JP2014017031A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造設備を簡略化できる光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】光情報記録媒体は、少なくとも2層の情報信号層を備える。2層の情報信号層が、同一組成の記録材料により構成される、光の照射により情報信号を記録可能である記録層を含んでいる。
【選択図】図1

Description

本技術は、光情報記録媒体に関する。詳しくは、複数の情報信号層を備える光情報記録媒体に関する。
これまでCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などが光情報記録媒体の市場を牽引してきた。しかし、近年では、テレビのハイビジョン化やPC(Personal Computer)で取り扱うデータの急激な増大に伴い、光情報記録媒体の更なる大容量化が求められている。この要求に応えるべく、BD(Blu-ray Disc(登録商標))などの青色レーザに対応した大容量の光情報記録媒体が登場し、新たな大容量の光情報記録媒体の市場が立ち上がりつつある。
ところで、近年では、記録可能なDVDやBDなどの高密度の光情報記録媒体においては、記録容量をさらに増大させるために、記録層を多層化する技術が広く採用されている。多層型の光情報記録媒体では、一般的には、光照射面からみた各記録層の反射率および記録感度が揃えられている。このような特性を得るために、従来の多層型の光情報記録媒体では、すべての記録層で異なる記録材料が用いられている(例えば特許文献1参照)。
特開2012−64275号公報
しかしながら、上述のようにすべての層で異なる記録材料を用いると、各層で異なる成膜装置(例えばターゲットおよび成膜室など)を準備する必要が生じ、製造設備が大型化していた。このため、初期の設備投資が増大し、大容量の光情報記録媒体を安価に作製することが困難となっていた。
したがって、本技術の目的は、製造設備を簡略化できる光情報記録媒体を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本技術は、
少なくとも2層の情報信号層を備え、
2層の情報信号層は、同一組成の記録材料により構成される、光の照射により情報信号を記録可能である記録層を含んでいる光情報記録媒体である。
本技術では、2層の情報信号層の記録層を同一組成の記録材料により構成しているので、2層の記録層を同一の成膜装置にて成膜することができる。
以上説明したように、本技術によれば、光情報記録媒体の製造設備を簡略化できる。
図1は、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。 図2Aは、情報信号層の第1の構成例を示す模式図である。図2Bは、情報信号層の第2の構成例を示す模式図である。 図3Aは、情報信号層の第3の構成例を示す模式図である。図3Bは、情報信号層の構成例を示す模式図である。 図4は、光情報記録媒体の光学特性を説明するための模式図である。 図5は、本技術の第2の実施形態に係る光情報記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。 図6は、本技術の第3の実施形態に係る光情報記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。 図7は、本技術の第4の実施形態に係る光情報記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。 図8Aは、試験例1のシミュレーションの結果を示す図である。図8Bは、反射率R0、R1および透過率t0、t1の好適な数値範囲を示す図である。図8Bは、反射率R0、R1および透過率t0、t1のより好適な数値範囲を示す図である。 図9Aは、参考例1の光情報記録媒体の信号特性の評価結果を示す図である。図9Bは、参考例2の光情報記録媒体の信号特性の評価結果を示す図である。
本技術の実施形態について以下の順序で説明する。
1.第1の実施形態(2層構造の光情報記録媒体の例)
1.1.光情報記録媒体の構成
1.2.光情報記録媒体の光学特性
1.3.光情報記録媒体の記録再生
1.4.光情報記録媒体の製造方法
2.第2の実施形態(n層構造の光情報記録媒体の例)
3.第3の実施形態(2枚の基板を貼り合わせた光情報記録媒体の例)
4.第4の実施形態(凹凸面に情報信号層を設けた光情報記録媒体の例)
<1.第1の実施形態>
[1.1.光情報記録媒体の構成]
図1は、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。この光情報記録媒体10は、いわゆる追記型の光情報記録媒体であり、図1に示すように、中間層S0、情報信号層L0、中間層S1、情報信号層L1、カバー層2がこの順序で基板1の一主面に積層された構成を有する。光情報記録媒体10は、情報信号の記録または再生時に、第1レーザ光LB1および第2レーザ光LB2が照射される光照射面Cを有する。
以下、光情報記録媒体10を構成する基板1、情報信号層L0、L1、中間層S0、S1およびカバー層2について順次説明する。
(基板)
基板1は、例えば、中央に開口(以下「センターホール」と称する。)が形成された円盤形状を有する。この基板1の一主面には、例えば、凹凸面が設けられており、この凹凸面上に情報信号層L0が成膜される。凹凸面は、例えば、周方向に連続的に延在された複数の溝(凹部)と、この溝間に設けられた複数の凸部とにより形成されている。以下では、凹凸面のうち溝(凹部)をランドLd、凸部をグルーブGvと称する。
このグルーブGvおよびランドLdの形状としては、例えば、スパイラル状、同心円状などの各種形状が挙げられる。また、グルーブGvおよび/またはランドLdが、例えば、線速度の安定化やアドレス情報付加などのためにウォブル(蛇行)されている。
基板1の径(直径)は、例えば120mmに選ばれる。基板1の厚さは、剛性を考慮して選ばれ、好ましくは0.3mm以上1.3mm以下、より好ましくは0.6mm以上1.3mm以下、例えば1.1mmに選ばれる。また、センターホールの径(直径)は、例えば15mmに選ばれる。
基板1の材料としては、例えば、プラスチック材料またはガラスを用いることができ、コストの観点から、プラスチック材料を用いることが好ましい。プラスチック材料としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができる。
(情報信号層)
光情報記録媒体10は、光照射面Cから遠い情報信号層(第1情報信号層)L0と、光照射面Cから近い情報信号層(第2の情報信号層)L1とから2層の情報信号層を備えている。情報信号層L0、L1は、同一組成の記録材料により構成される、レーザ光の照射により情報信号を記録可能である記録層を含んでいる。このような構成にすることで、光情報記録媒体10の構造および製造装置を簡略化することができる。光情報記録媒体10の構造および製造装置の更なる簡略化の観点からすると、情報信号層L0、L1が同一の層構成を有し、かつ、情報信号層L0、L1を構成する各層が同一の組成を有していることが好ましい。
情報信号層L0、L1は、保存信頼性向上の観点からすると、記録層の主面の少なくとも一方に設けられた保護層をさらに備えることが好ましく、記録層の両方の主面に保護層をさらに備えることがより好ましい。情報信号層L0、L1の保護層は、光情報記録媒体10の構造および製造装置の更なる簡略化の観点からすると、同一組成の材料により構成されていることが好ましい。
以下に、情報信号層L0、L1の具体例として、第1〜第4の構成例について説明する。
(第1の構成例)
図2Aは、情報信号層の第1の構成例を示す模式図である。図2Aに示すように、第1の構成例では、情報信号層L0、L1は、記録層11のみにより構成されている。このような単純な構成とすることで、光情報記録媒体10の構造および製造装置を第2〜第4の構成例に比べて簡略化することができる。
(第2の構成例)
図2Bは、情報信号層の第2の構成例を示す模式図である。図2Bに示すように、第2の構成例では、情報信号層L0、L1は、例えば、上側面(第2の主面)および下側面(第1の主面)を有する記録層11と、記録層11の下側面に隣接して設けられた保護層12を備える。このような構成とすることで、第1の構成例に比して記録層11の耐久性などを向上することができる。
(第3の構成例)
図3Aは、情報信号層の第3の構成例を示す模式図である。図3Aに示すように、第3の構成例では、情報信号層L0、L1は、例えば、上側面(第2の主面)および下側面(第1の主面)を有する記録層11と、記録層11の上側面に隣接して設けられた保護層13とを備える。このような構成とすることで、第1の構成例に比して記録層11の耐久性などを向上することができる。
(第4の構成例)
図3Bは、情報信号層の構成例を示す模式図である。図3Bに示すように、第4の構成例では、情報信号層L0、L1は、例えば、上側面(第2の主面)および下側面(第1の主面)を有する記録層11と、記録層11の下側面に隣接して設けられた保護層(第1保護層)12と、記録層11の上側面に隣接して設けられた保護層(第2保護層)13とを備える。このような構成とすることで、第2および第3の構成例に比して記録層11の耐久性などを向上することができる。
(記録層)
記録層11は、金属酸化物を含む無機記録材料を主成分として含んでいる。無機記録材料としては、例えば、Pd酸化物を含む無機記録材料(以下「PdO系材料」と称する。)、Cu酸化物を含む無機記録材料(以下「CuO系材料」と称する。)またはAg酸化物を含む無機記録材料(以下「AgO系材料」と称する。)を用いることができるが、これに限定されるものではない。PdO系材料、CuO系材料、AgO系材料としてはそれぞれ、例えば、Pd−O−X、Cu−O−X、Ag−O−Xを用いることができる。但し、Xは、Al、Si、Ti、V、Cr、Cu、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Sb、Te、Hf、Ta、WおよびBiなどからなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
PdO系材料としては、例えば、W、PdおよびCuを含む金属酸化物、またはW、Zn、CuおよびPdを含む金属酸化物を用いることができる。より具体的には、W酸化物、Pd酸化物、およびCu酸化物の3元系酸化物(以下「WCPO」と称する。)、またはこのWCPOにさらにZn酸化物を加えた4元系酸化物(以下「WZCPO」と称する。)を用いることができる。記録層11の厚さは、例えば、10nm以上100nm以下の範囲内である。
(保護層)
記録層11の下側面および上側面にそれぞれ保護層12および保護層13が設けられている場合には、保護層12および保護層13は、光情報記録媒体10の構造および製造装置を簡略化する観点からすると、同一組成の材料により構成されていることが好ましい。情報信号層L0および情報信号層L1の両方が保護層12を有する場合には、それらの保護層12は、上記簡略化の観点からすると、同一組成の材料により構成されていることが好ましい。また、情報信号層L0および情報信号層L1の両方が保護層13を有する場合には、それらの保護層13は、上記簡略化の観点からすると、同一組成の材料により構成されていることが好ましい。情報信号層L0および情報信号層L1が保護層12および保護層13の両方を備える場合には、それらの保護層12および保護層13の全ては、上記簡略化の観点からすると、同一組成の材料により構成されていることが好ましい。
保護層12および保護層13の材料としては、誘電体材料を用いることが好ましい。保護層12および保護層13がガスバリア層として機能することで、記録層11の耐久性を向上することができるからである。また、記録層11の酸素の逃避やH2Oの侵入を抑制することで、記録層11の膜質の変化(主に反射率の低下として検出される変化)を抑制することができ、記録層11として必要な膜質を確保することができる。
保護層12および保護層13の材料としては、例えば、酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、フッ化物またはその混合物が挙げられる。保護層12および保護層13の材料としては、互いに同一または異なる材料を用いることができる。酸化物としては、例えば、In、Zn、Sn、Al、Si、Ge、Ti、Ga、Ta、Nb、Hf、Zr、Cr、BiおよびMgからなる群から選ばれる1種以上の元素の酸化物が挙げられる。窒化物としては、例えば、In、Sn、Ge、Cr、Si、Al、Nb、Mo、Ti、Nb、Mo、Ti、W、TaおよびZnからなる群から選ばれる1種以上の元素の窒化物、好ましくはSi、GeおよびTiからなる群から選ばれる1種以上の元素の窒化物が挙げられる。硫化物としては、例えば、Zn硫化物が挙げられる。炭化物としては、例えば、In、Sn、Ge、Cr、Si、Al、Ti、Zr、TaおよびWからなる群より選ばれる1種以上の元素の炭化物、好ましくはSi、Ti、およびWからなる群より選ばれる1種以上の元素の炭化物が挙げられる。フッ化物としては、例えば、Si、Al、Mg、CaおよびLaからなる群より選ばれる1種以上の元素のフッ化物が挙げられる。これらの混合物としては、例えば、ZnS−SiO2、SiO2−In23−ZrO2(SIZ)、SiO2−Cr23−ZrO2(SCZ)、In23−SnO2(ITO)、In23−CeO2(ICO)、In23−Ga23(IGO)、In23−Ga23−ZnO(IGZO)、Sn23−Ta25(TTO)、TiO2−SiO2、Al23−ZnO、Al23−BaOなどが挙げられる。保護層12および保護層13の厚さは、例えば0nmを超えて30nm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
中間層S0は、基板1の凹凸面と情報信号層L0とを物理的および光学的に十分な距離をもって離間させる役割を果たしている。中間層S1は、情報信号層L0と情報信号層L1とを物理的および光学的に十分な距離をもって離間させる役割を果たしている。中間層S0および中間層S1の厚みは、例えば9μm以上50μm以下の範囲内に設定される。中間層S0および中間層S1の材料は特に限定されるものではないが、紫外線硬化性アクリル樹脂を用いることが好ましい。中間層S0および中間層S1は、奥側の層への情報信号の記録または再生をするための第1レーザ光(例えば青色レーザ光)LB1の光路、およびサーボをとるための第2レーザ光(例えば赤色レーザ光)LB2の光路となる。この点を考慮すると、中間層S0および中間層S1は、第1レーザ光LB1および第2レーザ光LB2に対して十分に高い光透過性を有していることが好ましい。
(カバー層)
カバー層2は、第1レーザ光LB1および第2レーザ光に対して十分に高い光透過性を有する光透過層であることが好ましい。カバー層2は、例えば、紫外線硬化樹脂などの感光性樹脂を硬化してなる樹脂層である。この樹脂層の材料としては、例えば、紫外線硬化型のアクリル系樹脂が挙げられる。また、円環形状を有する光透過性シートと、この光透過性シートを基板1に対して貼り合わせるための接着層とからカバー層2を構成するようにしてもよい。光透過性シートは、記録および再生に用いられるレーザ光に対して、吸収能が低い材料からなることが好ましく、具体的には透過率90パーセント以上の材料からなることが好ましい。光透過性シートの材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂材料、ポリオレフィン系樹脂(例えばゼオネックス(登録商標))などを用いることができる。接着層の材料としては、例えば、紫外線硬化樹脂、感圧性粘着剤(PSA:Pressure Sensitive Adhesive)などを用いることができる。
カバー層2の厚さは、好ましくは10μm以上177μm以下の範囲内から選ばれる。このような薄いカバー層2と、例えば0.85程度の高NA(numerical aperture)化された対物レンズとを組み合わせることによって、高密度記録を実現することができる。
[1.2.光情報記録媒体の光学特性]
図4は、光情報記録媒体の光学特性を説明するための模式図である。ここで、情報信号層L0、L1を積層した状態での情報信号層L0、L1の反射率をそれぞれR0、R1とし、単層の状態での情報信号層L0、L1の反射率をそれぞれr0、r1とする。単層の状態での情報信号層L0、L1の透過率をそれぞれt0、t1とする。
情報信号層L0、L1を積層した状態での情報信号層L0の反射率R0とは、光照射面Cの側における情報信号層L0の反射率であり、具体的には、以下の式により定義される。
R0[%]=(I0/I)×100
但し、I:光照射面Cに入射するレーザ光の光量、I0:光照射面Cから入射して情報信号層L1を透過し、情報信号層L0で反射されて、情報信号層L1を再度透過して、光照射面Cから出射されるレーザ光の光量
情報信号層L0、L1を積層した状態での情報信号層L1の反射率R1とは、光照射面Cの側における情報信号層L1の反射率であり、具体的には、以下の式により定義される。
R1[%]=(I1/I)×100
但し、I:光照射面Cに入射するレーザ光の光量、I1:光照射面Cから入射して情報信号層L1で反射されて光照射面Cから出射されるレーザ光の光量
情報信号層L0、L1を積層した状態における各層の反射率R0、R1は、2%≦R1≦2R0の関係を満たすことが好ましい。2%>R1であると、現状のフォトディテクターにとってSNRが悪化してくる領域となる。R1>2R0であると、従来のドライブシステムのサーボ系のレンジ設計を変更する必要が生じてしまうため、ドライブ設計上の弊害が大きくなる。
情報信号層L0、L1を積層した状態における各層の反射率R0、R1は、好ましくは2%以上10%以下、より好ましくは4%以上8%以下の範囲内である。反射率が2%未満であると、現状のフォトディテクターにとってSNRが悪化してくる領域となる。一方、反射率が10%を超えると、十分な記録感度と十分な透過率の両立が困難となる。
単層の状態における各層の反射率r0、r1は、4%以上10%以下であることが好ましい。この範囲内にすることにより、情報信号層L0、L1を積層した状態における各層の反射率R0、R1を2%以上10%以下の範囲内にすることができる。
情報信号層L0、L1の透過率t1、t2は、71%以上81%以下の範囲内であることが好ましい。情報信号層L0、L1の透過率t1、t2が71%未満であると、情報信号層L0の反射率R0が情報信号層L0の反射率R1の1/2未満になってしまう。すなわち、(1/2)・R1>R0(R1>2R0)となってしまう。反射率R0が反射率R1の1/2未満であると、上述したように、従来のドライブシステムのサーボ系のレンジ設計を変更する必要が生じてしまうため、ドライブ設計上の弊害が大きくなる。一方、情報信号層L0、L1の透過率t1、t2が81%を超えると、6倍速記録を32mW以下 の記録パワーで実現することが困難になる。
情報信号層L0と情報信号層L1とからの戻り光量の差ΔI(=I1−I0)は、できる限り小さいことが好ましい。具体的には、情報信号層L0からの戻り光量I0は、情報信号層L1からの戻り光量I1の1/2以上であることが好ましい。すなわち、情報信号層L0の反射率R0は、情報信号層L1の反射率R1の1/2以上であることが好ましい。1/2未満であると、上述したように、従来のドライブシステムのサーボ系のレンジ設計を変更する必要が生じてしまうため、ドライブ設計上の弊害が大きくなる。
上述の戻り光量の関係((1/2)・I1≦I0)を満たすためには、情報信号層L0、L1の透過率t1、t2は71%以上である必要がある。この透過率71%は以下の計算により求められる。
情報信号層L0、L1を積層した状態での情報信号層L1の反射率R1は、以下の式(1)により表される。
R1=r1 ・・・(1)
また、情報信号層L0、L1を積層した状態での情報信号層L0の反射率R0は、以下の式(2)により表される。
R0=100×(t1/100)2×(r0/100) ・・・(2)
ここで、情報信号層L0の戻り光量I0と情報信号層L1の戻り光量I1とが満たすべき関係は、以下の式(3)により表される。
(1/2)・I1≦I0 ・・・(3)
この戻り光量I0、I1の関係は、情報信号層L0の反射率R0と情報信号層L1の反射率R1との関係を示す以下の式(4)により、置き換えることができる。
(1/2)・R1≦R0 ・・・(4)
この式(4)に式(1)および式(2)を代入することにより、以下の式(5)が導き出される。
(1/2)・r1≦100×(t1/100)2×(r0/100) ・・・(5)
ここで、単層の状態での情報信号層L0、L1の反射率r0、r1が同一(r0=r1)であると仮定すると、以下の関係式(6)が得られる。
71[%]≦t1 ・・・(6)
したがって、情報信号層L1の透過率t1を71%以上にすることで、情報信号層L0の反射率R0を情報信号層L1の反射率R1の1/2以上とすることができる。すなわち、情報信号層L0からの戻り光量I0を、情報信号層L1からの戻り光量I1の1/2以上とすることができる。
データ転送レートは高い方が好ましく、具体的には6倍速記録(216Mbps)の実現が望まれる。ただし高速記録には高いレーザーパワーが必要である。半導体レーザの記録パワーは、32mW以下とすることが好ましい。一般的な民生用ドライブに搭載されている半導体レーザの最大記録パワーが32mW程度であるからである。
情報信号層L0、L1の透過率を上げると、情報信号層L0、L1の記録感度が悪くなる(すなわち記録パワーが高くなる)性質があり、6倍速記録を32mW以下で実現するためには、情報信号層L0、L1の透過率を81%以下にすることが好ましい。
[1.3.光情報記録媒体の記録再生]
次に、図1を参照しながら、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の記録および再生の一例について説明する。
光情報記録媒体10では、カバー層2側の光照射面Cから対物レンズを介して第1レーザ光LB1を情報信号層L0または情報信号層L1に照射すると共に、第2レーザ光LB2を基板の凹凸面に照射することにより、情報信号の記録または再生が行われる。
第1レーザ光LB1は、情報信号を記録または再生をするための記録光または再生光としてのレーザ光であり、第2レーザ光LB2は、情報信号を記録または再生時におけるサーボ制御を行うためのサーボ光としてのレーザ光である。これら第1レーザ光LB1と第2レーザ光LB2は、例えば、記録再生装置における共通の対物レンズを介して光情報記録媒体10に照射される。対物レンズの開口数は、例えば、0.84以上0.95以下の範囲内から選ばれる。第1レーザ光LB1と第2レーザ光LB2とは互いに異なる波長を有し、第1レーザ光LB1の波長λ1は、例えば、第2レーザ光LB2の波長λ2よりも短波長に選ばれる。第1レーザ光LB1は、例えば、395nm以上420nm以下の範囲の波長を有する青色または青紫色レーザ光であるのに対して、第2レーザ光LB2は、例えば、640nm以上680nm以下の範囲の波長を有する赤色レーザ光である。
[1.4.光情報記録媒体の製造方法]
次に、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の製造方法の一例について説明する。
(基板の成形工程)
まず、一主面に凹凸面が形成された基板1を成形する。基板1の成形の方法としては、例えば、射出成形(インジェクション)法、フォトポリマー法(2P法:Photo Polymerization)などを用いることができる。
(中間層の形成工程)
次に、例えばスピンコート法により紫外線硬化樹脂を基板1の凹凸面に均一に塗布した後、紫外線を紫外線硬化樹脂に対して照射して硬化させる。これにより、中間層S0が基板1の凹凸面に形成される。
(情報信号層の形成工程)
次に、例えばスパッタ法により、基板1上に情報信号層L0を形成する。情報信号層L0の具体的な形成工程は、情報信号層L0の構成により異なる。以下に、情報信号層L0が上述の第4の構成(図3B参照)を有する場合について、情報信号層L0の形成工程について具体的に説明する。なお、情報信号層L0が第1〜第3の構成のいずれかを有する場合には、その構成に応じて、保護層12および/または保護層13の形成を適宜省略すればよい。
(保護層の成膜工程)
まず、基板1を、保護層形成用のターゲットが備えられた真空チャンバー内に搬送し、真空チャンバー内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバー内にArガスやO2ガスなどのプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタして、基板1上に保護層12を成膜する。
(記録層の成膜工程)
次に、基板1を、記録層成膜用のターゲットが備えられた真空チャンバー内に搬送し、真空チャンバー内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバー内にArガスやO2ガスなどのプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタして、保護層12上に記録層11を成膜する。
(保護層の成膜工程)
次に、基板1を、保護層形成用のターゲットが備えられた真空チャンバー内に搬送し、真空チャンバー内を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、真空チャンバー内にArガスやO2ガスなどのプロセスガスを導入しながら、ターゲットをスパッタして、記録層11上に保護層13を成膜する。
以上により、基板1上に情報信号層L0が形成される。
(中間層の形成工程)
次に、例えばスピンコート法により紫外線硬化樹脂を情報信号層L0上に均一に塗布した後、紫外線を紫外線硬化樹脂に対して照射して硬化させる。これにより、中間層S1が情報信号層L0上に形成される。
(情報信号層の形成工程)
次に、例えばスパッタ法により、中間層S1上に情報信号層L1を形成する。情報信号層L1の具体的な形成工程は、情報信号層L1の構成により異なる。情報信号層L1が上述の情報信号層L0と同様の構成を有する場合には、情報信号層L0の各層を上述の情報信号層L1と同一の成膜装置(すなわち同一のターゲットおよび真空チャンバー)を用いて形成することができる。
(カバー層の形成工程)
次に、例えばスピンコート法により、紫外線硬化樹脂(UVレジン)などの感光性樹脂を情報信号層L3上にスピンコートした後、紫外線などの光を感光性樹脂に照射し、硬化する。これにより、情報信号層L上にカバー層2が形成される。
以上の工程により、目的とする光情報記録媒体10が得られる。
[効果]
情報信号層L0、L1の記録層11を同一組成の記録材料で構成しているので、同一のターゲットおよび成膜室を用いて記録層11を形成することができる。したがって、光情報記録媒体10の構造および成膜装置を簡略化できるので、次世代の光情報記録媒体10の低廉化に大きく貢献できる。
<2.第2の実施形態>
図5は、本技術の第2の実施形態に係る光情報記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。この光情報記録媒体20は、図5に示すように、中間層S0、情報信号層L0、中間層S1、情報信号層L1、・・・、中間層Sn、情報信号層Ln、カバー層2がこの順序で基板1の一主面に積層された構成を有する。
情報信号層L0〜Lnのうち隣り合って設けられている2層の情報信号層Lk−1、Lk(kは1〜nまでの自然数)が、上述の第1の実施形態における情報信号層L0、L1と同様の構成を有している。中間層S0〜Snは、上述の第1の実施形態における中間層S0、S1と同様の構成を有している。
第2の実施形態において上記以外のことは、第1の実施形態と同様である。
<3.第3の実施形態>
図6は、本技術の第3の実施形態に係る光情報記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。この光情報記録媒体20は、図6に示すように、基板(第1基板)3と基板(第2基板)4との間に、中間層S0、情報信号層L0、中間層S1、情報信号層L1、貼合層5が基板3と基板4の方向に向かってこの順序で積層された構成を有する。
基板3は、第1の実施形態の基板1と同様の構成を有する。基板4は、一主面に凹凸面が設けられておらず、両主面が平坦面であること以外は、基板3と同様の構成を有する。貼合層5は、基板3と基板4とを貼り合わせるための層であり、その材料としては中間層S0、S1と同様の材料を用いることができる。
この第2の実施形態に係る光情報記録媒体20では、基板4側の光照射面Cから第1レーザ光LB1および第2レーザ光LB2を各情報信号層L0、L1に照射することにより、情報信号の記録または再生が行われる。
第3の実施形態において上記以外のことは、第1の実施形態と同様である。
<4.第4の実施形態>
図7は、本技術の第4の実施形態に係る光情報記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。この光情報記録媒体20は、図7に示すように、情報信号層L0、中間層S1、情報信号層L1、カバー層2がこの順序で基板1の一主面に積層された構成を有する。中間層S1の一主面には凹凸面が設けられている。この凹凸面の形状としては、基板1の凹凸面と同様の形状を採用することができる。
この第2の実施形態に係る光情報記録媒体20では、カバー層2側の光照射面Cからレーザ光LBを各情報信号層L0、L1に照射することにより、情報信号の記録または再生が行われる。このような光情報記録媒体20としては、例えば2層のBD−Rが挙げられるが、これに限定されるものではない。
第4の実施形態において上記以外のことは、第1の実施形態と同様である。
以下、試験例および参考例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの試験例および参考例のみに限定されるものではない。
本技術の試験例および参考例について以下の順序で説明する。
1.シミュレーションによる反射率の範囲の検討
2.実サンプルによる層構成および材料組成の検討
3.実サンプルによる他の層構成および材料組成の検討
以下では、2層の情報信号層を有する光情報記録媒体について、光照射面側から遠い情報信号層を「L0層」と称し、光照射面側から近い情報信号層を「L1層」と称する。
また、記録層の両主面のうち、カバー層側となる主面に隣接して設けられる誘電体層を「上層誘電体層」、それとは反対の基板側となる主面に隣接して設けられる誘電体層を「下層誘電体層」と称する。
<1.シミュレーションにより反射率の範囲の検討>
(試験例1)
L0層およびL1層を有する2層の光情報記録媒体について、単層の状態でのL0層、L1層の反射率r0、r1および透過率t0、t1と、光照射面側におけるL0層の反射率R0との関係をシミュレーションにより求めた。以下にシミュレーションの条件を示す。
L0層、L1層:記録層のみからなる同一の単層構造の情報信号層
レーザ光:405nm
なお、照射面における反射率は、L0層、L1層の表面における反射率に比して非常に小さいため、本試験例では無視した。
図8Aは、試験例1のシミュレーションの結果を示す。図8A中、横軸および縦軸はそれぞれ、単層の状態でのL0層、L1層の反射率r0、r1および透過率t0、t1を示す。斜線で記した各領域は、積層した状態でのL0層の反射率R0を0〜10%の範囲で2%毎に区切って表した領域を示す。
上述したように、積層した状態でのL0層、L1層の反射率R0、R1は2%以上10%以下の範囲内であることが好ましい。また、単層の状態でのL0層、L1層の透過率t0、t1は71%以上81%以下であることが好ましい。これらの反射率R0、R1および透過率t0、t1の数値範囲を満たすためには、単層の状態でのL0層およびL1層が図8Bに示す領域A1を満たす光学特性を有していればよい。この領域A1の範囲は、近似的には以下の式により表すことができる。
4%≦r0、r1≦10%
71%≦t0、t1≦81%
上述したように、積層した状態でのL0層、L1層の反射率R0、R1は4%以上8%以下の範囲内であることがより好ましい。この反射率R0、R1の数値範囲と、上述の透過率t0、t1の数値範囲を満たすためには、単層の状態でのL0層およびL1層が図8Cに示す領域A2を満たす光学特性を有していればよい。
<2.実サンプルによる層構成および材料組成の検討>
(参考例1)
まず、射出成形により、厚さ1.1mmのポリカーボネート基板を成形した。なお、このポリカーボネート基板上にはグルーブを有する凹凸面を形成し、トラックピッチは0.32μmとした。
次に、スパッタリング法により、上層誘電体層、記録層、下層誘電体層をポリカーボネート基板上に順次積層することにより、情報信号層を形成した。
具体的な各層の構成は以下のようにした。
上層誘電体層
材料:ITO、厚さ:10nm
記録層
材料:WZnCuPdO、厚さ:40nm
組成比(原子比(原子%)):W:Zn:Cu:Pd:O=25:45:20:10
下層誘電体層
材料:ITO、厚さ:20nm
次に、スピンコート法により、紫外線硬化樹脂を誘電体層上に均一塗布し、これに紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ75μmを有するカバー層を形成した。
以上により、単層の光情報記録媒体を得た。
(参考例2)
スパッタリング法により、以下の構成を有する上層誘電体層、記録層、下層誘電体層をポリカーボネート基板上に順次積層することにより、情報信号層を形成したこと以外は参考例1と同様にして、単層の光情報記録媒体を得た。
上層誘電体層
材料:ITO、厚さ:10nm
記録層
材料:WZnCuPdO、厚さ:35nm
組成比(原子比(原子%)):W:Zn:Cu:Pd:O=20:40:25:15
下層誘電体層
材料:ITO、厚さ:5nm
(評価)
上述のようにして得られた参考例1、2の光情報記録媒体について、最適記録パワー、反射率および透過率を評価した。以下に、それらの評価方法の詳細について説明する。
(最適記録パワー)
光情報記録媒体の信号特性を以下のようにして評価した。まず、Blu-ray Disc(登録商標)用の評価装置を用いて、1層あたり32GB(BD25GBの1.28倍)相当の情報記録密度で、2倍速記録(7.69m/s)にてトラックにデータを記憶し、トラックの信号を測定して、信号特性を評価した。なお、参考例1の光情報記録媒体では、1トラックにデータを記憶して、トラックの信号を測定した。参考例2の光情報記録媒体では、5トラックにデータを記憶して、その中央のトラックの信号を測定した。評価装置における記録用光の波長は405nm、集光レンズの開口数NAは0.85である。信号特性の評価にはBD−XLで使用されている、i−MLSEという指標を用いた。記録パワーPwに対するi−MLSE値の評価結果を図9Aおよび図9Bに示す。次に、i−MLSEが最も良好になる記録パワー(最も低くなる記録パワー)を求めて、最適記録パワーとした。その最適記録パワーを表1に示す。
次に、2倍速記録の最適記録パワーを用いて、4倍速記録および6倍速記録の最適記録パワーを以下の計算式を用いて求めた。
(4倍速記録の最適記録パワー)=(2倍速記録の最適記録パワー)×√2
(6倍速記録の最適記録パワー)=(2倍速記録の最適記録パワー)×√3
なお、√2、√3はそれぞれ、2、3の平方根を示す。
(反射率、透過率)
光情報記録媒体の反射率はディスク評価機にて再生時のレーザ光の戻り光量から求めた。透過率は、分光光度計(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン株式会社製、商品名:VASE)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
(2層の記録媒体の特性)
上述の参考例1、2の光情報記録媒体の信号特性および光学特性の評価結果を用いて、参考例1の情報信号層をL0層およびL1層として用いた2層の光情報記録媒体、および参考例2の情報信号層をL0層およびL1層として用いた2層の光情報記録媒体の最適記録パワーおよび反射率を計算により求めた。その結果を表2、表3に示す。
(結果)
表1は、参考例1、2の光情報記録媒体の最適記録パワー、反射率および透過率の評価結果を示す。
Figure 2014017031
表2は、参考例1の情報信号層をL0層およびL1層として用いた2層の光情報記録媒体の最適記録パワーおよび反射率の算出結果を示す。
Figure 2014017031
表3は、参考例2の情報信号層をL0層およびL1層として用いた2層の光情報記録媒体の最適記録パワーおよび反射率の算出結果を示す。
Figure 2014017031
表1、表2および表3から以下のことがわかる
参考例1の情報信号層をL0層、L1層として用いた光情報記録媒体および参考例2の情報信号層をL0層、L1層として用いた光情報記録媒体では、L0層、L1層を積層した状態における各層の反射率R0、R1が2%≦R1≦2R0の関係を満たすようにすることができる。また、L0層およびL1層を積層した状態におけるL0層、L1層の反射率R0、R1を2%以上10%以下の範囲内にすることができる。さらに、L0層およびL1層を積層した状態におけるL0層、L1層の6倍速記録の最適記録パワーを32mW以下にすることができる。
<3.実サンプルによる他の層構成および材料組成の検討>
(参考例3)
スパッタリング法により、以下の構成を有する上層誘電体層、記録層、下層誘電体層をポリカーボネート基板上に順次積層することにより、情報信号層を形成したこと以外は参考例1と同様にして、単層の光情報記録媒体を得た。
上層誘電体層
材料:SiInZrO、厚さ:20nm
記録層
材料:WZnCuPdO、厚さ:30nm
組成比(原子比(原子%)):W:ZnCu:Pd=20:40:25:15
下層誘電体層
材料:InGaZnO、厚さ:10nm
(参考例4)
スパッタリング法により、以下の構成を有する上層誘電体層、記録層をポリカーボネート基板上に順次積層することにより、情報信号層を形成したこと以外は参考例1と同様にして、単層の光情報記録媒体を得た。
上層誘電体層
材料:SiInZrO、厚さ:25nm
記録層
材料:WZnCuPdO、厚さ:40nm
組成比(原子比(原子%)):W:ZnCu:Pd=20:40:25:15
(反射率、透過率)
上述の参考例1、2と同様にして、反射率および透過率を評価した。その結果を表4に示す。
(2層の記録媒体の特性)
上述の参考例3、4の光情報記録媒体の光学特性の評価結果を用いて、参考例3の情報信号層をL0層、参考例4の情報信号層をL1層として用いた2層の光情報記録媒体の反射率を計算により求めた。その結果を表5に示す。
(結果)
表4は、参考例3、4の光情報記録媒体の反射率および透過率の評価結果を示す。
Figure 2014017031
表5は、参考例3の情報信号層をL0層、参考例4の情報信号層をL1層として用いた2層の光情報記録媒体の最適記録パワーおよび反射率の算出結果を示す。
Figure 2014017031
表4および表5から以下のことがわかる。
参考例3の情報信号層をL0層、参考例4の情報信号層をL1層として光情報記録媒体を作製すると、単層の状態でのL0層、L1層の反射率r0、r1が4%以上10%以下の範囲内となり、単層の状態でのL0層、L1層の透過率t0、t1が71%以上81%以下の範囲内となる。また、この光情報記録媒体では、L0層およびL1層を積層した状態におけるL0層、L1層の反射率R0、R1が2%以上10%以下の範囲内になる。
以上、本技術の実施形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の実施形態では追記型の光情報記録媒体に本技術を適用した例について説明したが、本技術はこの例に限定されるものではなく、書換型の光情報記録媒体に対しても本技術は適用可能である。
また、上述の実施形態では記録層が無機記録層である構成を例として説明したが、記録層が有機記録層である構成を採用することも可能である。
また、上述の実施形態では、カバー層側からレーザ光を情報信号層に照射することにより情報信号の記録または再生が行われる光情報記録媒体に対して本技術を適用した場合を例として説明したが、本技術はこの例に限定されるものではない。例えば、基板側からレーザ光を情報信号層に照射することにより情報信号の記録または再生が行われる光情報記録媒体に対しても本技術は適用可能である。
また、上述の実施形態では、基板と中間層との間を凹凸面として、この凹凸面にサーボ制御を行うためのサーボ光が照射される構成を例として説明したが、サーボ制御を行うための凹凸面の位置はこの例に限定されるものではない。例えば、カバー層と情報信号層との間、または情報信号層の間の中間層内に凹凸面を設ける構成を採用することも可能である。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
少なくとも2層の情報信号層を備え、
上記2層の情報信号層は、同一組成の記録材料により構成される、光の照射により情報信号を記録可能である記録層を含んでいる光情報記録媒体。
(2)
情報信号を記録または再生するための光が照射される光照射面を有し、
上記2層の情報信号層は、上記光照射面から遠い第1の情報信号層と、上記光照射面から近い第2の情報信号層とからなり、
上記光照射面側における上記第1の情報信号層の反射率R0および上記第2の情報信号層の反射率R1は、2%≦R1≦2R0の関係を満たす(1)に記載の光情報記録媒体。
(3)
情報信号を記録または再生するための光が照射される光照射面を有し、
上記光照射面側における上記2層の情報信号層の反射率は、2%以上10%以下の範囲内であり、
上記2層の情報信号層の透過率は、71%以上81%以下の範囲内である(1)に記載の光情報記録媒体。
(4)
単層の状態での上記2層の情報信号層の反射率は、4%以上10%以下の範囲内であり、
上記2層の情報信号層の透過率は、71%以上81%以下の範囲内である(1)に記載の光情報記録媒体。
(5)
上記2層の情報信号層は、同一の層構成を有し、
上記2層の情報信号層を構成する各層が、同一の組成を有している(1)から(4)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
(6)
上記2層の情報信号層は、記録層の表面の少なくとも一方に設けられた保護層をさらに備え、
上記2層の情報信号層の保護層は、同一組成の材料により構成されている(1)から(4)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
(7)
上記材料は、誘電体材料である(6)に記載の光情報記録媒体。
(8)
上記記録層は、パラジウム(Pd)の酸化物を含んでいる(1)から(7)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
(9)
上記2層の情報信号層は、隣り合って設けられている(1)から(8)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
1、3、4 基板
2 カバー層
5 貼合層
S0、S1、・・・、Sn 中間層
L0、L1、・・・、Ln 情報信号層
Gv グルーブ
Ld ランド

Claims (9)

  1. 少なくとも2層の情報信号層を備え、
    上記2層の情報信号層は、同一組成の記録材料により構成される、光の照射により情報信号を記録可能である記録層を含んでいる光情報記録媒体。
  2. 情報信号を記録または再生するための光が照射される光照射面を有し、
    上記2層の情報信号層は、上記光照射面から遠い第1の情報信号層と、上記光照射面から近い第2の情報信号層とからなり、
    上記光照射面側における上記第1の情報信号層の反射率R0および上記第2の情報信号層の反射率R1は、2%≦R1≦2R0の関係を満たす請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 情報信号を記録または再生するための光が照射される光照射面を有し、
    上記光照射面側における上記2層の情報信号層の反射率は、2%以上10%以下の範囲内であり、
    上記2層の情報信号層の透過率は、71%以上81%以下の範囲内である請求項1に記載の光情報記録媒体。
  4. 単層の状態での上記2層の情報信号層の反射率は、4%以上10%以下の範囲内であり、
    上記2層の情報信号層の透過率は、71%以上81%以下の範囲内である請求項1に記載の光情報記録媒体。
  5. 上記2層の情報信号層は、同一の層構成を有し、
    上記2層の情報信号層を構成する各層が、同一の組成を有している請求項1に記載の光情報記録媒体。
  6. 上記2層の情報信号層は、記録層の表面の少なくとも一方に設けられた保護層をさらに備え、
    上記2層の情報信号層の保護層は、同一組成の材料により構成されている請求項1に記載の光情報記録媒体。
  7. 上記材料は、誘電体材料である請求項6に記載の光情報記録媒体。
  8. 上記記録層は、パラジウム(Pd)の酸化物を含んでいる請求項1に記載の光情報記録媒体。
  9. 上記2層の情報信号層は、隣り合って設けられている請求項1に記載の光情報記録媒体。
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