JP2014017050A - 処理金属酸化物半導体粒子分散体 - Google Patents

処理金属酸化物半導体粒子分散体 Download PDF

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Abstract

【課題】金属酸化物半導体電極の性能を向上された光電変換素子を提供する。
【解決手段】アミン化合物と、下記一般式(1)で示される金属原子錯体と、酸化チタン粒子と、溶剤とを含む処理金属酸化物半導体粒子分散体。一般式(1)
Figure 2014017050

〔R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を示す。矢印は酸素原子からTiへの配位結合またはイオン結合を示す。破線はジケトナート化合物構造中の非局在結合を示す。nは1〜3の整数であり、ジケトナート化合物の配位数を示す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子を作成する際に好適に用いられる処理金属酸化物半導体粒子分散体、それを用いた金属酸化物半導体電極および光電変換素子に関する。
太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅などの化合物太陽電池が実用化、もしくは研究開発対象となっているが、普及させる上で製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服する必要がある。一方、大面積化や低価格を指向した有機材料を用いた太陽電池もこれまでに多く提案されているが変換効率が低く、耐久性も悪いという問題があった。
こうした状況の中で、色素によって増感された半導体微多孔質体を用いた光電変換電極および光電変換セル、ならびにこれを作成するための材料および製造技術が開示された(特許文献1および非特許文献1)。提案された電池は、ルテニウム錯体等の増感色素によって分光増感された酸化チタン多孔質層を作用電極としヨウ素を主体とする電解質および対電極から成る色素増感型の光電変換セルである。この方式の第一の利点は酸化チタン等の安価な酸化物半導体を用いるため、安価な光電変換素子を提供できる点であり、第二の利点は用いられるルテニウム錯体が可視光域に幅広く吸収を有していることから比較的高い変換効率が得られる点である。
高い変換効率を有する色素増感型光電変換セルを作成するために酸化チタン多孔質層に水熱合成による酸化チタンゾルを利用する方法がしばしば用いられるが、これには製造上の問題点が多い。水熱合成による製造方法はオートクレーブを用い水溶剤中200℃近くの高温高圧状態を必要とするので大量生産には量産性、品質の再現性、製造時の安全性、コスト面等で課題を持っている。さらにオートクレーブ中で水溶剤に対する酸化チタン含有比が10%未満の低濃度でなければ微粒子化しないので、ペーストとして使用するためには濃縮工程をも必要とする。また、濃縮を行ったとしても、成膜可能な粘度を維持するために酸化チタン含有比は20%前後に留まり、性能の良好な光電変換電極を得るには複数回の印刷を行う必要があるなど生産性を低下させていた。
このような課題を克服するため、酸化チタン微粒子と酸化チタン前駆体を混合する手法(特許文献2)や、二酸化チタンとポリビニルブチラール樹脂を二本ロールで処理する手法(特許文献3)が提案されているが、上記水熱合成による手法に較べて分散粒子が微細化されておらず、光電変換特性が劣るため、性能が良好な光電変換電極を安価に提供することは困難であった。
米国特許4927721号明細書 特開2002−75477号公報 特開2007−115602号公報
Nature(第353巻、第737〜740頁、1991年)
本発明の目的は、比較的安価な材料で生産される金属酸化物半導体電極の性能を向上することである。さらには、同電極を用いることで高性能の光電変換素子を安価に提供することである。
すなわち、本発明は、アミン化合物と、下記一般式(1)で示される金属原子錯体と、酸化チタン粒子と、溶剤とを含む処理金属酸化物半導体粒子分散体に関する。
一般式(1)
Figure 2014017050


〔R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を示す。矢印は酸素原子からTiへの配位結合またはイオン結合を示す。破線はジケトナート化合物構造中の非局在結合を示す。nは1〜3の整数であり、ジケトナート化合物の配位数を示す。〕
また、本発明は、アミン化合物が、下記一般式(2)で示される化合物である、上記処理金属酸化物半導体粒子分散体に関する。
一般式(2)
Figure 2014017050


〔式中、R4〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、無置換もしくは置換基を有するアルキル基、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有するアルキルアミノ基、無置換もしくは置換基を有するアリール基、無置換もしくは置換基を有するアルキルカルボニル基を表す。〕
また、本発明は、R4〜R6のうち少なくとも一つはヒドロキシル基で置換されたアルキル基である、上記処理金属酸化物半導体粒子分散体に関する。
また、本発明は、アミン化合物が、一般式(3)で示される化合物である、上記処理金属酸化物半導体粒子分散体に関する。
一般式(3)
Figure 2014017050


〔式中、R7およびR8は、それぞれ独立に水素原子、無置換もしくは置換基を有するアルキル基、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有するアルキルアミノ基、無置換もしくは置換基を有するアリール基、無置換もしくは置換基を有するアルキルカルボニル基を表す。〕
また、本発明は、R7及びR8がメチル基であることを特徴とする、上記処理金属酸化物半導体粒子分散体に関する。
また、本発明は、R7及びR8がヒドロキシエチル基であることを特徴とする、上記処理金属酸化物半導体粒子分散体に関する。
また、本発明は、前記アミン化合物が、置換基を有しても良い含窒素芳香族複素環化合物である、上記処理金属酸化物半導体粒子分散体に関する。
また、本発明は、前記アミン化合物が、一般式(4)で示される化合物である、上記処理金属酸化物半導体粒子分散体に関する。
一般式(4)
Figure 2014017050
〔式中、R9〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、無置換もしくは置換基を有するアルキル基、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有するアルキルアミノ基、無置換もしくは置換基を有するアリール基、無置換もしくは置換基を有するアルキルカルボニル基を表す。〕
また、本発明は、上記いずれかに記載の処理金属酸化物半導体粒子分散体を成膜して得られる金属酸化物半導体電極に関する。
また、本発明は、前記金属酸化物半導体電極、増感色素、電解質、及び導電性対極を具備する光電変換素子に関する。
本発明は、比較的安価な材料を用いた、穏和な条件での分散処理でも、分散粒子の微細化が可能となるため、処理金属酸化物半導体粒子分散体中の酸化チタン粒子の高濃度化と、分散体の安定性を高めることができる。ひいては、当該処理金属酸化物半導体粒子分散体を用いた、安価でかつ優れた光電変換性能を有する金属酸化物半導体電極、光電変換素子を提供できる。
本発明の処理金属酸化物半導体粒子分散体は、分散処理剤として金属原子錯体及びアミン化合物を併用し、溶剤中で酸化チタン粒子を分散することにより、良好な機能を発現する。
(光電変換材料の説明)
(酸化チタン粒子)
本発明で用いられる酸化チタン粒子は、その材料費が比較的安価であること、種々の粒径の材料を入手可能であること、特性が安定しており取り扱いが容易であること、結晶表面に水酸基を持っており色素吸着が強固に起こること、可視域に吸収が少なく増感色素の太陽光吸収の妨げにならないこと等の点から、色素増感太陽電池用の光電変換材料としては最も有用である。また、結晶構造には、ルチル型(正方晶高温型)、アナターゼ型(正方晶低温型)、ブルッカイト型(斜方晶)が知られているが、アナターゼ型(正方晶低温型)がもっとも好適である。
(金属原子錯体)
本発明で用いられる金属原子錯体は、処理金属酸化物半導体粒子分散体に用いる金属酸化物半導体粒子の表面に吸着し、分散処理剤として機能し得る物である。さらにはこの分散体を導電性基材に塗布して電極層の作成を行った後、焼成後あるいは非焼成時においてもこれが高い密着性と変換効率を与えることができるものである。
本発明で用いられる金属原子錯体は以下の構造を有する。
一般式(1)
Figure 2014017050


〔R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を示す。矢印は酸素原子からTiへの配位結合またはイオン結合を示す。破線はジケトナート化合物構造中の非局在結合を示す。nは1〜3の整数であり、ジケトナート化合物の配位数を示す。〕
本発明で言う1価の置換基の代表例としては、ハロゲン基、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、チオシアン酸基、イソチオシアン酸基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールオキシ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルカルボニル基(アシル基)、アリールカルボニル基、スルホン酸アミド基、スルホン酸エステル基、フタルイミドメチル基等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
本発明でいうハロゲン基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等がある。
本発明でいうアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等がある。
アリール基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、クオーターフェニリル基、o−、m−、およびp−トリル基、キシリル基、o−、m−、およびp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基等がある。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソペンチルオキシ基等がある。
アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、イソプロピルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、イソペンチルチオ基等がある。
アリールチオ基としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基がある。
モノアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基等が挙げられる。
ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、フェニルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ターフェニリルオキシ基、クオーターフェニリルオキシ基、o−、m−、およびp−トリルオキシ基、キシリルオキシ基、o−、m−、およびp−クメニルオキシ基、メシチルオキシ基、ペンタレニルオキシ基、インデニルオキシ基、ナフチルオキシ基、ビナフタレニルオキシ基、ターナフタレニルオキシ基、クオーターナフタレニルオキシ基、アズレニルオキシ基、ヘプタレニルオキシ基、ビフェニレニルオキシ基、インダセニルオキシ基、フルオランテニルオキシ基、アセナフチレニルオキシ基、アセアントリレニルオキシ基、フェナレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、アントリルオキシ基、ビアントラセニルオキシ基、ターアントラセニルオキシ基、クオーターアントラセニルオキシ基、アントラキノリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、トリフェニレニルオキシ基、ピレニルオキシ基、クリセニルオキシ基、ナフタセニルオキシ基、プレイアデニルオキシ基、ピセニルオキシ基、ペリレニルオキシ基、ペンタフェニルオキシ基、ペンタセニルオキシ基、テトラフェニレニルオキシ基、ヘキサフェニルオキシ基、ヘキサセニルオキシ基、ルビセニルオキシ基、コロネニルオキシ基、トリナフチレニルオキシ基、ヘプタフェニルオキシ基、ヘプタセニルオキシ基、ピラントレニルオキシ基、オバレニルオキシ基等がある。
モノアリールアミノ基としては、N−アリールアミノ基、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基等が挙げられる。
ジアリールアミノ基としては、ジアリールアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基等が挙げられる。
アリールカルボニル基としては、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、シンナモイル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、9−アンスロイル基、5−ナフタセノイル基等が挙げられる。
前記の1価の置換基はさらに置換されても良い。このとき1価の置換基にさらに置換する基としては、前記の1価の置換基、または、二重結合を有する基が挙げられる。
ここで、二重結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、2−メチルアリル基、クロチル基、イソクロチル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロキシ基等が挙げられる。
これらの金属原子錯体が同一溶剤中で分散処理剤として機能することにより酸化チタン粒子と共にペーストもしくは分散溶液を作り、成膜後、加熱により焼結して酸化チタン多孔質層を形成し、さらに増感色素を連結することによって可視光および/又は近赤外光領域までの光電変換が可能となる。さらに成膜後の密着性を向上させる。酸化チタン多孔質層表面が増感色素によって増感されるためにはその電導帯が増感色素の光励起順位から電子を受け取りやすい位置に存在することが望ましい。本発明において金属原子錯体は複数の種類を選択して組み合わせることができる。
酸化チタン粒子と、これらの金属原子錯体とを接触させることにより、金属原子錯体は酸化チタン粒子表面に吸着して酸化チタン粒子−金属原子錯体複合体となり、これを焼成することにより酸化チタン粒子表面に新たな同種金属酸化物層が形成されるものと考えられる。新たに形成された金属酸化物層は、酸化チタン粒子同士の結合を促進し、粒子間の電子の移動が行いやすくなるため、低温焼成プロセスであっても比較的高い性能の金属酸化物半導体電極を得ることができる。
これら金属原子錯体は、アヅマックス株式会社などで購入も可能であるが、たとえば無機元素のハロゲン化物とアルコール類、カルボン酸類、遊離の状態のベータージケトン類等と反応させることで得ることもできる。
(アミン化合物)
本発明におけるアミン化合物とは、分子内に少なくとも第一級アミノ基、第二級アミノ基、又は、第三級アミノ基を有する化合物であり、例えばエチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、sec-ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、2−エチルヘキシルオキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、アリルアミン、アニリン等の第一級アミン化合物、ジエチルアミン、ジn−ブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ジアリルアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、N−メチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジフェニルアミン、2,4−ジメチルジフェニルアミン、3-メトキシジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、3-ヒドロキシジフェニルアミン、3,3'-ジヒドロキシジフェニルアミン、ピペリジン等の第二級アミン化合物、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリアリルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、トリフェニルアミン、4−メチルトリフェニルアミン、4,4−ジメチルトリフェニルアミン、ジフェニルエチルアミン、ジフェニルベンジルアミン、N、N-ジフェニル-p-アニシジン等の第三級アミン化合物、ピリジン、2−ピコリン、ピラジン、2−ピリジンメタノール、ピロリジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、1―(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−ピペコリン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン等の環状アミン化合物等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明におけるアミン化合物(2)において、式中、R4〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、無置換もしくは置換基を有するアルキル基、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有するアルキルアミノ基、無置換もしくは置換基を有するアリール基を表す。R4〜R6が置換基によって置換されている場合、1または複数の置換基で置換されていてもよく、R4〜R6上の、Nが結合していない任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、例えばモノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基のようなアルキルアミノ基、アルキルカルボニル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。ここでいうアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルカルボニル基としては、上記金属原子錯体(1)中のR1〜R3で表したものと同様の基を挙げることができる。また、これらの置換基はさらに置換されても良い。
4〜R6におけるアルキル基、アルコキシ基、アリール基としては上記金属原子錯体(1)中のR1〜R3で表したものと同様の基を挙げることができる。また、アルキルアミノ基としてはモノアルキルアミノ基やジアルキルアミノ基があるが、これらも上記金属原子錯体(1)中のR1〜R3で表したものと同様の基を挙げることができる。
アミン化合物(2)としては、特に限定されないが、R4〜R6のうち少なくとも一つはヒドロキシル基で置換されたアルキル基で示される化合物が好ましい。
ヒドロキシル基で置換されたアルキル基としては、例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシ−n−ブチル基、ヒドロキシイソブチル基、ヒドロキシ−sec−ブチル基、ヒドロキシ−tert−ブチル基、ヒドロキシ−n−アミル基、ヒドロキシ−sec−アミル基、ヒドロキシ−tert−アミル基、ヒドロキシイソアミル基、ヒドロキシ−n−ヘキシル基、ヒドロキシシクロヘキシル基、ヒドロキシ−n−ヘプチル基、ヒドロキシ−n−オクチル基、ヒドロキシ−2−エチルヘキシル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシイソノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシイソデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシラウリル基、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシイソトリデシル基、ヒドロキシミリスチル基、ヒドロキシセチル基、ヒドロキシイソセチル基、ヒドロキシステアリル基、ヒドロキシイソステアリル基等があるが、特にヒドロキシエチル基が好ましい。
アミン化合物(3)において、式中、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、無置換もしくは置換基を有するアルキル基、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有するアルキルアミノ基、無置換もしくは置換基を有するアリール基を表す。R7およびR8が置換基によって置換されている場合、1または複数の置換基で置換されていてもよく、R7およびR8上の、Nが結合していない任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、例えばモノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基のようなアルキルアミノ基、アルキルカルボニル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。ここでいうアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルカルボニル基としては、上記金属原子錯体(1)中のR1〜R3で表したものと同様の基を挙げることができる。また、これらの置換基はさらに置換されても良い。
アミン化合物(3)としては特に限定されないが、N,N−ジメチルエタノールアミンやトリエタノールアミンが好ましい。
本発明における含窒素芳香族複素環化合物とはピリジン、ピラジン、ピリミジン類に代表される窒素原子を芳香環の構成原子とする化合物を指す。
本発明におけるアミン化合物(4)において、式中、R9〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、無置換もしくは置換基を有するアルキル基、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有するアルキルアミノ基、無置換もしくは置換基を有するアリール基を表す。R9〜R13が置換基によって置換されている場合、1または複数の置換基で置換されていてもよく、R9〜R13上の、Nが結合していない任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、例えばモノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基のようなアルキルアミノ基、アルキルカルボニル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。ここでいうアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルカルボニル基としては、上記金属原子錯体(1)中のR1〜R3で表したものと同様の基を挙げることができる。また、これらの置換基はさらに置換されても良い。
アミン化合物(4)としては、特に限定されないが、R9〜R13がすべて水素原子で示される化合物が好ましい。
本発明のアミン化合物の効果のひとつとして、添加したアミン化合物が酸化チタン粒子表面に吸着することにより、分散効果を発揮するものと考えられる。各種アミン化合物を溶剤中に完全ないしは一部溶解させ、その溶液中に酸化チタン粒子を添加、混合することで、アミン化合物の酸化チタン粒子表面への吸着が進むものと思われる。そして、酸化チタン粒子表面に吸着したアミン化合物の極性により、酸化チタン粒子表面の溶剤に対する濡れが促進され、酸化チタン粒子同士の凝集が解しやすくなるものと思われる。更に、上述の金属原子錯体を併用することにより、相乗効果で分散が進むため、金属原子錯体を単独で添加して分散処理を実施したときよりも、分散状態の安定性が増すだけでなく、分散体中における酸化チタン粒子の高濃度化も可能となる。本発明において、アミン化合物は複数の種類を選択して組み合わせることができる。
本発明で金属酸化物半導体電極作成用に用いられる処理金属酸化物半導体粒子分散体は、同分散体中に分散処理剤として金属原子錯体及びアミン化合物とを含んでいる。このとき、分散処理剤は、金属原子錯体とアミン化合物とを合わせて、処理前の酸化チタン粒子全体に対して、0.01重量%〜100重量%の範囲で用いられることが好ましい。0.01重量%未満では、金属原子錯体及びアミン化合物の処理による分散性向上や低温焼成による変換効率向上等の効果が認められなくなる等の点で好ましくないことがある。一方で、100重量%を越える場合は、これら分散処理剤が金属酸化物半導体表面の処理に対して過剰となるので、分散体中に単独に存在する分散処理剤が増加し、成膜時に密着性が低下するなど、膜質を悪化させる点で好ましくないことがある。
また、アミン化合物は金属原子錯体全体に対して、0.1重量%〜30重量%の範囲で用いられることが好ましい。0.1重量%未満では、アミン化合物による分散性向上や酸化チタン粒子の高濃度化等の効果が認められなくなる点で好ましくないことがある。さらに、30重量%を越える場合は、酸化チタン粒子表面へ多くのアミン化合物が付着するため、成膜後の酸化チタン半導体電極の伝導帯準位が変化したり、電子トラップが形成されるなどの影響が発現する点で好ましくないことがある。
本発明の処理金属酸化物半導体粒子分散体は、例えば、酸化チタン粒子と、金属原子錯体と、アミン化合物と、を溶剤に分散し、該分散体に、必要に応じてバインダー成分を混合することにより製造することができる。各成分の添加順序等については、これに限定されるわけではない。又、必要に応じて更に溶剤を追加してもかまわない。分散処理は例えばジルコニア製ビーズを使用し、ペイントシェーカーやミルで行うのが一般的であるがこれに限らない。
(分散体の作成)
本発明で用いられる処理金属酸化物半導体粒子分散体の作成に用いることのできる溶剤としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン等の炭酸エステル系溶剤、ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭水化物系位溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチルイミダゾリノン、Nメチルピロリドン、水等を用いることができるがこれに限らない。また、二種類以上の溶剤を混合して用いても良い。
成膜後の揮発分の環境への影響等の点からアルコール系溶剤を用いることがさらに望ましい。ただし処理剤の種類により加水分解が起こらないよう含水率10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下の溶剤中で用いる。スクリーン印刷等の用途に該分散体を用いる場合、溶剤の沸点が100℃より大である方が版乾き等が起こりにくいので望ましい。
酸化チタン粒子は、溶剤に対して、0.1重量%以上90重量%未満の範囲で用いられることが好ましい。0.1重量%未満では、如何なる印刷方式を用いても金属酸化物半導体電極に最適な数ミクロンから十数ミクロンの厚みに成膜するのに膨大な重ね印刷回数を必要とする等の点で好ましくないことがある。また、90重量%以上では、分散が困難となる点で好ましくないことがある。
分散体の目標とする粘度は、これを利用した成膜方法によって異なる。たとえばスキージーを利用した成膜方法であれば0.001〜10Pa.s程度、スクリーン印刷を利用した成膜方法用であれば0.1〜100Pa.s程が目安であるがこれに限らない。インクジェット印刷方式を利用するペーストは0.02Pa.s以下が望ましいがこれに限らない。粘度調節には酸化チタン粒子、金属原子錯体、アミン化合物溶液の量比を変えたり、分散度合いを変えたり、適切量のバインダー樹脂などの増粘成分を添加して調節する。
バインダー樹脂としては、セルロース系、ポリエチレングリコール系、アクリル系、ウレタン系、ポリオール系、ポリエチレン系、ポリアミド系などが挙げられるがペーストの適切な粘度や成膜性、成膜後の金属酸化物半導体電極としての特性を得られるものであればこれに限らない。バインダー樹脂は、処理金属半導体粒子全体に対して、0.1重量%以上10重量%未満の範囲で用いられることが好ましい。0.1重量%未満では、粘度を変化させたり、成膜性を向上させたりの効果がみとめられなくなる等の点で好ましくないことがある。また、10重量%以上では、分散体としての粘度が上がりすぎたり、成膜しづらくなったりする点で好ましくないことがある。さらに、本発明のる処理金属酸化物半導体粒子分散体は必要に応じて添加剤を加えることができる。分散体の保存安定性、乾燥性、基板密着性、成膜適正等の性質を向上させる目的で種々の添加剤を加えることができる。
本発明の金属酸化物半導体電極は、処理金属酸化物半導体粒子分散体を導電性基材上に塗布後、乾燥または焼結することにより形成する。概分散体を導電性基材上に塗布する方法としてはスピンコーターによる塗布方法やスクリーン印刷法、スキージーを用いた塗布方法、ディップ法、吹き付け法、ローラー法等が用いられるが、これらに限らない。塗布された処理金属酸化物半導体粒子分散体は、乾燥又は焼成後、該分散体中の揮発成分が除去され導電性基材上に金属酸化物多孔質体を形成する。
(導電性基材)
処理金属酸化物半導体粒子分散体を塗布する導電性基材としては、特に限定されないが、非導電性の基材本体の表面に導電性膜を形成したものや、基材自体が導電性を有するものであればよい。具体的には、ITO(インジウム−スズ酸化物)や酸化スズ(フッ素等がドープされた物を含む)、酸化亜鉛等の導電性及び透明性の良好な金属酸化物層が表面に積層された透明基材や、後述する電解質と反応することのない、例えばTi(チタン)などの金属、あるいは表面に導電層を形成した酸化物、あるいは炭素材料であっても良い。導電性表面を有した電極に用いられる透明基材としては太陽光の可視から近赤外領域に対して光り吸収が少ない材料であれば特に限定されない。石英、並ガラス、BK7、鉛ガラス等のガラス基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラート、ポリプロピレン、テトラアセチルセルロース、シンジオクタチックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステルスルフォン、ポリエーテルイミド、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ、塩化ビニール等の樹脂基材を用いることができる。但し、光電変換素子を構成する上で、処理金属酸化物半導体粒子分散体を塗布する導電性基材と後述する導電性対極のうち、少なくとも一方は、光透過性を有する透明の導電性基材である必要があり、そのため、少なくとも一方は表面に透明導電膜が形成された透明基材であることが好ましい。
本発明において金属酸化物半導体電極を作成する場合、乾燥又は焼成の条件としては、例えば400℃から500℃の温度で1時間の熱エネルギーを与える方法が一般的であるが、導電性基材の電導面に密着性を有し、太陽光照射時に良好な起電力が得られる乾燥又は焼成方法であるならこれに限らない。
特に本発明の処理金属酸化物半導体粒子分散体は、導電性基材が樹脂である場合にこれが溶解しない250℃以下の加熱条件でも良好な起電力を与えることが可能である。
本発明の製造方法で得られた透明導電膜付き樹脂基材上の金属酸化物半導体電極は室温〜250℃の乾燥処理でも高い変換効率を与えることができるが、さらに加熱の前後または加熱と同時に、金属酸化物半導体電極に加圧処理、超音波溶着処理、マイクロ波照射処理、紫外光照射処理、オゾン処理、フラッシュアニール処理、レーザーアニール処理、放電プラズマ焼結処理またはエキシマーランプ処理などの追加処理を加えて変換効率や膜の密着性などを上げることができる。加熱と同時に電極に紫外光の照射を行った場合、効果的に粒子表面の有機成分が減少する。この場合変換効率は加熱による温度が高いほど高い値が得られる。UV−オゾン処理でも同様に有機物を減少させ、変換効率を向上させる事ができる。
増感色素の溶液を作るための溶剤は、増感色素を溶解させ、金属酸化物層に色素吸着の仲立ちを行える溶剤である必要がある。増感色素を溶解させるために必要に応じて加熱、溶解助剤の添加および不溶分のろ過を行っても良い。溶剤は二種類以上の溶剤を混合して用いても良く、溶剤としてエタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン等の炭酸エステル系溶剤、ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭水化物系位溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチルイミダゾリノン、Nメチルピロリドン、水等を用いることができるがこれに限らない。溶剤は二種類以上の溶剤を混合して用いても良い。
導電性基材上に形成される金属酸化物多孔質層の膜厚は3μm以上50μm以下であることが望ましい。膜厚がこの範囲未満である場合有効な変換効率が得られない。又膜厚がこの範囲より厚い場合成膜時に割れや剥がれが生じる等作成が困難になる反面、金属酸化物多孔質体表層と電導面との距離が増えるために発生電荷が導電面に有効に伝えられなくなるので、良好な変換効率を得にくくなる。
(光電変換用増感色素の説明)
本発明において用いられる光電変換用増感色素は、金属酸化物半導体電極が光電変換できない波長領域の光を吸収して励起された電子を金属酸化物半導体の荷電子帯へ注入する役割を有している。ソラロニクス社等から得ることができるルテニウム色素(N719色素等)等が代表例であるが、希少元素を用いる点で資源枯渇、コスト面で懸念があり、近年これに代わる有機系の増感色素が多く開発されている。クマリン系、シアニン系、ロダニン系、スクワリリウム系、ジケトピロロピロール系、フェニレンビニレン系、フルオレン系色素、メロシアニン系色素等がこれにあたるが、これらも本発明の増感色素として用いることができる。これらの有機色素の中には鮮やかな赤色や青色を呈するものがあり、意匠性を重視した用途に応じて選択して用いることができるという利点もある。これら有機系色素では三菱製紙株式会社のメロシアニン系色素がよく知られており、同社よりD77、D102、D131、D149、D358などを入手することができる。また、本発明において用いられる光電変換用増感色素は、2種以上の色素を混合して用いても良い。
(光電変換素子)
本発明の製造方法により得られる金属酸化物半導体電極は、電解質層を介して導電性対極を組み合わせることによって光電変換素子を形成する。
(電解質層)
本発明で用いられる電解質層は電解質、媒体、および添加物から構成されることが好ましい。本発明の電解質はI2とヨウ化物(例としてLiI、NaI、KI、CsI、MgI2、CaI2、CuI、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等)の混合物、Br2と臭化物(例としてLiBr等)の混合物、Inorg. Chem. 1996,35,1168−1178に記載の溶融塩等を用いることができるがこの限りではない。この中でもI2とヨウ化物の組み合わせとしてLiI、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等を混合した電解質が本発明では好ましいがこの組み合わせ方に限らない。
好ましい電解質濃度は媒体中I2が0.01M以上0.5M以下でありヨウ化物の混合物が0.1M以上15M以下である。
本発明で電解質層に用いられる媒体は、良好なイオン電導性を発現できる化合物であることが望ましい。溶液状の媒体としては、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジメチルスルホキシド、スルホランなど非プロトン極性物質、水などを用いることができる。
又、固体状(ゲル状を含む)の媒体を用いる目的で、ポリマーを含ませることもできる。この場合、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーを前記溶液状媒体中に添加したり、エチレン性不飽和基を有した多官能性モノマーを前記溶液状媒体中で重合させて媒体を固体状にする。
電解質層としてはこの他、CuI、CuSCN媒体を必要としない電解質および、Nature,Vol.395, 8 Oct. 1998,p583-585記載の2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)9,9’−スピロビフルオレンのような正孔輸送材料を用いることができる。
本発明に用いられる電解質層には光電変換素子の電気的出力を向上させたり、耐久性を向上させる働きをする添加物を添加することができる。電気的出力を向上させる添加物として4−t−ブチルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジン、シクロデキストリン等が挙げられる。耐久性を向上させる添加物としてMgI等が挙げられる。
(導電性対極)
本発明で用いられる電導性対極は光電変換素子の正極として機能するものである。具体的に対極に用いる導電性の材料としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等)、金属酸化物(ITO(インジウム‐スズ酸化物)やFTO((フッ素ドープ酸化スズ)、酸化亜鉛)、または炭素等が挙げられる。
(組み立て方)
前記の光電変換電極と導電性対極を電解質層を介して組み合わせることによって光電変換セルを形成する。必要に応じて電解質層の漏れや揮発を防ぐために、光電変換セルの周囲に封止を行う。封止には熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、ガラスフリット等を封止材料として用いることができる。光電変換セルは必要に応じて小面積の光電変換セルを連結させて作る。光電変換セルを直列に組み合わせることによって起電圧を高くすることができる。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。なお、使用した溶剤の含水量は、いずれも試薬レベルで1重量%未満であった。また、実施例中、部は重量部を、%は重量%をそれぞれ表す。
実施例1〜122及び比較例1
1−ヘキサノール50.75部に、一般式(1)で示される金属原子錯体としてチタンアセチルアセトナート(Ti=O(acac)2)を8部、アミン化合物を1.25部、石原産業社製酸化チタンST−01(平均粒子径7nm)を40部加え、ジルコニアビーズと混合し、ペイントシェーカーを用いて分散することで処理金属酸化物半導体粒子分散体を得た。また、粘度は山一電機社製超音波振動式粘度計を使用し、25℃での値を用いた。表1〜5に分散処理剤として用いたアミン化合物と、該処理金属酸化物半導体粒子分散体の粘度を示す。なお、比較例1として、アミン化合物を用いず、1−ヘキサノール52部として分散処理を行った際の粘度も示す。
表1
Figure 2014017050
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実施例1〜23はアミン化合物として、一般式(3)で示される化合物を用いて処理金属酸化物半導体粒子分散体を作製し、粘度測定したものである。比較例1と比べて、実施例1〜23は粘度が低くなっていることがわかる。
表2
Figure 2014017050
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実施例24〜42はアミン化合物として、一般式(2)のR4〜R6のうちの少なくともひとつがヒドロキシル基で置換されたアルキル基である化合物を用いて処理金属酸化物半導体粒子分散体を作製し、粘度測定したものである。比較例1と比べて、実施例24〜42は粘度が低くなっていることがわかる。
表3
Figure 2014017050
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実施例43〜63はアミン化合物として、一般式(2)の化合物を用いて処理金属酸化物半導体粒子分散体を作製し、粘度測定したものである。比較例1と比べると、実施例43〜63は粘度が低くなっていることがわかる。
表4
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実施例64〜84はアミン化合物として、一般式(4)の化合物群を用いて処理金属酸化物半導体粒子分散体を作製し、粘度測定したものである。比較例1と比べると、実施例64〜84は粘度が低くなっていることがわかる。
表5
Figure 2014017050
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実施例85〜122はアミン化合物として、置換基を有しても良い含窒素芳香族複素環化合物を用いて処理金属酸化物半導体粒子分散体を作製し、粘度測定したものである。比較例1と比べると、実施例85〜122は粘度が低くなっていることがわかる。
これら実施例1〜122と比較例1の結果より、アミン化合物を用いると粘度が低下しており、アミン化合物が分散剤として機能していることがわかった。また、粘度の低下の効果は、一般式(2)のR4〜R6のうち少なくともひとつがヒドロキシル基で置換されたアルキル基である化合物か、もしくは、置換基を有しても良い含窒素芳香族複素環化合物を用いた場合が大きく、さらに、一般式(3)で示される化合物、もしくは、一般式(4)で示される化合物を用いた場合が特に大きかった。
以上のように、アミン化合物を使用することで、酸化チタンの分散性が向上したため、比較例1に比べて処理金属酸化物半導体粒子分散体の粘度が低下した。これにより、処理金属酸化物半導体粒子分散体中の酸化チタン濃度の増加も可能となる。また、本発明においてアミン化合物としては、一般式(2)のR4〜R6のうち少なくともひとつがヒドロキシル基で置換されたアルキル基である化合物か、もしくは、置換基を有しても良い含窒素芳香族複素環化合物が好適であることがわかる。さらに、それら化合物群の中でも、一般式(3)で示される化合物、もしくは、一般式(4)で示される化合物がより好適であることがわかる。
実施例123
(スクリーン印刷用ペーストの調製)
1−オクタノール44.75部に、一般式(1)で示される金属原子錯体としてチタンアセチルアセトナート(Ti=O(acac)2)を9部、実施例3記載のアミン化合物を1.25部、石原産業社製酸化チタンST−01(平均粒子径7nm)を45部加え、ジルコニアビーズと混合し、ペイントシェーカーを用いて分散し、処理金属酸化物半導体粒子分散体を得た。該分散体の粘度を山一電機社製超音波振動式粘度計により測定したところ、82.4mPa・sであった。その後、該分散体70.37部に対して、エチルセルロース(ハーキュレス社製N−4)14.81部と1−オクタノール14.81部を溶解混練することでスクリーン印刷用ペーストを調製した。調整後の粘度は、東機産業社製TV22型粘度計を用いて測定したところ、0.3rpmで210Pa・sであった。
(金属酸化物半導体電極の作製)
上記スクリーン印刷用ペーストを、1cm角のパターンを形成したステンレス製メッシュスクリーン(#180)を用いてFTO膜付きのガラス基板(旭ガラス社製 タイプU−T CO)上に塗布、乾燥後、470℃1時間焼成し、成膜することで導電性透明基板上に1cm角の金属酸化物半導体電極を形成した。該金属酸化物半導体電極の膜厚をVeeco社製触針式表面形状測定器DEKTAK6Mを用いて測定したところ9.4μmで
あった。
(増感色素の吸着)
t−ブチルアルコールとアセトニトリルの1:1混合液に増感色素(Ru錯体;ソラロニクス社製:N719)3×10-4Mを溶解し、さらにメンブランフィルターで不溶分を除去した。この色素溶液に前記金属酸化物半導体電極を浸し、40℃で2時間放置する。着色した電極表面を使用溶剤で洗浄した後乾燥させることで増感色素の吸着した光電変換電極を得た。
(電解質溶液の調整)
下記処方で電解質溶液を得た。
溶剤 3−メトキシアセトニトリル
LiI 0.1M
2 0.05M
4−t−ブチルピリジン 0.5M
1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド 0.6M
(光電変換素子の組み立て)
導電性対極にはFTO膜付きのガラス基板(旭ガラス社製 タイプU−T CO)の導電層上にスパッタリング法により200nmの白金層を積層した物を用いた 。また、樹脂フィルム製スペーサーとして、三井・デュポンポリケミカル社製 「ハイミラン」フィルムの25μm厚の物を準備し、前記光電変換電極と導電性対極とをスペーサーを介して対向させ、内部に上記の電解質を充填して電解液層を形成することで、光電変換素子を完成させた。
(変換効率の測定)
ORIEL社製ソーラーシュミレーター(#8116)とエアマスフィルターとを組み合わせ、光量計で1−SUN の光量に調整して測定用光源とし、光電変換セルの試験サンプルに光照射をしながらKEITHLEY社製2400型ソースメータを使用してI−Vカーブ特性を測定した。変換効率ηは、I−Vカーブ特性測定から 得られたVoc(開放電圧値)、Jsc(短絡電流値)、FF(フィルファクター値) を用いて下式により算出した。
Figure 2014017050


その結果、Voc=0.72V、Jsc=15.73mA/cm2、FF=0.64、η=7.25%を得た。
実施例124〜133及び比較例2、3
分散助剤であるアミン化合物の種類、処理金属酸化物半導体粒子分散体の組成、ペースト調製組成を変更して金属酸化物半導体電極を作製した以外は実施例123と同様にして光電変換素子の性能を測定した。このとき使用したアミン化合物、処理金属酸化物半導体粒子分散体の組成と粘度を表6に、また、ペースト調製組成、粘度、金属酸化物半導体電極の膜厚及び光電変換効率を表7に示した。なお、参考のため、表中には実施例123も同時に記載している。
表6
Figure 2014017050
表7
Figure 2014017050
表7中、処方指標Resin/TiO2は、エチルセルロースN−4の重量と、ペースト調製に用いた処理金属酸化物半導体粒子分散体中の酸化チタンの重量比である。
アミン化合物を用いることで処理金属酸化物半導体粒子分散体の分散性が向上し、該分散体中における酸化チタン濃度を向上させることができ、ペースト調製後、スクリーン印刷により作製した金属酸化物半導体電極の膜厚増加も可能となる。これにより、金属酸化物半導体電極の比表面積が増加し、より多くの増感色素を吸着できるため、光電変換効率を増加させることができる。一方で、比較例2に示したように、アミン化合物を用いず処理金属酸化物半導体粒子分散体を作製し、ペースト調製後、スクリーン印刷により作製した金属酸化物半導体電極は、膜厚こそ十分であるが(酸化チタン濃度が高いため)、酸化チタン粒子の分散状態が不十分であるため、その光電変換性能は低いものであった。また、比較例3に示したように、アミン化合物を用いず、酸化チタン粒子の分散状態を十分なものとするため、酸化チタン濃度を低下させて作製した処理金属酸化物半導体粒子分散体では、ペースト調製後、スクリーン印刷により作製した金属酸化物半導体電極の膜厚が低く、高い光電変換性能を達成することができなかった。
実施例134〜144
処理金属酸化物半導体粒子分散体を作成する際に、添加する一般式(1)で示される金属原子錯体の種類を変更した以外は実施例123と同様にして金属酸化物半導体電極を作製し、光電変換素子の性能を測定した。このとき添加した金属原子錯体、処理金属酸化物半導体粒子分散体の粘度、金属酸化物半導体電極の膜厚、光電変換効率を表8に示した。
表8
Figure 2014017050
表8より、一般式(1)で示される金属原子錯体を変更しても本発明の効果の有効性が認められる。
なお、表8中、iPrはイソプロピル基、nBuはノルマルブチル基を示す。
また、表8中における一般式(1)で示される金属原子錯体の配位子を下記一般式(5)で表し、その場合のacacおよびL1〜L5を表9で示す。
一般式(5)
Figure 2014017050
(矢印は酸素原子から金属原子への配位結合またはイオン結合を示す。破線はジケトナート化合物構造中の非局在結合を示す。)
表9
Figure 2014017050
以上のように、処理金属酸化物半導体粒子分散体を作製する際に、分散処理剤として金属原子錯体及びアミン化合物を併用し、溶剤中で酸化チタン粒子を分散することにより、その分散性を向上でき、該処理金属酸化物半導体粒子分散体中の酸化チタン濃度の増加、ひいては金属酸化物半導体電極の膜厚増加も可能となる。金属酸化物半導体電極の膜厚増加は、良好な光電変換性能の発現と電極作製時の印刷回数の削減につながる。

Claims (11)

  1. アミン化合物と、下記一般式(1)で示される金属原子錯体と、酸化チタン粒子と、溶剤とを含む処理金属酸化物半導体粒子分散体。
    一般式(1)
    Figure 2014017050


    〔R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を示す。矢印は酸素原子からTiへの配位結合またはイオン結合を示す。破線はジケトナート化合物構造中の非局在結合を示す。nは1〜3の整数であり、ジケトナート化合物の配位数を示す。〕
  2. アミン化合物が、下記一般式(2)で示される化合物である、請求項1記載の処理金属酸化物半導体粒子分散体。
    一般式(2)
    Figure 2014017050

    〔式中、R4〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、無置換もしくは置換基を有するアルキル基、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有するアルキルアミノ基、無置換もしくは置換基を有するアリール基、無置換もしくは置換基を有するアルキルカルボニル基を表す。〕
  3. R4〜R6のうち少なくとも一つはヒドロキシル基で置換されたアルキル基である、請求項2記載の処理金属酸化物半導体粒子分散体。
  4. アミン化合物が、一般式(3)で示される化合物である、請求項2または3記載の処理金属酸化物半導体粒子分散体。
    一般式(3)
    Figure 2014017050


    〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、無置換もしくは置換基を有するアルキル基、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有するアルキルアミノ基、無置換もしくは置換基を有するアリール基、無置換もしくは置換基を有するアルキルカルボニル基を表す。〕
  5. 7及びR8がメチル基であることを特徴とする、請求項3記載の処理金属酸化物半導体粒子分散体。
  6. 7及びR8がヒドロキシエチル基であることを特徴とする、請求項3記載の処理金属酸化物半導体粒子分散体。
  7. アミン化合物が、置換基を有しても良い含窒素芳香族複素環化合物である、請求項1記載の処理金属酸化物半導体粒子分散体。
  8. アミン化合物が、一般式(4)で示される化合物である、請求項7記載の処理金属酸化物半導体粒子分散体。
    一般式(4)
    Figure 2014017050

    〔式中、R9〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、無置換もしくは置換基を有するアルキル基、無置換もしくは置換基を有するアルコキシ基、無置換もしくは置換基を有するアルキルアミノ基、無置換もしくは置換基を有するアリール基、無置換もしくは置換基を有するアルキルカルボニル基を表す。]
  9. R9〜R13が、全て水素原子であることを特徴とする請求項7に記載の処理金属酸化物半導体粒子分散体。
  10. 請求項1〜8いずれかに記載の処理金属酸化物半導体粒子分散体を成膜して得られる金属酸化物半導体電極。
  11. 請求項9に記載の金属酸化物半導体電極、増感色素、電解質、及び導電性対極を具備する光電変換素子。
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