JP2014017374A - 固体撮像素子および固体撮像素子の製造方法 - Google Patents

固体撮像素子および固体撮像素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機光電変換材料を用いる固体撮像素子において、素子を構成する膜剥がれを防止して、歩留りを向上できる固体撮像素子、および、その製造方法を提供する。
【解決手段】カラーフィルタを、光電変換層を有する有機層の形成範囲を超えて形成することにより、前記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機物を含む光電変換層を備える固体撮像素子に関する。特に、製造工程で生じる、素子を構成する層の膜剥がれを防止できる固体撮像素子、および、その製造方法に関する。
テジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、内視鏡用の撮像モジュール、携帯電話用の撮像モジュール等に利用されているイメージセンサとして、シリコン(Si)チップなどの半導体基板にフォトダイオードを含む画素を配列し、各画素のフォトダイオードで発生した光電子に対応する信号電荷をCCD型やCMOS型読出し回路で取得する、固体撮像素子(いわゆるCCDセンサやCMOSセンサ)が広く知られている。
また、特許文献1や特許文献2等に示されるように、近年では、受光した光に応じて電荷を生成する有機材料を用いた、有機光電変換層を有する撮像素子が検討されている。
特許文献1や特許文献2等に示されるように、有機光電変換層を有する撮像素子は、信号読出し回路が形成された半導体基板上に形成された画素電極と、画素電極上に形成された有機光電変換層と、有機光電変換層上に形成された透明な対向電極(上部電極)と、この対向電極上に形成され、この対向電極を保護する封止層と、封止層の上に形成されるカラーフィルタ等とを有して構成される。
特開2008−252004号公報 特開2008−227091号公報
ところで、固体撮像素子に限らず、シリコンウエハ等を用いる半導体装置の製造においては、半導体装置の小型化や軽量化を目的として、ウエハの裏面(素子の形成面と逆面)を研磨して薄くする、いわゆるバックグラインドと呼ばれる工程が行われる。
このバックグラインド工程は、集積回路などの素子の形成を終了した後に行う。そのため、バックグラインド工程は、BGテープ(バックグラインドテープ)と呼ばれる保護テープを素子の形成面に貼着して、素子を保護して行われる。
バックグラインドを終了すると、保護テープは剥離され、素子を形成されたウエハは、次の工程に供される。
ところが、本発明者の検討によれば、有機光電変換層を有する固体撮像素子では、このバックグラインド工程を行うと、保護テープを剥離する際に、素子を構成する層の間で剥離(膜剥がれ)が生じてしまうことが、多々、生じ、歩留りが低下してしまうという問題が有る。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、受光した光に応じて電荷を生成する有機材料からなる有機光電変換層を有する固体撮像素子において、バックグラインド工程における膜剥がれを防止して、歩留りを向上することができる固体撮像素子、および、この固体撮像素子の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の固体撮像素子は、複数の画素電極と、画素電極の上に設けられる、受光した光に応じた電荷を生成する有機材料からなる光電変換層を含む光電変換部と、電変換部の上に設けられる、複数の画素電極に共通な対向電極と、対向電極の上に、この対向電極を覆って設けられる封止層と、封止層の上に、光電変換部の全面を覆って設けられるカラーフィルタと、画素電極に保守された電荷に応じた信号を読み出す読出し回路とを有し、かつ、カラーフィルタが、光電変換層の形成範囲を超える範囲まで形成されていることを特徴とする固体撮像素子を提供する。
このような本発明の固体撮像素子において、光電変換層の形成範囲を超える前記カラーフィルタの形成範囲が、0.05μm以上であるのが好ましい。
また、カラーフィルタの厚さが0.1μm以上であるのが好ましい。
また、カラーフィルタが、赤フィルタ、緑フィルタおよび青フィルタを、画素電極に対応して配列してなる場合、光電変換層の形成範囲を超えて形成されるのが、赤フィルタおよび緑フィルタの少なくとも一方であるのが好ましい。
また、光電変換部が、光電変換層の下層に、画素電極から光電変換層に電子が注入されるのを抑制するための電子ブロッキング層を有するのが好ましい。
また、光電変換層が、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを混合してなるバルクヘテロ構造を有するのが好ましい。
また、n型有機半導体材料が、フラーレンおよびフラーレン誘導体の少なくとも一方であるのが好ましい。
また、p型半導体有機材料が、下記一般式(1)で示される化合物であるのが好ましい。
(一般式(1)中、Zは少なくとも2つの炭素原子を含む環であって、5員環、6員環、または、5員環および6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。L、L、およびLはそれぞれ独立に無置換メチン基、または置換メチン基を表す。Dは原子群を表す。nは0以上の整数を表す。)
さらに、対向電極が、酸化インジウム錫であるのが好ましい。
また、本発明の固体撮像素子の製造方法は、基板上に、複数の画素電極と、有機材料からなる光電変換層を有する光電変換部と、対向電極と、前記対向電極を覆う封止層とを、この順番で積層した後、封止層の上に、光電変換部の全面を含んで、光電変換層の形成範囲を超える形成範囲でカラーフィルタを形成し、カラーフィルタの形成面側に保護テープを貼着して、前記基板のバックグラインドを行い、バックグラインドを行った後、前記保護テープを剥離することを特徴とする固体撮像素子の製造方法を提供する。
このような本発明の固体撮像素子の製造方法において、光電変換層の形成範囲を超える前記カラーフィルタの形成範囲が、0.05μm以上であるのが好ましい。
また、カラーフィルタの厚さが0.1μm以上であるのが好ましい。
また、カラーフィルタが、赤フィルタ、緑フィルタおよび青フィルタを、前記画素電極に対応して配列してなる場合、赤フィルタおよび緑フィルタの少なくとも一方を、光電変換層の形成範囲を超えて形成するのが好ましい。
また、光電変換部において、光電変換層の下層として、画素電極から光電変換層に電子が注入されるのを抑制するための電子ブロッキング層を積層するのが好ましい。
また、光電変換層が、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを混合してなるバルクヘテロ構造を有するのが好ましい。
また、n型有機半導体材料が、フラーレンおよびフラーレン誘導体の少なくとも一方であるのが好ましい。
また、p型半導体有機材料が、下記一般式(1)で示される化合物であるのが好ましい。
(一般式(1)中、Zは少なくとも2つの炭素原子を含む環であって、5員環、6員環、または、5員環および6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。L、L、およびLはそれぞれ独立に無置換メチン基、または置換メチン基を表す。Dは原子群を表す。nは0以上の整数を表す。)
さらに、対向電極が、酸化インジウム錫であるのが好ましい。
上記構成を有する本発明によれば、受光した光に応じた電荷を生成する有機材料からなる有機光電変換層を用いる固体撮像素子において、バックグラインド工程における保護テープの剥離の際に、固体撮像素子を構成する層が剥離する膜剥がれ防止できる。
そのため、本発明によれば、有機光電変換層を用いる固体撮像素子において、膜剥がれに起因する不良品を大幅に低減して、高い歩留りを得ることができる。
本発明の固体撮像素子の製造方法によって製造された、本発明の固体撮像素子の一例を概念的に示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の固体撮像素子の製造方法を説明するための概念図である。 (a)〜(c)は、本発明の固体撮像素子の製造方法を説明するための概念図である。
以下に、本発明の固体撮像素子、および、固体撮像素子の製造方法について、添付の図面に示す好適実施例を基に詳細に説明する。
図1に、本発明の固体撮像素子の製造方法によって製造される、本発明の固体撮像素子の一例を概念的に示す。
この固体撮像素子は、一例として、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置、携帯電話の撮像モジュール、電子内視鏡の撮像モジュール等に搭載して用いられる。
図1に示す固体撮像素子10(以下、撮像素子10とする)は、基板12と、絶縁層14と、画素電極16と、光電変換部18と、対向電極20と、封止層22と、カラーフィルタ26とを有する。
また、撮像素子10において、基板12には、読出し回路40と、対向電極電圧供給部42とが形成されている。
基板12は、基本的に、Si基板等の半導体基板が用いられる。また、基板12としては、ガラス基板も利用可能である。
この基板12の上には公知の絶縁材料からなる絶縁層14が形成されている。
絶縁層14には、表面に複数の画素電極16が形成されている。画素電極16は、例えば、1次元または2次元状に配列される。
画素電極16の材料としては、例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属硼化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が挙げられる。具体的には、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムタングステン(IWO)、酸化チタン等の導電性金属酸化物、窒化チタン(TiN)等の金属窒化物、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性化合物、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。画素電極16の材料として特に好ましいのは、窒化チタン、窒化モリブデン、窒化タンタル、窒化タングステンのいずれかの材料である。
また、絶縁層14には、画素電極16と読出し回路40とを接続する第1の接続部44が形成されている。
さらに、絶縁層14には、対向電極20と対向電極電圧供給部42とを接続する第2の接続部46が形成されている。第2の接続部46は、画素電極16および光電変換部18に接続されない位置に形成されている。第1の接続部44および第2の接続部46は、導電性材料で形成されている。
絶縁層14の内部には、読出し回路40および対向電極電圧供給部42を、例えば、撮像装置10の外部と接続するための導電性材料からなる配線層48が形成されている。
以下、このように、基板12上に形成された絶縁層14の表面に、各第1の接続部44に接続された画素電極16が形成されたものを、回路基板11と言う。なお、この回路基板11はCMOS基板とも言う。
複数の画素電極16を覆うと共に、第2の接続部46を避けるようにして、光電変換部18が形成されている。光電変換部18は、有機光電変換材料を含む有機光電変換層50と、電子ブロッキング層52とを有する。光電変換部18は、電子ブロッキング層52が画素電極16側(下層側)に形成されており、電子ブロッキング層52上に光電変換層50が形成されている。
電子ブロッキング層52は、画素電極16から光電変換層50に電子が注入されることを防ぐための層であり、単層または複数層で構成されている。また、電子ブロッキング層52は、有機材料もしくは無機材料、またはその両方を含むものである。
電子ブロッキング層52は、有機材料単独膜で構成されてもよいし、複数の異なる有機材料の混合膜で構成されていてもよい。電子ブロッキング層52は、隣接する画素電極16からの電子注入障壁が高くかつ正孔輸送性が高い材料で形成するのが好ましい。電子注入障壁としては、隣接する電極の仕事関数よりも、電子ブロッキング層52の電子親和力が1eV以上小さいのが好ましい、より好ましくは1.3eV以上、特に好ましいのは1.5eV以上である。
電子ブロッキング層52の形成材料に関しては、後に詳述する。
電子ブロッキング層52は、画素電極16と光電変換層50の接触を十分に抑制し、また画素電極16表面に存在する欠陥やゴミの影響を避けるために、厚さが20nm以上であるのが好ましい。電子ブロッキング層52の厚さは、より好ましくは40nm以上、特に好ましいのは60nm以上である。
電子ブロッキング層52を厚くしすぎると、光電変換層50に適切な電界強度を印加するために必要な、供給電圧が高くなってしまう問題や、電子ブロッキング層52中のキャリア輸送過程が、光電変換素子の性能に悪影響を与えてしまう問題が生じる場合が有る。そのため、電子ブロッキング層52の総膜厚は、300nm以下であるのが好ましい、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。
光電変換層50は、入射光等の受光した光Lの光量に応じた電荷を発生するものであり、有機光電変換材料からなる(有機光電変換材料を主成分とする)ものである。
有機光電変換材料からなる光電変換層50は、p型有機半導体材料またはn型有機半導体材料を含有した層であるのが好ましく例示される。光電変換層50は、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを混合したバルクへテロ層であるのがさらに好ましい。さらに好ましくは、光電変換層50は、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料としてのフラーレン(フラーレン誘導体)とを混合したバルクへテロ層である。
光電変換層50として、バルクへテロ層を用いることにより、有機層のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させることができる。最適な混合比率でバルクへテロ層を作製することにより、光電変換層50の電子移動度、正孔移動度を高くすることができ、光電変換素子の光応答速度を十分高速にすることができる。バルクへテロ層のフラーレンの比率としては、40%〜85%(体積比)が好ましい。なお、バルクへテロ層(バルクへテロ接合構造)については、特開2005−303266号公報に詳細に説明されている。
光電変換層50の形成材料に関しては、後に詳述する。
光電変換層50の厚さは、10〜1000nm以下が好ましく、更に好ましくは50〜800nm以下であり、特に好ましくは100〜500nm以下である。
光電変換層50の厚さを10nm以上とすることにより、好適な暗電流抑制効果が得られる。また、光電変換層50の厚さを1000nm以下とすることにより、好適な光電変換効率が得られる。
なお、光電変換層50および電子ブロッキング層52は、画素電極16上では一定の膜厚であれば、それ以外で膜厚が一定でなくてもよい。
光電変換層50は、真空蒸着法で成膜するのが好ましい。蒸着時のすべての工程は真空中で行われることが好ましく、基本的には化合物が直接、外気の酸素、水分と接触しないようにする。水晶振動子、干渉計等の膜厚モニタ−を用いて蒸着速度をPIもしくはPID制御することは好ましく用いられる。2種以上の化合物を同時に蒸着する場合には共蒸着法、フラッシュ蒸着法等を好ましく用いることができる。
あるいは、光電変換層50を構成する有機光電変換材料(特に、p型有機半導体材料およびn型有機半導体材料)を含有する塗料を調製し、この塗料を塗布、乾燥し、さらに、必要に応じて熱処理を行う、塗布法によって、光電変換層50を形成してもよい。
対向電極(上部電極)20は、画素電極16と対向する電極であり、側面(後述する面方向の端部)を含んで、光電変換層50(さらに電子ブロッキング層52)の全面を覆って設けられている。従って、画素電極16と対向電極20との間に光電変換層50が設けられる。図示例において、この対向電極20は、全ての画素電極16に共通である。
また、対向電極20は、光電変換層50よりも外側に配置された第2の接続部46と電気的に接続されており、第2の接続部46を介して対向電極電圧供給部42に接続されている。
対向電極20は、光電変換層に入射する光の絶対量を増加させ、外部量子効率を高くするために、好ましくは、透明導電性酸化物が用いられる。
具体的には、ITO、IZO、SnO2、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(Alドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)等が好適に例示される。
また、対向電極20の形成は、材料によって種々の方法が利用可能であるが、スパッタ法が好適に例示される。
対向電極20の光透過率は、可視光波長において、60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上で、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
また、対向電極20は、厚さが5〜20nmであるのが好ましい。対向電極20を5nm以上の膜厚にすることにより、下層を十分に被覆することができ、均一な性能が得られる。一方、対向電極20を20nm以上の膜厚にすると、対向電極20と画素電極16とが局所的に短絡してしまい、暗電流が上昇してしまうことがある。また、対向電極20を20nm以下の膜厚にすることで、局所的な短絡の発生を抑制できる。
対向電極電圧供給部42は、第2の接続部46を介して対向電極20に所定の電圧を印加するものである。対向電極20に印加すべき電圧が撮像素子10の電源電圧よりも高い場合は、チャージポンプ等の昇圧回路によって電源電圧を昇圧して上記所定の電圧を供給するものである。
画素電極16は、画素電極16とそれに対向する対向電極20との間にある光電変換層50で発生した電荷を捕集するための、電荷捕集用の電極である。画素電極16は、第1の接続部44を介して読出し回路40に接続されている。この読出し回路40は、複数の画素電極16の各々に対応して基板12に設けられており、対応する画素電極16で捕集された電荷に応じた信号を読出すものである。
画素電極16は、前述の画素電極16と同様の材料を用いることができる。このため、画素電極16の材料についての詳細な説明は省略する。
画素電極16の端部において画素電極16の膜厚に相当する段差が急峻だったり、画素電極16の表面に顕著な凹凸が存在したり、画素電極16上に微小な塵埃(パーティクル)が付着したりすると、画素電極16上の層が所望の膜厚より薄くなったり亀裂が生じたりする。そのような状態で層上に対向電極20を形成すると、欠陥部分における画素電極16と対向電極20の接触や電界集中により、暗電流の増大や短絡などの画素不良が発生する。更に、上記の欠陥は、画素電極16とその上の層の密着性や、有機光電変換材料の耐熱性を低下させるおそれがある。
この欠陥を防止して素子の信頼性を向上させるためには、画素電極16の表面粗さRaが0.6nm以下であるのが好ましい。画素電極16の表面粗さRaが小さいほど、表面の凹凸が小さいことを意味し、表面平坦性が良好である。
また、画素電極16上のパーティクルを除去するため、電子ブロッキング層52を形成する前に、半導体製造工程で利用されている一般的な洗浄技術を用いて、画素電極16等を洗浄することが特に好ましい。
読出し回路40は、例えば、CCD、MOS回路、またはTFT回路等で構成されており、絶縁層14内に設けられた遮光層(図示せず)によって遮光されている。なお、読出し回路40は、一般的なイメージセンサ用途ではCCDまたはCMOS回路を採用することが好ましく、ノイズおよび高速性の観点からはCMOS回路を採用するのが好ましい。
なお、図示しないが、例えば、基板12にp領域によって囲まれた高濃度のn領域が形成されており、このn領域に接続部44が接続されている。p領域に読出し回路40が設けられている。n領域は光電変換層50の電荷を蓄積する電荷蓄積部として機能するものである。n領域に蓄積された信号電荷は読出し回路40によって、その電荷量に応じた信号に変換されて、例えば、配線層48を介して撮像素子10外部に出力される。
封止層(保護層)22は、有機光電変換材料を含む光電変換層50を水分子などの劣化因子から保護するためのものである。封止層22は、側面を含んで、対向電極20の全面を覆って形成される。
封止層22としては、次の条件が求められる。
第一に、素子の各製造工程において溶液、プラズマなどに含まれる有機の光電変換材料を劣化させる因子の浸入を阻止して光電変換層を保護することが挙げられる。
第二に、素子の製造後に、水分子などの有機の光電変換材料を劣化させる因子の浸入を阻止して、長期間の保存/使用にわたって、光電変換層50の劣化を防止する。
第三に、封止層22を形成する際は既に形成された光電変換層を劣化させない。
第四に、入射光は封止層22を通じて光電変換層50に到達するので、光電変換層50で検知する波長の光に対して封止層22は透明でなくてはならない。
封止層22は、単一材料からなる薄膜で構成することもできるが、多層構成にして各層に別々の機能を付与することで、封止層22全体の応力緩和、製造工程中の発塵等によるクラック、ピンホールなどの欠陥発生の抑制、材料開発の最適化が容易になることなどの効果が期待できる。
例えば、封止層22は、水分子などの劣化因子の浸透を阻止する本来の目的を果たす層の上に、その層で達成することが難しい機能を持たせた「封止補助層」を積層した2層構成を形成することができる。3層以上の構成も可能だが、製造コストを勘案すると、なるべく層数は少ない方が好ましい。
また、封止層22は、例えば、以下のように形成すればよい。
有機光電変換材料は、水分子などの劣化因子の存在で、顕著にその性能が劣化してしまう。そのために、水分子を浸透させない緻密な金属酸化膜・金属窒化膜・金属窒化酸化膜等で光電変換層全体を被覆して封止することが必要である。従来から、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素やそれらの積層構成、それらと有機高分子の積層構成などを封止層として、各種真空成膜技術で形成されている。従来の封止層は、基板表面の構造物、基板表面の微小欠陥、基板表面に付着したパーティクルなどによる段差において、薄膜の成長が困難なので(段差が影になるので)平坦部と比べて膜厚が顕著に薄くなる。このために段差部分が劣化因子の浸透する経路になってしまう。この段差を封止層22で完全に被覆するには、平坦部において1μm以上の膜厚になるように成膜して、封止層22全体を厚くする必要がある。
画素寸法が2μm未満、特に1μm程度の撮像素子10において、カラーフィルタ26と光電変換層50との距離、すなわち、封止層22の膜厚が大きいと、封止層22内で入射光が回折または発散してしまい、混色が発生する。このために、画素寸法が1μm程度の撮像素子10は、封止層22全体の膜厚を減少させても素子性能が劣化しないような封止層材料、およびその製造方法が必要になる。
ALD(原子層堆積)法は、CVD法の一種で、薄膜材料となる有機金属化合物分子、金属ハロゲン化物分子、金属水素化物分子の基板表面への吸着/反応と、それらに含まれる未反応基の分解を、交互に繰返して薄膜を形成する技術である。
ALD法は、基板表面(被成膜面)へ薄膜材料が到達する際は低分子の状態なので、低分子が入り込めるごくわずかな空間さえあれば薄膜が成長可能である。そのために、従来の薄膜形成法では困難であった段差部分を完全に被覆し(段差部分に成長した薄膜の厚さが平坦部分に成長した薄膜の厚さと同じ)、すなわち段差被覆性が非常に優れる。そのため、基板表面の構造物、基板表面の微小欠陥、基板表面に付着したパーティクルなどによる段差を完全に被覆できるので、そのような段差部分が光電変換材料の劣化因子の浸入経路にならない。すなわち、封止層22の形成をALD法で行なった場合は従来技術よりも効果的に必要な封止層膜厚を薄くすることが可能になる。
ALD法で封止層22を形成する場合は、前述の封止層に要求される機能を発現する材料を適宜選択できる。しかしながら、有機光電変換材料が劣化しないような、比較的に低温で薄膜成長が可能な材料に制限される。
アルキルアルミニウムやハロゲン化アルミニウムを材料としたALD法によると、有機光電変換材料が劣化しない200℃未満で緻密な酸化アルミニウム薄膜を形成することができる。特にトリメチルアルミニウムを使用した場合は100℃程度でも酸化アルミニウム薄膜を形成することができるため好ましい。酸化珪素や酸化チタンも材料を適切に選択することで酸化アルミニウムと同様に200℃未満で、封止層22として、緻密な薄膜を形成することができるため好ましい。
ALD法により形成した薄膜は、段差被覆性、緻密性という観点からは比類なく良質な薄膜形成を低温で達成できる。しかし、薄膜がフォトリソグラフィ工程で使用する薬品で劣化してしまうことがある。例えば、ALD法で成膜した酸化アルミニウム薄膜は非晶質なので、現像液や剥離液のようなアルカリ溶液で表面が侵食されてしまう。このような場合には、ALD法で形成した酸化アルミニウム薄膜上に、耐薬品性に優れる薄膜が必要である。すなわち、封止層22を保護する機能層となる封止補助層が必要である。
特に、封止層22を2層構成とし、第一封止層上に、プラズマCVD法もしくはスパッタ法で形成された、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素のいずれか1つを含む第二封止層を有する構成とするのが好ましい。この際において、第一封止層は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタンのいずれかを含むのが好ましい。
第一付封止層および第二封止層の厚さは、各層の形成材料や形成方法等に応じて、適宜、設定すればよい。一例として、第一封止層が200MPa以上の高応力で高いバリア性を有する、例えば、ALD法による酸化アルミニウム膜で、第二封止層が100MPa以下の低応力を有する、例えば、プラズマCVD法による窒化酸化珪素膜である場合には、第一封止層を1〜40nm、第二封止層を75nm以上とするのが好ましい。
封止層22の上には、カラーフィルタ26が形成される。
カラーフィルタ26は、入射した光を、例えば、R(赤)、G(緑)およびB(青)に分光して、光電変換層50の各画素電極16に対応する領域に入射させるためのものである。図示例において、カラーフィルタ26は、通常の固体撮像素子のカラーフィルタと同様に、各画素電極16の位置および配列に対応して、Rフィルタ26R、Gフィルタ26GおよびBフィルタ26Bの各色フィルタを、順次、繰り返して有している。
すなわち、撮像素子10においては、光電変換部18、対向電極20および色フィルタが上方に設けられた画素電極16、1つが、画素(単位画素)になる。
なお、本発明において、カラーフィルタは、R、GおよびBの3原色のフィルタに限定はされず、固体撮像素子で用いられている、各種のカラーフィルタ(色フィルタの組み合わせ)が利用可能である。例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)およびY(イエロー)、あるいはさらにGの、補色の色フィルタを用いてもよい。
本発明の撮像素子10において、カラーフィルタ26は、基本的に、フォトリソグラフィーなど、公知のカラーの固体撮像素子の製造で利用されている方法で形成すればよい。
一例として、公知のネガ型感光性を有するカラーレジスト材料(例えば、特許第4717370号公報の段落番号[0017]〜[0064]に記載される光硬化性組成物)を、カラーフィルタ26の形成面の全面に塗布し、プリベークを施す。次いで、カラーフィルタの形成部を露光するパターンを有するマスクを用いて、紫外光等で露光して現像可能な状態とする。その後、現像液によって遮光部を除去し、水洗、乾燥を行い、さらに、現像で除去されなかった部分にポストベークを施す。この操作を、Rフィルタ26R、Gフィルタ26GおよびBフィルタ26Bに応じて、3回行うことにより、R、GおよびBの各色フィルタを配列してなるカラーフィルタ26を形成する方法が、例示される。
ここで、本発明の撮像素子10においては、このカラーフィルタ26は、図1に示されるように、画素電極16の配列方向(以下、面方向とも言う)に光電変換層50の形成範囲を超える範囲まで形成される。すなわち、カラーフィルタ26は、面方向に、光電変換層50の面方向の端部を超える範囲まで形成される。
言い換えれば、カラーフィルタ26は、封止層22の上で、面方向に、光電変換層50の形成領域の全面を覆い、かつ、面方向に、光電変換層50の形成範囲よりも広い範囲まで(光電変換層50の形成範囲からはみ出して)、形成される。
本発明の撮像素子10は、このような構成を有することにより、バックグラインド工程における、光電変換層50と対向電極20との膜剥がれを防止して、歩留りを向上することができる。
周知のように、シリコンウエハ等を用いた半導体装置の製造工程では、ウエハ上での素子の形成を終了した後、装置の小型化や軽量化等を目的として、ウエハの裏面(素子形成面と逆面)を研磨する、バックグラインド工程が行われる。
このバックグラインド工程は、素子の形成面に、素子を保護するための保護テープ(いわゆるBGテープ)を貼着して、例えばBG用ホイールと呼ばれる研磨装置を用いて行われる。ウエハの裏面の研磨を終了したら、保護テープを剥離して、ウエハは次工程等に供給される。
ここで、本発明者は、有機光電変換材料からなる光電変換層を有する固体撮像素子では、このバックグラウンド工程における保護テープの剥離の際に、素子を構成する層(膜)の膜剥がれ(剥離)が生じ、この膜剥がれが、製品の歩留りが低下する一因になっていることを見出した。
本発明者は、さらに、検討の結果、有機光電変換材料からなる光電変換層50と対向電極20とは、密着性が低く、膜剥がれが、有機光電変換材料からなる光電変換層50と対向電極20との間で生じ易いことを見出した。
本発明者は、この光電変換層50と対向電極20との間での膜剥がれを防止するために、鋭意検討を重ねた。なお、以下の説明では、特に記載が無い場合には、『膜剥がれ』とは、この光電変換層50と対向電極20との間の膜剥がれを示す。
その結果、前述のように、カラーフィルタ26の形成範囲を光電変換層50の形成範囲よりも広くすることにより、すなわち、カラーフィルタ26を、面方向に光電変換層50の端部を超える範囲まで形成することにより、膜剥がれを防止できることを見出した。
また、本発明者は、この光電変換層50と対向電極20との膜剥がれは、特に、光電変換層50が、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを混合してなるバルクヘテロ構造を有する場合に生じ易く、本発明の効果が顕著なものとなることを見出した。中でも、n型有機半導体材料がフラーレン(フラーレン誘導体)である場合に、本発明の効果がより顕著となり、その中でも、p型有機半導体材料が、後述する一般式(1)で示される化合物である場合には、特に顕著となることを見出した。
加えて、この光電変換層50と対向電極20との膜剥がれは、上記バルクヘテロ構造を有する光電変換層50に、ITOで形成した対向電極20を組み合わせた場合には、さらに生じ易く、本発明の効果は、さらに顕著なものとなることを見出した。
カラーフィルタ26を、面方向に光電変換層50の端部を超える領域まで形成することにより、カラーフィルタ26が、光電変換層50から対向電極52を剥離しようとする力を抑制する緩衝材となって作用し、膜剥がれを防止することができる。
ここで、カラーフィルタ26の厚さは、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上が特に好ましい。カラーフィルタ26の厚さを、この厚さとすることにより、膜剥がれの防止効果を、より好適に得ることができる。一方、現像残渣を低減する観点から、カラーフィルタ26の厚さは、2.0μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましく、1.0μm以下が特に好ましい。
なお、カラーフィルタ26の厚さは、全てのカラーフィルタで同じでもよい。あるいは、カラーフィルタ26の厚さは、色や形成領域によって異なってもよい。
そのため、本発明によれば、光電変換層50と対向電極20との間での膜剥がれに起因する歩留りの低下を抑制して、歩留りの高い撮像素子10を得ることができる。
カラーフィルタ26の形成範囲は、僅かでも面方向に光電変換層50の形成範囲を超えれば、膜剥がれを防止できる。
本発明者の検討によれば、カラーフィルタ26を、面方向に0.05μm以上、光電変換層50の端部を超えた範囲まで形成することにより、膜剥がれの防止効果を、より好適に得ることができる。すなわち、図1に示す光電変換層50の端部とカラーフィルタ26の端部との距離a(光電変換層50の端部からのカラーフィルタ26の余分距離)は、0.05μm以上とするのが好ましい。さらに好ましくは、図1に示す光電変換層50の端部とカラーフィルタ26の端部との距離aは、0.1μm以上であり、特に好ましくは0.3μm以上である。
一方で、この距離aが大き過ぎると、(対向電極20と光電変換層50の)膜剥がれは防止できるが、バックグラインド工程における保護テープの剥離の際に、カラーフィルタ26の損傷や、カラーフィルタ26と封止層22との膜剥がれが生じ易くなってしまう。
光電変換層50の端部とカラーフィルタ26の端部との距離aは、1.5mm以下が好ましく、1.0mmがより好ましい。距離aを1.5mm以下とすることにより、このようなカラーフィルタ26の損傷等を好適に防止することができる。
なお、光電変換層50の端部とカラーフィルタ26の端部との距離aは、光電変換層50の面方向の全周で均一である必要はない。
すなわち、撮像素子10の構成等に応じて、光電変換層50の面方向の形状が四角形である場合には、四辺の内の一辺以上が、他の辺と距離aが異なってもよい。
光電変換層50を超える領域に形成されるカラーフィルタ26の色、すなわち、面方向で最も外側の単位画素に対応する色フィルタは、Rフィルタ26RもしくはGフィルタ26Gにするのが好ましい。
なお、この際において、この面方向に最も外側の単位画素の色フィルタは、統一しても統一しなくても良い。
前述のように、カラーフィルタ26は、一例として、感光性を有する材料を用いて、露光・現像して、Rフィルタ26R、Gフィルタ26GおよびBフィルタ26Bの各色フィルタを形成することで、形成される。
ここで、露光は、多くの場合、紫外線(UV光)を照射することで行われる。そのため、紫外線を最も多く吸収するBフィルタ26Bは、硬化しにくい。その結果、Bフィルタ26Bは、下部近傍の硬化が不十分で、脆く成り易い。そのため、Bフィルタ26Bは、他の色に比して、損傷や、封止層22との膜剥がれが生じ易い。
これに対し、Rフィルタ26RおよびGフィルタ26Gは、紫外光を照射しても、下部が十分に硬化されるので、適正な強度で封止層22と密着し、前述の膜剥がれを防止する緩衝作用を、より好適に発現できる。
本発明の撮像素子10において、カラーフィルタ26は、各色のクロストーク(混色)を防止するために、各色フィルタの間に遮光性の隔壁を有してもよい。隔壁も、前述の各色フィルタと同様にして形成できる。
また、撮像素子10は、封止層22上のカラーフィルタ26を設けた領域(有効画素領域)以外に、有効画素領域以外に形成された光電変換層50に光が入射することを防止する、遮光層を有してもよい。
さらに、撮像素子10は、カラーフィルタ26の上(上面全面を覆って)に、カラーフィルタ26等を保護するための保護層(オーバーコート層)を有してもよい。
保護層は、アクリル系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、弗素樹脂などのような高分子材料や、酸化珪素、窒化珪素のような無機材料を適宜使用できる。
ポリスチレン系などの感光性樹脂を使用すると、フォトリソグラフィ法で保護層をパターニングできるので、ボンディング用パッド上の周辺遮光層、封止層、絶縁層などを開口する際のフォトレジストとして使用することや、保護層自体をマイクロレンズとして加工することが容易になり、好ましい。一方、保護層を反射防止層として使用することも可能であり、カラーフィルタ26の隔壁として使用した各種低屈折率材料を成膜することも好ましい。また、後工程に対する保護層としての機能、反射防止層としての機能を追求するために、保護層を上記材料を組合せた2層以上の構成にしてもよい。
なお、図示例においては、画素電極16は、絶縁層14の表面に形成された構成であるが、これに限定されるものではなく、絶縁層14の表面部に埋設された構成でもよい。
また、第2の接続部46および対向電極電圧供給部42を1つ設ける構成としたが、複数であってもよい。例えば、対向電極20の両端部から対向電極20へ電圧を供給することにより、対向電極20での電圧降下を抑制できる。第2の接続部46および対向電極電圧供給部42のセットの数は、素子のチップ面積を勘案して、適宜増減すればよい。
以下、撮像素子10の製造方法を説明することにより、本発明の固体撮像素子の製造方法を詳細に説明する。
なお、以下の撮像素子10の製造において、各層(膜)の成膜条件は、層の形成材料等に応じて、適宜、設定すればよい。
撮像素子10を製造する際には、一例として、図2(a)に概念的に示すように、読出し回路40と対向電極電圧供給部42とが形成された基板12上に、第1の接続部44と第2の接続部46と、配線層48が設けられた絶縁層14が形成され、さらに、絶縁層14の表面14aに、各第1の接続部44に接続された画素電極16が形成された回路基板11(CMOS基板)を用意する。
この場合、前述のように、第1の接続部44と読出し回路40とが接続されており、第2の接続部46と対向電極電圧供給部42とが接続されている。画素電極16は、例えば、TiNで形成される。
次に、電子ブロッキング層52の成膜室において、図2(b)に概念的に示すように、第2の接続部46上を除き、かつ全ての画素電極16を覆うように、電子ブロッキング材料を例えば真空蒸着によって成膜し、電子ブロッキング層52を形成する。
後述するが、電子ブロッキング材料としては、カルバゾール誘導体が例示され、より好ましくはビフルオレン誘導体が例示される。
次に、光電変換層50の成膜室において、図2(c)に概念的に示すように、電子ブロッキング層52の表面52aに、光電変換層50を形成する。
この光電変換層50の形成により、光電変換部18が形成される。
次に、対向電極20の成膜室において、図3(a)に概念的に示すように、光電変換層18を覆い、かつ第2の接続部46上に形成されるパターンで、例えばスパッタ法によってITOを成膜して、対向電極20を形成する。
次に、封止層22の成膜室において、図3(b)に示すように、対向電極20を覆うようにして、絶縁層14の表面14aに、封止層22として、例えば酸化アルミニウム膜および窒化酸化珪素膜からなる積層膜を形成する。
この場合、前述のように、酸化アルミニウム膜は、酸化アルミニウムを、ALD法を用いて絶縁層14の表面14aに成膜し、この酸化アルミニウム膜上に、窒化酸化珪素をプラズマCVD法もしくはスパッタリング法を用いて成膜し窒化酸化珪素膜を形成するのが好ましい。
なお、封止層22は、単層膜であってもよいのは、前述のとおりである。
封止層22を形成したら、カラーフィルタ26を形成する。
前述のように、カラーフィルタ26は、一例として、以下のように形成する。すなわち、まず、フィルタとなるカラーレジスト材料を封止層22の表面22aに塗布してプリベークを行う。次いで、色フィルタの形成パターンに応じたマスクを用いて紫外光等で露光して、その後、現像を行って遮光部を除去する。さらに、水洗および乾燥を行った後、ポストベークを行って、色フィルタを形成する。
この操作を、Rフィルタ26R、Gフィルタ26GおよびBフィルタ26Bの各色フィルタに対応して、3回、行うことにより、各色フィルタが配列されたカラーフィルタ26を形成する。
ここで、本発明においては、面方向に光電変換層50の端部を超える領域まで、色フィルタを形成する塗料を塗布し、かつ、光電変換層50の端部を超える領域まで、カラーフィルタ26(対応する色フィルタ)を形成するマスクを用いて、このようなカラーフィルタ26の形成を行う。すなわち、本例においては、面方向の端部の単位画素を形成するマスクは、対応する単位画素において、光電変換層50の端部を超える領域まで露光するパターンを有する。
これにより、図1に示すような、面方向に光電変換層50の形成範囲を超える形成範囲を有するカラーフィルタ26、すなわち、面方向に、光電変換層50の面方向端部を超える領域まで存在するカラーフィルタ26を形成する。
なお、塗料の塗布方法には、特に限定はなく、スピンコート法やバーコート法等の公知の方法が、各種、利用可能である。
また、光電変換層50の面方向の端部を超える領域まで存在する色フィルタは、Rフィルタ26RもしくはGフィルタ26Gであるのが好ましく、かつ、光電変換層50の端部と、カラーフィルタ26の端部との距離aは、0.05μm以上とするのが好ましく、また、1.5mm以下とするのが好ましく、さらに、色フィルタの膜厚は0.1μm以上が好ましいのは、前述の通りである。
なお、撮像素子10において、カラーフィルタ26は、各色フィルタの間に隔壁を有してもよい。
また、必要に応じて、カラーフィルタ26を設けた領域以外の封止層22上に、前述のような遮光層を形成してもよく、さらに、最上層に、保護層(オーバーコート層)を形成してもよい。
このようにして、カラーフィルタ26を形成したら、バックグラインド工程を行う。まず、図3(c)に示すように、カラーフィルタ26(保護層を形成した場合には保護層)を覆うように、カラーフィルタ26の形成面に保護テープTを貼着する。
次いで、基板12(回路基板11(ウエハ))の裏面を研磨する。なお、基板12の裏面の研磨は、BG用ホイールを用いる研磨等、半導体装置の製造で利用されている公知の方法で行えばよい。
基板12の裏面の研磨を終了したら、保護テープTを剥離する。
ここで、本発明においては、面方向に光電変換層50の形成範囲を超える範囲までカラーフィルタ26が形成されているので、このようなバックグラインド工程において、保護テープTを剥離しても、光電変換層50と対向電極20との間の膜剥がれが生じることを、好適に防止できる。
以下、光電変換層50およびブロッキング層52の形成材料について説明する。
前述のように、本発明の撮像素子10は、有機材料からなる光電変換層50を有する。好ましくは、光電変換層50は、n型有機半導体材料とp型有機半導体材料とを混合してなる、バルクヘテロ構造を有する層である。
p型有機半導体材料とn型有機半導体材料を接合させてドナ−アクセプタ界面を形成することにより励起子解離効率を増加させることができる。このために、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料を接合させた構成の光電変換層は高い光電変換効率を発現する。特に、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料を混合した光電変換層は、接合界面が増大して光電変換効率が向上するので好ましい。
p型有機半導体材料(化合物)は、ドナー性有機半導体材料(化合物)であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。更に詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。
なお、これに限らず、上記したように、n型(アクセプター性)化合物として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いてよい。
n型有機半導体材料(化合物)は、アクセプター性有機半導体材料であり、主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。更に詳しくは、n型有機半導体とは、2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5〜7員のヘテロ環化合物(例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これに限らず、上記したように、p型(ドナー性)化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いてよい。
p型有機半導体材料、またはn型有機半導体材料としては、いかなる有機色素を用いても良いが、好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素(ゼロメチンメロシアニン(シンプルメロシアニン)を含む)、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、ペリノン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ジケトピロロピロール色素、ジオキサン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素、縮合芳香族炭素環系色素(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)が挙げられる。
n型有機半導体材料として、電子輸送性に優れた、フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体を用いることが特に好ましい。フラーレンとは、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC80、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC96、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブを表す。また、フラーレン誘導体とは、これらに置換基が付加された化合物のことを表す。
なお、n型有機半導体材料としては、フラーレンのみを用いてもよく、フラーレン誘導体のみを用いてもよく、フラーレンおよびフラーレン誘導体を併用してもよい。
フラーレン誘導体の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、または複素環基である。アルキル基として更に好ましくは、炭素数1〜12までのアルキル基であり、アリール基、および複素環基として好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、ベンズイミダゾール環、イミダゾピリジン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、またはフェナジン環であり、更に好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピリジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、またはチアゾール環であり、特に好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、またはピリジン環である。これらは更に置換基を有していてもよく、その置換基は可能な限り結合して環を形成してもよい。なお、複数の置換基を有しても良く、それらは同一であっても異なっていても良い。また、複数の置換基は可能な限り結合して環を形成してもよい。
光電変換層50がフラーレンおよび/またはフラーレン誘導体を含むことで、フラーレン分子またはフラーレン誘導体分子を経由して、光電変換により発生した電子を画素電極16または対向電極20まで早く輸送できる。フラーレン分子またはフラーレン誘導体分子が連なった状態になって電子の経路が形成されていると、電子輸送性が向上して光電変換素子の高速応答性が実現可能となる。このためにはフラーレンおよび/またはフラーレン誘導体が光電変換層に40%(体積比)以上含まれていることが好ましい。もっとも、フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体が多すぎるとp型有機半導体が少なくなって接合界面が小さくなり励起子解離効率が低下してしまう。
光電変換層50において、フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体と共に混合されるp型有機半導体材料として、特許第4213832号公報等に記載されたトリアリールアミン化合物を用いると光電変換素子の高SN比が発現可能になり、特に好ましい。光電変換層内のフラーレンまたはフラーレン誘導体の比率が大きすぎるとトリアリールアミン化合物が少なくなって入射光の吸収量が低下する。これにより光電変換効率が減少するので、光電変換層に含まれるフラーレンおよび/またはフラーレン誘導体は85%(体積比)以下の組成であることが好ましい。
光電変換層50に用いられるp型半導体有機材料は、下記一般式(1)で示される化合物であるのが、特に好ましい。
上記一般式(1)中、Zは少なくとも2つの炭素原子を含む環であって、5員環、6員環、または、5員環および6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。L、L、およびLはそれぞれ独立に無置換メチン基、または置換メチン基を表す。Dは原子群を表す。nは0以上の整数を表す。
は少なくとも2つの炭素原子を含む環であって、5員環、6員環、または、5員環および6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。5員環、6員環、または、5員環および6員環の少なくともいずれかを含む縮合環としては、通常メロシアニン色素で酸性核として用いられるものが好ましい。
その具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
(a) 1,3−ジカルボニル核:例えば1,3−インダンジオン核、1,3−シクロヘキサンジオン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン等。
(b) ピラゾリノン核:例えば1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ベンゾチアゾイル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン等。
(c) イソオキサゾリノン核:例えば3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オン、3−メチル−2−イソオキサゾリン−5−オン等。
(d) オキシインドール核:例えば1−アルキル−2,3−ジヒドロ−2−オキシインドール等。
(e) 2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核:例えばバルビツル酸または2−チオバルビツル酸およびその誘導体等。誘導体としては例えば1−メチル、1−エチル等の1−アルキル体、1,3−ジメチル、1,3−ジエチル、1,3−ジブチル等の1,3−ジアルキル体、1,3−ジフェニル、1,3−ジ(p−クロロフェニル)、1,3−ジ(p−エトキシカルボニルフェニル)等の1,3−ジアリール体、1−エチル−3−フェニル等の1−アルキル−1−アリール体、1,3−ジ(2―ピリジル)等の1,3位ジヘテロ環置換体等が挙げられる。
(f) 2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核:例えばローダニンおよびその誘導体等。誘導体としては例えば3−メチルローダニン、3−エチルローダニン、3−アリルローダニン等の3−アルキルローダニン、3−フェニルローダニン等の3−アリールローダニン、3−(2−ピリジル)ローダニン等の3位ヘテロ環置換ローダニン等が挙げられる。
(g) 2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン(2−チオ−2,4−(3H,5H)−オキサゾールジオン核:例えば3−エチル−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン等。
(h) チアナフテノン核:例えば3(2H)−チアナフテノン−1,1−ジオキサイド等。
(i) 2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核:例えば3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン等。
(j) 2,4−チアゾリジンジオン核:例えば2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−2,4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオン等。
(k) チアゾリン−4−オン核:例えば4−チアゾリノン、2−エチル−4−チアゾリノン等。
(l) 2,4−イミダゾリジンジオン(ヒダントイン)核:例えば2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダゾリジンジオン等。
(m) 2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン(2−チオヒダントイン)核:例えば2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン等。
(n) イミダゾリン−5−オン核:例えば2−プロピルメルカプト−2−イミダゾリン−5−オン等。
(o) 3,5−ピラゾリジンジオン核:例えば1,2−ジフェニル−3,5−ピラゾリジンジオン、1,2−ジメチル−3,5−ピラゾリジンジオン等。
(p) ベンゾチオフェンー3−オン核:例えばベンゾチオフェンー3−オン、オキソベンゾチオフェンー3−オン、ジオキソベンゾチオフェンー3−オン等。
(q) インダノン核:例えば1−インダノン、3−フェニルー1−インダノン、3−メチルー1−インダノン、3,3−ジフェニルー1−インダノン、3,3−ジメチルー1−インダノン等。
1で形成される環として好ましくは、1,3−ジカルボニル核、ピラゾリノン核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含み、例えばバルビツル酸核、2−チオバルビツール酸核)、2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核、2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン核、2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核、2,4−チアゾリジンジオン核、2,4−イミダゾリジンジオン核、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン核、2−イミダゾリン−5−オン核、3,5−ピラゾリジンジオン核、ベンゾチオフェンー3−オン核、インダノン核であり、より好ましくは1,3−ジカルボニル核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含み、例えばバルビツル酸核、2−チオバルビツール酸核)、3,5−ピラゾリジンジオン核、ベンゾチオフェンー3−オン核、インダノン核であり、更に好ましくは1,3−ジカルボニル核、2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核(チオケトン体も含み、例えばバルビツル酸核、2−チオバルビツール酸核)であり、特に好ましくは1,3−インダンジオン核、バルビツル酸核、2−チオバルビツール酸核およびそれらの誘導体である。
1、L2、およびL3はそれぞれ独立に、無置換のメチン基、または置換メチン基を表す。置換メチン基同士が結合して環(例、6員環、例えば、ベンゼン環)を形成してもよい。置換メチン基の置換基は置換基Wが挙げられるが、L1、L2、L3は全てが無置換メチン基であるのが好ましい。
1〜L3は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはシクロヘキセン環、シクロペンテン環、ベンゼン環、チオフェン環等が挙げられる。
nは0以上の整数を表し、好ましくは0以上3以下の整数を表し、より好ましくは0である。nを増大させた場合、吸収波長域が長波長にする事ができるか、熱による分解温度が低くなる。可視域に適切な吸収を有し、かつ蒸着成膜時の熱分解を抑制する点でn=0が好ましい。
1は原子群を表す。D1は−NRa(Rb)を含む基であることが好ましく、−NRa(Rb)が置換したアリーレン基を表す場合が更に好ましい。Ra、Rbはそれぞれ独立に、水素原子、または置換基を表す。
1が表すアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜30のアリーレン基であり、より好ましくは炭素数6〜18のアリーレン基である。アリーレン基は、後述の置換基Wを有していてもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜18のアリーレン基である。例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、ピレニレン基、フェナントレニレン基、メチルフェニレン基、ジメチルフェニレン基等が挙げられ、フェニレン基またはナフチレン基が好ましい。
a、Rbで表される置換基としては後述の置換基Wが挙げられ、好ましくは、脂肪族炭化水素基(好ましくは置換されてよいアルキル基、アルケニル基)、アリール基(好ましくは置換されてよいフェニル基)、またはヘテロ環基である。
a、Rbが表すアリール基としては、それぞれ独立に、好ましくは炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜18のアリール基である。アリール基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜18のアリール基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基である。例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基、フェナントレニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ビフェニル基等が挙げられ、フェニル基またはナフチル基が好ましい。
a、Rbが表すヘテロ環基としては、それぞれ独立に、好ましくは炭素数3〜30のヘテロ環基であり、より好ましくは炭素数3〜18のヘテロ環基である。ヘテロ環基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜18のアリール基を有していてもよい炭素数3〜18のヘテロ環基である。また、Ra、Rbが表すヘテロ環基は縮環構造であることが好ましく、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、シロール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環からから選ばれる環の組み合わせ(同一でも良い)の縮環構造が好ましく、キノリン環、イソキノリン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、チエノチオフェン環、ビチエノベンゼン環、ビチエノチオフェン環が好ましい。
1、Ra、およびRbが表すアリーレン基およびアリール基はベンゼン環または縮環構造であることが好ましく、ベンゼン環を含む縮環構造であることがより好ましく、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環、フェナントレン環を挙げることができ、ベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環がより好ましくは、ベンゼン環またはナフタレン環が更に好ましい。
置換基Wとしてはハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といっても良い)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基が挙げられる。
a、Rbが置換基(好ましくはアルキル基、アルケニル基)を表す場合、それらの置換基は、−NRa(Rb)が置換したアリール基の芳香環(好ましくはベンゼン環)骨格の水素原子、または置換基と結合して環(好ましくは6員環)を形成してもよい。
a、Rbは互いに置換基同士が結合して環(好ましくは5員または6員環、より好ましくは6員環)を形成してもよく、また、Ra、RbはそれぞれがL(L1、L2、L3のいずれかを表す)中の置換基と結合して環(好ましくは5員または6員環、より好ましくは6員環)を形成してもよい。
一般式(1)で表される化合物は、特開2000−297068号公報に記載される化合物であり、前記公報に記載のない化合物も、前記公報に記載の合成方法に準じて製造することができる。一般式(1)で表される化合物は一般式(2)で表される化合物であるのが好ましい。
一般式(2)中、Z2、L21、L22、L23、およびnは一般式(1)におけるZ1、L1、L2、L3、およびnと同義であり、その好ましい例も同様である。D21は置換または無置換のアリーレン基を表す。D22、およびD23はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換のアリール基または置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
21が表すアリーレン基は、D1が表すアリーレン環基と同義であり、その好ましい例も同様である。D22、およびD23が表すアリール基は、それぞれ独立に、Ra、およびRbが表すヘテロ環基と同義であり、その好ましい例も同様である。
以下に一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例を、一般式(3)を用いて示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(3)中、Z3は以下に示す化4におけるA−1〜A−12のいずれかを表す。L31がメチレンを表し、nが0を表す。D31がB−1〜B−9のいずれかであり、D32、およびD33がC−1〜C−16のいずれかを表す。Z3としては、A−2が好ましく、D32、およびD33はC−1、C−2、C−15、C−16から選択されることが好ましく、D31はB−1またはB−9であるのが好ましい。
特に好ましいp型有機材料としては、染料若しくは5個以上の縮環構造を持たない材料(縮環構造を0〜4個、好ましは1〜3個有する材料)が挙げられる。有機薄膜太陽電池で一般的に使用されている顔料系p型材料を用いると、pn界面での暗時電流が増大しやすい傾向になること、結晶性の粒界でのトラップにより光応答が遅くなりがちであることから、撮像素子用として用いることが難しい。このため、結晶化しにくい染料系のp型材料、若しくは5個以上の縮環構造を持たない材料が撮像素子用に好ましく用いることができる。
一般式(1)で表される化合物の更に好ましい具体例は、一般式(3)における以下に示す置換基、連結基および部分構造の組み合わせであるが、本発明はこれらに限定されるものではない。

なお、上記化7中のA−1〜A−12、B−1〜B−9、およびC−1〜C−16は上記化4に示したものと同義である。
以下に、一般式(1)で表される化合物の特に好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(分子量)
一般式(1)で表される化合物は、成膜適性の観点から、分子量が300〜1500であることが好ましく、350〜1200であることがより好ましく、400〜900であることが更に好ましい。分子量が小さすぎる場合では、成膜した光電変換膜の膜厚が揮発により減少してしまい、逆に分子量が大きすぎる場合では蒸着ができず、光電変換素子を作製できない。
(融点)
一般式(1)で表される化合物は、蒸着安定性の観点から、融点が200℃以上であることが好ましく、220℃以上がより好ましく、240℃以上が更に好ましい。融点が低いと蒸着前に融解してしまい、安定に成膜できないことに加え、化合物の分解物が多くなるため、光電変換性能が劣化する。
(吸収スペクトル)
一般式(1)で表される化合物の吸収スペクトルのピーク波長は、可視領域の光を幅広く吸収するという観点から400nm〜700nmであることが好ましい。
(ピーク波長のモル吸光係数)
一般式(1)で表される化合物は、光を効率よく利用する観点から、モル吸光係数は高ければ高いほどよい。吸収スペクトル(クロロホルム溶液)が、波長400nmから700nmまでの可視領域において、モル吸光係数は20000M-1cm-1以上が好ましく、30000M-1cm-1以上がより好ましく、40000M-1cm-1以上が更に好ましい。
このような有機光電変換材料からなる光電変換層50と共に光電変換部18を構成する電子ブロッキング層52には、電子供与性有機材料を用いることができる。
具体的には、低分子材料では、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アニールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、カルバゾール誘導体、ビフルオレン誘導体などを用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体を用いることができる。
電子供与性化合物でなくとも、充分な正孔輸送性を有する化合物であれば用いることは可能である。
電子ブロッキング層52には、無機材料を用いることもできる。
一般的に、無機材料は有機材料よりも誘電率が大きいため、電子ブロッキング層52に用いた場合に、光電変換層に電圧が多くかかるようになり、光電変換効率を高くすることができる。電子ブロッキング層52となりうる材料としては、酸化カルシウム、酸化クロム、酸化クロム銅、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化ガリウム銅、酸化ストロンチウム銅、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化インジウム銅、酸化インジウム銀、酸化イリジウム等がある。
以上、本発明の固体撮像素子および固体撮像素子の製造方法について、詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を示すことにより、本発明を、より詳細に説明する。
[実施例(実施例1〜4、比較例1〜4)]
基板は、Si基板上に、CMOS呼び出し回路、配線層、絶縁層および画素電極を、標準CMOSイメージセンサプロセスにより作製した物を用いた。
この基板を、有機蒸着室に搬送して、有機蒸着室を閉塞し、室内を、1×10-4Paまで減圧した。画素電極上に、下記の化合物1を、蒸着速度0.1〜0.12nm/secで真空蒸着して、厚さ100nmの電子ブロッキング層を形成した。
この電子ブロッキング層上に、下記の化合物2およびフラーレンC60を、それぞれ蒸着速度0.16〜0.18nm/sec、0.25〜0.25nm/secで真空蒸着(共蒸着)して、厚さ400nmの光電変換層を形成した。
光電変換層を形成した基板を有機蒸着室から取り出し、スパッタ室に搬送した。スパッタ室において、光電変換層上に、ITO膜をRFマグネトロンスパッタによって成膜して、厚さ10nmの対向電極を形成した。
対向電極を形成した基板をスパッタ室から取り出し、ALD室に搬送した。ALD室において、対向電極上に、酸化アルミニウム膜をALDによって成膜して、厚さ30nmの第一封止層を形成した。
第一封止層を形成した基板をALD室から取り出し、プラズマCVD室に搬送した。プラズマCVD室において、第一封止層上に、SiON膜を成膜し、厚さ300nmの第二封止層を形成し、封止層を完成した。
封止層の上に、Rフィルタ用カラーレジストとして富士フイルムエレクトロマテリアルズ(株)製のCOLOR MOSAIC―EXIS SR−4000Lを均一塗布し、プリベークを施した。
次いで、Rフィルタに対応する部分を、i線ステッパー((株)ニコン製 NSR−2205i12D)を用いてパターン露光し、さらに、現像液(富士フイルムエレクトロマテリアルズ(株)製 CD−2060)で現像して遮光部を除去し、その後、水洗および乾燥した後、ポストベークを施して、Rフィルタを形成した。
さらに、同様の処理を、GフィルタおよびBフィルタにも対応して行い、封止層の上に、画素電極に対応するRフィルタ、GフィルタおよびBフィルタを配列してなるカラーフィルタを形成し、複数種の図1に示されるような固体撮像素子を作製した。
カラーフィルタは、厚さが0.1μmもしくは0.3μmとなるように制御した。
また、カラーフィルタは、面方向において、光電変換層の端部(形成範囲)からの距離を−200〜1500μmの範囲で変更して形成した。カラーフィルタの形成範囲の正負の符号は、カラーフィルタの形成範囲が光電変換層の形成範囲を超えている場合(図1に示す状態)を正、超えていない場合(光電変換層の端部よりも内側)を負とした。
なお、光電変換層の形成範囲を超えるのは、Bフィルタとした。
固体撮像装置は、このカラーフィルタの厚さと、カラーフィルタの光電変換層の端部からの距離との組み合わせで、合計で8種類(実施例1〜4および比較例1〜4)を作製した。
作製した8種類の固体撮像装置のカラーフィルタに、粘着テープ(電気化学工業(株)製 BGE―194U)を貼着した。なお、粘着テープは、ウェハーマウンター((株)テクノビジョン製 UT−114)を用いて貼り着けた。
次いで、この粘着テープを、180°方向に引っ張るようにして剥離した。
粘着テープを剥離した後、撮像素子のカラーフィルタ形成面を、光学顕微鏡((株)ニコン製 ECRIPSE LV100D)によって確認した。
膜剥がれが確認されなかった物を『優秀』、膜剥がれの確率(膜剥がれ素子数/試験素子数)が1%未満であるものを『良好』、膜剥がれの確率が1%以上のものを『不可』と評価した。
カラーフィルタの膜厚および光電変換層の端部からの距離、膜剥がれの確率、および、評価を、下記表にまとめて示す。

上記表に示されるように、カラーフィルタの形成範囲が光電変換層の形成範囲を超えていない比較例1〜4は、密着力の弱い光電変換層と対向電極との間で、多くの膜剥がれが発生してしまった。
これに対し、光電変換層の形成範囲を超えてカラーフィルタを形成した本発明の固体撮像素子(実施例1〜4)は、光電変換層と対向電極との間の膜剥がれの発生が、1%未満である。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10 (固体)撮像素子
12 基板
14 絶縁層
16 画素電極
18 光電変換部
20 対向電極
22 封止層
26 カラーフィルタ
26R Rフィルタ
26G Gフィルタ
26B Bフィルタ
40 読出し回路
42 対向電極電圧供給部
44 第1の接続部
46 第2の接続部
50 光電変換層
52 電子ブロッキング層

Claims (18)

  1. 複数の画素電極と、
    前記画素電極の上に設けられる、受光した光に応じた電荷を生成する有機材料からなる光電変換層を含む光電変換部と、
    前記光電変換部の上に設けられる、前記複数の画素電極に共通な対向電極と、
    前記対向電極の上に、この対向電極を覆って設けられる封止層と、
    前記封止層の上に、前記光電変換部の全面を覆って設けられるカラーフィルタと、
    前記画素電極に保守された電荷に応じた信号を読み出す読出し回路とを有し、
    かつ、前記カラーフィルタが、前記光電変換層の形成範囲を超える範囲まで形成されていることを特徴とする固体撮像素子。
  2. 前記光電変換層の形成範囲を超える前記カラーフィルタの形成範囲が、0.05μm以上である請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記カラーフィルタの厚さが、0.1μm以上である請求項1または2に記載の固体撮像素子。
  4. 前記カラーフィルタが、赤フィルタ、緑フィルタおよび青フィルタを、前記画素電極に対応して配列してなる場合、
    前記光電変換層の形成範囲を超えて形成されるのが、赤フィルタおよび緑フィルタの少なくとも一方である請求項1〜3のいずれかに記載の固体撮像素子。
  5. 前記光電変換部が、前記光電変換層の下層に、前記画素電極から光電変換層に電子が注入されるのを抑制するための電子ブロッキング層を有する請求項1〜4のいずれかに記載の固体撮像素子。
  6. 前記光電変換層が、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを混合してなるバルクヘテロ構造を有する請求項1〜5のいずれかに記載の固体撮像素子。
  7. 前記n型有機半導体材料が、フラーレンおよびフラーレン誘導体の少なくとも一方である請求項6に記載の固体撮像素子。
  8. 前記p型半導体有機材料が、下記一般式(1)で示される化合物である請求項6または7に記載の固体撮像素子。
    (一般式(1)中、Zは少なくとも2つの炭素原子を含む環であって、5員環、6員環、または、5員環および6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。L、L、およびLはそれぞれ独立に無置換メチン基、または置換メチン基を表す。Dは原子群を表す。nは0以上の整数を表す。)
  9. 前記対向電極が、酸化インジウム錫である請求項1〜8のいずれかに記載の固体撮像素子。
  10. 基板上に、複数の画素電極と、有機材料からなる光電変換層を有する光電変換部と、対向電極と、前記対向電極を覆う封止層とを、この順番で積層した後、
    前記封止層の上に、前記光電変換部の全面を含んで、前記光電変換層の形成範囲を超える形成範囲でカラーフィルタを形成し、
    前記カラーフィルタの形成面側に保護テープを貼着して、前記基板のバックグラインドを行い、バックグラインドを行った後、前記保護テープを剥離することを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  11. 前記光電変換層の形成範囲を超える前記カラーフィルタの形成範囲が、0.05μm以上である請求項10に記載の固体撮像素子の製造方法。
  12. 前記カラーフィルタの厚さが、0.1μm以上である請求項10または11に記載の固体撮像素子の製造方法。
  13. 前記カラーフィルタが、赤フィルタ、緑フィルタおよび青フィルタを、前記画素電極に対応して配列してなる場合、
    前記赤フィルタおよび緑フィルタの少なくとも一方を、前記光電変換層の形成範囲を超えて形成する請求項10〜12のいずれかに記載の固体撮像素子の製造方法。
  14. 前記光電変換部において、前記光電変換層の下層として、前記画素電極から光電変換層に電子が注入されるのを抑制するための電子ブロッキング層を積層する請求項10〜13のいずれかに記載の固体撮像素子の製造方法。
  15. 前記光電変換層が、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを混合してなるバルクヘテロ構造を有する請求項10〜14のいずれかに記載の固体撮像素子の製造方法。
  16. 前記n型有機半導体材料が、フラーレンおよびフラーレン誘導体の少なくとも一方である請求項15に記載の固体撮像素子の製造方法。
  17. 前記p型半導体有機材料が、下記一般式(1)で示される化合物である請求項15または16に記載の固体撮像素子の製造方法。
    (一般式(1)中、Zは少なくとも2つの炭素原子を含む環であって、5員環、6員環、または、5員環および6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。L、L、およびLはそれぞれ独立に無置換メチン基、または置換メチン基を表す。Dは原子群を表す。nは0以上の整数を表す。)
  18. 前記対向電極が、酸化インジウム錫である請求項10〜17のいずれかに記載の固体撮像素子の製造方法。
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