外線吸収剤を含有させる方法や、紫外線吸収成分をポリイソシアネートによって架橋された樹脂の骨格中に、共重合や架橋などの手法により組み込む方法のいずれであっても良い。つまりB層は、ポリイソシアネートによって架橋された樹脂、及び、紫外線吸収剤を含む層(B1層)、又は、ポリイソシアネートによって架橋され、さらに紫外線吸収成分を有する樹脂を含む層(B2層)であることが重要である。なお、B層は、ポリイソシアネートによって架橋された樹脂、紫外線吸収剤、及び、ポリイソシアネートによって架橋されかつ紫外線吸収成分を有する樹脂、の全てを含むことも可能である。
また、B層は、光安定化剤(HALS)を含有することも好ましい。さらに光安定化剤(HALS)は、樹脂に添加する方法や樹脂骨格中に共重合や架橋などの手法により組み込む方法のいずれの方法で用いても良い。
樹脂に紫外線吸収剤や光安定化剤を後添加して形成した樹脂層(B層)では、高温加湿環境下、あるいは紫外線受光に伴い、紫外線吸収剤や光安定化剤が表面にブリードアウトし、ぬれ性、密着力などが変化するだけでなく、当初発現していた紫外線光カット性能が失われるといった不具合を生じる場合がある。一方、紫外線吸収剤及び/又は光安定化剤を共重合あるいは架橋などの方法により樹脂骨格中に取り込むことで、紫外線吸収成分及び/又は光安定化成分を有する樹脂として、これを樹脂層(B層)とすることで、紫外線吸収剤や光安定化剤が表面にブリードアウトすることを防ぎ、紫外線カット性能をより長期にわたって保持することができる。これらの紫外線吸収剤及び/又は光安定化剤を共重合モノマーに共重合する方法、特にアクリル系モノマーに共重合する製造方法等については、例えば特開2002−90515号公報の〔0023〕〜〔0030〕などに開示されている方法を適用することが出来る。なお、同公開公報にはサリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等を光安定剤としているが、これらの化合物は紫外線吸収により安定化効果を奏することから、本発明では紫外線吸収剤と分類している。また、アクリルモノマーと紫外線吸収剤の共重合物を有効成分として含むハルスハイブリッド(登録商標)((株)日本触媒製)などを使用することができる。なお、本発明では、紫外線吸収剤が樹脂中に取り込まれた際の該樹脂中の紫外線吸収剤に由来する部位を、紫外線吸収成分と記し、同様に光安定化剤が樹脂中に取り込まれた際の該樹脂中の光安定化剤に由来する部位を、光安定化成分と記している。
本発明の太陽電池モジュール用表面保護シートは、その積層構造中にB層を含むため、表面保護シートのが太陽光に曝された場合でも、B層より下側に到達する紫外線量は大幅に低減することができる。そして、太陽電池モジュール中で、高分子基材層よりもB層側が表面となる(つまり、B層側よりも高分子基材層側が発電層側となる)ように本発明の太陽電池表面保護シートを設置した場合には、高分子基材層に到達する紫外線量は大幅に低減し、高分子基材層や封止材層などが紫外線によって引き起こされる光劣化を抑制することができる。
B層が、ポリイソシアネートによって架橋された樹脂、及び、紫外線吸収剤を含む層(B1層)である場合の、B1層中の該樹脂の含有量や、B層が、ポリイソシアネートによって架橋され、さらに紫外線吸収成分を有する樹脂を含む層(B2層)である場合の、B2層中の該樹脂の含有量は、特に限定されないが、B層は、下記の算出式で求められるポリイソシアネート配合量が0.2〜3の範囲となることが好ましい。
ポリイソシアネート配合量=(ポリイソシアネートによって架橋される樹脂(ポリイソシアネートによって架橋される樹脂とは、ポリイソシアネートによって架橋される前の状態の樹脂を意味する。)中の単位質量当たりの水酸基の数)/(ポリイソシアネート中の単位質量当たりのイソシアネート基の数)
ポリイソシアネート配合量が0.2より少ない場合には、B層の膜強度、靭性などが不足気味となる。一方、ポリイソシアネート配合量が3より大きい場合には、B層表面のタック性が強くなり易くブロッキングを生じ易くなる。また未反応のイソシアネート基が多数B層内に留まるため、大気中の湿気との反応などを生じ、その程度の差を生じた場合にはB層およびまたはB層を含む太陽電池モジュール用表面保護シートの特性が変化する可能性がある。

[紫外線吸収剤]
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、マトリックス樹脂部分あるいは紫外線吸収剤を含む層より非受光面側の層へ紫外線が浸透するのを防ぐ役割を果たす。
前記紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が例示できる。具体的には、例えば、サリチル酸系のp−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、ベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、ベンゾトリアゾール系の2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、シアノアクリレート系のエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート)、その他として、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどやこれらの変性物、重合物、誘導体などが例示できる。
また、紫外線吸収剤をアクリル系、スチレン系などのビニル基を有するモノマーに共重合して固定させることで、紫外線吸収成分を有する樹脂を得る場合には、ベンゾフェノン系骨格を有するモノマー、ベンゾトリアゾール系骨格を有するモノマーが適用できる。ベンゾフェノン系骨格を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−4,4’−テトラヒドロキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−メタクリロキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−4,4’−テトラヒドロキシ−5−メタクリロキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−5−アクリロイルエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−アクリロイルエチルフェニルベンゾフェノンなどを挙げることができる。ベンゾトリアゾール系骨格を有するモノマーとしては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−アクリロイルエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。

[光安定化剤(HALS)]
光安定化剤とは、光により励起されるラジカルを失活させるメカニズムによってマトリックス樹脂の劣化反応を抑制し、光安定性を向上させる役割を果たす。
前記光安定化剤としては、ヒンダードアミン系等の光安定化剤が挙げられる。具体的には、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物などが例示できる。
また、光安定化剤をアクリル系、スチレン系などのビニル基を有するモノマーに共重合して固定させることで、光安定化成分を有する樹脂を得る場合にはヒンダードアミン系骨格を有するモノマーが適用できる。例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−5−アクリロイルオキシエチルフェニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−5−アクリロイルオキシエチルフェニルピペリジン重縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−5−メタクリロキシエチルフェニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−5−メタクリロキシエチルフェニルピペリジン重縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−5−アクリロイルエチルフェニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−5−アクリロイルエチルフェニルピペリジン重縮合物などを挙げることができる。

[ポリイソシアネート]
樹脂を架橋する目的で用いるポリイソシアネートは、芳香族系ポリイソシアネート、芳香脂肪族系ポリイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネート、および脂肪族系ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。特に、耐紫外線性、耐黄変性を考慮すると、樹脂を架橋する目的で用いるポリイソシアネートは、脂肪族系ポリイソシアネート及び/又は脂環族系ポリイソシアネートが好ましい。
芳香族系ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、m−またはp−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−、2,4′−又は2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、および4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が例示される。
芳香脂肪族系ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)や、1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が例示される。
脂環族系ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート;IPDI)、4,4′−、2,4′−または2,2′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、および1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(水添XDI)等が例示される。
脂肪族系ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−、2,3−または1,3−ブチレンジイソシアネート、および2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が例示される。
ポリイソシアネートの原料としては、これらのジイソシアネートを複数種組み合わせて用いること、ビューレット変性体、ヌレート変性体などの変性体として用いることも可能である。中でもポリイソシアネートの原料としては、樹脂骨格中に紫外線域の光の吸収帯を有する芳香環を含有する樹脂は、紫外線照射に伴い黄変し易いことから、脂環族系ポリイソシアネート及び/又は脂肪族系ポリイソシアネートを主成分とする架橋剤を用いることが好ましい。なお、ここでいう主成分とは複数種のポリイソシアネートを組み合わせて使用する場合、その中(複数種のポリイソシアネートの中)で最も混合比率(質量比)が高いことを言う。さらに、脂肪族系ポリイソシアネートを主成分とする架橋剤を用いることが紫外線による接着強度の低下が小さいことから好ましい。また、アクリルポリオール系樹脂との架橋反応の易進行性、架橋度、耐熱性、耐紫外線性、耐溶剤性の観点からヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート変性体が好ましい。
本発明におけるB層の厚みは、0.2〜20μmが好ましく、さらに好ましくは1〜15μm、特に好ましくは3μ〜10μmである。B層の厚みが0.2μm以上であると、塗工時にはじきや膜切れといった現象を生じにくく、均一な塗膜を形成し、厚み斑のない透明耐紫外線コーティング層を得ることができる。その結果、B層を形成する被形成面に対する密着力、何より紫外線カット性能が十分に発現するので好ましい。B層の厚みが20μm以下であると、厚膜塗布が可能なプロセスを用いなくとも通常の塗布装置で塗布できるので塗工方式に制約を生じることがなく、生産コストを抑えることができるので好ましい。さらに、搬送ロールへの塗膜の粘着やそれに伴う塗膜の剥がれ等を生じにくくなるので好ましい。
本発明におけるB層を形成する方法としてはウェットコーティング法が好ましい。ウェットコーティング法によりB層形成するためのコーティング液の溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノールおよび水等を例示することができ、該コーティング液の性状としてはエマルジョン型および溶解型のいずれでも良い。
B層を形成する方法は特に制限されるべきものではなく、公知のコーティング手法を用いることができる。コーティング手法としては、種々の方法を適用することができ、例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができる。なかでも、グラビアロールコーティング法は、コーティング層形成組成物の安定性を増す理由で好ましい方法である。

[C層]
本発明の太陽電池表面保護シートは、その少なくとも一方の表面に、繰り返し構造中にフッ素原子を有するフッ素系樹脂を含む層を有していても良い。該C層は、繰り返し構造中にフッ素原子を有するフッ素系樹脂を含みさえすれば特に限定されないが、C層の全成分100質量%において、前記フッ素系樹脂を50質量%以上100質量%以下含むことが好ましい。
なお、繰り返し構造中にフッ素原子を有するフッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレンーテトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)、エチレンークロロトリフルオロエチレン共重合樹脂(ECTFE)、テトラフルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、ポリクロロトリフロロエチレン(PCTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)などが例示できる。中でも透明性、耐候性、難燃性及び接着性など特性面、及びフッ素系樹脂フィルムとして入手が可能な点とから、繰り返し構造中にフッ素原子を有するフッ素系樹脂は、PVDF、PVF、ETFE、PCTFE、FEPが好ましい。これらのフッ素系樹脂を含む層を少なくとも一方の表面(最表面)に備えた太陽電池表面保護シートは、C層が耐候性に優れるために、表面の劣化による外部ヘイズの増大、それに伴う透明性の低下や屋外環境設置下での耐汚染性に優れるため、表面保護シートとして好適に用いることができる。なお、C層としては、一般にフッ素系樹脂フィルムとして市販されているものを用いることができる。
フッ素系樹脂フィルムを積層するという手法で、本発明の太陽電池表面保護シートにC層を形成する場合には、共押出し法、ドライラミネート法などの方法があるが、生産性を考えるとフッ素系樹脂フィルムをドライラミネート法によって貼り合わせる手法が好ましい。ドライラミネート法を用いた貼り合わせに用いる接着剤の好適な態様については後述する。

[接着剤層]
前記のフッ素系樹脂フィルムや他のフィルムをドライラミネート法によって積層する場合に用いる接着剤からなる層を接着剤層というが、これについて以下に説明する。なお、前記のB層が接着剤層としての機能を有する場合には、新たに接着剤層を設ける必要がなくなる点で好ましい。その場合はB層上にフッ素系樹脂フィルムなどのC層を積層させてシート状に加工する手法として、同様に既知のドライラミネート法が利用できる。
ドライラミネート法を用いた樹脂フィルムの貼り合わせに用いる接着剤としては、架橋剤との反応性を有する官能基を含むウレンタン系樹脂、エステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂などを主剤とし、イソシアネート基を含有するポリイソシアネートを架橋剤とする既知のドライラミネート用接着剤を用いることができる。これらの接着剤を用いて形成される接着剤層には、接着強度が長期間の屋外使用で劣化することに起因するデラミネーションなどを生じないものであること、光線反射率の低下につながる黄変を生じないものであることなどが好ましい。
接着剤層の厚みはB層が接着剤層として機能する場合、そうではない場合のいずれにおいても、好ましくは0.2〜20μmの範囲、好ましくは1〜15μmである。0.2μm未満であると十分な接着強度が得られ難い場合がある。一方、20μmを越えると接着剤塗工のスピードが上がらないこと、厚膜塗布に適した塗工方法の選択が必要となること、接着力を発現させる(主剤及び架橋剤間の架橋反応を促進する)目的で行うエージングに長時間を要すること、さらには接着剤使用量が増加することなどから生産に時間を要する方向となる。

[対封止材接着性層]
前述の通り、本発明の太陽電池表面保護シートは、高分子基材層、A層、B層、C層がこの順に積層された態様が好ましいが、このような態様においては、高分子基材層のA層およびB層が形成されていない側の面は、太陽電池モジュール構造において、セル及び封止材の側を向く形で本発明の太陽電池表面保護シートは使用されることが好ましい。従って、この高分子基材層の表面のうち、A層およびB層が形成されていない側の面は、封止材と強固に密着し、セル、配線材をはじめとするモジュール構成部材を長期に亘って保護する必要があるため、その対封止材密着力には耐久性が求められる。現在、太陽電池モジュールの封止材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)シートが汎用的に用いられており、EVAシートに対して良好な密着力が得られるように設計する必要がある。EVAシートとの良好な密着力を得るためには、EVAシートと相溶性が高い樹脂層(以後、対封止材接着性層という)を高分子基材上に形成する、あるいは、EVA樹脂封止材層との間で架橋構造を形成する対封止材接着性層を高分子基材上に形成することが好ましい。

EVA樹脂と相溶性が高い樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVAなどのオレフィン系樹脂を用いて対封止材接着性層を形成するのが好ましい。オレフィン系樹脂としては、公知の樹脂を用いることができる、他の樹脂が混合されていても良く、他の樹脂としてはポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂やナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂が例示できる。また、前記対封止材接着性層には、必要に応じて、例えば、紫外線吸収剤、光安定化剤、帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤、強化剤、可塑剤、滑剤、充填剤等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加することができる。例えば、熱安定剤、酸化防止剤及び劣化防止剤としては、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、硫黄化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物が挙げられる。
一方、EVA樹脂封止材層との間で架橋構造を形成する対封止材接着性層を設けるための手段として、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などブロックイソシアネート化合物を混合した樹脂層の形成やエチレン性不飽和結合を含むアクリル系樹脂を含む総の形成などを用いることができる。なお、これらの対封止材接着性層の形成方法としては、コーティング法やドライラミネート法など公知の方法を用いることができ、またそれらに限られるものではない。

[透明性]
本発明の太陽電池モジュール用表面保護シートは、発電効率の観点から透明性が必要である。発電層の種類、例えば結晶シリコン、アモルファスシリコン、化合物半導体などの種類によって、分光感度の高い波長域に差異はあるが、概ね可視光領域の透過率が高い方が表面保護シートの態様としては好ましい。一方、高エネルギーの紫外線領域の波長に関しては、透過すると高分子基材層などの劣化を引き起こすこと、各種発電層の分光感度が高くないことから、できるだけ遮断することが好ましい。このように太陽電池モジュールの発電性能とモジュール構成部材の信頼性を鑑みると、波長600nmの透過率T1が85%以上かつ波長360nmの透過率T2が5%以下であることが好ましい。なおT1について、その上限は特に限定されないが、現実的に達成可能な値は98%程度と考えられ、またT2について、その下限は特に限定されないが、現実的に達成可能な値は0.0001%程度と考えられる。T1が85%より小さい場合には発電に寄与する可視光領域の光が多く遮られ、発電層に到達しなくなるために、発電効率の低下につながる。一方、T2が5%よりも大きい場合には、高エネルギーの紫外光が高分子基材層や封止材層にまで到達するため、長期に亘って屋外設置された場合には光劣化が引き起こされ、クラック、黄変等の発生による可視光透過率の低下、それに続く発電効率の悪化を生じる可能性がある。
T1を85%以上とするためには、A層がケイ素酸化物を含有し、該酸化物の酸化度を着色が小さい範囲にコントロールすること、B層が均一系になるような樹脂組成(不均一系の場合には分散状態となり白濁して透明性が低下する)とすること、耐ブロッキング性向上のための粒子添加などによる表面粗面化(表面拡散が増大し、透過率が低下する)を防ぐ方法を挙げることができる。一方、T2を5%以下とするためには、B層中に含まれる紫外線吸収剤あるいは紫外線吸収成分の含有量とB層の厚みを制御して、紫外線領域の光線透過率を下げ、所望の値とする方法を挙げることができる。

[太陽電池モジュール]
本発明の太陽電池モジュールは、前述の太陽電池表面保護シートを有するモジュールである。その好ましい態様は、上記のように得られる太陽電池表面保護シートを最表層に配し、太陽電池表面保護シート中の高分子基材のうちA層およびB層を形成しない側の面を発電層や電極層を内包する封止材層に接するように配し、最裏面側には裏面封止シートを貼り合わせた太陽電池モジュールである。
次に、実施例を挙げて、具体的に本発明の太陽電池モジュール用表面保護シートについて説明する。実施例中で「部」とは、特に注釈のない限り「質量部」であることを意味する。
[耐環境性試験]
(1)耐候性試験
岩崎電気社製アイスーパーUVテスターSUV−W151を用いて、60℃×50%RH雰囲気にて紫外線強度100mW/cmで240時間の紫外線照射を行い、照射前後の特性評価を行った。評価した特性は、色調、全光線透過率及び分光透過率である。照射前(初期状態)、240時間後の評価のため、各5cm×5cmのサンプルを試験に供した。
(2)耐湿熱性試験
エスペック社製プレッシャクッカーTPS−211を用いて、120℃、100%RHの環境下で48時間の湿熱処理を施した。その後、色調、全光線透過率及び分光透過率について評価を実施した。湿熱処理前(初期状態、耐紫外線性試験と共有のデータを使用)、および48時間後の評価のため、各5cm×5cmのサンプルを試験に供した。

[特性の評価方法]
(1)A層、B層の厚み
断面観察用サンプルをマイクロサンプリングシステム(日立製FB−2000A)を使用してFIB法により(具体的には「高分子表面加工学」(岩森暁著)p.118〜119に記載の方法に基づいて)作製した。透過型電子顕微鏡(日立製H−9000UHRII)により、加速電圧300kVとして、観察用サンプルの断面を観察し、A層、B層の厚みを測定した。
(2)水蒸気透過率(g/(m・24h))
温度40℃、相対湿度90%、測定面積50cmの条件で、英国、テクノロックス(Technolox)社製の水蒸気透過率測定装置(機種名:DELTAPERM(登録商標) )を使用して測定した。サンプル数は水準当たり2検体とし、測定回数は各検体について5回とし、得られた10点の平均値を水蒸気透過率(g/(m・24h))とした。
(3)色調
太陽電池表面保護シートの色調変化はJIS K 7105(2006年度版)に基づいて、スガ試験機社製カラーメータSMカラーコンピューターSM−6を使用して、表色系b値を測定し、試験前後のb値の差であるΔb(b値(試験後)−b値(試験前))を求めた。n数は2で評価を実施した。b値が高いほど黄色の度合いが強く、Δb値が大きいほど試験前に比べて黄色に変化していることを意味する。
(4)全光線透過率
太陽電池表面保護シートの全光線透過率は、JIS K 7105(2006年度版)に基づいて、日本電色製ヘイズメーターNDH2000を使用してn数2で測定した。
(5)分光透過率
太陽電池表面保護シートの紫外線カット性能は、JIS K 7105(2006年度版)に基づいて、島津製作所社製紫外可視近赤外分光光度計UV−3150を使用し分光スペクトルの測定を実施した。紫外線領域の光線遮断性能について、特に360nmの波長の透過率を測定、可視光領域の光線透過率について、特に600nmの波長の透過率を測定した。
(6)外観観察
太陽電池表面保護シートの目視観察を行い、次の判定を行った。
“○”・・・外観異常無し
“×”・・・外観異常有り(クラック、裂け、白濁、層間剥離)

[実施例・比較例、各水準の説明]
<B層形成用コーティング剤および接着層形成用コーティング剤1〜8>
B層形成用コーティング剤および接着層形成用コーティング剤1〜8の調製は、下記の材料、希釈溶剤を表1に示す配合で混合し、室温下で5分間攪拌することで行った。
<アクリルポリマー塗料1>
繰り返し構造中に紫外線吸収成分及び光安定化成分を含むアクリルポリオール系樹脂を含む株式会社日本触媒製ハルスハイブリットポリマー(登録商標)BK1(固形分濃度:40質量%)。
<アクリルポリマー塗料2>
繰り返し構造中に紫外線吸収成分及び光安定化成分を含むアクリルポリオール系樹脂を含む株式会社日本触媒製ハルスハイブリットポリマー(登録商標)G−13(固形分濃度:40質量%)。
<アクリルポリマー塗料3>
メチルメタクリル酸および2−ヒドロキシエチルメタクリレートを原料とするアクリルポリマーを含有するコーティング剤(固形分濃度:40質量%)。
<ウレタンポリマー塗料1>
光安定化剤が配合された接着性を有する皮膜を形成可能なDIC株式会社製コート剤TSB−104−1(固形分濃度:50質量%)。
<ウレタンポリマー塗料2>
紫外線吸収剤及び光安定化剤が配合された接着性を有する皮膜を形成可能なDIC株式会社製コート剤TSB−104−1A(固形分濃度:50質量%)。
<ウレタンポリマー塗料3>
DIC株式会社製ウレタン系ドライラミネート剤 ディックドライ(登録商標)LX−903(固形分濃度:50質量%)。
<ポリイソシアネート硬化剤1>
ヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂を主成分とする株式会社日本触媒製ポリイソシアネート硬化剤HN−100(固形分濃度:100質量%)。
<ポリイソシアネート硬化剤2>
脂肪族系ポリイソシアネートを主成分とするDIC株式会社製ポリイソシアネート硬化剤TSH−900(固形分濃度90質量%)。
<ポリイソシアネート硬化剤3>
芳香族系ポリイソシアネートを主成分とするDIC株式会社製ポリイソシアネート硬化剤KL−75(固形分濃度75質量%)。
Figure 2014017431
(実施例1)
高分子基材として厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製“ルミラー(登録商標)”U48)を使用した。
次に以下の方法で高分子基材の片側表面にアンダーコート層を形成した。アンダーコート層形成用の塗工液として、ポリエステルアクリレート(日本化薬(株)製FOP−1740)100質量部にシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)製SH190)0.2質量部を添加し、トルエン50質量部、MEK50質量部で希釈したアンダーコート層形成用塗工液を調製し、この塗工液をマイクログラビアコーター(グラビア線番300UR、グラビア回転比100%)で塗布、60℃で1分間乾燥後、紫外線を1J/cm照射、硬化させ、厚み3μmのアンダーコート層を設けた。
次に、以下の方法によってアンダーコート層上にA層を100nmの厚みで形成した。ICP発光分析法によるA層の組成は、Zn原子濃度が27.5atom%、Si原子濃度が13.1atom%、Al原子濃度が2.3atom%、O原子濃度が57.1atom%であった。
図1に示す構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムで形成された混合焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極9に設置して、アルゴンガスおよび酸素ガスによるスパッタリングを実施し、高分子基材1のスパッタ電極9側の面上(アンダーコート層上)にA層を設けた。具体的な操作は以下のとおりである。まず、スパッタ電極13に酸化亜鉛/二酸化ケイ素/酸化アルミニウムの組成質量比が77/20/3で焼結されたスパッタターゲットを設置した巻き取り式スパッタリング装置2の巻き取り室3の中で、巻き出しロール4に前記高分子基材1をA層を設ける側の面がスパッタ電極9に対向するようにセットし巻き出し、巻き出し側ガイドロール5,6,7を介して、クーリングドラム8に通した。減圧度2×10−1Paとなるように酸素ガス分圧10%としてアルゴンガスおよび酸素ガスを導入し、直流電源により投入電力4,000Wを印加することにより、アルゴン・酸素ガスプラズマを発生させ、スパッタリングにより前記高分子基材1の表面上にA層を形成した。厚みは、フィルム搬送速度により調整した。その後、巻き取り側ガイドロール10,11,12を介して巻き取りロール13に巻き取った。
次にA層上に、次に示す手順でB層を設けた。表1に示す配合に従って調製したB層形成用コーティング剤1を、前記高分子基材のA層上にマイクログラビアコーター(グラビア線番150UR、グラビア回転比100%)で塗布、100℃で1分間乾燥、硬化させ、厚み5μmのB層を設けた。このようにして得られたフィルムに対して40℃、3日間のエージング処理を行い太陽電池表面保護シート1を得た。
(実施例2)
実施例1に記載の方法により作製した太陽電池表面保護シート1のB層上に、コーティング剤5をワイヤーバー(番手:12)で塗布し、80℃で45秒間乾燥した。次にコーティング剤5を用いて形成した塗膜上に卓上ラミネーターを用いて、東レフィルム加工株式会社製ETFEフィルム“トヨフロン”(50μm、両面処理品)を貼り合わせた。このようにして得られたフィルムに対して40℃、3日間のエージング処理を行い太陽電池表面保護シート2を得た。
(実施例3)
コーティング剤1の代わりにコーティング剤2を用いた以外は実施例2と同様にして太陽電池表面保護シート3を得た。
(実施例4)
実施例1に記載の方法で高分子基材上にアンダーコート層、A層をこの順に形成したフィルムを得た。次にコーティング剤6をワイヤーバー(番手:12)で塗布し、80℃で45秒間乾燥した。次にコーティング剤6を用いて形成した塗膜上に卓上ラミネーターを用いて、東レフィルム加工株式会社製ETFEフィルム“トヨフロン”(50μm、両面処理品)を貼り合わせた。このようにして得られたフィルムに対して40℃、3日間のエージング処理を行い、太陽電池表面保護シート4を得た。
(実施例5)
高分子基材上にアンダーコート層を形成しない以外は実施例4と同様にして太陽電池表面保護シート5を得た。
(比較例1)
アンダーコート層上にA層を形成しない以外は実施例1と同様にして太陽電池表面保護シート6を得た。
(比較例2)
コーティング剤1の代わりにコーティング剤3を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池表面保護シート7を得た。
(比較例3)
コーティング剤1の代わりにコーティング剤3を用いた以外は実施例2と同様にして太陽電池表面保護シート8を得た。
(比較例4)
スパッタ法によるA層形成時にフィルム搬送速度によりA層の厚みを5nmとした以外は実施例2と同様にして太陽電池表面保護シート9を得た。
(比較例5)
コーティング剤1の代わりにコーティング剤4を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュール用表面封止シート10を得た。
(比較例6)
コーティング剤6の代わりにコーティング剤7を用いた以外は実施例4と同様にして太陽電池表面保護シート11を得た。
(比較例7)
コーティング剤6の代わりにコーティング剤8を用いた以外は実施例4と同様にして太陽電池表面保護シート12を得た。
以上のような方法で得た太陽電池表面保護シート1〜12について、そのシート設計を表2に示す。
また、これらのシートについて、その特性、耐紫外線性、耐湿熱性を評価した結果を表3に示す。
Figure 2014017431
Figure 2014017431
(実施例1〜5と比較例1、4の比較)
比較例1ではスパッタ法によるA層の形成を行っていない。また、比較例4ではスパッタ法によるA層の形成を行っているが、その厚みは5nmと薄いものである。そのため、太陽電池表面保護シート6、9の水蒸気透過率は実施例1〜5の方法で得られた太陽電池表面保護シート1〜5と比べて大きく、表面保護シートとして用いた場合、水蒸気浸入に対するバリア性に劣る。そのため、モジュール内部への水蒸気浸入量が多くなり、発電層や電極層の劣化が引き起こされる。
(実施例1〜5と比較例2、3の比較)
比較例2、3で得られた太陽電池表面保護シート7、8は、いずれもB層に紫外線吸収剤を含まない。そのため、実施例1〜5の方法で得られた太陽電池モジュール用表面封止シート1〜5と比べて波長360nmの分光透過率が高く、高分子基材層に到達する紫外線量は格段に大きい。そのため、耐紫外線性試験における色調変化、すなわち高分子基材層の変色が大きくなり、可視光透過率(波長600nmの分光透過率を代表して示した)や全光線透過率の低下も顕著である。そのため、太陽電池表面保護シート7、8を用いたモジュールが長期に亘って屋外で紫外線に曝された場合には、表面保護シートに紫外線劣化、変色、透明性の低下が生じ、発電効率の低下が引き起こされると推定できる。
(実施例1〜5と比較例5、7の比較)
比較例5、7で得られた太陽電池表面保護シート10、12は、いずれもB層に紫外線吸収剤を含むが、ポリイソシアネートを含まない。そのため、A層との密着力に乏しく、耐湿熱性試験においてシート層内に剥離を生じる、剥離を生じた結果、層内に空気層を生じ、屈折率差などの要因で剥離箇所の外観は白濁する。白濁箇所は光線透過率が低下するために太陽電池モジュールの発電効率の低下が引き起こされると推定できる。
(実施例1〜5と比較例6の比較)
比較例6で得られた太陽電池表面保護シート11は、B層を形成せずに、耐紫外線性および紫外線遮断性を持たないドライラミネート接着剤(コーティング液7)を用いてC層が貼り合わされている。そのため、実施例1〜5の方法で得られた太陽電池表面保護シート1〜5と比べて波長360nmの分光透過率が高く、高分子基材層に到達する紫外線量は格段に大きい。また、接着剤層自体も紫外線に弱い。そのため、耐紫外線性試験における色調変化、すなわち高分子基材層の変色が大きくなり、可視光透過率(波長600nmの分光透過率を代表して示した)や全光線透過率の低下も顕著である。そのため、太陽電池表面保護シート11を用いたモジュールが長期に亘って屋外で紫外線に曝された場合には、表面封止シートに紫外線劣化、変色、透明性の低下が生じ、発電効率の低下が引き起こされると推定できる。
1 高分子基材
2 巻き取り式スパッタリング装置

Claims (10)

  1. 高分子基材からなる層(以下、高分子基材層という)、A層、B層を有する太陽電池表面保護シート。
    A層:厚みが10〜1,000nmであり、含ケイ素化合物を含む層。
    B層:以下のB1層又はB2層である。
    B1層:ポリイソシアネートによって架橋された樹脂、及び、紫外線吸収剤を含む層。
    B2層:ポリイソシアネートによって架橋され、さらに紫外線吸収成分を有する樹脂を含む層。
  2. 前記ポリイソシアネートが、脂肪族系ポリイソシアネート及び/又は脂環族系ポリイソシアネートであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池表面保護シート。
  3. 少なくとも一方の表面が、繰り返し構造中にフッ素原子を有するフッ素系樹脂を含む層(以下、C層という)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池表面保護シート。
  4. 高分子基材層、A層、B層、C層がこの順に積層されたことを特徴とする、請求項3に記載の太陽電池表面保護シート。
  5. 前記A層について、含ケイ素化合物がケイ素酸化物であり、さらに亜鉛化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池表面保護シート。
  6. 前記A層について、ケイ素酸化物がSiOx(x=1〜2)であり、亜鉛化合物が酸化亜鉛であり、さらに酸化アルミニウムを含むことを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池表面保護シート。
  7. 前記A層が、ICP発光分光分析法により測定される亜鉛(Zn)原子の濃度が20〜40atom%、ケイ素(Si)原子の濃度が5〜20atom%、アルミニウム(Al)原子の濃度が0.5〜5atom%、酸素(O)原子の濃度が35〜70atom%であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池表面保護シート。
  8. 波長600nmの透過率T1が85%以上かつ波長360nmの透過率T2が5%以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池表面保護シート。
  9. 前記高分子基材層を形成する樹脂が、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の太陽電池表面保護シート。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の太陽電池表面保護シートを有する太陽電池モジュール。
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