JP2014016362A - 実効値測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周期が未知の測定対象信号について、実効値と共に平均値についてもより高精度で、かつ実効値と同時に測定する。
【解決手段】測定対象信号S1についての所定数のサンプリングデータD1(データD2)に対して窓掛け処理を施して窓データD3として出力する窓掛け処理部4と、窓データD3に基づき測定対象信号S1の実効値Drmsを算出して出力する実効値測定処理を実行する実効値測定部5と、窓データD3に基づき測定対象信号S1の交直流平均値Davaを算出して出力する交直流平均値測定処理を実行する交直流平均値測定部6と、窓データD3に基づき測定対象信号S1の直流平均値Davdを算出して出力する直流平均値測定処理を実行する直流平均値測定部7とを備え、実効値測定部5、交直流平均値測定部6および直流平均値測定部7が、実効値測定処理、交直流平均値測定処理および直流平均値測定処理を並行して実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象信号の実効値を測定する実効値測定装置に関するものである。
この種の実効値測定装置として、下記の特許文献に記載されている実効値測定装置が知られている。この実効値測定装置は、測定対象信号のサンプリングデータを二乗する二乗回路と、二乗されたサンプリングデータに対してフィルタ処理するRMSディジタルフィルタ(低域通過フィルタ)と、このフィルタ処理されたデータの平方根を算出して実効値として出力する平方根回路とを備えて、周期が未知の測定対象信号についてその周期を知ることなく実効値を測定可能に構成されている。
特開平10−232250号公報(第4−6頁、第6図)
ところが、上記の実効値測定装置には、以下のような解決すべき課題がある。すなわち、実効値の測定精度のさらなる向上が望まれてきているが、この従来の実効値測定装置における現在の測定精度ではこの要望に対応できないという解決すべき課題が存在している。また、測定対象信号について、実効値と共に平均値についても同時に測定したいという要望もあるが、この従来の実効値測定装置ではこの要望にも対応できないという解決すべき課題が存在している。
本発明は、上記の課題を解決すべくなされたものであり、周期が未知の測定対象信号について、実効値と共に平均値についてもより高精度で、かつ実効値と同時に測定し得る実効値測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の実効値測定装置は、測定対象信号についての所定数のサンプリングデータに対して窓掛け処理を施して窓データとして出力する窓掛け処理部と、前記所定数の前記窓データを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、前記所定数の前記窓データの絶対値を算出して絶対値データとして出力する絶対値処理部、前記所定数の前記絶対値データを平均して交直流平均データとして出力する交直流平均処理部、および前記交直流平均データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の交直流平均値として出力する第2補正部を有して交直流平均値測定処理を実行する交直流平均値測定部とを備え、前記実効値測定部および前記交直流平均値測定部が、前記実効値測定処理および前記交直流平均値測定処理を並行して実行する。
また、請求項2記載の実効値測定装置は、測定対象信号についての所定数のサンプリングデータに対して窓掛け処理を施して窓データとして出力する窓掛け処理部と、前記所定数の前記窓データを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、前記所定数の前記窓データを平均して直流平均データとして出力する直流平均処理部、および前記直流平均データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の直流平均値として出力する第3補正部を有して直流平均値測定処理を実行する直流平均値測定部とを備え、前記実効値測定部および前記直流平均値測定部が、前記実効値測定処理および前記直流平均値測定処理を並行して実行する。
また、請求項3記載の実効値測定装置は、測定対象信号についての所定数のサンプリングデータに対して窓掛け処理を施して窓データとして出力する窓掛け処理部と、前記所定数の前記窓データを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、前記所定数の前記窓データの絶対値を算出して絶対値データとして出力する絶対値処理部、前記所定数の前記絶対値データを平均して交直流平均データとして出力する交直流平均処理部、および前記交直流平均データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の交直流平均値として出力する第2補正部を有して交直流平均値測定処理を実行する交直流平均値測定部と、前記所定数の前記窓データを平均して直流平均データとして出力する直流平均処理部、および前記直流平均データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の直流平均値として出力する第3補正部を有して直流平均値測定処理を実行する直流平均値測定部とを備え、前記実効値測定部、前記交直流平均値測定部および前記直流平均値測定部が、前記実効値測定処理、前記交直流平均値測定処理および前記直流平均値測定処理を並行して実行する。
また、請求項4記載の実効値測定装置は、測定対象信号についての所定数のサンプリングデータを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データに対して第1窓掛け処理を施して第1窓データとして出力する第1窓掛け処理部、前記所定数の前記第1窓データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記第1窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、前記所定数の前記サンプリングデータの絶対値を算出して絶対値データとして出力する絶対値処理部、前記所定数の前記絶対値データに対して第2窓掛け処理を施して第2窓データとして出力する第2窓掛け処理部、前記所定数の前記第2窓データを平均して交直流平均データとして出力する交直流平均処理部、および前記交直流平均データに対して前記第2窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の交直流平均値として出力する第2補正部を有して交直流平均値測定処理を実行する交直流平均値測定部とを備え、前記実効値測定部および前記交直流平均値測定部が、前記実効値測定処理および前記交直流平均値測定処理を並行して実行する。
また、請求項5記載の実効値測定装置は、測定対象信号についての所定数のサンプリングデータを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データに対して第1窓掛け処理を施して第1窓データとして出力する第1窓掛け処理部、前記所定数の前記第1窓データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記第1窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、前記所定数の前記サンプリングデータに対して第3窓掛け処理を施して第3窓データとして出力する第3窓掛け処理部、前記所定数の前記第3窓データを平均して直流平均データとして出力する直流平均処理部、および前記直流平均データに対して前記第3窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の直流平均値として出力する第3補正部を有して直流平均値測定処理を実行する直流平均値測定部とを備え、前記実効値測定部および前記直流平均値測定部が、前記実効値測定処理および前記直流平均値測定処理を並行して実行する。
また、請求項6記載の実効値測定装置は、測定対象信号についての所定数のサンプリングデータを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データに対して第1窓掛け処理を施して第1窓データとして出力する第1窓掛け処理部、前記所定数の前記第1窓データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記第1窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、前記所定数の前記サンプリングデータの絶対値を算出して絶対値データとして出力する絶対値処理部、前記所定数の前記絶対値データに対して第2窓掛け処理を施して第2窓データとして出力する第2窓掛け処理部、前記所定数の前記第2窓データを平均して交直流平均データとして出力する交直流平均処理部、および前記交直流平均データに対して前記第2窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の交直流平均値として出力する第2補正部を有して交直流平均値測定処理を実行する交直流平均値測定部と、前記所定数の前記サンプリングデータに対して第3窓掛け処理を施して第3窓データとして出力する第3窓掛け処理部、前記所定数の前記第3窓データを平均して直流平均データとして出力する直流平均処理部、および前記直流平均データに対して前記第3窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の直流平均値として出力する第3補正部を有して直流平均値測定処理を実行する直流平均値測定部とを備え、前記実効値測定部、前記交直流平均値測定部および前記直流平均値測定部が、前記実効値測定処理、前記交直流平均値測定処理および前記直流平均値測定処理を並行して実行する。
また、請求項7記載の実効値測定装置は、請求項1から6のいずれかに記載の実効値測定装置において、設定されたサンプリング周期で前記測定対象信号をサンプリングして前記サンプリングデータを生成するA/D変換部と、前記A/D変換部によって生成された前記サンプリングデータから前記所定数の前記サンプリングデータを切り出す切り出し部と、前記サンプリング周期を設定するための設定データを入力するための操作部と、前記操作部に対する操作によって入力された前記設定データに基づいて、前記サンプリング周期を前記A/D変換部に設定する制御部とを備えている。
また、請求項8記載の実効値測定装置は、請求項1から6のいずれかに記載の実効値測定装置において、設定されたサンプリング周期で前記測定対象信号をサンプリングして前記サンプリングデータを生成するA/D変換部と、前記A/D変換部によって生成された前記サンプリングデータから前記所定数の前記サンプリングデータを切り出す切り出し部と、前記補正部から出力される前記実効値のばらつきの程度に基づいて前記サンプリング周期を決定して前記A/D変換部に設定する制御部とを備えている。
請求項1記載の実効値測定装置では、測定対象信号についての所定数のサンプリングデータに対して窓掛け処理を実行して所定数の窓データとし、この所定数の窓データに対して、二乗処理部、第1平均処理部、平方根算出部および第1補正部を有する実効値測定部が実効値測定処理を実行して測定対象信号の実効値を出力し、これと並行して、絶対値処理部、交直流平均処理部および第2補正部を有する交直流平均値測定部が交直流平均値測定処理を実行して測定対象信号の交直流平均値を出力する。したがって、この実効値測定装置によれば、測定対象信号の周期が未知であることに起因して、測定対象信号の周期とサンプリング周期とが非同期であっても、窓掛け処理により、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して実効値および交直流平均値に発生する誤差を大幅に低減しつつ、実効値および交直流平均値を同時に測定することができる。
請求項2記載の実効値測定装置では、測定対象信号についての所定数のサンプリングデータに対して窓掛け処理を実行して所定数の窓データとし、この所定数の窓データに対して、二乗処理部、第1平均処理部、平方根算出部および第1補正部を有する実効値測定部が実効値測定処理を実行して測定対象信号の実効値を出力し、これと並行して、直流平均処理部および第3補正部を有する直流平均値測定部が直流平均値測定処理を実行して測定対称信号の直流平均値を出力する。したがって、この実効値測定装置によれば、測定対象信号の周期が未知であることに起因して、測定対象信号の周期とサンプリング周期とが非同期であっても、窓掛け処理により、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して実効値および直流平均値に発生する誤差を大幅に低減しつつ、実効値および直流平均値を同時に測定することができる。
請求項3記載の実効値測定装置では、測定対象信号についての所定数のサンプリングデータに対して窓掛け処理を実行して所定数の窓データとし、この所定数の窓データに対して、二乗処理部、第1平均処理部、平方根算出部および第1補正部を有する実効値測定部が実効値測定処理を実行して測定対象信号の実効値を出力し、これと並行して、絶対値処理部、交直流平均処理部および第2補正部を有する交直流平均値測定部が交直流平均値測定処理を実行して測定対象信号の交直流平均値を出力し、さらに、これらと並行して、直流平均処理部および第3補正部を有する直流平均値測定部が直流平均値測定処理を実行して測定対称信号の直流平均値を出力する。したがって、この実効値測定装置によれば、測定対象信号の周期が未知であることに起因して、測定対象信号の周期とサンプリング周期とが非同期であっても、窓掛け処理により、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して実効値、交直流平均値および直流平均値に発生する誤差を大幅に低減しつつ、実効値、交直流平均値および直流平均値を同時に測定することができる。
請求項4記載の実効値測定装置によれば、請求項1記載の実効値測定装置と同様にして、測定対象信号の周期が未知であることに起因して、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の波形が変動したとしても、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して発生する誤差を、実効値測定部および交直流平均値測定部に設けられた各窓掛け処理部において大幅に低減することができるため、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して実効値および交直流平均値に発生する誤差を大幅に低減しつつ、実効値および交直流平均値を同時に測定することができる。
請求項5記載の実効値測定装置によれば、請求項2記載の実効値測定装置と同様にして、測定対象信号の周期が未知であることに起因して、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の波形が変動したとしても、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して発生する誤差を、実効値測定部および直流平均値測定部に設けられた各窓掛け処理部において大幅に低減することができるため、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して実効値および直流平均値に発生する誤差を大幅に低減しつつ、実効値および交直流平均値を同時に測定することができる。
請求項6記載の実効値測定装置によれば、請求項3記載の実効値測定装置と同様にして、測定対象信号の周期が未知であることに起因して、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の波形が変動したとしても、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して発生する誤差を、実効値測定部、交直流平均値測定部および直流平均値測定部に設けられた各窓掛け処理部において大幅に低減することができるため、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して実効値、交直流平均値および直流平均値に発生する誤差を大幅に低減しつつ、実効値および交直流平均値を同時に測定することができる。
また、請求項7記載の実効値測定装置では、操作部に対する操作によって入力された設定データに基づいて、制御部が、サンプリング周期をA/D変換部に設定する。したがって、この実効値測定装置によれば、操作部に対する操作により、A/D変換部のサンプリング周期を変更することができる。したがって、表示部に表示されている測定対象信号の実効値がばらつくなどして、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の波形数が少ないと判断したときには、A/D変換部のサンプリング周期を長くして、含まれる測定対象信号の波形数を増加させることができ、これによって実効値等の測定精度の低下を防止することができる。
また、請求項8記載の実効値測定装置では、第1補正部から出力される実効値のばらつきの程度に基づいて、制御部がサンプリング周期を決定してA/D変換部に設定する。したがって、この実効値測定装置によれば、測定対象信号の実効値がばらつくなどして、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の波形数が少ないと制御部が判断したときには、制御部がA/D変換部のサンプリング周期を長くして、含まれる測定対象信号の波形数を自動的に増加させることができ、これによって実効値等の測定精度の低下を自動的に防止することができる。
実効値測定装置1の構成図である。 図1の実効値演算部5の構成図である。 図1の交直流平均値演算部6の構成図である。 図1の直流平均値演算部7の構成図である。 図1の窓掛け処理部4による窓掛け処理を説明するための波形図である。 図1の実効値演算部5の二乗処理部21による二乗処理を説明するための波形図である。 図1の実効値演算部5のフィルタ処理部22によるフィルタリング処理を説明するための波形図である。 実効値測定装置1,1Aおよび従来の実効値測定装置で測定される実効値の誤差を示す説明図である。 実効値測定装置1,1Aおよび従来の実効値測定装置で測定される交直流平均値の誤差を示す説明図である。 実効値測定装置1,1Aおよび従来の実効値測定装置で測定される直流平均値の誤差を示す説明図である。 実効値測定装置1Aの構成図である。 図11の実効値演算部5Aの構成図である。 図11の交直流平均値演算部6Aの構成図である。 図11の直流平均値演算部7Aの構成図である。 図11の実効値演算部5Aの二乗処理部21による二乗処理を説明するための波形図である。 図11の実効値演算部5Aのフィルタ処理部22によるフィルタリング処理を説明するための波形図である。 図11の実効値演算部5Aの窓掛け処理部26による窓掛け処理を説明するための波形図である。
以下、添付図面を参照して、実効値測定装置の実施の形態について説明する。
最初に、実効値測定装置1の構成について、図面を参照して説明する。
実効値測定装置1は、図1に示すように、A/D変換部2、データ切出し部3、窓掛け処理部4、実効値演算部(実効値測定部)5、交直流平均値演算部(交直流平均値測定部)6、直流平均値演算部(直流平均値測定部)7、操作部8、制御部9および表示部10を備え、入力した測定対象信号S1の実効値Drmsおよび平均値(交直流平均値Davaと直流平均値Davd)を測定可能に構成されている。ここで、交直流平均値とは、直流重畳交流(つまり直流が重畳された交流)の平均値を意味する。
A/D変換部2は、A/D変換器およびサンプリングクロック生成部(いずれも図示せず)を備えている。この場合、サンプリングクロック生成部は、制御部9から周期データDtを入力して、この周期データDtで特定される周期でサンプリングクロックを生成する。つまり、サンプリングクロック生成部は、入力した周期データDtに応じてサンプリングクロックの周期を変更可能となっている。A/D変換器は、サンプリングクロック生成部から出力されるサンプリングクロックに同期して、入力している測定対象信号S1をサンプリングしてその振幅を示すサンプリングデータD1を出力する。この構成により、A/D変換部2は、周期(または周波数)および入力タイミングが未知の測定対象信号S1を、この測定対象信号S1とは非同期のサンプリングクロック(測定対象信号S1の周期に対して十分に早い周期のクロック)でサンプリングして、サンプリングデータD1を出力する。
データ切出し部3は、サンプリングデータD1を入力すると共に、制御部9から入力したデータDpで指定された所定数N(Nは整数)のサンプリングデータD1を切り出してデータD2として出力する。この場合、データ切出し部3は、所定数NのサンプリングデータD1(データD2)を、直前に切り出した所定数NのサンプリングデータD1(データD2)と不連続な状態で切り出す構成でもよいし、連続状態で切り出す構成でもよい。本例では、データ切出し部3は、一例として、連続状態でサンプリングデータD1(データD2)を切り出す。また、データDpで指定される所定数Nは、窓掛け処理部4に予め記憶されている窓掛け処理のための補正データ数と一致するように規定されている。
窓掛け処理部4は、入力した所定数Nのデータに対して予め記憶されている窓掛け処理のための所定数N(入力したデータと同数)の補正データDc(図5参照)を用いて窓掛け処理を実行して、補正後のデータを窓データD3として出力する。本例では、窓掛け処理部4は、データ切出し部3から出力されるデータD2を所定数N入力すると共に、窓掛け処理のための補正データDcを用いて窓掛け処理を実行して、補正後の所定数NのデータD2を窓データD3として出力する。この補正データDcとしては、Blackman−Harris窓関数や、Hanning窓関数等の公知の窓関数を用いて窓掛け処理するためのデータを用いている。
実効値演算部5は、一例として、図2に示すように、二乗処理部21、フィルタ処理部22、平均処理部23(第1平均処理部)、平方根処理部24および補正部25(第1補正部)を備え、所定数Nの窓データD3を入力する都度、入力した窓データD3に基づいて、測定対象信号S1の実効値Drmsを算出して出力する。この場合、二乗処理部21は、入力した窓データD3を二乗して、二乗データD4として出力する。フィルタ処理部22は、ローパスフィルタ(例えばカットオフ周波数が数Hz〜百数十Hzに規定されたフィルタ)で構成されている。フィルタ処理部22は、例えば、IIR(無限インパルス応答)フィルタや、FIR(有限インパルス応答)フィルタなどのディジタルフィルタで構成されて、入力したデータに対して、リップル成分を除去するフィルタリング処理を施して出力する。本例では、フィルタ処理部22は、入力した二乗データD4に対してフィルタリング処理を施して、新たな二乗データD5として出力する。
平均処理部23は、所定数Nのデータを入力してそれらの平均を算出し、出力する。本例では、平均処理部23は、所定数Nの二乗データD5を入力してそれらの平均を算出し、平均データD6(第1平均データ)として出力する。なお、平均を算出する手法としては、入力した全データの総和を全データ数で除算する一般的な平均算出法を採用してもよいし、移動平均法を採用することもできる。平方根処理部24は、開平器で構成されて、入力したデータの平方根を演算して出力する。本例では、平方根処理部24は、平均データD6の平方根を演算して、平方根データD7として出力する。
補正部25は、入力したデータ(窓掛け処理したデータ)に対して、窓掛け処理時の減衰分を補正して(減衰前の状態に増幅する補正を行って)出力する。本例では、補正部25は、平方根データD7に対して、窓掛け処理部4での窓掛け処理時のデータD2(所定数NのサンプリングデータD1)に対する窓データD3の減衰分を補正して出力する。これにより、補正部25から出力される補正後のデータは、測定対象信号S1の実効値Drmsを示すデータとなる。
交直流平均値演算部6は、一例として、図3に示すように、絶対値算出部31、フィルタ処理部32、平均処理部33(交直流平均処理部)および補正部34(第2補正部)を備え、入力した窓データD3に基づいて、測定対象信号S1の交直流平均値Davaを算出して出力する。この場合、絶対値算出部31は、窓データD3(測定対象信号S1が交流信号(直流成分を有する交流信号も含む)の場合には、図5に示すように、極性付きのデータ(極性が変化するデータ)となる)を入力して、その絶対値を示す絶対値データD8を生成して出力する。
フィルタ処理部32は、フィルタ処理部22と同様のローパスフィルタで構成されて、入力したデータに対して、リップル成分を除去するフィルタリング処理を施して出力する。本例では、フィルタ処理部32は、入力した絶対値データD8に対してフィルタリング処理を施して、新たな絶対値データD9として出力する。
平均処理部33は、平均処理部23と同様に構成されて、所定数Nのデータを入力してそれらの平均を算出し、出力する。本例では、平均処理部33は、所定数Nの絶対値データD9を入力してそれらの平均を算出し、平均データD10(交直流平均データ)として出力する。なお、平均を算出する手法としては、平均処理部23の説明で述べたように、一般的な平均算出法や移動平均法を採用することができる。
補正部34は、補正部25と同様に構成されて、入力したデータ(窓掛け処理したデータ)に対して、窓掛け処理時の減衰分を補正して(減衰前の状態に増幅する補正を行って)出力する。本例では、補正部34は、平均データD10に対して、窓掛け処理部4での窓掛け処理時のデータD2(所定数NのサンプリングデータD1)に対する窓データD3の減衰分を補正して出力する。この交直流平均値演算部6では、上記したように絶対値算出部31を備えているため、平均データD10には、窓データD3、つまり測定対象信号S1に含まれている直流成分だけでなく交流成分についても含まれている。これにより、補正部34から出力される補正後のデータは、測定対象信号S1の交直流平均値Davaを示すデータとなる。
直流平均値演算部7は、一例として、図4に示すように、フィルタ処理部41、平均処理部42(直流平均処理部)および補正部43(第3補正部)を備え、入力した窓データD3に基づいて、測定対象信号S1の直流平均値Davdを算出して出力する。この場合、フィルタ処理部41は、フィルタ処理部22と同様のローパスフィルタで構成されて、入力したデータに対して、リップル成分を除去するフィルタリング処理を施して出力する。本例では、フィルタ処理部41は、入力した窓データD3に対してフィルタリング処理を施して、新たな窓データD11として出力する。
平均処理部42は、平均処理部23と同様に構成されて、所定数Nのデータを入力してそれらの平均を算出し、出力する。本例では、平均処理部42は、所定数Nの窓データD11を入力してそれらの平均を算出し、平均データD12(直流平均データ)として出力する。なお、平均を算出する手法としては、平均処理部23の説明で述べたように、一般的な平均算出法や移動平均法を採用することができる。
補正部43は、補正部25と同様に構成されて、入力したデータ(窓掛け処理したデータ)に対して、窓掛け処理時の減衰分を補正して(減衰前の状態に増幅する補正を行って)出力する。本例では、補正部43は、平均データD12に対して、窓掛け処理部4での窓掛け処理時のデータD2(所定数NのサンプリングデータD1)に対する窓データD3の減衰分を補正して出力する。この直流平均値演算部7では、交直流平均値演算部6とは異なり、絶対値算出部31を備えていないため、平均データD12は、窓データD3、つまり測定対象信号S1に含まれている直流成分だけで構成されている。これにより、補正部43から出力される補正後のデータは、測定対象信号S1の直流平均値Davdを示すデータとなる。
操作部8は、A/D変換部2でのサンプリング周期を設定するための設定データDsを選択可能な選択スイッチ(不図示)を備え、選択スイッチに対する操作内容に応じた設定データDsを制御部9に出力する。制御部9は、CPUおよびメモリを備えて構成されて、入力した設定データDsに基づいてA/D変換部2に対するサンプリング周期設定処理を実行する。また、制御部9は、実効値演算部5、交直流平均値演算部6および直流平均値演算部7においてそれぞれ算出された実効値Drms、交直流平均値Davaおよび直流平均値Davd(以下、総称して「実効値Drms等」ともいう)を表示部10に表示させる表示処理も実行する。表示部10は、例えば液晶ディスプレイなどのモニタ装置で構成されて、制御部9から出力された実効値Drms等を数値表示する。なお、表示部10は、モニタ装置に代えて、プリンタなどの印字装置で構成することもできる。
次いで、実効値測定装置1による測定対象信号S1についての実効値Drms等の測定動作について説明する。
実効値測定装置1では、動作状態において操作部8に対する操作が行われたときには、操作部8が、図1に示すように、操作内容に対応する設定データDsを制御部9に出力する。本例では、操作部8は、設定データDsとして、サンプリング周期を示す周期データDtを制御部9に出力する。制御部9は、周期データDtを入力して、この周期データDtをA/D変換部2に出力することにより(サンプリング周期設定処理を実行することにより)、A/D変換部2でのサンプリング周期を設定する。また、制御部9は、データ切出し部3に対してデータDpを出力することにより、切り出すサンプリングデータD1の数を所定数Nに設定する。
これにより、A/D変換部2が、設定されたサンプリング周期で測定対象信号S1のサンプリングを開始すると共に、データ切出し部3へのサンプリングデータD1の出力を開始する。また、データ切出し部3が、図5に示すように、測定対象信号S1のサンプリングデータD1を所定数Nずつ切り出して(分割して)、データD2として順次出力する。この場合、切り出されたデータD2は、測定対象信号S1の分割波形S2についてのデータである。
また、窓掛け処理部4が、データ切出し部3から出力されるデータD2(所定数NのサンプリングデータD1)を順次入力すると共に、窓掛け処理用の補正データDcを用いてデータD2に対して窓掛け処理を実行して、補正後のデータD2を窓データD3(波形S3を示すデータ)として出力する。なお、図5〜図7では、発明の理解を容易にするため、データD2の切り出し開始および切り出し終了の各タイミングが測定対象信号S1のゼロクロス点に同期(一致)した状態で示しているが、実際には、測定対象信号S1の周期は未知であって、A/D変換部2のサンプリング周期と測定対象信号S1の周期とは非同期であるため、切り出しについての開始および終了の各タイミングは測定対象信号S1のゼロクロス点とは必ずしも一致しない。
また、実効値演算部5、交直流平均値演算部6および直流平均値演算部7が、この窓データD3に基づいて、実効値Drms、交直流平均値Davaおよび直流平均値Davdの演算を同時に(並列的に)開始する。
具体的には、実効値演算部5では、まず、二乗処理部21が、所定数Nの窓データD3をそれぞれ二乗して、図6に示す波形S4を表す二乗データD4を出力する。次いで、フィルタ処理部22が、所定数Nの二乗データD4に含まれているリップル成分を除去して、図7に示す波形S5を表すデータを新たな二乗データD5として出力する。続いて、図2に示すように、平均処理部23が、所定数Nの二乗データD5を平均して平均データD6を算出し、平方根処理部24が、この平均データD6の平方根を演算して、平方根データD7として出力する。最後に、補正部25が、平方根データD7に対して窓掛け処理時の減衰分を補正する処理を施して、測定対象信号S1の実効値Drmsとして制御部9に出力する。
また、交直流平均値演算部6では、まず、絶対値算出部31が、所定数Nの窓データD3についての絶対値データD8を生成して出力する。次いで、フィルタ処理部32が、所定数Nの絶対値データD8に含まれているリップル成分を除去して、新たな絶対値データD9として出力する。続いて、平均処理部33が、所定数Nの絶対値データD9を平均して平均データD10を算出し、最後に、補正部25が、平均データD10に対して窓掛け処理時の減衰分を補正する処理を施して、測定対象信号S1の交直流平均値Davaとして制御部9に出力する。
また、直流平均値演算部7では、まず、フィルタ処理部41が、所定数Nの窓データD3に含まれているリップル成分を除去して、新たな窓データD11として出力する。続いて、平均処理部42が、所定数Nの窓データD11を平均して平均データD12を算出し、最後に、補正部43が、平均データD12に対して窓掛け処理時の減衰分を補正する処理を施して、測定対象信号S1の直流平均値Davdとして制御部9に出力する。
この場合、制御部9は、実効値演算部5から入力した実効値Drms、交直流平均値演算部6から入力した交直流平均値Dava、および直流平均値演算部7から入力した直流平均値Davdを表示部10に同時に表示させる。これにより、実効値測定装置1による測定対象信号S1についての実効値Drms等の測定が完了する。なお、実効値演算部5、交直流平均値演算部6および直流平均値演算部7では、実効値Drms等の演算を繰り返し実行して制御部9に出力するため、制御部9は、実効値演算部5、交直流平均値演算部6および直流平均値演算部7から新たな実効値Drms等を入力する都度、表示部10に表示させる。したがって、表示部10には最新の実効値Drms等が表示される。
このように、この実効値測定装置1では、切り出された所定数NのサンプリングデータD1(データD2)に対して窓掛け処理を実行して、窓データD3とし、この窓データD3に対して、実効値演算部5が二乗処理、フィルタリング処理、平均処理および平方根処理という実効値算出のための基本的な処理を施した後、これらの処理によって得られた平方根データD7に対して窓掛け処理時の減衰分を補正する処理を施して、測定対象信号S1の実効値Drmsを算出する。また、交直流平均値演算部6が、実効値演算部5による実効値Drmsの算出動作と並行して(同時に)、窓データD3に対して、絶対値算出処理、フィルタリング処理および平均処理という交直流平均値算出のための基本的な処理を施した後、これらの処理によって得られた平均データD10に対して窓掛け処理時の減衰分を補正する処理を施して、測定対象信号S1の交直流平均値Davaを算出する。また、直流平均値演算部7も、実効値演算部5による実効値Drmsの算出動作と並行して(同時に)、窓データD3に対して、フィルタリング処理および平均処理という交直流平均値算出のための基本的な処理を施した後、これらの処理によって得られた平均データ12に対して窓掛け処理時の減衰分を補正する処理を施して、測定対象信号S1の直流平均値Davdを算出する。
したがって、この実効値測定装置1によれば、測定対象信号S1の周期が未知であることに起因して、測定対象信号S1の周期とA/D変換部2でのサンプリング周期とが非同期であっても、窓掛け処理により、所定数NのサンプリングデータD1に含まれる測定対象信号S1の位相が変動することに起因して(言い換えれば、測定対象信号S1に対する切り出し位置の変動に起因して)実効値Drms等に発生する誤差を大幅に低減することができる。また、この実効値測定装置1によれば、実効値演算部5、交直流平均値演算部6および直流平均値演算部7が並行して(同時に)算出動作を実行するため、実効値Drms等を同時に測定することができる。
次に、実効値測定装置1による実効値Drms等の算出精度(測定精度)についての実験結果(シミュレーション結果)を図8,9,10に示す。この図8によれば、窓掛け処理を実行しない従来の実効値測定装置で測定される実効値の誤差が約3.6%であるのに対し、実効値測定装置1では、誤差が0.01%未満と大幅に低減されている。また、図9によれば、測定対象信号S1が交流信号(一例としてAC100ボルト)であるときに、窓掛け処理を実行しない従来の実効値測定装置で測定される交直流平均値の誤差が約4.9%であるのに対し、実効値測定装置1では、誤差が約0.015%と大幅に低減されている。また、測定対象信号S1が交直流信号(一例としてAC100ボルトにDC100ボルトが重畳した信号)であるときにも、窓掛け処理を実行しない従来の実効値測定装置で測定される交直流平均値の誤差が約23%であるのに対し、実効値測定装置1では、誤差が約1.8%と大幅に低減されている。また、図10によれば、測定対象信号S1が交直流信号(一例としてAC100ボルトにDC100ボルトが重畳した信号)であるときに、窓掛け処理を実行しない従来の実効値測定装置で測定される直流平均値の誤差が約23%であるのに対し、実効値測定装置1では、誤差が約1.8%と大幅に低減されている。
また、この実効値測定装置1では、操作部8に対する操作により、A/D変換部2のサンプリング周期を変更することができる。したがって、この実効値測定装置1によれば、表示部10に表示されている測定対象信号S1の実効値Drms等の数値がばらつくなどして、切り出された所定数NのサンプリングデータD1(データD2)に含まれる測定対象信号S1の波形数が少ないと判断したときには、サンプリング周期を長くして、切り出された所定数NのサンプリングデータD1に含まれる測定対象信号S1の波形数を増加させることができ、これによって実効値Drms等の測定精度の低下を防止することができる。
逆に、表示部10に表示されている測定対象信号S1の実効値Drms等の数値が殆どばらついていない場合には、切り出された所定数NのサンプリングデータD1に含まれる測定対象信号S1の波形数をより少なくして実効値Drms等の算出周期を短縮することも可能となっている。したがって、サンプリング周期を短くして、切り出された所定数NのサンプリングデータD1に含まれる測定対象信号S1の波形数を減少させることで、実効値Drms等の測定精度を維持しつつ算出周期を短縮することができる(実効値Drms等の更新周期を早めることができる)。
なお、実効値測定装置の構成は、上記の構成に限定されない。例えば、上記の実効値測定装置1では、実効値演算部5、交直流平均値演算部6および直流平均値演算部7が共に窓掛け処理の後の共通の窓データD3に基づいて、実効値Drms等の演算を行う構成が採用されているが、実効値演算部5、交直流平均値演算部6および直流平均値演算部7のそれぞれにおいて窓掛け処理を行う構成を採用することもできる。以下、この構成を備えた実効値測定装置1Aについて説明する。なお、実効値測定装置1と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実効値測定装置1Aは、図11に示すように、実効値演算部5に代えて実効値演算部5Aを備え、交直流平均値演算部6に代えて交直流平均値演算部6Aを備え、直流平均値演算部7に代えて直流平均値演算部7Aを備えている点で実効値測定装置1と相違するが、他の構成については同一に構成されている。
具体的には、実効値演算部5Aは、図12に示すように、実効値測定装置1の実効値演算部5と同様にして、二乗処理部21、フィルタ処理部22、平均処理部23、平方根処理部24および補正部25を備えると共に、窓掛け処理部26(第1窓掛け処理部)をさらに備えており、実効値測定装置1では、上記したように、窓掛け処理部4が、実効値演算部5を構成する二乗処理部21およびフィルタ処理部22の前段に配設されているのに対し、実効値演算部5Aでは、窓掛け処理部26が、二乗処理部21およびフィルタ処理部22の後段(フィルタ処理部22と平均処理部23との間)に配設されている。
また、交直流平均値演算部6Aは、図13に示すように、実効値測定装置1の交直流平均値演算部6と同様にして、絶対値算出部31、フィルタ処理部32、平均処理部33および補正部34を備えると共に、窓掛け処理部35(第2窓掛け処理部)をさらに備えており、実効値測定装置1では、上記したように、窓掛け処理部4が、交直流平均値演算部6を構成する絶対値算出部31およびフィルタ処理部32の前段に配設されているのに対し、交直流平均値演算部6Aでは、窓掛け処理部35が、フィルタ処理部32の後段(フィルタ処理部32と平均処理部33との間)に配設されている。
また、直流平均値演算部7Aは、図14に示すように、実効値測定装置1の直流平均値演算部7と同様にして、フィルタ処理部41、平均処理部42および補正部43を備えると共に、窓掛け処理部44(第3窓掛け処理部)をさらに備えており、実効値測定装置1では、上記したように、窓掛け処理部4が、直流平均値演算部7を構成するフィルタ処理部41の前段に配設されているのに対し、直流平均値演算部7Aでは、窓掛け処理部44が、フィルタ処理部41の後段(フィルタ処理部41と平均処理部42との間)に配設されている。
この構成により、実効値測定装置1Aにおいても、実効値演算部5A、交直流平均値演算部6Aおよび直流平均値演算部7Aが、データ切出し部3から出力される測定対象信号S1についてのデータD2の入力を同時に開始して、測定対象信号S1についての実効値Drms等を同時に演算して、制御部9に出力する。
具体的には、実効値演算部5Aでは、二乗処理部21が、データ切出し部3から出力されるデータD2(所定数NのサンプリングデータD1)に対して二乗処理を施して、図15に示す波形S21を表す所定数Nの二乗データD21を出力し、フィルタ処理部22が、この二乗データD21に対してフィルタリング処理を施して、図16に示す波形S22を表す新たな所定数Nの二乗データD22を出力する。次いで、窓掛け処理部26が、この二乗データD22に対して窓掛け処理のための補正データDcを用いて窓掛け処理を実行して、図17に示す波形S23を表す所定数Nの窓データD23(第1窓データ)を出力する。続いて、平均処理部23が、所定数Nの窓データD23を平均して、図12に示すように、1つの平均データD24として出力する。その後段では、実効値演算部5と同様に作動して、平方根処理部24が、この平均データD24の平方根を演算して平方根データD25として出力し、補正部25が、平方根データD25に対して窓掛け処理時の減衰分を補正する処理を施して、測定対象信号S1の実効値Drmsとして制御部9に出力する。
また、交直流平均値演算部6Aでは、まず、絶対値算出部31が、所定数NのデータD2についての絶対値データD26を生成して出力する。次いで、フィルタ処理部32が、所定数Nの絶対値データD26に含まれているリップル成分を除去して、新たな絶対値データD27として出力する。続いて、窓掛け処理部35が、この絶対値データD27に対して窓掛け処理のための補正データDcを用いて窓掛け処理を実行して、所定数Nの窓データD28(第2窓データ)を出力する。次いで、平均処理部33が、所定数Nの窓データD28を平均して平均データD29を算出し、最後に、補正部34が、平均データD29に対して窓掛け処理時の減衰分を補正する処理を施して、測定対象信号S1の交直流平均値Davaとして制御部9に出力する。
また、直流平均値演算部7Aでは、まず、フィルタ処理部41が、所定数NのデータD2に含まれているリップル成分を除去して、新たなデータD30として出力する。次いで、窓掛け処理部44が、このデータD30に対して窓掛け処理のための補正データDcを用いて窓掛け処理を実行して、所定数Nの窓データD31(第3窓データ)を出力する。続いて、平均処理部42が、所定数Nの窓データD31を平均して平均データD32を算出し、最後に、補正部43が、平均データD32に対して窓掛け処理時の減衰分を補正する処理を施して、測定対象信号S1の直流平均値Davdとして制御部9に出力する。
このように、この実効値測定装置1Aにおいても、実効値Drms等の各演算に際して窓掛け処理を実行するため、測定対象信号S1の周期が未知であることに起因して、測定対象信号S1とA/D変換部2でのサンプリング周期とが非同期であっても、所定数NのサンプリングデータD1に含まれる測定対象信号S1の位相が変動することに起因して(言い換えれば、測定対象信号S1に対する切り出し位置の変動に起因して)発生する誤差を窓掛け処理によって大幅に低減することができる。この実効値測定装置1Aによる実効値Drms等の算出精度(測定精度)についての実験結果(シミュレーション結果)を図8,9,10に示す。
この図8によれば、窓掛け処理を実行しない従来の実効値測定装置で測定される実効値の誤差が約3.6%であるのに対し、実効値測定装置1Aでは、誤差が0.01%程度と大幅に低減されている。また、図9によれば、測定対象信号S1が交流信号(一例としてAC100ボルト)であるときに、窓掛け処理を実行しない従来の実効値測定装置で測定される交直流平均値の誤差が約4.9%であるのに対し、実効値測定装置1Aでは、誤差が約0.015%と大幅に低減されている。また、測定対象信号S1が交直流信号(一例としてAC100ボルトにDC100ボルトが重畳した信号)であるときにも、窓掛け処理を実行しない従来の実効値測定装置で測定される交直流平均値の誤差が約23%であるのに対し、実効値測定装置1Aでは、誤差が約1.8%と大幅に低減されている。また、図10によれば、測定対象信号S1が交直流信号(一例としてAC100ボルトにDC100ボルトが重畳した信号)であるときに、窓掛け処理を実行しない従来の実効値測定装置で測定される直流平均値の誤差が約23%であるのに対し、実効値測定装置1Aでは、誤差が約1.8%と大幅に低減されている。
また、実効値測定装置1AのA/D変換部2、データ切出し部3、操作部8および制御部9は、実効値測定装置1での構成と同一であるため、実効値測定装置1Aにおいても実効値測定装置1と同様にして、操作部8に対する操作により、A/D変換部2のサンプリング周期を変更することができる構成となっている。このため、実効値測定装置1Aも上記した実効値測定装置1と同様にして、切り出された所定数NのサンプリングデータD1(データD2)に含まれる測定対象信号S1の波形数が少ないと判断したときには、サンプリング周期を長くして、切り出された所定数NのサンプリングデータD1に含まれる測定対象信号S1の波形数を増加させることができる結果、測定精度を向上させることができる。
なお、この実効値測定装置1Aでは、実効値演算部5Aにおいて、窓掛け処理部26の前段にフィルタ処理部22を配設する構成について上記したが、窓掛け処理部26の後段にフィルタ処理部22を配設する構成とすることもでき、この構成を採用した場合においても、実効値Drmsの算出精度を向上させることができる。
また、上記の実効値測定装置1,1Aでは、実効値演算部5,5A、交直流平均値演算部6,6A、直流平均値演算部7,7Aのいずれにもフィルタ処理部22,32,41を配設する構成を採用しているが、サンプリングデータD1に含まれるリップル成分が少ない場合には、フィルタ処理部22,32,41を含めないで各実効値演算部5,5A、交直流平均値演算部6,6A、直流平均値演算部7,7Aを構成することもできる。これにより、装置構成を簡略化することができる。
また、上記の実効値測定装置1,1Aでは、操作部8に対する操作により、A/D変換部2のサンプリング周期を変更する構成を採用しているが、制御部9が、入力した実効値Drmsのばらつきの程度、交直流平均値Davaのばらつきの程度、および直流平均値Davdのばらつきの程度のうちの少なくとも1つについて判別して、その判別結果(ばらつきの程度)に基づいてサンプリング周期を決定して変更(長くしたり、短くしたり)する構成(この構成では操作部8は不要となる)を採用することもできる。
この構成では、例えば、測定対象信号S1の実効値Drmsのばらつきの程度が大きい場合(例えば予め設定された許容範囲を超えてばらついている場合)、制御部9が、切り出された所定数NのサンプリングデータD1に含まれる測定対象信号S1の波形数が少ないと判別して、周期データDtを変更することにより、A/D変換部2のサンプリング周期を長くする。この構成によれば、実効値Drmsのばらつきの程度が大きいときに、所定数NのサンプリングデータD1に含まれる測定対象信号S1の波形数を自動的に増加させることができ、これによって実効値Drms等の各測定精度の低下を自動的に防止することができる。
また、データ切出し部3が、A/D変換部2から入力したサンプリングデータD1を制御部9から入力したデータDpで指定された所定数Nずつ切り出して、所定数のサンプリングデータD1で構成されるデータD2に分割して順次出力し、その後段に配置された実効値演算部5,5A、交直流平均値演算部6,6Aおよび直流平均値演算部7,7Aにおける平均処理部23,33,42までの構成要素が、所定数Nの全データを入力する都度、各処理を実行する構成(バッチ処理の構成)について上記したが、他の構成を採用することができる。
具体的には、データ切出し部3が、A/D変換部2から入力したサンプリングデータD1を1データずつリアルタイムに所定数Nを切り出して出力し、その後段に配置された平均処理部23,33,42までの構成要素が、1データずつリアルタイムに入力しつつ各々の処理を1データに対して順次実行して出力し、各平均処理部23,33,42が、1データを入力する度に既に入力しているデータとの平均を算出しつつ、所定数N分のデータの平均を算出したときに平均データD6,D10,D12,D24,D29,D32として出力する構成(平均処理部23,33,42までの各構成要素がリアルタイム処理する構成)を採用することもできる。この構成によれば、データ切出し部3から平均処理部23,33,42までの処理時間を短縮でき、ひいては実効値Drms等の測定時間を短縮することができる。
また、上記の実効値測定装置1,1Aでは、各窓掛け処理部4,26,35,44に予め記憶されている窓掛け処理のための補正データ数を固定(一定)としているが、窓掛け処理部4,26,35,44にデータ数の異なる複数の窓掛け処理のための補正データを記憶させておき、これらのうちの1つを任意に選択できる構成とすることもできる。これにより、補正データ数を固定(一定)とした実効値測定装置1,1Aでは、データ切出し部3が切り出すサンプリングデータD1のデータ数も、この補正データ数と同数となる所定数N(一定)とする必要があるため、切り出された所定数NのサンプリングデータD1に含まれる測定対象信号S1の波形数を増加させるためには、サンプリング周期を長くする必要がある。
しかしながら、複数の窓掛け処理のための補正データ(データ数が異なる補正データ)のうちから1つを任意に選択できる構成とした実効値測定装置では、サンプリング周期を固定としたままで、窓掛け処理部4,26,35,44での窓掛け処理のための補正データとしてデータ数の多い補正データを選択し、かつこれに対応してデータ切出し部3が切り出すサンプリングデータD1の所定数Nも増加させることで、データ切出し部3が切り出すサンプリングデータD1(データD2)に含まれる測定対象信号S1の波形数を増加させることができる。また、逆に、窓掛け処理部4,26,35,44での窓掛け処理のための補正データとしてデータ数の少ない補正データを選択し、かつこれに対応してデータ切出し部3が切り出すサンプリングデータD1の所定数Nも減少させることで、データ切出し部3が切り出すサンプリングデータD1(データD2)に含まれる測定対象信号S1の波形数を減少させることができる。したがって、この構成を採用した実効値測定装置によれば、必要に応じて、データ切出し部3が切り出すサンプリングデータD1(データD2)に含まれる測定対象信号S1の波形数を増減させることができる。
また、実効値測定装置1,1Aでは、実効値Drms等を同時に測定する構成を採用しているが、実効値測定装置1では、実効値演算部5および交直流平均値演算部6を備え、直流平均値演算部7を備えない構成とし、また実効値測定装置1Aでは、実効値演算部5Aおよび交直流平均値演算部6Aを備え、直流平均値演算部7Aを備えない構成として、実効値Drmsおよび交直流平均値Davaのみを測定する構成とすることもできる。また、実効値測定装置1では、実効値演算部5および直流平均値演算部7を備え、交直流平均値演算部6を備えない構成とし、また実効値測定装置1Aでは、実効値演算部5Aおよび直流平均値演算部7Aを備え、交直流平均値演算部6Aを備えない構成として、実効値Drmsおよび直流平均値Davdのみを測定する構成とすることもできる。
1,1A 実効値測定装置
2 A/D変換部
3 データ切出し部
4,26,35,44 窓掛け処理部
5,5A 実効値演算部
6,6A 交直流平均値演算部
7,7A 直流平均値演算部
21 二乗処理部
23,33,42 平均処理部
24 平方根処理部
25,34,43 補正部
D1 サンプリングデータ
D2 データ
D3,D23,D28,D31 窓データ
D4,D21 二乗データ
D6,D10,D12,D24,D29,D32 平均データ
D25 平方根データ
Dc 補正データ
Dava 交直流平均値
Davd 直流平均値
Drms 実効値
S1 測定対象信号
上記目的を達成すべく請求項記載の実効値測定装置は、測定対象信号についての所定数のサンプリングデータを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データに対して第1窓掛け処理を施して第1窓データとして出力する第1窓掛け処理部、前記所定数の前記第1窓データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記第1窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、前記所定数の前記サンプリングデータの絶対値を算出して絶対値データとして出力する絶対値処理部、前記所定数の前記絶対値データに対して第2窓掛け処理を施して第2窓データとして出力する第2窓掛け処理部、前記所定数の前記第2窓データを平均して交直流平均データとして出力する交直流平均処理部、および前記交直流平均データに対して前記第2窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の交直流平均値として出力する第2補正部を有して交直流平均値測定処理を実行する交直流平均値測定部とを備え、前記実効値測定部および前記交直流平均値測定部が、前記実効値測定処理および前記交直流平均値測定処理を並行して実行する。
また、請求項記載の実効値測定装置は、測定対象信号についての所定数のサンプリングデータを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データに対して第1窓掛け処理を施して第1窓データとして出力する第1窓掛け処理部、前記所定数の前記第1窓データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記第1窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、前記所定数の前記サンプリングデータに対して第3窓掛け処理を施して第3窓データとして出力する第3窓掛け処理部、前記所定数の前記第3窓データを平均して直流平均データとして出力する直流平均処理部、および前記直流平均データに対して前記第3窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の直流平均値として出力する第3補正部を有して直流平均値測定処理を実行する直流平均値測定部とを備え、前記実効値測定部および前記直流平均値測定部が、前記実効値測定処理および前記直流平均値測定処理を並行して実行する。
また、請求項記載の実効値測定装置は、測定対象信号についての所定数のサンプリングデータを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データに対して第1窓掛け処理を施して第1窓データとして出力する第1窓掛け処理部、前記所定数の前記第1窓データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記第1窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、前記所定数の前記サンプリングデータの絶対値を算出して絶対値データとして出力する絶対値処理部、前記所定数の前記絶対値データに対して第2窓掛け処理を施して第2窓データとして出力する第2窓掛け処理部、前記所定数の前記第2窓データを平均して交直流平均データとして出力する交直流平均処理部、および前記交直流平均データに対して前記第2窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の交直流平均値として出力する第2補正部を有して交直流平均値測定処理を実行する交直流平均値測定部と、前記所定数の前記サンプリングデータに対して第3窓掛け処理を施して第3窓データとして出力する第3窓掛け処理部、前記所定数の前記第3窓データを平均して直流平均データとして出力する直流平均処理部、および前記直流平均データに対して前記第3窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の直流平均値として出力する第3補正部を有して直流平均値測定処理を実行する直流平均値測定部とを備え、前記実効値測定部、前記交直流平均値測定部および前記直流平均値測定部が、前記実効値測定処理、前記交直流平均値測定処理および前記直流平均値測定処理を並行して実行する。
また、請求項記載の実効値測定装置は、請求項1からのいずれかに記載の実効値測定装置において、設定されたサンプリング周期で前記測定対象信号をサンプリングして前記サンプリングデータを生成するA/D変換部と、前記A/D変換部によって生成された前記サンプリングデータから前記所定数の前記サンプリングデータを切り出す切り出し部と、前記サンプリング周期を設定するための設定データを入力するための操作部と、前記操作部に対する操作によって入力された前記設定データに基づいて、前記サンプリング周期を前記A/D変換部に設定する制御部とを備えている。
また、請求項記載の実効値測定装置は、請求項1からのいずれかに記載の実効値測定装置において、設定されたサンプリング周期で前記測定対象信号をサンプリングして前記サンプリングデータを生成するA/D変換部と、前記A/D変換部によって生成された前記サンプリングデータから前記所定数の前記サンプリングデータを切り出す切り出し部と、前記補正部から出力される前記実効値のばらつきの程度に基づいて前記サンプリング周期を決定して前記A/D変換部に設定する制御部とを備えている。
請求項記載の実効値測定装置によれば、測定対象信号の周期が未知であることに起因して、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の波形が変動したとしても、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して発生する誤差を、実効値測定部および交直流平均値測定部に設けられた各窓掛け処理部において大幅に低減することができるため、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して実効値および交直流平均値に発生する誤差を大幅に低減しつつ、実効値および交直流平均値を同時に測定することができる。
請求項記載の実効値測定装置によれば、測定対象信号の周期が未知であることに起因して、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の波形が変動したとしても、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して発生する誤差を、実効値測定部および直流平均値測定部に設けられた各窓掛け処理部において大幅に低減することができるため、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して実効値および直流平均値に発生する誤差を大幅に低減しつつ、実効値および交直流平均値を同時に測定することができる。
請求項記載の実効値測定装置によれば、測定対象信号の周期が未知であることに起因して、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の波形が変動したとしても、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して発生する誤差を、実効値測定部、交直流平均値測定部および直流平均値測定部に設けられた各窓掛け処理部において大幅に低減することができるため、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の位相が変動することに起因して実効値、交直流平均値および直流平均値に発生する誤差を大幅に低減しつつ、実効値および交直流平均値を同時に測定することができる。
また、請求項記載の実効値測定装置では、操作部に対する操作によって入力された設定データに基づいて、制御部が、サンプリング周期をA/D変換部に設定する。したがって、この実効値測定装置によれば、操作部に対する操作により、A/D変換部のサンプリング周期を変更することができる。したがって、表示部に表示されている測定対象信号の実効値がばらつくなどして、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の波形数が少ないと判断したときには、A/D変換部のサンプリング周期を長くして、含まれる測定対象信号の波形数を増加させることができ、これによって実効値等の測定精度の低下を防止することができる。
また、請求項記載の実効値測定装置では、第1補正部から出力される実効値のばらつきの程度に基づいて、制御部がサンプリング周期を決定してA/D変換部に設定する。したがって、この実効値測定装置によれば、測定対象信号の実効値がばらつくなどして、所定数のサンプリングデータに含まれる測定対象信号の波形数が少ないと制御部が判断したときには、制御部がA/D変換部のサンプリング周期を長くして、含まれる測定対象信号の波形数を自動的に増加させることができ、これによって実効値等の測定精度の低下を自動的に防止することができる。

Claims (8)

  1. 測定対象信号についての所定数のサンプリングデータに対して窓掛け処理を施して窓データとして出力する窓掛け処理部と、
    前記所定数の前記窓データを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、
    前記所定数の前記窓データの絶対値を算出して絶対値データとして出力する絶対値処理部、前記所定数の前記絶対値データを平均して交直流平均データとして出力する交直流平均処理部、および前記交直流平均データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の交直流平均値として出力する第2補正部を有して交直流平均値測定処理を実行する交直流平均値測定部とを備え、
    前記実効値測定部および前記交直流平均値測定部が、前記実効値測定処理および前記交直流平均値測定処理を並行して実行する実効値測定装置。
  2. 測定対象信号についての所定数のサンプリングデータに対して窓掛け処理を施して窓データとして出力する窓掛け処理部と、
    前記所定数の前記窓データを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、
    前記所定数の前記窓データを平均して直流平均データとして出力する直流平均処理部、および前記直流平均データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の直流平均値として出力する第3補正部を有して直流平均値測定処理を実行する直流平均値測定部とを備え、
    前記実効値測定部および前記直流平均値測定部が、前記実効値測定処理および前記直流平均値測定処理を並行して実行する実効値測定装置。
  3. 測定対象信号についての所定数のサンプリングデータに対して窓掛け処理を施して窓データとして出力する窓掛け処理部と、
    前記所定数の前記窓データを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、
    前記所定数の前記窓データの絶対値を算出して絶対値データとして出力する絶対値処理部、前記所定数の前記絶対値データを平均して交直流平均データとして出力する交直流平均処理部、および前記交直流平均データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の交直流平均値として出力する第2補正部を有して交直流平均値測定処理を実行する交直流平均値測定部と、
    前記所定数の前記窓データを平均して直流平均データとして出力する直流平均処理部、および前記直流平均データに対して前記窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の直流平均値として出力する第3補正部を有して直流平均値測定処理を実行する直流平均値測定部とを備え、
    前記実効値測定部、前記交直流平均値測定部および前記直流平均値測定部が、前記実効値測定処理、前記交直流平均値測定処理および前記直流平均値測定処理を並行して実行する実効値測定装置。
  4. 測定対象信号についての所定数のサンプリングデータを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データに対して第1窓掛け処理を施して第1窓データとして出力する第1窓掛け処理部、前記所定数の前記第1窓データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記第1窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、
    前記所定数の前記サンプリングデータの絶対値を算出して絶対値データとして出力する絶対値処理部、前記所定数の前記絶対値データに対して第2窓掛け処理を施して第2窓データとして出力する第2窓掛け処理部、前記所定数の前記第2窓データを平均して交直流平均データとして出力する交直流平均処理部、および前記交直流平均データに対して前記第2窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の交直流平均値として出力する第2補正部を有して交直流平均値測定処理を実行する交直流平均値測定部とを備え、
    前記実効値測定部および前記交直流平均値測定部が、前記実効値測定処理および前記交直流平均値測定処理を並行して実行する実効値測定装置。
  5. 測定対象信号についての所定数のサンプリングデータを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データに対して第1窓掛け処理を施して第1窓データとして出力する第1窓掛け処理部、前記所定数の前記第1窓データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記第1窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、
    前記所定数の前記サンプリングデータに対して第3窓掛け処理を施して第3窓データとして出力する第3窓掛け処理部、前記所定数の前記第3窓データを平均して直流平均データとして出力する直流平均処理部、および前記直流平均データに対して前記第3窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の直流平均値として出力する第3補正部を有して直流平均値測定処理を実行する直流平均値測定部とを備え、
    前記実効値測定部および前記直流平均値測定部が、前記実効値測定処理および前記直流平均値測定処理を並行して実行する実効値測定装置。
  6. 測定対象信号についての所定数のサンプリングデータを二乗して二乗データとして出力する二乗処理部、前記所定数の前記二乗データに対して第1窓掛け処理を施して第1窓データとして出力する第1窓掛け処理部、前記所定数の前記第1窓データを平均して第1平均データとして出力する第1平均処理部、前記第1平均データの平方根を算出して平方根データとして出力する平方根算出部、および前記平方根データに対して前記第1窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の実効値として出力する第1補正部を有して実効値測定処理を実行する実効値測定部と、
    前記所定数の前記サンプリングデータの絶対値を算出して絶対値データとして出力する絶対値処理部、前記所定数の前記絶対値データに対して第2窓掛け処理を施して第2窓データとして出力する第2窓掛け処理部、前記所定数の前記第2窓データを平均して交直流平均データとして出力する交直流平均処理部、および前記交直流平均データに対して前記第2窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の交直流平均値として出力する第2補正部を有して交直流平均値測定処理を実行する交直流平均値測定部と、
    前記所定数の前記サンプリングデータに対して第3窓掛け処理を施して第3窓データとして出力する第3窓掛け処理部、前記所定数の前記第3窓データを平均して直流平均データとして出力する直流平均処理部、および前記直流平均データに対して前記第3窓掛け処理時の減衰分を補正して前記測定対象信号の直流平均値として出力する第3補正部を有して直流平均値測定処理を実行する直流平均値測定部とを備え、
    前記実効値測定部、前記交直流平均値測定部および前記直流平均値測定部が、前記実効値測定処理、前記交直流平均値測定処理および前記直流平均値測定処理を並行して実行する実効値測定装置。
  7. 設定されたサンプリング周期で前記測定対象信号をサンプリングして前記サンプリングデータを生成するA/D変換部と、
    前記A/D変換部によって生成された前記サンプリングデータから前記所定数の前記サンプリングデータを切り出す切り出し部と、
    前記サンプリング周期を設定するための設定データを入力するための操作部と、
    前記操作部に対する操作によって入力された前記設定データに基づいて、前記サンプリング周期を前記A/D変換部に設定する制御部とを備えている請求項1から6のいずれかに記載の実効値測定装置。
  8. 設定されたサンプリング周期で前記測定対象信号をサンプリングして前記サンプリングデータを生成するA/D変換部と、
    前記A/D変換部によって生成された前記サンプリングデータから前記所定数の前記サンプリングデータを切り出す切り出し部と、
    前記補正部から出力される前記実効値のばらつきの程度に基づいて前記サンプリング周期を決定して前記A/D変換部に設定する制御部とを備えている請求項1から6のいずれかに記載の実効値測定装置。
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