以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る情報取得システムの構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の情報取得システムは、複数の道路に設置された複数のカメラ装置100(1001,1002,・・・100n)と、車両に搭載された車載装置200と、車外に設置された情報センター300と、情報端末装置400とから構成されており、情報取得システムを構成する各カメラ装置100、車載装置200、情報センター300、および情報端末装置400は、インターネット回線500を介して相互に情報の授受が可能となっている。
なお、本実施形態では、以下のような情報取得システムを例示して本発明を説明する。すなわち、対象車両のユーザにより、対象車両に搭載された車載装置200で対象車両の走行予定経路が設定された場合に、走行予定経路が情報センター200に送信され、情報センター300により、走行予定経路を走行する車両を撮影可能なカメラ装置100が選択される。そして、対象車両が走行予定経路の走行を開始した際に、情報端末装置400が、選択されたカメラ装置100に、対象車両が走行している際の対象車両の画像(動画像を含む、以下、同じ。)を送信させることで、除法端末装置400において、カメラ装置100により撮像された自車両の走行シーンの画像を取得することができる。以下、各各構成について詳細に説明する。
まず、カメラ装置1001,1002,1003,・・・100nの構成について説明する。カメラ装置1001,1002,1003,・・・100n(以下、単にカメラ装置100ともいう。)は、たとえば、複数の道路に設置された複数のカメラおよびその周辺機器であり、道路を走行する車両の監視などのために、道路を走行する車両の撮影する。なお、カメラ装置100により撮影された画像は、インターネット回線500を介して、情報センター200および情報端末装置400に送信可能となっている。
次に、車載装置200の構成について説明する。車載装置200は、たとえば、対象車両に搭載されたナビゲーション装置であり、図1に示すように、自車位置検出装置210、車載通信装置220、および車載制御装置230から構成される。これらの構成は、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができる。
自車位置検出装置210は、GPSユニット、ジャイロセンサ、および車速センサなどから構成されており、GPSユニットにより複数の衛星通信から送信される電波を検出し、対象車両(自車両)の位置情報を周期的に取得するとともに、取得した対象車両の位置情報と、ジャイロセンサから取得した角度変化情報と、車速センサから取得した車速とに基づいて、対象車両の現在位置を検出する。自車位置検出装置210により検出された対象車両の位置情報は、車載制御装置230に出力される。
車載通信装置220は、車載制御装置230から対象車両の位置情報を取得し、取得した対象車両の位置情報を情報端末装置400に送信する。また、車載通信装置220は、対象車両の画像の取得を情報端末装置400に開始させるための開始通知を、車載制御装置230から取得し、取得した開始通知を情報端末装置400に送信する。
車載制御装置230は、対象車両が走行している際の対象車両の画像を取得するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成される。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
車載制御装置230は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、対象車両の走行予定経路を設定する経路設定機能と、対象車両の位置情報を取得する位置情報取得機能と、情報端末装置400に対して対象車両の画像の取得を開始させる画像取得動作起動機能とを実現する。以下において、車載制御装置230が備える各機能について説明する。
車載制御装置230の経路設定機能は、対象車両(自車両)が走行を予定する経路を、対象車両の走行予定経路として設定する。たとえば、経路設定機能は、自車位置検出装置210により検出された対象車両の現在位置と、図示しない地図データベースから取得した地図情報と、図示しない入力装置を介してユーザにより設定された目的地とに基づいて、現在位置から目的地までの走行経路を探索し、探索した走行経路を走行予定経路として設定する。なお、経路設定機能により設定された走行予定経路は、車載通信装置220を介して、情報センター300に送信される。
車載制御装置230の位置情報取得機能は、自車位置検出装置210から検出された対象車両の位置情報を取得する。なお、対象車両(自車両)の位置情報は、自車位置検出装置210により繰り返し検出されており、位置情報取得機能は、周期的に検出された位置情報を繰り返し取得することで、車載制御装置220を介して対象車両の位置情報を情報端末装置400に周期的に送信する。
車載制御装置230の画像取得動作起動機能は、たとえば、この車載装置200を搭載する対象車両が走行予定経路の走行を開始した場合に、対象車両の画像の取得を開始させるための開始通知を、車載通信装置220を介して情報端末装置400に送信する。これにより、対象車両が走行予定経路の走行を開始するとともに、情報端末装置400を、対象車両が走行している際の対象車両の画像の取得が可能な状態にすることができる。
次に、情報センター300について説明する。情報センター300は、例えば、車両の外部に設置されるサーバなどであり、図1に示すように、センター通信装置310と、データベース320と、センター制御装置330とを備える。
センター通信装置310は、対象車両に搭載された車載装置200から送信された対象車両の走行予定経路を受信し、受信した走行予定経路をセンター制御装置330に出力する。また、センター通信装置310は、センター制御装置330から対象車両を撮影するために選択されたカメラ装置100の情報(詳細は後述する。)を取得し、取得したカメラ装置100の情報を情報端末装置400に送信する。
データベース320には、複数のカメラ装置100の情報が、カメラ装置100ごとに記憶されている。たとえば、データベース320に記憶されているカメラ装置100の情報としては、各カメラ装置100で撮像される画像の種別(白黒画像であるかカラー画像であるか)、各カメラ装置100で撮像される画像において、画像全体のうち車両に対応する画像が占める割合(車両の画像占有率)、各カメラ装置100のフレームレート、各カメラ装置100が被写体(車両)を有効に撮影できる範囲である有効撮影範囲(カメラ装置100の被写界深度に応じた範囲)などの情報が記憶されている。
センター制御装置330は、対象車両の画像を取得可能なカメラ装置100を選択するためのプログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMとから構成されている。センター制御装置330は、ROMに格納されたプログラムをCPUで実行することで、対象車両の画像を取得可能なカメラ装置100を選択するカメラ選択機能、および、選択されたカメラ装置100の有効撮影範囲を決定する有効撮影範囲決定機能の各機能を実現する。以下、センター制御装置330が備える各機能について説明する。
センター制御装置330のカメラ選択機能は、センター通信装置310を介して、対象車両の車載装置200から送信された走行予定経路を取得し、取得した対象車両の走行予定経路に基づいて、複数の道路に設置された複数のカメラ装置100の中から、対象車両の走行予定経路を走行する車両を撮影可能なカメラ装置100を、特定カメラ装置100として選択する。また、カメラ選択機能は、データベース320からカメラ装置100の情報を取得し、取得したカメラ装置100の情報に基づいて、走行予定経路を走行する車両を撮影可能なカメラ装置100のうち、所定の画像を撮像可能なカメラ装置100(たとえば、カラー画像を撮影できるカメラや、対象車両を一定以上の大きさで撮影できるカメラ)を、特定カメラ装置100として選択することもできる。
センター制御装置330の範囲決定機能は、カメラ選択機能により選択された特定カメラ装置100が被写体を有効に撮影することができる範囲、より具体的には、ピントを合せて撮像することができる被写体の範囲(カメラ装置100の被写界深度に応じた範囲)を、有効撮影範囲として決定する。なお、範囲決定機能による有効撮影範囲の決定方法については後述する。
次に、図1に示す情報端末装置400について説明する。情報端末装置400は、たとえば、対象車両のユーザの自宅に設置されたパーソナルコンピュータなどであり、図1に示すように、端末通信装置410と、画像記憶装置420と、端末制御装置430とを備える。
端末通信装置410は、情報センター200から、対象車両の画像を取得可能な特定カメラ装置100の情報を取得し、取得した特定カメラ装置100の情報を端末制御装置430に出力する。また、端末通信装置410は、対象車両の画像を送信させるための信号をカメラ装置100に対して送信するとともに、特定カメラ装置100により撮像された対象車両の画像を特定カメラ装置100から受信する。
画像記憶装置420は、カメラ装置100により撮像された画像が記憶される。なお、本実施形態では、対象車両が走行している際の対象車両の画像がカメラ装置100から取得されるため、画像記憶装置420には、対象車両が走行している際の対象車両の画像が記憶されることとなる。
端末制御装置430は、対象車両の画像をカメラ装置100から取得するためのプログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMとから構成されている。端末制御装置430は、ROMに格納されたプログラムをCPUで実行することで、対象車両の画像をカメラ装置100から取得する画像取得機能を実現する。以下、端末制御装置430が備える画像取得機能について説明する。
端末制御装置430の画像取得機能は、情報センター200により選択されたカメラ装置100から、カメラ装置100により撮像された対象車両の画像を取得する。具体的には、画像取得機能は、対象車両の車載装置200から取得した対象車両の位置情報と、情報センタ200ーから取得した特定カメラ装置100の有効撮影範囲とに基づいて、対象車両が特定カメラ装置100の有効撮影範囲内に進入したと判断した場合に、特定カメラ装置100に、撮影した対象車両の画像を情報端末装置400に対して送信させ、対象車両が特定カメラ装置100の有効撮影範囲外に進出したと判断した場合に、特定カメラ装置100に、情報端末装置400に対する画像の送信を終了させる。このように、画像取得機能は、特定カメラ装置100の有効撮影範囲内に対象車両が存在している際の対象車両の画像を、特定カメラ装置100に送信させることで、対象車両が走行している際の対象車両の画像を取得することができる。なお、画像取得機能により取得された対象車両の画像は画像記憶装置420に格納されることとなる。
続いて、図2を参照して、本実施形態に係る情報取得処理について説明する。図2は、本実施形態に係る情報取得処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS101では、対象車両に搭載された車載装置200において、車載制御装置230の走行経路設定機能により、たとえば、ユーザにより入力された目的地までの経路が走行予定経路として設定される。そして、設定された走行予定経路が、車載通信装置220を介して、情報センター300へ送信される。ステップS102では、情報センター300において、センター制御装置320のカメラ選択機能により、対象車両の車載装置200から送信された走行予定経路が、センター通信装置310を介して取得される。
そして、ステップS103では、センター制御装置330のカメラ選択機能により、複数の道路に設置された複数のカメラ装置100の中から、対象車両の画像を取得可能なカメラ装置100を選択するカメラ選択処理が行われる。ここで、図3は、ステップS103のカメラ選択処理を示すフローチャートである。以下においては、図3を参照して、ステップS103のカメラ選択処理を説明する。なお、以下においては、ステップS101で走行予定経路を情報センター200に送信した車載装置200を搭載する車両を、対象車両として説明する。
まず、ステップS201では、センター制御装置330のカメラ選択機能により、対象車両の車載装置200から取得した対象車両の走行予定経路に基づいて、複数の道路に設置された複数のカメラ装置100の中から、走行予定経路を走行する車両を撮影可能なカメラ装置100の抽出が行われる。具体的には、カメラ選択機能は、走行予定経路を走行する車両を撮影可能なカメラ装置100であり、かつ、対象車両の走行予定経路から所定範囲内に設置されたカメラ装置100を抽出する。
そして、ステップS202では、カメラ選択機能により、ステップS101で抽出されたカメラ装置100が、図4に示すようにリストに登録される。カメラ装置100をリストに登録する際に、カメラ選択機能は、対象車両が走行予定経路を出発地から目的地まで走行する際に、対象車両を撮影可能な時系列の順に、ステップS101で抽出したカメラ装置100を並べ替えて、リストに登録する。なお、ステップS202の時点では、図4に示すリストの項目のうち、ステップS101で抽出したカメラ装置100のカメラ名のみがリストに入力されることとなる。
次いで、ステップS203〜S208の処理が、リストに登録された各カメラ装置100ごとに実行される。以下においては、ステップS202でリストに登録された複数のカメラ装置100のうち、ステップS203〜S208の処理対象となるカメラ装置100を対象カメラ装置100として説明する。
まず、ステップS203では、リストに登録された対象カメラ装置100の属性情報が、データーベース(DB)320に記憶されているか否かの判断が行われる。ここで、カメラ装置100の属性情報としては、図4に示すように、カメラ装置100で撮像される画像の種別(白黒画像であるかカラー画像であるか)、画像全体のうち車両に対応する画像が占める割合(車両の画像占有率)などの情報が挙げられる。対象カメラ装置100の属性情報がデーターベース320に記憶されている場合には、ステップS204に進み、ステップS204において、対象カメラ装置100の属性情報がデーターベース320から抽出される。そして、ステップS205において、カメラ選択機能により、抽出された対象カメラ装置100の属性情報が、図4に示すように、対象カメラ装置100に関連付けられて、リストに追加される。
一方、ステップS203で、対象カメラ装置100の属性情報がデーターベース320に記憶されていないと判断された場合は、ステップS206に進み、カメラ選択機能により、対象カメラ装置100の属性情報の推定が行われる。たとえば、カメラ選択機能は、対象カメラ装置100から対象カメラ装置100が撮像した画像を取得し、取得した画像に基づいて、対象カメラ装置100で撮像される画像が、白黒画像であるかカラー画像であるかを判別することで、カメラ装置100で撮像される画像の種別を、カメラ装置100の属性情報として推定することができる。また、カメラ選択機能は、パターン認識などにより、対象カメラ装置100から取得した画像の中から車両に対応する画像を抽出し、画像全体のうち車両に対応する画像が占める割合を求めることで、対象カメラ装置100で撮像される車両の画像占有率を、カメラ装置100の属性情報として推定することができる。
そして、カメラ選択機能は、ステップS207において、ステップS206で推定した対象カメラ装置100の属性情報を、データーベース320に格納するとともに、ステップS205において、推定した対象カメラ装置100の属性情報を、図4に示すように、対象カメラ装置100に関連付けて、リストに追加する。
そして、ステップS208では、カメラ選択機能により、リストに登録された全てのカメラ装置100について属性情報が追加されたか否かの判断が行われる。リストに登録された全てのカメラ装置100について属性情報が追加されている場合には、ステップS209に進み、一方、リストに登録された全てのカメラ装置100について属性情報が登録されていない場合には、ステップS203に戻り、リストに登録されたカメラ装置100のうち、属性情報が登録されていないカメラ装置100について、属性情報が追加される。
そして、ステップS209では、カメラ選択機能により、リストに追加されたカメラ装置100の属性情報に基づいて、ステップS201で抽出されたカメラ装置100のうち、所定の画像を撮影可能なカメラ装置100が、対象車両の画像を取得可能な特定カメラ装置100として選択される。たとえば、カメラ選択機能は、ステップS201で抽出されたカメラ装置100のうち画像をカラーで撮像可能なカメラ装置100を、特定カメラ装置100として選択することができる。これにより、特定カメラ装置100から、対象車両の画像をより鮮明な画像で取得することができる。また、カメラ選択機能は、ステップS201で抽出された走行予定経路を撮影するカメラ装置100のうち、画像全体のうち車両に対応する画像が占める割合(車両の画像占有率)が、たとえば1/8以上となるカメラ装置100を、特定カメラ装置100として選択することができる。これにより、特定カメラ100から、対象車両のユーザが対象車両を判別できないような画像を除いた、良好な対象車両の画像を取得することができる。そして、カメラ選択機能は、このように選択した特定カメラ装置100を、カメラ装置100の属性情報とともにリストに登録し、このカメラ選択処理を終了する。
図2に戻り、ステップS104では、センター制御装置330の範囲決定機能により、ステップS103で選択された各特定カメラ装置100について、特定カメラ装置100の有効撮影範囲を決定する処理(有効撮影範囲決定処理)が行われる。ここで、図5は、ステップS104に示す有効撮影範囲決定処理を示すフローチャートである。以下においては、図5を参照して、ステップS104の有効撮影範囲決定処理を説明する。なお、図5に示すステップS301〜S306の処理は、リストに登録された各特定カメラ装置100ごとに実行される。以下においては、ステップS301〜S306において処理の対象となる特定カメラ装置100を、対象特定カメラ装置100として説明する。
まず、ステップS301では、センター制御装置330の範囲決定機能により、対象特定カメラ装置100の有効撮影範囲がデーターベース(DB)330に記憶されているか否かの判断が行われる。ここで、有効撮影範囲とは、被写体である車両にピントを合わせて車両を撮像することができる範囲(カメラ装置100の被写界深度に応じた範囲)であり、カメラ装置100の光学特性に応じて決定される範囲である。対象カメラ装置100の有効撮影範囲がデーターベース320に記憶されている場合には、ステップS302に進み、ステップS302において、範囲決定機能により、対象特定カメラ装置100の有効撮影範囲がデーターベース320から抽出され、ステップS303において、抽出された対象特定カメラ装置100の有効撮影範囲が、対象特定カメラ装置100に関連付けられて、リストに追加される。
一方、ステップS301で、対象特定カメラ装置100の有効撮影範囲がデーターベース320に記憶されていないと判断された場合は、ステップS304に進み、センター制御装置330の範囲決定機能により、対象特定カメラ装置100の有効撮影範囲を推定する処理が行われる。なお、有効撮影範囲を推定するための方法は、特に限定されないが、以下においては、図6および図7を参照して、有効撮影範囲の推定方法の一例を説明する。図6は、本実施形態に係る有効撮影範囲推定処理を示すフローチャートであり、図7は、有効撮影範囲の推定方法を説明するための図である。
図6に示すように、対象特定カメラ装置100の有効撮影範囲を推定するために、範囲決定機能は、まず、対象特定カメラ装置100が撮像した画像を、対象特定カメラ装置100から取得し(ステップS401)、図7(A)に示すように、パターン認識などにより、取得した画像から車両に対応する画像を抽出する(ステップS402)。そして、範囲決定機能は、図7(A)に示すように、画像上において、抽出した車両の画像の位置よりも、カメラ装置100の光軸方向において所定距離だけ至近側(前方)の位置に、画像上の有効撮影範囲の至近側端部Pnearを設定し、抽出した車両の画像の位置よりも、カメラ装置100の光軸方向において所定距離だけ無限遠側(後方)の位置に、撮影画像上の有効撮影範囲の無限遠側端部Prearを設定する(ステップS403)。
さらに、範囲決定機能は、パターン認識などにより、対象特定カメラ装置100から取得した画像上の道路の形状を認識し(ステップS404)、データベース340に格納されている地図情報と、画像から認識した道路形状とに基づいて、図7(B)に示すように、地図上における有効撮影範囲(至近側端部Pnear、無限遠側端部Prear)の位置を特定する(ステップS405)。具体的には、範囲決定機能は、対象カメラ装置100から異なる時刻に撮像された複数の画像を取得し、比較することで、画像から道路の形状を示す特徴部分(たとえば、レーンマークや標識など)を抽出し、抽出した特徴部分に基づいて、対象特定カメラ装置100が撮像する道路の形状を識別する。そして、範囲決定機能は、対象特定カメラ装置100の名称や位置情報に基づいて、対象特定カメラ装置100の設置場所の周辺の地図上の道路形状と、画像から識別した道路形状とをマッチングさせ、これにより、地図上における有効撮影範囲(至近側端部Pnear、無限遠側端部Prear)の位置を特定する。なお、本実施形態では、地図上に緯度・経度の情報が含まれており、地図上における有効撮影範囲(至近側端部Pnear、無限遠側端部Prear)の位置を、緯度および経度で特定することができる。
そして、センター制御装置330の範囲決定機能は、画像から抽出した車両の進行方向に基づいて、有効撮影範囲の無限遠側端部Prearおよび至近側端部Pnearのうち、車両が有効撮影範囲に進入する側の端部を、画像取得開始位置Pinとして設定し、車両が有効撮影範囲から進出する側の端部を、画像取得終了位置Poutとして設定する。なお、図7(B)に示す例では、有効撮影範囲の無限遠側端部Prearが画像取得開始位置Pinとして設定され、有効撮影範囲の至近側端部Pnearが画像取得終了位置Poutとして設定される。このように、範囲決定機能は、対象特定カメラ装置100の画像に基づいて、対象特定カメラ装置100の有効撮影範囲を推定する。
図5に戻り、ステップS305では、センター制御装置330の範囲決定機能により、ステップS304で推定された対象特定カメラ装置100の有効撮影範囲(画像取得開始位置Pin、画像取得終了位置Pout)が、対象特定カメラ装置100に関連付けられて、データーベース320に記憶され、続くステップS303において、ステップS304で推定された有効撮影範囲(画像取得開始位置Pin、画像取得終了位置Pout)が、図4に示すように、対象特定カメラ装置100に関連付けられて、リストに追加される。
さらに、ステップS306では、センター制御装置330により、図4に示すように、特定カメラ装置100のフレームレートが、特定カメラ装置100に関連付けられてリストに追加される。なお、特定カメラ装置100のフレームレートは、データベース230から取得してもよいし、特定カメラ装置100から取得した画像に基づいて推定してもよい。
そして、ステップS307では、センター制御装置330の範囲決定機能により、リストに登録された全ての特定カメラ装置100について有効撮影範囲が追加されたか否かの判断が行われる。リストに登録された全ての特定カメラ装置100について、有効撮影範囲が追加されている場合には、ステップS308に進み、図4に示すように特定カメラ装置100が登録されたリストが、シーケンス情報として、センター通信装置310を介して情報端末装置400に送信される。一方、リストに登録された全ての特定カメラ装置100について、有効撮影範囲が登録されていない場合には、ステップS301に戻り、有効撮影範囲が追加されていない特定カメラ装置100について、有効撮影範囲が決定される。
このように、ステップS101〜S104では、走行予定経路を走行する対象車両の画像を取得可能なカメラ装置100が、特定カメラ装置100として選択され、特定カメラ装置100の有効撮影情報を含む特定カメラ装置100の情報が、シーケンス情報として、情報端末装置400に送信される。そして、ステップS105以降において、情報端末装置400により、このシーケンス情報に基づいて、各特定カメラ装置100から、対象車両の画像を取得するための処理が行われる。
すなわち、まず、ステップS105では、端末制御装置430の画像取得機能により、対象車両の画像の取得を開始するための開始通知が受信されたか否かの判断が行われる。本実施形態では、たとえば対象車両が走行予定経路の走行を開始した場合に、対象車両に搭載された車載制御装置230の画像取得動作起動機能が、車載通信装置220を介して、対象車両の画像の取得を開始するための開始通知を情報端末装置400に対して送信する。端末制御装置430の画像取得機能は、この開始通知を受信したか否かを判断し、開始通知を受信した場合は、対象車両の画像の取得を開始するために、ステップS106に進み、一方、開始通知を受信していない場合には、開始通知を受信するまで、ステップS105で待機する。
ステップS106では、端末制御装置430の画像取得機能により、対象車両の位置情報の取得が開始される。本実施形態では、対象車両の車載装置100の自車位置検出装置210により対象車両の位置情報が繰り返し検出されており、画像取得機能は、自車位置検出装置120から対象車両の位置情報を所定間隔で繰り返し取得する。
そして、ステップS107〜S111では、端末制御装置430の画像取得機能により、対象車両の画像の取得が行われる。たとえば、図4に示すシーケンス情報を取得している場合、画像取得機能は、まず、対象車両がカメラ装置1001の有効撮影範囲内に進入したか否かを判断する(ステップS107)。たとえば、画像取得機能は、対象車両の位置情報と、シーケンス情報に登録されているカメラ装置1001の画像取得開始位置(Pin)とに基づいて、対象車両がカメラ装置1001の画像取得開始位置(Pin)に到達したと判断された場合に、対象車両が有効撮影範囲内に進入したと判断することができる。画像取得機能は、対象車両がカメラ装置1001の有効撮影範囲内に進入するまで、ステップS107の処理を繰り返し、対象車両がカメラ装置1001の有効撮影範囲内に進入したと判断された場合には、カメラ装置1001に、撮像した画像を情報端末装置400に送信させる(ステップS108)。これにより、画像取得機能は、対象車両が走行している際の対象車両の画像をカメラ装置1001から取得することができる。なお、画像取得機能により取得された対象車両の画像は、画像記憶装置420に記憶される。
次いで、端末制御装置430の画像取得機能は、対象車両がカメラ装置1001の有効撮影範囲外に進出したか否かを判断する(ステップS109)。たとえば、画像取得機能は、対象車両の位置情報と、シーケンス情報に登録されているカメラ装置1001の画像取得終了位置(Pout)とに基づいて、対象車両がカメラ装置1001の画像取得終了位置(Pout)に到達したと判断できた場合に、対象車両が有効撮影範囲外に進出したと判断することができる。画像取得機能は、対象車両がカメラ装置1001の有効撮影範囲外に進出するまで、カメラ装置1001に、撮像した対象車両の画像を情報端末装置400に繰り返し送信させ(ステップS109=No,ステップS108)、対象車両がカメラ装置1001の有効撮影範囲外に進出した場合には(ステップS109=Yes)、カメラ装置1001に、情報端末装置400に対する画像の送信を終了させる(ステップS110)。
そして、ステップS111では、端末制御装置430の画像取得機能により、シーケンス情報に従って、全ての特定カメラ装置100から対象車両の画像を取得したか否かの判断が行われ、全ての特定カメラ装置100から対象車両の画像を取得した場合には、この情報取得処理を終了する。一方、全ての特定カメラ装置100から対象車両の画像を取得していない場合には、ステップS107に戻り、シーケンス情報において次に登録されている特定カメラ装置100からの画像の取得が行われる。
たとえば、図4に示す例では、画像取得機能は、対象車両が特定カメラ装置1001の有効撮影範囲外に進出した後は、ステップS107に戻り、図4に示すシーケンス情報において特定カメラ装置1001の次に登録されている特定カメラ装置1002の有効撮影範囲内に、対象車両が進入したか否かの判断が行われ(ステップS107)、特定カメラ装置1002から対象車両の画像が取得される(ステップS108)。同様に、シーケンス情報に登録されている他の特定カメラ装置100についても、ステップS107〜S111の処理が行われる。なお、シーケンス情報には、走行予定経路を走行する対象車両を撮影可能な時系列の順に特定カメラ装置100が登録されているため、シーケンス情報に登録されている順に特定カメラ装置100に画像を送信させることで、対象車両が走行している際の対象車両の画像を時系列に沿って取得することができる。
なお、情報端末装置400の画像取得機能は、特定カメラ装置100のフレームレートに基づいて、特定カメラ装置100を撮影を制御する構成としてもよい。たとえば、図4に示すように、カメラ1004のフレームレートが遅く(0.016fps≒1fpm)、対象車両を有効撮影範囲内で撮影することができない場合には、カメラ1004のフレームレートを早いフレームレートさせたり、カメラ1004の撮像タイミングを変えることで、カメラ1004の有効撮影範囲内で対象車両を撮影させる構成としてもよい。
以上のように、本実施形態では、複数の道路に設置された複数のカメラ装置100の中から、対象車両の走行予定経路を撮影可能なカメラ装置100を、特定カメラ装置100として選択する。そして、対象車両の位置情報と、特定カメラ装置100の有効撮影範囲とに基づいて、対象車両が特定カメラ装置100の有効撮影範囲内を走行している際の対象車両の画像を、特定カメラ装置100に送信させることで、対象車両が走行している際の対象車両の画像を、特定カメラ装置100から取得することができる。このように、本実施形態では、他車両が対象車両の周辺に存在するか否かに関係なく、道路に設置されているカメラ装置100から対象車両の画像を適切に取得することができる。
また、本実施形態では、特定カメラ装置100の有効撮影範囲内に対象車両が存在する際の画像を、特定カメラ装置100に送信させることで、対象車両が有効撮影範囲内を走行している際の対象車両の画像を取得することができる。上述したように、有効撮影範囲とは、被写体にピントを合わせて被写体を撮像することができる範囲であり、対象車両が有効撮影範囲内を走行している際の対象車両の画像を取得することで、対象車両にピントの合った良好な画像を取得することができる。また、対象車両の画像を、対象車両が有効撮影範囲内に存在する際の画像に制限することで、対象車両の画像を記憶するための記憶容量が増大してしまうことを有効に防止することができる。
さらに、本実施形態では、特定カメラ装置100から情報端末装置400に対して対象車両の画像を直接送信されるため、対象車両の画像を取得する際に、対象車両の車載装置200は、対象車両の位置情報を情報端末装置400に送信するだけでよい。そのため、本実施形態では、対象車両の画像を取得する際の車載装置200の通信負荷や処理負荷を軽減することができる。
加えて、本実施形態では、対象車両の車載装置100により走行予定経路が設定されることを条件として、情報センター300により特定カメラ装置100の選択が行われる。そして、対象車両が、設定した走行予定経路の走行を開始することで、情報端末装置400により、走行予定経路を走行する対象車両の画像の取得が開始される。このように、本実施形態では、対象車両が走行予定経路を開始する前に、対象車両の画像を取得可能なカメラ装置100が選択されるため、対象車両が走行予定経路の走行を開始するとともに、対象車両の画像が取得可能となる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した実施形態では、道路を走行する車両を監視するために、カメラ装置100は連続的に道路を撮影しており、対象車両が特定カメラ装置100の有効撮影範囲内に進入した場合に、特定カメラ装置100に撮影した画像を送信させ、対象車両が特定カメラ装置100の有効撮影範囲外に進出した場合に、特定カメラ装置100に撮影した画像の送信を終了させることで、特定カメラ装置100から対象車両の画像を取得する構成を例示したが、この構成に限定されず、以下の構成としてもよい。すなわち、カメラ装置100が情報端末装置400からの指示があるまで撮影を行わない構成である場合には、対象車両がカメラ装置100の有効撮影範囲内に進入した場合に、カメラ装置100に撮影を開始させ、撮影された画像を情報端末装置400に送信させるとともに、対象車両がカメラ装置100の有効撮影範囲外に進出した場合に、カメラ装置100に撮影を停止させる構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、ユーザの自宅に設置されたパソコンなどの情報端末装置400が、特定カメラ装置100から対象車両の画像を取得する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、車載装置200、あるいは、情報センター300が、特定カメラ装置100から対象車両の画像を取得する構成としてもよい。この場合、情報取得システムの構成を簡略化することができる。
また、上述した実施形態では、対象車両の車載装置200において、対象車両の走行予定経路を設定する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、対象車両のユーザの携帯電話機(スマートフォン)や、対象車両のユーザのパーソナルコンピュータなどにより、対象車両の走行予定経路を設定する構成としてもよい。
なお、上述した実施形態のセンター制御装置330のカメラ選択機能は本発明の経路取得手段および選択手段に相当し、センター制御装置330の範囲決定機能は本発明の決定手段に相当し、端末制御装置430の画像取得機能は本発明の位置情報取得手段および画像取得手段に相当する。